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第15回国会衆議院1952/12/12

労働委員会 第9号

発言数
48 件
登壇者
11 名
会派数
3
開催日
1952/12/12

会議録

田中伊三次自由党

○田中委員長 ただいまより労働委員会を開きます。  この際議事に入ります前に、皆さんに御報告を申し上げます。かねてより懸案になつておりました労働金庫法案に関して、昨日委員長が参議院の委員長と会見をいたしまして懇談を遂げました結果、労働金庫法案については、参議院が議員提出として先議をしたい、すみやかに本院に送付をして来られるようにいたしたいという御希望でございましたので、お願いをしておきました。御報告を申し上げておきます。

田中伊三次自由党

○田中委員長 これより公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(内閣提出、議決第一号)及び公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(内閣提出、議決第二号)この両案を一括して議題といたし、審議を進めます。質疑は通告順によつてこれを許します。まず森山欽司君。

森山欽司改進党

○森山委員 愛知大蔵政務次官にお伺いいたします。     〔委員長退席、山村委員長代理着席〕 裁定の年末手当についてでありますが、裁定書の中には、年末手当について触れられておらないのであります。これに関する公共企業体等仲裁委員会の今井委員長に見解を伺つたのでありますが、これは今回の労使紛争の対象になつておらないからつ載せなかつたのであるが、もし労使双方からこの問題について指示を求められた場合は、当然並の年末手当は支給すべきものであるという見解を示されたわけであります。この本年度の年末手当につきましては、大蔵当局としては、先般の予算委員会のときの主計局長等の答弁によりますと、年末手当は基本給の中に含まれて計算しておるから、というような考え方を持つておるのであります。これは国鉄との関係を考え、また一般公務員との関係から考えましても、年末手当を大蔵当局のような考え方で一概に否定し去るということは、いかがかと思いますので、昭和二十七年末の年末手当について、どういうようなお考えを持つておられるか、並びに昭和二十八年度予算の中においては、これは当然予算の中に年末手当として計上さるべきものと思うのでありますが、それについての御見解を承りたい。なお、昨年の専売裁定の際に、年末手当とか超過勤務手当でありましたか、それらを流用すればこの裁定が実施できるというので、そのほか一億二千万円ばかりを予備費から流用いたしまして、例の裁定の実施をしたわけであります。あの当時の趣旨は、あのときの状況において、すなわち昭和二十六年末においては、ああついうやり方によつて便宜の措置をとつたのでありますけれども、今年末の年末手当というものは、当然別途考えらるべきものであるというような意味において、私ども労働委員会は、与野党を問わず、意見が一致しておつたのであります。その衆議院の意図と財政当局の意図が非常に食い違つております。これは行政府である財政当局といたしましては、国会のそういう意思を十分御尊重願わなければならないと思いますので、今年末の年末手当及び昭和二十八年度におけるところの年末手当に対する処置について、御見解を承りたいと思います。

愛知揆一自由党大蔵政務次官

○愛知政府委員 森山さんのお尋ねの第一点でございますが、これは森山さんのよく御承知の通り、一万三千七十四円というものの中には、本年の年末手当をも含んでおることになる、こういう見解でおるわけであります。  それから、さらに具体的な問題に入りまして、この年末に年末手当を払うかどうかというお尋ねだと了解するのでありますが、年末手当は、申し上げるまでもなく、社会上慣習的に支給される年末の手当、常識的にはこういう意味合いであると前提をいたしたいと思うのであります。これもまたよく御承知の通り、専売公社の給与あるいはそれに準ずるものとしては、たとえば報償金というものもございます。これは正確な意味においては年末手当と法律上必ずしも言うことはできますまいけれども、これを総合的に勘考いたします場合には、年末にある程度のものが慣例上支給される結果において、そういうことは考えられると思うのであります。そこで予算上支障がなくて、資金的に可能であつて、かつ報償金その他がその根拠としておるところの制度の趣旨内において実行せられる場合において、その支払われる金額というものが結果的に年末に支払われるから、これは社会慣習上年末手当である、こういうふうな場合は、私はあり得ると思うのであります。  それから第二点でございますが、二十八年度の予算編成の方針は、御承知の通りこれからつくるわけでございますが、全体の財政上の観点や、特に専売公社の今後の事業の見通し等に関連いたしまして、私は今日の場合において、できるならば年末手当というものを予算上計上することにいたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。  なお第三点は、昨年の年末手当の場合流用の問題が起つたが、それに関連して、国会の意思を尊重するのかどうかというお話でございます。私どもは、これは申すまでもないことでございますが、国会の意図を尊重し、その線に沿うてやりたいと考えるのでございまして、これは今申しました第一点との関連におきましても、現在もそのつもりでおりますことを御了承願いたいと思います。

森山欽司改進党

○森山委員 昭和二十八年度においては、年末手当は別途計上するという御見解については、これは了とするのでありますが、今年末の問題につきましては、すでに昨年の裁定の際は、昨年度予算というものを現実的な前提として、そうして現実的な一つの妥協の線として組み入れたのであつて、要するに昭和二十七年度の予算まで、あの妥協の、年末手当その他の手当を流用してということは、含んでいないというのが、われわれの意思であつたわけであります。それは野党あるわれわればかりでなく、当時与党の労働委員をしておられました山村委員長代理も、この点についてはおそらく御異議ない、すなわち与野党一致した線であつた。それが実は大蔵省の御解釈では曲げられて来ておるということでありまして、今愛知さんのお話を伺いますれば、実際上年末手当に該当するものは出したいというお言葉であります。それには予算上支障がなく、資金上支障がなくまた報償金との関連がおるのでございますが、まあ予算上の問題は、これは名目的な処理ができると思うので、資金上の問題は、相当余裕がありますことは、これはほぼ一致した見方であります。そこで一つだけ関係があるのは報償金の問題であります。裁定の第五項に「公社は、夏季に支給した報償金の外に、当初予定された額の報償金を支給する。」ということになつておりますので、当初予定された額の報償金を支給するという裁定の趣旨尊重と年末手当との関係はどうなるかという点は、いかがでございましよう。

愛知揆一自由党大蔵政務次官

○愛知政府委員 その点は、まことにごもつともでございます。私どもといたしましては、仲裁裁定に示されておることを尊重することはもちろんでございますし、さらに、これと報償金あるいは業績賞与等々、総合的に見まして、資金上支払いが可能であつて、かつ報償金あるいは業績賞与の、先ほども申し上げましたが、制度上許され得る限りにおいては総合的に処置をいたしたい、結果においてこれが年末に支払われることがあり得るということを申したつもりでございます。

森山欽司改進党

○森山委員 そうすると、年末手当については、大体今年度においては、事実上これを支払つて行くという御方針のようであります。しかも、それは報償金についても、裁定の趣旨尊重という線に立つての上だそうでありますが、年末手当の額は、大体国家公務員より少からざる額という程度に承知してよろしゆうございましようか。

愛知揆一自由党大蔵政務次官

○愛知政府委員 私が今申しました点は、基準と申しますか、考え方を申し上げたわけでありまして、その金額について、一箇月分とかあるいは〇・七五とかいうふうに、今この段階で確定的に申し上げかねるのでございまして、その点はひとつ御了承願いたいと存じます。

森山欽司改進党

○森山委員 この段階でお話できないのは、よくわかりますけれども、たとえば一般国家公務員より少からざる額、すなわち同じ額あるいはそれ以上ということになりますけれども、まあそういう程度までは何とか考えたいとか、とてもそこまでは行かないとかこれは事実上は労使双方の団体交渉にゆだねらるべきことではありますけれども、一応事実上、目下の紛争をできるだけすみやかに解決する方式として、どの程度の額をお考えになつおられるか。なかなかお話しにくい段階だと思いますけれども、国家公務員より少からざる額というような、これは一つの抽象的な基準でございますけれども、その程度の基準のお示しを願うことは、私はさしつかえないのではないかと思いますが、いかがでしようか。

愛知揆一自由党大蔵政務次官

○愛知政府委員 一番最初にお答えいたしましたように、私の考え方から申しますならば、年末手当というものは、社会の慣習上、年末に払われるものだというふうに私は理解して、お話申し上げたわけでございますが、そうすれば、常識的に世間並ということは言えると思うのであります。私は、現在私として許され得る最大限度までのところを、今まで申し上げたつもりでございますので、あとはひとつ、申すまでもございませんが、今森山さんもおつしゆいました通り、今申し上げましたような基準の範囲内で、労使双方と申しますか、公社の総裁と組合との間の団体交渉で細目がきまるべきものではなかろうか、こういうふうに考えております。

森山欽司改進党

○森山委員 世間並というお言葉がありますので、その世間並というお言葉について、われわれは相当含蓄あるものだというふうに御期待申し上げて、それ以上追究いたしません。どうか、既定の予算で進まれるといたしましても、少くとも今の線だけは御確保願いたいと思うわけでございます。これで私のこの件に関する質問を終ります。

山村新治郎自由党

○山村委員長代理 それでは労使関係に関する件を議題といたします。森山欽司君。

森山欽司改進党

○森山委員 電産、炭労のストが非常に重大な段階に入つておると思うのでありますが、本委員会として、労働当局から最近の情勢を伺つておりませんので、この際できるだけ詳細な御説明をお願いいたしたいと思います。本委員会では——あるいは個人的にお聞きしたのかもしれませんが、労働当局では今晩が大体やまだというふうな、やまが毎日毎晩続くような情勢でございますので、どうかもう少しはつきりした見通しを、この際お聞かせ願いたいと思います。

賀來才二郎労働事務官(労政局長)

○賀來政府委員 電産については、その後労使双方の中央における交渉は行われていないのであります。ただ、情報をとつてみますと、中部の電産におきましては、地域交渉が行われておるやに聞いておりますし、関西電力におきましても、一昨日あたりから地域による交渉が行われておるやに聞いております。これはまだ確実でありませんけれども、北陸におきましても、多分昨日あたりから行われておるのではないかという状況になつておるのであります。東京は東電の組合がすでに妥結をいたしまして、争議行為を中止いたしておりますが、東電の中の電産の方の組合はストライキを行つておるのであります。従いまして、これがどういうふうな形になりますか、非常に微妙な段階になつておるのでありまして、中労委といたしましても、中山会長は、現在の段階で再度労使の間の交渉開始の努力はやるべき時期ではないというふうなお考えのように承つておりますので、労働省といたしましても、ここ上ばらく情勢を注視して行きたいという考え方であります。  炭労につきましては、やはり電産と同じように労使の中央におきます交渉は、炭労対石炭連盟という交渉は行われていないのであります。炭労といたしましては、何とかしてあつせん案を中心としての手がかりをというふうな考え方を持つておるようでありますが、何しろ御承知のように十七、十八の両日にわたりまして、保坑保安を全部放棄するという準備指令を出しております。経営者側も非常にその点は重視いたしまして、この点については再考せよという警告を出しておるような状態でありますので、交渉に入る段階には非常にむずかしいのではないか、かように考えておるのであります。しかしながら、各会社別で年末手当をめぐりましての交渉あるいは打合せ等は行われておるようでありまして、やはりわれわれといたしましては、今明日中の情勢を注視いたしまして、その情勢の変化に従つて考えて行きたい、かように考えておる次第であります。

森山欽司改進党

○森山委員 保安施設の全面撤去ということになると、重大問題だと思うので、法律上どういうことになりますか。たとえば労働調法上の問題、それについて 労調法は人命保全の立場か引だこういうことで人がいないのだから労調法上は違反じやないという意見がある。それから鉱山保安法ですか、それの問題があると思います。それから保安施設の撤去がもし実現したような場合には、ゆゆしき一大事になるのでありますが、そういうときに、例の緊急調整というような問題との関係はどういうふうになるか。賀來さんのお答えできる範囲、それから政務次官のお答えできる範囲がそれぞれございましようが、ひとつこの際承つておきたい。

賀來才二郎労働事務官(労政局長)

○賀來政府委員 保坑保安の全面放棄の問題でありますが、この問題につきましては、組合側の言つておることを聞きますと、今森山委員の御指摘のように、労調法三十六条は、人命だけを問題にしておるのであるから、全員が引揚げた場合に、坑内には一人も人間がいない。従つて、その行為自体が人命に影響はないのだから、三十六条違反にはならないのだ。しかも組合としては、炭鉱という一つの財産を保護するという責任は法律上ないから、この際全員が引揚げてよろしいのだという意味のことを言つておるわけであります。この点につきましては、昨日法務省、労働省、通産省三省打合せをいたしました結果、第一に、炭鉱の保坑保安を全面放棄するということになりますと、その影響は非常に国民経済その他の損失になるわけでありまして、法益権衡という立場から見ますと、権利の濫用ということも出て来るわけであります。従いまして、労働省あるいは三省の考え方といたしましては、今度の行為は、これはやはり争議権の正当なる争議行為を逸脱するものであるという考え方を、まず基本にとるわけであります。そういうことになりますと、当然組合法、労調法等の労働関係法の保護を受けることができなくなるのでありまして、当然それらの行為の違反の中には、やはり労調法三十六条の違反も含んで参るのである。かような考え方を持つておりまするし、さようになりますれば、当然刑法の免責規定というものは適用されなくなりますし、鉱山保安法に関する違反もまた保護されなくなる、かような考え方を持つておるのであります。緊急調整との関係でありますが、まだ最後的な結論に達しておるわけではありません。われわれ事務当局として研究はいたしておるのでありますが、全面的にこれが放棄されるというふうな状態になりますれば、やはり緊急調整の条文とよほど近いものになるんじやないかというような立場で、いろいろ各方、面から研究いたしておる段階でございます。

森山欽司改進党

○森山委員 そうすると、労調法三十六条の関係は、ダイレクトに三十六条にひつかかるというような論理じやなくて、争議行為自体が違法な争議行為だから、三十六条の保護を受けないというような形で、双方との関係をお取扱いになるというのですか。

賀來才二郎労働事務官(労政局長)

○賀來政府委員 もちろん先ほど申し上げましたように、労働法全体の保護を受けなくなるわけであります。三十六条のみを取上げてみますと、議論といたしましては、かような議論が一応行われておるのであります。一人も人間がいなくなつたというときに、その中には人間がいないのであるから、人命の問題はないじやないか。かりにさような場合ありといたしますと、もちろんその場合に、労調法三十六条が、ただちに適用になるとは言いかねるであろう。しかしながら、そのこと自体からいたしまして、その行為の正当性ということは出て参らないのでありまして、さような場合は、実はあり得ないし、またあつたといたしましても、法益権衡と申しますか、他の立場から考えましても、やはりこれは正当なる行為とはいえないのだ。それから保安法の立場から見ますと、当然坑内には、さような場合に、義務といたしまして、人が入つて行かなければならないわけでありますから、さようなことと関連いたしまして、やはり三十六条の関係は出て参るということがいえると思うのであります。

森山欽司改進党

○森山委員 結局賀來さんのおつしやるのは、ダイレクトに三十六条違反というような行き方で考えておられないわけですね。そうすると、労調法三十六条を理解する上において、保安施設まで撤去するようなストはいけないのだという考え方を認めるということになると——三十六条の解釈をそういうふうに間接的に持つて行かなければならないということになると、この三十六条の規定は、労働法上多少不備な問題が生じて来るというふうなことにならないかどうか、承りたい。

賀來才二郎労働事務官(労政局長)

○賀來政府委員 労働の立場から申しますと、公益事業の制限等に関連いたしまして、財産の保護というふうな建前よりも、やはり人権と申しますか、人命の保護というふうなものをおもに考えておるわけであります。従いまして、労調法三十六条自体が不備とは考えていないのであります。  なお仮説の議論といたしましては、組合が申しておりますように、一人もいなくなるんだというふうな議論も成り立ちますが、実際の坑内の事情なり、あるいは保安法なり、その他の事情から見ますと、さような状態というものは考えられないのでありますから、三十六条自身もまた有効に動くということを考えております。

森山欽司改進党

○森山委員 三十六条の御見解はわかりましたが、保安施設の全面撤去がもし実現すれば、緊急調整は発動すると言い切つていいような段階にあるわけですか。

賀來才二郎労働事務官(労政局長)

○賀來政府委員 おそらくさようなむちやなことをやることは考えられませんが、かりに仮定といたしまして、全国の炭鉱が全部さような緊急状態になるということを、われわれの立場として、見送つて行くわけには参らないのじやないかというふうな研究を現在いたしておるという状態であります。

森山欽司改進党

○森山委員 今そういう保安施設の全面放棄というようなことが、起り得るような事態になつておるかどうか承りたい。——もちろん口では言つておりますが、このままで行つたら、行きそうな段階なのかどうか、御見通しの問題をお伺いしたい。

賀來才二郎労働事務官(労政局長)

○賀來政府委員 われわれといたしましては、山を愛しておりますのは、山の所有者ももちろんでありますが、山の労働者が最も愛しておるものであるという立場をとつておりますので、かようなことをやるということは、おそらくきわめて至難ではないかということを考えております。しかしながら、今の情勢からいたしましますと、一部の動きは相当深刻な動きをいたしておるのでありまするし、また極左分子が全然山の中にいないということもないのでありまして、現在のところは、その動きが全然表面に出ておりませんが、われわれといたしましては、やはり万一の場合ということは、当然考えて行かなければならない、かように思つておる次第であります。

森山欽司改進党

○森山委員 炭労ストが非常に深刻化して、保安施設の撤表というようなことが実現するかもしれないというような、そういう心配があるようになつた際に、労働省の考えておる措置というのは——緊急調整について御研究になつておるというお話でありますが、それ以外にどういう措置をこの際御研究になつておるのか。それだけではなくして、もちろん労働法上の措置もあると思いますし、またそれ以外の国全体の観点から見た措置もおありになると思いますが、ひとつそういう点について承りたいと思います。

賀來才二郎労働事務官(労政局長)

○賀來政府委員 緊急調整自体は、すでに森山委員御承知のように、単に一つの現象だけから考えらるべきではないのでありまして、広汎な立場からこれを判断して行かなければならないと考えておりますので、従つて法文にも、総理大臣がこれを決定することになつておると思うのであります。われわれは、労働省の立場から、一応研究をいたしておりまするし、それぞれ各省の立場においても、いろいろ研究をいたしておるのでありまして、各方面からいろいろな仮定のもとに研究いたしておるということを申し上げたわけであります。また保安法規の問題にいたしましても、これは単なる労働省だけの問題ではないのでありまして、通産省の問題もこれは深刻でございまするし、さらに警備当局から申しましても問題がございます。検察当局からいたしましても、いろいろ問題あるわけであります。従いまして、各省緊密な連絡を保ちまして、刻々の情勢を判断いたしておるのでありますが、今日現在のところは、組合も準備指令を出しております。従いまして、いろいろ仮設の上に立つての議論をやつておりますので、かような政策をとるんだというような、決定的な御答弁はいたしかねるのでありますが、いよいよ実行せよという指令が出ましたならば、さらにその指令の線に従いまして措置を考えて行かなければならない、こういう段階にあることを申し上げておきたいと思います。

森山欽司改進党

○森山委員 先ほど保安施設の撤去と申しましたが、保安要員の引揚げであります。そういう事態が来た際に、労働省ばかりでなく、各省いろいろ御関係のある措置をとつておられ、おそらく労働省は、それのすべてに御関係になつているだろうと思います。労働省が御関係にならないで、そういう措置をとる点については、いろいろ問題があると思う。従つて今考え得るところの、たとえば、通産省としてはどうする、それから検察等の立場からどうするというような、幾つか考えられるところの対策としては、どういう対策をお考えになつておるのか。それよりも何よりも、そういうような最悪の事態にならないようにするためには、今どういうような手を打つておられるか。政府としては処置なしとして手をあげているかどうかという点を、ひとつ承つておきたいのです。     〔山村委員長代理退席、吉武委員長代理着席〕

賀來才二郎労働事務官(労政局長)

○賀來政府委員 先ほど申しましたように、今はわれわれといたしましては、こうなつた場合にはこうするということを研究いたしておる段階でもございますし、最後的にまだ各省の意見を決定いたしておりませんので、確定的な答弁はごかんべん願いたいと思います。しかし、ただいま御指摘のように、やはり現在において政府は、最も重点的に考えるべきことは、さような事態に立ち至らないように、できるだけ全力をあげるということの方が先決だ、これは御意見の通りにわれわれも考えておるのであります。つきましては、その問題につきましても、各省の連絡はきわめて緊密にやつておるわけでありますが、今日現在いかなる対策をとるかということについては、先ほど申しました通りに、きようは明日の動きにつきまして慎重な態度で見守つておるということで、ひとつ御了承を願いたいと思います。

前田種男日本社会党(右)

○前田(種)委員 今いろいろ保安要員の引揚げ等の問題について質問されましたが、答弁された労働省の局長の答弁を聞いておりますと、電産の場合でも、炭労の場合でも、むしろ地域的にくずれて行くことを待つているような印象が強かつたのです。これは労働省としてとんでもない考え方だと思います。私は、この際保安要員の引揚げ問題等につきまして、対策を立てなければならぬことはわかりますが、その前段をなすものは、どうしてもこの争議を一日も早く解決せしめるという点に、政府の方針が全精力を集中されなければならぬと思います。十七日以後保安要員を引揚げるというような決議をしております。それまでにはまだ時間もありますが、これもだんだん迫つて参りますし、またこれに対してのいろいろな見方もございますが、私はここまで来た炭労の争議に対しましても、政府は最後の努力をして、何とかしてこれを解決へ持つて行くという努力をしてもらいたいと思います。両争議とも、両当事者はいろいろな立場からやつておりますが、国家的に見まして、これ以上引延ばすことが許されないという点で、過日は本委員会でもああいう決定をして、両当事者の反省を促す意味において決議をしたこともございますが、あつせん案を拒否した炭労のその後の情勢、経営者の情勢等を見ておりますと、昨日の新聞や昨晩のラジオを聞きますと、保安要員の問題について、経営者連盟は決議をして、組合側がその問題について自重した態度をとるようにというような勧告を、組合にしたというような記事を、あるいは昨晩のラジオ放送で聞いたのであります。もし経営者連盟からそういうことを出されたということが事実でありますならば、この事実に対して、炭労側も保安要員の問題については、少くとも経営者との間において、その問題に対して真剣にどうするかという、問題を打開する一つの団体交渉というものが持たれてしかるべきだと私は考えます。また団体交渉がその問題について持たれるように労働者はあつせんして、そういう問題が、秩序を乱すことなく、あるいは合法か不合法かということに進まないうちに打開されるようにすべきじやないか。経営者連盟から、そういうような自軍するような勧告を組合に出したという行為に対して、今度組合側がそれにこたえて、一体これはどうすれば打開するかということは、早期解決に一歩踏み込むということにもなります。これはあつせん案を拒否した関係上、いろいろ問題がありますが、保安要員問題を中心にして、何とか労使の間で打開するという道を開いてやるようなあつせんを、この際労働省はして、できますならば、むしろ争議全体が解決のつくような糸口を見つけてやるということを、この際やつていい時期であるし、またやらなければならぬときであると思います。両当事者は、いろいろな点で、面子等でこだわつておりまして、経営者側からいいますならば、いまさら団体交渉でもないと言つているらしいし、また組合側からは、非合法であろうとなかろうと、戦術として十七日以後は引揚げると言つている。これがどの程度実行されるかどうかという点については、いろいろ見方もありましようが、私はこういうことをやらせてはならぬし、何とかそこで最後のわがままも許さずに、両当事者を押えて解決せしめるという大事な時期であろうと思いますから、その大事な時期に、そうした問題をつかんで糸口を見出すということのために、労働省はもう一段努力すべきだと思いますが、政務次官の考え方は一体どうかという点を、この際お尋ねしておきたいと思います。

賀來才二郎労働事務官(労政局長)

○賀來政府委員 私は先ほど森山委員の御質問に対しまして、情勢を申し上げたのであります。その情勢を申し上げたのに関連いたしまして、いかにも政府が何か分裂するのを待つているような印象におとりになりましたことにつきまして、一応この際弁明をいたしておきたいと思うのでありますが、あれは、現在の情勢がこうだということを申し上げたのであります。これに対しまして、政府としてさような状態を待つておるとか、さような意図でもつて政府はそれに対処しておるということを申し上げたのではありませんし、またさような考え方は持つておりません。のみならず、持つべきではないということを考えておることを、はつきり申し上げておきたいと思うのであります。ただ、先ほど森山委員に申し忘れまして、はなはだ恐縮でありますが、昨日、中労委は総会を開きまして、事態収拾を考えるべきであるという決議と申しますか、申合せをいたしまして、昨日八時から十時半まで公益委員のみが集まりまして対策をどうするかということを相談しておられるのであります。その結果に基きまして、本日午後四時から総会が再開されることになつておるのであります。御承知のように、政府といたしましては、何とか、今度の争議のみならず、独立後における争議に対する対策といたしましては、根本的な考え方といたしまして、やはり労使の自主的交渉による合理的な解決ができ、もしそれが不可能ならば、第三者たる労働委員会のあつせんによつて合理的な解決ができるというような慣行の確立を、でき得ればはかりたいというふうな立場でやつて参つておるのであります。従いまして、現在の情勢から申しますと、今ただちにさような動きをいたしましても、さような情勢打開の上において非常にむずかしい情勢に今明日はあるように思う。のみならず、中労委が政府の考えております基本的な方針に準じまして動きをされようとしておられます際でありますから、われわれといたしましては、今明日の情勢を注視いたしたいというようなことを申し上げたのでございまして、前田委員の言われますように、できるならば組合側は全員保安要員を引揚げるとかいうふうな状態に立ち至る前に、早期に解決がつく、」とが望ましいのでありまするし、またさような努力はやはりすべきであるということについては、われわれは反対の意見を持つておるものではないことを申し上げておきます。

福田一自由党労働政務次官

○福田政府委員 ただいま前田委員からの、何らかの措置に出て、壁にぶつかつておる問題を解決してはどうか。これが組合のためにも、また経営者のためにもなるのではないか。これについてどう考えるか、こういうお言葉だと思うのであります。その御意見については、われわれとして十分そのお気持もくんで、そうして一応考慮させていただく、考えてみたい、こういうふうに今のところお答えいたしておきます。

前田種男日本社会党(右)

○前田(種)委員 私は、特に今、一つの例として保安要員の問題が非常に逼迫しおる。これにもいろいろな事情はありますが、そういう点等を考えてみて、あつせん案が拒否されたあとの処置として、どうするかという一つの考え方として、昨日、経営者団体から組合側に自重の勧告がなされた。その勧告に対して、組合も当然返事をすべきだというように考えます。その返事をすべきだという点は、何とかしてここにその問題を不穏な行為にならない以前に解決に持つて行くという方法を切り開いて行くことが、むしろ争議解決の一つの方法じやないかと考えますので、そういうことを含めて労働省が何とか——きよう一日二日の情勢を見るというその情勢の見方は、どういう立場から情勢を見ようとしておられるかわかりませんが、その一日二日の情勢を見ることによつて、せつかくのチヤンスを失うということになります。あるいは政府のものの考え方の根本においては、また別な考え方があるかもわかりませんが、私は国家的のいろいろな点から見まして、何とかその問題だけでも労使間において、もう少し正常に話合いをして、十七日以後がそう問題の紛糾せぬようにする、あるいはそれまでに本問題を解決つけるような運びに一歩踏み出すという意味で、そういうことを考えたらどうかということを申したのであつて、私は何かもつて言つているのじやありません。しかし、経営者の状態、あるいは炭労の今日の最高幹部のものの考え方等をつかんだ上に、何とかここで政府がもう一歩そういう点等を——争議を解決づけようということのために出て行くと、なかなかそうは行き喜んし、また中山会長もあつせん案を出した限りにおいては、何とかならぬかという言葉もなかなか言えないと思います。しかし、この保安要員の問題に関しては、おそらく労使双方とも、この問題だけは何とか話合いをするという団体交渉なり、あるいは非公式な話合いをして、そういう問題が穏便にできるようになりますならば、おそらくまた争議の解決の糸口も見出せると思いますので、この問題だけについて労働省が慎重に扱つてもらいたい、しかも時期を失わないように努力していただきたいと思います。

福田一自由党労働政務次官

○福田政府委員 御心配の趣は、私にはよくわかつたつもりでございます。従いまして、あなたの御意見を十分しんしやくして、先ほど賀來労政局長も申しましたが、推移を見守るというその過程の中に、今のお気持を十分取入れて善処いたす、考えてみる、こういうことにいたしたいと思います。

森山欽司改進党

○森山委員 関連して。国鉄裁定問題にも関係があり、また炭労問題にも関係がある事項といたしまして、昨日の新聞によりますと、列車用の石炭が五十万トンですか、五万トンですか、あるとかないとかいうことを、政府が発表をしたり、また取消したり——取消したかどうか存じませんが、炭労のストで石炭がないので、政府が手持ちの炭か何か買い上げてそれをまわす。ところが実際よく調べてみたら、なかつたというような記事が新聞に出ております。あの経過は、国鉄の方もおいでになるのですが、どういうことか、御説明願いたい。この炭労ストによつて石炭が払底していることによつて、列車がとまるかもしれないということは、非常に重要問題であります。その石炭が、政府はあるといつて、政府の発表を官房長官か何かがやつておいて、よく調べてみたら、なかつたというので、何かピントが非常にぼけているのです。こういう。ヒンぼけの状態でストの対策をおとりになつておるのかどうか。どうも非常にふしぎな感じがいたしますので、その真相を、関連ある本委員会にも御説明を願いたいと思う。労働政務次官は、おそらくストに関連ある事項として、労働委員としてのわれわれが関心を持つと同じように、この問題についても、真相を御存じだろうと思うので、関連して御答弁願いたい。

天坊裕彦日本国有鉄道副総裁

○天坊説明員 問題の中で、私の存じておりまする分についてお答え申し上げます。御承知の通り、国鉄といたしましては、石炭は九月末に非常にたくさん持つておりました。約六十万トン近く持つておりました。その後ストが始まりまして、だんだん食いつまして行くというような姿で、四十日余り経過いたしました。去る十一月の二十日前後から、北海道におきまして一部の汽車を減らして参りました。その後も、十一月二十八日から全国的に約一割汽車を減らしてやつて参つたのでありますが、だんだんまた手持ちが減つて参ります関係で、この十一日から初めの計画から約三割——それまで一割減らしておりましたが、追加して二割程度の削減をいたさなければならぬはめになりまして、昨日からそれを実行して、きよう、あすくらいで本格的に三割ぐらい減るわけになるのであります。閣議その他にも、そういうような結果になつたということをいろいろお話申し上げておつたのでありますが、きのうの朝、運輸大臣から、通産大臣の話によれば、約五十万トン程度の山元の炭があるから、これを鉄道に払い出したいというお話だから、削減の方法をできるだけ緩和できないか、こういうようなお話がありましたので、結局その炭がどこにあつて、鉄道で使うところへどういう順序で何日目ぐらいに手に入るか、カロリー等においても鉄道で使えるものであろうかどうか、そういう具体的な問題を取調べて、できるだけ削減は緩和したい建前から、事務的にその問題を通産省その他業界の方々と御連絡いたしまして、その炭の所在の調査に移つたわけであります。いろいろ実情を伺いますと、必ずしも五十万トンそつくりが鉄道に使えるというものではございませんで、無理をして二、三万トン程度のものが手に入りそうだ。——これはもう少し十分な打合せをしなければわかりませんが、きのうの話ではそういうような報告を私承つております。その程度で、それもすぐ右から左へ私どもに入るかどうかも問題がありますので、一応今日から、追加した削減はそのまま実施する。その見通しがつき次第と申しますか、実際の入手がふえて参ります情勢をにらんで、削減の緩和をはかりたいというふうに考えております。五だ政府で、この問題をどういうふうな径路で御発表になつたかということについては、私は存じません。

森山欽司改進党

○森山委員 政府がどのような径路で発表になつたか存じませんというのですが、あなた方国鉄当局として、どんな感じを受けたか、ちよつと伺いたいのです。

天坊裕彦日本国有鉄道副総裁

○天坊説明員 私どもといたしまして、三割削減というようなことは、国民全体に御迷惑をかけるものが多いのでありまして、できるならばこれを一日でも二日でも延ばして行きたいという気持は、十分持つておるわけであります。五万トンというような話が出ますれば、飛びつきたい気持でおるのであります。しかし、私どもも現地に石炭関係の人間をたくさん持つておりまして、現地の実情もいろいろ当つておりますから、なかなかそういう炭があるとは、実際は思えなかつたのであります。しかし、何とか無理をしてもいただけるものがあるかどうかということを、期待を持つておつたのでありますが、期待がはずれて、非常に残念に思つております。

森山欽司改進党

○森山委員 どうでもいいことですけれども、非常に重大だと思うのは、一般国民は、官房長官の発表によつて、汽車の削減がなくなるんだと思つて。きのうの夕刊では大々的に出た、けさの新聞では あれはうそだつたというのでは、非常にあつけにとられておると思う。それは一般国民の偽らざる感情であろうと思います。  それともう一つ、今炭鉱ストが非常に深刻化して、緊急調整などという問題がちらちら議論をされおる。確かに国民生活、国民経済に重大な支障を与えつつあることは事実なんです。それに対して政府がああいうものを出すというのは、われわれとしてはどうもおかしな感じを受けるわけです。どうもここに関係者がどなたもいないので、質問のしようがないのでありますが、どうです、天坊さん、間が抜けたという感じがしませんか。ここで担当の政府委員がおられないから、これを取上げて伺うのは、非常にお門違いになると思うのです。大蔵政務次官に御答弁願うのもおかしいし、労政局長を相手にしてもしようがないが、しかし本委員会としては、非常に関連ある事項であるので、ああいうことが出て新聞で取消しただけで、国鉄当局としては、一般国民に対して済むような事態かどうか。このまま炭労ストが続けば汽車はどうなるかということを、ちよつとこの際最後にお話願いたいと思います。

天坊裕彦日本国有鉄道副総裁

○天坊説明員 あの政府の御発表の経路は、私よく存じませんが、ああいうかつこうで新聞に出たということに対して、実は私どもは非常に困つております。政府としては、非常に好意的にとりはからつておるにかかわらず、調査が不十分でもろうという問題もありましようし、それで緩和できるものをしないような感じを国民各位もお受けなるのではないか、私どものやり方が非常に悪いようなかつこうに印象づけられはしないかという点も非常に心配いたしております。それで、昨今の状態を申し上げますが、ただいま手持ちの数量が約二十三万九千トンぐらいであります。それを毎日約一万六千トンぐらい使つております。そうして片方で一万一千トン前後新しく入つております。約四、五千トンぐらい食いつぶして行つておるかつこうであります。これをそのままずつと食いつぶして参りますと、私どもとして、日本全体をいろいろ調節いたしております関係上、約一週間分ぐらいはどうしても最後の線として持つていなければならぬという点を考えるならば、この二十日過ぎぐらいになりますと、ずつと減つて参りまして、十七万トン前後になる。この十七万トン前後辺で、実はその次の段階と申しますか、自給自足の、つまり新しく入つて来る一万一千トン前後のものでまかなえるような姿でやつて行かざるを得ない。これは形に現われます姿は、大体五割以上の減ということになりまして、お客さんや貨物の動きというものが非常に大きな影響をされまして、ほんとうに重大問題になるというふうに心配いたしております。

吉武恵市自由党

○吉武委員長代理 菊川忠雄君。

菊川忠雄日本社会党(右)

○菊川委員 最初に日本電信電話公社諸君の賃金改訂に関する調停案についてお尋ねしたいのでございます。ここには電通省の方がお見えではないので、労働省の当局に伺いたいと思います。  この問題は、経過をあらためて申し上げるまでもなく、本年の一月以降の賃金改訂に関して、二月に電気通信大臣に要求書を組合から出した。それが解決を見ないうちに、八月一日に電通省が公社に移行したので、引続き公社と交渉を続けて来たのであります。この点が重要だと思うのであります。そこで調停申請を九月八日に出して、十一月八日に調停案が提示されております。でありますから、公社に移行ということのために、公社関係になつておりますけれども、本来ならば、やはり国鉄あるいは専売公社と同じような性質の案件と思うのであります。ところが、政府はこの調停が提示されておることを承知しておりながら、この案には一顧だにしないで、十一月十四日の閣議では、補正予算を一方的に編成して、この中にはこれが入つていないという状態であります。でありますから、なるほど仲裁裁定は下つていませんけれども、調停案の性質から見ますれば、当然国鉄あるいは専売公社のこの委員会における決定と相まつて、今、国会において処理されなければならない性質のものであると思います。なるほど調停案だから、法的には関係委員会に取上げることでないとも言えましようけれども、問題の性質はそういうふうになつております。そこで、現に電電公社におきましても、調停案を妥当なものと認めて受諾したい、こういうことを団交中に組合側に言つております。組合もまた本来の要求を一応この調停案の線にまで下げて、これを認めようという誠意を表わしておるのであります。ところが、政府は予算上の制約から、ただちに実施できないという態度をとつておるのでありますが、こういうことは一体公企労法の精神からいつて、調停案だからというので、このままで見送つていいものであるかどうか。それともこういう性質の案件は、この際にやはり国鉄並びに専売公社と相並んで、それを当然政府は一取上げて解決をすべきものであるのか。労働省の当局にこの見解を伺いたい、こういう点であります。いわんや、この内容は、専売あるいは国鉄に比べますならば、決して高いものではなくて、低いものであります。そういうものについて、公企労法の建前から、一体調停案だからというので見送つていいのかどうか。これで労働省は、労働者のサービス省として勤まるかどうかということについて、御見解を伺いたいのであります。

賀來才二郎労働事務官(労政局長)

○賀來政府委員 電電公社の調停の問題につきましては、ただいま菊川委員からお話の通り、御承知のような経過をたどつたのであります。この問題は、二つございまして、一つは、電電公社並びに組合におきましては、公労法の精神という建前からいたしまして、従来とかく調停案を、双方ないし一方が無視して、通過機関のように考えて、とにかく仲裁裁定まで入り込もうとする行き方がよろしくないんだという考え方を持つておられた点。この点は労働省といたしましても、かねがねさような考えを持つておつたのであります。すなわち、調停委員会において大部分のものが片づきまして、最後的にどうしてもどうにもならぬ点を仲裁裁定するというのが、あの法の建前であると考えておつたわけでありまして、この点に関連いたしましては、組合のとられました態度及び公社が何とかして調停案でのみたいという態度をとられましたことについては、敬意を表しておるのであります。  もう一つの問題は、ただいま菊川委員の御指摘のように、調停案が出ましたのは十一月の九日であり、補正予算がきまつたのは十四日である。なぜこれの出て来るのを待つてさような措遣をとらなかつたか、すなわち調停案を尊重して行くという行き方に対して、政府は考慮を払わなかつたかという点であります。この点、当時調停委員会は、調停案を出すのを急がれましたし、私の聞いている範囲では、大蔵省といたしましても、何とかしてその調停案の出るのを待とうという態度でおられたということは承知いたしておりますが、やはり時間的な関係で、やむを得ず補正の方が十四日にきまつて出たという経過をたどつたのでありまして、このこと自体は、公労法の建前もありますけれども、全般の財政的な取扱いからいたしまして、やむを得なかつたものだ、かように考えておる次第であります。  その後調停委員会といたしましては、やはり何とかして仲裁裁定ということでなしに、また政府がさような措置をとつて行かれたということも、これは一応不満であるけれどもやむを得ない、もうすでに既定の事実になつておるので、この既定の事実と公労法との立場をどうかして調和して、円満な解決に持つて行きたいというふうな考え方で、労使双方とも仲裁には行がな  いという意思表示を明確にされておりますので、御承知のように、公労法の規定に従つて、現在案件はなお調停委員会にあるという建前をとられまして、調停委員会といたしましては、再度あつせんのような形で公社、組合あるいは政府といろいろ折衝を続けられ  ておるように承知をいたしておるのであります。この状態がどういうふうに進んでおりますかにつきましては、大蔵当局の方で詳細御承知だと考えておる次第であります。

菊川忠雄日本社会党(右)

○菊川委員 それでは今の問題について、予算上の制約から、ただちにこの調停については実施できないというのが、政府の意向として組合に表明されておるのでありますが、今の賀來労政局長の御答弁によりますれば、もう調停をいかにして政府間においてこれをのむかということで折衝中であるということであります。帰するところは、やはり補正予算に組み入れるかどうかということの問題になると思うのでありますが、こういう点について、大蔵当局に御答弁を伺いたいと思います。

愛知揆一自由党大蔵政務次官

○愛知政府委員 詳細は主計局次長から御答弁いたしますが、たとえば専売裁定の場合と、今の段階におきましては、法律的な立場が違うことは御指摘の通りでありますが、大蔵省の立場といたしましては、十一月の十日過ぎに補正予算を組みましたときの気持をそのまま私どもとしては持ち続けておるわけでありまして、その当時の予算編成の方針としては、電電公社の関係職員と他の一般公務員あるいは他の民間の企業会社等との権衡ということも、その当時において十分顧慮いたしまして、そうして財政当局として許し得る範囲内においてこの補正予算を組みましたわけでございます。その点だけを私から申し上げておきます。

石原周夫大蔵事務官(主計局次長)

○石原(周)政府委員 調停案のベースは一万三千六百四十円ばかりに相なるかと思います。これで見ますと、現在の補正予算で計上いたしておりますベースは一万一千七百七十円ほどになつております。ただいま政務次官からお答えになりましたように、それ以外の国鉄でありますとか、専売であり辞すとか、そういうようなものとのにらみ合いにおきまして数字をにらみますると、今のような差額が出る。従いまして、この金額を予算の中に持ち込みますことは、今日の場合におきまして適当でないというふうに判断をいたしまして、今政務次官がお答えになりました趣旨におきましての予算を組んでおるような次第でございます。

菊川忠雄日本社会党(右)

○菊川委員 この問題につきましては、本日出席しておられませんからして、電電公社の当局に後にまた質問がございますので、次会に保留しておきたいと思います。  次に、前から通告して参つておりますところの、いわゆる駐留軍労務者の問題でございます。御承知のように一昨日の労働委員会におきまして、この問題はすでに数次の交渉を、調運庁長官並びに関係当局と重ねておりましたけれども、事態が進行いたしませんために、遺憾ながら昨日は二十四時間ストを決行いたしておるのであります。昨日は神奈川地区約二万五千人程度の二十四時間ストであります。しかも、大体において秩序整然と行われておるのであります。おそらくこのままで進行いたしますならば、また十五日に第二次ストを計画されておるとも聞いておりますし、あるいは新聞の伝えるところによれば、さらに全国的に波及して二十万駐留軍労務者の動きにも、かなり影響を持つというふうに憂慮されるのであります。そういう緊急な問題でありますが、しかし、その内容は非常に複雑な内容を持つておるので、単に県当局を相手に交渉いたしましても、解決の筋道が出て来ない、壁にぶつかつています。そこで政府の方を見ますと、政府におかれましても、一応総理庁の所管になつておりますけれども——事実は調達庁長官の直接の関係であられる、しかも労働大臣が閣内においての都合上それを担当しておられる、こういう複雑な状態にあるわけで、政府の線も必ずしも一本でないようでございます。あるいはまた組合側から、すでにこの問題についての請願書は出しておりますけれども、この請願書を、昨年は建設委員会で扱つた、本年はどの委員会で扱つていいかということも、まだ研究しておるという状態であります。こういう行政機構の面におきましても、この重大な問題についての不統一があるのであります。そういうことを含んで私お尋ねするのでありますが、決して責任を追究しようとするのではなくて、こういう差迫つた問題に対してどこに一体この問題の解決を困難ならしめておるところの問題がもるのでありますか、大いに研究をしてみたい、こういう意味でございますから、そのつもりでひとつ御答弁願いたいと思います。  主計局次長がお見えになられますし、お急ぎのようでありますから、最初にこの問題について大蔵省関係にお尋ねしたいと思います。  問題の一つは、退職金の現金化の問題であります。これはこの前、委員会におきましても概略述べましたから、繰返して申しません。すでに講和発効とともに、進駐軍労務者でなくて、駐留軍の労務者になり、そして身分が切りかわつており、雇用関係もかわつております。そういう関係上、一応退職金は精算をされて、それぞれの労務者に一片の計算書という紙切れを渡されておる。そこで法律の第百七十四号によつて、当人が引続いて働いておる場合において、今後退職とみなされた場合においてのみ、これを現金で清算されるというような関係もあつて、そしてこれらがそのまま事実上はたな上げにされて、今やめて行く者のみが、ぽつぽつ払い出されるという現状にあります。組合側では従業員の切なる希望によつて、これを即時あるいはなるべく早く現金支給をしてもらいたいという要望を重ね、団体交渉をやつておるのであります。そこで大蔵当局にお尋ねしたいのは、大体ごの金額は、組合側の推定によれば、約九十九億と聞いております。そこでその中の一部は米軍負担でございますからして、七十億程度が日本政府の負担になるわけである、こう推定いたしておりますが、この数字は大体間違いがないかということが一点。  それから、なおついでに質問の点を並べますならば、一体こういう金は、政府の従来の終戦処理費なりあるいは平和回復諸経費なり、そういう中に講和発効に伴つて組み入れらるべき性質のものであるのだが、現状においてはどうなつておるか、どの程度にこれが組み入れられておるか、この事実がありやなしや、この点であります。  それから、なおついでに調達庁と組合との団体交渉によれば、組合側では、この金はあるはずだと考えて交渉をいたしております。しかし調達庁側では、七十億程度の金は、これは回転資金として調達庁が持つておる金であつて、決して退職引当金ではないということで答弁をされておるのであります。これはいずれが事実であるか、まず三つの点をあらましお尋ねをしたいと思う。

石原周夫大蔵事務官(主計局次長)

○石原(周)政府委員 まず退職金の問題でございますが、これは御承知のように、先ごろの国会におきまして法律が通過をいたしまして、ただいまお話のように退職金は一応講和条約の効力発生の日をもつて打切ります、そこでその計算はいたしますが、これは即時払いをいたしませんで、年五分五厘ではなかつたかと思います。国債利率をとつたのでありますが、退職の日までの利息をつけて返す。こういう法律が通過をいたしておりまして、現在それに基いてやつておるわけであります。こういうことに相なりましたのは、御承知のように現在進駐軍労務者の方々は、いわゆる間接雇用、すなわち日本政府が雇用いたしまして、日本政府が労賃を払うのであります。しかしながら、御承知のように昨年の七月をもちまして、進駐軍費の半額ドル負担ということに相なりまして以来、そのドル負担の部分に労務費が入つておる。従いしまて、退職金を含めまして一切の給与あるいはこれに関連いたしまする間接費というものは、全額米軍側から返還を受ける、こういう形になつております。それがただいま御指摘になりました回転基金というもので運用せられておりまして、これは特別調達資金として、とりあえず労務者に対しまする賃金を払いまして、その精算に基きまして米軍側からの償還を受ける、こういう形で動いておる。     〔吉武委員長代理退席、山村委員長代理着席〕そこでその特別調達資金は、御指摘の七十五億という——これはかつて一般会計が終戦処理費から支出をいたしました金額と、これに加えまして、金額の必要な場合におきましては、国庫余裕金の繰りかえ使用を行つておるわけであります。現在におきましては、私の記憶では十億繰りかえ使用を行つておると思います。そこでこれらの仕組みによりまして、現在まで毎月の賃金が支払われ、退職の際に退職金が払われる、こういう形になつております。ところが問題は、御指摘のように、一ぺんたな上げをせられました退職金を現金化をしたいという御要望もあるかと思います。これはどういうような形でその御要望にこたえるか。その場合に、お尋ねがございました九十九億という数字、これにつきましては、実は私の承知しておりますところでは、調達庁が目下非常に広汎なる調査をいたしておりまして、最後的な確定計数を聞いておりませんが、九十九億という金額よりは多少下まわるのではないかというふうに聞いております。そのうちで、御指摘のように日本側の部分とアメリカ側の部分と申しますか、四月二十八日をもつて打切りました関係上、昨年の七月以降今年四月までの負担分につきましては、これは米軍負担であります。それ以後の分は日本側の負担であります。この分割計算につきましては、これは最後的な数字は少し違うかもしれませんが、大体御指摘のように、七十五億円見当の数字になるかと思つております。そこでこの退職金を支払いますためには、どういうことをしたらいいかということであります。これは今御指摘になりましたように、回転基金としてこの金を運用いたしおるわけでありますが、何ゆえそういう金額の回転基金がいるかという点であります。現在一箇月の賃金支払額は三十数億というふうに承知しております。ところが、今申しましたような金額がいりますのは、これは支払いの時と清算の時との間に時間的なずれがある。この時間的なずれを短縮することができますれば、まず国庫余裕金を十億立てかえをいたしておりますものを返すわけであります。その上に、さらに現在回転基金になつておりまする——先ほど申し遅れましたが、昨年七月に米軍負担に切りかえました金額、この時までの退職積立金は一その時まで終戦処理費負担でありましたから、日本側の負担になるべきものでございますので、大体七十五億という金額がその当時におきましても、日本側の負担に属すべき金額だというふうに計算をせられておつたわけであります。そこでその回転基金の七十五億あるいは国庫余裕金を運用しております十億を開放いたしますためには、今申し上げた支払と清算の期間を短縮して行きたい。それからなおこの基金の中には若干即時いりません積立金に属しますものがございますので、その積立金に属します分をそこに置いておきまして、加うるに清算の期間を早めるということをいたしますれば、それだけ金が回転基金から出て来ることができる。これは相手方のあることでございますので、現在外務省あるいは調達庁と一緒に、大蔵省も一枚入りまして、話合いをいたしておるのであります。目下のところではその清算の時期を早めることによりまして、今の金をできるだけ多く捻出をいたす。これは現在法律がありまして、今の法律のままではできないのでございますが、それによりまして退職金を払うというような方向に向いまして、現在折衝しているわけであります。先ほどお尋ねのございました平和関係処理費という点につきましては、先ほど申し上げましたように、昨年の七月をもちまして一応米軍負担ということに切りかえられておりますので、御指摘の平和関係処理費というようなものは、ちよつと経費の性質が違うことになります。

山村新治郎自由党

○山村委員長代理 それでは暫時休憩いたします。     午後三時五十五分休憩      ————◇—————     〔休憩後は開会に至らなかつた〕

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