予算委員会 第3号
- 発言数
- 17 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1952/11/25
会議録
○太田委員長 これより会議を開きます。 この際お諮りいたしたいことがございます。前会の理事会の申合せによりまして、昨日付託になりました昭和二十七年度一般会計予算補正(第1号)外二案につきまして、一日間の日程をもつて参考人六名より意見を聴取することとし、その日時は十二月三日午前十時よりとし、人選につきましては委員長及び理事に御一任を願いたいと思いますが、御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○太田委員長 御異議なしと認めます。よつてそのように取運ぶことにいたします。 —————————————
○太田委員長 それでは日程によりまして昭和二十七年度一般会計予算補正(第1号)、昭和二十七年度特別会計予算補正(特第1号)及び昭和二十七年度政府関係機関予算補正(機第1号)を一括議題として議事を進めます。まず政府の提案理由の説明を求めます。大蔵大臣向井忠晴君。
○向井国務大臣 それではただいまから御説明申し上げます。 昭和二十七年度補正予算案の大綱につきましては、すでに本会議において御説明をいたしましたのでございますが、予算委員会の御審議をお願いいたしますにあたりまして、今回の補正予算編成の根本方針と、その内容となる主たる事項につきまして、あらためて概略御説明を申し上げます。 第一に、極力国民負担の軽減をはかるため、主として低額所得者に対する減税を行うことにいたしました。税制の一般的改正は昭和二十八年度において行います予定でございましたが、さしあたり所得税の負担を一層軽減合理化するため、所得税法の臨時特例を設けまして、明年一月以降の給与所得及び退職所得の源泉徴収税額につき、相当の減額をはかる等の措置を講ずることといたしたのでございます。その結果、一例をあげますと、所得月額一万五千円の夫婦者で四割四分、所得月額二万円の夫婦及び子二人で四割三分の減税となるのでございまして、このため、本年度における減税額は二百三十億円に上るのでございます。 第二に、均衡財政の原則を堅持しましたことであります。すなわち今回の補正による一般会計の歳出増加は、およそ七百九十八億円に上るのでありますが、これが財源は、国民経済の伸張発展による国民の所得、及び消費の増加に伴う租税その他の増収をもつてまかなうほか、一般行政事務費の節約をはかることとして、もつて一般会計の収支の均衡保持に努めたのでございます。 なお特別会計及び政府関係機関により予定されております各種の財政投資の財源調達につきましても、過去に蓄積された資金の活用をはかることとしたのであります。 第三に、公務員給与の改善をはかるため、本年十一月から現行給与水準を平均二割程度引上げるほか、〇・五箇月分の勤勉手当等を支給することにいたしました。これがために要しまする経費につきましては、一般会計において約百二十八億円を計上いたしたのでございます。各特別会計及び政府関係機関におきましては、原則としてそれぞれの収入増加をもつてまかなうことにいたしたのであります。ただ日本国有鉄道につきましては、本年十一月から仲裁裁定のベースを実施するとともに、〇・五箇月分の手当を支給するに足りる財源を計上することとしているのでありまして、これがため明年一月から旅客運賃を、二月から貨物運賃をそれぞれ一割程度引上げることにいたしました。 なお地方公務員につきましても、国家公務員に準じた給与の改訂を実施することといたしました結果、主として右の所要財源を確保するため、地方財政平衡交付金を二百億円増額給付することにいたしました。さらに地方財政の現状にかんがみ、地方起債の限度を百二十億円増額いたしました。 第四に、米の生産者価格の引上げに伴いまして、明年一月から消費者価格の引上げを実施することにいたしたのでありますが、これに関連して、食糧管理特別会計の赤字を補填するため、百十五億円を一般会計から同会計に繰入れることといたしました。また米の輸入価格の上昇に伴いまして、輸入食糧補給金を百十億円増額することといたしたのであります。 第五に、経済力の充実と国民生活の向上をはかるために、さらに相当の財政投融資を行うことが必要でありますので、これがため一般会計におきまして、中小企業、農林漁業及び住宅等に対する資金の供給を増加いたしますための投資を九十億円増額するとともに、他面資金運用部資金の活用によりまして、産業資金の確保をはかつたのでございます。 以上今回の補正予算の主たる内容について御説明申し上げましたが、なお詳細については政府委員をして説明いたしたいと存ずる次第でございます。
○太田委員長 次に順次事務当局より補足説明を聞くことにいたしますが、まず主計局長の説明を求めます。河野一之君。
○河野(一)政府委員 大蔵大臣の御説明に引続きまして、多少補足的な御説明を申し上げたいと思います。 まずこの補正予算編成の基礎になつた重要事項についての分析を申し上げたいと思いますが、最初に給与問題であります。給与は大蔵大臣の御説明の通り、十一月から平均二〇%程度アツプするのであります。現行の給与水準は昨年の十月に定められたものでありまして、その後CPIは大体一・五%程度の騰貴でありますが、その間CPSは大体一八%程度上昇いたしております。毎月勤労統計におきます産業平均賃金でも、大体一八%程度の上昇でありますので、こういつた関係をも考慮し、また人事院の勧告を尊重いたしまして二〇%程度を引上げることにいたしたのであります。国鉄の裁定のベースにつきましても、一万三千四百円を十一月から実施し、かつ〇・五箇月分の年末手当を支給し得る程度の財源を計上いたしておるわけであります。この関係におきまして、給与のこの予算に計上いたしました額は、一般会計におきまして百二十八億円、特別会計におきまして八十億円、政府関係機関におきまして百五十億円でございます。但しこの間、各会計間の経費の金額に重複がございますので、純計では三百二十二億円ということに相なります。お手元に「昭和二十七年度予算補正の説明」というのが行つておるのでありますが、その第一ページから第二ページにわたつて書いてありますように、平年度におきましては、一般会計において二百五十億円、特別会計において百五十九億円、政府関係機関におきまして二百九十九億円、これを純計いたしまして六百三十四億円であります。このほかに地方団体におきましても、同様な措置を講ずるものといたしました場合におきまして、今年度において地方団体におきまして、二百七十五億円、これを国の職員と合計いたしますと、今年度において五百九十七億円と相なります。平年度におきましては、地方団体は五百三十三億円、中央地方を通じて千百六十七億円ということに相なるわけであります。 いわゆるべースといつて俗称せられます給与水準のことでございますが、昨年十月におきまして、想定いたしましたところの給与ベースなるものは、一万六十一円でございました。その後におきまして、公務員の範囲が、たとえば裁判所、国会等の職員が特別職になつた等の関係におきまして、当時とは国家公務員の範囲が違つておりますが、現在のもので行きますと、一万七百十四円ということが推定いたされます。これはその後における昇給、昇格、それから勤務地手当率の改訂等に基くものでございます。今回のベース・アツプの結果、これが一万二千八百二十円ということに相なります。そのうち基本給に相当いたしますものが、一万二千四百五十四円、特殊勤務手当が三百六十六円ということに相なります。過般の国会におきまして、公共企業体労働関係法が改正に相なりまして、郵政、造幣、印刷それからアルコール、国有林野等の諸会計の企業会計の現業職員は、国家公務員法の適用を受けない。公労法の適用を受けることに法律は改正になりまして、この施行期日は政令をもつて定めるということに相なつておるのであります。この予算におきましては明年の一月からこれを施行するという前提のもとに予算を編成いたしております。 第二は米価を中心とする食糧の問題でありますが、大蔵大臣御説明の通り、明年一月から内地米十キロ六百二十円を六百八十円にいたすのでありますが、この編成の前提になつておる食糧に関する諸種の係数は、普通供出を二千五百五十万石、超過供出を二百七十五万石見込んでおります。早場米につきましては、この十一月末日までに、最高千円、順次段階的に三百円までの奨励金を出すわけでありますが、千三百六十万石、最近の数字では千二百万石程度すでに出ておるようであります。金額として八十三億円を計上いたしております。価格につきましては内地米六百八十円でありますが、外米のうち準内地米と称せられる台湾米、加州米、ブラジル米等は、内地米と同じ価格でありますが、ビルマ、タイの米は従来価格差を一〇%にいたしておりましたものを、明年から一五%にいたしまして、五百五十円が五百八十円ということに相なります。今のような結果、今年度において消費者価格を一月から上げます結果、その間における食管に赤字が出るのでありますが、これが七十八億円ほどに相なります。予算には百十四億六千万円となつておるのでありますが、これは二十六年産米のバツク・ペイが約十億円、二十七年度の麦の消費者価格のすえ置によりますものが約十億、それから学校給食、これは九万トンでありますが、これの関連によりますものが十四億円、そのほか酒米の販売の利益等がありまして、差引計算いたしました結果百十四億六千万円になるのであります。食糧証券は年度末二百三十億円を増加いたしまして千四百七十億円と相なる見込みであります。 次に食糧の輸入でございますが、食糧の輸入総量は大体かわつておりません。ただ米が百一万トンが百五万三千トンになり、大麦が七十一万六千トンが八十八万トン、小麦が百七十九万トンが百五十八万トンと多少減つておりますが、総量におきましてはほとんど異動はございません。輸入食糧補給金が増額になりましたのは、主として米の輸入価格が上つたのでございまして、米は当初予算におきましては一トン百七十二ドルというふうに計算いたしておつたのでありますが、最近の価格は未契約のものと既契約のものとで違いますが、百九十二ドルないし二百三十五、六ドルということになつております。平均いたしまして、二百十三ドルということで見ております。大麦は当初予算のときには九十七ドルと見ておつたのでありますが、最近の価格は八十九ドル半ないし百一ドルないしニドルということになつておりまして、これを平均九十五ドルと補正予算で見ております。小麦は百ドルということで計算いたしておりましたが、これは九十二ドル七十セントないし九十九ドル半、平均いたしまして九十七ドルということで予算を組んでおるような次第でございます。 次は地方財政の問題でありますが、地方財政につきましては給与の引上げに伴い、約二百七十五億円の給与増加がありまするほか、教育委員会の設置、行政整理方針の修正等によりまして、歳出の増加三百九十六億円程度に相なります。一方歳入の方におきましては、今年の一月から入場税、遊興飲食税を減税いたすので、その関係において約二十六億円減少するのでありますが、他方その他の地方税において増加がございまして、約十億ほどの地方税の増加に相なります。その他補助金の増加等がございまして、差引三百二十億円の財源所要に相なりまして、うち二百億円を平衡交付金、百二十億円を起債の増加によつた次第であります。 次は財政投資の問題でございますが、これは予算の説明の第三ページをごらんいただけばよろしいのでありまして、当初予算の際には、一般会計、資金運用部、見返り資金を通じまして二千五百十五億円の財政投資を予定いたしておつたのであります。その後この計画は年度途中において変更になり、また補正予算を加えて変更に相なりましたので、さらに増加いたす財政投資が六百五十二億円、この括孤内はこの補正予算に直接伴うものでございます。そのうち一般会計において九十億円、資金運用部において五百六十二億円、うち補正予算関係が百六十七億円ということに相なつておるのであります。 次は運賃料金の問題でありますが、これも御承知の通り、国鉄につきましては、明年の一月から旅客、二月から貨物、これは運賃体系の決定に相当手間をとる関係上、貨物の方は二月からでないと間に合わぬようであります。大体一割程度引上げまして、年度内増収約四十二億円であります。しかし一方におきまして、その他自然の輸送量増加に基く収入の増加もございますが、石炭、電力料金等の値上げを見まして、結局年度内約三十億円程度の赤字が出るのであります。節約も約十七億円ほどやつておるのでありますが、三十億円程度の赤字がありますので、この金額を預金部から借入れをいたすことに相なつておるのであります。電気通信料金及び郵便の料金につきましては、平年度を見通しました結果、結局明年度においても大体料金の改訂を行わずに済ませられる見込みであります。鉄道会計の明年度の所要額は約二百十億円であります。平年度収支として二百十億円でありますが、現在の鉄道の運賃収入は、自動車関係を除きまして約二千二十億円でありますので、大体一割程度のアップで平年度はまかなえる見込みであります。国際収支につきましては、また別の政府委員から御説明をいたすことにいたします。 以上基礎的な問題を御説明申し上げまして、次に第六ページを見ていただきまして、ここに掲げられております補正予算の重要事項の内訳について多少申し上げてみたいと思います。中には説明いたしたこともございます。まず公共事業費でありますが、このうちの一般公共事業は、各種の経費が入つておりまして、特殊土壌地帯で五億八千四百万円、約十三県にわたります。急傾斜、つまり段々畑で一億四千万円、積雪寒冷地帯の追加指定に基くものが二億三千八百万円、公有造林いわゆる講和造林とかいわれておりますが、これが二億円、それから開拓地が接収されまして、そのため他の開拓地に再入植する関係で一千八百万円、それから道路費が参宮国道を中心といたしまして二億円、神戸、横浜におきまする接収跡地の特別都市計画費が一億六千四百万円等でありますが、災害対策といたしましては三十五億円であります。そのうち過般の国会の法律改正に基く過年災の補助率等の改正に基くものが十五億一千万円、当年災が二十億円でありまして、本年度当初予算に八十億円計上されておるのでありますが、これが二十億円さらに追加する次第であります。今年度の最近までの災害は、事業費で五百億円、国費で約三百三十億円と推定いたされます。その結果大体初年度三割程度の経費が追加されると考えております。 次の欄の食管の不足補填、輸入食糧の調整補給金、これはさきに御説明いたしました。水防対策は今年の六月十五日の閣議決定に基きまして、水防資材の整備のために補助金を出すことにいたしたものであります。農業保険は、このうち約十一億円は昨年の水稲の赤字であります。約三億円は保険料率の最終的調整に基きます国庫負担の増加であります。農林漁業金融は現在まで三百二十億円の資金を持つておりますが、今回五億円追加いたしまして、このほか返済資金が特別会計において三億円ございます。漁業関係に六億三千万円、サイロ、堆肥舎等畜産関係に一億七千万円が予定されております。商工中金に対する貸付金、二十億円、これは一般会計から商工中金に貸し付けまして、大体利率は五分五厘、三年程度と一応予定いたしておりますが、中金を通じまして中小企業金融の円滑化に資したいと考えておる次第であります。中小漁業融資保証保険特別会計は、漁業証券の繰上げ償還金を財源といたしまして、組合におきまして二十億円程度の金融基金を出し、また都道府県もこれに出資いたしまして、漁業金融の保証をいたし、それの再保証約七〇%を国において保証するという建前に相なつております。現在中小企業において行われていることは、大体同じ趣旨の信用保証を行うものであります。国民金融公庫の出資は一般会計から三十億円の増加でありますが、このほかに資金運用部で二十億円の借入れを予定いたしております。この結果国民金融公庫の資金は二百二十億円となる予定であります。住宅公庫につきましては三十億円でありまして、従来からの部分を合せますと四百六十億円の資金を持つことに相なつております。この三十億円につきまして、四回落選した者は優先的と申しますか、大体当るというような考え方をしてやつております。失業保険は、紡績業の操短等により、最近失業者が増加いたしました結果に基きまして、保険金の三分の一を国庫で負担しておるのでありますが、その分でございます。最近の失業保険の支給人員は大体三十四、五万人程度であります。租税払戻金は青色申告に基く欠損繰りもどしに基く払戻金、あるいは過誤の払いもどし金等であります。平衡交付金については申し上げました。 老齢軍人の給与につきましては、これは六十歳以上の軍人、軍属及びその未亡人につきまして年末に二千円程度を支給するはずであります。約八万二千人であります。 給与改善費につきましては先ほど御説明いたしました。 その次の雑件でございます。雑件のおもなものは、これは非常に件数が多うございまして、一々申し上げるのもいかがかと思うのでありますが、おもなものを申し上げますと、国会図書館におけるPBリポートの購入、これが六千九百万円、警察法の改正に基く東京都の警視庁の警察費の一部を負担する分が年間一億六千七百万円、産業教育費が一億二千六百万円、公立中学校屋内体操場整備費三億六百万円、国立病院の一部地方移譲が予定の通り進捗しなかつた関係によるものが四億九千二百万円、漁船再保険の損失補填増が一億一千万円、瀬戸内海における漁業調整に必要な減船整備が六千二百万円、離島航路の整備法制定に基く船舶の建造の利子補給が千二百万円、四分の補給です。それから船舶建造利子補給という外航船舶の建造について、市中金利と開銀金利との差額を補給するという制度を新しく創設いたすことにいたしておるのでありますが、これは今後五箇年間にわたりまして三億三千五百万円の利子補給を予定しております。これは八次後期の造船から通用するということで、トン数五万トン、市中金利は一一・八五%平均になつておりますが、これを開銀金利の七分五厘程度に引下げたいというふうに考えておるのであります。その他多数ございますが、重要でもございませんので予算書で御了承願いたいと思います。 節約が、三十五億円ございますが、この節約は旅費について一〇%、庁費を中心とする物件費につきまして五%を節約いたし、それから今年の夏人員の不補充の閣議決定をいたしておりまして、その他行政機構改革等に基く人件費の不用額等を集計いたしたものがこの金額であります。もちろん予算の姿といたしましては三十五億円が減少に出て来るわけではございまんので、同一の款項におきまして、追加のあるものは一部これを差引いて計上いたしますので、予算上に現われた修正減少額は三十一億円程度に相なつております。 次に歳入の方でありますが、租税及印紙収入の増加、これは別途主税局長より御説明いたします。日本専売公社の納付金の増、これはタバコのピース、光の売れ行きの増加に基くものでありまして、当初予算においては販売八百六十八億本と予定されておりましたが、八百九十四億本に改訂いたしております。 雑収入でありますが、病院収入はベットの増加に基くもの、国有財産の売払い代金の増加は、賠償指定施設の解除に基く機械等の売払いの増加等に基くものであります。貿易特別会計は前年度から繰越しました鉛、すず等の元の貿易特別会計における処属財産の売払いが本年度に遅延いたしましてずれた関係もございまして、その歳入は本年度に入る予定であります。その次の公団出資回収金は、次のしまいから三番目の公団納付金とも関連するのでありますが、公団の解散清算が多少遅れまして—実はこの歳入は二十六年度の歳入に見ておつたのでありますが、いずれも清算が遅れまして、今年の四月あるいは六月に清算が結了いたしまして、その分の利益金に相当するものと、それから資本金に相当するもの。前者の出資、回収金の方は資本金に相当するものであります。配当及利子収入は、指定預金の利子あるいは共有船舶の配当金等であります。日本銀行の納付金は二十六年度の下期と二十七年度の上期の決算に基く増加額であります。日本開発銀行におきまして納付金が減つておりますのは、これは炭鉱住宅の利子を下げたのと、それから見返り資金の出資を引継ぎました関係で、その見返り資金に対する利払いと利息収入とのずれによる分、それから旧復興金融金庫から引継ぎました債権につきましては、これは一割であつたかと思うのでありますが、これも本来の電力、造船等に現在七分五厘で貸しておりますので、そこまで利下げしましたのが開発銀行の納付金の減少であります。その次の公団のことは先ほど御説明いたしましたが、次の特別調達資金及び連合軍円資金勘定返還金—ちよつとややこしいのでありますが、特別調達資金は、これは現在駐留軍の労務の調達をやつておりますが、一人六百三十一円で、その総掛費を特別調達資金から一般会計に繰入れております。これは二十七年度の予算には当初十一億ほど計上があつたのでありますが、労務者が増加いたしましたのと、二十六年度の収入がずれて本年度に入りました関係で、それが約十一億円、それから連合軍円資金返還金でありますが、これは旧連合国軍が進駐の当時、二十年の九月に立てかえ払い金といたしまして、二十一億円の金を後に終戦処理費から渡し切りとして渡したのでありますが、それがだんだん使われまして九億円残つておりまして、講和発効と同時にこちらに返してもらつた分であります。その他は特に御説明申し上げることはございません。減税額は二百三十億三千二百万円、これは予算書の姿では源泉所得税の金額がそれだけ減少して現われたのでありまして、ここに現わしたのは財源関係を一括して申し上げた次第であります。 特別会計については、電気通信事業特別会計が今年の八月から公社に相なりまして一会計減るのでありますが、中小漁業融資保証保険特別会計ができまして、数はかわりありませんで、三十四ということに相なります。 政府関係機関の鉄道につきましては、電化の関係で十五億円、新線及び休、廃止線の復活の関係で五億円、合計二十億円の建設工事勘定の追加がございます。 電通におきましては二十億円、これは電通債券の発行によりまして電話の増設をいたすことになつております。 特定道路整備事業におきまして七億円の追加がございます。 大体以上をもつて御説明を終ります。
○太田委員長 主税局長平田敬一郎君。 念のために申しますが、どうぞ数字の説明をするときには明確に、また大切なところはゆつくりやつていただきたいと思います。
○平田政府委員 私の方からは租税及び印紙収入の予算につきまして、先ほどの説明を補足して御説明申し上げます。念のためにお手元に二つの資料をお配りいたしておりますので、それに基きましてなるべく御説明申し上げたいと思う次第でございます。 一つはごく薄い資料でございますが、「昭和二十七年度補正予算に伴う税制改正の要綱」と、それからいま一つは、「租税及び印紙収入補正予算の説明」という横書きのものでございます。 最初に税制改正の内容につきまして簡単に申し上げたいと思います。今回の改正は所得税の臨時特例を設けることでございますが、改正の点は三点ほどございます。一つは来年の一月から三月までの給与所得と退職所得に対しまする臨時減税でございます。いま一つは社会保険料につきましてだけは、本年一月にさかのぼりまして、この年末調整と来年二月の確定申告の際に控除しようという点でございます。それから第三点は、来年二月の確定申告の期限を、来年の三月十六日に延ばそうという点でございます。というのは、十五日が日曜日に当つておりますので、便宜本年度分だけは十六日にいたしますが、来年度分におきましては三月十五日に改めたい考えでございます。以上の三点でございますが、第一の点だけもう少し御説明申し上げたいと思います。 これはこの書類に出ておりますように、基礎控除の年額現在五万円を六万円、扶養控除につきましては、最初の一人だけにつきまして、今二万円でございますが、それを三万五千円に引上げる。これは主として妻控除の意味もございますが、妻だけ控除するということはいろいろの弊害がございますので、最初の一人だけ控除して、世帯持ちを優遇する。こういう意味におきまして最初の一人だけ三万五千円に引上げる。勤労控除につきましては、現在は三万円で頭打ちいたしておりまして、二十五年度に改正いたしましたそのままになつておりますが、その後の所得の増加等を考えまして、四万五千円、五割程度引上げる。それからいま一つは、先ほど申し上げました各種の社会保険料につきまして、所得金額の計算上何らの制限なしにこれを控除するということでございます。大体総平均いたしますと、所得に対して三分四厘くらいの控除率になるようでございます。もちろん人によつて違いがあります。 それからいま一点は、税率につきまして最低税率、現在は八万円以下—これはもちろんいろいろな控除を差引きました課税所得でありますが、課税所得八万円以下二〇%ということになつておりますのを、これを二つにわけまして、少し小さくなりますが、二万円以下を一五%に下げる。二万円を越え七万円以下を二〇%にし、七万円を越えるものを二五%にする、こういう改正を行おうという趣旨でございます。その上につきましては現行通りでございます。なお税率につきましては、目下の段階におきましては富裕税を廃止したい方針でございますが、その意味におきましてはこの税率の高い方につきまして、若干の引上げを行わなければならないと考えておる次第でございます。しかしこれらの改正は、いずれこの次の国会に来年度の予算と同時に改正案をつくりまして提案する考えでございます。 以上が大体改正の内容でございますが、その結果所得税負担がどうなるかという表を三ページに掲げてございますので、これにつきましてちよつと御説明申し上げておきますが、まず独身の場合は、七千円から一万円前後の所得層が一番多いという状況でございますから、七千円の場合をとりますと、現在三百五十六円の負担が九十一円になりまして、二百六十五円の減税になり、その割合は七割四分四厘、一万円の場合は現在八百六十六円の税額が五百四十九円になりまして、三百十七円の軽減で、三割六分六厘の減税、以下順次家族の多くなるに従いまして違つて参りますが、標準世帯と考えられます月収二万円で夫婦及び子供二人の場合でございますと、現在千七百五十円負担いたしておりますが、改正後は九百八十一円となりまして、四割三分二厘の軽減になります。大体今回の所得税の軽減によりましては三割五分から四割前後軽減になる人が、数から行きますと最も多いのではないかと考えております。もちろん所得の大きさ、家族の状況に応じまして、その率は人によつて区々でございますが、大体そういうことが言えると思います。 なお各種控除の引上げによりまして、いわゆる免税点と称するものも大分かわつて参ります。この方は年額で計算いたしておりますが、その次に掲げております。扶養親族四人、奥さんと子供三人の場合でありますと、現在が十四万七千円まで免税になつておりますが、この案によりますと年額で十八万三千円、もう一人多くなりますと二十万一千円程度まで税がかからなくなるということに相なる予定でございます。 大体今回の改正の内容はきわめて簡単でございますが、以上申し上げたような次第でございます。 その次に租税収入の見積りの基礎につきまして御説明申し上げたいと思います。この方は「租税及び印紙収入補正予算の説明」という、少し詳しい資料を調製してお手元に差上げておるのでございますが、この全部につきまして詳細に御説明申し上げますのは、必ずしもその必要ないと存じますので、要点を御説明申し上げるだけにしたいと思います。 最初に総説といたしまして、若干概略的な説明をいたしたいと存じます。昭和二十七年度租税及び印紙収入の予算額は六千三百八十一億七千七百万であつたのでございますが、それを最近の実績によりまして見積りますと、七千八十三億五千八百万円になるのでございまして、七百一億八千百万円の自然増収を見込んだ次第でございます。これから今申し上げました税制の改正による収入のうち、本年度に影響する分二百三十億三千二百万円を差引きますと、今回の補正予算に計上しましたところの租税及び印紙収入予算額の六千八百五十三億二千六百万円ということに相なるのでございます。これが今回の補正予算に歳入といたしまして計上した額でございます。従いまして当初予算に対しますと、減税後におきまして四百七十一億四千九百万円の補正増になることに相なるのでございます。 その基礎を敷衍して若干御説明申し上げたいと思いますが、まず最初にごく概略の傾向を御参考までに申し上げますと、昨年度つまり昭和二十六年度におきましては、朝鮮動乱後の法人企業の好成績を反映いたしまして、法人税が顕著な自然増収を示したのでございます。すなわち昭和二十五年度の実績に比べましても、昨年度の法人税の実績は約一千億近くの自然増収と相なつたのでございます。約八百億円から千八百億円程度に一年の間に増加した。ところが最近の状況から申しますと、この方はやや頭打ちと申しますか、もはやそれほど伸びない。むしろ最近の状況から申しますと、大法人の方は、決算を見ますと、昨年の九月期を頂点にいたしまして最近若干落目でございます。大体におきまして法人の収益状況は、朝鮮動乱後急激によくなりましたのが、最近は横ばい、ものによりましては落目のところが多いという状況でございます。それに対しまして本年になりましてから顕著に感ぜられますのは、賃金水準と申しますか、給与が遅れて上つたこと、それに伴いまして源泉所得税が相当な増収を来しておること、それからさらに一般の消費がふえたこと、なかんずく間接税の課税物品は、どちらかと申しますと、奢侈的とは申しにくいのでございますが、必需的なものではなくて、中間的な消費である。そういう消費が、今年になりましてから、大分伸びて来た、こういう事情がありまして、消費税におきまして本年度におきまして相当な増収の傾向になつておる、こういうことが、概して申しますと、言い得るのではないかと思います。今後これがどのようになるかということは、またいろいろの見方があるかと思いますが、最近までの概略の実績は、数字によつて見ますと、大よそそのようなことになつておるようであります。従いましてその大体の傾向は、今回の補正予算で直しましたところの見積りにも現われておるのでありまして、まずここに書いてありますように源泉所得税におきまして六百六十億三千百万円程度の自然増収に相なるのであります。もつともこのうち先ほどから説明いたしました公務員、国鉄公社及び地方自治体等の公務員のベース・アップによりまして九十五億五千八百万円程度のいわゆるはね返りを含んでおるのでございますが、それを除きましても、約五百六十億円程度の自然増収ということに相なるわけでございまして、相当な増収になつておる次第でございます。これは先ほど申し上げましたように、本年度になりましてから相当顕著な賃金水準の上昇の結果でございますが、少し詳しく申し上げますと、当初予算におきましては、今年の三月の平均給与額のうち毎月きまつて支給する給与の平均額を一万一千二百八十円程度に見ていたのでございますが、実績におきましては一万二千百九十二円ということになり、さらにその後上昇いたしまして、九月には一万二千八百五十五円と上つておる。それから臨時給与等につきましても相当な増加を来しておりまして、大体今後におきまして、あまり増加を期待しなくても、実はこの程度の数字が予算として計上できるという計算に相なるのでございます。少し結果を申し上げますと、昭和二十六年度の課税実績、つまり一昨年の三月から今年の二月までが実績になるのでございますが、それに対しまして最近の状況から勘案しました結果、雇用人員におきまして約一%、それから賃金水準におきまして一五・五%、両者を合せまして十六・七%程度の増加を見まして、計算いたしました結果、このような数字が出て来た次第でございます。これはいずれも本年はすでに年度半ばでございまして、実績にそのことが現われておりますので、収入見込みは確実だと考えておる次第でございます。 これに反しまして、申告所得税におきましては、逆に二百三十三億一千八百万円程度の実は減を見込まざるを得なかつたのでございますが、これは当初予算は昭和二十五年度の課税実績—その当時は二十五年分しかわかつていなかつたのでありますが、これをもとにいたしまして、それに基きまして生産、物価等の状況を見まして、所得の増を見込んで計算いたしたのでございますが、昭和二十六年分の課税実績が最初予想したほどの成績を上げ得なかつた。そこで相当な開きが出て参りました関係上赤字になつたわけでございます。今回は昭和二十六年分の実績が明らかになりましたので、それをもとにして計算しております。最初予定しました昭和二十六年分の決定見込額は千四十七億五千八百万円程度と見ていたのでございますが、実際に決定しました額が八百五十八億六千七百万円程度になりまして、それをもとにしまして今回はそれぞれ農業所得、営業所得等につきまして所得の増加を見込みまして計算いたしました結果、このようになつたのでございます。その算定の基礎は、この予算の説明の九ページのところにその表を示しておりまずので、これによつてごらんを願いたいと思う次第でございますが、結論を申しますと、申告所得につきましては今申し上げました二十六年分の課税実績に対しまして、所得で一割七分程度の増を見ております。そのうち農業は一割二分四厘の増、営業は八%程度の申告と能率の増を見込みました結果、二〇・七%の増を見込みまして、計算いたしております。全部入れまして今申し上げました二十六年度の課税実績に対しまして一割七分の増加を見込みまして、それによつていろいろな税法の関係その他を修正いたしまして算定いたしましたのが、申告所得税の新たな見込みでございます。収入の歩合、決定繰越し等につきましても、おおむね過去の実績等をもとにいたしまして、大体従来と同様な方法で見込んでいるような次第でございます。その結果、申告所得税はことし大体各業種別にどのような形になるかという点でございますが、この点は最後の数字を十一ページに掲げております。 結局におきまして、本年度の賦課額課税の見込みは、まず営業者におきましては、十ページの下から二行目にありますが、納税人員が約百三十九万九千人、農業所得者は百二十三万四千人、その他事業並びにその他を加えまして三百七十万人程度の申告所得税の納税者と見ております。それに対しまして、それぞれ最終的に納めてもらうことになります税額は、十一ページの一番最後の欄になりますが、営業者の場合は五百七十億一千万円、農業者の場合は百八十億八千四百万円、その他事業者が六十四億九千三百万円、その他が二十三億六千二百万円、合せまして八百三十九億四千九百万円、こういうことになる見込みでございます。これが本年度におきまする申告所得税の納税見込みでございます。さらに詳しいことは省略いたしたいと思います。 それからその他の租税におきましても、それぞれ増減を見積つたのでございますが、法人税、相続税、富裕税、再評価税等につきましては、現在の状況からして補正の必要を認めなかつたのでありますが、間接税につきましては、今申し上げましたように、それぞれ最近の課税実績をもとにいたしまして、相当な補正増を計上いたした次第でございます。そのうち酒税について御説明申し上げますが、酒税につきましては、当初予算で課税見込み石数を四百八十九万二千石と見ていたのでございますが、最近の課税実績等からいたしまして、これを今回の補正予算におきましては、五百七万二千石程度に見込んでおります。そういたしましてそれぞれどの程度各種類別に石数を見ておるかはこの表に載せておりますが、それによつて計算いたしますと、当初予算の千三百七億九千四百万円に対しまして、千三百七十九億二千九百万円となりまして、差引七十一億三千五百万円程度の増収を見込んだ次第でございます。 その他砂糖消費税、揮発油税、それから関税—輸入税、印紙収入、それぞれ最近の実績は良好でございますので、それをもとにいたしまして、補正予算で見積りがえを行つた次第でございます。その詳細はいずれもお手元に配りました資料に相当こまかく載せておりますので省略いたします。 最後にお手元に配りました資料の十八ぺ一ジをちよつと御説明申し上げますと、ここで直接税と間接税が今度の改正の結果どうなるかという数字を掲げてございます。結局補正予算で改正法を実行しました後の数字は、直接税が五六・六%、間接税が四一・五%、その他が一・九%ということになりまして、若干直接税の歩合が減つて参りました。これは二十六年度におきまして法人税の収入が著しく多かつたために、二十五年度に比べまして直接税の収入が上りましたのが、最近間接税の収入が伸びたためにまた若干傾向がかわりまして、二十五年度の状態にまた大分近づいて来ておるということに相なるかと思います。もちろん戦前から比較しますと、直接税の比率は非常に高くなつております。 それからその次は十九ページに国民所得に対する租税の負担率—国民所得につきましては別途御説明があるかと思いますが、この結論だけを申し上げますと、二十七年度補正予算後におきましては、国税、地方税を通じまして二〇・八%ということになりまして、大体今までと結果におきましては大差ないことになつております。こまかく申し上げますといろいろ説明するところがあるかと思いますが、大要歳入につきましては以上をもつて御説明を終りたいと思います。
○太田委員長 次に理財局長の説明を求めます。石田正君。
○石田政府委員 理財局関係の事項につきまして若干御説明申し上げます。 第一に見返り資金のことでございますが、これは今回の補正予算によりまして、支出の方面におきましては何ら影響を受けておらないのであります。ただ御承知のごとく財政資金によりますところの産業投資を一元化いたしまして、その効率的な運用を期するために、見返り資金の私企業投資の分はすべて開発銀行に承継し、また将来のものは開発銀行を通じて出す、こういうことにいたしました。その結果九月、十月の二箇月にわたりまして、既往の私企業貸付債権千三百七十一億円を開銀に承継したのでございます。それからまた今後開銀を通じまして貸付をいたしますものは、大体二百十億円と現在のところ相なつておるわけでございます。御承知のごとく今年度におきまして、見返り資金がその資金計画を実行いたしますためには、既往におきまして買い入れました国債の約五百億円というものを売り払わなければならないのでございまして、三百億円を売り払うということを考えたわけでございますが、そのうち二百億円は本年度使つてしまいまして、結局年度末におきましては百億円を繰越す。そういたしますと、国債の残りは二百億しかございませんので、二百億円と繰越します百億円と、その三百億円を使いますと、あとは元利金の回収があります以外は、見返り資金から投融資はできないということに相なる次第でございます。 第二に資金運用部資金の問題について申し上げます。これは当初本年度予算ができますころには、一応先ほど申しました見返り資金の国債三百億円は、資金運用部において買い取るという考え方であつたのでございますが、その後考え方をかえまして、この三百億円の国債の買入れをやめまして、そうしてこれを金融債の応募にかえるということにいたしたわけでございます。その後金融債に対する支出は、三百六十億円と現在のところ考えておる次第でございます。今回の補正予算に伴いまして、地方債の引受けをふやすことが百二十億円、国民金融公庫に二十億円、国有鉄道関係で五十億円、特定道路整備事業特別会計で七億円というわけで、大体二百億円程度のものを資金運用部の運用をふやすことに相なつたわけでございます。それで資金運用部におきますところの現金と短期証券を運用しましたものを余裕金と称しておりますが、先ほど申しました結果といたしまして、昭和二十八年度に持ち越しますところの余裕金は、二百四十八億円と相なるように考えておるわけでございます。本年度の初めにおきまして五百四十億円ございましたので、従つて大体三百億円くらい余裕金が減るということになるわけでございます。資金運用部のこれからのことを考えてみますと、常時百億円程度の手元余裕金が必要でございますので、来年度になりますと、この二百四十八億円の余裕金の中から使えますところの金は、まあ大体百五十億円程度ではないかと考えておるわけでございます。このほかに資金運用部といたしましては、国債を四百億円以上持つておるのでございますが、これを売り払わなければならないというような事態もあるいは起るのではないだろうかということを考えておるのでございます。 第三に、国庫と民間との間における収支関係はどうなるかということを大要を考えてみますと、今御説明いたしましたようなことで、一番初めの当初予算の際におきましては、この国庫対民間収支はほぼ均衡を得るものと考えておつたのでございますが、まず資金の金融債の引受けということが新たに加わりました。また今回の補正予算の結果、先ほど申しましたようなぐあいに、二百億円の運用がふえるわけでございます。この両者を合せますと、資金運用部関係からいたしまして、五百六十億円程度の支出要因がふえるわけでございます。(「資料の何ページだ」と呼ぶ者あり)お手元に差上げました資料の二のところでございます。二枚目のところをごらん願いたいと思います。今申し上げましたのは、資料の二のところの資金運用部の金融債引受け三百六十億、それから三の中の第二番目の資金運用部地方債引受け増等二百億、これを両者合せまして、資金運用部の関係で五百六十億出るということを申し上げた次第でございます。 なお食糧管理特別会計におきましては、食糧証券の発行額を年度末におきまして、昨年度よりも二百三十億円増加するというということになつたのでございまして、これも民間に金が出るところの原因と相なるわけでございます。 それから外国為替資金特別会計の関係におきましては、初めの予算におきましては、外貨の受取り超過を九千七百万ドルと考えておりましたのを、一億二千百万ドルと、約二千五百万ドル上まわることが推定せられまして、その関係からいたしまして、九十億円の支出要因がふえるというふうに考えられるのでございます。この食糧管理特別会計と外国為替資金特別会計につきましては、従来はこういうふうなものはインヴエントリーと申しまして、租税収入等によつてまかなつたのでございますが、これを証券の発行によりまして借入れをするということに、補正においてはかわりましたので、それがいわゆる対民間の支出超過の要因に相なるという考え方でございます。この表の最後にございますように、この上に書きました数字を全部合計いたしますと、約八百八十億円国庫は民間に対して放出超過になるというような一応の数字になるわけでございます。もつともこれは予算が計上されました通りいささかの相違もなく実行された場合の想定数字でありますことを、申し上げておきたいと思うのでございます。他面御承知のように、指定預金というものがございまして、国庫が従来民間から金を揚げ過ぎたということに関連いたしまして、国庫の余裕金を民間の金融機関等に対して指定預金いたしておつたのでございます。昨年度におきまして、一つの特徴といたしましては、食糧管理特別会計のいわゆる食糧証券の発行額が限定されておりまして、金操りが非常に苦しかつたために、農林中央金庫等に対しまして百五十億円ばかりの指定預金をいたしたのでございます。今回の二百三十億の食糧証券の増加を考えますならば、この点は昨年度とは違つておるわけでありまして、従いましてその関係から申しますと、こういう指定預金のそれに見合うところのものは、政府が当然揚げてよろしいという考え方になるわけでございます。一般の指定預金をどういうふうに操作して参りますかは、今後の金融情勢に応じまして適当に処置いたして参りたいつもりでおりますが、政府がこの数字のごとく民間に対して資金放出超過に相なります場合におきましては、指定預金を揚げるというふうな方向によりましてこれが相殺される面も出て来るのではないかと思うのでございます。 それから、これは予算が施行された最後のしりがとうなるかという数字を申し上げたのでありまして、現実にことしの四月から来年の三月までの会計期間におけるところの国庫と民間との間の収入支出の現実の姿はどうなるかということは、この数字とはまた別に相なるわけでございます。この点から申しますならば、要するに四月、五月というような出納整理期間等もございますので、それらの点を考えました場合に、現実に四月—三月の間におけるところの放出超過が八百八十億になるというふうなことではないことを御了承願いたいと思うのでございます。 最後に外債の関係につきまして一言申し上げておきたいと思うのでございます。これはお手元に差上げました資料の一番最後のところにございます。一番最後に、本年の九月二十六日にニユーヨークにおきまして、英米貨債に関するところのとりきめができました。その要旨は、文章として添付してございますが、要するに、昭和十八年におきまして、外貨債処理法というものによりまして、外債でありますところの市債と社債とを政府が承継いたしておつたのでございます。その事実を認めまして、そうしてそれに伴つておるところの、担保権とか優先権とかいつたものをまず落してしまつた。そういうことを確認いたしますと同時に、昭和十六年の十二月以来元利払いを一切行つておらなかつたのでございますが、その処理を、外貨債各証券につきまして原契約の償還期限を原則として十年延ばす、それから一部のものにつきましては十五年延ばす、それからたまつておりましたところの延滞利子というものは、昭和十六年の十二月からでございますから、十年半余にわたつておるのでございますが、このうち十年分を超過いたしますところの分は、ことしの十上月二十二日にキヤツシユ払いをいたします。しかし十年間に相当いたしますものは、今後十年間に分割払いをする。要するに、一年間に二年分の利子を払つて行く、こういうことを大体きめたわけでございます。それから償還期限が延びますのに伴いまして、その延びた期間十年なり十五年なり償還期間が延びた期間は原契約と同じに支払う。なお問題になりましたのは、英貨債におきまして、ドル払いとか、あるいはスイス・フラン払いとかいうような、通貨選択約款と申しておりますが、そういう約款のつきましたものにつきましては、そういう条項に従つてドル払いとか、あるいはスイス・フラン払いを行うことは、日本の外貨事情からいいまして好ましいことでもございませんので、それはいたしませんで、そのかわり、それらの外貨債についてはドルなりスイス・フランなりの確定換算率がついておるものもございますし、またそのときどきの相場によるものもございますが、そういうものにつきましては割増しをいたしましたポンドで払うということで結着をつけておるのでございます。 なおこの問題につきましては、債券保有者関係は、団体はそれで納得したのでありますが、イギリス政府の方におきましてドルあるいはスイス・フランがほしいということがございまして、九月二十六日には、その問題は後日また両国政府間において話し合うということになつておつたが、今月二十一日に大体その点の話合いがついたわけでございます。その要旨は、現在の日英支払協定はポンドで決済するということがついておるのでございますが、そういう状況が続く限りにおきましてはポンドで払う。将来そのポンド払いでない、ほかの通貨で日英間の決済を行うというようなことになつた場合には、その状況を見て、その上であらためて話し合おうということで、二十一日に両国政府の代表の間に、ロンドンにおきまして文書の交換ができたものと了承いたしております。 なおもう一つ、外債につきましては減債基金というものがございまして、その減債基金を積み立てて毎年々々償還して行くのでございます。この金額は、昭和十六年の当時におきましては相当外債の額が多かつたのでございますが、外貨債処理法によりまして国内所有分を償却する等のことがございまして、大分減つておりまして、その減つたことを考慮に入れまして、そしてその現在額が当時よりも減つておるということから按分比例をいたしまして、年々の減債基金の払込額を減らすということも協定いたした次第でございます。 この外債に関しますところの処理協定は英貨債と米貨債でございまして、仏貨債につきましてはまだ話がついておらず、これからまた話をするのでございますが、その結果どういうふうな年々の負担額になるであろうかということにつきましては、お手元に差上げました資料の第十二に「昭和二十七会計年度より昭和三十七会計年度に至る間の外債元利支払所要額調」というのがございますが、その一番初めの欄に書いてありますように、昭和二十七年度におきましては、これは利払い資金と減債資金の両方合せてでございますが、百二十一億円ほど支出するということに相なる次第でございます。 大体これにて私の説明を終ります。
○太田委員長 ただいま八百八十億の放出超過など重大な数字まで発表になりましたが、皆様方におかれては審議の御都合もありましようから、きわめて早く速記録をお手元に差上げるように事務当局に申し上げておきました。 次に銀行局長河野通一君。
○河野(通)政府委員 私から補正予算に関連いたしまして、金融の問題について概略を御説明申し上げたいと思います。まず通貨金融の見通しでありますが、日本銀行券の推移は、最近の数字は四千五百十六億、昨年の大体その当時の数字に比較いたしまして、四百億円近くの増加ということに相なつております。大体昨年とことしの銀行券の発行の状況を見ますと、ベースとして四百億円ないし五百億円の増加ということが言えると思います。最近の生産状況が大体去年に比較いたしまして、六ないし七%程度の増加、卸売物価は大体横ばいいたしておりますが、現金に割合影響の多いCPIにおきまして若干上つておるということを考慮いたしますと、大体この程度の通貨の量は、まず安定した推移をたどつておるものと私どもは見ておるのでございます。通貨の発行要因につきましては、御承知のように財政の収支の関係と、日本銀行の市中に対する貸出し、その他の関係と二つございますが、これらはいずれも財政収支の状況と、市中の貸出しとの関係が大体うらはらをなして調節をとられて参つておる次第でありまして、日本銀行の市中に対する貸出しの状況は、今年五月以降国庫収支といたしまして、相当引揚げ超過の状態に相なりましたので、四月の二千八十九億から九月末には二千九百五十九億と、約八百七十億円の増加に相なつております。ところが十月以降におきましては、国庫が支払い超過に転じました関係もありまして、最近の数字を見ますと、九月末に比較いたしまして、約八百億円余りの減少を来しております。最近の数字は二千九十三億という数字に相なつております。 なお今申し上げましたのは、一般の日銀貸出しでありますが、これと並行いたしまして、日本銀行の外貨貸付という制度がございます。これは昨年十一月に旧制度を廃止いたしたのでありますが、その結果漸減の方向をたどつて参つております。今年の初めから別口の外貨貸付制度という貸付をいたすことにいたしまして、外貨の有効な活用をはかつて参りましたために、この方の金額は相当増加いたして参つております。最近の数字は、これらのすべてを合せまして九百六億円ということに相なつております。 一般の金融機関の預貯金の状況は、経済の安定によりまして、金融機関の預貯金は非常に増加状況が順調であります。今年の四月から九月までの全国の金融機関の一般預金の増加の額は四千七百四十三億円、昨年の同期が二千六百九十二億円でありましたので、去年の同期の約一八〇%程度に当つております。 なおここで預金の内容について注目すべき点は、定期性預金と申しますか、安定した預金の割合が非常にふえて参つております。終戦直後におきましては、通貨の安定が期し得られない関係もございまして、非常に定期的な預金が少かつたのであります。試みに二十三年をとつてみますと、預金全体のうちで定期性預金はわずかに一二%にすぎなかつたのでありますが、最近の九月末をとつて見ますと、約四〇%近くに定期性預金がふえて参つております。これらは安定した預金がだんだん順調に伸びて参つておるということを示しておると考えております。 次に金融機関の貸出しでありますが、これも一般の金融情勢を反映いたしまして、預金の増加と相まちまして、相当伸びて参つております。一部に非常に貸出しが不振であるようにいわれておりますが、部分的な問題は別といたしまして、概略的に考えてみますと、著しい信用萎縮というけはいは見えておらないのであります。銀行の貸出し中約一〇%が設備資金にまわつております。運転資金がその残りの九〇%を占めておるわけであります。 なお預金と貸出しとの関係につきましては、今申し上げましたような状況を反映いたしまして、昨年から今年の初めにかけましては、預金一〇〇に対して貸出しが一〇〇%から一一〇%程度に相なつておつたのでありますが、逐次この関係が調整せられまして、今年の四月以降におきましては、これが九〇%台に落ちております。最近の数字は九六—七%という程度ではないかと思つております。今申し上げましたような一般の金融情勢を反映いたしまして、社債、金融債等の、いわゆる起債の状況も非常に順調に経過いたしております。試みに数字で申し上げますと、本年の八月から十月までの三箇月間の最近の数字をとつてみますと、起債の消化の状況は三百六十五億円に相なつております。これが昨年の同期間と比較いたしますと二百五十三億、相当順調な経過をたどつていることが、今申し上げました数字でもおわかりではないかと思うのであります。また小売の市場につきましても、一時非常にこれが停滞いたしまして、小売市場の資金が大体六、七十億というふうなことが相当長く続いたのでありますが、今年に入りましてからは、大体百四、五十億から百七、八十億といつたような小売資金の状況であります。従いまして小売のレートも下落の方向に向つております。 以上申し上げましたようなことで、概略的に申し上げますれば、金融情勢はまずそう大きな破綻もなく推移いたしているものと私どもは見ております。しかしながら個々の面におきましては、たとえば繊維事業における問題でありますとか、輸出の計画通り伸びないといつたようなことを反映した各産業面におきましては、いろいろな問題が存することはもちろんであります。これらの問題につきましては、私どもは金融面においてできるだけ弾力的に、個々のケースについて処置いたして参りますとともに、産業の合理化、近代化並びに国際通商関係の改善ということの努力と相まちまして、これが金融上の裏づけについて、遺憾のないように処置して参りたいと考えている次第であります。 これから年末にかけての金融情勢の見通しでありますが、通貨の発行高は、年末におきまして、今の推移をたどりますと、大体五千六百億円台ではないかというふうに見通しております。年末のピークは大体三十日がピークになりますが、そのピークは六千億円を若干越える程度ではないかというふうに私どもは見ております。 年末に対する金融対策といたしましては、特に中小金融の対策等について、私どもはできるだけ力を注いで参りたい。今般の補正予算案の通過いたしましたあかつきにおきましては、あるいは国民金融公庫でありますとか、それらの資金をできるだけ早く、できるだけ多量に年末の金融に間に合うようにいたしたい。また商工中金に対する、今度の補正予算案に出ております二十億の貸付につきましても、できるだけ早い機会に、これを年末にかけて放出するようにいたしたい。また開発銀行に現在あります中小金融向けの資金につきましても、できるだけ早期にこれを放出するように努力いたしたい。かように考えておる次第であります。 次に当面の金融につきまして、行政上考えております点について、ごくあらましを申し上げたいと思います。金融政策と申しますか、そういうものに対する基本的な考え方については、第一は財政と金融を通ずる総合的な資金需給の調節をはかつて参りたいという考えであります。これがために第一といたしましては、先ほど他の政府委員からもお話がありましたように、過去において蓄積された財政資金を、最近の経済の情勢にかんがみて、この際計画的に活用いたして参るということであります。たとえば資金運用部資金によります金融債の三百六十億円の引受け等は、これらの観点から行つて参るわけであります。また年度間を通じた調節でなく、時期的な調節といたしましては、先ほど理財局長から申しましたように、国庫の収支の状況とにらみ合せまして、指定預金の制度によつて、この時期的なでこぼこの調節をはかつて参りたいというふうに思つている次第であります。現在指定預金といたしまして、各金融機関に預託されております金額は、約四百六十億円というふうに相なつております。 第二は民間資本の蓄積を促進いたさなければならぬという点であります。これは御承知のように日本の蓄積が非常に足りないということは、最も顕著な点であると思うのでありますが、生産指数等は御承知のように、大体戦前の基準年度をはるかに越して参つております。一三〇から一四〇くらいの数字が出ておる。また国民所得は、御承知のように、これも実質的価値においてやはり戦前の一〇〇%を越しておる状態になつておるのであります。にもかかわらず蓄積、ことに資金的な蓄積の面を最もよく現わしております金融機関の預貯金、あるいは生命保険等を見ますと、戦前の実質価値に直しましてわずかに四〇%足らずといつた数字にしかなつておらない。そういつたわけで、非常に蓄積が足りないということは顕著な事実であると思うのであります。これらの点からいたしましても、資本の蓄積をさらに積極的に進めなければならぬというふうに私どもは考えておるのであります。通貨の安定をはかつて、資本の蓄積ができるような措置を講じて行くことはもちろんであります。さらに税制の改正等によりましても、資本蓄積をさらに促進するように努力をいたしたいと考えておる次第であります。 第三は財政による産業投資であります。これは資本の蓄積を進めましても、なおかつ民間の資本だけでは、産業投資を十分にやつて行くことがむずかしいという事態であります。それらの点を進めますために、今後におきましても財政の許します限り、これらの財政による産業投資の促進をはかつて参らなければならぬと考えておるのであります。今般の補正予算案におきましても、国民金融公庫、住宅公庫その他におきましての財政投資、これは一般会計からの出資及び資金運用部からの貸付ということも含まれておるわけであります。これらの点につきましては、他の政府委員から説明がありましたので省略させていただきます。 それから次に問題になりますのは、金融機関の融資活動でありますが、先ほど申し上げましたように、一方で資金と申しますか、資本と申しますか、これの蓄積の促進をはかりながら、それでもなおかつ十分なものが早急に蓄積できない現状でありますので、これらの蓄積された資金の効率的な活用、利用ということをはかつて参らなければならぬ。そのためには不急不要の資金はできるだけ押えて、これによつて重要なる方面への資金の確保に努めなければならぬ、かように考えておる次第であります。先般の国会で成立いたしました長期信用銀行法に基きまして、新しく二つの銀行が長期信用銀行として来月から発足いたします。先ほど申上げました金融債の資金運用部による引受け、一般及び見返り資金からある程度の優先出資もこの新しい銀行にいたすことによりまして、長期資金に対するこの新しい銀行の活動について、私どもはできるだけこれを促進して参りたいというふうに考えておる次第であります。 次に金利の問題について若干申し上げておきます。企業の金利負担を軽減し、さらに公正な国際競争に耐え得るような基盤を築き上げますためには、金融機関の貸出し、特に貸出し金利でありますが、これをできるだけ引下げて行くことが望ましいことは申すまでもないのであります。私どもは金融機関の、ことに銀行の経理の許します限りにおいて、これらの金利の引下げによつて、企業の競争力を強める方向に努力したいと考えておるのであります。貸出し金利につきましては、終戦以来数度にわたつて引下げを行つて参りました。なおこれとあわせて資本の蓄積を促進するという面から、預金金利についても数回にわたつて引上げをいたしました。資本の蓄積のためには預金の金利を上げなければならぬ。企業の競争力を強めるためには貸出しの金利を下げなければならぬ。この二つの要請から、そのときどきの情勢に応じまして調節を加えて参つておる次第であります。最近の情勢からは預金の金利を引上げるというよりも、むしろ貸出し金利を引下げるという方向に重点を置いて措置をいたさなければならぬという考え方に立つております。去る十月から政府機関であります輸出入銀行及び開発銀行の金利につきまして、相当程度の引下げを実施いたしました。また政府の指定預金の金利につきましても、これの引下げをいたしたのであります。なお一般の銀行の金利につきましても、十月初めから一律に日歩一厘の引下げを実施いたしたのであります。今後におきましても金利の全般につきまして、各種の金利の相互間の体系的整備をはかりますとともに、できるだけ貸出し金利の引下げに努めて参りたいというふうに考えておる次第であります。 次は金融制度の問題でありますが、平和条約発効後、日本がいよいよ独立いたしまして、国際経済に参画いたしますにあたりまして、経済各分野における再建整備ということが必要であろうと思います。金融制度についても、その根幹をなすものについてはこれが整備の促進をはかつて参りたいということで、かねてから、先ほども申しました長期信用銀行の制度、あるいは貸付信託の制度等を創設いたして参つたのであります。 今後におきまして早急に解決いたしたいと考えております問題は、第一は中小金融の制度。その一は先ほどもちよつと申しましたように、今回の補正予算によりまして商工中金に二十億の貸付をいたすことになつておるのであります。この問題に関連いたしまして、中小企業金融機関としての商工中金が現在のままの機構であつてよいかどうか。さらに中小金融機関として最もふさわしい姿にこれを整備して行く必要があるのではないかということが現在検討する時期にあると思うのであります。 中小金融の問題についての第二の点は、中小企業における信用力を補強するという制度、これをどうしても拡充いたして参らなければならぬ。現在信用力を補強したす制度といたしましては、御承知のように信用保証協会の制度、中小信用保険制度、この二つが実はあるのであります。このいずれもの制度をさらに充実し、拡充いたしまして、中小企業における信用力の補強のためにさらに一段と寄与するように制度を整備して参りたいと考えております。 第二の金融制度の問題は農林金融の問題であります。一つは先ほども予算の上でお話が出ましたように、中小漁業信用基金の制度、これをもちまして中小漁業の信用力を補強する。そしてこれらに対する一般の金融がつきやすいような制度ということを現在考えております。 第二は、農林漁業金融公庫の制度が近く議員提出によりまして御提案になられるやに承つておるのでありますが、この制度ができますれば、農林漁業の金融制度が非常に整備されることに相なると考えて、私どもも非常にけつこうなことであろうと考えております。 第三には為替金融の問題につきまして、最近の貿易の状況に照し、貿易金融の促進と、外貨の有効適切な活用という観点から、為替銀行の育成強化をはかつて行くということがどうしても必要である。それがために、制度上何らかの改正を加える必要がある、あるいは制度は今のままで、運営方式を改めて行くということでいいかといつたような問題があるわけであります。現在これらの問題も早急に結論を得たいということで検討を加えておる次第であります。 非常に雑然とお話申し上げましたが、金融の問題について私からの御説明を終ります。
○太田委員長 東条為替局長の御説明をお願いします。
○東条政府委員 私から国際収支の見込みその他今回の補正予算案に関係の深い事柄につきまして御説明を申し上げます。資料といたしましては、主計局からお手元に提出いたしてあります「昭和二十七年度予算補正の説明」の十五ページから十六ページをごらんをいただきたいと思います。大体この内容によりまして御説明をしたいと考えております。 昭和二十七年度の国際収支は、当初予算におきましては、受取りは二十三億八千万ドル、支払いにおきましては二十二億八千三百万ドル、差引きまして受取り超過といたしまして九千七百万ドルと見込んでおつたのであります。そうしてその受取り超過に伴います資金不足を補足いたしますために、成立いたしました一般会計予算におきまして三百五十億円の繰越しを受けることに相なつておつたのであります。本年の四月から十月までの外国為替の収支を、統計によつてその実績を見てみますと、右に申し上げました年間の見込額と多少の相違を生じて参るのでありまして、四月ないし十月の実績は、受取りにおきまして十二億九千六百万ドル、支払いにおきまして十一億九千五百万ドル、差引受取り超過一億百万ドルということに相なつておるのでありまして、目頭申し上げました当初の見積りを修正することが適当であると認められるに至つたのでございます。もとより国際収支は輸出入の貿易その他各般の情勢によつて影響されるのでありまして、事柄の性質上的確な予測はきわめて困難ではございますが、ただいまのところ一応本年度の収支は十六ページに書きましたことく、受取りにおきまして二十二億三千二百万ドル、支払いにおきまして二十一億一千百万ドル、差引受取り超過といたしまして一億二千百万ドルと一応見込んだのでございます。このうちここにもございますように、受取りのうちでは輸出が十一億九千二百万ドル、特需及びその他の駐留軍関係によりますところの外貨の受取りを七億六千万ドルと見込んでおります。また支払いの二十一億一千百万ドルのうちは、輸入を十七億五千百万ドル見込んでおりますことも、この表にごらんの通りでございます。 なお外貨資金の残高でございますが、本年三月末の米ドル、英ポンド、あるいはオープン・アカウントの残高を集計いたしますと、三月末の残高は十億五千九百万ドルでございましたが、右に申し上げました四月ないし十月の収支に伴いまして、本年十月末におきますところの政府所有の外貨資金の保有高は、十億九千九百万ドルと相なつております。右に申し上げました金額の中には、証券に対する運用額及びオープン・アカウント残高等、ただちに決済に充当し得ないものも含んでおりますが、一面四月以降日本銀行あるいは外国為替銀行等が自己勘定において保有せられておりますところの外貨額は、右に申し上げました政府保有額の十億九千九百万ドルには入つておらない計数と相なつております。右に申し上げましたように、本年度の国際収支の見込みを当初に比べまして改訂することを適当と認めましたことのほか、昭和二十六年度の国際収支の受取り超過額が昭和二十六年度の補正予算当時の予想以上に受取額が増加いたしましたこと、及び政府としまして実施を規定いたしておりまするところの外貨預託制度の実施に伴いまして、日本銀行の外貨貸付残高が減少するということが見込まれる等の理由によりまして、外国為替資金特別会計の資金の不足を補いますために、今回提案になりました補正予算案におきまして、借入金または融通証券の限度を千億円から二千億円に拡張することをお願いいたしたのであります。 右に申し上げました昭和二十六年度の資金不足の始末は、お手元の資料の十五ページに書いてございますがごとく、当初資金不足を補いますがために、一般会計から八百億円の繰入れを予定しておつたのでありますが、年末にはそれをもつてはまかないきれませんで、一陣借入金の七百億円を年度越しの外国為替資金証券に切りかえますと同時に、日本銀行と九百二十億円に上るスワツプ取引を行いまして、その資金不足を補つた次第でございます。この外国為替資金証券の七百億円は本昭和二十七年度中にはこれを償還いたす必要があり、また日本銀行との間に行つております九百二十億円のスワツプ取引も、同様これを反対取引を行いまして、資金の償還を行う必要がございます関係上、新たなる資金の所要額となつて現われて参る次第でございます。 次に外貨預託制度の実施に伴いますところの外貨貸付制度の廃止でございますが、これもお手元の十五ページに書いておきましたがごとく、御交渉のように現在日本の輸入信用状が開設せられました場合におきましては、その五〇%の金額は日本銀行が本外国為替資金特別会計から外貨の買入れを行いまして、各為替銀行にその外貨資金の貸付を行い、輸入取引に必要なマージン・マネーに充当いたしておる次第でありますが、外貨預託制度が行われましたあかつきにおきましては、この個々の取引につきまして、各為替銀行が日本銀行から外貨の貸付を受けることなく、政府資金から預託を受けましたもの、あるいは自己の資金によつて調達いたしました外貨をもちまして、輸入信用状のマージン・マネー等に充当いたします関係上、日本銀行の外貨貸付制度は新たには必要は生じない次第に相なります。それに従いまして、本外貨預託制度が実施せられましたあかつきにおきましては、新たに日本銀行といたしましては、外国為替資金特別会計から外貨を買い入れる必要がなくなるわけであります。裏から申し上げますと、外国為替資金特別会計といたしましては、いわゆる外貨貸付制度の結果、円資金の収入が入つて参らないという結果に相なります関係上、ここに三百七十九億円の資金の不足を生ずる要因と相なつた次第であります。これら国際収支の受取り超過の見込み変更、外貨貸付残高の減少、あるいは外国為替資金証券の償還、スワツプの償還、それらを累計いたして参りますと、十五ページにあげてございますように、二千四百三十五億円の資金を本年度中として要するわけでありますが、これに対しましては、二十六年度からの繰越しの資金といたしまして、二十八億円、すでに成立を見ておりまするところの一般会計よりの受人額三百五十億円、過般実施いたしましたところの日本銀行に対しまする外貨売却高百八千億、これに今回御審議をお願いいたしておりますところの借入金、または融通証券の限度二千億円を集計いたしまして、資金の不足金額は二千五百五十八億円、差引いたしまして百二十三億円の資金の剰余をもちまして、二十八年度への繰越しを予定いたしておる次第でございます。 為替局所管の事務につきまして、特に補正予算と関連のあることにつきまして、簡単に御説明申し上げた次第でございます。
○太田委員長 終りに国民所得に関しまして、経済審議庁調整部長の説明を求めます。岩武照彦君。
○岩武説明員 経済審議庁の方から、本年度の国民所得の予測につきまして、御説明申し上げます。 お手元に「昭和二十七年度分配国民所得」と申します印刷物を差上げてございますが、この予測につきましては、例年やつておりますように、前年度すなわち昭和二十六年度の実績を、いろいろな経済指標によりまして、たとえば生産の伸び、物価の上昇状況、雇用の関係、あるいは賃金所得の上昇程度というふうな経済指標を勘案いたしまして、延長推計したわけでございます。二十六年度の所得につきましては、このほどやつと実績推計が確定いたしまして、その確定額は四兆八千四百九十四億でございます。これを基礎に推計いたしますと、最近におきます生産の状況は、鉱工業におきましては、二十六年度に比較いたしまして四%程度の上昇でございます。また農林水産方面の生産におきましては、これまり若干上まわりまして、五%程度の上昇でございます。なお物価の方におきましては、CPIは昨年度に比較いたしまして約二・五%程度の上昇になつております。また卸売物価、なかんずくこの国民所得に一番影響いたします生産財の卸売物価におきましては、御承知のような状況でございまして、最近は逆に昨年の平均よりは低下いたしておりまして、約二%程度の低下と相なつております。 次に賃金の状況でございますが、これは昨年度に比較いたしまして、本年度来のいろいろな賃金水準の上昇、あるいは夏季におきます臨時的給与の支給等がございまして、この年末のこともございますので、大体推計といたしましては約一割二分程度の増加が認められるのではないかというふうに考えております。これらの指標によりまして、本年度の所得を五兆三千二百六十億というふうに推計いたした次第でございます。昨年度に比較いたしまして四千七百六十六億、約九%強の増加であります。この構成の比率でございますが、勤労所得におきましては、製造工業方面その他の賃金水準の上昇に伴いまして、総額におきまして約一割三分程度増加いたしまして、これが総体の比率におきましては四五・五%を占めております。また個人事業主所得におきましては、農業方面における所得の増加等もございまして、約一割程度の増加でございます。これは全体の中におきまして四三・四%を占めております。 次に個人の賃貸料あるいは利子所得の関係でございますが、これも預金の増加その他の関係がございまして、昨年に比較いたしまして約一二%程度の増加を示しておりますが、総体の中に占めます比率は依然として小さなものでありまして、約二・五%でございます。 次に法人所得関係でございますが、これは一面におきまして賃金水準の上昇もございますし、また先ほど主税局長の御説明になりましたように、大法人におきます所得の減少等もございまして、これは逆に昨年度より約八%程度の減少と相なつております。また総体に占めます比率も、昨年度よりも相対的に落ちまして、八・五%程度になつております。これを戦前の所得に比較いたしますと、いろいろな物価の指数その他からデフレートいたしますと、総体におきましては若干の増加になつております。約二割強の増加になつておりますが、他方人口にもこれまた二割五分程度ふえておりますので、従いまして一人当りの実質所得におきましてはおおむね戦前の水準程度でございます。戦前と申し上げましたのは昭和九年ないし十一年平均でございます。この実質所得は実は別途審議庁において推計いたしております生活水準あるいは消費水準とは違いまして、法人所得その他を含めました国民一人当りの物資の生産あるいはサービスの状況でございますので、これがそのまま一般の国民生活水準に当てはまるわけではございません。 なおこれが今後の補正予算等の関係におきまする財政その他との関係、あるいは税負担との関係でございますが、補正予算は今回提出されましたのを見ますと、一般会計は九千三百二十五億程度になつておるのでありますが、これは五兆三千二百六十億の所得の一七・五%に当たります。また税の方は、先ほど主税局長からお話がありましたように、国税並びに地方税関係を含めまして、約二〇%程度になつております。 簡単でございますが、以上をもちまして御説明を終ります。
○太田委員長 以上をもちまして、政府提出予算三案の提案理由の説明を一応終了することといたします。 これにて散会いたします。 午後零時三十八分散会