予算委員会 第30号
- 発言数
- 332 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/02/27
会議録
○太田委員長 これより会議を開きます。 昭和二十八年度一般会計予算外二案を一括議題といたします。 この際各分科会の主査より、それぞれその審査の結果について、委員長まで御報告がありましたから、これより順次各主査の報告を求めることにいたします。第一分科会主査塚田十一郎君。
○塚田委員 第一分科会の審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。 本分科会に付託されました議案は、大蔵省所管及び他の分科会の所管以外の予算でありまして、二十五、二十六の両日にわたり審査いたしました。 まず政府側より説明があり、続いて質疑を行いましたが、質疑通告者は十二名に上り、他の分科会に兼務の都合上発言せられなかつた者三名、結局九名からきわめて熱心に御質疑をいただいたわけであります。時間の都合上これらの詳細は会議録に譲ることといたし、ここでは二、三の質疑の要点だけをとりまとめて御報告申し上げることにいたします。 ただ最初に総括的な第一分科会の感じとして申し上げたいのは、一般質疑の打切りが少し無理な点がありました関係上、第一分科会の質疑は一般質疑の継続のような感じがありまして、割に大きな問題がたくさん分科会において質疑を行われたということであります。たとえば社会党の西村委員の中途で打切りになつておりました、対日援助債務が国の債務であるかどうかというような問題に関する質疑などは、これはきわめて重大な問題点であつたと私も思つておるのであります。 その他の点について二、三申し上げますならば、たとえば河野委員から、財政規模とインフレの問題についての御質疑があつたのでありますが、その要旨は、明二十八年度においては、中央地方を通ずる財政の総わくは二兆八千億円程度になつておるが、これは本年度より約二千億円の増加であり、また国民所得総額の約半分に当る。このような財政の膨脹自体がすでにインフレの誘因となりやすいが、さらに問題なのは、経費の配分が消費部面に傾いていることと、全体として千三、四百億円の財政資金の散布超過が見込まれていることである。このような事態に直面して、なお政府はインフレにはならないという確信があるかどうかというのでありました。これに対する政府の答弁は、明年度における財政規模のある程度の膨脹は事実であるが、わが国の経済力から見て、この程度でただちにインフレを誘発するとは思われない。下半期における資金の散布超過は、確かに警戒すべき要素であるが、民間からの資金の還流を指導するよう努力する。またこの際、財政といわず、一般金融といわず、むだな方面に資金が流れるのは極力阻止するというような御答弁がありました。 第二に減税の問題であります。この点につきましては、明年度においては、中央地方を合せると三百億円以上の租税収入の増加が見積られている。しかも地方税における徴収方法の改善等を考慮に入れると、これは内輪の数字でさえある。このように一方においては、計画的な増収をはかりながら、他方において減税を云々することは、大きな欺瞞ではないかというのでありました。これに対する答弁は、租税の増収は、給与その他の所得の上昇等に基くものであり、これは他方における減税の事実を消すものではないとのことでありました。 第三に問題となりましたのは、次のような問題であります。すなわちたとえば道路事業費について見ますと、安全保障諸費の中から百四十億円程度の支出が予定され、さらに平和回復善後処理費などからも若干の支出を見ている反面、他方において一般の公共事業費中にも多額の道路費が計上されている。これは港湾その他についても同様であるが、このように同一の支出を内容とするものが防衛費にも一般経費にも組まれていることは、予算の使途を混乱せしめ、事業計画に齟齬を来さしめるゆえんではないか、このような質疑がありました。これに対する答弁は、安全保障諸費からの道路費支出は、飛行場、キヤンプヘの道路とか、米軍駐留のため荒廃した道路の改修あるいはつけかえ等の特殊なものであり、一般の公共事業費の道路費とはその性質を異にしている。これは港湾等についても同様である。実際の事業計画等については、重複が全然ないとはいえないが、経費の効率的な使用に努めている、こういうように答弁されたのであります。 次に問題となりましたのは、大蔵省所管として計上されている災害対策予備費の性格いかんという問題であります。これは本年度においては昭和二十七年発生災害復旧事業費という項目で組まれていたものを、明年度予算において予備費に切りかえたものでありますが、その切りかえた理由がどうなのか、並びにこれが一般の予備費、あるいは国会、裁判所等の予備経費との性格上の相違はどうなのかという問題であります。これに対して政府は、この災害対策予備費は純然たる憲法上の予備費であつて、不測の災害に応ずるという特殊な目的を持つているほかは、性格並びにその取扱い方等は一般の予備費とまつたく同様である。従つてこれは国会や裁判所における予備経費とは異なつており、このような予備費を設けることは財政法上禁止されておらない。また予備費に切りかえた理由は、その支出に関して、一々国会の事後承認を求める方が妥当と考えられるからであるという答弁でありました。 次に問題となりましたのは、南満州鉄道株式会社に対する国庫債務負担行為についてであります。すなわち、財政法第二十八条による予算添付書類の中に、国庫債務負担行為で二十八年度以降に支出を予定されるものとして満鉄への出資三億七千五百万円があげられているが、これははなはだ奇異の感を抱かせるがどうかとの質疑がありました。これに対する政府の答弁は、満鉄は現在清算中であるが、過去における予算外契約に基き、満鉄への出資未払込額三億七千五百万円は法律上なお有効な国の債務である。但し現実にこれを支出するかどうかはもちろん確定しているわけではないとのことでありました。 以上が質疑のおもなるものの概要であります。 最後に、分科会の討論採決は総会に譲ることと決定いたしました。 以上報告いたします。
○太田委員長 次に第二分科会主査橋本龍伍君。
○橋本(龍)委員 第二分科会において審議いたしました予算案につまして、その審議の経過並びに結果について御報告いたします。 本分科会は皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣及び経済審議庁を除く総理府並びに法務省所管の各予算に関するものでありまして、去る二十五日と二十六日の二日間にわたつて審議いたしました。 審議に先だちまして、各所管の予算案について所管担当者側より説明を聴取いたし、ただちに質疑に入りました。その詳細は会議録に譲ることといたしまして、ここでは簡単にそのおもなる点について述べることといたします。 まず第一に総理府所管の警察制度改正の問題について、相当広範囲にわたつて論議がかわされたのでありますが、これらを要約いたしますと、第一には改正される警察の性格、第二には給与差是正の基本方針、第三には責任の所在等の問題についてのものでありまして、これらに対し政府側から、従来とかく自治警と国警との間に統一ある緊密性を欠くうらみがあつたと認められるので、今回の改正によつてその欠陥を是正し、能率的活動を進め、有機的関係を持たせることとしたのであつて、従つてその警察の性格は、地方自治体警察的性格を多分に持つと同時に、国家警察的性格も備えたものであるとの答弁がありました。第二の給与差是正の問題につきましては、給与差是正の問題はなかなかむずかしい問題であるが、基本方針としては、現在の俸給をもらつている者が不利益を来さぬよう留意しつつ調整して参りたい。昭和二十九年度以降において一時金支給等の措置によつて是正することも考慮しており、その後において新しい給与体系を確立いたしたいと考えているとの答弁でありました。第三の警察の責任の所在については、特に活発な質疑がかわされたのでありますが、政府側の答弁を要約いたしますと、都道府県警察の責任は当然都道府県にあるわけであるが、国が警察行政をつかさどる関係上、法律の定める指揮監督の限度においてその責任は国にもあることとなる。すなわち立法の趣旨としては、国の治安確保の面においては国が責任を負うことになりますが、しかしながら警察全般には治安確保以外の職務の面もあるので、これらの面においては地方が責任を負うことになるとのことでありました。 次に旧軍人等恩給の問題についても、政府側との間に活発な質疑応答がかわされました。その中でおもな点を要約いたしますと、この旧軍人等恩給と関連してその他の戦争犠牲者に関する措置が問題になるが、第一に在外資産の補償及び戦争債務の処理等について政府の所見いかん、第二にこの恩給復活制度は社会保障的感覚が薄いように思うが、所見いかん。第三に戦犯旧軍人及び戦傷病者の国正病院入院患者等に対する処遇いかんというような問題が論議されました。 第一の問題につきましては、独立後間もない今日、戦争犠牲者に関する懸案の問題はたくさんあるが、とりあえずこの旧軍人等恩給の復活を措置したのでありまして、今後さらに公平なる処理を検討いたして参りたいと考えておるとのことでありました。第二の社会保障的感覚が稀薄ではないかとの質疑に対しては、政府としても当初三、四階級程度に圧縮いたして措置いたしたいと考え、恩給法特例審議会におきましても、それぞれ専門家の間に熟慮研究がなされたのであるが、諸般の事情を考慮して文官恩給に準ずるとの答申がありましたので、これに基いて決定いたしたものであるとのことでありました。第三の戦犯旧軍人等に対する処置につきましては、厚生省において遺家族援護、あるいは未帰還留守家族等の援護、あるよは生活保護等の諸般の措置の活用によつて、救済の措置がとられることになつているのであるが、戦犯者の無罪判決によつて、当然恩給の適用を受ける等恩給法関係の起るものもあるという答弁がありました。 また裁判所所管の予算につきましては、委員より裁判所庁舎の建築は、他の官庁のものに比較してあまりにも大きく、りつぱなものが多い。たとえば宮崎地方裁判所庁舎のごとき、わずか三十人の定員しかないというのに、約一億円の建築費を要するがごときは、現在の日本の状態から見てぜいたくであり、これらについてはもつと考え直す必要があるのではないかとの質疑がありましたが、これに対して裁判所側より、従来、言われるごとき批判を受けたものもあるが、これは全部がそのようなものばかりではない。しかしながら批判を受けるようなこともありますので、これらについては庁舎の規模、構造等十分に研究、考慮いたしますとの答弁でありました。 その他保安庁、地方財政平衡交付金、国会、裁判所、会計検査院等、各所管の予算について熱心なる質疑応答がかわされたのでありますが、これらの詳細は会議録をごらん願うことといたします。 二日間にわたる第二分科会の審議を、これで全部終了いたしたのであります。討論は本委員会に譲ることといたしまして散会いたしました。 簡単でありますが、以上をもちまして第二分科会における予算審議の経過と結果に関する報告といたします。
○太田委員長 第三分科会主査西川貞一君。
○西川委員 第三分科会における審議の経過並びにその結果について御報告申し上げます。 本分科会に付託されました議案は、昭和二十八年度一般会計、特別会計予算中、文部省、外務省、厚生省及び労働省所管に関するものでありまして、一昨二月二十五日及び昨二十六日の両日にわたり、深夜に至るまで各委員の御精励によりまして、慎重に審議をいたしました。質疑に入るに先だちまして、各関係当局よりそれぞれ所管別に予算の説明を聴取いたし、それより各般の問題に関し、熱心かつ活発な質疑応答がかわされたのであります。その詳細につきましては、会議録によつてごらんを願うことといたしまして、ここにはその取上げられました項目を中心に御報告をしておきたいと思います。 第一に文部省所管の事項につきましては、義務教育学校職員法案をめぐるものに質疑の中心が置かれまして、委員より政府に対しまして、さらに新たなる資料の御要求がございまして、これに対しまして政府より、詳細な数字的な資料の提出がありまして、この資料を中心に非常に掘り下げた検討が行われまして、教育費負担関係の詳細が明らかにされたのでございます。また教育費全体に関しまして、従来国と地方との負担関係がどういうふうになつておつたか、平衡交付金の中でどれだけが教育費に使われて来たか等の質問もあり、さらに教員の政治活動、府県教育委員会と市町村教育委員会との関係、高等学校教員を公務員とすることについての問題、あるいは学校給食、青年学校等に関しまして論議が尽されました。 第二に、厚生省所管事項につきましては、人口問題、社会保障の問題、無医村の問題あるいは引揚げ援護の問題、特に当面の問題でございます中共地区よりの帰還の問題、これが援護、受入れ態勢等の問題に対しまして、熱心なる論議が行われたのでございます。 第三に、労働省の所管事項に関しまする質疑は、失業問題に非常に熱心なる検討が行われ、さらに賃金制度、労働災害の問題、労働教育の問題、労災保険、失業保険等の問題、公企業体の裁定に対する問題、あるいは駐留軍労務者の問題、自由労務者の就労、非常勤職員増加の傾向等に対しまして質疑応答が行われました。また現在問題になつております電気事業並びに石炭鉱業における争議行為の規制法案に対しましても、熱心な質疑応答が行われたのでございます。 第四に、外務省所管の事項につきましては、当面の主要なる外交問題につきまして質疑応答が行われましたと同時に、外務省所管に関しましても、中共地区よりの帰国問題等が問題となりまして、その他同省の予算の内容に対しまして、詳細な検討が行われました。 かくいたしまして、昨二十六日午後十時に至り質疑は終了いたしましたが、分科会における討論、採決につきましては、これを予算委員会に譲ることといたしたのでございます。 これをもつて私の報告を終ります。
○太田委員長 第四分科会主査尾崎末吉君。
○尾崎(末)委員 第四分科会における経済審議庁、農林省、通商産業省、運輸省、日本国有鉄道、郵政省、日本電信電話公社及び建設省所管の、昭和二十八年度予算の審議の経過及びその結果を御報告いたします。 昭和二十八年度の各省の予算の総額は、経済審議庁が三億五千七百万円、農林省が一千二百二十億円、通産省が五十八億二千万円、運輸省が七億八千七百万円、日本国有鉄道が二千九百八十八億円、郵政省が九百六十億一千万円、日本電信電話公社が一千八百二十四億円、建設省が歳出八百七十一億円でありまして、まず政府当局よりそれぞれ所管の予算の説明を聴取いたしました。その詳細は速記録に譲ることとし省略いたします。 次に質疑のおもなるものを各省別に簡単に御報告申し上げます。 第一が通商産業省関係であります。予算には発明実施化試験補助として一千万円、また発明実施化試験貸付金として二千万円が計上されておるが、大企業に属するものは別として、中小企業に属する発明工業化試験に対し、試験途上において資金不足のため中絶せぬよう、むしろ貸付でなく奨励金または助成金を出してはどうか。それにしても予算額はあまりに少額ではないかとの質問に対し、明年度予算額は十分ではないが、重点を中小企業に置き、財政の許す限り助成、奨励をするとの答弁がありました。 次に中小企業金融機関として国民金融公庫、商工組合中央金庫、新設の中小企業金融公庫の三つがあるが、相互間に有機的に連関させる考えはないかとの質問に対し、政府側から、国民金融公庫は零細な中小企業を対象とし、貸付限度も二百万円どまりである。商工組合中央金庫は、協同組合法による協同組合または準組合員を対象としておる。また新設の中小企業金融公庫は、市中金融機関より融資を受けることが困難な設備資金及び長期運転資金を供給するもので、非組合員でもその対象となることができるようにした、この三つは有機的には何らつながりがないとの答弁がありました。その他貿易振興問題、技術振興対策、農林漁業等に関し、質疑応答がかわされました。 第二は経済審議庁関係について申し上げます。総合開発計画は遅々として進んでおらないが、この際公共事業費からはずして別わくとし、予算を計上して総合的に年次計画を立てる必要がある、また開発に対し国費を増せば増すほど地方の負担も従つて増大する、ところが地方財政はこれを許さぬ場合が生ずる、結局起債のわくがあればともかく、ない場合は地方は困ることになるから、受入れる力のない地方に対しては総合開発に関する限り特例を設け、予算上特別の考慮を払う意思はないかとの質問に対し、政府側より、何らかの方法によつて、地方財政を圧迫せぬよう、特別の措置をとるよう検討中である旨の答弁がありました。 第三は農林省関係であります。畑地灌漑問題でありますが、畑に水が十分あれば、陸稲はもとよりその他野菜等の増産ができると思うがどうかという質問に対しまして、政府側から、畑地灌漑は従来取上げられていなかつたが、目下二十七年度から主として県営でやつているが、その成績もよいので、二十八年度から三箇年間に百八十町歩を取上げ、地下水の調査に乗り出すことになつておるとの答弁がありました。次に酪農はおおむね失敗する場合が多い、その原因は消費が供給とマッチせぬからであるから、市場を開拓せねばうまく行かぬと思うが、その対策はどうかとの質問に対しまして、政府側から、酪農の弱点はコストが高くつくことである、わが国の乳牛は平坦地で飼うため飼料その他が高く、従つて乳価が高くなるので、立地条件等のよいところ、たとえば山形地方のような山麓地帯で酪農をやらせるよう指導しておるとの答弁がありました。また糸価安定法による生糸の価格最高二十三万円となつておるが、最近生糸はどしどし上つて、盛んにやみ取引が行われているが対策はどうかとの質問に対しまして、最高価格より騰貴した場合、政府が手持ちを売り出し、騰貴を食いとめればよいのであるが、政府は現在手持品がないので禁止価格をきめることにいたしておる、禁止価格二十四万円に取扱者の手数料五千五百円を加え、計二十四万五千五百円までは認めることになつておるとの答弁がありました。その他食糧増産問題、食生活改善問題、農地改革と開拓、桑園復旧問題、漁業問題等の質疑応答がかわされました。 第四に、運輸省所管の関係であります。国鉄のローカル線と私鉄との間に相互の乗入れができれば、地方産業の発展に益することと思うがいかんとの質問に対しまして、政府側から趣旨には賛成だが、実際問題としては、相互の線路、あるいは使用車両等具体的に調査し、検討するとの答弁がありました。また国鉄の予算の組み方あるいは財政の取扱い方につき、再検討の要があると思うがどうかとの質問に対しまして、政府側から、公共企業体の独立採算制にかんがみ、現在のやり方を改むべきものと認め、目下改正案立法化中で、近く法案をこの国会に提出する所存であるとの答弁がありました。その他、電化問題、港湾問題、荷役設備、駅構内営業等の質問がありました。 第五には建設省所管関係であります。弾丸道路の内容はどうかとの質問に対し、政府側から、弾丸道路は世間の呼称であつて、ほんとうは高速自動車道路と申しております、これは東海道沿線には全国の人口の四〇%が住んでおります、また東海道道路にはトラックが全国のトラックの五〇%集まつております、産業面におきましても、全国の生産物の半分が動いております、かかる状態でありまして、現在の道路ではとうていこれらを消化できないから、高速自動車道路を立案したものであります、幅は二十二メートル、所要費は千百五十億、五箇年完成ということになるようであります、二十八年度、二十九年度にこれらに関する全部の調査を終りまして、財政とにらみ合せ着工する予定であります、例の安全保障費でつくる御殿場までの防衛道路とは別のものでありますとの答弁がありました。 第六は郵政省関係であります。電電公社の賃金協定が成立したので、平均給与ベースは一万四千六百六十円となり、政府案は一万三千四百三十円となつておるから、その差額は総額で三十一億円不足となるが、予算措置をとらなくてもよいかとの質問に対しまして、政府側から、この差額は二十八年度予算には期末手当一箇月分となつておるが、協定は半箇月分となつたのであるから、これをカバーできるゆえ、二十八年度予算の組みかえは要しないとの答弁がありました。 以上をもつて第四分科会の質疑は終了し、討論採決は予算総会に譲ることとし、昨夜九時三十分終了いたしました。 私の報告はこれで終ります。
○太田委員長 以上をもつて第一、第二、第三、第四各分科主査の御報告は終りました。 お聞き及びの通り、予算三案に対する討論採決は、いずれも総会に譲るとの御報告であります。 暫時休憩いたしまして、午後一時より再開いたします。 午前十一時十九分休憩 ————◇————— 午後五時一分開議
○太田委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 去る二十四日一般質疑は一応終了したのでありますが、本日の理事会の申合せによりまして、本日及び明日の二日間にわたつて、主として警察法案、義務教育学校職員法案、電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律案、恩給法の一部を改正する法律案、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案等の五重要法案について、予算案に関連する質問に限定して質疑に入ることといたします。受田新吉君。
○受田委員 私は主として義務教育学校職員法の予算に関する部面を中心として質疑をいたしたいと思います。 最初に、この重要法案である義務教育学校職員法案を、政府が御提出なさいましたことに対する基本的な政府の構想をただしてみたいと思います。 第一にこの法案によりますと、小中学校の職員を国家公務員とするところに特色を持つておると思います。この点に関し、大臣を初め文部官僚はしばしば教職員が国家公務員となることは、一つの誇りである、こうおつしやつておるのでありますが、大臣はこの国家公務員となることが、小中学校すなわち義務教育学校職員の誇りであると今日なお考えておいでになりますか。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。人間は自由を愛するものでありまして、地方公務員で、一つの村で勤めておるよりは、全国どこへ行つても勤められる、こういう自由が出て来る。この自由を与えられた国家公務員となることは、私は教職員諸君は非常に喜んでおる、こう考えております。
○受田委員 任免その他に非常に好都合である。従つてその自由が解放されるという点で、教職員の誇りであるというお言葉でありますが、国家公務員と地方公務員とを比較して、国家公務員の方が地方公務員より高い地位にあつて、地方公務員が国家公務員に切りかえられることはすなわち誇りである、こういうことになると、国家公務員と地方公務員の間に差等があるのか。ひとしく国の公務に従事し、あるいは地方の公務に従事する者が、その間に差等を設けられるということになると、この公務執行の内容に上下があるということになると思うのでありますが、地方公務員である者が、国家公務員より下に置かれるというお考えを持つておられるのであるか。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。差等はございません。
○受田委員 しからば国家公務員になることが誇りであるということになると、地方公務員は誇りでないのか。この点国家公務員を誇りあらしめるということは、上位に置かれてあると解釈をされるが、いかがでございますか。
○岡野国務大臣 自由を愛する人が、自分自身が自由になつたということはこれは誇りであります。しかし地方公務員と国家公務員との間に、何らの差等はございません。
○受田委員 この点につきましては、自由を愛するという点で国家公務員の方が誇りであると仰せられるのでありますが、私は国家公務員になることを教職員がほんとうに誇りとして希望しておるかどうか、また地方公務員は誇りがないのであるかということに対しては、大臣と反対の見解を持つておるのであります。同時に大臣の今の御答弁によりますならば、国家公務員は一つの誇りを持つということになると、ただ今回の法案が通つた場合に起る問題として、重要な点は、高等学校の教職員は、そのまま地方公務員に残るのであります。従つて国立学校の職員はすでに国家公務員であり、また義務教育学校の職員が国家公務員になつた場合において、一つ残された高等学校の教職員は地方公務員として誇りを失う、こういうことになる。 もう一つはもう一つは教職員の養成機関は、大体新制大学四年卒業を基準としておるのでありますが、大学と小中学校は、明らかに国家公務員となるということになる、そうなると高等学校の職員のみが、地方公務員となることは、人事交流の上においても非常に支障が起ると思うのであるがどうであるか、この点につきまして大臣にお尋ねを申し上げたいと思います。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。今回義務教育職員を国家公務員にしましたということは、るるこれまで申し上げました通りに、義務教育というものを国家の基本教育としてこれを十分機会均等、水準の維持をしたいという意図から出たものでございまして、高等学校もあるいはお説によれば、そういうようにも考えなければならぬかと思います。ただいまのところは考えておりません。
○受田委員 高等学校の職員は、国家公務員とするように考えられないこともないという言葉であるし、昨日はこの点に対して、国家公務員とされることが考慮されるというような御答弁も政府委員の中から出たのでありますが、この点について、私は大臣の今まで御説明になりました教職員を国家公務員とすることは、教育を尊重し、身分を安定するという点において、明らかに非常な矛盾があると思うのです。それでは高等学校の教育を文部省は無視することになるので、大学の教育と小中学の教育だけを重視し、それによつて教育の尊重と身分の安定が得られる、しかし高等学校がそれから取除かれるのだ、取残されるのだということになると、そこに差等がつけられる結果が結果的に起るのでありますが、この点に対して大臣は矛盾をお感じになりませんでしようか。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。今回義務教育職員を国家公務員にするということは、義務教育というものを充実しなければならないというわれわれの考えから出たのでございまして、むろん高等学校の先生も将来考えなければならぬ、こう考え、まず第一の着手として義務教育職員をしたわけです。これをもつて政府並びに国家の教育に対しての計画が何ら終つてしまつたわけではございません。漸を追うてこれからだんだんと検討して行くつもりでおります。
○受田委員 諸外国の例で、この義務教育の教職員を国家公務員とした事実があるかどうか。それで現在そういうものに対して、文部省は十分研究をしておられると思うのであるが、それに対する資料を提出する用意があるかどうか。 もう一つは国家公務員になることによつて、政治活動の制限が企図されることになるのでありますが、世界各国で教職員の政治活動を禁止しておる国があるかどうか、こういう点につきまして、具体的な資料を提出していただきたいと思います。その点に関しまして基本的な問題として大臣は、現に御記憶になつておられる以上二つの問題に対する重要なる例をお示し願いたいと額います。
○岡野国務大臣 外国の例を見ますと、西ドイツは義務教育職員を国家公務員にしております。ほかの方面においてはしておりません。 それからいろいろの資料は追つて事務当局から御希望の通り提出いたさせたいと思います。
○受田委員 私はこれに関して重大な質疑を行いたいと思います。文部省は文部広報なるものをもちまして、これを外部に流しておるのであります。文部広報は平生何部これを発行しておるのか。これに対して最近全国の教委において発表した数字によると、文部広報は平素は三万部刷つているが、それを今回特に刷りまして、二十万部を発行した。そして平生のルール以外の者へこれをどんどんばらまいおるということであるが、これは政治的目的のために、国の資料または資金を利用し、または利用させるということになるのではないか。こういうことになるならば、これは非常に重大な結果を生ずると思うのであるが、この問題について大臣はいかなるお考えを持つておられますか。
○田中(義)政府委員 お答え申し上げます。各官庁におきましては、いろいろ行政事務をやつております上におきまして、その趣旨の徹底をはかりますために、広報活動をいたしておるのでございまして、お話の文部広報につきましは、平素約一万部を刷つておるわけなのでございます。今回は特にいろいろ問題もございままして、文部省で意図しておりますその趣旨の徹底をはかる必要が特にございますので、今回はその部数を増しまして、約八万近く増刷をいたしたわけでございます。
○受田委員 この問題、は文部省が文部省の企図しているこの法案の趣旨徹底をはかるために、その反対意見を抑える目的をもつてなされたということにも、結果的にはなるのであります。そうなると、これは明らかに国家公務員法の第百二条の違反ではないか。あの第百二条には人事院規則で定める政治行為をしてはならないとしておるのであつて、人事院規則で規定したあの十七項目のうちの第二項に書いてあることに該当しないか、これをただしたいのであります。
○田中(義)政府委員 いわゆる特別に政治目的を持つた行為ではございませんで、きわめて事務的にその事柄についての真相を、周知徹底せしめるための措置だとしてやつたわけでございます。
○受田委員 これはこの法案の趣旨を徹底させるための便法としてのもつのであるという御答弁でありますが、平素配らなかつたところへどんどんこれを流しておるということになると、文部省の一方的な考え方を下部に押しつけるということになるのであつて、この点においても今私がお尋ねいたましたところの、明らかに政治活動的に全国的にこれを利用しようという意図が考えられないとは断定できないのであります。 これに関連して、さらに重大な問題が考えられることは、最近福岡県からの情報をひもどきますと、二月中旬以来劔木文部次官は、長期にわたつて福岡県に帰りまして、郡市をまわつて校長とか、地方教育委員会、あるいは地方の婦人団体等を集めて、職員法にからめてよもやまの会合をやつておるということを、われわれはこの情報で確かめておるのでありますが、現職の一般職である事務次官が、その地位を利用して自分の特に都合のいい地域へ行つて、長期にわたつて国家の公務の執行を怠つて、ある種の政治活動にまぎらわしい行動をしているということは、ははだわれわれは遺憾と存ずるのでありますが、この点につきまして、文部大臣はいかなる御見解を持つておいでになりますか。 〔「選挙運動だ」「事前運動だ」と呼び、その他発言する者多し〕
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。劔木君は、福岡県におけるある特殊の会合がございまして、次官としてそれに臨みました。私が行くはずでしたが、代理で行きました。それから郷里でございますから、その意味におきまして参りました。(「参議院選挙に出るのじやないか」と呼ぶ者あり)それは私に関する限りではありません。
○受田委員 この劔木次官は、学枝職員法の工作のために、二月九日ごろであつたということでありますが、PTAの連合会の幹部に饗応した事実があるということが、はつきり示されておるのでありますが、この点につきまして大臣はいかなる御見解を持つておいでになりますか、お答え願いたいと思います。
○岡野国務大臣 それは私存じません。
○受田委員 私はこの義務教育職員法案が、一方において文部官僚の最高責任者たちに利用されているということ、それがあるいは次の選挙運動へのある目的のために利用されている、こういうことになつたならば、はなはだ心外であります。文部広報をばらまいて文部省の意図を末端に浸透させるための工作を講ずるとともに、その責任者であるところの官僚の親方たちが、第一線においてはなはだ醜悪なる行動をするということを、今日なお文部大臣が黙認しておるとするならば——文部大臣はしばしばおれは自由党の文部大臣であるというお言葉がありますけれども、それを裏づけるための自由党のある種の目的達成のために、これが利用されるという危惧を抱かれるのでありますが、この点につき、文教というものは民主的に常にあらゆる角度から見て、高い観点から見て、ある程度の党派を越えた永遠性を持つものでなければならぬと思いますけれども、この点について文部大臣は一方的にこれを政党の利用化させようとする傾向があるのではないか。この点大臣の御答弁を伺いたいのであります。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。私は御指摘の通り党人大臣でございます。しかしながら文教の方をあずかります以上は、公平無私にやつております。
○受田委員 大臣はしばしば道義の高揚を唱えられております。この道義の高揚と義務教育学校職員法との関係はどういう点にあるのでございますか。
○岡野国務大臣 義務教育の水準を維持して、機会均等を与えるということは、子供がよくなるということがすなわち道義の高揚のもとになるわけでございます。
○受田委員 はなはだ子供だましのような御答弁でありますが、私は少くともこの法案を出された大臣の御意図が、かつて自治庁の責任者であらせられたときに、国庫半額負担のあの法案にすこぶる御反対なさつて、今日大臣の地位を得るや、ただちに全額負担としてこれを強力に自分の薬籠中のものとして成功させようとした。ところが全額国庫負担と名前のみであつて、実質を伴つていないというので、遂に輿論に押されて、義務教育学校職員法というものに切りかえられたという大臣に対するところの輿論の大きな動きがあつた、そういう見方がございますが、この点につき大臣の御見解を伺いたいのであります。
○岡野国務大臣 これはたびたび委員会でお答え申し上げている次第でございます。昨年半額国庫負担のときは、半額反対で全額は賛成だということの意思は貫いております。それを今回文部大臣になりました以上は、自分の宿願を達成するということに猛進したわけでございます。
○受田委員 大臣がこの法案を提出されようとしたその大きな動きの裏に、昨年あまりにも無残にも踏みにじられた例の教育委員会を市町村に設置するという問題がひそんでいるのであります。あの市町村に教育委員会を設置することが実現した今日、その矛盾を防止するために、この法案を出すのだという意味の御答弁もあつたようでありますが、みずからまいた種をみずからりつぱに刈取るすべを知らないで、これを彌縫的にごまかして、義務教育学校職員法として誕生せしめようとしたというこの動きは見のがすことはできません。この点について、市町村に教育委員会ができたそれで市町村間の教員の人事交流などに非常に不便ができたから、そこで国家公務員にするのであるという大臣の御見解は、終局自由党の政策が市町村に教育委員会をつくつて、そしてその矛盾を補う意味でこういうものを出すという、自由党の内部間のからくりの償いをするための法案であるという結論にもなると思うのであるが、これに対して大臣はいかなる御見解を持つておられるか。当時大臣は市町村に教育委員会ができることに反対をされたのであるが、それを今日彌縫するためにこじつけをされようとする政府の責任者としての明確な答弁をいただきたいのであります。
○岡野国務大臣 昨年教育委員会を各市町村に設置するということに対しては、お説の通り当時一年延期を私は主張したものでございます。それは小さい村に教育委員会を置くことがいいか悪いか、また教育委員会を全般的に検討されたらいいじやないかというような意味で私は反対したのでございます。しかしこれは自由党の内閣で実施はしましたが、実施時期のすでにきまつているところの既定の法律を実施しただけでありまして、これを自由党が何か政治目的があつて各市町村に置こうとして、そして法律を出しておいたのじやございませんで、今まであつた法律が実施時期に達したからこれをやつたということであります。そして一旦置かれました以上は、国法の命ずるところに従つてわれわれはこれを遵守しなければならぬ。それからそれを糊塗するために今度の法案を出したということは、これは私少し考え過ぎだ、こう思います。われわれはいろいろの意味におきまして、もうすでに数十回この席上でも、本会議の席上においても、国家公務員にするというような義務教育学校職員法を出すことは申し述べておりますから、これは略さしていただきたいと思います。
○受田委員 この法案を出した政府の根本的な意図を大体質疑したわけでありますが、私はさらにこの問題の予算的措置に対する部分に食い込んで質疑を続行したいと思います。 第一に、この法案に盛られております予算的措置でありますが、教職員の定員定額制を文部省がきめる、これによつて予算化されたものは九百一億である。この給与費に対しまして、さらに十九億の教材費を加えて九百二十億が計上されておるのでありますが、実はこの定員定額というものの数字のほかに、各府県において、これまで特に昭和二十七年度に出された数字としては、二百五十四億の八大富裕府県の部分と、それから昨年半額国庫負担法を出したときに調査しておつた文部省の実績による不足額が九十六億ある。さらに全国の都道府県の知事たちが知事会において調査した結果出された数字が四十一億ある。こういう部分の数字が、結局政府が今回示しております基本財政需要額の六百七十四億のほかに地方財政圧迫の財政的な大きな悩みが起つて来るのであるが、この点に関しては文部大臣はいかなる見解を持つて、地方財政圧迫の対策を御考究になつておられますか。
○田中(義)政府委員 私からお答え申します。御承知のように来年度の教員の給与費の規模は、千百五十五億と算定をいたしました。そしてお話のありました八都府県について国が交付をしないか、または減額して支給をしてもよろしいその額を二百五十四億と算定をいたしました。その結果来年度の給与費は九百一億になるわけでございます。そとでその九百一億の算定でありますが、御承知のように大体各府県の基準財政需要額なるものは、およそ税収入においても約七〇%に押えておるわけでございまして、その関係で義務教育費等につきましても御承知のように八八%に押えてございます。従つてそれにはみ出ますものは、それぞれ地方において負担を願つておるわけでありまして、国の財政措置といたしましては、今回国庫負担としてのその給与費と、そして平衡交付金として流されますものとの総額におきましては、実は差異はございませんので、従つて従来と比べて特に負担を重くした、こういう計算にはなつておらぬのでございます。
○受田委員 この予算の内容は、結局政府として一定の定員定額を基準にしたものであつて、地方の実情を無視した基本的な低い線しか出ないということが、これはもうはつきりしておるのであるが、その点については国がごく限られた予算を地方へ分配し、さらに都道府県の教育委員会が市町村に基準に基いて配分する。配分のための事務その他の仕事はこれを地方にまかせて、国はただ基本的な筋だけを示すということになるならば、結局国が大きな線で国家公務員という身分を確保しておいて、そして実際は都道府県に事務上のいろいろな苦労をさせるという結果になつて、まつたく都道府県は明らかに事務上の二つも三つもの苦労を引受けることになるし、また人事にいたしましても、国と都道府県と市町村とのこの三つが三万から携わるという結果になるのであつて、いよいよ人事を複雑にさせるという結果にもなる。この法案を結果的に見たならば、国家が義務教育職員の身分をまとめる上において、地方に非常な複雑性を与えるということになり、同時に財政上の苦痛を与えるという結果になるのであるが、この点に対して当局は、このような不満足なまだ完成できないままの法案を大急ぎで出したところの理由はどこにあるのか、もつと慎重に考慮をいたしまして、見通しがついてから後になさるべきではなかつたか、この点について御答弁をいただきたいと思います。
○田中(義)政府委員 お答え申し上げます。財政措置につきましては、この法案によつて従来以上に負担を過重にいたすものでない、こういうことは先ぽど申し上げた通りでございます。 次に人事関係について非常に複雑化せしむるじやないかというお話でございますが、しかし国家公務員といたします以上、国としてもこれに対して最終的には責任を負うべきものでございます。しかし実際問題として直接国がこれを施行することは不可能でもあり、また事柄の性質上適当でもございませんので、従つて都道府県立の学校については都道府県の教育委員会、また市町村立の学校については市町村教育委員会にあげてこれを委任いたしまして、事実上従来通り施行してもらうつもりでございまして、このために特にこれを煩雑混乱に陥れるということはないと考えておるのでございます。
○受田委員 この文部大臣の指揮監督権が地方の教育委員会にも及んで、最後に文部大臣みずからの手による職権の執行ができるような規定もあげております。こういう点におきまして文部大臣の中央集権的な性格がはつきりとここへ出て来るし、強権の発動ということも出て来るのであるが、こういう規定は、民主的に誕生した教育委員会法の制定当時の流れから見たときに、大きく時代逆行をするものであると思うのであるが、最後の職権を握つておる文部大臣として、民主化をはばむものであるという点、地方の教育委員会の誕生した当時の趣旨に相反するという点についての御見解をお伺いしたいのであります。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。私はそう考えませんで、少くとも義務教育の水準はどうしても全国同じようにレベルを上げて行かなければなりません。その意味におきまして、文部大臣は各地方々々の教育委員会の立場は十分尊重しながら、しかも全国的に同じような教育ができるようにして行くことについて、指揮監督をするということは当然であります。中央集権化でも何でもないと思います。
○受田委員 教員は自己の自由を十分尊重されなければならぬと先ほどお言葉があつたのでありますが、地方の実情に即した立場において教育者としての行動をしようとする際に、国家公務員としての制約を受けるということは、はなはだその自由を束縛されるのであるが、国家公務員となることは、自由を大いに解放するのだという先ほどのお言葉と違う幾つもの事例に対しては、いかがお考えであるか。特に政治活動などに対して大きな制約を受けることを、結果的にはつきりお知りになつておられる大臣としては、自由の解放でなくて束縛であつて、先ほどの大臣の御答弁とは食い違つた結果になつていることを、いかがお考えでありますか。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。国家公務員であつても、地方公務員であつても、やはりある種の政治活動というものは制限されるべきであろうと私は考えます。そこで私の考えますのは、国家公務員になつたからといつて、ほかの国家公務員と差別をして政治的制限をするわけではございません。国家公務員全体と同じような待遇をするわけですから、何ら自由を束縛するものではありません。
○受田委員 これは小さな数字にわたる質問になりますので、政府委員でけつこうですが、十分確かめたい点があるのです。それは今度の内容でありますが、結核休職者に対して昨日も政府ははつきりした資料を持つておられなかつた。療養休職者が何人おるかという昨日の要求に基いて、政府の資料を御提出願いたいと同時に、私はここに事実問題としてわれわれの調査しておる数字を用意しておりますので、これと照し合せて御質問を重ねたいと思います。
○田中(義)政府委員 ただいま結核休職者についての御質問でございました。最近の調査によりますと、実際には約一万一千近くおるかと思います。それでその財政的措置につきましては、財政計画におきまして結核休職者については一応百人について一・三三という数字でやつております。しかしこれは財政的措置でありまして、従つて現実にこれを処理いたします場合には、小学校の児童については一・五、中学校の生徒については一・八、それらと合せ計算をいたしました場合には、大体各府県の実情に応じてこれを配分いたします場合に、実際にはまかなえるということに考えております。
○受田委員 これはごまかされた御答弁でありますが、一・三三という数字は一応形式的に出した、実際はあとから適当にするのだという。これははなはだ国家公務員を侮辱した結果になると思います。何となれば、昭和二十七年の結核休職者が何人おるかというはつきりした数字があるはずです。今休職しておる療養者の数字をなぜここでお示しにならないのです。そして産休補助員の数字をなぜお示しにならないか。そこを私は要求しておるのであつて、あなたのお手元で調査された数字をもう一ぺんはつきりとお示しを願いたいのであります。
○田中(義)政府委員 先ほど一万一千という数は申し上げたつもりでございますが、さらにその内容を申し上げますと、小学校について七千四百名、中学校について四千五百名という数字になるわけでございます。そこでそういう数字がはつきり出ておるのに一・三三というのではごまかしではないかというお話でございますが、これは従来財政措置として財政計画の上で、国全体の数字をはじきます場合の一応の基準をとつたのでありまして、確かにその後だんだんふえて参りまして、現実には一・三三という率ではございません。そこでできるだけその率を向上せしめるために努力はいたして参つておるのでございますが、財政の都合上一応従来通り計数にはなつておりますけれども、しかし現実に各府県の実際の定員の実情から申しますと、従来のこの計画によつて大体まかなえておる、こういうように承知しております。
○受田委員 これがはなはだ欺瞞的な予算的な数字であるところに疑義が生ずるのであります。今の問題と、地方公務員であつた時代の教職員の給与が現在七百九十四円国家公務員より高いという問題、こうした現実の数字を無視してこの定員定額が出されているというところに、先ほど申しました国家としての責任をのがれておるという結論が出るのであります。さらに山間僻地などに働く人々に対しての実績を認める措置を全然しておらぬところに、優秀なる教員は都市へ都市へと流れる傾向も起つて来る。国のすみずみまでも教育を普及徹底するというわれわれの願いであるにかかわらず、そうした地域にはすこぶる冷淡な措置がとられ、特に一学級二十人か三十人の非常に苦労して経営しておられる地方の小さな学校の教職員の定員が減らされるという結果を、われわれは現実に危惧しておるのであるが、政府としては、島とか山奥とかの国のすみずみにまで強い愛の手を差延べて、教育の普及徹底をはかるという施策をなぜおとりにならないのか。そういう所を忘れ去ろうとする結果が、この義務教育学校職員法であるというふうに私は断定するのであるが、この点に対していかなる御見解を持つか。
○田中(義)政府委員 昨日もお答え申し上げましたように、全国の定数は先ほど申し上げた基準において算定をいたしますが、しかしこれを各府県に配分いたします場合には、山間僻地で小さい学校の非常に多い府県であるとか、教員の資格等の構成におきましてもいろいろ差等がございますので…。 〔私語する者あり〕
○太田委員長 静粛に。
○田中(義)政府委員 それらの実態調査によりまして、その実情に合うように配分をいたしたいと考えておるのであります。それで特に来年度のことといたしましては、実情をできるだけ考えまして、実際になるべく合うように来年度の配分には考えたいと思つております。なお山間僻地の先生方につきましては、昨日も申し上げたと思いますけれども、僻地手当等について前年度より約二割の増を考えております。なおわずかでございますけれども、僻地の先生方の宿舎の建設につきましても、国から幾分の補助をいたしまして、そうして僻地においていろいろ教育に当つておられます先生方につきまして、できるだけ優遇を考えたい、かように思つておるのであります。
○受田委員 政府がこの暫定的な数字を出して定員定額制を一応完成しようとし、やがて本格的な方向へ運ぼうとするこのやり方に対して、私は一矢を報いたいのであります。それは政府自身が、ほんとうの定員定額の実情に即したところの実績をどうして調査するか、この点昨日は五月ごろにならないとその全貌を明らかにすることができないという御答弁があつたのですが、もつと各府県の実情を十分考慮した実績ある数字を大幅に確認する方向へ、基本的にすみやかに持つて行くことができないか、それがすみやかに持つて行くことができないなら、それができるまで待つ必要があるのではないかと思います。これにつきまして先ほどごく簡単な答弁をいただいたのでありますが、大臣としては、さしあたり場当り的な予算措置を講じて、地方の都道府県の教育委員会、府県知事、あらゆる団体が猛反対をして、地方財政の圧迫だ、そうして一方においては自由の束縛だと反対をしておるものを、もつと念入りに調査した後においてこの法案を出すという方が、この点においては大衆の声を尊重する民主主義政治の本筋に立ち返るものだと思うが、この点不用意に大急ぎでこれを出されて、あらゆる団体の反対まで押し切つてこれを断行しようとされることは、大臣としては、先ほど来申されたところの自由党の政策を強力に推進する責任者であるからという立場からのその一面的な強がりの立場においてであるか、あるいは何かその奥に深い理由がはつきりひそんで、国民のすべてがこれに協力をしてくれるという自信を持つておるのか、この点不安定のままでこれを出されたという反省をしておられないかを伺いたいのであります。
○岡野国務大臣 私はくの大改革をいたしますときには、これは何年間かかつても万全を尽そうとすればなかなかむずかしいことだと思います。大改革をするときはどうしてもやはり初め幾分かの不完全を免れないのでありますから、その不完全をできるだけ完全に準備しましてやつて行きたい、こ考えまして今回やつたわけであります。むろん平生から十分準備もいたしておりますけれども、今後もますます検討を続けて完全なものに早くして行きたい、かように考えております。
○受田委員 この義務教育に対して国家並びに地方が出した数字の総額は最近漸次低減をしております。昭和二十五年度においては義務教育費の保障率と国の保障率というものがこの教育の予算の大体六六%、そうして二十六年度に五五%、二十七年度に四八%と漸次低下しておるのであります。この点において、義務教育の国家が負担する費用を漸次増加させることこそ、教育を愛する政策であると思うのでありますが、国全体の予算の上から見た義務教育に充てられるところの予算が、漸次大幅に低下するこの傾向をいささか防止されようとするのか、この点数字の上に現われに実績の低下に対して、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○岡野国務大臣 そういうふうに低下しておりますから、今回これを確保して将来もう少し充実させて行きたい、こういうことであります。
○受田委員 これはたいへん不愉快なお答えをいただいたのでありますが、国家として義務教育費の半額負担をというところまで昨年は進みかけたものを、ここで金額負担に切りかえる方が好都合であるという点から、急にこれを切りかえた。しかし事実は、予算の上においては非常に減額された、実績とはうんとかけ離れた数字を国家が負担するということになつている。この点に対しては、国が義務教育を保障する率において大幅に減額された結果が出ております。従つて地方財政に振り向ける分を地方当局としてはなし得ないという大きな反撥をしている。この事実に対して、国が基本的に義務教育にもつと多くの大幅の資金をつぎ込むという政策をとつてこそ、大臣の企図されるところに合致するのではないかと思うのでありますが、この点、大臣御自身の答弁の中にあることとは、反対の国家予算的措置がとられておるのであります。御見解を伺いたい。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。本年度は、経過措置でありますからこういう程度であります。二十九年度からは、私の経論を行わせていただきます。
○受田委員 これは水かけ論になるので繰返して申し上げません。二十九年度からという御答弁のその実現は、私から見ましたならば、大臣が企図されるような方向には行かないという傾向を危惧するから私は申し上げておりますが、この点は一応これで質問を打切ります。 次に私は、部分的な問題として、義務教育に関係をする教材との点に触れておきたいのであります。教材費は、実際に父兄の多額の負担で現にまかなわれておりますけれども、今回文部省としては相当張り込んで予算要求をされた。これは向井さんもその要求を十分御検討されたであろうけれども、結果的に見れば大幅に削減された。これに対してこの補いをするために父兄に財政負担をかけない立場から、国家はどういうふうな措置をとり、また地方にその措置を要求しようとしておるのか、この点父兄の負担を軽減する立場からの文部省の用意された措置を伺いたいのであります。
○田中(義)政府委員 教材費につきましては、当初われわれとしてもももつと多額の予算を得まして、PTAがいろいろ教材費としても危惧いたしておりますその危惧を解消いたしたいと考えたのでございますが、これは一応財政その他の関係から、十九億という数字に相なつたのであります。しかしこの十九億につきましても、その配分に関しましては、小学校は少くともいくら小さい学校でも最低二万円差上げたい、なお中学校については二万五千円、盲学校については最低五万円、聾学校については最低四万円の教材費を交付いたしたい、かように考えて準備を進めておるのでございます。なおその他御承知の教科書の無償配付等につきましても、実はやはり父兄の負担軽減ということに直接影響するところでございまして、それらの点についても、来年度もこれを計上いたしておりますことは御承の通りであります。なおこの国庫負担によりまして、先生の給与が一層確保されますならば、これらの影響するところはやり父兄負担というところにも参ることと考えております。
○受田委員 もう一つ補助金政策についてでありますが、六・三建築並びに予算危険校舎の改築、こういうものに対して政府はごく少額の予算を計上いたしました。しかしながらその補助率が、初めの計画よりは減額されたということは、現にまだはなはだしく復旧のできておらぬところの中学校建築と、同時に四十八万に及ぶといわれる危険校舎というものが、この少額でもつてしては、焼け石に水であるということは、当局もよく御承知であろうと思いますが、この点に関しまして、補助金政策の上に、もつとこうした校舎の建築等に重点的な施策を講ずべきではなかつたか。この点はなはだ微温的な政府の予算に対する——私は政府当局に対して非常な不信を抱いておる。この点を解明していただきたいのであります。
○近藤政府委員 公立文教施設費の予算でありますが、これらのうちには、六・三制校舎及び屋内運動場あるいは危険校舎の改築、また盲聾学校の整備あるいはまた戦災復旧等ありまして、これらの予算の総額は昭和二十八年度におきましては、四十二億八千万円でございます。これを昨年の昭和二十七年度に比較いたしますと、昨年度は三十八億六千万円でございます。従いまして四億二千万円の増加になつております。
○受田委員 その四億何がしの増額ということは寸今の最も差迫られたるこうした要求に対しての増額としては、焼け石に水であるということをさつき申し上げたのです。この点政府としてもつと強力にこの問題を考えるべきでなかつたか、これを私は今お尋ねしておるのであつて、四億何がしふえたという御答弁をいただくのではなかつたのです。まさに倒壊に瀕している、生命の危険にさらされているこれらの学童、生徒たちを根本的に救済するところの基本政策というものを、文部省は強力に立てられなければならぬ、この点において私はお尋ねをしたのであります。この点この年度における予算と、来年度における予算とのこの計画について比較検討をしたいと思いますが、文部省として用意されているところの昭和二十九年度におけるこの補助金の構想を伺つておきたいと思います。
○近藤政府委員 公立文教施設の整備でございますが、御承知のように、六・三制の枝舎の整備あるいは屋内運動場の整備、あるいは復旧校舎の整備等と申しまして、相当将来坪数が残されおりますので、われわれといたしましては、ぜひともこれを早い機会に整備したいと考えておりまして、着々計画を立てておりますが、昭和二十九年度におきましては、昭和二十八年度以上の予算をとりまして努力いたしたい。ただいまのところは六・三制の〇・七坪の完成の見込みでございますが、中学校分につきましては、昭和二十八年度と二十九年度に完成いたします。小学校分につきましては、なお将来二箇年計画であります。但しこの分につきましては、戦災小学校と、例の中学校が小学校の校舎を使用いたしまして授業が非常にオーバーになつておるという分につきましては、二箇年計画でございます。なおその他の一般の残りの計画につきましては、小学校の分につきましては五箇年計画を予想しております。ただいま申し上げましたのはいわゆる大・三校舎の建築費でございますが、その他屋内運動場あるいは危険校舎等につきましても、たとえば危険校舎につきましては将来四箇年計画、屋内運動場につきましては将来四箇年計画で行きたい、かように考えております。
○受田委員 次に大蔵大臣に関連する事項でありますが、政府は一般職の職員の給与に関する法律によつて、昭和二十八年三月三十一日までの暫定的な法律として、昨年の末に号俸別表が成立しておることは御承知の通りであります。特にあの法律の俸給表のそれぞれの別表の備考欄にははつきりと、本表は暫定的のものであつて、なるべくすみやかに合理的な改訂を加えるべきものであるという備考をつけておるのであります。この点について、人事院勧告を無視して、低い線で職員の給与を決定された政府としては、この備考実現のためにすみやかな措置をとらねばならなかつたのにかかわらず、昭和二十八年度の予算には、依然として従来のベースによつて給与が考えられておるのでありますが、大蔵大臣はあの人事院勧告を無視してまで低い線で給与を決定した今日、この備考の実現のために、いかなる努力をされようとしておるのか、なぜ二十八年度の予算に改訂された号俸を計上されなかつたか、この点についての大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○向井国務大臣 これは財政上の関係からやむを得なかつたのでございます。
○受田委員 政府に要望をしたいことは、人事院勧告は昨年五月になされておる。この案に基いて一万三千五百十五円ベースが考えられたのである。ところがそれを二千円近くも下まわる政府案が国会を通過したのである。しからば当然この給与改訂は考うべき線であつたのです。ところがそれを財政的な理由で全然拒否されておるのでありますが、この問題について政府に要望したいことは、昨年人事院勧告以後におけるCPS、CPI等の数字がどういうふうに流れて来ておるか、こういう点について今日なおべース・アップをしなくても済む段階であるという結論を持たれたか、政府の大きな立場からの御答弁をいただきたいと思います。
○向井国務大臣 こういう点につきましては、人事院の勧告というふうなことも私はよく承知しております、いろいろの点を考慮はいたすものでございますけれども、財政上、この予算に組みますときにその力がなかつたので、非常に遺憾でございますが、給与の改訂につきましては、目下私どもも研究をいたしておる次第でございます。
○受田委員 法律に規定されることは、政府は忠実に執行していただかなければならぬのであつて、すみやかなる改訂ということが書いてある以上は、当然二十八年度の予算にこれが出て来なければならぬ。私はこの点について、今大臣は目下研究しておるという御答弁があつたのでありますが、いかなる研究をされておるかをお伺いしたい。もう一つは、十分御検討をされた結果であろうと思うが、閣議決定事項として、定員法による定員を減らす対策を立てておられるようであります。これは当然学校職員などは考慮されると思うのであります。教官を除くとかいうような考え方もあるかもしれませんが、定員法による定員を減らして、一方で同じ国家の職務執行をしておられるところの非常勤の職員をうんとふやすという傾向が、最近特に顕著になつて来た。常勤的な性格を持つ定員法による職員と、一方では定員法によらないで、事業費とか、はなはだしきは物件費等からまかなつたわく外の非常勤職員を採用し、単純労務者をどんどん採用しておる。政府の仕事は全然減らない。むしろふえておる。ふえておる今日、政府が一方において定員の数を減らし、一方においてそうした仕事を分担する職員をかわつた立場でふやしておるという、このことははなはだしく不合理を暴露しておると思うのでありますが、大蔵大臣はこの定員を減らすことに対して忠実であるとともに、そうした非常勤の職員の優遇に対して忠実であるべき政府の責任者ではないのでしようか。大蔵大臣としてのこの非常勤職員が非常にふえることに対する対策をお伺いしたいと思います。
○向井国務大臣 行政整理というふうなことは今研究中でございます。 それから非常勤の者がふえているということは望ましくないと存じますから、これは押えて行きたいと思います。
○受田委員 この非常勤職員のふえることは望ましくないから、これの対策を考えておられるというのであるが、その対策はどういう対策であるか。昨年やつと大蔵大臣は期末手当を出すことを実現されたのでありますが、こういう人々に対して共済組合の加入とか、あるいは物件費等から出すような給与の支給の方法でなくして、定員法に基く職員に準ずるような給与体系をつくつてあげるとか、身分の確保と生活の安定に対しての大臣の方策をお伺いしたいのであります。
○向井国務大臣 これはぜひやりたいことと存じておりますが、今のところでは予算上にこれを現わすことができなかつたのでございます。あるいは将来においてこれを実現したいというふうに考えております。
○受田委員 官房長官に最後にお尋ねいたします。この義務教育職員が今度国家公務員になる。そうして国立学校の職員とともに教官という性格を持つた国家公務員が生れるわけでありますが、政府は各省の職員間に非常な給与の差等、待遇の甲乙があり、かつ今申し上げた非常勤職員の特に多い省もたくさんあるのでありますが、こういう点について、国全体の職員の立場からの総合的な施策をどういうふうに持つておられるか。特に昨年は私の質問に対して当時の官房副長官より、そうした職員の給与体系に関しましての国全体の総合的な政策を何とか実現させたいという答弁もあつたことだし、この機会に文部省の職員、教官、その他あらゆる職種に対するところの国全体の立場からの給与の総合的な施策、近く人事院が給与準則を出されると承つておりますが、こういう点に対して、政府といたしましては給与準則をどういうふうに見ておられるのか、これに対しての予算的措置などは十分考えてあるのか、こういう点を御答弁願いたいと思います。
○緒方国務大臣 副長官から答弁いたさせます。
○江口政府委員 お答えいたします。給与準則につきましては、目下人事院におきましていろいろ研究中でございます。それらに関する政府に対する建議が出て参りました際に、従来からのいろいろな問題をそれに合せて調査して考えたい、かように考えております。
○受田委員 人事院が出すであろう給与準則には、実は四億以上の給与費の増額が考えられておるのでありますが、この点に対して政府としては、予算措置の上でどういうふうに考慮されようとするか、これは四月一日から実施される構想のもとにそれを用意されておるかどうか、この点お伺いしたいと思います。
○江口政府委員 給与準則が示されましてから、それに関しましての財政的措置は、その次の段階において考えて参りたいと思いますが、給与準則が出て参りましても、いつから政府が実施するかという点は、いろいろな点をにらみ合せた上でなければ考えられない問題だと思います。
○受田委員 犬養法務大臣が出ておられるので、先ほどと関連した問題から官吏の綱紀の粛正という点を御質問いたしたいと思います。一般教職員を公務員にすることによつて、一つの誇りを与えるという政府の御意図があるのでありますが、一方において国家公務員には非常に大きな公共の立場からの制約が与えられております。従つてこの点においては政治活動の制限という問題も、地方公務員のときよりは厳重なわくがはめられるという結果になるのでありますが、この政治活動の制限に関して、政府の責任者である文部次官が、第一線においてことさらに長期にわたるところの事前運動的な行動をしておるということを、私は指摘せざるを得ないのであります。それは去る二月九日ごろに劇木次官がPTAの連合会の幹部を集めてごちそうした事実がある。この点は子供を守る会の事務局長の清水慶子さんがはつきり言明しておられるのであるが、これに対して事実調査をされておるかどうか。また現職の一般職にある公務員の特に高い、責任の地位にある人が、国家の公務を留守にして、第一線において政治的な行動にまぎらわしい行為をしておるということは、絶対に許されないことでありますが、法務大臣としてこういうことに対する措置について、責任のある御答弁を願いたいと思います。
○犬養国務大臣 お答えいたします。私の仕事の範囲は、それが違法行為であるかどうかという範囲でございまして、選挙の事前運動に触れるならば断固として処分をいたします。しかしお話は初耳でございますから、私の職務に関するものかどうか、よく調査をいたしたいと存じます。
○受田委員 質疑を終ります。
○太田委員長 六時四十分まで休憩して再開いたします。 午後六時八分休憩 ————◇————— 午後七時開議
○太田委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 質疑を継続いたします。古井喜實君。
○古井委員 私は義務教育国庫負担の問題を中心として政府の御所信を伺いたいと存じます。この義務教育国庫負担の問題に対しましては、満天下非難ごうくたるものがあります。全国の自治体はことごとく反対をいたしております。教職員もあげて反対をいたしております。教育委員の諸君も全部反対をいたしております。この案に賛成をいたしておりますものは、政府と与党自由党だけでございます。かかる情勢を政府はごらんになつて、何とこれをお考えになつておりますか。私はこの案がどうしても必要であるならば、必要であるゆえんを国民に納得させるがよろしいと思う。さらに教職員、自治体関係者、教育委員諸君、一般国民に対して、どうしても必要だということを得心の行くまで説明されるがよろしいと思う。一方政府御自身においても、準備はまことに不十分のようであります。四月一日から施行するとは申すものの、とりあえず現状主義で行こうというのであります。何でありますか、りつぱな理想を掲げております以上は、現状主義という行き方は、私は矛盾をいたしておると思う。準備不十分のいたすところであります。また八大都府県に特例を設ける、これまた財税制の改正問題とマッチしておらぬ証拠であります。私はすべからくこの態勢、また政府の準備の状況から見まして、さらに時間を置いて、国民にも得心をしてもらい、政府も準備を十分整えた上で、この問題は出直すべきものだと思いますが、いかがお考えになりましようか。御所見を伺います。
○岡野国務大臣 お答えを申し上げます。現状とまつたく同じというお説でございますが、しかしこれは内容において非常に違うのでございます。平衡交付金のように、地方で御自由にお使いになる性質の金と、ひもをつけておる国庫負担金とはすつかり性格が違つておりますから、重大なる相違でございます。それから得心の行くような——なるほどあちらこちら新聞とかいろいろな方面から反対の御覧がございます。その点はどうぞひとつ皆様方をお通じになつてよく御質問を願いまして、われわれに意のあるところをお聞取りを願いたいと存じます。
○古井委員 得心の行く案でありますれば、お手伝いもいたしましようが、こういうめちやくちやな案では、お手伝いはとうていできません。しかし文部大臣に今これを申しますよりも、次の問題に移つた方がよろしいでありましよう。 そたで政府は昨年の秋、全国の市町村に教育委員会を設けることをなさつた。これは明らかに教育の民主化と地方分権を目ざしたものであり、その考えに一歩を進めたものであつたと思う。一歩ならよろしいけれども、進め過ぎたきらいがある。やらずもがなのことであつたと思う。これをあえて強行したのであります。これを行つたこの政府が、今日はまるで別人のごとく、真反対に、今回の案を実行しようといたしております。まことに無定見というか、見られたざまではございません。一体こういう態度で政党政府が臨んでおることは、私は政党政府の信用のためにとらぬ。自由党のためばかりではありません。かかる無定見、場当りの、朝令暮改的な態度は、まことに残念しごくだと思います。この点に ついて何のお考えもございませんか。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。昨年秋教育委員会を強行したと仰せでございますが、先ほども申し上げました通り、すでにできておる法律が施行期日に到達したのを、自然的に実行に移したというだけでい」ざいますから、自由党が強行したのではございません。 それから民主化しておいて、今度のことと矛盾するではないかというようなお話でございますが、民主化されておるから国庫負担というものがますます民主的になつて行く。これを民主化せずに、去年教育委員会というものがなくてやつたならば、おそらくもつと御非難を受けただだろうと私は思います。地方分権が確立しておりますその教育制度の上に負担金を出すのでありますから、私はそう考えておりません。
○古井委員 文部大臣は、民主化が何であるか、地方分権が何であるか、中央集権が何であるか、少しも御理解がないようであります。かような文部大臣に、その問題を押問答してもしようがないとまいます一私はいろいろ伺いたいことが先にもありますので、本多大臣もせつかくおいででございますから、お伺いいたしたいと思いますが、従前の府県の機構と今日の府県の態勢というものは、申すまでもなくまつたくかわつております。従前は中央政府が派遣したいわゆる官選知事があつて、その当時の府県の態勢は、府県の吏僚の中には、官吏があり、公吏があつた。ところが今日の府県の態勢におきましては、公選の知事のもとにおいて、すつきりした府県知事の行き方でもつて態勢ができておるのであります。今政府は教育職員について国家公務員という態勢を取入れようとしておる。大きな員数の職員を国家公務員にしようとしておる。一方また警察職員についても、上級職員を国家公務員にしようとしておる。こういう態勢をここで取入れるならば、一体なぜ知事を公選に置いておくか。公選というものをこわす気でかかつておるのか、公選と矛盾していないかと思つておるのか、公選を改めようという考えでおるのか、またそこに落ちることを覚悟しておるのか、この点をどうお考えになるかお伺いいたしたい。
○本多国務大臣 この点につきましても、しばしばお答えをいたしたのでございますが、政府は公選知事になつておりまする現状について、再検討の必要があると考えております。その趣旨といたしますところは、中央と地方を、いま少しく有機的関係を密にするという趣旨で再検討いたしたいと考えております。これをどういうふうに制度を改めるかということにつきましては、地方制度調査会に諮問してございますので、いましばらくその御審議を待たねばならぬと考えます。
○古井委員 すべて地方制度調査会で研究してもらつた上で、知恵をつけていただいた方がよろしいでありましよう。それをも待たずにこういう案をおつくりになるから、とんでもないことが起るのであります。しかし私はいろいろ伺いたい問題がありますので、次の問題に移りたいと思います。この義務教育国庫負担の問題は、もともと財政上の問題であつたと思います。府県はこの教育費のために非常に財政が圧迫されました。特に六・三制実施以来、府県、市町村の財政が非常に圧迫を受けました。つまり財政の窮迫を打開したいというところが、義務教育国庫負担のそもそもの起りであつたと思います。新しい財源を求めたのであります。新しい財源を求める道は、地方に税源を新しく付与される、あるいは平衡交付金の増額を得るという道もございましよう。しかしその道をとらないで、手つ取り早く一部を肩がわりしてもらいたいという意味のものが、この国庫負担の要望であつたと思います。つまりいずれにしても、新しい財源をもらつて財政の緩和をはかりたいというところが、この問題の中心点であつたと思います。ところが少しも新しい財源は与えないで、むしろその機会にまつたく関係のない教員の身分を国家公務員に切りかえるという問題に飛躍してしまつたところに、今回の政府の案の問題点があると思うのであります。千七百二十億という当然地方に与える財源、これは国庫負担にしようがしまいが当然与えるはずのものを、形をかえて九百二十億を別の形で与えようというだけで、地方財政としては何の得るところもない、何も与えてない。もともとだれも国家公務員にしてくれなどと言つた者はなかつた。財源をくれと言つたのである。しかるに財源は少しも与えないで、だれも求めない問題をかつぎ出してしまつた。この機会を運用したというのか、突如として国家公務員に身分を切りかえるというところに飛躍したのであります。一体どうしても地方教育職員を国家公務員にしなければならぬ理由があるのでありましようか、必要があるのでありましようか、なぜ一体国家公務員にしなければならぬのか、どういう必要があるのか……(発言する者あり)
○太田委員長 静粛に。
○古井委員 この点について文部大臣の誠意のある御所見を伺いたい。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。私の不徳のいたすところで、私の申すことが今まで皆様に達しない点は遺憾でございます。しかし問題は幾度も繰返しましたように、地方分権もよろしいが、小学校の教員が一つの僻村に固着して、一生そこで過さなければならぬ、こういうことはおもしろくない。それからまた給与の増額とか、転任とか、恩給の継続とか、いうような意味において、国家公務員にすれば、その待遇、身分が安定する、こういうことが私のねらいなのでございますから、この点は御了承願いたいと思います。
○古井委員 そういたしますと、このたび新しく案を行われる意味は、教職員の人事の問題、待遇の問題、それだけのためにこの制度を行おうとなさるのでありますか。
○岡野国務大臣 申し上げますればいろいろ理由もございますが、それも一つございます。同時に現在平衡交付金では、地方財政においてほかの方面に流用せられるから、どうか給与をぜひ国から直接のひもつきでやつてもらいたいということは、平衡交付金制度ができました直後からの一般の要望でございました。
○古井委員 大臣までこのごろいわゆるセクショナリズムのお考えになつて、平衡交付金において一般財源を与えると何に使われるかわからない。今度の政府の案によりますと、国庫から与えたもの以外は地方は金を出しません。あなたのお考えでは、地方は足らぬところを足すかもしれないとお考えになつておるかもしれませんが、地方は金を足しません。待遇の改善がこれでできるはずはございません。またこの案を行いますれば、貧弱府県の財政はますく貧弱になつて参りましよう。なぜかと申せば、千七百二十億全部を平衡交付金として与えますれば、財政力の貧弱なところにたくさん与えるようになるのである。今度は半ば以上を財政力と関係なしに与えるのである。財政力のあるなしにかかわらず与えるのである。結局貧弱な府県は財源を失うのであります。学校の校舎もこれでできなくなるのであります。これはあなたのお考えと違つていると思いますが、いかがでございますか。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。今まで地方財政というものは、過去数年来だんだんと悪くなつております。それがために、それに対する財政措置、また国税の改正、税制の改正ということも考えなければならぬ事態に立ち至つています。しかしながら、とにかく平衡交付金でやればほかへ使われるから、どうかひもつきにしてくれというのが教員諸君の希望であつたのであります。それを今度実現したばかりでありますが、ただそれだけのことではございません。まだいろいろのことがございます。
○古井委員 他の財源を地方団体が足すこともいらないというお考えかもしれませんが、しかしそれよりも私お尋ねしたのは、一体教員の待遇、人事問題だけでなさつたのか。どうしても国家公務員にしなければならない理由は今の一点だけでありますか。いろいろありますというが、ただそれだけのものでありますか。本会議の御説明等もございましたが、理由があるなら重要な理由を一つ示していただきたい。
○岡野国務大臣 お答えを申し上げます。いろいろの理由がございますが、とにかく短い時間で簡単に申し上げなければなりませんので、申し上げますけれども、国家公務員にすることは身分の安定をさせることのためにしたのであります。これをひもつきにしたということは、地方財政の情勢上、平衡交付金ではほかへ流用されることがありますから、ひもつきの国庫負担にしてくれという一般の要望があつたから、それにしたわけであります。
○古井委員 他のもつと根本的な理由があるはずだと思つておりますけれども、待遇の問題だけおつしやつておりますが、待遇の問題は遺憾ながらこれによつてむしろ低下して参りましよう。われわれの前には今厖大な財政需要が控えておる。増税はできない。公債の増発も困難であります。必ず来るものは行政費の節減であります。そのときに私一番同情するのは、文部省の細腕に運命をまかした教職員であると思う。従来ともとにもかくにも一番財政当局に対して弱かつたのは文部省である。これが今までならともかくとして、一束になつて運命を文部省にまかしてしまつた数珠つなぎになつて縛られてしまう。まずもつて経費節減の最初のやり玉にあがるのは、あなたのこさえたこの体制のおかげである。私は文部大臣の善意は疑いません。しかし不明は明らかに指摘せざるを得ない。必ずそういう運命になります。しかし私はこの待遇の問題をきよう深く論ずる気はありませんでしたけれども、待遇のことばかりおつしやるから言わざるを得ない。その他何を一番かんじんな理由にして、これをどうしても必要だとお考えになるのか。これは国民がだれも得心が行かぬのであります。財政問題が身分問題にかわつてしまつたのであります。身分をどうしてもかえなければならぬという、その必要の中心点がどこにあるか、これはみんなの疑問であります。
○岡野国務大臣 幾度申し上げても同じことで、義務教育職員の身分を安定して、そうして義務教育の維持をして行きたい、こう考えております。
○古井委員 文部大臣はこの義務教育学校職員法案の提案説明において、この義務教育が国家的な事業である、この義務教育に対する国家の責任を明らかにするためにこの法案を出すのだということを強調されておる。これが中心であると言わんばかりに繰返し繰返しおつしやつた。この点についてただいまのお話からいうと、中心点は別のように聞えますけれども、いかがでございましようか。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。義務教育というものは、これは憲法にも保障されておりますように、国民にぜひこれを受けさせなければならない義務があります。そういたしますと、国家の責任が非常に重くなります。それが今まであまり明確でございませんでしたから、国家がこの際一歩を踏み出して、国家の責任を明らかにして、ほんとうに義務教育には国が力を入れておるのだということにしたいと思つていたしたわけでございます。
○古井委員 私の伺いたかつた真意は、この提案理由にもありますが、どうしても国家公務員にしなければ国の責任が尽せないのかどうか。自治体を信頼して、自治体にまかして、教育の責任を持たして、どうして国としてほつておけないかということを伺いたかつたのであります。自治体の中心の大事な仕事に置きまして、そうして地方の公務員のままに置きまして、どうして一体この義務教育に対する国の責任が尽せないということになるのか、自治体が信用できないのか、現状がどうにもならないのか、その点を伺わないと得心が行かぬと思つたのであります。この点についてはどうお考えになりましようか。
○岡野国務大臣 お答えを申し上げます。自治体にまかしてやることになつております。ただ問題は、義務教育は国の責任でやらなければならぬというところから、われわれといたしましては、とにかく全国のレベルを同じくして、そうしてどこにおつても同じ待遇を得られ、退職金あたりも、もしくは恩給もついて、そうして安心して従事できるということにしたいためにでございます。それから地方分権として、教育委員会といえども、市町村といえども、そういうことにむろん一半の責任を負つてもらいます。これは国が基本的の責任を持ちますけれども、自治体といたしますれば、やはり身近な最も重要なる行政事項でございますから、また一半の責任を自治体で持つてもらう。それで教育委員会がやはり市町村にありますから、国と一体となつて教育事業を続けて行ける、こう考えております。
○古井委員 それならば裏からひとつ伺いたいと思いますが、なぜ地方公務員のままにしておいたならば、たとえば府県の公務員のごときことにしておいたならば、今おつしやつた必要が満たせないのか、これは自治を尊重するゆえんでもございますし、それで必要が満たせるならばけつこうであろうと思うのであります。どうしてそれではいけないのかというお考えを伺いたいと思う。
○岡野国務大臣 これは先ほども幾度もお答え申し上げましたように、一つの村の地方公務員でございますと、その村だけしか勤まらない。(「村単位じやない、県単位」だと呼ぶ者あり)これは県単位とするのも一つの方法でありましよう。しかし県単位にするくらいなら、国家全体にしたらなおよろしゆうございます。
○古井委員 これはまた大きな問題で、府県の公務員にすることと、国の公務員にすることと同じことであるという御見解であるけれども、地方自治の任務にするということと、これから巻き上げて国の仕事にするということは、大違いがあるのであります。お話になるところの転任とかいうことは、実際は府県内の問題が普通でございます。これで十分満たせるのであります。かつまた自治体に責任を負わせるということでやつて行けるのではないか、やつて行けないのでありますか。この点については市町村を中心にお考えになるようでありますけれども、府県を単位に考えれば、それでできないのでありますか、この点をお伺いいたします。
○岡野国務大臣 これは私とあなたと見解が違つておると思います。私は私の考え方で今まで申し上げました。
○古井委員 どこが違うのでありますか、ひとつ教えていただきたい。つまり府県の公務員ではなぜ足らないのかということを説明なさらないと、見解が違うということだけでは説明にならない。説明をなさらぬのではわからない。
○田中(義)政府委員 文部当局としてお答えを申し上げます。地方公務員にして、それでは絶対にしのげないのかどうかということでなしに、進んで義務教育について国の責任を明確にいたしますために、これを国家公務員にして、そうして従来より一層身分の安定あるいは給与の確保をはかろう、こういうことになるのでございます。 なお事柄の内容について検討をいたします場合に、教育の点につきましては、あるいは学校の施設の問題、あるいは経営の問題もございます。これらは従来通り地方の義務として、当然市町村教育委員会等においてそれぞれ実施運営をしてもらうわけでありますが、ただ先生方の教育活動そのもの、教え方そのものにつきましては、これは義務教育の内容として、その点にこそ特に国が責任を明確にする必要があると考えるのでございまして、従来とも全国的な基準につきましては学校教育法があり、なお教育内容につきましては学習指導要領等の一般基準を示しまして、そうしてこれを実施いたしておるのでございます。従つて特に教育活動そのものについては、これは国の責任とし、また国の義務とも考えられるのでございます。そういつたふうな点から考えて、これを国家公務員にいたしますことも、あながち無理とは言えないわけでございます。現に昭和二十一年から二十四年までの間に、御承知のように地方府県費負担であつて、国はその半額を負担するというその制度のもとにおきまして、地方の教官、つまり国家公務員、いわゆる官吏としておつたことも、やはり前例にあるのでございます。これらの点からいたしまして、今回国家公務員にいたしますことも、これはさしつかえない。かように考えたのでございます。
○古井委員 局長の方が文部大臣より少しよく御承知のようでありますが、しかしあながち無理とは言えないという程度の話であります。一体府県の公務員にしておつたら身分が不安定なのでありますか。国の公務員にしなければ身分が不安定なのでありますか。国の公務員にすれば給与が上りますか。府県の公務員にしておけば、大都会の教職員の待遇はよろしいのであります。これを引下げる必要もありますまい。しかし国家公務員にすれば、わくにはめるよりほかない。結局定員定額制で行くよりほかない。大都会でも下げるよりほかない。むしろ国の方が給与がよろしいのだという理由は少しもない。現在自治体の職員と国家公務員の給与は、むしろ自治体の職員の方が大都会よりよほどよろしいのである。これも理由にならない。校舎や設備は自治体にまかせる。これがまかせられるくらいなら、教職員だつてまかせてもよろしい。身分もまかせてよろしい。教育全体の方針等については、ただ身分を国家公務員に切りかえたところで少しも中央政府の発言権が加わるものではありません。これは別個の、教育制度全体の問題でありましよう。これもりくつにならない。また昭和二十一年、二十二年ごろのことは、あの当時はみな官吏が府県にもおつた時代で、まつたくこれは例にも話にもならないのであります。さしつかえないではないか、つまり案を出しているからさしつかえないではないかということであつて、きようの現状をかえる必要がどこにあるかということを私は伺つているのである。少しも説明としては伺うことはできない。これはしかしむしろお考えがあるなら承らなければならぬことでありますが、お考えがなくて、より以上の考えが局長の方にあるとおつしやるなら、局長でもよろしゆうございます。
○田中(義)政府委員 一応お答えを申し上げます。先ほども申し上げましたように、これを国家公務員にいたしますことは、義務教育の国家的性格から考えられますことと、なお人事の交流あるいは給与の確保を国家的規模において行おうというような点から考えているのでございまして、国家公務員にいたしました方が、進んでその確保をはかり、国の責任を明確にするゆえんと考えているのでございます。なお財政問題につきましては、現在よりもこれが悪くなるというようなことはないはずでございますし、同時に前々から教員の給与費が平衡付金の中にございました時代に、いろいろの事情もあつたといたしましてもこの給与費の伸びが非常に悪うございまして、そのために非常に苦しんで、そしてこれを別個の財源において確保しようというのが、国庫負担制度のそもそもの文部省の主張なのでございます。従つて来年度の臨時措置としては、ただちに大きなプラスは参りませんけれども、おそらく将来はこれを契機に給与費については非常に伸びて行くものと考えるのでございまして、そういつたふうな点からいたしまして、教員待遇の確保は一そう将来期待できると思つているのでございます。
○古井委員 これは私は大臣から今の点を伺つておく必要があると思いますけれども、今の局長と同じことをお考えになつておりましようか。
○岡野国務大臣 同じことを考えております。同時に明治十七年から昭和十四、五年のころだと思いますが、半額国庫負担をするまでの間は市町村負担であつて、しかも義務教育職員は国家の官吏でございます。(笑声)
○古井委員 私は先ほど局長の御説明はお伺いはいたしましたけれども、どうしても地方公務員、つまり自治の範囲にまかせておいたんではいけないのだ、どうしても国で直接に身分を持つてやらなければならぬのだという説明としては、どうしても納得が行かぬのでございます。なお大臣の御説明から行くと、古い時代に官吏であつた、その古い時代に官吏であつたから、ただそれを復活しようというお考えでありますか。そうして古い時代に官吏であつたその通りに復活しようというだけのお考えでありましようか。 〔発言する者あり〕
○太田委員長 静粛に。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。古いことを復活しようと思つているからこうしたのであるとおつしやるのは、ちよつと私の感じに合いません。昔市町村が負担しておつたときでも官吏であつたのだ。それはどういうわけであつたかといえば、義務教育というものは国家として非常に大事な仕事であるから、国家公務員にして、国の責任を明らかにする。それからそれに対する利益は、国家公務員にすれば、先ほども申しましたように待遇もよくなるし、人事の交流もよくできる。こういうわけであります。
○古井委員 つまり従前は地方にも官吏はたくさんおりました。府県の知事も申すまでもなしに官吏でございました。たくさん官吏もおりました。しかし今日の自治体には公選の知事を置き、公選の市町村長を置き、自治を尊重してやつて行こうという体形でやつて来ているのであります。その全体の大きな骨組のもとにおいてその形でやつて行けないのか、育てて行つたらどうであろうかというところを私は伺つているのであります。どうしても育てて行けないのかということを伺つているのであります。もし小学校についておつしやるならば、高等学校については一体どうお考えになるか。高等学校も同じりくつにならぬでありましようか。
○岡野国務大臣 まず義務教育が大事な国家的事業でありますから、義務教育から手をつけたということでであつて、高等学校については将来の検討にまたなければならぬと思います。
○古井委員 そうすると中小学校よりも高等学校は軽い、これは二の次である、こういうお考えでありましよう。かつまた、それならば国家公務員にしたならば、国が義務教育に対して責任が尽せるとお考えになつているのでありますか。国家公務員にしたらどれだけの違いがありますか。給与においてたいへんかわるようになつているとお考えになつておりましようけれども、少しもかわりはありません。のみならず、大都会においてはむしろ下るくらいではないか。そのほか何かかわりますか。府県の公務員とどれだけ得るところがあるか、これを伺いたい。また国の責任が一体国家公務員で尽せるのであるかどうか。特に国の公務員とは申しながら、人事権は市町村の委員会にまかせてしまう。市町村の委員会が無謀な人事をいたしましたら一体どうなりましようか。これに対して責任を負えますか——これはやまくあり得ることです。無謀な人事をやつて、それで国が責任が尽せますか。国家公務員にしたからというて、少しも私は尽せることはないと思うのであります。その点を伺います。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。無謀の人事をやつたらどうするかという仰せでありますが、現行法のままならやはり地方教育委員会がやります。ところが国家公務員にしまして、文部大臣が最終の人事権をとにかく保留しておくということは、そういうような無謀なことを防げるゆえんではないか、こう思うわけであります。
○古井委員 文部大臣は、人事の第一線の仕事を市町村の委員会にまかせておつて、これが不当な人事をやつたということに対して、一体どういう方法によつて責任が尽せますか。地方の市町村の委員会は必要で、市町村の選挙によつて出て来たものであります。文部大臣は身分を持つているのでも何でもありません。一体どうして文部大臣が責任をとれるか。 〔委員長退席、塚田委員長代理着席〕
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。地方分権の建前上、また事実上、文部大臣が五十万に余るところの義務教育職員を任免することはできない次第でございます。そうでございますから、地方教育委員会に人事権をまかす、しかし地方教育委員会に人事権をまかしておきますけれども、先ほど仰せのごとく、何か非常にぐあいが悪い、いわゆる国家の基本教育である教職員としてどうもぐあいが悪いということに気がつきますれば、教育委員会に対してわれわれは指揮監督ができるという立場にありますから、これを是正することができると思います。
○古井委員 指揮監督権はこの法律にも書いてあります。しかしたとえば不当な人事を行つた場合に、どういう是正の方法がありますか。これは私は市町村の教育委員会が不当な人事をするということはやまやまあり得ると思います。これに対してどういう是正の方法がありますか、責任がとれるかとれぬかの重要問題だと思います。どういう是正の方法がありましようか。
○田中(義)政府委員 もしその不当人事が本人の不利益になるというような場合には、人事院提訴の方法もございます。ただその処分あるいは人事措置そのものが、著しく法令の規定に違反しますとか、その他重大なる結果を来すような不当なものである場合には、法にも規定してございますように、政令で定める手続によりまして、あらかじめそれに対して一定の指示を文部大臣が期間を定めていたします。なおこれを実施いたしません場合には、文部大臣が適当な措置をすることができるようになつておるのでございます。
○古井委員 私は不当な人事がやまやまあり得ると思う。そういう場合に、とても責任が尽せばしない。不当な人事をやりました場合にはどういう是正の方法がありますか。根拠をはつきりして、ひとつお示し願いたい。
○田中(義)政府委員 その場合には、それに対しまして取消しを命じますと、その行為の是正をなすことができるわけでございます。
○古井委員 取消しができる根拠はどこにありますか。これをお伺いしたい。大事な問題だと思います。
○田中(義)政府委員 法文によりますと、代執行権まで実は持つておるわけでございます。従つて場合によりましては、その代執行権によつて措置いたすつもりでおります。
○古井委員 よくごらんになつてお話を願いたいのでありますが、代執行と取消しとは全然違うのであります。これは他の法令の例から見ましても、取消権は含まれておらぬと思います。どんな不当な人事をやつたつて——やらないときに代執行の規定はあるのであります。しかし不当な人事をやつた場合に是正の方法はない。これは他の法令の例をあげてもよろしゆうございますけれども、明らかに根拠が与えられていない以上は余地がないと思う。もし御説明がつくならばお伺いしたい。
○田中(義)政府委員 先ほど申しましたのは、取消しを命じ得るわけでございまして、その命令に従わない場合には、さらに文部大臣として代執行をいたすことができるわけでございます。
○古井委員 これはまつたく御説明が通つておらぬと思いますが、深く法律問題を上下しても余儀ないと思いますけれども、私は今の御説明でも成り立つていない、取消権はないと思う。今の御説明でもはつきりしない。これは重大なことであります。市町村の教育委員会の不当人事でさえも、これは何とも是正の方法がないくらいで、国家公務員にしたからといつて何のとりえもない。国が責任のとりようがないと思う。要するに私の申しますことは、国の公務員にしたからといつて何のとりえもないではないか。どうしてもこれを国の公務員にするというのは何であるか。理由がないではないかということを言つておるのである。今までの御説明では必要があるということがはつきりして来ない。さしつかえないではないかという程度のことである。現在は地方公務員で自治体の人間であるのであります。 〔「同じことを言うな」と呼び、その他発言する者多く、議場騒然〕
○塚田委員長代理 御静粛に願います。
○古井委員 要するに国家公務員にする必要がないのに、国家公務員まで飛躍させようとするところに大問題があるのであります。どこに国家公務員にしなければならぬ必要がありましようか。今までの御説明でははつきり出て来ないのであります。ありますならばお伺いをいたしたいと思います。
○田中(義)政府委員 繰返し申し上げる結果になりますけれども、取消しを命ずることは当然できるわけでございます。しかもその取消しを命じながら、それを行わない場合には代執行ができる、こういう規定になつておりますので、さようにはからうわけでございます。
○古井委員 私はその法律論をおつしやられるならば、他の例をもつてそれが間違つておることを申し上げたいと思いますけれども、今それを中心に論じておるのではありません。一体どうしても必要だとする理由はどこにあるか御説明願いたいと言つておるのである。今までは、国家公務員にしてもいいではないか、それでもさしつかえないではないかという御説明以上には出ないのであります。この点について……。 〔発言する者多し〕
○塚田委員長代理 御静粛だ願います。
○古井委員 この点についてどうしても国家公務員にしなければならぬという理由をお伺いしたい。
○岡野国務大臣 お答えを申し上げます。どうもおわかりいただけないことは、私の口下手のせいかもしれませんが、国家公務員にしなければならないということは、まず義務教育というものは国の責任をもつて行うべきものであるという根底に立ちまして、同時に義務教育職員の身分を安定して、義務教育の水準を維持向上したいという理由で国家公務員にしたいと考えておるのであります。
○古井委員 国の責任を明らかにするという道は、自治体にまかせても国は十分責任がとれる。身分の安定は地方公務員でも十分できる。結局これは説明がつかぬのであつて、つまりこの問題は現内閣のいわゆる道義の高揚と結びつくものである。 〔議場騒然〕
○塚田委員長代理 御静粛に願います。
○古井委員 道義の高揚と結びつくものである。全額国庫負担をすれば道義の高揚になる。まるで風が吹けばおけ屋が繁昌するというような縁遠い話でありますけれども、道義の高揚とは何を意味しておるか。 〔発言する者多し〕
○塚田委員長代理 御静粛に願います。
○古井委員 これはわれわれの目の前に迫つておる大きな問題に対して、ある思想を養おうという以外には考えられないのであります。普通教育の制度と警察の制度とは全国民に直接つながつた一番大きな組織であります。これは優に国民の思想を左右することもできるのでありましよう。この両組織について、政府が今回のごとき案をお立てになるという意図はわからぬわけではありません。まさにいわゆる道義の高揚でありましよう。総理大臣がたびたび、再軍備は国民に祖国防衛の精神が起らねば行わない、あるいは愛国心が起らねば行わないとおつしやる言葉はわれわれの耳を去りません。まことにそれ以外に解しようがないのであります。私は今の問題について、いくら繰返しましても、他の意味以外には解しようがないのでありますからして、次の問題に移ります。 そこで義務教育の教職員について全額国庫で給与を負担する、身分を国家公務員とする、こういう建前をおとりになつておつて、それならば直接国庫からすぐ給与をお払いになつたらどうであろうかと思う。なぜこれを府県の負担に一応されるかという理由を伺いたいのであります。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。本則といたしましては国庫が出すべきものでございますが、経過措置として二十八年度限りそうやるわけであります。
○古井委員 なぜ二十八年度は、府県をお通しになるかということを伺つておるのであります。
○岡野国務大臣 経過措置でございます。
○古井委員 なぜ二十八年度は経過措置として、府県を通さなければお払いになれないか。つまり全額負担と言うけれども、経費が足らないのではないでしようか。 〔「分科会でやることだ」と呼び、その他発言する者多し〕
○塚田委員長代理 御静粛に願います。
○古井委員 つまり私が文部省からいただいた資料を見ますると、現員現給というものとこのたびの政府予算とは食い違いがある。足らないのである。つまり足らないから、足らない分を府県に負担させようという意味になるのでしようか、いかがでありましようか。
○岡野国務大臣 経過措置でございまして、今まで平衡交付金でやつておつたと同じように、やはり二十八年度は府県にある程度の負担をしていただくことになるのであります。
○古井委員 そうすれば、二十八年度におきましは全額負担でないのでありますか。
○岡野国務大臣 経過措置でございますから、不完全なところはしかたがありません。 (「本会議の速記録と違う」と呼び、その他発言する者多し〕
○塚田委員長代理 御静粛に願います。
○古井委員 そういたしますと、国家公務員の給与が足らないから府県に負担させるということでありますか。
○田中(義)政府委員 法案にもございますように、二十八年度は従来通り府県費負担にいたしまして、それに対して国庫が一定額を交付する、こういう建前になつておるのでございます。従つて二十九年度に移行いたします便宜から申しましても、現在の制度を一応踏襲いたしますことが、混乱等を避けるゆえんであると考えておる次第であります。
○古井委員 そこでただいまの御説明によると、二十八年度においては全額国庫負担にあらず、かつまた国家公務員たる者の給与を府県という自治体に一部分負担させる、こういう結果になると思います。その通りでありますか。
○田中(義)政府委員 この点は、昨日お手元に差上げました資料によりましても、一部実質上の府県費負担に相なる計算になつております。
○古井委員 この点につきまして、昨日分科会において本多大臣にもいささか伺いましたが、明らかにしておきたいと思いますけれども、これは地方財政法の違反ではございませんか。本多大臣はその節、地方財政法も法律である、この職員法も法律であると言わんばかりにおつしやいました。しかしながら地方財政法は、委員の皆さんも御承知の通りに、国の財政と地方財政との関係等に関する基本原則を定める法律であると書いてある。しかもその第二条によりますと、「国は、地方財政の自主的な且つ健全な運営を助長することに努め、いやしくもその自律性をそこない、」その次に、「又は地方公共団体に負担を転嫁するような施策を行つてはならない。」書いてあります。国家公務員の給与は国が払うのが至当でございましよう。この不足部分を地方団体の負担に転嫁なさろうという、これがさしつかえなやということになるのでありますか。私はこれは明らかに地方財政法に抵触しておると思います。御意見を伺いたいと思います。
○本多国務大臣 法律をもつて府県の負担をするということは、さしつかえがないと思います。そのかわり、国が法律をもつて府県の負担をするということにしたのでございますから、その財政措置を講じてやる責任がある。その財政措置さえ講ずれば、新たなる負担を増すわけでありませんから、理論的にも成立つと存じます。それでは二十八年度の財政措置がどうなつているかと申しますと、文部省から交付いたします義務教育転員の給与の交付金と平衡交付金と、ともに二十八年度は財政調整の財源になるのでございまして、これを合せた場合には、平衡交付金一本で調整した場合と同じ状態になるのでございますから、特に負担の増加はございません。
○古井委員 そたでは、今の本多大臣の御答弁で明らかにならぬ点が出て来ました。不足分を府県費に持たせる、そういうことは起らないという意味になるのでありますか。つまり現員現給に対して国庫負担金がまるく行くということになるとおつしやるのでありますか。それとも不足分はある、不足分はあるけれども、この不足の財源に対しては別に財源の措置が講ぜられる、こういうふうにおつしやるのでありますが、どつりでありますか。 〔発言する者あり〕
○塚田委員長代理 御静粛に願います。
○本多国務大臣 これはただいま申し上げました通り、平衡交付金と義務教育職員の給与費の交付金と、二本で財政調整の措置を、働きをするということを申し上げたのでございますが、富裕団体は自己財源をもつてその給与費を現在も受け持つておるのでありまして、今後も受け持つことになり観ず。そこで平衡交付金の交付を受けている団体におきましては、平衡交付金と自己の税収入等をもつてこれに充てることになつております。これで必要経費がまかなえるのでございますから、暫定措置として現員理給の現状でもつて参ります場合、新たな負担は増さない、すでに財政措置はできている、こういうふうに考えております。
○古井委員 少しもさつきと進展しないのでありますが、現員現給そのままの金額まるまるが一体府県に行くのでありますか。私はその点についてこの委員会の当初から資料を求めております。しかしいまだにその資料をいただくことができません。一体現在の現員現給の金額そのままが、この新しい政府の案によつて府県に行くのでありますか。行くかのようにもおつしやる、しかし行くのか行かぬのかはつきりしない。行くなら本年の財源はございましよう。行かないということであれば、不足分の財源の問題が起つて来るのであります。行くのであるか行かないのであるかということをまず明らかにしていただきたい。
○本多国務大臣 現状のままでありますならば、二十八年度における自然増分も含めて財政措置が講じてあります。
○古井委員 文部省から分科会に御提出になつたこの資料によりますと、基本給でもすでに現員現給で足りないという材料が出ております。大臣のお話と違います。いわんや基本給以外の給与を合せますと不足いたします。今は何とおつしやつた。全部行くとおつしやつた。明らかに数字が違うのである。この点はいかがでございますか。
○本多国務大臣 何回これはお答えしても同じでありますが、文部省の交付金と、自治庁から参ります平衡交付金と合せますと一千七百二十億になる。平衡交付金一本で調整した場合の財源措置とほぼ同じになります。従つて、新たなる負担を増加するということにはならない。これを申し上げておるのですが、なお御質問によつて明らかにして行きたいと思います。
○古井委員 それでは文部当局にお伺いいたしますが、明年度の現員現給額、それと交付金の額、これとは過不足がありませんかどうですか。いただいた資料によりますと、基本給だけでもすでに若干交付金の方が少いのであります。いわんや基本給以外のものを含めると、よほどそこに不足が起つて来るはずだと思うのですが、いかがでございますか。
○田中(義)政府委員 教育費の計算から申し上げますと、確かに基本給についてのその算定は、昨日お手元に差上げました資料の通りでございまして、これにつきましては、確かに現員現給につきまして少し不足をいたしております。ただそれが各府県にいかに配分して、どういう率に各府県の配分された給与費がなるかということににきましては、これもいろいろ御説明を加えておきましたように、その地方の学校の規模とか、あるいは教員の資格構成、ないしは生徒、先生の数等を確実に把握いたしまして、そしてこの実情に応ずるよう、特に現員現給にその基礎を勘案いたしまして、そしてこれを配分するように計画を進めておるわけであります。
○古井委員 文部省からいただいた資料によりますと、基本給だけで現員現給八百七億、国庫負担金七百八十七億と明らかに不足が出ておる。これは基本給だけの問題であります。総額がすでに不足いたしますれば、これをどこの県にどう配分しようが、不足が起ることはあたりまえである。本多自治庁長官から現員給で十分な財源が見てあるというお話があり、まつたく食い違つておりますがいかがでございますか。
○本多国務大臣 二十八年度の暫定措置の期間中に、現状よりも現実の教職員の数を非常に増加するというような特別の事情、また給与を増額するというような特別な事情はないと思いますから、現状通りならば、財政措置は不可欠のものは満たしている、かように考えております。
○古井委員 基本給だけで八百七億に対して七百八十七億しか与えないのに、どうして満たしていることになりましよう。足らないことは明らかであります。
○本多国務大臣 文部省の資料の説明は文部省に譲りますが、私がただいま申し上げました通りに、二十八年度は、大体において現状通りで横すべりとわれわれは考えております。従つて教員の数が著しく増加するとか、あるいは給料が著し(高くなるというような事情がないと考えられますので、ない限りは現状通りでございますから、現状に対応する財政措置は千七百二十億の平衡交付金の一本でやつた場合と同じ措置が講じてございます。
○古井委員 文部省の方は、先ほどの御説明を伺つたところによると、明らかに足らないことになつておる。本多大臣は足るとおつしやる。これはどつちがほんとうと考えたらよろしいのでございますか。 〔塚田委員長代理退席、委員長着席〕
○岡野国務大臣 お答えを申し上げます。御承知の通り、地方の財政基準需要額と基準財政収入額とを認めまして、そうしてその足りないどころを、大まかに申しますれば平衡に交付金で渡す。そうして二十八年度の財政措置といたしましては、千七百二十億あればとにかく一応の財政のバランスがとれるということになつております。それを今回経過措置といたしまして、平衡交付金から九百二十億をとつて国の負担金にしたわけですから、何ら内容には触れておりません。
○古井委員 それではどういうことになりましようか。今の基本給に対するだけでもすでに不足がある。附帯した費用については遺憾ながらまだ資料をいただけないから、はつきりした数字を見ることはできない。多分不足があるから資料がいただけないのだと思いますが、基本給だけでも不足が出ておる。交付金として与えるものがすでに現員現給に足らないならば、他の財源措置がなければならぬ。ところが平衡交付金には、今度は教育費関係は全然見ていないので財源がないことになります。この点はどつちが正しいか、間違つておる方を間違つておるとはつきりしていただきたい。
○田中(義)政府委員 差上げました材料は基本給についてでございます。その他の給与等につきましては、これは財政全般の関係を持ちますので算定が非常にむずかしいのでございますので、さしあたり間に合いかねましたから、基本給だけを計算して差上げたわけであります。で私の方で申し上げたのは、教育費についてのみ申し上げておるのでございまして、従つて全財政からの問題としては、私どもとしてこれを確実に申し上げる材料を持たないのでございます。
○古井委員 教育費九百二十億では、要するに現員現給をもとにすれば、不足があるということはお認めになつておるわけですが、それは間違いないと思うがいかがですか。
○田中(義)政府委員 九百二十億は、来年度の教育費の財政計画として立てました数字から出た計算でございまして、現員現給の全額に対しては、資料として差上げましたように不足をいたしております。
○井出委員 議事進行について。ただいま承つておりますと、本多国務大臣の御答弁と田中局長の資料に関する説明とが著しく食い違つております。本多大臣は、平衡交付金と国庫負担金とを合せれば、国から流してやる金額においては現員現給が確保される、こう申しておられる。しかし文部省からわれわれに提出された資料によりますと、八百七億でございますか、この基本給を満すに足りない七百八十数億しか計上されておらぬという、この資料について、岡野文部大臣は少しも御存じないような状況でございます。われわれはこういう不統一な答弁では満足できません。従いまして、十分間ばかり休憩を求めまして、この間政府は統一した御答弁を発表願いたいと思います。われわれはきわめて建設的に、十分間の時間を切つて答弁を要求しておるのであります。委員長においては御採用を願いたいと思います。
○太田委員長 ただいま井出君からの御要求がありましたが、政府で答弁が一致するように協議されたいと思います。休憩せずに待ちましよう。
○岡野国務大臣 地方財政のことについて、少しこまかくなりますけれども、都道府県が今まで平衡交付金で現員現給で足りなかつたのに治まつているのはどういうわけかと申しますと、基準財政収入のときに税収は七割しか見ていないのです。あとの三割というものは、よけいにちやんと自由にとれるようにしてあり、それをもつていろいろ都道府県の財政をバランスさしております。そういうことでございます。(「大問題だ」と呼び、その他発言する者多し)ですから二十八年度において——御静粛に願います。——それで今までの状態でございますと、税収入が百とれる実績がありますならば、それを財政収入には七十しかとらぬことにしまして、あとの三割を都道府県が自由自在に使えるようにとつてあるのであります。そうして今まで平衡交付金で勘定して差上げておりますのがある程度のものでございます。それから今度それ以上に出ますのは、税収のあとの三割の余分で、都道府県が自由裁量でこれを使つておる。そういたしますと、二十八年度は千七百二十億あればそれで出て行くのです。千七百二十億で足りないところは、三割のアローアンスがありますから、その三割の税収をとつて、そしてかつてなことが地方でやれておるのです。 (「議事進行」「大違いだ」と呼ぶ者あり〕
○太田委員長 中曽根君。
○中曽根委員 ただいま岡野文部大臣の御答弁は重大な御答弁であります。総理大臣が施政方針演説で何と言つたかというと、私は明らかに覚えている。ここに「義務教育費の全額国庫負担を決意し、」と書いてある。道義の振興そのために全額国庫負担を決意し、国家公務員に身分をかえ云々と書いてある。全額国庫負担とは何ぞやということを聞かれて、給与費を全部受持つことであると言つておる。今の話では全部受持つていない。府県でサービスしろということである。サービスしろということは明らかであります。こ争いうような食言をすることは、われわれは見のがすことができない。総理大臣の答弁が正しいのか、岡野文部大臣の言つているのが正しいのか、これを明らかにしてもらいたい。あくまでわれわれはこれを追究する。
○岡野国務大臣 二十八年度は暫定措置でございますということを先ほどから申し上げております。
○中曽根委員 総理大臣の演説は暫定措置とかなんとか言つていない。二十八年度の予算に関してそういう演説を堂々としている。何も二十九年度からやると言つているのじやない。本年度の予算を言つているのである。しかも「全額国庫負担を決意し、」と明らかに言つて、そのために教員の身分を国家公務員に切りかえるのだということを言つている。今二十八年度、二十九年度と言つたけれども、それなものは詭弁で答弁にならぬ。総理大臣の演説が間違つているのだから直しなさい。 〔「天下の一大事だ」「えらいことだ」「答弁はいらぬいらぬ、はつきりしているのだから」と呼ぶ者あり〕
○太田委員長 静粛に願います。
○向井国務大臣 私が財政演説で申しました場合に、義務教育は全額国庫負担の方針のもとにということを申しておるので、方針は持つておるのでございます。
○中曽根委員 今大蔵大臣の答弁に関連して、はつきり私は言います。大蔵大臣は「方針のもとに」と言われたけれども、総理大臣の施政方針演説には「全額国庫負担を決意し、」よつて教員の身分を国家公務員にすると明らかに言つている。それは明らかに言つている。それは二十八年度からやると書いてある。昭和二十八年度の施政方針演説で言つているのであります。従つてあなたの答弁とも違うのだ。総理大臣の演説が間違つておるのだからここで訂正してください。 〔発言する者あり〕
○太田委員長 静粛に願います。
○向井国務大臣 総理大臣が決意をいたしまして、私が方針を立てたのであります。(拍手、笑声)
○中曽根委員 ただいまの大蔵大臣の答弁はきわめて重大な答弁であります。ただいまの大蔵大臣の御答弁によると、総理大臣が決意して、私が二十八年度は暫定的にやつた、こういう御答弁だ。これは内閣不統一であります。総理大臣の決意と大蔵大臣の方針は一体になつていなくちやならぬ。総理大臣の命令通りやつていないならば、大蔵大臣は総理大臣から罷免されなければならぬ。しからずんば、総理大臣はわれわれにうそを言つたということである。明らかにして、もらいたい。
○太田委員長 横路君。
○横路委員 私は岡野文部大臣と本多国務大臣の両方にお聞きをしたい。それは、昭和二十七年度の平衡交付金算定にあたつて、文部省と自治庁との間にどういう話合いをかわされて二十七年度の平衡交付金を算定したかというと、一般の地方の教職員は昨年の十一月以前の給与べースにおいて三百四十九円高いといつて、その分を引いて平衡交付金を算定した。従つて昨年の補正予算の地方行政委員会等においても、それぞれ全国知事会、市長会、町村長会の代表を呼んで問いただしたところ、全国知事会等においては、三百四十九円の減額については了承できないから、よしんば国で平衡交付金をよこさなくとも、地方財政において負担をするといつて、現に全国知事会においては、三百四十九円は引かないで、従つて十一月以降においては、教員一人当り七百九十四円だけを平衡交付金よりは多く支給しているのである。今回この義務教育学校職員法案の提案にあたつて、岡野文部大臣は、いわゆる地方の教職員の現在の俸給については絶対に切下げないと言明している。従つて言明している以上は、今日七百九十四円の高いものだけは、当然今年算定のいわゆる九百二十億の上にかぶつて来なければならない。このことは当然この義務教育学校職員法案の中に明らかに地方教職員に対しては引かないと言つている。そうすれば現在の俸給において一人当り七百九十円高い点については、明らかに九百二十億の中には算定していない。先般の地方行政委員会において、私は岡野文部大臣にこの点を問いただすと、おそらく都道府県において負担してくれるものと信じておる、と答弁しておる。本多国務大臣は同じ席上において何と言つているか。私は、自治庁長官としては都道府県知事に対して、それだけ高い七百九十四円に対しては負担してもらいたいということを言える権限はない、と言つている。明らかに矛盾をしている。この言に対して岡野文部大臣は、都道府県知事は負担してくれると思つている、と言つている。明らかに七百九十四円は低いのである。従つて私は、本多国務大臣にもお尋ねしたい点は、この地方財政法の第十三条においてどういうふうになつているか。あなたは自治庁の長官として朗らかに御承知だと思う。新たに地方公共団体の事務が国の事務というようになつた場合においては、その点について新たなる財源措置をしなければならないというように規定されてある。新たなる財源措置とは、七百九十四円について今回当然これを岡野文部大臣の責任において、いわゆる義務教育国庫負担金としてこれを計上しなければならぬ。この点は一体どうなつておるのか。文部大臣は先般の本会議における答弁においても、義務教育費については全額国庫負担する、と言つている。また総理大臣の本会議における施政演説は、速記録を見れば明らかである。義務教育費については全国庫負担すると言つている。しかし岡野文部大臣は、地方が負担するであろうと言い、自治庁長官は、そういうものを負担させる権限はない、と言つている。 〔「二十九年度からやるのだ」と呼び、その他発言する者多し〕
○太田委員長 静粛に願います。
○横路委員 黙つて聞け。だから昭和二十八年度において都道府県知事が引下げても、政府としてはこれらに対してて抑制できない、こういう食い違いを生じておる。その点について明らかにしていただきたい。
○岡野国務大臣 今回の法律で、現員現給をもつて国家公務員にする、と書いてございます。
○本多国務大臣 お話の通り、平衡交付金の算定にあたりまして、基準財政需要額を見積る場合、地方の公務員と国家の公務員との間に給与の差額があります。この差額に対する財政措置は講じてございません。しかしその差額は昨年度におきましても地方の負担で来ているのでございますから、二十八年度においても同じ状態でありましたならば、負担が特に増すという点はないということを申し上げておるのであります。
○横路委員 私は自治庁長官にお尋ねしたい。あなたは、地方行政委員会において、負担はかわらないと言うけれども、今までのように平衡交付金一本でなしに、明らかに義務教育費については国庫負担でひもつきでやつたのです。それは岡野文部大臣も答えている。そういうように性質がかわつたのだから、政府としては都道府県知事がそれだけの金が来ないからといつて、前々から算定されている七百九十四円について差引いても、政府としてはこれに対して引いてはならぬということは言えないとあなたは答弁したではないか。そうすればあなたは、七百九十四円の引下げについてはこれは抑制できない。岡野文部大臣は引いてもらいたくなくて、やつてくれるだろうと言つている。何ということだ。この点について明らかにしてもらいたい。
○本多国務大臣 現状通りでありましたならば、新たな負担を増すわけではございませんから、理解して現状通りの負担をしてもらえるものと考えております。
○横路委員 義務教育学校職員法案では岡野文部大臣は何と説明しているかというと、現在支給されている教員の俸給は下げないという。その下げない仕方についてそこにいる初等中等教育局長に地方行政委員会で間い尋ねたところが、何と言つたかというと、この義務教育国庫負担金では小学校、中学校の教職員並びに事務職員については実際には五十万人しか採用しないのだけれども、から定員として五十三万人分組んで、その三万人分だけ五十万人の上にかぶせて流すから、これでもつてやれると、あなたは答弁したではないか。これは明らかに違法措置である。五十万人しかいないけれども、五十三万人組んでおいて、その三万人だけは五十万人の上に流すから、それでやれると言つているが、これは明らかに財政法上の違法措置だ。この点について、初等中等教育局は文部大臣を補佐して答弁したのだから、きようここで明らかにしていただきたい。 〔「から予算じやなないぞ」と呼び、その他発言する者多し〕
○太田委員長 静粛に願います。
○田中(義)政府委員 私は当時、特にわざわざそのためにから定員をつくつて、その費用を他へまわすというような意味で申したつもりはないのでございます。御承知のように、従来財政計画におきましては、例の一学級について小学校に一・五、中学校に一・八、あるいは結核教職員について一・三三という従来算定いたしております、その基礎をもとにして、従来とも全国の定数を算出いたしておるのでございまして、その方針を常に踏襲いたします関係上、来年度におきましても、その先生の数が、事務職員をも加えまして、約五十三万人に相なるわけでございます。ただ現員を調べますと、それが事務職員をも加えまして、約五十一万近くに相なるわけでございます。そこで実際の予算の定員といたしましては、二万人をともかく計上する。これは給与費としてあり、これをそれぞれ各地方に配分いたしますので少くともそれだけの費用は実際問題として大体不足分にまわすことができる、そういうふうな意味に率いて、当時御説明いたしたのでございます。
○中曽根委員 ちよつと関連質問…。総理大臣はこの間の施策方針演説でこう言つている。「道義の高揚、治安の確保、国民生活の安定は、組閣に際し政府政策の基調として声明したところでありますが、道義の高揚は、究極において教育の作振にまつほかはありまん。政府が今回義務教育費の全額国庫負担を決意し、教職員を国家公務員とするの措置をとるは、このゆえにほかないのであります。(拍手)」と書いてある。道義の高揚ということが中心になつておる。ところが今の局長の話を聞いてみると、二万人の幽霊人夫をここへ置いておくということである。ところが会計検査院では、そういうふうに幽霊人夫を置いて予算を流用するというようなことは、これはみんな取締つて縛つておるのである。今の話を聞きまして、局長と大臣は幽霊人夫を置いて、財政法や、会計検査院をごまかそうとしておる。国警長官、何をしておるか。すぐ逮捕状を出しなさい。下級官吏がそういうことをした場合に、逮捕状を出しておるのに、大臣や局長がそういうことをした場合に、ほつておくということはない。道義の高揚とはいかなることですか。すぐ逮捕状を出しなさい。この問題が明らかになるまでは、われわれはひつ込むわけには行かない。文部大臣にお尋ねいたしますがそういうような予算の編成や、予算の流用をしてよいのでありますか、財政法上それは許されておりますか、いかがでしようか。
○田中(義)政府委員 私の御説明申し上げました発言に対する御意見でありますから、一応私からお答え申し上げますが、決して給与費の他への流用ではありませんで、給与費の中の経費であります。なお幽霊定員とおつしやいますけれども、実際問題といたしまして、二方と申しましても全国市町村の数は一万もございますので、各町村単位に、かりにその欠員をそれによつて割当ててみましても、実は一村あるいは一町に二人ないしせいぜい三人あるかないかという程度でありまして、その程度の欠員というものは、実際問題としても全国的にあるわけでありまして、決してこれをから定員として故意に操作しようというものではないのであります。
○河野(一)政府委員 お答え……。 〔「大蔵大臣を出せ、主計局長ではだめだ」と呼びその他発言する者多し〕
○向井国務大臣 主計局長をして答弁いたさせます。
○河野(一)政府委員 これは給与費の負担に関する算定基準の問題でございまして、財政法上おつしやるような疑問点はございません。
○横路委員 先ほどの私の問題について、私はもう一ぺん岡野文部大臣と本多自治庁長官から答弁をいただきたい。まず岡野文部大臣に伺いたいが、この職員法案では、明らかに現在受けておる教員の俸給はそのまま切りかわることになつておる。ところがなつておるということについて、明らかに昨年十一月二十五日高いと称して三百四十八円引いて渡した。ところがその高い分については現在そのまま渡しておるものを、国が認めて切りかえるのだから、当然その分は足りなくなる。その足りなくなる分は一人平均七百九十四円になる。だからその分だけは当然九百一億の上にかぶつてなければならないのにかぶつてない。 〔「何回同じ質問をする」と呼びその他発言する者多し〕
○太田委員長 静粛に願います。
○横路委員 そうするとこの職員法の中で、現在の職員についてはそのまま切りかえて、その俸給については確保するというならば、当然文部省が算定した九百一億円の上に、この一人平均七百九十四円についても、これを算定してかぶせなければ、その基礎的な数字が合わない。だから文部大臣は本国会においてはこの九百一億で通すなら通してよろしいが、当然この年度内において適当な場合にこの七百九十四円に当る補正予算を提出しなければ、一体この九百一億で算定したものは最後に至つて赤字になることは明らかなんだ。さらに自治庁の長官は、この点については都道府県知事にこの通りやれという権限はないと言つておる。従つて自治庁長官はやれないと言う。文部大臣はやつてもらえと言う一体その点について両者からここで答弁してもらいたい。さらに文部大臣に、あなたは義務教育費については国が責任を負うというのであるから、一人当り七百九十四円の分については、この二十八年度内において場合において補正予算を出さなければならない。さらに自治庁長官としては、この地方財政法の第十三条にこうなつておる。「地方公共団体、地方公共団体の機関又はその経費を地方公共団体が負担する国の機関が法律又は法令に基いてあらたな事務を行う義務を負う場合においては、国は、そのために要する財源について必要な措置を講じなければならない。」というのであるから、当然適当な国会において、あなたはこの補正予算を組まなければならないのだ。その点について問いただしておるのに答弁がないのである。その点はつきりしていただきたい。
○本多国務大臣 当然に財政措置に不足を来すというお話でございますが、私はさいぜんから申し上げております通り、現状通りでありますならば、当然に不足を来さないと思います。さらに政府が地方に向つて幾らく払えというさしずはできないということを言つたといたしますれば、これは私は平衡交付金の性質で申し上げたことと存じます。今回この義務教育職員法によりまして、この給与は府県の負担とすと法律できまればもちろん府県の負担でございますが、その場合の教員の給料も教員の数も現状通りでありますならば財政に欠陥を生じない、こういう意味でございます。
○岡野国務大臣 本多自治庁長官が申し上げました通りであります。
○辻原委員 関連して。ただいまの自治庁長官並びに文部大臣の御説明でありますが、問題は、財政計画に基く数字においで文部省が要求をした数字とすでに財源措置をされた数字との間には、基本給においても、二十億の差異があるということは資料によつてすでに明確なんだ。さらに財政計画の数字とその他の給与を含めた、文部省が現員現給を基礎にして要求をした数字、その数字の間にはすでに六十六億の差異があるということは、これは今まで文部省並びに自治庁が答弁をいたして参りましたけれども、明らかに先般知事会議等においてもその点を指摘して、すでに二十八年度の暫定措置といえども、この点については大きな赤字を生ずるであろう。その場合に地方団体にそれを転嫁しても、地方団体側としてこれは負担しないということを明言しておる。そこで問題は先ほどの質疑の方で明らかになり、しかも答弁がありましたが、この不足財源について、文部省の従来までのこれに対する答弁は、いわゆる実員と定員との差でもつてこれを補うということを言つている。また先ほど文部大臣が答弁せられたところによると、その不足分については、地方団体の基準財政収入額の三割によつてこれをやるであろうということを言つておる。すでにこのことは財政計画とそれから現員現給との横すべりにおいて切りかえる場合の所要額との間には食い違いがあるということを認めておる。その点について食い違いがあると思いますが、いま一度文部大臣並びに自治庁長官にこの点に関してお伺いいたしたい。はつきり食い違いがあるということを聞きたい。 〔発言する者あり〕
○太田委員長 静粛にしてください。
○本多国務大臣 お答え申し上げます。何同も同じお答えになるのでございますが、二十八年度において現状で推移いたします限り、地方財政の負担部分は同じであり、それに対応する財政措置を講じてございますから、新たなる負担の増加ということにはならないと考えております。
○岡野国務大臣 自治庁長官が申されました通りに、二十八年度の財政計画におきましては、とにかく千七百二十億の平衡交付金をもらえば地方の財政は立つて行く。それでこの職員法を出しませんでも、現員現給で地方は出すのであります。 〔発言する者あり〕
○太田委員長 静粛に願います。
○岡野国務大臣 よくひとつお聞取りを願いたいと思います。二十八年度の地方財政計画といたしまして、財政需要額と財政収入額と申しますものにつきましては、税収入の七割とほかの国庫負担金補助金などを加えましてそうして差引きました分が千七百二十億になるのです。それでございますから現員現給で行きますならば、平衡交付金でやつた財政計画と同じことになるわけです。でございますから、二十八年度に関する限りは、これできれいにバランスが合つているわけであります。
○辻原委員 今の文部大臣の答弁によりますと、結局これは基準財政収入額の三割でもつて、二十八年度は地方が自主的に出すのだということを言つておると思うのであります。そういたしますと、先ほど自治庁長官がこの点について少くとも二十八年度の暫定措置といいながら国家公務員として国家公務員法に基いて給与の負担責任が当然これは国に帰する。国に帰して一応国庫負担金として全額を補償することの建前から行くならば、その他の国が交付する国庫負担金以外に地方が出すということはしない。すなわち財政上負担すべき全額について国が補償することは当然であるということを先ほど述べておられる。そういたしますと、明らかに文部大臣はこれは地方に自己財源として残された三割でもつて二十八年度は足らず分をやるんだと言うし、自治庁長官は二十八年度の暫定措置といえども、これは明らかに国がその給与の全額について補償すべきである。こういうふうに答えておる。この食い違いは一体どうしたことか、あらためて自治庁長官にお伺いたしたい。先ほどの速記録をくつて見ればそのことは明らかである。
○本多国務大臣 食い違いがありますならば、ひとつ御指摘を願います。私の答弁は一向かわつておりません。基準財政徴収額を算定いたします場合、収入見積額の七〇%で基準財政徴収額を算定いたしておりますが、残りの三〇%は自主的財源であることは御指摘の通りでございます。
○中曽根委員 先般来の大蔵大臣や地方自治庁長官やあるいは文部大臣の答弁は非常に間違つております。大蔵大臣が出したこの予算の説明資料に何と書いてあるかというと、こう書いてある。「義務教育の機会均等と、その水準の維持向上とを図るため義務教育諸学校の教職員の給与費の全額」と書いてある。給与費の全額と言つておる。しかも給与費の全額が出て来ておるかというと、そうではない。府県にサービスしてもらうということが前提ではないですか。しかも今局長が言つたことには、二万人の幽霊定員がありますということを答弁しておる。そういうようなインチキの予算編成方針でもつて辛うじて糊塗しようというのではないですか。河野局長は、今何と言つたことか。算定基準としてそういうことを認めたのでありますから、財政法の問題ではありませんと言つておる。そうすると各省も各庁もこれから幽霊定員をみんなつくつて、そういう算定基準をやつておることを許しておるのか、大蔵大臣そういうことを許しておるのでありますか。いかがですか——この説明資料の言葉の違いとそういう算定基準を予算編成方針として許しておるかどうか、大蔵大臣から聞きたい。
○向井国務大臣 政府委員より答弁をさせます。 〔発言する者あり〕
○太田委員長 静かに。
○河野(一)政府委員 かわつて御答弁申し上げます。ここにも書いてございますように。「給与費の全額および義務教育の教材費の一部について国庫負担とする方針の下に二十八年度において負担する金額」すなわち「方針の下に」と書いてあります。
○中曽根委員 私のは「二十八年度予算の説明」と書いてある大蔵省主計局が書いたものです。それの十五ページ、「義務教育費国庫負担金」と書いてあるところの説明、ここに「義務教育諸学校の教職員の給与費の全額」と言いある。給与費の全額である。
○河野(一)政府委員 「および義務教育の教材費の一部について国庫負担とする方針の下に」と書いてあります。
○中曽根委員 そんな言葉で逃げられるものではない。これは重大な政治問題なんです。第二の問題のそういう予算編成方針を許しておるのかどうか。大蔵大臣に御答弁願いたい。各省も各庁も幽霊定員をつくつて、自分でいいかげんに出したり、足りないところをカバーしておるというような、そういう予算編成方針をあらゆる省に許しておるのか、河野主計局長は許しておると言つておる。
○向井国務大臣 算定基準でございまして、定員ということではないのでございます。
○中曽根委員 そういう算定基準をあらゆる問題について許しておるのかどうか。
○河野(一)政府委員 行政組織法あるいは定員法にいう定員ではございませんの査、これは負担金を交付する場合における算定の基準でございまして、から定員とかなんとかいう問題には触れて参りません。
○中曽根委員 ここで重要な問題がはつきりして来たのは、総理大臣が施政方針演説をやるときには、義務教育費の給与に関してはおそらく全額国庫負担でやる決意であつたのだろう。またその意図のもとに総理大臣が施政演説をやつたと思う。現にここに書いてある。元来ならば義務教育費の全額国庫負担というならば、単に人件費だけではない。教材費も全額である。施設費も全額である。それが当然の全額である。しかし百歩を譲つても給与費の全額というものは、この思想からは当然出て来ておるはずなのです。それをまず間違つてやつておる。偽つてやつておる。現にここに出て来た法案は、義務教育学校職員法案という名前に切りかわつておる。最初政府が考えたのは全額国庫負担という法律であつたらしい。全額国庫負担法という法律を出そうと思つたところが、実は地方にサービスさせなくちやならぬというので、学校職員法という名前にすりかえてのがれようとして来た。この厳然たる事実は、今の答弁と総理大臣の演説に明らかに出て来ている。これを明らかにして、総理大臣の演説が間違つているのであるならば、われわれはこれを認めるわけには参らぬのであります。
○向井国務大臣 前に私の申しました答弁と同じでございます。
○中曽根委員 私は、今の答弁に満足しない。しかし関連質問があるから、先に許す。
○辻原委員 ただいまのから定員の問題でございますが、関連してお伺いいたしたいのは、これは二十八年度の暫定措置、経過規定であると述べておりますけれども、その場合おいても、その定員については「政令で定める」と明らかに附則の第七において述べておる。そういたしますと、ここで「政令で定める」定員というのは、そのからをはずしたいわゆる現員現給に切りかえ、予算上措置されている定員を削つたもので定めるのかどうか、まずこれを聞きたい。
○田中(義)政府委員 お答え申し上げます。法令に書きましたあの定員を政令によつて定めるとしております場合には、これは現実の数をもとにして制定するようにいたしたいと考えております。
○辻原委員 そういたしますと、ここで定員については、ともかく予算上措置されるもので政令をもつて定めるという。そうすると、従来から答弁をいたしておつた、定員五十三万と実員五十万との差でもつて埋めるということが事実上できないことになれば、話は元にもどつて、当然この財政措置と現員現給に要する経費との間の食い違いは、都道府県に負担をかぶせなければならない。すなわち九百二十億プラス基本給であれば二十億、その他のものを含めば、さらにそれに加うるに少くとも四十六億程度のものが加わつて来ることになる。そうすると、都道府県には何ら国家の財政補償のない支出を二十八年度には強制することになるが、この点についてはどうか、いま一ぺんお伺いをいたしたい。
○田中(義)政府委員 政令によつて定員を定めますその定員は、各府県の実際の定員を元にしてきめたいと思つているのでございます。なお財政措置につきましては、しばしば説明がございますように、国の措置としては平衡交付金及び今回の教員に関する給与費において、総額においてはわからないはずでございます。
○太田委員長 古井君にお諮りいたします。今の問題はまだあとでもう一ぺん辻原さんがやられることになつておりますので、あなたの御質問を続けていただいてはどうかと思います。いかがでございますか。
○中曽根委員 ただいまの義務教育学校職員法に関する政府側の答弁は非常にまちくであるのみならず、総理大臣の施政方針演説に……。(発言する者多し)
○太田委員長 静かに。
○中曽根委員 施政方針演説に反する答弁がありました。これはきわめて重大な問題でありまして、われわれは明日総理大臣の出席を求めまして、総理大臣に直接この意図したところをお聞きすると同時に、地方に負担をかけているという厳然たる事実、あるいは予算編成上のいろいろな基準、そのほかただいま問題になつた点について、明日に質問を留保いたしまして、われわれはこれを重大なる問題として取上げることをここに表明いたしまして、古井君の質問を継続することにいたします。
○古井委員 それではただいまの問題につきましては、今中曽根委員の発言の通りいたしまして、他の問題に移ります。 文部大臣にお尋ねいたしますが、この市町村の教育委員会の問題であります。市町村の教育委員会はもともと大きな働きのできにくい機構であつたと思つております。いわんや今回の法律においては、教員の人事権についてもいろいろな制約を加えられて、市町村の教育委員会が人事権を持つているというのはほとんど名ばりになつて来たように思うのであります。こういたしますと、人事権についてはほとんど名前だけ、その他の方面につきましても市町村教育委員会は働く余地がまことに乏しいと思うのであります。こうなりますと、この市町村教教育委員会の存廃問題を取上げて考えなければならぬ状況になつて来たと思うのでありますけれども、この点についてはどうお考えになりますか。やはりこれを整えて、育てて強化して行こうというお考えでありますか。市町村の委員会は今日まだ十分に整つておらぬようであります。これが時期がたちまして四月以降になりますと、あの教育委員会が教育長も選任ができ、職員もでき、もうあとに引けないようになつて来ると思うのであります。考えるならば、一日も早くこれは考えなければならぬ状況になつて来たと思いますけれども、どうお考えになりますか。やはりこれを強化して行こうというお考えでありますか、お伺いいたします。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。せつかくつくりました市町村の教委員会でございますから、私はこれは育てて行くべきものだと考えます。
○古井委員 現在市町村の教育委員会には選任の教育長がどれくらいできましたか。ほとんどまだ十分なかつこうに行つていないと思うのであります。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。なるほど教育長に適任者を得られないために、半分くらいしかまだできておらぬと聞いております。しかしそのために研修をするとか何とか、いろろいな方法を講じて充実したいと考えております。
○古井委員 教育長もないような市町村教育委員会を置きましても、どうにもなるものではないと思います。しかしとにかく行き出したものだから行こうというお考えのようですが、これは無用のものである。のみならず、後日必ず弊害だけの存在になると思います。しかしこの座ついてはなかなかいいとお考えになつておるようでありますが、よくお考えになつていただく日が、ある時期には必ず来ると思います。しかしこれについては同じことを繰返すことをよしたいと思います。 そこで次の問題でありますが、義務教育国庫負担金九百二十億という金額は二十八年度においてもなお足りないので、平衡交付金の方から負担金の方に持つて来ようというお考えがありますか、ありませんか、このことをお伺いしたい。
○岡野国務大臣 ただいまのところはあれでやつて行けると考えております。
○古井委員 それでは九百二十億でやる、こういうお考えと了解いたします。 そこで本多大臣に、八百億の平衡交付金、あの方に九百二十億のうちから移用する、そういうお考えがありますか。ありませんか。
○本多国務大臣 今回の教職員法案か成立いたしますと、当無九百二十億必要なものでございますから、成立すれば、移用の余地はないのです。
○古井委員 そういたしますと、予算総則第十四条の規定というものはどういうことになりましようか。まつたく不必要な規定ということになりましようか、どうでありましようか。
○岡野国務大臣 今いろいろ実態調査なんかしておりますから、必要があれば移用できるよう予算規則をつくつております。
○古井委員 先ほどのお話では、九百二十億でやつて行くという意味におつしやつたようでありますけれども、まだそこにあいまいな点が残つておりますが、どうでありますか。九百二十億でやつて行くのか行かないのか。
○岡野国務大臣 できるだけ既定の方針でやつて行きたいと思いますけれども、万全を期する意味におきまして、ああいう規定を置いておる次第であります。
○古井委員 そうすれば、場合によれば平衡交付金の方から九百二十億の中に持つて来ようというのでありますか。そういう場合もあるとおつしやるのでありますか。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。あるかもしれませんので、ああいう規定を置いたのであります。
○古井委員 そういたしますと、本多大臣は、平衡交付金の方から九百二十億の方に持つて行つても、地方の財源は充たせるというお考えでありますか。もう持つて行く余地はないとお考えになりますか。
○本多国務大臣 移用の規定はあるようでありますが、ただいまのところ、八百億の平衡交付金からさらに義務教育職員の給与費の方にまわす余地はないと思います。
○古井委員 八百億から持つて行く余地はないと本多大臣は言われるのでありますが、これはもう九百二十億に持つて行く余地はないのではありませんか。文部大臣はどうにも動きがつかぬのじやありませんか。持つて行く余地はないと解するのでありますが……。
○岡野国務大臣 万全を期する意味において移用の規則をつくつているわけであります。
○古井委員 いかに万全であつても、八百億の方はどうしてもいると本多大臣はおつしやつている。持つて行く余地はないと思うのであります。成り立ちようがないではありませんか。われわれは、どつちの方のに持つて行かれるかということがわからないで白紙委任のようなことは容易にできないと思う。地方自治体のためにも、こういう白紙委任はできない。持つて行かないのがあたりまえだと思うのであります。この点は余地がない問題だと思うのでありますけれども、どうでありますか。これは全国自治体の財政の問題として重大問題だと思うのであります。
○河野(一)政府委員 私からお答えいたします。義務教育費国庫負担金は九百二十億で足りる建前でございます。足りると思います。しかしこの定員定額をきめます場合に、定員のきめ方でございますが、児童の数に応じてきめられるわけであります。この四月に入つて来ます児童の数というものは一応の推計でございまして、確定的のものでございませんので、そういつた関係で、多少の異動が起るかもしれない、そういうことの用意のために移用の規定を置いたのでございます。
○古井委員 そうすると、この平衡交付金八百億というものは、そういう可能生があるから、交付しないで置いておこうということになるのでありますか。一体そういう余地を置いておくべきものでないと思う。今の御説明でありますけれども、都合によると持つて行くという考え方になるのでありますが、これは本多大臣はそれでよろしいのでありますか。御答弁とつき合わぬかつこうになつております。どうでありますか。
○本多国務大臣 さいぜんお答えいたしました通り、ただいまのところ、八百億と九百二十億でやれると思つております。いずれにいたしましても、ただいま主計局長が答えました通り、本年は九百二十億の負担金と、さらに八百億の平衡交付金で、ともに合計いたしまして財政調整の財源となるものでございますので、わずかばかりのやむを得ざるものが生じても、地方の財政調整を害しないようにやるつもりでおります。しかしただいまのところは、そういう必要はないと考えております。
○古井委員 まことにあいまいにお話になりまするが、それでは移用の余地を残しておくということになるのでありますか、要するに結論であります。そうであるならば、一体どれだけ移用が起るのかわかつたものではない。また移用ということを言つておると、計画が両方とも立たなくなつてしまう。だから移用はしないのではありませんか。
○河野(一)政府委員 移用ということはできるだけ避くべきであります。しかしこの制度の改正にあたりまして、先ほど申し上げたような事情で、さ少の金額の移動を生ずるかもしれない。その場合に制度の運営上支障があつては困りますので、こういうような権限の委任をお願い申し上げておる次第であります。
○古井委員 これは大きな制度の施行であり、大きな金額を配分する場合に、さ少の必要でもつて移動を行うというのでありまするか。一体さ少とおつしやるのはどういうことをお考えになつておるのか。これを設けてあるがために、しいて必要がありそうだとおつしやるのではないですか。これでは両制度が施行できないと思うのであります。
○河野(一)政府委員 この制度の実施の場合において、多少の移動が起るかもしれません。大体これでやつて行けるという考え方を持つておるのでありますが、実際の実行にあたつて支障の起つた場合に備えて、このような移用の規定を置いたわけであります。
○古井委員 おそらくこれは移用の余地はないのであろう。ただ規定を設けたために、しいてありそうにおつしやるだけであろうと思う。またそれでなければ、相当大幅に一般財源が教育費の方に持つて行かれる、あるいは教育費の方が一般財源の方に持つて行かれるというのでは、これは自治体の財政のためにまことに不安きわまる問題であります。移用は大体なかるべきものと思うのであります。しかしこの点については、いきさつ上今のお話以上にはおそらく進まないと思います。移用はないことに運用あるべきものと思うのであります。 それでは私はきようはこの程度にとどめたいと思います。さつきの保留の問題は、明日以後の問題とします。
○太田委員長 辻原弘市君。
○辻原委員 先ほどから前質問者の御質問をいろいろ承つおつたのでありますが、それに対します御答弁がはなはだ不明確でありまするので、重ねてお伺いいたしたく思います。 その第一は、今回の義務教育学校職員法案を提案するについて、義務教育職員を国家公務員とするという方針を出されておるのでありますが、再三再四にわたるいかなる理由に基いてそうしたかという質問に対して、いまだに明確な御答弁がありませんので、重ねてこの点をお伺いいたしておきたいと思います。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。ただいままでるる申し上げた通りで御承知を願います。
○辻原委員 るる申し上げた通りとおつしやいますと、おそらく先ほどの答弁にもありましたように、紋切型の提案理由と同じこと、義務教育に対する国の責任を明らかにするということがその最も必要なる理由であるように述べられておりますが、ここで私のお伺いいたしたいのは、一体義務教育について国の責任を明らかにしなければならないとするその根拠は何であるか、その点について承りたい。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます、義務教育は国の責任においてやるべきものと私は考えております。これが根拠でございます。
○辻原委員 その国の責任でやろうとする根拠について私はただしているのでありまして、従つて憲法その他、文部大臣が国の責任であると規定されたこの根底について私は聞いているのであります。
○岡野国務大臣 憲法の二十六条に義務教育を国民に課しております。そうして課したのは都道府県でも市町村でもなくして国が責任を負わなければならぬ、こう私は考える次第一であります。
○辻原委員 憲法第二十六条を持ち出されておりますが、この点について私は、憲法二十六条は前段において教育の機会均等を述べて、後段において義務教育を無償とするという国の責任を規定しておると考えるのでありまして、おそらく大臣の言われるのは、後段の義務教育を無償とするということから論理を飛躍させまして、ただちに国の責任として、さらにそれを飛躍さして、国家公務員とするというところに結びつけられたのであろうと、かように考えるのでありますが、この義務教育無償ということは、私は国が直接に経費を負担するとか、あるいは国が直接に義務教育を管理監督するといつたことを規定しておるのではなくして、同じく新憲法によつてこれは生れたものでありますがために、少くともいわゆる義務教育に要する経費等については、これは義務教育に子供を就学せしめておる父兄に対してその負担をかけないという趣旨が、この憲法の無償ということの本来の趣旨であろうと私は思うのであります。その点ただちに国が直接管理監督をするために、それに従事するところの教職員をもつて国家公務員とするという理由に発展せられておるのはいかなる理由であるか、この点を承りたい。
○岡野国務大臣 憲法第二十六条の前段もやはりわれわれは国の責任であると考える次第であります。教育の機会均等を与えるということは、だれが機会均等を与えるのか、これは国よりほかにないと考えます。
○辻原委員 ここでただいまの答弁でありますが、少くとも新憲法のもとにおける教育のあり方というものは、教育基本法並びに特に義務教育を含む地方教育につきましては教育委員会法において、その目的が明示せられてあります。すなわち基本法の十条におきましては、教育の中立性をうたい、さらに教育委員会法の第一条の目的には、教育の中立性という問題と、それに附加いたしまして、明らかに地方住民の意思に基いて、しかも地方の実情に即して教育を行い、そのもとにおいて義務教育も教育委員会の独立性のもとにこれを管理監督するということが述べられておるのでありまして、この憲法から出て参りました基本法、教育委員会法の精神を貫きますと、決して国が直接管理監督をする、いわゆる国家公務員として教育に対して中央集権的な行政を行うということは出て来ないと思うのであります。あるいはここで無償とするという理由の一端をとらまえて国家公務員とし、国の管理に義務教育の多くをゆだねるということは、明らかにこれは教育基本法並びに教育委員会法の第一条の精神に背反していると私は思うのでありますが、この点についてはどうお考えになりますか。特に地方自治の中に含まれる地方行政の中において、最も重要であるこれら義務教育の問題に対する考えとして、自治庁長官からもこの点についての見解を承つておきたい。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。私は義務教育というものは、国が国家的事業としてやらなければならぬと申しましたけれ甘も、しかし地方分権ができております以上は、地方において実情に即してその教育の一般を背負うのはこれは当然であります。でありますから義務教育は国がとにかく中心となつてやり、同時にそれとうらはらになつて地方自治体の教育委員会がこれを行う、こういうことでございますから、私はどうもあなたと意見が違うように感じます。
○辻原委員 ただいまの文部大臣の答弁によると、国の責任で義務教育をやり、同時に地方の実情に基いて義務教育の行政も行うのだということを申されました。このことについては後刻の問題を通じて御質問いたしたいと思うのであります。 さらにその次の問題といたしまして……。 〔「質問を重複するな」「だまつて聞け」「だまつて聞けるようなのをやつてくれ」と呼び、その他発言する者あり〕
○太田委員長 静粛に。
○辻原委員 国の責任を明らかにするという建前で国家公務員とするのでありますが、そうなりますとここで問題となりますのは、いわゆる教職員を国家公務員として国の官吏にするということになれば、一体義務教育というものは、これはどこの事務であるか、義務教育の責任を義務教育全体を通じて国の事務なり国の責任に帰せようとするのかどうかという点が問題になる。その点についての文部大臣の答弁をお伺いしたい。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。国の責任は明らかなのでございますが、今まで出ておりますところの自治法または教育委員会法その他の法律によりまして、やはり地方団体も義務教育をして行く、こういうことになつておりますから、先ほども申し上げました通り、義務教育は根本的には国家が責任を持ち、同時に第二段の責任としては地方公共団体が持つということになつて来ます。今まででも、教育基本法などに書いてありますように、義務教育の教科内容なんかはやはり中央から地方に流して、その指導要領によつてやつて行くというふうになつておりまして、国はもともと教育内容を与えるのでありますから、相当の指令をし、また教育行政をやつて行くのであります。
○辻原委員 ただいまの文部大臣の答弁によると、いわゆる人事に関する任用その他の管理については、明らかに国の事務として直接文部大臣が行うことにするけれども、その他の教育事務については、これを地方にゆだねるのではなくて、地方の事務である。いわゆる両者が一体となつて義務教育を遂行するのだということを今述べられたのでありまするが、さようにいたしますると、ここでお伺いいたしたいのは、国家公務員であるものが、本来国の事務でないものを取扱うということがはたして適当であるのかどうか。新憲法下においてさような例が従来あつたのか。現行の地方自治法の精神からそういうことが行われるのか。この点について文部大臣並びに自治庁長官から承りたい。
○岡野国務大臣 先ほど申し上げました通りに、義務教育は国の仕事であると同時に地方公共団体の事務であります。両者が相助け合つて義務教育をして行く、こういうことなのであります。
○辻原委員 私のお伺いしておるのはそういう政策的な考え方でなくて、地方が明らかに地方公共団体の事務として取扱つておるものを、国の職員がやるというような事例があるのかどうかということをお尋ねしておる。自治庁長官に伺いたい。
○岡野国務大臣 国の事務でありますから、国家公務員が取扱うのは当然でございます。
○辻原委員 ただいま文部大臣は、国の事務であるから国家公務員が取扱うのが当然だと言われた。ところが先ほど、教育については人事の面については国家公務員として国が管理するけれども、その他のたとえば、大臣が例にあげられた教育委員会法四十九条に規定している教科内容の取扱いといつたような問題については、これは明らかに地方の事務であると言われる。だからそれを地方の事務としておきながら、これを国家公務員である教職員に取扱わせようとしておることは、従来例があつたかどうかということを私はお伺いしている。
○岡野国務大臣 今私は詳しい法文を覚えておりませんから、政府委員から御説明申し上げますが、国が教科内容を指令し、学習指導要領を地方に流して教育をするのですから、これは国家の事務であります。いずれ政府委員から御答弁いたさせます。
○田中(義)政府委員 ただいま大臣からお答えがございましたように、教科内容の扱いにおきましても、従来は国の事務とされておつたところでもございますし、国の事務を行う者が国家公務員になるということは自然だと思います。
○辻原委員 先ほど文部大臣が例にあげられた場合には、たとえば教科内容の取扱い等についてはこれは地方の事務である、とこういうふうに言われ、今の答弁においては、これは国の事務であると言われた。ところが教育委員会法を見れば、明らかに教科内容の取扱いは四十九条の三項において、これは都道府県の教育委員会の事務であると規定してある。少くとも教育委員会は地方公共団体の機関である。だからその地方公共団体の機関であるものが取扱つている事務であるならば、当然これは地方公共団体の事務でなければならぬ。私はこの点についてお伺いをいたしたい。
○田中(義)政府委員 先ほども申し上げましたように、大体国の事務、さように教育活動については考えておるのでございます。従つて教育活動に関するその先生方が国家公務員になりますことは自然だと考えておるのであります。
○辻原委員 ただいまの田中局長の答弁はともかく夢を見ておるようでさつぱり要領を得ておらぬのでありますが、教科内容の取扱いについては国の事務であるということが、法律上どこに規定してあるか。 〔委員長退席、塚田委員長代理着席〕
○田中(義)政府委員 学校教育法を見ますと、大体そういう解釈ができるのであります。
○辻原委員 学校教育法にあると言われましたけれども、私はただいまのような法解釈に基いて行政を考えるならば、すべてこれは国の事務であるということになる。いわゆる学校教育法においては、これは所管をする事項をきめておるのではなくして、教育に対する従来の文部省の助言なり、あるいは文部省が一つの基準として取扱うことを規定しているにとどまつておるのであつて、行政をどこでやるかということについては、これは行政法である教育委員会法が規定している。だからその点について私はただいまの学校教育法にある答弁には了承しがたい、(「条文を明示しろ」「急所だ」と呼び、その他発言する者あり)その学校教育法の第何条に国の事務であると規定してあるか明らかにしてもらいたい。
○田中(義)政府委員 学校教育法の第二十条でございますが、「学校の教科に関する事項は、第十七条及び第十八条の規定に従い、監督庁が、これを定める。」その定める監督庁で申しましますのは文部大臣になつておるわけでございまして、これらの解釈からいたしまして、先ほど申し上げたようなことになるわけでございます。
○辻原委員 この点につきましては、ただいま教科内容の取扱いに関して、私が一体どこの事務であるかということを質問したのについて、教科内容の基準等を定める監督官庁が文部省であるから、ただちにその取扱いについてもこれは国がやるのだ、国の事務であるというふうに答弁せられた。そういたしますと、どうして教育委員会法において地方教育委員会の事務であるということを規定する必要があるのか、重ねて私はこの点を明確にしていただきたい。
○田中(義)政府委員 御承知の学習指導要領につきましては、大体文部省でこれを定めておりますし、なお学校教育法施行規則によりまして、教科に関することはそれぞれ文部大臣が定めることになつておりますので、それらの条項を見ましても、先ほど申しましたような解釈をわれわれは持つておるのであります。
○辻原委員 法律論争はなお問題が残るといたしまするが、ただいま文部省が主張いたしておりますことは、教科内容等の取扱いについては、これは国の事務であるということを主張いたしておると私は考えるのであります。その通りであるかどうか、もう一度ただしておきたい。
○田中(義)政府委員 先ほど来お答えを申し上げた通りでございます。
○辻原委員 自治庁長官にお伺いいたしたいのでありますが、先ほど質問に対して答弁がありませんので、国家公務員が地方の事務を取扱つている例があるかどうか、この点について承りたい。
○本多国務大臣 国家公務員で地方団体に勤務いたしまして地方事務をとつているものの例を申し上げます。健康保険法、厚生年金保険法、船員保険法、厚生保険特別会計法、船員保険特別会計法の施行に関する事務、それから職業安定法、失業保険法、失業手当法、失業保険特別会計法の施行に関する事務、それから国の公共事業費または産業経済費の支弁にかかる北海道開発に関する事務、それから道路運送法及び道路運送車両法の施行に関する事務等に勤務している公務員であります。
○辻原委員 これを行わしめている法律的な根拠はどこにあるのか、お伺いしておきたいと思います。そのような国の職員が地方の事務を取扱つている例を今申されたわけでありますが、その法律の根拠は何かということを御質問したい。
○林政府委員 ただいま自治庁長官からのお話がございましたのは、国の事務を地方公共団体に機関委任をした事務といたしまして、その事務に従事する特別の職員が国家公務員になつておる例でございます。地方自治法附則八条をごらんになりますと、政令で定める事務に従事する都道府県の職員は、当分の間官吏という規定がございます。その内容は、地方自治法の施行規程によりまして、社会保険関係の事務、北海道産業開発関係の事務、それから職業安定法の事務等について政令で規定してあります。 それから先ほど御質問の、完全な地方団体の事務を国家公務員をして行わしめている例があるかという点でありますが、国家公務員の教育関係のことは、先ほどからも御答弁がありました通りに国の責任として国のやるべきことである、こういう考えのもとに国家公務員にする、こういうことであります。国の完全な、いわゆる国家そのものでない事務に従事している職員を国家公務員にいたした例は、たとえば以前国民健康保険事務に従事する職員、住宅金融公庫の事務に従事する職員、特殊法人の職員を国家公務員にした例がございます。
○辻原委員 自治庁長官が言われた例は、これは国が機関委任をした事務について地方の職員が行う場合、これを当分の間地方自治の附則によつて国家公務員とするという逆の場合であります。私が今指摘しておりますのはその逆であつて、国家公務員が地方の事務を執行している例があるかということです、それについては、ただいま法制局次長は、おそらく普通の事務の場合においては今回が初めての例であろうと言う。この点についていま一度答弁を求めます。
○本多国務大臣 私がここで先ほど読み上げました通り、国家公務員で地方公共団体に勤務するものの例を申し上げたのでございますが、御質問の趣旨に沿つていないとすれば、それが地方の固有事務に従事するものという趣旨でありますならば、政府委員から答えた通りでございます。
○辻原委員 これはきわめて重要な問題でありまして、地方が固有の事務としていることについて国の職員が扱うということは、これは明らかに地方自治に対する重大な侵害であると同時に、こうしたケースが開かれるということは、一つ一つ地方の事務が国家に吸収されるということの慣例を開く。さような意味において、私はかかる例が従来の地方自治の建前においてあつたかどうかということを主管大臣に御質問申し上げたい。そういうことをやれるのか、その点についてもしただいま明確なお考えがないとするならば、政策としてそういうことをやることがいいと考えるか、地方自治庁の長官としての見解を私は聞きたい。
○林政府委員 お答えいたします。ある仕事が国家事務でなくてはならない、ある仕事が地方事務でなくてはならないというものは、おのずからそういう性質のものもございましよう。しかし国家と地方が両方の共同の責任を持つてやるべき仕事もございます。この国家と地方がおのおの責任を持つてやる仕事に従事する職員を国家公務員とするか地方公務員とするか、これは一種の立法説の問題だろうと思うのであります。純然たる地方の固有の事務に従事する職員を国家公務員とすることは、これはあるいは多少おかしい、あるいは純然たる国家事務に従事する職員を逆に地方公務員とするということも多少問題でございましようけれども、こういう場合を生じまするとともに、国家も十分な責任を持たなければならない、地方もある程度責任を分担する、こういう事務につきましては、これを国家公務員にすることは何らさしつかえないと存じます。
○辻原委員 私がお伺いいたしておりますのは、そういう例があるのかどうかということをお伺いしているのでございまして、初めてであるならば初めてであると率直にひとつお聞かせ願いたい。少くとも、かかる重要な点については、自治庁長官としてはいささかの見解があつてしかるべきだと思う。さような立場において、ただ法律でもつてやることがいいとか悪いとかいうことの法制局の意見を承つておるのでは私はいたしかたがないと思うので、重ねて自治庁長官にそういう例があるかどうか、またそういうことをやるのが地方自治を守る立場において許されていいものであるかどうか、この点についての御見解を聞いておきたい。
○本多国務大臣 ちよつと御質問と私の答弁と食い違いまして申訳ないと思いますが、私は地方公共団体に勤務するものということで例を申し上げたのでございますが、そうでなく、純然たる地方事務について国家公務員がこれに携わつている例があるかないかということでありますならば、これは法制局の政府委員から答弁をさしてもらいます。 今回義務教育職員につきまして、これを国家公務員にすることを政治的にどう考えるか、地方自治の立場からどう考えるかという御質問につきまして、今回の制度の改正が、御承知のごとく義務教育に対する国家の責任を明確化するという大きな目的から出ているわけでございまして、この義務教育に関する事務の性格というものにつきましては、これまた文部当局から答えている通りでございますが、地方と国家と相協力して携わるできものであると考えておりますので、一向さしつかえはないと考えております。ことにこの法的根拠ということでございましたら、法的根拠は今度の改正でございます。
○辻原委員 質問に忠実に答えていただきたいと思うのです。私はそんなむずかしいことを尋ねているのでなくして、例があるかないのか、今度が初めてかということを聞いているのです。その点についてひとつはつきりと答えてもらいたい。
○林政府委員 ただいまの御質問は、教育を地方の固有事務としてお考えになつた前提の御質問ではないかと思います。先ほどからも申し上げておりまする通りに、義務教育の仕事は、国も責任を持ち、地方もある程度責任を持つ、こういう仕事であろうと思います。国が責任を持つ仕事である以上、国の事務を執行する職員を国家公務員とするか、あるいは地方公務員とするかということは、これは立法政策の問題であると思います。
○辻原委員 どうもおかしい。私が質問をしているのは、今の義務教育の問題についてどうだこうだと言つているのじやなしに、国家の職員が地方の事務について管理、執行するような例があるかどうかということを聞いているのです。だからそれに対して答えてもらえればいい。
○林政府委員 実は、あるいは御質問に対するまつすぐなお答えになるかどうかわかりませんが、ある程度地方公共団体におります職員で国家公務員である例は、先ほど本多長官がおつしやいました通りであります。これは府県の機関の職員でございますけれども、しかし今おつしやいましたのは、義務教育の仕事を地方の固有の事務とお考えになつての御質問と思います。国家事務である以上は国家公務員とするということは、これはくどいようでありますが、そういう性質のものであろうと思うのであります。
○辻原委員 何回尋ねても質問に答えてくれないので、やむを得ず再質問になることをお許し願いたいと思うのでありますが、私の言つているのは、先ほど私が指摘いたしました、例をあげましたところの教育委員会法四十九条第三項にいうところの教科内容の取扱いについて、文部省はこれは国の事務であると主張される。私は、まつすぐなすなおな法律解釈から、これは地方の事務ではないかというふうに、ひたすら対立しておりますから、この点については留保をいたします。しかし今これが私の主張通り地方の事務であるとするならば、これはきわめて新しいケースでありますので、もしそうだとすれば重要な問題でありますから、他にそうした例があるかどうかということをお聞きしておる。他に、現在ただいまの地方自治の建前において、そういうふうに本来地方の事務であるものを国の職員がやつておるような例があるかどうかということを聞いておるのです。これは政策の問題でありますとか、法律論の問題でありますとか、そんなようなことばかり言つておりますが、この点については明らかにされておりませんので、この点も私は重要な問題でありまするから、なお例があるかどうかをひとつ聞いておきたい。
○林政府委員 今御質問になりました前提といたしまして、完全なる地方固有の事務を国家公務員がやつたものがあるかどうか、例を示せというお話でございますが完全な地方固有の事務を国家にやらしている例はこれはないと存じます。しかしこれは、義務教育の仕事を地方の固有の事務であるという前提に立つての御質問でございますが……。 〔「弁解するな」と呼ぶ者あり〕
○辻原委員 やつと明確に相なりました。少くとも地方の固有の事務を国の職員がやつておるという例はないという法制局の見解をはつきりと記憶いたしておきます。 次に御質問しておきたいのは、本法案の第六条におきまして、次のようなことを規定いたしております。すなわち教育委員会が管理執行する事務の指揮監督ということで「文部大臣は、この法律の規定に基き教育委員会の権限に属する事務の管理又は執行について、教育委員会を指揮監督する。」なお、この委任した事項について教育委員会が行わない場合については文書でその期限を付して行うことを明示し、なお行わない場合にはみずから教育委員会の行うべき事項についてこれを執行するということを規定いたしております。この規定は地方自治法を見てみまするに、地方自治法の第百四十六条の第二項においては同様のことが規定されておりまするが、その第二項を見ますと、その場合においては、主務大臣が、行わない都道府県知事に対してその行うべきことを高等裁判所に請求をするということに相なつております。すなわちこの地方自治法の立法精神を考えてみまするに、あくまで機関委任をいたしました事務でありましようとも、これが少くとも地方において一旦乱されたからには、かりにその命令が背反する場合がありとしても、直接国がこれに関与し、直接これに執行するということについては、地方自治の建前から、これは不適当であるという観点において、少くとも第三者機関であるところの裁判所の公正なる判定に基いてその執行を命ずるという、きわめて地方自治に対する慎重な取扱いが規定されておるものと、かように考えるのであります。ところが今回出されておりますこの第六条を見ました場合には、かような手続を経ずして、直接に文部大臣がその事務を執行するということに相なつておる点が、私は、現在の地方自治法の建前なり。地方自治法の立法精神から見る場合には、これは明らかにただいまの地方自治の限界というものを乗り越えまして、中央集権的な行政を行わんとするものにほかならぬ、かように考えるのでありますが、その点について自治庁長官はいかにお考えになるか承りたい。
○本多国務大臣 地方自治法の二条の三項でございますが、列挙されてございますが、しかし、地方自治法の規定を別の法律に準用することはさしつかえないと考えております。たとえば治安の維持等のことも列挙されておりますけれども、今まで直接国家警察がこれに従事いたした例を見ても同じことでございまして、この法律をもつて定め得るものと考えております。
○辻原委員 自治庁長官の申されました条章は、私が申し上げましたのと若干違つておりますので、私が申し上げましたのは、百四十六条の二項において、主務大臣は、都道府県知事が前項の期限までに当該事項を行わないときは、高等裁判所に対し、当該事項を行うべきことを命ずる旨の裁判を請求することができる……、何も今例にあげられたようなことはここには列挙されておりません。ちよつとそれは条章をお誤りだろうと思いますので……。
○林政府委員 ただいまおあげになりましたお尋ねは、いわゆるマンディマスの手続のことをおあげになつたと存じますが、これは現在の自治法におきまして、地方団体の長が委任事務につきまして、主務大臣の命令を実行しない場合に、裁判所がこれに関与いたしまして、さらにそれを実行しない場合に府県知事を罷免する、こういう規定をいたしておるのであります。これも地方自治法の本旨は、地方の公選による機関である公共団体の長の地位をある程度保障するという意味において、一つの立法政策としてとられた手段であろうと思いますが、この教育委員会法におきましては、それよりむしろ行政部内におきまして、裁判所が関与せずに、行政権の内容のものは行政権によつて処置する、こういう考えのもとにこの規定を置きました。今の機関委任事務に関する措置は、地方自治の規定が唯一無二のものでないと考えるわけであります。地方団体への機関委任事務につきましての国の監督権の内容につきましては、ここにいろいろの立法政策の問題があろうと存じます。
○辻原委員 私はおそらく、法律でどんなことを書いてもいいということになれば、それまでの話でありまするが、何がゆえに自治法において都道府県知事の立場を保障する——あるいはこれは都道府県知事の立場を保障するのではなくして、地方自治を保障しておるのであろうと思うのでありますが、にもかかわらず、最も地方の行政の中で重要な教育委員会が行う行政について、それふ上の保障を行わずして、それ以下のこういうふうな取扱い方をしておるのか。政策的にこの点が重要な問題でありますので、なぜ自治法にある線までも地方自治の建前を保障せずして、ただちに国が関与するような、そういうふうなラフなやり方をここでやつたのか。義務教育というものは、少くともこれは他の地方行政の中で行うことよりも軽いのであるか、軽いという建前でこういうふうな手段をとつたのであるか、その点について承りたい。
○本多国務大臣 ただいまの御質問になりますと、まつたく政治的な判断の問題になりますので、お答えできると存じます。今回の制度の改革は、まことに重要なる義務教育に対する国家の責任を明確化するという見地から、こうした制度をとることが妥当であると考えます。
○辻原委員 最後に一点お伺いいたしたいのでありますが、かような例が現在までにあるか。ただいまの地方自治の建前において行われておる地方行政の中において、そういうことが例としてあるかどうか。他の法律の中に、ただいま教育委員会法でやつておるような例があるのかどうか。この点について聞いておきたい。
○本多国務大臣 例については存じませんが、今回そうしたことになります根拠は、さいぜんも申し上げました通り、今回の改正案の規定によることでございます。
○辻原委員 最後に一点、文部大臣にお伺いいたしたいのでありますが、同じく大臣が主管せられておる法律の中で、教育職員免許法を見ますると、同じような規定が十九条に出て参つておる。この場合においては明らかにいわゆる授与権者が、この国の委任をした事務について聞かない場合、同様地方自治法を準用いたしております。地方自治法の百四十六条を準用いたしておる。いわゆる免許の事務についてすら、これは明らかにこの地方自治という建前において、直接国が関与できないようなことになつている。この点について、大臣はこの問題とただいまの第六条との関係をどのようにお考えになるか、承りたい。
○岡野国務大臣 政府委員より答弁いたさせます。
○田中(義)政府委員 お答えを申し上げます。この法律によりますると、命令に違反する……ということでございますけれども、これは実は身分が国家公務員となりますので、文部大臣としては直接の関係を持つわけでございます。それで地方自治法のお話も出ましたが、御承知のように百五十一条を見ましても、都道府県知事は、市町村長の権限に属する国及び都道府県の事務委任についてやはり代執行をなし得るようなこともないではございません。従つて直接の指揮監督をなすべき身分になりましたその国家公務員たる教職員等について、文部大臣が特に代執行もなし得る、こういうことは規定し得ることだと、かように解釈をいたしておるのでございます。
○辻原委員 いろいろお聞きいたしましたが、なお判然いたしませんので、爾余の質問は留保いたしまして、私は終ることにいたします。
○塚田委員長代理 本日の質疑はこの程度にいたします。おそくまで質疑に御協力くださいまして、まことにありがとうございました。次会は明二十八年午前十時より開会いたします。 これにて散会いたします。 午後十時一分散会