労働委員会 第8号
- 発言数
- 50 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1952/12/10
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(内閣提出、議決第一号)、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(内閣提出、議決第二号)この両件を一括議題として、審議を進めることにいたします。質疑の通告がございますので、順次これを許します。石田一松君。
○石田(一)委員 私はこの際、質疑という形ではないのでありますが、われわれ労働委員といたしまして、特に歳末も次第に迫つて来、しかも本件に関しては、すでに過去において再三われわれが討論し尽した問題である。従つて多くの委員の意見の一致するところは、少くとも公労法におけるところの仲裁委員会の裁定なるものは、尊重されなければならぬということであります。言いかえれば、これはすみやかに実施されなければならぬものであるということの法的な解釈においては、精神的には一致しておるのであります。ただ、今日予算委員会において、補正予算等が審議されておりますが、その審議の過程において、はたしてその財源が見つかるかどうかということは、かかつて予算の財源捻出にある、こういう形に相なつておるのであります。そこでわれわれといたしましては、公労法の第十六条第二項による仲裁裁定の議案に関しては、労働委員会独自の見解におけるところの正しい結論をすみやかに生み出さなければならぬ段階に立ち至つておる、私はこういうふうに考えるのであります。そういう点におきまして、予算委員会においても、十三日にはこの結論を得るというような方針をもつて審議が行われておる段階でありますので、少くともわれわれは、この補正予算の決定しない以前に、労働委員会の立場においてこの議案に対するところの結論を出したい、こういうことを強く要望するものであります。委員長におかれましては、この点を特に考慮されまして、予算委員会で補正予算の決定がなされる以前に、この労働委員会独自の結論がここに生み出されるような処置を講ぜられるよう、またその運営をなされるよう、特に御留意あらんことを要望したいのであります。この点強く要望しておきます。
○田中委員長 石田君、御質問はございませんか。——それでは森山君。——おりませんね。春日君。
○春日委員 昨日の委員会におきましては、本日、大蔵大臣が出席をされまして、継続審議が行われることが予定されておりました。十時半という予定が一時に変更され、一時からすでに四時を過ぎておるのであります。われわれに付託されておりますこの二つの案件は、きわめて重要な案件であります。しかも、全国の多くの関係者が、かたずをのんで、その成行きを見詰めておるのでございます。こういうようなときに、私どもこの問題を何とか解決しようというので、十時半から待機をしておるのだが、大臣は出席もしないし、その後委員会はなかなか開かれそうにもなかつたわけでございます。こういうような重要案件を議することを、かくのごとく粗略に扱われてよいものかどうか、この問題は、委員長において十二分に御反省を願いたいと思うのでございます。 次に、関連してちよつと私の意見を申し述べたいのでございますが、ただいまの石田君の御発言によりますと、われわれ委員会の意見はもはやすでに帰一をしておる、しかしながら、財源を見出すために、予算委員会がどうするであろうかという、いろいろ御検討、御推測があるようでございます。しかし労働委員会が一応決定したならば、それに必要とする予算措置は、予算委員会がすべきものではなくして、これは当然政府みずからがその再補正をせなければならない。われわれは国会からここへ付託を受けておるのでございますから、われわれがこれを発議し、われわれがこれを議決したことは、すなわち国会の意思である。従つて、予算委員会等において、財源の問題についてとやかく言う権限はないと私は思う。従いまして、政府は労働委員会の議決するところに従つて再補正をし、しかしてこれを予算委員会に付議する義務があると考えるのでございます。政府がそういうことをすることができなければ、みずから総辞職するか、あるいはまた解散を命ずるか、二つに一つしかないと思うのでございます。従いまして、私どもが信念を持つてこういう決定をいたしましたからには、政府はその決定に基いて、再補正をする義務がある、かくのごとくに私は考えておるのでございます。これに対して、愛知さんはどういうふうにお考えになつておるか、御答弁を願いたい。(「愛知さんはおらぬ」と呼ぶ者あり)それでは、労働政務次官にお伺いいたします。
○福田政府委員 御承知のように、私はまだ就任早々でありまして、法律的な問題を深く研究いたしておりませんので、もし間違つた答弁をいたしましたら、あとで取消しをお許しいただきたいと思います。 私の承知いたしておりますところでは、この委員会において何らかの決定がなされました場合においては、これが本会議へ上程されると思います。これが本会議に上程されて議決を経、さらにまた参議院において同様趣旨の議決が得られまして、国会の意思が最終的に決定するという事態になりました場合においては、政府は最終的に、何らかの予算的措置をとるべき義務を負うものである、かように私は考えております。
○春日委員 実は今いろいろお話もあるのだが、現実にお伺いをしたいというのに、責任ある政府の当事者が御出席になつていないので、結局われわれは論議をもてあそぶ形になつてしまうと思います。従いまして、ただいま石田君から御発言もありましたように、すでに数回にわたる委員会において、われわれの考え方もすでに帰一するところがあると考えますので、この上は、最後の責任者たる総理大臣か大蔵大臣か、適当な人に出席を求めなければ、これ以上論議を続けても、大して意義はないのではないかと考えます。なお、今、労働政務次官の御答弁によりましても、何となく、ああいうちやらんぼらんみたいなものでございまして、私はもはや質問を継続する意思はございません。
○田中委員長 青野君。——山花君。
○山花委員 きようは大蔵大臣の出席を願つて、いろいろ質問を行いたいと考えて、今まで待機していたのでございますが、大蔵大臣の出席を見られないような状況でございますから、私の質疑は、明日でも、大蔵大臣が出席してから行うことにいたします。
○田中委員長 山口君。
○山口(丈)委員 私も同じことです。私は、労働大臣、大蔵大臣の出席を願つて、この専売公社裁定に関する件並びに国鉄の問題に関する取扱いの点について、質疑をしたいと思つておつたのでありますが、出席が不可能であるということでありますので、これを再度繰返しましても、今日出席の政府委員では答弁ができないだろうと考えます。ただ遺憾なのは、労働大臣は病気だということであります。これはやむを得ない状態であるかもわかりませんが、全国から、毎日これだけたくさん傍聴者が詰めかけておる状態でございますし、労働者の痛切な生活の問題として、非常な関心を有しておるものであります。従つて、どういう容態で主管大臣が出席できないかなどについても、政府側において、一応親切にわれわれに説明をされるべきであろうと考えるのであります。それだけの誠意を披瀝していただきたい。それが第一点であります。今申しますように、労働大臣の容体はどうなつておるか、ひとつ御答弁いただきたい。あとの企業体関係については、今申しましたように、答弁ができないだろうと思いますから、一般問題について、労働法規課長が見えておりますので、お尋ねいたします。
○福田政府委員 本日労働大臣が出席いたしませんために、委員会の運営上、非常に御迷惑をおかけいたしましたことについては、深くおわびをする次第であります。実は、大臣は、いろいろの劇務の結果かと思いますが、ちよつとかぜを引いて、熱を出しております。そのために非常に弱つておられますので、本日はどうか皆さんによろしくということで、私が出席をさせていただいておるわけであります。なお、お集まりの傍聴者の皆さんは、朝早くから御熱心においでくださつておりますし、ここにおいでになる委員の方々も、ほんとうに皆さんのために、誠意をもつてこの問題の解決に当るべく、非常な熱意を持つてお骨折りをされておるのであります。先ほど申し上げましたように、大蔵大臣も、本日は予算総会におきまして、朝からずつと今まで、ほとんど昼食の間もないほど質問が続けられておりまして、どうしてもこの委員会に出席ができないような状態に相なつておるわけであります。そういうわけで、開会時刻その他が非常に遷延いたしたことについては、ただいま山口委員からもおしかりを受けましたが、これははなはだ異例なことかと思いますけれども、私から一応事情を申し上げまして、御了解を求める次第であります。
○山口(丈)委員 今の次官からの答弁は了解いたしますが、ただ次官もお見えになつておりますので、二、三お尋ねいたします。 今日、日本が独立をして経済を建て直して行くためには、私は、何といつても、国内産業体制の国際的信用を高めることが、まず日本の自立経済の基礎でなければならぬと考えておるわけであります。その信用を国際的に高め基礎は、国際諸条約の批准に置かれなければならぬと思うのであります。今日まで、国際労働条約として採択されました件数は、百三件に及んでおると聞くのでありますが、その中で、わが国が批准いたしております件数は、わずかに十四件にすぎないのであります。しかも、その十四件の件数は、わが国の労働条件にきわめて関係のないものが多いのであります。しかし日本の労働基準法にきめられております諸条項を、この国際条約と照し合せて考えますと、ほとんどのものが、この基準法の中に含まれておるのであります。そういたしますと、今日この条約を批准して、国際信用を高める手続をとることは、私は当然であろうと考えるのであります。第十三国会だと思いますが、国際条約の批准について、その促進方の決議がなされております。そこで法規課長と次官がおいでになつておりますが、事務的にどういう促進措置がとられつつあるかをお尋ねいたしたいと思うのであります。
○大島説明員 ただいま山口委員からお話のありました労働に関係のあります国際諸条約の批准の問題でありますが、御指摘のように、現在までにすでに批准をいたしておる分もあるのであります。なお批准をいたしておらない分の中で、今後批准のできるものはなるべく早く批准をいたしたい、でき得ますれば、次期国会に提案いたしまして、そういうふうな運びになるようにと考えまして、目下検討いたしておる次第であります。
○山口(丈)委員 これは、いつも政府の逃げ口上にもなるわけですが、第十三国会で批准促進についての決議がなされたのでありますから、従つて政府当局においては、もう少しこの決議を尊重して、今国会で、その一部分でも批准の手続がとられるように進められることが、私はこの決議に対する誠意であろうと考えます。次の臨時国会ということで、はつきりとした見通しもないようでございますが、これにつきましては私は非常に遺憾に存じますので、この手続については、早急にその準備を了せられるように希望いたすのであります。 次に、第二点といたしましては、労働基準法の関係でございます。これも大臣がおられないから、答弁が不可能かとも思いますので、どういうふうになつているかについて、きわめて事務的に御質問をいたしたいと存じます。現在の基準法を適用する場合、まずその基礎として、基準局並びに監督署の整備が必要であろうと考えます。終戦後、この基準法が制定されましてから今日まで、基準局あるいは地方の基準監督署は、ほとんど整備されないままに置かれておりまして、庁舎などももちろん整備されていない。しかもその監督署に従事いたしております監督行政に当る係官も、きわめて手不足でありまして、監督行政の公平を欠くうらみがある。これを中央において、事務的にどうお考えになつておるか、これが第一点。 それから第二点といたしましては、労災補償の問題であります。地方によりましては、労働者の災害が非常に多いのでありまして、しかも労働者のこうむりました災害に対する補償は、早急に行われなければならぬのであります。そして審査官が決定をいたしまして、それに不服のある場合に、労災委員にかかることは御承知の通りでありますが、この労災委員の機能が十分に働いていない。この原因は、労災委員が委員会を構成する機構の問題ももちろんございますが、同時に、これが運用に当つての委員の待遇の問題もあるのでございます。今の予算のわく内におきましては、この労災委員が十分なる労災補償活動をすることもできない状態にあるのでありますが、政府は将来これらの問題をどう考えて、合理的に運営をしようとしておるか、これが第二点であります。 それから第三点としましては、大きな工業地帯には、逐次、労災病院が整備されつつありますけれども、珪肺病などのような職業病に困つておる労働者を収容して治療を行うには、現在の病院設備はきわめて不十分であります。従つて、この労災病院を増設することは、きわめて急を要する問題でございますが、政府はそういう施設の拡充について、どれだけの心構えをもつて次期国会に臨もうとしておられるか。以上、三点についてお答えをいただきたいと思います。
○富樫説明員 第一点は、労働基準法の施行にあたりまして、基準監督官の手が足りない。あるいは監督署の施設が不十分であるということの御質問でございました。監督署の建物その他の施設の設備につきましては、毎年逐次充実しつつあります。本年度もそれぞれ新設補修をしております。また来年度もその計画を持つております。従来の努力を継続いたしまして、一日も早く完璧な状態に持つて参りたいと考えております。基準監督官の人手が足りないということは、ある意味におきましては、ごもつともでございますし、基準法の適用事業場の数が七十万というような数に上りまして、監督官の頭数をふやすということも大事でありますけれども、頭数だけをふやすことによつて、問題は必ずしも簡単に解決しないと考えて、われわれといたしましては、まず何よりも監督官の質の向上と能率的な査察監督、重点的な措置ということによりまして、できるだけの効果をあげて参りたいと考えております。 第二点の労災につきましては、御意見ごもつともでございまして、委員のお手当、処遇につきましては、はなはだ薄いことにつきまして恐縮に考えております。もつとも、これは労災委員だけでございませんで、政府の各種委員会共通の問題でございますが、われわれといたしましては、御意見を十分尊重いたしまして、大蔵当局とも交渉して予算措置を講じて参りたいと考えております。 最後に、労災病院の問題でございます。これも御承知の通り、逐年拡張ないし新設して参つておりますが、来年度におきましては、われわれの希望といたしましては、未設置のブロツクでありまする北海道、中部、中国の方面に、できるだけ総合病院のようなものを新設するとともに、特殊の地帯には疎肺病院のようなものを充実して行きたいという計画を立てて、目下大蔵省と交渉中でございます。
○山口(丈)委員 計画を立てておるようでありますが、来国会にでもその予算を計上するつもりなのかどうか。
○富樫(總)説明員 目下大蔵省と折衝中であり、政府としてまだ最終決定をいたしておりませんので、ここに最終的な御答弁はでき得ないのでありますが、われわれとしては極力実現いたしたき希望を持ちまして、大蔵省と現実に交渉しております。
○山口(丈)委員 もう一点。これは駐留軍関係であります。この駐留軍関係の労務者の雇入れあるいは解雇の契約は政府において駐留軍との間に協定を結んでなされているとわれわれは考えているのでありますが、雇入れの場合には政府で雇い入れておるが解雇の場合には、駐留軍から地方庁に通告をして、それでただちに解雇される。解雇された労働者は、何らの補償も与えられないままに職場を去らなければならない。こういうことで、地方庁と解雇された組合員との間における紛争があるやに聞くのでありますが、一体駐留軍との関係において解雇する、この契約はどういうふうになつているか。またこの解雇された労働者を、どういうふうに補償して行こうとするのか、これを承りたい。
○富樫(總)説明員 前の国会あるいは今国会においても、行政協定に関連していろいろお話がなされたのでありますが、筋道から申しますれば、駐留軍に対する労務者の雇用は、政府、特調が仲に立つことなく、直接雇用し、直接雇用した状態に対して労働三法を完全に適用するというのが筋道であると考えられたのであります。しかるところ関係労働組合などの要望もございまして、現実的な労働者の保護ということで、政府、特調が仲に介在して、この問題を現実的に、円滑に処理して行つた方がいいというので、筋道はどうもあいまいであるけれども、間接雇用にしたわけでございます。従いまして、その間十分筋にのつとつておるわけでございませんので、間接雇用のもたらす当然の結果として、ある程度のあいまいさを伴うことはやむを得ないことかと考えておるのであります。 そこで、解雇の問題でありますが、その解雇が駐留軍の指示であろうが、あるいは調達庁の取扱いによりましようが、いずれにしろ違法なる解雇でありますれば、これに対しまして労働三法が適用せられますので、それぞれの法規の規定するところによる救済措置は十分になされ得るのでありまして、われわれとしても、できるだけの努力をいたしておる次第でございます。と申しましても、実際には今申し上げました間接雇用という制度のもたらすあいまいさのために、ときにトラブルが起つて、いろいろ問題があるように聞いておるのでありますが、目下御承知のように駐留軍と政府との労務契約の改訂の討議中でございます。この改訂の討議の論点の一つといたしまして、解雇の問題もできるだけ明確にしたいということで、せつかく政府と駐留軍当局と交渉中でございます。
○山口(丈)委員 それから最後に、法規課長にお尋ねいたします。この公共企業体等労働関係法第十六条第二項の点に基き、国会の議決を求めるのでありまして、政府から法案が提出されておるのでありますが、専売裁定を見てみますと、総裁も、この仲裁をのんでも、予算の承認を得れば必ず実行はできるものだ、こういうふうに証言をしておるのであります。そこで今度政府の出しております方式で行きますと、十六条一項に基く、いわゆる資金の面からも不可能だという断定が、われわれはできない。政府が当然予算の措置をすれば、予算の承認をすればいいのであつて、実際には十六条二項に基く裁定の議決の請求はしなくてもいいのじやないかというふうに考える。しかるに、それをしないで、こういう議決の求め方をするということは、一つは公企労法の精神にも反するし、法の濫用になりはしないか。あるいは法の精神から見て、こういつた方法が将来継続するとすれば、公企労法に矛盾があるのではないかというふうに考えるのですが、法規課長から法律的にひとつ御答弁いただきたい。
○大島説明員 公労法の十六条並びに三十五条の関係の問題をお聞きと思いますが、もちろん仲裁裁定は、当事者双方が服従すべきであります。ただ御承知の通り、国鉄にいたしましても専売にいたしましても、それぞれの国鉄法、専売公社法によりまして、その会計は予算をもつて経理することになつておる。従つて予算との関係におきまして、予算上支出が不可能な場合、協定の場合におきましては十六条によりまして、仲裁裁定の場合は三十五条によりまして、十六条を経まして国会に討議して、国会の御意向を求める、こういう規定になつておるわけであります。従つて、仲裁ないしは協定の、当事者双方に対します拘束力と、一方におきましてそれぞれの公共企業体の会計が予算をもつて経理されておるという関係との調整を、この十六条並びに三十五条においてはかつたわけであります。そういう関係で、今回の国鉄の仲裁裁定にいたしましても、専売裁定にいたしましても、予算上不可能となりまして、国会に付議して御審議を煩わしておる次第であります。そういうふうにひとつ御了解願いたいと思います。
○山口(丈)委員 私の申し上げるのは、いわゆる予算の部分は、これは議決しなければならぬと思います。予算上不可能だというのは、当初予算において組んである予算では、もうすでに支給する余裕がないのですから、従つてそれはもうわかり切つておる話だと思うのです。しかし、その企業体がこの裁定を実行する能力を有しておる場合には、当然その当初予算ではまかなえないことはわかつておるのであるから、政府はその企業体が持つている能力に応じて、実行し得るだけの予算を新たに補正して、その予算の承認を求めるということにすればいいのであつて、十大条のこの一項のいわゆる能力なしとして、第二項によつてこの議決を求めることは、いわゆる公労法の精神からいつても違反するのじやないか。能力があるにもかかわらず予算を組まないでおいて、そうしてその予算の議決を求めるのではなしに、能力なしとして、十六条二項によつてこの議決を求めることは、法律上違反ではないか、こういうふうに思うのです。
○大島説明員 ただいま再度お尋ねの点でありますが、その点が、先ほど申し上げましたように、公共体の経理が予算でまかなわれておるという関係との調整点になるのであります。従つて、実体的にその余力があるなしにかかわらず、公共企業体の会計の支出は、やはり予算をもつてしなくてはならないわけで、従つてその予算の款項費目からいたしまして不可能であるという場合におきましては、やはり、まず国会の御審議を求めまして、それからのこと、こういう建前がこの公労法の十六条並びに三十五条の規定になつておるわけであります。さように御了承願います。
○田中委員長 山口君、いいですか。——それでは青野君。
○青野委員 私はこの機会に——国鉄と専売のことは、大体質問を済ましたつもりでございますが、御答弁をしていただく人の顔触れはそろつておりませんが、特に労働省関係にお尋ねしたいと思いますことが二、三点あるのです。法規関係の代表者が来ておられるのでありますが、今井仲裁委員長の専売裁定に関する公述のときに、この裁定を下したのは、三名の委員の中で一人欠員がまだ補充せられなかつたので、二人で実は協議をしてきめました。これは法的には、私は大した疑義はないのではないかと思いますが、委員の補充ができないために、この裁定が非常に遅れた。遅れておる期間が相当ありましたが、その間に労働省としては、具体的にどのような見解と関係を持たれておつたか、これを第一点としてお尋ね申し上げたいと思います。
○大島説明員 ただいまお話の、仲裁委員会の三名のうち一名の方が欠員でありましたために遅れたという点は、仲裁裁定の前段におきましても、仲裁委員会においていろいろ御苦心のあつたところを、るる説明されてあるわけであります。この仲裁委員三名のうち一名が欠員になりまして、その後公労法の二十六条の規定によりまして、なるべく早くあと一名の仲裁委員を選考いたしたいということで、選考を急いでおつたのでありますが、ただ御承知の通り、二十六条によりまして、仲裁委員会の委員は中央調停委員会の委員長が推薦した方々の中から、公共企業体等を代表する、すなわち公社側の選考委員と、それから職員側の交渉委員の中から選ばれております選考委員、この両方の選定いたしました者につきまして内閣総理大臣が任命する、こういう形になつておるわけであります。そこで、なるべく早くということで手続を急いだのでありますが、両者の選考委員の方々の間で、いろいろ御審議の経過に非常に日時を要しましたために、たいへん遅れまして、最近あと一名の補充の決定をいたして発令になつたわけであります。そういう関係で、仲裁委員会の委員の発令が遅れておりました。ただ、今お話のように、法律上二名でも、それはやれるわけであります。仲裁委員会といたしましては、できればなるべく早くきめてもらつて、三人で仲裁を出したいということであつたのでありますが、今申しましたような事情で遅れておりましたので、やむを得ずこういう形になつておるわけであります。
○青野委員 重ねてその点お尋ねしたいと思います。こういう例は、この仲裁制度が生れましてから初めてであります。しかもその理由とするところは、推薦決定が遅れましたのにも、いろいろ複雑な事情があつたと思いますが、大体この委員の一人が衆議院議員の候補者に立つたために二名になつた。その補充が、いろいろ事情があつたので遅れた。こういうことはめつたにないと思いますが、法律的にはさしつかえないと、かりに解釈は法制局でなされたといたしましても、大体これは変則的な点は間違いございません。こういう例が、かりに再びできて、それが労使双方にとつで納得の行く仲裁裁定であれば、問題はないでしよう。しかし、今回のように、専売裁定が、調停案の場合と、裁定が下された場合とでは、九百円の開きができることを考えると、二人であつたから、そういう案が出たということは申しませんけれども、こういう例は二度と用いられないように、私どもは希望するのであります。 次に、これは福田労働政務次官にお尋ねしたいと思います。 きようの新聞を見てみますと、御承知のように国鉄の労働組合の諸君が遵法闘争という形でもつて行つて、いろいろなことをなさつております。結局これのせんじ詰めるところは、仲裁制度を尊重し、公共企業体等労働関係法で決定をしておる三十五条を尊重しておるために、この仲裁裁定の目的、下された裁定の完全実施の目的のために、合法的な一つの闘争としてなされておることであつて、これは珍しいことでもなければ、違法でもありません。しかしながら、結果においては能率の低下することは認めざるを得ない。能率が低下するからこそ、そこに遵法闘争の意義があるのであります。こういう点については、国鉄公社側及び政府に相当の責任があると思う。ここまで追い詰めて、まだ国会でははつきりした線が出て来ない。仲裁裁定は、争議権を奪つたかわりに、仲裁委員会が最終的に下したものは、たびたび言うようでございますが、これは最高裁判所の判決に匹敵するものであります。それを公労法十六条によつて予算上、資金上、不可能であるとして、ただの一回もこういうことが実現しておらない。しかも国鉄裁定に至つては、この仲裁制度が生れて第三回目の裁定であります。 〔委員長退席、前田(種)委員長代 理着席〕 これを完全に実施してもらうために、不満ではあるが一万三千四百円を承認して、しかもその完全実施が行われないという見通しのもとに、こういうような闘争が合法的に行われる。結果においては、国鉄の作業において相当の能率低下を来す。これは私はやはり公社側の責任であり、政府の責任であると思うがどうか。それと同じように、全専売労組の諸君が、超過勤務を拒否しております。これもやはり合法闘争のわく内の一つでございますから、法律上何らとがめるところはございませんが、先日も申し上げましたように、専売に至つては八時間の益金が八千五百万円であります。そしてこれらの諸君がほんとうに公労法を無視して、民間産業の労組のように立ち上つてストライキをやれば、文字通り一日に一億円の損害を公社側は負わなければならないのであります。年内に超勤を拒否する合法運動が展開されるとすれば、われわれの推定でも二十五億円の損害であります。完全実施をしてもらうために、この一万三千百円で甘んじておる専売労組の諸君が、自分たちの目的達成のためには、腹の中では実はやりたくはないが、こういう手段をとらなければ、自分たちの目的が達せられないと考えてやつておるのであります。日本の労働者のサービスをするために、アメリカから与えられた労働省であります。労働省を設置するときには、これは占領軍から指示され、占領軍の大きな力で設置することになつたことは御承知のことと思いますが、内閣がかわり、大臣の顔ぶれがかわりましても、労働省の存在する限り、労働省の存立の意義は、日本全体の労働者のサービスをする、これらの諸君の保護、これらの諸君の賃金水準を平均水準に持つて来るのが任務であります。労働省として、この二つのいわゆる合法的な闘争に対して、どのような御見解を持つておるかということを、これは専売公社、国鉄公社、政府を離れて、労働省としてこの機会に、ひとつはつきりここで具体的に線を出してもらいたいと思います。
○福田政府委員 ただいま、労働省は占領下における落し子であるというようなお話がございましたが、しかし私は、これが必ずしも落し子的存在であるとは考えておりません。またこの労働省というものは、非常に重大な仕事を担当すべきものでありまして、決してそういう意味合いで軽視さるべきものでもなければ、また政府部内においても、労働省を軽視しておるとは断じて考えておりません。労働省といたしましては、お説の通り労働者のサービス省であるということはよく事情がわかつておるつもりであります。しかしながら、日本の政治全体を燮理して参りますところの見地から見ますと、労働省もまた政府の一省でございます。しからば、国務大臣が閣議においていろいろの問題を討議する、たとえば今回の裁定問題等を扱います場合においても、労働省としては、関係各省とも連絡をとり、できるだけ労働者の味方となつて、これが実現できないということについて、いろいろと配慮をしておることは、おわかり願えると思うのであります。ただしかしながら、政府が一体として動くということになり、いわゆる閣議で政府の意思をきめて行くという場合におきましては、必ずしも労働者の主張のみをいれてやつて行くことが国のためによいかどうかというような、いろいろな問題が勘案されるわけであります。これらを考慮いたしまして、結局今回のような裁定に対しましては、予算上その他の点を考慮いたしまして、どうしてもこの程度しかできないということになつて補正予算が提出されておるわけであります。そのような事情でございますので、この点は専売公社あるいは国鉄公社等におきまして、その担当の首脳部においても十分現業の方たちにその事情を説明され、また何とかそういうふうにできないものかという努力をされておることと思いますが、政府自体といたしましても、決して労働者を軽視するとか、あるいは政府部内において労働省の、あるいは労働大臣の権限を無視しておるような事実は全然ございません。こういう意味合いで、先ほど仰せられました通り、合法的な、何と言いますか能率を下げる動きが見られて参りますことは、私どもといたしましてはまことに残念ではございますが、何とかひとつわれわれの気持をくんでいただいて、そうしてこういう問題が相互のあたたかい血のつながりによつて解決ができるようにやつて参りたいというのが、われわれの考えでございます。
○青野委員 あまりはつきりした御答弁でございませんので、少し落胆しておるのですが、これは労働大臣が病気がなおつて参りましたときに、もう一度明らかにしてもらいたいと存じます。田中委員長がおりませんから、委員長のかわりになつておる人に、委員長におことずけを願いたいのであります。それは港湾労働に関する小委員会が、昨日開かれる予定が、労働委員会とかち合いましたので開かれなかつた。それで小委員会をぜひ早く開いてもらいたい。それからけい肺病対策の小委員会がきまつておりますが、前労働大臣の吉武惠市氏が小委員長になつておりまして、いまだ開こうという意思がないようでありまする以上、これは正式に労働委員長から小委員会開催の督促をしてもらいたいということを、私は希望しておきます。 その次に、裁定に関する具体的な態度をこの労働委員会が決定した場合には予算委員会に、多少これは決議に関しては拘束することはもちろんですが、国会より付託せられた、この二つの裁定——全専売の裁定、これを労働委員会が一応、たとえば裁定を完全に実施せよ、あるいは国鉄におきましては、年末手当は大体この程度、あるいはそれ以上にせよというような、具体的な態度に出ることが、多少予算委員会に対して影響力を持つといえども、これは国会から正式に労働委員会に付託せられております以上は、その態度を決定することは当然と思う。 〔前田(種)委員長代理退席、委員 長着席〕 その点について、法的に労働省としてはどういう御見解を持つておるかということをお尋ねいたします。 それとあわせて、これは別でありますが、きのうの労働委員会では——これは全国の日雇い労務者三十二万人を代表して、二、三日前から東京で大会をされましたが、年末手当あるいは有給休暇という意味で、一人千円程度のねらいで、終戦後初めて——いろいろな制約を受けておりまして、今まで形はかわつて支給せられておつたかもしれませんが、労働委員会の決議によつて支給されるようになりました。今回の全国の日雇い労務者諸君の年末における有給休暇、裏から申しますと、年末手当でございましようが、それは全国では一体どれくらいな額に上るか。また年内に支給せよということが決議の内容になつておりますが、いかなる方法で処理しようとしておられるか、私はもう少し具体的にこの際承つておきたい。 それから、今田中委員長がおいでになりましたので、重ねて申し上げるようでございますが、山村新治郎氏が小委員長になつております港湾労働に関する小委員会、吉武惠市氏が小委員長になつておりまするけい肺病対策小委員会がいまだ開かれておりません。会期も余すところあまりありませんし、労働委員会とにらみ合せて、具体的に十分な審議を進めて行く必要がありますので、労働委員長として、この小委員会開催の督促をしてもらいたいということを、今希望を申し上げておきましたが、その点もひとつお含み願いたい。 以上三つの点を最後にお尋ねいたしまして、私の質問を打切りたいと思います。
○福田政府委員 日雇い労働者の問題につきましては、本委員会において議決をいたされまして、委員長より労働省に対してその旨を申し入れられましたよつて私たちは、今事務当局をして決議の趣旨を、尊重ではなくて、遵奉するように、事務を進めさせておる次第でございまして、実は昨日議決になりましたので、まだ今日ここでお答えするまでの資料ができておりませんので、適当の機会にお答えをいたしたいと思います。但し、その御趣旨、すなわち年末までに必ずこれが行き渡るようにするということについては、先ほど申し上げましたように、必ずできるようにいたしたいと思つて手続を進めておる次第でございます。
○大島説明員 第一のお尋ねの点は、あるいは国会法の問題かと存じますので、国会の法制局等におきましてひとつ御研究願いたいと思います。
○田中委員長 石野君。
○石野委員 裁定の問題につきましては、すでに問題がほとんど大蔵大臣に集約されて参つておりますので、ここではもうその問題に触れたくはないのでございますが、ただいまも青野委員から質問がありましたように、裁定問題については、巷間新聞等で、いろいろな説がなされております。今、国鉄の運法闘争については、国鉄側では、これに業務命令を出すとか出さぬとかいう問題があり、炭労の保安要員の引揚げの問題については、緊急調整をするかもしれないということなどが言われておるときでありますので、こういう問題に対する労働省の考え方——今大臣がいません、非常に重大な時期に大臣がいないのでありますから、われわれにとつてはこれをそのままに見のがすことはできない。一方国会のそとに出れば、労働者は、この問題を中心として、あるいはその他の問題で、至るところで闘争をいたしておるわけでございますので、今の問題についての労働省の考え方だけを、次官から聞いておきたいと思います。
○福田政府委員 電産、炭労の問題を中心としてお答えをいたします。これはすでに大臣からも申し上げておることと存じますけれども、私たちは、労働組合が健全に発展をしてもらう意味からいいましても、さらにまた経済の民主的運営が望ましいという見地から考えてみましても、独立後の今日において、組合と経営者との間で自主的に問題が解決されるような慣行が打立てられることが最も望ましいことである、こういう建前を強くとつて参つておるわけでございます。かように申しますと、労働省には労働行政はあつても労働政策というものがないじやないかというようなことをよく言われ、あるいは今回の問題につきましても、あまりにも積極的な手を打たなかつたではないかということを言われるのでありますが、この点は、かえつて皆様方の方がよくおわかりのことでありまして、現在の法制から考えてみましても、また先ほど申しました私たちの考え方から見ましても、この場合において、以上のような見地でなるべく早期に解決することを期待し、中労委と緊密な連絡をとりまして、また中労委にも協力をいたしまして、この問題の解決に当つて参つたわけであります。ところが、電産につきましては、経営者側はこれをのみましたけれども、組合の方が拒否をいたしまして今日に至つておるのでありますが、私の聞いておるところによりますと、中部あるいは関西、関東というような各会社別に、組合との間に話合いが進められておるやに承つておるのであります。私たちとしては、そういう意味合いで、干渉とか介入とかいうようなことなしに問題が解決されることを希望いたしておりますので、電産の問題はここ数日間が大きな山になるのではないだろうかと考えております。 また石炭の方でございますが、これは本日の午後、組合の方は中労委に対して一応断るというか、調停案をのまないという意思表示をされたようであります。これに対して、中労委からどういう意思表示をなさいましたか、まだ聞いておりませんので、ここで正確に御報告を申し上げることはできないのであります。しかし何といつても、今はこの問題が一番大きな問題であり、非常に重大な段階に来ておると思うのであります。私たちとしては、今の段階におきましては、依然として、何とか労使双方の間において問題が円満に解決ができることを強く希望いたします。これは申し上げてよいかどうかわかりませんが、おそらく大臣が炭労の組合の幹部の方に対しまして、何とか中労委の案を中心として問題が解決できないものかどうかということを、きよう勧告される手続をとつておられるのじやないかと思います。大分からだもお悪いので、非常に弱つておられるのでありますけれども、こういうような事態になつて、からだの問題などは言つておられないからというので、特に呼んでお話をされておるのではないか。これもまだその進行過程かもしれませんので、どうなつておるかは確言はいたしかねますけれども、そういうような措置をとつておるわけでございます。 以上のようなわけでありまして、本日参議院の本会議においても、緊急調整の問題その他について、御質問もあつたのでございますが、現在の段階におきましては、私たちは緊急調整をやる諸条件が備わつておるというふうには、考えておりません。政府全体といたしまして、よく考慮をいたしまして、政治的責任において十分な考慮を払つて善処をいたしたい、かような考え方を持つておる次第であります。
○石野委員 それらの問題については、政府は緊急調整などを今考えていないということを申されましたので、問題を別な方向でお聞きしたいと思います。先ほど青野委員からも言われましたように、労働者がストをやります場合には、平常の状態から能率を下げるということをもつて経営者に当るのが、ストの使命だと思つております。ところが、この能率が下るということに対しての責任を、すべて労働者側におつかぶせるという傾向が、多分にいろいろな面から出て来ておりまして、国鉄の場合でもそうでありますが、その他の面でも、地方などでは特に検察当局までもそういう問題におつかぶさつて来ておるような傾向があるように見受けられます。そういうことがありますので、この機会に私は労働省の見解をはつきりお聞きしておきたいと思いますが、労働者がストをやつて、そのために業務が滞る、そこで経営者の側が第三者なりあるいは、その他のものを引入れて、ストの目的を封殺するための行為をしておる。これに対しては、当然労働者の側としてはピケを張つて、スト破りを防衛するわけです。こういう問題が地方ではこういう事件として出て来ております。今、金沢の方で、私鉄の労働組合の諸君がストをやつておりますが、この問題について、十二月四日の午後、金沢の地方検察庁から、労働組合に対する勧告状を出して来ておるのであります。その勧告状は、こういうように書いてある。「同盟罷業中の組合員が多数スクラムを組んで実力を以て会社側の臨時雇等による電車又はバスの運転を阻止する行為は仮令暴行脅迫器物毀棄等行為に至らぬ程度のものであつても争議行為としての労務提供拒否と言う消極的性質を脱して会社側又は第三者の業務を妨害するものであつて争議行為の正当性の限界を逸脱し刑法第二二四条の威力業務妨害罪を構成する。」こういうことで、われわれの考えから見れば、組合側の争議行為に対する一種の弾圧行為がなされている事実があるのであります。こういう問題が、もしこのまま検察の力によつて、いわゆる争議行為の正当性の限界点を越えておるということで、いろいろ勧告状を出すとかなんとかいうことをやられて来ることは、労働者にとつては実にけしからぬことだと思うわけであります。こういう問題が現実に起きておる事態を、労働省としてはどのように見ておられるか、明確な御見解をこの機会に聞かせていただきたい。
○大島説明員 ただいまのお尋ねは、争議行為の正当性の限界の問題であります。御承知の通り労調法の第七条には。争議行為とは、当事者がその主張貫徹のためになす正常なる業務の運営を阻害する行為である。同時に、また労働組合法第一条第二項におきましては、労働組合の正当なる団体活動については、刑法三十五条を適用する。すなわち、刑事上の免訴を受けることは御承知の通りであります。ただ争議行為の正当性の限界がどこかという問題につきましては、かつての最高裁判所の、生産管理の問題につきましての山田鋼業事件あるいは小千谷事件、愛光堂事件、この三つの判例を通じまして確立いたしております原則並びにその他の各ケースにおきましても、判例等でとられております態度は、争議行為の実態並びにその各般条件を総合いたしまして、健全なる社会通念によつて、個々のケースによつて定めて行くことに相なつております。そういう関係におきました。争議権その他認められております諸権利、この均衡の問題を考えまして、健全なる社会通念によつて、個々のケースによつて判断する、かような最高裁以下の判例の方針になつております。さよう御了承願います。
○石野委員 さように御了承願いますというのでは困るので、現実に金沢の検察庁の方から労働組合に対しての、勧告というような形で、こういうものが出て来ているわけです。労働組合の側からすれば、争議中に自分たちの争議の目的を妨害するものに対して、自分たちを防衛するということは、当然とる一つの正当な行為である。それを検察庁の権力をもつて無理にこういうふうにやつて来るということは、先ほど労働次官がいわれましたように、でき得る限り労使双方の円満な話合いによつて問題の解決を求めておるのだという趣旨とその懸隔が非常に大きいのであります。従つて、検察庁がこういう立場をとることに対しての労働省の見解を、私どもとしては労働行政の観点からしましても、この機会にはつきり聞いておかなければいけないと思う。こういう検察庁の考え方は、現実に労働組合の争議行為を非常に反対しているわけでありますが、これに対して労働省はどういう考え方を持つているか。すでに事案はあなた方知つているはずでございますから、それに体する考え方もあり、あなた方の処置の仕方も一応考えておると思いますので、ひとつ明確に、その問題ずばり、話していただきたいと思います。
○田中委員長 石町君に申し上げますが、その問題は重要な問題と思いますから、次会に法務省を呼びまして、責任者に答弁をさせましよう。それから労働省の方は、今の問題が事実ありとすれば、非常に重要なことと考えますから、労働省としても、法務省と打合せて、その事実の有無をお調べの上で、責任のある御答弁を願いたいと存じます。 それでは次に前田君。
○前田(種)委員 委員会開会前に、理事会において委員長からいろいろな話がございまして、この二つの案件の時間的制約の上に立つた今後の取扱い等について、いろいろ御相談になつたのでございますが、私は委員長を通じて、自由党が誠意をもつてこの問題打開のために最善の努力を尽してもらうことを、まず第一に希望しておきたいと思います。そうした観点から、先ほど青野委員からも申されましたように、国鉄がすでに遵法闘争をやつている、専売労組が超勤を拒否するというような態度に出ることは、簡単な言葉でいえば、いやがらせ的な行為だと私は見ます。国鉄あるいは機関車労働組合のようなりつぱな組織を持つ組合、専売労組のようなりつぱな組織を持つ組合が、ストライキをやろうとすれば、いつ何時でもやれる組織を持ちながら、公労法の関係上隠忍自重して今日まで誠心誠意秩序を守つて来ておつたのです。それがしびれを切らして、今言つたような行為に出ざるを得ないというところに追い詰められておる。それで、ほんとうに自由党が誠意をもつてこの問題の解決のために善処するということになるならば、私たちは両方の組合に対しまして、そうした行為をやめてもらいたい。そしてここ一両日の間に、できるだけ諸君の期待に沿うような結論を出したいから、せつかくここまで堅実にやつて来ました行為を、最後のどたん場においても、ひとつ秩序正しくやつてもらうよう、協力してくれということを言いたいのです。しかし、今の段階においては、それすら言えないというような点から、時間的制約を考えてみますと、どうしてもここ一両日の間に、この問題の結論を出さなければならぬところに追い詰められておりますから、私はこれ以上政府当局に質問しようとは思いませんが、いろいろな点を考えて、政府は形式的には、国会に案件を出しておるから、国会でしかるべく審議してくれればいいというので、政府の責任はのがれたような立場にも置かれてはおりますが、専売公社の場合は、国会に提案しておるから国会でしかるべくというのではなくして、政府と国会がほんとうに協力的な立場に立つて善処をせなければ、この問題は解決つかぬと思います。今日は今泉政府委員が来ておりますが、あなたはどうぞきようにでも、大臣なり次官、局長等とよく相談されまして、少くとも専売公社の問題は、そうめんどうではない、解決つくとわれわれは見込みを立てておるのですから、その解決をつけるべく努力してもらいたいということを、強く要望したいと思います。これに対して大蔵省として見解がありますならば、お答え願いたい。 それから国鉄並びに専売の公社の責任者は、これまた大蔵省あるいは運輸省と協力して、国会が何とかしてこの問題を打開しようという方面に動いておりますので、これに協力態勢をもつて、裁定の問題の解決のできるように、きようもあすも最善の努力をしてもらうように、上司に対しても本委員会の意のあるところを報告されて誠意をもつて当つていただきたいと考えます。 それから公労法の建前から行きますと、労働省は、当然この問題の扱い方について責任がございます。与党も、明日は最高幹部の間で、せつかく十分の相談をしようという、委員長を通じてのお話であるし、われわれ野党の意思表示は、もうすでに明確ですから、労働省は積極的に与党の態度に協力し、公労法が正しく運用できるように、ひとつ最善の努力をしていただきたいと考えます。 それで、この際いろいろな点で政府の責任、あるいは労働省、運輸省、大蔵省の責任、公社の責任ということでなく、今日の各方面の情勢の中に立つて、しかも公然たる公労法の建前が正しく打立てられるように、少くとも明後日には労働委員会としての最終的な結論を見出したいと考えます。われわれ野党としても、この問題がすなおに結論を見出し得ることのためには、自由党のいろいろな意見等についても、われわれは時間を与えて、十分の相談ができるようにして行きたいと思いますが、おのずから時間の限度があるので、その限度内で、できるならば労働委員会が満場一致で結論を見出すように、持つて行きたいと考えます。できなければ、もちろん争わなくてはならぬ問題にもなりますが、そういうことにならずして行けるようにしたいと思いますので、そういう点等に対する政務次官、労働省当局の見解があるならば承つておきたいと思います。私はもういろいろなことをほじくつて質問するという時間もございませんから、質問は省略して、最後に、この問題が国家的に解決されるよう、強い希望を申し上げておく次第でございます。
○田中委員長 菊川君。
○菊川委員 きのう駐留軍労務者の当面する問題、すなわち退職金の現金支給と年末手当の問題、それから基本的な労務提供契約の問題、これらについて質問を通告しておつたのであります。これは、すでにそれぞれの当局は御承知のように、秋以来の問題でありまして、これをそのままほうつておきますことは、かえつて現場において問題を非常にこじらせて、ストライキに行くおそれが多分にあつたからであります。ところが、いろいろの事情もございましたが、きようの新聞を見ますと、とうとう明日から二十四時間ストを行うという指令を組合は出しております。そういたしますれば、さしあたり明日は遺憾ながら調達要員労働組合連盟のうち神奈川県連——組合員が二万五千でございますが、この分が明日朝七時からストライキに入るであろうと思うのであります。おそらくこれが第一回のストライキで解決しなければ、また第二次、第三次というふうに激化し深刻化して行くのではないか、こう思うのであります。こういうふうなことは本来ならば、調達庁と労働組合の間で、もつと敏速に話をつけておれば、こういう事態に行かない性質のものであります。のみならず、この問題は、私多く申し上げるまでもなく、本年四月講和条約の発効とともに当然切りかえなければならぬ、切りかえる際に一切清算すべきものは清算し、改訂すべきものは改訂をしなければならなかつた問題を、言を左右にし、あるいは政府部内の優柔不断のためにこういう事態になつたのであります。でありますから、こういうことを考えます場合に、現実にすでにそうした行動が起つておりますから、われわれから見れば、この二十四時間ストのために、労働委員会そのものもまた、この解決の責任を問われているという感を私は持つのであります。そこでこの問題は、明日のものはもはやいかんともできませんが、少くとも年末を控えて第二次、第三次というようにこういうストが進行し、さらにこれがまた広く二十万全体の駐留軍関係労務者に拡大することを防止して、そしてこの解決をはかるためには、この委員会においてぜひともこの際本問題は十分ひとつ取上げてもらいたい。でありますから、私はきのうも、実はこの問題については責任を追究するというのではないのだ、非常に複雑な内容を持つていることはよく承知しておるから、この問題がすでに半年にわたつて組合と調達庁との間に折衝を重ねながら解決できないところの難点と障害がどこにあるかということを知りたいのだ、そしてそれについて今の官庁機構の中で、それぞれの当事者が限界のあることは知つておるから、その限界以上のことを打破するためには、国会の責任であり、また労働委員会の責任であるから、十分の誠意をもつて伝えてもらいたいということを要望したのでありますが、ある官庁の方では、自分の方はそれに対して関係はないのだから、出席する必要はないだろうというようなことを——これはもちろん当面の責任者かどうか知りませんが、言つておるような諸君もあるのであります。こういうふうなわけでありまして、きようはこの会議の時間の都合上、この問題を深く取上げてお伺いしようとは私は思いませんが、こういう重大な問題が、すでにわれわれの怠慢のゆえに、やらなくても済んだところの二十四時間ストをここに起しているということを十分お考え願つて、この次の機会には、ぜひこれをお取上げ願いたいと思うのであります。ただ、今、同僚委員の質問に対して、富樫課長の方から、この問題について一片の回答がございました。これが実は争議そのものに関係のある問題であるのであります。でありますから、御回答願つた以上は、私自身として、その御回答をきようそのままにしておくわけに参りませんので、この問題についてもう少しお尋ねしておきたい。というのは、今の富樫課長の御答弁では、本来ならば駐留軍と労務者とが直接の契約によつて雇用関係を結ぶべきであるが、変則的であるけれども、調達庁が仲に入つておるので、間接雇用になつておるという御説明でございます。はたしてそういう御認識であるかどうかを重ねて伺わなければならない。 ついでに申し上げますが、今日そういう御認識であるのならば、今調達庁と労働組合との間に進行しておるところのいろいろな問題において、一体何ゆえに調達庁は、米軍と労働組合との直接交渉をあつせんしなくて、はばむのであるか、このことが問題になつて参るのであります。いま一つは、そのために、今まで調達庁を相手に交渉しておつたが、はかどらない。すでに半年の間われわれはがまんしておつたのだが、どうしても解決できないから、日米合同委員会の開かれておるこの機会に、米軍との直接交渉をしようという決意を持つて立つておるのであります。そういう点において、本筋はやはり米軍との直接の雇用契約であるのだから、調達庁は単なるあつせん機関として交渉すべきであるという御見解であるのか、それともやはり調達庁の長官と労働組合とのとりきめであるのか、どちらであるかを、ここでもう一ぺん伺つておきたいのであります。
○富樫(總)説明員 駐留軍の労務は、直接雇用が本則であつて、間接雇用は、組合の要請等もあつて、現実的にその方が円滑に行くであろうというので、そういう措置をとつた。これは十三国会におきまして、行政協定締結に際する外務大臣及び労働大臣の答弁がさようになつております。私個人の見解ではございません。なぜ変則であるかと申しますと、労働法——労働組合法にいたしましても、労働基準法にいたしましても、労働者と使用者との関係というふうに規定してあります。間接雇用になりますと、雇用主と使用者が別々になります。実際に使用する者と法律上の雇用主という人格と、二つにわかれるわけであります。ごく常識的に申しまして、使用者と雇用主の間におきまして、労働法上の責任の所在が不明確になることは、ある程度率直に認めざるを得ないのであります。従いまして、間接雇用で現実的に円滑にしたいということで、現在は間接雇用にいたしております。そこで成規の建前といたしましては、組合は特調の長官と団体交渉する、これが筋道である。それが隔靴掻痒の感があるというので、駐留軍と直接に話合いをしたいという気持は、非常によくわかる。それがすなわち間接雇用のあいまいさのよつて来るゆえんであると考えるのであります。しかし、それは成規の団体交渉でなく、どこまでも実際上の問題である。こういうふうに考えられる次第でございます。
○前田(種)委員 関連して……。今の富樫課長の答弁は、われわれは行政協定の第十二条の審議のときに、この点は相当論議されたのです。というのは、政府の説明は、国内法を完全に適用するから、駐留軍関係の労務者に対しても、労働三法は完全に適用できるということを強く要望されたのです。しかし私たちは、相手の軍が雇用する、その軍は日本の法律の適垣外に置かれて除外されるから、そういうことは不可能だということを、いろいろ突き詰めて行つて、そこに解決してない問題が残つているのです。そこで問題は、調達庁を残しておいて、要するに日本政府が雇用の対象になつて、全責任を持つて国内法を完全に適用させますというのが、政府の者の考え方であつた。しかし、実際に使うのは軍が使うのであつて、その軍は日本の法律の適用から除外される。除外される相手を押えて、そして国内法を完全に適用するということはできつこないということで、あの当時の議論の焦点になつておつたことが今日現実に出て来ておるわけです。ぼくは、この点は行政協定の内容に触れて論議をせなければ、問題は解決つかないところに追い詰められているということを、この際明らかにしておきたい。その矛盾が今度の問題に出て来ております。今日のような問題になることを心配いたしまして、われわれは行政協定の内容について多くの疑義をはさんで来ておつたということを明らかにして、今の答弁に対して、さらに反復するというようなことは私はいたしませんが、そういう経過であつたことが、今日事実に出て来ているということを、この委員会で明確にしておきたいと思います。
○田中委員長 菊川君まだ長いですか。本日の議題にしておりませんので、あらためてひとつ後日正式に、もつと責任のある者を呼んでやつたらいかがでしようか。
○菊川委員 実は先ほどの富樫課長の御答弁では、そのままに聞いておくわけには行かないので、私は異議をさしはさむ意味の質問をしておいたのであります。でありますからこの問題については、私はいずれあらためて、いろいろな反証をあげてお尋ねしたいと思います。今のような御認識でおると、今の駐留軍関係二十万の労務者は、非常に大きな問題としてこれを取上げなければならぬことになつて参るのでありまして、この事態を解決するゆえんでございません。でありますから、その点については、ひとつ富樫君の方でもゆつくり御研究願いたい。私は、決して追究しようというのではありません。この複雑な問題について、今後の新しいあり方を打出したいという考えを持つておりますから、あらためて質問したいと思います。ただ、今のお答えでは、われわれは困るというのであります。
○福田政府委員 先ほど前田委員から、政府に対しましての御要望がございました。このことについては、十分御意思を尊重して善処いたしたいと考えております。これをこの機会に一言お答え申し上げます。 なお、ただいま駐留軍の労務者の関係につきまして、菊川委員から御質問がございましたが、お説の通りこれは相当重要問題と考えますので、なお事務的によく調べまして、その上で責任のある答弁をさせていただきたいと思います。どうか御了承を願います。
○菊川委員 今の福田政務次官の誠意あるお答え、感謝します。ついては、この問題について、すでにそれぞれの組合から、しさいにわたる事例を添えて質問書を出し、あるいは要請書を出しておるのであります。そうしてそれについて一時のがれ的な答弁しかいたしておらないがゆえに、問題がこじれております。私がこれからお尋ねすることは、その組合からの質問書の中に全部入つておりますから、それについて御研究なさつて、政府部内の見解を一致させて御答弁を願いたい。それには大蔵省、調達庁、労働省みな関係がございますから、それぞれ十分御研究の上で、明快なる御答弁を願います。
○田中委員長 それではただいま御質問の点は、明後日関係責任者を呼んでおきます。
○石野委員 私は、ただいまこの席で答弁は必要ございません、あとでいずれまたお聞きしたいと思います。ただ問題点は、ただいまの菊川委員からお話のあつた点にかかるのと、いま一つは、富樫課長が先ほど基準監督官の問題について、現状では人員をふやすよりも、質的向上が望ましいのであるということを言われた。とにかく質を向上させなければいけないのだ。ところが、われわれいろいろと現地で見ております実態は、その要もあるけれどもそれ以上に人がふえなくてはならないのだということも痛感しておるのであります。先ほどの問題について、あのまま聞きのがすということは、来年度の予算の編成の上から行きましても、非常に重大であるし、しかも労働省の監督の衝に当るあなたの方で、そういうような考え方を持つておるということは、われわれにとつてもこれは聞き流しができない。それでありますから、これは後にゆつくりまた質問させていただきます。その問題点だけを提示しておきます。
○田中委員長 本日はこの程度にいたしまして、次会は明後十二日午後一時より当委員会を開くことにいたします。 本日はこれにて散会をいたします。 午後五時五十二分散会