本会議 第28号
- 発言数
- 17 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1953/02/12
会議録
○副議長(岩本信行君) これより会議を開きます。 ————◇————— 第一 地方公務員等の昭和二十七年年末給与改善に必要な財政措置に関する決議案(周東英雄君外四名提出)(委員会審査省略要求事件)
○副議長(岩本信行君) 日程第一は、提出者より委員会の審査省略の申出があります。右申出の通り決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。 日程第一、地方公務員等の昭和二十七年年末給与改善に必要な財政措置に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。辻原弘市君。 〔辻原弘市君登壇〕
○辻原弘市君 ただいま議題となりました、自由党、改進党、両社会党の共同提案に基く地方公務員等の昭和二十七年年末給与改善に必要な財政措置に関する決議案につきまして各派を代表し、説明いたしたいと思うのであります。 まず第一に案文を朗読いたします。 地方公務員等の昭和二十七年年末給与改善に必要な財政措置に関する決議案 政府は、地方公務員等の昭和二十七年年末給与改善に必要なる財政措置その他に関し、至急善処すべし。 右決議する。 理由 右に関しては、昨年十二月二十四日の参議院予算委員会における「公務員等の給与改善に関する決議」に対する答弁あるいは十二月二十四日本院地方行政委員会での本多国務大臣が政府を代表しての発言等において、その方針を明らかにしたごとく教職員を含み地方公務員の年末給与改善は国家公務員と同様に月額給与の〇・二五分を目途として行い、これが財政措置は後日考慮することを確約している。しかるにこれが財源措置は未だ何ら考慮の跡を見るに至らず、ために赤字財政に困窮を続ける地方においてはそのほとんどが月額給与の〇・二五分の支給不可能な状態にあり、地方公務員が不公平な所遇を受ける結果を招来している。 これが、本案を提出する理由である。 この提案の理由につきまして、その趣旨弁明を申し上げたいと存じます。 本問題は、昨年末、窮状にあえぐ公務員に対しまして、政府が二割のべース・アツプと一箇月の年末手当でもつてその給与の措置を行わんとしたことに端を発しているのであります。この政府の方針に対しまして、本院は、現下公務員の生活実態を考慮し、さらに積極的な給与改善措置の必要を認め、過ぐる十二月十六日、本院予算委員会における昭和二十七年度補正予算案採決にあたりまして、すみやかにその措置を講ぜられたき旨を政府案に附帯し、さらにこれを本院の決議として政府に強く要請したことは、各位の御承知の通りであります。(拍手) しかるに、その後この附帯決議の実行に対する政府の方策が明確とならなかつたため、参議院におきましては、旧臘二十四日の予算委員会で、再び公務員等の給与改善に関する決議を行い、さらに強く政府にその実行を迫るとともに、教職員を含む地方公務員に対しても同様の措置を講ずべき旨を強調したのであります。(拍手) ここに至りまして、政府はようやくその方法を明らかにされ、国家公務員に対しては、給与月額の〇・二五分を超過勤務手当繰上げ支給の形において増額することとし、さらに教職員を含む地方公務員に対しましても、これと同程度の支給を可能ならしめるため、政府の責任においてその財政措置をはかる旨、十二月二十四日、本院におきましては地方行政委員会、参議院におきましては予算委員会で、それぞれ政府の責任ある言明を行つたのであります。これによりまして、きわめて僅少ではありましたが、国家公務員は年末までに〇・二五分がそれぞれ本人に手渡され、ようやくにして年の瀬を越すことができたのであります。 ところが、一方、地方公務員の場合は、政府の財政措置が具体的とならないため、地方団体側は、財政窮乏の折から、勢いその支給を手控えざるを得ない結果となり、年内はおろか、今日に至るもなお、完全に支給せられている府県は数府県にすぎないのであります。さらに貸付金として処置しているものを加えましても、その半数に満たない現状であります。しかも、その支給済みの府県を見てみましても、決して自己財源でもつてまかなつているのではなくしてあくまで政府の言明を信頼し、その財政措置に期待し、一時やりくり算段をして急場をしのいでいるにすぎないのであります。 地方財政の窮状は、いまさら私が申し述べるまでもなく、全国知事の一昨年以来の数次にわたるあの熾烈な交付金増額運動が雄弁にこれを物語つておりまするが、今や地方に累積する赤字は、全国知事会の発表する数字をもつてすれば、まさに六百億を突破しているのであります。この数字の詮索はともかくといたしましても、地方財政の赤字は年々歳々累増の一途をたどりつつあり、厖大な額に上つていることは厳たる事実であります。地方自治制度の確立の裏づけとして実施せられた平衡交付金制度が、今や逆に地方自治、地方行政を困難とならしめている現況を見るとき、また、これら赤字集積の一大原因が、昭和二十五年以来累年にわたる地方財政規模の見積りに対する見解の相違によつても生れていることを思うとき、われわわれは、税制の改正を含め、地方財政制度の抜本的検討の必要と、地方自治本来の目的を達成するに足る財政確立の急務を痛感するものであります。(拍手)今また年末手当等に対する財政措置を怠るならば、地方財政窮迫の深刻さは倍加することになるでありましよう。と同時に、このことは、明らかに国家公務員と地方公務員に対する給与の政策において不平等な取扱いをあえて是認することとなり、地方公務員の生活権に重大な脅威を与えるばかりか、その心理的影響もきわめて甚大なりと思うのであります。全国知事会は、この点にいち早く思いをいたし、去る一月十二日の総会におきまして、未支給の県もこの際支給することを申し合せ、同時に、その必要財源三十一億の措置を政府に強く要求しているのであります。 地方団体に対して常に財政の放漫を戒め、公務員に対して綱紀の粛正を要望することは当然であり、またこれを推進しなければなりませんが、同時に、地方財政の健全化に対する、はたまた公務員の生活保障における政府の責任は、きわめて大きいものがあると思うのであります。(拍手)おそらくは、政府におかれては、かかる観点はもちろんのこと、実情を十分把握せられた上、その具体策について、われわれの予期以上のものを考慮せられていることと思うのでありまするが、この際いま一度、地方財政の窮状と、教職員を含む三百万の地方公務員の生活に深く思いをいたされ、地方財政における従来の赤字とは切り離し、別途すみやかにその財政措置をされんことを強く要請するものであります。 これが本決議案を提出いたします趣旨でございます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議員(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。(拍手) この際本多国務大臣から発言を求められております。これを許します。国務大臣本多市郎君。 〔国務大臣本多市郎君登壇〕
○国務大臣(本多市郎君) ただいま御決議に対し、所信を申し述べたいと存じます。 昨年末、国家公務員の例に準じて地方団体の行つた給与改善に対する財政措置に対しては、本院の御決議の趣旨に従つて、地方財政状況の推移とにらみ合せ、十分検討の上、すみやかに善処いたしたいと存じます。(拍手)
○山崎岩男君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、坂田英一君外二十四名提出、肥料価格安定に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山崎君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。 肥料価格安定に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。坂田英一君。 〔坂田英一君登壇〕
○坂田英一君 ただいま議題と相なりました、自由、改進、社会両派共同提案、肥料価格安定に関する決議案に対し、各派を代表いたしまして趣旨の弁明をいたしたいと思います。本案提案に際しまして、野党三派より強い要請があり、農林委員会においても審議をいたしましたが、その結果、四派共同提案といたしたような次第であります。 まず決議案文を朗読いたします。 肥料価格安定に関する決議案 政府は、一貫せる肥料政策を確立し、肥料の国内価格の安定と引下げに関し速やかに万全の措置を講ずべし。 右決議する。 御承知のごとく、食糧生産はわが国経済再建の根基でありまして、生産力の徹底的増強をはかり、その自給度を極力高めまして、国民食生活の安定をはかりますとともに、年間三百余万トン、四億数千万ドルに上る食糧輸入費の節減をはかり、貿易の改善を促進いたしますことが、わが国自立経済確立の根本的方策であります。しかるに、わが国農業は、その特質として集約多肥農業でありまして、反当り生産量の高いことは、肥料の増施によるところ甚大であります。それだけに、農業生産のうちに占めておる肥料の意義はきわめて高く、一般に農産物生産費中、肥料の割合は二〇%ないし二五%に当つておりまして、農民の肥料に対する関心は想像以上に高いのであります。それゆえに、肥料の需給状況並びに価格の高低が農民の生産意欲に及ぼす影響は真にはかり知れないものがありまして、肥料行政に妥当なる措置を欠くならば、農業生産の増強に多大の悪影響を及ぼすものであることを断ぜざるを得ないのであります。 翻つて、現下の肥料状況は、終戦後における政府の施策、企業の合理化等、国民一致の努力によりまして、終戦直後の著しい生産減退の危機を脱し、すでにある程度の輸出余力をさえ持つに至りましたことは、真に喜びにたえないところであります。しかしながら、その輸出は、ややもすれば内需を圧迫する傾向がありますので、私どもといたしましては、内需に対する円滑なる供給と輸出の増大とが同時に並行して促進せられますることを希望いたし、機会あるごとにその見解を表明し、政府に対しこれが善処方を要望して参つたのであります。しかるに、昨年末ごろより行われましたる肥料の輸出価格は、国内価格をはるかに下まわり、いわゆる安定価格に比較いたしまして、硫安十貫当りについて二百円以上も安くなつております。この問題は、すでに新聞紙上等にも、肥料の出血輸出問題として喧伝せられたところであつて、この問題をこのまま放任することかできない情勢に立ち至り、昨年十二月二十四日、農林委員会におきましては、肥料価格の適正化並びに供給確保に関する決議を行いまして、一、政府は肥料輸出価格が欠損を生じた場合、その欠損が国内肥料価格に転嫁されないよう措置すること、二、さしあたり春肥について供給不足、価格の騰貴を来さざるよう万全の措置を講ずること、三、国内肥料価格を海外市場価格と同等水準に引下げるため、肥料工業の合理化を促進すること、四、権威ある肥料審議会(仮称)を設置して、肥料の需給、生産並びに輸出入等に対し検討を加え、肥料工業の育成発達と農業生産の向上との一元的調整をはかること、この四点につき善処を要望して参つたのであります。政府におきましても、ただちにこの要望にこたえまして肥料対策委員会を設置いたし、目下鋭意これが対策を検討中でありますることは、私どもの多とするところでありまするが、すでに春肥の需要期を目前に控え、これが対策の結論を見出しておりませんことは、私どものはなはだ遺憾とするところでありまして、(拍手)農民もまた多大の不安の念をもつてこれが成行きを見守つている状況であります。従いまして、この際、時期が切迫いたしておりまする春肥の問題としては、時期を失することなく、急速に春肥確保の方途を明確にするとともに、国内価格の引下げを伴う妥当なる価格となし得るよう、適切なる施策を講ずる要があるのであります。 もとより、肥料工業は食糧増産の根基であり、わが国産業の重大なる一環であり、工業資源の乏しいわが国としては、かかる化学工業の育成発達をはからねばならぬことは言をまたないところであります。この肥料工業の育成発達と、食糧増産に努力しつつある農民に対し適切なる価格で円滑に肥料を供給することの、この二つのことを実現いたさなければならぬのでありまするがゆえに、肥料の問題は当事者のみにまかせておくことのできないことは、従来からも政府の大なる援助のもとに発育したる産業であることによつてもわかるのでありまするし、今後一層この肥料に対する方策を確立し、この根本策を樹立いたしまして、先ほど申しましたこの二つの目的を同時に達成いたさなければならないことは当然であります。これらの根本策については、政府は今後一層の努力を傾倒すべきは言うまでもありません。 よつて政府は、肥料行政に対する農民の信頼感、安心感を高めつつ、また他方、その間に化学工業振興対策の一環として肥料工業の抜本的対策をもあわせ樹立して、国際競争に十分耐え得る強靱なる肥料工業を育成助長し、国民経済の拡張を促進するとともに、より低廉良質なる肥料を十分に国内に供給して農業生産力の飛躍的増強をはかり、食糧生産の確保に資し、もつて祖国再建の基盤を確立せんことを心から念願するものであります。何とぞ各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
○副族長(岩本信行君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。(拍手) この際政府から発言を求められております。これを許します。通商産業大臣小笠原三九郎君。 〔国務大臣小笠原三九郎君登壇〕
○国務大臣(小笠原三九郎君) 肥料政策につきましては、その重要性と特殊性とにかんがみ、常に関係各省間に密接なる連絡をとり、遺憾なきを期しておりまするが、その基本を、増産による農民への廉価なる肥料の供給と、肥料工業の輸出産業としての育成確立に努むることとし、他産業に比し特別の配慮をいたしております。今後とも、本院の決議を尊重し、そり御趣旨に沿うよう、肥料対策委員会の意見をも参酌し、機宜を失せず、でき得るだけの措置を講ずる所存でございます。
○副議長(岩本信行君) 農林大臣広川弘神君。 〔国務大臣廣川弘禪君登壇〕
○国務大臣(廣川弘禪君) 本院の決議に対しましては、ただいま通商産業大臣より決意を表明された通りでございますが、われわわれといたしましても、この肥料対策につきましては、すでに春肥の時期が迫つておりますので、時期を失することなく、真に農民の安定する価格とまた対策を講ずるようにいたし、本院の決議にこたえたいと存ずる次第であります。
○副議長(岩本信行君) 本日はこれにて散会いたします。 午後二時二十八分散会