運輸委員会 第19号
- 発言数
- 51 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1952/12/24
会議録
○委員長(小泉秀吉君) それではこれから運輸委員会を開会いたします。公共企業体等労働関係法第十六条の規定に基き国会の議決を求むる件を議題といたします。
○植竹春彦君 本案はこれまで十分に質疑応答がありましたので、これを以て質疑の打切りをして、直ちに討論に入る動議を提出いたします。
○高田寛君 植竹委員の動議に賛成いたします。
○委員長(小泉秀吉君) 植竹委員の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小泉秀吉君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入りますので、御意見のおありのかたはお述べを願います。
○岡田信次君 私は只今議題となつておりまする公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件につきまして衆議院の議決通りの本文といたしたい。即ち、 本件は公共企業体等仲裁委員会裁定中第一項は昭和二十七年十一月以降実施するものとしてこれを承認する。これに次の附帯決議案をつけたいのであります。 附帯決議案 一、公共企業体等労働関係法の精神に鑑み、政府は将来における裁定の取扱についてはこれを完全に実施する方針を以つて各般の措置を講ずべきである。 二、裁定につき国会の承認を求むる場合は、予算上又は資金上不可能なる部分に限定すべきである。以上の附帯決議付きで、この裁定問題の議決といたしたいと思います。
○中村正雄君 私は議題になつておりまする議決の内容といたしまして次の議決を提案いたします。 公共企業体等仲裁委員会裁定(昭和二十七年八月十三日仲裁裁定第八号)は、これを承認する。 附帯事項 一、裁定事項第二項及第三項については、団体交渉の結果予算上不足する場合は、政府は直ちに予算の再補正を行うこと。 二、裁定第四項については、一・二カ月を基準として予算措置を講ずること。 以上を議決の内容といたしたいと提案いたします。説明いたしますると、今までの質疑等から大体この議論が出尽しておると思うわけでありますが、もともと公共企業体等労働関係法という法律ができ、中に仲裁委員会制度を設けましたゆえんのものは、国鉄従事員と国鉄当局との労働条件その他の労働紛争に関しましては、団体交渉によつて解決がつかない場合には仲裁委員会という制度を設け、この仲裁委員会の裁定は、同法第三十五条によりまして両当事者を最終的に拘束する。これが仲裁委員会制度の根本なあり方でなければならないわけであります。ただ国鉄従事員の賃金というものは現在予算に組まれておりまして、予算制度の適用を受けます関係上、出されました裁定を実施するためには予算がなければなりません。従つて出されました裁定が既定予算の枠において実現できない場合は、政府は裁定を実現するための新たなる予算を作成いたしまして、予算は国会の権限でありますので、国会に提案してこれの承認を求める、これが同法第十六条の本来の趣旨でなければなりません。従つて国会におきまする裁定に対しまする審議権というものは、裁定全部が国会の審議の対象になるのではなくして、裁定のうちで予算上履行不可能な部分、而もその不可能な部分を如何にして予算を組むかという財政的な措置についてのみ国会は権限があるのであつて、裁定全体を国会が審議するというような運営のあり方は、今の内閣が第一回の裁定以来とつていた態度でありますけれども、これは公労法の精神にもとることは明らかであります。従つて我々は公労法の精神、仲裁委員会制度の本来の趣旨から考えまして、この裁定は当然履行すべきものであり、それに要しまする予算というものを政府が組んで国会に提案すべきものであると考えて、以上の決議を提案いたします。
○委員長(小泉秀吉君) ほかに御発言ありませんか。
○前之園喜一郎君 私は岡田委員と同僚の趣旨において附帯決議をつけるということで賛成するものであります。 附帯決議の第二項については、これは私どもも第一回の裁定を国会に出されたときから申上げているのでありますが、やはり誤まつた議案の提案もしておられる。これは十六条をよくお読みになればわかると思う。若しこれが理解できなければ、これは全く政府が無能である。これを理解して出すならば国会を侮辱するも甚だしいものと言わなければならない。あえて財政に関する裁定全部を国会に任せるというような出し方、これは全然なつていない。少し法律をやつた者ならばこのくらいのものはわからなければならないはずのものであります。それを平然としてやつている。第十六条の第二項で予算上又は資金上不可能なものについて国会の承認を求めなければならない。そういうようにわかつておりながら、国会に誤まれる提案をせられるという態度は、将来厳として改めて頂きたいのであります。この法案の出し方並びに衆議院の決議においても非常に誤まつた点が多い。併し今回は止むを得ず私どもは附帯決議をつけて賛成いたしまするが、将来は一つこういうことのないように、十分に御研究を切に希望いたします。以上であります。
○内村清次君 私は只今議題になつておりまする公労法第十六条の二項に対する決議に対しまして、岡田委員から提出をせられました全部及び附帯決議に反対をいたしまして、只今中村委員から提出をせられました附帯決議を伴うたこの問題に対する議決に対しまして賛成をするものであります。 今回の国会承認にこの裁定が持込まれましたことは、すでに委員会といたしましてはこれは第三回目でございます。この国鉄が公共企業体に移行いたしましてから、経営内におきまする最もこの企業の生産的な、或いは社会的な業務に携わつておりまする従事員一同が結成をいたしておりまするこの労働組合の労働条件及び給与の問題に対しまするところの紛争については、関係法律を以ちましていわゆる調停制度、仲裁制度の確立がなされて、平和的に而も最大の努力を当事者は傾倒して、この紛争を平和のうちに解決をするということが主眼になつていることは申すまでもないことでございまするが、この精神が占領治下におきましての国会のあり方においてさえも、従来の委員会におきましては政府が、これを、法を蹂躙するような態度に出ました際においても、参議院は厳然としてこれを守り通して来たのであります。然るにこの第三次の裁定に対しまして、残念ながら両立いたしましたこの議決のなされようとする段階におきまして、誠に私は参議院の権威の上からいたしましても、又本当に遵法精神を徹しまして、衆議院の行き過ぎや、或いは又足らざるところを補うという参議院制度の根本的な理由からいたしましても、遺憾に堪えないところでございます。問題は、国鉄企業になりました国鉄の財政の問題でありまして、若しこのまま看過いたしておりましたならば、これは如何にこの公労法の平和的な紛争の解決の精神、これがなされようといたしましても、十六条によりまして、その政府の、特に又現内閣の性格からいたしましても、又これを守る与党の立場からいたしましても、この精神というものは、直ちに不承認の承認を求める結果となつて来ることは、これは当然なことでありましよう。その欠陥は今回の政府が、又第三度目の法律蹂躙の態度を以て来ましたような態度で、而も法的には如何にも功妙な方法を以ちまして、これを蹂躙するような態度に持つて来ることは当然でございます。その法的に巧妙な精神と申しますることは、即ち先ず日本の経済情勢からいたしまして、今の情勢といたしましてはこれは当然物価の漸騰向上ということは当然でございまして、こういうような当然なる政策をとつておりまする自由党内閣における日本の経済からいたしますと、やはり給与の問題は、これは漸増的な解決をいたさなくてはならないことも必至の状態でございます。こうなつて来ました際において、すでに予算総則におきまして、給与の総額というものが決定をしている、決定をいたしておりますから、如何に仲裁裁定が下りましても、その給与の総額の全体を、これをこの予算総則の給与の全額と比べて見ましたならば、不足することは当然でございます。いわゆる予算総則の改正ということ、或いは又予算総則の中に含まれておりまするところの給与額の増額という問題によつて仲裁裁定に対する態度が決定されることが、これはもう畢竟でございます。決して国鉄の経営者自体の、自主的な財政の振向けによつてこれを解決しようというようなことは、現在の公企業からいたしましては、到底これを打ち破ることはできないのです。そういうようなことに追い込みまして、そうして常に国会の不承認の承認を求める件として出て参ります。同時に又一方におきましては、これは運賃値上によつて給与の問題と引比べて、必ず運賃値上によつて現われて来ますすべての問題は、従業員に対しましては一つの給与額の問題を法律で絞り、又一方大衆に対しましては運賃値上げ、これに並行した運賃の値上げとして出して来ることは、もう当然でございまして、こういうようなことを何回も何回も繰返しておりましたならば、これは国鉄の企業内容におけるところの労働関係の正常な慣行の打立てということはできないのでありまして、延いては年末におけるところのあのような事態が起つて来る。又常に一年間を通じまして或いは又そういう裁定が下りますのを通じまして、従業員は暗い気持でこの労働に服しなくてはならない、一方におきましては部内的規定によりまして、そうして違反事項は直ちにとり上げて厳罰に処するというような、即ち一方においては規律において鞭を以て臨んでおる、一方においては再生産的な、即ち給与の問題につきましてはそういうような法的な問題でくびつてしまつておる。こういうようなことでどうして国鉄の企業というものが繁栄して行きましようか。私はこの根本的な問題を抜本的に解決せずして、この問題を論ずることはできないと思う。而も私は昨日、従業員のうちで休職になられた人、その大半がいわゆる鉄道の特症病、或いは肺結核或いは又はそれに類するような、非常にその職務柄生ずるところの病気のために休職の処置をされておる人たちに対しましては、年末には一様に新年を迎える温かい気持からして、そうして休職者に対するところの年末手当の支給ができるというような法律に対しましても、私は或る程度の異論のあるかたがたを見受けたのでございまするが、そういうようなことが、たとえこれが支給ができないというところがあるならば、なぜ支給の問題を解決してやらないか。同時に又そういうような、即ち不平等な環境にあるかたがたはなお健康で働いておるところの人たちを、本当に何と申しまするか、羨むと申しまするか、そういうようなことで病床におる人でございまするからして、そういう人たちに対しましても、やはり一様に考えてやらなくてはならないにかかわらずこの労働慣行というものが、法律によつて、或いは規則の鞭によつてなされておるというような労働の仕方は、これは速かに払拭しなくてはならないと私は考えるのであります。この仲裁裁定が私は国会の議決というようなことにおきまして、而も又今回は異なつた対立した議決によつて措置せられますることは、独立後の日本の形態といたしましては誠に遺憾に存じます。同時に私はこの解決のために、恐らく正常な労働慣行というものが、なお且つ残されておる問題であるということを考えますると同時に、国鉄のその企業の責任に当つておる人が、この議決で果してこの企業内の繁栄というものがなされて行くかどうかという点に対しても、私たちは疑います。同時に私は一言申しておきまするが、これはなぜこの裁定が下されましたときにおいて、長崎総裁は、裁定は神聖なものである、最終判決である、これは自分は従いますと、こう言いながら、この国会の採決に臨むに当りまして、又その間の状態におきまして、なぜこの法的な不合理な問題、国鉄のこの財政の自主権の確立の問題あたりを、どうして身を以て改革をするというような熱情を持つて行かれないのであるか、私はこの点がどうも不可解であります。同時に又これを総裁をとり巻くところのかたがたが、やはり誰か一人はこの国鉄の今の不自由な財政の問題を、政府に対して本当に国鉄を守る立場から強い熱意を持つて訴えて行くような人たちが、職を賭してでも訴えて行くような人たちがないことを、私は本当に遺憾に思います。私はこういうような態度ではただ企業体になつたばかりであつて、あとは規定によつて、即ち働く者に鞭を以て臨んで行く、給与の問題については、これは国会に責任を転嫁して、そうして政府に迎合して行くというような態度であるといたしましたならば、決してこの労働問題というものは解決をしない。而もこの労働問題から発生するところの社会的な、即ち公共性に対する奉仕の点につきましても、私たちは不十分な点が次々と現われて来るということを私はここに予断をいたしておきます。こういうような決議に対しまして最後に参議院の権威のために守り続けようとして来ましたところのこの委員会が、而も昨日までは同じ協調の態度で参りまして、そうして深甚な心配をして、その一致的な意見を発表いたして来ました人たちが、今日の状態に至つて裁定を限定支給するというような今回の決定をなされようとするその態度に対しましては、私たちはこれは今後の問題といたしまして、これを広く私は大衆に訴え、広く又これをお互の、即ち志を同じうする者と共に、本当に法律を守る姿がどこにあるかということを訴えて行ぎたいと考えまして、只今申しましたように、中村君の提出されましたこの裁定に対する決議に賛成をするものであります。
○高田寛君 私は岡田委員の提出されました案に賛成するものであります。この公共企業体の仲裁委員会の裁定というものは、勿論これをも十分に尊重すべきものと思うのでありますが、その後各般の情勢を勘案いたしまして、まあこのたびは衆議院の議決通りこちらとしても議決することが適当と考えますので、岡田委員の提案に賛成するものであります。なお、岡田委員の提出された附帯決議につきましても私は賛成いたすものであります。
○深川榮左エ門君 私は公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求める件につきまして、衆議院より送付した案に反対を表明いたします。なお、岡田委員の附帯決議に対しても反対でございます。なお、仲裁裁定というものは、これは裁定を下されたならば、労使双方に均等に実施すべき必要があり、その義務があろうと私は考えます。私は中村委員の提案になりました附帯決議を含んでこれに賛成するものであります。
○鈴木清一君 私は今議題になつておりまする公共企業体等労働関係法に基く国会の承認に対しまして、衆議院送付案に対しまして反対をいたします。なお、これに対してされました岡田君提出の附帯決議に対しましても反対せざるを得ないのであります。それは今回まで三回の裁定に亘りまして、参議院では全会一致の院議を以てこの附帯決議の趣旨はすでに決議として前の裁定に対しましても出しておるのであります。従つて、そういう点から考えまするときに、将来という字句でなく現在という字句を使つての御希望ならば又考慮の余地はあるのでありまするけれども、将来という字句を使つての附帯決議は、今申上げましたように今までたびたびなされておるけれども、その実効は何ら現われておらん。従つてこの附帯決議の実効が後日を約束するということは、到底私どもに考えられませんので、附帯決議といたしましては、今日の問題の解決の意味も含めた中村君提出の附帯決議に賛成するわけであります。ただ縷々各委員からも申されましたように、この裁定の権威に関しまして、私は後日のために十分考えて頂きたいと思う点を一、二指摘したいと思います。例えば日本の企業体の数ある中で四十万人も有しまする企業体の中で、その労働慣行に対しまして、労働者の労働価値に対する責任ある裏付けを主務者であるところの権威者がすることのでき得ないという悲劇的な条件を持つ企業体というものは、恐らく日本にはないし、世界にもないと思うのであります。この悲劇を解決する意味においての仲裁裁定というものは、それだけに又権威がなくてはならん。従つて公労法三十五条によりましては、この権威を付けるために、はつきり両当事者に対しまして、最終的な責任拘束を与えているのであります。それにもかかわらず、たまたま資金上不可能の部分という点を取上げまして、十六条によつて国会の承認を求めるような形になつておりまする点は、勿論法の不備であるとともに、権威ないものであるということさえ言わなければならないと思うのであります。そういう意味におきましても、十六条の規定に従いまして、政府が若し国会に承認を求めるのだとするなれば、その本質はどこまでも編成権のない国会に、編成の処置まで含めて承認を求めるがごとき態度に対しては反駁せざるを得ない。予算編成の責任は政府にしかないはずでございます。従つてこの十六条によつて予算上資金上不可能なる部分の承認を国会に政府が求めるとするなれば、先ず編成してその承認を求めるよう法の解釈をすべきでありますのにかかわらず、あえてここに少しく字句に、何と言いますか、はつきりした統一された精神がないがために、それを利用いたしまして、今までの三回に亘りまするところの裁定処置に対しましても、政府は何ら予算的処置を講ぜずに、ただ行きなり国会にその処置を求めて来ておるようなのであります。従つて私は将来において十六条二項の改正ということも考慮に入れまして、今回の措置につきましてもその意味におきまして、政府の態度に対しては不満を持つと同時に、衆議院から送付されました案件に対しましても、そのまま賛成するわけには行きません。むしろ原則的に反対であり、裁定の今回の処置に対しては完全実施を要求しない限り、どこまでも反対であるという基本的な立場にありますが、なお加えまして中村君の附帯決議におきましては、十分この点を含んでの決議でありまするので、中村君提案の附帯決議に賛成の意を表するわけであります。
○委員長(小泉秀吉君) 速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(小泉秀吉君) それでは速記を始めて。 ほかに御発言はございませんか。御発言がなければ討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小泉秀吉君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。 先ず討論中にありました中村委員の提案、即ち 公共企業体等仲裁委員会裁定(昭和二十七年八月十三日仲裁裁定第八号)はこれを承認する。 附帯事項 一、裁定事項第二項及び第三項については団体交渉の結果予算上不足する場合は政府は直ちに予算の再補正を行うこと。 二、裁定第四項については一・二カ月を基準として予算措置を講ずること。 とありますが、右提案に賛成のおかたの挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(小泉秀吉君) 少数と認めます。よつて中村君の提案は否決されました。 更に岡田君から衆議院送付の本文通りを本文とし、次の附帯決議をつけて本案に賛成する旨の討論がありましたが、岡田君の衆議院送付の本文通りを本文とし、 附帯決議 一、公共企業体等労働関係法の精神に鑑み、政府は将来における裁定の取扱については、これを完全に実施する方針を以つて、各般の措置を講ずべきである。 二、裁定につき国会の承認を求むる場合は、予算上文は資金上不可能なる部分に限定すべきである。 を以て採決に附します。この岡田君の提案に御賛成のかたの挙手を求めます。 〔賛成者挙手〕
○委員長(小泉秀吉君) 多数と認めます。よつて本案は附帯決議を附することに決定いたしました。なお本会議における委員長の報告の内容等につきましては委員長に御一任を願いたいと存じますが御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小泉秀吉君) 御異議ないと認めます。例によりまして多数意見者の御署名を順次お願いいたします。 多数意見者署名 岡田 信次 高田 寛 植竹 春彦 入交 太藏 仁田 竹一 一松 政二 高木 正夫 小野 哲 前之園喜一郎 —————————————
○委員長(小泉秀吉君) ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(小泉秀吉君) 速記を始めて。
○小酒井義男君 私は本案が多数によつて可決をされましたので、これに関連して一つ要望したいことがあるのです。国鉄総裁に私はこの審議の過程においてもう一度要望をしたことがありますが、過日の一齊賜暇をとつたことに対する責任者の追及の問題です。聞くところによりますと、衆議院の労働委員会では、これに対する処置について総裁に対して何らかの意思表示がされたかのようにも聞いております。元来ああいうことが行われる原因というのは、政府が裁定の完全実施をしない、公共企業体労働関係法を完全にこれを守らないという原因に発して、ああした止むを得ざる私は組合が行動に出たというふうに考えるのであります。それでその原因が現在のような状態で結論を得るような状態になつた際に、更にその責任を今後追及するというようなことはないとは思つておりますけれども、私は念のために総裁に申上げて、そうして今後ここで一応結論のついた問題を更に今後に持越して、労使間におけるところの紛争を再び捲き起すというようなことの全然ないようにしてもらいたいということを私は要望をしておきたいと思うのです。
○中村正雄君 済んだら一応懇談にして、今後の運営を打合せたらどうです。
○委員長(小泉秀吉君) それではこれを以て本裁定の件は終了いたしましたから、休憩にして御懇談を願つたらどうでしよう。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小泉秀吉君) それでは暫時休憩いたします。 午後一時六分休憩 ————————————— 午後三時二十一分開会
○高田寛君 それではこれより運輸委員会を再開いたします。御質問のあるかたはどうぞ御質問願います。
○小酒井義男君 いよいよ時間も差迫つておりますようなので、私は端的に一つ当面する運輸行政の問題について大臣の御所見をお尋ねしておきたいと思います。 一つはすでに御承知のように、地方におけるところの中小私鉄において、その路線の廃止が問題にされるような情勢が一部にあります。例を申上げますと、草軽鉄道とか或いは九州の大沼鉄道というようなものがある。地方住民の利便のためには、政府は新らしく戦後の鉄道の建設をもやられるような実情にあるのに、一方においては既設の鉄道が、廃止か存続かというような非常に大きな問題が出て来ている。こういう現状において経営が非常に行き詰つている。併し地方の交通機関としては、これに代るべき交通機関がないというような民営鉄道に対して、これを助成する必要が生まれて来るのではないかと思うのですが、大臣、これらの問題についてどのような対策をお考えになつているかどうか、お尋ねしてみたいと思います。
○国務大臣(石井光次郎君) これは誠にどうも気の毒だと申しますか、うまく行かないけれども、是非そこらに代るものもないというような草軽鉄道のお話でありましたが、それも私は聞いた一つの問題であります。もう会社はやめたほうがいいという、併し住民としてはなかなかこれはやめてもらつては困る。バスに変えたらどうかというと、それもなかなか実情からできない。これはいろいろできるにはできるだけの理由があつたはずでありますし、現在いけないからといつて、そうどうもお前の考えが悪かつたからだというようなことで放つたらかすわけにも行かんような問題がいろいろあるようでございます。こういう問題につきましてどういうふうな処置をするか、或いは金融上の問題で凌げるものであるならば口をきいてやつたりなど、実際の援助をするというようなこと等も考えて、又実際にそうやつていた例もあるのであります。これは各場合々々によつて条件が悉く違うように思います。併し大体の流れとして経営上困る、それをどうするかという問題で、これには何とか一つただ援助してうまく経営の立つようにという助成措置だけではいかんものがありはせんかと、それも基礎になる何か法案がなくてはならんということも考えて、目下いろいろ研究をいたしております。併しまだ実際上に補助を出すとか、或いは又借金をしたのを利子補給をしてやるとかいうような具体的な問題になりますと、なかなか特別な助成措置がむずかしい問題が出て参りますので、まだはつきりしたものを持たないで、何とかしなくちやならないと思つて今研究を続けている状態であります。
○小酒井義男君 この問題については我々もずつと以前から、私鉄助成の方法を何らか研究をせられておるというようなことを聞いておりますが、一般公共事業、特に陸運、海運等の公共事業と比較をした場合に、私鉄に対する助成策というものは非常に遅れているという印象を受けるわけです。こういう点について研究中といつておられますが、現在すでに存廃が問題になつているような例があるわけであります。従つて研究じやなしに、すでにこれをどうするかという問題が目前に迫つているわけなんでありますが、これらの問題のある住民なり、或いはそれらの企業に働いている従業員に非常に不安が差迫つている。早急にこれらの問題のやはり対策を立てて頂く必要があると思うのです。
○国務大臣(石井光次郎君) さつき名前が出ましたから草軽鉄道などにつきましても地元の関係の代議士諸君がいろいろな案を立てて、それを今頻りに相談して頂いているのであります。又その声を聞いて運輸省そのものもお手伝いをして、何とか難局を切り抜けさせたいというのでやつていたものもあるのでありますが、なかなかうまい工合に話が進まずにおります。併し誠に、地元の住民という立場にある人たちが非常に困つておられることもよく聞くのであります。私もこの問題は何とか我々の力でできないものか、どんな方法があるか、打開策はないかということを、先ほどもその話をしておりました。今度新らしく出られました代議士の諸君で、前から関係しておつたかたが大分今度変られた御関係で、地元の新らしい代議士諸君が頻りにその間を奔走されておりまして、そのうちに案を持つて伺うというような話をしておられたのでありますが、そういうことの御相談に乗つて差迫つた問題はやつて行きたいと思つております。
○小酒井義男君 この問題については、大臣の説明にあるような動きがあれば、それを一つ実現化するように御努力をお願いしたいということをお願いしておきます。次に、新線建設が国の必要によつて行われることは私は当然だと思いますが、それがために若し既設の、認可を受けて経営しておるところの民営鉄道が、経営困難というような状態に立ち至つた場合に、これを救済する方途というものが現在果してあるのかどうか、これは例を申上げますと、福井県から例の大野のほうへ行つておりますところの京福鉄道の路線に並行して、今度の新線建設に越美北線、即ち福井から旭のほうに行く路線があるわけであります。あれができると、やはりその既設の民営鉄道は相当の経営上の痛手を受けるというようなことになると思うのですが、それが経営の内部で打開し得る限度であれば、これはやはり公衆の利便の上から止むを得ないと思うのです。併しその経営が全然成り立たないというような打撃が起るというようなことになれば、これに対して監督をしておる省としてこれをどうするかという救済の方法は、やはり考えられなければならないのじやないかと考えるわけであります。こういう問題について新線建設と、そうして既設の民営に与えるところの関連性について、運輸大臣としては民営鉄道は経営できなてなつても、これは止むを得んのだというようなお考えで、これらの施策をお進めになる方針かどうか、その点について一つお答え願いたい。
○国務大臣(石井光次郎君) 国鉄の新線が私鉄に並行し或いは近接したために、私鉄が事業の経営が困難になるというような場合と、そういうようなことを考えまして、まあ御承知のように地方鉄道法に規定は一応あるのでありよすが、非常にこの規定が古い規定だそうでありまして、実情に副わないので果して規定通りやつても、実際にその権益保障になるかどうかというとなかなか規定上疑問があります。私もちよつとその規定を見ましたけれども、どうも余りはつきりしないものがあるようです。現実としては今お話のありましたような線がまだかかつてもないのでありますから、特別にどうという問題を私も聞いてないのでありますけれども、そういう国鉄のために私鉄に損傷が起つた場合には、前から現在ある地方鉄道法の規定にもそういうことが謳つてあるのでありますから、その精神を活かしまして何とか途を講ずる、これは規定そのものも考える必要があるのじやないか、そういうふうに考えます。
○小酒井義男君 そうしますと、そういう場合には救済の方法を講ずることを、政府としてもお考えになつているというふうに了解してよろしゆうございますか。
○国務大臣(石井光次郎君) 実際上に起りましたら何とか考えなくちやならんじやないかと思つております。
○小酒井義男君 それでは委員長、まだ二、三ありますけれども、当面する問題だけ一つお尋ねしておきたいので、次に自動車関係について一、二問だけ御質問をしたいと思います。 最近自動車事業の免許制を廃止するというような動きが顕著になつておるということを聞いております。もうこの一年ほど前にいろいろ関係の法律を整備して、そうして自動車事業の運営を図つて行こうということが軌道に乗るか乗らないかに、又その免許制を廃止するというようなことがされるのではないかということを伝えられているのでありますが、そういうことになると、自動車行政の混乱を私は免かれることができんのじやないかという疑念を持つわけなんです。運輸省としては免許制の撤廃をするというような御方針がきまつたのかどうか、この点についてお尋ねしておきたい。
○国務大臣(石井光次郎君) 免許制を全面的に廃止するという考えは持つておりません。ただ併し今やつておりまする行きかたが非常に不自由、不便を一般に与えて、まあ免許は時がかかりましたり、非常に手数が複雑であつたりするような点が非難の大きな因になつておると思います。それで私どもとしてはどうしても輸送の安全性等を考えますると、免許制は維持すべきものであり、ただ実際上の問題として、その免許の条件を緩和できるものは緩和して、そうして成るべく迅速に、余り出願者に迷惑をかけないで、いいものはどんどん許して行くというようなことにしたらということで考えております。詳細は自動車局長から申上げます。
○政府委員(中村豊君) 只今大臣から答弁申上げた通りの趣旨でございますが、どうしても自動車運送事業は公共事業として極めて重要なものでありまして、旅客、貨物の利益を保護し、又事業の安定を図つて、交通界全体の秩序を維持するために存続して行くべきものだと存ずるのであります。ただ運用に当りましていろいろと不満を漏らされる方もいろいろありますし、実際に当つては必ずしも法律の精神が十二分に生きているとも思われませんので、それらの点については十分に注意して、運用の適正について努力いたしたいと思つております。
○小酒井義男君 次に、自動車局長が当面の関係が一番あると思いますが、最近自動車の車輌が非常に増加して参つている。そのために陸運事務所のほうの事業量が非常に殖えて来て、そうして事務の進行に非常に困難を来しておるということを聞くわけです。事実自動車の車輌数は最近激増しつつありますが、こういう実情に即して、その事業量に適当な定員というものの再検討を要する時期に私は来ているんではないかと思うんですが、これらのことについて局長は何か御検討を進めておられますかどうか。
○政府委員(中村豊君) 御承知の通り、自動車が非常に殖えまして、そのために第一線の現場事務をやつている陸運事務所の仕事は非常に複雑になり、又繁忙を極めて来たので、何とかこの定員を合理化したいと努力しております。併し度重なる一般官吏の減員、それから物調法関係の定員の減少というものの煽りを受けまして、むしろこの二、三年は陸運事務所の定員は減少する一方であつたわけであります。そこでこのような傾向から見ると今後もますます減らされるのではないかという心配を現地の人は恐らく持つていると思うのでありますが、それは今のように、物調法の関係とか、一般行政整理の関係の影響もありましたので、今後はこのような面からも減員は一切いたさないように持つて行きたいと思つております。のみならず現在員でもなお且つ不足であることは私たち率直に認めておりますので、何とか実際に応じたような人間を配置いたしたいと思つて、来年度の予算につきましても目下大蔵当局とこれは折衝中でございます。そのような予算による増員のほかに内部における配置転換ということで重点的な定員の再配分ということも実は考えていたのでありまして、先般各全国の陸運事務所の繁閑の模様に応じて再配置を完了いたしました。併しこれは内部の限られた枠での再配置でありますから完全なことはできませんし、必要なところに相当人数をやろうとするとほかのほうをいためることになつて、言わば共食いになりますので、全体的に全体の定員の増加ということで是非とも来年度の予算にはそれを盛つて頂きたいと努力いたしておるわけでございます。
○高田寛君 ちよつと速記を止めて。 〔速記中止〕
○高田寛君 速記を始めて、暫く休憩いたします。 午後三時四十分休憩 ————————————— 午後四時二十三分開会
○委員長(小泉秀吉君) 休憩前に引続き委員会を再開いたします。
○小酒井義男君 自動車局長のほうから方針は御説明願つたので、私は大体それで了承いたしますが、語弊があると悪いので申上げておきますけれども、私は別に無制限に人を殖やせという趣旨で御質問しているのではない。事務量が非常に殖えたということで、病人の率なんかもほかの職場と比べると非常に多いようです。ですからこういうものを一つ妥当な事務量に是正する、地ならしするという意味で御検討が願いたい、そうして来年度の予算の折衝に当つても実情を十分組み入れたところの折衝を一つ進めて頂きたいということを要望いたしまして私の質問を終ることにいたします。
○政府委員(中村豊君) 只今のお話誠によくわかることでございまして、私たちもただ徒らに多くの人間を擁して無駄をしようという意思はございません。実情が非常に気の毒な状態にありますので、その点は十分認識しておりますから、本当に妥当な増員ということをできるだけ実現いたしたいと、かように考えております。
○委員長(小泉秀吉君) ちよつと速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(小泉秀吉君) それでは速記を始めて下さい。
○前之園喜一郎君 前から質問を保留いたしてありまする昭和二十七年度補正予算に関連いたしまする新線建設の問題でありますが、この問題は詳しくいろいろと論議することはやめましよう。いろいろと論議するとあなたはお困りになるばかりだと思う。で、結論だけ一つはつきりして頂いて、これは地方では非常に問題にしておるので総裁の御決意を承わつておかないと困るのです。二十八年度の予算もすでにそれぞれ御研究になり、又数字的にも或る程度進んでおるのではないかと考えておるわけでありますが、いずれにしてもこれは政府資金の繰入れなりその他の方法が講ぜられなければ、今の国鉄の財政ではやれないということはよくわかります。ですから結局政府資金の繰入れ等についてどのくらいの額を確保できるということのお見込があるのか。その額によつて残された六線が二十八年度の当初予算に上つて来るかどうかということになるだろうと思うのであります。一つ今度はしつかりとやつて頂いて、残りの六線を是非入れて頂く、それについて只今の額においてどの程度まで進んでおるのか。又お見通しはどうかということをお尋ねいたします。
○説明員(長崎惣之助君) お話の新線建設の問題、これは私が総裁になりましてから、もう二度に亘つて建設審議会も開かれ、その結果として前之園委員御承知のような線がいたされまして、それを一部は二十七年の本予算にも組込まれ、残余の部分は二十七年度の補正予算を以てやれ、着手せよという御決議があつたわけでありますが、残念ながら補正予算では御承知のような極めて少額の追加しかなかつたのでありまして、一部遺憾ながら着手できないということは、私はこれはもう前々からの前之園委員の御質疑等から考えまして、又これを承わらなくても、その関係地方のかたがたといたされましては非常な遺憾を感じたであろうということは、痛切によくわかるわけであります。今回におきましても残りの部分は仕方がないから二十八年度の予算で以て着手せよと、こういう御決議もできておるわけでありまするから、従いまして、資金その他の面につきましても、政府として必ずや私は十分な考慮を払うものと信じております。ただ二十八年度の予算の編成の進行状況はまだ明確になつておりません。何か一応は出してありますが、これに対する査定もございませんし、折衝もまだ実は始めておりません。どこまで行きますかわかりませんが、私としましてはそういう建設審議会の御決議の次第もあり、又熱烈な地方のかたがたの御要望を感じておりますから、この実現方については格別なる努力を払いたいと思つております。そうして一日も早く皆さんの御満足を得たい、かように考えておる次第であります。
○前之園喜一郎君 参議院の予算委員会において大蔵大臣がこの問題に答えて、国としても財政的な措置をとるつもりであるというような答弁をしておるようであります。政府のほうにおかれてもこれは当然そういう部面に相当に力を入れられることと思いますが、何といつても当面の責任者であられる総裁の御熱意並びに運輸大臣等のお働きによつて決定した面が多かろうと思うのであります。総裁のお気持はよくわかりまするが、どうか一つこの上ともこの問題が二十八年度の予算に確実に実現がされまするようにお働きを願いたいと思います。御承知の通り私どものほうの線は二線あるわけでありますが、山川、枕崎の線はすでに三十数年運動を続けておりまして、十二線建設するという……その十二線のうちに入つておる。ところが、当時十線だけやつて、あと残された二線の中に入つてしまつて、その後到頭今日までやれないという状況であります。そういうことで今回もこのように残つておるわけでありますが、前と同じような目になるのじやないかということを非常にいぶかつておるわけであります。大隅線の隼人、大泊間という、あの線をこれも三十数年前に時の鉄道大臣である小川平吉氏がわざわざ視察に来られて、そうして、当時予定線に入つておる。これも非常に長い地方民の願望でありまして、二十七年度こそは確実にできるものだと、県を挙げて、特に又関係地方では、地元では非常な期待を持つておつたわけでありますが、これが遂に二十七年にも具体化しなかつたと、二十八年度は又どうしても是が非でもこれを通るようにやつてもらいたいという非常な願望があるわけであります。これらの事情は総裁よく御承知の通りであります。くどくどしく申しませんが、二十八年度にはこれを実現するように切望いたしまして、非常に御多忙の際恐縮でしたが、私の質問はこれで終ります。
○委員長(小泉秀吉君) ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(小泉秀吉君) 速記をつけて。 それでは総裁に対する御質疑はこれを以て終了いたしました。それではこれにて散会いたします。 午後四時四十三分散会