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15回国会参議院1952/12/11

運輸・労働連合委員会 第2号

発言数
173
登壇者
15
会派数
4
開催日
1952/12/11

会議録

小泉秀吉日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小泉秀吉君) それではこれより運輸・労働の連合委員会を開会いたします。  先ず、公共企業体労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件を議題といたします。それでは大体今までの慣例によりまして運輸委員のほうが主で合同委員会を労働とやつておりますから、労働委員のかたがたに一応最初御質問がおありでしたならば願うことにしたほうがいいと思いますが、如何ですか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

小泉秀吉日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小泉秀吉君) 御異議ないと認めます。労働委員のかた御発言がありましたら……。

中村正雄日本社会党(第二控室・右)

○中村正雄君 議事進行について、一応運輸大臣が見えておるので労働委員のかたの質問を主としてやつて頂くこと結構ですが、ただこの前から懸案になつておりまする大蔵大臣が見えました場合は、運輸委員会としても大蔵大臣に質問は前から相当保留されておるし、相当出席率が悪いので、今日若しこの席に大蔵大臣が来ましたら大蔵大臣に対しまして運輸委員からも質問するということを一応お含みの上で運営願いたいと思います。

小泉秀吉日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小泉秀吉君) 只今の中村委員の御発言は、先だつて流れた労働・運輸委員会の時分に大蔵大臣に対しての質疑の順序だけはお話をしておいたと了承しておりますが、それと同じような意味ですからして今の中村委員の御発言皆さん御了承願いたいと思いますが、よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小泉秀吉日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小泉秀吉君) 御異議ないと認めます。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 運輸大臣にお尋ねいたしたいのですが、この公労法の十六条二項の規定に基いて国会の議決を求められた案件の内容をなす仲裁裁定の持つ意義についてでありますが、これは時間もないことですしわかり切つたことをお尋ねする必要もないと思いまするので省略いたしますが、この仲裁実施のためには国鉄当局としても相当な努力はされたものと思いますけれども、運輸当局としてどういうお考えでこれに臨まれたのか、極く簡単で結構ですから一つ先ず最初にその点を伺つてからにしたいと思います。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 国鉄総裁から仲裁案を提出されました。これをもちまして私は大蔵当局に本問題を話をし、又閣議の席においても相談をいたしました。そうして私はこの基本給の問題は本会議でも申上げましたように、この裁定はおおむね妥当と認めるというお答えをしたと覚えておりますが、私は今のこの基本給はそれで手遅れになるものではない、実施の時期も仲裁の案件にそつてできればこの通りやつてもらいたいということの線についていろいろ相談をいたしました。ところがいろいろ議を重ねました結果、資金の関係又公務員との振合等の問題がありまして、先頃からよく説明を至る所でしておりまするように基本給はそのまま認める、実施期を公務員等と同じく十一月からにして頂きたい、二項、三項、四項については団体交渉に待ちましよう、そういうことで成るべく早く妥結されまするようにということを国鉄のほうにもお願いしておるつもりでございます。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 今の御説明の中で二項三項、四項については団体交渉によつて決定をしたい、而もそれが成るべく早くという希望であるというふうなお話でございましたが、団体交渉の継続されておりまする間に政府としてはすでに予算が作成されて給与総額の枠も厳密にきめられて、すでに国会に出されておるという時間的な経過から見ますると、すでに団体交渉は組合側としては切望しており、又国鉄当局としても希望はしておつたのでしようけれども、事実上この予算の枠をきめられておる。而もこの第一項を実施もしなお残る余裕を以て二項、三項、四項を団体交渉の結果に待つということになりますと、その余力といいますか余裕というものが極めて僅少になつて殆んど団体交渉の余地を残さないように考えられるのですが、そういうことになると国鉄当局に団体交渉の能力を喪失せしめるような結果になつたと思いますが、その点について政府はどういうふうにお考えになつておられましようか。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 第一項の基本給が上つておりますのにおおよそ比例した金額がそれぞれ見積られておるはずでありまするが、一応予算がなければ、折角話が進んでも年末賞与等も残りが予算にないのであります。予算には前の給与において〇・二五しか年末賞与に当てる資源がないという状態でありますので、何とかしてこれをもう少しふやしてもらいたいということで折衝を幾度か重ねました結果、〇・五というものの予算の追加を認めてもらうことができたのであります。これは今度の追加予算に〇・五が認められたのでありまして、前からの残り等を勘案いたしまして経理の上で然るべく総裁が相談をして頂く余地は残してある。その範囲を〇・七五とは必ずしも限定はされないと思います。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 只今の数字についてはいろいろとあるでしようが、大蔵省でそうしますと国鉄当局並びに運輸大臣から要求した予算を削減するといいますか査定をするからには、その査定をするだけの理由があつたと思うのでありますが、この点について、大蔵大臣は見えておりませんが、運輸大臣としてその査定が妥当な査定なりや、若しくは妥当ではないが大蔵省としてどうしても聞かないからということで了承をせざるを得なかつたのかどうか、その点のいきさつについてでき得る限りお話を頂きたいと思います。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 総額の全体の問題として先ず申上げます。仲裁によりまして八月から実施するという問題でありますが、公務員のほうは人事院勧告が五月から実施ということになつておるのであります。これをそのまま両方、まだそのほかのものもいろいろありますが、それをそのままやりますると、国家の負担がひどく大きくなりまして、今の財政状態では無理であるという建前からいたしまして、それらの問題が考案されまして十一月からということになつておるのが財政上の理由でございます。まあそういうふうなわけでありまして、私共のほうといたしましてはいろいろ全般的に話合いをいたしました結果、十一月から実施というようなことに話合をまとめたわけでございます。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 そういたしますと、財源の乏しいということよりもむしろ一般公務員その他の給与の振合上、国鉄の給与を裁定通り実施し得ないということのほうがウエイトが重くて、公務員その他の給与の関係さえなければ国鉄の経理としてはこの裁定通り実施し得る、特に年末手当等においても更に支給の余地はある、こういうふうに解釈をしてよろしうございますか。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 一緒に公務員と並んでおるから、公務員に右へならえをしたのではないかというお尋ねでありますが、確かにその点はあります。同時に国鉄の問題だけとしたらどうであるかということであればそれはどうなつたかわかりませんが、大蔵省といたしましてはこの給与を十一月からという問題には、財源が絶対にないからということよりは、大きく響いていたのは公務員との比較であつたと思うのであります。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 そうしますと、公務員の振合さえ、公務員つまり一般会計その他所管の経費を以て他の給与が賄われるという見通しさえあるならば、国鉄としては給与に対して裁定通りの実施、並びに二項、三項、四項についてもその経理を以て賄い得るということが運輸大臣としては言い得るわけでありますか、重ねてお伺いします。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 若し公務員の裁定が五月からという、それがその通り実施されるような場合でありますならば、恐らくこれはその場合になつてみないとわからないことでありますが、恐らく裁定通りは認められるだろうと信じております。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 公務員は、人事院勧告は成るほど五月一日でありますが、それはその場合になつてみられなくとも、公務員数もはつきりしていることでありますし、実施の期日並びにベースの額もはつきりしていることでありますから、それは計算すればすぐ出て来ることでありまして、今私のお尋ねしているのは、国鉄の仲裁裁定の実施に当つて大蔵省で査定の理由とした、つまり国鉄当局並びに運輸大臣が大蔵大臣に要求された予算額を大蔵省としては査定を加えた、何と言いますか、とにかくなたを振われたわけです。その振われた理由が国鉄経理の現状から言つてとてもこの裁定を実施しがたいという理由であつたのか、或いは公務員その他の給与の均衡を保つために、経理の面においてはなし得るけれどもその均衡の面においてできないからということで査定をしたのか、こういうお伺いをしましたときに、運輸大臣の御説明を伺つておりますと、どうも公務員のほうと均衡をとるために、国鉄の経理状態としてはなし得る余地はあるけれども、裁定には従い得なかつたのだ、これが大蔵省の査定であるかのごとくに私には伺えたのですが、その点をもう一度はつきり御答弁を願いたいとこういうことであります。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 両方の面がさしさわりがあるのであります。今申しました公務員との比較も一つであります。ところが八月からでも十一月からにいたしましても国鉄にはその資源がないのであります。どうしてもその資源を、これだけではありませんがそのほかのいろいろな国鉄の仕事をやつて行く上においての足りない部面も考えられますし、そういうものをいろいろ総合をいたしまして十一月から実施いたす、今の政府の出ておる通りの法案にいたしまして今年は約三十億ほどの金が足りない、これは政府から借入れるということで漸く話をつけたわけでございます。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 そういたしますと、財政の状態と公務員の振合と両方が合つて大蔵省の査定を受けた、でそれに対しては大臣としてはやむを得ないと認ざるを得なかつた、こういうことになるのですか。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) もう一つ、それに関連する問題になると思いまするが、支出だけの面から見ますると、もつと大きく本年度は赤字が出るわけであります。それは政府のほうに提案しておりまする運賃値上というような問題で、二月、三月のころの収入を入れてなお且つ三十億の借金をしなければならないという状態でありましてそれを認めたわけでございます。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 そういたしますと、先ほどの御説明では団体交渉によつて二項以下の裁定は成るべく速かに双方の間で決定されることを望むというお話もございましたが、事実上理由の是非はともあれ枠をはめておいて而もその枠が極めて少い、これに対して団体交渉を持てということは、組合側には制約はないかも知れませんが、当局としてはその自由な立場において団体交渉をする能力がすでになくなつておる、というよりも奪つておるというふうに考えられるのですが、この点について大臣はどういうお考えでしようか。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 先ほど申しました通り今度の予算に〇・五を追加いたして提出いたした。それを合せて全体の金額において国鉄総裁の裁量の余地はあると思つております。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 そうしますと、何といいますか国鉄当局に対しては限定能力といいますか完全な能力は与えないで、一つの限定された枠内における自由のみを許しておる。而もその枠内においてのみ団体交渉をせよとこういうことになつて来ると思うのですが、そういたしますと、ただ無条件に労使双方速かに団体交渉せよということには私はならない、言い換えればこの諮問の結果するところは、申上げるまでもなく仲裁裁定は組合からの争議権を奪つた代りに、仲裁委員会というものを設けて組合側の主張が入れられるように、で、又経営当事者も当事者としての完全な経営能力が発揮できるように、少くとも労務管理において遺憾のないようにというところから出発しておると思うのですが、一方ではその組合側の自由は奪つておるけれども、経理当局の面に対しては政府の予算編成の上から枠を与えるということによつて、むしろ当局の立場をカバーしてるということが言えると思う。今聞くところによりますれば、国鉄の労働組合では本日から遵法闘争に入つて規則、規程に示された作業を行なつてるということだそうでありますが、こういう而もそれらの諸君はすべて身の犠牲を覚悟して、組合員一同悲壮な覚悟で法律に定められた仲裁裁定の効果を確立し、そして健全な労働慣行をこの際樹立したいという念願に燃えて闘かつておるようであります。こういう組合側の悲壮な考え方に対して、当局はその実情を十分熟知し、而もこれに対して必ずしも同情しておらないわけではないと考えるのですけれども、而もなお公務員の振合、それから経理の財政からいつて、この当局の特に独算制をもつて根底としている国鉄の経理当局者に対して、枠をはめなければならないというその理由について、一つ運輸大臣のお考えを聞かして頂きたいと思います。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 国鉄の予算はすべて国鉄自身で勝手にできないことは御承知の通りであります。従つて政府がこれを見て行く、大蔵省がこれの査定に当つるということになつておるわけであります。大蔵省といたしましては国有鉄道の公共性を考えまして、又一般民間の問題も勿論考慮に入れなければならんのでありますが、そういうふうなことと財政との睨合せで計数を出したわけであります。予算はどうしても出さなければならん、先ず団交をやつてのち予算というわけには行かないのが、まあ今日の場合どうしてもそうなると思うのでありますが、それにはさつき申しましたように、国の予算を勘案してこのくらいの程度を補正として出す、それから先は全体一本としての範囲において、国鉄総裁に二項、三項、四項はお任せするというのでありまして、全然これは自由な立場におかるべきものを政府が拘束しているということは私は言えないと思います。これはへりくつになりますから申上げませんが、おおよその線はここいらの追加によつて全体として経理してもらえるということを睨んでおるのであります。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 そうしますと、とにかく裁定の線については先ほどのお話では妥当なものと思うというお話もあつたようでありますし、裁定を受けた理由についてもやむを得ないという立場に立つてお考えになつておるのでありますが、なお只今の御答弁については団体交渉をしてから予算を組むわけに行かないというお話もあつたようでありますが、この点についてはどういうわけで団体交渉を行なつてから予算を組んではいけないのか。私どもが考える場合にはむしろ団体交渉を行なつて速かにその結論を出さしめて、その結論の上に立つた予算を作成してくるのが、少くとも独立採算を行なつておる企業としてはむしろ妥当であるかに考えられるようでありますけれども、なぜそれが逆に予算を作つてから団体交渉をさせなければならないのか、その点について。

細田吉藏運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(細田吉藏君) 只今御質問がございましたように団体交渉が妥結いたしましたり、或いは第五項にございまする仲裁委員会の指示という方法もあるわけでありまして、これがありましてから予算を編成いたすということであれば、只今お話になりましたようなことが最も仲裁の趣旨に合致したものだと考えられるのでございます。補正予算の編成という時間的に縛られておりますような関係から、一応政府としての見込を組んで補正予算を出した、かような次第であります。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 更にこの問題についてはお尋ねしたいことがあるのですけれども、時間の都合もあると思いますから次に移りたいと思いますが、とにかく国鉄当局並びに運輸当局としては、この裁定については妥当なものと認めて成るべくその通りに実施したいという意向があつたと思いますので、そういうことになりますと、この裁定の内容についても十分に御検討なさつておられるものと考えまするが、一体この裁定書に示されました理由、それから支払能力についての裁定委員会の考え方、これらについて一体運輸大臣はどういうふうにお考えになつておられますか、その点を一つお聞きしたいと思います。政府委員からでも結構ですよ。

細田吉藏運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(細田吉藏君) 國有鉄道自身は仲裁裁定のこれは当事者でございまして、この点国有鉄道がこれに服さなければならんことは当然だと考えます。なお先般の衆議院の労働委員会でございましたか、今井仲裁委員会委員長の御発言があつたのでありますが、この内容につきましてとやかく言うことは如何か、むしろ財源的にこれが許されるかどうかといつたような点について議論をすべきものではないかというような御意見があつたのであります。私どもといたしましては仲裁裁定の理由に示されております点で一、二見解を異にしておるところもございますけれども、ここに書いてありますのを批判してはいかんということだそうでございますが、それをあえて許さして頂きますれば、おおむね妥当な理由が付いておると思います。ただ二、三の点につきまして特に支払能力のこと等について若干の異なつた意見を持つております。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 支払能力の点について若干の異なつた意見を持つておられるそうですが、どこにお持ちになつておられるかわかりませんが、ではこの点で一つお尋ねしたいのですが、この支払能力の第四項を見ますると、本年度は工事経費として運輸収入の七四%をさいてこの荒廃の復旧、特に戦災に伴う復旧復興等がなされておる、それから戦時中の酷使、修理不足による老朽荒廃に対する修理もなされておるやに私には考えられるのですが、こういう点について少くとも国家の至上命令に基いてなされ、而も国鉄だけの故意怠慢、或いは国鉄経営の何と申しましようか戦争等によらない平時の国鉄運輸のために要した経費でばなくして、好むと好まざるとにかかわらず国家の至上命令としてなされたこれらの損害に対して、少くとも運輸収入の七四%に当るような経費がさかれておる。こういう点について運輸当局はなおこれが妥当なものであり、而も今後においてもこういう状態を続けようとされるのかどうか、この点について。

細田吉藏運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(細田吉藏君) 先ほど見解を異にしていると申しましたうちの最も大きなものの一つでございますが、成るほど戦前の状況或いは戦後の状況から考えまして、今日の自己資金による工事経費、これは取替補充の経費と称しておるものでございますが、これが非常に高位にある、高いというお話なのでございますが、この点につきましては仲裁裁定は私鉄あたりと比較いたして非常に高いではないか、本日も衆議院の運輸委員会におきましてもその御質疑があつたのでございますが、現在の状況では国有鉄道並びに私どものほうといたしましてはいわゆる再評価をいたしておりませんので、いわゆる減価償却とは違うのでございますけれども、その減価償却に当るものは今日の時価で計算いたしますと五百億程度のものが必要なのであるという計算が一応出て参るのでございまして、これを三百億程度に削つておるわけなんでございまして、これでもなお且つ十分とは言えないのじやないか、今日地方鉄道の減価償却の状況が十分であるかどうかといつたような点がむしろ問題に逆になるのじやなかろうか。併し私どもは全体の経費中に占める物件費と人件費との割合におきまして、人件費が非常に低くなつて参つて来るということは具体的な事実なのであります。そういつた点から人件費との対比において考えますときには、これは相当高いのではないかという問題は起つて来ると思いますが、これは裁定のほかの理由書にもございますように、運賃の低位についてもほかのところで述べておりますが、又借入金が足りないというような点についても述べておるのでございまして、この減価償却自体は決して少いものとは私どもは考えておらない次第であります。

小泉秀吉日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小泉秀吉君) ちよつと速記をやめて下さい。    〔速記中止〕

小泉秀吉日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小泉秀吉君) それでは速記を始めて下さい。

中村正雄日本社会党(第二控室・右)

○中村正雄君 大蔵大臣が見えたわけですが、時間も余りないそうでありますので、要点だけ簡単にお伺いしたいと思うわけですが、一応私の御質問いたします点は、政府が出しております。る予算書を中心にして国鉄の裁定をどういうふうに実現するかという観点からお伺いしたいと思います。従つて大蔵大臣と国鉄当局との両方の質問になると思いますが、第一点としてお尋ねしたい点は、これは主として国鉄側から御答弁願いたいと思うわけですが、予算書の歳入の部におきまして、貨物、旅客等の輸送量の増加等による増収として六十億弱の追加がなされております。従つて恐らくこの予算書をこさえましたときの増収と現在とは幾分見通しが、変つて来ると思うわけなんですが、六十億増加になつておりまする基礎につきまして、これは年度当初からの補正でありますので、現在までに幾ら増収になつておつて今後どれだけ増収になるか、現在と今後の問題と二つに分けて要点だけの数字で結構ですから御答弁願いたいと思います。

高井軍一日本国有鉄道副総裁

○説明員(高井軍一君) お答えいたします。予算書に出ております増収は、今までの実績から期別の波動を見て予定いたしたのであります。おおむね十一月末までは予算通りかせいでおります。但し十二月になりましてから炭労ストの関係といたしまして減収が非常に予想されるのであります。まだ期間が非常に短かいので正確な見通し、計画は立ちませんし、又炭労ストがどういうような傾向をたどるか、いつ解決するかというようないろいろな条件が錯綜いたしておりますので、そうした前提の下に考えなければならないのであります。御承知のように本日から三割に近い列車の削減をいたしておりますが、今までの実績から見ますと余り旅客関係には現われていないのでありますが、三割の削減でありますと旅客関係も相当な削減が現われて参ります。但し貨物につきましては端的に現われて参りますので、一応こういうような前提について収入を考えております。この八%程度の削減を十二月の一日から第二次の削減として十日まで実施いたしたのであります。それで本日から十二月の二十日まで第三次の三割近い列車の削減をするというような過程、従いましてそのうちには十五日くらいまでには炭労ストが解決するというような見通しの下でございます。そういたしますと、石炭の関係から二十日に一日から十日まで実施いたしておりましたような第二次の列車に復元をいたしましても、正月の関係その他を考慮いたしまして一月の二十日くらいまでそうした列車の削減状態でずつと参るものといたします。そういたしますと収入の減は貨物だけで考えまして二十七億程度になるのではないか、そうして一方石炭その他の不要額が出て参ります、それが多分八、九億程度のものではないかと考えております。差引いたしまして十八億程度のものが減収ということになります。但しこれは非常な仮定を前提の下に考えて参りましたもので、又この貨物だけで申したのでありますが、貨物の中で滞貨になつておるはずでございますが、そういうような滞貨をどこまであとで挽回できるかというようなこともございますのでありますが、そうした今申上げました貨物関係の削減を前提の下に考えますと一応そういうような数字が出るのでありまして、的確にこれがどういう工合になるかということを申上げかねるのを遺憾と思います。

中村正雄日本社会党(第二控室・右)

○中村正雄君 私の質問の範囲をこえてまで御答弁があつたわけですが、私第一にお聞きしたいのは、六十億の増収見込については十一月までは現実に増収になつておるわけでありますから、十一月までの現実の増収の総額が幾らになつておるか、十二月以降の見込は幾らになつておるかという数字を一応お聞きしたがつたのであります、それを一応御説明願いたい。  もう一つは旅客の関係でありますが、これは年末年始の臨時列車等を相当動かしまして相当な収入は毎年見込んでおります。従つて旅客にどういうように響くかは未知数であろうと思いますが、大体その考えで貨物数量は正確な数字は出ないにいたしましても、列車削減によります旅客の減、勢い収入の減というものの大体の見通しもつけなければ、国鉄としても経理当局としては経理ができないであろうと思うので、旅客の減収面を、今の状態においてどのくらいお見込になつているか、それを合せて御答弁願いたいと思います。

高井軍一日本国有鉄道副総裁

○説明員(高井軍一君) お答えいたします。第一の実績であります。これは御承知のように毎日の表を取つておりますのは正確なものでないということを御承知願いたいのであります。五十三億程度の予定増は増収になつております十一月末でその程度に想定いたしております。  それから第二の点の旅客関係はどうか、この点の御質問は御尤もでありますが、十日間の第二次の削減をいたしますればその中では旅客関係は減つておりません。ただ第三次、本日から実施いたしておりますものがどの程度響くか、この数字は今のところ一、二日の実績を見ませんとこれははつきりいたしておりません。

中村正雄日本社会党(第二控室・右)

○中村正雄君 そうすると今の数字を確認しますと、六十億の追加の中で十一月末ですでに五十三億が大体これは概数でしようが増加になつておる、十二月以降の増収は大体七億見込んでおる。こういうふうな結果になるわけでありますが、概算でありますがそのように承知していいのでしようか。

高井軍一日本国有鉄道副総裁

○説明員(高井軍一君) 結構です。

中村正雄日本社会党(第二控室・右)

○中村正雄君 じや続いて御質問いたしますが、今国鉄当局の御説明によりますると、貨物関係等において十八、九億、それから旅客については未知数だとおつしやいますが、恐らく収入を見込む場合におきましては、年末年始におきまする臨時列車等の例年の例からみて、恐らく十二月一日の旅客収入は相当大幅に見込んでいると思います。従つて貨物と違つて旅客のほうは列車の数と輸送人員とが必ずしも正比例しないことはわかつておりますけれども、少くとも臨時列車が今の状態であれば年末年始は出ないだろうということは一応推定できる。そうなれば、それに従事いたしておるものの減になるのは一応常識上考えられます。従つて恐らくどう炭労ストが解決するかはわかりませんけれども、今の状態で想定しますれば予算に組んでおりまする六十億弱の収入の増加は愚かなこと、現在予定いたしておりまする収入よりも減る、こういうことが想定されると思うのです。従つて大蔵大臣にお聞きしたい点は、予算を作りましたときの国鉄の歳入と、事態の変化によりまして歳入の数字に相当の変化が起きている、これは最後は三月末の年度末に現れるわけでありましようが、この予定されておりまする収入が幾らもない場合に、これは国鉄自体の責任ではなくして国鉄としては不可抗力に近いような状態が起きているわけで、これは恐らく政府の責任だと考えておりますが、これに対して大蔵省は、政府はどういうふうに措置をお考えになつておるか、あらかじめお聞きしたいと思います。

向井忠晴大蔵大臣

○国務大臣(向井忠晴君) 御質問でございますが、只今のところでは先のことがはつきりはいたしませんので予算の修正を考えてはおりませんでございます。

中村正雄日本社会党(第二控室・右)

○中村正雄君 勿論はつきりした数字はやつてみなければわからないわけですけれども、今の情勢で考えて予定いたしておりまする収入がないということは、大体常識があれば判定できると思います。従つて不足しまする金額が幾らになるかは別でありますけれども、不足することだけは恐らく常識で考えたら既定の事実だろうと思うのです。それに対して大蔵省はどう措置するかということをお聞きしているわけです。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) 現在列車削減の影響で国鉄の収入に響くじやないか、こういうお話でございますが、これは国鉄の高井経理局長が言われましたように、今後のことはいろいろ仮定の数字でもありますし、又列車の輸送現状によつて歳出の減る面もございます。又将来滞貨を如何にしてこれを挽回して収入を上げるかという点もございます。又歳出の面でも更に節約ということも考えられるのでございまして、只今現在の段階において直ちにこの影響を以て歳入が減る、或いは歳出の不要が出るということは只今のところ考える段階には参つておりません。

中村正雄日本社会党(第二控室・右)

○中村正雄君 ちよつと私の質問に対しまする御答弁としてはピントをはずれていると思うのですが、一応三月の末になつてみなければ企業体であります限りにおきましてわからないのは誰しもわかりません。併しながら常識として考えまして、今経理局長の御説明によつても、貨物だけでも大体十八、九億ぐらいは恐らく減収になるのじやないか。旅客においてもこれにプラスされるわけでありまして、従つて歳出の面におきまする節約その他も伴いましよう。併し一応一ヵ月に近い列車削減、これがあますところ僅か三月までの三月乃至四月におきまして、これをカバーできるかということは一応常識人として考えられると思うのであります。従つて今出されておりますこの予算書自体が今の段階では不備なものだという点だけはつきりしていると思います。これがはつきりした数字を、国鉄はどうしようと申しましてもこれはできないと思いますが、それが不備に伴いまして赤字が出た場合には、何らかの手を打たなければならないことは今のうちから覚悟しなければならないと思います。従つて大蔵省として、出されております不備なもので赤字が出た場合に、どういう措置を考えるかということを全然考える必要はない、国鉄自身で賄えという考えか、或いは大蔵省として何らかの措置を考えるという方針か、その方針に対して大蔵大臣の御答弁を僕は要求しているわけであります。

向井忠晴大蔵大臣

○国務大臣(向井忠晴君) 只今のところで方針をお聞きになりましたですが、先のことがやはり仮定の上に立つているので、方針をきめるというわけに参りません。

中村正雄日本社会党(第二控室・右)

○中村正雄君 仮定に立つているから方針が立てられないとおつしやいますが、この予算書自体が仮定じやありませんか。今大蔵省が責任を持つてお出しになつております本年度六十億増収というのは既定の事実でありますか。併し予算の実態は企業体にあります限りにおきましては予定じやありませんか。想像です。その上に立つて出されておるわけなんで、而も予定なり想像なりというものが既定の事実としてすでに見込が違うという事実がある場合、これが違う場合はどうなるかくらいの方針が、今から立てられないことであれば到底我々が予算書を審議できますか。六十億の増収というものはあなたは既定の事実だとお考えになつておるか、予算書は想定の上に立つているものじやありませんか。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) 先ほどもたびたび申上げましたように、一応のそういうような予定の数字も立つでありましようが、その後に有るいろいろな状況の変化、まだ四ヵ月もあることであります。その際において、この状況の、年度末になつてみませんと何とも今からきめられんわけであります。或いは鉄道の赤字が出たとしても、鉄道の持越現金という問題もございましようし、今からその当時における予定の方針を立ててがかるわけには現在の段階ではいかんと思つております。

中村正雄日本社会党(第二控室・右)

○中村正雄君 だから私の申上げておるのは、不足の場合は借入金でやるとか何とかという具体的な答弁を、要求しているわけじやありません。大蔵省の出されているこれ自体が、現実の情勢が違つた場合には、これは大蔵省は知らんから國鉄で賄え、こういう方針か。やはり国鉄と相談して大蔵省として何らかと措置を考えなければいけないというはらずもりか、それをお聞きしているわけなんであります。大蔵省として答弁できると思います。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) やはりおつしやるようなことがありました場合においても、それは原則としては國鉄において処理して頂きたいと思つております。

中村正雄日本社会党(第二控室・右)

○中村正雄君 国鉄の責任者がお見えになつておると思うのですが、今のような情勢の下におきまして、この予算が仮に通つたといたしましてこれで国鉄自体責任持つて経営できるかどうか、答弁願いたいと思います。運輸大臣でも結構です。

高井軍一日本国有鉄道副総裁

○説明員(高井軍一君) 先ほども申上げましたように、この実績を見なければわかりません。勿論減収があれば極力これの節約に努めて参ります。その数字の結果といたしまして、国鉄内部で処理でき得ますこともありましようし、又或いはこれを特に政府において処理をして頂くようになるかとも思うのであります、結果によりましてこれは対処してやる、さように考えております。

中村正雄日本社会党(第二控室・右)

○中村正雄君 今国鉄の答弁のように出まする数字如何によつて恐らく方法は変ると思いますが、国鉄自体で賄えないような数字が出た場合大蔵省としてお考えになる意思があるかないか。これを最後にお聞きします。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) それはそのときになつてみてでないと、何とも御返答申上げかねると思います。

中村正雄日本社会党(第二控室・右)

○中村正雄君 私のお聞きしているのは事務的な答弁でなくして、全体の予算を預かつております大蔵大臣として、そういう場合にはどういう含みを持つて対処なさるなりお考えになるか。国務大臣としての大蔵大臣の答弁を僕は求めたいと思います。

向井忠晴大蔵大臣

○国務大臣(向井忠晴君) これはやはり数字の問題でございまして、そのときになりませんと今から考えておくということはできないと思うのであります。

中村正雄日本社会党(第二控室・右)

○中村正雄君 幾らお聞きしましても今のような内閣では満足な答弁はできないと思いますので次の問題に移りますが、政府が出しておりまする国鉄、専売、電々の三つの公社に対しまする給与特に仲裁々定を実施する上から考えまする給与予算を見て参りますと、非常にまちまちになつていると思うのであります。従つてこれは主計局長で結構だと思いますから、大体要点だけで結構ですが、専売、国鉄、電々公社に対しまするそれぞれの追加額、これは給与予算でありますが、それについての骨子になつている点だけちよつと御説明願いたいと思います。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) 財政当局といたしましては財源として計算をいたしておるのであります。国鉄につきましては十一月から裁定の一万三千四百円ベースを実施する、年末におきましては現在〇・二五残つておりますので、今回更に〇・五を追加いたしまして〇・七五、こういうことで一応財源的には百七億というものを計上いたしております。併しこれは財源としてでありまして、給与総額の問題でありまして、国鉄総裁において如何に配分されますか、これは我々の関与するところではございません。専売につきましては最近の給与の実績が現給が八月末でありましたが一万八百九十五円だつたかと思いますが、それに対して大体二〇%程度の引上をいたしております。勿論その他につきまして勤務地手当率等が変りましたので、そういつたような調整をいたしております。この点は国鉄も同じでございますが、それから管理職員につきまして〇・五の手当に相当する財源を計上いたしております。郵政につきましては最近の現給に対して大体平均二割程度の財源をふやしております。それから〇・五ヵ月分の奨励手当を更にふやしているわけであります。

中村正雄日本社会党(第二控室・右)

○中村正雄君 只今の御説明によりますと、年末手当なりその他の附属給につきましては大体同じ率だと思います。基本ベースにおきまして電々、専売はいずれも約二割増になつている。国鉄は一三四になりますると二割以上の増加になると思います。従つてこういうもので十一月以降の現在の給与予算と増加額の比率を見ますると、一応国鉄が一番上りまする率は大きくならなければならないはずです。ところが出されておりまする予算書を見ますると専売公社におきましては十一月以降の既定予算が約二十二億、追加額が十億になつております。従つて既定予算に対しまする追加額は四五%の増になつております。反対に国鉄は十一月以降の現給与総額は二百九十五億、追加額が百七十億弱になつておりまして、増加率は三六%、電々公社は十一月以降の既定予算の額が六十四億、追加額が三十二億、五〇%の増加率になつております。そうしますると、今おつしやいました方針で組んだのであれば増加率は国鉄が一番多くならなければならないのにもかかわりませず、出されておりまする与給予算は国鉄は三六%の増、専売は四五%の増、電々公社は五〇%の増になつておる。ここに非常に内客について違つた点があると思うのですが、一応どうしてこういう数字になつているか、御説明願いたいと思います。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) 数字の点は手許に持つて参りませんので、ちよつと細かい計算に亘つて申上げかねますが、私どもといたしましては今申しましたような数字に基いてやつているので、その間割合の率その他おつしやいましたが、一応均衡はとれているとこういうふうに考えております。

中村正雄日本社会党(第二控室・右)

○中村正雄君 私の申上げましたのは、政府がお出しになつております予算書と前の予算書と計算したわけで、違つておればあとから今言つた数字は違つているという資料を出してもらえば結構ですが、政府でお出しになつておる資料で計算してみますると、給与予算を組みました基礎は今御説明聞いたわけですが、これでありますると増加になります率は大体同じか、国鉄はふえなければならないはずです。ところが出ております数字は国鉄は三六%の増で、電々は五〇%の増になつている。従つて今おつしやいました基準賃金なり或いは年末手当等以外に、何らかの数字がそれぞれ各公社によつて違つた点で組まれているのではないか、でなければこれだけの数字の開きは出て来ない。こう考えますならば、財政面から考えればいろいろな点はあろうと思いますけれども、余りにも国鉄の給与総額の増加の額というものが非常に他の公社より低い。この私の数字がおかしいかどうか御検討の上次回の委員会で御報告願いたいのと、なぜこういう率になつておるか、その御説明を要求いたしまして、私ばかり質問してもどうかと思いますので一応打切ります。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 只今の各公社の予算振当てに対する差額の問題は、本人は次回の委員会というような要求があつたのですが、これは重要な問題でありまして、今後の委員会の開催も恐らくこの裁定問題に関しては今日が最後ではないか。勿論これは予備審査でありますから本審査の際もございましようが、これは早く出して頂きたい、できれば今日までも出して頂きたい。これは比較検討の問題といたしまして重要でありまするから大蔵省のほうで直ちに出して頂きたい。

向井忠晴大蔵大臣

○国務大臣(向井忠晴君) 承知いたしました。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 それから大蔵大臣にお伺いしたいのは、本委員会でこれは十一月の十三日ですが、国鉄の裁定の予算全額に対しては完全実施の線においてその予算を組んでもらいたいという決議を出した。この点は大蔵大臣は受取つてどのような善処をせられたか、この点を一つお伺いしたい。

向井忠晴大蔵大臣

○国務大臣(向井忠晴君) 十分にそれは尊重して行なつたつもりでございます。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 これは尊重が事実においては裁定を不履行しておられるという結論が政府の態度において明確になつた。ただ言葉だけの尊重では何にもならない。事実においては尊重でなくして法律上の裁定を政府が三度蹂躙したということになることを大蔵大臣は記憶してもらいたいと思う。前二回も参議院では裁定の完全実施に対しましては決議をやつておる。国会でも決議をやつておるのです。三回目も吉田内閣はこの裁定を蹂躙したという態度が出ておるのです。私たちはこの問題につきましては運輸大臣にもよくその吉田内閣の重なる態度に対しましては委員会でも発言をやつております。こういうことは一つ新大蔵大臣も、裁定の重要性ということ、これは平和的な解決で最終判決であるということに対するこの法律を守つて行くところの企業体の考え方に対しまして政府は慎重な尊重をして頂きたい。これはもう遵守をして頂きたいという私の希望でございますが、この点に対しては大蔵大臣どうお考えですか。

向井忠晴大蔵大臣

○国務大臣(向井忠晴君) 私は御趣旨はよくわかりますので、よく御趣旨を尊重して参ります。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 それから大蔵大臣は、この国鉄の公共企業体となりましてからの現況に対しましては、まだ不案内の点もあろうと思いますが、併しこれは重要な法律上の問題でありまして、日本国有鉄道法にも予算関係に対する大蔵大臣の任務、それから内閣の任務、これはもう明確になつております。この任務によりまして現在の公共性のあるところの国有鉄道というものの現況というものがはつきり出て来ておる。こういうような国鉄の現況に対しまして予算総則をもつて給与額を、年度中において、勿論これは補正の時期もありましようが区切つてしまうというようなことが、公共企業体の関係労働法をお作りになりました、すなわち公共性のある国有鉄道としての性格を発揮するところのこの法律関係を出された趣意にかなつておるかどうか、この点に対しまして御答弁を願います。

向井忠晴大蔵大臣

○国務大臣(向井忠晴君) 現在の法律で公共企業体としては不便な点が多々あると存じますが、将来やはりそういう点はよく考えて公共企業体というものの運用の円滑に参るように研究をして行かなければならないというふうに私は考えております。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 これは現在国鉄の財政の自主性に対しましては、国会の各議員の方々においても相当大きな問題であり、現実の国鉄の企業自体を考えてみましても、只今大蔵大臣が言われたように相当将来において考えなくちやならない。この将来といつても近い時期において考えて行かなきやならないという点だけは率直に認めておられますが、この改正を是非一つ政府においてやらざるときにおいては議員においても考えるということだけは考えてもらいたい。特に私が重点として質問をお願いしたいことは、この団体交渉というのは公共企業体なるが故に認められた、その団体交渉によりましてそうしてその経営の参加はできないにしても、いわゆる管理委員会の正式の委員としては現在の法律ではなされてはないけれどもが、団体交渉によつてこの経営自体の労働条件や或いは給与の問題、これは特に又企業体として重要な人件費の問題に対上まするところのこの要求額の調整というものは団体交渉によつて打立てて行かなくちやならん。それをすでに当初予算において、予算の総則においてこれを拘束してしまうというやり方は正しいのであるか、正しくないか、その点を一つ大蔵大臣に伺いたい。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) 現在の制度といたしましては、専売公社、国鉄、電々おのおのそういつた給与総額の規定をおいておるわけであります。この制度自体には内村さんおつしやるようにいろいろな問題点あろうとは存じますが、併し現在のところといたしましてはこういうような制度もやむを得ないのじやないか。その最後の決定は国会にゆだねておるわけでありますので、将来の問題点としていろいろ御意見の点は拝聴いたしますが、只今のところといたしまして政府においてこの規定を改正するというような考え方はございません。

小泉秀吉日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小泉秀吉君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

小泉秀吉日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小泉秀吉君) 速記を始めて下さい。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 これは河野主計局長が言われましたが、国会のほうで面倒を見てやるといいのじやないか。こういうようなお言葉が含まれておつたのですが、予算総則の給与額の修正というようなことはなかなか国会においてはむずかしい。特に又現在の勢力分野においては監督を持つておられるところの運輸大臣の努力及び大蔵大臣の国鉄に対するところの認識これがなされていないことが第一点。第二点としましては、この日本の経済情勢というものの中では給与の問題というものが直ちに発生して来ない。いわゆる年度末とかこういうときになつて発生をして来る。それを一年前から予算総則で区切つてしまうということは無理ではないか。だからして私が要求いたしますることは、予算総則の九条及び十一条、十四条を大蔵大臣においてそういう事態においてこれを廃止して頂きたい、いわゆる削除して頂きたい、こういう希望でございますが、これに対するお考えはどうですか。

向井忠晴大蔵大臣

○国務大臣(向井忠晴君) 国鉄をいいものにしようというお考えからの御意見でございまして、それは拝聴いたしまして十分考慮をいたします。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 それから今回の裁定の給与額及びその他国鉄の補正関係におきまして、政府のほうでは三十億の借入金を認めておられる。問題はそのうちの、大半というもの、少くとも二十億というものはこの新線建設のために今回の補正予算で計上されておる。この種類のものは私は当然この国鉄の一つの将来の営業収入の問題で解決するであろうが、併しこれは将来性の問題現在のそういう国鉄の現状からいたしましたならば、当然これは建設公債その他によつて賄つて行くべきものであると思うが、これに対する大蔵大臣の考えはどうですか。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) 私今ちよつと聞きとりかねましたが、今回補正予算に計上いたしておりますものは損益勘定の赤字として三十億、ほかに建設関係といたしまして二十億、合計五十億やつておるわけであります。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 その建設関係については将来建設公債を以て充つべき問題である、こういうふうに考えるがどうかということです。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) 過去においては鉄道の建設を公債でやつておつたこともございますが、最近においてはいろいろな、いわゆる均等財政という点から政府の内部において預金部等の資金をこれに充てまして建設をやつておるようであります。いわゆる建設公債というものを発行いたしましてこれが一般的に消化できるかどうかというような点につきましては、現在の経済情勢下ではそういうようなこともなかなか期待できませんので、現在の段階ではなお当分政府の財政資金で面倒をみて行くよりほかはないのではないか、こういうふうに考えております。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 これは政策的な問題でありますので、事務当局がこれに答弁するというようなことは私はどうかと思います。で、これはやはり大蔵大臣の政策的な問題として、国会でも相当論議されたのであるからして、私はこれをここで申しますのは、今回のその給与の完全実施という線におきまして、政府の財政繰りを考えつつこの点を発言しているわけであつて、私たちはこの国鉄の現在の裁定を完全に実施をするということになるとすれば、やはり現在においては運用部資金から持つて来ないといかない、これを増加しなければいかないだろう。併しながらそれはやはり十五億とか或いは二十億というような新線建設に持つて来ておるんだから、それが即ち予算の補充というのが困難になつておるんだから、これは将来は建設公債でそういう面のものにあてがつて、直接現在においては運用部資金あたりの借入金を以てこの問題を解決するという考えがあるかどうかということに私は結び付けたいのです。

向井忠晴大蔵大臣

○国務大臣(向井忠晴君) 公債を発行しますことについては、建設とかいろいろ対象は違いますが、大蔵省としましてはいささか躊躇するのでございます。併しながらお説の通り鉄道をよくいたしませんと、日本の産業全体の発達を阻害するのでありますから、十分研究しまして御趣意に副うような方法を案出しようと思つております。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 今一点最後にお伺いしたいのでございますが、運輸大臣のほうからは、又は運輸省関係からは、今回の裁定の第二項、三項、四項についての組合と当局におけるところの団体交渉を、今回の百六億の予算を以て拘束するものではない、その希望としてはなるたけ枠内でやつてもらいたいという希望はあるが、全体的に団体交渉権が法律で認められておりまするこの自由な団体権を決して拘束するものではないということははつきり言つておる。そこで妥結をせられたところの即ち超過額に対しては、やはり法律に従つたところの手続をやるということも言つております。これに対しまして大蔵大臣のほうでは、そういう事態のときにおいては直ちにその事態を率直に認めて国会に対する手続をされる意思があるかどうか。その点に対して。

向井忠晴大蔵大臣

○国務大臣(向井忠晴君) これは予算上、資金上可能な程度の団体交渉ができますことを希望いたしております。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 どうも今のお言葉じや漠としてよくわかりませんが、そういう事態で自由な団体交渉を決して拘束しないとおつしやつているのですから、そこに超過額が出た場合においては政府といたしましても誠意ある態度をとらなくちやならない。大蔵大臣にはこの誠意さえもないような漠としたる御答弁では、これはいけないと思うのですよ。

向井忠晴大蔵大臣

○国務大臣(向井忠晴君) これはやはりその際における、この団体の交渉のできましたときの際における資金上の状況によつて考えて行きたいと思います。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 資金上の状況とおつしやいますけれども、資金上の状況というのはもうはつきりしているのでしよう。大蔵大臣の胸の中にはあるはずですね、国鉄の財政の状況は隅から隅まであるはずです。でこの団体交渉におきましては更に手続をしなければ、或いは国会の承認をやる、或いは大蔵大臣の許可によつてこれをするか、とにかくやらなくてはできない。事態ははつきりしている。ですからともかくも資金上の状況を考えるというのでなくて、それはそういうような事態が起つたときには善処するならする。これは必ず大臣こういうものはもうあるはずですよ。いつも仮定の問題ばかりでそういう、吉田総理が言うような言葉で言つてはこの大きな団体交渉、あの労働状態というものは解消しませんよ。炭労の問題においても然り、国鉄の争議の問題においても然り、こういう点ははつきりとして頂きたい。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) 給与総額百七億円の範囲内において、団体交渉その他ができ上ることを希望いたしますし、又そういうふうに努力して頂きたいと我々は希望するわけであります。併し内村さんがおつしやるのは、結果において百七億を超過することになつた場合にどうするかというお尋ねであると思うのですが、その点につきましてはその際において予算上、資金上可能であるかどうかということを政府において改めて検討すべき筋合のものと考えております。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 大臣もその通りですか。

向井忠晴大蔵大臣

○国務大臣(向井忠晴君) 私もそう思います。(笑声)

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○小酒井義男君 私はずつと以前からといいますか、仲裁裁定の問題が本委員会で予備審査をされるようになつたときから、大蔵大臣の出席を実は要求しておつたのですがなかなか出て頂けなかつた。今日も非常に時間をお急ぎのようなんで、私は改めて公共企業体に関する一体大蔵省の考え方についての根本的な問題をお尋ねするのは、次の機会にしたいと思います。併し今日の答弁の中にありましたところの、河野主計局長が答弁せられておりますこの国鉄の責任によらざる事故によつて非常に収入が減つたというような場合に、それをどうするかということ、主計局長の立場としてはそのときにならなければ具体的には答弁できんということで私はいいと思うのですが、大臣としてそういう場当り的な、そのときにならなければ何ともできんというような無方針なことでは私はならないと思うのです。大臣としてはそうした予期しない、又国鉄の責任によらざる事故のために減収になつた場合には、やはりこれに対して必要な予算的な措置を講ずるということを当然お考えになつていると思うのですが、そういう点について先ほどの答弁を大臣の答弁だというふうに理解してよろしいか、大臣としては別のお考えがあるか、この点を一つはつきりして頂きたい。  もう一つは、やはり御答弁の中で減収の場合は国鉄で何とかしてもらうのだという、然らば国鉄が若し収入が逆にふえたということがあつた場合に、それの使用に対しては大蔵省は国鉄の自主性において行わしめる方針であるかどうか、その点について一つお尋ねしたい。

向井忠晴大蔵大臣

○国務大臣(向井忠晴君) これは大蔵大臣として私が御返事を申上げます前に私は自分で商売柄のことを見ておつた癖がありますので、そういう思いがけないことが起つても何とか方法がわけなく立つた。ところが国の財政は規則がありましたり実にむずかしいもので、今の御質問に対して私はお気に入るような返事ができないのです。やはりそのとき考えるというふうなことが私のお答えし得るぎりぎりのところと私は思います。  それから儲けのあつたときにはどうするかという御質問ですが、それはやはり借入金を返してもらうというふうなことをしてもらいたい。こういう考えでおります。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○小酒井義男君 私は非常に大臣として、民間の企業の場合と国鉄という国の管理の下にある事業とを同じようなふうに考えられ、そうしていよいよ問題が最終的な段階に入つて来たときには、何とか解決がつくだろうというふうに考えるということになると、非常に国鉄の仕事、実際に引受けてやつている企業体の人は非常に不安だと思いますね。そういうことで私は大臣が大きな国の輸送行政というものをお考えになつているということは、非常にこれは言葉が強過ぎるかも知れませんが、無責任じやないかという私は気持がどうしてもせざるを得ない。

向井忠晴大蔵大臣

○国務大臣(向井忠晴君) 私は何とかなると思つているのじやない。併し返事をお求めになりますと今申上げたようなことになるわけです。併し何とかなるというふうな簡単な考え方はいたしておりません、それだけは。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○小酒井義男君 押問答をしてもあれですから、私は根本的な問題として公共企業体のあり方に対する、政府の基本的な考え方を少し掘下げて一つ御質問したいと思つております。改めて次の機会にすることにして今日は打切ります。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 時間ということですから簡単に。先ほど中村君の質問を伺つておりますと、国鉄の経営に対しては大蔵省で査定した通りの枠内においてやるべきであり、それを超過した、或いはそれでやり得ない現実がここに起つているにかかわらず、それに対してはこの年度末にならなければということで、大蔵省のとるべき措置をはつきりとされなかつたようでありますが、そういう何といいますか都合の悪いときには国鉄に任せる、それからそうでない場合には大蔵省としてこれは抑えて行くという、こういうやり方をされているところを見ますると、厳格な枠をはめるならばはめるように、国鉄の内部において国鉄が負担しなくてもよろしいような負担、少くともその経費について議論の余地のあるようなものを国鉄に、特にこの法律の定めた公正な仲裁機関が決定をした裁定にすら服し得ないような窮屈な財政状態におかれている国鉄に、なおその議論の余地のある経費を負担さしておくというような状態、例えば公安官の費用であるとか、或いは戦災復旧の費用であるとか、或いは正規の原価を遙かに下廻つた運賃であるとか、こういういろいろの問題があるでしよう。そういうような経費を依然として國鉄に負担させておる。そうしてこれが処置については仲裁裁定の支払能力のところにも明確に述べられておりますが、こういう点について長いこと民間におつて事業を経営されて来られた大蔵大臣が、こういう現実に見て事業に直接影響のない、負担すべきでない経費を多額に負担をしておる国鉄の独立採算制というものについて、どういうふうにお考えでしようか。

向井忠晴大蔵大臣

○国務大臣(向井忠晴君) 公共企業体がその経済において一般の官庁と同じような流儀に取扱われておるということについては、私は十分考慮の余地があるというふうに考えております。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 そうなりますと将来これらの問題については十分にその措置を考慮して頂けるものと理解しますが、そう理解してよろしうございますか。

向井忠晴大蔵大臣

○国務大臣(向井忠晴君) 公共企業体というものが一般会計から助けられているというところに私は無理があると思うのでございます。その公共企業団体が自立して行けるような方法を国として考えて行かなきやならないというふうに考えております。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 大臣は逆に理解されているのではないかと思います。現在国鉄では当然一般会計が負担すべきものを、独立採算制を強制されておる公共企業体である国鉄が負担をしておる。そういうことは実業家としての大蔵大臣が見られて不思議に思われないか。そうだとすればこれは近い将来において独立採算制を堅持する限り処置を適当にすべきではないか、こう考えるのですが。

向井忠晴大蔵大臣

○国務大臣(向井忠晴君) それは御尤もでございまして十分考慮するつもりでございます。私は自分でも鉄道が非常に困つているということは只今の位置につきます前から考えておつたので、その点については御意見は御尤もと考えております。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 極めて率直な御答弁を伺つて私も大いに気を強うしたのですが、そこで一つお願いがあるのですが、その処置については成るべく近い機会に処置をして頂きたいということが一つ。それから今日の国鉄の従業員の給与の面にそれらの経費がことごとくと言つていいほどしわ寄せをされておるど言つてあえて過言ではないと思うのです。国鉄の経理の窮状がそのまま従業員の給与にしわ寄せをされておるような状態におかれている。これを一つ是非強く御記憶頂いてこの仲裁裁定の完全実施が一日も早く成立するように御尽力を頂きたいということをお願いいたしておきます。  なお予算書の内容について御質問したい点があるのでありますが、先ほど來時間の点で制約されておりますから次の機会に留保いたします。

鈴木清一労働者農民党

○鈴木清一君 皆さんから大分いろいろ御質問がありますので、私は今大蔵大臣が御答弁になつておつたうちで、民間企業者としての体験から話されたことと、今最後に片岡君が質問された点について、いわゆる公共企業体の独立採算制については、企業経営責任者自体に相当のいろいろな権利を与えたいというふうな御意向を洩らしておつたのは、非常にその点は満足するのですが、それで今運輸大臣と大蔵大臣とがおられますので、からんでちよつとお尋ねいたしたいのですが、只今御承知のように先ほど片岡君が運輸大臣に質問したことがあつたのですが、御承知のように新聞面で見ますと遵法闘争というようなことを組合でやつております。その遵法、いわゆる規定された基準内において業務をした場合に列車の運行が非常に乱れる、そのためにこれを抑える意味で業務命令を出すというようなことを言われておるのでありますけれども、この点先ず運輸大臣にお尋ねしたいのは、そういう業務命令を出そうということを支度しておられるのでありますか。

天坊裕彦日本国有鉄道副総裁

○説明員(天坊裕彦君) 国鉄の中で最近遵法闘争というような名前で法を守るというような恰好で一つの闘争が行われたようとしておるのですが、そういう場合に、そういう法を守るというような名前に名を借りて正常な運営に支障ができては困るという意味で、そういうものはやめてもらいたい。正常な運営を阻害するようなことのないように今警告を出しております。

鈴木清一労働者農民党

○鈴木清一君 そういたしますると、国鉄職員が服務規程を遵奉して職務の遂行をする場合に、そういう正常な運転の運行に支障を来すという点は、逆に考えれば今までがそうすると遵法、いわゆるその規定より以上にオーバー労働をして従事員が働いていたがために正常な運転だつたというふうに解釈してよろしいのですか。

天坊裕彦日本国有鉄道副総裁

○説明員(天坊裕彦君) 現在の国鉄の運営におきましては機械化の点もなかなかまだ至りません点も多ございまして、それらの部分を或る程度大きく従事員諸君の特別な努力に頼つておるということは事実であります。

鈴木清一労働者農民党

○鈴木清一君 そういたしますると、頼つておるということは従事員諸君に対して基準法の規定より以上に労働を超過させておつた、そして又それをしているのだということを認めておるということに解釈いたしてもいいのですね。それではそういたしますると何ですか、今回の裁定の中にもその点幾分含まれて委員会の裁定が出ておるのでありまするが、そういたしますると、国鉄従事員の裁定について運輸大臣は他官庁との振合によつてこの予算額をきめたんだということをときどき言われたんでありますけれども、大蔵大臣もそういうお考えですか。これは大蔵大臣からちよつとお答え願いたいのです。

向井忠晴大蔵大臣

○国務大臣(向井忠晴君) 直接には財源ということを考慮して、裁定を尊重はしまして、全部呑み得なかつたということでございます。

鈴木清一労働者農民党

○鈴木清一君 そうすると、運輸大臣の今までの、この前からの質問に対するお答えとちよつと食い違つて来るのですが、運輸大臣は、裁定をきめたのは、いわゆる他官庁現業職員との振合いを中心として今回の裁定は大体きめたのだとはつきり答弁しているわけです。でありますると、ちよつと今の御答弁と違つて来るように考えられますけれども、運輸大臣どうお考えになるのですか、私の解釈が違つたのですか。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 私申上げたのは、財源……、そういうことを申上げました。それは財源が根本であることは、さつきからもいろいろ話の中にも出ておるのでありますが、私の立場としてはこのほかの公務員との十一月という問題も頭に入れて了承したという意味において申上げたのであります。結果的にそうなつたのであります。

鈴木清一労働者農民党

○鈴木清一君 それはそれでまあ大体了解したといたしまして、次にお尋ねしたいのは、そういたしますると、主計局長からの御答弁でも結構ですが、他官庁においていわゆる遵法闘争なるものを若し実施した場合に、国鉄と同様な結果が他官庁にも大体現われるということは想定しておつたのですか。そういう今までの実際の経験といいますか、そういうことはあつたのでございますか。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) どういうことか私わかりませんですが……。

鈴木清一労働者農民党

○鈴木清一君 おわかりにならなかつたかも知れない。私の問いたいのは、他官庁との振合いを大体中心にして、そうして国鉄の裁定の予算額を決定したのだということです。ところが私は曾つて国鉄におりましたし、国鉄の業務量、そうして国鉄従事員の業務量というものが、他官庁よりより上廻つて労働量というものが多いので、オーバーロードを盛んにしておる。であるので、少くとも今回の裁定をするためには、国鉄の裁定については、国鉄自体の業務ということを重点にして裁定が出ておらなければならないはずである。それにもかかわらず、当局といたしましては、少くとも他官庁との振合いを中心として予算をきめたと言われる。そうだといたしますると、僅か遵法闘争しただけで正常な運行が乱れる、実際の問題としてオーバー・ロードをさしてあるのであるから、それでそのオーバー・ロードを若しやめたら、直ちに運行が乱れてあれほどの事態が起るというような実情です。その実情が、それだけに私は国鉄従事員は他官庁の諸君より以上につまり働いておるのだと、そうしてこの人たちの労働力の価値というものがそれだけ高まつておるのだと、その価値に対する裏付けというものを責任当局として何にもでき得ない、こういう結果なんです。そういう点から見て、私は振合いということを中心にするならば、他官庁で若し国鉄のような事態が起きた場合に、他官庁の業務というものは国鉄と同様のような業務に立至つてしまうのかどうか、これを聞きたかつたのです。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) これは運輸大臣もそういうふうに言つておられなかつたように思うのでありますが、つまり裁定が予算上資金上可能であるかどうかということで検討した。その検討した結果的にほかの官庁とも釣合い、権衡がとれておる、こういうことでありまして、決して他官庁との振合いを中心にして給与を考えておるというわけではないと思うのです。

鈴木清一労働者農民党

○鈴木清一君 それは又議事録をあとで見なければ、運輸大臣がどう答弁したかは水掛論になるのですが、私ほそういうふうに解釈しなかつたから、そういう質問が出ておるのであります。そういたしますると、今度は大蔵大臣にお尋ねいたしたいのは、先ほど片岡君からの質問で、いわゆる何といいますか、働かせられる者に対しまするところの行政権は総裁が持つておる。そうして若し業務違反が少しでも起れば、それを処罰するとか、或いは行政命令を出してそれを働かせるために強要するということができる権限を持つておる。併しながら、従事員が賃上げを要求して生活保障を当局に要求して、ところがそれは当局としては或る程度認めた。認めたけれども、本当に労働の価値の裏付けをするためにこれを実施してやりたいと思つても、当局ができ得ない。而もそれは資金流用の権限さえ大蔵大臣の権限にある。そういたしますると、私はあなたが民間の会社にいて、社長として若しおつたとするならば、従事員が実際に困つておる場合は、あなたの権限において従事員を救う、賃上げもしてやるし、生活の保障もできるだろうし、同時に若しその人たちの行政上に対する不備があつたならば、直ちに行政措置のできる権限を持つておる。それができるのが民間会社だと思う。それにもかかわらず、国鉄の場合においては、独立採算制に名をかりて、行政処分だけは総裁ができるけれども、労働者に対する価値付けというものは総裁には何らできない。このような機構というものは、これは将来という言葉を先ほど使われておるけれども、将来の問題ではない。現実として起つておる今日の問題に対して、どう対処されるかということをお尋ねしたいのです。

向井忠晴大蔵大臣

○国務大臣(向井忠晴君) どうもこれは御意見として伺つておくより仕様がないだろうと思うのですがね。私は民間におりまして、お話はよくわかるのです。

鈴木清一労働者農民党

○鈴木清一君 わかりました。

小泉秀吉日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小泉秀吉君) ほかに大蔵大臣に対する御質疑がなければ、これで大蔵大臣の御質疑は終了したものといたしますが、よろしうございますか。

鈴木清一労働者農民党

○鈴木清一君 大蔵大臣御用があられるということを先ほどから言われておるのですけれども、例えば約束された運輸大臣さえ三時半だというのが四時になんなんとしてもおられるのだから、そこには相当伸縮性があると思うから、委員長そこらはそうまじめにやられんでも……。

小泉秀吉日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小泉秀吉君) まじめじやないんだ。やはりお互いに約束だけは守らないと……。

鈴木清一労働者農民党

○鈴木清一君 それではこの次の運輸委員会に大蔵大臣の御出席を求めるということにいたしまして了承いたします。

小泉秀吉日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小泉秀吉君) 運輸大臣に御質疑ありますか……、運輸大臣は四時まで妥協ができましたから、その範囲で御質疑を願います。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 仲裁裁定の支払い能力の第四項に載せられておりまする戦災復旧その他の経費について、運輸収入の七四%に当る三百六億という巨額が支出されておるということについての御質問を申上げたわけですが、それについての御答弁は、パーセンテージについての云々であつて、御答弁はそういうことでありましたが、私のお尋ねしておりまするのは、その。パーセンテージもさることながら、問題は独立採算制を強いられており、且つ今大蔵大臣の中村君の質疑に対する答弁にもありましたように、国鉄の経理については殆んど余裕を持たせないような、より以上の窮屈な態度を持つておられるにもかかわらず、こういう当然一般会計で負担すべきような経費をその窮屈な国鉄財政の中から支出して行くということが、国鉄当局として、否運輸大臣としてこれが妥当なものと考えられるかどうか。今大蔵大臣は、こういう経費については当然近い将来に善処するという御答弁があつたのですけれども、これについて運輸大臣はどうお考えになりますか。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) これはあとで国鉄のほうからもお話があると思いますが、この修繕費に充てられておりまする建設改良費という名前になつておりますが、三百六億、これは今までありまする設備等を直して行くもんであります。まあ或る意味の償却費の面に当るものだと思うのであります。これは国鉄当局に言わせますると、まだ五百億くらいな程度を出して改良をして行きたいという願いがあるくらいでありまして、それじやこれだけのものを絶えず国家が出してやるべきじやないか、という見方に対しましては、私はこれは国鉄そのものの運営をよくして行く改良費でありますし、又悪いところを直して行く費用でありますから、これは筋としては国鉄のほうが持つたほうがいいんじやないか、こういうふうに思つております。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 そのおつしやられるような常時の運用によつて当然自然に減耗を来すようなものの復旧、或いは時代の進運に伴つて当然改善されなければならないような施設の改善等についての経費は、これは当然国鉄が負担すべきでありましよう。併しながらあの東海道線ですら寸断されるに近い状態になつたほど、御案内の通り東京駅等もつい先だつて漸く曲りなりの復旧が見られたという状態、ああいう戦災等による而も巨額な経費が国鉄にのみ負担させられる。こういう経費を運輸大臣としてどう考えられるか、それが正しいと考えられるか、その点について仲裁裁定を妥当なものとお認めになつた点から、この点についても妥当としてお考えになつておられるかどうかということをお尋ねしているわけであります。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 見方はいろいろあると思うのでありますが、大体の線を申しますと、私は新らしい新線建設のような、或いは電化をするとかジーゼル車を置くとかいう点は、これは経費と申しますか、こういうものから出すべきでない、借入金とか或いは鉄道公債というような話も出ますが、別途出すべきである。併しどういうことになつて老朽荒廃の状態になつて来たかの原因は別といたしまして、それを修繕改良して行くのは、私は国’鉄で持つというのが、筋としてはそうだと思つております。ただその戦争のときの損害、それをどうするかという問題は、別個にして取上げて、それがほかのほうでそれを出し得るというようなことがあれば、これは別でありまするが、その問題は只今政府としては考えていないわけであります。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 今日考えておらないということでありまするならば、私の尋ねるところとは若干違うのでありまして、こういう経費が国鉄の経費として妥当とお考えになるかどうか。或いは仲裁の裁定書が示している通りに、こういうものは国鉄が負担すべき経費ではないというふうにお考えになるか、その点をお聞きしたわけです。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) さつき申上げましたように、建設面は別途の途を講ずる、それから修繕の面は国鉄で負担して行くというのがこれは天体今までからやつて来た考え方であります。私はそれをそのまま尊重しているわけであります。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 そうしますと、先ほど大蔵大臣はそういう戦災復旧或いは公安官の費用、その他この仲裁裁定に述べられているような経費については、近い将来において善処する考えであるということははつきりとさつきお答えになつた。その場合に大蔵省としてこれは国鉄経費に置くことは、仲裁裁定に示される通り考えられる。少くともそういう言葉を使わなくても、一般会計或いはその他の方法を以て負担すべきであるというふうに大蔵省として考えられたときに、運輸大臣はなお且つこれを国鉄が負担すべきものと言われるかどうか、その点をはつきりしておきたいと思います。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 私ちよつとそれをはつきり聞きませんでございましたが、なお確かめまして、大蔵省がそのくらいならば広い心持を持つて金を出してくれるというものを、運輸大臣が要らないという手はないと思います。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 私はむしろそういう御答弁よりも、本質的にこの経費が国鉄で負担すべきものであるか否かということを再三お尋ねしているのでありますが、答弁を故意に外されておられるように思いますが、然らばこの同じく仲裁裁定の理由書に示されております第七項に定期券の運賃が割引率が増大されている、そうして原価の四一%に過ぎないというこの数字まで上つて明瞭に示されておりまして、こういう社会政策的な経費を窮屈な国鉄財政が今日負担をするとするならば、これに対して政府として当然な補助があるべきであるというこの裁定について、運輸大臣はどういうふうにお考えになりますか。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) これは今度の運賃改正について問題になつた一つの大きな点であります。併しこれは定期券の使用者が非常に多いし、この人たちをどうするかという問題で別途案を出しておりますが、その負担を政府が持てという問題については、これは鉄道の中の問題、国有鉄道の中だけの問題にいたしまして、この問題だけを一つ取上げて政府がやるということは考えておりません。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 一つ一つこの項目を取上げてお尋ねをして参りましても、結局得られる答弁は今の域を出ないものと考えまするので、一応一つ一つの項目についてのお尋ねをやめますが、結局はこういう少くとも議論の余地が多分にある経費だということは、これは御理解頂けると思うのです。そういう経費を今日窮屈な国鉄財政から無条件で負担をして行く、而もそれが仲裁裁定も実施できないような情勢に置かれている。言い換えるならばこの世間が、少なくとも第三者が当然受けて然るべきだと言う給与すら国鉄職員が受けられないという情勢にあつて、なお且つこういう経費を負担して行くことが、国鉄当局として当然であると考えられる運輸大臣のお考えはどうしても私には理解できない、納得できないということを一つ強く私は申上げて、そうしてこれらのこの経費によつて、それらのしわ寄せが、全部と言つても過言でないほど従事員にしわ寄せされているという現実に対して、先ほど鈴木さんからも指摘されました通り、不当な取扱を、偏頗な取扱を国鉄の従事員諸君が受けられているということが、余りにも明瞭であるのですから、これは吉田内閣の性格がどうであるとか、或いは党の性格がどうであるとかいうことではなくして、少くとも現代の良心ある政治家として一つ是非運輸大臣はこういう明らかに指摘されるような事態を早急に改善されるように御尽力を頂きたいのです。  で、最後に一つ二つお尋ねしたいのは、一体公安官というものが今日国鉄には相当多くおると思うのです。この国有鉄道で出された予算説明書、この政府関係機関の予算説明書を見ましても、この公安官の給与総額をちよつと拝見いたしますと、大体損益勘定の二十七年度予定額だけを見ましても、この公安官の給与というものは損益勘定の大体所属職員の一%近く、六億二千八百万円の給与が支出されておる。これは給与として現実に現金を以て支給されるものだけである。このほかにもいろいろな被服の貸与その他の間接的な経費、或いは又直接的なものも相当あるはずだと思うのです。この公安官の費用、これは一体どのくらいあるものなのか、その点を一つ御説明頂きたい。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 ちよつと補足してその点……。これは私の要求した資料の説明になろうかと思いますが、私が要求した際には、存廃の理由、意見をつけてもらいたい、こういうようなことを要求しておつたのですが、それがないのですね。これは省議でまとまらない意見では困るからして、これは重要な問題でありますから、これも一つここではつきり運輸大臣としてこの点が明確になればここでも附加えて説明を補足してもらいたい。

細田吉藏運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(細田吉藏君) 公安職員の関係はお手許に内村先生からの御要求の資料として配付してございますが、約三千三百人現在ではおります。経費の総額は六億九千万円、約七億ということに相成つております。この公安関係職員でありますが、これはたしか以前には約五千人をちよつと上廻つておつたかと思うのでありますが、公安職員の中にはいわゆる事故防止の関係で昔から、昔と申しますか、いわゆる鉄道公安官ができます以前からおりましたもの、それから守衛、或いは警備係といつたような職名で以前から、例えば貨物駅の警備に当つておりましたようなものもこれは全部含まれておるのでございます。そこでそういつたものにつきましては、これは国有鉄道発生以来ずつとあるものでございますし、どこの鉄道についてもあるものと考えます。そこで純粋にいわゆる戦後の列車の混雑、或いは盗難が多いといつたようなことでいわゆる公安官としましてR・Pといいますか、鉄道のポリスとして殖やしましたものが以前になかつた増員なんでございます。この点につきましてはいろいろ国鉄の内部におきましても、又運輸省につきましても議論はあるのでございまして、現在の状況ではもう要らないのではないかというような御意見もあるのでございます。ただ今日の状況から考えまして、まだこれは一挙にやめるということにつきましては不適当ではなかろうか、かように考えておる次第でありまして、今後仲裁裁定の理由書にもあるのでございますが、十分研究いたすことにいたしたいと、かように考えておる次第でございます。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 ただ念のために申上げておきますが、だからといつて決して鉄道公安官の待遇を低下せよとか或いは人員を減らせということを言つておるのではありません。ひとしく国鉄の職員……、

小泉秀吉日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小泉秀吉君) 片岡君、時間が相当切れておりますから……。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 わかりました。これだけでやめましよう、私も実は風邪で疲れておりますから、これだけで……。

小泉秀吉日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小泉秀吉君) 大臣はいいですか。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 いいでしよう。……決して公安官の待遇を云々しておるわけではありません。むしろ同じように裁定も実施してもらわなければならんし、公安もして頂かなければならん。ただそれに要する経費があるために、あるためにと言うよりは、そのための経費も、又その他の国鉄で不可欠の従業員諸君にしわ寄せされるということを私は恐れておるのですから、そういうことについて経費を当然負担すべきところから負担せしめるようにして頂きたいということを言つておるのです。それから細かいことになつて来ますけれども、ちよつと速記をとめてくれませんか。

小泉秀吉日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小泉秀吉君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕

小泉秀吉日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小泉秀吉君) それでは速記を付けて。今井仲裁委員長が出席されましたが、御質疑のおありのかたは御質疑願いたいと存じますが、なおこの際今井仲裁委員長を参考人として発言を許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小泉秀吉日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小泉秀吉君) それでは今片岡君の政府に対する質問の済みましたあとで御質疑のあるかたは今井参考人の御発言を求めるようにお願いをいたします。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 折角今井仲裁委員長がおいでになつて御発言を頂けるのでありましたならば、その御発言を頂いたあとでなお時間によつて委員長に御質問したい、こう考えます。

小泉秀吉日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小泉秀吉君) 結構です。どなたか御質問ありますか、今井委員長に……。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 それでは今井委員長に御質問いたします。今井先生大変恐縮でありますが、御案内の通り先国会で公労法の十六条を改正いたしました際に、予算上質金上不可能な場合には事由を附して国会に議決を求めろというふうに改正をなされたわけでありますが、今回のこの私どもに配付されました裁定の案件を見ると、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き国会の議決を求めるの件ということだけでありまして、内容を拝見いたしてみましてもきつぱりその事由というものが附してないと考えられます。これについて今井委員長はどういうふうにこれをお考えになつておられますか、一つ御意見を伺いたいと思います。

今井一男公共企業体仲裁委員会委員長

○参考人(今井一男君) 御承知かも知れませんが、去る七月の国会におきましての公労法の改正に当りまして、仲裁委員会は一言半句の御相談にもあずかりませんでした。私ども国会で「事由を附し、」ということがきまりまして、一体何のためにああいうことが入つたのかむしろこちら側からお伺いしたいくらいに思つておる程度であります。それでついでに申上げますが、実は私どもの解釈するところによれば、却つてこれが入つたために十六条の関係は非常に意味がわかりにくくなつた。前のほうがまだ私どもとしては理解しやすかつた。かような感じさえ実は持つておるのであります。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 その次のお伺いいたしたいのは折角仲裁委員会として懸命な御尽力を頂きましたこの仲裁裁定が、御案内の通り政府から出された予算を見ると、尊重するという言葉は幾たびか委員会においても本会議においても政府当局から聞かされるのでありますけれども、現実には少しも尊重されておりません。而もこの仲裁委員会にお骨折りを頂いた仲裁裁定は、たしかこれで三回になると思うのでありますが、曾つて一度も完全に実施されておらないで、今後なおこういう事態が続くであろう、或いは改善されるであろうかということを考えてみますると、遺憾ながら今日の政府がその政治の衝に当つておりまする限り、この仲裁裁定なるものが完全に実施されることはあり得ないのではないかというふうに私どもには考えられて、法律に定められた機関の権威というものが著しく害われた。同時にこの健全な労働慣行を樹立せしめるために極めて遺憾な状態に置かれておるというふうに考えられます。勿論これは国鉄の経営、経理の面において国鉄法の改正が論議されなければならないことも当然ではありますけれども、とにかく政府のなされておる措置が只今申上げましたような状態に置かれております。すでに衆議院においても或いは私と同じような趣旨の下に御質問を申上げた諸君があるかとも存じますが、この際折角の御出席を頂きましたので、この懸命な努力をして下さつた仲裁委員会の責任者としてこの事態をどのようにお考えになられるのか。又今後如何ようにしてこれを救済する、或いは措置をすると申しますか、したならばよかろうかとお考えになつておられるか、この二点について御意見を承わりたいと思つております。

今井一男公共企業体仲裁委員会委員長

○参考人(今井一男君) 若干時間を頂きまして御質問の御趣旨にお答えいたしたいと思いますが、私ども仲裁をお預りいたしておりますものの立場といたしまして、我々の打出しました賃金額が決して最高最善のものであるというような自惚れは持つておりません。併しながら私どもの考えるところによりますというと、賃金というものは見方見方で、立場々々によりまして相当な幅ができる。安いと言う人もあろう、高いと言う人もあろう。併しそれでは話がつかないので、そこで最終的に争議権を奪つた、押えた代償としてこういつた制度を設けて、そこでいろいろの意見があつても、そこでその意見を打切つてもらう、こういつた考え方の下にできておると私ども想像いたし、その線で動いておるつもりでございます。賃金というものが若し何らかの物指でただ一つの答えが出るものでありましたならば、それは私は政府のようなところがぴしやんとおきめになることが最も正しいものだと思うのです。そういうわけには賃金というものは恐らく行かない。数学できちんと出ないというところを、こういつたまあ悪く申せば面倒な手続を設けておるようなわけであります。又我々といたしましては労働紛争解決の立場に立ちます以上、又科学的に日数を幾らかけてもよろしい、好きなだけ資料を集めてよろしいというような裁判所のような態度は実はとれません。一定期間内に悪く申せば腰だめでも、間に合せでもいいから一応常識的に考えて妥当という線を出して、そこで一まず話をつける、こういう考え方だと思うのです。従いまして私どももこの結論に対しましてそれほど大きな口はききたくないのであります。併しながらこういつた結論を結論として尊重してもらえない限りは、公労法の運営はできません。そこに御意見は如何にあろうとも、その御意見は抑えてもらわなければならんと思います。これに対して御批判の余地は十分に認められます。これは安いと認められるかたも高いと認められるかたもあろうことは勿論認めますが、それを一応抑えて頂いて、そうしてこの線に副つて結論を付けて頂くというのが公労法の精神だろう、私はかように考えておるものであります。  御承知の通り国鉄の裁定につきましてはこれで三回目でありますが、過去二回におきましても、国会の御厄介になりまして遂に全面的な実現はなされておりません。私ども今回も国鉄の経理に取つ組みまして、我々としては常常我々の立場が一つの企業体においての賃金の姿を描き出す立場にあります以上、人事院勧告等と異りまして、単に賃金として公正な姿というものでなくて、その企業の支払能力というものと十分睨み合せなければ妥当ではない。こういう考え方で動いて参つたのでありますが、例えば、これは衆議院でも申上げたことでありますけれども、船舶のような交通事業にありましては、勿論政府の相当積極的な財政資金の援助がある以外に、例えば航路標識であるとか或いは船のごとく波止場のある港であるとかいうようなものは船に乗るお客さんの負担でなく別の角度でこれは経費が出されております。又自動車交通につきましても、御承知の通り道路その他の負担はこれは税金で賄われておるのであります。ところが事国鉄に関しましは、一切のものが乗客なり貨物なりから、支弁されるという建前をとつております。これは私どもその政策の是非を批判しようというつもりは少しもございませんが、そういうような注文を一方でつけておいて、而もその額は他の物価と比較にならないほど抑えて行くというところに実に無理の魂胆があると思うのであります。先ほど来鈴木委員の御発言の通りのような感じは私ども理由書にあります通り痛切に感じたのであります。併し私どもは国鉄の経理なり或いは又国家の財政政策、或いは又国民経済上のいろいろの施策、社会政策なり何なりというものにつきまして、私どもは何も経営者ではないと思つております。又私どもの意見を決して百%尊重しなければならんという主張は私どもはいたしたくございません。ただ賃金額だけについては是非、賃金額並びに遡及時期、要するに与えるべき待遇につきましては少し尊重して頂かないというと、公労法上困る。併し国鉄のように、今のように非常に我々が見ましてとにかくそういつたいろいろの条件を加味しておるということから、これは時と場合によりまして全部が実現しないというようなこともこれはあろうと思います私どもはそれを否定いたしません。いたしませんが、その場合におきましては、少くとも労働組合の諸君にこうこうこういう理由でと、とつくりと話のわかるような措置を是非講じて頂きたい。それだけは是非私どもとしてお願いをしておきたいところであります。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 今のお話に関連するのでございますが、先ずこれは残つておられますのでは労働政務次官かと思いますが、裁定が下つたらそこで問題は終るのであつて、それから紛争の発生であつてはならん、こういうことがまあよく言われますけれども、実際に今までそういう恰好になつて参つております。併し若干最近の情勢は、裁定について政府の尊重の率もややまあ上りつつあるような気もするのでありますが、これは今後の見通しも含めて申上げるのであります。政府自身が出して参りましたものについては、極めて不十分なことは申上げるまでもございませんが、そこで今額の問題が出ておりましたが、労働省としては、国鉄裁定というものについてどういう考えを持つておられるのか。尊重せらるべしということであるけれども、もつと百%裁定が実施せらるべきであるとお考えになつておると考えるのでありますが、その辺の所見を先ず承わりたいと思います。

福田一自由党労働政務次官

○政府委員(福田一君) お答えを申上げます。お説の通り、裁定が下りました以上、公労法の精神その他に基きまして、我々としてはこれを尊重するという気持においては十分持つているわけでございますが、今まで大蔵大臣或いは運輸大臣等よりも御答弁があつたことと思いますけれども、予算上、財政上の都合というようなものでこれが実現できないというようなことは、閣議その他政府の間で話がまとまりました場合においては、我々労働省としては極力やはり労働者の味方になつてこれが実現に努力をいたしてはおりましても、その額全体の関係からいつていたし方がない、止むを得ず今回のような補正予算を出さざるを得なかつたということについては、誠に残念と考えておるわけであります。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 残念ということで逃げられましたけれども、政府全体としては完全に尊重することができなかつた、財政上質金上の理由でできなかつた。そこでまあこういう案を出したということでありますが、例えば今度の補正予算を通じて給与の問題について或いは裁定の問題について一つの実際的の結論がつくのでありますが、それについて裁定が尊重せられるという慣例と申しますか、事実が確立されるということは希望せられることは労働省として当然であろうかと考えたのでありまするが、裁定が尊重されることを希望するということがおつしやられますかどうか、その点重ねてお尋ねいたします。

福田一自由党労働政務次官

○政府委員(福田一君) 裁定が実施せられることは希望すると申しまするか、そういうふうに実現したいという気持は我々としては持つているわけでございます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 それは政府だけでなしに、今国会においても一番大きな問題となり、それから予算の審議に関連しましても大きな問題になつているのでありますが、その政府の足らざるところを恐らく国会は補なつて、国鉄裁定をも生かすように私は努力している、或いはそういう点について相当の成果が今国会において見られるのではないかと思いますが、例えば裁定が実施せられ、或いは国家公務員につきましては人事院勧告でありますが、人事院勧告が実施せられる、こういうことになりますというと、私ども国家公務員の現給と、それから勧告、それから国鉄職員の現在の平均月額と裁定、それから専売の従事員の現給とそれから裁定、こういうものを見通す場合に、若干の上昇率に相違が見られるわけであります。その点について今調停委員長から弁明がございましたが、私ども今までこういう同じ公務員であつた者、或いは同じ国の仕事をしている労働者について給与が多少なりともアン・バランスがある、或いはベース改訂の際に相違が出てくるということを残念に思う点がございます。そうしてそれが或いは組合の団体行動権、そういつたものに関連するのではないか、制限せられれば制限せられるほど、給与の上り方が低いといつたような印象さえも感ずるのでありますが、そうではないと言われるかも知れませんが、これらの事実についてどういう工合に考えておられますか、それをどういう工合に調整をしようという抱負と申しますか、御意見であるか承わりたいと思います。

福田一自由党労働政務次官

○政府委員(福田一君) 今まで官公吏であつたこういうものが今度は法律によつて新たにまあ鉄道の場合におきましては公社になつた、こういうような特殊事情と申しますか、それがそのあり方がよいということになつたことにはそれぞれの原因があるだろうと私は考えます。このようにいたしまして、その立つ立場が違つて参つておるのでありますからして、私はその意味合いにおいては一般の官公吏のかたとその間に若干の差ができて来ることのほうがむしろ自然ではないかと思う。大いに国鉄あたりが金を儲けて頂きまして、その面に従つてやはり少しでも余計金が一般のかたに余計渡るというようなことになることのほうがむしろ合理的ではないかと私は考えているのであります。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 ちよつと意外な御答弁を承わつたのでありますが、財政上質金上の理由によつて裁定が完全に実施ができる、できぬというようなことが前には国家財政全体の立場で言われておりました。それがたしか専売裁定のこの前のときでありましたか、昨年でありましたか、それは各、国なりそれからそれぞれの公共企業体の財政上質金上の理由によるんだとこういうように主張が変つて参りました。それはいわば理窟を、強いてこの変えた屁理窟をつけて実はこの理由付けられたと私どもまあ考えるのでありますが、それも或いは大蔵省なり、金だけを考えているお役所から考えるならば、それはそういうことも或いは窮余の策として考え付かれる理論だと思う。これは納得はいたしませんけれども、その立場だけは同情せんこともございませんが、労働省として賃金が何であるか、こういうことを考えますならば、それは労働の量と質とに対して差があるというならばとにかく、財政上資金上のそれぞれの公社なり国家財政の理由によつて違うのは当り前だという議論は労働政務次官としてはおかしいと私はまあ思うのであります。これはまあ議論を申上げようということではございませんけれども、依然としてそういう財政上の理由だけで賃金が違うのは当り前だとこういう工合に言われますのか、答弁者が政務次官でありますから重ねてお尋ねいたします。

福田一自由党労働政務次官

○政府委員(福田一君) 私が申上げましたのはそういう予算関係から申上げましたのではなくて、仕事の内容その他が違つておるという意味合いにおいて申上げたのです。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 それでは仲裁委員会の委員長にお尋ねをいたしますが、これはざつくばらんに申しまして、今度の国会で予算の修正は私どもは必至だと思うのです。新聞もそういう工合に報じております。これはまあ実際に実現して見ないとわかりませんけれども、私どもにはそういう感じと見通しがいたします。そうしますと裁定が実施されて、問題は今それをいつから実施するか、或いはその内容についていろいろ論議がなされておりますが、裁定が実施されなきやならない、或いは勧告が尊重されなければならないという大原則から考えますならば、裁定は完全に実施されるということを前提にして恐らく案を立てられることだと思うのであります。国鉄の裁定、それから専売の裁定、それから国家公務員の勧告、こういうものを考えますときに、先ほどもアンバランスの点がございましたけれども、国鉄の裁定給与についていろいろ批判があり得ることは委員長みずから認められるところであります。そういう点から考えまして完全に実施されて、そうしてこれがこのバランスの点から考えまして今のような財政上、資金上の理由じやなくて、労働の質と量と或いは労働時間等を考えて委員長としては自信のあるものであり、或いは妥当なものであるかどうかという点について重ねてお尋ねをいたしたいのであります。

今井一男公共企業体仲裁委員会委員長

○参考人(今井一男君) この裁定の理由書の中にも書いておいたつもりでございますが、国鉄の賃金は我々が若し支払能力等において今のような窮屈さが認められない場合には、もつと高い数字になるであろうということをはつきり申上げたのであります。併し又こういうふうにそういう意味のことをどこでありましたか、一部確かに書いておいたつもりであります。と申しますのは、私どもはまああえて申せば賃金委員会などのように全部のものの調整を図ろうと、そういつた性質の委員会ではないと考えます、即ち一つの企業体におきましての労働紛争を解決する。従つて一つの企業体が非常に窮屈な場合には或る程度割の悪いこともあります。又反対の場合は割がよくなる。併しそれにいたしましてもその企業体が公共企業体という一般の営利を目的とするものと異り、又国民の共有財産という立場に立つております以上は、その幅はおのずから限度がある。どんなに低くてもこれ以上下げてはいけないだろうという線があると同時に、どんなに仮に儲つてもこれ以上賃金を上げてはいけないという線がある。その線が幾らかということは具体的には非常にむずかしい問題でありますが、そういつた線こそむしろ我々のような立場にあるものが議論をして出すべき線である。そういつたような考え方で出ておるのであります。甚だお言葉を返すようになつたらば、私の志とは違うのでありますが、若し今一部にときどき耳にいたしますように何との権衡かんとの権衡とそういつたことでこういつたものがきめられることが正しいのならば、私は仲裁委員会のようなものはむしろ無意味であつて、政府のようなところで一切を横に並べてばちんとお出しになることが、これが一番簡明直截である。団体交渉等の必要は、むしろおやめになるほうがよろしいじやないか。かような感じを持つのであります。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○小酒井義男君 今井さんに、私非常に不勉強なんで何ですが、今度の裁定をお出しになるときに、国鉄の経費の中から支出する物件費になつておる分が一般民間の同種産業などと比較した場合に、少し率が多過ぎるのじやないかというようなお考えを持つていらつしやるのだと思いますが、ずつと今日の委員会で聞いておりますと、運輸大臣なども建設費と、そうして保守に要する費用とははつきりと分けられるのですが、改良費ですね、例えば木造車をこれを鋼鉄車に変えるということになると、それだけ価値の変動が生じて来ると思います。そういうものは、やはり一般の収入の中から支出をせらるべきものではないかというふうに私どもは考えるのですが、仲裁委員長のお考えは、その点どうですか。

今井一男公共企業体仲裁委員会委員長

○参考人(今井一男君) 私どももその点はおおむね御同感でありまして、無論収入が余裕があるならそれに越したことはありませんが、併しそういう木造車が鋼鉄車に変つたことによつて、受ける便益は、現在の乗客よりも後代の乗客のほうが大きいのでありますから、その負担の一部を後代に分けるということは、むしろ経済原則から言つても妥当じやないか。殊に私どもの考えによりますと、運賃が特別に低いせいでありますが、運賃収入の中の過半が、まあ私どもの推定では五二%でありますが、過半が修繕と……、修繕、保守とか、建設とかいう方面に向けられて、実際の事業の運営が四八%で行われている姿は、如何に何でも常識的に見て重要な他の産業他の事業と比べてひどくはないか、こういう感じを持つたのであります。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 途中で今井委員長に御批判を頂きましたが、機械的に弾き出そう、或いは団体交渉もいかん云々ということを私は申上げておるのではないのでありますが、私今まで見ておりまして、或いは御説明の中にも多少感じますけれども、若し裁定を出される場合に、財政上の事由ということもあつて、国鉄の財政に余裕がない、而も経営の面において、或いは例えば建設勘定にしても自己資金だけでやつておる、こういう制約が裁定の上に狭ばめられて入つておる。今までの経営の枠の中で、例えば高架線の下であるとか、いろいろな点をまあ指摘はせられておりますけれども、そういう点については、もうこれは触れられんと、こういうことで来ておりますのが裁定の結果の中に響いておるとするならば、これは例えば裁定も出すけれども、完全に実施せられないのだ。若しそれが国全体の予算の中で実現せられるということになりますならば、完全に尊重せられるという、実現せられるということになりますならば、これは経理の中でそういう重圧になつておりますものについても、私は委員長の心理の中にも若干徴すべきものがあるのじやないか、こういうことを感じますだけに、その点はとどめておいて頂きたい。そしてこれは賃金問題から始めますけれども、経営の点についてもメスを入れながら、妥当な線を出して頂くことが本当じやなかろうか、こういう気持で申上げましたので、その点は御了承をお願いしたいと思うのであります。そういう点もございますが、例えば年末手当にいたしましても、或いは〇・七五になるか、或いは一になるか、或いは一・二になるかと、こういうことはこれは単にやはり国鉄の財政上、資金上という、今までの枠の中で、これで仕方がないのだ、こういうことでないとしますならば、その点にはこれは私はまあ先ほどそういう勘定を出しましたけれども、やはり他との関連というものがこれはあると思うのです。その点で今井委員長は、例えば一という問題、結論と、それから現業関係について言うならば、これが一・二であるべきだろう、こういう議論等もあり得ると思うのでありますが、その点について今のような制約を成るべく抜けてお考えになるとするならば、どういう工合にあるべきであろうかという工合にお考えになりますか、承わります。

今井一男公共企業体仲裁委員会委員長

○参考人(今井一男君) 御存じとも存じますが、国鉄の労働時間は一般の公務員と比べましても一割長いのであります。又昼夜をわかたず、常に汽車の交通をストツプできないために、毎晩四、五万の人間が徹夜をして働いております。又危険性におきましても、恐らく炭鉱と相並んで、日本の一番犠牲者の多い業種であります。又更に一般の公務員には与えられておりますが、国鉄だけにはお正月の休みというものも全然ございません。そういつたような点等を考慮いたしますれば、又更に私どもとして一番感じますことは、六十三万まで上りました職員が四十五万を割るという、こういう大きな減り方をしております。無論これは前の人数が多過ぎたに違いはないのでありますけれども、従つて削られることは当然と言えるでありましようが、それにいたしましても、仕事をしている労働者の立場から申せば、少くとも三人分の仕事を二人でやるということになるのでありまして、而も一人が一人で、どうしても変えられないことを考えますと、人によつては倍もの仕事を仰せ付かる、而も仕事の分量は決してその後減つておりません。そういつたこと等までも算盤におきますと、もつともつと高い数字になるということは、我々の仲間で……、参議院でも衆議院でもたびたび出たことでありますが、併し国鉄産業というものがやはり労使の関係で運営が円満に行かなければならん以上は、やはり費用の工合を整備すること、殊に国民が負担力のないために、これは運賃が低過ぎると思いますけれども、そういつたことの影響も、やはり職員として或る程度辛抱してもらわなければならん。その辛抱の限度はどうかと申しますと、これは非常にむずかしい問題であります。これは私は一人一人全部違うと思いますけれども、そういつた議論の結果がこういつた数字に落ちついたわけでございます。  それでついででございますから、或いは御質問には触れないかも知れませんが、支払能力等を私どもがその立場から考えてみますると、率直に申せば国鉄の経理当局と申しますか、国鉄当局は、少しおとなし過ぎると申しますか、或いは馬鹿正直と申しますか、とにかくこれだけの無理を仰せ付かつて、よく辛抱しいしいここまでやつて来たものだと思います。これだけに世間の人が知らないのではないか。而もこれほど運賃が圧迫され、而も国民からは保守、復旧を迫られておる。それをはいはいと聞いて非常に善良ではありましようけれども、多少私どもとしては率直に申しますと、感情としては不甲斐ないと申しますか、まじめさは買う必要がありましようけれども、それはもう少し国民にわかつてもらう必要があるのじやないか。そういつたことを実は心ひそかに感じております。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 今の御答弁の中で、年末手当の問題についてお尋ねしておきましたが……。

今井一男公共企業体仲裁委員会委員長

○参考人(今井一男君) 年末手当につきましては、私ども余り特殊的なそういう労働時間とか何とかいう問題はこれは考える必要はなかろうと思います。それを考えるのは、むしろベースの問題であろうと思います。併し日本では御承知の通り、もう十二月には何と申しましても生計費が或る程度嵩みまして、これは数学的にはつきり出ておる事実であります。それを月々の賃金が十分じやない場合には、やはりそこへ皺寄せして、或る程度のことを見るということは、これは社会常識から始つたことで、我々もその意味においてはこれは、尤もな手段だと思うわけであります。それにプラス業績等によりまして或るものが加わつておるというのが、現実の姿だと思います。そういつたことを考えてきめられるべきものであろうと、かように我々としては判断いたしております。無論世間一般の年末手当の状況等もこれは考慮に入れるべきでありますが、労働条件等はこういつた場合にはむしろ考慮しないほうが、まあ妥当じやないかと思つております。こういつた感じもします。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 これは私勉強として事前に伺うべきことであるかも知れませんが、多少、数字について国鉄当局に一、二お尋ねをいたしたいのでありますが、昨日の衆議院の予算委員会で、小島氏の質問に答えて、河野主計局長が裁定を八月に遡れば四十億円いる、一月からの値上げでもなお三十億円の赤字が出る予定だと、こういうことが書いてございますが、これは裁定でございますが、これを年末手当の点に関連いたしまして、一二の場合には幾らになる、或いは一の場合、それから政府原案によるあれで幾らか、こういうことで総額幾らになるという点です。お示しを頂ければ結構だと存じます。

細田吉藏運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(細田吉藏君) お答え申上げます。年末手当が〇・七五カ月分の場合には、端数は省略いたしますが、約四十五億でございます。一・〇になりますと六十億、一・二の場合は七十二億五千万でございます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 それから一点だけ、これは裁定書の中にガード下の問題とか、経営の何といいますか、改善点等についてお話し等がございましたが、こういう点についてこれは私ども素人だから、わからんからそういうことをお尋ねするのかも知れませんけれども、或いは鉄道について、この鉄道の国鉄の周辺にいろいろな経営がございます。例えば交通公社であるとか、或いは日本食堂とかといつたようなもの、そういう点については、これはどういうようなことが考え得るのかどうか。例えばそれは交通公社で切符を売つているのは、勿論国鉄の収入になるであろうと思いますけれども、例えば交通公社というものが別に存在し得るとするならば、国鉄が自分で窓口を拡げてやつてもいいのじやないかというような、素人考えかも知れませんけれども、そういうことが考え得るのでありますが、或いは鉄道公安官にしても、終戦後のあの状態においてこそ、ああいうことも必要であつたかも知らんけれども、或は国鉄でみなくてもということも考えられますが、そういう点について御意見を承わることができれば幸いと存じます。

小泉秀吉日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小泉秀吉君) どなたに聞きますか。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 国鉄の総裁でも……。

天坊裕彦日本国有鉄道副総裁

○説明員(天坊裕彦君) 国鉄の財政と申しますか、貸しているところの料金というようなもののほかに、まだ交通公社とか、食堂会社とかというものが別にあるが、これを鉄道で一本にやるようなことにしたらどうなるかという意味での御質問と思うのでありますが、これも相当人手を使つて現在やつておりますその実際上の収入というものが、大きな額になつているというふうには私は考えておりません。鉄道でやつてもそれだけ非常に大きな財源になるということも言えないと思つております。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 天坊副総裁にちよつとお尋ねいたしますが、先ほど業務命令の点につきましてはこれはまあお話がありましたが、問題は最近静岡管内で業務拒否の問題がなされました事態に対しまして、検察当局、又検察官がこれに関与しているという、こういうような事態が発生したことを私たちは聞いております。特に又組合員の代表として出ているところの中闘の一員を、これはどういう意味か知らんが、招致するというような事態が出ていると私は聞いております。これは誠に態度といたしましては、我々としては不可解で、これは不当な労働行為でもあろうと思うのであります。勿論これは検察庁は検察庁の立場からやつたからではございましようが、併しこの点に対してはどうも私たちは納得行かない。この点については委員長において、この次の委員会におきまして検察庁関係その他の責任者を、これを一つ出して頂きたい。  それから鉄道の副総裁といたしましては、こういうような警察官あたりと連絡をとつて、或いは検察庁と事前に連絡をとつて、そうしてこの問題に対する取締関係について、あらかじめ打合せをしたというような事実があつたかどうか、この点に対して御質問をいたします。

天坊裕彦日本国有鉄道副総裁

○説明員(天坊裕彦君) 沼津で業務拒否をやつたというようなことを、私聞いておりません。ただ昨日汽車が少し遅れたというような話に関連して、何か検事局が調べているのだということはちよつと耳に聞いておりますが、詳細これは調べておりませんから、又よく調べて……。こうした今度の遵法闘争ということは、決してむずかしい話になると実は思つておりませんので、今まで検察当局とあらかじめ打合せするというようなことはいたしておりません。

小泉秀吉日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小泉秀吉君) ほかに御質疑がなければ、連合委員会はこれを以て終了することにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 これは連合審査をば終るというお話でございますけれども、従来の慣例等を伺つて見ましても、向うの衆議院先議でこちらに廻つて来るわけでありますが、衆議院でどういうふうになりますかも明らかでございませんのに、ここで連合審査を打切つてしまつて、仮に向うで修正された案件がこちらに廻るということになれば、その修正部分については何ら私ども審議に参与するということがございません。そういう点から考えましても、打ち切るということには参らないかと思います。その点は従来通りの例で一つお取扱いを願いたいと思います。

小泉秀吉日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小泉秀吉君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

小泉秀吉日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小泉秀吉君) 速記を始めて下さい。  それではこれをもつて連合審査は打ち切りにいたします。    午後五時七分散会

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