決算委員会決算審査に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 170 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/02/26
会議録
○委員長(谷口弥三郎君) それでは只今から決算委員会の決算審査に関する小委員会を開催いたします。 先ず第一番に、大蔵関係の方面から先に御審議を願います。
○カニエ邦彦君 大蔵関係の百五号の批難、百六号、百七号、百八号、この四件くらいに亘つて順次一応大蔵省の側から一つ御説明を願つたらどうかと思うので、それで今の四件に関して順次一つ御説明を願いたい。
○委員長(谷口弥三郎君) それでは第百五号、第百六号、第百七号、第百八号の四件につきまして、大蔵省のほうから一応説明を願います。只今四件と申しましたが、ここに一列になつておりますから百九号、百十号、百十一号、百十二号までの八件について御説明願います。
○説明員(羽柴忠雄君) それでは百五号から百十二号まで一括して御説明申上げます。 これは東京国税局ほか三国税局と、国税局にいたしまして四局ございます。それから税務署にいたしましては日本橋税務署ほか四十署、従つて税務署といたしましては四十一署でございますが、全部で四局四十一署の架空名義支払、こういうことに相成つておるわけでありまするが、年月を申上げますと、昭和二十四年の二月から二十六年の九月までに架空の自動車使用料であるとか、或いは会場の借上料というような名義によりまして支出いたした分でございます。それで全額を申上げますと、一千七百十万三千三百四十三円に相成つておりまするが、そのうち実地検査の当時に現金保有いたしておりました分が六十六万五千七百八十六円ございますので、それを差引きました分といたしまして一千六百四十三万七千五百五十七円、これが実質的に架空名義として、指摘されたわけでございます。そこで大体の内訳を申上げますと、食糧費、接待費関係に一千六十八万八千五百三十八円、それから物品購入代に二百四万七千七百五十四円と、それからそのほか三百七十万一千二百六十五円、合計いたしまして千六百四十三万七千五百五十七円を使用しておるわけでございます。 そこで次に百五号から百十二号まの各項目につきまして御説明を申し上げます。百五号は東京国税局及びその国税局の管轄内の日本橋税務署ほか二十税務署につきましての問題でございます。これの主なる点を御説明いたしますと、東京国税局につきましては、自動車使用料というような名義、まあこれはその他いろいろ名義はございますが、そういう名義で支出をいたしまして、食糧費とか接待費或いは物品購入代に使用しておるわけでございます。もう少し詳細に申し上げますと、例えて申しますと、借料、損料、それから手数料、こういうような名義で以ちまして架空支払いをしまして、実際は物品購入費、それから身体検査手数料とか、或いは検察庁、警察等の打合会費、こういうようなものに支出いたしておるわけでございます。この金額が十万五千三百六十二円でございます。そのほか調査委託費というような名義を以ちまして、直税関係の打合会議にも充当しておる部分があるわけでございます。それからそのほか借料、損料、それから旅費、印刷代というような名目を以ちまして、講習生の税法打合会議費或いは講師の手当、アルバイト賃金等に充当しておる部分もございます。これが約百三万ございますが、そのほか大体こういうような支出を合計いたしまして、全部でここにございますように千九十二万以上の使用をいたしておるわけでございます。 それから次の百六号以下につきましても大体同じような経理をいたしておるわけでございまして、百六号は関東信越国税局、それから同局管内の大宮ほか五税務署、これは大宮のほか行田、春日部、高崎、桐生、新潟の各税務署でございますが、これにつきまして、自動車使用料等の名目を以ちまして、食糧費、接待費、物品購入代は充てておるわけでございます。一例を申上げますと、大宮署におきまして、借料、損料、それから雑役役務費、運搬費、こういうような名目を以ちまして、検察庁とか、警察、市町村その他の打合会議費に充当をいたしております。 それからその次の百七号でございますが、これは札幌国税局の関係でございまして、これは札幌局並びに同局管内の札幌ほか四税務署、即ち札幌、石狩、小樽、岩見沢、滝川の各税務署におきまして起つた問題でございます。これは委託費等の名目によりまして、食糧費、接待費、修理費等に充てておる、こういう分でございます。それでその一例を申上げますならば、札幌局におきまして、通信運搬費、借料、損料というようなものを以ちまして、外部の委嘱したかたの来客等に食糧費を払つておるとか、或いは機関紙の発行の補助に充てている、こういうような現状でございます。この金額が合せまして百四万四千四百五十九円に上つております。 それからその次の百八号は、仙台国税局の管轄内の塩釜、大河原、山形、各税務署に関する架空支払の問題でございまするが、これは自動車の使用料というような名目その他ございますが、これを以ちまして、やはり同じく食糧費、接待費、物品購入代に充てておるわけでございます。例えば塩釜署の例をとつてみますると、借料、損料とか、手数料或いは広告料というような名義を以ちまして、密造取締関係の会議費或いは物品購入代に充てておるわけでございます。それで仙台局全部をトータルいたしまして、百七万以上の金額に上つております。 その次が百九号でございますが、これは金澤国税局管内の輪島税務署についての問題でございます。これはやはり自動車の使用料等の名目を以ちまして、食糧費、接待費、修理費等に充てておるわけでございます。この金額がしめまして四十一万一千三百九十一円に上つております。 その次に百十号でございますが、これは広島国税局の関係でございまして、広島国税局及び広島国税局の管内の三原、倉敷の両税務署におきまして起つた問題でございます。これは委託費等の名目を以ちまして、やはり食糧費、接待費、債務弁済等に充てておるわけでございます。例えば広島局の例をとつて申しますると、調査委託費、それから借料、損料というような名義を以ちまして職員の宿舎資金の借入金の利子に充当するとか、或いは東京に宿泊する場合の夜具の購入などに充てておる。まあこれをしめまして百五万以上の金額に上つておるわけでございます。まあこういうような関係になつておるわけであります。 その次の百十一号でございますが、これは浜松国税局管内の松山税務署における問題でありまして、借料、損料であるところの会場借上料の名目を以ちまして、食糧費、接待費、賃金等に充当しておるわけでございます。大体その内訳を申上げると、市町村、警察その他の各種の会議費或いは職員の福祉関係或いは臨時職員手当、こういうようなことに会場借上料の名目を以ちまして充当をいたしたわけでございます。これの数字は、金額は二十六万二千七百三十二円と相成つております。 最後に百十二号の熊本国税局管内の問題につきましては、熊本国税局管内七つの税務署に関する問題でございます。これはやはり自動車使用料等の名目を以ちまして、自動車使用料、修理費等に充てておるわけでありますが、一例を申上げますると、熊本署におきましては、借料、損料という名義を以ちまして自動車の修理とか、或いは物品購入、トラツクの借上保管料、人夫賃その他の会議費に充当しておるわけでございます。これの金額も合せまして四十四万以上に上つておるわけでございます。 従いまして、全体を通算いたしまして、実質的に千六百四十三万七千五百五十七円、それに現金の保有高を合せまして千七百十万三千三百四十三円になつておるわけでございます。 大体現況は以上のごとくでございます。
○カニエ邦彦君 只今の説明に対して検査院のほうから特に意見があるというようなものがあれば、その意見について述べてもらいたいということが一つ。それから次にまあ検査院に伺いたいのは、二十五年度の国税庁関係、税務署関係は、全体の税務署並びに国税庁に対してどのくらいの。パーセンテージに検査が行届いておるかということ、これは前年度、二十四年度については大体三分の一程度にしか至つていないと、たしか記憶しておるんですが、この年度においてはどのくらい行われたかということ、これを先ず伺いたい、それから次にはたしか前年度も、前々年度も、その前もずつとこのケースによるところの同種類の批難がたしかあつたと記憶している。で、これは先ずあつたかなかつたかどうか、あつたとすれば、年々この同じ種類のクースの批難を検査院がやつておつて、そうしてそれが少しもなくならないということ、これについて検査院はただ単に検査をしてそれを指摘しておるのにとどまつておるのかどうか。この点は我々としては相当重要な問題であるということは、去年はあつたが、今年はなくなつたというならいいが、去年もあつたし、一昨年もあつたし、一昨昨年もあつたし、従つて今後もあるというようなことになり得れば、これは国会としても相当考えなければならん。こういうことが絶えないというなら、やはり絶えない原因をはつきりせしめて、検査の制度をやめるとか、或いは予算措置において、かような無理の起らないような方法を政府をしてなさしめるとか、いずれかの考えをせなければならないと思います。その点について検査院はどう考えておるか、以上について検査院から一つ御説明を願います。
○委員長(谷口弥三郎君) それでは検査院のほうから今までの三点について御説明を願います。第一局長。
○説明員(池田修藏君) 只今の第一につきまして、ここに只今議題に上りました架空経理の案件につきまして国税庁から御報告がございまして、事態の内容はよくおわかりと思いますが、特に只今御説明になりました事態そのものについては特に意見はございません、国税庁のおつしやる通りでありホす。ただそれに附加えて何か関連した意見があるかという意味と存じますが、それにつきましては、こういう架空経理をしなければならん原因がどこにあるか、又これに対する対策はどういうふうに考えておるかという点につきまして少し申上げますと、こういう架空の経理ということは、会計の秩序を紊り、又こういうふうに正当の金額から出さないで、ほかの科目で出して、現金を持つて、それで自由な経費に使うということは、経理そのものが架空であるばかりでなく、現金を手許に持つておるわけですから、その現金がここでは、この実際の結果からいいますと、大体国費と認められるものに使つてありますから、ただ経理が形式上よろしくなかつたということで、使つた経費は結局は国のために使われたものが大部分でありますから、実質の国損というものは先ずないと考えられますけれども、それが仮に現金で私腹を肥すとか、或はほかの経費に使われるいとうことがあれば、これは非常に重大な案件でありますので、そういう結果を来たす温床ともなりはせんかという意味で特にここに批難をしてあるわけであります。 それともう一つ、なぜこういう経理をしなければならんかということにつきましては、予算の組み方なり、それから組んだ予算を実際の実施部局に配付するときの配付の仕方に多少不合理といいますか、多少まずい点がありわしなかつたか。というのは、全体の予算としてこういう食糧費とか、接待費、これが本当に要るものであるならば、それを正当予算に組みまして、その正当予算から出すのが最も妥当ではないか。若し食糧費、接待費、交際費として、これだけの金は要らないものであるという判断がつきますれば、今の金額でいいと思いますが、私どもやはり検査に行きまして、相手官庁の実際の部局のお話を伺つてみますというと、どうも今持つているこの予算では或いは不足ではないだろうかという感じを持つものであります。それじや今の金額よりもどれくらい殖やしたらいいかということにつきましては、直ちに結論は出ておりませんけれども、全体から受けた感じは、やはり今の食糧費や交際費は幾らか不足ではないか、そのほうをむしろ増額する必要がありはしないか、そうして出した以上は、例えば六千万円なり、七千万円なりという金額がきまりましたならば、飽くまでその線を堅持して行くというような方針で進むほうが、会計秩序全体を正道に戻すゆえんであると思つてもるのであります。それからもう一つは、この食糧費、接待費が不足しおりますが、実際はその経費として使用料とか、借上料から出した金を使つておりますから、そのほうの金がむしろ余つているのじやないか。そのほうが余るから、それから融通がきくから、それから出して不足のほうに使う、それならむしろ余るほうを削つて足らんほうに廻すように、初めから編成をそういうふうにはつきりすればいいじやないか。その代りきまつた以上ははつきりけじめをつけて使う、そういうふうな予算の編成方針をまず立てて行くべきじやないかというのが一つございまして、その次は実施部局の予算の執行面におきまして、ここで御覧になりましてもおわかりでございますように、局でこの事件の起つたものは比較的少ないのでありまして、むしろ税務署で余計に起つているわけであります。そこで税務署でどうして起るかといいますと、これは局のほうから税務署に対して予算の配付のやり方が少ないのじやないか、局のほうにとどめて、実際税務署のほうで金が少ないから、やむを得ずこういうような経理をするのじやないか、それなら局のほうから必要な経費に不足を来たさん程度の金を潤沢に、潤沢と言つても贅沢ではございませんが、必要にして十分なる経費を実施部局の税務署に配つてやればいいのじやないかということを考えているのであります。そこでこれらにつきまして、私のほうでは昨年検査報告に出しましたあとも、単にそれを比較するだけにとどまらず、国税庁の当局に対して、これが改善策については十分御留意のことと思いますけれども、更にその対策の具体的な事項をお尋ねしたいという質問を出しまして、国税庁のほうからそれに対する回答も参つております。その主なる点を申上げますと、三点ございまして、適正な予算の確保ということは、先ほど私たちが申上げましたように、適正な予算額の確保をする。それから二点につきましては、会計監査の制度の実施をやる。これは部内監査でも、国税庁関係の内部における部内監査を更に拡充し、充実して行く、これは従来もやつておられたのでありますが、更にその内容実質に亘りまして、予算の適正な効率な支出について監査を十分充実して行く、現にこれは具体化されているようであります。それから会議の経費が幾らか不足だから、そういうことも起るということがあるかも知れませんが、やはり今の経費の中でも幾らか放漫と言いますか、緩んだような点もあると思われるから、その点については更に緊縮して、限りある予算を以て賄なつて行くというような対策を講じているという返事が参つているようであります。それから更にそれに対しまして、細かな手続的なことでありますが、予算をどういうふうに実際部局に配つているかとか、或いはこの借損、今の自動車の借上料とかの経理は、どういうふうに実質上やつておられるかの点につきましても、非常に会計技術の細かな点でありますから、一々申上げませんが、そういう点につきましても詳細な対策を講じておられるということを大体見ましたので、私どもとしては更にそれが強化され、実施されることを望んでやまない次第であります。 それから二十六年度の案件につきましては、二十六年度の検査報告がすでに皆さんのお手許に上つておるかと思いますが、昨年、二十五年度においては千七百万円の架空経理でありましたものが、二十六年度においては三百九十万円に架空経理として私たちが発見しましたものは減つておる実情でございます。これがそのまま、千七百万円がそつくり三百九十万円に減つたのか、或いは私たちの発見が不十分で、或いは漏れたものがあるかも知れませんが、とにかく私たちが見まして、全体の感じとしましては、具体的な、先ほど申上げましたような対策を講じておられることも認めますし、全般の感じとして自粛しておられることは、その誠意の現われは十分汲み取ることができると思つております。 それから二十五年度は何割くらいを検査しておるかという問題でございますが、大体検査個所から言いますと、六百十九カ所検査すべき個所がある中で、検査をしましたのは、これは実地検査でありますが、書面検査は全部やつております。実地検査において二百十一カ所であります。そこで大体四割くらいは行つているということになります。更にこれを金額にしますと、大体七割から八割くらいは見ておるわけであります。それは金額の大きいところを選んで行きますから、個所としては四割ですけれども、金額にしては七、八割は見ているという結果になるわけでございます。
○委員長(谷口弥三郎君) 羽柴さんにはそれでよろしうございますか。
○カニエ邦彦君 そこで四割の検査を仮に六割なおやる。そして一〇〇%の検査をするということになると、この架空経理の千七百万円というようなものが一体どうなつて行くか、これは仮定の問題でありますから、ここでは議論はいたしません。併しながら、この事件のここに上つて来ておる内容を見ますると、殆んどこれはもう同じような経理のものです。それからもう一つは、やつておられるところがやはり税務署関係が多い。国税庁もあるが、税務署関係が多い。そうすると、殆んどの税務署がやはりこの調子で、額は別として、大なり小なり殆んどやつておるのじやないか。四〇%、四割を検査してこういう結果というものが出て来た。併しあとの六割は野放しになつておるわけだ。無検査になつておるわけだ、実地検査としては……。それを若しやつたとすれば、一体どういう結果になるか。これは非常に検討をせなければならん問題じやないかということ。それからもう一つは、架空経理の今報告されたような内容のものが、個個の具体的な事例として行きますと、これに対するいろいろな形は、今説明されたようにいろいろなものがあるわけですが、いずれにしてもこれらのものは全部領収書はちやんとあるのですか、検査されたときに検査員のほうで……。それはどうなんですか。
○説明員(池田修藏君) 領収書は大体半分から六割くらいはございますが、あとは領収書のないものもございます。それから正規の領収書じやなくて、仮の領収書みたいなものがあるのもございます。それからそういうものも何もないものは、相手官庁の証明書で、こういうものに使いましたという証明書で、そう使つたということにしております。
○カニエ邦彦君 そうすると、そういう領収書が残つておるのはとにかくとして、或るものは架空のものだから、つまり架空の領収書、こういうことになるわけですね、実際は……。
○説明員(池田修藏君) 只今私が申上げましたのは、これは実際に支払つております。国の支出として出すときには正規の領収書は小切手を受取るわけですね国から出しますときには……。その小切手は正規の、例えば甲なら甲という人に払つたことにして、実際甲という人が受取つておるものもありますし、それから裏書を別人にしたのもあるし、ほかの人の名前で領収書を出しているものも、種類はいろいろあります。
○カニエ邦彦君 そうすると、そういうようなことをやつておることについては法律上はどうなんですか。民間の場合、会社の職員がさようなことをやつておる場合には法律上やはり問われると思うのですね。ところが役所の役人がやつた場合には、その金の使途が不当に使われたか、或いは又正当に要るものとして使われたかは別として、いずれにしてもあるべからざるものをあるようにし、それから払つてないものに対して払つたことにしておるというようなことは、これは当然その文書自体を偽造しなければできないと思うのですがね。それはそういうことになつておるか、或いはそういうことになつていないのかどうか。
○説明員(池田修藏君) そういうふうに公文書偽造になつておるものもあります。現に公文書偽造として刑事裁判の判決のあつたものもございます。例えばここの百八の大河原税務署の分は公文書偽造として判決になつております。併しそれ以外のところについては判決はありませんが、多少やはり公文書偽造と言えば偽造の部面もあるかも知れませんけれども、大体はやはり手続としては一応公文書偽造にはならないものが大部分だと思つております。と言いますのは、小切手を、例えば甲なら甲という人に払う小切手を、税務署の職員が自分が裏書きしまして自分で受取るというふうな場合はこれは公文書偽造にはならないと思います。
○カニエ邦彦君 公文書偽造にならなくても、私文書偽造になるわけですね。いろいろなそういう関係上委書偽造にならなくても私文書偽造ということにならないのですか。
○説明員(池田修藏君) 今の裏書は、つまり甲という人から税務署の職員が小切手の裏書を受けたのでありますから、私文書偽造とは言えないものと思うのでございます。
○カニエ邦彦君 いずれにしても、そういうような不正な文書が、作為的になされた行為に対して全部が全部検査院が検察庁に報告をし、或いは検査院として適切な検察当局に対する措置を行なつているかどうか。恐らく私はよほど検査院の場合、悪質なものでない限りそういうことを行なつていないと思つておるのです。それは先ず行なつているかどうか。行なつていないということになれば今後はやはりびしびしと行わなければいかんと思うのだが、その点はどういう考えでしようか。
○説明員(池田修藏君) 只今の点でございますが、検査院事項に、会計職員の犯罪と認めるものがあるときは検察庁に申告するということになつておりまして、これはどうも明らかに犯罪と認められるという確信のある場合については通告をやつておりまして、検査報告にその事案は載つております。二十五年度にも、二十六年度にも載つております。併しながら、いやしくも検査院が権限に基きまして相手方に犯罪があると認めて通告をすることでありますから、それは軽々しくなすべきでありませんで、成る程度の資料なり、そのほかの事実に基きまして、信念を持つてない限りはそう軽々しく犯罪としての通告を正面玄関からするわけには参りませんので慎重に取扱つておる次第でございます。それから実はこういうふうな公文書偽造的な犯罪、形式的な犯罪、これは或いは検察庁に行きますと公文書偽造として起訴される。或いは判決になることがあるかも知れませんが、こういう形式的な単なる事務処理的な犯罪を一々通告してもらつては、検察庁のほうでも、或いはそのうち不起訴になるものがあるかも知れないし、事務の処理に却つて煩瑣に堪えないから、一定の限度を設けまして、この程度のものは特に通告してもらつて決して悪いことはないけれども、むしろいいことであるけれども、まあ事務処理の簡素化の意味からも通告は特には要らないというふうな、極くまあ軽微なものであるもの、そういうようなものにはまあ了解というようなものもございまして、その線に沿つて通告の処理をやつております。
○カニエ邦彦君 検査院で或るその限度をきめておる、その限度が私は問題であろと思うのです。その限度は検察庁のほうでは煩瑣で困ると言つても、軽微なものにまでその限度を、まあ基準をですね、基準をやはり落してやつてもらわないと、これが絶えないと思うのですね。絶えない。で、先ほども私が言つた通り、これはただ単に二十五年度ですが、二十六年度にもある、又二十四年度にも二十三年度にもある、年々これがあるんで絶えないですよ。つまり言うと……。絶えないということは、そういうことをやつても極めてその悪質な、極悪なものでない限りにおいては何らとがめられない、役人は……。やつてもとがめられないというところに問題があるんですよ、恐らく……。仮にあなた考えてみなさい、仮にその飲食費が足らん、交際費が足らんとしたつて、さようなことをやつて、間違つた領収書、間違つたいわゆる支払いをやつて、こういう架空な経理をやつたならば、直ちにこれはもう僅かなことでもくくられるということになつておれば、上司がやれと言つたつてやれるものではございません。やりません。ええ。だからその点を、検査院もだ、政府との間において、或いは検査院と検察庁の間において妥協すると、ね、悪い言葉で言うならば闇取引をしておるからいかんのだ。私はこう考えておる。だから検査院がもつとこういう軽微なものについてもですね、やはりどしどしと強硬にやつて行くということであれば、全然なくなるとは言えないにしても、非常にその数が減じて来る。年々少くなつて来るということになりはせないかということですね。これはまあ一応、一局長の問題でありませんから、最後に検査院当局に対しての、まあ事柄になろうと思います。 それからもう一つは、こういう経理が今検査院の報告によれば、直接国損にはなつておらない。調べたところ直接国損とはなつていないが、併しながら、これが不当行為の誘因になると思うと、これは当然になると思う。これはもう当然であると思う。だからこの誘因になるような、そのところでこれを何とか抑えなければならん。で、私はもう一つ念を押して聞いておきますが、このこういうような不当経理においてですね、直接国損となつていないということがはつきり検査院がここで言いきれるかどうか。そういうものはありませんと、ここではつきり言いきれるかどうか。まあ言換えますと、このこういう不当経理をやるついでに便乗すると、便乗して、そうしてたとえ何万円か、その中からぽつぽつ入れておくというようなことが絶対ないと思うかどうか、そういうことがないと思うかどうかということですね。
○説明員(池田修藏君) 只今の国損の問題は、これは非常にきわどいところもありまして、どこまでが国損であり、どこから以上は国損でないかということは、線の引き方で多少見解の相違もあるかと思いますが、少くとも私腹を肥すとか、自分の懐に入れたというものは一つもないと認めております。それで先ほど申しました国損になるかならんかの問題でありまするが、例えば食糧賃で、一人当り何百円くらいは国の費用として妥当であろうか、例えば一人五百円とか、三百円とか、その会を開いた人の階級によりまして、或いは部外から来た、例えば渉外関係とか何とかの人であれば、或る程度単価は高く出さなければならんだろうし、署長程度ならどのくらい、或いは村の町村長とか、税務の主任の程度ならば一人当りどのくらいというこの判断がいろいろあると思いますが、少くともまあ私たちの見ますところでは多少の度を過ぎたと思われんかと思うものもありますけれども、どこからが国損であり、どこからが国損でないという線は、今直ちには結論は出ておりませんが、まあおおむね国損ということには至るまい、こう思つております。
○カニエ邦彦君 国税庁のかたに伺うのですが、今日は国税庁を代表して、責任を持つた国税庁としての答弁ができ得るかどうか、でき得る人が来ておられるかどうか、それを一つ伺いたいと思います。
○委員長(谷口弥三郎君) 国税庁次長。
○政府委員(原純夫君) 私、国税庁次長の原でございます。
○カニエ邦彦君 それでは国税庁は今更もう我々が言うまでもなく、税務行政を担当されておる官庁として、その官庁が民間の一会社、一私企業に至るまで、帳簿その他の部類について、かような一体不正な経理をやつておるようなものを発見した場合に一体どうしておるか、これは恐らく私は国税庁は徹頭徹尾メスを入れておやりになつておる。然るにそれをやらねばならない、やつておるところの国税庁自身が、内部において、税務署において、国税庁においてですね、かような一体国民を瞞着するような経理をやつておるということに対して、国税庁の業務の性質から言つてですね、一体国税庁はどう考えておるか、それをお答え願いたい。
○政府委員(原純夫君) 御指摘のありました通り、税務当局は、その金の使途につきまして、通常の官庁以上に慎重でなければならないところだと考えております。従いまして、検査院からいろいろ御指摘を受け、又皆さんからの御叱りをこうむるということがありますのは誠に申訳ないことであると思つております。その意味で、戦後長い間税務行政が混乱しておりました間、行政自体の混乱のほかにこうなりまして、いろいろ会計経理の面で遺憾な面が多かつたということを非常に恥入つている次第でありますが、漸くここ数年、我々はこれを税務の平常化と申しておりますが、やつと非常な混乱から一応何とか秩序が保てるという状態、これはこの経済一般の安定化に伴うものでありますが、それに伴いまして、税務行政も或る程度秩序に乗り得るというような状態になつて来ておりますんで、この機会に、本日問題にされておりますような会計経理面の不当なことをなくそうということを努力して参つておりまして、この点については常々そういう努力を続けているのでありますが、只今、実はそういう面で特に税務行政が努力をして、一日々々改善するということが一つの非行事件、一つのこういう指摘事件で、いわばもう非常に崩れて行くということを、我我部内で特に強く反省をいたしまして、そういう事柄の予防措置を講ずる、或いは事後の処置につきまして、従来以上にじつくりした態度でやりたいという考えでいる次第でございます。
○カニエ邦彦君 今国税庁から答弁された、そのあなたが今言われた事柄と同じことは、我々はもうすでにここ何年間以来聞いている言葉であつて、これは仏の顔も三度ということがあるが、もう四度、五度となれば、一体あなたの今言われていることが、国民に対して通用するかどうか。これがあなたの言われる言葉が去年もこういうことがあつたが、併し不幸にして今年もというのなら、それもいいのです。又聞きようもあるのです。或いは又終戦直後の日本経済の混乱時におけるその一、二年の間であるというのなら、これも又肯けるのですよ。そうじやないのです、本件は……。本件と同様なものは年々、而も国税庁においてこれが行われて来ているのですね。而も二十六年度に至つて、これからまさに審議せんとする中にもすでにこれと同じものが入つておる。だからそれに対して国税庁はどう考えておるか。ただ遺憾でございます。今後は注意いたしますと、そのときだけ言つてそれで終るなら、何も国会も決算委員会も要らないのですよ。我々が言つているのは、一度は一度で注意し、二度は二度でこれは又厳重に注意する、三度目になればどうだ。四度、五度になつて来れば、そうは行きませんよ。それに対して毅然たる、一応国税庁として二十八年度からにおけるところのこの経理について、どういう覚悟と、どういう信念を持つているか。それを一応国税庁を代表して、ここではつきりと述べてもらいたい。
○政府委員(原純夫君) 確かに何度も同じことを申上げながら跡を絶たないということについて、御非難を受けまする点は、誠にそれに対する言葉はございません。すべてお答えする途は実行にあると思います。実行によつてお答えをいたさなければいけないと考えております。そこで、只今それではどういうふうに考えておるかというお尋ねでございまするが、丁度年度がこれで変る時期でございますが、従いまして我々税務の方針を考えますにつきましても、新たなことを考え、又気持を新たにする時期でありますので、先般来いろいろ会議もいたしまするし、部内におきましても練つておりますことの一つに、特に大きい一つとして、会計経理の不正をなくする。只今申しましたように、百の課税面における努力も、一つの非行事件、一つの会計経理の非違によつて国民の信頼が地に墜ちる。又こういう席で申すのもおこがましいのでありますが、我々この戦後の混乱いたしました税務行政、これはもう納税者の側においても、非常に申告も低いし、まあいわば双方で非常に混乱しておつた時期が続いたのでありますが、これを脱却するについても、税務行政を信頼の上に乗せろ、信頼に基く税務行政を打ち立てようということを二十五年の暮以来標榜してやつているのでありますが。あえて申しますのは、誠にそういう打ち出し方に対して、こうしたいろんなことがあるのは申訳ないという以上に、一方で努力していることが、片つ方でざくざく崩れて行くというようなふうに思いますので、その点を特に強調いたしまして、会計経理については絶対に非違のないようにということを国税庁の大きな方針としてすでに掲げ、具体的には、はつきりした形といたしましては、二十八年度の事務計画というのが只今作られつつあるわけでありますが、その中の非常に大きな項目として取上げて参るという考えでいるわけであります。いろいろ税務行政の方針といたしましては各般の問題がございます。例えば申告所得税における調査の科学化とか、或いは滞納整理の問題とか、それぞれ取上げましても非常に大きな問題があるわけでありますが、税務行政をやつております者の只今の気持は、個々のそういう仕事を組織化し、しつかりやるということは勿論、まだまだやるべき面があると考えまするが、全体としての規律をしつかりする、特に会計経理の面における規律というものが、そういう意味では只今申しました通り税務においては特に重事なものであるという意味から、特に重点といたしまして取り上げて参る、その他職場全体に亘りました能率、簡単に申しますれば能率でありますが、要するに働こう、ということ語弊がありますが、大いに創意工夫をし、それぞれ力を尽して能率を上げて行くということによつて、まだまだ及第点に遠いと思われる税務行政を画期的によくするというような考え方、つまり全般的な規律、秩序を回復し、皆が一緒に力を合してしつかりした働きをして、行政の内容を高めて参るということが必要な段階だというような考え方から、特に大きな項目としてこれを取上げてやつて参るつもりであります。千万言を費しましても、御指摘の通り事実によつて申上げなければならんことでありますから、余り長く申上げたくないのでありますが、税務の只今の段階におきます我々の気持をかい摘んで申し上げる次第であります。
○宮本邦彦君 私はここに挙つておる百五号から百十二号までの架空支出について、各局でもいいですが、この決算額に対してのパーセンテージの一等大きいものと一等小さいものを、会計検査院のほうからおわかりでしたら承わりたいと思います。
○説明員(池田修藏君) 全都について正確には調べておりませんが、これは暫定的に申上げますが、東京国税局の分が一番大きいと思つております。小さいものは調べておりません。
○宮本邦彦君 先ほど会計検査院のほうからお話があつて、これは必ずしも国損じやない、行政能率を上げて行くというような意味で以て非常に役に立つている面もあるのだというような意味で以て御説明があつたように思うのですが、そういう若しも御見解だとすれば、やはりこれは必要経費の一部分であつて、予算項目にそういうものが不足しておつたということに解釈していいんでございましようか。
○説明員(池田修藏君) 先ほど申上げましたうちで、あれは国損にならないというのは、今のところ先ず最終結論には達しませんけれども、大体において国損になるものはなかろうということを申上げましたので、或いは更は調査しますと、国損になる部分が、例えばその程度を超えている、一人千円の夜食代は高過ぎるということもあるかも知れませんが、そのほかにも国損のものがあるかも知れませんが、大体においての大見当から申しますと、大体国の費用に使われている費用である、特にそれが役に立つているかという点になりますと、まあこの程度のものはやはり例えば密造取締とか、或いは今年、二十五年度にはございませんでしたが、例の火焔びんの襲撃なんかございますと、宿直をしなければならん。ところが一応警察官のほうに依頼するわけですね、その警備を願いたい、ところが警察官のほうも人手不足だから、成るべくならあなたのほうでやつてもらいたい、そうすると、一人や二人の宿直でありませんから、五人なり、六人なりの宿直を置く、税務署の職員が百人おりますか、或いは百人足らずのところもありますが、そのうち大人、七人が宿直しますと、女の子は宿直できませんから、男がやりますが、一週間なり四、五日おきには宿直をしなければならない。それから昼間は昼間で納税の督促なり、その他に行かなければならん、そういうような意味で居残つたときに超過勤務手当の経費が出ますが、これとても潤沢でありませんから、まあ激励と言いますか、慰安と言いますか、若干の食糧費でも出して気勢を挙げるというふうなことは或る意味においてやむを得ないのじやないだろうかというような意味で申上げました。
○宮本邦彦君 今までの会計検査院並びに国税庁のお話を承わつておりますというと、やはりこれは或る程度は心要な経費というふうな御説明が含まれているように解釈してもよろしいのでございましようか。
○説明員(池田修藏君) 或る程度はそういうふうに考えてよろしいかと思つております。その範囲がどの程度であるかは、これはよく研究しませんとわかりませんし、又研究しましても、その判定をどの点に置くかということは、これは見解の相違で、どこで線を引くかということはおのおの見方によつて多少違うと思います。
○宮本邦彦君 会計検査院では長い間こういつた検査をなすつておられるので、たくさんの資料をお持ちのはずなんでございます。そういつた資料から、少くとも会計検査院としての或る一つの目標をきめようと思えばきまることなのでございますが、そういうことをお考えになつたことがおありでございましようか。
○説明員(池田修藏君) そういう考えを以ちまして、今なおこの二十五年度の案件につきましても調査中でございます。
○宮本邦彦君 これは必ずしも国税庁ばかりの問題ではないと思うのでございますが、議題が国税庁でございますから、国税庁のほうへ伺いたいと思うのです。予算をお組みになるときに、このくらいは必要だといつて要求されると思うのです。恐らくその要求は部内で以て査定されてしまうということで、大体陽の目を見ないのが普通であつて、そのいよいよ最後に承認されたという額は、これは皆さんの御要求から見れば雀の涙というようなものが、大体こういう費目では実情ではないかと思うのです。それがどのくらいな見当と言いますか、割合になつておりますか、初め皆さんのほうから御要求になりました額と、実際に予算として御承認になられて予算となつた額と、それの割合が若しおわかりでしたら承わりたいと思います。見当でも結構でございます。
○政府委員(原純夫君) はつきりした割合までは実は私は只今記憶いたしておりませんですが、おつしやる通り、要求いたしました額に対しまして成立いたしました予算の額は相当少ない。恐らく半分以下であろうと考えております。
○委員長(谷口弥三郎君) ちよつと今のに関連して私から……。そういうような場合、一国税局とか、或いは一税務署として、どれくらい食糧費とか接待費とかいうのの支出をされているかわかりませんか。
○政府委員(原純夫君) 食糧費と申しますか、会議費という項目で載つているのでございますが、これは合計約五千万程度でございます。これが全国五百三の税務署、それから十一の国税局、国税庁というところで使用になりますので、まあ税務署当りにいたしますと、全部税務署で使うとして十万円程度でございますが、局等で使いますので、それが何割か減つて参るというような状態でございます。
○宮本邦彦君 私はこの際御無理な御要求かも知れませんけれども、会計検査院として、先ほどそういう問題について調査中である。研究はしておるという御答弁がございましたが、若しも途中でも結構でございますから、そういつた資料の大まかな御調査がありましたならば、その御資料を本委員会に御提出頂ければ好都合かと思いますので、委員長にお諮り頂きたい。
○委員長(谷口弥三郎君) 只今宮本委員の御請求になりました資料を一つお作り願いたいと思います。
○説明員(池田修藏君) 只今のは事務当局で今調査中でございまして、これは公けの委員会に差上げるまでにはもう少し手を経ませんと外部に発表できませんので、相当時日がかかると思いますが、その御了解だけ頂きたいと思います。
○瀧井治三郎君 国税庁のほうにお尋ねいたしますが、大体私らは一中小産業人ですが、末端の係官が見えますときには、相手のほうへ行つてお茶ぐらいは飲むが、絶対菓子には手をつけないというような厳粛な立場で努力されていることは現に見ておるのです。調査のつもりでおつてはなかなか時間通りになりません。十一時、十二時くらいまでかかるときも、それが一日じやなくて一週間ぐらいも続く場合があるのです。こういうような面から見まして、いろいろと想像いたしますと、国税庁或いは税務署においても、大体目星をつけて、どこそこのほうは、仮に大体一千万は出るだろう、その目標で一つ君は四、五日行つて努力して来いというようなことで出かける。こういうようなことになれば、勢い時間に糸目をつけずに頑張らなければ、とにかく成績が上らないし、そうだと言つて防がなければそれは上らない。上らなければ、結局まあ誠心誠意努力したが、結果が上司の予定の希望、示されたような成績が出なければ、結局上司に対しましては申訳ないというような気分にも陥りやすい。かような面から見ますと、私は半面、丁度警察の行政事務とよく似たようないろいろの苦しいところもあるだろう、かような面から考えまして今宮本委員からも何回もお尋ねになりましたけれども、結局それはその方面の経費が足らない、足らないから、何とかこれをやり繰りしなければならないというところに批難事項が生れて来るわけであります。これでは年々批難事項は生れて来る。この点と、そうしてこの国税庁の実際の事務そのものが、尤も各役所とも重要でありますが、特に事務の性格から言つて、勿論このほうに思い切つて予算を取つて、そうしてそういうようなことが全然ないようにすると同時に、この勘定科目についても十分一つ融通性のつくような弾力性を持たして、一つ無理のないところをやつて頂いて、一方こういうような批難事項を、国税庁の性格上とにかく絶滅するというような方法でやるのが、私はやらなければ駄目だと思いますが、そのお考えは如何ですか。
○政府委員(原純夫君) おつしやる通りだと思つております。実は今まで、余りそういうことを申上げますと、少し失礼と思つて申上げなかつたのでありますが、やはりお察しの通り、予算ではどうにもならないような面がございますが、一方でやはり税務を円滑に執行しますために、どうしても要るという場合があるのです。そこでそのために何か手を講ずるということは止むを得ない場合があるわけなんでありますが、申上げませんでしたのは、我々国税庁におるものが、はつきりと然るべき限度において握つてやらすならば、これはお叱りをこうむります場合にも、事情はこうですと申上げられるわけです。ところが遺憾ながら終戦後非常に乱れましたものが、そのまま惰性で続くといつた時期が長く続きまして、率直に申しまして、食糧費の支出におきまして、きちんとそのとどまるべき限界にとどめさしておるということを、大きな顔をして申上げられないという次第でありますので、実はその点は、我々がこの問題を実際問題として、特性はそこであるという意味で努力しておる。ところがまさにおつしやる通りなんでありますが、余りぶしつけなので申上げなかつたのでありますが、又できますれば、やはり予算執行上において賄い得る予算であるというふうになることが最も望ましいということは、実行官庁として常々痛感をしておるところであります。なお只今の御指摘の、お話の初めに出ました、調べに参りますときの問題、これは成るほどおつしやいます通り、我々調査に行かせます場合、あそこの法人は幾らくらい出るはずだと見当をつけることは、これが非常に何といいますか、天降り的な根拠のないものでありますといけないのでありますが、我々近頃努力をいたしておりますのは、その法人の過去二期くらいの決算と当期の申告書と比べましたり、或いはその法人のやつております同種の事業についての他のいろいろな方面から集めました統計によつて、いろいろな売上に対する経費の率であるとか、棚卸資産と売上の関係とか、いろいろなことを勉強いたしおります。それらのいろいろな面から責めて参りまして、これくらいなければおかしいというような検討はいたしております。で、それが調べに行つて出ないということになりますと、何か特殊な事情があるのだからというようなことで調べるわけなんですが、その辺天降り的の目星をつけて引つ張り出すというふうな点がありますとすれば非常に悪いことなのでありますが、我々の努力は、只今申しましたように、多角的に見当をつけて、そうしてそれが出ない場合は何か事情があるのだろうから、その事情をはつきりつかむということについて努力をいたしておりますことを附加えて申上げておきます。
○村尾重雄君 極く簡単に一応検査院のかたがたお伺いしたいと思うのですが、先ほどからカニエさんの質疑を通じて検査院を意見を伺つておりますと、各経理は指摘されたことく、これはよくない、これは明らかだと思います。が併し、その使途というものが私腹を肥やしておらない、又国に実損をかけておらないという、かなり確信を持つた答弁があつたと思う。私は太つ腹な点では感心をしておつたのでありますが、次に宮本さんがその使途についてのお話があつた場合に、例えば食糧費が、当時火焔びん事件はなかつたが、そうした危険を感じ得るだけに、そうした非常時に備える宿直の場合の何人かの食糧費であるとか、或いは密造部落を急襲するについての食糧費等に使われておる、こういう事例を挙げておられましたから、私はとつくからこれを読んでおりまして、この食糧費なり、接待費というものは、これは私は世に言う宴会費と解しておつたのです。これは行政能率を上げるためにも、そうした国税庁なり、その他関係者を招待することもあり得ることだろう。又いろいろ渉外関係の用にもあり得るだろう、そういうことはやはり或る程度これは認められるが、それ自体に異存はないわけなんであります。ところが私は今の僅かな事例だけだと思う。食糧費の一部という検査院のお話がありましたが、私はこの挙げられた、指摘された事項の大部分が食糧費、接待費で埋まつております。これの例えば金の使い先ですね。金の支払先は恐らく料理屋だと思うのです。その点一つお隠しなさらないで、一応細かい話は要りませんが、おわかりの点、大部分の使われ先を伺つておきたいと思います。
○説明員(池田修藏君) 先ほど私が宮本委員の御質問に対して答えましたのは、非常に役立つて、いるというような、まあ役立つていると思う案件があるかという御質問だつたと思いましたので、先ほど特にまあこういうことは国としてもやむを得んじやないかというふうな、非常に極端な、著るしい例を申上げたのでございまして、それ以外でも会議費等に使つている例を……、むしろそのほうが多いかも知れません。それで打合会等の会合における費用は、やはり飲食代が非常に多いと思いますが、それはまだ個別には今のところ統計は取つておりません。
○村尾重雄君 今日の小委員会の目的は各経理の問題であると思いますので、それの使途等についての問題は決算委員会に譲りたいと思います。国に実損を与えないという、この会計検査院の考え方から、ここに指摘された問題を見るときに、私はまだまだもつと厖大な問題が、これは国税庁だけの問題でなくして、今のような態度と解釈で経理検査に臨んでおられますようでは厖大なものがあるだろうと思います。その点は非常に私は考えるところがあるのでありますが、これは意見の違いになるかもわかりませんから、これはまあ決算の審議を通じてこの問題は審議したいと思います。
○成瀬幡治君 こちらのほうに、なお関係者に対する処分については、目下審議中であるというふうに国税庁のほうから報告されておるわけですが、これは審議中ではなくて、およそ決定したのもあるかと思いますが、どんなふうになつておりますか。
○政府委員(原純夫君) ここに載つております事案につきましての処分でありますが、非常に申訳ないわけでありますけれども、会計経理を紊つたというのがこの事実でございますが、ほかにいろいろ公金横領その他の不在事件というのは、これは別でございますのでございますが、そういうようなものにつきましてそれぞれ必要な処分をいたしておるわけなのでありますが、率直に申して、戦後この時期、現在も只今申しました通り惰性で動いている部分が非常に多いということを率直に認めざるを得ないのでありますが、何と申しますか、かなりにこういう経理をしなければならんというような場合が多かつたというようなこと、非常に一般に乱れておりました時期でもありますので、強い、例えば懲戒免職というような処分が少くて、厳重に注意するとか、戒告するとかいうような程度の処分が多いというのが実情でございます。先ほど申上げました通り、そういうようなことで便々と行きますことがやはりいつまでも惰性を残すということになると思いますので、只今申上げました通り、新らしい年度方針に盛込みます項目の中にそういう場合の責任の追及、特にやはり本人自体の責任だけでなしに、監督者の責任というようなものも入れて行きますことが秩序の回復維持ということに非常に大切だと思いまして、只今そういうような観点からも研究を進めているところでございます。
○成瀬幡治君 これはまあ二十五年度のことでして、二十六年度末ぐらいにかかりまして、二十七年度一カ年あるわけですが、お話を聞いておると、やつた者は厳重注意したくらいで、あと余りやつておられないようなふうに聞き取れるわけです。ここでお尋ねしたいと思うことは、処分については、こういう処分をしようと、あなたのほうは処分をする意図があつたと思う。その法的根拠と申しますか、そうしたものはどんなところに基準を求めてやろうとされたのですか。
○政府委員(原純夫君) 御質問の趣旨が必ずしも私はつきりつかめないのでございますが。’
○成瀬幡治君 処分の法的根拠です。
○政府委員(原純夫君) 法的根拠でありますか。これは会計官吏といたしましては、予算に定められたものは予算に定められたところに従つて経理するということが義務であろうと思うのであります。それを紊るということはいけないという考え方で、それを紊つた者に対して戒しめて参るということでございます。
○成瀬幡治君 私のお聞きしたいのは、処分をすると書いてある。そしてそれは目下審議中だと書いてある。それはどういう形の法律でおやりになるかということを聞いているのです。
○カニエ邦彦君 今成瀬委員から尋ねられている点は、処分をすると国会で報告しておいて、そうして審議しておる事件は、今の答弁では処分らしい処分はしていない。今国税庁のほうでこれらに対して処分をされたら、そのされた処分は法律的にはどういう処分になるのかということであろうと思うのが一つ、二通りあると思うのです。処分をすると言つておるが、果してその処分はどういう法的根拠による処分をするのかということと、それからもう一つは、その処分をすると言うならば、その処分は法的には公務員に対してどういう根拠を持つ処分なのか、これなのであろうと思うのであります。
○政府委員(原純夫君) 先ず第一段の、処分の具体的な内容でございますが、只今申しましたように、非常に厳重に注意するというような形のものが多いのであります。先ほど申しましたように、まあ今後しつかりした態勢を整えるというならば、今においてもそれをしつかりやるべきだということを我々は感ずるのでありますが、そういう意味で過去のこういうふうな事案につきましても、余りひどいものにつきましては何とかしたいと思うのでありますが、実はまあこういうことも余りお答え申上げたくないことでありますが、昨年の講和発効の際に、大赦の関係の法令が出まして、官吏法上のそうした処分につきまして、それ以前のものについて法律上はとれないということになつておりますわけなのでありますが、中でも非常に悪質だというものにつきましては、何らかの恰好で、何と申しますか、そういう戒めというものを十分いたして参りたいというようなつもりでいたしております。 処分いたす場合の根拠法規は、結局公務員法によります各条によつて処分いたすということに相成ると考えております。
○カニエ邦彦君 今の公務員法の訓戒、或いは又厳重なる注意というのは、公務員法の第何条に該当するものですか、その処分は。
○政府委員(原純夫君) 公務員法の八十二条に規定がございます。読み上げてみますと「職員が、左の各号の一に該当する場合においては、これに対し懲戒処分として、免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる。 一、この法律又は人事院規則に違反した場合 二、職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合 三、国民全体の奉仕着たるにふさわしくない非行のあつた場合」、こうなつております。
○成瀬幡治君 厳重注意とおつしやいましたですね、戒告と、どういうふうに解釈するのです。同じですか、違うと思つておりますか。
○政府委員(原純夫君) おつしやいます通り、公務員法上に定められております一番軽いのは、戒告という形式をとつた処分でありますから、厳重注意というのはそれよりも更に軽いと申しますか、実際上叱りおくと、こういうことであろうと思います。
○成瀬幡治君 私は次長の解釈、次長までおやりになつたお方の解釈としては、私は納得ができぬと思うのです。公務員法でと言えば、少くとも戒告以上のことなんです。あなたのおつしやる厳重注意というのは、公務員法にはないのです。私はそういうごまかし的なことは歓迎せないのですが、もう一度責任ある明快なる一つ御答弁をお願いいたしたい。
○政府委員(原純夫君) ここに議題に上つております百五号から百十二号までの件につきましては、先ほど申上げたうち、戒告及びと言いましたところは間違いであります。厳重注意にとどまつております。従いましてその点は、申しました点が間違いであると、直しておいて頂きたいと思います。
○成瀬幡治君 そうすると先ほどは国家公務員法に基いて処分するのだと、こういう話なんですが、それまでそれじや撤回ですか。
○政府委員(原純夫君) 戒告以上の形をとります場合は国家公務員法に基く処分でありまするし、そこまで行かない厳重注意というのは、公務員法には載つておらないわけでございます。
○成瀬幡治君 それはわかつておるが、あなたのほうは、先ほどは国家公務員法に基いての処分云々ということをおつしやつた。そうするとそれは間違いであつた。そうすると厳重注意というのはどういう法的な効力があるのか、そういうことを私のほうは聞いておるわけです。
○政府委員(原純夫君) 間違いで誠に恐縮でありますが、戒告以上のことを含めて申しましたのは、一般にこういう場合に我々のとるべき措置として、こういう公務員法の規定があるというものを動かす場合があるという意味で申上げましたので、具体的にこれらの事案につきましては、そこまで行つておらないわけであります。厳重注意は、先ほど申しました通り、役所で仕事をしております場合に、係官が何か間違えるというような場合、勿論教えて行くということもありますが、場合によりまして叱つて参る、注意をして参るというようなこと、実際上行政部内の規律のために行われる行為であるというふうに考えます。
○成瀬幡治君 まあ大体要領はわかりましたが、そこで関係者に対する処分については、目下審議中であると、こう書いてあるけれども、実際にやつていないというふうに大体わかりました。そういうふうになつて来ると、あなたが先ほどカニエ委員の質問に対して、実績でこういうことのないように今後やるのだと言われたことと、非常に私は矛盾があるし、そういう言葉は何遍聞いてもやはり無駄だと、こう思うわけであります。実際処分のできない本当の隘路は、東京国税庁分という資料を見て参りますと、例えば直税部長会議を明治記念館でやつた、それに五万円出した。或いはブロツク別に直税課長会議をやつて、それに対して四万一千百円支出しているというようなことは、これは招集している人は、少くとも課長を招集しておるのであります。だから上の人じやないですか。結局こういうことをやつている人は、いわゆる叱る人のおらないような人じやないか。少くとも課長以上、普通言う責任者の人がやつているのじやないか。そういう人たちの酒料になつているのじやないか。こういうことにあるのじやないかと思うのでありますが、この点はどんなふうに考えておるか。
○政府委員(原純夫君) 昔はこういう会議をいたしましても、例えば全管で或いは一部だけででも集ります場合は、懇親の意味でくつろいで意思を通じたいというようなことを考えるわけでありますが、そういうような場合には、以前は例えば会費をとつたり、又給与との関連になるわけでありますが、実際問題として自分たちで懇親をする、自分たちの費用でというようなことが通例であつたように記憶いたしております。それが戦後、こういうような表が出るというようになつて参りまするのは、誠にそういう意味で遺憾なことではありますが、一方に自粛はいたしておりますが、例えば国税庁におきましては全国の局長、それから各部長というようなものを必要に応じまして会議に招集いたします。そういう場合、最近におきましては、もう通例二日間会議をやるとして、初めの日の夕方は懇親をしたいなと思いましても、原則としてはそれはできないということにして、併し年に一回はなにしたいなというようなことで、今いたしておるようなのが実情でございます。ここにあります分が、そう申しましたような程度のどの程度のものかということが問題になるわけでありますが、それぞれ場合によりまして必要度が濫りに流れて、集まるたびに飲んだ食りつたりするというようなことになつては非常にいけないと思うのでありますが、或る程度はそういう意味において、何と申しますか、申しにくいのですが、お許し頂かなければならんというふうにも考えるわけであります。その辺の境目を一日も早く、先ほども申しました締るべき線にのせて締めて行こうというようなつもりで、今我々考えてやつておるのでございます。
○成瀬幡治君 そうじやないのです。私の問うのはそういう意味じやなくて、お答え願いたいと思うのは、例えば課長会議を招集される人は、少くとも課長以上の人だと思うのです。懇親会をやろうとおつしやるのは私もわかりますよ。併しその場合、予算がどのくらいだというようなことは、私は招集されるその責任の人が当つてみられるのが普通だろうと思う。そのときに予算がない、併しそれはやれということは、もうすでに一つの架空支出を部下に強要しておる。自分も架空支出して承知しておる。そういうことが私は非常にいけないと思う。そういう人に対する処分をやることは私は殆んど不可能じやないかと、こう言つているのです。上のほうの人がやつているのです。事務官がやつておるわけじやない。雇員がやつておるわけじやない。だからあなたのほうの処分が、二十五年度のものは、目下審議中だと言つておるが、結局できないのじやないか。締まるのは上のほうが締まればいいじやないか、こういうふうに考えておるが、これはどうだとお尋ねしておるのです。
○政府委員(原純夫君) おつしやる通り、締まるのは上のほうが締まるのが最大の要諦であると私考えております。ところで、こういう直税課長会議或いは何々会議というような場合に、意思決定します上のほうの局の部長なり課長なりというところの問題でありますが、只今申上げましたように、やはり或る程度は我々も率直に申してやらせたいのです。それが濫に流れちやいかんと思いながらやつておるわけです。従いまして先ほど他の委員から御質問のありました、予算が締まつた限度においてやる、実際の必要に合つております場合には、もうぴしんと予算通りで、あとは一文もいかんということを押付けておるわけです。我々としてはそうやりたいのですが、まだこれは現在そこまで申上げ切れる段階ではございませんが、先ほど来申上げておるところの研究の態度は、二十八年度はそういう予算に違うことのないように原則に持つて行きたいという態度で研究いたしております。併しこれは先ほど申上げました態度で行き切れるかどうかに対しては、まだ軽々にお答えいたしかねるという、大変申訳ないことですけれども、まあそういう気持で研究を進めておるという次第でございます。従いまして、こういう場合におきましても、全体が余りに濫に、集まるたびに飲んだり食つたりしておるということでは非常にいけないわけですが、或る程度のところは部長なり課長なりが一つ懇親会をしたいなというようなことで、予算経理の上からは誠に申訳ないのでありますが、やらせて頂きたいという場合もある。その辺が、戦後ずつとそういう関係が秩序が立たないままに来ておりましたためにけじめがはつきりついていないという点は申訳ないと思いますが、個々に亘つてこれはルーズであるとか、これはまあ止むを得なかつたのだというような判定を実は申上げれば一番いいと思いますが、それができないのは大変恐縮ですけれども、只今も申上げましたようなわけで、今後の実行においてその辺を実現して参りたいと思つておりますので、御了承頂きたいと思う次第であります。
○カニエ邦彦君 これは本委員会が、年々この結論をいたしますときには、各省庁に亘つて、この問題にかかわらず、行為者の処分についてはなされていないということを指摘しておるわけです。そこでこの処分がやはり厳重になされていないところに、かようなルーズな結果が生まれて生るのです。而も本件に関しては、一方において、国会に報告する場合、厳重にこれを処分するかのように、審議をしておる。目下検討中である。それで結果がどうであつたかというと、法的根拠によらないような、処分らしい処分でなしにお茶を濁してしまつておる。だから結局その結果は、上司から言われれば、担当しておる事務官は平気でそれを行う。そういうことが年々続けられておるから、何年たつても是正されていないと思う。今の事例のごときは、これは少くとも課長以上の者が寄つて飲み食いしたのである。そのために、その事務を扱つた事務官が処分される。言い換えれば、上の者が飲み食いしたやつが、自分がその責めを負わなければならん。そんな馬鹿げたことを了承する公務員は日本国中広しといえども、これはおりませんよ。だから結局、そういうことが初めからわかつておるから、処分ができないんですよ。処分をすれば責任者を処分しなければならん。命令したやつを処分しなければならん。又これが逆に、それを行なつた行為者が厳重に減俸なり或いは訓戒なり或いは懲戒免職なりというような処分を仮りに受けるものとすれば、又これは如何に命ぜられても、下の公務員はかような経理はやりませんよ。これはやれと言つてもやりません。そこに問題がある。だからこの処分については、年々国会に報告するときには、厳重に処分をすべきであるが、その処分が少しもなされていないということを毎年言つておる。来る年も来る年もそれを重ねて来ておるにもかかわらず、処分がなされていない。それを煎じ詰めて行くと、今のように処分したくとも処分ができないというような結果になる。これで果して日本の国の会計経理が法的にそのまま正しく行われるかどうか。問題は私はこれだと思う。事情としては、今次長が言われるように、どうしてもいわゆる予算措置の上において止むを得ず行わなければならないというような事情があつたにしても、それはそれとして是正すべきであつて、だから少々は会計法上違反になつても、それでいいという理窟は私は成立たないと思う。若しもあなた方にしても、又我々その上を監督する国会にしても、事情を聞いて見れば、成るほど御尤もであるということでこれを寛容にした場合には、一体日本の国の会計経理というものはどういうことになつて来るか。蟻の一穴からということにならざるを得ないので、それをやかましく我々は言つておつたんだから、その点を一つ国税庁は二十八年度からは厳重に考える意思があるかどうか。考えてそういうことの処分については厳重に処分して行くという方針があるかどうか。これを答えなさい、こう言つておるのです。
○政府委員(原純夫君) ございます。はつきり申上げます。
○宮本邦彦君 一つだけお伺いしたいのですが、先ほど私の質問に対して国税庁のほうから、こういつた必要経費の半分ぐらいしか、査定されて予算は成立していないというお答えがあつたのですが、会計検査のほうにこの不当事項として挙げられた百五号から百十二号のこの不当支出は、今の国税庁のほうから言われた予算の倍額の中に収まつておるかどうか。それだけを伺いたいと思います。
○説明員(池田修藏君) お答えいたします。ここで指摘いたしました架空経理は千七百万円でございます。それから正規の予算で取つておりますのは、交際費が、二十五年度で五百五十万円、それから会議費が、これは食糧費、あとで名前は変りましたが、会議費と食糧費は同じですが、これが六千百万円でございます。そこで正規で出されたものが両方で六千六、七百万円ぐらいであります。架空で出したものが、ここで発見したものが千七百万円、或いはこれは全部を検査しておりませんから、もつと広範囲に検査しますれば、これが殖えるかも知れませんが、それがどのくらい殖えますか、とにかく一応……。
○成瀬幡治君 六千幾らですか。
○説明員(池田修藏君) 交際費が五百五十万円、それから会議費が六千百万円、両方足しまして六千六百五十万円になりますが、これは正規の予算でございます。
○宮本邦彦君 今の会計検査院のお示しになつた数字は、これは国税庁の全額でございますか。それともここに指摘してある御検査になつた分だけの予算でございますか。
○説明員(池田修藏君) 全体の予算でございます。
○宮本邦彦君 わかりました。
○委員長(谷口弥三郎君) 百五号から百十二号までに対しまして別に御質疑はございませんか。一応ないものといたしまして、この部分はこれで終了してよろしうございますか。御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷口弥三郎君) 異議なしと認めます。 それでは次に百十三号及び百十四号を一括して。先ず国税庁から。
○説明員(羽柴忠雄君) 百十三号につきまして御説明申上げます。 これは物品の売渡代金をそのまま使用したという項目に上つておる問題でありまするが、広島の国税局で起つた問題でございます。昭和二十五年の七月と十月でございますが、中国自動車工業株式会社へ乗用車一台ほか二点を価格四十八万円で売渡したものでありますが、その代金を歳入に納付せずに、四十六万円を別途購入の電気自動車代金の一部に充てておつたわけでありまして、残額の二万円につきましては現金で保有しておつたので、歳入に納付いたしたわけでありますが、四十六万円につきましては、代金を歳入に納付せずに、代金の一部に充当したということで、歳入と支出の混淆を生じた事件でございます。それで当時、自動車は破損部分品の組立によるところの粗悪自動車でありまして、これによつて当面の処弁に当てておつたために、極度に破損いたしたわけであります。修繕費にも莫大な経費を要しておりまして、甚だしく不得策であつたのでありまするので、まあ経費の節約という問題と、それから事務の簡素化、これを図りますために、予算的措置が十分でなかつたのに新車を購入せざるを得ない事情に立至つた。こういうことになりまして止むを得ず代金の一部に充てた。これがこの百十三号の中心の問題でございます。
○委員長(谷口弥三郎君) 百十四号は。
○説明員(牧野誠一君) 百十四号について申上げます。本件は中国財務局の尾道の出張所で国有財産をほしいままに処分いたしまして、その代金を接待費、庁舎落成式の経費等に支出したものであるということでございますが、これは検査院の御指摘の通りでございます。それでこれをやりました本人は、その後起訴されまして、判決は確定いたしております。本人は起訴されます前に、二十五年の六月三十日に退職いたしております。それからこの国に損害を与えました八十六万三千六百六十五円、この金額につきましては、その後本人が順々に弁済いたしまして、二十七年の、昨年の六月十四日に最後の額を納入いたしまして、全部国として収納済みということになつております。それから当時中国財務局の局長をやつておりましたのは林田局長でございましたが、その後退職いたしました。只今そういうことになつております。
○委員長(谷口弥三郎君) この二件につきまして、会計検査院のほうから。
○説明員(池田修藏君) 第百十三号につきましては、これはやはり税務署関係の、国税局でございますが、関係の架空な経費でございまして、今までの百五号から百十二号は、支出の面だけの仮空経理でございましたが、百十三号は、歳入金を国に納めないで、ほかの用途に使つたという違いはございますが、大体において性質は類似の問題でございます。特に申上げることはございません。 それから百十四号は、只今政府当局から御説明になりましたように国有財産を正規の契約を踏みませんで、勝手に担当者が売払いまして、その代金をほしいままに使つたものでございまして、こういう例は国有財産には割合に、事例はこれが一件でございますが、こういうふうに国有財産を勝手に処分する例として、数量を、例えば百トンなら百トンという契約であるにかかわらず、実際は百二十トンを渡したというような例もございますが、或いは代金を国に納めないで、そのまま自分が着服したという例と大体類似の点でございますが、このほうは全部着服したのではございませんで、接待費、落成式の経費に使つたという部分が若干入つております。それからこの金額は、只今当局から御説明になりましたように、全都自腹を以て全額弁償しておりますから、国損は補填されたわけであります。別にそれ以上特にございません。
○委員長(谷口弥三郎君) どなたか御質疑ございますか。
○カニエ邦彦君 この百十三号のときの売払の状態は、一体どういうことであつたのか。どこに売つて、その売り方は競売になつておるのか。或いは形はどういうような形で売つておるのか。その点を一つ、これは会計検査院のほうへ聞きましようか。
○説明員(池田修藏君) この売払の形式は、随意契約でございますが、相手は只今ちよつと資料が見当りませんので、暫らく御猶了を願います。
○カニエ邦彦君 随契であれば、勢いそこに価格が適正であつたかどうか。自動車がどういうものであつたかということですね、これについては、いささか私はこの売り方自体についてもおかしい。四十八万円でここに売つておりますが、当然これはそれ以上の価値のあつたものを四十八万円で売つたのではなかろうかという点ですが、この点は会計検査院のほうは詳しく現物についてお調べになつたかどうか。その点を伺いたい。
○説明員(池田修藏君) この自動車は、特に現物について価格が妥当であるかどうかの点については、詳細には調べておりません。大体の着目としましては、価格の高い安いという問題には実は深く立入りませんで、経理そのものが不当であるという点に主として着目した案件でございます。
○カニエ邦彦君 まあ金額も少いようでありますが、併しやはりその点も検査院としては、こういうものが出て来たときには厳重に調査さるべきである、まあ私はこう思います。 なお、それから国税庁のほうに伺うのですが、昭和二十五年の七月及び十月に売つて、そうしてその売つた代りに、電気自動車の代金の一部などに充てておるということでありますが、すでに二十五年七月と言えば、電気自動車やなんかを持つべき時代でない、時期でない。これはむしろ、専門的に考えるなら、ガソリン自動車を売らずに、電気自動車を売つてガソリン自動車を買つたというなら、これ又理窟が合うのですが、どういうようなことでさようなことをやつたのか。一つその点についておわかりであればお聞きしたい。
○説明員(羽柴忠雄君) この当時の事情につきましては、必ずしも明確ではございませんが、この売つたほうの自動車につきましては、これは非常に悪い自動車でございますので、取りあえず売つたわけでございます。それでそれをどういうわけで電気自動車を買つたかということでございますが、これはその売つた自動車が非常に修繕費なんかに、極度に破損しておりまして、修繕もできないというような悪い自動車でございましたので、その代りならば、予算的措置というものも十分にできておりませんし、それから新車をどうしても購入しなければならないという立場にありましたので、止むを得ず早急に買つたためにこういうことになつたのだと、こういうふうに私は推察いたす次第でございます。
○カニエ邦彦君 これは、悪かつたかということをはつきりと知るためには、自動車がフオードであつたか、シボレーであつたか、国産車であつたかということ、それからそれが何年度の生産によるものであるかということ、或いは電気自動車が果して四十六万円で買えるかどうかというような点についても、この問題についてはなお多少の疑惑を持つものでありますが、併しそれをお尋ねしても、今のお答えでは、推察をしておるのですということですから、これ以上お伺いしても、この点はしようがないと思います。なお、この残額の金は現金で保有しておつたというのですが、これは現金でなぜ保有しておつたのですか。その点の事情を聞きたいと思います。
○説明員(羽柴忠雄君) これは四十八万円で売渡しました場合に、歳入へ納付しておりませんので、売渡して現金で持つておつた。それで電気自動車を四十六万円で買つておりますので、二万円現金で手持ちの金が残つたものだと思います。
○カニエ邦彦君 そうすると、これは個人の資格で持つておつたのですか。或いは役所の金庫に持つておつたということですか。その点、会計検査院どうですか。
○説明員(池田修藏君) これは持つておるのはやはり役所の金庫でございますが、その性質としては、むしろ私金じやないかと思います。私金と言いますか、国庫金じやない公金でございます。国庫金ではない公金。
○カニエ邦彦君 国庫金でない公金。そうするとこれは資格は私の資格でこれを持つておつたのですか。役所として持つておつたのですか。その当時の事情は。
○説明員(池田修藏君) これは売渡しました代金でありますから、本来から言えば、国庫金に入れるべきものを国庫金に入れないで持つておつたのでありますから、やはり公の、どう言いますか、純然たる私金ではなくて、国庫金ではない公金の性質である、国のものを売つた代金ですから、若しこれを私金として取つて持つておれば横領になりますから、自分の私腹に入れる肚はないということで、やはり公金だと思つております。併し正規の国庫金としては取扱つていなかつたのであります。
○委員長(谷口弥三郎君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(谷口弥三郎君) 速記を始めて。
○カニエ邦彦君 会計検査院のほうに伺つておるのは、その保管しておつた者が、これは役所として保管しておつたのか、或いは私として保管をしておつたのか、その点はどつちなんですか。
○説明員(池田修藏君) お答えいたします。若しこれが純然たる私で持つておつたとすれば横領になります。ところがそういう自分の私腹に入れるつもりはないが、やはり公金として、公の金として持つておつたが、成規の手続による国庫金じやなかつたというのですから、むしろ役所として持つておつたと見てよろしいと思います。
○カニエ邦彦君 そうすると国庫金でないもの、国庫金でないものを一体役所として持つておるというようなことは、理論的に言うと、それはどうなんですか。そういうことがあり得るのですか。あり得たからこそ、ここにそう言われておるのでしようけれども。
○説明員(池田修藏君) お答えをいたします。国庫金として収入いたしますには、一定の権限ある機関がございまして、日本銀行なり或いは収入官吏というような資格を持つた者でないと、純粋な国庫金としては取扱えないのでありますから、本件は純粋の意味の国庫金ではないけれども、やはり公金である、こう考えております。
○カニエ邦彦君 それでは検査院のほうにもう一つ伺うのですが、恐らく検査院も深く掘下げてこの件については徹頭徹尾調べておられないのじやないかと思うのですが、それはそれとして、この代金の一部など、これが飲食費等の飲み食いの費用に使われておるというようなことはあるかないか、その点を伺いたい。
○説明員(池田修藏君) これは飲食費でございませんで、実はこの売つた金をすぐ代金に払つたわけじやございませんで、充てていたと書いてございますのは、その前に借入金をしまして借りておつた金がございます。そこでその穴埋めをしたという意味でございまして、その一部の、一部といいますのはその代金としては払いませんでしたが、もと借入れておつた金の穴埋めに充てたという意味でございます。
○カニエ邦彦君 今の、ちよつとわかりにくいのですが、ここに電気自動車の代金の一部もあるでしようが、代金の一部などに充てていた。だから、ほかに何々に一体充てておつたか。恐らくその中には飲食費等の費用も入つておるのじやないか。それを聞いておるのです。
○説明員(池田修藏君) この自動車を買いました金は四十五万円でございまして、一部などに充てた、この四十六万円を充てたといいますが、この購入代に充てたのは四十五万円で、あとの一万円は、もと経費が足らなくて実は借入金でいろいろな処理をしおつたものがございまして、それに穴が明いておりますから、その穴埋めにその一万円を充てたというわけで、飲み食いではございません。
○カニエ邦彦君 それから百十四ですが、これは忠海の製造所ほか二カ所の建物その他ということで、ここに上つておるこの金額以外に、まだ実際はそこまで調査はできないが、使われた金があるのではないかどうかという点です。それからもう一つは、検査院のほうが忠海の現場について一応以前から確認しておつたかどうか。それから簿外品というものがここには随分たくさんあるのですね。私の記憶では。簿外がいわゆる国有財産としては上つていないが、併し現実にはこれは国有財産である。誰の私有物でもない、というより、国有財産である。併しながら上つていないから、それを売払つておつたけれども、着服しておつたけれども、上つていないためにたまたまわからないのだ。併し検察庁等によつて調べられ、証拠書類或いは証拠によつて上つて来たものはこれだけである。これ以外にはそういうようなものがあつたかなかつたかということ、それから忠海の現場について、前に調査して簿外ではあるが、これこれのものがあつたということを確認しておつたかどうか。たまたま確認はしていないが、こういう事件があつたので行つて見たいというのか。その辺の事情を一つ聞かしてもらいたいのです。
○説明員(池田修藏君) お答えいたします。本件のほかに、ここの場所でございますか。
○カニエ邦彦君 ここの場所、忠海です。
○説明員(池田修藏君) この場所については、この案件だけでございます。それから従来の検査、その前にいつ検査に行つたかは今詳細な資料を持つておりませんからわかりませんが、大体この程度の役所でありますと、二年に一回くらいかと思います。 それから簿外品の点につきましては、簿外品は大体の整理としては、やはり終戦後の混乱によりまして、すべての財産が国有財産の帳簿に上つていないものもありまするので、そういうものをわかり次第だんだん国有財産に入れて行くということになつておりまして、簿外品が若干あつたかと思いますが、その数量その他については、ちよつと今資料を持つておりませんので、あとで差上げたいと思います。
○カニエ邦彦君 管財局長にお尋ねしますが、今と同じようなことになるのですが、忠海の現場というものを本省は確認したことがあるかどうかということ、従つて確認したというのなら、確認した当時と、そうしてこの売払つたもの、確認した当時から売払つたものを差引いたものはなお現場に存在していなければならない、こういうことになるのです。ところが、存在していないものもあるかのように見受けられるが、この点はどういうことになつておるか、その辺の事情を詳しく一つ説明して下さい。
○説明員(牧野誠一君) 只今管財局長は予算委員会のほうに出ておりますので、私が代つてお答え申上げます。現場の確認につきましては、当時の管財局長が確認したかどうかということは私よく存じませんですが、当時係官を派遣して確認させたということは、これはやつたはずでございます。 それから簿外品等でございますが、これは陸軍、海軍から引継ぎました財産で、必ずしも数量或いは形体等が確実に整理されて引継がれたという形ではございませんで、逐年この整理をやりましてだんだんに整理されて来ているということではございますが、若干の簿外品というようなものは、これはお叱りを受けるかも知れませんが、どこの財務局にも若干ずつはあつたというのは、これは現実だろうというふうに思つております。 それからこれを処分されたあと、これ以外のものは残つておるかというお尋ねでございますが、これは私残つておるというふうに信じております。或いは別に他の方法で他のものに処分したというものはないかも知れませんが、これ以外、処分も何もせんものがなくなつておるということはないのではないかというふうに思つております。
○カニエ邦彦君 それではこの忠海に関する、前にも局長自身は行つたことがないにしても、部下が行つて、そうしてこれを確認して来たということであれば、その当時の確認して来たことの報告書なり、或いは記録があるはずであるから、いつ幾日誰が忠海に行つて、そうして忠海の現地の状態を確認したか。確認して来た報告はこれこれであるというものについて、資料にして至急に出して頂きたい。なおその後においても行つておつたというのであれば、それも重ねて、その以前、その後におけるものも重ねて、三回あつたら三回、一回しかなかつたら一回でいいのですが、とにかく資料として報告書の写し等を出してもらう。それからこの事件が起きてから確認に行つたかどうか。この事件が起きてから見に行つて、認めた現状はどうであるかということも、重ねて一つ資料をお出し願いたい、こう思います。小委員長のほうから改めて御請求になつておいて頂きたいと思います。
○委員長(谷口弥三郎君) 第二課長に申しておきますが、只今の資料その他は、あとでようございますから、送つて頂きますように。
○説明員(牧野誠一君) できるだけ取揃えて。
○委員長(谷口弥三郎君) そのほかに、それではほかに御質疑がございませんなら、第百十三号、第百十四号は一応これで終結したことにいたしまして御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないものと認めます。 それでは国税庁並びに大蔵省の方々はこれでよろしうございます。どうも有難うございました。 それでは引続いて文部省関係、五百二十二号と五百二十三号について、一応文部省から先に一つ御説明願います。
○説明員(西田剛君) 会計課長がちよつと病気で休んでおりますので、副長でありますが、代りまして説明いたします。 最初に五百二十二号でございますが、これは名古屋大学の医学部の附属病院で、収入金をすぐに日本銀行に入れなければならないものを、一時市中銀行に預けたということが第一点の批難事項でございます。第二点は、市中銀行に預けましたので、利子が付きました。その利子を以ちまして、古い病院の収入で未済分につきまして、その利子を以て充当いたしました件が第二点でございます。第三点は、その間事情がわからないものができまして、十一万八千二百七十円の金額につきまして、亡失金という措置をいたした点でございます。 第一点の名古屋大学が社会保険関係で愛知県の社会保険診療報酬支払基金事務所から支払を受けました金額を、直ちに日本銀行に払い込まなければならないものを市中銀行に預けたという点は、会計検査院から御指摘の通り、誠に遺憾なことでございました。ただこの間には学校といたしましては、実は当時の社会保険の制度、特に基金の制度ができましてから間がありませんでしたので、基金事務所の取扱におきましていろいろ馴れない点があつた点、又大学側も基金事務所との関係におきまして仕事に馴れなかつたという点、又当時基金事務所は社会保険一般の財源の枯渇等から赤字の事情にありましたので内払金として大学のほうに収入金をば送つて参りました。そこで大学といたしましては、基金に請求いたしました分のうち、どの分が内払金として来ておるのかというような事情をいろいろと調査する要がございましたので、そのために一時市中銀行に預け入れまして、その調査が済み次第、順次日本銀行に払い込んで行つたというような事情でございます。 それから利子でございますが、利子の付いて来た分につきましては、手許で保管することは芳ばしくございませんので、これにつきましては、二十二年から四年までの間の古い未済分に充当しまして、一応収納済の措置をとつた次第でございます。 なおそのような事情によりまして、これを取扱つておつた当事者といたしましては、メモのようなものによりまして、そういうふうにいたしておりましたので、調べたときには、基金事務所から頂いた金と、日本銀行に払い込んだ金との間に差額が出たわけでございます。これをいろいろと調査いたしましたが、先ほど申上げましたように、保険関係の仕事が非常に複雑でございまして、中には末端の保険の組合で、廃止になつておるような、解散になつておるような組合もありまして調べがつきませんので、検査院のほうのお話もございまして、亡失金としての措置をいたしたものでございます。 次の五百二十三号は、京都大学に結核研究所がございますが、この病院収入につきまして、ほかの用途に充てておつたという事情でございまして、誠に遺憾な事柄でございます。 当時この結核研究所の責任者は病院の責任者が兼務いたしておりました事情もあり、又当時結核研究所が事業を拡張するというような事情もございまして、不行届の点がございました次第でございますが、誠に申訳ないことと存じております。 なお、この時に使いました分につきましては、金額は百二十三万千九十七円になつておりますが、これは研究所の職員の貸付金、又当時同研究所の事業の拡張のために必要といたしました土地の購入費の補充その他全国の研究所の事務所長会議、或いは同研究所の旅費の補充、或いは賃金の補充というようなものに充てていた次第でございます。なお所長さんはこのことに責任を感じまして、この金額につきましては、所長さんから弁済されまして処置いたしておる次第でございます。以上のような次第でございます。
○委員長(谷口弥三郎君) 以上の二件につきまして、会計検査院としての説明を願います。
○説明員(上村照昌君) 只今文部省のほうから御説明がありましたので、重複するところは避けて御説明いたしたいと思います。 最初の五百二十二号の案件でありますが、こういう扱いは、会計法規等から見まして妥当な扱いでありませんし、そうして基金が始まりましてから、市中銀行に一時基金から来た金を預けるというような扱い方が、これは文部省だけではありませんで、厚生省のほうでもそういうふうな措置が相当とられおりまして、いろいろの間違いが起るということで、私のほうでは二十五年の七月に文部省及び厚生省に対して、こういうふうな扱いをやめて頂きたいということを出しまして、多少時期的にずれたところもあるかと思いますが、現在においては直ちに日本銀行に入るというふうになりまして、こういうふうな扱いはせられないということになつて、一応こういうことから来る根源は断たれるというふうな扱いになつて来ております。それからこのうちこういうふうな扱いが行われました関係上、私のほうで相当調査いたしましたが、不符合の入つた金と日本銀行に払い込んだ金との差額の不符合の十一万八千余円につきましては調査いたしましたが、最後まで結局突き止められんということで、一応不符合ということで処理するよりほかに、事務上し方がないということで、一応この程度で検査を打切つております。 それから五百二十三号の件については、只今文部省のほうからお話がありましたように、当時京都大学の病院の分任出納官吏が結核研究所のほうの分任出納官吏を兼ねておるというようなこともありまして、監督が必ずしも十分でなかつたという面もあつたかと思いますが、現在においては分任出納官吏が結核研究所に専属で置かれ、監督も相当厳重になつたと思います。五百二十三号は、結局はいろいろの事情があつたでありましようが、十分監督が行届かなかつたというようなところに起因しておつたかと考えております。
○委員長(谷口弥三郎君) 何か御質疑はございませんか。
○カニエ邦彦君 これは一遍専門員のほうから、今度は問題になるよう点を一つ聞いてもらうということにしたいと思うのです。一応両専門員からそれぞれ聞いてみて下さい。
○委員長(谷口弥三郎君) それでは専門員に又あとで聞いて頂くことにして、一応ここでは了承してよろしうございますか。
○カニエ邦彦君 いや、そうじやないので、この速記に載せて専門員から今ここで聞いておいて頂きたいということです。一応森専門員から一つ。
○委員長(谷口弥三郎君) それではそのように。
○専門員(森莊三郎君) 政府からの答弁書の書の中に「しかるに同事務主任は、研究所の拡充発展の希望を抱き、その達成に熱中し、遂に本件のように病院収入を不当に使用するに至つた」、非常に熱心な人だつたというふうに書いてありまするが、検査院の報告に、その金を使つて職員に対する貸付金に使用した、これはほかの所にも往々にして遺憾ながらあることでありまするが、土地購入費の不足ということが一体どういうことなのか、ちよつと事情がわかりかねます。なお、その次の接待費というのは、まあよくほかにもある例の問題じやないかと思いますが、どういう必要があつての接待費であつたか、その辺のことを当局のほうへ伺いたいと思います。
○説明員(西田剛君) 第一点の土地に関する件でございますが、実は結核研究所は、各省の事業拡張の当時状況がございまして、これが同大学における歯学部の設置の問題とからみまして、当時結核研究所がおりました場所を離れて移転しようという計画がございました。それで土地を求めましたわけでございますが、本省からそのために予算が六十万参りました。持主のほうでは百万ということでいろいろ中途で折衝がございまして、一応六十万で話がついたような事情でございます。ところが、どうしても八十万、中をとつて八十万でなければやれない、困るというようなその間の事情がございましたので、同研究所では二十万ほど金をそのほうに振当てた次第でございます。 それから接待費その他という点でございますが、実は、そのうちの大部分が証拠書類がないために、私どもも努力いたしましたし、検査院のほうでも随分御努力願つのでありますが、はつさりいたしません。はつきり大体つかめた点は、事務所長会議の行われましたための不足の経費は十万五千円、又出張旅費の不足費五万五千九百五十円、雇用人を雇つた賃金、労務者を雇いました経費が八千五百五十円等がわかつております。ほかの、その他はどうもしつがりつかめないような次第でございます。
○成瀬幡治君 ちよつと一言文部省のほうにお伺いするわけでございますが、実際保険関係でやつておつたものが、或いは私に病院の経営をしておられる人は診察や投薬します。処置をします。併し実際家庭が貧困であつて、お金が取れないという場合があると思う。そういうのは私の場合には、まあ何ですか、打切にして無料でやつたと、こういうつもりで問題なく行けると思うのです。ところが、こういう公立、国立の病院になりますと、いつまでも未収があるからどうしても取らなくちやならないということになるわけですが、そういう場合にここら辺のところまでくらいはいつまでも未収で残つて行くものか、或る程度のときに切つて整理を実際やつて行かれるのか、どういう処置をとつておられるか、飽くまでも病院当局に向つて取立を要求しておられるようなふうに、どういう方針でやつておいでになるか、その点をお伺いいたしたいと思います。
○説明員(西田剛君) これはこの五百二十二、二十三ともにこういう事態が起りました一つの原因をなしましたもののうちには、実は病院収入につきまして事後調停の慣例でやつておつたわけです。ところがそういうふうにやつておりますと、こういうふうな事件が起る一つの原因になります。この点につきましては国会の皆様方の御意見もあり、又検査院からもお話がありまして、事前調停に制度を改めまして、それで二十六年十月以降はそういうふうに未納でおかしな形でついて行くということは少くなるのじやないか、随分少くなるのじやないかと思います。過去の分につきましては、これは今のところ打ち切りということを考えておりません。事実上お願いいたしまして納めて頂ける範囲で鋭意努力して未収はなるべく取るように努力して行くという、努力だけを重ねて行くというようなことにいたしております。
○カニエ邦彦君 森専門員からお尋ねになつた点は何ですが、波江野専門員から尋ねられる点があればお願いいたしたいと思うのですが。
○専門員(波江野繁君) 委員からのお許しを得ましたので、一、二点ちよつと承わりたいんですが、五百二十二号の案件につきまして、この答弁書によりますと、この診療料の納入はいろいろな事情で納入が順調でなかつたのだ、だからいわゆる内金が入つたので、全部入らなかつたから国庫納金にするに至らなかつたのでこれを預金にしたのだ、こういう事情のように思われるのでありますが、そうしますと、こういうような関係はこの二十五年度だけに起つたのか、即ちこれを見ますと、その前年度もあるだろうし、今後においてもこの原因が除去されない以上は、こういうことは毎年起るのじやあるまいか、従つてこの五百二十二の案件は二十五年度だけの特有の案件であるのか、こういうことが起る原因はもうなくなておつて将来は起らんのか、こういう案件であるのかどうか、その関係を承われれば承わりたいという気がいたします。 それから亡失金と言つて処理した、結局その使途が不明であつた、こういう関係は今わからなかつたということなんですが、なぜわからなかつたか、何かその原因がもつとはつきりしないものであろうかという点であります。 それから五百二十三号につきましては、食糧費でございますか或いは貸金にしたとか、これは当然責任者が弁償すべきことは当然ですが、建物の保有者、これは国としてはこれだけの財産が残つたのだが、そういう正規の手続きをしないでやつたという点は勿論責任はあると思いますが、ここの答弁によりますと、全額弁償とありますが、全額ということはこういう国としての財産は残つた、これまで弁償さしたのであるか、若し弁償したとするならそこまでの必要があつたであろうかどうか、その弁償の全額と書いてある全額とはどういう程度か。それから若し全額だとしますと百何十万円になるのですが、それは弁償した、これが数万円、数十万円だとちよつと常識で自腹を切つたなあと思いますが、百何万円となりますと、自腹というのも余ほどの金持でないとできないというような気がするのですが、本当の自腹で弁償されたのでしようか。ちよつと非常な悪意で考えますと、まあ何かからくりがないであろうか、こういう点について少し御返事が承われたら御審議の参考になるのじやないかとこう思いますので、その点お尋ねしたいと思います。
○説明員(西田剛君) 第一の社会保険の基金制度がその後円滑に行つておるか、そうでなければ同じような事情が今後発生する慮れがあるかというお話でございますが、これは先ほど申上げたように事前調停にしますと、その点が随分楽になります。それから当時は基金の制度は森先生は非常におわかりいいと思いますけれども、この大学のほうでは一定の料金をきめまして請求書を出します。その場合には一応普通の治療のほかに大学といたしましては通常研究の目的も兼ねて治療を加えます。そういうような面から実は普通の町のお医者さんよりは違つた面からのプラスした診療を行うわけですが、それが基金のほうに参りますと、御承知の通り単価制度になりまして、一点、何点に相当するかというような計算をいたします。それでそのうち払うべき分を基金としてこちらに送り込む、知らして来るというような事情でございます。それが非常に複雑な仕事であり、且つ件数も非常に多い仕事でございます。然るところ、当時基金のほうも発足して間もありませんでしたので、非常に不慣れな点があつて、その点はその後随分改善されて来ております。それから当時が私の承知している限りでは、一般の社会保険における赤字の問題が一番きびしかつた当時でありまして、今日におきましては随分その点は緩和されているような事情でなかろうかと思います。それにプラスいたしまして、先ほど申上げましたように、事前調停の制度を採用いたしますならば、今後はおおむねこのような事態が起る要因は殆んどなくなるのではないか、かように考えております。 第二点の亡失金でございますが、これは証拠書類がございませんので、どうしてもわからなかつたのでございますが、これは今申上げましたように、非常に多量の書類であり且つ当時非常に基金のほうも、大学側も仕事に慣れなかつた、而も赤字の二十二年頃の分を二十三年頃の分までこう埋めて行くというような操作をいたしたために、どうしても、調査までしてもわかりかねるような次第になつているわけでございます。 第三点の五百二十三号の案件でございますが、所長さんが自腹で支弁したというのは、それはどういう事情かというお尋ねでございますが、これは所長さんがこの京都の大学病院の後援団体であります和親会というところからお借りして一応当てたという事情でございます。弁済いたしましたのは一応全額弁済願つたわけであります。その後職員の貸付金等につきましては半額近い金額が弁済されておるわけでございます。所長のところに弁済されているという事情でございます。
○専門員(波江野繁君) 土地については国のほうの財産になるのでしよう。
○説明員(西田剛君) その点なかなかむずかしいのでございますが、一応土地の分を含めまして返済を願つて現段階ではおる事情でございます。
○カニエ邦彦君 今の答弁はちよつとおかしいですよ。片一方においては国の財産で国が土地を購入しておるのであつて、それを返済したらそれはどのようになるのかという問題が又起ると思いますね。これは検査院のほうではどういうようにやつておるのかということと、それからもう一つは先ほど言われているように、この検査院の報告によると接待等に使用したものがあると、済んでしまつているので、少しもこの使途の明細については明確でないというようなことを謳つてないのだね。その点と二つ、なぜ明確に使途がわからなかつたかという点と、その事情を調べて見たがどうしてもわからんというのか。或いは調べ足らんためにわからんというのか。その点の事情。
○説明員(西田剛君) 最後のほうからお答えいたします。使途の明細は一つ一つ書類は必ずしも完備しておりませんが、メモみたいなものがありましてそれによつて大体わかつておるのであります。例えば接待費等とありますのは、全体を引つ括めてどうというようなことでやつておるので、一応大体使途の明細と言いますか、メモ式のものもあつたかと思います。そういうものを調べて、一応は大体どういうものにどう使われておるかということがわかつております。 それからもう一点は、弁済の点だと思いますか、これは只今文部省のほうからお話のように和親会から借りて一応弁済した。財産としては正確には記憶しておりませんが、土地が国費で出した分が六十万円、それから今の金が二十円万、結局八十万円になつておるわけですが、恐らく六十万円として国有財産に載つておるはずだと思います。その弁済の当否ということになるとちよつと本来から言えば国のものになつておるものですから、必ずしも弁済する必要があつたかどうかという問題が残ると思います。ただ弁済されるかたの気持が結局こういう形で国に迷惑を掛けたという恐らく心理状態から全額弁償されたというように考えております。
○カニエ邦彦君 それはもう少し今掘下げて検討してみたいと思いますが、いずれにしても今会計検査院から言われたメモのようなものがある。大体数字が出て来たと言われるのですから、一応そのメモのようなものその他のものを併せて当時検査に当つた与しを一遍あとで委員長の手許まで出して下さいということを申上げておきます。以上。
○委員長(谷口弥三郎君) 只今のメモみたいなものとかいうようなものを出してもらえますか。
○説明員(西田剛君) 実はここに或る程度持つておるのでありますが、実は向うで調べてメモみたいなものを集計したその結論で、例えば接待費なら接待費のこれが何のどれに使われたという明細までちよつと出ませんですから、その点だけ、大体はそれは中央から来られたとかというような点は多少記憶しておりますけれども、明細な何人どうしてどうだというところまでは資料としては現に持つておりません。
○カニエ邦彦君 それではできるだけ会計検査院のほうでわかる限りの範囲において詳しく出してもらう。
○委員長(谷口弥三郎君) それでは、只今の資料は私どものほうに一つ出して頂く。それで文部省関係の五百二十二号及び五百二十三号は一応これで終了したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないものと認めます。 それでは次に厚生省関係に移ります。それでは厚生省の関係につきまして五百三十一号、五百三十三号、五百三十四号、五百四十三号、それに五百四十四号を加えまして、この五件について御説明を願います。
○政府委員(高田浩運君) 先ず五百三十一号について御説明申上げます。ここに上つております国立宮崎療養所分院、国立日向療養所と申しますのは、元医療団経営の病院でございまして、医療団から国に引継ぎ、承継いたしましたときに、宮崎療養所の分院として経営をいたしたのでございます。その後二十六年の四月に独立をした一個の療養所として現在経営をしておるものでございます。この療養所におきまして、二十五年の三月から九月までの間に国庫に納入すべき収入金約四十五億円を市中銀行の普通預金又は現金で保有いたしまして、それを同年五月から翌年四月までの間に食糧費、旅費等に流用し、又は職員に対して貸付けていたことに対して批難を受けておるものでございます。当時国立日向療養所の支出事務は本院でありますところの宮崎療養所において行なつていたものでございます。当分院は本院より約九時間の、陸路約百七十キロの遠隔の地にありますために、物品の購入代金等の支払いには相当時日を要するような状況にありましたし、又先ほど申上げましたような本院の経過からいたしまして、国家経理に慣れなかつた点もあつたかと思います。食糧費、旅費等のように、早急に支払いを要しますものについて止むを得ず収入金を一時使用していたものであります。なお流用又は貸付けました金額につきましては、昭和二十六年の四月二十五日までにそれぞれ全額国庫に納入済みでございます。 次に五百三十四号につきまして御説明申上げます。
○委員長(谷口弥三郎君) 五百三十三号。
○政府委員(高田浩運君) 私実は国立病院療養所の関係のものでございますので、先にそのほうをずつと説明さして頂きたいと思います。 五百三十四号は国立療養所の青森県の大湊にございます。大湊病院におきまして昭和二十四年の七月から二十五年の四月までの間におきまして、架空の名義により、又は正当の支払額に付書きをして物品購入代等を詐取したものを以て修繕費に使用したことにつきまして批難を受けたものでございます。病棟の屋根その他の普請でありますとか、或いはボイラーの応急修理の必要に迫られまして、或いは又医師の、臨時の雇い上げの経費、そういつたような緊急の経費の支弁に当りまして、それは成規の手続きを経ないで、これらの経費を充当いたしていたものでございまして、予算の経理をこれは紊したものでありまして、甚だ遺憾に存じておる次第でございます。 それから次に五百四十三号、五百四十三号に上つております国立別府病院は、元海軍省の亀川病院と称しておつたものでありまして、別府の中心地からは、多少離れておりますが、相当大きな病院でございまして、約五万坪の敷地と、建坪にしまして約八千坪、厖大な施設を持つておるものでございまして、年数も約三十年を経ておるのでございます。この病院におきまして、物品の払下げ代その他の収入金を直ちに国庫に納入することなく、医療機械の購入費、或いは営繕費等に使用したことについて批難を受けたものでございます。当院はその利用者が非常に多く、入院、外来患者も予想以上に多い場合が少くない状況でございまして、そういつた関係から医療機械の整備であるとか、或いは病棟等の修理でありますとか、こういつたような経費に充てたのでございます。元来これらの経費は、勿論正規の歳出の予算によりまして支弁すべきところでございます。それにもかかわらず、或いは正規の予算が僅少でありますとか、或いは時期を急ぎますとか、そういうような関係上、これらの金を充当しようとしたものでございます。勿論これは会計経理上、当を得た措置ではございませんので、甚だ遺憾に存じておる次第でございます。 次に五百四十四号、これは名前の示します通りに、大阪市にございまする国立の大阪病院でございます。物品の売払い代及び患者の自動車使用料等を、国庫に納入せずして市中銀行に預け、又物品の購入代等の政府支払い小切手を売出して、これを市銀行の預金又は現金で保有いたしまして、後日債権者に支払う、その間収入金や当初架空名儀によつて支出したもの、自動車の修繕費でありますとか或いは接待費に充当していたものに対して批難を受けたものでございます。まあ当時の状況といたしましては、業者の間に小切手の現金化の煩わしさなどから、現金支払いの要望が強かつたようなこともありまして、或いは取扱い者の事務の不慣れ等によりましてかかる取扱いをいたしておつたのでございますが、なおこの病院は、いわゆる東のほうにおける東京の国立第一病院或いは第二病院に匹敵いたしまして、西のほうにおけるいわゆる中心のモデル病院として考えておりますし、その意味でいろいろにこの病院の経営についてもその他についても考えて参りました関係上、そういつたモデル病院としての円滑な運営を期するために、関係官衙との連絡の会議費等も嵩みまして、接待費等に使つておつたのでございますが、いずれにいたしましても、申上げるまでもなくこういつたことは誠に好ましくないことでございまして、甚だ遺憾に存じておる次第でございます。今後かかることのないように十分注意をいたしたいと思います。 なおここで附言いたさして頂きたいと思いますが、今御説明申上げました中に、金を或いは建物の整備でありますとか或いは機械の整備であるとか、そういつた面に使つておる面があるのでありまして、これらはいずれも正規の予算の示達を受けて、その範囲内でやるべきものであることは、これは言うまでもないことでございます。御承知のようにいずれの国立病院或いは国立療養所におきましても、何しろ数が多く、その建物その他の整備、施設が厖大なために、当時におきましては十分の手が廻らず、一方現地側としては切羽つまつた気持を以てそういつた措置をとつた点があるのではないかと思うのでございますが、これらの点につきましては、私たちのほうとしてもこの国立病院、療養所の整備についてはできるだけの努力をいたしておるのでございます。いずれにいたしましてもそういつた成規の手続によつてやるべきものでございまして、事情はいろいろあるにいたしましても、こういつたことは好ましくないことでございますので、全般的に厳重にそういつたことがないように注意をいたしておる次第でございます。
○委員長(谷口弥三郎君) 次に五百三十三号について、少澤統計調査部長。
○説明員(小澤龍君) 五百三十三号は厚生省の統計調査部内に起きた事案でございます。内容は役務費として、賃金予算として計上してあつたもの百九十六万五千四十円を架空の名儀に支出いたしまして、この金額を超過勤務手当及び会議費等に転用したという事件でございます。その当時の状況を申しますると、丁度日本が世界保健機構に加入をいたしたいという希望を持つておつた時代でございまして、そのために各般の統計調査に関する事務の整備を急ぎまして、大変多忙でございました。それに加えまして、従来の統計がそろばんでやつておりましたものを機械統計に切替える。たまたま輸入申請しておりました統計機械が到着いたしまして、そういう統計技術に切替えて万事不馴れでありましたために、仕事がはかばかしく行かなかつた。そういう等のことが重なり合いまして、従いまして職員の相当多数の者が居残り、勤務をせざるを得ないという状況でございました。加えて世界保健機構に加入する準備としての種々の統計整備をするために、厚生統計協議会の中の専門委員会を頻繁に開催いたしました。各方面の知識者にお集まり願いましていろいろな会議いたした等のために、止むを得ずこの方面に使つた次第でございます。大体百九十万円の中身と申しますると、その五〇%強であります百九万二千五百七十五円、これは超過勤務手当に使いました。残りのものを会議、接待等の関係に使つた次第でございます。このことは当然必要があるならば予算流用等の措置を講じてなすべきでございました。然るに事務担当者におきまして、流用申請をいたしましても容易に承認は得られないであろうというふうに即断いたしまして、最も安易なる方法で以て架空名義によるところの賃金を支出してかような方面に使つた次第でございます。会計法上誠に違法なことでございまして、誠に申訳ないことと存じております。自今かかることのありませんように十分監督をいたしまして、その後けかようなことを今までは絶対にしでくしておりませんのでございます。 大体概要御報告を申上げます。
○委員長(谷口弥三郎君) 以上五件につきまして、会計検査院の上村第二局長。
○説明員(上村照昌君) 大体各案については厚生省のほうから詳細に御説明がありましたので、私のほうから極く簡単に申上げたい。 病院収入につきましては、基金から入るものを、文部省の場合と同じように、市中銀行に預けて、その間にいろいろのものに使つたという案件と、それから物品売払代その他を受取つて、これをいろいろの経費に使つたということと、それから架空なことで支出してこれをいろいろな経費に使つた、大要こういうふうに分れておると思います。これは一般会計の療養所及び特別会計の病院を通じまして、病院については陸海軍から移つて来たというような関係もありまして、必ずしも経理に対する観念が明確でなかつたという点は一つあろうかと思います。そういうわけで、収入金を勝手にいろいろの面に使うとか、或いは歳出金を使うとかいうようなことが相当起つたのではないかというふうに考えております。それから今の市中銀行に預けるとか、そういうふうな点は面白くありませんので、文部省と同じような形で厚生省に申入れを行なつて、順次取扱いが改まつて、現在は大体改まつておると思います。この点につきましては病院経理を相当見なければならんというので、二十六年の検査において引続き見ました結果は、同じように基金から来たものが途中でいろいろの経費に使われたという案件が、療養所及び病院で九つ、金額にしまして正確には覚えておりませんが干数百万円に上つておるのでありまして、中には百数十万円の使い込みが起つた、こういう事態もありますが、順次そういう取扱いは改善されて来ております。それからいろいろの経費に使いました架空経費、或いは歳入金を使いました経費の使途につきましては一応各案に記載してございますし、それから内容は大体私のほうで検査に行きまして、実際の領収書その他において使われたという事実を確認しております。 それからなおその中で五百三十四号の案件の中に、実は使途不明、どうしてもわからんというものが四万九千円ばかりございましたが、この分は弁償されて国庫に入つておる、こういうふうな状況で、その他は大体いずれも使途は、私のほうで調べたところ、使われたという方向は間違いない、こういうふうに調べております。
○カニエ邦彦君 会計検査院のほうで各案について、いろいろな使途に使われた、それを大別して飲み食いに使つた分、それからよんどころない事務費その他の物件費に使われておるようなものくらいに、大別二項目か或いは三項目にして、一遍数字で出してみてもらいたいと思います。それから今の四万円の使途がどうしてもわからなかつたというのは、これは使途不明として、その数字を四万円なら四万円ということに願いたい。それから使途不明であるというようなものは、なぜ一体使途不明なのか、例えば使途不明じやなく、個人が使い込んでおつて着服して使つていることははつきりしているが、一応そうなれば横領ということになつて刑事事件になる、だからそれは使途不明だということにして、そうしてこれを使途不明だから責任上弁済すればよい、そうすれば一応横領としての刑事事件は生れないというようなことになつている事例も少くないと思うが、本件についてはどうであつたか。
○説明員(上村照昌君) 只今の使途不明の点につきましては、一応検察当局のほうで調べまして、弁償されたということで不起訴になつております。
○委員長(谷口弥三郎君) 第二局長にお願いしますが、只今お話の出ました書類を一緒にあとで送つて下さい。
○カニエ邦彦君 それから専門員のほうから何か聞いておかれることがあつたら発言を願つたらいいかと思います。
○専門員(森莊三郎君) 五百三十一号の中で食糧費、旅費などに流用したとありまするが、これは先ほどの御説明では、場所が非常に遠隔の地にあつて不便な所であるということが一番主な理由のようでありまするが、これらの費用は本当に必要なものを使われたのか。例えば旅費にいたしましても、本当に必要な旅費に充てられたのか、或いはいわば濫用的に使われたものであるか、その辺のところを伺いたいと思いまするが、つまりそこに図書購入費などに流用しとなつておりまするので、それを一つ。 それから次に五百三十三号につきましては、当時特別な事情があつて非常に思いがけない費用を多く要したというふうに了解いたしましたが、その際の御説明に言われましたことは、予算の組替えとか何かは許されないだろうという考えからついこういう間違つたことをしたというお話でございましたが、実際のお取扱いは本当にそんなにやかましいものなのでしようか。それとも本当に必要な場合ならそれぞれの手続で許されるのが普通なのでしようか。役所の中における通常の場合の取扱いぶり。 それから五百三十四号につきましては、予算不足のためということが主な理由のように思いまするが、その場合に接待費、職員の慰安費などというようなものがありまするが、これも本当に外部からの訪問者が多いとか或いは渉外関係が多いとかいうようなことで真実止むを得なかつたにもかかわらず予算不足という余儀ない処置に出たのか、それとも厳格に言えば余計なことをやつたのかというような種類のものなのでありましようか。 それから五百四十三号につきましては、医療機械の購入費というようなものがありますが、これなんかは次の年度まで待てば当然正当な費目があるわけですね。何を急いでこんなことをやらなければならなかつたのか。殊に、営繕費も同様でありまするが、それから又この接待費等といわれるものがいわば濫用に近いものであつたのか、真実止むを得ない接待費であつたのか。 次に五百四十四号についても大体今申したのと同じことを伺いたいのでありまするが、なおそれに附け加えまして、この大阪の場合には小切手の現金化が煩わしいということが書いてありまするが、これがずつと田舎ならばとにかくも、大阪あたりの実業家若しくは商人相手の金銭の支払いに、小切手は銀行へ振込めば直ちに預金になるもので少しおかしいと思いますが、何か特殊な事情でもありましようか。それだけ気が付きましたので伺いたいと思います。
○政府委員(高田浩運君) 第一の五百三十一号に関したものでございますが、先ほど申上げましたようにこの療養所はいわゆる本院から相当遠隔の地にありまして経理上非常に不便であつたということが、こういう間違いを起しました大きな原因であることはお話の通りでございます。その流用いたしました目的は、勿論出張旅費でありますとか或いは食糧費でありますとか、そういつたものが相当多きを占めておるのでございますけれども、とかく現金でありますと便宜なものでございますから、つい職員が非常に困つた場合に多少貸付けるというようなこともあつたように承知いたしておるのでございます。 それから五百三十四号の大湊病院に関することでございますが、お話のように修理、修繕等につきましては予算がございますが、全般的に見れば相当不足の状況でございますし、私たちのほうとしましてはいずれも修繕、修理を要する点が多々あるのでございますけれども、何しろそういう施設乃至場所が非常に多い関係上、急速に手を廻わして全部希望通りに直してしまうというわけには参らない実情でございますので、おのずから順序をつけてやつておるわけでございます。その間つい待てばいいものを待ち切れない、そういつた切羽詰つた気持でこういうとになつたかと思つておるのでございます。いずれにいたしましても予算全体として不足勝であることは、これはまあ現実の問題として、その正規の予算の支出によらないでやつたということは、これは勿論会計経理を紊つたものでございます。 それから慰安費及び接待費につきましては、これは先ほど大蔵省関係のときもお話があつたように聞いたのでございますが、厳密な意味においてどの辺までが絶対必要不可欠の経費であつて、これから先はいけないのだというけじめをつけることが、これはなかなかむずかしい問題でございますので、正確にこのうちに、そのうちの何%が前者であり、何%が後者であるということを申上げることができませんことは甚だ遺憾でございますが、慰安費等につきましては患者に映画を見せますとか、或いは音楽の慰問団が参りました場合にこれらに対する謝金でありますとか、そういつたようなことが含まれておりますし、接待費につきましては、これはほかの場合と同じように、関係の地元であるとか、或いは中央関係のものであるとか、そういつたようなことがその内容に含まれておると考えられるのでございまして、正確にどの範囲がどうであるかということは甚だ残念でございますけれども、ちよつと申上げる材料を持合していないのでございます。 それから五百四十三号でございます。医療機械乃至営繕費につきましては、今大湊病院について申上げましたように、正規の予算の令達を待つべきことは、これは言うまでもないことでございますけれども、今大湊病院の場合に申上げましたように、いろいろ整備をしなければならないことがあちこちある。而も予算全体としてはなかなか廻つて来ないというような関係から、切羽詰つた気持でやつた場合ではないかと考えておるのでございます。今後はこういうふうな方法でなしに、飽くまでも正規な予算の示達を受けて整備なり或いは医療機械の調達なりをやるように厳重に指導いたしておるのであります。接待費の点につきましても、今大湊病院について申上げましたような感じを持つておるのでございます。 次に五百四十四号の大阪病院の場合でございますが、小切手の件につきましてはそういうような声があつたということを承知いたしておりましたので、聞いておりましたので申上げたのでございます。特別な事由はなかつたと考えております。
○説明員(小澤龍君) 五百三十三号についてお答え申上げます。さように差迫つた特殊な事由であるならば、理由を附して大蔵大臣に協議したならば予算の流用は認められなかつたであろうか、どうであろうかという問題でございます。これはそういう事情であるならば、大蔵省に協議した場合には、私どもといたしましては当然認められているであろうと考えます。然らばなぜそういう理由を附して手続をしないかと申上げますると、先ほども申上げましたような事情によりまして、その直接の監督者でありますところの指導課長が、更にそのほうの監督者である統計調査部長も、この統計調査の国際基準への転換という新らしい業務に実は忙殺されておりまして、内部監督が不行届であつた、こういうことであります。たとえて申しますならば、例えば死亡者の分類にいたしましても、在来は日本流の分類をいたしております。国際機構に参与する以上は国際分類によらなければならないのであります。ところが国際分類をそのまま日本に適用した場合においては必ずしも日本の国情に叶わないのであります。それを如何にアレンジして行くかということについては、これは大変大きな問題でございましたけれども、さような業務に忙殺されておりまして、これが図らずもそのような申訳のない失態を起しましたところの最大の原因と思います。この最大の原因については十分私どもとして反省をいたしておるのであります。
○専門員(波江野繁君) 一点だけ簡単に、五百三十一号の流用又は貸付けた金額を、答弁によりますと、いずれも国庫に納入済みであると書いてありますが、この指摘の四十四万円何がしかの全額であるのか、この中には食糧費等があるのであるが、これも国庫に返したのかどうか。貸付金を返すのは本人から取つて返すのは、これは当然でありますが、食糧費、図書購入費、旅費、こういうものまでお返しになつたのかどうか、返したならばどういう形でお返しになつたのか、それだけ。
○政府委員(高田浩運君) 全部済んだのでございます。お断り申上げておきますが、食糧費と申しますのは、ここは実は患者の食糧費でございますので、接待費ではございません。
○委員長(谷口弥三郎君) 別にお質疑もありませんならば……。
○瀧井治三郎君 いろいろ批難事項を承わつたのですが、結局こういう会計経理なんかを見ますというと、こんなことをやつておるのですが、そういうことを根絶するのは不可能だという感じを起すのです。これはちよつと見ますと食糧費、接待費の予算を使つてしまつており、予算にない、そこでないものを知りつつ、万止むを得ないか知らんが、とにかくないのに食糧費、接待費を置く、それはそれでいい、それが発覚してどういうことをやるかというと、そのやつた人間に対して訓戒、戒告、厳重な注意、中には上のほうの上司がやつたのを責任は下の者が持たねばならんというような場合には、相当の処分を考慮中である、こういうような文面です。何と言いますか、カモフラージしてしまつて、これは官吏はこういうようなことはやつても罪にならないと国民が話しておつても、これは間違いにならないと思うのですが、こういうことに対して余ほど御考慮願わないと、今後私は止むを得ないのだというようなことになりはしないかと心配いたしておりますから、一言申上げておきます。
○委員長(谷口弥三郎君) それでは五百三十一号、五百三十三号、五百三十四号、五百四十三号、五百四十四号の五件は一応了承したものと見てよろしいですか。別に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷口弥三郎君) 御異議ないと認めます。 それから誠に遅くなつて御迷惑ですけれども、法務府のほうがもう一件ありますから、それだけを一つこの際にやらして頂きます。 それでは早速七十七号、法務府関係の七十七号について先ず法務府のほうから説明をお願いいたします。
○政府委員(天野武一君) 七十七号について申上げます。これは会計検査院の検査報告にございます通り二つの問題がございまして、前段のほうは神戸の刑務所で昭和二十五年四月丸紅株式会社から購入した亜鉛引鉄線四十九屯四の代金としてその四月に百八十万円を支出したことになつておるが、これは実際は丸紅に渡つた支払いではないので、そのうち百九万六千二十九円というものを二十四年度刑務所収入の収納未済の額に充当いたしまして日本銀行に払込み、残りのものは現金でこれを保有いたしまして、一方その丸紅に対しましては五月から十二月までの間に数回に亘りまして手許に持つておつた金、それから前年度収納未済であつたもののうち、他の方面からの回収金のうちから百四十七万五千円を払いまして、そうするとあとまだ三十二万五千円というものが残りますが、これは丸紅に実際払わなくていい金であつたのでありますので、二十六年三月に至りまして別途二十五年七月に同会社に対して過払いしていたものの回収すべき額に充当して歳出の金額に戻入れたという事実でございます。この前段の点はここにございますように当時神戸の刑務所は非常に内部の秩序が紊れておりまして、そうしてこの事実は本省の矯正局から巡閲に参りまして発見したのでありますが、作業課長、もうすでにあとで退職いたしました作業課長が作業収入を挙げろということを非常に中央から強くその成績を求められるために、丸紅に対しまして払うということで小切手を振り出しておいて、その小切手を現金化いたしまして、それで実際に丸紅に払うことをやめて二十四年度の刑務所収入の収納未済額のほうに充当して、それで五月から十二月までの間、これは五回に亘つてやつておりますが、そうしてほかのほうから収納した金額を丸紅のほうに百四十七万五千円というものを払つた。これは百八十万と言いますのはそれだけ丸紅に払わなくていいのでありますが、丸紅に対しては百四十七万五千円でよかつたのでございますから、残りの三十二万五千円というものは又歳出のほうに戻入して、あとに戻したということでまあ帳面のほうは綺麗になつたということをやつたのであります。この事実は私どもの立場がらいたしますと、こういうふうに小切手を振り出しておいて現金を手許に持つておくということは最も戒めておる、又間違いの起しやすいことでございますし、非常にいけないことでございます。一作業課長がこういうことをやるということはこれは実際出納官吏でございませんし、最も禁じておることでありましたが、かようなことが行われてしまつたのであります。 それから次の後段はこれは又別の職員でございますが、二十五年五月に架空の名義で物品購入代金二十四万二千八百三十円を出しまして、そうしてこれを二十四年度刑務所収入の収納未済額のほうに充当したのであります。これは当時刑務所の中に不正を働く者がおりまして、その不正と申しますのは明石にあります日本農具株式会社というのがございます。この日本農具株式会社が農機具の製作をこの神戸刑務所に頼んでおつたのであります。その当時担当技官がおりまして、その担当しておつた技官が日本農具株式会社からその代金を受取りまして、そうしておいて、実際それは詐欺で起訴され、判決がございまして、裁判所では詐欺と認定いたしましたが、役所に納める意思がないのに、役所に納める金を刑務所ではこの会社から担当官が代金としてメーカーから受取つた。役所に納まらないから年度末になりますと穴があいて来るということになるのであります。そこで役所の人たちは困りまして、この田中を責めたのであります。田中はすでに刑務所におりませんでしたが、その結果、田中は家財道具、不動産、親戚から集めた金などいろいろ弁償に努力いたしました結果、二十四万二千八百三十円というものが残つてしまつたのであります。そこで当時の作業課長であるこれもすでに退職いたしましたが、それから所長代理をしておりました男、やはり退職いたしましたが鈴木という総務部長、これなどが相談いたしまして、この役所のほうの穴があいたのを何とかして埋めようというので謀議いたしまして、架空の名義を用いまして二十四万二千八百三十円というものを出しまして、それを刑務所収入の先ほど詐欺で穴をあけられた収納未済のほうに充当したのであります。もうおよそ問題にならない非常に悪辣なことであります。これは当時そういうことに関係しておつた、つまり作業課長でありますとか、こういう連中だけで相談いたしましてこういうことをやりました。当時刑務所長は出張中でありましたが、戻つて参りまして結局行なわれた過ちを追認したような形になりました。これも退職させました、あとの問題といたしましてはこれは検察庁のほうにすぐ刑務所のほうから告発が行われました。二十六年二月でございますが、告発が行われまして、神戸の検察庁は地方裁判所に起訴たしまして判決がありました。只今申しました田中という技官、これは懲役二年、やはりその分け前をもらつた臓物の収受ということになりますが、分け前をもらつた事務官は懲役一年、それから分け前をもらつたのでございませんが、取引に関係して収賄の事実があつたというので技官が懲役十カ月、判決は三年乃至五年の執行猶予になりましたが、所長は辞め、その他はそれぞれ外に転出いたしましたり、それからあとで辞職して辞めているというような者等が出たのであります。全くこれは犯罪でありまして、経理を見る者といたしましては何とも申訳がないのでありますが、その後神戸刑務所は陣容を立直しまして、所長以下すつかり替りまして、こういうような事実もこちらの巡閲で作業課長が交替したというようなことを怪しんで調べたことからわかつたことでありまして、今後ともかようなことのないように十分注意いたします。
○委員長(谷口弥三郎君) 本件に関しまして会計検査院の第二局長から……。
○説明員(上村照昌君) 本件については詳細な御説明もありましたし、真相のほうも相当御説明がありまして、結局これは犯罪にも関連するし、一言にして言いますれば、この神戸刑務所の経理が紊乱しておつたということでありまして、これは修正して行くよりほかに手がない。そういう措置もとられておるのでありますから、特に補足して申すことはございません。
○政府委員(天野武一君) ちよつと申し落しましたが、その後これだけの結局二十四万なにがしの損害を与えたので、その場合国に対して補填しなければなりませんが、これに対しましては、その後又被告人のほうから七万円ほどの弁償がございました。その後昨年の十一月になりまして裁判所で和解を確定いたしました。二十八年の一月からつまり今年いつぱい、それから来年つまりその次の三十年というふうにいろいろ金額を分けまして、分割払によつて支払を履行するというふうに確定いたしました。
○委員長(谷口弥三郎君) 別に御質疑ありませんか、それでは御質疑ないものと認めます。一応これで終了いたします。それでは本日は小委員会を閉じます。 午後六時一分散会