決算委員会 第1号
- 発言数
- 54 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1952/11/26
会議録
○委員長(奥むめお君) 只今から決算委員会を開会いたします。 どうぞ不慣れな者でございますが、よろしくお願いいたします。 今日は公報を以つてお知らせいたしました諸案件について御審議を願いたいと存じます。先ず理事の辞任及び補欠互選の件をお諮り申し上げたいと思います。小酒井理事から理由を附して理事を辞任したい旨申出ておられます。これを許可するごとに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(奥むめお君) それでは御異議ございませんので、そのように認めます。 次に只今辞任を許可されました小酒井さんの補欠と、先に委員を辞任されました高橋進太郎さんの補欠と、改進党から一名選任されることになつておりますので、合計三名の理事の補欠互選を行わねばならないのでございます。以上三名の理事の互選方法を如何いたしましたらよろしうございますか。
○飯島連次郎君 只今の理事の互選は、成規の手続を省略して、委員長において指名されんことの動議を提出いたします。
○委員長(奥むめお君) 只今飯島理事から、互選は成規の手続を省略して、委員長において指名されたいとの動議が出ておりますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(奥むめお君) では御異議ないものと認めます。 よつて委員長は理事に宮田重文さん、成瀬幡治さんを指名いたしたいと存じます。もう一名の理事でございますが、都合によりまして、次回に延してお諮り申上げたいと思います。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 —————————————
○委員長(奥むめお君) 次に昨日委員長及び理事の打合会をいたしまして、決定されている事項がございますので、御報告をし、又御決定を願いたいと存じます。先ず本委員会に附託されておりますのは、昭和二十四年度決算三件及び二十五年度決算三件でございますが、委員長及び理事打合会におきまして、委員各位の御協力によりまして、できる限り努力いたしまして、早く進めたいということでございます。先ず昭和二十四年度の決算三件の審査を、成るべく本国会で終了したいということでございます。そのために一週に二回、水曜と金曜日の午後を定例日として委員会を進めたい。で分科会を設けないで、重点的に審査を行うようにしたい。以上のように申合せがあつたのでございますが、理事会の申合せ通りでよろしうございましようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(奥むめお君) じや御異議ないと認めます。 次に、今期国会におきましても、従来通り調査承認要求をするということでございます。又小委員も設置することに決定しましたことを御報告いたします。 只今御報告いたしましたように、特別会計、政府関係機関及び終戦処理費の経理並びに国有財産の処理に関する調査承認要求をすることに御異議ございませんでしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(奥むめお君) じや御異議ないと認めます。 次に要求書の作成でございますが、委員長に御一任願いましたら大変結構だと思いますが、如何でございましようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(奥むめお君) それじや御異議ないと認めます。 次に小委員の設置に関しましてお諮りしたいと存じます。今期国会におきましても、小委員を設置いたしまして、従前通りの、名称は決算審査に関する小委員といたしまして、小委員の数は十五名とする。そうして以上の小委員を、自由党から君名、緑風会から四名、社会党第二控室及び第四控室からそれぞれ二名ずつ、民主クラブ及び改進党からはそれぞれ一名ずつ推薦して頂きまして、それに基いて委員長から指名いたしたいと存じますが、以上の通り決定することに御異議ございませんでしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(奥むめお君) じや御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(奥むめお君) 次に昭和二十四年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十四年度特別会計歳入歳出決算、昭和二十四年度政府関係機関収入支出決算、以上を議題に供します。本日は政府関係機関のうち、日本国鉄道の続き、即ち会計検査院批難事項第六百四十八号を問題に供します。じや先ず専門員におきまして、特に説明を要すると認められる事項がございましたならば、説明を願いたいと思います。
○専門員(森莊三郎君) この六百四十八号は、そのもう一つ前のものと同じように第三期信濃川発電の水路トンネル工事に関するものでありまして、仮設費に関する問題であります。このトンネルは延長が数十キロに亘る非常に大きい工事でありまするので、全部を十の工区、言い換えれば十のトンネルに分けまして、これを十の会社に請負わせまして、その一つ一つの工区を更に五つの工事、即ち作業坑工事をその一工事、その二工事、その三工事、その四工事というふうに分けまして、そうして請負事業でやらせたのであります。その状態はここに図で以てちよつと簡単に示しておきましたけれども、このうち最初の二つの工事は随意契約であつたのでありまするが、その後は当時軍の命令によりまして随意契約はよくないから公開入札にせよという命令があつたのであります。然るにその一工事が終りましたとき、その二工事の入札の手続に、急に公開入札をやるものですからその手続に日数を要して、その中間に約一カ月の作業の停止期間を生ずる、それでは非常に困るのでありまするから、工事の進捗を図るために、その一工事の数量を増した、つまり仕事の分量を殖やしたということにしまして、その二工事の中の一部分の、この図で斜線で以て示しておきましたような工合に、その一部をその一工事の追加工事として続行させるということになつたのでありまする。この際本当ならば、設計変更という正規の手続をとるべきでありましたが、それをとらないで、単に数量の変動というような簡単な方法でやつたということについては、検査院のその批難に落して当局もこれは悪かつたということをはつきり申しておられるのであります。この追加工事に対しまして、当局は仮設費即ちごの建築のために必要ないろいろな仮小屋、仮工事場などの償却費及び労務者をよそから引張つてきましたその旅費、その他の経費をば、その一工事に対する同じ単価で以て支払つたのであります。ところがそれに対して会計検査院は実地検査を行ないました際に、これらの経費はすでにその一工事のところで殆んど皆支払済みになつているから、追加工事に対してはその単価の中に加算する必要がない、無用なものを支払つたのではないかというふうに認めまして、その意味の推問書を発せられたのであります。それは二十五年七月二十六日附のものでありまして、只今お手許に別に差上げてありまする、縦書になつたところの書類は、それが会計検査院から出ておりますもので、それの三枚目以下のところにそのことが出ているのであります。ところがこれに対して当局の回答というのがやはり同じ書類の一番最後の一枚に出ておりまするが、設計変更の手続をとらなかつたことは遺憾であるということは答えましたが、別段仮設費の計算方法をどういうわけでこういうふうな計算をしたということは何も言つておらないのであります。そこで会計検査院は国会へ提出する検査報告にこの事件を取上げて、追加工事については附帯経費が約三百九十万円多過ぎるという旨を指摘されたのが、それがこの事件なのであります。ところがそれに対して当局はこの説明書、ここにありまするこれでございますが、内閣から国会へ向つて検査院の批難に対する弁明書とも言うべきものが出ておりますが、その中において契約の当初に本工事完成までに要する品その経費の全仮設設備を整備させて、その経費は工事完成までに償却することとし、契約を工事ごとに分割して積算していると、こういうふうに答えまして、そこに一つの横に書きました算式を出しておられるのであります。これによりますると、要するに全体の費用が一体幾らかかるかということを見まして、それを工事の分量で以て割る、言換えて申しますると、全体の費用を一メートル当り幾らになろものかといつたような単価をXとしてそこに出しました。そうして単価が出ておりまするから、結局それにそれぞれの契約のたびごとを何ほどの数量の仕事を契約するかというそれを掛合せますると、その当該工事に対する費用ということになります。こういうふうな計算でやつたのだと、従つて工事の数量がどんなに多くなつても、単価というものは一メートル当り幾らということは、ここに計算した通りであるから少しも変更する必要はないというふうに述べておられるのであります。その意味はいわば全工事について、一定の工事量当り単価何千という仮設費を計算しているから、追加工事なら、その一の工事なら単価は同一であるという意味なのであります。そうして当局はこれを裏書するための詳細な計算書を提出されたのでありまするが、それが只今お手許に配付になつております横書になつた六百四十八号に対する資料という、それなのでありまして、それが国鉄から出ておるのであります。こういう詳細な資料が出たものでありまするから、検査院は改めて左のように指摘をして来られたのであります。それが先ほどもちよつと引用いたしました、縦書になりましたこの一冊の書類でありまして、昭和二十四年度決算検査報告案六百四十八号についてという、これが検査院から出たものでありまして、只今私が申上げようとするものなのであります。その中に言つておられますることを見ますると、一工事の規模が大であつて、長期に亘る工事を一番最初に契約する際にかような契約外に及ぶ債務、即ち今第一の工事とか第二の工事とかいう、一部分一部分の契約をするときに、全体の契約、最後までのものを一緒くたにしたような、かような契約外に及ぶ不明瞭な債務の負担はよくない。それから二番目、工事費の支払書を見ると、かくのごとく工事の分量に応じて支払つてはない、その二工事の終りまでに、といいまするのはその四工事で終るわけですが、あとにその三、その四があるわけです。ところが、その二工事の終りまでに全体の約九〇%に当る金額が支払われている。即ち全体の経費が三千万円余りであるのに、二千八百万円がすでにその二工事の終りまでに支払われてしまつておる。だから一定のメートル当りで支払つていやしないじやないかという指摘なのであります。要するに検査院の意見は、仮設費のようなものは契約の都度その全額を、その一工事ならその一工事、最初の作業坑なら作業坑だけ、その都度その全額を負担すべきものであり、従つてその単価は契約のたびごとにそれぞれ異るはずのものである、それから又当局では、当初の計画においては工事の分量に応じて仮設費を割りかける、単価を計算して一メートル当り幾らというふうに割りかけるのだと言つてはいるが、実際の支払を見ると、その通り支払つていないじやないかということが、検査院から指摘されて来たわけなんであります。 以上がこの案件の大体の筋なのでありまするが、それにつきましてちよつと御参考までに申上げたいと思いますることは、非常にこの事件が複雑いたしておりまするので、最初の検査院の検査報告を読んだけでは余りはつきりはわからない、政府の弁明書を見てもそれだけはよくわからないわけなのでございまするが、たびたび検査院のかたにも、当局のかたにもお目にかかりまして、事情をよく聞いてみましたところ、結局のところは、このような工合にこの問題が落ちつくのではないかと思われるのでございまするが、つまり国鉄のほうで当初一定の計画を立てて、最後までに必要な経費を考えて、それをそのときそのときメートル当り幾らというような工合に支払つて行くということは、成るほど一応よく考えられることなのでありまするが、実際の経費の支払を見ると、そうなつておらない。そこは国鉄のほうが支払に関して不注意であつたのじやないか。それから損をしたかどうかという点になりますると、どうもそれははつきりわからないのでありまして、そのわけは、最初の二つの工事、作業坑及びその一の工事というものだけは随意契約でやらせましたけれども、それからあとの分は、もう全体を入札ということでやりましたので、その中にここに問題になりまする仮設費がどの程度入つておるのか、はつきり調べようと思つても調べようがありませんので、若しそれが最初の間にたくさん支払つてあつても、あとのほうの支払が少なければまあそれでいいということになる理窟でありますが、果してそうなつたかどうかということもよくわからないようなことなのであります。 それからなおその支払関係の書類について見ますると、検査院のこの御批難も尤もなのでありまするが、奥地検査は全部について行われたのではなくて、一部分について行われたようなのであります。ほかの方面の計算書を見ますると、又その事情も違つた計算書が出て来るというようなことになつております。結局これは国鉄がもう少し支払に関して注意を払われておればこういう間違いも起らなかつたのではないかというようなふうに思われるのであります。ちよつと最後の点だけは余計なことでありますが、附け加えさせて頂いたのであります。
○委員長(奥むめお君) では会計検査院、日本国有鉄道当局で何か御説明を特になさいますことでございませんか。先ず会計検査院のほうは如何ですか、
○説明員(山名酒喜男君) 只今専門員から御説明のありました事項でございますが、非常にこう話が細かい話にずんずん別れて参りますので、おわかりにくいかと思いますが、私から非常に大づかみな話を申上げてみたいと思います。 これはトンネル掘さくに伴いまして、最初その一工事というので、ちよつと三億何千万円の工事を随意契約でやらせまして、その中に将来ともずつと仕事をやつて行くという前提の下に仮設費が相当使われて、請負業者で相当大きな全工事をやるだけに近い仮設工事がどんどん……、あとの工事も自分の手に入るというのでやつていたわけです。ところが司令部のほうの申入れで競争入札でやらなければいかんというので、すぐあとの工事が続いて請負をするというわけに行かなくなつたものでありますから、これは工事が遅れては大変だというので、国鉄のほうで一割程度の追加工事を前業の者に追加してやらせたわけであります。ところが私どものほうで見ますというと、一割だけの追加工事をしたその際も前の工事の単価と同じ単価で追加工事もやらしている。そうするといわば前の工事のときに見積られた仮設費は前の請負代金で償却済みになつている。そうするとただになつた、そのただになつたものを、残りの追加工事の一割程度のものは追加されましたが、そのあとの一割はただになつた仮設費であります。或いは機械据付費なり或いは労務費のそういつた附帯経費は追加工事ではもう見んでいいから単価は下げてもいいのじやないか。、いわば全体に必要な仮設費とかそういつたような雑経費を前のその一工事とそのあとに食つ付けた一割増しの、ここで簡単に申上げますと、一一〇%で割つた単価でもう一遍あれができるのじやないか。そうすると三百九十万円ばかり高くつきやせんか。こういうことで現場で質問したわけであります。そうすると、現場のほうでは成るほど理窟はおつしやる通りで、追加工事は一割増しだからそれは理窟の上では償却になつているから、やはり使う場合にはその償却済みになつた事実を尊重して、あとのほうの請負単価は少し安くするという方法をとらなければいかんというので、この案を作つたわけでありますが、国鉄のほうから、その現場の説明は違う、それは私どものほうの、本局のほうの考えるところとは違うので、全体の工事をやるというので、全体の仮設費、雑経費を全工事量で割つて工事単価というものを出したのだから、殖えようと殖えまいとそれは関係ないのじやないか。こういうお話でありますが、それは尤も当然である、その理窟はわかる。それはただその一工事で支払内訳計算書というものが、その当時は支払計算書でそれを確認してでないと金を出してはいけないということになつておりました。そこでその支払内訳計算書を見ますと、どつこい仮設費は総工事量で割つた単価から出たものとは見られない、ということは、只今お話のありましたように、これとあとのほうの工事に必要なものまでそこで払われて使つたという恰好になつているのであります。その一工事は全工事量の六〇%にあたるのでありますが、その全工事量の六〇%までの支払、工事の出来高に対する代金の支払の中を見ますと、仮設費等の全体の九〇%が払われておるということになると、先ほどお話のあつた国鉄のその一を見ると、理窟がその通り支払のはうには筋が通つておらん、それじややはりこれはいかんということで、私どものほうでここで出しました節約になるのではないかという一つのものの考え方を書きましたときと、その後国鉄から正式に政府に答介なさつたものを見ますというと、私のはうの批難が少しずれて違うほうに行つておりますが、それはその後判明した事情からそういうふうにずれて参つたわけでございますが、要するに支払請求内訳書をもう少し見られれば、そういつたほうに払い済みになつている事案を考えれば、あとのほうの工事の請負のときに減らして行つて然るべきじやないかという一つの理論的な立場はここで成立つわけであります。ただお話のありましたように、それじややはり検査院のように損になつたかということで詰めて来られますと言うと、その後の契約は随意契約でなしに競争入札になりましたから、見積面も安く押しているということになりますというと、そこの仮設費がもうそれに見積られた通りに払われていないというようなことになりますというと、その部分が損になつたというふうな計算にまでは事実持つて行けないのでありまして、又何といいますか、節約できたということは私のほうとしては、今となつては言えませんが、併し支払請求内訳書をよく点検して、払い済みになつておる部分を気をつければ、あとの工事費で相当いろいろな要素を考えると、安く見積を計算をして、そこでなお理論的には安くし得る余地があるのではないか、こういう考え方をとつておるわけでございます。
○説明員(高井軍一君) 本件につきましては、先刻来車門員のかた或いは検査院のほうから要点につきまして御説明がありました。それにつきまして私からも附加えさして頂きたいと思います。 この本件を御批判願いますときに、一つのこういう前提をお考えを願いたいと思います。それは当時電力の開発というものが国家的に非常に急を要した仕事であるということ、事実といたしましてこの発電工事は日本におきましても画期的な使命を帯びたものでございます。それから又一つはこの工事は先ほど専門員からもお話がありましたが、十工区に分けまして、そのうち問題になつておりますのは第一トンネルの工事でございます。それは本来なれば一本で契約をいたしたいのでありますが、当時の物価の変動その他によりまして、これを一本で契約いたしますことは、非常に至難な問題でありましたので、そこで五つに分けまして、分割して契約を進めるようにいたしたのでございます。それでこういう工事の特性といたしまして相当事前準備と申しますか、いわゆる仮設備というものが仕事の段取として必要なんでございます。それでこの仕事を進捗いたしますためには、五つに分けましてもオープン・ビツドの問題とは矛盾するようでありますけれども、これを全体の観点の下におきまして工事をやりませんと、一つ一つの契約でやりますとこれは非常なロスが出るのであります。そういう関係で国有鉄道といたしましては、工事の一つの全体工事といたしまして、先ほどお話がありましたように、仮設費は均等に償却すれば、全体としてこれは適当であるという考え方におきまして、これを進めたわけであります。 それからもう一点の先ほどの請求内訳書との問題でございます。これは御承知の通り法律百七十一号でありますか、政府等の不正支払防止に関する法律だつたと思いますが、要するに見積りいたしますときに見積内訳書というものを出しまして、そうして実際金を請求いたしますときに人夫が何ぼか、或いは仮設費がどうこうという内訳を出しまして、いわゆる支払請求内訳書というものを出して請求することになつておるのであります。これが観念といたしまして、現場といたしましては要するに均等配分、均等償却をさすのだというような観念がありますので、一立米の掘さくなり或いは一立米のコンクリートの工事が可能であるということになりますと、それでいいというような感じから、これを見積内訳書と実際の請負人から出します支払請求内訳書と照合を十分しなかつたということは、確かにこれは十分なこの支払に対して留意をいたしておらなかつたということになるのありまして、この点は私ども恐縮に存ずる次第であります。併しこの考え方といたしましては、今竣工部分の一立米仮設費が三円なら三円ということになりますと、竣工部分について払つておりますので、実際はこの内訳書では仮設備ばかり今申上げましてように、五四%もたくさん払つておるようでありますけれども、実質的には払いました工事自身は竣行いたしておるのでありまして、損害はかけていないというふうに考えるのであります。何といたしましても第二点のこの支払に対しまする審査が粗雑であつたということにつきましては、申訳ない次第であると思つております。
○委員長(奥むめお君) ほかに国有鉄道なり検査院のほうから御説明のなにはございませんですね……それでは皆さん御質問を願いましようか。御質問ございませんか。如何でございましよう。大変問題がややこしくて両方違つたことをおつしやいますね、如何でございます。ちよつと速記をとめて 〔速記中止〕
○委員長(奥むめお君) 速記を始めて下さい。 それでは只今成瀬委員からの御提案によりまして次の議案を御説明願います。六百四十九号の御説明を専門員のかたに先ず何か特に御説明して頂くことがありましたらおつしやつて下さい。
○専門員(森莊三郎君) 六百四十九号について申上げます。 検査院の検査報告に害かれておりますることが非常に簡単になつておりまして、内容が少しわかりにくいものでありまするから、別紙にがり版刷りにいたしましてその説明を附け加えて置いたのであります。 その事件の内容を申上げますると、連合軍の専用車の修理工場として愛知県から飛行機工場を取り壊して、その古い資材を大船まで持つて来てそこへ工場を建てたのであります。それは非常に高い大きい建物で、軒の高さが十三メートル、棟の高さが十九メートル、それから三十トンのクレーンが二台も動く、それから修繕したところの車はそれをそのまま上のほうへずつと持ち上げたままで移動させるというふうな設備なのでありまして、国鉄としても前例のない大きい工事であつたので、一般鉄骨工事に比して條件の差が甚だしく違うということを当局のほうから言つておられます。殊にこれを急いで造らせられた、連合軍からの命令でありまして工期を厳守しなければならない、それから冬にかかつての仕事であつたということ、それから当時は今日と違つて資材が入手が困難であつたということ、それから古い建築材料をこちらへ移して適当な寸法に切つたりなんかしながら建てなければならなかつたというようなこと、それから食糧事情が非常に困難であつたので労働の能率などにも大変影響が甚だしかつたという、こういう事情の下に行われた仕事であるということであります。 そこで検査院の御意見と国鉄側からの御回答とどんな工合に食い違つておるかということを右左に照し合せて対照表にいたしましてございます。先ず左側のほうに(イ)の一といたしまして労務費について一体一トン当り幾人の手間を要するかという点につきましては検査院では鉄骨工がこれこれ、鳶工がこれこれ、人夫がこれこれというふうに要するはずだ、それはその下へ書きました通り、戦前なら一三・一人の人間でよかつたわけでありまするが、戦後には八時間労働の制限があつたり、又一般にはいろいろな事情のため能率が下つておるので、戦後にはどうしても五割増かかるので、そうすると二十人かかるということになる、ところが先ほど申上げましたように、この工事は特別な事情があるのだから、三割くらいは増さなければならないだろう、そうすると二十人に対して三割を増すと六人増すことになるのだから、二十六人手間というふうに見ればよかろうという御意見でありまして、なおこの中には鉄を打つための鋲打人夫をも含んでいるという見解なのであります。そうして十三人とか二十人とかいう数字を出されました根拠は、参考書というものがありまするので、それは別にそこに差上げてあります。それで検査院から提出されましたがり版刷りのもので「昭和二十四年度決算検査報告第六四九号について」というものがありまするが、それの第三ページのところに参考一としまして溝口松尾著「建築工事仕様及見積」、この書物は昭和六年に出刷された書物でありまするが、それが戦前の状態、それからその裏のほうに参考二といたしまして東京大学工学部講師櫻井良雄著「建築労務」、この書物は昭和二十三年の出版で、終戦後のものであつて、それに二十人というように出ておる、これを見てもわかるだろうと、こういうふうな検査院の御意見なのであります。これに対して国鉄の見解はその右側に書きました通り、鍛冶工が何人、現寸型板工が何人と、いろいろと書いてありまして、一応そこに二十人という手間を見ているのでありまするが、併しその下に書きました通り、八時間労働の厳守、それから能率の低下などを考慮して能率が三割低下したと、こうすれば二十人の手間を〇・七で以て割らなければならないわけだから二十八・六人の手間を要するわけであるという計算になつておりまして、ここに同じ三割でありながら内割と外割との関係で一方は二十六人という、一方は二十八・六人だという、こういう一つの差が出ておりまするのと、それからもう一つは鋲打人夫というものはこの中に含まれないで別に六人を要するのだと、こういう点が、これがまあえらく意見の食い違いを来たしているところなのであります。 それから次に労務費についての単価、それを(イ)の二として掲げましが、検査院の御意見では、当時は鉄骨工は四百四十円が単価、鳶工は三百二十五円、人夫は二百九十七円、これら全体として一平方メートル当り九百八十四円という手間賃を要する。なお国鉄のほうでは、高い所の作業とか重量品を取扱う場合には割増をしてやらなければならないと言われるが、それはこのような仕事には要りようがないものと認めるという御意見であります。これに対して国鉄のほうでは、鉄骨工及びこれに類する職種の、当時の神奈川県の公定賃金は普通標準の者が三百八十五円、それから最高の賃金を支払うべき者が四百三十七円となつておる。そこで今この仕事におきまして、最高の給料を払わなければならないものを六〇%として一般の標準のものを四〇%とすれば、その平均の単価はその下へ書きました通り四百十六円二十銭ということになる。ところが地上十メートル以上の所で仕事をする場合には高所作業として三割の増がつくのが当り前である。及び重量品の取扱いをする場合にも三割を増してもよいことになつておる。それでそういうものが八割といたしまして、そうでないものが二割だとこうすれば、その下に書きましたような計算になつて、結局単価が五百十六円〇八八というようなことになつて来る。それから鳶と人夫は全然別扱にしておるのであつて、検査院のほうでは鳶も人夫も一緒に国鉄のほうでは同じ給料を払つておるかのようにおつしやるけれども、そうではありませんということを言つておられます。そうして結局のところ一平方メートル当りの単価が千三百五十七円要るというのが国鉄の意見でありますから、検査院のはうの九百八十四円と比べますると大分な開きが出て来るのであります。 以上申上げましたことが先ず第一の問題。それから次に(口)といたしましてそこにA、B、C、Dとこの四つの点を挙げておきましたが、この四つのものが検査院の御意見では重複計算になつておると、要らんものであるという御意見であります。それは先ずA、鋲打作業費は一平方メートル当り千三百円ということになつておる。これが要らんものだと言われるのでありまするが、これに対する国鉄の答えとして、鋲打人夫は別の職種のものとして契約をしている。これはトン当り六人ということである。普通に鉄骨の工事において鋲打は普通ならばトン当り二百だけ鋲を打つのでありますけれども、この建物は非常に厳重な建物であるので四百箇鋲を打たなければならない。そこが違つている。及び古い建物を壊してこちらへ運んで来たものでありまするから、不完全な材料のものをつぎ合せて建築に使つている、寸法も短いものをつぎ合せて使つている。そんなことのために鋲打ち作業が一層多くなつているというようなふうに言われて答えられているのでありまするが、これに対して検査院は、先ほどこの前記の(イ)の一のところへ記しましたその二十六人と言いましたあの中には鋲打人夫が入つているのだ、だからもうそれ以上払う必要はないというのに対して、先ほど申上げましたように、国鉄のほうでは鋲打ち人夫は別に要るのだというふうになつている。そこが意見の食い違いであります。 次にB、鋼材購入に要する諸費用として、一平方メートル当り百五十六円というものが記されてありまする、これに対する国鉄のお答えは、当時はこういう材料の統制時代でありまして、割当の切符はもらつたけれども、なかなか実物を手に入れるということは容易にできはしない、仕方がなしに闇材もやはり買わなければならないということになつた。それでこのような費用を余計に出さなければならないというような始末になつたのである。併し当時の公定価格はトン当り一万一千円乃至一万二千円であり、市場価格は一万五千円乃至二万円というのであつたが、それを市場から買入れる場合にもトン当り一万五千円で買入れているのだから、この程度のものは大目に見て頂きたいということのように了解いたします。 それから次にCとしまして、割増附帯費という名前で一平方メートル当り二百五十八円というのが出ておりますが、それに対する国鉄の答えは、この単価契約数量はでき上りのトン数いわゆるネツトのトン数で、加工トン数はこれより一割増だ、つまり古い材料を持つて来てその中から必要な部分だけ切り取ることになるので、本当に使つたものだけのものがネツト、ところが古い材料を持つて来るものですから余計なものもある。従つて運搬賃、運送費用というものはネツトの数量だけの運搬費でなくて、それよりももう少し一割くらいも多い運搬賃は払わなければならないのだと、なおそのほかいろいろな附帯の経費もあるのだということであります。 それから最後にその他の経費ということで、一平方メートル当り六百二十六円というものが出ております。これは要らない費用じやないかというのに対して、国鉄のほうでは、これは愛知県のほうから大船まで持つて来た、それを手入れをするためには浦賀まで運んでそこの工場で手入れをしなければ一ならない、それを又もう一遍改めて大船まで同じ道を持つて帰つて、そうしてそこで大船で建築をするのであるから、その間の運賃が重複してここに必要になるのだというような意味の答えなのであります。こういうふうに細かい点について意見が違つておりまして、まあこの辺で話は行詰つておるというような状態なのであります。 なおそこに附加えて最後に一行書いておきましたが、いろいろな単価を算出されるような資料をば、これは、最初契約をしまする場合にはそれぞれ業者からとつたりなんかするわけでありますが、いよいよ契約ができてしまいますると、工場の関係者が自分の関係のほうへ一部分一部分を皆持つて行きまして、そしてその仕事がうまく行くように注意をしておる、監督をしておるわけでありまするが、それがいつの間にか知らん行方不明になつてしまう。殊にその職員の転勤というようなことでもありますると、転勤先へ持つて行つてしまつて、こちらに残つていないというようなことになつているので、会計検査院があとになつて実地検査をするような場合にそういうふうな証明書類が十分なくて困る、どうかそういうふうな書類は、仮に法案上は保存書類となつていないにもせよ、事実必要なんだから最後までしつかり残しておいてもらいたいというような意味の附加えが出ているわけなのでございます。以上。
○委員長(奥むめお君) 如何でございましようか、そちらのおかた、会計検査院のかた……。
○説明員(山名酒喜男君) 本件も非常に細かい話になつておりますが、大ずかみで申上げますと、鉄骨組立工事がこれは平米当り七千四百七十九円という勘定になつておりますが、信濃川の小千谷の発電所もちよつとこれより大きい、高さが高い。小千谷の発電所の鉄骨組立工事になりますと、大体平米当り三千八百円という勘定の出し方になります。我々いろいろ設計図ではじいてみますと、大体そんなところがいいのじやないか、そうするとこれが高いのだが、どこが高いのだということで食い違つているわけでありますから、ぼうつとただ高いのではないというので、結局高い原因はと調べてみますと、いろいろな事情がありますので、三千八百円見当にまあいろいろな事情があつて二割増、いろいろな事情を入れてみてもまあ七千円以上はちよつと高過ぎる。非常に大きなほかの工事なんかの見当から行きますると、いろいろな事情で大ざつぱに二割見当増して細かいものをずつと勘定に入れても、やはり二千七百円くらいの開きがあるのじやないかというようなことで、細かく書いて行きますと、こういうことになります。
○委員長(奥むめお君) 如何でございましようか、国鉄のかたは。
○説明員(江藤智君) こちらのほうといたしましては、御承知のようにこの当時は非常に進駐軍のほうの御命令が厳格な時期でございまして、命令を受けましたならば一日の工期の遅延も許さないというような特殊の條件がございましたので、そういう点は勿論こちらとしては考慮しております。又会計検査のほうで御指摘になつておるこの標準歩掛りと申しますか、ここでお考えのものはいろいろ割増も考えておられるようでございますけれども、新らしい材を持つて来てそれを加工組立てするというのがやはり基になつておるのではないか。今の小千谷の発電所の鉄骨のごときはこれは工場ですつかり拵えまして、現場に持つて行つて組立てるというようなものであつて、ここに行いましたように、遠方の立ち腐れをしております飛行機工場の鉄骨を、或る場合には相当ゆがんでもおりましようし、切捨てなければいけないというような材を持つて参りまして加工組立をする場合とは相当に開きがあるわけでございます。そういう点を考えまして、私らのほうとしてはこの単価を設定したわけなのであります。ただ大ずかみに申しまして、これが高いか安いかということにつきましては、私も主管局長といたしまして大ざつぱな観念をつかんでみたいということで一応調べたのでございますが、それは只今は大分御承知のように物価も安定いたしましたし、食糧事情などもよくなりましたので、割合に標準の歩掛りというものもはつきりつかみ得るのでございます。それで逆に今こういう建物を造つてみましたならばどのくらいでできるだろうか、それから一般の建物がその当時と今と比べましてどういう割合になつておるだろうかということで比較してみたのでございます。それでこれは非常に大ざつぱな比較でございますが、これは鉄骨構造物で、出所もはつきりしておるのでございますが、昭和二十四年のごの頃を一〇〇といたしますと、只今が一三六ぐらいの指数になつております。それから只今こういう構造物を造りますと、大体見当でございますが、平米で二万円だと思います。これをやはりこの単価を一〇〇といたしますと、大体一三六、七というようなところで、全般的な客観的な物価の変動と申しますか、値上りに比べまして、それほど不当にこの単価が高いものではないというふうに私は考えておるわけでございます。
○委員長(奥むめお君) 如何でございましよう。続けて六百五十号を御説明して頂くことにしてよろしうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(奥むめお君) それでは続けて六百五十号の説明に移りまして、先ず再門員から何か説明して頂くことにいたします。
○専門員(森莊三郎君) 六五〇号について申上げます。会計検査院の指摘を大要つまんで申上げますと、これは赤岩駅という所でありまするが、東北の福島と米沢との中間の山奥の駅なのでございます。赤岩駅における随意契約において、国鉄は労務費を一万六千八百余人分、この賃金三百八十余万円を支払つておるが、検査院の見えるところでは、人夫の所要量を実際の工事について検討すると、標準歩掛、言い換えれば労力の標準量であります。それになおこれは汽車の動いておる合間合間を見ての仕事なものでありまするから列車の運行の際の手待二割を加算しても五千五百人程度で足りる。それから雑費及び経費もそれに比例して過大に支払われておる。今仮に標準歩掛の二割増程度で本件工事費を計算すれば約二百万円は節減し得た計算となる。こういう御指摘なのでございます。 これに対して当局からの説明を聞きますると、本件工事は福島と米沢との間の電化工事の一部で、山間の狭い場所で、鉄道線路以外には道路もないというような急傾斜の所で、この赤岩駅は汽車がスイツチ・バツクをする所でありますが、これは一旦上のほうから駅に入つて、又逆戻りして下のはうから出て行くというわけでありまするが、それでは運転能率が非常に下るので、輸送力を増強するために、その間をずつと一つの平らな面に直してしまわなければならないという仕事でありまするので、高いほうの線と低いほうの線とのその差を、土を盛りましてそこで一つの平面を作つて、それでスイツチ・パツクをやめてしまつて、一本の直通の線、ずつと真直ぐに走つて行くだけの線にして、以て輸送力の増強を図るための工事なんでありました。 その工事は数カ所に分れ、その材料である石だの砂だのを山形県の側からとる計画であつたが、福島県の側にはこういう資材がなかつた。そうして第一、第二、第三と順次施工する予定であつたが、急を要するのでとうとう突貫工事となつてしまつた。数カ所同時に施工したために、資材を山形県のほうから順序よく運ぶということもできなくなつたので、現場々々で以て資材を、山の中のことですから現場で資材をとるということに変更をした。従つて労力費は成るほど増加したには違いない。ところが資材費は減少するというようなわけであります。それから又運搬費がかからない、その代り人夫をたくさん使うから人夫賃がたくさんかかるようになつたので、項目が入れ替つただけだ。 資材の現地採取の状況をここに一覧表にいたしておきましたが、一番上にその品名、その次に予定の所要数量が書いてありまするが、実際支払請求書の内訳を見ると、その下に書きましたように、主なものは殆んど皆ゼロ、実際支払つたものは、終りのほうに書いておる極く僅かなもの、従つて一番下の段に書きました通り大部分の、いわば殆んど全部と言つてもいいようなものは現地で採取したのだ、こういうような事情であるといつて、その事情を述べておられるのであります。 ところがちよつとそこに一言附加えて申しておきましたが、註を入れておきました。検査院のはうでは、この支払請求内訳書というものは、国鉄のほうからはそういうものを出して来られるけれども、これは請負をやつた土建業者が作つたものであるから、それを信用するわけには行かないという御意見である模様なのであります。 それから次に汽車が動いて曲る合間合間に仕事をするわけでありまするから、手持という問題があります。その問題につきましては、この工事は前に申しましたような困難な工事である、列車の合間に線路を取り外して切換工事をなし、次の列車が来るまでに再び線路を直しておかなければならない。のみならず地面の上には、線路についてこんなことがありまするが、その上に、その上のほうには電気の架線があります。それも同時に工事をしなければならないという難工事でありまするから、運輸取扱規則による線路閉鎖工事ということにしてこの工事を行なつた。そうして汽車の運転時間表を御覧になればわかるわけでありまするが、作業時間は実働、実際の労働時間が八時間、それに対して汽車と汽車との間に一時間の間があるところがたつた二回、五十分の場合が三回、これで合計四時間半に過ぎない。それ以外にほんの十分や二十分の間があつても、仕事をするわけに行かん。勿論その間には多少の附帯作業には従事し得るには違いないけれども、能率の点から言うならば四四%減少されてしまつた。従つて手持のために労力の増加は五五%増加、こういうふうに見なければならないと言われるのでありまするが、検査院のほうでは、それを列車の通過回数から計算して、手待を二〇%というふうにしておられるのであります。 以上のほかに、ここにも「その二工事」とか「その三工事」とかいうふうに、その工事が分れておりまするが、上部法面、つまり山間の傾斜地でありまするから、傾斜したがけの上のほうから石がころがつて落ちて、それがために人夫が怪我をした。雨季には雨のために土砂崩壊をした、或いはその三工事のところにおいては、下のほうの根掘りにかかつたところが、上のほうの傾斜面が今にも崩れ落ちそうにたつて来たというようなことがあつたわしたので、設計変更を行なつたものがある。結局左の通り一万人余りの労務増が生じたのだと言われておるのであります。 ごごで特にこの場合問題になりました点を申上げますると、それを備考として書いておきましたが、検査院は標準歩掛に二〇%増として計算をしたのであるが、これは検査院の独自の判断でやつたことである。併し現場において現場記録というものがあつたので、それを取上げて計算して見たところが、殆んどこれと同じような数字が出た。だからどちらから考えても標準歩掛二〇%増しということは正しいものと、間違いのないものというわけでありまして、業者から提出した、先ほどもちよつと申上げたわけでありまするが、資材、石だとか砂利だとか、そういうものの業者から提出した見積書のごときは、これは採用しないという見解のようであります。 それから次に、現場における記録というものを検査院のほうでは重要書類として御引用になるわけでありまするが、当局に言わせますると、これはその仕事場の助役程度の者が、他日何か参考資料として、まあいわば教材を作るような参考にでもしようというために、自分のための参考用に書いておつたものでありまするから、自分の関係しておつた部面だけの記録であつて、全体の記録ではなく、自分の関係している仕事の部分的のものである。又例えば材料費という所を見ましても、これは材料をよそから持つて来た場合に、これだけのものがかかるんだという普通の場合のことをそのままそこに書いておるのであつて、実際仕事においては途中から方針が変つて、現場で材料をとることになつた。これがために資材が労力費に変つたといつたような特殊事情がその中に記されてはない。だからこれを現場記録だといつて採用されることは余り感心しない、むしろ迷惑であるというような御意見のようなんであります。 それからなおついでに御参考に申しますると、その契約の際の見積書は新潟の施設長の手許にあるが、検査院から来られたときには急の間に合わなかつたものでありますから、その写本が手許にあつたのをそれをお見せしたと、こういうことを附加えて言つておられるのであります。 これも以上申上げましたような事情で、意見の衝突を生じたままになつておるのでございます。
○委員長(奥むめお君) 続けて会計検査院のどなたかいらつしやいますか。
○説明員(山名酒喜男君) 格別附加して申上げる事項はございませんが、ただ途中で計画変更になりましたので、労務者の増がありました点は記録にも出ておりますものですから、やはりそうじやないかなということで、記録に相当信憑性を……、途中の作業変更ということも現場記録の上にきちんと出ており、で現場がその記録みたいになつておるのだとしてかかつたのであります。それから又いろんな仕事で恐らく五五%と二〇%の手待のことがありますが、私は、人夫の頭数を殖やすよりも、人夫に払う金のほうをうんと勉強して、賃金の相当高い人に更にいろいろな奨励金とか、そういつたような突貫工事だというようなことで三割五分増といつたような、非常に勉強をさすということで単価のほうを相当見込んで、人夫の頭数はそう要らないのじやないかということでいつておりますので、そこは多少手持の問題も、そういうことで賃金のほうをよく見てやれば、手待の休みの間は八時間以外のところで勘定してもらつて、単価のほうへ廻してもらえば片が付くのではないかというような考えで基礎を組立てられておる問題でございます。
○委員長(奥むめお君) 国有鉄道当局の……。
○説明員(江藤智君) この工事はいわゆる板谷峠の険を越します非常な難工事でございます。そのために昭和二十三年の七月から二十四年の九月ということに工期がなつておるのでございますけれども、いろいろな事情で、電化のほうの主体工事との関係のために、実際にこの工事を行いましたのは二十四年の三月から二十四年の八月の六カ月、而も開通時期は、これ又GHQの厳格な指示がありまして、そういうわけで非常に難工事でございましたので、普通の標準歩掛の何%というようなものでは、実際これは計算がむずかしいのでございまして、本当にその場所の仕事に応じまして、又そういう山地で行うものとしての歩掛を我々のほうでは組んで、まあ成功したというようなわけなんでございます。
○委員長(奥むめお君) 次に、それでは六百五十一号の御説明を聞くことにいたしまして、専門員の方から何か御説明がありましたら……。
○専門員(森莊三郎君) 六百五十一号は、信濃川の分水路にかかつておるその鉄橋、大河津側のその鉄橋の橋脚を増設するために、国鉄が随意契約で請負わせた工事、それが五百七十八万余でありますが、検査院の見解では、これは特にそうむずかしい工事と思われないので、この決算検査報告の百九十二頁に詳細な計算書が挙げられてございますが、このような方法で行いさえすれば四百万円程度で済んだはずだと言つて、その方法なり単価なりを詳細に挙げておられるのであります。 これに対して当局の説明は、検査院が言われるようなこの単価では、それでは仕事はできない、橋脚の基礎の値踏につきまして、検査院では単価六百円ぐらいでできるはずだという推問を出しておられますが、当局からは、それは廉価に失するということで回答をしておられます。それがその紙の、只今御覧になつておりまするその書類の最後の所に横書になつて出ております。それにそのことが出ておるわけなんでございます。それで検査院の単価六百円ということを言われるその出所は一体どこにあるか、この当時検査院のほうで両毛線の国定駅附近の粕川の橋梁というものを一つの問題にしておられたことがありますが、若しもそれを標準として六百円と言われるならば、この通り事情が違う。それは粕川の橋梁では深さがこの通り浅い、大河津の橋梁はこの通り深いのだ。従つて工法は、この下に書きました通り、一方は矢板だけでできるが、一方では素掘二メートル、箱枠四メートルというような方法を用いなければならないということになる。この通り比較の標準が違う。で、一体どんな工法を用いるかということは、その深さ、地質、地下水の状態、その他の條件によつて異るのであるが、一応の標準は地表から深さ三メートルぐらいまでは矢板を使う、六メートルぐらいまでは箱枠を使う。それ以上深い所ならば井筒を使うというのがまあ標準である。今この大河津の場合は、地下水の調査により、約三メートルまでは素掘をしてもよいということを確めた上で、それから箱枠はどのくらいの箱枠が一番よいかというのに、四メートルを最も経済的だという計算をしたのであります。それで結局ここは深さが六メートルというわけでありまするから、素掘を二メートル、箱枠を四メートルということにしたのだということであります。 それからこの場合に箱枠を使わないで、根掘だけでできないかということを検査院から質問されたのであるが、それに対する当局の答えであります。本地域は高水敷で地盤面下三メートルで湧水があり、而も地質は細砂粘土混りなので、三メートル以下の素堀は困難である。故に箱枠を使用しない場合は矢板を使うことになるが、深さが四メートルで底の面積が大きいので、中板は二段の矢板を使わなければならない。この場合材料は箱枠を使つた場合に比べて材料が多く必要になる。又その工法も不安定であつて危険性が多い。それから切張を多く必要とするが、コンクリート打ちの場合にこれを取り外しができない。それを外せば中板が倒れるという虞れが大である。故に湧水の多い、而も地質の悪いこの場所では矢板工では費用の節約にはならないで、ただ危険性が多いだけ損だという国鉄の意見なのであります。なおこの場合に箱枠か井筒かという限界は大メートル乃至七メートルの間にあるが、箱枠でもこれを行い得るというので井筒は使わなかつた。井筒を使えばなお一層高くなるからと言うのであります。このことを現場の技師は詳細に説明したいということでありまして、大型の用紙約四十枚にも亘る設計の説明書をこちらに提出をされましたので、それは私のほうから現在会計検査院のほのへ廻してございます。 なおこの工事を行いましたときに費用が高くかかつた特別の事情としてはここに三つの点が挙げてあります。一つは地下五メートル以下及び水中作業では特別手当として三割増、又重量物を運搬する場合にも三割増、それからこの土地があの世間で有名なつつが虫の発生地なのでありまして、それがために六月から十月までの間はつつが虫手当として特に三割出さなければならない。こういう特別手当が必要だから、これもなお一層この際費用が高くなつた一つの原困であるということであります。 ところがこの工事が終りましてからあと、次に行なつた工事が非常に安くできておるじやないかということを検査院のほうから指摘されるのであります。それにつきまして申上げますが、前に、六百四十八号の信濃川発電工事のところで述べましたように、進駐軍の命によりましてこのときから後ほどなく随意契約は許されない、すべて競争入札の制度がとられたのであります。そうして昭和二十五年の二月に競争入札に付したところの「その三工事」といいますのは、実は同じ場所でありまして、今まで申しておりましたのは大河津という町のほうの側でございますが、その反対側にある地蔵堂という所の工事を競争入札に付したのであります。そのときには当局の予算の五四%で落札をしたということがあるのでありまするが、併しなぜそんな安く落札したかという理由につきましては後に添えてあります横書のあの紙、別紙回答書にそのことを述べておられるのであります。 それから又前にちよつと比較の問題に、比較の対象として引合いに出しました国定駅の附近の粕川橋梁の工事もこれ又非常に安くできておりますゆえんは、競争入札に出した最初のことでありまして、予定価格の五三%で落札をしておりまするから、これと比べて見ても地蔵堂側の「その三工事」というものが安くでき上つたのは、競争入札が初めて行われ、そうして全国の土建業者が鉄道方面へ入り込みたいというので非常な競争をして大変安い値を入れたという、そういうことから生じたのであつて、仕事の工法が違うというところから来たのではないということが主であります。 なお附加えて申上げたいことがあるのですが、ここに出ております検査報告及びそれに対する政府からの答弁書を、ただそれだけを読みますと、如何にも何か不正なことでもしてこんなにたくさん金を使つたのじやないかというふうに見えるのでありますが、だんだん聞いてみますると、不正というような意味のことは少しもこの中には入つていない、ただ当局では従来やり来つたところの一つの作業の方法をやつておるが、必ずしも従来やり来つたことだから同じ方法でやるということでなしに、そのときそのときよく技術者という者は頭を働かさなければならないということが、それが検査院で主として狙つておるところであるというふうに言つておられるのでありまして、不正というようなことは全然ない。それだけは特に附加えて申上げておく必要があるかと思います。 そうして検査院では、現場の技師はかように答弁をしておられるけれどももう少し素掘を深くさえやれば矢板は一段だけでやれる、二段の矢板でなくともできろというふうに申しておられろのであります。
○委員長(奥むめお君) 会計検査院のほうから何か御意見がございましたら……。
○説明員(山名酒喜男君) この仕事の見積りでございますが、これは箱枠で素掘をやつて、橋枠の基礎を構成して行くというやり方で見積つておると思います。箱枠式でなくて鋼矢板でやつたらいいのではないか。鋼矢板でやつたら四百万円の見積りでできる。請負は最後の完成したものを受取るのであつて、途中の工法はどれによるかということはどちらでもいい。だから安くつく方法で見積つたらいいという考え方です。矢板式については、ここに御説明が国鉄から出ておりますように、二段の矢板を用いることになるし、それから水の中だから危険が多いというようなことは、板の、木材の矢板をお使いになつたときの議論だと思うのですが、信濃川の大河津と申しますと、昭和二年に信濃川の洪水で新潟の町が水びたしになることを防ぐために、すぐ上流で切り落して、洪水を落してしまうという工事が行われたのであります。宮本武之輔という有名な技術官がやられました工事ですが、川の中にゲートをたくさん作つて、洪水が来たときに聞いて、普通の時には水をぴつたりとめてしまう。水の非常な圧力のかかる所で、とにかく水を締切る水門の橋脚をたくさん作つておられる。これは勿論川の中の工事なんですが、その工事が成功なさつたときに出された鋼矢板工法という書物がありますが、その中の一節に、読上げて見ますと、丁度国鉄の説明とは逆になります。「土留又は水留のための仮工事として鋼矢板を使用する場合には、木材矢板その他の工法に比して非常に経済的であつて、継手の破損や矢板そのものの変形がない限り数回反覆使用の利益があり、建築物工事の根掘土留用として近来一般に使用せられる鋼矢板は、木材矢板では寸法と強度との関係から二—三段に施工しなければならない所を一段で済ませ得る便益があり、そのために掘鑿土量を減じ、支保工を簡単にし得るなど直接間接の利益は頗る大きい。河海の水中に橋脚や橋台の如き工作物を築造する場合の水留用として鋼矢板を使用する場合にも同様の利益があり、(中略)矢板は通例一列で十分であつて、継手に著しい欠陥さえなければ水密的な締切が得られ、又適当に支保工さへ施せば水圧のために内部に傾倒する虞もない。凡そ此等の用法は鋼矢板の最も著しい特色である。」こういうことで、大河津の上流で非常に大きなゲートをお作りになりました工法に鋼矢板を使つておりまして、この矢板で、ここで五メートルや六メートルの矢板を使う、或いは十メートルも鋼矢板で使える。私どもは鋼矢板を使つてやればもう少し安く上らないかという議論なんです。
○委員長(奥むめお君) 国有鉄道のほうの御意見がありましたら……。
○説明員(江藤智君) 只今若し矢板を使うなら、鉄矢板とおつしやいましたことは、全く我が意を得たのでありまて、ここの地質におきましては、若し矢板を使うということになりますと、木の矢板では困難でありまして、鉄矢板を使わざるを得ないのであります。ところが鉄矢板と箱枠とどちらが安いかということを検討すると、宮本さんがお仕事をなさつた頃は、鉄材も非常に安いのでありまして、そのときと今とは大分情勢が違います。その上にここが桁の下で工事をいたしますので、只今おつしやつた十メートル、五メートルと長い矢板は打てなく、どうしても二本つぎにいたしまして、これを熔接して打たなければならない、そういうような予算を弾き出しますと、立米当り約三千円ということになりまして、箱枠より高いものになります。
○説明員(山名酒喜男君) いささか補足いたしますが、鋼矢板でありますから、成るほど鋼矢板はその工事だけ全部償却するという建前になりますと高うなるのであります。併し何べんも使えるから部分償却でよいというのが前提であります。十メートルと申しましたが、これはほかの場合のことを含めたもので、線路の下でありますからして、大体五メートルか大メートルの鋼矢板で、少し素掘をしてやればレールに頭をぶつつけないでやれる。その点に註釈しませんでしたが、御了承頂きたい。
○委員長(奥むめお君) この際特に御質問ございませんか。
○西山龜七君 国有鉄道にお伺いしたいと思すが、いま今の随意契約によつて違反を起しておりますが、現在でもこういうような工事は随意契約でありますか、入札契約でありますか、どうしておりますか。
○説明員(江藤智君) 日本国有鉄道法の第四十九條で、国鉄の工事は公開入札を原則とするということと何ら変つておりません。併し実際問題といたしまして、国鉄のような非常に重要なる工事が多いものに対しまして、一般公開入札、この一般公開入札と申しますのは、原則としてはもう誰でも入札に参加してもいいという建前なんでありまして、一つの工事に対して四十人も業者炉来まして、不当にこれを叩く、ダンピングをして、その結果工事が遅延するとかいろいろな支障が起る面が非常に多い。従つてこれに條件を附けまして、最も資力、信用、或いは機械加或いは技術力というものが適した者を選びまして、そうしてこれを指名競争によつて行うという例外の方法も勿論採用している、こういうことであります。
○西山龜七君 大体この批難事項なんかを見ておりますと成るべくならば指名入札でもして、随意契約でないようなことにすれば、会計検査院におきましてもこういうような批難がないのではなかろうか、かように感じるのでありますが、随意契約になりますと、必ずやいろいろの見方によりまして、そういうようなことができると思いますから成るべく堅実に建設ができる人を指名して、競争入札を主にしてやつたはうがいいのじやないか、こういうふうに思います。
○委員長(奥むめお君) 特にこの際、これからの審議の上で今日伺つておくほうがよいものがありましたら質問して頂くことにしたいと思いますが。
○河井彌八君 私大体今西山さんのお尋ねになつたことをお尋ねしようと思つたのですが、もう一つ随意契約になぜしなれけばならなかつたかというその理由を伺いたい。 もう一つ、こういう場合には国鉄では、例えば直営工事といつたようなものが国鉄には考えられないのか、大事なものについてはそういうことが考え得られるのですか、そういうものはないですか。
○説明員(江藤智君) 最初の、できるだけ随意契約のようなものはやめて、指名競争或いは一般競争で行くようにというお話につきましては、只今は随意契約は殆んど行なつておりません。もう万止むを得ないものについてのみ随意契約をしているという状態でございます。それで以前の、それでは随意契約をしなければいけなかつたろうという御質問につきましては、これは随意契約と申しますが、やはり指名入札に非常に似通いまして、適当な業者五人程度選びまして、やはり最低の人に落札しておる、ただ指名競争と違いますのは、入札保証金を免除するとか、或いは相当鉄道工事に長年従事した信用のある業者でございますから、いわゆろ契約をしてからの保証金でございますね。そういうようなものを免除するという意味の随意契約という恰好につておつたわけです。 それから第二点の御質問の、直営工事を相当にやつてみたらどうかというお話でございますが、従来とも直営工事を行いますのは非常な難工事でございまして、一般の入札にいたしましても、業者のほうで非常に不安でなかなかとれない、とりにくい、或いは特殊な技術を研究しながら進めるといういうような工事でございますと、例えて申しますと関門海狭のトンネルであるとか、あるいは丹那隧道の一部であるとかというような難工事について直営工事を施行しておるのでございますけれども、その他のものにつきましてはやはり直営工事でございますと、どうしても役所ですべてやりますので、能率という面におきましては請負工事よりも落ちる点がございます。殊に只今はいろいろ人夫を集めるにいたしましても、ごまごました材料を整えるにいたしましても、いろいろな面で支障がございますから、直営工事は特殊なものに限つて行なつておるというような実情でございます。
○河井彌八君 予算との関係はどうなるのですか。この工事に対する予算額と、ここに出て来ておる決算額と、その関係はどうなるのですか。
○説明員(高井軍一君) ちよつともう少し詳しぐ……。
○河井彌八君 大体この工事について予算額がきまつているわけです。それに対しまして工事を実行する場合には、只今お話のような入札ですね、随意契約といえども一種の入札のごとき変態の随意契約ということはかります。そこでそうやつた結果、今検査院も、こんなにその経費がたくさんかかつて、余分な支出をしてあるのではないかと、こういう批難ですね。そうするとこの予算と実際支払つた決算との関係ですね、予算は一体どうなつておるかというその点を伺いたい。
○説明員(江藤智君) この工事の予算はもともと現場と申しますか、局或いは仕事をする工事事務所のほうから詳細な設計を持つて参ります。そうして本庁の施設局、この工事をやるのは施設局でございますが、施設局におきまして又それを詳細に検討いたします。そしてこの当時は御承知と思いますが、予算につきましてはGHQが非常に一件々々関心を持つておりましたので、今度我々がそこに持つて参りまして、一件々々の内容について詳しく説明いたします。そしてそれを元にいたしまして、勿論その間に本庁内の経理局のほうともよく打合せをして、そしてGHQの話がつましてから、経理局のほうでそれをまとめて国会のほうに提出する、そしてまあ認めて頂くと、こういうふうな関係になつております。
○岡本愛祐君 私一つ会計検査院にお尋ねしておきたいのですが、従来指名入札の中には談合というものがよく行われ、まあそういう弊があつて、従つて落ちたのがせり上げられておるといつた欠点があろといつたようなことを聞いておる。これら大きな工事がだんだん電源開発とか出て来るのじやないかと思う。この談合についてのどういう予算措置がしてあるのか、現在してあればなお結構です。又そういう虞れはないのか、現状はどうであるのか、そういうことについて伺つておきたい。
○説明員(山名酒喜男君) これは非常にむずかしい問題でございまして、談合に対します防止、弾圧ということは、これは法務省の刑事関係の問題になります。私のほうといたしましては、結局予定価格を立てましたものに対して、予定価格が非常に甘いというと、談合してお互いにそこで割賦金の利益に均霑する余地があるということになるわけであります。そこで私どものほうとしましては、予定価格というものはとにかく適正な価格で見積らなければいかんということで、ずつとそれを締めて行きますのと、それからまあ果してこれが談合であるかどうかということは、札の配列の順だけでもわかりかねます。大体どうも談合と覚しいというような懸念を持つことはありますが、さて私どものほうの只今の職権といたしまして、各個人の談合したという事集を探索して行く権能は、会計検査院として持つておりませんのでそこまでは入りかねておりますし、又そういうところまで入りますことは、私どもの一般的な機能というものを多少離れて参りますものですから、非常に遺憾ではございますが、そういう探索はいたしておりませんで、予定価格の立て方というものについての適正な積算方法というものを指導し、一つ一つの問題についての点検をいたして、国損を発生しないような方向にということで推進して行く以外に今のところ申上げかねる次第です。
○河井彌八君 岡本委員の御質疑に関連してですが、検査院はかような工事の進行中、どういう工法をやつておるか、計画書に基いて、設計書に基いてそれを適切にやつておるかどうかということを技術的に調べる方法をやつておるかどうか、それからでき上つた上においての最後の検査もやるでありましようが、単に今お話のような金額の上の検査ばかりでなしに、その工事が適正に行われているや否やという点について、どういう技術上の検査をやつておるか、それを伺いたい。
○説明員(山名酒喜男君) 只今お話がありました点は、私のほうでは単純に経済検査だけではございませんで、設計書自体の手落はないかという設計検査をいたしますし、又これの実施手続における方法がいいか悪いかという点も検査いたします。又現実にやつております工事がまあでき上つて、地下埋没分が確立してしまつたあと検査できないではないかという虞れのあるものにつきましては、現場を絶えず点検に参つておりまして、まあでき形と設計図と違うという点についての開きを、これは国鉄ばかりではございませんが、建設、農林等の土地改良とか河川工事とかいつたようなものについて随分検査をやつております。そこで技術上の問題になりますというと、鉄道のほうでは、私のほう只今鉄道の第二課長をしておられますのは工学博士の課長でございまして、ここに列席しておられるかたでございますが、まあその下に百戦練磨の実地検査をやり得る連中を揃えておきまして、事務の方面におきましても又技術の方面におきましても、相当玄人の塁を摩する程度の部下職員を持つておりますので、十分その点については慎重に行届いてやつておるつもりでございます。 なお二十五年度の検査報告及び二十六年度の検査報告にも、設計とでき高不足といつたような問題についての批難事項は国鉄以外に相当たくさん出ておりますので、その節又御審議頂きたいと思つております。
○委員長(奥むめお君) それではまだ御質疑ございましようか、なければちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(奥むめお君) 速記を始めて、本日はこの程度にとどめまして、第六百四十八号から第六百五十一号までの質疑は次回に譲りたいと思いますが、御異議ございませんか。 「異議なしと呼ぶ者あり〕
○委員長(奥むめお君) それでは本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十四分散会