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15回国会衆議院1952/12/01

予算委員会 第4号

発言数
17
登壇者
8
会派数
3
開催日
1952/12/01

会議録

太田正孝自由党

○太田委員長 これより会議を開きます。  御報告いたします。去る十一月二十五日の委員会におきまして、今月の三日に参考人の意見を聞くことにし、その人選は私及び理事に御一任を願つておりましたが、協議の結果次の六名を選定いたしましたから、御報告いたします。東京大学名誉教授神川彦松君、早稲田大学教授、社会保障制度審議会委員末高信君、農林中央金庫理事長湯河元威君、早稲田大学教授阿部賢一君、日本鉄鋼産業労働組合連合会副委員長清水慎三君、八幡製鉄株式会社常務取締役藤井丙午君、以上であります。御了承を願います。  それでは補正予算各案を議題といたします。  この際委員長より申し上げておきたいことがあります。実は二、三委員の方々の注意もあり、この際政府当局に委員の審議に資する材料の準備をお願いいたしたいのであります。  すなわち昭和二十七年度当初予算に計上されております防衛支出金六百五十億円、安全保障諸費五百六十億円、平和回復善後処理費百十億円、——もつともこれは昭和二十六年度より繰越しが百億円ありますから、合計二百十億円になります。この問題につきまして、当初予算審議の際には、その経費の使用の内容が具体的に確定しなかつたと速記録にありますが、その後その計画の進行の模様はどうであるか、今までの使用額は幾らであるか、また今後どのように使用するのか、これらの点を資料として御説明願いたいのであります。かようなわけでございますから、この際政府より発言を求められておりますので、これを許します。大蔵大臣。

向井忠晴大蔵大臣

○向井国務大臣 ただいまの御質問に対しましてお答えを申し上げます。     〔「質問ではない」と呼ぶ者あり〕

太田正孝自由党

○太田委員長 資料としてお話願いたいのです。

向井忠晴大蔵大臣

○向井国務大臣 わかりました。  第一に、防衛支出金につきましての目的でありますが、この経費は、日米安全保障条約に基いて駐留する米軍に関して、行政協定に基きわが方が負担するものであります。それは大別して三つにわかれます。  すなわち一、駐留米軍の需要する物及び役務の調達に要する経費として駐留米軍に交付するもの、二、駐留米軍の使用する施設及び区域提供に伴い負担する経費、三、海上演習に伴う漁場補償その他事故による損失の補償等でございます。  二に、使用実績、十一月二十九日現在を申し上げます。その中を小わけにして、一番、駐留米軍への交付額は三百七十二億円、二が駐留米軍の使用する施設等の借料、補償費等のために調達庁の支出官へ移替使用額が五十七億円、その合計四百二十九億円であつて、その残額は二百二十一億円となつております。  三、今後の使用見込みでございますが、当初の見込みでは一、駐留米軍の物及び役務の調達経費五百五十八億円、二がその使用する不動産の借料等九十二億円となつていましたところ、平和条約の発効が四月二十八日となつたこと等のため、一方において一の物及び役務の調達経費として駐留米軍に交付する金額は、五百七億円に減額されたのでございますが、他方において二の不動産の借料及び補償等の経費は、所有者の強い要請もありますし、駐留米軍の継続して使用する演習場等のうち、買上げを必要とするものが、当初の見込みより相当上まわることになります。また接収施設の解除の進捗状況により、その原状回復の補償費に、相当多額の金額を予定する必要を生じたこと等により、百四十三億円を要するので、結局二十七年度内に支出負担行為を必要とする金額は、当初の予定通り、六百五十億円と見込まれるのでございます。  なお百四十三億円の内訳を示しますと、一、施設提供に伴う経費百工十五億円、それは借上費四十六億円、買上費三十七億円、接収に伴う家屋の移転費等の補償費二億円、返還財産補償費四十億円、漁業等補償費八億円、旧連合国軍人等住宅公社債務弁済が十億円となつております。  第二の安全保障諸費につきましてその目的を申し上げますと、その経費は前国会において大蔵大臣より答弁したことく、主として平和条約の発効に伴う日米両国政府間の了解事項に基き、米軍が大都市の中心部から周辺地区に移動する場合、必要とせらるる施設等に充てるためのものでございます。それは米軍の営舎、事務所、住宅及び補給所並びにその附帯設備の建設と、また右に関連する通信施設、付属工場、各種荷役設備等の建設、新施設周辺の道路の新設、改良、軍の救難基地の建設、また接収継続港湾施設の代替としての港湾施設の建設等に充てるためのものでございます。  二、使用実績、十一月二十九日現在、現在までの移替使用額は四十五億円でございまして、残額は五百十五億円でございます。これは主として施設区域の具体的決定が遅れましたことによるものでございます。  三、今後の使用見込み、施設移転の関係については、米軍との間に目下着着話合いが進行中であつて、大体固まつたものは概算で一、施設関係百九十億円、うち陸軍関係約七十億円、海軍関係約二十億円、空軍関係約百億円となつております。二、通信関係約十億円、三番目が道路関係約三十億円、四、港湾関係約二十億円であります。五、その他ヘリコプターの購入等約十億円、合計二百六十億円となつておりまして、目下設計等に着手しておるので、近く使用される見込みでございます。  次に、移転先の場所の関係等もありまして、最終決定を留保しておるものとしましては、施設関係約二百三十億円、通信その他の関連施設約十五億円、道路及び港湾関係五十億円、その他五億円、合計三百億円が見込まれております。これらに該当するものについては、現在使用中の施設の所有者より強い返還要求もあり、政府としてはその移転に関して、できるだけすみやかに、米軍との話合いをつけるべく、努力をしておるのでございますが、近いうちにその大部分について、代替施設の建設計画が具体化確定するものと考えられます。  第三、平和回復善後処理費について申し上げます。  一、目的、この経費は、主として外貨債の償還その他対外債務の支払い及び連合国に対する賠償の支払い等、平和条約の発効に伴い処理を必要とする経費並びに平和回復の結果として必要を生じた諸般の経費等に充てるためのものでございます。  二、使用実績、十一月二十九日現在、運輸省、調達庁、外務省等へ移替使用額十一億円でございます。  三、今後の使用見込み、予算としましては、二十六年度よりの繰越額百億円と合せて二百十億円でございますが、今後の支出分として確定しておるものは、一、外債処理関係百三十七億円、二、港湾及び都市道路復旧費七億円、三、返還飛行場等復旧費五億円、四、接収解除財産返還補償費等十億円等合計百五十九億円がございまして、すでに移替使用額と合せて、さしあたり百七十億円が使用される見込みであります。残額約四十億円は、今日までのところ使途未確定でございますが、今後渉外債務の処理等のために充てられることになりますと存じます。  以上であります。

井出一太郎改進党

○井出委員 ただいまの御説明は、速記を急いで御配付願うなり、あるいはただいまの御説明を印刷にして、配付願いたいと思います。

太田正孝自由党

○太田委員長 さようとりはからうよう政府の方に申しつけておきます。  これから総括質疑に入るのでございますが、私から一つお願いがございます。政府並びに委員各位におかれましては、努めて御出席を願いたいということでございます。質疑の重複を避けることはもとより、委員の質疑に対して満足なるお答えを得たいために、特に政府諸公の御出席を願いたいということでございます。  これより質疑に入ります。星島二郎君。

星島二郎自由党

○星島委員 私は憲法問題、軍備、国連加入あるいは保安隊等に関しまして、吉田総理大臣、岡崎外務大臣また木村保安庁長官等にお伺いいたしたいのであります。  そこで最初に太田委員長にちよつと御了解を得たいのですが、普通予算総会においては一問一答でやられるのが例となつておりますが、これは全部が関連しておりますので、私の場合、一応総括的に初め一通り言わしていただきまして、最後に要点だけ、私の御質問申し上げますことについて御答弁を得たい、かようにひとつやらしていただきたいと思います。

太田正孝自由党

○太田委員長 議員の御発言の表現は御自由でございます。ただ、申し合せたような時間の点もございますから、それを御留意なすつて御質問を続けていただきたいと存じます。

星島二郎自由党

○星島委員 了承しました。本会議における質疑応答等によりまして、吉田総理が時の責任者としてなされました軍備に関する問題、あるいは保安隊、あるいは朝鮮に出兵はしないというような御断言等は、私ども当然のことと思つてこれを了承するのでございます。しかし、吉田内閣を支持する私、与党の一員といたしましても、なお国民の意思を代表していま少し伺いたいという気持で一ぱいでございます。  朝鮮事変はまことに身近く見えておりますゆえに、国民はこれに非常な関心を払つておるのでございますが、日本の将来行くべき道はどうするか。この再建途上、ようやく復興しかけたこの日本が、これに巻き込まれないで、しかも日本の独立を保全し、将来に進むというためには一体どうすればよいのか。これが今日のわが国の一番大きな問題であり、国民全部がこれに注目しておることと思うのでありまして、去る選挙戦におきます言動も、多くは各派の思想みなこれに集中されておつたように思つております。そういう際に、たまたま米国では大統領の選議がありまして、アイゼンハウア上元帥が勝利を占められ、ことにダレス氏が国務長官と内定いたしましたことは、日本に最も理解を有せらるる方、サンフランシスコ講和会議の立役者であつたダレス氏、二度、三度日本に来訪されておるこのダレスさんが、将来のアメリカの政治の中心、外交の中心となられたことは、私は日本国民全部が非常な歓迎を申しておることと思うのであります。民主党のトルーマン大統領が選挙のときに、あるいはあらゆる機会において使われておつたいわゆるコンテインメントの主義、封じ込め主義、これに対してアイク候補はローリング・バツク、押返し、つまり封じ込めでは少し物足りないという表現を使われて、これが人気を博して、大勝の原因にもなつておるというように伺つておるのでございますが、ただここに私が非常に心配いたしておりますことは、アイク元帥の宣伝の中に、先日来たびたび本会議の問題ともなりました、アジアの問題はアジア人でという表現が、すでにスターリンがこれを引用しておる。日本でも社会党諸君がみなこれを引用し、また先般は辻君もこれを引用しておられるのでありますが、率直に申しますと、非常に誤解を招きやすい言葉であつたと私も残念に思うのでございます。しかし私はアメリカが日本の独立を尊重し、日本の民主化の発達を願つておるこの場合におきまして、これを解釈するのには、お互いもよくその気持を理解しなければならぬ。近ごろ共和党の人たちがモビル・リザーヴという言葉を使つておるのでありますが、これは私はよくわかりません。察するに、率直に考えれば、アメリカの兵隊さんは陸戦にはあまりなれない、どつちかというと下手——という言葉はどうか知りませんが、あのあらゆる科学兵器を持つておる、それをフルにやるのがいいのであつて、むしろ陸戦の下手な方は、直接地理になれた人たちにやつてもらいたい、こういうような意味であつて、アジア人はアジア人で消耗し合えといつたような、悪い気持を持つてこれを理解するのはいけないことだ、こういうふうに私どもは解釈するのがほんとうではないかと思うておるのであります。しかしこれは今ただ私の想像でございまして、従来のアメリカの態度をもつては、いたずらにアジア人はアジア人でやつてしまえというようなことは毛頭考えられるはずがない。これをスターリンその他があしざまに宣伝する用語に使われたということは、小さな話ではありますけれども、先般の池田君のようなことであつて、まことに私は遺憾千万と思うのでございますが、私は決して米国一辺倒ではございません。しかし日本が最も深い関係を有する国として、最大限の親善政策をとるべきであろう、これは私は日本の国民全部がそう思うておることと信ずるのでございます。  そこで、これはどういうふうになりますか、一月の十七日に就任式があつて、それから大勢の人がかわつて、共和党政府が成立して活動し出すというのは、正式には二月か三月かよくわかりませんが、しかしあの実にりつぱな、与党、野党といいますか、二大政党がつなぐところの光景を見ますと、先般のホワイト・ハウスの訪問、これを歓迎するトルーマンの態度といい、私はあれらを見て、われわれ非常に教わるところがあるように思うのでございますが、いよいよ共和党政府が正式にに成立しまして、それからいろいろ外交方面に臨んで来るということに対しましては、共和党はいかなる方針を持つて来るかということに対しまして、日本の政府はどういう方針を持つてこれを迎えんとするか。またわれわれお互いはどういう心構えで今後これに処して行くかという——大したかわりはあろうとは思いませんが、しかし封じ込めと押返しとは違つておりますから、それらに対します観念だけは国民として持つべきではないか、またそれを当局として国民に教えるだけの義務があるのではないか、私はかように思うのです。今ここで、しからばこうすべきだという答えを求めるような私はやぼではございません。しかし吉田総理は、人選にはとかくの批判があつたようでありますけれども、すでに特別に特派大使を送られたというようなことは、これは用意のほどが見えて、私はさすがだとまことに感心しておるものでございます。また情報機関を設ける、これにもとかくの批判がありますけれども、それは真の情報をとらえるということである。これは普通の外交関係じやないでしようけれども、ことに対共産党関係が、現在の法務省にある公安調査庁だけでは物足りない。ことに短波の多い現在、これをキャッチするだけの用意のない現在の日本に、そういう意味において設けられることは私は賛成だが、前のようないわゆる情報統制というか、政府の宣伝機関をつくられるようなことには、はなはだ議論が多いことと思うのでございます。しかしそういうような意味におきましてこれを設けられんとするようなことであれば、私ども賛成をする一人でございますが、ともかくも日本としてもアメリカとしても、転換期に対処する根本方針だけは、ひとり吉田総理が心で思うておられてはいけないのであつて、われわれに指示してもらわなければならない。機関を持つておるのならば、機関によつて得た情報をわれわれに十分流してもらわなければならぬ。かような意味で私は申し上げるので、今日そういうことに対してはこうするつもりであるという明瞭な答弁を求めるほどやぼじやございませんが、私はその心構えを伺つておるのでございます。ダレスさんが日本びいきであり、日本の再建に熱心であり、ことに、ただ日本が迎合しいろいろなすことは、かえつて民主化でない。なぜノーはノーと言えないのかということを会談のときに話したことほどに、いけないことはいけないというくらいのことは理解してもらつておるダレスさんが、むやみに日本にいろいろなことを注文づけることはないと私は信ずるのであります。しかしその親切があるだけに、日本は日本としての立場から、これにこたえなければならぬ、用意をしなければならぬ、これが私の言いたいところなのであります。  そこでその用意をするのには、一体どういう心構えで用意をすべきやというこの点が、まだ日本のお互いの間にすべてはつきり解決しておらぬと私は思う。まず第一に考慮を願いたい点は、国連加入に関する問題、これはすでに岡崎外務大臣の御報告のごとく、もう日本は正式に加盟を申請されまして、ソ連の拒否権にあつてまだ加入は認められませんけれども、幸いに安全理事国全員が賛成されておるところを見ますと、必ず近き将来可能なときがあるだろう。またソ連といえども絶対日本の加入を拒否したのではなくて、自分たちが望んでおる国々も入れるならば許してもいいということを表現しておるのでありますから、あるいは大きな見方によつては全部が入つてもいいのではないか。国連の理想からいえば、ソ連の希望するものを入れてもいいのではないかと、私ども側から見て思いますが、これはぜひ早く加入さるべきものと思うのでございまして、幸いに先般の本会議におきまして、河上社会党党首も熱心なる加盟の意思を表明されました。また社会党の松岡駒吉君は国内ユネスコの日本委員であられる。ユネスコは国連とは姉妹関係、一心同体とも言つていいのでありますが、ここまでやつておられる社会党に対して、私はこの点におきまして敬意を表したい。敬意は表しますが、しかし私はひとつこれは逆に社会党にお尋ねしたいような気持なのです。それは、国連に加入する以上は、互いに平和を守り、侵入を防ぐための義務がある。オブリゲーシヨンがある。それは一体どういう形でその義務履行をやらんとされているのであるか。もちろんお考えはありましよう。私は政府に向つてあとでこの点につきましての御答弁を得たいのでありますが、ことにこの間、政府のみならず、日本の民間代表といたしまして、内山神奈川県知事と、大阪の久保田鉄工所の社長の小田原君が、国民を代表する形におきまして先般渡米されまして、現在ニューヨークにおられると思うのでありますが、その送別会の席でみんなが言つておる。希望するならいいけれども、ただ入つて御利益だけを得たい、こういうのでは徹底せぬぞ、一体日本の方には加盟した後にその義務負担をするどういう用意があるのだと問われたとき、君らはどう答えるのだ。これはその送別の宴に列した人たちみんなの話であります。国連憲章の第四十三条の一に、「国際の平和及び安全の維持のために必要な兵力、援助及び便益を安全保障理事会に利用させることを約束する。」かような義務の条章が載つております。第四十二条の2も3もみなこれに付随した条項でございます。もつとも中には、加盟した国だつてアイスランドのように兵力のない国があるではないか——アイスランドは通過と基地を提供して今加盟しておるのであるが、アイスランドと日本は比べものにならぬ。日本の立場として、日本がかりに加盟を許された場合には、どの程度のものを用意さるべきだ、これかわれわれの知らんと欲するところのものであります。現在日本には保安隊がある。前の警察予備隊です。海の方は今日は何というのですか、保安警備隊というのですか。これはそういう意味でこしらえたものではなくして、朝鮮事変におきまして、国連軍が大部分朝鮮に行つてしまつたので、日本の治安が不安になつて来た。そこでせめて内地の治安は日本人の手によつて守つてはどうかという勧告によつて、また政府の御意見によつて、それが設けられたのは当然であつて、みなも了知しておるのでございます。それゆえに今日、朝鮮事変が起つたからというて、日本の保安隊が行くようなことは断じてない。またそれは当然でございますが、しかし私は、あの保安隊、前の予備隊の練習ぶりといいますか、あらゆる点から見まして、内地の破壊防止だけに用いるにしては、われわれが昔の軍隊を見ておるところから来た誤つた観念かもしれませんけれども、どうも大砲の射撃を練習したりというような面を見ますと、しろうと目に見まして、これは外敵が北海道あるいは九州に侵入した場合に、内地において立ち上る。これは当然保安隊のやり得ることだろうと思う。そこで吉田総裁の御答弁は、現段階におきましては私は当然な御答弁であろうと思う。しかし国民は、そう言われるものの、まさかの場合に役に立たなければ何にもならぬではないか、こういつたような気持がある。それはもう選挙りときに非常に現われております。そでこれは今から言つても不愉快な話もございますけれども、鳩山さんが日比谷の公会堂で、あの予備隊を軍隊でないと見るのは、白馬馬にあらずというようなことだといつたような表現をされて、当時非常に拍手をされた。私どもは選挙の中盤戦にあれを聞いて、これは困つたことを鳩山さんは言い出したと率直に思つたのでございます。しかしだんだんその後のこと考えてみますと、鳩山氏も、あれを正式な軍隊にするがいいけれども、さりとて予算を超越して昔のような軍隊をだんだんふやせということを毛頭言つてはいない。ただ民衆が正直に見て、そう見えるようにする方が魂が入りはせぬかということをはつきり聞いたのでありますから、それならば吉田さんの言うことと同じじやないか。吉田さんはなるほど自衛力の漸増ということを言うておられる。予算を超越してこれを軍隊にするのだということを、今の総理として言えるはずがない。結論が同じでありますから、私は選挙の中盤戦におきまして、これの理解を求めて——私は岡山県でありますが、岡山県の大衆は、吉田、鳩山の説は決して結論において違つたものでないことを認識して、岡山県から多数のわが党の人を出している。(笑声)いや実際はそうなんだ。それは言い方や表現がありましたから。こんなことをいまさらここで申し上げるまでもないけれども、実際そうだつたから私はそう申し上げるのであります。  そこで私は次の段階でお尋ねしたい点は憲法問題であります。憲法の第九条は戦争放棄を宣言している。ことに末端におきまして交戦権を絶対に否認している。交戦権ということは、外敵が来てもこれに対して対抗しないというのが、実はほんとうの筋合いであります。芦田さんは当時の憲法制定の委員長として前後のことをずつと知つておられるから、あるいは新しい文字を挿入したという意味でもつて、あれはただ単に守るものではない、そういうものに対しては、日本全体の防衛のためには立ち上つてもいいのだ、交戦してもいいのだという御議論をされているように承つておりますし、また当時貴族院において、憲法学者である佐々木惣一博士もややそれと同じ説を唱えておられて、私もこれはなるほどそういう解釈もできるなと思つた。決してこれをいなんでいるものではございません。専門家同士の話としては、あるいはそれも正しい御解釈かもしれませんが、しかしあの条文をすなおに読んで、民衆にはだれしもあれは交戦権を認めておるものとは考えられません。これを第九条だけで、いややれるのだ、防衛的な軍備も持つてるのだということは、私は少しきゆうくつな解釈で、少し無理ではないかと考えておるものでございます。私はあの憲法ができたとき、率直にいいますと、これはガンジーズムで無抵抗で、ちようど京都の御所の周囲にほりがない、それが皇室がずつと続いたゆえんだ。無抵抗のところにかえつていい面があるのだというようなことまで言つて、世界に類例のないこの憲法第九条を非常に熱心に支持した。今日でも私はその精神を最も熱心に支持している一人でございます。ところが世界はそう理想通りにならぬものでありますから、今日はまずこの問題を考えなければならぬ問題が出て来ましたことは、まことに遺憾千万であります。国連に加入しようと思えば、この問題に触れて考慮しなければならない現状ではないか、かように私は思うのでございます。ところがここで、鳩山さんが言つたりするように、現在の予備隊の程度でも、魂を入れるためにこれを正式に軍事力とした方がいいじやないか、数が少くてもその方が効力があるという見方も一面あると思うのでありますが、さて憲法改正に手をつけますれば、これはとうてい容易なことではない。政府も急にはその意思がない。もし国民の大多数、九〇%以上が熱望するならばそのときのことだという多少の余地は残されておりますけれども、これは今日容易にすべきことではない。しかし私は選挙に臨みましてこの問題が起つたときに、われわれの同郷人はもう六—七〇%は確かに賛成してくれます。けれどもこれは五五%、六〇%で憲法の改正が行われたようでは、憲法に魂が入らない。かりに予備隊を正式な軍隊化するにいたしましても、全会一致的な九九%までの精神でやらなければ、なつた人たちも気持がよくない、魂が入らぬ、かように思うのでございますから、やおかに手はつけられません。これはすでに今日考慮するところへ来ておるのではありませんか。これが私の問いたいところであります。ことに憲法がやおかにかえられませんでも、今度の憲法は、一面からいえば教わつた憲法でありますので、いろいろの解釈が行われますが、第九十八条の一項は、国内の法規やいろいろなこと毒法に違反した場合は、無効であるということを宣言しておる。ところが同じ条文の第二項に「国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。」とありますから、これは普通の形からいえば、但し国際法規条約は憲法に少々違反しても効力はあるのだとも読めないこともない。これが普通の読み方と思う。もし日本が国連に参加し、国連憲章第四十三条の義務の点、あるいは国連に参加しないでも、その間の準備のためにできましたのが日米安全保障条約、これはすでに批准を得て効力を発生しております。こういうことを考える場合に、あの条約は決して憲法に違反したものではございません。それはここにおられる大部分の人がごの批准に承認を与えられたのでございましようが、少くとも芦田君や佐々木博士が言うような憲法第九条の解釈よりも、心しろ第九十八条の二項は、現在の国際法規や条約は憲法に超越して効力があるということは、ワイマール憲法でもすでに前例がある。アメリカの憲法においてもそれか書いてあるのだから、この第九十八条の解釈をそう解釈するならば、今後加入を許され、あるいは日米安全保障条約の解釈にいたしましても、これでりつぱに義務の履行ができるぞということを暗示しでおるものでありましよう。しかし憲法を改正するのが上乗の策であることはもちろんでありますが、改正されぬ前といえどもそのようなことが私は考えられると思うが、政府はこの解釈をとつてでもやるというような御意思はないだろうか、これは私一人が言うことではない。ここにおられるかどうか知りませんが、わが党の博識者と自他ともに任ぜられておる北れい吉君あるいは横田喜三郎博士もこの説をとつておられるのでありますから、これは相当考えられてしかるべきではないか、かように思うので、私はこれを例にあげてお尋ねするような次第であります。  今日の国際社会では、ほんとうの意味の独立国家というようなものはだんだん言えなくなる。英国でさえ主権の一部の譲渡はやつておりましようし、現にアメリカに対して英国は基地を提供しておる。基地を提供すれば真の独立国でないようなことをよく演説会で聞くのでありますが、私は今日の社会はもはや国際的であつて、いわゆるインデペンデンスというようなことは通らない。もしいうならばインター・デペンデンス、こういうような言葉で、私は世界的社会国家の理想に向つては賛成し、わが議員の中にも大分これに賛成を表せられた人もあるのでありますが、そういう見地から見まして、国連加入が許され、社会党の諸君もこれを熱望されて、その目的が達成した場合には、今きめる必要はありませんが、そういう第四十二条に対しては、こういう心構えで行くのだというくらいなことは、今から政府も政党も認識してかかるべきではないか。ことに日米安全保障条約の完全な履行については、その義務を国民に認識せしめることが政治の大きな問題ではないか、これを私は考えるものでございます。そこで保安隊の漸増ということなども、そういう見地から考えますと国民が納得するので、国内の破壊防止をただ押えるためにのみというと、予算面にけちな考えが生じて来るが、この大きな理想に向つて、世界の平和を維持するために日本の義務を負担するのだという気持でやるならば、少々お互いの税金の減り方が少くても、これは忍耐する考えができて来る。この貧乏なときに、積極的に理解をせしめるためにも、この問題を認識して国民に訴える必要があるのではないか、耳をおおうて鈴を盗むようなことであつてはならぬ。それには第九条を改正する挙に出るか、改正には九〇%以上の必要がありますから、単なる多数決では魂が入らない。それら改正しないで第九十八条で行く程度でよいか、この点は学者がすでに疑問を持つておるから、お互いがここで論じ合つて、大よその線を出して、憲法改正ができればそのときはそのときのこと、それまでは、こういう線でやるのだ、一つも違反ではない、憲法それ自身が認めておるのだという気持で行くくらいなことは、おやりになつてはどうだ。いつまでもほおかむりで、総理大臣がただ漸増という程度で、そして軍備は決して持たないという否定の言葉だけでは、どうも否定されれば否定されるほど、何かしらかえつて逆のようなことに考えられます。私は大体ただいま申し上げましたような憲法の改正の点と、それから保安隊と国連加入と、そういうようなことに関連しまして私の気持を申上げたのです。その概念で吉田総理にあらためてお伺いしたいのです。  それは一つは、共和党政府が成立いたしましたにつきましては、私どもは歓迎しておるのでございます。ことにダレスさんの国務長官就任を歓迎いたしておりますが、これに対してお互いの持つべき心構えといいますか、御用意といいますか、そういつたような点につきましてお聞かせ願えればたいへんしあわせだ。  第二は、憲法解釈について率直に態度をきめられて芦田君流の第九条の改正で、まさかの場合にはやるのだという解釈をとつて今政府が用意されておるのでありますか。あるいは第九十八条によつてやれるからいいじやないか、これを採用されるか。今どちらもいかぬから、いつかはそろそろ憲法の改正、これは今やるべきじやないかもしれぬが、しかしやれるように国論を導く。吉田総理も国民の大多数の——その意味は九〇%という意味でしよう。それが要求するならば考えてもよいというような言葉をすでに漏らされておるのでございまして、先般木村長官と緒方官房長官の対談が新聞に出ておつた。あれは私は間違いのない事実だと思う。あの結論は、国民が非常に要求した場合は、そのときに考えるというふうに私はとつておるのでございますが、それならばそれとして、憲法改正にそろそろ着手する時期ではないか。何も憲法改正はこの第九条改正、軍備問題の意味ではございません。そのほかにたくさん改正すべき問題があります。これは吉田総理の、第一次吉田内閣のときにつくつた憲法ゆえに、そう軽々しく着手できぬという良心的なお気持に対しては、私は律義な総理の気持を買うておるのでありますけれども、しかし一面あやまちを改むるにやぶさかであつてはならぬ。ことに独立後の日本が、これをやるのはそろそろ時期ではないか、それゆえに、そろそろ研究機関くらいあるいは調査会くらい設けられてもしかるべきではないか、御所見いかん。これが三番目です。  それから四番目は、これはあるいは緒方さんから聞いた方がよかろうと思いますが、新設の情報機関はともかくいろいろな批判がありますけれども、しかし従来日本の情報機関がはなはだ不備であつた。公安調査庁へだつてまかしておけない、短波さえキャッチする日本には準備がない。こういうことで、単なる情報を収集するというならばわれわれは賛成でございますが、前のような宣伝機関にして統制するというような意味であれば、これははなはだ議論が多いことと思いますので、これらに対する概念を私は伺いたい。これらを私は吉田総理にお尋ねしたい。  岡崎さんに対して私は、国連加入を申し込まれたのですが、申し込まれた以上は、受け入れられることを自信して申し込まれたことと思いまするが、その場合に国連は拒否権もあることなので、日本は、正式加入は困るが、オブザーヴアーの地位ならばどうか、こういうような言葉があつた場合に、これに応ぜられるお気持でございますか。イタリアが、国連に加入して最も熱心なる立場において正式な加入国としてやるまでは、オブザーヴアーなんかではつまらぬという毅然たる態度を示しておるようでございますが、私の気持はやはり日本もそういう気持でやつて行つて、まあまあ軽い意味で準会員でもいいからというようなことには応ぜられるかどうか。私は応じない方がいい、正式に堂々たる義務をも感じ、履行して行くのだからという立場がいいと思いますが、これに対する御意見いかん。また国連加入ということは、一面国民が国連の精神を理解しなければ、私は物にならぬと思う。それに対する御用意はなはだ不足と私は思う。現に日本国内にある国連協会のごとき——これは片山内閣か芦田内閣のときでありますか、日本の憲法を普及するにすら、何千万円の金を使つたことがある。しかるに国連協会の費用のごときは、五十万円か百万円しか出ていないという話であります。こういうような意味におきまして、国連に参加の用意いかん、その心構えを岡崎外相より御答弁を伺いたい。  最後に木村保安庁長官に、先般の岡崎外相との問答が新聞に出たのでありますが、私の今問わんとする気持は、木村長官は御理解くださると私は信ずるゆえに、まだこの問題についてはお話をしたことはありません。けれども保安隊に魂を入れるということは、先般も何か精神というような言葉が出ておりましたが、わずかの数をもつても、魂が入ると入らぬでは非常にそこに違うのでありますが、魂を入れる方法は、今日のようなこの論議の種にしないで、はつきりした、決して日本が昔の軍隊を再建しようとはだれも思つていないけれども、まさかの場合には、日本が防衛の地位に立つて国を守るのだというその精神を発揮せしめるためには、かえつて私はこれをはつきりした方がいいのじやないか、憲法改正できぬならできぬで、第九十八条でやるとか、あるいは改正してでもやるという方向を示されたならば、そこに私は精神作興が起るだろう、魂が入るだろう、こういうふうに思うのでありますが、これに対する木村長官の御意見いかん。また大学生や青年が非常に私どもの選挙区でも反対をしておりましたけれども、今でも志願であるが、将来これをかりに正式軍として見るにしても、志願兵制度にすればよいではないかと言つたら、いやそういうことならよろしいという声を方々で聞いたのでありますが、かりにそういう方向に進むといたしましても、わずかの数でありますし、私は昔のような軍隊を復帰するとは毛頭思つておらないのでございますから、ただ今の保安隊に魂を入れるために正式化するためには、やはり志願制度を続けられることが一番いいと思いますが、御意見はいかがでしようか。また総理は漸増という言葉を使つておられますが、その漸増の程度、こういうようなことにつきまして、一応のお答えを得たいと思う次第でございます。

吉田茂自由党内閣総理大臣

○吉田国務大臣 星島君にお答えをいたします。朝鮮の事変が発生以来約二箇年に近く、いまだその解決を見ないために、アメリカ本国においても問題が大統領選挙のときの問題になるというところまで重大に考えられており、また日本といたしましても、朝鮮の事変が解決しない限り、また戦争が現に行われている限りは、そのたびごとに日本の治安に、あるいは民心に動揺を来す。これは日本といたしても、この朝鮮事変の経過は軽々に考えておるべきではないということは当然であります。そこで新大統領たるアイゼンハウアー元帥も、みずから現地を視察することを考えられて、現地視察におもむかれることになつたことと了解いたしますが、そこでその結果、どういう政策を立てるか、朝鮮に対する政策はもちろんのこと、その際でも新政権ができた場合、新行政政府ができた場合、共和党がいかなる政策を立てるか、ことに外交についてどういう政策を立てるかということ、これは日本として重大な問題として考えなければなりませんが、しかしいまだ共和党があるいはアイゼンハウアー元帥が、いかなる政策、具体的な案を考えておられるか、これはだれも知らないことであります。思うに、大統領の任命が終つて、そうして新行政政府が成り立つた場合に、明らかにせられることと思いますが、これに対して今日からどういう心構えをするかということは、その具体案を見ざる限りは、用意と申してもここにこうこうこういうふうにいたしたいというようなことは、これは言えないことは当然であります。また考えておつても言うべからざることとも考えますが、しかしいかなることがありましても、いかなる政策が立つといたしたところが、発表せらるるとしたところが、日本としては、世界の平和ことに極東の平和の樹立については協力すべきであると考えます。いかに協力するかということがすぐ問題になるかもしれませんが、これは具体案を見た上でなければ具体的には申せませんが、いずれにしても共和党の主義とするところ、あるいは国連の主義とするところは、世界の平和を確立するということであり、また世界の平和を確立するためには、自由主義国家が相互いに協力する、この線については日本としては協力する態勢といいますか、政策は、考え方はすでにしばしば発表しておるところであります。でありますから、この点によつて行動するという以上に、共和党の政策がはつきりしない限りは、あらかじめここにこういう用意があるということは、申し得ないのが当然であると思います。  そこで今のお話の憲法改正云々でありますが、一国の独立はその国の国力によつて守ることは当然であります。当然でありますが、敗戦後の日本として、国力の充実せざる日本としては、あるいは過去における蓄積をすべて失つた日本としては、ただちに海陸軍を持つとか、あるいは軍備を持つ、国力の回復せざる前になお軍備を先に考えるということは、これは私はよろしくないと考えるのでありますゆえに、安全保障条約で集団的に、あるいは日本に対して侵入をするという外敵が生じた場合には、一応集団的の防禦方法を考えて、そうして安全保障条約で守り、また内輪における平和秩序を破壊する者があれば、保安隊でもつてこれに対応する、これ以外に日本の進むべき道はないと考えておりますので、従つてただちに軍隊を持つために憲法改正に着手すべしとか、あるいはまた国連に加入することは希望するところでありますが、その加入の条件として軍隊を持てという注文がつく場合には、このときには政府としてはあるいは加入までもできないといつて、拒否しなければならないような状態になるかもしれませんが、しかしいまだ加入の条件については明らかにされておらないのでありまして、のみならず加入を許されておらないのでありますから、加入を予想してそうして軍隊を置くとかいうようなことは、これは考え方があまりに早く、早計に失することと考えます。ゆえに私は憲法を改正する用意なり、もしくは調査機関を持つということは、まだ早いのではないかと政府——私としては考えておるのであります。しかし先ほどお話の通り、国民輿論が動いて、そうしてさらに軍隊の関係のみならず、その他の憲法の箇条について国情に合わないものありとして、国論、輿論が動いて来た場合に、政府は当然その輿論に従つて考えるべきでありますが、いまだその時期に達したとは私は考えませんから、政府としては憲法改正調査機関をただちに設ける、あるいは近き将来において設けるがいいという考え方には、私はまだなつておりません。またダレス氏あるいはアイゼンハウアー元帥にせられても、ダレス氏は日本に三、四回見えておられますげまたアイゼンハウアー元帥も終戦直後、四六年と思いますが来られたことがあります。ともに日本の国情は相当よく了解しておらるる政治家と考えますから、日本に対して無理な要求、あるいは日本の憲法に反する要求、こういうような要求を、ただちに——たとい共和党の政策が発表せられる場合において、そういう考え方をもつて日本に臨まれることはまずないと私は思います。ゆえに今後共和党の政策あるいは新内閣、新行政政府の樹立せられた場合に、日本に対してどういう意向、要請がありますか、その要請を見て考えておそくはないのであつて、あらかじめ憲法改正の用意をする必要はないのではないか、こう私は考える。しかし御意見としては伺つておきます。

緒方竹虎自由党内閣総理大臣臨時代理・国務大臣・内閣官房長官

○緒方国務大臣 先ほどお話のいわゆる情報機関につきまして、私からお答えを申し上げます。いわゆる情報機関の問題につきまして、政府が何か官製のニュースを流して、それによつて戦争中行われておつたような言論報道の統制をやるかのごとき誤解があるようでありますが、政府といたしましては毛頭そういう考えは持つておりません。  政府の考えはまだ十分に固まつておりませんが、その趣旨といたしますところは、今日の米ソの対立を中心にいたしました世界の動き、その動きの個個の現象につきましては、いろいろな機関を通じまして情報を収集しておりますが、全体の基本の世界の動きがどういうふうになつておるか、これを戦争中に非常に発達いたしました各国から放送されております無数の短波、これを集めますことによつて、極端な例を申しますならば、モスクワの動きを南米あるいはア7リヵの放送によつても探ることができるのではないか、そういう考えからいたしまして、できるだけこの放送を集めまして、それを整理し分析して、今日の国際情勢の動きに最も正しいと思われる認識を得たい。そういう考えから、いわゆる情報機関というものを今もつばら構想を練つておる。政府といたしましては情報に関する政府の仕事の限界は、正しい事実を出す、ちようど一例をあげますれば、イギリスのステーシヨナリ・オフィスでやつておりますように白書でありますとか、白書でないまでも、数字その他政府が入手いたしました最も正確な資料を、少しの主観も交えずして、しかも廉価に頒布をするということが、限界であると私は考えております。今のいわゆる情報機関を通じまして、何か政府が民間に官製のニュースを流すというような考えは、毛頭持つておりませんことをこの機会に申し上げます。

岡崎勝男自由党外務大臣

○岡崎国務大臣 ただいまのお話の中に国連に対するオブザーヴアの問題でありますが、伺つておりますと、普通にいう準備加盟ということだと考えております。オブザーヴアーというのは国連の重要なる会議の模様等を知ることが必要でありますので、いろいろの国が出しておりまして、現にただいまの第七回総会におきましても、日本のみならず、イタリア、西独、スイス、韓国、オーストリア、フインランド、ヴエトナムなどの八箇国がオヴザーヴアーを出しております。しかしそれとは別に、いわゆるノン・ヴオーテイング、メンバーと申しますか、投票権を持たない準加盟という種類のことが考えられておりますが、これは国連の憲章にもありませんし、また先例のないことであります。ただイタリアについては、前にそういうふうにしてさらに国連と密接な関係を持ち、各総会、委員会等においても発言をする機会を持つたらどうかという話があつた由であります。これにつきましては、しかしまだどういう権限を持ち、どういう義務を持つかという規定も何もありませんので、具体的にどういうふうになるかということはわからないのであります。われわれも国連加入が拒否権によつてただいまのところ成立しておりませんから、オブザーヴアーは出しております。またいわゆる準加盟というものが一体どういうことになり得るものかということを研究はいたしておりますが、この点はまだ何も具体化しているわけではない。それから国際連合について、国内において大いに啓発をし、国民の支持を求めるために努力すべきであるというお話は、これはまつたく同感であります。日本の国際連合協会、最近はこれに対する支部も各地にできており、各県の知事等が非常に強い協力をしてくれております。これにつきましても、政府としてもできるだけ費用を出して、今のような各方面の寄付金によつてまかなつておるということでなく、ある程度安定した予算的の考慮ができるようにいたしたいと考えおりますが、ただいまいろいろ経費の必要な際でもあり、思うにまかせないのでありますが、今後とも国会の御協力を得まして、その方面にさらに力を注ぎたいと考えます。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 星島君の保安隊員の精神作興をいかにすべきかという御質問にお答えいたしたいと思いまする申すまでもなく、わが国が独立国家として将来世界に伍して行くためには、何よりもまず国内の平和と秩序を維持するということが、最大の要務であるとわれわれは考えております。しこうして保安隊はわが国の平和と秩序を保持し、人命と財産を擁護するために発足したものであるのであります。この崇高な任務を隊員が将来になつて行くものであるという自覚と責任感を持たせて、この基盤の上に愛国心を高揚して行けば、十分に保安隊員の精神が作興できると私は確信しておるのであります。この線に沿つて、ただいま着々と保安隊員の訓練に私は努力をいたしておる次第であります。  次に将来保安隊員の募集について、徴兵制度あるいは志願制度にするかという御質問でありますが、私といたしましては、これは御説の通り志願制度にして行きたい、こう考えておる次第でございます。

星島二郎自由党

○星島委員 漸増の程度とかいうことについて何かお話ができますれば伺いたい。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 漸増問題につきましては、御承知の通り、自衛力漸増というのは、日本の国家を守つて行くという、いわゆる実力を漸増して行こうという意味であろうと私は考えております。しからばこの実力というのは、必ずしも保安隊の増員とかなんとかいうものに限るものではないのでありまして、あらゆる通信機関の整備とか、あるいは私が常に申します、国民がみずからの手によつてみずからの国を守つて行くという精神の作興とか、これらを総合したものが一つの自衛力の漸増と私は見ておるのであります。今ただちに保安隊の隊員を増加してやろうというようなことは考えておりません。今申し上げましたように、精神作興方面あるいは訓練、整備その他を十分に整えまして、漸次これを強化して行きたい、こう考えておる次第であります。

星島二郎自由党

○星島委員 私はなお中小企業振興の問題、それから労働問題、ことに向井大蔵大臣に対しましては、貿易振興のためから造船の損失補償、あるいは鉄の二重価格制の問題について、お尋ねしたいのでありますけれども、時間も来ましたし、きようは総括質問としてほかの人にお譲りしたい、あとの問題は留保させていただきたいと思います。

太田正孝自由党

○太田委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明日午前十時より開会いたします。これにて散会いたします。     午前十一時五十二分散会

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