運輸委員会 第1号
- 発言数
- 36 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/11/11
会議録
○委員長(小泉秀吉君) それでは只今より運輸委員会を開会いたします。 ちよつと御挨拶を申上げます。先般私が委員長に選任されまして、これから委員長を務めさとて頂くことになりましたが、御承知のように余りこういうことに借れ喜んのと、もともと頭も悪いし非才であります。御期待に副うように行くかを危ぶみますので、できるだけ誠意を尽し、又公正無私の態度で職責を果したいと思います。どうぞ皆様方は堪能なるかたがたばかりでありますので、お助け下さいまして、当委員会が絶えず円満に進捗することができますように是非御協力をお願いいたします。一言御挨拶を申上げます。(拍手) —————————————
○委員長(小泉秀吉君) 次に議題に入りますが、第一は理事の補欠選挙でございますが、この点についてお諮りをいたします。去る十月の二十四日に私が委員長に当選いたしまして理事が一名欠員となつております。この互選の方法は如何いたしましよう。
○内村清次君 只今委員長から申され、ました理事の互選につきましては、先例もあることでございまするから、委員長において指名せられんことの動議を提出いたします。
○委員長(小泉秀吉君) 只今の内村君の御動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小泉秀吉君) 御異議ないと認めます。それでは私より小酒井義男君を理事に指名いたします。 —————————————
○委員長(小泉秀吉君) 次は公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件を議題といたします。ちよつと速記をやめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(小泉秀吉君) 速記を始めて……。本件に関しましては、労働委員会より連合委員会を開きたい旨の申入れがございましたので、本日直ちに連合委員会を開きまして提案理由の説明を政府より聞くことにいたして御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小泉秀吉君) 御異議がないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(小泉秀吉君) それから次にもう一つお諮りをいたします。調査事件につきまして、この際お諮りいたしたいと思います。従来より調査を続けていました一般運輸事情に関する調査承認要求書を本院規則第三十四条によりまして議長に提出いたしたいと存じまするが、御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小泉秀吉君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。 なお要求書の案文等は委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小泉秀吉君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。 —————————————
○委員長(小泉秀吉君) 先刻御協議を願いました筋によりまして、労働委員会と早速合同委員会を開きたいと思いますので、本委員会は本日はこれで散会いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
○鈴木清一君 私先ほど申上げましたように、合同委員会を開いて今日この議案についてやれるかやれないかということの見通しの点を先に委員長に何かできれば話して頂きたかつたのです。ただ合同委員会だけを開くということを申入だけして散会してしまうというのでしたら、これは私は又観点が別なんです。私の意見とすれば、でき得れば今日開きたい、今日やつて頂きたい、この点については関係大臣にいたしましても、国鉄総裁にいたしましても、少くとももう長い間の懸案になつておるのですから、今日委員会を開くということについては、すでに先般御承知でありましようし、又その手配を整えておる、こういうふうに私ども解釈しておる。ただ理事の互選だけで私は散会するということには不服なのです。
○内村清次君 今突然委員長のほうで散会だと、こう言われましたのですが、これはどういう理由で散会されるのか、その点が明確になつておらない。これは私たちもこの委員会を開くに当りましても、理事会の中でもやつぱりその時期の点については相当論議した問題でありまして、国鉄裁定の問題はもう急を要するんだという認定には、各委員のかたがたの一致した意見でありまして、その意見によつて明日と明後日ということに決定したのが、又協議変更になつたというような状態でありまして、もうすでに私たちの考え方とすれば、委員会の活動としては時期的にはこれはもう遅れておるんではないか。私はそう断定しておる。だからどういう理由で直ちに散会されるのか、それが明確にならないと、今言つた鈴木君の議論が出て来るのですが。
○委員長(小泉秀吉君) ちよつと申上げますが、今の内村さん並びに鈴木さんのお話は、あなた方のお話と委員長がお諮りした趣旨は同じつもりなんです。先刻合同委員会に、いわば移すということが御決議になりましたから、それで合同委員会で今日は政府並びに関係者の説明を聞くということで、合同委員会はそれで大体時間が一ぱいだろうというようなことで、それが済めばもうそれであと運輸委員会を開くか開かんかということに対してお諮りをしたわけなんです。で、今内村さんの仰せになつたように、今日並びに明日を運輸委員会は継続して開こうというようなことは、この間大体皆さんと個別に事務局のほうで御相談を願つてやつて来たので、今日並びに明日開くということは確定的であるが、そこに今日は合同委員会の御決議があつたから、今日は合同委員会にして、そして明日最初のあれを継続してずつと質疑その他に行こうと、こういうようなことでお諮りをしたわけで、御趣旨と私が申上げたことは一つも相違はないと私はそういうふうに思います。 ちよつと速記をとめて……。 〔速記中止〕
○委員長(小泉秀吉君) それでは速記を始めて下さい。先刻申上げました通り、これから合同委員会を開きまするので、本委員会はその間暫らく休憩いたすことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小泉秀吉君) それでは御異議ないと認めます。これを以て休憩いたします。 午後二時五十二分休憩 —————・————— 午後五時十二分開会
○委員長(小泉秀吉君) 運輸委員会を再開いたします。 ちよつと速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(小泉秀吉君) 速記を始めて……。内村君。
○内村清次君 運輸大臣に御質問申上げますが、公共企業体の労働関係法が昭和二十三年に制定せられましてから、翌年企業体になつた国有鉄道が、今回までこの国会におきまして、この仲裁裁定を審議いたします二とは三回になると記憶いたしておるわけであります。参議院におきましては、本運輸委員会で前二回の裁定を審議いたしております。この審議の過程におきまして、先ず政府のほうで裁定に対しまするこの提案の理由、これが先般これは中村君も本会議で運輸大臣には質問しておつたようでありまして、同君も又不満であるし、我々といたしましても、大臣の答辞は不満であつたわけであります。十三国会におきましては、この労働法が改正になりまして、明確に十六条にはその理由を付して国会に提出せなくてはならないということに、我々の希望通りではなくして、不満ではありまするが、そういう条項となつて現われております。この条項からいたしましても、今回の提案の理由というのが、これは先ほど説明せられましたように、その紛争の経過を御報告になつて、そうしてその裁定の完遂するまでの額と、それから特に第三項においては、予算総則第十三条の金額を超過するものであるからしてと、これは恐らく十六条の第二項の意味合いをこれに謳つて出されたと思うのでありまするが、そうしてすべてをこの国会の審議に任している。国会議員はどうお考えになるかというようなことで、政府の意見というものは一つも付けていないのですね。これで私たちは委員会におきましても、仲裁の内容の点については勿論理解をいたします。又いろいろ質疑があれば仲裁委員会にも来て頂いて質疑をいたします。併しながらその裁定自体に対しましては、やはり尊重をして、そうしてこの参議院の委員会というものは態度を表明いたしておつたわけでございます。いろいろ裁定の内容にまで行くということは、少し国会としても、折角できた仲裁制度というものをどう国会が判定するかという点にも打当つて来る問題である。そういうところでお控えい一たしておるわけですが、併しいやしくも国会において審議を頼む前においては、政府の態度を打出して、そうしてこの裁定は当然一つ呑んで頂きたいとか、資金はこういうふうな方法で考えますというふうなことの理由は付けられて来ないものであるかどうか。この十六条と、それから今回の提案をせられましたところの政府の態度、これを一つ詳細にお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(石井光次郎君) 只今の御質問、この間中村さんからもお尋ねがありまして、誠に不満足な、内容的から見れば、誠に不満足なお感じをお持ちになつたと思うのであります。どうも私もあの規定を見まして、この仲裁裁定が手に入る五日以内に国会に付議しなければならないというのを書いてあるのを私は見たのであります。五日以内にそれだけは形式は踏んで出すが、その間に予算をきめて、政府が予算をきめないでも何でも政府の態度をきめて予算を一つきめなければならない。果してほかの振合を、何と言い、ますか、いろいろな収入支出各方面を見てということは、ほかの仕事がなくて、これだけの場合でもなかなかその間に態度はきまらんだろうと、実際上の問題として私は思うのでありますが、あの規定だけから見ますると非常に不思議な、私今度長い開議会に出ていなくて、出て来ますと、妙な法律があるのでありまして、あれによつて承認、不承認と言いますか、議会にお任せして、それから理由を述べて提出をするということになつておるのだそうでありまして、誠に読んで見ますと、その通りなんであります。止むを得ずこの間も審議の途中においては意見を申上げますということで、甚だ不満のある答弁を申上げたわけであります。私はこの裁定の書類を頂いたら、今おつしやるように、政府がこれは賛成するのか、賛成しないものかということを付けて承認を願うとか、不承認を願うとか出すのが本筋であろうと私も思います。けれども規定上をやかましく言いますると、五日間以内では実際無理だろうと思うのであります。今度いろいろなものがこんぐらかつておりましたから、大分時間もかかつたと思いますが、そこらが。今度は又御承知のように内閣が変りまして、先月の二十五日に提出したというようなわけでありまして、その時間もなかつたというようなことは、これは将来の問題としてはいろいろ考えなければならないのじやないかと思つているわけでございます。
○内村清次君 運輸大臣は、結論においてはやはりこれは理由を付して不承認か或いは又承認か、勿論これは不承認というようなことは大臣としてはお考えにならない。こういう重要な問題でございますからして、やはり承認を求めて、そうして政府はどこまでも予算権を持つておりまするからして、予算の審議上国会のほうに理由を付して出すというような覚悟があつて然るべきだと私は考えております。ところが先ほどの理由では閉会中から五日以内、こういうようなことを気にしていらつしやつたようでございまして、これは決して五日ということも短い期間ではないのです。五日自体は短いかも知れませんけれども、今回の事態を見ましても、八月の十三日に裁定が下つた。そうして御承知のごとく十四国会が二十六日からで、そうすると、この十六条にもありますように、開会中であれば十日以内に出さなくちやならない。閉会中にその裁定が下つて、そうして開会したときには五日以内に出さなくちやならない。こういう規定になつておりまして、そうして二十六日の国会再開に当りましても、やはり十三日から政府としては十分御考慮になるところの……、二十六日まであつた。残念ながらそのときは新大臣は運輸六日ではなかつたという事態は、これはもうはつきりいたす、そういうようなことで、この期間の問題に対しましても、決して法律はそう短きに失して、政府の考慮を煩わすことのできないような短時日とは考えておらないことと、今一つ重大なことは、この紛争というものは、政府においては最大の努力を以て解決をせなくちやならない、而もこれは公共の福祉に関係するものであるからして、最大の努力をせなくちやならないということが、この公労法の第一条に調つてあるのです。そのためにこの憲法の規定にありますところの労働者の罷業権というものをとつてしまつた紛争は、平和的に最大の努力をせなくちやならない。これに一向に……、これはあなたの前に池田大蔵大臣のことを言いたくは私はありませんが、実際におきまして前二回の裁定におきましては、誠に吉田内閣の態度というものは我々といたしましては非常に不満であつたわけであります。冷酷であつたわけであります。そういうようなことで、この公共の福祉に及ぼすような事態が起ろうとまでもするようなことになることを、やはりこれは当事者間において、労組においても、当局においても、最大の努力をしておるのに、政府はこれを傍観的な態度をとつておるような事態もある。傍観よりもむしろ非常に冷酷な判定を出しておる、こういうような態度があつたのでありまするからして、その点は一つ、新大臣はこの裁定におきましてはなされないように最大の努力をして頂きたい、これを私はまあ衷心から希望いたしておきます。 それから第二点は、ここにありますように、予算総則第十三条の金額を超一過するということ、これは十三条には、勿論今回の二十七年度の予算総則は、国鉄職員の給与というものが七百八億くらいになつておるのです。そうしてそのベースは一万八百二十四円ベースを基準としたベースと諸手当が麺つてあります。それはこの二十七年度全体の給与総額である、これから流用をしたり或いは又ほかの款項目から持つて来るということは甚だ面倒な規定がなされて、簡単に国鉄総裁のみではできないというような事態になつておることは御承知の通りであります。そういたしますると、やはりこの賃金の問題というのが、やはり国内の経済状態によりまして変動して来る。従来のやはり第一、第二次の裁定のときにおきましても、その年間を通じましての経済変動に押されて常に遅れた形において国鉄職員の給与というものが設定されておる。これはあながち国鉄職員ばかりでなくて、一般官公吏のかたがたも、民間労働者のかたもその通りであります。遅れた形において賃金の設定というものがある。それにもう二十七年度の予算の審議というものはその年の三月三十一日で打切られてしまつておる、予算は……。そうするとその以前において、やはり当時のベースによつて設定せられましたところの予算総額によつて縛られてしまうのです。そうしてみますると、その間におきましても、今回にも適用されておりますように、予算の審議中に労働組合においては二月にこの紛争状態に立至しつて、国鉄労働組合は調停委員会のほうにこれを提出をしており、又当局とその間団体交渉をやつておる、こういう状態であります。そうして来ますと、当然この予算総則の給与額よりも、仲裁裁定が下りました裁定の即ち差額というものは、予算総則の給与額に上越すということはわかり切つた話です。そうすると資金上不可能であるということは、御承知のごとく、先ほど仲裁委員長も言われましたように、国鉄の予算自体というものが、これが又この運輸収入に依存してしまつて、そうして補充費の問題におきましても、いろいろの経費の問題にいたしましても、もうきつちりとその年度の予算にはまつてしまつておる。而もそれはやはり国家自体が考えてやらなくちやならない戦災復旧の問題にいたしましても、国鉄の企業内容からの予算計上によつてこれを工面しておるというのが実情でございます。そういうことを運輸大臣の監督において、大蔵大臣の査定において、閣議の決定によつて、国会の承認によつて予算というものはできてしまつておる。そうして国会におきましても、この予算総則を変更するというようなことはなかなか困難です。これは御承知の通りでしよう。御経験があられる通りです。これを如何に、全体の組替えが成立すれば、これは別問題薫ございますよ。併し議会勢力によりまして予算の返上がなされない。予算の修正もこの点にまでも及ばないという現状におきましては、どうしてもその間において運輸大臣がこれを如何にして閣議においてこの企業の内容が、本当に国鉄の企業が発展して行くというような方向にあなたが努力して頂かなくては、誰が努力いたしますか。即ち十六条の資金不足の問題にはつきりと適合しておる問題でございまするから、これを以て今回の理由となされることは甚だ私たちは不可解でございます。この点に対しまする国鉄の予算と、それから予算のその企業内容に及ぼす影響とにつきましての運輸大臣の、一つ今日は就任のお考えでもよろしうございますから、はつきり一 つ申して頂きたいと思います。
○国務大臣(石井光次郎君) 予算に縛られておりまするために、その予算が実際に動くときには、それをきめたときよりも違うというのは、これはもういつもの悩みでございます。特に変動の多いときには特にその悩みがあるのであります。この頃のように物価が横ばいしておるときはよろしうございますが、変動があるときには誠に何とも申訳ないような事態を生じておることが多いと思います。併しこれは国鉄の経営の問題からしますと、国鉄そのものはもう少し事業体としての機動力を持つということが非常に望ましいことであります。併しそういうふうな線を考慮に入れれば、まあ役所よりは公社になつて幾らかでもそのほうがいいということだと思うのでありますけれども、今お話にありますように、予算によつてやはり縛られておりますので、その機動力を持たない。国鉄総裁が自由にこれを腕を振つて成績を挙げたならば、それを事業の発展にも使える、給与の改善にも使うというような線まで進んでないところが悩みでございます。少しでも今おつしやつたような線に沿つて国鉄が事業体として動けるようなふうになることを私希望し、その線で何か私どもの力でできることがあつたら一つ進めてみたいと、そういうふうに考えております。
○内村清次君 それからちよつとこれは運輸大臣の答弁を外しまして、仲裁委員長にお聞きしたいのですが、今回仲裁裁定をされました第一項の基準べースは、これはまあ私たちといたしましては意外に低かつた、こういうような感じもいたします。これに対しまして仲裁委員長の御答弁と、それから特に第二項、三項、四項、これを団体交渉に今後任せられた、こういうような態度、これは公労法の三十五条にも、仲裁裁定というものは、これは最終判決であるということであるし、紛争はこれによつて権威付けられて解決するという一つの大きなポイントがここに打出されなければならんのですが、どうも二項三項、四項という大きな問題か、団体交渉によるというようなことは、どういう考え方があつたのか、この点を私は先ずお尋ねしたいのと、それから運輸大臣に、この第二、第三、第四項の財源関係ですが、これも勿論総裁のほうにも及ぼして参るかと思いますが、どういうように只今閣議におきまして、国鉄の申請によつて第二、二、四項の財源というのに対しては、運輸大臣が御折衝を展開されておるのか、この点私は一つ伺つておきたいと思います。
○参考人(今井一男君) 私ども公労法り趣旨から考えますれば、成るべく明確にそれ一つで一切がきちつと割り切れるような形で裁定がなされることが望ましい点においては、内村委員の仰せに少しも異論はございません。ただ併し、問題の性質によりましてそう行かない場合があり得るのであります。特に今回の問題は非常に複雑多岐に亘りましたことと、本来ならば団体交渉でいま少し両者が具体的なところまで話を進めた上で、ここまでは意見が一致写るが、ここからは思見が一致しないという線が出ておりますと、その仕事も極めてやりやすいのでありますが、遺憾ながら両者間の団体交渉は、悪く申せば形式的でありまして、直ちに調停へ持込まれる。ところが調停が、先ほど申上げました通り全然審議ができない形でそのまま私どものほうに送り込まれたのであります。ところが御承知の通り仲裁は三十日以内に出さなければならないということになつておりまして、これはまあ奮励規定とも解せられるのでありますが、併し問題の性質上成るべく早く裁定を出すことは必要であろうと考えまして、その意味でとにかくあとは両者間の話合いにしても多分まとめ得るという枠はそれは仲裁委員会は固めなければならん。それ以上のことは余りにこれにこだわり過ぎると却つて裁定そのものの趣旨を失しやしないかというようなことで、大体両者間の最大の重点は第一項の基準給与にございましたので、かたがたこういつたいわば異例の措置を講じたわけであります。併しながら理由書をお読み頂けばおわかりのように、二項も三項も四項も、すべて「理由に示す趣旨に従い、」と書きまして、その際の基礎になるものの考え方、それに対する仲裁委員会の意見は、或る程度読めばわかるような程度には具体的に示したつもりでございます。現に第三項のごときは、すぐさまこれに基きまして話がきまつたというようなことを聞いておる次第でございます。ところが年末手当だけの問題は、私はやはり年末までの或る程度の企業経理の模様が見通しがつかんというとやりにくいのではなかろうかと、こういつた想像はいたしております。
○内村清次君 第一項の基準賃金の問題ですね、これはどうも……。
○参考人(今井一男君) 今ちよつと持つて来ておらないのでありますが、以前に昭和二十五年度の裁定の場合であつたかと思いますが、八千五百円以上が賃金そのものとしては妥当ではあるが、併しこれを八千二百円とすると、こういつたことを裁定いたしました数字を援用いたし、且つ又その後におきましても、事業分量の生産性の関係は一切無視をいたしまして、この際としては昨年度両者が妥結いたしました線を引伸しました線で我慢してもらうことが、この公共企業体並びに現在の国鉄の経理能力に鑑みて相当と認めた次第でありまして、これが私どもといたしまして、賃金だけを切離して考えた場合にこの線が相当な線だと、かように判定をしたわけではございません。それで多少安目というようにお感じになるのも私ども自身がそういつたことを切実に感じでおる次第であります。
○内村清次君 私がそれをあえて申しますことも、この裁定が発表になつたときに、これはもう私たち自体といたしましても直感した問題でありまして、当時はすでに人事院の勧告はなされておつたはずであります。一万三千五百十五円、こういうような線が出ておる。当時の民間賃金ベースを見てみましても一万八千円ベースぐらいには各工場水準におきましてもなつておつたようであります。その後やはり物価の上昇というものは、当時の裁定にもありますように二五%で年間の向上率を謳つてあります。その後におきましてもやはり若干の向上率を認めておるわけであります。こういうような環境の中におきましてこの裁定の基準べースが低い。私たちが折衝いたしておりましたことは、特にただ……委員長は企業の内容をよく職務的に解剖してみていらつしやいますから申上げるまでもないことであろうと思いますが、やはり国鉄の特異性ということにおきまして、公労法の中にも一般公務員の給与ベースを準用するとか、或いは民間賃金を参酌するということも調つてありますが、とにかく堅持して、そうして政府がやはり認識が足りなかつた、特に大蔵大臣が足りなかつたという事態に対しまして、国会におきまして漸くその線が、国鉄の特異的な労働条件というものが政府におきましてもこれは認めざるを得ないという程度まで来ておつた際において、この裁定の低い基準ベースが下された。公務員の勧告の線が又それ以上になつた。こういうところでいわゆる四十四万の従業員の諸君は非常にこの労働環境におきましても、その代償となるところの賃金の設定に対しましてやはりこれは不満を持つておるのです、率直に申しまして。そういうようなことが委員長のお一話では、又裁定の内容に書いてありますことでは、非常に企業の内容に重点を置いていらつしやる。この国鉄の企業状態、いわゆる資金の状態においてはこのくらいの賃金というものが妥当であろう、こういうようなことに重点を置いておる。この気持はわかりますよ、この気持を踏みにじろうとしているのがどうも政府の今回の提案の理由でございますけれども、とにかくそういう気持はよくわかるのですが、これは対外的におきましてもこの国鉄の特異性だけはしつかりと認めて頂きたいということだけを私たちは考えるわけですが、この点に対しましてはどうお考えでございますか。
○参考人(今井一男君) 先ほど私が申上げました点は、裁定理由の支払能力のうちの第六にすべて書いてございます。要するに従来低くして置いて、それが昨年度調停案の基礎になり、その調定案がそのまま両者間に妥結された、その妥結された数字をそのまま傾向値によりまして素直に引直したものがこの数字であります。従いまして新規採用の抑制、扶養家族の増加等を計算に入れていない、而も両三年間の企業努力、人員の激減、業務量の増加、そういつた要素も考慮に入れていない。従つてこれは必要限度の賃金であつて、必要限度の賃金である以上、必要限度の物件費と同じく企業体としてはこれを優先的に考えるべきものであろう、こういつた考え方をしておるのであります。今言われました国鉄の特異性という点は一先ほど説明の際にも肥れましたように、特に六十三万にまで上りました職員が四十四万という一生身で二十万近い数がそのまま整理されたとしうのは恐らく世界にも例が少しんじやないか、これだけの出血を国鉄はいたしておる、而も国鉄のようにすべて、すべてと申してよろしいほどか人力で行われておる。いわゆる機械的に行われる作業部面というものは極めて限られておつて、その点はいわゆる進んだところのインダストリーとは趣きを全然異にしておる。従つて業務量の若干の増加というものも労働力には重加される。そういつた面を考慮いたしますならば、その生産性というもりはよほど評価しなければならない。而も戦後の産業ではいろいろの隘路ができまして、そのために国民経済に非常に大きな支障を与えたことがございますが、少くとも事国鉄に関する限り多少の失敗はあつたにいたしましても、大づかみの線におきまして、そういつだ打撃を国民経済に考えたことはないように思われる。その点から考えますと、国鉄職員のこの間における努力というものは素直に評価されて然るべきものと考えるのでありますが、併しそれにいたしましても、現在国鉄の強理能力は、前に申上げました通りであります。それとこれとをどう睨むかということは極めてむずかしい問題でありますが、私どもといたしましては、昨年度とにかくそういつた事情を考慮して組合が譲歩したその線というものを基礎にいたしまして、それをそのまま物価、いわゆる民間賃金の上昇の比率で引直す賃金がこの際としては妥当であると、こういう結論に相成つた次第であります。
○内村清次君 最後に五の問題で、「若しくはその実施に当り、両当事者の意見が一致しないときは、本委員会の指示によつて決める。」と、こういうふうに書いてあるのですが、先ほど申しましたように、第二項から第四項というものはこれは重大な問題であります。第三項は話が大体進捗しておるということを聞いております。第四項の年末手当に至りましては、相当重要な問題であろうと思うのですが、こういうものの紛争が当事者間において一致しないときには、又仲裁委員会というものはその申請に基いて直ちに、これはもう時期的な問題です、直ちにその発動をするという含みを書いてあるのですか、どうでございますか。そういう気持でございますか。
○参考人(今井一男君) お言葉の通りでございます。
○内村清次君 最後に時間も来ましたから国鉄総裁に……。先ほどちよつと運輸大臣にも聞きましたが、この第二項から四項に至るまでの財源の問題です。これは予算が決定いたしますれば、勿論第一項は当然の問題でございましようが、特に団体交渉によつて決定するという事項になつて参りますると、団体交渉はどういうふうな点まで進捗いたしておるのか。同時に又この財源に対しましてどういう見通しで運輸大臣に提出せられ、運輸大臣はどういうような金額を閣議において大蔵大臣と折衝中であるか。こういう点を一つこれは十分、金額の数字においては又変動があろうかとも思いまするからして、これは私があえて強く要求はいたしませんが、この裁定を実施するだけ、或いはこの紛争というのが本当に平和的に解決するだけのお見込の財源を要求折衝中であるかどうか、この点を一つお伺いいたしたい。
○説明員(長崎惣之助君) 三項の問題は、全部ではございませんが、大体これは団交が妥結しましてきまつたものもございます。それから二、四の問題についてはまだきまつていませんが、四の問題のごときは、御承知のように組合の要求それ自体が極めて最近にされたような関係でありまして、まだ団体交渉の段取りには参つておりません。従いまして団交によつてきめるということになつておりますが、これはまだ先になると思います。何を言いましても、やはりどの程度の財源の確保ができるかということの見通しがつきません関係においては、むやみに交渉に入りましてもこれは絵に画いた餅のようなことになりますから、大体二、三、四等についても財源の見通しをつけて、そうして話を始めるということが一番いい方法じやないかと思います。
○国務大臣(石井光次郎君) これは第一の問題から第四の問題に亘りましてここ連日この頃私大蔵大臣を初め内閣においてもいろいろ折衝中でございますが、まだ明日或いは明後日までかかるかもわかりませんが、私はできるだけこの最低線に沿うように話をつけたいと努力しておる最中でございますが、なかなかいろいろな情勢が、そう簡単に私の希望する通り行かん点もあるのでございまして、数字的な問題を説明することをお許し願いたいと思うのでございますが、これは少しでもこの問題をよくする意味においてもう少し御辛抱願いたいと考える次第であります。
○内村清次君 まだ質問はありますが、保留いたしまして、今日のお約束通り六時ですから……。
○委員長(小泉秀吉君) それでは時間になりましたから、これを以て本委員会は散会いたします。 午後五時五十九分散会