議院運営委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 54 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/03/18
会議録
○委員長(寺尾豊君) これより会議を開きます。 常任委員の辞任及び補欠に関する件をお諮りいたします。
○参事(河野義克君) 自由党から、予算委員の杉原荒太君、同じく大矢半次郎君、文部委員の松平勇雄君通産委員の黒川武雄君がそれぞれ辞任せられ、予算委員に栗栖赳夫君、同じく青山正一君、文部委員に黒川武雄君、通産委員に松平勇雄君を、それぞれ後任として指名せられたいというお申出がございます。 それから日本社会党第四控室から、文部委員の梅津錦一君、人事委員の高田なほ子君、通産委員の佐多忠隆君、水産委員の木下源吾君、予算委員の矢嶋三義君、議院運営委員の岡田宗司君、懲罰委員の森崎隆君、予算委員の羽生三七君、予算委員の成瀬幡治君、決算委員の荒木正三郎君がそれぞれ辞任せられて、文部委員に高田なほ子君、人事委員に梅津錦一君、通産委員に木下源吾君、水産委員に佐多忠隆君、予算委員に森崎隆君、議院運営委員に矢嶋三義君、懲罰委員に岡田宗司君、予算委員に藤原道子君、予算委員に荒木正三郎君、決算委員に高田なほ子君を後任として指名せられたいというお申出が出ております。 それから日本社会党第二控室から、地方行政委員吉川末次郎君、同じく赤松常子君、内閣委員村尾重雄君、外務委員、曾祢益君がそれぞれ辞任せられて、地方行政委員に村尾重雄君、同じく曾祢釜君、内閣委員に吉川末次郎君、外務委員に赤松常子君を後任として指名せられたいという申出が出ております。
○委員長(寺尾豊君) 以上の通り決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺尾豊君) さよう決します。 ━━━━━━━━━━━━━
○杉山昌作君 緊急集会の進め方と言いましようか、議事の取扱い方に関連して申上げたいと思うのですが、この公報によりますと、緊急集会は政府から提案されるものは、予算案のほかに四件の法律案があるようですが、その最後の期限等の定のある法律につき当該期限等を変更するための法律案。この案につきましては、その内容はまだ提案になつておりませんけれども、ほのかに承知するところでは、この中に義務教育費国庫負担法の施行期限の延長ということが含まれるやに承わつているのであります。従つて、これにつきましては、そういうふうなことがほのかにわかつたということで、一昨日以来、各派それぞれ相当の論議があつたことは、御承知の通りであります。 その内容についてはここで申上げることはいたしませんけれども、いろいろ論議のあるようなものを緊急集会に提案されるということについては、緊急集会の性質上と言いましようか、運用上如何なことかと存じまするので、幸いまだこの案は、今の時刻には提案になつておらんようでありますので、事前に、一つ院の各派の総意というふうなことで、議長のほうからその点に対して、政府に、論議の焦点になるような内容のものがあるなら、変更を願うようなことを、議長から政府へ申入れて頂いたら、この緊急集会の運営上非常に好結果だと存じますが、如何なものか、提案をいたしたいと思います。
○委員長(寺尾豊君) 只今、杉山君の御意見通りに決することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺尾豊君) では、満場一致の議決を以ちまして、当委員会の総意を佐藤議長より政府に申入れをして頂くということに決しました。 暫時休憩をいたします。 午前十一時十四分休憩 —————・————— 午前十一時三十一分開会
○委員長(寺尾豊君) 再開をいたします。 議長より御報告がございます。
○議長(佐藤尚武君) 休憩前の議院運営委員会の御決議に基きまして、議長は、議院運営委員会の寺尾委員長並びに近藤事務総長を同道いたしまして、副総理、官房長官にお目にかかりました。その席におられたのは岡野文部大臣でありました。 私からは先ほどの議院運営委員会の御決定、即ち期限のあるいろいろな法律に対して期限を変更するという法案が、この緊急集会に政府から提案されておる。その中にはどういう法律が含まれておるのか、それは参議院としてはまだ政府からの提案がないので承知いたしておりません。併し仄聞するところによれば、その多くの法律案の中に義務教育費国庫負担の問題に関する法律が含まておるかのように聞いております。この問題に関しましては、参議院内において随分各会派の間に論議があるので、これが正式に参議院のこの緊急集会に提出され提案されるということになりまするならば、多数を以てそれが採決されるという見込はありません。よつて只今開れたばかりの議運においてはそういうような状況であるからして、政府が本問題に対してまだ提案されていない法律ではありまするけれども、その問題に関しては、政府において適当な変更を加えられた上で御提案になるということを議運としては望むものであつて、右のような意味のことを全会一致を以て只今議運でも決定いたしました。その決定によつて議長から、これを政府に正式に申入れられるようにということでありましたので我々はこうやつて伺つたのでありますということを副総理に申上げたのであります。 副総理のお答えは、こういうような意味でございました。問題の義務教育費国庫負担の法律に関しては、まだ政府から参議院の緊急集会に提案しておるわけではございません。従つてまだ提案されていない法案に対して、参議院側でこれを検討され決定に達したということは、正面から申しますならば、いささか常道に外れているような感がいたします。従つてそれが先例となるというようなことになるかも知れないという点で、政府としては疑義を持ちます。併し議長が議院運営委員会の決定を以て、こういうふうに正式にお出で下すつたということでありまするからして、政府といたしましても、只今議長の申出はこれを了承することにいたしますという意味の御返事がございました。それで私どもは政府の態度を諒といたしまして引下つて参つたわけでございます。 以上御報告申上げます。
○相馬助治君 事が円満に行つている際に、こういう発言をするのは如何と思うが、私は今の議長の報告のうちの前段に現れている緒方官房長官の言葉は、もう一度念を押して議長にお尋ねしておきたいと思います。それは別途、私は問題にしたいからです。即ちこういうことで、前例にないことであり、手続上疑義があるというこの表現は、行き過ぎであるという内容をも含めてのことと、議長は了承して聞いて来られたのですか。それから又そういう発言に対して議長は、そのままそれには何もおつしやらずに、お戻りになつたのですか。
○議長(佐藤尚武君) 今、相馬君の御質疑でありまするが、官房長官の御説明は、手続上違法であるとか、若しくは参議院が出過ぎたというような意味で言われたとは受取れませんでした。ただ先ほども申上げました通りに、まだ提出されていない法案に対して、参議院の議運が或る決定に達せられたということ、それ自身が、いささか変則でありはしないかという点で疑義を持つ。併し議長はこうやつて来られたのであるから云々……。いや、私の今申上げたことに対して、同席された委員長並びに近藤事務総長から注意がありましたが、そういうような参議院の御決定は、いささか変則であるように見える。従つて、そうして又これが先例となるということも考えられるけれども、議長が来られて、そうして議運の決定として御通告になつたのであるからして、政府はこれを了承することにいたします。こういう意味でありました。 私は、今申述べたことと、先刻最初に申上げたこととは、言葉の違いがあると思いますけれども、意味は今、後ほど申述べたところで御了承願いたいと思いますが、そこで相馬君の言われるような、この手続きの問題として、手続上に参議院のやつたことが違法であるとか何とかいうような、そういう点は、緒方副総理の文言等からは全く受けなかつたのであります。 又第二の問題に対しては、議長は何も問答はしなかつたのかという点でありますが、一旦政府が了承した以上は、政府は前段に述べたような考えを持つたことがあつたにしても、併しそれを固執しないということがはつきりいたしましたので、それで私からは何らこれについて政府に対して押問答をするというようなことは一切しないで帰つて参つたのであります。
○相馬助治君 議長の今のお話はわかりました。 これは緒方副総理が、そういうふうに言つたということについては私はいささか疑問がありますが、これは緒方副総理が議運に出て来る機会があるであろうと思いますので、いずれそのときに、これは真偽を質して、その上で私も議論があるならばする。こういうことにいたします。
○議長(佐藤尚武君) 今の相馬君の御意見ですが、この問題は、つまり参議院議院運営委員会の先ほどの決定を政府が呑むか呑まないかということで起つたものであり、それに対して政府は、多少の忠告を感じたかも知れませんけれども、結果において、はつきり参議院の決定通りに、決定を了承するということでありましたから、よしんば政府が、その考えに到達するまでに何らかの政府としての意見を持つたかも知れないにしても、これは私は問題にするには及ばないのであり、又これを問題にするのであれば、折角ここまで円満に取運んだものを再び蒸し返すというようなことはどうかと思うのでして、併し官房長官が後ほど来られたときに、その点に関して官房長官の真意を問い質されるということは、これは勿論運営委員会の委員各位の御自由でありますけれども、私としては、先ほどの応答から考えまして、成るべくならば、再び問題を蒸し返すというような虞れのある質疑はお控え下されば誠に有難いというようにも感ずるのであります。 それだけ申上げます。
○相馬助治君 結果については、私も喜んでおります。そうして又議長も、議運の決定を持つて行つてその通りになつたのですから、極めて結構だと思います。 ただ、昨日、一昨日の経緯に鑑みて、緒方副総理は、この本院を代表して行つた議長にいささかなりとも疑義があるなどということは、平たい言葉で言えば言えた義理ではない。従つて私はそういうことを言つた緒方君の言葉を問題にしているのであつて、本院の議事の取運びに支障を来たすような発言はする意図は全然ないので、その点は議長も安心して頂きたいと思います。併し私は問い質します。
○小笠原二三男君 只今の議長の御報告を我々感謝して了承するものであります。従つて只今からの緊急集会の各派の手続というものをおきめ願いたい。 そうして今の段階では、法律案はまだ提出になつておりませんけれども、それによつて予想せられるもの等、委員会の構成等について考えておかなければならないというようなことがあるならば、予定される当該法律案を委員長から御報告頂いて、それによつてかねて噂されておる案を、決定して頂くようにお願いいたします。
○参事(河野義克君) 本緊急集会におきまして、内閣からすでに国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案、不正競争防止法の一部を改正する法律案、国立学校設置法の一部を改正する法律案がそれぞれ出て参りまして、当該常任委員会に付託する手続をとろうとしておるところでございます。 それから小笠原さんの発言の中にあつたと思いますが、重ねて申上げますが、内閣から緊急集会を求めて参つた文書の中に、期限等の定のある法律につき当該期限等を変更するための法律案というものがございます。従つてこれは、当然提出せられるであろうと存じますから、この際、この案の取扱いを考えて頂いたらいいと思いますが、仄聞いたしますに、その内容とせられるところは大蔵委員会、内閣委員会、人事委員会、通商産業委員会、法務委員会、地方行政委員会に跨ると思われます。今朝来の折衝の経緯によりまして、文部委員会にも跨るのではないかと思われた点につきましては、一応そういうことはないというふうに了承して申上げますれば、以上六委員会にかかるわけであります。それでいずれの常任委員会にかかるかということは決しがたいと思いますので、規則によりまして特別委員会を設置せられて、この特別委員会にかけられるのが至当ではないかと思いますが、この点についてお諮りを願いたいと思います。 若しそうでありますれば、特別委員会の人数、構成等につきましても、御相談を頂ければと思うわけであります。
○小笠原二三男君 只今議事部長から報告があつたので明らかになつたのですが、そこで今報告をかねて提案せられるような意図のあつた、期限等の定のある法律につき当該期限等を変更するための法律案に関する特別委員会を設置することを私も賛成いたします。 そうしてその内容としましては、委員の構成は、議院運営委員会の構成と同様のこととし、即ち二十五名といたしますが、会派の委員の割当もその通りとする中に、民主クラブの二名のうち一名を改進党に当て、改進党の一名を二名とするという点だけ議院運営委員会の構成と変る。そういうことにして頂いて、特別委員会を構成して頂きたいと思います。
○相馬助治君 只今の小笠原君の案は、理事会でも一応了解されておる点で、私はそれに同意いたします。
○委員長(寺尾豊君) 只今、小笠原君から発言のありましたように、特別委員会を設置することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺尾豊君) さよう決します。 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(寺尾豊君) 速記をつけて下さい。 緒方官房長官がお見えになりました。
○小笠原二三男君 この際今の段階では、緊急集会を求めた政府側の請求書にある法案が全部出揃つておりませんが、それによつて予想せられるところから考えますと、期限等の定めのある法律につき当該期限等を変更するための法律案という一本の案にして、十数件の法律の期限変更の案をお出しになられて来るという点について、この際他院の問題にも亘ることでありますから、政府の見解を、将来の問題を考えてお尋ねしておきたいと思うのです。 と申しますのは、仮に十数件の法案がありまして参議院のほうはそのうちの一部修正なり否決なり、そういうこともなし得る権限を持つて法案の審議に当ることはできますが、さて本院がそれを成立せしめて後、衆議院における承認を求める場合においては、衆議院側においては、その一本の法律案のうちのどこかの法律に対して承認しないという意思をお持ちになられても、その一部の法律を承認しないということの議決の手続は、期限等を変更するための法律の不承認という結果を予想しなければ、そういう決議をすることはできない。平たく申しますと、衆議院は、一つ一つの法律の内容について異議があつても、一本の法律になつておるために、その承認、不承認の審議権を拘束されるような形でこの法律案が出て来る。こういうことについては、他院のことではありますが、参議院のほうとしても、そういうものを衆議院のほうにお渡しするということは如何かという疑念を持つのであります。この点について衆議院の少くとも承認、不承認の審議権が、一部拘束されるような形になるのではないかという疑義について、これでもいいのだ。衆議院は衆議院で御自由な論議がなし得られ、結果も又そういうふうに出すことができるのだ。こういうことが明らかになるならば、私は満足するものであります。
○国務大臣(緒方竹虎君) 法のことに関する問題でございますから、法制局長官のほうから御答弁申上げます。
○政府委員(佐藤達夫君) 只今のお尋ね、御尤もだと思います。 もとより政府側として、国会がどういう措置をおとりになるか。どういう御解釈をおとりになるか。これは別ですが、これは我々普通の常識上から考えましたところの結論を申上げますと、今の御疑問は恐らく、こちらでお通しになつた後に、衆議院の同意を求めるために出した場合に、衆議院は一括してそれを呑むか呑まないかをきめなければならんという点、これが根本だろうと思います。その点につきましては我々の信じておりますところは、只今十幾つかの列挙してあります法案の期限を延長するという内容は、当然可分なものでありますから、衆議院がそれを御覧になりまして、仮に或るものはこれは延長に不同意だという態度をおきめになりますならば、その部分について一部不同意……。でありますから、一部不同意ということは可能でありますから、全部一括して可か否かをおきめにならなければならんというものではないというように考えております。従いまして衆議院のほうを拘束するという結果にならないというように考えております。
○小笠原二三男君 それは一般の通常の国会の場合においても、参議院においても、そういう措置がなし得られますか。
○政府委員(佐藤達夫君) これは普通の場合は、法律案の修正権の問題でございまして、修正なさることは当然自由なんでありますから、ただ同意ということが普通の修正の場合と違うものですから、今のお尋ねが出たのだろうと思います。
○小笠原二三男君 それならば、その場合においては、衆議院は一部不同意というものについては、この期限等を変更するための法律案から分離したりするということが可能であつて、その上で不同意ということをやるのでございますか。それとも一本の法律の中でありながら、一部不同意、一部同意というふうに採決をなし得ることは、手続上できますか。
○政府委員(佐藤達夫君) 私どもの考えから申しますと、例えばこの第一条の中の第一号に上つておるものは不同意であるとお考えになりますれば、第一条の第一号関係のものについては不同意である。その他については同意であるということを衆議院で御議決になりますと、そうしますと、その不同意という部分は、不同意とされた部分は、憲法の条項によつて、当然効力を失つてしまうことになりますから、その点は問題ないように考えております。
○小笠原二三男君 私は、政府側の見解だけ聞いたのではどうもしつくりしない。相当これは重要なことだろうと思いますので、参議院法制局長なり或いは事務当局なりで見解があるなら、この際お示し願いたい。
○参事(河野義克君) 只今法制局長もおられませんし、事務局といたしましても、その点について統一した見解を研究した結果を持合せておるという段階ではございませんので、御答弁は研究の結果申上げさして頂きたいと思いますが、議案形式としては、一つのものであり、且つ同意ということは、この場合のことは事後のことでございますので、一応案の内容自体というものは緊急集会で確定してしまう。その後にすでに確定して効力が発生しておるものについて、衆議院が同意するかしないかという判断に委ねられることで、それを可分のものとして判断し得るかどうかということにつきましては、一般の事後の同意ということの性質からは、疑義があるかと思います。但し、衆議院の同意権というものが、今小笠原さんの言われましたように、拘束されるべきものでないという考え方から立つて、その性質をどういうふうに解釈したらいいかということに、衆議院の同意権を、もう少し柔軟性を持たせるように解釈するということで、どこまで解釈し得るかということは問題であろうと思います。要するに考え方についての根拠と言いますか、こういう点が、こういう点から問題になるということは、この際、今申上げたようには申上げられると思いますが、それが確定的に事務局なり法制局においてどうであるという見解は、この際、差控えさして頂きたいと思います。
○小笠原二三男君 もう一点、更に官房長官にお尋ねしますが、官房長官の意見から、直ちに私、こういう類推が可能であるかどうかということを伺いたい。 一般の法律案について、参議院が一部修正をして衆議院に廻した。その場合に同意、不同意というときに、修正の部分については不同意、他のことについては同意である。こういうふうに同じ法律の内容について一部同意、一部不同意というふうにやることができるかどうか。その点を伺つておきたい。
○政府委員(佐藤達夫君) 私からお答え申上げますが、法律の場合は、参議院でも可決され、衆議院でも可決されて、そうして法律ができ上るわけであります。法律の審議権に関しましては、その場合、これから作り上げる法律についての御審議でありますからして、衆議院、参議院おのおの独自の御見解で御修正ができるわけであります。今度の場合は……。
○小笠原二三男君 いや緊急集会の場合……。
○政府委員(佐藤達夫君) じや、お尋ねは、こういうことですか。今度の場合に参議院で御修正になりますね。
○小笠原二三男君 一般の法案をですね……。
○政府委員(佐藤達夫君) その中の一部を御修正になるという場合に、今度は衆議院がその修正は好ましくないと考えた場合にどうするかというお尋ねであろうと思います。これはこの前十幾つかの法律を修正した場合と、今のような一体となつている法律の一部修正の場合とは、これは可分か、不可分かという問題がそこに出て来るわけです。さつきの期日延長の場合は、これは可分なんです。これは一々皆違う法律を謳つているわけでありますから、これについては今申上げたようにはつきり申上げることができると思います。不正競争防止のように一体となつておるものを、関連のある条項をそこでお直しになつたという場合には、必ずしもこれは可分なものとは言い切れないのじやないか。そうなつて来ると、一体としてこれが善し悪しを衆議院でおきめになるという場合のほうが、抽象的に申上げますけれども、多いのじやないかという気持がいたします。
○小笠原二三男君 そういうような、気持で出されることでは困るので、法制局長官としては客観的にやつて頂きたい。具体的に聞きますが、二カ所参議院が修正してやる。一カ所の修正には同意、一カ所の修正には不同意、こういうことがなし得られるかどうかということです。
○政府委員(佐藤達夫君) それでは今の例を不正競争防止法の例で申しますれば、そういうことは全体としておきめ願うほかはあるまいと考えます。
○小笠原二三男君 それで一方では、法律案の体裁として一号、二号、三号と出て来ているものだから、これは可分であるという根拠はどこにあるかをお示し願いたい。
○政府委員(佐藤達夫君) これは技術論といたしましては、今の一本ずつの法律にしてもできるものなんです。それを各条別に取まとめて各法律を列挙しただけでありますから、各条項別にこれは一つ一つ違う法律をいじつておるわけでありますから、その法律ことに、実質的には可分である。これは間違いのないところと考えております。
○小笠原二三男君 実質的に可分であるということは、衆議院において、その中の第何号かの法律案を分離するという手続が、形式上もとり得るということにおいて初めて可能ということになるのではございませんか。一本にしておいたままで一部不同意、他は同意と、こういう議決ということができるかどうかということなんです。 私は衆議院のほうでは、こうして緊急集会に形式的に一本の法律として出て来たものを衆議院としては法案を二つにも三つにも分離することを許されないと思うのです。そういうことは衆議院の同意、不同意の場合は許されないと思うのです。そういう形式的な分離のことが許されないで、実質的にだけそういう議決ができるかどうかということが、私問題とするところなんです。
○政府委員(佐藤達夫君) でございますから、実質的に十五法律の処理についての法案を御覧になりますというと、今の関税定率法とか或いは少年院法というように、おのおの別の法律を引いて、たまたまその施行期日が同じになつておりますから、便宜上一本の法律に、或いは一本の条文にまとめたわけでございまして、その実体は、一一の法律の手当をするという法律でございますから、実体はその分については可分であるというように考えております。
○相馬助治君 関連質問ですが、小笠原君の質問した二つのうちの不正取引のほうの問題についてはわかりましたが、あとの期日のほうの問題についての今の長官の説明を聞くと可分論が成り立つという、その精神を推し進めて行くならば、これは煩雑であつても各単独の法律案としてこの緊急集会にその議決を求めるべきものであつたと私は思うのです。それについて長官の説明をお聞きしたいと思います。
○政府委員(佐藤達夫君) 立法技術の問題としては、先ほども触れました通りに、今相馬さんお話のように一本一本で十何件のものにして御審議をお願いすることも、これは勿論可能であると思います。そういう例は過去においてもありますけれども、一方において今のように同一の、期限を一括して延長ずるというような観点から言いますと、その狙いは同じですから、その意味で一本にまとめる。例えばポツダム政令の処理であるとか、前にもそういう一括して処理されました例はたくさんございます。そういうわけでこれは狙いが同じであるから、一本にまとめて御審議を願いたい。そういうことなんです。
○相馬助治君 それは本院としては、この緊急集会の性質に鑑みて、今問題になつている法律案に対応して特別委員会をも作つて、積極的に、政府に結果的には協力するような態勢を整えているのである。 併し今小笠原君の質問に連関して明らかになつたところで、私ははつきり今度は官房長官にお聞きしておきたいことは、今言つたように単独の法律案を出すべきであつたけれども、こういう緊急集会という性質に鑑みて、悪例になるかも知れないけれども、特に便宜的に、内容の違うことはもう判然としておるけれども、なさんとする期日の延期ということが等しいからというだけで、議論から言うとおかしなことであるけれども、そういう同義的の類似点を中心として、便宜的に出したものである。こういうことをはつきりとお考えになつているかどうか。そうして又これについて、将来衆議院で小笠原君の予想するような紛争が起きた場合には、どういうふうに考えられるのか。その政治的責任はどういうことにお考えになつておるか。 この二点をお尋ねしておきたいと思います。
○国務大臣(緒方竹虎君) 施行期日を延期するということの類似点を中心に考えて一つの法案にしたことは、今仰せられた通りであります。将来紛糾の起つた場合、政府の提案しました態度、説明をはつきりしておいて……。政府としては紛糾が起らんだろうと考えてやつたのであります。そういう次第でございます。
○小笠原二三男君 只今の法制局長官の御意見は、政府側の解釈と私承わりますがこの解釈は、衆議院を拘束することができるかどうか、念のために伺つておきます。
○政府委員(佐藤達夫君) 国会は国会で独自のお立場をお持ちになつておりますからして、政府の一属僚の解釈はそんなところまで影響が行くものというような僭越な考えは持つておりませんけれども、普通の法律屋として考えまして私どもが申上げていることは正しいと信じておるわけであります。
○小笠原二三男君 この問題は、将来政府が或る種の意図を持つならば、あえて参議院には一括して法案を出して道連れにしたまま衆議院の承認を求めるという形でやつて、一部不同意ということを許さないという状態に追込むことから、法律の成立を期待するというふうに考えられる場合も起るであろうし、又時の新内閣、政府与党と野党との勢力の関係においては解釈にそれぞれ異同を来して紛糾するという事態も起るであろうと予想せられる。そういう点から考えるならば、こういう緊急集会の場合には、飽くまでもやはり疑義の残らんように、如何ようにでも自由な審議が衆議院においてもでき得るように、法の体裁を整えて提案なさるのが至当ではないだろうかという私は疑念を飽くまでも持つものであります。こういう点については、今そういうことにはならないであろうということでありましたから、この際これ以上私は追及しませんし、又衆議院の審議権を拘束するような事態に参議院はしたのではない。それは衆議院が如何ような解釈を将来なさろうとも、政府の見解が只今御発表になつたような見解で、政府としてもこれで不都合がないとして出して来たものだというふうに、まあ我々としては確認しておいて、これ以上追及はいたしませんが、将来は、私はそういう体裁を慎重に考えるべきではないだろうかという点だけは申上げておきたいと思います。
○相馬助治君 今朝ほどの議運で一致した見解が生じたので、その見解を持つて、議長が先ほど政府に申入れをいたしました。結果的には、政府が我々の意思を諒として措置されるやに承つておりまするので、最終的な政府の見解は、私はわかつております。 併し議長の報告されたその報告の中に、未だ政府が法律案を正式に提出しない段階で参議院の申入れを受けるということについては、一部疑義があるのではないかという意味合いのお話があつたということが、議長から報告されたのであります。私らは重ねて議長にまで副総理の意図が奈辺にあるかを尋ねたのでありますが、それに対して議長の見解もそれに付せられて述べられたのですが、私は副総理にお尋ねしておきたいのは、あのような解散が行われ、そうして緊急集会が求められる段階において、法の不備を以て昨日、一昨日等も、成規の議運を開くこともできなかつたし、議運の打合せを開いて成規と同じ立場を以てあなたの出席を求めて、我々法律案を聞いた、従つてここで我々は議長並びに政府に協力する。野党側も何とかしてうまく運びたいというので、あのような意見になつたのであります。従つてこれが一つの先例をなすというような意図を副総理はお持ちであるか。お持ちならば、問題は極めて重要なので、私はこの際、一言副総理の見解を承わりたいと思います。
○国務大臣(緒方竹虎君) 議長からどういう御報告があつたか知りませんが、私は今相馬君の言われたような点について非常に言葉を注意したつもりで、速記録がありませんけれども、疑義があるということは申しておりません。先例になるということだけでございます。
○相馬助治君 大体その精神であろうということは、議長のお話でもわかつていたのですが、本院と政府とがかかることで摩擦を起すのは、それこそ将来悪例を残すと思うので、念を入れておいたので、了解いたします。
○委員長(寺尾豊君) なおこの際、小委員会を開くことができないという規定になつておりますので、続いて本会議を開くということについてお諮りをいたします。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺尾豊君) 御異議ないと認めます。 暫時休憩いたします。 午後零時十五分休憩 〔休憩後開会に至らなかつた〕