決算委員会 第17号
- 発言数
- 59 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1953/03/03
会議録
○理事(岩男仁藏君) これより本日の会議を開きます。 お諮りいたしますが、小委員の佐多忠隆君が一月二十五日委員を辞任されましたため、小委員が一名欠員となつておりますので、この際その補充選定をいたしたいと存じます。前例により会派の推薦に基き、委員長より指名選定をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(岩男仁藏君) 御異議がないものと認めます。それでは委員長より栗山良夫君を小委員に指名いたします。
○理事(岩男仁藏君) 次に派遣議員の報告を議題に供します。 先般の委員会におきまして、昭和二十五年度決算批難事項の実地調査のうち、第一班の分につきましては報告を終了いたしておりますが、本日はここに第二班、熊本及び長崎両県下、第三班、愛知及び三重県下、第四班、広島県及び山口県下、各班の実地調査報告書が提出されております。これら報告書につきましては、本委員会において取りきめました通り、口頭報告並びに報告書の印刷配付を省略いたしまして、会議録に掲載することにいたしまして報告に代えることになつておりますので、そのように取計らいたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(岩男仁藏君) 御異議ないものと認めます。 —————————————
○理事(岩男仁藏君) 次に昭和二十五年度決算のうち、会計検査院の批難事項第十五号、地方財政委員会に関する問題を議題に供します。十五号は「地方財政平衡交付金の交付が均衡を欠いたと認められるもの」という表題であります。会計検査院のほうから何か御説明がございますか。
○説明員(池田修藏君) 只今議題に上りました十五号の案件でございますが、これは二十五年度に初めて地方財政平衡交付金の制度が設けられまして、最初の交付金を各地方団体に交付したものにつきまして、各府県の平衡交付金をもらうべき基準となる金額が一定の方式によつて算出されたのでありますが、その算出の方式、それから計算の仕方等におきまして相当複雑な事情がありましたが、算出が誤つておりましたために交付金を増さなければならんもの或いは減額しなければならんというふうなものがまちまちでございまして、結局において各団体間に不公平が、不均衡が生じておるということを批難した案件でございます。それでここにございますどういうわけでそういう間違いが起るかということは、これは最初の年度でもありますし、多少その間不慣れな点もありましたでしようし、又規則そのもの、又算式の方式等が相当混み入つておりますので、こういう間違いが、殊に最初の年度でもあり、あることは若干考慮してやらなければならんとは思いますが、とにかく各地方団体が財政の困窮を補填してもらう平衡交付金に不公平があつたということは、結果からいつて遺憾に存ずるものでございます。先ずそれだけ。
○理事(岩男仁藏君) 自治方面からはございませんか。
○政府委員(奧野誠亮君) 昭和二十五年にこの制度を実施いたしますに当りまして、なるたけ公信力のある統計数字を使つて、それぞれの財政需要額や財政収入額を算定して見たいということで努力して参つたのでありますが、結果から見て参りますと、公信力ありと考えられておつた統計数字さえなかなか整備されておらなかつたというふうな状態を発見した次第でありまして、そういうところからこういう間違いをも会計検査院から指摘して頂き、爾後地方財政平衡交付金法を改正いたしまして間違いを発見いたしました場合には、発見した年度又は翌年度におきまして基準財政需要額を増減する措置によつて、後からでも機械的に適正な算定に変えられるというふうな法的措置をも講じた次第であります。誠に遺憾なことではありますけれども、年を逐うて過ちのないように期して行くことができるというふうに考えております。
○松永義雄君 大蔵省関係に亘るのですが、自治庁としてお答えできましたら一つ。この平衡交付金なり或いは補助金なりが適切な時期に行渡らないために地方府県がその財政困難というか資金の不足を来たして、国営事業なりの仕事をやつているにもかかわらず、その金が廻つて来ない。仕事のための金が廻つて来ない。廻つて来ないために金を立て替えて仕事をしなければならん。その結果やり繰りがつかなくなつて、今度自分が負担金を払うということになるというと、負担金を払う金に困る。その結果として今その負担金の跡仕末に関する法案が大蔵委員会に出ている。で、国から地方へ向つて行くべき金が予算上十分に行かないという点もありましようし、予算はきまつておるけれども、適時に金が行かないために、つい仕事は始めたけれども、金がないために立替払いをする。従つて国へ今度払うべき金に困つている。その一つが負担金の問題で、府県が相当額負担金を払えないような結果になつて、その跡仕末をつけるために、これを地方債を代りに担保にとつているといいますか、或いはその他そういつたような解決策の法案が出ている。現在のように国営事業なら国営事業に対して適切に国のほうから地方へ金が廻つて行つているのかどうかということです。二十七年度以降についても、若し負担金が未納になつた場合には、こういう方法で解決するといつたような法案すら出ておるので、過去ばかりでなく、将来に対しても、そういつたような対策が講ぜられておるようなんですが、現在国から地方へ予算できめた金ならじやんじやん地方へ廻つているかどうかという点なんです。
○政府委員(奧野誠亮君) 元来国で負担しなければならない経費であるけれども、予算がありませんために、一応地方団体に立替えさせまして、その翌年度に国が元来分担すべきものを支出するというふうな例も若干ございます。例えば二十六年のルース台風の際に国の負担すべきものを地方団体に立替えさせ、その代り資金運用部資金を融通して、二十七年度に入りましてから利子相当額を平衡交付金で補填をするというようなやり方をしたことがございます。又災害復旧の場合には大体従来三年ぐらいで復旧工事を完成するというふうなあり方で、国と地方とが分担し合つて参つたわけでありますけれども、戦後国の分担分が少いといいますか、災害が多いといいますか、そういうふうな関係から四年になり五年に延びる。併しながら地方としては放擲できないで先に工事をやつてしまう。そういうふうな考え方から国の分担すべきものを立替えて行く。それが若干地方団体の財政を圧迫して来るというような問題もあろうかと思います。半面又生活保護費でありますとか、そういうふうなものにつきましては、義務的な支出額でありますが、地方団体が出しました金額につきましては、年度がずれましても必ずそれだけの額は国から交付されて参るというふうな形になつて参つているわけであります。今お話になつておりまする法律案は国道の改修でありますとか或いは港湾の改修でありますとか、国が直轄事業でやる。併しその三分の一なり二分の一なりを当該地方団体に分担させるという制度がございます。これらの国の公共事業に伴いまして、地方団体が分担すべきものが二十八年度で約九十八億円でございますが、九十八億円を年度内に国に支払つてしまいますということは、何分工事の規模が大きいものでありますので、三分の一なり二分の一なりの分担金でありましても、規模の小さい地方団体にとりましては非常に過重な負担でありますので、これを或る程度年度を引延ばしまして、毎年度幾らかずつ国に支払つて行くというようなやり方をしたい、こういうふうな考え方から差当り二十八年度には地方団体から国に借金証文を渡すだけにしよう。そうしてそれを五年なり十年なりに分けて支払う。又時期が遅れましたら、期限内に払うようにいたしますために延滞利子を徴収することが可能なような制度にするようにしたい、かような考えを持つておるわけであります。半面又従来もそうした分担金が相当あつたわけでありますが、一時に支払うことが困難でありますので、他面には又それぞれの地方団体にとりましてはその額が相当多額でありますので、滞りがちになつて来ておるようであります。これもやはり地方団体の支払い方法につきまして若干問題があるんじやなかろうか、一度にそういうものを支払うことにしないで、何年間かに分けて支払うようにしたほうが円滑な支払いが可能になるんじやなかろうかと、こういうふうな考え方を持つておりますので、差当り二十八年度の地方団体が国に分担納付すべき額から交付公債を以て支払う、何年度かに分けて国に納付することができるような制度を作りたい、こういうことで、その法律案が恐らく大蔵委員会においてすでに審議されておるところだろうと思つております。
○松永義雄君 今出ているこの法案自体は仕事が大きいからその支払い方法を分割払いみたいにして行こうと、それはそれ自体としては一つの解決方法ですけれども、甲の仕事に国が交付或いは補助をなすべき金を出し遅れるというか、出さないわけではないけれども出し遅れる、そのために乙が負担をしなければならない金を甲のほうで金を寄越さないなら、而もその金は立替えてやつておる、立替えてやつておるのに寄越すべき金を寄越さないから乙のほうの負担金をこれは俺は払わないぞと、こういうふうな言いがかりというか文句も出て来るかと思うのですが、まあそういうふうな事実はないのですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 御指摘の事実は承知しておりませんけれども、ただ一般的に実際地方団体で必要なときに国の分担すべきものが地方団体に廻つて来ない、こういうふうな事例が従来多かつたものでありますから、数年前に地方財政法を改正いたしまして、国の地方団体に交付すべき金は四半期毎に交付して行かなきやならないと、こういうふうな命令的な規定を置いているわけであります。各省にありましても近来時期に遅れないように金を地方団体に交付して行くことに努力を払つて頂いているようでありますので、漸次改められて行くんじやなかろうかというふうな考え方を持つております。
○理事(岩男仁藏君) 御質問はございませんか。
○中川幸平君 この昭和二十五年度の平衡交付金基準額の過ちは相当推計があるのですが、会計検査院の検査を受ける前にこれを発見するような検査をせんことになつておるのですか。それといま一つ、この増減を翌年に皆是正したのですか。その点をちよつとお尋ねいたします。
○政府委員(奧野誠亮君) お話のように会計検査院から指摘されるまでに、自治庁としては十分調査いたしまして過ちを是正すべきだと思います。併しながら何分この制度が始まつたばかりでありますので、実態に即応した制度に改善して行きたいというような関係でその方面の仕事に追われておりますために、未だ算定額が適正であつたかどうかということを現地に行つて調査するような余裕を持ち得るに至つておりません。いま暫くしますれば、そういう余裕も持ち得るようになるだろうと思うのでありますけれども、現在のところなお適正な配分方法の樹立に懸命の努力を払つておるわけであります。なお会計検査院から指摘されました問題につきましては、それぞれ更に府県或いは市町村の意向も確めまして、それぞれ基準財政額に加算するなり或いは減額するなりの措置をとつて参りまして、或いはまだ調査が未了でありますために、若干措置の済んでいないものが残つておるかも知れませんけれども、若しあるとしましても、それは例外的な事例であります。
○理事(岩男仁藏君) 別に御質問ございませんようですから、第十五号の質疑は一応終了いたしたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(岩男仁藏君) 御異議ないものと認めます。 それでは次に移りまして、第十六号から第二十五号までを議題に供します。専門員から御説明いたします。
○専門員(森莊三郎君) 只今議題になりましたものからずつとあとのほうは終戦処理関係でありまして、当時の特別調達庁、只今では調達庁となつておりますが、それの関係のものであります。只今議題になりました十六号から二十五号までにつきましていろいろな問題が指摘されておるのであります。それに対する当局の回答を見ますると、大体においてその処置が適当でなかつたことを遺憾とするということが明らかにその意思が表示されておるわけなのであります。尤も若干の問題につきまして必ずしもそういうわけでもない、多少部分的に意見の食違いというところがこの答弁書の文字の上ではないではありませんが、その後専門員室に来て頂きましていろいろと話合いをいたしましたこともあり、又当局においても更に御研究になつた点もありいたしまして、結局只今のところではすべて検査院の御指摘の通りで誠に遺憾であるということになつておりますことを附け加えて申上げておきます。
○理事(岩男仁藏君) それでは検査院のほうで何かお話ありますか。
○説明員(上村照昌君) 只今専門員からお話がございまして只今議題になつております案件につきましては比較的簡単な事業でございまして、最初の分は過払金の回収に関する問題でありまして、これは当局の措置が緩慢であるということでございます。なお当局としては是正措置をとられたもの、或いは回収せられたものもございます。 それから十八号の分については歳出金の取扱いが不適当でありまして、その間これを現金化していろいろなものに使われ、その間職員によつて横領せられたような事実もございます。なお横領金額のうち二十五万円は現在まで未補填になつております。 それから十九号の案件は工事費の過払金等の徴収処置が当を得ないもの、そのうち一の分は、工事が十二基から四基に減つたのに、当初の契約通り払われた。これには多少いきさつがありまして、現地においてなお十二基だというような関係もあつたかと思いますが、確定しない、そういうふうなことであるならば、代金の支払いその他を考慮するということが望ましかつたかと思いますが、そのまま支払われていたため、過払いになつた案件でございます。 それから二十号、二十一号は、工事の支払いに当つて処置当を得ないもので、これはいずれも工事のでき方が契約通りでなかつたものについて支払われたものでありまして、いずれも回収の処置をとられております。 それから二十二から二十四は、官給資材を交付せられたものについて、残材になつておつたものについての処置が遅れておつたという事案でございます。
○理事(岩男仁藏君) 調達庁から何か御説明がありますか。
○政府委員(山内隆一君) 只今の御上程になつております各事案につきましては、検査院の御指摘の通りでありまして、それぞれ問題によつては多少性質が違いますが、誠に遺憾に存じております。ただその後の回収状況をちよつと申上げておきたいと思います。只今の問題のうち、金の回収に関係のあるものにつきましては、お手許に差上げてあるそうでございますから、これによつて御了承願いたいと思いますが、回収には極力努力いたしておりますが、問題によりましては非常に回収能力が乏しいために、なかなか意のごとく回収が進みませんで、とまつておる問題もあります。又中には殆んど解散して所在もわからないで、今後といえども回収が非常にこれはもうむずかしいというような問題もありますので、非常に遺憾に存じておりますが、今後といえども十分極力回収に努力いたしたいと思つております。
○理事(岩男仁藏君) 御質疑はございませんか。
○中川幸平君 特別調達庁のとかくの噂は聞いておるので、まあかような批難事項のたくさん出ておることは遺憾なことでありますが、その後どうなんですか。これを一々質問しているとなかなか手間がかかることで、なんですけれども、最近非常にいいというようなお話も聞いておるのだが、相当改まつておるのですか、どうですか。最近の情勢を、翌年の検査報告をまだ見ておらんのですが、非常に減つておるのですか、どうですか。会計検査院のほうにちよつと概況を一つ。
○説明員(上村照昌君) 只今の経理状況がその後よくなつておるかどうかというお話でございますが、二十五年度の検査報告は御覧の通り相当多数に上つておるわけでありますが、二十六年度のほうは検査報告をその後提出いたしましたが、ちよつと記憶で、多少数字が違うかも知れませんが、十五、六件かと思います。件数が少くなつておりますのは、多分業務が少くなつた幅もあるかと思いますが、全体的に申上げますと、順次経理はよくなつておるということだけは申上げてよかろうかと思います。個々のものについてなお改善を要すべきものもあるかと思いますが、全体的に見れば順次よくなつておる、こういうふうに考えております。
○理事(岩男仁藏君) 御質疑はございませんか。別に御質疑もございませんようですから、第十六号より第二十五号までの質疑は一応終了したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(岩男仁藏君) 御異議ないものと認めます。それでは次に進みます。 次は第二十六号より第三十九号を議題に供します。専門員から説明があります。
○専門員(森莊三郎君) 二十六号から三十九号までは解除物件の売渡し及び管理がよろしきを得ないという検査院からの指摘であります。これに対して当局のほうでは、何分にもこの解除物件というものが、軍のほうで不要になつたものをことごとくこちらへ引渡されたので、種類から言つてももう雑多なものがあり、分量から言つても大変な分量があつたので、その処分も管理もなかなか容易ではなかつたという事情を御了察をお願いいたしたい、殊にこれを早く売却をしてしまわなければならないという必要があつたので、売り急いだということ、又ぐずぐずしておりますると、例えばその保管料だけでも、倉敷料を相当払わなければならないという点もありますので、それを節約する必要も、これ又そう小さい問題でもない、いろいろなことがあつたがために十分な取扱いができなかつたことは誠に遺憾でありまするが、どうぞ事情の御了察を願いたい、こういうような事情なのでございます。
○説明員(上村照昌君) 只今の解除物件の売渡し及び管理当を得ないものが全部で十四件になつております。総括的に御説明いたしますと、一つは調達庁の工事用に払われた物件が、工事費の積算よりも安かつた、これは連絡すればわかるではないかというような案件、或いは解除物件を売払われまするに、いろいろの価格の出し方におきまして、物が古いとか、或いはいろいろの要素をとられまして、減価率を乗じて時価を出して売るという方法がとられておりますが、全体的にここに挙げました案件は、減価率が非常に高過ぎた、或いは当時の材料なりについて見て、材料価格よりも安い、或いは朝鮮事変の関係で相当値が上つておる状況であるのに、そういう考慮が払われなかつたというような案件、或いは物品を売渡される場合に、代金を徴収した後に物を渡すことになつておるのでありますが、これを代金徴収前に渡された案件、或いは解除物件の輸送関係に、自動車の料金の公定価格のとり方を誤まられたとか、或いは一般の観念よりも多く輸送費を見込まれたというような案件であります。なお非常に細かい案件を扱われる場合に、その寄託料を細かい一つ一つで計算されて、比較的高い寄託料を払われたというような事態であります。なおこれらの事態に対しまして公定価格を誤まられたものについては回収措置を講ぜられ或いは零細物件の寄託等については、その後において考慮されて取扱いも改められておられます。
○政府委員(山内隆一君) 只今御審議願つております事項につきましても大体会計検査院の御指摘の通りでありまして、これ又誠に遺憾と存じております。その当時すでに検査院からの報告、御批評を受けましてから、すぐ改善をした問題もあり、或いは解除すべきものは解除した問題もありますが、一般的に申しまして、少しく当時の解除物件の処理についての事情を申上げて御了解を得たいと思いますが、専門員からも申述べられておりますが、一つは当時の事情、非常に急がなければいけなかつた、各局とも責任数量をきめられていついつまで、何月のいつまでに必ず処分をするように、処分をし終らなかつた場合には、事情によつてはその責任者の責任を問うとまで強く言われたような非常に緊急処理であつたということ、従つてその結果から見ましても、今度は評価に当りましては幾分か疎漏があつたこと、或いは品物のよしあしを見るについて幾分か判断を誤つたこと等がありましたことは非常に遺憾であります。なお御指摘になりました代金の支払い前に品物を渡したという問題が二件ありますが、そのうちの一件、三十五番の問題の中でありますが、東京局の関係で小島電機製作所外六会社に変圧器を代金の入る前に渡したという問題がありますが、実はこれらの会社から軍の必要によりまして品物を買受けたわけでありますが、それらの品物が米軍の支給品であつた絶縁油の支給がなければ役に立たぬ、利用できない、その支給のあるまで製造業者である、今販売業者である会社に一時預けておいた、ところがその期間が長くなりまして、会社のほうでも営業不振になつたために、それをいわば使い込んだ形で処分してしまつたという問題でありまして、普通厳格な手続によつて金が収まつてから品物を渡すべきものを迂潤に渡したというのではなくて、初めから向うの側にあつたものが営業不振のために処分された、こういう事態でありますことを申上げて御了解を願つておきたいと思います。それ以外の点につきましては御指摘の通りでありまして、それぞれ十分その後の処分については改善に努めて遺憾なきを期した次第であります。
○理事(岩男仁藏君) 御質疑はございませんか。別に御質疑もございませんようですから、第二十六号より第三十九号までの質疑は一応終了したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(岩男仁藏君) 御異議ないと認めます。 それでは次に進みまして第四十号より第四十五号までを議題に供します。
○専門員(森莊三郎君) 四十号から四十五号につきましては、石炭の購入に当り処置当を得ないものとして指摘されているのであります。これに対しまして当局から一、二の点について特に弁明されている点があるのであります。それは検収をする権利が初めは軍のほうにだけあつて、日本側は全然検収に立会うことを許されなかつた。後にだんだんと先方へ交渉しまして検収に立会うということにはなつたけれども、実際においてはなかなかそんなことをさせてくれなかつたという事情、それからもう一つは日本における石炭の売買に関する商慣習がアメリカの商慣習と非常に違つておる、そこで以ていろいろな困難な問題を生じたということを述べておられるのであります。それらにつきましては当局なり検査院のほうから十分よく御説明下さればその事情がわかろうかと存じます。それだけちよつと附け加えて申上げます。
○説明員(上村照昌君) 石炭の四十号から四十五号までの案件でありまするが、石炭は二十五年度におきまして調達庁で調弁されたものが二百十万余トンでありまして、その額が六十一億余万円に上つて相当厖大な金額になつております。さような関係で、石炭の問題を実は取上げて考えたわけでありますが、只今専門員のほうから申されましたように、二十五年の十月までは検収権が軍側におつたわけであります。二十五年の十月からは日本側にも検収権があることになつたわけであります。従いまして理窟から申しますれば数量が不足するかどうか、カロリーが適切であるかどうか、納入が遅延しておるかどうか、ということは日本側で当然契約上はあるわけでございます。又それらの点につきましては数量が不足しているとか或いはカロリーが足りないという場合には、契約上減額処置をとることになつておるわけであります。只今申されましたように、当時の事情といたしましては契約上そういうふうにはなつておりますが、軍側で相当強い所もあつたかと思います。思いますが、日本側にそういうふうに契約上向うとの話合の上で権限が認められたものでありますから、而もこれらのここに載せてあります案件については、調達庁において事実のわかつたものも幾分あります。中には私のほうで業者について取調べた結果、判明したものもございますが、調達庁のほうでそういう権限がありますから、できるだけ軍と折衝されて適正な契約通りに行うという措置が望ましかつたという意味におきまして、かかるここに挙げましたような契約不足のものに対するもの或いはカロリー不足のものに対するもの、それについての処置は遺憾であつた、こういうふうに考えておるのであります。 なおここで契約規格の点で、中塊炭で契約しておるのに粉炭が入つたのをそのまま認めておるというような事態は、実はアメリカの粉炭という考え方と日本の粉炭という考え方、これは日本の粉炭のほうが少し粒が大きいわけでありますが、そういう関係上向うさんから言えば、向うさんの粉炭では間に合わないということで中塊炭が契約されたような事情もあるかと思いますが、こういうふうな事態に対応しまして、その後におきましては向うさんと連絡いたしまして、或る程度そういうふうなものに対しては粉炭ですむものは粉炭で間に合わせるとかというような措置がとられております。なお又軍とその後交渉せられて減額できるものは減額されたものもございます。以上であります。
○政府委員(山内隆一君) 石炭の問題は非常に大きな金額に上りますので、検査院側の御批評も非常に適当な点がたくさんあるのでありますが、調達庁としましてはかなり強い軍の規制の下にその命に従つてやらなければならん事情がありました関係で、なかなか思うに任せないためにいろいろの問題が起きたと考えております。そこで少しく項目を拾いまして事情を申上げさして頂きたいと思います。最初にあります数量だとか或いは品質だとか、カロリー不足の問題とか、そういう品物を受取る際に十分調べて受取るべきものが、すべて調達庁は軍の調達命令を執行する官庁となつておるものの、石炭につきましては全く軍のほうだけ権限を持つておりまして、こちらのほうでは立会うこともできないような状態になつておりました。従つてその現地におる調達庁の出先のものとしては、石炭の納入状態から言つて、多少の批評したいこともあつて向うに意見を出しましても、その意見は取上げられないというような事情が非常に多かつたので、この数量不足があるにもかかわらず、減額措置をとらんじやないかという場合でありましても、数量が果して不足かどうかということも、軍が完全に受取つたというレシート、受領書を出して請求をしますものですから、どうもこちらに立会う権利があれば、いや、あのとき一緒に見て足りなかつたじやないかということも言えますけれども、どうも確実に立証がつかない、権限がないためにそんなふうなわけで不満足ながら軍のレシートに従つて支払いをしなければならんというようなことが至るところにありましたために問題が起り、御批評を得るに至つたと思いますが、事情誠にそういうわけで止むを得ないということを御賢察願いたいと思います。それから今度軍のほうで数量が不足だとか或いはカロリー不足だとか、そういう判定をいたしました場合に、当然この契約に基いて賠償金をとるということができるわけであります。ただそのときに契約面においては減額か、賠償金をとるとか或いは新らしい品物で納めさせるとか或いは今度はカロリー不足の場合にはカロリーの高いもので以て補填させるとか、そういうやり方についても軍の権限にありまして、調達庁は勿論それに契約の正面から十分意見を出しましても、軍のほうが承認しなければその措置を業者に向つて強行することができないというような形になりますので、これ又思うに任せないという場合が非常に多いのであります。実際上の措置としては決してその数量が少ないとか、カロリー不足の場合に放つてあるわけではありませんが、軍の意向に従つて多くの場合はカロリーの高いものを、まあ、何トンというふうにして埋合せをつけるということをとつたことと、それから数量の少ない場合にはこれ又トン数できめて納めさせて解決するとか或いは又両者を併合して解決するというようなことによつて、それぞれはつきりと約束の品物を納められなかつた場合の措置はとつてありますが、やり方について必ずしも調達庁としての意見としても、満足すべき結果でない場合もありますが、先ほども申しました通り、すべて軍のほうに指示権がありまして、私どもが考えて業者にぶつかつても、軍のほうがそれを同意しなければ強行することはできないという事情をこれも御諒察願いたいと思います。それから次にかなり各局に起つた問題で、粒度の、只今検査院からもお話がありましたが、粒度の問題で非常に到る所で問題が起きております。この問題の性質は二つに分かれるのでありまして、一つは日本の商慣習の例を中塊炭にとりますと、日本の商慣習では中塊炭というのは大きさが二十五ミリ以上六十ミリ、上のほうは余り問題になりませんが、とにかく二十五ミリ以上となつております。ところがアメリカのPD関係の要求の場合の粒度の区分としては中塊炭を二十二ミリ以上といたしております。そこに僅かでありますけれども、二十二ミリと二十五ミリとは三ミリの大ききの相違がある、そういうことから起る問題、それは向うのPDのほうから小塊炭となつて、当然二十二ミリ以上五十ミリを納めなければならん、そこでそれに従つて納めますというと、日本の商慣習から言えば、非常に二十五ミリ以下のものがたくさん入つていると、これは粉炭じやないか、或いは粉炭が非常に多いからこれは減額をする必要があるじやないかという問題が起るわけであります。これはその粒度の区分の違いから起る問題、もう一つ今度現実の問題になつて非常に困つたことは、ボイラーの違い、ボイラーの工合によりまして、各地区の石炭の担当官が、中塊炭となつておつて、二十二ミリから五十ミリまでのものであるけれども、おれのほうのボイラーでは小さいものが必要だから、その中塊炭の中の小さい部分を納めてくれ、言い換えれば大きな幅のあるものですけれども、二十二ミリ前後、二十二ミリに近いものを成るべく余計に納めてくれ、罐の必要から言えばそのほうがいいから、二十二ミリに近いものをたくさん納めてくれ、こういう現場説明をいたします。そうすると、業者としては当然その現場説明に立つてその大きさの石炭を予想して予定価格を立てて入札をする、それから調達庁においてはやはりそれに従つて予定価格を立てて落札する、しないをきめるわけであります。そういたしますから、結果においては二十二ミリ近くのものが非常に多くなる、そうするというと、第三者から見ますと、殆んど日本の商慣習から見ると、粉炭が半分も入つておるじやないか、或いは半分以上も粉炭じやないかというように一見見られるような場合が非常に多いのであります。そこにまあ問題が起りまして、この契約では中塊炭となつておるにもかかわらず、実際は粉炭である、安い粉炭が入つておるじやないかというところに検査院の御批難の多々起る可能性が非常に多いかと思います。形式論から言えば非常に御尤もな点が多々ありますけれども、これはまあ事情がそういうようなわけでありますので、誠に当時の事情から言えば止むを得なかつた、こんなふうに考えております。その他石炭問題は日時の遅延とかいろいろありますが、大きな問題はその三点に帰着すると思いますので、以上申上げて御了承を得たいと思います。
○中川幸平君 この石炭の調達を調達庁でやつて、それからあとは何ですか、昭和二十五年の十月までは検査する権利がなかつたというのですか、立会う権利がなかつたというのですか、それで二十五年の十月までは差支えないと調達庁の考えでそのままにして置かれたのですか。物品を期日までに納入したか、契約した資産が入つたかということを調べていないで二十五年の十月まで来たと言われたのですが、その点をちよつとお伺いいたします。
○政府委員(山内隆一君) 申し落しまして大変恐縮しますが、検査院からのお話のように、検査院からのいろいろ御批難を受けましてからは勿論でありますが、それ以前からもこの改訂につきまして調達庁としては努力をしておりまして、検査院から御指摘を受けましてからなお非常に強く調達庁として軍に改善をしてもらうべき事項を検討してきめて要求したわけであります。その結果粒度におきましてもかなり両者の間に話合いがついて、成るべく誤解を避けるような方法を講じたのでありますが、殊に検収権の問題につきましては、これがすべての前例になりますから、非常に力強く主張したために、軍の中央部としてはこれが調達庁の要求を容れまして、制度の上でこれを直すことにいたしたのであります。ところが現地のほうにおきまして、その後もなかなか現地の容れるところとならず、従つて改善すべく一応直すことにしたものが正式に軍の承認が得られないような形でありまして、本当の意味の実行には入ることができなかつたのであります。ただまあそういうような事情でありますから、或る地方においては一部制度上よりは或る程度調達庁が事実上立会うというような形になつて実行いたしまして改善を図つたところもありますが、正式には承認を得るに至つておりません。
○中川幸平君 石炭だけでも一カ年六十億からの金ですが、会計検査院のほうでこうして指摘されるような点に立つておられるのにもかかわらず、調達庁のほうで自発的に、やはりその承認があるなしにかかわらずやるということが、やつておらんかつたのですか。契約通り実行されておるかおらないかということの検査する機関を設けてなかつたのですか。その点を一つお伺いいたします。
○政府委員(山内隆一君) この検収権の問題は、品物を適正に納めるという点からして一番の根本の問題でありますので、前から調達庁としては主張しておりましたけれども、その容れるところとならず、遺憾ながら不満な制度の下に暫く実行して参りまして、いろいろ問題が起るものですから、更に強く主張して、漸く中央部のほうでは了解されたのですが、完全に実行するに至らないで又直接調達になつてしまつたというようなわけでございます。
○中川幸平君 これは会計検査院のほうでこれをお調べになるときには、やはりその現場の検査が私にはよくわからないのですが、それは差支えないのですか。その現場なり、品物なりを検査せんければ批難事項が出て来ないはずですが、差支えなかつたのですか。
○説明員(上村照昌君) 私のほうでこういう事実がどうしてわかつたかということであろうと思いますが。
○中川幸平君 そうなんです。
○説明員(上村照昌君) これはカロリー不足という点が軍からのレシートといいますか、書類に現われておつたもの、或いはその業者につきまして実際どういうふうに納めているかという点で業者のほうについて調べてみたところが、こういうふうな事実がわかつたという二通りになつております。調達庁のほうにある書類でわかつたものと、それから業者についてみて調べてわかつたものと、この二通りございます。
○理事(岩男仁藏君) 御質疑はございませんか。別に御質疑もございませんようですから、第四十号より第四十五号までは質疑は一応終了いたしたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(岩男仁藏君) 御異議ないものと認めます。 次に第四十六号より第五十号を議題に供します。専門員より説明があります。
○専門員(森莊三郎君) この中で四十六号と四十八号、四十九号、五十号これだけは比較的単純なことでありまして、当局においてそれぞれ検査院の御指摘が御尤もであり、誠に遺憾なことであるということを明らかに申しておられまする。ただ四十七号、これが非常に面倒な事柄なのでございまするので特に若干申上げたいと思いまする。それにつきまして先日ガリ版刷りのものを差上げておきまして、それに極く簡単に数行書いておきましたが、実はその書き方が正確でないのでありまして、これはお取消しを願いたいと思います。そうして今日別の紙に改めて詳細したためたものをどうぞ御覧願いたいと思います。但しこれも実を申しますると、いわば未定稿ともいうべきものでありまして、十分に審議が尽されているかどうか少し如何かと思われる点もないではありません。時間がとれますので恐縮でございますが、これを一応説明申上げたいと思います。問題は連合軍の使用資材の補償金の支払いが不当だということであります。これは昭和二十年の九月二日に連合国の軍が立川にありまする昭和飛行機の工場を接収しました。そうしてそれを修理工場として使つておつたのでありまするが、そのときに在庫品がいろいろあつた、それを連合国のほうでは国有物件であると思い誤りまして、従つて無断でどしどしと使用したのであります。ところが会社のほうでは、それは会社の私有物であるというので、その補償を請求したのであります。長い間話が続いておりましたが、漸く二十四年の六月に軍のほうがこの問題を取上げてくれるということになりました。もうすでにその間に四年という年月が経つておるのであります。そこで二十四年八月にGHQの命令で、これは同じく軍とは申しましても第八軍の命令という場合でありますれば、まあいわば出先の一部隊ということにもなりますが、GHQのほうでありまするから特に事態が重いわけなのでありまするが、その命令で中央経済調査庁に命じてどんなものがあつたかを調査をせしめたのであります。その調査庁の報告書には次のように三つの時期に区別をしてその在庫量を調べて報告を出したのであります。真中二つばかり時期が隠されておりまするが、それは隠匿物資等緊急措置令が公布されたとか、或いは重要物資等の在庫緊急調査令が公布されたとかというような事件が真中にありまするので、それらと関連をさせてここで日を切つたもののようであります。それでそこに備考として書いておきましたが「中央経済調査庁は、此の調査に当り、単に軍の使用量を調査するにとどまらず、隠匿物資、重要物資などの関係をも併せて調査する目的で、右の如く三期に区別した、」のだというふうに言われておるのでございます。なおこの調査に当りまして、二十一年の二月十八日以後にはおおむね庫出伝票がありまするので、これによつて軍の使用物件の日附を決定した、つまり第一期、第二期、第三期のどの期の中へはまるのかということを決定したのでありまするが、それ以後のものでも庫出伝票が必ずしも全部揃つているわけではございませんので、そのないものは日附がわからなければ結局一番最初の第一期の中に入れてしまうということになつたのであります。それから庫出伝票によつてかように整理ができましたのは集積所が数カ所ありましたが、その中の大きい集積所の二カ所、この二カ所と申しますのは、或る書類には三カ所と書いてありまするが、それの附属の地図のようなものがあります。それによると二カ所となつておりまして、それは必ずしもこの書類だけでは明瞭でありませんが、とにかく大きい集積所の二カ所、又は三カ所だけであつて、それ以外になおいろいろな資材が集積してあつたところが十カ所ばかりもある。で、これらは伝票がない、それですべて第一期という中へ入れてしまつたという話なのであります。つまりこの点に少しまあ気の毒な点があるかと思われるのであります。次に同年の十一月GHQではGHQの内部に特別調査委員会を設けまして、それと同時に更に現地の立川に現地調査委員会をも設けまして、そうして使用数量を調査することにしたのでありまするが、そのときにはここに書きましたように二期に分けて計算をするということにいたしまして、そうしてそれがために必要な資料を会社のほうから提出させたのであります。 そこでちよつと御参考に申上げたい点が二、三ありまするが、備考として記しておきました。で、前記の経済調査庁の調査報告書と、それから特別調査委員会、即ちGHQ自身で調べたというその書類とでは、全体の数量に関しては同じであります。と言いまするのは、接収された一番最初にどれだけの品物があつたかということを会社のほうで書いて出しました。それから一番最後にどれだけの資材が残つておつたかということをも、これ又物がありまするから明瞭であります。その二つの差額が結局その中間において使用されたものというふうに見られるわけでありまするから、従つて全体の数量は同一でありまするが、ただ前の調査は三期に分けてあり、あとの調査は二期に分けたという点だけが違うのだという話であります。で、これによりますると、経済調査庁の報告書における第一期分と第二期分とを一本にした結果となつておりまするので、ちよつと図のようなものに現わせば今ここに書いたような関係になるのであります。右のごとく二期に区分しましたわけは、現地調査委員長の書面というものがありまするので、それによりますればGHQからこういうふうにして調査を命ぜられておるから、それに応じて資料を提出せよというようなことになつておりまするので、その点で明瞭であります。 それから、話の途中でありまするが、申上げるのを一つ忘れましたが、特別調達庁からこの政府の弁明書に書いてありますることが余りにも簡単過ぎまして、ほんの二、三行書いてあるだけでありまして、それでは意が尽せませんから、もう少し詳細に御説明を申上げたいというので、委員長宛で特に参考資料を提出されましたのでそれを別刷りにいたしましてこれは皆様に差上げてあるはずでございます。 今申しました現地調査委員長の書面二十四年十二月二十二日附といいまするのは、その特別調達庁から今ここへ出されておるその中の一つなのであります。で、なぜこんな工合に経済調査庁の報告書では三期であり、それを今度GHQで調べるときに二期に改めたかという理由は勿論よくわかりません。けれどもGHQでいずれどういう方法をとるのがよいかということについて審議をされた上の最終決定でありまするから、とにかくこの一期に区別をしたということはただ軽々しくきめたものではなく、権威のある認定と見るべきものかと思われるのでございます。なぜそういうふうに二期に分けたかというところを多少推測をいたしましてここに御参考までに一筆書いておきましたのでありますが、この前記の経済審議庁の報告において先ほど申しましたように第一期と第二期とを区別したというその点に多少気の毒と申しまするか、不合理と申しますか、そういう点がないではありません。つまり伝票のないものはすべて第一期のほうへ入れてしまう。それから集積所が多数あつたその中で、大きいところには伝票があつたが、小さいところには伝票がなかつた。そんなふうのものがことごとく第一期というほうへ入つております。そんなところなどを考慮して、これでは余り気の毒だというような考えがおのずからあつたのではあるまいかというふうに想像されるのでありまするが、これは何ら権威のあるものではございません。ただ私がかように想像いたしたというだけでございます。それからGHQは物価庁に命じまして、昭和二十四年五月一日現在の価で以て今調べられたその資材表の評価額、金額が幾らになるかということを算定させたのであります。そうしてその物価庁の評価からGHQは更に一割だけを減じまして、これを支払額と決定したというふうに言われているのであります。その結果二十五年三月に第八軍のほうから調達要求の確認書が特別調達庁に発せられ、続いて調達受領書が発せられたのであります。このときの調達要求書には極めて大ざつぱに書いてありまして、二十年九月二日から二十四年十一月二十三日までの間に軍のほうで使つた品物、それから品物の種類なども、種々なる資材と書いてあるだけで、金額の制限については一億五千六百余万円と、ここを超えない金額というような意味のことが記されているだけなのであります。ここで注意すべきことは、GHQは軍が使用した資材の価格を算定させるに当りまして、二十四年五月という時の統制価格一本と決定し、すべての品物をこの時の統制価で全部評価をするというような態度をとられたのでありまして、前に申しましたような、これを三期に分けるとか二期に分けるとかいうようなことを全然棄ててしまつているという点が注意されるのであります。そこで調達庁ではこのPD及びPRを受けたものでありまするから、いよいよ支払をしなければならないのでありまするが、この際ただ徒らにその書類に従つて支払をするのではなく、慎重に詮議をされた上で事務を扱われたのでありまするが、そのときの事務の処理状況がどうであつたかということを聞きますると、幸いそれについては特調のほうに会議録がありまするので、その会議録を材料にして必要な部分だけここへ抜出しました。先ず第一に資材の数量はどうして確認するかといえば、GHQによる資材一覧表、先ほど申上げましたが、それに対して現地の調査委員長のフレツチヤー中佐のサインをもらいましたから、これによつてその内容の、つまり資材の種類、数量などを確認するという手続をとられたのであります。それから次に価格の算定をするのにいつを時期にして計算をするか、相当長い年月でありまするから、而もその当時はインフレ高進期で、非常に価格が時期によつて違いまするので、それを算定するに当りましては、PDに記載されているところのその金額にはよらないで、どういう方法でこれを計算したらよいかということを会議を開いて検討をされております。例えば一番最初に接収されたときの価格でやるべきか、或いは一番お終いのときによるべきか、なおそのほかいろいろなことが考えられるので、あらゆる場合をよく検討されたようでありまするが、結局のところ右の、先に申しましたGHQが調べたというその資材表に二期に分けてあるというそこをつかまえて、その点を採用されたのでありましたが、その理由として会議録に記されておるところを見ますると、資材表が二期に区分され、軍がそれを認めていることであるし、そのおのおのの時期の終期を以て接収が完了したものとみなし、おのおのの時期の終期の価格を以て価格算定の基準とする、こういうふうに決定されたのであります。そうして調査庁においては、従来一般の取扱と同様の方法でその価格を計算されました結果として、一億五千三百余万円を払われたのでありまするが、この金額は先に軍側から出ておりまするPDに記されておる金額に比べますると、二百四十万円余り少いという結果になつているのであります。で、どの時期を標準にして価格を決定すべきかということを特調で決定するに当りまして、その会議の際に特調では、昭和二十三年二月一日附で大蔵省の管理局長から第百三号という通牒が出ておりまするが、その中に価格の算定は軍が接収した時期を基準とするということが原則になつており、この原則に従つてやらなければならないが、さて接収した時期というのは一体いつと見るべきかということについて、先ほどから申上げましたように、いろいろな検討を加えられて、これを二つの時期に分けて、そのおのおのの時期の終りの時を以て接収が完了したものとみなす、こういうふうに決定されて、そのように事務を運ばれたものと思われます。 そこで、以上述べましたことがその事件の筋書でありまするが、検査院はこれをどういうふうに指摘し、批難されておるかと申しますると、大蔵省の管理局長の二十三年二月一日附の通牒第百三号によれば、買上価格は適正価格を基準とすべきである、その適正価格の算定は連合国軍が当該財産を接収した時期を基準としてこれを行うと定められてある故に、まあ伝票のないものは暫らく別として、庫出伝票のあるものはおのおのその日附によつて価格を算定すべきものである。そういう心持でありまするが、その庫出伝票というような文字は表面に現わさないで検査報告には左の通りに記しておられるのであります。本件は二十年九月同会社の土地建物等が接収された際、事実上右資材の連合国軍の管理下に置かれ、その後逐次使用のため払出されたものであるから、少くとも現実に払出されたときに調達されたものと認めるべきであり、補償金額は払出のときの統制額により算出して支払うのが相当であると認められるのに、前記のように単に二期に区分して一億五千余万円を支払つたのはその処置当を得ない、現に本件と同様な松下飛行機会社の例においてもこの方法によつておるというのでありまして、なお附加えて口頭の説明でありまするが、日本側で計算した数字と、アメリカ側で計算した数字、数量にもせよ、価格にもせよ、それに差異があるならばどう扱うかということについて、昭和二十三年五月八日附で大蔵省の管理局長の通牒第三百六十六号というものが出ておりまするが、そのうちにアメリカ側のほうが大なる場合は小なる日本側の数字を基礎とするものである、こういうふうになつておりますから、これだけではちよつと私の説明の言葉が足りませんので、支払われた金額はアメリカ側から示された金額よりも少い金額を支払われたのでありまするが、批難の本文にありまする通り、もつと一つ一つ伝票に従つて計算をするならば遥かに小さい金額になるというその点を指摘しておられまするので、この最後の点は或いは申さなくてもよかつたかも知れません。いろいろ話をしておりまする間に問題があちらこちら枝葉に亘りました関係上、つい私がこのことは書かなくてもいいことをここへ書き加えたような懸念もございます。そこで当局はどういうふうに答えられるかと申しますれば、資材の数量を確認するには前に申しました通り、先方の権威あるサインがもらつてあるということ、それから価格の算定の基礎については先ほど詳しく申上げたようなわけで、ああいうような工合にやつたのであるということであります。それから例に、引合いに出されておりまする松下飛行機会社の場合は、その場合は仮領収書というものがそこにある、これを材料としてこちら側から軍のほうへ向つてその確認を要求したという場合なのである、ところが今問題になつておりまする昭和飛行機会社の場合は庫出伝票であつて、仮領収書というものとは性質が違つておる。仮領収書というものは公に効力が認められておるものであるが、伝票では公に効力が認められておらない。且つ今度の場合は、向うのほうからこれだけのものを支払えというふうに、言つて来ておられるのであるし、松下の場合はこちらから軍のほうへ確認を求めるためにそういうような証拠書類を持つて行つたのであつて、事情が違うということを言つておられます。それから、然らば庫出伝票というものはどういうものであり、どんな効力があり、実際の当時の扱いがどんなものであるかということにつきましては、これはあとから説明するということでありまして、今日午前にその説明を予期しておつたのでありましたが、つい時間の都合でまだ聞いておらないというようなわけでございます。 以上で以て事は終るのでありまするがこれを簡単に縮めてしまいますると、価格がどれだけ違うかというわけでありまするが、検査院は次に書きましたように、二十年九月二日から二十一年二月八日までは庫出伝票もないことであるから、それは仕方がないから、ことごとく二十一年の二月八日の統制価格によつて支払うべきであろう、併しそれからあとは庫出伝票があるのだから、一つ一つの伝票の日附に従つて統制価格を決定すべきである。そうするとほかの点は、この庫出伝票云々という点は暫らく抜きにいたしまして、仮に二十一年二月八日というところに一つ線を引きまして、それより以前のもの、言い換えれば庫出伝票のないものをこのときの統制価格で計算をすると、特調が支払つた金額よりも八千九百万円の節約になる、その後のものを一々庫出伝票によつて計算すればなおそれ以上の金額が節約になるという指摘なのであります。これに対して当局が計算をしましたものをその次に書いておきましたが、二十三年三月三十一日までのものは、二十三年三月三十一日の統制価格で計算をする、それ以後のものは最終の日の統制価格でこれを計算をされたのであります。この場合に何故当局がこの二期に分けて調査を、価格を計算されたか、先ほどの会議録によりますると、軍のほうがこういうふうに認めておるのでもありという言葉がありまするので、そこのところに重点を置かれたのではあるまいかと考えられます。結局一番終いにこの庫出伝票の目附で軍の調達の日、言い換えれば軍が接収した日と見ることがよいか悪いか、結局それで以てこの問題が解決されてしまうのではないかということを考えるのでございます。なお附加えて申せば、この検査院が言われるように一番最初の部分は庫出伝票がないので、二十一年二月八日の統制価格によるということになつておりまするが、先ほど私の説明中に申上げました通り、伝票のないものがことごとくその最初のところへ繰上げて編入されてありまするから、そこの点はそれでよいかどうかということもこれはまあ比較的小さいことではありまするが、ついでに問題になるのではないかと、こんなふうに考える次第なのでございます。
○説明員(上村照昌君) 只今議題になつております案件のうち四十七号を除いては特に御説明申上げることはございません。四十七号について詳細説明がありましたので、私のほうの考えておる要点だけを申述べたいと思います。調達庁のほうと私のほうとの見解が一致しておると思いますのは、事実上接収せられた時期の価格で払うという根本原則は大体一致しておると、こういうふうに考えております。私のほうは三期に分けて払うべきものだ、三期に分けた場合の計算はどうかという計算のこれも調達庁とは別に不符合はございません。この二期に分けるやり方がよろしいか三期に分けるやり方がよろしいか、こういう問題になると思います。それで確認調達要求書には二期に分けてやれとか三期に分けてやれとかいうことはございません。いつからいつまでの始期と終期が現わしてある。そこで私のほうでは専門員の説明されましたように三期に分つておるじやないか、勿論御説明がありましたように、庫出伝票がないものがあろうかと思う。これは極く小部分で全体としては論ずるに足らない。そういう意味で三期に分けたほうがよろしい。そうすると庫出伝票というものは果してそのとき使用されたものであるかどうか。伝票によつて事実上そのものが接収された時期であるかどうかという点につきましては、先ほども御説明がありましたように、全体の数量において一致しておるという点から見ましても、その時期に使われたものだと認定して大体間違いがない、こういうふうに考えております。それから軍のほうで二期に分けた価格をきめた、こういうお話でございましたが、二期に分けておつたという事実があつたということは事実であります。併しそれよりも三期に分けて調べた事実があるということも事実であります。ただその二期に分けた場合に、二期で価格を示しておるわけではございません。これは二十四年五月の現在の価格で一応軍のほうが計算さして見たというだけで、その点も価格を示して行つておるわけではありません。一応二期に、どういう関係か知りませんが、二期に分けたというだけでこれは拘束力があるかないかと申しますと、先ほども申上げましたように正式のPDには終期と始期があるわけでありまするから、日本側として扱う場合にはいずれが妥当かという判断によつて処理して行けばよろしい、そういう観点に立ますと、事実上三期に分けておるのであるから、三期に分けてやれば国費が節約できるのではないか、とこういうふうな考えでございます。
○政府委員(山内隆一君) 只今御上程になつております問題のうち、四十七号につきまして問題が非常に重要な問題で、而も複雑になつておりますので、これについて極く簡単に申上げようと思います。専門員の方から非常に詳細に向うの英文を御説明になりましたので、細かく申上げる必要はないと思います。この問題の一体重点と言いますか、きめ手はどこにあるかということになつて来ますというと、専門員もお話になつております通り調達の時期というもの、つまり接収という言葉が使われておりますが、同じことなので、調達の時期がいつか、その時期の価格によつて計算すべきじやないか、こういうことになるのでございます。そこでそれが一番大きな問題でありますが、御承知のように今の問題は普通の備品の調達、物を買うとか、或いは注文して作つてもらうとか、物の修理をさせるとかというような事柄と違いまして軍が進駐当時にいち早くこの工場を接収して、工場も中の品物も当時進駐の軍の部隊から見るというと、戦いに勝つたのだから当然こういう軍需工場は自分だちが自由にしていいのだ、そういう思想が多分にあつたのじやないか、で、建物は正式な手続をあとでとりましたけれども、品物についてはどういう気持か、私がここで余り想像で強く申上げることは憚りますけれども、勝手に使つておるところを見ますというと、どうも自分たちが品物は自由にしていいのだというような現地軍の気持が多分にあつたのじやないか。会社のほうは建物は堂々と接収の手続をとられたにしたところで、中の品物は会社の物であるにもかかわらず、どうも勝手に使われては困るという不満あつて、軍のほうにいろいろ不服の申立、或いは何とか解決してもらいたいということを調達庁のほうにも申出たはずであります。そんなことから軍としても調べて見なければならんというので、お話のように今詳細にGHQ自体が活動して、日本のそれぞれの機関を利用して調べたのである。そうして中の品物は現地軍は今の何と訳したらいいのか庫出伝票ということでございますから、一応庫出伝票と申しますと、その伝票によつて中を移動したり、或いはそれによつて使うというような形をとつたわけでございます。実質的には確かに人のものを使うのですから、事実上は接収というようなふうに見えるわけですが、事実上は向うが取上げたという形に見えるけれども、向うの考え方から言えば、目分たちが勝手にできるのだから、何これをどうしようが自由じやないか、ただ日本人も使つておりますし、又軍の中でも下の者になるというと、どういう不正が行われないとも限らんので、そこでそういう意味の内部の秩序なり不正を防止するような意味合いで庫出伝票というものを出して、その伝票によつて処置をした、こんなふうに考えることができるのじやないか。そういうふうに考えますというと、あの伝票というものは軍と所有者の間、或いは日本政府機関である調達庁の問で正式にこれは取るぞとか取らんぞとか、使わしてもらうという意思表示じやなくて、今のような中の移動をはつきりさせるための一つの整理方法と見てもいいのじやないか。ところがあとになつてだんだんとこれは会社も私有物ということがわかる、このままに放つて置けんということになつたから、そこで正式に調達の手続をとつたということが事実のように思われるわけであります。そうしますというと、例えば、個人の場合に例えて見まして、人の物を借りたといたしましても、その家を借りて前の所有者の品物が事実はあつた、ところが中に入つた者は、これは自分の勝手にしていいというふうに使つておる、ところが暫らくたつてから前の所有者が、あれは私のものだから返してもらいたい、それじやなければ買いとつてくれ、そうであつたか、それでは買いましようというと、事実は前から自分のものにするつもりで、或いは自分のもののような気で使つているけれども、最後になつて話が出て、そこでわかつて来て、それから、じやまあ買いましようということになると、その時期の値段をいつできめるかというようなことを考えて見れば、あとはすべて話がわかつて買いましようというときの値段できめることも考えられる。今度の場合もそういうふうに考えますと、正式の調達の手続をとつたPDを発行し、あとで向うが領収書を出した、その目附と申しますか、すべて計算して金額まで書いて出してありますから、それに従つて支払うということが調達庁として当然とるべき道であつたと思うのであります。その際も領収書に書いた目附であつたかどうかということは、これはそのときにはわからない、計算して見れば大体金額が合うということから言うと、専門員の御説明のように、二期に分けた。その終期の価格で計算したということが言えるわけであります。これも実は調達庁の意思がそう入つておるわけでなしに、物価庁をして調べさせた値段でありまして、その品物も、一番権威ある日本の当時の官庁の、中央経済調査庁に調べさせ、価格も物価庁に、あの当時むずかしい問題は非常にたくさんありますので、一々調達庁としても、物価庁に伺いを立てて、その指示を受けてきめておりますので、権威ある物価庁がきめた値段でございます、而も普通ならば八軍から出るはずのものが、この問題については、GHQみずから発動し行動をとつて、そうして八軍に指令を出して調達命令を出し、領収書も出させたというような関係になつておりますので、調達庁としても先ずそれに従つて支払うべきだ、かように考えたわけであります。ただそのときに調達庁は領収書に普通ならば詳細な資料がついて来るはずでありますけれども、その場合は全然ついて来ない。もうほんの二枚領収書があつただけで、まあ理窟から言えば、それで払つてもかまわんと思うのですけれども、念を入れる意味からあとに証拠書類として残して置くためという意味で、調達庁から照会をして会社からその内訳を取つた。内訳を取つてみれば、中を一応眼を通すことは当然でありますので、そこで若干の間違いがあつた、或いは適当じやない間違いと言いますか、品物の段階があつて、その段階に応じて値段が区分されておる、その場合には品物の額がどうかということが明確じやない場合には中等品によるということになつております。ところが実際は中等品じやない。上のほうの品物になつておる。明確じやないから中等品をとる、そのために少し手を入れた、そういうような工合で、その他詳細は存じておりませんが、そんなような、いわば間違いに類するようなものに手を入れたのが、今専門員の言われた二百数十万というようなものが出て来ている。それだけを減額して支払つたわけであります。その場合に或いは調達庁としてもつと詳細に見て、その不適当なところがあれば、軍に強く交渉でもしてやれば、或いはもう少しこの問題を少くすることができたのじやないかと今になつてみれば私ども考えますけれども、当時の事情としてそんなふうにして払つたわけであります。そこで問題はなお軍の発行した領収書というようなものが、どれだけの価値、力があるものかという問題が残るわけでありますが、そうすると調達庁としては軍が領収書を発行されますというと、その内容において間違いがあるとか、或いは何か品物の取り方の判断が適当でない、要するに計算の間違いとか、単価のとり方が違つたとか、そういう間違いに相当するものならば、無論手を入れてその以内で支払つて差支えないわけであります。レシートの要求している内容の根本の精神なり或いは重要な内容を変えるというような場合には、調達庁が勝手にできませんので、軍の承認を受けなければならぬ。ましてやレシートそのものをちよつとでも直すということは、如何なる字句であつても、軍の証明を得なければできないというような形になつておりますので、どうも当時のとつた措置として止むを得なかつたのではないかというふうに考えるわけであります。ただこの問題が如何に軍の調達命令書なり、或いは領収証が出ていたにしても、大きな金額を支払うに当つて或いはもつともつと細心の注意を以てやればなおよかつたのじやないかというふうに考えられる点は、私ども今から見ればどうも遺憾に思いまして、非常に検査院にもいろいろ御面倒をかけました点を恐縮しております。
○理事(岩男仁藏君) 御質疑はございませんか。
○松永義雄君 この検査院の価格算定では八千九百万円の節約となる、こういつた場合に一体いずれが正しいかという判定のことなんですが、きまつたことだから仕方がないということになつてしまうのですか、法律上はどうなんですか。
○説明員(上村照昌君) むずかしい問題だと思いますが、これは私見に亘るかと思いますが、一応調達庁のほうで時期をそういうふうに二つにきめて、当事者の了解の下に支払われたということでありますから、八千幾ら多過ぎたといつてもこれはまあ調達庁のほうでお認めになつてお取返しになると、こういう事態に仮になつたとしますと、結局当事者の意思表示の重要な要素に齟齬があつたという問題でなければならんだろうと思うのです。その場合に重大なる過失があるかないかによつて取消というものがきまつて来るもので、非常にむずかしい問題で、ちよつと私としてはどういうことになるのか、すぐ取返さなければならんという結論を出すということも現在の段階では無理じやないかと、こういうふうに考えております。
○松永義雄君 それはそれでいいです。ほかのことで簡単に調達庁に聞きたいのですが、やはり占領軍に関係したことで、農地の使用を、例えば軍のほうの無電なら無電と言いますかのために使用して、それから生ずる使用料だとか、或いは使用した土地の上に存在した工作物に損害を与えるといつたことで賠償するということになつておるのですが、場所は別としまして相当長い期間ほつたらかしておいて、調達庁のほうできめないで困つているところがあるのですが、そういうような事実はどうですか、ないのですか、あるのですか。
○政府委員(山内隆一君) 不動産の補償は目下調達庁として最も今力を注いでおる仕事でありますが、如何に力を注ぎましても余りに急激にたくさん解除になりまして、一つの不動産が解除になりましても調査することから最後の償金を支払うまでには非常にややこしい手続がありまして、それが何千件と解除になつておるような始末でありますから、どうも所有者からは非常に強い催促を受けますけれども、遺憾ながら相当長い期間をかけなければ処理ができないというような情勢であります。特に去年になりましてから解除になつたものだけならばまだ見通しもよほど立つのでありますが、その以前のもので非常に細々したものが各地に相当残つております。そういうものは細かいものでありますけれども、案外複雑な事情があつたりなんかしますから、その古いものの処理は、先ず今年度末までには無論そういうものの処理は全部終りまして、この年度の初めに解除になつたものを若干処理することができると思つておりますけれども、今年の講和発効後に解除になつたものの償金の支払は遺憾ながら殆んど大部分来年度に廻らざるを得ないような状態であります。最近は殆んど他の部課でも多少でもゆとりのあるところ、又仕事によりまして少し中止しておいてもさほど外部に支障のないようなものは放つて置きまして、全部不動産のほうに応援をさせておるような始末で、できるだけ能率を上げて早く処理するために、最近は手続の極度の簡素化を図つて、これは平素の状態としてはそういうことは許されんことでありますが、この年度末までに全部処理するために非常な思い切つた簡素化を図つてやつておるような次第であります。
○松永義雄君 その農作物なんかに害毒を及ぼした、こういうことはすでに数年前のことでもうはつきりしておるわけなんですが、その後の始末がついていないわけです。そういうような事実はないのですか。
○政府委員(山内隆一君) 農作物の補償で、やはり接収する場合のいろいろ離作料とか、いろいろ接収する場合の補償問題といろいろありまして、実はまあ接収する当時の各種の補償についてどの程度まで認めて頂けるかということが講和条約発効までに軍と折衝したわけでありますが、つい問題全部を解決するまでに至りませんで講和発効に入りました。それからもう今度は日本側の考え方で処理できるわけですから、大蔵省初め関係方面と十分相談して、その後暫らくたつてから漸く全部解決できた、そんな関係で、昨今も古いもので、接収当時の補償で残つておるものは極力片附ける、無論今年度内に全部片附けるという態度でやつております。それからその後の問題では或いは軍の行動によつていろいろ農作物に被害を与えた、必ずしも接収に関係なしに軍のいろいろの行動によつて農作物に被害を与えたという問題の処理につきましては、最近そういうものを成るべく救済する意味の特別損失補償法案というものを提案いたしておりますが、この法案が可決になりまして実施するようになりますというと、接収に関係なしにいろいろの農作物関係の損害の補償はできると思いますが、併しこれとても法律の性質上、講和条約発効後からのことでありますから、それ以前のものはどうするか、という問題は残りますが、これは直接の被害、不法行為に基く損害というようなものになりますと現在の制度で賄いがつきますが、それ以外のものは当面はできません。ただこの法律の精神によつて以前のものに対しては見舞金の支給というようなことで具体的の問題については処理しておるような次第であります。
○理事(岩男仁藏君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(岩男仁藏君) 速記を始めて。御質疑はございませんか。……御質疑もございませんようですから、第四十六号から第五十号までの質疑は一応終了いたしたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(岩男仁藏君) 御異議ないものと認めます。 本日はこの程度で散会いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(岩男仁藏君) 御異議ないものと認めまして、これで散会いたします。 午後四時一分散会