P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
15回国会衆議院1952/12/18

労働委員会 第13号

発言数
70
登壇者
16
会派数
6
開催日
1952/12/18

会議録

田中伊三次自由党

○田中委員長 ただいまより労働委員会を開きます。  この際お諮りをいたします。去る十五日、理事山村君及び委員重政君、中君、また昨十七日には理事吉武君が、いずれも委員を辞任しておられますので、理事とけい肺病対策及び港湾労働に関する小委員並びに小委員長の補欠選任を行わねばなりませんが、これは先例によりまして委員長より指名をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中伊三次自由党

○田中委員長 御異議なしと認めまして、さようにいたします。  理事には、山村新治郎君及び吉武惠市君を指名いたします。またけい肺病対策小委員には吉武惠市君、松山義雄君、その小委員長には吉武惠市君、港湾労働に関する小委員に山村新治郎君、中助松君、その小委員長には山村新治郎君を指名いたします。     —————————————

田中伊三次自由党

○田中委員長 次に、労働金庫法案(参議院提出、参法第三号)を議題といたします。まず提案者より提案理由の御説明を承ります。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田参議院議員 ただいま議題になりました労働金庫法案の提案理由を御説明いたします。  わが国におけるいわゆる労働金庫は、昭和二十五年に岡山県において岡山県労働者信用協同組合として設立されて以来、各地においてこれにならうもの多く、今日では北海道、東京、神奈川、大阪、兵庫等すでに二十三の都道府県においてその設立を見ております。  これらの労働金庫は、労働組合、消費生活協同組合等労働者の団体を主たる構成員とする協同組織の形態をとり、その事業は、一方において、それら労働者を中心に組織する団体の資金及びその団体の構成員たる労働者の手持金を広汎に吸収し、他方において、その資金をこれらの団体の行う労働者のための福利共済活動の資金として貸し出すとともに、各労働者に対し、その生活資金として融資しているのであります。これは労働者が自主的組織により、その遊休資金を集めて、従来の金融体系においてまつたく等閑に付せられていた労働者の生活資金金融の道に活用するものでありまして、社会的にも大きな意義を有するものであります。  しかるに労働金庫は、これまでそのための独自の法制がなかつたため、中小企業等協同組合法に基いて、その信用協同組合として設立運営されて来たのであります。しかしながら、中小企業等協同組合法の規定するところは、本来の労働金庫とは、目的、構成組織、金融の主格等すべて異なり、そのため事業の運営にも幾多の不便を感じて来たのでありまして、労働金庫が今日の段階まで来ました以上、労働金庫の健全な発達をはかるためには、その本来の性格に即した独自の法律を制定し、もつてその基礎を明確にするとともに、監督の適正を期することが、ぜひとも必要であると考えまして、ここに本法案を提案いたした次第であります。  次に、本法案の規定の建前の主要点を御説明いたします。  まず第一に、本法案では、労働金庫の構成及び運営の主体を、労働者をもつて組織する団体に置き、個々の労働者は、会員となる資格は持ちますが、会員としての議決権の行使、役員の選任等金庫の運営については、団体加入の会員にその主導権を譲るように規定いたしております。労働金庫が労働組合運動の一環として行われている経緯及び労働金庫の預貯金の吸収、貸付金回収の確保等から考えまして、労働者を団体として把握することが労働金庫業務運営を円滑ならしめるゆえんであり、団体構成を貫くことが好ましいのでありますが、未組織の労働者が相当に多く存在する現状におきましては、これらの労働者に団体を持たないがゆえに金融の道をとざすことは妥当ではありません。そこで、業務運営上の発言力において団体会員との差異を設けた上、個々の労働者についても会員となり得る道を開くことによつて、労働金庫の理念を現実に即するようにいたしたのであります。  第二に、本法案では労働金庫の組織運営については、金融機関たる性格に反しない限り、協同組織の原則をかたくとつているのでありまして、この建前より、預貯金の受入れ、資金の貸付等の労働金庫の業務も、もつぱら会員たる団体とこれに加入する労働者及び会員たる労働者、これらの親族のみを対象としております。これは労働金庫が会員たる団体を構成する労働者及び個人会員たる労働者の相互扶助の組織である以上当然のことであり、またそれによつて初めて労働金庫の民生的な健全な運営が期されるからであります。  第三に、本法案は労働金庫が多数の労働者の零細な預金や、その他労働者の福祉のための貴重な資金を預かる金融機関でありますので、その安全確実な運営を確保するため必要な規定を設けるとともに、そのためには行政官庁の監督についても極力その適性をはかつております。  なお、この法律を施行する行政官庁といたしましては、大蔵大臣及び労働大臣といたしてありますが、これは、労働金庫が広く労働者の福祉の増進と労働組合の運営とに密接な関連を有するものでありますので、労働行政上の必要から、これを労働大臣に所管せしめるとともに、労働金庫は、一種の金融機関でありますので、金融行政上の面からは大蔵大臣の共管といたした次第であります。  以上、本法案の要旨を御説明いたしたのでありますが、それによつて明らかなことく、その内容は労働金庫の本来の特殊性に即応し、その健全な発達を期するため必要欠くべからざるものでありますから、何とぞ御審議の上、すみやかに可決されるようお願いする次第であります。

田中伊三次自由党

○田中委員長 参議院労働委員長の吉田法晴君より、ただいま提案理由の御説明を承つたわけでありますが、この労働金庫法案をめぐる質疑は、日を改めていたすことにいたしまして、本日は提案理由の説明を聴取するにとどめることにいたします。     —————————————

田中伊三次自由党

○田中委員長 これより本委員会に付託されました請願の審査に入ります。  まず日程第一、看護婦及び家政婦の雇用に関する請願(床次徳二君紹介)、(第七一号)、これを議題として審査を進めることにいたします。紹介議員がおられませんので、紹介議員にかわつて森山欽司君。

森山欽司改進党

○森山委員 本請願の要旨は、看護婦、家政婦が同一求人者に一箇月以上継続雇用された場合は、最初の一箇月分までは紹介手数料を徴収できるが、二箇月目からの就労日数の分については、徴収できないと解釈されているため、求職者が解用の日まで紹介所と求人者との連絡が遮断され、多くの不便と矛盾を生じ、それが紹介所の物心両面にわたる負担となつているから、その解釈を一箇月日以上の就労についても、日数に応じて徴収できるように改正されたいというのである。

田中伊三次自由党

○田中委員長 ただいまの案件について政府側に御意見があれば承ります。

齋藤邦吉労働事務官(職業安定局長)

○齋藤(邦)政府委員 ただいまの請願につきまして、考えておることを申し上げたいと思います。御承知のように、看護婦、家政婦の有料、営利職業紹介業務の手数料でありますが、これは御承知のように職業紹介の手数料でありますので、紹介後の就労が一箇月になろうが二箇月になろうが、それによつて差別しないのが、むしろ筋ではないだろうかということでございます。確かにこういう御意見もあるとは思いますが、紹介の手数料である限り、一紹介一手数料という原則で行くのが適当ではないだろうか、かように存じておる次第でございます。

田中伊三次自由党

○田中委員長 次に、日程第二、第三、第七は、いずれも労災病院を各地区別に設置されたいという御趣旨のものと認められますので、一括して議題に供します。これまた紹介議員がおられませんので、山村君より御説明願います。

山村新治郎自由党

○山村委員 これは紹介議員は辻君でありますが、おりませんので、その趣旨を申し上げます。  日程第二、本請願の要旨は、愛知県下だけでも労働基準法の適用事業場が約三万八千、労働者数五十七万人を越え、東海地区全体では実に百万以上の労働者が産業発展のため従事しているが、業務災害に対しての療養施設は、国立大学病院のほか大した施設もなく、わずかに公立病院、個人病院等の指定病院に依存している現状である。ついては、労働者の福祉のため、名古屋市に総合労災病院を早期に建設されたいというのである。  日程第三、本請願の要旨は、政府は、昭和二十八年度において、国立労災病院を地方に設置される由であるが、広島県は地理的、経済的並びに交通上より見て、中国、四国地方の中心であるばかりでなく、これら九県の労働基準法適用事業場数、労働者数において、ともに総数の二三%を占め、労災保険法適用の事業場数において二六%、労働者数において二四%を占め、いずれも当地方第一位であり、これに伴う産業災害者においても高位にある。しかるに、中四国地方には専門的病院あるいは施設がほとんどない状態であるから、これが建設地として呉市を指定されたいというのである。  日程第七は、日程第二と同趣旨であります。

田中伊三次自由党

○田中委員長 政府側に御意見がありますれば……。

池辺道隆労働基準監督官(労働基準局労災補償課長)

○池辺説明員 ただいまの請願の件につきまして、政府といたしまして考えている点を御説明申し上げたいと思います。  労災病院の設置に関する請願の件でございますが、ただいままでの労災病院の設立の模様をお話申し上げますと、関東地区におきましては東京労災病院、九州におきましては九州労災病院、それから東北地区におきましては東北労災病院と、三箇所のセンター病院をこれまでつくつて参つたわけであります。今後といたしましては、予算とにらみ合せまして、残つておるところの北海道地区の労災病院、それから中京地区の労炭病院、なお中国、四国の労災病院、この三箇所につきまして建設いたしたい意向でございますので、二十八年度の予算におきましてもこの点計上いたして、目下大蔵省と折衝の段階にございます。

田中伊三次自由党

○田中委員長 御質問ありませんか。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 ちよつと労災課長にお伺いをいたしますが、明年度予算において北海道、中国、中京地区と、この三箇所を同時に設置するというお考え方のもとに研究が行われておるのか。  もう一つは、現在の御研究の過程においては、この三箇所とも大体二十八年度予算において実現できる見通しの上にあるのかどうか。この点は、現在関係地方の労働者が、その決定を非常に期待しておりますので、この機会に、大体の見通しをひとつ述べておいていただきたいと思います。

池辺道隆労働基準監督官(労働基準局労災補償課長)

○池辺説明員 労災病院の設置経費と申しますと、御承知のように労災保険そのものが独立採算制になつております関係上、二十三条に定められておりますところの保険施設費の予算の範囲と申しますのは、収入保険料の五%範囲ということにきめられております。ところが労災病院を一箇所設置いたします経費と申しますと、約四億ないし五億いるわけであります。従いまして二十八年度の予算の見通しから申しますと、これまでの未完成の分があるわけであります。それは東北労災病院と関西労災病院、それから九州は約八割までできておりますが、一部まだ病床の不足分があります。そういたしますと、新規分といたしましては約四億円程度の予算しか使えない。これを三箇所にわけるということになりますと、約三年ないし四年の継続でなくては完成し得ないというような現状でありますので、この点については、見方によりましては、二箇所として、もうすでに計画を実施面に移したものを一日も早く完成するか、あるいはまたあとう限り範囲を広げまして、それを三年なり四年に継続して持つて行くか、二通りの考えがあろうかと思われるわけであります。この点につきましては、どういたしましても、病院経営をいたしますと、当初の三、四年はマイナスが続きますので、大蔵省ともよく折衝いたしまして、なるべく請願のある場所につきましては完成いたしたい、かように考えておるわけでございます。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 そうすると、現在財源が四億円しかない、こういうことでございますか。

池辺道隆労働基準監督官(労働基準局労災補償課長)

○池辺説明員 新規分に充てますのは約四億、既往の分に三億、こういうぐあいになつております。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 特にこの機会に申し述べておきたいのでありますが、東海地区は、今その請願書に申し述べられております通り、愛知、岐阜、三重、静岡等を含めまして、大体において七十万近いところの労働者がおるわけでございます。ところが、これに対する労災施設というものが、ほとんど東海地方にないので、この労災病院を設けてもらうことのために、実に数年にわたつて熱心な陳情を政府に続けておるわけであります。特に名古屋市におきましては、今回市の議決をもつて二万坪の土地を用意いたしておりまして、いつ何時でもそれが施設していただけるという受入れ態勢ができ上つておる情勢でございます。先般来、東海地方四県の労働代表が親しく陳情に参つておりましようが、どうかひとつ来年度予算においてこそ、彼らのこの歴年の熱意ある陳情に対して、その希望をいれられるよう、適切な御処置を賜わることを重ねて要望いたしておきます。

松山義雄自由党

○松山委員 ちよつとお尋ねいたしますが、労災病院設立の場合は、地方でもやはり事務負担があるわけですか。

池辺道隆労働基準監督官(労働基準局労災補償課長)

○池辺説明員 事務負担は考えておりません。     —————————————

田中伊三次自由党

○田中委員長 次に日程第四、第六、第九、第一〇は、いずれも看護婦既得権者に衛生管理者免許付与に関する請願でありますので、一括して審査をいたします。紹介議員がおられませんから、森山君よりかわつて趣旨の説明を願います。

森山欽司改進党

○森山委員 本請願の要旨は、既得権看護婦に対し、保健婦助産婦看護婦法の趣旨に伴い、国家試験合格者との間に、何らの差別をつけないということを、同法の衆参両院審議の過程においても確認されているにかかわらず、本年一月二十四日付労働省より、衛生管理者免許下付について、国家試験を受けた者については無試験で下付する旨の省令が通達されたことは、はなはだ不合理である。ついては、看護婦試験合格者と同資格を認められる看護婦に対し、衛生管理者免許を付与されたいというのであります。

田中伊三次自由党

○田中委員長 政府の御意見を伺います。

石館文雄労働基準監督官(労働基準局労働衛生課長)

○石館説明員 現在新法に基く看護婦に対し、無試験にて衛生管理者の免許を与えておる理由は、労働安全衛生規則の規定に基きまして、保健衛生に関する旧専門学校令による専門学校卒業者と同等以上の学力を有し、衛生管理者としての素養を有する者と認めたからでありまして、旧法による看護婦については、その資格条件並びに衛生管理者試験における成績等を考慮いたしますとき、前記無試験免許を交付する条件を満たし得ないものと考えますので、従来通りこれに対しては衛生管理者試験に合格した者のみに対して免許を与えるべきものと考えます。なお、試験科目のうち、救急処置は今後においても免除して、旧法による看護婦の方々に衛生管理者として活動していただくために便宜の道をとる所存でございます。     —————————————

田中伊三次自由党

○田中委員長 日程第五、失業対策事業日雇労務者の救済に関する請願を議題といたします。紹介議員がおいでになりませんので、かわつて森山君より御説明を願います。

森山欽司改進党

○森山委員 本請願の要旨は、長崎県における失業対策事業に就労する日雇い労務者の基準賃金は、日額最高二百二十八円、最低百八十五円の低額に押えられ、しかもその稼働状況は、月間を通じて、わずかに二十日にすぎず、従つて、その生活状態は極度に困窮している。ついては、本県における日雇い労務者基準賃金を福岡県並に増額するとともに、失業対策事業費の国庫補助額を大幅に増額し、あわせて地方公務員の特別職たる失業対策就労労務者に対し、給与面については、特に地方公務員法の適用を受けられるよう同法を改正し、地方公務員の一般職に準じて越年、越夏手当を支給されたいというのであります。

田中伊三次自由党

○田中委員長 政府の意見を伺います。

齋藤邦吉労働事務官(職業安定局長)

○齋藤(邦)政府委員 ただいまの請願の内容でございますが、まず第一点の、長崎の失対事業に従事する日雇い労務者の基準賃金の問題でございますが、これは御承知のように一般職に関する賃金によりまして定められておりますもので、現在長崎県の失対事業労務者の賃金額は、福岡県の賃金額に比較いたしまして適当であると、私どもは考えております。なお、後段の越年手当云々の問題でございますが、これにつきましては、先般の労働委員会の御決議の趣旨に従いまして、賃金増給の措置を講じまして、日雇い労務者の年末生活実態にかんがみましてのそうした措置を実施いたしたい、かように存じておる次第であります。     —————————————

田中伊三次自由党

○田中委員長 次に、日程第八及び第一二は、いずれも電産争議の早期解決の要望、並びにこれに伴い何らかの争議行為制限の立法を行うべしとの趣旨のものと認められますので、一括議題として審査をいたします。松山君。

松山義雄自由党

○松山委員 本請願の要旨を申し上げます。  今次電産争議は、一般需要者の犠牲をしい、国民生活の破壊、生産の低下、社会不安等により、国民に深刻な打撃を与えている。ついては、かかる不祥事態を根絶するため、労働法規を改正し、かかる行為を取締るとともに、争議行為により損害を受けた需用者に対し、損害補償の責任を明確に規定されたいというのであります。  なお、再建途上にあるわが国の経済は破綻に陥り、国民の前途はきわめて憂慮にたえない。ついては、これが根本的解決につき、すみやかに対策を講ぜられたいというのであります。

賀來才二郎労働事務官(労政局長)

○賀來政府委員 電産の争議は、非常に国民経済にも影響を及ぼす程度に長期にわたつて行われておりますので、これが早期解決につきましては、政府といたしましても、できるだけの努力をいたして参つておるのでありまして、請願あるいは陳情の趣旨は十分了承いたしまして、なお全力を尽したいと思つておりますが、ただいまの情報では、もうしばらくいたしますと最後的に妥結するのではないかという情報を受けておる次第であります。これに伴いまして、公益事業たる電気事業の今後のあり方と申しますか、これに関連いたしましての労働法上の問題、あるいは損害賠償の問題等が非常に論議せられおることは、われわれも承知いたしておるのであります。ただ政府といたしましては、かような結果であつたから、今ただちに労働法上の取扱いをするというような考え方は持つていないのであります。しかし、世論がいろいろこれを取上げておりますし、議論のあることは承知いたしておりますので、今後かような争議行為が起りました場合に、一般の影響が少くて済むような方法等につきましては、なお慎重に研究をいたしたいと考えております。

山口丈太郎日本社会党(左)

○山口(丈)委員 この請願は、組合の争議権を制限する請願になつておると考えます。今日の労組法並びに労調法によつて制限されております以上に、強度に組合の正当なる権利を制限することには、私は賛成しかねるのであります。少くとも今日の状態において、労働問題に対する行政は、あまりにその基本権を制限するような措置を設けましても、それは何ら根本的な労使問題の解決にならないということは、労調法三十五条の緊急調整の条項の部分的な運営についても明らかであります。そういうことではなくて、労使の紛争を処理する場合、これはやはりその健全な組合組織の上に、労使が健全な自主的な交渉による了解のもとにおける解決ということが必要であります。いたずらに外部からの刺激によつて、問題は根本的に解決せられるものではないのでありまして、そこに労使問題という特殊性が存在するのであります。聞くところによりますと、今度の争議におきましても、電産あるいは炭労の争議団本部に対しまして、相当右翼の騒動がはげしくて、なぐり込みをかけるというような事態もあるようであります。そういうような時代逆行的な考え方を持つ人が扇動する世論というも一のによつて、全般的な世論を判断するということはできないと私は思います。そういう世論があることについては、私はよくわかりますけれども、それは今の時代における時代錯誤に陥つておられるのではないかというふうに考えるわけであります。従つて、私は労使問題は、現在のような状態においても、なおまた将来にわたりましても、労使問題についていたずらに国家権力あるいは法規によります基本権の侵害をするような、そういうふうな措置によつて労使問題を解決しようとする時代錯誤の請願に対しては、これはその人それ自体に、その時代の認識の足りないところを説明して、そうしてこの労使の立場にあります諸問題についてよく理解を深めるように、政府の方でも努力して行くべきであり、組合の方に対しましても、組合自身、労働教育あるいはすべての労働行政を通して健全化の道をたどるべきでありまして、いたずらにそういう制限行為を主張する向きについては、私は反対を唱えるとともに、政府の方においても、そういう請願者に対して懇切丁寧に今のように説明を行うべきだと思います。

森山欽司改進党

○森山委員 私は今の左派の方の御発言には、むしろ了承できないものがあります。もちろん憲法上ストをする権利は認められているのでありますが、それが両当事者以外の第三者、特に一般大衆に対して非常な迷惑を与えるというようなストの方法は、やるべきでないと私は思うのであります。そういう意味合いにおきまして、われわれ労働委員の立場においても、従来なし来つたがごとき電産のストを、われわれは断じて支持すべきではないと私は確信しております。  そこで私は労政当局に、一年間に一体幾日間くらい電産はストをしているかということをまずお伺いしたい。それから電気産業に従事するものが、争議行為として電気の供給の制限、停止をしてはならないということにいたしますと、それと憲法との関係はどういうふうにお考えになつているのでありますか、その御見解を承りたい。

賀來才二郎労働事務官(労政局長)

○賀來政府委員 最近一箇年間に電産がどれくらいのストをやつたかということは、具体的に調査をしたことはございませんが、今度の争議が本日片づきますならば、争議状態に入りましてから八十六日ということになるはずであります。なお中国電力の社長の報告を聞きますと、中国電力の管内においては、いわゆる法律上の争議状態を加えて、とにかく何らかの形で労働者と経営者との間に紛争があり、かつ、その労働組合が納得できないために、たとえば賜暇やるとかいろいろなことを入れますと、一年のうちの四二%はそういう状況にあるという報告を聞いたことはあります。しかし、これは政府として調べての報告ではございません。  それから、もし公益事業としての電気事業に対しまして、争議行為として電気を流すことを阻害するようなことを禁止する法律というものができました場合の、憲法との関係につきましては、今お答えするほどの研究がまだできておりませんので、なお研究をさせていただきたいと考えるわけであります。     —————————————

田中伊三次自由党

○田中委員長 次に日程第一一、けい肺特別処置法制定に関する請願、これを議題といたします。紹介議員の小島君がおいでになりませんから、森山君よりかわつて御説明を願います。

森山欽司改進党

○森山委員 本請願の要旨は、珪肺病にかかつた労働者は、全就業労働者の約一三%強という高率を示し、その悲惨な状態は、鉱山労働者を中心とした疾病関係労働者の直の要望と運動の結果、昭和二十三年十月以降予算の裏づけのある労働法令の範囲内で一応の対策措置がとられたが、珪肺の特殊性と予防に関する各般の現場施設、療養保護施設、医学研究機関等珪肺撲滅の対策は、現在の国家施策では満足な成果を期待できないから、科学的に当然救済され得る珪肺病の抜本的解決方策として、法律上の強制力を持つた珪肺特別処置法をすみやかに制定されたいというのであります。  なお、付言して政府当局にお尋ねしたいのでありますが、これらの問題について、珪肺特別立法以前に、現段階において、これらの特別処置のために、現在労働省が計上されておる予算及びその予算の見通しというものについて、この際御説明もあわせお願いいたしたいと思います。

石館文雄労働基準監督官(労働基準局労働衛生課長)

○石館説明員 珪肺に関する単独法を制定して、その予防並びに罹患労働者に対する災害補償等について特別の取扱いをいたしますことは、使用者の負担能力及び他の職業病との均衡上の問題がありますので、さらに慎重な研究を必要とすると考える次第であります。  なお、明年度の珪肺関係の予算でございますが、目下大蔵省と折衝中ではございますが、明年度の特徴としますのは、地方における職場に巡回検診の徹底ということと、珪肺病の研究を主体とした職業病研究機関を新設するというのが大きな眼目になつて、予算全額は飛躍的な増額を要求しておるわけでございます。

石野久男労働者農民党

○石野委員 今の説明では、珪肺については、さらに慎重な研究を要するという政府の意向ですが、これはもうすでに国会では労働委員会の中に小委員会まで設けられていることを御承知のはずであります。どうもやはりこの問題に対する積極性の点について、欠けるところがあるのじやないかというように思いますが、ただそれだけのものであるかどうか、もう少し誠意ある政府の答弁がほしいと思います。お考えを聞きたい。

石館文雄労働基準監督官(労働基準局労働衛生課長)

○石館説明員 政府委員から申し上げるべきことかと存じますが、われわれ労働省当局としましては、絶えず国会の動きに呼応して、この必要性と、必要があるとすれば具体的にどうあるべきかという検討は、終始熱心に続けておるつもりでございます。

前田種男日本社会党(右)

○前田(種)委員 今の政府側の答弁では、どうも腰が弱いと思います。私は委員長にお願いしますが、せつかく小委員会もできておりますし、本委員会でも小委員会でもいいのですから、大蔵当局を呼んで——今日の医学が進歩しているにもかかわらず、職業病であるこういう珪肺病は、医学の力ではどうにもならぬと言つているのです。これは医学の権威者がそう言つておるのです。それほど悲惨な職業病でありますから、大蔵省の責任者をここに呼んで、十分大蔵省に得心させて、労働省が無理を言つて予算を言つているのじやない、もつとわれわれは予算を増額して、今日の科学が発達しているにもかかわらず、科学の力ではどうにもならないというほどの職業病をどうして救うかということが眼目であります。全国の労働者を対象にいたすわけでなく、ごくわずかな数でありますから、何とかこれに対しては特別の措置がしてもらえるように、ひとつ委員長も考慮願つて、最善の努力をしていただきたいと思います。

田中伊三次自由党

○田中委員長 この際委員長より申し上げます。珪肺病に関しては、すでに当委員会は特に小委員会を設けてその研究に従事している状況でございますし、ただいまの前田君の御発言はまことにごもつともと存じますから、小委員会において、あらためて労働大臣以下労働当局、それから大蔵大臣以下大蔵当局を呼びまして、十分ただいまの御趣旨は徹底するように調査をいたします。     —————————————

田中伊三次自由党

○田中委員長 次に、日程第一三及び第一四は、いずれも労働基準局事務補助職員の定員化並びに給与引上げに関する請願でありますので、一括してこれを議題にいたします。山口君より御説明願います。

山口丈太郎日本社会党(左)

○山口(丈)委員 請願の趣旨につきまして、御説明いたします。  これは、私も絶えず基準監督署の問題につきましては、先般本労働委員会におきまして、労働省当局に対しまして、質問をいたしたのでありますが、特にこの請願の趣旨は、今委員長が申されましたように基準局の中に日雇い職員があるのでございます。これは兵庫の労働基準局から出ておるのでありますが、全国的にこういう現象になつていると思うのであります。それで、その日雇いの職員は、これはやはり本雇いの基準局の職員と同じ仕事をいたしておるのでありまして、少しもその仕事上の差はないのであります。しかるに、臨時雇あるいはそういう条件で、日雇いのような労働条件でおりますために、いろいろの公務員としての待遇も受けておりません。給料におきましても、公務員とは非常に差がございます。従つて、まずこれらの人々が要求しておりますのは、これは雇い入れております臨時雇の職員を、基準局の定員の中に含めてほしい。そうして永続して雇い入れた安定した職員にしてほしい、こういうのであります。  それから冒頭に申しましたように日雇いという待遇になつておりますために、職員の待遇が受けられておりませんから、従つて、ベースも低い、年末資金につきましても公務員並にもらえない。それからまた病気になりましても、これは健康保険に加入することは、きめられているようでありますけれども、これらの職員の健康保険費を負担する項目がないので、実現されていないようであります。ですから、そういう差別をひとつ撤廃してもらいたい。そうしてベースを引上げて一般公務員並に取扱えるようにしてもらいたいというのが趣旨であります。  その他超勤あるいは旅費の予算化の問題、あるいは共済組合への加入の問題、こういつた問題を請願しておるのでありまして、私も長らく基準局の労災委員を通しまして関係をいたしておりましたが、実情をみまして、これはすみやかに政府の方でしかるべく措置をとり、なお基準局の法律的な根拠がないといたしますならば、すみやかに法律的措置を講じて、そうしてこれらの人人を安定した条件のもとで働かせて、基準局の手不足を補うような措置をとるべきであろうと考えます。  この際、政府に付言してお尋ねをいたしますが、これらの人々が全国でどのくらいこういう臨時雇で従業しておるかということを知りたいのでございます。それからもう一つは、各基準局まちまちに、これらの雇い入れられております労働者は給与を受けておるのか、あいは政府から何らかの基準を示し、その基準に従つておるのか、それからまた、雇用契約として、請願書には、一年ないし二年も勤めておる者があると申しておりますが、これらの人人は、きわめて浮動性のある労働者であるか、あるいは安定しておるものであるか。また全国の統計上から見てそれらの安着性と申しますか、それらを示す資料があるかどうか、これらについてお尋ねしたいと思います。

池辺道隆労働基準監督官(労働基準局労災補償課長)

○池辺説明員 定員化につきましては、非常に困難な状況でありましたので、常勤職員としての取扱いをするために、目下人事院あるいは関係官庁に折衝いたしまして、二十八年の一月から大体常勤並の取扱いをするということに話がつきました。それから基準でございますが、大体臨時職員の一日の雇い上げの基準は百九十円ということになつております。それから人員につきましては、基準局関係についてはお答え申し上げることはできますが、他にもやはりこういう類似のものがございますので、政府全般から申しましてどれだけの人間になるか、御説明申し上げることはできない。ただ基準局関係では、六百三十名ばかりおります。     —————————————

田中伊三次自由党

○田中委員長 これより陳情書について審査に入ります。  日程第一ないし第四〇を一括議題といたしまして、まず順次その趣旨を浜口専門員より説明いたさせます。浜品専門員。

浜口金一郎専門員

○浜口専門員 日程第一、岡山県内に労災病院設置に関する陳情の要旨は、最近社会保障制度の一環として、罹災労働者の早期治療のため総合労災病院が東京、九州、関西、東北地区に設立され、また、珪肺療養所が栃木、秋田に設置されている。しかるに中国、四国地域には今なお労災病院の設立を見ず、同地域の罹災労働者は関西地方の病院を利用せざるを得ない状態にあり、また全国の珪肺病の一割強を占めるといわれる岡山県下の同患者は、遠く栃木県の治療所に入院の余儀なきに至つている。よつて中国、四国地域の罹災労働者のために、岡山県内に労災病院を設置せられたいというのであります。  日程第二、けい肺関係予算承認に関する陳情の要旨は、金属鉱山に顕著な発生を見、その他多種産業に存在する珪肺病は、いまだ未知不明の点が多く、不治の病とされており、すでに発見された患者は六千名に及んでいる。関係産業労働組合は、第十三国会を契機として、珪肺法制定を強く要請しているが、当面の対策として、巡回検診の全産業にわたる徹底的実施、珪肺研究機関の強化充実、療養施設の拡張等、国策遂行上必要とする関係予算の拡大実現を期している。ついては、昭和二十七年度補正予算並びに二十八年度予算中の珪肺関係予算の承認を要望しているものであります。  日程第三、山口県に労災病院建設の陳情の要旨は、最近中国地方に労災病院を建設されるやに灰関するが、山口県は全国有数の産業労働県であり、その他の実情を勘案して労災病院を山口県に建設されることこそ最も合理的かつ適切なことと思われるから、ぜひともその実現について配慮せられたいというのであります。  日程第四、労使関係に関する陳情の要旨は、現下の内外諸情勢下における産業界の重責と労使関係の現状にかんがみ、次記われわれの労使関係に対する見解を了承せられたい。(一)労働組合運動の政治的階級的闘争主義を排除すること、(二)労使関係の発展を阻害する破壊活動を排除すること、(三)企業経営と国民経済全体との充実発展の上に、均衡ある賃金の改善が遂げられるべきことを要望しているものであります。  日程第五、電産争議の早期解決に関する陳情の要旨は、去る九月二十五日第一波電源ストを開始した電産争議は、すでに第七次の電源ストを終り、さらに発展して決行される模様である。電気事業がすべての産業の原動力であるため、かかる事態を放任するならば、全産業は麻痺し、その影響と混乱ははかり知れないものがあるから、政府並びに関係当局は、電産争議が早急に解決するよう格段の配慮を要望しているものであります。  日程第六、第七、第八、第九、第一 ○、第一二、第一三、第一四にわたる陳情の要旨は、日程第五と同趣旨でありますので、これを省略いたします。  日程第一五、労働基準法に国の援助義務を規定したことに伴う措置に関する陳情の要旨は、今回の労働基準法改正によつて、国の労使双方に対する援助義務を新たに定めたにもかかわらず、所要の定員と機構の整備に関する措置については、いまだ何ら考慮されておらず、このままではとうてい法定の義務を遂行し得ない状態にあることが明らかであるので、政府はこの実情を十分に参酌の上、これが施行に必要な定員および機構の整備について、特に配慮するよう何分の措置を講ずることを、要望しているものであります。  日程第一六、電産、炭労争議の早期解決に関する陳情の要旨は、電気及び石炭産業は、わが国産業の根幹をなすものであつて、これが停止は、地方の中小企業に深刻な打撃を与え、また供出途上にある米穀の脱穀調整等にも甚大なる悪影響を及ぼしており、当該争議が長期化するにおいては、全国民の努力によつて、せつかく復興発展の途上にあるわが国経済を破局に導き、祖国復興の将来に暗影をもたらすものであるから、社会公共のため、すみやかに妥当な具体的解決点に到達せしめられることを要望しているものであります。  日程第一七、一八、一九、二〇、二一にわたる陳情の要旨は、日程第五と同趣旨でありますので、省略いたします。  日程第二二、電産スト防止立法に関する陳情の要旨は、今次電雇ストは、国民生活並びに産業経済に影響するところが直接かつ深刻である点にかんがみ、ストの惹起をまつて発動するような緊急調整にては不十分であるから、むしろストを防止する意味において、電気産業を公共企業体に準ずる取扱いをなし、実力行使を制限して、労使の団体交渉のみによつて解決せしむるよう、これが特別立法化についての考慮を要望しているものであります。  日程第二二、日雇労働者の失業対策に関する陳情の要旨は、東北、北海道地方は、積雪期に例年日雇い失業者が増加し、しかも年末年始を控え、いわゆる越年求職闘争が活発に発生する実情にある。よつて日雇い労働者雇用吸収の最も重要な最も重要な役割を占めている失業対策事業の第三・四半期割当にあたつては、積雪地帯における特出殊事情を考慮の上、ぜひ追加割当わくの拡大につき特別の措置を講ずることを要望しているものであります。  日程第二四、札幌市に北海道労災病院設置に関する陳情の要旨は、北海道の産業労働界は、日本産業経済振興の上に重大な使命を負担し、立ち遅れた労働環境と保護保健施設の中で、営々としてその任務を遂行しつつあるが、今般産業災害の研究、診療、給付、保健等特別の役割を持つ労災病院の北海道への誘致は、きわめて時宜を得た方策として敬意を表するものでありますが、環境及び政治上その他の諸条件を具備した札幌市に、労災病院を設置することが、その性格及び運営上妥当公正と思われるので、同市に労災病院設置の配慮を要望しているものであります。  日程第二五、二六にわたる陳情の要旨は、日程第二二と同趣旨でありますので省略いたします。  日程第二七、電産、炭労スト等禁止の法的措置に関する陳情の要旨は、近時電産、炭労ストにより、中小企業が受ける被害はきわめて甚大なるものがあるにかんがみて、今後日本経済再建を阻害し、国民生活に影響を与える各種ストの禁止につき、強力なる法的措置を講ずることを要望しているものであります。  日程第二八、電産争議の即時中止並びに電気料金値上げ反対に関する陳情の要旨は、今次の電産争議が、産業界及び国民生活に深刻な影響をもたらしていることは、すこぶる遺憾であつて、ことに中小企業はこのために大打撃を受けているから、何らの関係を持たない第三者に重大な損害を与えるような、電源スト停電ストによる争議行為を即時中止するとともに、同争議の電気料金値上げを招来するような妥結は、現に莫大な損害を与えた上にさらに将来に向つて負担を加重するものであるから、これを絶対に避け、根本的に問題の解決をはかることを要望しているものであります。  日程第二九、三〇にわたる陳情の要旨は、日程第五と同旨趣でありますので、これを省略いたします。  日程第三一、けい肺特別法制定に関する陳情書の要旨は、珪肺病は、業務上の疾病であつて、職場環境と作業条件とがその罹病に重大な影響を及ぼすものであり、一般法ではこの悲惨な職業病を予防することは不可能であるから、この予防と救護対策のため、けい肺特別法を制定することを要望し、また遺族、打切り補償の算定の基礎となる平均賃金を、少くとも休業補償の場合と同様スライドし、またその最低額を定めること、なお、現在法に定める療養期間は、珪肺病にはあまりにも短か過ぎるから、これを延長することを要望しているものであります。  日程第三二、三三、三四、三五にわたる陳情の要旨は、日程第五と同趣旨でありますので省略いたします。  日程第三六の陳情要旨は、日程第二二と同趣旨でありますので、これを省略いたします。  日程第三七、公務員の労働基本権擁護等に関する陳情の要旨は、公務員の労働基本権は、昭和二十二年十月、国家公務員法の制定、同二十五年、地方公務員法の制定施行以来、次々と剥奪され、順次一般労働者の上にも及ぼされつつあるが、これらは憲法上明らかに不当な措置であり、公務員の労働基本権はただちに復活すべきことを要望しているものであります。  日程第三八の陳情要旨は、日程第一六と同趣旨でありますので省略いたします。  日程第三九、四〇の陳情要旨は、日程第五と同趣旨でありますので、これを省略いたします。  以上陳情に関する要旨の説明を終ります。

田中伊三次自由党

○田中委員長 政府側に何か御意見がございますか。——意見はありませんね。それでは陳情、請願の審査はこの程度にとどめまして、これらの採決は後日に譲ることにいたします。     —————————————

田中伊三次自由党

○田中委員長 次に、労使関係に関する件を議題といたします。山村君より発言を求められておりますから、これを許します。山村君。

山村新治郎自由党

○山村委員 昨日衆議院の本会議におきまして、国鉄裁定の問題が議決されたのでございますが、今回の国鉄裁定の審議の期間ではございましたが、国鉄の職員の一部の方々が一斉賜暇等の手段に出たということは、まことに私は遺憾のきわみであると思うのであります。しかし、その後、国会が裁定に対する議決を行つた後におきましては、すこぶる穏健に、合法的に行動をとられておるようでございまして、おそらく今日中にも団体交渉の面も妥結をするものと思われるのでございます。このような情勢でございますので、たまたま先般国鉄の総裁が責任者を断固処分するという意味の声明を出したということが、新聞に報ぜられておりますが、もちろんこの一斉賜暇等の行動は、世論にかんがみましても、おそらく今後の国鉄労組といたしましては、かかる軽挙妄動はされないものと信ずるのでございますし、同時にまた団体交渉がなるべく今日のうちにも解決をされることを要望する意味から、これが審議にあたりまして重大な責任を持つております当委員会といたしましては、この処分の問題につきましては、この際に限り、すなわち今回に限つて犠牲者が出ないように、寛大な措置をとられるための一つの要望書と申しましようか、決議書と申しましようか、申入書と申しましようか、そういうような意味においての決議をされまして、委員長において適当な措置をとられんことを私は望むものでございます。しかしてその意味から一つの決議の案文を朗読いたしまして、皆様方の御賛成を得たいのでございます。またこの決議がもし御決定になりました上におきましては、その処置は一切委員長におまかせいたしたいと思いますが、まずその案文を朗読いたします。    国鉄職員一部の一斉賜暇等に関する決議   今回国鉄職員一部の行つた一斉賜暇等の行為に対して国鉄総裁の行う責任者処分は、今回に限り寛大な措置を取られんことを要望する。   右決議する。 という決議案でございます。しかしながら、この決議案は、決して労組の行動を甘やかす意味において申し上げるのではないのでございまして、実際には、むしろ今後組合といたしましても、かかる軽率なる行動をとつてもらいたくないという意味で要望もしたいのでございますが、たまたま前段朗読いたしました案文におきまして、与野党の皆様方の御賛成も大体得られるようでございますので、私は委員長におきましてこの決議案を一応議決をせられまして、適当なるおはからいをされんことをお願いいたしまして私の発言を終ります。

田中伊三次自由党

○田中委員長 ただいまの山村君の動議に対して、何か御意見、御発言ございますか。

石野久男労働者農民党

○石野委員 今の山村氏の所見、鬼の目にも涙といいますか、そういう決議は、われわれとしてもけつこうだと思うのですが、ただ、その決議の中に、わざわざ「今回に限り」ということを書かれなくとも、今回のことに関しては、というようなことでいいのじやないか。決議の趣旨は非常にけつこうでございますが、わざわざそういうことをしないように、私はこの決議の案文について「今回に限り」を直してもらうように、このことを委員長にお願いします。

田中伊三次自由党

○田中委員長 それではあらためてお諮りをいたします。山村君の動議を満場一致決議として採用することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中伊三次自由党

○田中委員長 御異議なきものと認めて、さように決定をいたします。  この決議の取扱いに関しましては、ただいまの御発言にもございましたことく、委員長にその扱いを御一任願いたいと思います。     —————————————

田中伊三次自由党

○田中委員長 次に、この際労働行政に関する件を議題にいたしまして、春日委員より発言を求められておりますので、これを許します。春日君。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 失対労働者の越年給付に関しまして、斎藤局長から御答弁願いたいと思いますが、本件に関しましては、過ぐる本委員会におきまして、決議をいたしておるわけでございます。すなわち失対労働者に対し、年末年始の生活実態にかんがみまして、政府はすみやかにこれに対して賃金増額の具体的措置を講じ、なおかつ、これを年内に支給する、こういう決議が行われておるのでございます。折しも年末年始も差迫つておりまして、伝え聞くところによりますと、全国各地におきましては、この決議をまちまちに解釈いたしておりまして、統一とれた措置が、なお末端に行き届いていないような情勢もあるのであります。ここに特に御了承願つておきたいことは、先般八、九、十日にわたりまして全国の労働者の代表がここで集まりましたとき、この決議を提示いたしまして、政府においても、この委員会の要望に基いて実質的な措置が講ぜられておるから、ひとつ穏健にこの政府の措置を待つべきである、こういうことを申し述べることによつて、労働者諸君は、この実質的な措置がどのようになされるかを、現存期待いたしておるわけでございます。そこで、この決議に基く政府の措置は、その後いかようなぐあいに講じられつつあるか、この機会に明確にお示しを願いたいと思うのでございます。

齋藤邦吉労働事務官(職業安定局長)

○齋藤(邦)政府委員 先般の労働委員会の決議によりまして、政府において具体的措置を講ずるようにということでございましたので、その後予算のやりくり等で関係各省、特に会計検査院等とも打合せまして、やつときよう固まつたわけでございます。その案によりますと、法律上の多少の制約等もございますので、私どもといたしましては、予算の許す限りのことをいたしたいということで、失業対策事業に長期にわたつて就労いたしております日雇い労働者につきましては、失業対策事業の労力費のやりくりにおいて賃金日額三日分に相当する額を支給する、その額の支給は、本年十二月最終の就労日においてこれを支給する。三十日の場合も三十一日の場合もありましようが、いずれにせよ年内最終の就労日に支給する、こういうことにいたしたいと思つております。  なお、これはよけいなことかもしれませんが、従来府県、市町村等におきまして、独自にいろいろな名称で金銭を支給するものもあり、地下たびその他の物資を支給する向きもあると思いますが、これにつきましては、労働省といたしましては一切関与しないことになつております。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 わかりました。そこで政府に要望いたしたいことは、この措置たるや、これは明らかに社会保障制度の考え方の上に立つて措置されんとするものであつて、生活保護法その他の適用を受け得る権利のある諸君が、これを受けることをいさぎよしとしないで、みずから働いて所得を得ておる。この実態にかんがみまして、この「長期」の解釈は、一日以上のものはすべて長期、こういうぐあいに解釈されまして——働かないでももらえるような生活保護法の適用を受けておる諸君もたくさんあるのだから、働いて金をもらつて、なお暮して行けないどころのほんとうに貧困なこれらの諸君を救済する、こういう立場から、この「長期」の解釈をできるだけ寛大に御定義願いたいと思うのでございます。私どもは、先般この「長期」という解釈につきまして、それらの労働者から質問を受けたのでございますが、しよせんこれは涙を示す政治であるので、その心に徹すれば、一日以上は長期という解釈も成り立つであろうし、その精神の上に立つて、特に強力なる委員長の政治力に期待をして、政府部内の折衝をしておつていただくんだ。こういうことを申し上げておいた形もございますので、どうか一日以上はすべて長期である、こういうことで御善処願いたいと思うのであります。  さらにもう一つ申し上げたいことは、平均賃金を二百五十円といたしますと、三日分は七百五十円にしかすぎないのでございます。彼らの要請は三千円でございます。なお有給賜暇の要請は、一週間でございます。私ども委員会においては、自由党の諸君の御尽力をも加えて、大体五日間ということが、この決議がされたときの約束事項として含まれておつたと、私どもは明らかに記憶いたしておるのであります。しかるに、この五日間の約束事項が、半分ではありませんけれども、二日間を削減されるということは、まことに重大なことであります。ことに日雇い労働者は、月額収入がほんとうに低額なものであります。いささかの備蓄も残してはおりません。しかして、今回政府並びに国会のこの努力によつて、とにもかくにも愁眉を開かんとしておりますとき、彼らの要求七日間がいれられないのみならず、われわれがほぼ約束を得たかと思われる五日間が三日間に削減を見るということは、最も重大な問題でございます。この問題は、当初政務次官も山村委員も、特に田中委員長などのごときは、われわれと諸君の腹とは一緒だから、おれの政治力に期待しておれという、強い強い御確答を得ております経緯にかんがみまして、この三日間はどうしても五日間にしてもらわなければならぬ。五日間にいたしましても三日間にいたしましても、その財源は僅少なものでございます。現在の国家財政の全般的な規模から考えまして、ほんとうに救いなき諸君に対してこういう給与を行うことは、どんなに大きな功徳になるか。しかも、それこそがほんとうに政治のかなめであるということを考えますときに、特に委員長の責任、政務次官の責任、山村委員の責任、こういう立場におきまして、本委員会において、何とかこれを五日間に善処していただくのでなければ、これは全国における労働者に対する委員会の約束と違つた結果になりますので、この点はさらに委員長の努力を願いたいと思うのでございます。  もう一つは、ただいま地方自治団体がこれに対して給付しようとしているものについては、政府はこれに関与しないという話でございますが、そんなことは当然でございます。財源も規模も違つております他の団体が、そういう好意ある行為を行おうといたしますのに関与しようなどというがごときは、言語道断でありまして、そういうようなことは何もおつしやる必要はないのでございます。  従いまして、この「長期」に対する解釈と五日間やると言つておいて、そうして皆が安心して国へ帰つて、それぞれの機関にその報告をして、それを期待しておるのに、これが実質的に三日間しか与えられないということは、再び新しき問題を惹起するものでございますので、どうしてもこれは五日間にしてもらいたい。そういう御努力を重ねてお願いするのでございますが、政府の御答弁の前に、ひとつ委員長からこれに対して見通しを承りたいと思います。

田中伊三次自由党

○田中委員長 それでは政府の答弁を先にやらします。

齋藤邦吉労働事務官(職業安定局長)

○齋藤(邦)政府委員 お尋ねの二点でございますが、一日でも失対事業に従事すれば、長期と解釈したらどうだろうか、こういう御意見でございますが、一日で長期と言えるかどうか、私事務当局といたしましてはつきり申し上げることは困難であります。しかし、私どもの気持といたしましては、失業対策事業の適格者に対しましては、あとうる限り賃金増給の措置が講ぜられますように運営をするということを申し上げておきたいと思うのであります。  第二点の問題でございますが、五日分云々ということでございますが、現在の賃金増給の措置としてこの措置を講じます以上、財政の許す範囲においてやることが筋でございますので、現在の失業対策事業費の予算の範囲内において施行いたしますときには、五日分を支給することはできません、三日分がぎりぎりのところである、私はかように思う次第でございます。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 委員長の答弁を求める前に、ちよつと一言申し上げます。この問題の交渉過程におきまして、政務次官は、われわれが五日間と要請をいたしましたとき——五日間なら千二百五十円になるわけでございますが、その  とき福田政務次官は、諸君は千二百五十円と言うけれども、それは五日となればそうなるが、そう言わずに千円程度で何とか承知してもらえまいか、こういうお話がございました。私どもは、大臣おらざるときは次官の言葉を信用する以外は方法がないのであります。従いまして、私どもは、その代表者会議に参りまして、ただいま福田政務次官から、とにかく千円くらいで承知をしてもらえまいかという懇請があつた、しかしながら、われわれは千円ではまだ足らないので、なお委員長並びに自由党の各委員に御協力を願うことによつて、諸君の一週間の要望は通らないであろうが、少くともまず千円を下ることはないと思う、どうか諸君はその気持で帰つてもらいたい。しかし、そのことのために、今までのようなああいう破壊的と思われるような荒荒しい運動が起きた場合においては、せつかくのこの好意も水になるので、どうか冷静に沈着に政府の出方を待つてもらいたい。こういうことで、現在全国的にはさしたる騒擾もなくて、その措置が待たれているのでございます。従いまして、今日これが七百五十円になるということは、これは福田政務次官の大きな瞞着でございます。このことは、全国から集まつて来た労働者を、そういう語句を弄して追い帰したという形になるのであります。われわれ天下の公党として、そういう食言を許すことはできないのでございます。従つて、これに対して田中委員長こそが、このギヤツプを調整していただく最高の責任者であり、もちろんまたあなたはその義務を負われると思うのでございます。従いまして、この七百五十円と福田政務次官の千円との二百五十円の差を、委員長の政治力によつていかに補填される考えであるか、御答弁を願いたいのであります。

田中伊三次自由党

○田中委員長 それでは委員長の意見なり決意を申し上げます。本来この年末に際しての賃金の増給を決議いたしました趣旨は、具体的には年末のもち代を差上げようという趣旨に帰するのでありますから、もち代という以上は、その勤務が長期であろうがなかろうが、ただいま政府が申しますような適格者であるならば、いずれも越年のもち代を必要とするということになりますので、「長期」の解釈につきましては、日雇い労務者に極力有利にこれを措置すること、有資格者に対してはことごとくでき得る限りこれを与えるということの実現を見ますように、委員長はまずこの点について努力をして参りたいと存じます。  それから、第二の金額につきましては、これは三日分という政府の御答弁でございます。ただいま大臣は病中でございますが、私があらためて政務次官を呼び大臣を呼びまして、極力現在有する予算の範囲内において三日以上の措置をすることができまいか。これは誠心誠意この措置を行うように、心から努力をいたします。  さらに第三に、もう一言申し上げたい点は、支給の時でございます。これはただいまの説明によりますと、本年の最終の就労日ということを申しております。これも無理からぬことと存じますが、このもち代は、最終の就労日に与えては間に合わぬのでございます。全国各地に出すこの財源の流し方を極力急ぐ必要がある。ことに大都市に対しまして流す財源の流し方は、急速にこれが流れて参りますように、政府として事務的にあとう限りの措置を講じて、少額ながら満足の行く時期に手渡すことができますように、この点も努力を重ねて参りたいと存じます。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 そこで、重ねて申し上げてはくどいようでございますが、八、九、十日と、全国の代表者会議が持たれましたとき、改進党、社会党両派、労農党、ほとんど全労働委員がその会場に参りまして、諸君の要望はよくわかる、従つてこの問題については、野党連合の力を結集して、しかも自由党のよき御理解を得ることによつて、五日分は何とかなるだろう、そこで千円という額については、これは足らないが、しかしながら政務次官が責任をもつておつしやつているし、のみならず、今度の田中常任委員長は非常に馬力の強い方なので、腹を切つてでも諸君の要請はかなえるであろう、こういう御言質すら得ているので、従つて、諸君はどうかこの千円という線を期待してそうして国に帰つてもらいたい。そうして、諸君が足らないからといつて、地方で騒ぐようならば、せつかくのこの好意があだになるぞ。こういうことで、私ども野党四派の責任においてこれを押えている。日本全国二十万の労働者は、この委員会の決議に期待をして平穏にいるという事実をお考え願いまして、断じて千円を下ることのないように、重ねて委員長に懇請しておく次第でございます。  なお、日にちがございませんので、今夜からでもそのモーシヨンを起していただきますようお願い申し上げておきます。

菊川忠雄日本社会党(右)

○菊川委員 時間もおそいので、簡単に前々から一、二度御質問いたしております駐留軍労務者の問題について、要望を兼ねてちよつと御質問いたします、ちようど賀来労政局長がお見えになつておりますから。御承知のように駐留軍労務者は、去る十一日に二十四時間ストをやりまして、昨日もまた第二次二十四時間ストをやつております。これをこのまま放任しておけば、おそらく拡大の一遂になると憂慮されるのであります。問題は、御承知のように退職金の現金化の問題、基本的な労務契約の問題、給与引上げの問題、年末手当支給の問題であります。ところが、いずれもこれは労働組合と県当局との交渉に放任しておいても解決しないのであります。要は、前回の国会においてきめたこの問題のきめ方の不徹底なために、未解決の問題が横たわつているのであります。従つて、これは国会の責任であり、この労働委員会の責任であるのであります。従つて、問題は、米軍を相手にしながら調達庁が中に入つているという複雑な状態になつているのでございます。そういうものでありますから、これをこのままほうつておくことは、国際関係にもあまりいい影響を及ぼさぬと思います。従つて、きようは調達庁当局は来ておりませんが、労働省においては一体これを今後このままほうつておこうというのか、それとも何らか手を打ちつつあるのか、このことを伺つておきたいのであります。まさか日米合同委員会に対して、政府は微力だから、圧力をかけるために労働者の争議を要するというようなことで、見守つているわけではなかろうと思う。どうかその点について、どういう方針でこれを解決されるのか、このことをひとつ伺つておきたいのであります。私は、あとで委員長に要望がございますから、これは簡単でけつこうです。

賀來才二郎労働事務官(労政局長)

○賀來政府委員 駐留軍に使用されております労務者の問題は、今御指摘のように退職金の現金化の問題、ベースアツプの問題、年末手当の問題及び基本労務契約の問題、これを要求しまして紛議に入り、十一日に一部ストライキに入り、十七日にもストライキに入りまして、次に十九日に入るというふうなことを聞いておるのであります。この問題は、当初横浜の労務関係の司令官と特調との間でいろいろやつておりましたが、それでは問題が解決がつきませんので、アメリカ軍の要求もありまして、この交渉を、もう少し高いところといいますか、権限のあるところで交渉をしようということになりまして、アメリカ軍の方は直接軍司令部の参謀次長級が出まして、日本政府側といたしましては、特調長官と私が日本の政府の代表として交渉をやつたのであります。その結果、大体賃金につきましては公務員並、また年末手当につきましても公務員に準じてやろう。しかし公務員にどのくらいやるか、どういうことになるかということが、まだ日本の国会においてきまつていないので、内々のアメリカ政府との間の打合せをやつておるが、大体その基本線だけはよかろうということになつたのであります。  それから労務基本契約の問題につきましては、問題点が人事条項、保安条項にありましたので、この点につきましても、われわれとアメリカ側との打合せの結果、ほぼ一つの線が出て参りました、これは保安条項もありますので、さらに別に合同委員会のサブ・コミツテイであります労務委員会にその問題は移されたのでありまして、労務委員会の取扱います範囲の方が、一般特需工場から直接雇用の面まで及びますので、この方が範囲が広いということで、この方は私が日本側の代表の一人といたしまして折衝に入りまして、ほぼ一つの線が出つつあるのであります。  そこで、労働組合がこれを争議行為に訴えて何とかとろうということもよくわかるのでありますが、われわれといたしましては、賃金及び年末手当につきましては、公務員より以上のものは、今からやつても、さしあたりとれる問題ではないので、ここらあたりでしんぼうしてもらいたい。退職金の現金化の問題は、今、年末にストライキをかけてやるべき筋合いのものとは考えない。なお労務基本契約及びこれに関連いたします人事条項、保安条項の問題につきましては、せつかくここまで来ておるから、これに今ストライキをかけられますと、日本政府の側の交渉が不利になるので、やめてもらいたい、こういうことを労働省の立場で組合に、特に特調労連には正式に申入れをしたのであります。この当事者は特調ということになつておりますが、労働省といたしましても、範囲が相当広い立場もございますので、なお組合側に対しましては、ストライキ行為に訴えることなく、ここまで来たならばしばらく様子を静観した方が早く片づくのだということを要請いたしておりますとともに、特調に対しましても、さような意味合いにおいて労働者側を納得させるようにしてもらいたいということを、やつておるのであります。経過は以上であります。

菊川忠雄日本社会党(右)

○菊川委員 しかし退職金の現金化という問題のごときは、法律第百七十四号の附則第三項、こういうものの改正が当然労働委員会には取上げられなければならぬことになろうと思うのであります。従つて、こういう点について労働省の見解も後刻あらためて伺うといたしまして、私、労働委員長に、この際要望いたしたいのであります。この前からたびたび申し上げているように、この問題は非常に複雑で、そうして相当具体性を持つた問題であります。でありますから、この問題を委員会で質疑の形でそれぞれの関係官庁の方といろいろと究明をするということは、時間的にも非常に煩瑣であります。しかしながら、どうしてもこの際に一応労働委員会に取上げていただかなければならぬ性質のものであると思うのであります。従つて、私ども後刻この法律改正についての案を提案いたしたいと考えておりますけれども、それと並行して、当委員会の関係官庁の当局者といえば、外務、労働、調達庁、それから大蔵ということになりますが、それにいわゆる三者会談に関係のあるところの調達庁要員の労働組合の幹部と、そうしてわれわれ労働委員の幹部の者をも交えて、一応事情をそれぞれ聴取して、この問題の解決を国会においても一応考慮するという意味において、打合会なり、あるいは何らかの便宜あるところの会合を至急にお持ちを願いたいということを要望するものであります。

石野久男労働者農民党

○石野委員 私はきよう要望だけをしておきたいのでございます。実は、この労働委員会でも先般来問題となつております争議行為の正当性の限界について、私鉄の北陸地方連合会が過日行いましたストの問題に関する当局の意向をいろいろと聞くことでありますが、非常に時間が遅れたために他日にというたつての委員長の御要望があつたので、私はこれを他日に譲りますが、この機会に、ぜひひとつこの問題を労働委員会として取上げていただきたいということを強く要望いたしておきます。  それから二つ目には、実は労働委員会の開催についてであります。理事会等で、いろいろ論議もあつたことと存じますが、本日のごとく二時からの会議の開催ということでなく、それ以前に、もつと早くに会議を開いていただくというようなことをしていただいて、山積するいろいろの問題があるはずでございますので、ひとつそれに対する委員長の適切な処置をとつていただきたい。この二件を要望いたしまして、本日は一応私の聞きたい点をとめておきます。

田中伊三次自由党

○田中委員長 ただいまの菊川君の御発言は、重要な事項と存じますから、この取扱いはあらためて理事会を開きまして、理事会にかけてその方針をきめまして、あらためて皆様にお諮りをいたします。  それから、石野君のおつしやつたことは承知をいたしました。本日は本会議がございまして、定足数を争う重要案件があつたものですから、本会議終了後と考えてこの時間になりました。おわびを申し上げます。

青野武一日本社会党(左)

○青野委員 ただいま春日委員からいろいろ御質問があり、御要望がありましたが、私も同じくそれについて、一つ要望を付しておきたいと思いますことは、斎藤局長の答弁によりますと、日雇い労務者は登録者が三十二万から三十三万あるという御答弁がありましたが、また福田政務次官は、それらの諸君には大体千円平均を出すということを、一度や二度ではなく、たびたび言われたのであります。また委員長はしばしば——いまもおつしやられたが、これは働いてやる金ではない、いわゆる年末のもち代であるということを言われ、はつきりそこに線が出ているので、わざわざ各党の提案いうことで、この決議案が去る九日に出されたのであります。但し、それをやるについては、賃金増額という文字の裏に隠れなければ出しにくいということであつて、賀来さんあたりからも、非公式では千円、たとえば二百五十円で五日分ならば千二百五十円ではないかという話を聞いている。ところが、きよう偶然に私どもは案外に思つたのは、斎藤局長が三日分に限定されて強い意思を表明された。千円平均ということになれば、九百円もらえる人もあり、千百円もらえる人もある。大体千円のもち代であるということになれば、あまり差別をつけずに、登録労働者が六箇月とかなんとかいうことでなしに、これはいかなる場合でもはつきり千円、そうして願わくば、正月の正味五日前の二十六日には全国の労働者の手に現金が入るように、資格はやはり登録者の年数によらずに、それらの諸君に均等に——初めて各党があたたかい気持でこれを決議した以上は、労働省はひとつすみやかに誠意をもつてこれを実施してもらいたい。その点について、賀来労政局長は、労働省を代表してお残りになつておると思いますので、ひとつ代表の資格をもつて、この点ははつきりひとつそういう線を支持していただきたい。また委員長は、今申しますようなことにつきまして善処していただき、必ず実現するように、ひとつおとりはからいを願いたいと思います。

田中伊三次自由党

○田中委員長 それではただいまの御意向をよく体しまして、委員長から労働大臣に厳重な交渉をすることにいたします。  次会は二十二日午前十時に開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後六時十四分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗