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15回国会衆議院1952/11/28

労働委員会 第3号

発言数
63
登壇者
13
会派数
5
開催日
1952/11/28

会議録

田中伊三次自由党

○田中委員長 それではこれより会議を開きます。  お諮りをいたします。去る十一月二十四日に、理事の大橋武夫君が委員を辞任せられましたので、理事の補欠選挙を行いたいと存じます。これは委員長から指名することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中伊三次自由党

○田中委員長 御異議なしと認めます。それでは吉武惠市君を理事に指名いたします。     —————————————

田中伊三次自由党

○田中委員長 次に前回の委員会におきまして、けい肺病対策小委員会及び港湾労働に関する小委員会を設置するごとに決定しておりますが、その委員の指名を委員長に御一任を願つておりますので、けい肺病対策小委員会につきましては、       吉武 惠市君    持永 義夫君       重政 誠之君    森山 欽司君       菊川 忠雄君    青野 武一君以上六名のお方を小委員に指名いたします。  次に、港湾労働に関する小委員会にきましては、       山村新治郎君    中  助松君       伊能繁次郎君    石田 一松君       春日 一幸君    山口丈太郎君の六名のお方を小委員に指名いたします。  なお小委員長につきましても、委員長より指名をいたしておきたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中伊三次自由党

○田中委員長 御異議がなければ、けい肺病対策小委員長には吉武君、港湾労働に関する小委員長には山村君をそれぞれお願いいたします。     —————————————

田中伊三次自由党

○田中委員長 次に公共企業体等労働関係法第十大條第二項の基定に基き、国会の議決を求めるの件(内閣提出、議決第一号)につきまして、審査の必要上、参考人として国鉄労働組合中央執行委員長大和与一君、国鉄機関車労働組合中央執行委員長の瀬戸敏夫君、公共企業体仲裁委員会委員長今井一男君、それから成蹊大学の教授野田信男君、以上四君の出席を求めまして、御意見を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中伊三次自由党

○田中委員長 御異議がなければ、さように決定をいたします。  なお審査の便宜上、ただいま決定をいたしました参考人の各意見は、労働委員会、人事委員会、運輸委員会の連合審査会において聴取するごとにいたしまして、その日取りは、委員長が他の二委員会の委員長と協議をいたしまして、追つて決定をすることにいたします。     —————————————

田中伊三次自由党

○田中委員長 それから電産及び炭労のストに関する件につきまして、参考人として関係者の出席を求めまして、その意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中伊三次自由党

○田中委員長 それでは電産及び炭労争議に関して労使双方及び中山中労委会長、これらの人々を次会に出席を求めまして意見を聞くことにいたします。  労使双方の代表者の氏名でありますが、これは先方の都合もあることと存じますので、委員長よりあらかじめ連絡をいたしました上で、適宜決定をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中伊三次自由党

○田中委員長 それではさようにいたします。     —————————————

田中伊三次自由党

○田中委員長 次に労働行政に関する件を議題といたしまして、まず労働大臣より説明を聴取するごとにいたします。労働大臣。

戸塚九一郎自由党労働大臣

○戸塚国務大臣 この機会に私の所見を申し述べたいと存じます。きまり文句のようでありますが、独立後におけるわが国といたしましては、経済自立の達成をはかることが肝要でありますことは、申すまでもないところであります。これがためには、労使関係を安定し、生産を増強することが何より必要であります。二言に労使関係を安定すると申しましても、このことはきわめて困難な事柄であります。協力して生産を増強すればよいというものの、しかし、ややもすれば利害相反する双方のことでありまするので、なかなか簡単には参らないのが当然であります。私といたしましては、先般改正いたされました労政諸法規の適正なる運営に留意したすつもりであります。労使の当事者が公正なる輿論を背景とし、常に良識を持たれ、自省を怠ることなく、時に応じては互譲の精神をもつて事に当り、どうしても自主的解決の困難な場合には、進んで公正にして民主的な争議調整機関である労働委員会によつて合理的な、かつ早期解決に努められるよう、念願してやまないものであります。     〔委員長退席、山村委員長代理着席〕 もちろん、その反面において、政府といたしましても、情勢に応じ、臨機の措置に出ずべきことはやむを得ないかもしれませんが、それはむしろ好ましからぬことでありまして、許す限り前述の段階で解決せられるのが、法の精神であると存ずるのであります。なおまた健全なる労働組合運動の育成、労働者の福祉の増進等につきましては、一段の努力を傾注いたしたい所存でございます。  次に、労働基準の問題につきましては、さきに労働條件の国際的水準を維持しつつ、わが国の実情に即するよう改正されました労働基準法の円滑なる運用に特段の留意をいたしますとともに、あわせて産業災害の防止、労働衛生、技能者の養成などの問題につきましても、できる限りの努力をいたしたいと考えております。  なお、最低賃金の問題につきましては、現在労・使・公益三者構成によりまする賃金審議会におきまして審議中でありまするが、この問題につきましては、その影響するところも相当重大なものがありまするので、私といたしましては、審議会の審議には特に介入するというようなことなく、慎重に、かつ自主的に御審議をいただくという態度で、しばらくその進行状態を静観すべきものと考えておる次第であります。  失業問題につき、一言触れておきたいと存じます。朝鮮動乱後、一時活況を呈した雇用情勢は、近ごろ経済情勢の停滞と相まちまして、必ずしも楽観を許さない情勢にあるわけであります。しかして失業問題の悪化は、時に治安問題にも及ぶわけでありまして、この問題につき深甚なる注意を払つておる次第であります。失業問題は、根本的には経済の振興により雇用量の増大をはかることを、その根本解決策とするわけでありまするが、労働省といたしましては、失業保険、失業対策事業等の適切なる運営に上つて、でき得る限りの救済策を講じて参いたいと存じておるのであります。たとえば、失業対策事業につきましては、賃金の値上げ、年末稼動日数の増加等をはかることといたしまして、所要を補正予算に若干計上いたしておるような次第であります。  なお傷痍軍人を含む身体障害者の職業更生につきましては、労働省として職業安定行政の最重事事項の一つとして、今春以来全国的に任意登録制を実施するとともに、事業主に対しては雇用勧奨を行い、就職の促進をはかつて参つたのでありますが、これら気の毒な方々に対する職業更生につきましては、今後とも一段の努力を傾ける所存でございます。  以上、簡単ながら所管行政に関する所見を申し述べたつもりでありまするが、私といたしましては、きわめてまじめに、けれんなどはないように事に当つて参りたいと考えておるものでございます。今後とも皆様の御協力をお願いしたいと思います。

山村新治郎自由党

○山村委員長代理 これより質疑を許します。通告順により、森山欽司君。

森山欽司改進党

○森山委員 ただいま労働大臣から、労働行政一般についての御見解が述べられましたが、最もわれわれが本委員会としてお聞きしたいのは、目下問題になつておりまして、かつわが国の国民経済及び国民生活に非常に重大な影響を及ぼし、重大な段階に到達しつつあるところの電産及びに炭労ストについてのその経過、並びにそれが国民生活及び経済に及ぼす現段階におけるところの影響、今後の見通し、並びに今日までとり来つたところの政府の措置について、この際御説明を願いたいと思います。  さらに、第二番目の問題といたしまして、専売裁定が昨日出されたそうでありますが、専売裁定の経過を今日まで見ておりますと、裁定の出された時期があまりにも遅れておるのであります。これについての御説明をいただきたい。

賀来才二郎労働事務官(労政局長)

○賀来政府委員 電産、炭労の経過につきまして、簡単に申し上げたいと思います。  電産は中労委の調停が出ましてから、その後組合側もこの調停委を不満とし、経営者側もこれを受諾できないということになりまして、御指摘のようにその後十一回にわたりますストライキが行われたのであります。この間両者の間に交渉が持たれていないという事情と、たびたび争議行為が行われるにつれまして、一般の経済情勢に及ぼす影響も、これはほうつておけないというような状況になりましたので、労働大臣といたしましては、両者を招致いたしまして、交渉を自主的にやるように、もしそれが非常にむずかしいならば、中山中労委会長のあつせんによつて片づけるようにというふうな勧告をいたしまして、幸いにいたしまして、両者もこの趣旨を了といたしまして、翌日から中山中労委会長のあつせんを受けて参つたので、あります。     〔山村委員長代理退席、田中委員長瀞席〕 御承知のように、非常に問題がむずかしい問題に集約されて来ておりまして、経営者側は、現在の経営事情から見まして、従来のように統一した賃金が払えない、従つて交渉は統一的な交渉でなくして、各社別の交渉で行きたいというふうな希望を強く出しておりましたし、さらに現在の電産が持つております労働条件につきましても、現在の経理事情から見まして、せめて一般社会の労働条件の水準まで持つて行きたいということを強く主張いたしたのであります。これに対しまして、組合側は、そのいずれの条件も、さようなふうに譲るわけには参らないというところに集約して参つておりますので、中山会長のあつせんも非常に難航いたしまして、結局最後に中山会長といたしましては、問題が集約して参りましたので、自分の立場から見て適当と信じますあつせん案を出したのでありますが、このあつせん案の趣旨は、調停案の趣旨をそのままにいたしまして、明確でなかつた点を具体的に指示したという点に、このあつせん案の特徴があるわけであります。言いかえますれば、従来のようにたびたび調停をやる、それが両者不満あるいは一方不満で受諾ができないときに、さらにあつせんにおいてややその調停案をかえたものに持つて行く、そうして場当りの解決をつけて行くという方針はとりたくない。やはりかような公益事業におきましては、調停委員会としては慎重に合理性に徹したところの案を出し、これが最後案として、両者がこれを納得して行くようにというふうな気持を持たれまして、さような意味で今度のあつせんを出されたのであります。それに対しまして組合側は、このあつせんは受諾できない、特に労働条件の社会的水準化という事項に関連いたしまして、現在の労働時間三十八時間半というのを四十二時間に延長された点は、何といつても承服できないというので、これを拒否いたしまして、経営者側はかねて主張しておりました各社別賃金の行き方が、今度の案では統一賃金の原理を貫いておりますので、その点におきましてこれを受諾すべきかどうかという点で、非常に苦慮いたしておるようでありますが、各関係社長が現在東京にいませんので、これを緊急に招集するというふうな物理的な事情もございまして、まだ本日現在諾否の回答をいたしていないのであります。組合といたしましては、二十七日以降電源あるいは停電というふうな争議は一応行わないが、しかしながら、その他の職場はこれを全面無期限に放棄するというような意味のストライキを、二十七日以降やるという予定を立てておつたのでありますが、その方のストライキは一応そのままやるということにいたしまして、このあつせん案が出された結果これを拒否した。こういう新しい情勢に対して、いかなる戦術で対抗するかということにつきましては、本日なお午前十時から常任執行委員会を開いて検討中でありまして、その結果どういうふうにするかは、まだきまつていないのであります。以上が電産の経過であります。  炭労につきましては、これは御承知のように、すでに三十数日のストラでキが行われておりまして、このストライキの結果の影響が各方面に出始めて参つておりますので、動向を注視しておりましたが、幸いにいたしまして、数目前、労資が保鉱保安の問題で協議をいたしました際に、両者からいずれともなく議論が出て参りまして、これ以上国民に御迷惑をかけるようなこのストは、なるべく早く解決をしようという申合せができまして、翌日経営者側から、従来のいきさつにとらわれず、新しい提案をしようということになりまして、提案がなされたのであります。しかし、その提案は組合側がとうて、いいれ得ない提案であるというので、団体交渉は再び中絶されましたが、昨日からさらに幹事団—両者から四名ずつの代表を出しまして、これが組織の代表を出しまして、これが組織の代表として事務折衝に当るという意味の幹事団というものができまして、昨日からその幹事団の会議が持たれたのでありますが、本日は午後一時から持たれる予定でありましたのがやや延びまして、午後四時よりその会議を開くが、場合によりましては、これが団体交渉という正式な形になるかもしれないというのが現在の情勢であります。  見通しというお話でありましたが、今日の段階におきましては非常に微妙な段階にございますので、詳細申し上げることは差控えさせていただきたいと思いますが、結論的に一言申し上げますならば、電産にいたしましても、炭労にいたしましても、経営者側の立場から見まして、あるいは労働組合の立場から考えましても、ないしは政府の立場から考えましても、およそこの争議は限界に達しておるのではないかという見方ができ得ると考えておるのであります。労働省の基本的な方針といたしましては、独立後におきまする労使関係が安定するように、これがためには従来のように占領軍の協力ないしは圧力がなくなつておるわけでありますから、何らか新しい意味で一つの慣行ができ得るならば幸いである。これを法律等によつて処置するというような考え方でなくして、現在の法制の範囲内におきましてさような方針をとるべきであろう。ただいう大臣から、これに関連しては基本的な方針をお述べになつたのでありますが、その方針に従いましてこれに対処して参つておる次第でございます。  専売の仲裁裁定の問題でございますが、昨日午後四時半に仲裁委員会から仲裁裁定が出されたのであります。いろいろ書かれてありますが、賃金べースは八月以降一万三千百円とするという裁定であります。これが遅れたのはどうしたわけかというお話でありましたが、仲裁委員会といたしましては、でき得るならばもう一度調停の段階で話合いをつけるべきではないかというふうな考え方で、いろいろ努力をされておつたようであります。さような意味合いで延びておつたと私は聞いておる次第であります。

戸塚九一郎自由党労働大臣

○戸塚国務大臣 ただいま局長から大体の経過を御報告申し上げたわけでありますが、電産につきましても、炭労につきましても、きわめてシリアスな状態になつて参つております。先ほど申し上げましたように、政府は介入することは好まないのでありますが、何とかここで打開の道はなかろうか。また今も御説明いたしましたように、なるべく中労委の調停あつせんで、こういう事態が解決せられることを希望し、期待しておりますので、それらの点を考慮いたしましたが、本日両争議の双方の当事者と私が会つてみよう。こういう事態になつておる場合であるから、何とか早く解決を見るように一段の反省をしてもらいたいという意味で、別に案そのものについてとやこう言うつもりはありませんが、勧告をいたしてみたい、かように考えておるのであります。

森山欽司改進党

○森山委員 大臣が労使双方の代表者と会われるというお話でありますが、先ほど労政局長が、政府の立場からすでにこの両ストは限界に達しておるというのは、どういう意味でありましようか。

賀来才二郎労働事務官(労政局長)

○賀来政府委員  電産につきましては、二十七日以降のストライキのやり方について、先ほど申しましたような方針でやつておるようであります。しかし昨日戦術会議でこれをどうするか、このままで行くか、あるいはもう少しかえるかという意見が一応きまつておるようでありまして、それを本日の常任委員会できめることになつております。これはまだ未決定であります。もしも二十七日以降きめておりますような無期限のストライキが、現実に四十時間連続ストのような非常に強いものになつて参りまするならば、これを放置するわけには参らないような状態が出るのじやなかろうかといういうのが電産についてであります。  炭労につきましては、これも御承知のように、現にガスは制限供給になつておりますし、地方によりまして、列車の運転も間引かれておるような状態でありますのみならず、北海道におきましては、一般大衆の暖房炭の供給につきましてもおよそ限界が来ておる。従いまして、さような意味合いにおきまして、政府といたしましても、今日の状況を、もしこれがますます強化するというふうな状態においては、ほつておけないのではないか、こういう意味であります。

森山欽司改進党

○森山委員 そうすると、もつと具体的に言うと、今までのやり方が今後も続くならば、電産、炭労の両ストについて、緊急調整を出されるという意味でありますか。

賀来才二郎労働事務官(労政局長)

○賀来政府委員 さような意味合いで申しているのではございません。御承知のように、緊急調整は、前国会におきまして修正決定をされますときのあの法文の内容から見まするならば、その状態に至るには、まだまだ今日の情勢をもう少しよく注意をしてみなければならない。現在はその様子を見て行くにつきまして、炭労は自主的解決、電産は中労委によるあつせんが継続をされている、一応その状態が続くものと見ているけれども、これが情勢の変化がありました場合には、やはり何らか考えなければならぬことになつているという意味であります。

森山欽司改進党

○森山委員 ちよつとくどいようですけれども、政府の立場から、限界に離しているということをあなたがおつしやつた。もちろん、これが好転して行くとか、あるいは解決の方向に向いて行くというならいいのでありますけれども、もしそういう事態が来ない場合におきまして、現状のままで行くと、労使双方とも限界に達しておる、政府の立場からも限界に達しておるという。その政府の立場から限界に達しておるという抽象的な言葉で表わされる具状的な内容はどういうものを持つているかということを伺いたい。そうすると、前回の国会で強引におきめになりました緊急調整というような問題が、やはり具体的な問題としては考えられるのではないか、そういうことをお考えになつておるかどうかということを伺いたい。

賀来才二郎労働事務官(労政局長)

○賀来政府委員 お言葉を返すようで恐縮でありますが、先ほど実は目通しにつきましての御質問に対しまして、今日の段階は非常に微妙な段階にありますから、具体的なお答えは差控えさせていただきたいということをお願いしてあつたわけであります。そこで、但し森山委員の御質問でもございますので、私といたしましては、少し言い過ぎかと思いましたが、さような結論だけは持つておるということを申し上げたのでありまして、これ以上のお答えは差控えさせていただきたいと思います。

石田一松改進党

○石田(一)委員 ちよつとこれは関連するのですけれども、今日か昨日の新聞によりますと、通産省あたりですでに緊急調整という問題を公然と発言しておるというようなことが報道されておるのですが、もしただいま労政局長のおつしやるような御意見だとすると、通産省の発表はちよつと行き過ぎておる。そうなると、私は政府部内においても労働問題、この大きな争議問題に対しての見方の相違がある、意見の食い違が出ておるじやないか、こう思うのですが、あれはどういうことなんですか。その点との関係、特に労働省との関係をひとつ説明してもらいたい。

戸塚九一郎自由党労働大臣

○戸塚国務大臣 通産省の方でというお話もございましたが、これは私も聞いておりません。さようなことはないはずだと私は思つております。緊急調整については、まだ別に考えておりません。ことにあの法律の趣旨を考えましても、その條件が備わらなければ、前からもつて考えるということはうそじやないか、こういうふうに私は考えております。通産大臣とも話しすることもありますが、決してそいうようなことはないと私は考えております。

石野久男労働者農民党

○石野委員 ただいまの森山委員の質問に対しまして、賀来労政局長から、政府の見方では大体限界に達している、その限界という意味は、このままではほうつておけないというようなところまで来ておるというふうに考えられる、こういうふうに局長は言つておつたのであります。そのほうつておけないということは、具体的にはやはり何かしなければならないということになる、こういうふうにわれわれは聞くわけです。従つて森山委員から聞かれた具体的な措置内容というものは、どういうことを構想に持つておるかということを、いま一度聞いておきたい。  それと関連しまして、労働大臣が先ほど特に電産の問題についても、また炭労もそうですが、両者を呼んで、なるべくこれを早く解決するように、いろいろ勧告のようなことを一応処置されたということとのにらみ合せも、当然やはり局長の言葉とうらはらになろ問題のように思うので、そこからやはり緊急調整の問題が予定されておるのでないかというふうに考えられるのですが、その点今労働大臣と局長から、はつきりした返事をいただきたい。

戸塚九一郎自由党労働大臣

○戸塚国務大臣 賀來局長が限界と言つたのは、むしろ私が先ほど申し上げた、きよう中に両者を呼んで進めてみる、そこまで政府が黙つておつた。これは黙つてもおれぬ、どうしてもという意味のことを限界と言つたように私は解釈いたします。緊急調整ということは、先ほども、申し上げましたように、実際の問題として條件が備わらなければ、考えてもいけないことではないか、こういうふうに考えるわけでございます。

石野久男労働者農民党

○石野委員 今労働大臣からの話では、政府がそういうように見るという立場を言われたのですが、先ほどの賀来労政局長の話によると、それは経営者の側の立場からいつても、労働者側の立場からいつても、その限界に達しておる、こういうように言われたわけであります。従つて、その限界は—三者の立場から限界に達しておるということの意味は、われわれにとつては非常に重大な内容を持つておる、こういうふうに考えるのであつて、ただ今労働大臣が言われたような内容のものではないというように考えが、いま一度労政局長はどういうことを意味しておつたかということをはつきり伺いたい。

賀来才二郎労働事務官(労政局長)

○賀来政府委員 私が申しました点について、ただいま労働大臣から御説明がございましたが、それと私の申し上げたことは何も差異がないと考えております。ただ労働側、使用者側のことについてお話がございましたが、これにつきましては、われわれといたしましては、一つの見方は持つておりますが、しかしながら、今日の段階においては、それは私からは申し上げたくないということを申し上げたわけでございますから、御了承を願いたいと思います。

森山欽司改進党

○森山委員 いずれにいたしましても、われわれは両ストのすみやかなる解決を希望いたすのでありますが、本委員会といたしましても、さきの理事会の決定によりますと、十二月土日にこの問題を取上げるそうでありますから、それまでにひとつ政府としてもせいぜい御奮闘をお願いいたしたい。  それから私第二の質疑といたしまして、先ほどお聞きした専売裁定が異常に遅れた理由につきまして、労政局長は、でき得るならば調停の段階で処理したいというようなお話をちよつと聞いたんですが、私はそれは真案ではないのではないかと思う。仲裁委員会の委員が一名欠員になつておる、そういう手続上の理由のために今日その裁定を見るのが非常に遅れた、しかも実際は二名の仲裁委員で昨日裁定を出した。一体こういうようなことは、吉田第三次だか第四次だか、とにかくこの前の内閣から今度の内閣まで、両内閣にまたがつて私は労働行政に対する誠意がないというような感じがいたすのでありますが、労働大臣はそれについてどういう御所見を持つておられるか、あらためて伺いたいと思います。賀來労政局長の言われるように、これは決して調停の段階においてこれをもう一度処理したいからというので遅れたのでは私は断じてないと思う。これは明らかに仲裁委員一名の補充が遅れたために、しかも補充されないままに、遂に二名の委員によつて、案は昨日裁定が出されておるのであります。この責任は、少くも全国四万の専売労働者に対する大いなる不誠意の現われであります。そればかりでなく、今回のわれわれ裁定の例を見ましても、吉田内閣の労働問題に対する、何と申しますか、非常に誠意のない現われの一斑になるのではないかと私は思うので、大臣にこの際はつきりした御返事を伺いたいと思います。

戸塚九一郎自由党労働大臣

○戸塚国務大臣 委員の補充が遅れておりましたのは、手続上遅れておつたのでありまして、一昨日ですか、政府が任命する段取りになる日が参りました。本日その手続をいたしておるのであります。なお二人でやつたのは、その補充がつかなかつたから遅れたという意味のお話でありましたが、二人でやつた前例もあるそうでありまして、また事務局の方でもいろいろ研究いたして、二人でさしつかえない、ことに労使双方から二人でもいいから早くした方がいいというような意見があつて、それの上で一昨日でしたか、裁定を出したように私は承つております。別に吉田内閣が労働行政について熱意が欠けておる、そういうふうな意味には私は考えておりません。

森山欽司改進党

○森山委員 二人で裁定ができるものなら、何も昨日まで待つ必要はなかつた。もつとずつと前、一月か二月か、もつと前かもしれませんが、ともかく大分前にこれができた。二十七年度の補正予算の編成とも関連がある事項でありまして、これは急速に裁定を出すなら出した方がいいのです。事務的な準備はもうずつと前にできておつた。それがきのうまで出されるのが遅れたというのは、単に手続上の問題で考え込んでおる以上のものがあるのではないか。きのうできたことなら、一月前でも私はできたと思いますが、いかがでしようか。

賀来才二郎労働事務官(労政局長)

○賀来政府委員 ただいま大臣から申されました任命の手続の点をまず申し上げたいと思います。御承知のように仲裁委員の候補者は、中央調停委員長から労使の各十名からなりまする選衡委員会に推薦されることになつておるのであります。この手続がとられましたのが十月二十二日でありまして、そのときにすぐ両者の意見がまとまりますならば、ただちに任命ができたのでありますが、両者の意見がまとまらない場合には—これも森山委員御承知のように、公労法によりまして、三十日たつてもまとまらないときには、内閣が任命することができることになつておるのであります。この両者がまとまらないという一箇月を待ちまして、—その間われわれといたしましては、できるだけ早くまとめるようにという努力もいたしたのでありますが、遂にまとまらずして、二十五日になりまして、両者から選衡委員会においては意見がまとまらなかつたという返事がありましたので、本日任命をするという段階に達したのであります。その間二名ということになつておつたわけであります。一方この二名で手続をするかどうかにつきましては、仲裁委員会といたしましても、非常に慎重な態度をとられまして、法律上は二名ということも可能でありまするし、さらに前例もあるという意味合いにおきましてやりたい。しかしながら、やはり仲裁委員会の性格から見まして、単に法律上可能であるからといつて、したくないので、労使双方の承認を得てやりたいということで、労使双方に話をされおりましたが、なかなかその意見がまとまらなかつた。ところが途中でそれでよろしいということになりました段階から、今度は仲裁委員会といたしましては、先ほど申しましたように諸情勢から見まして、できれば仲裁裁定以前の形において両者の話合いがつき得ないものかどうかということで努力をされておつたようであります。その努力も遂に成り立たなかつたので、仲裁裁定を出すという運びに至つた。この間御指摘のような意図のもとに延ばされたというふうには承知をいたしておらないのでございます。

田中伊三次自由党

○田中委員長 春日君。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 ただいま労働大臣から、労働行政に対する一般的な見解が述べられたのでございますが、それはただ単に労働行政に対する常識的なものをつづり方式に述べられたものであつて、今まさに労働行政に対せんとする抱負とか経綸とか、そういうふうな気魄をうかがえるものが何一つ示されなかつたことは、非常に遺憾に思うのでございます。のみならず、最後に大臣は、けれんなく、またすなおにこれをやつて行きたいというようなことでございましたが、少くとも労働者は日本の支柱でございまして、労働行政はこの支柱のあり方を決定する重大なものであるのでございます。これに対してただ単にけれんなく、すなおにやつて行きたいというような、そんな消極的な態度で労働行政が行えるものではないと私は思う。少くとも憲法に規定されておる労働者の団結の自由とか、あるいはその行動の自由とかいうような規定の上に立つていろいろ労働関係法があるのでありますが、あなたはその労働関係法の一法だに御勉強になつていないということで、失望の感をさらに深めておるのでございます。その法律の規定の上に立つて、しかも世界的規模の上に立つて、社会科学の基礎の上に立つて、いろいろな労働行政が信念とともに進められて行かなければならぬ。特にこの日本をになうという不退転の決意の上に立つて、私は信念と情熱を傾注するごとによつて、初めて全国の労働者の輿望にこたえ得ると思うし、なお祖国に関する一切の問題が、この労働行政を通じて打ち出されて行くのだと思うが、頃日来のあなたの本会議における答弁を聞いておりますると、あなたはすべて何とかやろうとか、なるべくとかいうような、まるでもみ手のへつぴり腰でやつておられる。あなたがそういうような態度で閣内において労働予算を要求される場合、はたしてあなたを通じていろいろな所要予算が獲得できるかどうか、私はまことに不安に感ずるのでございます。従いまして、あなたがそういうような気魄に満ちた、ほんとうに情熱に燃え立つて労働行政をやるのでなくして、ただすなおに、けれんなくぼつぼつやる、こういうようなことであるならば、まずあまり深入りをされぬ先に桂冠されて、適任者にその席を譲られることが、私は祖国に対して忠なるゆえんであろうと考えます。頃日來の御答弁とあなたの態度を伺つておりまして、そういう感を深くいたしましたので、善処を促したいと思うのでございます。     〔委員長退席、山村委員長代理着席〕  そこで申し上げたいのは、現在越年資金の問題が、いろいろと論ぜられております。第十五国会は、賃金国会と言われるほど、労働行政に関係する議案場がたくさんあるのでございまして、国民の関心もまたここに集まつておると思うのでございます。そこでこの越年資金を、本日最も必要とする階層の中に自由労働者、すなわち緊急失業対策法に基く失対土木事業に従事するいわゆる失対労働者、自由労働者、これらの階層のあることをあなたはお忘れになつておりはしないかということを私は案ずるのでございます。これらの自由労働者は、緊急失業対策法に基きまして、すなわち失業者の生活の安定をはかり、さらに日本経済の興隆に寄与する、こういうことで法律が制定されて、その法律に基いていろいろ施策が前進しておりますが、吉田内閣はこの数年来へびの生殺しという言葉がございますけれども、ほとんど名目的な救済にとどまつて、実質的な救済に達していないのでございます。従いまして、これらの自由労働者の諸君は、大体におきまして月のうち二十日間しか働けないといたしまして、月収五千円未満の収入で一家を経営しておるという現状でございます。これらの自由労働者も、生れながらの自由労働者ではないのでございまして、戦争中におきましては軍工廠の工員であり、軍需工場の工員、あるいはまた引揚者、失業軍人というような、かつての軍国日本の犠牲者の諸君であるのでざいます。これらの諸君が失業状態に陥つたのでございまするが、日本の民間経済の状態は、これらの諸君を生業に復帰させろという実力をなおつちかつていないそれほど回復されていない。従いまして、やむを得ずこの失対事業に従事することによつて、その露命をしのいでおる。そこでこの失対土木事業法があるのでございますけれども、この法律たるや、今申し上げたように月のうち二十日間くらいしか予算を組まない。しかも組まれたその賃金たるや、その地方における賃金の八割を越えてはならないというような制約がございまして、彼らはそれを働くことによつて、法律を施行しておるところの精神、すなはち失業者の生活の安定というようなことは、この施策によつては果されてはいないのでございます。そういうよな状態でずつと働いて、今や年末に差迫つておるのでありますが、彼らといえどももとより人間でありまして、家族がある、老いたるお母さんがある、小さい子供がある。冬にもなればメリヤスの一枚も買つてやりたいし、子供に「げた」の一足も買つてやらなければならない。いわんやお正月になれば餅もつきたいのでございますが、こういうような費用が一体どこから出て来るかという問題でございます。すなわち、一般公務員あるいはその他の民間労働者にいたしましても、すべて厳冬を防衛することのためにいろいろの措置が講ぜられておるのでございます。越年資金、越冬資金、いろいろのものが給付されるのでございまするが、この自由労働者に対しましては、本日までびた一文これが給付されたことがない。しかのみならず、歴年労働省は地方府県の労働部長をこちらへ呼びまして、そうして賃金外給付は行つてはいけない。この失対労働者は、何せ目庸いの形式だから、賃金外給付は行つてはいけないというようなそういう指令をも発しまして、すなわち地方自治体が自由裁量による越年給付を行おうとする道すらも、故意にこれを封じて参つたのでございます。こういうような自由労働者のあり方というものは、全国におきまして大体十七、八万の多きにわたつておるのでございますが、これらは一体どこへ救いを求めてよいかという問題でございまして、絶望者たちは、ときには共産党にその救いを求めて、そして職場を放棄して市役所とかあるいは県庁とかを取巻いて、何千万という諸君がデモをかけることによつて、ガラスを割つたり、あるいは知事の部屋へ押しかけたり、そういう騒擾が今や年末にかけて巻き起されんとしておるのでございます。このことは、本年ばかりではない、歴年繰返されておる自由労働者の年中行事でございます。従いまして、地方自治庁におきましては、警察を総動員するとか、あるいはそれに対しまして厖大な経費を投じて、まるで敵国から侵入されて来たように、これらの軍国の犠牲者たちに冷酷に対抗して立ち向つておる、こういうような状況でございます。かくのごとき態度は、私は政府そのものが、かれら自由労働者共産党へ追いやるものであり、こういう階層を共産党の育つ温床とし、政府みずからが温存しているものと私どもは断ぜざるを得ないのでございます。そこで私が申し述べたいことは、こういう緊急失業対策法という法律によつて、ここにこういう諸君に対する生活保障の道が開かれておるんだから、あとはあなたの行政手腕によつて、すなわち予算措置を講じさえすれば、これらの諸君にお正月の給付が行えるわけであります。そこで私どもは、先般来労働省に対しても、そういう越年給付の措置を行うべきであるという意見書も提出し、さらにいろいろの会議を通じて要請しておるのでございますが、本日まだその措置を見ていないのでございます。このことは今や年末にかけて大きな社会問題となり、労働問題となり、これがやがて大きな政治不安の高潮になつて私はどんどん高まつていくと思うのでございます。そこで私があなたに申し上げたいことは、とにもかくにも労働行政というものは、あなたの言うような、なるべくとか、あるいはまた何んとか、こういうようなへつぴり腰で解決のつく問題ではないのでございます。私はあなたが信念を持つて、不退転の決意を持つて、この越年給付に対する財政措置を大蔵省と交渉の上獲得して、そして全国十数万のこの救いなき自由労働者のために、あなたがこの問題の懸案を解決する決意があるかどうか、この問題について御答弁を願いたいと思うのでございます。

戸塚九一郎自由党労働大臣

○戸塚国務大臣 私の態度が弱いから、そんなことではいけないというお話、もしやつて行けないようならやめたらよかろう、こういうお話であります。私が先ほどごあいさつの中に、まじめに、すなおにということを申し上げましたのは、小手先をきかすようなやり方は、私は好まないものでありますから、ごくまじめにやつて行こうという気持を申し上げるつもりにすぎなかつたのであります。またなるほど、議場で、私もなれませんからあるいは、お目のだるいところがおありかもしれませんが、必ずしも私は熱意に欠けるとか、そういう点では非難を受けたいとは思つておりません。しかし自分で考えまして、これほとしても私の手に負えないというような場合には、おさしずまでもなく、いさぎよく私はやめることは何とも思つておりません。しかし一旦この職につきましたので、そう無責任な行き方はいけない、かように考えております。  なお、自由労働者の失対事業について、大蔵省と、これの越年資金について特に不退転の決意を持つてやるかというお話でありましたが、年末の手当を出さないのは、失対事業の趣旨等から考えて、むしろ稼働日数を増した方がいいということで、これが実質的には手当にかわるようにという気持で従来やつて来たように承知いたしております。もちろん、かような方がお気の毒であることは、私は十分わかりますけれども、そうした取扱いについては、なお従来の行き方、また他のいろいろな関係の点もありましようから、そういう点をもう少し考究をいたしたいと思う次第であります。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 稼働日数を対象として処理した方がいいというお考えでございますが、この失対土木事業は、何せ屋外の土木事業でございます。従つて形式的にこの稼働日数をふやすといたしましても、十二月は何せ雨も多いし、雪の降る目もございます。従いまして、あなたの方で机上プランでその日にちがかりに相当用意されたといたしましても、彼らが働こうとしても、雨の降る日には働くことができない、そういうこともなお考慮に入れていただかなければ相ならぬのでございます。ただ、私がこの機会に申し述べたいことは、案態に即して日雇いであるからというお話でございますが、しかしながら、これらの諸君は、きのうや、おとつい来たものでは実際はない。これはあなたの方の統計にはつきりわかつておると思いまするが、彼らは引揚者、失業軍人、軍需工場の閉鎖に伴う失業者、こういうものでございます。これらの諸君が、ある一部のものは民間産業に吸収されて行つたのでございますが、日本の経済が全面的にこれを吸収する力がいまだないので、従つて彼らはやむを得ずここにとどまつておるのでございます。そういうような意味合いにおきまして、長期、半長期にわたつておるというこの実情は、あなたの方で十二分に実態に即した一つの御認定をたまわらなければならぬのでございます。そこで彼らはこの賃金以外に何の給与もいただいていないのでございますから、そこで二年、三年、長いのは四年と働いておるこれらの諸君に対して、何とかしてこのお正月を越すことだけのために、この法律の精神に基く給付を行うということは、私は筋の通つたことであり、しかもそのことなくしては、彼らはお正月が越せないのでございますから、これは何とかしてこの措置を御研究の上、すみやかに本年度においてこの懸案の御解決を願いたいと思うのでございます。  そこで、さらに申し上げたいことは、これは当面しております年末給付の問題でございますが、さらに今後の問題でございまして、現在彼らの賃金が八割に拘束されておる。働いても二百三、四十円しか得られない。二十日間働いて五千円、こういうようなことで、本日全官公労あるいは電産、全専売、人事院、すべての機関の決定、裁定、仲裁、そういうようなものが今一万四千円、こういうような線をさしておりますとき、もとよりそのレベルを彼らは指向しないではございましようけれども、五千円で彼らが暮して行けるということはあり得ません。従いまして彼らはどろぼうをするとか、あるいは何か不正の手段によつてその生活を補給して行かなければならない。十数万にわたる多くの大衆に対して、そういうような危険性を包蔵する状態にこれを残して置くということは、労働行政の大きな欠陥といわなければならぬのでございます。従いまして、彼らが完全就労して、なおかつ働きがいのあろ賃金がもらえるという予算措置、これこそあなたの責任であろうと私は考えるのでございます。ぜひとも来年度において、こういう問題の抜本塞源的な解決をはかられんことを特に要望するものでございます。  さらに私は、もう一つ付言して申し述べたいのでございます。これは私どもの考え方の一端でございますけれども、現在失業者がだんだんとふえて参る傾向にあるのでございます。これはただ単に政府内の零細な予算の繰合せぐらいでは、私は根本的な解決はつかないと思う。従いまして、現在政府には財政余裕金もあり、あるいはまた大蔵大臣の昨日の御答弁の中にも、外貨が十億九千万を越えるということを言つておられますが、こういうような外一貨の一部を換金するとか、あるいは財政余裕金の中から相当額のものを醵出して国土開発事業を興して、かつてルーズベルトがアメリカでやつたニユー・デイールにひとしいような大政策が、この失対土木事業と相関連して行われますならば、全国の失業者というものは完全に経済化でき、生産化でき、しかしてかれらの生活安定がはかられ、さらに経済の復興に寄与できる、一石二鳥といいましようか、こういう成果があがり得ると考えますので、もつと何とか閣議等におきまして、この財政余裕金と外貨の生産化、しかも指向するところは、かつてルーズベルトがやつたようなああいう大政策をこの際行つて行く。そういうことなくしては、全国にありますこの十数万の失業者の対策というものは立ち得ないということを私はあなたに申し述べまして今後の閣内におけるところの御奮闘の資料に供したいと思うのでございます。  なお、本日越年資金の問題につきましては、ただいまなお研究をして善処したいというような御答弁でございましたけれども、この年末にかけまして、北海道から九州まで、府県単位の自由労働者の団体が結束をいたしまして、他の団体がもらつておる越年給付が、おれたちだけもらえないはずはないし、なおこれなくしてはお正月が越せないのだからという大きな運動が展開されようといたしておるのであります。しかして彼らは本委員会にも陳情しておりますし、各地方庁にも陳情しておりますが、この府でこの問題を解決しなければ、彼らはどこへも頼む先がないのであります。ここでもしこの問題の解決ができなければ、彼らは絶望者となつて、彼らみずからが破壊活動の中に飛び込んで行つたとしましても、この責任は、あるいは彼らにあるのではないとすら、人道的に考えれば私は考え得るのでございます。責任は非常に重いのでありますから、すみやかにこの越年給付が現実的に給付できるように積極的な精力的な御努力をたまわらんごとを重ねてお願い申し上げておきます。     〔「大臣の答弁はどうした」と呼ぶ者あり〕

戸塚九一郎自由党労働大臣

○戸塚国務大臣 私は要望なさつたことだと思いまして、あらためてお答えを申し上げないつもりでおつたのであります。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 そういたしますと、今の要望は、次の常任委員会が二日と四日に開かれるように理事から伺いましたが、そのときまでに成案を得られまして、その日に御回答をいただきたいと思うのでございます。

石田一松改進党

○石田(一)委員 今の問題に関連して、ただいまの自由労働者の問題ですが、実は最近新聞紙上をたいへんにぎわしておる問題で、来年度大学を卒業する卒業生が、経団連あたりの申合せというか、思想が赤い者とか過激な者は採用せぬとかいうようなことであるのか、それとも日本の経済機構ができていないのかどうか。その問題についても、十二万六千、約十三万の大学卒業生のほんの一部のみしか就職はできないで、おそらく五万、六万、七万というような、いわゆる大学出のインテリ失業者がちまたにあふれるだろうというような見通しが立てられておる。こういうことなどについても、労働当局としてはどういうお考えを持つていらつしやるのか。これなんかも将来の大きな問題になつて来ると思うのですが、この点について、ちようどいい機会ですから、ついでにあわせて答弁願います。

齋藤邦吉労働事務官(職業安定局長)

○齋藤説明員 失業対策事業に従事いたします日雇い労働者に対する年末給付の問題でございますが、先ほど大臣のお答えにもありましたように、失業対策事業の趣旨から申しまして、手当を支給するよりも、就労日数を増加しまして、それによつて実質的な収入の増加をはかるということが適当である、かように私どもは存じておる次第でございます。現在のところ、最近の日雇い労働者の全国的な平均就労日数は、十月を申し上げますと、大体二十日から二十一日ということになつております。それを十二月におきましては二十五日ぐらいまで持つて行く。すなわち四、五日就労日数を延長いたしまして、それによつて実質的な収入の増加をはかる、これが適当でないだろうか、かように考えておる次第でございます。  次に明年度の大学卒業者の就職のお尋ねでございますが、明年は御承知のように十二万四千人程度が卒業することに相なつております。最近までの状況を見ますと、まだ十分就職を見ていないのでありまして、私どもといたしましても、何とか解決をはかりたいということで苦慮いたしている問題でございまして、目下文部省とも打合せながら、各方面にわたりまして、求人開拓と申しますか、事業主の方々のできるだけの御協力をお願いして、できるだけ就職ができますように努力をいたして参りたい、かように考えておるような次第でございます。

前田種男日本社会党(右)

○前田(種)委員 今の齋藤局長の答弁を聞いておりますと、言い訳だけしているように聞えるのです。来月は就労日数二十日を二十五日にしてやるとか言つておりますが、基本的には一体二百四十円の日給をどうするかという点が問題だと思います。給料ばかりでなくしてその他の待遇に対する財源をどうして求めるかという点が問題になつて来て、そうした基本的な問題を、年末の差迫つたときに何とかせよということは無理だが、いろいろな方面では賃金ベースその他の点がどんどん上つておる、物価はどんどんつり上げられておる。しかるに日雇い労務者の日給は依然として二百四十円以下にすえ置きされるのかどうかというような問題、あるいはそれ以外の待遇上の予算をどういうふうにして獲得するという自信があるかどうかというような点等もあわせて考えて、少くとも来年度はこういうふうにやりますから、この年末はこの程度でしんぼうしてもらいたいということでありますならば、それを聞いた自由労働者の諸君もがまんしてもらえる余地はありますが、そうした言い訳だけやつて、依然としてこの物価高、賃金は上る、その中にあつて自由労務者だけはすえ置きされた給料で、しかも二十日と言われますが、他の府県等をいろいろ考えてみると、十六、七日じやないかというような地区もあるわけで、二十日以上になつているという地区は少いのじやないかというように考えられます。そういう点等をあわせて、もつと根本的にこの問題に対して労働省は予算をとつてがんばつてもらいたい。もし予算をとる上において、どうしても閣内でいかぬというならば、それこそ本委員会の援助も受けて、そういう問題には善処するというくらいな意気をもつて臨んでもらいたいというふうに私は思いますので、そういう意気込みで新しい労働大臣はがんばつてもらいのであります。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 齋藤さんは、今これは稼働日数をふやした方がいいというお話だけれども、そういうものじやない。たとえば生活保護法というのは、働かないでも五千円、六千円という金を政府は今給付している。すなわちこれは社会保障制度、こういうものについてどういう考えを持つかということについては、頃日来政府は大きな抱負を述べている。そういうような意味において、これらの諸君は、生活保護を受けない、働かないで金をもらうことを潔しとしないで、自分の労働力を正当に提供して賃金を得ている。しかも緊急失業対策法には、外給付を行つてはいけないという何の規定もないのです。大工さんも十日働いてくれれば、年末になればつけ届けとかお礼のようなものが社会慣例でやられておる。二年、三年、四年と長期勤めておるところの自由労働者に対して賃金外の給付をこの年末、年始にかけて払うということが、なぜはばまれるのでございましよう。彼らは働かないでいれば、生活保護法の適用が受けられないことはないのです。社会保障制度の政策の観点からいたしますれば、こういう五千円以下で働いておる諸君にこそ、そういう賃金外給付が必要である。法律はこの給付をとめてはいない。しかも実質は長期、半長期にわたつて勤務しておる。こういう専従労働者に対して賃金外給付を行うことが、どこがいけないのか、彼らの要求は当然であり、社会的にもこれは是認されておる問題であると思うのであります。にもかかわらず、地方庁がこの問題で毎年困つておる。そういうふうだから、これはどうしてもやつてもらわらわなければいけないし、やつてもらうような措置をしていただきたいと思います。

齋藤邦吉労働事務官(職業安定局長)

○齋藤説明員 私からお答え申し上げます。言い訳を申すわけでもなんでもないのでありまして、日雇い労働者の賃金をすえ置くかという前田委員からのお尋ねでございましたが、御承知のように民間の賃金が上昇いたしますれば、失対事業の賃金も上げるということにいたしておりますので、今回の補正予算におきまして、従来全国二百二十五円五十銭でありましたが、今度これこれを約一割上げまして、全国平均二百五十円ということに、現案にすでに改訂をいたしております。御承知のように、一般職種別賃金の値上りが大体一割程度でありますので、それに準じまして、失対事業賃金も上げるということにいたしておるのであります。従いまして、この上つた二百五十円の単価におきまして、四日ないし五日、六日のところもありますが、そういうふうなところで大体千円から千円以上のものをやつて実質収入の向上をはかる、これが私は適当じやないだろうか、かように考えております。この年末の就労対策並びに賃金の値上げということのために、今回補正予算におきまして、失業対策事業で四億増の補正をいたしております。

松山義雄自由党

○松山委員 ただいまの年末手当のことですが、齋藤局長の話によりますと、稼働日数を増しておる。確かに地方におきましても稼働日数を増しておられることは、よく承知いたしております。しかし稼働日数を増されましても、実際におきまして正月二日、三日というものは働かないのでありまして、正月二日、三日は実際において食えないというような事実でございます。その日暮しでございますので、どうしても正月二日、三日は自由労働者としては私は気の毒だと思うのであります。ほかの公務員の人たちのベース・アツプから考えまずと、この自由労働者の正月二日、三日というような賃金は、私はわずかなものであろうと思うのでありまして、これはやはり社会不安を助長するものでございますので、何とかこれは考えてもらわなければならぬ、こう考えるのであります。稼働日数を増しましても、あるいは暮れ一ぱい働かせましても、その日に使つてしまう。従つて正月二日、三日というものは、全然金なしでやつて行かなければいかぬというふうな実情でございます。二箇月あるいは三箇月というふうにまじめに続いて働いた自由労働者には、何とかそこを考えていただくということをやつてもらわなければ、ほんとうにこれは社会不安を増すもとじやないかというつうに考える次第でございます。  なおまたこの自由労働者につきましては、技術者あるいはその他で、工場その他に隷属していて、そこに就職する機会があるのであるのでございますが、何せその日暮しでございますので、工場等に勤めるにいたしましても、家族をかかえまして月末に給料をもらつたのではその間のつなぎ資金がないというために、せつかくの就職口を失つてしまうというような実情でございますので、こういうふうな日雇い労働者の更生資金のつうなものを労働省で貸していただくというようなことも、考えていただいた方がいいのじやないかというふうに考える次第でありますが、そういう方面の対策はいかがでございましようか、ひとつ齋藤局長からお答え願いたい。

齋藤邦吉労働事務官(職業安定局長)

○齋藤説明員 日雇い労働者の年末年始にかけましての生活実態、まことにお気の毒なことであるということにつきましては、先ほど来申し上げておる通りでございます。但し、その場合に、働かない日雇い労働者に手当を出すことが適当であるかどうか、これは相当考慮すべき問題じやないだろうか。御意見はあおりになると思いますが、御承知のように失業対策事業につきましては、地方々々によつて私は差があると思います。こげついた失対労務者もあれば、やはり民間事業にきようは行く、あすはまた失対事業に行くという人もあるのでありまして、一概に申すことはできないのではないか。そういうふうな点をいろいろ考えてみまするならば、やはり働かないで手当を出すということつりも、就労日数を延ばして、実質収入の向上をはかる、それによつて年末に対処して行く、これが適当じやないだろうか、かように存じておる次第であります。

山村新治郎自由党

○山村委員長代理 大臣の時間の関係もありますから、青野君に発言を許します。

青野武一日本社会党(左)

○青野委員 先ほど大臣の労働行政についての所信の御発表を聞きましたが、私はこの前十四日の労働委員会で、委員長まで、特に労働委員二十五名には、労働大臣の御発表になる内容は参考になるから、文書によつて御配付を願いたいということを希望しておきました。本日御配付がないようでございますので、この次の委員会に御配付を願いたいということを希望しておきます。  先ほどの理事会では、来月の三日に労働委員会を開いて、四日に国鉄裁定を中心にして関係各大臣及び労組、仲裁委員会の関係者等をお呼びすることに大体内定をしておるのでございますが、労働大臣が用事でよそに行かれるそうでございますので、二点だけ特にお伺いしておきたいことがございます。  第一点は、炭労の争議についてでございます。本会議におきまして御答弁になりました労働大臣の御意量を、速記録等によつて承知しておりますが、私の緊急質問に対しての御答弁、続いて本会議の御答弁を聞いておりますと、大体了解のできる点は、労使双方の自主的解決にまつ、なるべく政体として介入をしない方針、しかし妥結のためには努力をするが、というお話をたびたびなされました。しかし、私は地方の炭連で長い間関係を持ち、また私自身も経験を持つておりますが、九月末現在で七百二十万トンの貯炭は、もう今三百万トンを割つております。炭労の争議はきよう解決いたしましても、常磐や日鉱の掘る石炭では、日本の産業をまかなつて行くことはできません。あともう十四、五日分しか炭鉱以外の石炭は、工場にも山元にも港湾にも石炭置場にもございません。切羽の争議がきようでちつうど四十三日間と私は計算しておりますが、この長期の争議のために、ひどいところは四十日、普通のところで二十日間は切羽の修理、坑木のとりかえ、坑道その他作業場の修理をいたしますと、その間日本には石炭は一切れも出ない。常磐は一日五千九百トンの出炭でありまして、最近はどういう調子か三千トンほどふえておると新聞は報道しておりますが、日鉱と常磐だけではおそらく日本の産業をまかなうことはできません。せつぱ詰まつておるところに炭労の争議は追い込まれておる。これが十日ないし十四、五日先に解決をいたしましても、ちよつと手遅れではないか。自主的解決にゆだねておるうちに、そこまで参りましたときの責任は一体どこにあるのか。労働省は、労働者、労働組合のサービス省と私は考えておりますが、今は傍観をしておるときではない。今、申し上げましたような情勢の上に立つて、常磐が一日に八千九百トンばかりの出炭量を示しておりますが、これが全国の石炭の必要な需要者に、あるいは会社、工場に顧客をとられてはというので、石炭鉱業連盟の早川専務理事を中心にして非常にあわて出した。あわて出したが、争議の見通しはつかぬ。二、三日前の団交は決裂した。賀來労政局長の話を聞いておりますと、双方から四名ずつの幹事が出て、いろいろな打合せをしておるということでございますが、これは正式な団体交渉ではございません。鉱業連盟は頑強に日本の独占金融資本の背景と外国の勢力の援助を受けて、今日まで冷酷無情な無理解な立場に立つて、争議をいたずらに四十三日間引延ばして来ましたが、もうどうすることもできない段階に追い込まれて来た。そこで私が心配することは、日経連を中心にする大きい力が政府に圧力をかけて—労働大臣は特に本会議、委員会等でおつしやつておりますが、あなたの意思と反する緊急調整権が発動せられるのではないかという疑いを私どもは持つ。鉱業連盟の動きによつてそういう手が近く打たれるのではないかと、私は考えておりますが、そういうことは結局炭労組織の分解であり、金融資本の一つの陰謀に基くものであつて、私どもは絶対に反対の立場をとるものでございます。本会議、委員会等で労働大臣がお述べになりましたような、いわゆるあつせんの労を中労委はとつておりますけれども、これも法的に大きな力を持つておるわけではございません。本会議等での質問に対する御答弁では、緊急調整などは私はしようとは思いません—賀來労政局長は幾らか含みのある言葉で先ほどお話があつたようでございますが、そういうことになれば、それは結局政府の大きな責任になると私は考えます。そういうことでは労働意欲を高揚して、地下資源の開発をはかることは期待できないと思います。この点をせつぱ詰まつて来た今の状態の上に立つて、重ねて労働大臣の御意見を承つておきたいと思います。

戸塚九一郎自由党労働大臣

○戸塚国務大臣 炭労の争議の状態が非常に切迫した状態にありますことは、私も先ほどから申しますように十分承知をいたしておるのであります。ただ、繰返すようでありますけれども、自主的に解決せられることを望んでおつた、また現在さような気持でおることは、たびたび申し上げておるところであります。なお貯炭の状況等につきましては、常に通産省等とも十分連絡をとつて—もちろん、だんだん各地に迷惑をかけておる点もわかりますけれども、その点については十分の注意をいたしておるのであります。  なお緊急調整について、あるいは経営者側から私が圧迫を受けるのではないかというようなお説でありましたが、私には決してさような気持はありません。先般来申しますように、緊急調整を振りまわすことが、かえつておかしくなるのではないかという気持を持つております。先ほども申し上げましたように、事態が、条件が、法律で定めたところにかなうような状態にならなければ考えてはいけないものだ、こういうふうに考えておるのでありまして、その時期がいつであるかということについては、これはまた判断はおのずから人によつて違うかもしれません。けれども、私は現在はまだそういうことをしない方がよろしいのではないかと考えておるわけであります。

青野武一日本社会党(左)

○青野委員 お答えをいただきましたので、重ねてもう一点お尋ねしておきたいと思います。それは本会議の御答弁に本会議のゆえであつたか、お立場の関係か、ことでは申し上げることはできませんとおつしやられたことに一関連しまして、今、六つのブロツクにわかれて交渉しておるのでありますが、中央ブロックで要求しておるのは、坑内千六十円、坑外五百六十円—これは八月三日に要求書を提出したのであります。常磐、九州、北海道AB、山口、これらを見まして、重労働の坑内労働者として、あるいは坑外の労働者として、この程度の要求は、私ども決して無理ではないと考える。ところが一方におきまして—これは私が集めた資料でありますから、全部が正確であるかどうかわかりませんが、今、日本の銀行関係者で利益を上げておりますのが、昭和十二年に比べて約二十倍、石炭の大手筋十七社のうちの四社の利益が五倍から十倍、鉄鋼の三社の利益が約十倍、紡績関係でも、全国有数な本社が三倍から七倍、山川良一さんが支配しております三井鉱山は、鉱山始まつて以来のぼろもうけをしておる。これがまた一番頑強に炭労争議の交渉を阻止しておる。賃金交渉を妨害しておる。電気、ガス、石炭、運賃などが明年から上ろうとしているのは、みな炭労の諸君が非常に過大な要求をしているから、そういうものを上げざるを得ないのだという。国鉄の問題にいたしましても、ベース・アツプをすれば、来年から一割の値上げをしなければならないという。給料を幾らか上げれば、必ずそういう調子にいたちごつこをやる。ところが裏面を調べてみると、ただいま申しましたように石炭業者は莫大なる利潤を上げておる。そういう人たちが誠意をもつて労働力を高く評価すれば、当然出さなければならないはずである。また出すべき金はある。それを出さないで、こんなに長くひつぼつて参りまして、最後のどたんばになつて、外国の軍事力を借りてまで政府を押えて緊急調整権を発動するようになれば、日本の労働運動は全部非合法に追い込まれざるを得ない。こういう状態になつております。この内容について、今、要求しておるものが妥当であるかどうか。労働者のサービス省の最高責任者である労働大臣は、その点について、これは正しい要求である、これは過大である、あるいはこれは少し行き過ぎだというくらいな程度の意思表示は、労働委員会においては、あつてさしつかえないじやないかと思います。今常磐炭鉱においては、いろいろ問題が起つておりますが、御承知の通り十月の十七日にストが始まりまして、今日では四十何日間というもの、炭鉱の奥さん方、家族はほんとうに食うものがない争議が解決しても一銭の給料ももらえないところに追い込められて、働く労働者諸君より奥さん方、子供さん方、年寄が奥歯をかんで血みどろになつてこの闘争を継続しておる。そういう状態のときに、金力や権力を背景にして、頭ごなしにこの前の十三通常国会できまりました緊急調整権を持ち、総理の名で発動するようなことになれば、それは、私どもはここで申し上げられませんが、非常に大きい問題が引起されて来る。そういう点について、もう少し労働大臣として労働者の生活のことをお考えくださいますならば、この炭労が要求しております六種類、六つのブロツ別による要求額に対して、これは正しい、あるいは正しくない、高いか安いか、この程度の労働大臣としてお答えがあつてしかるべきではないか、かように考えておりますので、お答えをお願いしたいと思います。

戸塚九一郎自由党労働大臣

○戸塚国務大臣 炭鉱の非常に利益があるとかどうとかいうようなお話は、これは承つておきますが、また関係方面でよく調べを聞いてみたいと思います。  それから賃金の点は、いつも同じように申し上げては済まないわけですけれども、ことに今争議の交渉中であります。当然これは自主的に決定をせられなければならぬものであつて、その間に政府が、この程度がよかろうとか言うことは、まつたく介入することになりますので、たとい委員会でありましても、私に言わせようというのは少し御無理ではないかと思います。

青野武一日本社会党(左)

○青野委員 来月の二日に労働委員会がございますので、あらためて逐條的に御質問いたしたいと思いますが、今重大な段階にありますので、もう一つお尋ねしておきます。

山村新治郎自由党

○山村委員長代理 一点だけ。

青野武一日本社会党(左)

○青野委員 本会議で御答弁がございませんでしたので、もう一つお尋ねしたいことは、国鉄の仲裁裁定、きのうの晩出ました全専売の裁定は、御報告のように一万三千百円、国鉄は一万三千四百円を八月一日から実施せよ。労働大臣は本会議でも、政府は公労法の精神を尊重しておりますとおつしやられておりましたが、しかし尊重しておれば、仲裁裁定のように八月一日から案施するのが、公労法の精神を尊重し、仲裁制度をやはり尊重されていることだ、こう考える。     〔発言する者あり〕

山村新治郎自由党

○山村委員長代理 静粛に願います。

青野武一日本社会党(左)

○青野委員 ところが補正予算を見ると、十一月一日から一万三千四百円の実施をいたします。しかし八月、九月、十月の三箇月は、それは既定予算がございません。予算総則の点から言つてみても困難です。そう言えば、仲裁裁定の効力もなし、仲裁制度というものは必要がなくなる。特にほかの産業と違いまして、国鉄の諸君は、もうのつぴきならぬところに追い込まれている。こういうことでは不満だけれども、仲裁制度を尊重し、公労法を尊重するために一万三千四百円でしんぼうしている。民間産業に比べましても、あるいはほかの方に比べましても、国鉄は非常に低率なんです。低いのです。しかも一万三千四百円の仲裁裁定を涙をのんで認めて、そのかわり八月一日から完全に実施してもらいたい。その予算措置は労働大臣や運輸大臣が大蔵省と誠意をもつて努力して折衝してくれれば、私はできないことはないと思う。四十四万人といたしまして、三箇月大体七千円平均といたしましても三十億あれば八月一日から完全実施ができろのではないかと私は考える。この前本会議でも申しましたように、ほかの公務員の方と違いまして、自分たちが汗血みどろになつて働いてあげて来た利潤の中から給料をもらつている。これは公務員とちよつと違う。しかも旅客運賃において三四二%、貨物運賃において一九二%の業務実績をあげている。そうして出せば出せないこともないものを、公労法は尊重します、仲裁裁定は尊重いたしますと言いながら、八月から実施しないことは、これは尊重していないことと考える。どういうわけで八月、九月、十月を完全実施の中に入れていただけなかつたか、十一月からでないと補正予算が組めなかつたというその内容、大蔵大臣その他と折衝いたしました内容、ここ一点だけをお尋ねいたしまして、私は二日の労働委員会でもう少しこまかい点をお尋ねいたしたいと思います。

戸塚九一郎自由党労働大臣

○戸塚国務大臣 これも、いつも同じことを繰返すようでありますけれども、裁定そのものを尊重するという面と、予算上支出不可能の場合における十六條の規定とをあわせ考えまして、たびたび申し上げるようでありますが、やむを得ないと御承知いただきたいと思います。

山村新治郎自由党

○山村委員長代理 石野君、五分間発言を許しますからどうぞ。

石野久男労働者農民党

○石野委員 時間が限られておりますので、大臣が労働行政に対する一般の方針を一応、漏らしになつた、それに関する二、三の質問をいたしたいと思います。  まず一番最初に、労働行政の最も大きな問題である雇用量の問題に対してであります。この問題については、すでに失業が増大して来ておつて、各所にその問題が大きく展開されております。そこで労働大臣としての、今日の日本の雇用量の問題に対する労働行政からする貝解、それと同時に、失業者をどのようにして救済して行くかという、この大きな方針を二つ承つておきたい、これが第一点。  それから第二番としましては、労働大臣は、先ほど労働委員会の運用によつて、合理的かつ早期解決が今日行われている、いろいろな労働争議において期待する、こういうふうに言つておりました。この問題に関連いたしまて、国鉄の裁定の問題がある。国鉄の裁定の問題については、過去二回にわたる裁定は、その裁定をいろいろな理由によつて、公労法第十六條の一項の規定、それによつていつでも踏みにじられて来たということになつておるのであります。今回の裁定につきましても、この問題については、一応国会に対し公労法第十六條に暴く提案がされておるのであります。私どもはこういうような取扱い方そのことが、労働大臣のいう合理的早期解決という、この合理的という意味、特に公労法第十六條の趣旨、あそこに盛られておるところの国鉄あるいは公労法関係の諸君が争議権を奪われていることに対する見解、こういう問題をひとつはつきり—これではいけないとわれわれは思うので、所信を聞かしていただきたい。  それから第三点でありますが、電産が今闘つております問題の重点は、統一賃金の問題であります。これに関して労働者側は強い要望を持つて来ました。政府がこの問題に関連して、いろいろと勧告等をしようとするにあたつて、労働者側の持つている見解をどういうふうに見ておられるかということ。統一賃金をどのように考えているか。妥当であるというように考えているかどうかということについて、はつきり伺いたい。  それから第四点としては、今日行われておりますいろいろな争議は、ほとんどが賃金値上げの問題に関連しているところであります。従つて、今日このような労働者の行つている賃上げ闘争というものは、どういう事情から来ておるかということを、労働大臣はいかに把握しているか、これをはつきりしていただきたい。それなくして、いろいろな争議に対するあつせんとかあるいは勧告などは、なかなか出て来ないので、これははつきりしていただきたい。  それから第五点としては、先ほど問題になりました自由労務者に対する年末手当の問題であります。これは、先ほどの見解では、とにかく働かない者に年末手当をやるのはどうかと思う、そういう労働大臣の話もあり、また齋藤局長からもそういう話があつたわけでありますけれども、われわれからしますると、今日の失業者は決して自分から好んで失業者になつたのではない。これはすべて吉田内閣の政治の結果として、働きたいけれども働くことのできない立場に追い込まれておるのだと思います。昨日の本会議で池田大蔵大臣が、中小企業者の二人や三人は死んでもかまわないのだというような見解をいろいろと理由をつけて述べられたけれども、おそらく労働大臣はああいう残酷な考え方は持つていないだろうと思うのであります。夫業対策については、もつと親切で、しかもいかなる理由がありましようとも、それを救つてやらなければいけないし、最低の生活を与えてやるようにしでやらなければいけないんじやないかというふうに考えておられるだろうと思うのであります。そういう考え方から言いますると、先ほどの齋藤局長あるいは労働大臣のお話に対して、われわれは納得の行かないものがある。そこで、私はこの機会にはつきりお尋ねしておきたい。いわゆる自由労働者の諸君は、すでに二年なり三年なりの長い年限にわたつて職安で働いておるわけでありまして、これらの人々は、日常働いただけの給与では、とても食つて行けないのである。ところが、日本の慣習から言いますと、お盆と正月に出る年末手当とかあるいはお盆手当というものは、一つの給与体系の一環をなしているのである。いわゆる就労している諸君は、それを一つの給与としてもらつておるのに、自由労働者諸君になぜ年末手当を出すことがいけないのか。この問題については、先ほど春日君からも意見がありましたけれども、私はその意見に対して、齋藤局長あるいは労働大臣の見解が、どうも不親切であり、誤つておるというように考えるので、この問題についてひとつはつきりお答えを願いたい。  以上五点をお尋ねいたします。

戸塚九一郎自由党労働大臣

○戸塚国務大臣 雇用量の増大は、結局生産力の増強ということが根本にならなければ、解決はされないと思うのであります。(「見通し」と呼ぶ者あり)その見通しと申しますと、私があまり権威を持つて申し上げるわけにも行かないのであります。労働省としては、やはり失業対策事業なり、あるいは失業保険なり、そういう面で考えて参るよりほかしようがないと思います。  それから裁定と公労法の話、またただいまの自由労務者のお話は、私がもし皆さんの立場であつたら、やはりさように申すかもしれないというくらいの、私の気持はあるのでございます。しかし、私の現在の立場では、さようでございますと申し上げるわけに参らない。これは正直に申し上げます。(「二重人格者だ」「池田さんと同じだ」呼ぶ者あり)池田さんがどうおつしやつたか知らぬけれども……。

山村新治郎自由党

○山村委員長代理 かつてな発言は許しません。発言を求めて発言してください—大臣、続けてください。

戸塚九一郎自由党労働大臣

○戸塚国務大臣 それから統一賃金のことで、今日勧勧告をするのに、どういうことを考えているかというふうな意味に承りましたが、これは内容に入りますから、私の考えとして統一賃金はどうこうということはありましても、経営者なり組合の人たちに会つて言う場合に、さようなことに触れるつもりはありません

山村新治郎自由党

○山村委員長代理 この際新政務次官の福田一君を御紹介いたします。

福田一自由党労働政務次官

○福田政府委員 このたび政務次官に任命されまして、本日初めて出て参つた次第でございます。至つて不なれでございますし、またごらんの通りいいかつこうをしておりません。しかしながら私は国を愛し、国民を愛して行くという熱情においては、野党の皆さんも与党の皆さんもみんな一緒だと思います。ほんとうにまじめに取組んでこの問題を解決しようと考えておられると思うのでありまして、この意味合いにおいて皆さん方がきようのように実にまじめに労働者のことを考えて御発言になつているのを聞いていると、いろいろこれはお教えを願つて、この委員会の御協力を得て労働省からうまくやつて行くように、私たちも大臣を中心にいたしまして、何とかして皆様方の御意思が通るように、ひとつ御鞭撻を願つてやつて行けるようにしたい、かように考えておるのであります。私も人間でございますから、今やじがありましたように顔があまりよくない、一ぺんも美男子と言われたことはありませんが、しかし顔の問題は別にして、いろいろお話さしていただけば、また血もあり涙も少しあるかと思いますので、どうか今後ともよろしくお願申し上げます。

山村新治郎自由党

○山村委員長代理 本日はこの程度にて散会いたしまして、次会は来る十二月二日午前十時より開会いたします。  なお人事、運輸との連合審査会の日取りは、大体四日といたしまして、両委員長との打合せ決定の上、追つて公報をもつてお知らせいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時三十六分散会

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