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15回国会衆議院1953/03/14

郵政委員会 第13号

発言数
12
登壇者
5
会派数
4
開催日
1953/03/14

会議録

大上司自由党

○大上委員長 これより開会いたします。  郵便物運送委託法の一部を改正する法律案を議題といたし、討論に付します。  討論の通告がありますので、これを許します。赤城君。

赤城宗徳自由党

○赤城委員 私は自由党を代表いたしまして、本法案を無修正で原案通り可決されたいことを希望するものであります。しかしながら委員会の質疑応答の経過にかんがみまして、二、三希望を述べておきたいと思うのであります。  本法案の改正の中で最も重点的なものは、第七条に但書を入れまして、運送等の契約の期間の更新をはかろうとする点でありますが、その但書に「郵政大臣において、郵便物の運送等の委託を受けた者がその業務を誠実に執行し、且つ、その者に当該業務を継続して行わせることが郵便事業の円滑な運営のため有利であると認める場合は、その者の同意を得て、これを更新することができる。」こうありますが、この規定は契約の期間の更新を意味するものであつて、契約の内容等に触れるものではない、しかしながら契約の内容の中でも、事情変更の原則に従つて、幾分変更しなくてはならぬというようなものがある場合には、内容についても幾分の変更はあるけれども、原則としては契約の期間の更新を意味するものである、こういうふうに了承しておるのであります。この法案の全体から見まして、競争入札が原則であり随意契約は例外である、こういうことから見ましても、第七条が随意契約の原則を規定するようなことになつて来ては、この法案全体の立法趣旨を違つた方向へ持つて行くというおそれがありますので、第七条は政府委員の答弁の通り、期間の更新を主とするものであつて、重要な内容の変更、法律的に言えば契約の更改というものについては、他の条文によりまして行つて行く、こう了承しますので、この点につきまして賛成をいたしておるのであります。  また第四条の改正でありますが、この第四条の改正によりますと、「運送事業を営む者の運営する運送施設を利用する場合であつて、その運送料金が法令又はこれに基く処分により定額をもつて定められているとき。」こうありますが、これも現状におきましては、運送料金が法令またはそれに基く処分によつて定額をもつて定めておられる場合が非常に多いので、この第四条の改正案によりますと、随意契約の範囲が非常に広くなるのであります。しかしながら現状から見ますれば、随意契約をすべき場合が非常に多いとは言いながら、この法律の趣旨目的は競争入札ということを原則としておるので、こういう改正案によつて随意契約が原則であるということのないように、運用上注意をしてもらわなければならぬと考えるのであります。  最後に、第四条の改正案にはなつておりませんが、第四条の本文に「郵政大臣は、左に掲げる場合に限り、随意契約により郵便物の運送等を委託することができる。この場合においては、会計法第二十九条但書の規定にかかわらず、大蔵大臣に協議することを要しない。」こういうことになつております。この会計法第二十九条但書の規定にかかわらず、大蔵大臣に協議することを要しないということでありますが、会計法の第二十九条には、大蔵大臣に協議するということは書いてないのであります。ただ二十九条但書によつて、政令によつて大蔵大臣と協議するということがあるのであります。これをこのままにしておきますと、法律が政令に左右せられるということにもなるのでありますが、現在政令で大蔵大臣と協議するということになつておりますので、これの改正につきましてはなお研究を要すべきものがあると思うのであります。しかしながら今これを改正するということにつきましては、いろいろな法制上の疑問もありますので、これを修正するというような考えは持つておりませんけれども、いずれ委託法の改正を行う場合に、条文を整理する必要がありまする場合には、この点につきまして注意を促しておきたいと思うのであります。  最後に、郵便物運送委託法の第一条によりますと、「この法律は、郵政大臣が郵便物の取集、運送及び配達運送業者等に委託する場合に関し必要な事項を定め、もつて郵便物の運送等を適正且つ円滑にすることを目的とする。」とありまして、運送業者等に委託する場合ということになつておりますので、原則といたしましてはやはり郵政省で、国家専掌といいますか、直営でやることを前提としておるのでありますが、現状をいろいろ聞きますと、必要な最小限度においては、この委託運送ということが欠くべからざるものである、こういうふうにも答弁をされておるのであります。そういう事情も私どもといたしましてはよく承知しておりますので、この法律の趣旨と現状とをにらみ合せまして、この委託の業務につきましては、必要な最小限度にとどめるというようなことが必要ではないかと思うのであります。  以上申し上げました二、三の希望を付しまして、私は原案を無修正で可決されんことを、自由党を代表して申し上げる次第であります。

大上司自由党

○大上委員長 広瀬君。

廣瀬正雄改進党

○広瀬委員 ただいま議題となつております郵便物運送委託法の一部を改正する法律案につきましては、先般われわれに付託されまして以来、質疑応答、論議が重ねられたのでありまして、私は原案に賛成をいたしたいと思うのであります。しかしながら改正法律の実施運用につきましては、幾多の留意すべき点があると思うのであります。そういうことにつきまして、御当局の注意を喚起いたしておきたいのであります。  まず第一に、今回の法律の改正は、受託者が安定感をもつて、おちついて安心して、仕事に熱意と誠意を込めてやつて行けるようにということが、改正の主眼であつたと思うのであります。そういうふうな観点から、この安定感によりまして、車両の改善でありますとか、あるいは能率の向上でありますとか、従事員の訓練でありますとかいうような点には、特に熱意を込めるように促してもらいたいと思うのであります。私どもは郵便の仕事というものは、文明の先端を行くべきものであるというように考えておるのでありまして、まだまだ施設、技術、能率というような各方面におきまして、研究研鑽をし、改良、改善をはかることが、多々あると思うのであります。今回の改正を通じまして、そういうような諸点を業者に大いに御指導願いたいと思うのであります。  第二に、郵便事業は国家の専掌業務であります。国家が直営することを本旨としておるのでありますが、これは郵便物の送達の確実、秘密の確保という見地から、当然のことであると思うのであります。ただいま業務の一部を委託しておりますことは、あるいは定員法の関係、あるいは経費の合理化の関係から、やむを得ないと思いますけれども、漸次最小限度にとどめることにごくふうを願い、将来は国家直営ということにつきまして絶えず御考究を願いたいと考えておるのであります。  第三は、先日日本経済新聞に掲載されました記事は、当局においてもごらんのことと思いますが、あの記事につきまして木原委員が真剣に質問、究明をいたしたのでありますが、私どももまつたく同感であります。私は現在郵政省や業者に、公正を欠くやましい行為があるとは思いません。しかしながら今後随意契約によりまして、ますますかかる疑念が国民に持たれる可能性が多くなると考えるのでありましてその点十分御注意願いたいと思つております。もし業者に不誠実の行為等がありましたならば、ただちに解約することが肝要だと思うのであります。また料金は、内規等の関係もございましようけれども、常に検討いたしまして低廉に有利に契約することをごくふう願いたいと思うのであります。  第四に、随意契約につきまして特に非常におそれられておりますことは、私的独占の助長ということであります。今度の法案とは直接関係はないようなものでありますけれども、随意契約更新の運用いかんによりましては、そうしたことを助長することになるわけでありますので、この点も特に御警戒を願いたいと思うのであります。  さような意味におきまして。私は本法案に対して附帯決議をつけまして、改進党の立場から賛成をいたしたいと思うのであります。    附帯決議   郵便物運送委託法の一部を改正する法律案については、郵便事業の特殊性にかんがみ、郵便物運送等の委託を随意契約によつて更新することは止むを得ないが本法施行に当り左の諸点を留意すべきである。  一、これによつて事業の施設の改善、技術の向上を促すこと。  二、郵便業務は国家専掌を本旨とするにかんがみ、将来委託業務は漸次縮少すること。  三、業者に背くも不誠実の行為あれば直ちに解約すること。  四、委託契約の更新に当つては、少数業者の私的独占の弊に陥らないよう留意すること。  五、委託料金は公正にして、低廉にすること。             以 上 附帯決議に対しまして各委員の御協力をお願い申し上げる次第でございます。

大上司自由党

○大上委員長 次に井伊君。

井伊誠一日本社会党(右)

○井伊委員 郵便物運送委託法の一部を改正する法律案の審議にあたりまして、いろいろご熱心なる研究を遂げることができたことは、まことに同慶の至りであります。  本改正案のうち重要なる点は、第七条に但書を加えて、従来の委託運送の契約者に対して、条件を満たされるならば、その契約の更新を郵政大臣によつて認めさせるという例外規定を設けることであります。例外というものはこれは拡大をさるべきものではない。それゆえにこの委託運送におきましては、その例外の場合というものはきわめてやむを得ない、競争入札をしてもなおその人を得ることができないとか契約の目的を達することができない、あるいは競争入札をする趣意であるところの競争の対象がなくなるとかいうような場合に限つておるのであります。しかるにこの第七条に但書を加えて、そうしてさきに競争入札によつて契約者となつたところのものを、さらに契約者として継続してその業務運営を行わせるようにするということは、この例外を非常に拡大することになるのであります。こういう元来拡大をすべきものでないものを特にここに拡大をするというゆえんのものは、これはほんとうにこの当該の業務を継続して行わせるということが、郵便事業の円満なる運営のために有利である、こういうことなのであつて、郵便事業そのものがりつぱに行われるということを念願をするために設けるにほかならぬ、それ以外の理由というものはないのであります。ゆえにここにこの問題のために考えられるところのことは、こういうふうな念願をするために、ほかの目的がかえつて遂げられないようなことが起きて来はしないかということなのであります。すなわち従来の経験を生かし、信用があり、誠実に仕事をするという、その願いをかなえてやらせることのために、真実、確実にその選択をしないで、多少の情実というようなものでも加わるというと、それは非常な目的外のものに落ちてしまつて、ことにこれは一度ではなくして、この更新は何度でも繰返すことができる性質のものとなる以上は、あるいは一たびきまつたが最後そのものに固定してしまつて、本来の競争契約というようなものはあつてなきがごとき、この本旨から離れたものになり、ある場合においてはそれがいよいよりつぱに実を結ぶというようなことから離れて、独占に陥る関係上、単に独占を禁止するという本来の目的のほかに、その事業そのものが実はそこから腐敗をして来たり、誠実でなくなつて、この例外を設けたために、かえつて悪い結果を来す。所期の目的を達しないようになるということを、この場合に特に憂慮をするのであります。ゆえにこの例外を設けることは、一面においてはこの郵便事業の特殊性というものを考えて単純に利益があれば競争入札によつて低廉なる料金なるものをのみ入れればいいというものではない。  真実に信書の秘密であるとか、郵便物が完全に配達をされるという、そういうような使命を帯びる事業であるからして、これをこういうような例外を設けて、そうしていよいよその理解あるところの業者をしてなさしめるということの理由も確かあるのであります。その方が円満なる運営のために有利であるということになればこそ、その一点においてのみこの例外が認められるのであります。でありますから、この点は非常に注意をしなければならないのでありまして、特にこの精神をこの運用にあたつて十分に注意をしてもらわなければならないと思うのであります。われわれはまた、この例外がともすると恒久的に固定したものになるということもおそれるのであります。そういうふうになることは、常にこの例外のみが行われて、運送委託ということは、やはりそのまま拡大はして行つても、縮小にはならないというような結果にもだんだんなつて来ると思う。本来郵便の事務というものは、これは政府がやるのをもつて最もいいものであると考えるのであります。実はこういう例外が積つて行くと、常にこの規定が準用され、固定して、いよいよ発展して行つて、そうして運送は委託によつてやるのが本旨であるがごとき方向にも行きかねない。この際において、われわれはこういう業務は政府がこれを大体においてやるべきものである。今の委託運送というものをだんだん縮小をして、郵政省の直営にする方向に持つて行くべきものであるというふうに考えるのでありますが、この第七条の運営の但書の追加は、これはそういう本旨を十分に注意をするということによりまして、私どもはなおこの郵便業務がさらによくなる道を見出し得るものと考えて、郵便物運送委託法の一部を改正する法律案に賛成をするのでありますが、しかし今の趣意を加えますので、今広瀬委員の提案されました附帯決議の条項をこれに加えて賛成をいたしたいと思います。これは社会党両派を代表いたすものであります。

大上司自由党

○大上委員長 これにて討論は終局いたしました。  これより採決いたします。郵使物運送委託法の一部を改正する法律案に賛成の緒君の起立を求めます。     〔総員起立〕

大上司自由党

○大上委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。  次に広瀬君提案の附帯決議について採決いたします。本附帯決議案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕

大上司自由党

○大上委員長 起立総員。よつて本附帯決議は決定いたしました。  この際高瀬郵政大臣より発言を求められておりますので、これを許します。

高瀬荘太郎緑風会郵政大臣

○高瀬国務大臣 ただいま御決議になりました附帯決議につきましてはこれを十分に尊重し、本法の執行にあたりましては、附帯決議の趣旨に沿うよう運用をして参りたいと考えております。

大上司自由党

○大上委員長 なお本案に対する委員会の報告書作成につきましては、先例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大上司自由党

○大上委員長 御異議なしと認めまして、そのように決しました。  本日はこれにて散会いたします。     午前十一時三十五分散会

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