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15回国会参議院1953/02/05

経済安定委員会 第6号

発言数
64
登壇者
6
会派数
4
開催日
1953/02/05

会議録

境野清雄民主クラブ

○委員長(境野清雄君) 只今から経済安定委員会を開会いたします。  それでは昭和二十八年度における経済の見通しについて御説明を願いたいと思います。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(小笠原三九郎君) 日本をめぐる世界経済の情勢とか、又日本の経済情勢、それに基いての日本の経済対策等につきましては、先頃本会議において私が演説を申上げて、お手許にそれぞれ差上げてございますから、これを御覧願うことといたしたいと存じます。そこで昭和二十七、二十八年度の経済の見通しにつきまして、只今お手許に差出すことにいたしまするが、一応の経済審議庁の見通しを立てておりますので、これは政府委員より少し数字に亘つて表以上に細かく説明させたいと存じますので御許可を願います。  その前に私より簡単に御説明申上げます。  昭和二十七年度、二十八年度の経済の見通しでありますが、最初のほうを御覧になつて頂くと、項目別になつております。そのうち九——十一年を一〇〇といたしまして、二十六年度はもう実績が出ております。この九——十一年を一〇〇にいたしますと、産業活動指数が一三六・一であります。二十七年度はなお二カ月余しておりまするので、見通しでありまするが、一四五・九であります。ところが二十八年度は一五二・三というふうに見通しておるのであります。そこで二十六年と二十七年と比べますると、この年は七%二だけ上昇したわけですが、今年度、二十七年度と二十八年度と比べますると、四・四上昇する、こういう見込であります。そのうち主なものを一つとりますると、鉱工業生産であります。これは鉱工業生産は二十六年度が一三〇・二になり、二十七年度には見通しが一三七・八、二十八年度が一四六・三、従つて二十七年度は二十六年度に比して五・八%の上昇、二十八年度は二十七年度に比して六・二%の上昇、こういうふうになつております。それから農林水産業生産指数でありますが、このほうは二十六年度は九九でありますが、二十七年度は麦の作柄が非常によかつた等で一〇七というふうに相成つております。それから二十八年度もそれよりちよつと殖えて一〇八・二、従いまして二十六年度と二十七年度を比べますると八・一%上昇しておりまするが、二十八年度は二十七年度に比べて僅かに一・一%だけ上昇する、こういう見込であります。  輸出のほうはこれは輸出が十四億五百万ドルというのが二十六年度の実績でありまして、二十七年度について見ますと、十一億五千七百万ドル、こういうふうに見ておるのでございますが、暦年でいいますと、ちよつと御参考に言いますと十二億九千万くらい出ております、暦年で申しますと、但し今のように四月から三月ですと、こういうふうに十一億五千七百万というように相成つております。二十八年度は全然見通しでありますが、いろいろな見通しで申しますと、十億四千八百万から十二億三千万をその間がどうも出て来ますので、見通し、そういうふうに書いておきました。従つて輸出のほうは二十七年は二十六年の八二・三%でございますが、これに比べますと、二十八年度は九〇%五から、よく行きます場合には一〇六・三、こういうふうに増加する見込であります。  輸入のほうは十六億五千八百万、これが二十七年度は十七億八千六百万の見込であります。これも二十八年度は十七億千二百万から十八億五千五百万、これは二十六年度に比べて二十七年度は七%七増、一〇七・七、こういうふうになつております。それからなお二十八年度のほうは見方によりまして九五%九から一〇三%九、こんな工合になつております。丁度今何が参りましたから、詳しく更に御説明申上げるために政府委員をして説明いたさせます。

岩武照彦経済審議庁調整部長

○政府委員(岩武照彦君) 只今大臣からお話がありました二十八年度経済の見通しでありますが、お手許にあります資料を簡単に御説明したいと思います。最初の産業活動指数と、その次に鉱工業生産指数がございますが、これは鉱工業生産指数の石炭……、失礼しました、電気とガスエネルギーの生産を加えましたものが上の生産活動指数に相成る、こういう関係でございます。明年度はエネルギーの関係のほうは電力も二%程度発電端で殖えるようでございます。輸入石炭も大体五千万トン程度確保できますので、一般的には、生産活動は相当活溌になると存じております。ただ御案内のように滞荷の増加と或いは内外の有効需要の減少等に伴いまして、企業活動は一般的にもたれ気味でございますので、もう少しエネルギー的には余裕があるかと存じますが、余り大きく伸び切れないという状況でございます。その需要の関係は端的に申しますと、輸出のほうもそう急速に大幅な拡大は見込まれにくいと思つておりまするし、又国内需要のほうとしまして生産財の中の一部のものにつきましては、公共事業でありますとか、或いは電源開発その他の財政投資の関係から若干生産が増加して参るのもあるかと存じております。例えば木材でありますとか或いはセメント等が適例でございまして、この二者は相当生産も伸びるかと存じておりますが、その他の生産財は比較的まあ停滞ぎみではないかというふうに一応見通しております。消費財のほうはこれは相当この賃金水準の上昇等で有効需要も増加すると思いまするが、繊維を初めとしまして、いろいろ滞荷の増加に悩んでおるというふうな業界も相当ございまするので、むしろそういう需要は滞荷のほうに書き換えまして、生産のほうに直接大きな増加を見るというふうなことには或いは相成るのはむずかしいかというふうに見通しております。そういう個々の品目につきましていろいろ検討いたしました結果、大体明年度は生産指数にいたしまして一四六・三、この二十七年度対比六・二程度の増加にとどまるのではないかと、こういうふうに見通しでおります。  農林水産のほうはこれは御案内のように二十七年度におきましては相当麦作のほうが増加がありましたが、これも明年は作付反別の若干の減少傾向も見られるそうでございますので、これはむしろ増加は期待できないだろう、米作のほうはこれは気象条件等にもよりまするので、平年作といたしまして今年度程度になるのではないかというように考えておりますが、これは専ら見通しの問題でございまするので、まあ一つの仮定というふうに御了承願いたいと思います。その他の農産物では畜産関係のたばこでありますとか、或いは養蚕関係等が最近相当増加傾向にございますが、その他の林産関係の木材の伐採量の増加というふうな点を考え合せますと、まあ一%程度の伸びにとどまるのではないかというふうに見られております。  輸出入の関係は大臣から御説明があつたと存じますが、明年度の見通しといたしまして、二段の指数を挙げております。輸出におきましては、十億四千八百万ドルから十二億三千万ドル、輸入におきましては、十七億千二百万ドルから十八億五千五百万ドルの二段構えになつておりますが、これは実はいろいろ前提によりまして違いますので、なかなか先のことはいろいろな経済的な外交の問題、或いは先方の輸入制限措置等の関係等ございまして、なかなか的確に掴めないのでございます。一応下の数字のほうが現状のままに推移した場合の数字でございます。そうしますと、昨年よりは一割程度下廻りまして、相当まあ悲観すべき状態かとも存じられますが、これは一つはそういうふうな比較的固い前提でございます。それからもう一つは輸出価格が今年度に比べまして、明年度も特に上昇する気配がまあ少いのじやないかという見地から、一応横這いの輸出価格というものを考えましたので、従つて二十七年度はだんだんに輸出価格が下つて参りました。量から見ますと、この低めの数字でも余り大きく開かないかと存じます。それから輸入のほうも、これもそういうふうな輸出の関係と睨み合せました数字でございまして、やはり二段になつておりまして、これも現状のいろいろな関係を前提とした場合で、更に大きくいろいろな手を打ちまして、我々が考えておりますようなポンド地域の輸入制限の問題も向うから相当緩和され、或いはオープン・アカウント地域のいろいろな問題も解消するというようなやや希望的な見地に立ちますと、輸出が十二億、輸入も十八億程度やり得るという数字でございます。なお輸入につきましては、食糧の問題の中で主食のほうは昨年はいろいろな集荷特別措置によりまして相当政府保有米の買上が大変進んでおりますので、或いは若干輸入量も減じ得るかというふうに見通すのでございます。これは勿論見通しでございまして、現実にうまくそう行きますかどうか、これはなお若干検討を要すると存じております。価格のほうも輸入は輸出同様に或る程度下落して参つております。ただ食糧関係だけが比較的高い、下落して参つておらない、むしろ昨年の初めに比べました場合上つておるという状況でございますから、その他はおしなべて下つておりますから、まあ数字的には食糧を除きますれば余り大差はないだろうと見ております。なおこれを月別に見ますと、輸出価格のほうの数字をとりますと、ポンド地域におきましては相当入超するようでありまして、ポンドの手持が減少いたしますということに相成らざるを得ないことに相成りまして、そういたしますると、輸入の信用状発行の際のいろんなマージンの問題等も起つて参りますので、そういうことは甚だ憂うべき状態がございますから、我々としましては、ポンド輸出につきましては、万全の措置を講じまして、できる限りこの十二億というふうな目標に達したい、こういうふうなわけでございます。  国際収支のほうも、同じく二本建になつておりますが、この種類、量いずれも余り違つておりません。このうちで御参考までに申上げますと、ドルの受取のうちで、いつも問題になりまする特需の関係の問題でございまするが、御案内のように、この駐留軍関係の外貨の受取は、一応三本建になつて参つておりまして、例の合同勘定に米軍から繰込まれまする外貨、それからいわゆる狭義の特需の朝鮮向けを主といたしまするものの調達、最後に駐留軍関係要員の個人消費、この三本建に相成りまするが、明年度は一応この合同勘定分は一億五千万ドル程度ではないかと、丁度本年度受取りまする防衛関係予算と合うわけでございます。それから特需でございますが、これもどうもこの二十七年度の下半期におきましては、相当契約高が減少して参つております。これは先行きはなかなか、いろいろ先方とも何しおりまするが、的確な見込はつきませんので、一応このいろいろな推移を考えますと、大体まあ三億五千万ドル近いものが期待できるのではないだろうかというふうに見ております。これも実ははつきりした根拠もないわけでございまするが、大体在来の契約分の支払分なんかを検討いたしますると、大体この見当ではないか。個人消費のほうも従来二億七、八千万ドルございますので、大体合せまして、七億七、八千万ドルというのが駐留軍の駐留に関連いたしまする外貨の受取勘定でドルとなつて現われる、従つて、このドルの面は低めの案をとりましても、相当の受取勘定に相成ることになるわけでございます。ポンドの面が積極的な輸出振興策を要するというようなことでございます。  それから一般会計の予算のほうでございますが、これはもう国会に提出されております予算の問題でございまするので、省略いたします。  産業設備資金でございまするが、産業設備資金は、一般の投資状況を見て参りますると、一般的には一応設備の合理化拡充等の傾向が峠を越したという感じでございまして、大きな投資市場の増加は見込めないじやないかというふうに考えております。ただ電源開発等を中心といたしまする財政投資のほうが明年度は大幅に殖えて参りまして、財政資金としましてこの産業界に参りますものが設備資金で約二百億近いものがこちらのほうに廻ることに相成るのではないか、これは例の開発銀行の問題を中心といたしまして、中小企業の設備資金もございますし、或いは預金部資金等の問題もございますし、農林漁業金融公庫のほうもございますので、この面からの財政投資が昨年度に比べまして殖えて参る、こういうふうに考えております。その他の面では、二十七年度に比べましてそう大きな伸びはないではないだろうか、こういうふうに推算いたしております。なおこの中には企業の自己資本の分も入つておりますが、これも収益率はまあ横這いというふうなこともございますが、同時に今度の税法にございまする減価償却の特別措置等もございますので、若干はこの面も企業としましては殖えて参るのじやないか、こういうふうな推計でございます。  それから次の物価でございます。この物価の問題は非常に見通しがむずかしいのでありまして、これは、国内情勢、国際情勢いろいろ違いますから、我々の見通しも、一つのいわば仮定的の作業というふうに御了承願つても大差ございませんが、一応見通しとしましては、生産財のほうは、先ほど申上げましたように、一般的にはむしろ横這いで、而も物によりましては横這い、弱含みの横這いという傾向が強いかと思います。ただ財政投資の増加等に伴いまする建設関係の資材の面では、需給の関係もありまして、若干強含みに相成ると、大勢は一応指数でこれを見ますれば横這いというふうに一応見通しております。  それからその次のC・P・Iとあります消費者物価でございますが、これは実は本年度の後半におきまして、米価の消費者価格の引上げ、或いは運賃、各種の料金、地代、家賃といつたものの引上げがございましたので、明年度はこれが平年化されまするのでその分が新たにまあ指数を上げて参るということになるであろうと思つております。ほかの製品でありますとか、雑貨のほうは、今申上げましたように、全般的にはむしろ供給がやや過剰気味といつた気配もございますので、消費者の購買力も退化を来たすというようなことで、物価のほうにはそう影響はないではないであろうかというふうに見通して、一応数字的には二%弱の値上りにとどまるのではないか、こういうふうに見ております。  それから分配国民所得でございますが、これは以上のようないろいろな前提に立ちまして明年度の所得を計算したわけでございます。総計におきましては五・四%の伸びになつておりまするが、このうちの一番伸びの大きいのは勤労所得でございまして、これは本年度中におきまする賃金のベース・アツプ並びに公務員給与の引上げ等が一応上るとは存じまするが、額も掴めませんし、又これは経済現象だけではきまりませんで、むしろいろいろな労使の勢力関係等できまる問題でございますから、この見通しといたしましては、一応上つたところで横這いという形に考えております。そうしますと、二十七年度の上つた分が一応平年度化されまするので、その分から勤労所得の伸びが一番大きくなります。この平均の伸びを超えまして六・二%程度上るのではないか。それから個人業所得、これは中小の企業者の所得でございまするが、このほうには生産業の関係のほかにいろいろなサービス業、物品販売業とございますが、消費者関係の資材の取扱の多いのと、それから量の増加、或いは若干の季節的な値上り等も考えられまするので、この個人業所得も大体は二、三%程度の伸びかと存じております。法人所得は、収益ではこれは改善向上を期待することはむずかしいと存じまするが、ただ生産の伸び等に対応いたしまして若干の増加は見込み得るかと存じております。それらを集計いたしましたものが五兆六千七百四十億で、全体といたしまして五%四の伸び程度かというふうに一応推計いたしております。  人口のほうは、これは統計局の調べでございまするが、一・三程度の増、この増加人口の中で相当部分が生産年齢人口の増加に相成りまして、丁度戦時中の人口増強の動きの影響がこの辺に出ておるかと存じます。従つて雇用者指数のほうも相当伸びるはずでございましようが、これも現在の産業活動の増加に対しますると、そう新らしい雇用の大幅な増加といつたようなものはむしろむずかしいのではないか。ここではそういう関係もなかなか推計としてつきかねますので、一応財政投資の増加に伴いまする雇用数の増加というものを、これを予算のほうから抜きまして、一応三十万程度増加いたしておりますが、これはむしろ生産年齢人口の増加部分は、そのほかにもいろいろな形で各企業に雇用され、或いはいろいろな個人業種のものとか、企業を開始するといつた形のもので、いわばまあ完全失業といつた形のものは出ないので、むしろそういうふうに潜在化してしまうということに相成るのじやないかというふうに考えております。なかなかこの雇用関係の統計は各国とも非常にむずかしいものの一つでございまして、我が国におきましてもなかなかいろいろな統計もございまするが、的確に実情をつかむということはなかなかむずかしいような状況でございます。まあ甚だ不満足でございまするが、この程度のことに一応考えて見たわけでございます。勿論これで満足しているわけではございませんし、又現実にはむしろ雇用者数はもつと殖えて参らざるを得ないというのが実情だろうと思つております。  その次の消費水準でございまするが、このやり方はちよつといろいろ方法的には問題もあるかと存じておりまして、なお検討中ではございまするが、一応の計算としましては、都市と農村とに分けまして、このおのおのの家計費の支出額の動きを見まして、これは都市につきましては、統計局でやつております消費者実態調査がございます、それの毎月の支出金額一万何千円というのがございます、それと、それから上にありましたC・P・Iの消費者物価の動きと、これを計算いたしまして戦前と比較したのが都市の消費水準、農家につきましては、これも農林省でやつております農家経済調査の家計費の支出額、同じくその調査によります家庭用品の農村物価指数このからみ合いで計算しておりまして、その両者を人口の比率で按分いたしましたものが全国の消費水準でございます。まあ明年は若干上るということに相成るかと存じておりまして、これは実際問題としましては、この勤労所得の伸びのほかに、減税でありますとか、或いは軍人恩給その他の社会保障的な費目の支出増加が相当ございまするので、この所得の面から見ましても所得は相当殖えて参ると思います。これが最近は相当貯蓄に向つておるかと存じますが、なお現実の消費面のほうに支出されまして、消費水準を上げて参る、こういうふうに一応見通しております。まあ消費水準の問題はいろいろむずかしい問題もございまして、その方法論等につきましては、なお専門家の間でも検討中でございます。一応今回といたしましてはこういうふうな方法で消費水準を出したのでございます。

境野清雄民主クラブ

○委員長(境野清雄君) 只今の二十七年度、二十八年度の経済の見通しについての説明に対しまして、委員のほうから御質問がありましたら御質問願いたいと思います。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 この消費水準ですが、これは大体国民一人当りのようなふうの平均数が出ているが、個々の所得は大分だんだん変化が激しくなつておりますが、これを階層別というふうに見たら大体どんなふうになりますか。そういうふうに見れますか、見れませんか。

岩武照彦経済審議庁調整部長

○政府委員(岩武照彦君) 階層別の資料も若干ございますので、いろいろ作業しておりまするが、実は階層別に相成りまするといろいろ税負担の関係とか、或いは世帯員数の関係等がございますので、なかなか的確に掴めないのでございますが、傾向としましてはやや上下の幅が拡がる傾向があるのじやないか、これは農村でも若干そうだと思いますが、都市においてもそういう傾向があると思います。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 私はその点が非常に比重が重いんじやないかと思います。その点の見方が……大体今のところの傾向が、いろいろ基本産業を中心にするとか、或いは資本蓄積とかいうような面で非常な経済的に向上が認められる。併しながら個々の賃金や、或いは個々の農業計算などから出る所得を見ますと、これは余りこの表に現われたごとき指数の状態は見ていないと思いますが、そうすると、そこに非常に貧富の差が、誰しも言うんですが、非常に近頃大きくなつて来た、こういうことを言うておるのに、ただこの指数が今度一〇〇になつて上つてしまつたような話で、これをおつ放しては重大な問題ですから、できましたら少しぐらい金をかけても、一つこの階層的な生活水準を案出して出して頂きたいと思います。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(小笠原三九郎君) できるだけ御希望に副うようにいたします。

境野清雄民主クラブ

○委員長(境野清雄君) 今の中で輸出のほうの見通しは二段階になつておりますが、二段階になつておる見通しの中で、ドル地域なりスターリング地域なり、或いはオープン・アカウントなりの内訳がありますか。

岩武照彦経済審議庁調整部長

○政府委員(岩武照彦君) 一応見通しを立てておりますが、内容を申上げますると、一応固いほうの案を申上げますと、輸出十億四千八百万ドルの内訳としましては、ドルが三億五千六百万ドル、スターリングが四億ドル、オープン・アカウントが二億九千二百万ドル程度かと存じております。この消費別に見ますと、大体綿布が七億ヤール程度、鉄鋼が二次製品を含めまして八十万ドル弱というふうな見当かと一応推定をいたしております。輸入のほうは十七億千二百万ドルの内訳は、ドルが九億一千二百万ドル、スターリングが五億ドル、オープン・アカウントが三億ドル、御案内のように、こうなりまするとポンドのバランスが約一億ドル悪化して参ります。そうしますとえらいことになりますので、これは何とかしなければならんというのが根本原則であります。従いましていろいろな日英交渉の問題でございますとか、或いは関税の引下げの問題でありますとか、いろいろな手を打ちまして、このスターリングは四億ドルを五億ドル以上に持つて行きませんと、明年末におきましてはフアウンド・バランスが悪化しまして、輸入の信用取引に差支えるかというような見通しでございます。むしろ我々としましてはこれを余り殖やさないというふうな点を目標にいたしたいと思います。

境野清雄民主クラブ

○委員長(境野清雄君) そうすると今の輸出と輸入を総計してさつきお話のあつた特需その他の七億七千万ドルなり或いは七億八千万ドルなりというものが入るということになると、輸出と輸入とのドルのほうの差額は大体六千万ドル切れるくらいになつているから、そうするとドルのほうは余るわけですか。

岩武照彦経済審議庁調整部長

○政府委員(岩武照彦君) ドルのバランスが一億五千万ドル超えることになるわけです。黒字のバランスになるわけです。

境野清雄民主クラブ

○委員長(境野清雄君) そうすると、ポンドのほうのアンバランスになつているものに対しては、手持ポンドの活用というものは全然考えておらんわけです。

岩武照彦経済審議庁調整部長

○政府委員(岩武照彦君) この赤字のバランスだけ手持のポンド・スターリングが減つて参るということであります。併し今ポンド・スターリングの手持はドルに換算しまして十二月末現在で二億ドルを超して参つておりますが、そのほかに英貨証券も約五千万ドル程度持つておりますので、まあ一億ドルの赤字になりましても、すぐ差支えるということではないかと思つております。

境野清雄民主クラブ

○委員長(境野清雄君) そうすると、今のお話の中で、輸入の中には勿論電源開発が相当大きなウエイトを占めているので、輸入の中で電源開発の電気に関する機械や何かを輸入しなくちやならんというものは、勿論この数字の中に入つていると思いますが、その機械自体がアメリカから輸入するというような場面ができて来る場合には、比較的従来よりもドルの問題になるのですから、入れ方が楽だというふうな解釈に見てよろしうございますか。

岩武照彦経済審議庁調整部長

○政府委員(岩武照彦君) 差当りはそういうことかと存じまするが、ただドルのこの黒字は御承知のような特需という臨時的なものでございますので、在来のポンド地域転換の政策を又この際ドル地域に切換えるということはこれは好ましくないと存じます。まあ機械等の特殊なものにおきましては、これはアメリカ方面からのストックがまあ可能かと、かように考えております。

境野清雄民主クラブ

○委員長(境野清雄君) それからこの消費水準の面で、二十八年度の見通しというのは、この間大臣が本会議で答弁せられた都市が九六%、それから農村が一一〇%というものをたしたものを二で割つたというのが、この一〇三というふうに解釈してよろしいでしような。

岩武照彦経済審議庁調整部長

○政府委員(岩武照彦君) たしたものではございませんで、両者を人口のウエイトで掛合せまして調整したものでございます。従つて正確にたして二で割つておりませんで、人口で申しますと、若干農村のほうが多いようでございます。まあそつちへ片寄つている……。

境野清雄民主クラブ

○委員長(境野清雄君) それから先ほどの清澤君の質問に関連して私からもお伺いしたいのは、分配国民所得、国民所得なら国民所得というものが五兆六千七百億というような数字になると、大体国民一人当りが何万円というようなものが出て来るけれども、その水準以下のもの、或いは今の消費水準というもので一〇三というものが出たら、その水準以下のものというものは、どの程度まであるかということは、これは調べてはないわけですか。

岩武照彦経済審議庁調整部長

○政府委員(岩武照彦君) 実はその点我々も非常に心配いたしまして、各種の統計資料を利用いたしまして、何とかその辺の問題に一歩を踏み込もうと思つておりまするが、現在有しておりまする或いは税務統計、或いは家計調査等動員いたしましても、なかなか掴めないのでございます。甚だ残念でございますが、このアベレエージ以下と以上とのそのデイフアレンシエイシヨンなり、或いは世帯の数などを実は掴めなくて困つております。なおいろいろ研究を積みまして、この点も若干の資料を整備したいと考えております。

境野清雄民主クラブ

○委員長(境野清雄君) ほかに御質問は如何ですか。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 今丁度手持のドルの問題が出ましたが、これは手持ドルとポンドの比率はどんなになつているのですか、額は……。

岩武照彦経済審議庁調整部長

○政府委員(岩武照彦君) 二十七年十二月末日現在におきまして、これはドルは七億三千三百万ドル、ポンド・スターリングはドル換算二億一千二百万ドルということに相成つております。これがまあ一応の外貨ポジシヨンでございます。このほかにドル並びにポンドの外貨証券を約一億ドル程度持つております。これは日銀の外国為替統計からの数字でございます。

境野清雄民主クラブ

○委員長(境野清雄君) それでは先般国会で経済審議庁長官の経済演説に対しまして須藤君から委員外発言の申入があるのでございますけれども、如何ように取計らうべきか、委員の皆さんにお諮りいたします。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 いいだろう。

境野清雄民主クラブ

○委員長(境野清雄君) それでは須藤君の発言を許すことにいたしまして、須藤君から先般の経済審議庁長官の経済演説に対する質問をやつてもらおうと思います。

須藤五郎日本共産党

○委員外議員(須藤五郎君) お許し頂きまして有難うございます。先日の長官の施政経済演説に関しまして三、四点私は質問をいたしたいと存じます。長官は非常な自信を持つてあの日演説をなさつて、私たち聞いているものもつい引込まれたわけなんでありますが、あとでいろいろ考えますと、ちよつと不安な点が生じて参りましたので、その点を御質問したいと思います。長官はあの演説で世界的な貿易の自由化、それから貿易規模の拡大、それらを非常に強調されて、現下の経済恐慌の打開策というふうに論じられていたと思うのでありますが、アメリカがアイゼンハワー大統領になつた今回の一般教書の中には関税引下、輸入増進をやるについても、国内の産業の保護ということをまあ大きな条件としておるように思うのです。むしろ現実にはますます世界通商戦が激化して参る、そういうふうに私たちは解釈をしておるわけなんです。又各方面で要望されておるところの国際経済会議の開催も、アメリカが金買上値の引上げ、戦略物資の高値買付けというようなイギリスの要求を承知しない限り開催の可能性が非常にない、むずかしいというふうに私は考えますが、これに対しまして長官の意見を伺いたいと思います。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(小笠原三九郎君) 私どもも現在の傾向において決して無条件には楽観しておるのではございませんので、先般にも相当貿易競争激化の状況にあるということについては、お話申上げておるのですが、どこの国でやつてみても、だんだん激化して行くと、結局貿易規模の拡大を図らなければ、やはり自分の国の産業が損になる、うまく行かないのだということが、だんだんわかつて来まして、今お話の点についてみましても、この間の英帝国首相会議等の案でも、見方によると、貿易規模の拡大をやらなければいかんのだということを悟つたというふうにも見えるのでありまして、あれは尤もコンミユニケ以上にわかりませんから、肚の中でどんなことを考えておつたかわかりませんけれども、そういうふうにも考えられまするし、今度のアイゼンハワーの演説も、実は私正直に申上げますと、まだ細かく読んでおりません。読んでおりませんが、すつと新聞に眼を通しただけでございますが、アメリカのみが自分の考え方で進むというふうに行くことの不利なことを幾らか認めておるようでもございますので、私は決して日本の今年の貿易が容易とは考えませんが、先般申上げた通り、今年は大体去年と同じに、二十八年度は二十七年度とほぼ同じに行くであろうと、こういうことを申上げておるわけですけれども、私どもとしては、だんだん世界貿易の自由化とか、貿易規模の拡大、こういつたことが実現されることを期待する……これを御覧下さればわかりますが、期待すると申上げたのでありまして、これに対する努力を怠らないつもりでおります。

須藤五郎日本共産党

○委員外議員(須藤五郎君) 長官が貿易について大きな期待を持ち、又努力していらつしやることも我々わからんこともないのです。通産省は現にそういうように積極的に向いておるということも一応認めるのですが、この間の長官の演説は、或る面は余りに悲観的に見、或る面は非常に楽観的に大きく見られた点がありまして、私は実は議場でも、福の神様のように見えるとやじつたくらいに感じを受けたのですが、今のお話で、長官は必ずしも楽観的に見ていない、希望だということで一応わかるのですが……。  それから第二点ですが、中共貿易について通産省が或る意味においては積極的に方針を向けられているのじやないかということも、私たちはわかるわけなんです。ところが新聞でもだんだん解除項目も少しずつ殖えつつあります。これも認めるのですが、実際に商売をやろうとすると、非常な妨害や支障が現われて来ておるのです。そうすると銀行がLCを出さないというような点を大蔵省も承認し、あなたのほうも承認して、ちやんと荷物は倉庫に集まつている、船も用意して、それで銀行に行くと、そこの窓口でとまつている。実に不可解な状態が今日現われて来ておるわけなんです。この点に関して長官の御意見を伺いたいと思います。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(小笠原三九郎君) 私どもたびたび申します通りに、中共貿易というものは、日本で昔から非常に大きな比重を占めておる。又すぐ隣の国でこういうものが入用だとよくわかつており、又日本がほしいということも非常によくわかつておる。従いましてこれをできるだけ進めたいと思つておりますが、御承知の通り朝鮮でああいう戦争が始まつておるものでありますから、日本としては今の日米貿易協定その他の立場から鑑みて、又国際連合の立場からしまして、いわゆる国連協定の線に沿つてやる、その中でできるだけのことをやつて行こう、こういうように努めておる次第で、これは須藤さんもおわかりのことと思うが、だんだんと品目を殖やしてやつておることは、これもこちらで努力しておる結果で、決してないがしろにしていないことは、おわかり下すつたことと思うのであります。なおこれは引続きやろうと思つております。ただ仰せになつたうちの銀行のLC、信用状というものにつきまして、私ども銀行から一遍も通知を受けたことはございません。銀行は独自の立場でやるのではないかというように思うのでありますが、これは銀行のほうに強制する今日何も力を持つておりませんので、この点は私どもはよくわかりません。併し一応今お話のような次第もありますから、銀行でもどういうような工合で、話がまとまつたものが信用状の発行等の支障になつておるかということをよく調べて見ましよう。私どもは今までよく具体的の例として何も調べてございませんが、この間何か巴商事のお話も聞きました。一遍調べてみたいと思つております。  それからもう一つの障害としては、恐らく須藤さん言われるのは、あの輸出に対して一割保証金的なものをやつておる、これは多いじやないかということであろうと思います。ところが日本ではこちらの希望としては、先ず輸入先行、輸入を先にやりたい、そうして輸出をあとにしたい、こういうような考え方であつたが、向うも又同様であつて、先ず自分のほうへ入れろ、そうしてその次にしようという、やはり輸入先行主義をとつておりますので、輸出を先にやるのに、多少の保証というものが必要なので、それで一割増しておるわけであります。なお実際問題として、御覧下さればわかりますが、昨年十二月以来中共貿易は、金額として今までにないだんだん数字が殖えつつあります。今後とも私どもはよそに差支えない限りは殖やして参りたい、品目についてもだんだんと説明了解を求めたい、かように考えておる。これは極めて率直に御返事を申上げた次第であります。

須藤五郎日本共産党

○委員外議員(須藤五郎君) 長官がそういうように努力していらつしやるということは、私たちも認めておるわけなんです。それでなお一段と長官に努力して頂きたい。今銀行の問題ですが、こういう状態なんです。銀行の名前を挙げたり、商社の名前を挙げたりすることはいけませんが、或る商社が言つておる、銀行がLCを断わることは、その理由として、あんたのところの商社じや駄目だ、一流の商社なら出そうということを言つて、中小商社、それの貿易を拒否するわけですね。こういうことは若しも公然とやつたならば、日本の貿易というものは、一流の大きい三井、三菱、住友という大きい貿易商社だけができて、中小商社というものは、貿易事業ができなくなるということです。そういうことは通産省として好ましいことかどうか、これはむしろ御反対だと思うのですが、そういうところの結果が今日起りつつある。その妨害はどういうところから銀行がそういうことをするのか、私どもは耳にいろいろなことが入る、実に面白くないことが耳に入りまして、速記などにとどめることは好ましくないようなことがたくさん来ておる。日本銀行なり大蔵省からそういう指令が出ていないか、そういう点一つ大臣のほうで是非調査をして頂いて、中小企業で自由に貿易ができるように一つ努力して頂きたい、そういうようにお願いするわけであります。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(小笠原三九郎君) 御注意の点はよく承わつておきます。なお須藤さん御承知でしようが、南方で雑貨などを扱つておるのは、神戸、大阪辺では中小のところが多うございます。それでやはりそれぞれ仕事をいたしておりますから、これから恐らく金額その他の問題ですが、いろいろな問題があつて、銀行で、どこでも銀行はどの程度の残高というようなことをやつておりますから、やらんのか、それとも新らしい取引先で望ましくないというのでやらんのか、そういつた話の通知でも出ておるのか、それは一遍調べてみます。

須藤五郎日本共産党

○委員外議員(須藤五郎君) もう一点、中共貿易に関連したことをお尋ねいたしますが、決済の方法ですね。現在日本の決済は為替管理法でドルとポンドだけになつておりますね。これをいつまでもドルとポンドだけで決済方法をとつて行くのか、もつと大きく拡大して行く決済方法ですね、中国と貿易する場合に、中国の円と日本の円とのレートなどもきめてやるようにして行くかどうかという点一つ……。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(小笠原三九郎君) 実はそこまでの考えをいたしておりませんが、香港を通して決済ができることは、須藤さん御承知ですね。そういうふうにその点は以前より楽になつておるのじやないかと思つております。殆んどまだ向うの円と……中共の円とこちらの円とで行くやつは、どういうふうになりますか、どこか一本中間のものがないと、結局為替の決済はできませんですね、両国だけだと……。今何といつてもバーターが主になつているものですから……、向うもこの頃こちらに対する考えも、貿易につきましては考えも変つて来ておるようですね。それが昨年十二月以来少し私は活溌になつたもとだと思いますが、それでこの間の話のうちにも、中共のほうにおいて貿易の考え方も変つて来ておるような模様も見えておるという言葉を言つておいたわけですが、少しそんなふうに思われます。

須藤五郎日本共産党

○委員外議員(須藤五郎君) 昨年中国から帰つた人の話を聞くと、百貨店に出ておる毛織物は殆んど英国品だ、それから木綿、綿製品は殆んど東独、チエツコスロバキア、あの辺の品物がたくさん入つて来ておる。そうしてアメリカ製品、日本製品は殆んど姿を消しておるというわけですね。それですから早く日本が手を付けて、日本品がどんどん入つて行かないと手遅れになつてしまう。日本の最もいい得意先を失つてしまうことになる。これは非常に将来大きな問題になると思いますので、私たちはそういう立場から非常に急ぐわけなんで、この点一つますます発展するように長官として努力されたい、どうぞそういうふうにお願いいたしたいと思います。  それからこの間長官の御演説の中に、防衛費、それから防衛生産ということがこの前も、去年から言われておるのですが、この問題に一言も触れていらつしやらなかつたかのように思うのですが、この問題に対して何か含みがあるのか、長官の意見をお伺いしたいと思います。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(小笠原三九郎君) 多少特殊の問題でもございまして、どうも私のところで触れないでも、いろいろな機会に大蔵大臣なり、或いは保安庁長官なりが説明を申上げておるから、それでよかろうと実は考えて、重複を避けたわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○委員外議員(須藤五郎君) 余り時間がなさそうなことでありますので、早く伺います。長官が互恵平等の原則に従い、通商条約の締結を図りたいと、この前言つていらしたと思うのですが、現在日米通商航海条約の交渉は、占領中の既得権の承認、日本国内で得た利潤の再投資による旧株の取得、外国銀行の貸出業務等、諸外国に例を見ないような問題がアメリカから要求として出されておるように思うのです。そのためにまあ閣議でもなかなか交渉が難航しているように新聞を通じて見るわけですが、又大統領の一般教書の中でも、海外投資を受けるに足る友好的な空気を助長するというようなことか言われておるわけです。アメリカの態度が更に硬化して、送金問題などについて強硬に主張するようなことになる虞れがないかどうかという点、それから本条約交渉に対する長官の所見を伺いたい。それだけ伺います。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(小笠原三九郎君) それは今お話の点についてまだ未解決に残されておることは新聞などに出ておりまして、新聞以外でもさように承知しております。併し飽くまで日本としてはこれが各条約のモデルになるものでありますので、互恵平等の原則については強く主張いたしております。従つていずれ締結される場合には又議会の御承認を得る問題になりますが、そのときには今のようなことは解決されるものと私は見込んでおります。

須藤五郎日本共産党

○委員外議員(須藤五郎君) 今送金問題とか、外資の入つて来る率ですね、無制限に許されるというようなことが言われておるのですが、そういうことに関して長官はどういう御意見を持つていらつしやいますか。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(小笠原三九郎君) これは今無制限にでも入つて来て日本の財界でも支配するといつたような考え方があれば、これはいろいろな措置がそのときに必要になつて参りましようが、私どもはそういうふうに資本がどんどん流れ込んでおる、外資導入、外資導入と言われつつも実は余り入つておらん実情等から見まして、まあ理論としては一応そう考えるかも知れんけれども、実際問題としてはさようなことはまあ杞憂ではないかと実は思つておるわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○委員外議員(須藤五郎君) 現在外資法が通つたあの状態でも入つて来ていないのが現状である。だからこういう条件を付けても入つて来ないのじやないかというような安易な考え方を止めて、そういう状態を作らなくちや外資が入つて来ないということが第一問題であるので、そうしてそういう状態において入つて来る外資は外資の性格からいつて大きな問題があると思う。ですから、むしろそういう不利な状態で外資を導き入れるというような危険なことはやはり考えておらなくちやいけない。制限を付けたら全然入つて来ないというふうなお見通しですか、どうですか。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(小笠原三九郎君) 只今のところ外資が入つて来るものは極めて見通しの正確なものなんです。例えて言いますと、綿花に対するようなものは入つて来ます。或いは火力発電に対するようなものは外資として入つて参ります。そういうようなものなんですけれども、一般的に何と申しますか、日本の或る産業を支配するといつたような考え方に基くようなものは今のところ入つて来ておりません。それで私は何も外資を入れるために一切自由にしてしまえということを申しておるのではありませんが、やはり日本としては外資を受入れるだけの経済態勢というものも必要なんじやないかと、こういう意味を申しておるわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○委員外議員(須藤五郎君) 私は南米へ旅行しまして、ブラジルの鉄道施設、いろいろそういう公共施設が殆んど米英の資本でやられて、南米の労働者というものは殆んどその搾取に会つていたという状態を実際見て参りました。それがやつと今度の戦争中にブラジルは鉄道を英米の資本から切離して買取つたということなんですが、日本にそういう状態が起ることを私は非常に虞れるわけなんです。ですからそういう状態の起らないような手を打つておくことが必要でないかということを私は申上げたいわけです。ところがまあ門戸開放で、どういう状態でも起り得るような状態に今日日本の方向が向けられておるということに対して、私は非常に危惧の念を持つものでありますが、長官はそれに対してどういうお考えですか。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(小笠原三九郎君) 只今日本としては資本の非常に欠乏しておるときでありますので、外資導入を非常に歓迎しておるが、併し歓迎する余り今御心配になつたような点があつてはいけませんから、これはよく一つ私どものほうで研究さして頂きたい。

須藤五郎日本共産党

○委員外議員(須藤五郎君) どうぞ御研究願いたいと思います。  それから私は希望といたしまして、外務、大蔵の両省で今度の通商航海条約を研究されておるように思いますが、一つ経済各般に関係のある審議庁長官として、積極的に両省に協力をして、余り心配のない、いいように努力して頂きたいということをお願いしておきます。  それから日本商品が価格が割高であるということは、長官もこの前の演説で述べられたのであります。それは基本産業で石炭価格が割高なためである。そういうことを長官も認めていらしたように思うのですが、それに対して通産省のほうの政策として、五カ年計画、所要資金四百八十三億円を以て竪坑七十三の開鑿、これに対して開発銀行の融資、坑道を掘つたり、鉱害引当金の操金処理等の税制改正をやつてコストを下げよう、それから補償金を出そうか、いろいろそんなお話があつたように思うのですが、むしろその石炭の割高ということの原因がどこにあるかということなんです。私は日本が外国から石炭……、中国の安い石炭をどんどん入れないことによつて、日本の現在の石炭業者が本当に独占的な利潤を自分のところで一人占めにしてしまう、而も競争者がないために、石炭業者が勝手な値段で石炭の値が吊上げられています。こういう結果がこんな形として現われて来ているのじやなかろうか、石炭業者はなかなかうんと、そうじやないといつも言うのですが、こういう問題は必ずあるのじやないか、もつと安い石炭が中国から入つて来れば石炭業者も考えて来るのじやないか、それというのはいい鉱脈をあとまで残しておいて、そうして余り人件費のかさむような、掘るのに費用のかさむような、そういう鉱脈を現在やつておつて、安いコストで掘れるような石炭を後廻しにしておるのじやないか。そういうふうな点が見えるような感じがするのですが、こういう点は長官はどういうお考えを持つていらつしやるでしようか。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(小笠原三九郎君) まあ石炭につきましては、御承知のように戦時中非常に濫掘しました。あのときの石炭増産を急ぐ結果として……。従つて石炭の採掘条件がだんだん悪化しておる。で、又坑道等が竪坑その他そういつたことを怠つたがために、この頃は切羽の所に行くのにも往復長い時間を要する。又炭層がだんだん薄くなつておるといつたような、炭鉱自体とその後の経営の刷新が見られなかつた点にはいろいろ欠点もあるように思いますが、いずれにしても日本の石炭が非常に高い、まあアメリカあたりに比べますと殆んど二倍以上にもなつておる。西ドイツに比べても二倍になつている。こういう状況は何としても日本産業のためにこれは石炭の価格を引下げなければならん。特に鉄鋼価格など引下げるとすれば、先ず石炭を、すべてのものが石炭というところにぶつかつて来ますので、そこで私どもも一番大きく石炭価格の引下げを取扱つておるわけです。これがために政府としても措置すべきことをやろうと、今お話になりましたような各種の税制の改正も行なつてやつて、それから減ずるものは減じてやろう。又竪坑その他これを合理化するに必要な資金は供給してやろう。又優秀な機械等を入れることによつてコストを引下げ得るものなら、そういう機械には外貨の割当を優先的に取扱つてやろう。又この頃は金利の問題が出て来ておりますが、これはまあ仮に金利を下げることによつて、そういうことを或る程度国際的な金利まで下げることによつて行けるなら、こういうことも考えてみよう。いずれにしても政府としてなすべきものをやつて参りまするが、併しこれは政府のやることには限度があるのでありまして、それ以上はどうしても炭鉱業者の人の自発的な協力に待つ以外にありません。そこで私は過日来幾たびも機会があるたびに出て行つて炭鉱業者の協力を求めておる。あなたがたも本当に一つここで炭価引下をやるということにやつてくれ。これは私は新聞記者の会見において、まあ今年の暮までには一割下るということは私は確信を持つておるということを言つておつた。これは必ず私は下ると今も確信いたしております。そのことについては炭鉱業者の人はそれは必ず一割は下ります。併し一割下つても割高であるということは須藤さんの仰せになつた通りです。然らばここで外国炭を入れて大いにやるかということになりますと、これは日本におけるやはり石炭業というものの重要性を見まして、それじやすぐ外国炭を入れてしまつて安くなると、これらは自立性がなくなる。例えば二割下ると、この間調べてみますと、やはり今までいろいろな手を打つております。手を打てばいいのですが、今のままで二割価格が下ると、恐らく三割ぐらいの炭鉱は経営難に陥るという報告に接しておりますので、まあ日本における石炭業の重要さから見て、これは日本の石炭業としても立ち行くということを考える。併しこれが国際的に高くても困るから、最大限の協力を以て一つ値段の引下をやろう。併し刺戟となる程度の何はやつて行こう、輸入炭でやつて行こう、こういうふうに……。実はその輸入炭と申しますのは、御承知のように粘結性の石炭、これは日本に足りませんので、そういつた方面で行こう。又需給方面から見ますと、本年あたりは今たしか二百数十万トン、粘結炭等を入れて本年度は予定になつておりますが、そうすると多少需給推算では余るような計算が出て参ります。仮に今のように五千万トン近くを日本で掘つておりますと、昨年はスト等がありまして、そう行きませんでしたが、スト等がなしとすれば、五千万トンぐらいとれます。炭種がいろいろありますけれども、いろいろなものを合せましても、そういうふうになつて行きますので、それをまあ一つ余り手荒い方法を講ぜずに、経済界のことですから一遍に右から左にぎゆつとやることをせずに持つて行きたいというふうに私ども実は考えておる次第です。暫らく時をかして下さい、十分私は目的を達するようにやりますから……。

須藤五郎日本共産党

○委員外議員(須藤五郎君) よくわかりました。この間、九州の石炭の調査に行きましたが、そのコストの高いことは人件費が高いからだということを非常に言うのです、業者は……。ところが人件費を調べますと、石炭山に働いておる労働者の賃金というものは決して高くないのです。坑内夫、坑外夫平均すると普通の工場に働いておる労働者の賃金ベースよりもむしろ低いぐらいですね。私も坑内に入つて見ましたが、あの労働はなかなか大変な労働です。私は普通の工場で働く労働者より五割ぐらい高くてもいいという感じがするような労働をやつておるのですが、それで石炭が高いとすぐ労働賃金が高いということばかり例に挙げて業者というのは反省しない。そうしてどうでしよう、三井鉱山などは去年三十五億から利益をあげておりますですね、そういう利益をあげながら石炭の値は下げようとしない。そうして石炭の値が下らんのは労働者の賃金が大半食つてしまうのだからというところに逃げてしまう。やはり競争相手がないと安易な気持であぐらをかいておるような感じがしてしようがないのですね。それでどんどん中国から安い石炭を入れて来て、もつと刺戟をして、今の状態では刺戟にならないと思います。もう少し入れてどんどん業者を刺戟して行くことが必要です。その点政府が補助金を与えるということは少し安易な気持で、去年二十三億の税金の払戻しなんということを炭鉱業者にやつたことがあるのですね。これは賛成しがたいわけですが、そういう点もう一つ。余り時間がありませんので打切りますが、どうぞ長官は中国貿易に対して、いま一つ一段の努力を願つて下さると同時に、今ある障害をどんどん一つ破つて大きな途を開くように努力して頂きたいということをお願いしておきます。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(小笠原三九郎君) よく承わつておきます。

須藤五郎日本共産党

○委員外議員(須藤五郎君) どうも有難うございました。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 先般あの国会と言いますかね、何だつたかのときに、長官は日本の経済等に対して全般的総合計画という言葉を使われておるのですが、誠に妥当な御表現だと思いますが、これを実際的にどういうお取扱いになるのかということが、殊に自由党の政策等を中心として非常に疑問を持つのです。経済安定本部を縮小してしまつたり、或いは各経済計画というようなものが各省でばらばらになつて、それを総合的に経済計画を立てるということとだんだん矛盾なものができ上つて行くように我々は見ておるのですがね、これで果して長官が言われるような国内を一体とした総合的な計画というものかできるであろうかどうであろうか。例えてみますれば、総合経済、総合開発という問題が出て食糧五カ年増産という問題が出ておる。或いは長官の言われるような輸出拡大のための何々ができておる、いろいろなものができておるが、これは統一が一つもされていない、その取扱いにおきましては、場合によれば、先般の只見川の問題のような電源開発のごときは非常な経済復興に対する基本的な産業であるからと言つておつて、ああいう国民の疑惑を招く、而も松本公益委員長、当時の公益委員長の言うことを全部妥当なものとは私は断定していませんが、とにかくあの権威者が我々の前に言うておる通り、すでに上田、本名の開発方式をああいう現実的な開発にすることは、奥只見の残された日本の電源開発の基本を壊したものであると言われるようなものをどんどんやつて行つて、そうして長官の言われるようなことが果してできるかどうか、というようなことを我々は考えるのですが、そういうことも又一つの例で考えられる。それから殊に農業の生産促進法案ですか、なんというようなものを一つ取上げて考えて見ましても、殊に農業生産なんというものを五カ年計画でやろうと、七カ年計画でやろうと、その過程においては、生産拡大をやつて行く農民が生産したものを経済を維持せられるような方策が一つもとられていない、紙の上だけでは畜産をどれだけ殖やす、それがためにはこうくこうだというような紙の上だけのようなものはずつと書かれるけれども、実際問題としてはそれがはたから破れて来ておる。今年あたり豚は百匁二十五円になつておる、二十五円に下つておる。豚なんか飼つたつてどうにもならん。市場においてはトンカツでも十分食いたいという人が、トンカツが食えん。一つも下つていない。こういうちぐはぐのやり方をしておれば、如何に豚を飼うために何をしてやる、或いはそれがためには飼料の需給調整法を作つてやるとか、何とかかんとか言つて見たところが、作つたものが満足に捌けないような市場の管理方法等を講じておいたりして、果してできるのかどうかという私ら疑問を持ちますのですが、これに対して大体どうお考えになつておるか、口では成るほどおつしやる通り、総合的に全部出て来た、そういうものの果まで全部総合的にやつて、国の生産力を増大して行くのだ、こう言つて見ましたところが、果して端から壊しておる、そういうやり方でできるかどうかというような点が疑問になつておるのですが、呑み込めるように一つ御説明願いたい。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(小笠原三九郎君) 只今御質疑の点、非常にむずかしい問題でありますが、時間の関係もありますから簡単に私の考えを申上げます。  日本の置かれたる国際情勢或いは国内の情勢から見ますると、日本は何としても貿易を中心にして、結局国際収支の上において黒字になるような政策を立てるということが、根本であり、それがすべての民生安定の先決問題だと考えます。然らばどういうふうにしてそういう情勢を馴致するかと言いますると、何をしても日本の品物がよくて安い品物が出て行くということでなければなりません。そうしてそのほかにもよそから入つて来る物を少くして、或いは又この貿易外の受取勘定を殖やすこと等で、日本の国際収支を改善して持つて参るということになると思います。そこで今お挙げになりました農業に対するいわゆる農産物の増産ということは、これは今年々恐らく三百億ぐらいの財政負担になつておりましよう。又国としての支払いとしては恐らく千億円を越しておりましよう。国際貸借で言いますると、そういつたような国際貸借の千億を越すようなものを国内で成るべく賄うようにし、三百億の財政負担となるものをだんだん財政負担にしないようにするためには、これは今申上げた増産五カ年計画を遂行するということでありまして、その過程において一つを取上げたら、今の豚のような例もありましようけれども、少し大きい方策としてもこの食糧増産に持つて参るということが必要であり、これは五カ年後には千五百五十万石の食糧をこれで賄おうということになるのでありまするから、私はやはり総合政策の一環として、かかるものは当然最も重要な一環であると思います。  その次には何と申しましても日本の品物を、優秀な品物を安く出すためには基幹産業即ち電力が豊富になつて、そうして石炭の単価が安くなつて、そうして鉄鋼等が安くなるという政策をとらなければなりませんので、この基幹産業に対する諸般の政策を進めており、電源開発等も電源開発五カ年計画という下に、昨年は例えば電源開発会社には六十五億の出資であつたが、今年は百五十億を出資する、昨年に比べて本年は電源開発だけでも三百億円近くの大きい支出を、何と言うか財政及び一般金融の面からしておる。こういうようなことで、これをだんだん持つて行くということにしておる。或いは石炭につきましては、さつきちよつと御説明申上げましたから、ここで繰返しませんが、鉄鋼についても鉄鋼三カ年計画というようなことでやつておる。こういうふうにやつて行くことは、これはいずれも大きいそういう下に基くものでありまして、その先つぽのことを一つ一つ捉えて見ますと、非常に矛盾があるでございましよう。これらについてはお互いに、特に清澤さんに大いに御尽力を願つて、これは矯めて行かなければなりません。矯めて行かなければなりませんが、国としてはそれでやはり総合一貫した政策が私は行われておるものと思います。但しその時によつて多少重点が違いましよう。例えば食糧のほうに重きをおかなければならんということが少し余計強く出ることがございましよう。或いは電源開発に重点が少し強く出るということがございましよう。或いは石炭を下げることが必要であるからして、石炭の方面に少し重みが余計かかるということもございましよう。けれども、そういつたことで、結局日本の各種産業の国際競争力をつけて行く、今申上げたように、一方では食糧の増産計画によりまして、外国への支払勘定と財政負担を少くし、一方では各種の基幹産業その他に対する政策を遂行することによりまして、日本の品物の国際競争力を力ずけて国際競争力を持たせる、或いは又そのほかにもいろいろ言えば、やはり船もたくさん殖やして船賃を日本人に、日本の造船を殖やして運賃を日本の船でとれるようにする、これに伴う保険料もとれるようにする。こういうこともいずれも必要である。或いは観光施設をすることによつて観光客をとり、国際収入を殖やすことも必要である。ただすべての問題は、日本のような物資の足らんところで、どうしてもこれだけの人間を賄つて行くのには、貿易において或いは貿易外の収入を加えて黒字に持つて行くということよりほかに国の立つ途はないのでありますから、政策はそこを中心として進むべきものであると思います。ただ時間の関係もございまして、それ以上細かく一つずつ申上げません。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 時間がないとおつしやれば今日はやめておきますが、いずれ機会もありましようが、それだけはわかるのですよ、あなたのおつしやることはよくわかる。だが実際考えるときに、それがもつと綿密に総合的にそういうものをやつて行く機関もなければ、ばらばらの閣議でばらばらの予算の取り合をするくらいが関の山で、それでやつて行けるか行けんか、こういうことを言うのです。実際問題として、もつと国民の生産意欲と生活と結んだやはりやり方をしなければ、紙の上に書いた企画だけでは私は物は進まんと思うのであります。たとえて見ますれば、企業の安定をやるために企業の合理化をやる。合理化するために優秀な機械を入れる、どんどんと今の失業者が出て来ておる、工場あたりでは出て来ておるのです。日本の機械で二十五人かかるのをアメリカの機械を持つて来れば五人か、四人で済む。だから五百人首をきろうという所が現に出ておる。そういうものを総合して、その余つた人間をどうするというようなことまでを本当に考えて見なかつたら、しまいに問題が出て来ます。こう考えるのであります。あなたのおつしやることばかりでなく、今まで私どもは七カ年毎日同じことを聞いておりますが、その基本的なものを具体的にどうこなすかというのが問題じやないですか。基本的なものだけで、これが基本でやつて行くだけのことなら、誰でもできる話で、具体的にいろいろな矛盾が末端においてできるのをやはりこなして行くことが一番大事なことじやないかと、こう私は思う。そういうものを計画的に遂行して行く機関がすでにないじやないか、こういうことをお伺いしておる。それがあなたのお考え方と、全くほかの人の考え方とは違うじやないか。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(小笠原三九郎君) よくあなたの言われることもわかりますが、私どもがこれは各行政機関のその本来の趣旨に則つて、この本来の線に沿うように努めて行く以外にないので、どうもそれをどこの機関が一つできたところで、それを先つぽの末端がこうじやないかということは、なかなかむずかしい問題でして……。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 いや、私は議論するわけじやないのですけれども、大体そういうものが考えられれば、経済審議庁のごときものも小さくしてやるべきものでなくして、もつと拡大して、もつと予算を預けて、そうして総合的な計画をどんとやらせる必要性があるのではないですか。本当の日本経済の再建に対する基本をぽんと立て、その機関に対しては、うんと金を預けて、そうして人を集めてやらなければならんのに減らしている。そうしてそういう総合的な経済計画、開発をしなければならんというようなことを言つても、していることと言うていることと別じやないか、こういうお尋ねをしているのです。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(小笠原三九郎君) 御意見はよく承わつておきます。   —————————————

境野清雄民主クラブ

○委員長(境野清雄君) それでは経済審議庁長官に対しての質問は打切りまして、続いて私的独占禁止法の改正問題に関しまして、その改正点及びその後の経過につきまして、公正取引委員会の横田委員長の御説明を願いたいと思います。

横田正俊公正取引委員会委員長

○政府委員(横田正俊君) それでは私的独占禁止法の改正につきまして、只今までの経過並びに最近に公正取引委員会といたしまして作成いたしました改正法律案の要綱につきまして御説明を申上げたいと思います。  たしか昨年の十二月の半ば頃でございましたか、当委員会におきまして、改正問題が議題になりまして、これまでのいきさつにつきまして、あらましの御説明を申上げましたが、その後、この改正法案の取扱いにつきまして、御承知のように本来の所管庁は私どもの公正取引委員会でございますが、産業各行政官庁とも非常に関係の深い法律でございますので、この扱いにつきまして、いろいろ研究いたしました結果、緒方官房長官と御相談をいたしまして、一応原案を公正取引委員会において作成し、これを関係省の間で研究いたしまして、成案を作成し、これを提案をする、こういう手続を大体きめまして、その後各官庁の当局のかたとも連絡をいたしまして、その方針に基きまして現在まで進んで参りまして、つい先日新聞紙でも御承知のことと存じますが、一応の原案はできまして、本日あたりから各省との交渉に入つておる次第でございます。私どもの作りました要綱は、お手許に差上げてございますが、いろいろ改正点は多岐に亘つておりますが、その主要な点は数点に尽きるかと思います。一番従来から改正の要望もあり、我々も長く研究をいたしておりました大事な問題は、御承知のいわゆるカルテルをどの程度に認容するかという問題でございまして、この点に関しましては、私ども非常に研究を重ねまして、結局今度出しましたような結論に達したわけでございます。  その内容を具体的に申上げますと、現行法は御承知のように第四条という法律がございまして、これによりまして共同行為は余り影響の大きくないものまでも禁ずるような形になつておりましたが、これを競争を実質的に制限するものに限定をいたしまして、他の余り問題にならないものはこれを不問にいたすということにいたしますると同時に、不況の場合のカルテル、合理化の場合のカルテル及び貿易の振興上必要といたされまするカルテル、この三つの場合につきましては、極めて限定的な範囲におきまして、而も公正取引委員会の認可というような一つの条件にかけまして、これを認容する、こういう方針をとつたのでございます。これは御承知のように、カルテルはこれを広く認めて、むしろ弊害のあるものを特に取上げてこれを禁止或いは制約をするという考え方が財界あたりでも非常に広く主張せられておりまして、この点は私どもも再三再四思いをいたしたのでございまするが、結局この独占禁止法の公正自由な競争を促進するというこの基本の線を守りますためには、やはり一応カルテルはこれを実質的に競争を制限するものは一応禁じまして、特殊の場合にこれを認めるということが現下の日本の置かれました状態におきましても最も適切な線ではないかと考えまして、そのように要綱案を決定いたした次第でございます。  次に第八条に、不当な事業能力の較差の排除という問題がございますが、これにつきましては、事業が大きいということだけで、独占に至るその前に抑えて行こうというのが、この不当な事業能力の較差の規定でございまするが、この条文につきましては、一方におきまして必然的に独占というものが伴つて参ります場合は、他の規定で、本来の規定で抑えることができまするし、なお大きいが故に他の事業者を圧迫するというようないわゆる経済力の濫用とでも申しますようなものにつきましては、このたびは不公正取引方法というところに経済力濫用の防止に関しまする規定を設けまして、これによりまして、巨大なる産業が中小企業等を圧迫しまする関係を或る程度規制いたしたいということにいたしました結果、この八条のいろいろ解釈上の疑問の多い規定を削除いたした次第でございます。  次に第三といたしまして、いわゆるトラスト的ないろいろな企業の合同関係を禁止いたしまするいわゆる独占禁止法の予防規定につきましては、現在の規定が余りに厳格でございますので、例えば株式の保有、或いは役員の兼任問題等につきましては、かなりの緩和をいたしました。尤も届出制をとりまして競争を実質的に制限するような場合には、委員会でその排除に出でられるというような線にいたしました。なお合併等につきましても若干の緩和をいたしましたが、この点は大した程度のものではございません。  それから次に、今回の改正につきましては、従来ございまする不公正な競争方法という問題につきまして、この点は従来のものに多少附加えまして、今までの数年間の経験に徴しまして、取引方法で甚だ面白くないと思われますものを、この改正の機会に取締ができるようなことにいたしたいと考えまして、不公正な競争方法に若干の追加、並びに手続規定等につきまして若干の改正を加えたわけでございます。  なお第五といたしまして、再販売価格維持契約、これは御承知の、名の通つておる品物に定価をメーカー側でつけましたその定価を守らせることを目的とする契約でございまして、これも種々の商品につきまして、その事業界から強い要望がございますので、この際、この維持契約を独禁法の違反にならないように特別な規定を設けたのでございます。  あとは前の国会におきまして改正をいたしました事業者団体法の規定は、その必要なものをこの独占禁止法の中に取入れまして、この改正後は結局独占禁止法一本で取締つて行くと、こういう方針にいたした点でございます。  その他、以上の点に関連いたしましていろいろ細かな手続規定等の所要の改正を加える予定でございます。  以上が大体の骨子でございますが、その諸点につきまして極くあらましの御説明を進んでいたしたいと思います。  第一には、これはいろいろな法律にあるのでございますが、第二条に、独占禁止法はいろいろ定義規定をやたらに並べてあるのでございますが、これをそれぞれの実体規定の部分に移しまして、多少の改正を加えた上でわかりやすい条文規定にいたしたい、こういうふうに考えまして、定義規定のうち、大分いろいろ削除いたしたりするのが出て参るかと思います。  なお第二の問題としまして、これは従来でも同じ解釈になると思いますが、国内で事業を行わないもの、つまり外国の会社等が日本の会社の株式を持つ、或いは役員を兼任させるとか、或いはいろいろな契約によりまして日本の事業者の国内における活動を制約するという事態がいろいろございますので、この場合には国外の事業者に対しても独占禁止法を発動せしむる、これは事実上の手続としてはいろいろな困難な問題がございますが、併し法律の建前としては、発動し得ることを明らかにいたしました点が第二の問題でございます。  それから次に、先ほど申しました定義規定をあとへ持つて参りましたことと関連いたしまして、現行法では、私的独占と不当な取引制限の禁止の規定が一本の規定になつておりましたのを、これを二つに分けましたことと、それから先ほど申しました第四条といういわば形式的にカルテルを禁止しておりまする規定を、実質的制限がなければよろしいということにいたしました点が、この第四のところに書いてあることでございます。  それから第五の私的統制団体、これは御承知の、この独占禁止法ができます頃は丁度戦争後の統制時代でございまして、私的な統制団体がいろいろございましたのを、その統制団体の一種の除去政策といたしまして、独占禁止法の中にも第五条の規定が設けられたのでございますが、この点は現在は全く事情が変つて来ておりますので、この規定はこの際むしろ削除いたしまして、ただ事業者の団体がいろいろ面白くないことをいたしました問題につきましては、第七にございますように、事業者団体法の規定のうちの必要なものを独禁法に盛り込むことによりまして弊害を抑えて行こう、こういう建前にいたしたわけでございます。  それから第六は、現行法第六条の規定でございまして、これはいわゆる国際契約を取締るものでございまして、日本の事業者が国際カルテルに加入してはならないという問題を中心にいたした規定でございまして、現行法の規定の中には、国内の事業者同志の貿易協定も含めておりましたが、これはむしろ本来の規定のほうに譲りまして、なお特殊な関係につきましては、御承知の輸出の特別法、即ち輸出取引法に委ねるという趣旨で、国内の事業者同志の規定を削除したということになつております。なお国際契約につきましては、従前通り今後も届出制をとりまして監視をして参りたいと考えておるわけでございます。  次に事業能力の較差の規定を削除いたしまする結果、第三章があきまするので、そこへ事業者団体法の規定を取入れまして、大体内容は事業者団体法の先般改正いたしました線と同様でございますが、規定の仕方はもう少しすつきりしました簡素な形にいたしたいと思つておるわけでございます。第二項は事業者団体の定義、それから事業者団体に関するいろいろな届出に関する規定は現行法にもございまするが、これを維持したいと考えております。  それから第八の持株会社の禁止の規定は、先ず現行法をそのまま維持しておると申してもいいかと思いますが、これは定義等がやや不完全でございますので、それを修正をいたすという程度の改正を加えた次第でございます。  第九、第十は、いわゆる株式の保有問題でございます。この点は現行法は株式のみならず、社債に関してもいろいろ言つておりますが、社債による支配ということは余り考えられませんので、社債に関する規定はやめますると同時に、株式の保有は、現行法は、例えば競争会社間におきましては一株も持つてはならんというような、ややきつ過ぎる規定になつておりましたのを、今度は、株を持つことによりまして競争を実質的に制限することとなる場合、そういう虞れのあります場合に株式の保有を禁止するという線にいたしまして、なお後にも申上げますが、株式の持ち方が極めて面白くないもの、例えば他の会社を排除したり、或いは他の会社の活動を制約するというような意味におきまして、不当な方法で以て株式を取得するというようなものは、やはり改正法におきましても禁止して参りたいと思いまして、不公正な取引方法による場合も株式の取得を制限いたしたいと考えております。  それから届出制は、やはり現行法は五百万円以上の会社について設けておりましたが、これは余りに金額が現在におきましては低過ぎますので、総資産一億円以上の会社については、毎決算期に届出をして頂く、こういうようなことにいたしました。なお、その他競争会社の株式につきましても、若干の届出制度をとりたいと考えております。  金融機関につきましては、現行法は、同種の競争会社間におきましては株を全然持てなかつたのでございますが、この点は今回は削除をいたしまして、現行法にございます百分の五の制限を百分の十、一割に引上げますと同時に、特殊の場合におきまして、なお一割以上持たしても別に弊害がないと思われます場合につきましては、認可制をとりまして、そこに余裕をとることにいたしました。  第十一は、役員兼任でございますが、これも株式の保有の場合と大体同じ線の制限に改めまして、つまり競争を実質的に制限することとなる場合や、不公正な取引方法による場合に禁止を限ることにいたしまして、なお新らしく総資産一億円以上の会社の役員の兼任につきましては、公正取引委員会に対する届出制をとることにいたしました。  第十二は、会社以外の者の株式保有でございますが、この線も先ほど申しました会社の場合とほぼ同一にいたしまして、なお届出制をこの場合にやや拡充をいたすというようなことになつております。  第十三と十四は合併の制限、或いは営業の譲受等の制限に関する規定でございます。この点は、不当な事業能力の較差の規定がなくなりました結果、やや合併等を制限する条件が少くなりましたことを、現在では届出をいたしましてから三十日の間は合併などをしてはならないという不行為期間の規定がございまするが、これは事情によりましては短縮して、早く問題を運ばれるように短縮できることに改めました。  次に第十五といたしまして、不公正な取引方法の禁止、これは先ほど申しましたように、今度の改正でやや拡充された部分かと存じます。不公正な競争方法という言葉が多少ぴつたりといたしませんので、今回はこれを「不公正な取引方法」ということに改めまして、ここに(一)から(七)まで挙げてございますいろいろな事柄でございまして、公正な競争秩序を侵害する虞れのあるものは取締つて参りたいと考えておるわけでございます。このうち(一)から(四)までは非常に簡単に書いてございますが、勿論条文になります際はもう少しはつきりいたすと思いますが、いわゆるボイコツトの禁止とか、ダンピングの禁止というような、現行法にありますものをここにまとめて掲げるつもりでございます。第五に、先ほど申しました取引上の優越した地位を濫用いたしまして、いろいろ不当な取引をいたしますものをこの第五のところに適当に表現いたしまして、それを取締りたいと思つておるわけでございます。第六番の欺満的方法による取引、これも消費者その他取引先をだますような面白くない方法による取引が往々にしてございますので、これも今度新らしくこの公正取引委員会の仕事といたしまして主管して参りたいと考えておるわけでございます。第七が、これが先ほど申しました株式の保有や兼任や、或いは合併や営業の譲受等に際しまして、いろいろ競争会社を支配或いは排除するというような目的を以ていたしますものは、仮にそれが競争を実質的に制限するというようなことに至らなくても監視して参りたいという趣旨を以ちまして、この第七にそれを掲げたわけでございます。以上七つございますが、そのうちいずれ条文を以ちましてもう少し明確な規定の仕方をするつもりでございますが、併しそれにいたしましても、個々の業種につきまして如何なるものがいわゆる不当な取引になるかというようなことはなかなかはつきりいたさない場合もあるかと存じますので、第二項に、その点に関しまして公正取引委員会がいろいろ各業界の実情を調査いたしまして、又業界のかたがたともよく御連絡をいたしました上で、この(一)から(六)までございますものを、もつと各業種に適したように具体的に明らかにするという方法をとりたいと考えております。現在御承知のように醤油等の取引につきましていろいろ面白くない取引方法がございましたのを、一定の手続を経まして指定をいたしましたが、ああいうような方法によりましてこの内容を具体化し、且つこれにはむしろ業界のかたがたに協力して頂くというような意味におままして、この第三にございますように、この制度の実効を期するために、事業者の自主的な協力機関である公正取引協議会というようなものを設けまして、むしろ事業者のかたがたが自主的にお互いに不公正な取引をしないように戒め合つて頂く、いよいよの場合に公正取引委員会が乗り出して参る、こういうような仕組にいたしたいと考えまして、この二項、三項はそういうことを考えておるわけでございます。  それから第十六の再販売価格維持契約、これは先ほど申しましたいわゆる名の通つております品につきまして、メーカーが再販売価格を指示いたします。これを守ることがむしろ小売段階等の秩序を維持するということになりますので、ここに掲げてございますような、日用品であるというようなことや、或いはその維持契約をやつて参りますことによつていろいろな面白くない結果が認められないというような場合に限りましてこれを認めて参りたいと、こういうわけでございます。なおこの点は出版物につきましても同様な関係が見られますので、出版物の定価維持ということを適法化しようということでこの第十六の要綱を設けたわけでございまして、これは先ほども申しましたように、業界から非常に強い要望がございまして、我々といたしましても非常に結構なことと思いまして、これを採用いたしたわけでございます。  第十七は、いわゆる協同組合等に関する規定でございますが、これは、協同組合は民主的な構成を持つておりまするものにつきましては一応独占禁止法の適用は除外になつておるわけでございますが、現行法でも「不当に対価を引き上げることとなる場合」、つまり消費者に対価として非常に不当な結果をもたらすような場合は、たとい中小企業等につきましても、やはり監視をして参るという建前になつておりますが、その規定を少し整備いたしまして、「不当に対価を引き上げ、その他消費者又は関連事業者の利益を著しく害することとなる場合」というふうに改めて、協同組合につきましても適正、正当な活動をしてもらうという趣旨を明らかにいたした次第でございます。  十八が、先ほど最初に申上げました今度の改正の一番重要な問題でございまして、この点は先ほど来申上げましたように、当委員会といたしましても非常に熟慮いたしたのでございますが、結局この線に落ち着いたわけでございまして、不況に対処するために必要である場合、或いは合理化の遂行上特に必要である場合におきまして、生産部門に属する事業者がカルテルを或る範囲において結成するということを認めたのでございます。これは公正取引委員会の認可ということを条件にいたしてあるわけでございます。  この内容につきましては、最初の不況カルテルにつきましては、問題を生産部門に属する事業者に限りますと共に、商品の需給関係が著しく均衡を失したことによつて商品の市価が生産費を現に下廻つていること、而もその商品にかかる事業者の全部或いは相当部分が倒産又は休業を止むなきに至る虞れあり、放つおけばいろいろ共倒れになるというような、いい事業も悪い事業も一緒くたになつて共倒れになるというような事態が出ました場合に、公正取引委員会にその事情を明らかにいたしまして認可の申請をして参りました場合には、生産数量、販売数量又は設備の新設若しくは拡張を制限する共同行為を認めようと、こういうのでございます。ここには価格協定が入つておりませんが、これは特殊の場合につきましては、二項にございますように価格協定も例外的に認めて行こうということになつております。即ち自然的若しくは技術的理由によつて商品の生産又は競争を制限することが非常に困難であるというような特殊の場合につきましては、やはり生産部門に属する事業者に限りますが、前に申しましたような協定では到底事態を克服しがたいということがはつきりして参りますれば、価格を決定する、維持する、或いは引上げるというための共同行為の認可を受けることができるということにいたしたわけでございます。それから三番目に、この場合に公正取引委員会がどういうことを考慮に入れて認可、不認可を決定するかということの一応の基準を決定してあるわけでございます。これは(一)から(五)までございまするが、場合々々によつていろいろございましようが、こういう事情を斟酌しまして認可をする、勿論これらの点につきましては、それぞれの主務大臣の意見を尊重いたしまして公取が慎重に認可を決定する仕組にいたしておるわけでございます。  これが不況対策のカルテルでございますが、次に合理化のカルテル、これはここに書いてございますが、やはり生産部門に属する事業者に限りますが、技術の向上、品質の改善、規格の改良、生産費の引下げ、能率の増進その他企業の合理化を著しく促進するため、何らかの形におきまするカルテルを作る必要があります場合に、やはりその事由を明らかにいたしまして、公正取引委員会の認可を受けますれば、仮に競争制限というような場合でございましても、例外的にカルテルが認められる、こういうことになるわけでございます。尤もこのカルテルは、生産とか価格とか販売その他の事業活動の重要な競争機能を相互に拘束するというような段階に至りますことは困りますので、その点は第二項におきまして、そういうことにならないことを条件にいたしておるわけでございますが、ただこの点も第三項に至りまして、場合によりましては価格等の点につきましてもカルテルができる、極めて例外的な場合が第三に規定してございます。即ち自然的若しくは技術的理由によつて、その生産又は供給を増加することが著しく困難な副産物、屑若しくは廃物の利用又は購入に関しまする場合には、第二項の例外といたしまして価格、販売等に対しまするカルテルが例外的に認められる、こういうことにいたしました。  4は、このカルテルを認可いたします場合にも、いろいろこれには内容につきましたり、期間につきましたり、いろいろ制限条件をつける、或いは報告をいたす義務を負わせるというような制限条件が付けられる、こういうことにいたしておるわけでございます。  次に、こういうふうにできましたカルテルにつきましては、その後やはり公正取引委員会がその動きを見て参るわけでございまして、5に書いてありますような事態が生じて参りますと、これはそのまま捨て置くわけには行きませんので、いろいろ或いは変更を命ずるとか或いは認可を取消すという手段に出ることになるわけでございますが、そのうちの(一)の共同行為の内容が非常に差別的であるとかというような場合、或いは共同行為に、カルテルに参加又は脱退することを不当に制限する、或いは共同行為に参加することを他の事業者に対して直接又は間接に強制すること、或いは共同行為に参加していない他の事業者の事業活動を不当に妨害するというような面白くないことがございました場合は、次に出て参りますような認可の変更、取消というような問題に移つて参るわけでございます。6が認可の取消又は変更の命令に関することでございまして、これは只今挙げました禁止行為のみならず、この6の(一)から(七)まで挙げてございますような事由がございます場合には、或いは変更を命じましたり、或いは最後には認可の取消をもできる、こういうようなことにいたしました。7は、共同行為をやめました場合に事業者のほうから届出をいたすということ。8は、公正取引委員会が認可をいたしますにつきましても、この問題の実質的な内容につきましては、主務大臣の意見を尊重いたしまして、そして認否を決定し、或いは変更或いは取消の命令をいたします場合も、主務大臣の意見は十分に尊重するということが8でございます。次に、カルテルは、御承知のように、その産業だけの問題でなく、関連産業或いは消費者というものに当然に影響を及ぼす性質のものでございます。或いはアウトサイダーに対する関係等もございまして、認可をいたしましても、それらの人々からいろいろな不服、異議というものがありまする場合には、それを公正な立場に立ちまして判断し、そうして若しそれが正当でございますれば、変更、取消というような問題に持つて行くというために、カルテルに対する利害関係人の不服申立の途も開きたい、こういうふうに考えておるわけでございます。  以上極めて簡単でございますが、今度の独占禁止法の中に加えようと考えておりまするところの改正の要綱でございます。なおこのほか先ほど申しましたように、手続規定等には当然に所要の変更が加えられまするが、なお独占禁止法以外の法律につきましても、今回の改正に関連いたしまして、先ほど貿易につきましてはカルテルを認める。これは御承知のように輸出取引法で、すでに或る部分その問題は解決しているわけでございますが、これについては更にカルテルを結び得る場合をもう少し認める、或いは輸入についても或る場合はカルテルを認める。その他、今までの実際の実績等も勘案いたしまして、なお今回の独禁法の改正等とも関連いたしまして、所要の改正を加えることが適当であると考えますが、これは御承知のように、主として通産省の管轄ということに只今なつておりますので、これらにつきましては、通産省のほうで適当な改正案ができますることを我々としても要望するということを、第二十で一応附加えたわけでございます。なお特定中小企業安定法につきましても、その後の実績等に徴しまして、又今回の独禁法の改正と並びまして若干の改正を加えることが妥当と思います。これも通産省のほうでその手続がとられますることを我我として要望するという意味におきまして、第二十に一項を加えたわけでございます。  それから先ほど申しましたが、この改正案要綱を作りますにつきまして、我々の公正取引委員会といたしましていろいろ考えました考え方と申しますか、それをお手許に、独占禁止法改正案要綱解説資料といたしましてお配りいたしましたので、くだくだしく申上げることを省略いたしまして御覧を頂きたいと思いますが、要するに何故に独占禁止法が日本にとつて必要であるか、この点は占領政策というような観点からいたしまして、独立後の日本には独占禁止法は要らないのではないかという極めて一般的な疑問を持つておられるかたがございますが、これに対する我々の、経済的な面からして、或いは社会的な面からいたしまして、或いは政治的な面からしての我々の考え方を第一に掲げまして、但し現行法はそのままではいけないというので、何故に改正が必要であるかということを第二に掲げました。それから第三に、然らばこのうちで一番大事なカルテル問題について、何故に我々が無制限に認めて、悪いものだけを取締るという態度をとり得なかつたかという点を第三に掲げておきましたが、これを御覧願いたいと思います。  甚だ簡単な説明でございましたが、これを以て一応私の説明を終ります。

境野清雄民主クラブ

○委員長(境野清雄君) 今の委員長の説明につきまして、私どもが聞いておるところによると、この独禁法の改正という問題が、経済審議庁と通産省すらこの二つの改正法案がまとまつておらないというので、これから経済審議庁と通産省との間をとろうというような話を先ほどもちよつと聞いたのでありますけれども、そういうような面から行きますと、まだ公正取引委員会と通産省なり、或いは審議庁なりというものとの再折衝があるというようなふうに考えられますが、その点は如何なものですか。

横田正俊公正取引委員会委員長

○政府委員(横田正俊君) 全く仰せの通りでございまして、これはこの公正取引委員会としての案でございまして、各省、殊に通産省等との折衝はこれから始まります。従いましていろいろな又折衝の結果、これがいろいろ変つて来るということがあり得るわけであります。

境野清雄民主クラブ

○委員長(境野清雄君) 委員の皆さんにお諮りいたしますが、今お話のありましたような形で、最終的な改正法案になつておらないのでありまして、公正取引委員会としての要望をここに並べられただけでありますが、このものに対して特に御質問があればあれですが、このものだけを検討いたしましても折角であります。又通産省なり或いは経済審議庁なりの案が出たならば、それも又別個にこちらで聞きまして、そうして、勿論一本のものとして出て来ると思いますが、一本のものになる段階において或いは又委員会自体でも委員会の意見を申述べたい、かように存じますので、今日の公取委員会からの問題に関しての質問を如何にするか、一つお諮りいたしたいと思います。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 聞いた範囲でいいじや  ないか。

境野清雄民主クラブ

○委員長(境野清雄君) それでいいですな。大体私から一点をお聞したいのは、今日の新聞紙にも出ておりましたが、通産省案というものと公取委員会の案というものの中で、このアウトサイダーの問題がちよつと問題になつておるようであります。このアウトサイダーに対する従来の通産省の考え方の勧告、命令というようなものを厳重にやり得るというようなことが出ておつたようでありますが、その点に対して公正取引委員会としてのお考えを差支えなかつたら一つ承わりたい。

横田正俊公正取引委員会委員長

○政府委員(横田正俊君) 実は、その点につきましては、御承知のようにアウトサイダーに対していろいろ命令をして、例えば操短をやらせるというような問題は、カルテルを認めるという問題より又一歩進んだ問題でございまして、いわゆる統制、国家の力を以て産業を統制して行くという面になるわけでございまして、この点につきましては、そのこと自体に対していろいろ又考え方もあると思いますが、独占禁止法自体の中にはちよつとそういう問題は盛り得ないというように我々は考えております。但し通産省その他のほうにおきまして、問題をどうしても統制にまで持つて行かなきやならないというふうに考えられ、又それが現在の日本の経済情勢上適当なものであるということになりますれば、独占禁止法以外の別途の法律で以てその問題は解決せらるべきではないかというふうに私たちは考えております。

境野清雄民主クラブ

○委員長(境野清雄君) 委員のほうから何か今の問題に関して質問でもありましたら。それでは今日の委員会はこれで閉会いたします。    午後四時二十二分散会

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