決算委員会 第10号
- 発言数
- 116 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/02/04
会議録
○委員長(奥むめお君) それでは只今から決算委員会を開会いたします。 理事の補欠互選の件でございますが、理事棚橋小虎さんが一月三十一日附で辞任なさいましたので、欠員をどういたしましようかという問題でございます。先例によりまして互選の成規の手続を省略して委員長におきまして指名いたしてよろしいでしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(奥むめお君) それではカニエ邦彦さんにお願いいたします。 —————————————
○委員長(奥むめお君) 次に決算審査に関する小委員の補欠の選定であります。欠員中のものといたしまして、緑風会の三浦辰雄さん、社会党第四控室の栗山良夫さん、第二控室の棚橋小虎さん、いずれも委員辞任のために、補欠として推薦されて届け出ておりますのは、緑風会の伊達源一郎さん、社会党第四控室の佐多忠隆さん、第二控室の村尾重雄さん、以上でよろしうございましようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(奥むめお君) じや御異議ないものと認めます。 —————————————
○委員長(奥むめお君) 次に昨日の理事会の決定事項の御報告をいたします。一つは昭和二十五年度決算三件、これを三月の末までには審査を結了いたしたいという件、その方針で進みます。第二は委員会開会の定例日を少くとも二月中は一週三回にしたい、火曜日と水曜日と金曜日の午後、このようにきまりました。第三に決算審査に関する小委員会に委託すべき議題といたしまして、架空経理の問題、これを取上げることにいたしました。以上理事会の決定通りにしてよろしいものかどうか、御意見をおつしやつて下さい。如何でしよう、よろしうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(奥むめお君) じや御異議ないものと認めまして、そのように進めることに御協力を願いたいと思います。 —————————————
○委員長(奥むめお君) 本日の議題でございますが、昭和二十五年度一般会計歳入歳出決算ほか二件。農林省の部は昨年一応質疑を終了しております。次に通産省と運輸省の部でございます。一般会計歳入歳出決算の件、六百三十七号から六百四十一号でございます。本日公報を以てお知らせしました問題で御審議を願いたいと思いますが、御説明を専門員からどうぞお願いいたします。
○専門員(森莊三郎君) 只今議題になりました六百三十七号から六百四十一号までは、通産省関係の一般会計の部分でございますが、その中で多少注意すべき問題と思いまするのは六百三十八号でありまして、検査院の指摘は、余り役に立たないものを買入れたという批難であります。それに対して当局のほうからこれを買入れた事情が詳しく説明書の中に出ておりまするが、多少補充的に一こと附加えますると、当局の答弁の主な点は、この品物が特殊な品物であつて、何時でも手に入るというものでないので、業者のほうで一時見込生産をやつた場合に、丁度その際に手に入れておかないと手に入りにくいという特別な事情があるので、それで買入れたのであつたということであります。その後成るべくこれを必要に応じては使うようにも注意している、こういうことなのでございます。
○委員長(奥むめお君) 会計検査院で何か御説明ありますれば……。
○説明員(上村照昌君) 只今の六百三十八号の案件でございますが、只今専門員のかたから御説明がございましたように、この案件は、ものを買い過ぎたということと、そうして買つた物が、具体的に申上げますと、検定に使いまする白色絹糸線を買われたのでありますが、買われる当時に偽造を防ぐために着色のほうに変えようかというふうな議論が進んでおつたわけであります。そうして而も当時買われる時期には、ここに書いてございますように、三十万メートルばかりのものがあつたわけでありまして、そういう事態から考えまして、只今の御説明のように多少やはり買うということも考えられましようが、三十万メーターと申しますと、大体二十四年度の実績から申上げますと、五十七万五千箇を検定されまして、それに要したものが十何万メートルという程度でありますから、相当検定のほうの関係が進みましても、相当在庫はあると思いますから、買うのを差控えられて、計画的に買うにしても、もう少し様子を見られたらどうか、こういうふうに考えております。なおその後の状況を調査してみますと、この買われたものにつきましては、その後偽造とかそういう問題が大分解消したということで、事後処置としてこれをお使いになるというふうになつたように調査しております。そういう意味から申上げますと、買われたときは、私のほうで申上げたような事態かと思いますが、事後においてはそのものは有効に使われる、こういう事態になつておるかと思います。
○委員長(奥むめお君) 通産省のほうで何か御発言がありますれば……。
○政府委員(及川逸平君) 六百三十八号の件につきましては、率直に申上げまして、若干只今会計検査院から御指摘のありましたように、在庫量に較べまして買い過ぎたという点は私たちのほうも確かに悪い、かように考えます。その当時着色の封印線を使用するということがはつきりきまつておりましたならば、恐らくこの十四万メーターの買入を差控えたはずでございますが、二月でございましたので、これはまだ着色したものを使うかどうかということをはつきりその当時きめかねた関係もございまして、まあこの際一つ買つて置こうということで買つたのでありますが、その後六月に着色を使うことにきめまして、この分がそつくりそのまま在庫に残つたわけでございます。従いましてこの着色しましたのは二十五年の六月から昨年の八月まで着色したものを使いまして、その後偽造の虞れもなくなりましたので、只今は又元に戻りまして、この白色封印線を現在は又使つておるわけでございまして、若干買い過ぎた点は申訳ないと思いますが、以上のようなわけで買つたものが全然無駄ではなかつたどいう点につきまして、一言御了承願いたいと思います。
○委員長(奥むめお君) 御質問のおありのかたどうぞ御発言願います。如何でしようか。
○飯島連次郎君 昭和二十五年六月に三十万七千メーター余り余つておるということですが、その後現在までの使用若しくは保管の状況はどうなつておりますか。
○政府委員(及川逸平君) 今年の一月末の在庫が二十三万八千四百メーター現在残つております。従いましてこれは今年の七月乃至八月ぐらいまでには全部これを使い果すことになつております。
○委員長(奥むめお君) 別に御質疑もございませんでしようか。どうぞ皆さん活活発に言つて下さい。なかつたら進みますから……。よろしうございますか……。では次に移ります。 第六百四十二号から六百四十五号までまとめて御審議を願いたいと思います。専門員何かございますか。
○専門員(森莊三郎君) 六百四十二号と六百四十三号は貿易特別会計に関すること、次の六百四十四号は米国対日援助物資等処理特別会計に関すること、最後の六百四十五号はアルコール専売事業特別会計に関することであります。 この中で特に六百四十二号というのが少しわかりにくい事情でございますから、御参考のために一言申上げようと思いますが、詳細な記事がそれぞれ検査院の報告にも当局の説明書にも書いてございますが、それを読んだばかりではちよつとわかりにくいものでありますがら簡単に申上げますると、検査院の御指摘は、最初この契約はアメリカのダドリアン輸出会社と丸菱通商株式会社との間の民間貿易であつたのでありますが、当時民間貿易は関係方面から許されなかつたものでありますから、形式上は政府が貿易をするという形式をとつたものであります。ところがアメリカから送つて来たその品物が売れ行きが悪かつたがために、その丸菱からの希望に従いまして、これを本当の政府の貿易のことにしまして、丸菱はただその輸入実務委託を受けて世話をするだけだというような形に切替えたのであります。言い換えるならば、丸菱が損をすべきその損失を政府が肩替りしたというような結果になる、それが不当だ、こういう意味の御指摘であります。これに対する当局の答えは、最初の基本契約には船が一隻入つて来るたびごとに、向うの船に積んで来た品物と同じ価の品物を日本から向うへ引渡すので、物々交換、バーター取引をすることとなつていた。ところがGHQで信用状を作るときについそれを誤つたものでありまするから、向うのほうからは引続き第一船、第二船、第三船と船七隻に次から次と商品を送つて来まして、その代金は支払わなければならない。而も日本の商品は少しも積出しがされなかつた。その代金の支払を要求されて困るものですから、丸菱は非常に迷惑をこうむることになつた。そこで余儀なく政府が肩替りをするようなことになつたのである、こういうわけだという話であります。なお丸菱が一部分の商品を売りまして、売れ残つたところの商品を政府が引取つて、前に受取つた代金を丸菱のほうに返した、それがいけないということでありまするが、当時丸菱の支払能力に疑問があつたので、物を丸菱に販売させて代金を取り立てるというよりも、むしろ現物を政府のほうへ引取つてしまつたほうが最良の策であるというふうに考えて、そう取計らつたのであるということであります。
○委員長(奥むめお君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(奥むめお君) どうぞ速記を始めて下さい。会計検査院、何か御説明ございますか。
○説明員(上村照昌君) 六百四十二号でありますが、事実の関係については、私のほうと通産省のほうと余り違つておらんと思います。私のほうで申しますのは、結局この契約を二十四年十二月に結んだわけでありますが、結ぶ動機は結局当時民間貿易が許されなかつたから政府貿易でやる、こういうことでありますが、二十四年十二月二十四日に契約したのでありますが、当時は民間貿易に切換えられるという情勢にあつたわけであります。そういう時期に輸入故衣料を五億も輸入する、而も丸菱に扱わせる、丸菱がやる、それを政府の名でやるという場合に相当の危険が考えられなかつたか。そういう場合に二十五年初めにやつても遅くはなかつたのじやないかという点が先ず第一点であります。それから通産省の主張のようにバーター契約でやるというのが、司令部のほうの手落だと思いますが、一般の信用状が開かれ、バーター契約に即応する信用状が開かれなかつたということで、こういうように事態が紛糾したわけでありますが、もともとの起りは、結局丸菱とダドリアンとの契約を政府輸入の形でやつたというところに根本の原因があるわけでありますから、政府において全責任を負う、言い換えますれば、前に書いてありますように、八千万円の代金を徴収しておきながら、そういうふうな事態であるからというので、四千七百万円も返して行くということは面白くない、こういうふうに考えております。
○政府委員(及川逸平君) このダドリアンと丸菱のことでありますが、当時なぜこういうことが起きたかと申しますと、鉱工品公団その他におきまして相当の滞貨をかかえておつたわけであります。従いまして、ダドリアンと丸菱がこういう故衣料の輸入契約を結んで輸入した場合におきましては、それの見返りに公団その他の滞貨品を出すという裏付があつたわけであります。そういう関係もございまして、まあその当時の政府貿易という建前をとつておつた関係もありまして、通産省としましては、実質的にはダドリアンと丸菱との関係でありますけれども、実質的にはそういうものであつても、形式的には政府貿易という形をとらざるを得ないために、そういう形をとつたわけでありますが、これが順調に行きさえすれば、勿論問題はなかつたのでありますが、司令部側におきまして開きました信用状が、バツク・ツー・バツクというような輸入に見合う輸出をすると、そういうような条項を無視した信用状を開いたために、一度に全部入つて来た、時期的には若干のずれはありますが、とにかく早急に第七船まで入つて来た、こういうことになつております。その場合に政府としましては、対外的にはやはり責任を負わにやならんということで、対外的な面は責任を負つたわけでありますが、丸菱に対しましては、この売掛金の総額が第七船分で五億程度の金額になりますので、これを延納を認めまして、丸菱が第七船まで入つた故衣料を全部売つて、更にそれを代金を政府に納めさせるということは、当時の故衣料の値段の問題、或いは数量の問題から鑑みまして、非常に困難であると考えまして、それならばいつそのこと政府自体がこれを処理したほうが最も確実に行くという見通しの下に、丸菱の契約を解除しまして、そうして当初に遡りまして政府がこれをやつたという形をとりまして、その間において丸菱が処分した代金の一部を差引きまして、当初から契約がなかつたものというふうな形において整理を完了したわけであります。まあ最後の欄にこれで一億二、三千万円の損害が出ておりまするけれども、この点につきましても、通産省としましては、この故衣料処分につきまして非常に努力を払いまして、どうやらこの程度に損害を食い止めたという事情もございますので、その点一つよろしく御了承願いたいと思います。
○柏木庫治君 お尋ねしますが、引続き船が七隻来たというのですが、一番初め来た船と最後の船と日にちはどれくらいかかつておりますか。
○政府委員(及川逸平君) 第一船は二十五年の三月十二日に参りまして、それから第二船は三月二十七日、第三船は四月の二十五日というふうに参りまして、それから第七船が入りましたのは五月の二十日に入つております。そういうふうに一度にさつと入つて参りまして、大分困つたのであります。
○委員長(奥むめお君) よろしゆうございますか、ほかに御質問ありませんか。
○松永義雄君 このGHQが出す信用状というのは、どういう信用状ですか。
○政府委員(及川逸平君) これは普通貿易上の信用状と同じものでありますが、ただその当時は占領軍がおり、信用状の開設は向うでやつておつたというわけであります。
○松永義雄君 そうすると、GHQが信用状の発行形式を誤つて許可したということですか。
○政府委員(及川逸平君) 私たちは実際そう考えております。それで我々のほうからも、こういう事件が、船が第七船まで陸続入りますので、司令部に行つて調べましたところが、向うのほうも我々の手落であつたということを詫びて来たような次第であります。
○松永義雄君 その為替手形の支払義務は誰ということになるのですか。この場合物が来ても、手形はなしですか。証券が来るでしよう、船荷証券だとか、いろいろなものが……。
○政府委員(及川逸平君) それは通産省宛に来たと思います。
○松永義雄君 これこれの金を払うという信用状を出して、そうしてその金を払うのは政府ですか。
○政府委員(及川逸平君) そうでございます。外貨でございますので、政府のほうで払つたわけでございます。
○松永義雄君 そういう間違つた場合に、その信用状の取消しはできないのですか、その点をお聞きしたい。
○政府委員(及川逸平君) それでは説明員からお答え申上げます。
○説明員(和平徳次郎君) 最初に開いた信用状が非取消信用状ということになつておりますので、それを取消す場合には又向うの同意を必要といたします。
○松永義雄君 そこにあれじやないですかね、GHQに交渉して、そうしてGHQが間違えたというなら、何かの交渉によつて取消させ得るのではないでしようか。そういうことは絶対にできないのですか。
○政府委員(及川逸平君) これは当初はこの信用状は、我々のほうで初めに予想しておりました信用状が開設されたというふうに実は考えておつたのでありまするが、船が第三船、第四船くらいが入りまして、どうもおかしいぞということで、実は司令部のほうにおかしいじやないかということを折衝しに行つたわけでございます。そういうことをやつております間に、船が連続入つて来るというような恰好になりまして、遂にまあそういうチヤンスを失つたというのが実情になつております。
○松永義雄君 それは苦情という言葉もおかしいかも知れませんが、そういう場合苦情を申立て得るのではないでしようか。GHQが自分のほうが間違つたということを認めたのですから、認めただけで終るということになるのですか。俺のほうが悪かつたと言えば、それで相済みになつてしまうのですか。どうも責任があるぞ、そこに。どうなんですか。
○委員長(奥むめお君) 当時の事情がおわかりになるかたがないのでございますか。
○政府委員(及川逸平君) 実は当時の課長はアルゼンチンのほうに行つておりますので、在外事務所に出ておりますので、(笑声)大分、司令部のほうに話しましてですね、司令部のほうでも信用状を開くところと、それから故衣を担当しておつたところと、又事務的な手違いが相当あつたようでございまして、我々のほうとしましては、司令部のほうに随分抗議を申込んだのでありますけれども、相済まなかつたという一点張りで、とうとうそのまま押切られてしまつたというのが実際の実情でございます。
○松永義雄君 そうなると、歴史に残るのですがね。あなたがたの仲間でやり損つたと謝りに行けば、お前馘にするのだというくらいなことはGHQに行つて言われて来ているでしよう。そういう事実があるのですよ、実際に首が……。その地位が変つたとか或いは嚇かされて帰つて来たというようなお話もあるのですがね。それが向うが間違えたという場合には黙つて引込んでいなければならんという理窟があるのですか。こちらが間違えて制裁を受ける、止むを得ん。こちらが悪いことをしたのだから、間違えたのだから。ところが向うが間違えた場合には泣寝入りということなんですか。それに対する応酬というものがなかつたということになるのですか、どうなんですか。当時の人がアルゼンチンへ行つていないから、もうおしまいだということですか。
○政府委員(及川逸平君) いやそういうわけではございません。
○委員長(奥むめお君) それじやちよつと速記を止めて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(奥むめお君) 速記を始めて。 ちよつと会計検査院並びに通産省のかたに伺いたいのですが、今の六百四十二号について専門員から御説明があつたのですが、あと六百四十四号、四十五号、何か御説明ありますか。
○説明員(上村照昌君) 特にございません。
○委員長(奥むめお君) 会計課長さん加えて下さることありますか。
○政府委員(及川逸平君) 格別ございません。ただ六百四十三号につきましては、大分整理を進捗させておりますので、その点だけ申上げておきます。格別ございません。
○委員長(奥むめお君) では六百四十五号まで終了したものと認めてよろしうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(奥むめお君) 御異議ないものと認めまして、次に移ります。 六百四十六号から六百五十七号、運輸省の問題でございます。専門員のかたから御説明願います。
○専門員(森莊三郎君) 運輸省関係の問題につきましては、検査報告の百九十九ページから二百ページへかけまして、先ず最初に運輸省の経理状態全体につきまして一般的な記述がありまするので、何かその辺について当局なり会計検査院からお話し下さることも結構ではないかと存じます。それから六百四十六号は、ただ「経費の年度区分をみだつたもの」というので、当局でもその事実を認めておられることであります。次の六百四十七号から六百五十七号に至るまでの問題は、「灯台関係工事の施行に当り処置当を得ないもの」ということで、その事情が先ず最初に検査報告の二百一ページから二百三ページヘかけまして詳細な説明があり、なおそれからあと数ページに亘りまして一つ一つの問題が列挙されているのであります。これ又当局なり検査院のほうから必要に応じて御説明下されば結構かと思いまするが、ただ一言附加えて申上げますると、何分この経理は予算の項目をみだつておるのでよろしくないことは申すまでもない、併しその内容について見ると、灯台のあるようなところで、人里離れたところで、誠に気の毒な事情があつて、実質的には同情すべきことが可なり多いということだけを、ちよつと附加えて申上げておきます。
○委員長(奥むめお君) 会計検査院の小峰第三局長、何か御説明ございますか。
○説明員(小峰保榮君) 運輸省の会計検査の結果につきまして、相当細かくここに書いてございます。専門員からも御説明がありましたので、ざつと御説明申上げておきます。 百九十九ページの終りのほうからございますが、運輸省のやつております仕事で一番大きいのは港湾関係の公共事業であります。これが昭和二十五年度に約六十億、五十九億六千六百万円、うち国が直接施行いたしますのは二十三億、それから公共団体が施行した事業費に対しまして補助をするのが三十六億、こういうことになつております。今申し上げました二十三億の国の直接施行しました工事の検査をしたわけでございますが、浚渫工事というものは非常に不能率的になつておるように見受けられるのであります。その主たる原因は、作業船、浚渫船が非常に古いということが主たる原因のように思われるのでありまして、修繕費が非常にかかる。どんなに古いかということを一、二申上げますと、船齢が二十五年以上という船が八十一隻のうち四十九隻もある、こういうような状態になつておるようであります。 それから公共団体の施行した港湾工事でありますが、運輸省の査定が適切でない。或いは公共団体のほうで査定外の工事をやつておる。こんなこともぼつぼつと見受けられるようであります。 それから前渡資金の取扱いでありますが、三百七十数名の資金前渡官吏がやつておりますが、一度にたくさん金をやり過ぎたり、或いは取扱いがまずいというようなことがございまして、まずい資金前渡官吏の不正行為が二件あとのほうで出て参りますが、こういうような甚だ遺憾な事件も起きておるようであります。 それから六百四十六以下でありますが、六百四十六は、年度内に工事が着手もされていないというものに、工事が全部できたということに整理いたしまして、ここにございますように二百万円余りという金を払つてしまつた、こういう案件であります。これはその後に仕事はできております。 それから六百四十七以下十一件でございますが、これが灯台関係工事の施行がよろしくなかつた、こういう案件もすべてここに一括してございます。前書きに相当詳しく書いてございますが、要するところ、相当たくさんの工事がございますが、その中に架空の工事、やつてもいない工事に金を払つたというような質の悪いものもございますし、又先ほど専門員からも御紹介がありましたが、災害復旧費に便乗した工事、災害を受けない工事を、災害を受けたということにしまして、災害復旧予算で同工事をやつた、こういう案件であります。これが六百四十九以下五件並べてございます。この中には先ほども御紹介ありましたように事情止むを得ない、何とかして造つてやらなければならんというようなものも一、二あるのでありますが、私どもも造つたことに対しては、工事をやつたことに対しては決して異存は持つていないのでありますが、災害を受けもしないのに、災害復旧というような予算で工事をやつて行くというのが面白くないというのが、この案件であります。この中には国の灯台でない、農業協同組合が持つている灯台の工事を国費でやつてしまつたというようなものもあります。必ずしもここに列べました五件というものは、先ほど申上げましたように、どうしてもやらなければならない工事、災害に名をかつただけで、事情を諒とするものだというものばかりではございません。今のようにひとのものを国費を出して補修してしまつたというようなのも入つております。 それから六百五十四、これはたくさん細かい工事を集めたものでありますが、工事の検収が当を得ない。設計変更をして金額が減つているのに、当初の予定額通り金を払つてしまつた、こういうような案件を、細かいのをまとめて取上げております。 それから(四)として、集めました六百五十五以下の三件でありますが、これは検査に行つてみますと、工事ができていない。中には全然手のつけておらん、八月頃参りまして、手をつけておらんというような工事がある。であるにかかわらず、三月までにできたということにして金を払つている、こういうのがあります。 この中で一番質の悪いのは、六百四十七、六百四十八の、契約だけ結んで、工事を実施しないで、金を払つてしまつたという案件でありますが、これにつきましては、汚職事件もからんでおりまして、皆さん御記憶かと存じますが、一昨年頃新聞に海上保安庁関係の汚職事件が出ましたが、まだ裁判がきまりませんが、この二件はあの汚職事件にもからんで来るわけであります。
○委員長(奥むめお君) 海上保安庁関係如何でございますか、何か御説明ありますか。
○政府委員(壺井玄剛君) 別に意見はございません。
○委員長(奥むめお君) 御質疑如何でしよう。
○松永義雄君 そのないことをあることにして文書を作つて、よろしいというような場合に、文書偽造になつているのですか。
○説明員(小峰保榮君) 仰せの通り厳格な意味では公文書偽造になるわけであります。併しながら大体文書偽造をしたというだけですと、刑法上の公文書偽造として取扱われないのが現在普通であります。結局起訴されないというので、常識的にはまさに公文書偽造でありますが、犯罪としての公文書偽造というものをこの場合は伴つておりません。今申上げました二件も、たしか公文書偽造が一緒に起訴されていないと思います。横領ということで起訴になつていたと承知しております。
○松永義雄君 そのないことをあることにして金の支出を行う、そういう例はまあしばしば我々耳にするのですが、それはベースに関係して来ることかも知れませんが、べースが低いからついそういう結果を生じて来るという弊害があるかと思うのですが、そういうような場合は、どういうふうに扱われているのでしようか。
○説明員(小峰保榮君) 公務員の汚職というものと、ベースの関係というものは、私どものほうから申上げてよろしいか、御答弁は会計検査院としてはちよつと申上げかねるのでありますが、まあ大体月給が安いから泥棒するということは言えないのではないかと思うのでありますが、いつの時代でも同じような者は常に絶えないわけでありまして、ただ海上保安庁のは、横領というのは大体この二つであります。あとは、贈収賄の関係は、比較的金額が小さいが、贈収賄の関係が全体に多かつたようであります。
○松永義雄君 例えば仕事の分量が非常に多くて、それであてがわれる支給が少い。そのために何かの名目を作つて支出しなければならない、そういう例はないのですか。
○説明員(小峰保榮君) 物価がどんどん上つておりました時代には、予算が非常に部分的に不均衡になつておりまして、例えば食糧品が足りないとか、そういうようなことも数年前には相当にあつたのであります。それでやりもしない工事をやつたようにしたり、或いは例えば自動車の修繕を附け書きしてみたり、幽霊人口を作つたり、そういうようなことで、そういう面の経費を浮かしたというような例は数年前までには相当にあつたのでありますが、今年の、この二十五年度の検査報告にもこういうのが相当に出ております。架空経理として私どもは扱つておりますが、最近はこれが非常に減つて来ているように見受けられるのであります。
○長谷山行毅君 この六百四十七号、六百四十八号ですが、これに会計検査院の指摘に対する運輸省の回答ですか、これには御指摘の通りであつて誠に遺憾だ、今後はかかることのないように厳重に注意するというのですが、何かこれには御指摘の通りだというが、どういうわけでこういうふうになつたのか、何か事情があると思うのですが、その点を一つ当局から御説明願いたいことと、それからこの責任者については減給又は訓告処分に附したということになつておりますが、どの程度の責任者にこういう処分をしたか、その点を御説明頂きたいと思います。
○政府委員(壺井玄剛君) 只今の御質問につきましては、やや詳細に亘りますので、海上保安庁の経理課長がおりますから、説明員として説明して差支えございませんでしようか。
○委員長(奥むめお君) お願いします。
○説明員(坂本恭一郎君) 御説明いたします。架空の名義によりまして工事代金を支払つたものとして、会計検査院から二件について批難を受けておりますが、先ず六百四十七号の第三海堡灯台改良改修工事請負金額四十二万二千円のうち電池格納室約十四万六千円、上記の金額は会計検査院の実地検査による確認額でございまして、当初設計いたしました金額は十五万八千円でございます。これを施設し、差額約二十七万六千円は架空工事であると御指摘を受けておるものでございますが、本件の工事は昭和二十五年四月頃から八月頃までに実施されたもので、当時の工事施行関与者は、同年八月後任工事関与者に対する工事の経緯等を引継ぐことなく、四十二万二千円の工事関係書類を漫然と引継いだまま機械的に事務が処理されましたため、会計検査院の実地検査によつて初めて発見されましたことは、監督上の不行届のいたすところでありまして、誠に申訳ない次第と考えております。その後調査の結果判明いたしましたのでありまするが、昭和二十五年五月東京湾の品川灯台の緊急災害復旧工事を施行しながら、未払のままになつておる、この代金約十三万七千円の支払に本件工事代金から充当したものがございますので、更にその差額十三万円が、目下刑事事件として横浜地方裁判所において公判中の、当時の関与者の起訴された金額に該当しておるもので、誠に遺憾な次第と存じております。なお当時の工事関与者でございました茂木某、内田某、金井某と、いずれも横浜地方裁判所において目下公判続行中であります。本件工事の監督者でありますところの第三管区海上保安本部長桑原某はすでに退職をいたしました。支出負担行為担当官榎本某に対しましては三カ月間の減給処分に処しております。 次に六百四十八号の野島崎灯台補修工事請負金額十四万七千五百円は、会計検査院の御指摘の通りで誠にこれ又申訳ないことと存じております。今後は監督を厳重にして、かかる行為の根絶を期して目下やつておるわけでございます。なお本件の監督者であります先ほど申上げました第三管区海上保安本部長桑原某はすでに退職をいたしております。工事関与者であります茂木某、内田某、金井某は前にも申上げました通り目下横浜地方裁判所において公判続行中でございます。事の経緯は大体さようでございます。
○長谷山行毅君 この四十二万円と十四万七千五百円という金は横領したのですか。
○説明員(坂本恭一郎君) 起訴罪名は詐欺横領、支出負担行為担当官を欺罔しまして、公金を横領したものということで起訴になつております。
○長谷山行毅君 これはそうして本人に何か請求しているのですか。弁償か何か、この点はどうなつておるか。
○説明員(坂本恭一郎君) 公判の結果を待つて横領であるということになれば措置をする、目下裁判継続中でありますので、手続としては本人に追及はしておらないのであります。
○長谷山行毅君 何ら交渉していないのですか。否認しているとすれば別でしようが、弁償するとか何とかということは公判継続中でもやることなんですが、そういう折衝はしていないのですか。
○説明員(坂本恭一郎君) 被告の言い分は、こういうふうに架空工事で金は支出したが、それは食糧費その他の交際費等に充当するためにやつたのだということを公判で抗弁しておりまして、自分が着服のために横領したのではないということを弁明しております。従つてその裁判の結果がどういうことになりますか、それを待つて追及したい、こういうように考えております。
○長谷山行毅君 今の御説明によると、大体そういう抗弁をしても有罪だと思うのですが、その犯罪としては……。そういう場合に、関係当局としてはそれに弁償させるという御意思がおありですか。有罪にさえなれば弁償させるのですか。その金の使い途によつては弁償させないという場合もあり得ますか。そういうことをお考えになりますか。
○松永義雄君 関連して……、どうなんですか、今の質問は……。はつきり答えて下さい。
○説明員(坂本恭一郎君) 裁判の結果、金の使途がやはり公のために使われたということになつて無罪になれば、官としてそれを追及しないということになると思います。これが有罪ということになりますれば、或いは本人にこの横領金額を裁判の上で追徴するというようなことになると、海上保安庁としては二重にそれをとるということは考えられないわけであります。
○松永義雄君 今のは素人の常識論ですよ。そのほうの専門でないかたに余り追求するとどうかと思うから、遠慮されているかと思うのだけれども、これは別にやるべきが当然です。大蔵省なんかではやつておりますよ。確定しない間にすでに民事訴訟の不法行為による損害賠償を請求してやつております。尤もそういうことをなすかたは余り支払能力がないから、そういう点を考えて、どうしたらいいか考えている、そういう意味ではあるかも知れません。今言つたように結果をみてからどうかということは、これは刑事とは別個に判断して、民事を進めて行かなければならんもんであると考えております。その点ではやや怠慢のそしりを免れませんね。
○小酒井義男君 当然これは裁判にかかつておる当事者は休職になつておるわけですか。
○委員長(奥むめお君) 坂本経理課長如何ですか、今の小酒井委員の質問……。
○説明員(坂本恭一郎君) 目下休職になつております。
○委員長(奥むめお君) 今までの処理報告の中に、そういうふうな問題は役所の立場としての、専門員に聞きますが、方針というか、規定というか、法律的な根拠があるはずですね。そういうような場合に……。
○飯島連次郎君 これは会計検査院の小峰局長にお伺いしたいのですが、この灯台関係工事の施行に当つて処置当を得ないものというのが、説明書によると工事個所数が二百七十四、そのうち会計検査院の実地検査を実施したものが八十一個所、三割に満たない数ですね。にもかかわらず、こういう不正不当の支出が続出しておる。ですから、全部の検査を実施すれば、恐らくかなりの数が批難されて来るのではないかというふうにも考えられるのですが、又一方灯台或いはこれに類するものについては、現在なかなか整備等について非常に手が廻りかねるというか、海上交通、運輸など、かなり大きな支障を来たしておるという現状からすれば、こういう状況を放任する、現状に任しておくのは甚だ当を得ないと思う。そういうところに折角の国費をこういう不正不当に支出されておつたのでは、何年たつてもこういう方面の整備が達成できないというふうに考えられるのですが、一体特に灯台関係の工事に関して、こういう数多くの不正不当の支出が行われるというのは、さつき外郭的の説明はありましたけれども、会計検査という広汎な立場から考えまして、一体要約するとどういうところに原因の主な事柄があるか。
○説明員(小峰保榮君) 飯島さんの御質問にお答えいたします。おおせの通りここに書いてございます工事個所数二百七十四、検査しましたのが八十一であります。三分の一も検査できなかつたのでありますが、工事の検査と申しますと、実は運輸省は比較的私どもの検査が行届いているほうであります。農林とか建設なんか非常に検査比率と申しますか、検査をできる個所が人手の関係で非常に少いのでありますが、運輸省はこれでも比較的行届いているほうであります。その結果、昨年はここにたくさん出まして、甚だ遺憾でありますが、これはこの検査報告の二百二頁に、ここに「灯台関係工事について、以上のような不当事項の発生の事由を考察する」というので、私どもとして考えられる原因を一応ここに書いてありますが、一番大きい原因というのは、二十五年度に第三四半期で、マッカーサー書簡が出まして灯台を整備しろ、で、予算を追加されたのであります。それで第三四半期に予算が追加になつて、今までやつたことのないような手広い工事を年度内にやらざるを得なくなつた。ここに一番大きな原因があつたわけであります。いわば二十五年度としての偶発的と申しますか、今まではなかつたような仕事をやらざるを得なくなつたというところにも大きな原因があつたと思うのであります。それでその結果、事務の処理が疎漏になるという結果を来たしたのでありまして、ほかにもいろいろ原因がございますが、これが私ども一番大きい原因だつたのじやないだろうか、こういうふうに考えております。二十六年度になりますと、この種の不当事故がずつと減つております。二十六年度の検査報告をお出ししましたが、いわば二十五年度に急な仕事をやるために事故が意外に多かつたということ、それから汚職なんかも起りましたので、それだけでは勿論原因ではございませんけれども、今のような関係が相当に強く響いているのではなかろうか。二十六年度は私どもは同じ人間が同じような眼で検査して歩いたのでありますが、こんなにたくさんございません。ずつと減つてしまいまして、案件が一年でずつと減つているわけであります。これは御覧のなり方によつては、或いは二十五年度の偶発事故というふうにもとれるのでありまして、根強い原因がどこにあるか、それをたずねなければ、長くこの種の不当工事が絶えない、こういうような性質のものではないのでございます。
○飯島連次郎君 次に運輸省と海上保安庁のかたにお伺いしたいのですが、灯台関係の所管はここへ批難されている当時は、勿論これは運輸省の所管であつたのですね。
○政府委員(壺井玄剛君) さようでございます。ただ外局でございますから、経理は或る程度独立してやつております。
○飯島連次郎君 それから、そうするとこの当時の責任は現在でも運輸省に属しておるのですか。
○政府委員(壺井玄剛君) その通りでございます。
○飯島連次郎君 海上保安庁で先ほどお答えになつたのですが、どういう関係で、そういう古い運輸省に所属する問題について保安庁のかたがお答えになつているのですか。
○政府委員(壺井玄剛君) 海上保安庁は従来通り何ら変つておりません。外局として運輸省の下部機関といたしましてやつておりまして、外局でございますので、経理関係が或る程度独立しております関係上、海上保安庁の経理課長に御説明願つた次第であります。
○委員長(奥むめお君) 別に御質疑もなければ、質疑は一応終了したものと認めてよろしゆうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(奥むめお君) 御異議がなければ次に進みます。次は六百五十八号から六百六十号まで一括して審議いたします。専門員、何か御説明がありますか。
○専門員(波江野繁君) 今議題になりましたうちで、六百五十八号につきましては別に御説明する点もございません。 六百五十九につきましては、この一月に議員の実地調査がございまして、現地でもいろいろ御説明を聞きましたが、ここに出ております通り、これも検査院の言う通りだつたということになつておりますので、別段御報告する点もございません。 ただ六百六十号は一応意見が対立しておるように見えますのと、これも一月のときの議員の実地調査がございましたから、これは少しく御判断なさるのに御参考になると思いますので御説明申上げたいと存じます。先ず検査院の指摘の要点を申上げますと、公共団体である徳島県が事業費六百万円に対し国庫補助金百二十万円の交付を受け、橘港維持補修工事を施行し、同港東中浜地先の浚渫を実施した。この案件に対しまして検査院におきましては、同港における船舶の港湾利用状況を見ると、本件浚渫は必要がなかつたもので、結局右浚渫の目的は、その土量を以て東中浜地先の廃塩田地区の一部を埋立てることが主眼となつているもので、このような工事を補助の対象とするのは当を得ない。こういう指摘であります。これに対しまして当局におきましては、本工事はいわゆる那賀川電源開発計画に対応し、一大工場地帯を建設する長期計画の一端として航路の開発等が計画され、一方奥地資源開発計画の一環としてすでに産業道路が着工され、木材、薪炭等の生産が上昇するものと推定され、その七〇%は本港を利用して移出する目的の下に、航路並びに泊地を浚渫したもので、その浚渫土砂を県起業の埋立地に投入したものである。こう説明してあるのであります。派遣議員の実地調査の際におきまする現地当局の説明によりますと、本件の工事は改修費で施行するのが適当であるが、当時改修費は連合国軍が認めなかつたので、維持補修費で施行したものであり、又結果から見ても、改修工事ならば四割の国庫補助であるのに、国庫補助率がこれより低い三割の維持補修で目的を達したものである。こういうような説明があつたのであります。これらを綜合しまして、派遣議員のかたの御意見を、大体まだ報告書は提出されておりませんが、大体御意見がありますので、その御意見を私が代りまして一応御紹介いたしたいと存じます。大体本件につきましては、那賀川の電源開発計画に関連しているというのが当局の説明でありまするが、この点について会計検査院に対して当局の説明が十分ではなかつたのではないか、従つてこういうような指摘になつたのであつて、この指摘の原因は、この点に起因しているのではなかろうか、この点の説明が十分であつたとするならば、或いは二の指摘の内容が少し変つたのではなかろうか、こういうふうに先ず思われるのであります。次にこの本論でありますが、本件の浚渫は適当な予算がなかつた、いわゆる改修工事費がなかつた。こういう適当な予算がなかつたにもかかわらず、このように急いでこの年度に施行する必要があつたかどうか、この点については疑問があるのであります。併しながら那賀川の電源開発計画は、それ以前にすでに確定しておるのでありますし、現に護岸設備も建設中である、こういう点から考えますと、本件の浚渫の必要性が全然なかつたものとは認められないのであります。而して浚渫したその土量を以て埋立てた廃塩田地区は、浚渫箇所に極めて接近しておりますので、その土量を処置する処置としては適切であつたろう、こう思われますので、本件浚渫はこの埋立が主眼であつたとは認められないのであります。従つてこの点については強く批難ができないのではなかろうかと思われるのであります。但し本件は改修工事の性質を有することにつきましては、当局においても異論のないところでありまして、このような工事に対し維持補修の費用を使用したことは適当ではない。この点については当局においても弁明のないところであろう。こういうのが派遣議員のかたがたの御意見のようでありますので御参考に申上げて置きます。以上であります。
○委員長(奥むめお君) 何か会計検査院のほうで御説明がありますか。
○説明員(小峰保榮君) 六百五十八以下三件の案でございますが、六百五十八と九はいずれもやらなくてもよかつた工事に補助金をやつた、こういう案件であります。 六百五十八のほうは岩手県の田老町のやつた工事でありますが、災害復旧ということで航路を浚渫したのであります。そうしますと、同じ航路に農林省のほうで予防修築工事をやりまして、導流堤——折角運輸省から補助を出して浚渫した航路を横切りまして導流堤を作つてしまつたわけであります。従いまして大部分の浚渫というものが導流堤の外になつてしまいまして、又砂で埋まつてしまつた。検査に参りました当時には、一向に掘つたような形跡も見えないくらい埋まつてしまつた、こういう案件であります。農林省と運輸省との間で連絡が十分に行きますれば、こういう無駄な工事をする必要はなかつたわけであります。 それから六百五十九のほうは、二十四年に徳島県の小松島港でありますが、災害を受けて航路が塞がつてしまつた、こういうので当時査定を受けたのでありますが、二十五年になつて航路の浚渫工事を始める頃には、神戸の港湾建設部で国の直轄工事として、その埋まつた航路を掘つてしまつたわけであります。で、これも当然当初査定をしたときは必要があつたかも知らんが、実際にやるときにはもう国の直轄工事でやつてしまつたものでありますから、当然補助の対象から除いて廃工とすべきものなんであります。それを廃工としないで、その分の補助金、丁度この年は金額国庫負担の年でありまして、四百数十万円というものを交付してしまつた、こういう案件であります。 以上の二件につきましては当局も会計検査院の批難に対して御異議がないようであります。 六百六十号は先ほど専門員からもいろいろ御御紹介がございましたが、私ども今伺いましても、実際ちよつと解せない点もあるようでございますので、ちよつと御説明申上げておきます。改修工事だつたら埋立をやつてもいいというのが御意見の前提のように承知したのであります。改修工事で埋立をやることは一向に差支えないのでありますが、併し埋立というように新しい土地が得られるものは、これは補助の対象には入れられないのであります。港湾改修で埋立て、浚渫をここでやりますが、埋立てが主目的の場合には国庫補助の対象には入れられない。これはまあ当然であります。新らしい土地ができまして、いい値に処分ができるわけでありますから、そういうものに国庫補助をやる必要はないのであります。これは大体入れないというのが原則でありますが、結局問題は本件が浚渫を主にしておるか、埋立てを主にしておるかというところに問題のポイントがあると思うのであります。先ほどの御意見ですと、飽くまでも浚渫が主である。その結果、余つた土で埋立てが自然にできた、まあ捨て場として埋立でができた、こういうふうに伺つたのであります。これは現地の図面なり、状況なりを御覧下さいますと、そういう結論は私どもは出て来ないのじやなかろうか。と申しますのは港湾改修、又は掘るのは水路のために掘るわけであります。これは船着場から三百五十メートルぐらい離れたところを掘つております。この堀つたところを普通漁船ぐらいは通るかも知れませんが、相当な船は通らないのであります。それで漁船が通るくらいの水路は前年にも一部掘つておりまして、その通行には一向に支障がないのであります。船溜りと一般の船の着く場所が五百メートルぐらい離れております。そしてこの掘りましたところは船着場と三百五十メートルぐらい併行して離れたところであります。これが港湾の維持補修のための航路浚渫とは私ども考えられないのであります。やつぱり埋立てが主じやないか。埋立て予定地の前を掘つておるのでありますが、前年度に掘りましたところに引続いて堀つて、前年度に埋立てたところを又埋立てておるのであります。こういう仕事は決してやつていけない仕事ではないのでありまして、中浜の開発ということと絡みまして、徳島県は余り港もない県であります。あそこに港を造り、それから工場を誘致しようというので県は一生懸命おやりになつておるのであります。ですが、いわゆる国庫補助の対象として今の浚渫を取上げるのは適当じやないのじやないか。国庫補助をやらんでも一般に土地ができるところなんであります。私どもはそういうふうに考えております。
○委員長(奥むめお君) 御質問ありますか。
○政府委員(壺井玄剛君) 六百六十号につきまして、専門員の御意見と会計検査院の御意見はやや違うようでございますが、私どもといたしましては、専門員の御意見に従つて頂きたいと思つておるのであります。
○委員長(奥むめお君) 御質疑ございませんか。別に御質疑もなければ進めてよろしうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(奥むめお君) 御異議ないものと認めまして、六百五十八号から六百六十号までは一応質疑を終了したものといたします。 次に進みまして、六百六十一号から六百七十三号まで一括して御審議を願いたいと思います。専門員の御説明ありますか。
○専門員(森莊三郎君) 六百六十一号から六百六十八号までは災害復旧工事の原形超過の工事費などを全額国庫負担の対象としたため、負担金の超過交付をいたしたものという案件でありまするが、これにつきましては、運輸省のほかに建設省などにも同様な問題がありますので、又検査報告の二百八ページから九ページへかけまして相当詳しい事情の説明がありまするので、成るべくならば、検査院なり当局から一応その事情をお述べ下さるとよろしいかと思います。 それからあとの問題は特に申上げることはございません。
○委員長(奥むめお君) 会計検査院如何ですか。
○説明員(小峰保榮君) 六百六十一号から六百六十八号までに並べましたこの原形超過の批難について御説明申上げます。この災害復旧というのは御承知のように原形復旧という、壊れた原形を、もとの通りにするというのが昔から原則であります。ところが壊れたものを又造り直しましても、又壊れると、こういうことにもなる事態が相当に多いのであります。それで昔からこの災害復旧には便乗と申しますか、原形超過と申しますか、こういうものがつきものになつていたわけであります。或る程度の便乗というものも、これはその後に再度災害を受けないためには止むを得ないと、こういうことでまあ非公認のような取扱いでずつと来ていたわけであります。会計検査院といたしましても、よほど程度の酷いものでなければ照会も出さないと、こういうようなことでずつと取扱つていたわけであります。ところが二十五年度になりますと、この災害が非常に多い。それで従来も一般の国庫補助に比べますと、災害復旧は国庫の負担率が高かつたのでありますが、非常に災害が多いと地方が疲弊するということで、二十五年度は災害の原形復旧を二つに分けまして、原形復旧とそれから原形超過と改良的な工事を認め、公然と認める、その代りに原形復旧は全額国庫負担、それから原形超過工事は従来と同じように三分の二を国庫が負担すると、こういうことに特例法ができたわけであります。これは昭和二十五年度だけで、二十六年度は又取扱いが変りますが、二十五年度は災害復旧の原形分に対しては全額を国庫が負担する。原形超過分に対しては三分の二を国庫が負担して、三分の一を従来通り府県なり、地元が持つと、こういうことに法律が新らしくできたわけであります。それで従来は原形とは何ぞやということを理論的に論争する価値があつたのでありますが、余り原形復旧と原形超過ということを、そう截然と分けて考え、取扱う必要がなかつたわけであります。ところが二十五年度になりまして、今のように原形復旧は全額国庫負担、原形超過した部分は三分の二を国庫が負担する、こういうことになりましたので、原形とは何ぞやということを決められると同時に、一つ一つの工事につきまして原形分をはつきりと金額で出す、こういうことが必要になつたわけであります。ところが県なり、その災害復旧工事を一応検査して見ますと、そういうふうに截然と分けなければいけないが、何ら分けてない。そうして而も原形超過しておると明らかに認められるのに、それを原形復旧だ。こうして全額国庫負担の対象にしたというものが相当多かつたのであります。運輸省分につきましては、ここに主なものを八件掲げたわけでありますが、建設省などはのちほど御審議願いますが、これは何百というほど全国で私共の検査で見つかつたわけであります。それで運輸省の分は数も、建設省よりは工事の数も非常に少いのでありますが、ここに並べまして書きましたのは、明らかに原形を超過しておるものを、原形復旧として、本来ならば三分の二の国庫負担しかしてはいけないものを、全額国庫負担をしてしまつた。結局三分の一国庫負担が多過ぎた、こういう案件なんであります。どういうものが一体ここに掲げられておるか、原形超過と見たかということが、この検査報告の二百九頁の前から四行目、五行目に書いてございますが、石積のコンクリート張防波堤を方塊積にした、ブロック積にした、今まで石積の簡単なものを今度ブロツク積のしつかりしたものにした、これも明らかに原形超過であります。それから捨石堤の延長を増加する今まで百メーターだつたといたしますと、これを百五十メーターにしたほうがいいというので、百五十メーターにした。そうしますと、百メーター分は全額国庫負担の対象になるわけですが、延ばしました五十メーターは三分の二国庫が負担して、三分の一地元が持つ、こういう取扱いをすべきであるのは、全体、全額国庫負担してやつておつた、こういうわけであります。それから護岸法線を原形に比べて動かして、これを前よりも立派なものにした、こういうようなのもございます。こういうような原形超過工事と申しますか、改良的な工事をやつたのに、全額国庫負担しているのがいかんというのがここに並べました条件でございます。
○政府委員(壺井玄剛君) 運輸省といたしましては、会計検査院から御指摘になりました金額を、御指摘通り返還させることにいたしております。
○小酒井義男君 会計検査院のほうに、この案件などは、普通の、先ほど工事をやつてないのに金を支払つたというような案件とは違つて、もう少し内容を理解をしてやる余地のある案件だと思うのですが、例えば原形超過をすることが不必要な所まで原形を超過をした場合と、従来は石積でよかつたものが、石積が壊れたということが、それで被害に耐え得られない工事であつたから、それをブロックにする必要があつたということになれば、また原形超過という解釈のものさしの問題になると思うのです。けれども、その場合は私はもつと善意に解釈して、それが必要の、実際におけるところの原形として必要であつたというようなふうにも解釈していいのじやないかと思うのです。そういう点では少し原形超過を測る基準というものに考える余地があるのじやないかと思うのですが、検査院としてはどうお考えになつておるのか。
○説明員(小峰保榮君) 小酒井さんの御質問御尤もでございます。この原形超過、原形というものの解釈も実は物理的な文字通りの原形ということに扱つておりません。相当程度巾を持たせまして、従来通りのものでなくても、原形として見るという範囲が相当広いのであります。これは建設省なり運輸省なりの当局が、いろいろの場合を御存じでありますから、いろいろな場合を想定されまして、こういうものは原形として扱おう、こというものは原形超過にしようというのは、方針としてきまつております。今の石積とブロックの防波堤の例が出ましたが、これなどはちよつと原形と見るのは行過ぎじやないだろうか、こういうことに一応なつておるわけでありまして、これは効用から申しますと、仰せの通り石積の防波堤を復旧したところで、又やられてしまうことはまあ確実であります。折角復旧するならいいものにして、再度災害を受けないようにしたほうがいいのであります。で、方塊積にすることは、石積をブロック積にすることは、一向差支えないのでありまして、私どもはこれを否認しようというようには考えていないのであります。この当時は何分全額国庫負担であります。原形復旧につきましては、従来三分の二だつた国庫負担率を全額になつたわけであります。原形超過分は従来と同じ三分の二であります。この年は非常に国の負担が大きいし、事業者としては有利な年にありまして、余り原形というものを広く解釈して、国庫負担で全額持つということはどうかと思うのでありますが、相当に実際の扱いでは原形超過と認められるものまで、例えば道路の長さで……、道路を復旧するのに、道路の中を拡げたというのも原形超過として扱つておりますが、こういうもの、防波堤を石積をブロック積にしたというのも、やはり三分の二の国庫負担で我慢して頂いたほうが、まあ妥当なところじやないだろうか、こう考えております。
○宮本邦彦君 私はこの問題についてちよつと解せない問題があるのですが、これは地方公共団体なんかは、技術の責任者じやないのですね。行政官庁がこれを一応認証しているのですね。その設計書、或いは計画書に基いて、これは災害復旧工事なりと、こういうふうに認証しているわけなんです。そうしてその認証に基いて査定を受ける。そして最後執行した工事ですね。これは恐らく地方公共団体は還付を受けるものだと思つていないと思うのですね。そういうものを還付させるということは、これは地方事業主体だけに責任を持たせて、行政官庁には責任ないという形になるのですなあ。結論は、そういうことはいいのですかね。私はちよつとそこらは疑問なんですが、それで補助金はですね。例えば予算の範囲内においてこれを交付するということで、それでもつてこれだけしか補助金がないからこうだというのならいいと思うのですが、そうでなくて、これは設計者も計画者も全部行政官庁で作つて、そうして上級官庁の認証を得て、地元は安心し切つてこれをやつておるわけなんですね。そういう工事に対してですよ。末端の何ら責任のないものが工事をその通り施行して、これはいかんからお前還付しろ、こういうことはちよつと言えるんですかね。私はそこがちよつと疑問なんですが。
○政府委員(壺井玄剛君) 通例工事費の、災害復旧工事につきましては急を要しますので、認証は非常に大ざつぱにやり、でき上つたあとで清算するという話合いになりまして、全部先にやつてしまう。清算した結果、成る程度の防波堤の延長をやり過ぎたとか、或いはブロックの積み方が非常によくなつたとかいうことがわかりまして、そのときにあとでやはりお互いの間で話合いが済みまして、これは少し県からも出すべきであるという了解の下に、大体決めておるのが多うございますので、今御指摘のように全部県は安心してやつて責任がないのだというほどのことではないのではないかと考えられます。
○宮本邦彦君 そういうことに対して契約書か何かはつきり謳つてありますか。
○政府委員(壺井玄剛君) 謳つてあります。はつきり謳つてあります。
○宮本邦彦君 町村なんかの補助工事には謳つてないのじやないですか。
○政府委員(壺井玄剛君) 少くとも本件に関する限りは謳つておるようでございますが。
○宮本邦彦君 謳つてありますか。
○政府委員(壺井玄剛君) はあ。昭和二十五年に災害復旧に関する特例法という法律が出まして、その法律の明文にも一応の概算でやつて、あとで清算するという条項がはつきりあるそうであります。ですからこれにつきましては御心配のような点はないと確信しております。
○宮本邦彦君 もう一つだけ……、これは会計検査院のほうに承りたいのですが、原形の問題ですね。私はこの原形というものに対して、この間、実は島原で拝見して来たのです。原形というものの、まあ会計検査院の考え方なんでございますがね。形の上の原形か、この強さと言いますか、力、技術的な問題の何を取入れられておられますかどうかということを、ちよつと承りたいのです。
○説明員(小峰保榮君) 原形とは何ぞやというのが、実はこれは本当に頭が痛くなるようなむずかしい問題なのであります。昔からいろいろな具体的な案件に当りますが、先ほど例にお挙げになつたのは島原のパラペツトと道路のあの案件だと思いますが、あれなんかもうどう見ても原形を越えているものなんでありますが、ああいうふうにはつきりいたしますといいのですが、きわどいやつになりますと、どこまでが原形か、こういうようなのは相当にむずかしいものがあることはよく御承知の通りだと思うのでありますが、これは農林省にいたしましても、建設省にいたしましても、部内でどの程度のものは原形と認めると、こういう一応の基準があるわけでありまして、私どももこれは建設省なり、農林省なりがいろいろな面から考えられてお立てになつたものを、私どものほうがとやかく壊す、もつときつくさせると、こういうようなことは全然考えてもおりませんし、やつておりません。それで技術的な考慮が勿論これは入つたもので、建設省なり農林省なりがおやりになるわけであります。私どもそれに順応して大体その標準に合わないものというようなのは、まあ批難しているような次第でありまして、御懸念の点は余りないじやないかと、こう考えております。
○宮本邦彦君 実はそこでいいのを二つ見て来たのですが、一つは原形復旧を広く解釈し過ぎてよくやり過ぎたもので、それからもとの原形そのままの復旧と両方見て来たのです。丁度中間に行けば非常によかつたのではないかと思つて私ども見て来たのです。むしろ私どもいつも会計検査院のかたがたも行つて、折々現地で強度の質度とか、或いは破壊検査をおやりになつて、非常に私はそういうところはいいと思うのです。そのときにできれば本省あたりから、これは希望でございます。この肝腎な技術的な性格を少し聞いて頂いて、そういう見方で見て頂ければ、非常にいい工事が将来御指導できるのじやないかというような気がしましたもので、まあ一言附加えて申上げておきます。
○説明員(小峰保榮君) 技術的なものが検査の対象に非常に広い面になつております。そしてこれは問題も相当に多いのであります。会計検査院の中にも専門的なものがたくさん出ておりますが、私どものほうも技官が、相当立派な人が実はおるのでございますが、学位を持つた人もおりますし、何か技術的なむずかしい問題になりますとこの工学博士に聞いてから表向きになる、こういうあれをとつておるのでありまして、素人だけの判断でやるというようなことはしておりません。
○委員長(奥むめお君) ほかに御質疑ございませんか。別に御質疑もなかつたならば六百六十一号から六百七十三号まで一応終了したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(奥むめお君) 御異議ないと認めます。 今日はこれにて散会いたします。 午後三時二十四分散会