P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
15回国会衆議院1952/12/11

法務委員会 第11号

発言数
1,364
登壇者
15
会派数
4
開催日
1952/12/11

会議録

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 ただいまより会議を開きます。  前会に引続き人権擁護に関する件のうち、鹿地亘君関係事件について調査を進めます。さつそく証人より証言を求めることといたします。  ただいまお見えになられている方々は渡辺利三郎さん——手をあげてください。榎本正雄さん。鈴木長松さんですね。あらかじめ文書をもつて御通知いたしました通り証人として証言を求めることに決定いたしましたのでさよう御承知を願いたいと思います。  これより鹿地亘君関係事件について証言を求めることになりますが、人権擁護の見地から本委員会が特に本件をとり上げてその真相の究明に着手いたしました事情を御了承の上、本委員会の調査には十分の御協力をお願いしたいと思います。  ではこれより鹿地亘君関係事件について証言を求めることになりますが、証言を求むる前に各証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における記入の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬごとに相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。御起立を願います。  宣誓書の御朗読を願います。     〔証人渡辺利三郎君各証人を代表して朗読〕    宣誓書  良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それでは宣誓書に署名捺印してください。     〔証人宣誓書に署名捺印〕

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それでは渡辺さんから証言を求めますから、他のお二人の方は控室でしばらくお待ちを願いたいと思います。  さて渡辺さんに証言を求めることになりますが、証言を求められたときは、証言はお聞きした範囲を越えないようにお願いいたします。それから発言をされるときは御起立して発言をしていただきます。それから委員長がしやべつておりますときはかけておつていただきます。  渡辺さんのお生れになつた日と、現在お住まいになつておる所を言つてください。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 明治三十六年四月二十二日生れであります。現在の住所は神奈川県川崎市新丸子東三丁目千三番地、東銀クラブ内に住んでおります。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 今何のお仕事をなさつておるのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 今やはり雑役で、掃除万端……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 どこに使われているのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 東銀クラブに使われております。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 東銀クラブの使用人として雑役をやつているのですね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 この東銀クラブにはいつごろからお住まいですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 元横浜正金といわれたのですが、大正十五年からずつとおります。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 東銀が横浜正金銀行の当時から雇われて、ずつと雑役をしているのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 ごの東銀クラブはいろいろ使用者がかわつたわけではないですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 監督がかわつたのです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 どういうように監督がかわつたのです。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 つまり停年でやめたり……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 東銀クラブというのはどんな道に利用されているのです。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 従業員の慰安所として汗をかくと汗をふくとか……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 大正十五年以来……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 終戦後東銀クラブが従業員の慰安所以外に使われたことはないのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 それは戦争中……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 戦争中にどういうように使われました。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 工友会というか、あの辺の工場の連中が使いました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 戦争中というと何年ごろです。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 十七、八年ごろ……。十九年ごろですか、終戦まぎわでした。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 十九年……。終戦まぎわにその近所の工場の……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 工場の集会所みたいなものです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 その後はないですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 その後終戦後になりますと進駐軍になつたのです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 どういうようになつたか、ずつと話してください。終戦と同時に……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 進駐軍が接収して、将校クラブとして使つた。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それはいつごろまで使つておりましたか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうですね、約二年間くらいです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そうすると二十一年、二十二年。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 その後はどうなんです。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 その後ちよつと食堂に使いました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 どこの食堂に……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 シビリアンの食堂です。軍属の……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 軍属の食堂とはどういうことをするのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 御飯を食べるとか……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 近所に軍属がおつて、その軍属の食覚に使つたのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それはいつごろまで……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 二十五年の八月一ぱいくらいでしたね。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 その後はどうなつたのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 その後ちよつとあいていて、それからCIDが……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 その後どれくらいあいておつたのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 半年くらいあいておつた。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 半年くらいあいて、それから何に便つたのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 CIDで使つたのです。CICですかな。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 CICですか、CIDですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 Cでしような。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 でしようなでは困りますね。これは確実なところを言つてもらわぬと困ります。——わからないですか——わかつておれば言つてください。——CICというのはどういうことをするところか御存じですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 私にはわからない。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 CIDというのはどういうことをするところか知つておりますか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 やはりわからない。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 CICかCIDかわからないが、とにかくそういう名前のところで使つておつたということですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 どういうように使用しておつたのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 別に人も来ませんでした。宿舎みたいに使つておつたのです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そこにはどういう人がおりましたか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 名前ははつきりわかりませんけれども、二世の方が二、三人とまつておりました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 名前は知らないのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 名前は、帰られてしまつてわからないのです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 アメリカの将校はいなかつたのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 いませんでした。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 アメリカの将校はいなかつた、二世が二、三人おつた。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 その中に二世以外にだれかいませんでしたか、日本人が……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 いなかつたと思いますね。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 よく記憶をたどつてください。二世以外にいなかつたのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 その二世の人はいつごろまでおりましたか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうですねえ、記憶がないのですが、三月一ばいかな。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 いつの三月一ぱいですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ことしの三月一ぱい。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 アメリカの将校はいないし、二世以外に日本人はおらなかつたというのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 従業員のほかいませんでした。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 従業員はおつたのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 多少おつたわけです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 日本人が……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 多少というと、何人おりましたか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 二、三人おりました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 名前は知りませんか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 名前はわかつておりません。今ちりじりばらばらになつておつてわかりません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 私から言つたら、思い出すかもしれませんか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうですね。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 その中に、山田善二郎という人はいませんでしたか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 いたようですね。その方ま……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 思い出しましたか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 間違いありませんか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 間違いありません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 宿舎に二世が二、三人おり、日本人の使用人が若干おつて、名前は知らないが、今委員長から聞いてみると、山田善二郎という人がおつたらしい、こういうことですね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それ以外に、何か病人とかお客さんとかいわれる人がいたのじやないですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 今新聞を見ますと、やはりそのことを思うような人はいました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 その当時のことを言つてください。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 いや今新聞で見てその当時そんな人がいたかと思つております。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 ちよつとわからないが、はつきり言つてください。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 病人みたいな人は、いることはいました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それはいつごろ……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 去年の暮れからお正月にかけて……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 去年の暮れからお正月にかけて、病人のような人がおつたのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それはどうして新聞を見て思い出せるのです。そういうことが……

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そういうけはいが見えたのです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 その病人に会つたことがあるのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ないのです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それから、病人がおるという部屋に入つたことは……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 入つたことはないのです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 けはいというと、どういうけはいです。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 外にいるから、多少中で運動しているようなときがあつたのですよ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 外におつて、運動しているような感じを受けたことがある。人がおつて……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 もつと正確に言えないのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 われわれは、そういうそばへあまり近寄らなかつたから、正確のことはわからないのです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 近寄るなとでも言われておつたのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 あまり近寄つてはいけないことになつておりました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 なつておつたのですか。だれかに命令されておつたのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そういうことになつておつたから、あまり近寄らなかつたのです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 あなた自体が近寄らなかつたのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 命令を受けておつたわけじやないのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そうすると、そのけはいがしたというのは、どういうことになるのです。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 それは病人らしき者が……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 あなたの皮膚の感じが……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 その程度かね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 その部屋に近寄つたこともないし、それから見たこともない。自分が外で働いておつて、その空気の振動というか、皮膚の感じというか、そういう感じで、新聞を今読んで、そんなけはいがあつたような気がする、こういうのですね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 正確なことはわからない……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 山田善二郎という人と何か話をしたことはないのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうですね。あまりしたことはないのです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 あまりしたことはないというと、少ししたことはあるのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 少しくらい……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 どういう話を……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 今日は、お早ようくら……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そこで、何か自殺騒ぎが起きたことはないのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうですね。あとでそんなようなうわさも聞きましたがね。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 だれから……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そういううわさをちよつと聞いたわけです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 だれからうわさが出たのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 だれからともなく、そういう空気が見えたのです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 空気じやここへ来てしやべつてもらつても何にもならぬがね。あなたの想像というのは何でもできるんだから、天国へ行く想像もできるし、お月様の世界へ行くことも想像すればできるのだから、その想像は、ここでは何にもならないので、こつちが聞いているのは想像じやないのです。あまり想像で言つてもらうとかえつて間違うことになります。そういう自殺のうわさがあつたという評判が立つたというのも、想像でというのですか。だれかの口から出たんじやないですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 だれから出たともなくそういううわさが立つたわけです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 もう一度聞き直しますが、雑役として朝から晩までその家におるわけですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ちようど朝の八時から晩の四時ころまでです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 朝八時から晩の四時ごろまでそのハウスに……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そのまわりに……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 うわさというのは、その家に勤めている人の間に起きたのですか。その近所の、あなたたちの住まつている家族の間なんかにも起きたのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 家族は全然知りません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そうすると、そのハウスに勤めているあなたたちの間で起きたのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 だれ言うともなしに……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それからその家ですが、家の構造を知つていますか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうですね。まあ二階が少しあつて、あとみな平家です。二階が二間あつて……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 二階が二間あつて、あとは平家……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 どういうふうになつているのですか、その家の建て方は……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 十文字の建て方になつています。まん中に二階があつて、南、北、西、東と十文字になつています。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 十文字に建つている。そのまん中が二階……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 あなたは二階へ上つたことがありますか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 前には上つたことがあります。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 結局何ですね。CICかCIDか知らないが、その人たちの宿舎になつてからは上つたことはないですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 あまり上らなかつたのです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 あまり上らないというと、ときには上つたことがあるのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 あまりないです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 ないのかあるのか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ないです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そうすると、三階の構造がどういうようになつているか知らないね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 二階は畳敷が二間あつたわけです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それから周囲は……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 周囲はリノリュームと板張りです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 周囲というのは戸や障子……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 戸はガラスです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 ガラス戸ですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 廊下は……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 廊は少しあります。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 廊下が少しあつて、それから廊下をへだてて外側の戸はガラス戸ですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ガラス戸です。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 内側は……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 内側は障子です。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それからガラス戸だけで、板の戸はないのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 戸はないです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そのガラス戸や障子はどうしてあつたのですか。いつでもあけられるようになつていましたか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 あけられます。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 二階には便所がありましたか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 小便所だけです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 小便所がある。大便所は……

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 大便所はないです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 下の構造はどうです。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 下はやつぱり板張りです。板張りの片方にリノリュームのところと、あとコンクリートのところと……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 下は板張りで、リノリユームを敷いてある……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 リノリュームのところと、板張りのところと、コンクリートのところと……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 板張りのところと、リノリュームのところと、コンクリートのところとあるわけですね。そこは寝台でも置いてあるのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 置いてありますね。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 その寝台はだれか寝起きしていたのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 下はあまり使つていなかつたのです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 病人といわれる人ね、あなたが言つた、まあ皮膚の感じでそういうように察するというのだが、その人はどこにおつたようですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 下の出つぽつた南側の方にいたのです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 下の出つぱつた南側の部屋におつた……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 その部屋はどういう構造の部屋です。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そこはやはりまわりがガラス戸です。中は障子がはまつておる。下はリノリュームです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そうして寝台が置いてあるのですね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 はあ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それは一部屋ですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 一部屋です。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 便所は……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 便所はその隣りにあります。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 その隣にある。大便所もついている。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 その障子や板ガラスはどうなつていたのです。いつでも開かれるようになつていましたか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 錠をかけたり何かしてなかつたのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そういうことはなかつたと思います。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 外はどうです。今のガラス戸をあけるとどうなつているのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ガラス戸をあければ外です。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 外は道路ですか、住還ですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 いや、屋敷内です。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 往還へはどういうことになつているのです。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 往還へはその建物から三十メートルくらい……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 三十メートルくらい出ると往画へ出る……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 往還に出ます。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 家の周囲は……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 家の周囲は大きな大木と芝生で……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 大きな大木と芝生で、別にコンクリートのへいとか板べいはない……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 それはずつと遠くへ出てから少しありますけれども……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 いや、その家の周囲……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 その周囲ずつと少し離れてからね。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 少し離れて……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 その家の屋敷を、コンクリートか板べいで取囲んであるのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 コンクリートべいで……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 コンクリートべいで囲まれている。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 あとは板のところもありますし、いろいろあります。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 板のところもあるし、コンクリートのところもあるが、へいがあるのですね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それだけですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。あと鉄条網が少し張つてあるのです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 全部鉄条網が張つてあるわけではないのですね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 どの辺へ少し張つてあるのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 南の方へ少し張つてあるのです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そこだけどうして鉄条網が張つてあるのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 お隣との境ですから……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 お隣は何ですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 工場です。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 お隣が工場になつていて、工場との境のところに鉄条網が張つてある……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 ほかは張つてないのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 あと進駐軍が使つておつた時分には、まわりに少し張つてあります。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 進駐軍で使つておつた当時というのはいつのことです。今のCICのことですか。CICかCIDか知らないが、その前のことですか、その当時のことですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 その当時です。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それはどの辺に少し張つてあるのです。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 その家のまわりに張つてありました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 家のまわりに張つてあつた……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 家のまわりに、人が出られないように……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 簡単ですけれども……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 簡単というのはどの程度です。人は、どうです、出ようと思えば出られるのですか、出られないのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうですね。出ようというのは無理でしような。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 鉄条網をこわして出ようというのは無理……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 無理でしようね。持ち上げれば出られますがね。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 持ち上げれば出られるのですか。厳重だというのはどの程度のことを厳重だというの。あなたは簡単な鉄条網だと言つたね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 はあ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 だから厳重を聞いておるのです。(笑声)

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 簡単というと、どうだろう。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 ではこう聞きましよう。もしもその病人のおつただろうとあなたが想像する部屋から、その中に人がおつて、その人が外へ出ようとしたらどうなんです。出られる状況ですか。外へは出られない状況ですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうですね、出ようと思えば出られますけれども……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 出ようと思えば出られる……

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 出られますけれども……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 出ようと思わぬから出られないというのですか。(笑声)もつとつつ込んで聞きますがね。そこには二世の方たちもおつたのでしよう。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 使用人もおつたでしよう。あなたたちもおるわけでしよう。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 あなたたちはこの病人という人に対して監視をしておつたようなことはないのですか。外へ出ないように監視をする……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 まあ、監視かたがた掃除をしていたわけなんです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 監視かたがた掃除をしておつた。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そうすると、この病人のおつたことは、皮膚の感じではなく知つておつたのではないか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 いや、それはだれだかわからないですな。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 だんだんかわつて来た。だれだかわからないが、病人のおつたことは——だれか人はわからないが、要するに病人のおつたことは知つていたのかね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ、そういう気配がしておつたから……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 気配と知つておつたではうんと違う。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 はあ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 どつちなんです。非常に重大なことですから、さつき宣誓さしてあるのですがね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 どつちですか。気配ですか、知つておつたのですか。人はだれか知らないが、確かにそこに人がおるということを知つておつたのですか。知らないのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 いや、その気配です。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 気配か。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そうしたら監視ということはどうだ。監視兼掃除ということで、気配くらいで、あなたが監視する必要はない。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 はあ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 どういうことなんです。監視は何を監視するのです。監視にはいろいろあるだろうけれどもね。外から来る人を監視する場合もあろうし……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 うちから出る人を監視する場合もあるが、あなたたちの監視というのは何を意味する。監視は……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 外から来る人のことです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 うちの人の監視じやないのか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 だれかにあなたは、証言するときにうまくやれとか、何とか言われたのじやないか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そんなことを言われません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 きようここに来るまでに、だれにも会つていない。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 会つていないです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 さつきあなたが監視兼掃除と言つたのは、外からの監視ですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そこで、もう一度聞きますが、その中に、かりにあなたが想像したところの人がおつて、その人が出ようとしたら出られたというのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 私の出られたというのは、庭に出るのじやないですよ。往還に出るのですよ。鉄条網が張つである……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 往還には出られないです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 往還に、どうして出られない。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 門がありますから……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 門があつても、門を越えるとか、今言う通り、鉄条網も、あなたは簡単な鉄条網だというのでしよう。そうすると、その鉄条網をこうやつたら、出られると言つたね。上に上げたら……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そこを聞いているのですよ。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 はあ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 あなたが出られると思つたらどうなんです。出られると言うより、逃げようとしたら、と言つたらいいかな。何かこう自分でここから逃げて行こうというように考えたときには、逃げられる状態にあつたのか、逃げられない状態にあつたのか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうですね。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 あなたの自分のことにして考えてごらんなさい。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 言えない……どうなんですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうですね、逃げようと思えば逃げられたでしよう。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 あなたが自分になつて逃げようとすれば 逃げられたというのですね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それはどういうことをしてですか。さつきの鉄条網をこうすればあくし、それからへいも乗り越えられるからですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 乗り越えれば乗り越えられるのです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 二世の人で光田という人、あるいは川田という人はおりませんでしたか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 おつたかもしれませんね。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 光田という名前はどうです。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そういう人がおつたかもしれません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 記憶がないのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 記憶がないのです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 名前は聞いたことがありますか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 あります。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 しかし、おつたかおらぬか、今記憶がないというのですね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 ここにアメリカの将校さんが出入りしたことはないですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 幾分出入りしましたね。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 幾分というのは何ですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 二、三……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 二、三の人が……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 毎日ですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 いや、ときどきです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 何しに来たのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そいつはわかりません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 キャナン大佐という方は知りませんか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 知りません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 G大佐は。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 知りません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 委員長の尋問はこれで終ります。  質問の通告がありますからから、順次これを許します。今度は委員さんからお聞きしますから、お答えください。松岡松平君。

松岡松平自由党

○松岡(松)委員 ちよつとお尋ねしますけれども、あなたは採用されるときには、どういう仕事をせよといつて採用されましたか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 採用されるときには、やはり掃除人として……。

松岡松平自由党

○松岡(松)委員 そこで、あなたは中にいる人の顔も見ない、姿も見ないという証言でしたが、中にいる人の顔も姿も見ないのでしよう。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 どういう人ですか。

松岡松平自由党

○松岡(松)委員 問題の人の。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 問題の人ですか。それは顔を見たことがないですね。

松岡松平自由党

○松岡(松)委員 そうすると、鉄条網は隣の工場との境だとおつしやいましたね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ、ずつとまわりに……。

松岡松平自由党

○松岡(松)委員 完全に張つてありましたか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 張つてありました。

松岡松平自由党

○松岡(松)委員 そうすると、出るとすると鉄条網にひつかかりますか。そこがかんじんなところですよ。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ひつかかります。

松岡松平自由党

○松岡(松)委員 すき間がありませんか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 すき間がないというほどでもありませんね。

松岡松平自由党

○松岡(松)委員 そうすると、抜け出ようと思えば、抜け出られるのじやないですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 抜け出ようとすれば出られます。

松岡松平自由党

○松岡(松)委員 あなたにその人間を監視せいと言つた者はないのでしよう。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 それはないのです。

松岡松平自由党

○松岡(松)委員 そうすると、だれか監視しているのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 いないのです。

松岡松平自由党

○松岡(松)委員 だれもいないわけでしよう。そうすると、部屋から飛び出せば、飛び出せますね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 出ようと思えば出られます。

松岡松平自由党

○松岡(松)委員 何か部屋の中から声を聞いたこともない……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そういうこともない。

松岡松平自由党

○松岡(松)委員 軍人とかアメリカの兵隊さんとか、そういうアメリカ人以外の人で、日本人とか、あるいは中国人とかいうものは、たずねて来たことはないですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ないですね。

後藤義隆改進党

○後藤委員 あなたはその病人のおる部屋の付近まで行つたことはあるのですか、病人のおるときに。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 その辺を掃除したりなんかしましたがね。

後藤義隆改進党

○後藤委員 どの付近……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 病室のまわりを……。

後藤義隆改進党

○後藤委員 病室のまわりというのは外ですか、それとも廊下かなんかですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 外です。

後藤義隆改進党

○後藤委員 外というのは。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 庭園です。

後藤義隆改進党

○後藤委員 そうすると、廊下なんかにいたことはないのですか。病人のおるところの廊下ですね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 廊下には入つたことはないです。

後藤義隆改進党

○後藤委員 廊下にかぎがかけてあつたかどうかというのは知らぬですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 それは知らぬですね。

後藤義隆改進党

○後藤委員 行かないからわからない……。それからそこに何かアメリカの兵隊がたずねて来たことがありますか、どうですか、あなたの勤めておつたところに。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 われわれのところに……。

後藤義隆改進党

○後藤委員 そこに出入りしたことはありましたか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 まあ、時たま。

後藤義隆改進党

○後藤委員 時たまというと、一週間に何回とか、あるいは月に何回とか……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 まあ、一、二回でしようね。

後藤義隆改進党

○後藤委員 一、二回というのは一週間ですか、月にですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 月に。

後藤義隆改進党

○後藤委員 月に一、二回はアメリカの兵隊さんが来ておつたことがある。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

後藤義隆改進党

○後藤委員 その兵隊さんは来てからどこに行くのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 それはわかりません。

後藤義隆改進党

○後藤委員 病人のところに行つたかどうかわかりませんか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 それはわかりません。

後藤義隆改進党

○後藤委員 あなたはそのときに俸給はどこからもらつておりましたか。給料ですね。あなたの身分関係は——そのアメリカの方のCICかCIDからもらつておつたのですか。それともどこからもらつておつたのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 CIDでしようかな。

後藤義隆改進党

○後藤委員 そうすると、アメリカからもらつておつたのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

後藤義隆改進党

○後藤委員 進駐軍の方の関係から俸給はもらつておつたのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 進駐軍関係です。

後藤義隆改進党

○後藤委員 日本の人からもらうわけじやないのですね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 さつきあなたは、近寄らないことになつておつた、こう言いましたね。それはだれかからあなたに、近寄つてはならぬという命令は受けないけれども、そこの勤め人の一般の規則として、その病人には近寄らないというようなことになつておつたのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そこでさつきあなたの証言によれば、病人と思わしき人のいたところは、下のこれこれのところであるとはつきり言つておるのであるから、そういう者がそこにいたことは、ただ皮膚で感じたのじやなくて現にあなたはわかつておるわけだな。下の部屋のこれこれにいたとはつきり言つておるから、そこにおつたことははつきりわかるわけだね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 はつきりわかるわけですね。ただ何となくふわつとした感じじやなくて、そこにいたことはわかるのですね。はつきりだれであるかわからぬにしても。それはわかるのですね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そしてその部屋の出入口というものは、廊下に面したところにあつたわけですね。その病人らしき者がいた部屋に入るには、何かドアがあつて、そごから出入りするわけでしよう。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 それはわかつているね。そのドアにかぎがかかつておつたかどうかということは、あなたは見たことがないですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 それは見たことがない。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そうすれば、そこを見届けないと、自由に出れるかどうかということはわからぬわけだね。そこにもしかぎがかかつておつたとすれば、出られないでしよう。そうすれば、自由にそこから逃げ出すことができたかどうかということもわからぬわけじやないか——そうでしよう——そうなりますね——そういうりくつになるでしよう。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 はあ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 どうだね、わからぬのか、わかつているのか、今のは。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ……。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そのドアにかぎがあつたかどうかわからぬという……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ……。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そうすれば、病人らしき者が自由にその部屋から外へ出ようとしてそれが出られるのかどうかということも、結局わからぬということになるのじやないか。そうならぬの……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうですねえ……。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 ここがおかしいんだ、君の証言が。なぜそれにこだわるのです。(「あらためて偽証を警告すればいい」と呼ぶ者あり)だから、さつき委員長が注意したような点がある。出られるということに対しては、非常に活発に答えながら、自分が部屋のドアのかぎを見もせぬで、そういうことを言つておるとすれば間違いができるから……。出られるかということは、あなたわからぬわけだろう。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 わからぬです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 はつきり言わないと…。その点がはつきりしない。わからぬならわからぬと活発に答えればいい、出られることばかり活発に答えないで。(笑声)おかしいんだ、それが。  それから光田という人の名前を聞いたというのであるが、それは、そこの中へ二世として二、三人いた、その中の一人に光田というのがいるというふうに聞いたのか。そのハウスに出入りする人の中に光田という二世がいると聞いたのか。どつちなんです。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 その三人の中の……。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そこに勤めている三人の中に、どれだかわからぬが光田という人間がおるということは聞いておつた……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そこには諸君のような人が二十人ぐらいおつたんじやないの。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 はなはおりましたが、だんだん整理なりまして、だんだん少くなつた。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そうすると、あなたが勤めた当時は二十人ぐらいおつた、それがだんだん少くなつて……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 それから、その全体のマネージャーとしては、どういう人がいたですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 わかりません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 尾崎という人はいなかつたか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そんなような名前も聞きましたが……。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 それがマネージャーであつたかどうかは、あなたはわからぬわけですね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 山田はそこでどういう役をしておりましたか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 コックです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 あなたはそこへ勤めておつた守衛を知りませんか。あなた方のほかに守衛と称するものがいたかいないか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 二、三人おりました。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 その八の名前を知りませんか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 わかりません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 それは日本人ですね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 日本人です。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 その病人らしい者がいつかそこからいなくなつたんじやないか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 いなくなりました。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 いつごろですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 日にちは記憶ありません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 目にちは記憶ない、どこへ行つたかもわからない……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 わかりません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 その病人らしき者がいなくなるとともに、山田というコックもいなくなつたのではないですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 少しいてやめたわけです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 それから二世のアメリカの兵隊が三人おつたですね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 その中の一人に光田という人がおるというのはわかつていたが、その他の人の名前はわかりませんか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 わかりません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 光田はピストルを持つておりませんでしたか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 記憶ないです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 光田以外の二世でピストルを持つていたのはなかつたですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 記憶ないです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 記憶ないのか、全然持つていなかつたのか、どつちなんです。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 記憶がない。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そうすると持つていたのかもしれませんね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ……。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 病人らしい者がそこへ来たのは、昨年の暮れころだということでしたね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 どこから来たかわかりませんか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 かわりません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 来る前に、病人らしい者が来るぞというようなうわさが、皆さんに伝わらなかつたですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そういうのはなかつたですね。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そこでその病人らしい者がいたという部屋は、その病人らしい者が入る前はあき室であつたのではないですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 あき室でした。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そのあき室であつたのを住まわせるように片づけたのは諸君ではなかつたのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 われわれじやないです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 但し、そこはあき室であつたことは事実だね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 それから病人らしい者が自殺をはかつたらじいといううわさを聞いたことがありますね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 うわさでね。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 それはまだ病人らしい者がそこにいる間のことだね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 過ぎ去つてからのことです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 たれから聞いたかわからぬが、病人らしい者がいなくなつてからですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そのうわさは、守衛から聞いたのではないですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 たれだか、それは記憶ないです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 では、念を押しておきますが、山田という人の名前まであなたわかつていますか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 善二郎……。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 その当時あなたは山田という人を知つておつたんですね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 多少、顔を合わしておりましたからね。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 その山田から何も聞いたことはありませんか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 あまり聞いたことはありません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そうすると以上あんたの述べたことは、全部あなたが見たことなんですね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 それからときどきアメリカの将校がそこへ出入りしたというのは、どういう階級の人であつたか、あなた階級章わかりますか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 わかりません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 軍服を着て来たか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 セピロが多かつたですね。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 軍服を着た者も来たか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 来たこともあります。階級はわかりません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 あなたの、やはり同じくそこに勤めている中に、榎本正雄という人がありますね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 それもあなたと同じような代車をしておつたのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 榎本正雄も山田を知つておるだろうね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 知つていましよう。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 よろしゆうございます。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 さつき話したことで一番重大なことで私に答えたことと、猪俣さんに答えたこととちよつと違うように感ずる点がある。さつきあなたに委員長から言いましたように、うそを言つたときは懲役に行かなきやいけません。もう一度問い返しますが、逃げようとしたら逃げられるか逃げられないかという状況は、あなたとしてはわからぬのか。障子があつて周囲がガラス戸だと言つたね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ガラス戸です。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 その病人と称する人がおつた当時、かぎをかけてあつたのか、かぎをかけてないのか。それはあなたにわからぬね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 それはわからないです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 かぎをかけてあつたかわからない。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 わからないです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そうすると、あなたのさつき委員長に答えたのは、かぎをかけてないとすれば逃げられる、こういうんだね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 かぎをかけてあるとすれば、それはわからない。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 わからない。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それじやそう聞いておきましよう。

田万廣文日本社会党(右)

○田万委員 二、三お尋ねします。まつすぐに正直に言つてもらいたい。先ほどあなたの証言の中に、しばしば委員長からもお話があつたのですが、この問題の人、それが病人のような人という言葉を使つておるのですが、どういうところから病人のような人ということがわかるのですか。納得の行くように話してもらわぬと、空気でわかるとか、皮膚でわかるとか——だれかから実際聞いたんじやないですか。丈夫な人が入つておるか、病人のような人が入つておるか、その区別が納得の行くような話し方でなければ、われわれにはわからない。あなたもわからぬでしよう。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

田万廣文日本社会党(右)

○田万委員 そこをひとつはつきり述べてもらいたい。何か言いにくい事情があるのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 別にありません。

田万廣文日本社会党(右)

○田万委員 あなたはまつすぐに良心に誓つて言つてほしい。何も躊躇することはないでしよう。あなたが躊躇せられると、だれかに頼まれたんじやないかというような疑惑を持ちますよ。ほんとうのことを言つても何でもないことじやありませんか。どうです。これは大事なことなんですよ。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 病人らしき者というのは、ただ中を散歩しておるようなときに見たのです。

田万廣文日本社会党(右)

○田万委員 見えた。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 見えたのです。

田万廣文日本社会党(右)

○田万委員 窓があるとおつしやいましたね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 あります。

田万廣文日本社会党(右)

○田万委員 窓の外からも中からも、両方から見えるようになつておるわけですか、その窓は。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

田万廣文日本社会党(右)

○田万委員 じやあその窓から病人のような人が歩いておるのが見えたというのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうなんです。

田万廣文日本社会党(右)

○田万委員 近寄つて見たのではないが、偶然に見たというようなことがあつたのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

田万廣文日本社会党(右)

○田万委員 どういうところで病人らしいということがわかるのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 まあぶらぶらしていたから……。

田万廣文日本社会党(右)

○田万委員 丈夫な人間でもぶらぶらして歩いていますよ。もう少しわかりやすく言つてくれぬと——お互いにわかる言葉でなかつたらわからない。常識的に言つてもらわぬと……。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そういうふうに見えたのです。病人のように見えたのです。

田万廣文日本社会党(右)

○田万委員 その部屋の食事は、どなたが持つておいでなんですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 山田がやつたんじやないかと思うのですがね。

田万廣文日本社会党(右)

○田万委員 その山田という食事を運んでおつた方からも、あなたは病人らしいという話を聞いておるのではないですか、実際において。なければないでいいですよ。あればあると言つてもらえばいいのです。どちらでも正直に言つてもらえばいい。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 それはないのです。

田万廣文日本社会党(右)

○田万委員 外から見ただけで病人らしい人だという感覚をあなたが持つたということですね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

田万廣文日本社会党(右)

○田万委員 それが日本人か、外国人か、あるいは中国の人であるかというような点はどうでしようか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 それはわからないですね。

田万廣文日本社会党(右)

○田万委員 しかし見たのは一回、二回ではないのでしよう、窓からぶらぶらしているのを見たのは。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 あまり誘導的にはやらぬように……。

田万廣文日本社会党(右)

○田万委員 いや、ないですかというのだ。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 たまたまです。

田万廣文日本社会党(右)

○田万委員 これはほんとうのことが出て来るのだからね。それは顔の色は日本人か外国人かということはわからないですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 中は薄暗いからわかりません。

田万廣文日本社会党(右)

○田万委員 薄暗いからね。何のためにそこへその人が来ているというふうにお考えになりましたか。病気の療養に来ているとでも考えましたか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 これはわからないですね。

田万廣文日本社会党(右)

○田万委員 しかし、少くとも何のためにそこへ来ておるくらいのことは、実際の話はわからぬかもしれぬけれども、うわさではいろいろあつたんじやないですか、あなた並びに山田その他の人たちの間の話で……。どうして病気の療養に来ておるというように考えましたか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 私はそう思いましたね。

田万廣文日本社会党(右)

○田万委員 どういうところから療養に来ておるというように思いましたか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 それはわかりません。

田万廣文日本社会党(右)

○田万委員 お医者さんがたびたび出入りしておりましたか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 それは気がつかぬです。お医者さんの出入りは気がつかぬです。

田万廣文日本社会党(右)

○田万委員 それならなぜ病気の養生に来ておるというように感じたのです。それも大事なことです。さつぱりわからぬ。想像はいらない。事実に基いた話だけを私聞きたいのです。今聞けば、病気の療養にでも来ておるような感じをあなたは抱いていた。さすれば、医者も来るはずですぬ。それが来たかというとわからない、こう言うのですね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 それはわからないのです、来てるかどうか。

田万廣文日本社会党(右)

○田万委員 そういうことをおつしやるから、療養に来ておるということは、どういうところからそういうことを言われるのかということを聞きにくくなるでしようが。答えられませんか。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 ちよつと待つてください。榎本正雄君が同様な立場で証人に出ますから、この証人はちよつと残つおいてもらつて——いろいろ疑問の点もありますから……。

田万廣文日本社会党(右)

○田万委員 残つてもらうのは委員長の考えで自由ですが、ただし私が聞いておることは、結論だけ出してもらわなければ困る。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 いや疑問の点もありますから……。

田万廣文日本社会党(右)

○田万委員 一人々々の証人にやはり別々のことを聞くこともある、共通なことを聞く場合もあるかもしれません。この証人はこの証人として、私は聞かなければならないと思うのです。

松岡松平自由党

○松岡(松)委員 委員長どうでしよう。私のさつきの質問に対しても、こういうことを言つておる。委員長の質問に対しては皮膚で感じた。私の質問に対しては姿も見ない、顔も見ないと言つておる。今度は田万委員の質問に対してはちよつと見たと言う。二、三べん見たと言つておる。これは一転、二転、三転して来ておる。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そういうこともあるから、榎本君に聞いて、この証人は残つてもらつて榎本君の証言とこの証人の証言と照し合せて真相を究明された方がいいのではないか、かように委員長は考える。

田万廣文日本社会党(右)

○田万委員 あなたはよく考えて間違わないように証言してもらいたい。

大川光三改進党

○大川委員 だれかこの部屋の中で肺結核か何かの人がおるから食器を気をつけなければいかぬという話はなかつたのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そういうことは聞きませんでした。

大川光三改進党

○大川委員 それからもう一つですが、部屋の中で運動しておるようなけはいがした、こう言われましたね。そこで一体あなたは部屋の中の人が監禁でもされておると考えておつたのか、あるいは単に病気の養生とか、あるいはその部屋で本でも読んでおると考えておつたかという問題ですが、監禁でもされておつたというような考えはあつたのですか、なかつたのですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そういう人が来ているということは……。

大川光三改進党

○大川委員 その人がその部屋にとじ込められているというような感じはあつたですか、ないのですか。——そこまで考えていませんか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 考えていません。

大川光三改進党

○大川委員 何とも思つていない——そうするとさつき逃げようと思えば逃げられると思うと言われたのですが、それが納得が行かぬのです。逃げようと思えば逃げられるということは、監禁でもされているか、とじ込められているということが前提になりますね。それはどうですか。さつき委員さんから逃げようと思えば逃げられるかと問われたから、あなたはそう答えただけですか。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 ええ。

大川光三改進党

○大川委員 あなた自身は監禁されているかどうかということは考えておらなかつたのですね。

渡辺利三郎東銀クラブ使用人

○渡辺証人 そうです。

大川光三改進党

○大川委員 よろしゆうございます。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それでは証人は御苦労ですがちよつと証人の控室でお待ちください。  それでは、榎本正雄さんですね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 先ほど宣誓のときに申し上げましたように、うそを言つたり隠したりすると処罰を受けますから……。それから記憶にないことは、はつきりないと言つてください。また知らないこともはつきり知らないと言つてください。いろいろ追究せられて知つたような知らないようなことになりますと、非常に迷惑をいたしますから。  ではお聞きいたします。あなたのお生れになつた日、それから今お住まいになつているところ、これをお聞かせください。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 生れたのは川崎市……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 いや、生れたところはけつこうです。生れた日です。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 六月の八日です。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 何年ですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 明治三十七年の六月八日です。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それからお住まいになつているところは……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 住まいは川崎市新丸子東三丁目千百番です。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 東銀クラブのうちにおるのですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 元横浜正金銀行クラブでありましたが、今日は東京銀行にかわりました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 東銀クラブのうちにおるのですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そこにいつからお住まいですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 大正十五年から今日に至るまで……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 お仕事は何をしているのですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 仕事は正金時代から雑役です。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 今でも東銀の使用人でございますか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そうすると、このクラブは何に使われておつたのですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 まあ娯楽場ですね。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 銀行員の娯楽場ですね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 そうです。野球をやりましたり、テニスをやりましたり……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 野球をやつたりテニスをやつたり——今日までずつとそれで来ていますか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 ええ、来ております。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 その間に何か使い道がかわつたようなことはないですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 別に聞いた覚えはありません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 何か終戦後アメリカ軍に接収せられたようなことはないのですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 終戦後接収せられたことはあります。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 接収せられて何に使われておつたのですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 最初は将校クラブ……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それはいつごろまでです。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 記憶ありません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 昭和二十二年ごろまでじやなかつたですか。終戦後二箇年くらい……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 その記憶はありません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 将校クラブに使われておつた。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それからかわつたのじやないですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 それからかわりました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 かわつてどうなつた。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 かわつて食堂になつた。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 付近に住んでおる軍属たちの食堂になつた……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それはいつまで続いた……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 それもはつきり記憶がない。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それからまたかわつたのですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 それからあとの方はどういうふうになつたか、はつきりわかりません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 何かCICかCIDか知らないが、そうしたところへ勤めている人の宿舎になつたわけじやないですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 それも秘密だと聞かされていて、あまりあの何は言えないのです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それは秘密だということになつているから、あまりここで内容は言えない……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 言える範囲でけつこうですが、何か二世の人が二、三人寝とまりしておつたわけじやないですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 二、三人寝とまりはしておりました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 その二世の名も御存じですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 光田さんだけは知つております。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 光田という人は知つている……。これは何ですか。二世の何ですか。軍人ですか、普通の二世ですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 普通の二世かはつきりわかりませんですけれども……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 軍服なんか着ておつたことがありませんか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 着ておつたのは見たことがあります。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 軍人かもしれない、一般の人かもしれないが、軍服を着ておつたことを見たことはある……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 ピストルなんか持つておつたことは見たことはないですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 別に……。私たちは外のレーバーでありましたから、見たことはありません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 外で仕事をするから内のことはわからない……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 わかりません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そこに日本人の使用人がおつたのですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 おりました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 何人くらい……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 それははつきり人数はわかりませんですけれども、最初は十七、八人だと思いました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 最初は十七、八人おつた……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 それからだんだんと最後まで減つてしまいました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 最後はどのくらいおつたのです。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 最後ははつきりわかりませんですけれども、十人か十一人ぐらい……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 最後というといつごろです。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 もうそれも記憶がないのですけれども……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 最後というとことしの三月ぐらいじやないですか。三月ぐらいからいなくなつたのですね、この人は……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 三月ごろかもわかりません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 はつきりわからない、記憶がない……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 十人か十一人の人はどんな仕事をしておつたのです。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 まあ山田さんみたいにコツク——山田さんはコックをしておりました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 山田という人がおつたのですね。山田善二郎ですか。この人はコックをやつておつた……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それから……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 それからガードがおつた。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 ガードがおつた……。それは何人ですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 三、四人おりました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それから……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 あとは私たちレーバーみたいなのが三人ですね。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 レーバーね。ガードまピストルを持つているのですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 持つていません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 こん棒だけですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 そうです。こん棒も一本でもつて交代して持つている……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 山田善二郎という人を特に名前を知つているのはどういうわけですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 私の方が先ですけれども、あとからたよつて来ましたからそれで知つています。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 あんたをたよつて来た……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 いえ、そうじやない、私たち入りましたのは先へ入つていました。それで、まあ山田さんと口をきいたことはあります。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 ほかの人とは口をきいたことはないのですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 まああそこに使われていた人間は口をきいたことはありますけれども……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 特に山田の名前を知つているのは特に懇意にしたのですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 懇意にもしていません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 ほかの人の名前を知らぬのに山田だけどうして知つているのですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 ほかの名前もいくらか知つておりますけれども、みんな今行き方がちりじりになつてしまつてわかりません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 当時は知つておつたけれども、今は忘れたというのですか。山田君は当時から今までなぜ知つているのですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 こういう新聞にも出されましたし、レーバーやつておりましたし……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そうですが。山田君も同じこういうように新聞に載つたり何かして思い出したというのですね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 はあ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 この家に二世以外に毛色のかわつたような人が一人おらなかつたですか。病人か気違いか何か知りませんが……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 それは夜連れて来ましたときに、そのあくる日から病人であるから近寄つちやいけないといつて、全然ハウスの中には入れさせなかつた。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 いつごろ連れて来たのですか、夜というのは……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 いつごろですか記憶がありません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 だれが連れて来たのですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 だれが連れて来たか、私は昼間のレーバーで仕事が仕事ですから……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 光田という名前を知つていますね。光田が連れて来たのじやないですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 それはわかりません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 日にちは……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 日にちもはつきりわかりません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 去年ですか、ことしですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 その記憶はわかりません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 わからぬが、だれかが連れて来て入れてから病人だから……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 病人だからそこのそばへ近寄つちやいけないと言つて……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それはだれが言つたのです。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 光田さんから聞かされました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それであなたたちはその言葉を守つてハウスの中にはそれ以来絶対入らなかつた……。どうして病人なら近寄つちやいけないのでしようね。考えなかつたですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 別に近寄つちやいけないといつて、さんざん言われましたのですから。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 さんざん言つた……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 ええ。なるべくならば遠くの方へ離れて仕事をしておりました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 臭いなと思わなかつたですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 そんな考えはなかつた。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 病人だから近寄つちやいけないと何回も言われたら、普通だつたら臭いなと考えますね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 自分たちは上の命令であるし、やむを得ないです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 上の命令であるからやむを得ないでその命令を守つた……。臭いなと考えなかつた……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 別にその考えも出ませんでした。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 病人の姿を、見たことはなかつたですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 全然見たことはありません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 何かあなたたち庭掃除をするときに、部屋の中におる病人の姿を見たことはないですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 ありませんでした。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 見ようと思えば見られるのですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 木がたくさんまわりに植わつておつたし、中から外を見るのには見られるかもしれませんけれども外から中へは暗くなつておつてわかりませんですね。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 なるほど……。木がうんと植えてあるのですね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 あの当時はたくさん……。今は改造してしまいましたから、その木は大部切り出しました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 病人が来てから食事はだれが運んでおつたか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 その食事もはつきりわかりません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 はつきりわからぬが少しは知つておる……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 はつきりわかりませんね。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 山田が運んでおつたわけではないのですね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 さあ、わかりませんです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 山田に聞いたことはないですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 聞いたことはありません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 この病人が自殺をしかかつたというようなうわさが出たことはないですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 うわさは四、五日たつてから聞いたことはあります。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 四、五日というと、いつから四、五日ですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 その自殺をはかつてから、その直後に聞いたことがあります。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 自殺をはかつてから直後四、五日ですか、聞いたことがある……。自殺をはかつたというのはいつですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 いつですか日にちの記憶はわかりません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 えらいどうもわからんね。それがことしか去年ということもわからない……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 わかりません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 記憶がない……。どういうことを聞いたのです。自殺をはかつたということを聞いたというのは……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 薬を飲んだとか、それだけは聞きました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 薬を飲んで自殺をはかつたそうだということは聞いた……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 だれから聞いた、だれからうわさが出た……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 ガードの方から聞きました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 ガードの方から……。名前は知らないのですね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 名前は知りません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そしてその病人はその後どうなつたのです。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 外から中へは入れませんから、どういうふうになつているか自分たちはわかりません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それから間もなくいなくなつたのじやないのですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 それからまだちよつとの聞いて、じきにもう、あそこはいなくなつて解散になりましたから。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 病人がいなくなると同時に解散になつた。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 じきに解散になりました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 しばらくおつて……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 病人が引越して来てから、あなたは病人のおる部屋がどういうような構造になつているかということを、聞くか見るかしたことございますか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 あります。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 どういうような構造になつていました。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 東銀の時代には中が畳でありました。それから進駐軍になつてからその中は畳をとつてしまつて、リノリユームになりました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そして……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 そしてまわりの、日本間であつたから、そのすぐそばに窓があつて、窓は全部締めてありました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 障子はそのままですね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それは締めてある。かぎは……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 かぎは、私たちは全然いじくらないからわかりません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 かぎがあるかないかは、そこへ行つていじくらないから知らない。その障子は締めてある。それからその次に廊下があるのですね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 廊下を隔ててガラス戸がある。そのガラス戸は……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 締めてあります。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 これはかぎは……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 かぎはかつてあるか何だか、それはわかりません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 特別にかぎをつけた——錠前というか、かぎというより錠前をつけてありましたか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 窓のところですか。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 いや、そのガラス戸。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 錠前はそのあと解散になつてから先のままでありました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 先のままだつた、つけてなかつた。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 銀行のままです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 解散になつてから見たのですね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 見たら、錠前はつけてなかつた、ガラス戸に……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それから障子はどうです、解散になつてから見たら……。障子のところの錠前は……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 障子は、前に進駐軍になつてから一旦張りかえて、そのままになつております。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 錠前のあとはないのですか。あとで調べてみて錠前のついたあとはない……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それから廊下を通つて行くのですね、その部屋には廊下を通つて行くところに仕切りをつくつて、その仕切りに錠前があるわけではないか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 ありました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それは前からあるのですね、進駐軍が来てから……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 前からの錠前です。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 進駐軍が来て別につけた錠前ではない。これも解散になつてから見たのですね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 ええ、そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 新しくつけたような形跡はないのですね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 ありません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そうすると、あなたが病人のおつたところの部屋を今説明したのは、その解散になつてから後に調べた状況と、それから、障子が締つているとか、ガララス戸が締つているとかいうのは、その当時の状況から今説明したわけですね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それから、この家の周囲はへいがあるのですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 へいはあります。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 何のへいです。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 銀行の方ではコンクリートのへいであつたし、それから片方は鉄条網でずつとやつてありました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 片方とは……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 銀行側の方は、運動場は、コートと野球場の方は、鉄条網であつたのを今度コンクリに直してつけてありました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そうすると、銀行の使つておる方と今のハウスとは違うのですね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 違つておりました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 銀行の使つているところとハウスとの境には、コンクリートのへいをめぐらしてある……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 道路の方がコンクリートでもつて、中はまた遊ぶところと別に、ハウスのそばの方だけを鉄条網でもつて厳重にしてありました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 ちよつとわからぬですが、そのコスタリートというのは往還に接した方ですね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 往還に接した方はコンクリートのへいで、そこには鉄条網はどうです……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 張つてありません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それから銀行のコートだとかハウスとの境は、これは鉄条網で境をしてある……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それから何か工場があるそうですね、近所に。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 工場はあります。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 その工場との境は……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 工場との境は工場でもつてコンクリートの境がしてありました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 工場との境は鉄条網でなしにコンクリートの境。そのコンクリートの境は何尺くらいのものですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 はかつたことはありませんですから、その高さはきちんと言えません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 きちんと言えないが、どのくらいです。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 約七尺か七尺五寸くらいじやないかと思います。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それから鉄条網ですが、これは厳重な鉄条網ですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 厳重にしてありました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 出入りできない……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 出入りができない。こまかく……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 何か家の周囲全体に鉄条綱が張つてあるというようなことはないのですか。進駐軍がおつた当時……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 工場の方側はあいていましたペいがしてありましたから、鉄条網は張つてありません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 コンクリートの張つてあるところは鉄条網が張つてないのですね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 そうです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 鉄条網は今言つた通り。銀行との境ですね。銀行が使つておる方との境。ここに鉄条網があつた。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 ありました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 家の周囲全体を鉄条網で張りめぐらしてあるというようなことはなかつたのですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 ええ、ありません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そうすると、これははつきり答えていただきたいのですが、この病人がおつたという部屋から、その当時その病人が外へ無理にでも出よとすれば出られたのですか、出られないのですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 それは私自身でやることじやないですから、はつきり答えはできせんです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それはそうでしよう。だがね、私の聞いているのは、あなたが想像してみて、出ようと思えば——自分がやつたことじやないから答えられないかもしれぬが、あなたが想像して、出ようと思えば出られたと想像がつくか。どうしても出られないと思えたか。そこを聞いているのです。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 そこはガードがついておりますから、出られないだろうと思うのです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 ガードが監視しておるから、監視に見つかるから、出られないと思う。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 ええ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 委員長の質問はこれで終わりました。  発言の通告がありますから、順次ここれを許します。松岡松平君。

松岡松平自由党

○松岡(松)委員 私はけつこうです。

佐治誠吉自由党

○佐治委員 榎本さんにちよつとお尋ねします。あなた方は庭掃除をなさるときにはニ人以上かたまつてやられたことはないのですか。一人々々受持ちをきめて、一緒に話すようなことのいようにしてやられたのですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 かたまつてやつて世間話   やなんかしたことはあります。

佐治誠吉自由党

○佐治委員 庭掃除をしておられるときに、その病人のようなお客さんが来ておられる間に、またふだんでもけつこうですが、そのおられた部屋のガラス戸などがあいておつたことはありますか、どうですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 別に記憶はありません。

大川光三改進党

○大川委員 夜に連れて来られたということを言われましたが、それはあなたはごらんになつたのですか、連れ込まれたとき。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 連れて来られたときは知りませんです。

大川光三改進党

○大川委員 そうすると夜に連れ来られたときに、病人であるから、ハウスに近寄るな、こういうのは……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 あくる日から、これは病人であるから近寄つちやいけないということを光田から聞きました。

大川光三改進党

○大川委員 連れ込まれたとき、あな“たはおらぬのですね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 それはわかりません。

大川光三改進党

○大川委員 連れ出されたときはどうですか、御存じはないか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 わかりません。

大川光三改進党

○大川委員 それからお客さんとか、病人が自殺を企てたということを、特に山田善二郎からは何も聞いており古、申せんか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 私はガードの方から聞きましたのですけれども、山田さんの方から聞いた覚えはありません。

大川光三改進党

○大川委員 山田はその話はしなかつたのですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 聞いた覚えはありません。

大川光三改進党

○大川委員 聞いた覚えはない。  それからもう一つ、その病人といわれる人、それは一体部屋の中へとじ込められておるのか、あるいは病気養生のためにその部屋におるのか、あなたはどういうようにお考えになつておりました。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 それははつきりわかりません。

大川光三改進党

○大川委員 はつきり考えなかつた……。よろしゆうございます。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 今その病人が自殺をはかつたらしいということを、ガードから聞いたというのであるが、そのガードの名前はわかりますか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 ガードの名前ははつきりわかりませんです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 はつきりわからぬが、うろ覚えにはわかる……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 名前を言つてやつたら思い出すかもしれない、猪俣さん、知  つていたら言つてやつてください。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 はつきりわかりませんね。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 やはり出て来ない、顔を見ればわかるわけだね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 顔を見ればわかりますけれども……。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 名前は出て来ない。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 ええ。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 それからその自殺をはかつたらしいという話をあなたにするときに、もう少し何か具体的な話はなかつたかね。こういう事情だからどうも自殺をやつたらしいという具体的な話はなかつたかね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 別に聞きません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 何かどたつという音がした。おかしいと思つたら、どうも自殺をはかつたらしいというような話はなかつたかね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 別にありません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 ガードはその音を聞いておるのだがね。あなたにそれを言わなかつたかな。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 聞いた覚えはありません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そこで、その病人がいなくなつたのはいつごろかということは、どうしてもはつきりせぬかね。たとえば去年とかことしとか、春とか、夏とか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 それは自分でも記憶がないのです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 ただ、病人がいなくなるとともにその二世の軍人もいなくなつたわけだね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 じきにそれから解散になりまして、全部引上げてしまいました。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 それで、二世も山田も全部引上げたのか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 そうです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 それからその病人のおつたという部屋は、あなた知つてるわけだね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 知つて、おります。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そこはずつとあき室になつておつたんではないですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 元あいておりました。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そこで、だれかが入るから、そこを片づけろというようなことをあなたは聞いておらなかつたか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 別にそういうことは聞いておりません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 初め十七、八人であつたが、だんだん減つて来たというのであるが、山田というコツクがいた時分はやはり十七、八人であつたのか、もうずつと減つたあとであつたのか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 山田が入つたころには十七、八人おりました。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そうしてその二世の軍人は何人。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 二、三人おりました。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 その中に光田というのがいたわけでしよう。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 ええ。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 光田以外の人の名前はわかりませんか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 わかりません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 川田というのはいなかつたか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 知りません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 十七、八人いた中でマネージャーというものがいなかつたか。支配人のような者が……。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 おりました。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 何というの。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 苗字は聞きませんでした。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 名前は。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 名前も聞きませんでした。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 尾崎という人じやないか。尾崎茂昌、それは知らぬかな。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 ……。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 尾崎という名前は聞いたことはないか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 ああ、聞きました。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 それはどういうことをやつておつた人か。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 まあ、あそこの監督かたがたやつておりました。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 監督かたがたやつておつたということは、知つておつたわけだね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 そうです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 尾崎という名前も思い出しましたか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 思い出しました。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 その尾崎の住居はあなた方の勤めた場所の近くじやないのか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 離れておりました。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 どのくらい離れていた。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 二十町くらい離れておりました。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 二十町くらい離れたところに尾崎という人の住居があつた。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 はい。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そうすると、病人が夕方連れ込まれたということは現認しておらないが、翌日朝それが明らかにされたから、ゆうべ来たのだろうとあなたは思うわけか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 そうです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 それだけだね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 そうです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 どこからその病人が来たかということもわからないわけだね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 わかりません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 その病人の世話を光田という人がやつておつたということも知らないのかね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 知りません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 さつきあなたは言つたけれども、山田というコックね、これはコツクなんだから、料理番なんだから、三度の食事はその山田が運んでおつたというようなことも、あなたはわからないわけだね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 わかりません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 山田の名前もよく知つていますね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 山田さんの名前は知つております。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 何と言いましたかね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 山田善二郎。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 それはあなたは新聞を見てわかつたのではなくて、勤めている当時わかつておつたのですか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 ええわかりました。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 ど忘れしたが、新聞を見てはつきりした。こういうわけだね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 ええ、そうであります。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 あなたのほかに渡辺利三郎という人も勤めていましたね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 勤めておりました。いまだに一緒に仕事をやつております。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 それから、その病人がおつたころの部屋は、今改造しつつありますか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 改造しております。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 とりこわして改造しておる。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 ええ、改造しております。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 よろしゆうございます。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋委員 それではお尋ねしますが、光田から病人が来たから近寄つてはいけないと言われたのですね。時期がわからないと言つていましたね。今いつかわからないと言つていました。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 時期はわかりません。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋委員 あなたはどんな服装をしておるころです。寒いような服装のときですか。それとも薄着のときですか。その程度はどうです。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 少し記憶がありませんですね。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋委員 記憶がないそれはやむを得ません。そうするとそれから他に移されたと言つていましたね。その病人が自殺をしかけたというような話があつて後に、よそに連れて行かれたとさつき言つていましたね。その間はどのくらいの間だか知りませんか。光田から病人が来たから近寄つてはいけないよと言われたときと、自殺未遂であつた後によそに連れて行かれたときとの間は、その間どのくらいの日時が経過したか知りませんか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 それははつきり記憶がありません。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋委員 それとも知らない。それではもう一つ承りますが、自殺をはかつたことがあるということは聞きましたね。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 ええ。聞きました。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋委員 そうすると、これは生命を失うような重要なことですから、どういう事情でそういうことになつたのかというような話が、あなたが聞いた人やあなた方の間にとりかわされたことがありませんか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 そんなことはありませんです。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋委員 ない。どんな人かというようなこともありませんか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 ありません。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋委員 それではもう一つ、どうもないないと言いますが、ただい病人が来たから近寄つてはならないと言われたときと、他に移されたときその間に外部からアメリカの人たちが尋ねて来たような、出入りをしたようなことは知つていませんか。

榎本正雄東銀クラブ使用人

○榎本証人 わかりませんです。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋委員 わからない。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 もう、ございませんか。他に発言がなければ榎本証人、渡辺証人に対する尋問はこれで終ります。どうも証人御苦労でございました。ありがとうございました。  ちよつと速記をやめて。     〔速記中止〕

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 では速記を始めてください。  鈴木長松さんでございますね。

鈴木長松農業

○鈴木証人 さようでございます。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それでは、先ほど宣誓してもらいましたので、これから証言を求めます。先ほど申し上げたように、偽証に対しては制裁がありますから、そのおつもりでお答え願いたい。はつきり申し上げますが。記憶のないことは記憶がないでけつこうです。知らないことは知らないとはつきり言つてください。  鈴木さんのお生れになつた日と、今お住まいになつているところ、これをまずお聞きいたします。

鈴木長松農業

○鈴木証人 茅ヶ崎市菱沼三千二番です。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 三百二番でなく、三千二番ですか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 今現在住んでおるところでしよう。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 生れた日はいつですか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 明治三十五年十二月二十九日です。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 あなたは今何のお仕事をなさつておりますか。立つて答えてください。

鈴木長松農業

○鈴木証人 現在は農業をやつております。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 今の御住所で農業をやつておるのですか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 さようです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 何かあなたは人のうちの管理をしておるような、ことはありませんか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 中島別荘の、中島さんに頼まれまして。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 中島どなたです。

鈴木長松農業

○鈴木証人 中島門吉さんです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 中島門吉さんという人に頼まれて。

鈴木長松農業

○鈴木証人 管理というわけでなくて家を見まわるだけ見まわつておるわけです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 その家の見まわりをやつておる。

鈴木長松農業

○鈴木証人 はい。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 手当でももらつておるのですか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 手当はもらつておりません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 この中島門吉さんから頼まれているという家は、どこにある家ですか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 やはり茅ヶ崎市の小和田ですね。小和田浜須賀。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 その見まわりを頼まれている家、この家はどなたが住んでいるのですか、

鈴木長松農業

○鈴木証人 そこは接収されまして、アメリカ人がずつと入つていたのです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 接収されてアメリカ人が入つておつた。

鈴木長松農業

○鈴木証人 はい。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 いつ接収されたのです。

鈴木長松農業

○鈴木証人 私よく記憶にないのですけれども。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 終戦後ですか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 終戦後です。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 何年くらいたつて——何箇月か、何年か。

鈴木長松農業

○鈴木証人 よくわからないのですけれども…。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 アメリカ人が住んでおつたというのですが、アメリカ人もいろいろあるが、どういう人が住んでおつたのです。

鈴木長松農業

○鈴木証人 現在ですか。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 その当時、接収された当時。

鈴木長松農業

○鈴木証人 当時当はなは、若い夫婦者が来ていたのですね。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 当初は若い夫婦者がお  つた。

鈴木長松農業

○鈴木証人 さようです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それから。

鈴木長松農業

○鈴木証人 その後にもやはり夫婦者が入つておつたのですね。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そのあとも夫婦者が入  つた。

鈴木長松農業

○鈴木証人 さようです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それから。

鈴木長松農業

○鈴木証人 あまり記憶ないのですけれどもね。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 何かそこにアメリカのニ世や、日本人たちが入つたときがあるのじやないですか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 私はその方の関係しておりませんから、ちよつとわからないで下けれども。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 だけれども、見まわつておれば、だれが入つておるかくらいのことはわかるだろう

鈴木長松農業

○鈴木証人 見まわつておりましても、アメリカは全然日本人を立入り禁止で、入れないのです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 立入り禁止で入れないから、中にだれがいるかわからぬ…

鈴木長松農業

○鈴木証人 わかりません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 日本人の使用人がそこからいろいろなものを買出し行つたり何かしたことを見たことはないですか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 見ませんですね。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 見ない。

鈴木長松農業

○鈴木証人 はあ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 何か近所の評判で、そこには病人がいるんだというような評判が立つたことはないですか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 そんなことはありませんです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 アメリカの兵隊さんが出入りしておつたことは。

鈴木長松農業

○鈴木証人 それはあります。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 ある。

鈴木長松農業

○鈴木証人 はあ。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 何回くらい見ました。

鈴木長松農業

○鈴木証人 一番のはなは、二世みたい——二世です。日本語の達者な方が私のうちに参りまして私のことを、その家の管理をしておるとおつしやつたからね、それからその家の続きで、屋敷の続きに畑があるのです。その畑を中島さんからうちで、借りてつくつている、そこへかきねを今度こしらえるからといつて、うちへお話になつたのです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そうですが。二世みたいな人が来て、日本語の達者な人が来て……。

鈴木長松農業

○鈴木証人 背の低い、五尺くらい。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 日本人のような顔しているのね。

鈴木長松農業

○鈴木証人 ええ、さようです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 日本語の達者な。

鈴木長松農業

○鈴木証人 さようです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 軍服着ておるのですか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 軍服着ておるのです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そしてその家を管理してくれと言うのですか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 いや、その方が、私がここを管理する…。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 私が管理すると、こう言つて来た。

鈴木長松農業

○鈴木証人 さようです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そうしてあなたが中島さんから借りて使つておる畑ですか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 さようです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 畑をどうしたのです。

鈴木長松農業

○鈴木証人 畑を囲いをこしらえてしまうと入れなくなりますから、そのわけを話してそこをやつてもらわないように…。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 管理をすると言つたから、そこであなたが借りている畑だけはあなたに使わしてくれ、こういうことを言つたわけですね。

鈴木長松農業

○鈴木証人 さようです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それだけですか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 さようです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 何かアメリカの白人の将校、これはどうなんです。見たことはないですか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 白人の将校は見たことありませんですね

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 見たことない。——家の中の空気から相当人がおるとうような気配を感じたことはないですか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 私、畑にいまして、三、四人くらいはいると思つたですね。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 畑をつくりながら想像して、三、四人はいるなという感じがした……。

鈴木長松農業

○鈴木証人 感じはいたしました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 すわつていいです。  委員長の質問はこれで終ります。猪俣浩三君。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 その、これから私が管理するからと言つたのはいつごろです。二世らしき人が、これから私が管理するからと言つて、かきねをしてあなたが出入りできるだけの口をあけてくれろという交渉をしたのはいつごろです。

鈴木長松農業

○鈴木証人 それはよくわかりませんけれども、三、四月ごろと思います。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 本年の三、四月ごろ…。

鈴木長松農業

○鈴木証人 さようです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 三、四人おるらしいと思われたのも、それ以後の話ですか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 それ以後です。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 その前、一時ちよつとここはあき家になつておりませんでしたか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 あき家になつておりましたです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 あき家になつておつた。

鈴木長松農業

○鈴木証人 さようです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そこへその三、四人の人間が入るときに、井戸かえしたりなんか——あき家になつておつたのを、新しく入るために、いろいろ準備をしたことはありませんか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 井戸がえはどうだか知りませんけれども、左官屋に植木屋は入りましたですね。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 左官屋と植木屋は入つた。

鈴木長松農業

○鈴木証人 はい。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 それは三、四人の人が入り込む前の話ですか。ちよつと前ですか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 ……。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 結局こう聞きましよう。左官屋や植木屋が入つてから、その人たちはそこへ入つて来たのか。あるいは入つておつてから、そういう人が来たのか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 よくわかりませんです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 とにかくあき家になつておつて、その後その二世らしい者が来て、ぼくが今度管理するということになつたわけですね。

鈴木長松農業

○鈴木証人 さようでございます。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 それから三、四人の人が入つた。

鈴木長松農業

○鈴木証人 さようです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そこに純然たる日本人のような者がいたかどうか、あなたわかりませんか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 それはわかりませんですね。全然自分は屋敷内には入れないですから。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 その三、四人の二世らしい者の中の、背が割合に低くて太つた男ですか、あなたに、その、おれが管理する、と言つたのは……。

鈴木長松農業

○鈴木証人 太つておらぬです。私よりか少しは背が低いと思いますか……。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そうか。その中に非常に大きい男はいませんでしたか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 いました。それは年中ジープを運転してうちの前を通りました。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 太つた大きな男がいたでしよう。

鈴木長松農業

○鈴木証人 いました。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 それが買出しを専門にやつていた男なんだが、それはあなたはわからぬね。

鈴木長松農業

○鈴木証人 わかりません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 川田という名前の男だともわかりませんね。

鈴木長松農業

○鈴木証人 わかりません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 ただ太つた大きな男がいた……。

鈴木長松農業

○鈴木証人 そうです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そのほかにはどんな男がいたか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 そのほかはよくわかりません。屋敷内から全然出て来ないんですからね。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そうすると、太つた大きな男がよくジープに乗つて出入りしたけれども、そのほかの人はあまり出て来ない——。

鈴木長松農業

○鈴木証人 さようです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 それから軍服を来たアメリカの兵隊がそこへ出入りしたのは見たと言つたか見ないと言つたかな。

鈴木長松農業

○鈴木証人 知りません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 軍服を着たアメリカの兵隊が出入りしたことは知りませんか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 ええ。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 あなたが中島門吉から見まわりを頼まれたのは接収以前からですか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 接収前は留守居がいたのです。中島さんの留守居がね。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 それはあなたの兄弟じやないのか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 兄弟じやありません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 現在そこへ留守番で入り込んでおるのはあなたの兄弟じやないのか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 さようです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 何というのか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 鈴木辰蔵です。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 鈴木辰蔵はあなたの弟ですか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 ついこの間入つたばかりです。兄です。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 兄さんの鈴木辰蔵というのがそこへ住み込んでおるわけですね。

鈴木長松農業

○鈴木証人 留守居の家にいます。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 今そこにはだれもおらぬわけだね。

鈴木長松農業

○鈴木証人 主人はおりません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 中島さんもおらぬが二世たちもおらぬわけだね。

鈴木長松農業

○鈴木証人 おらぬです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 いつごろ二世たちがおらなくなつたのですか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 八月の中ごろでしたと思います。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そののいなくなつた様子はあなた見届けておりますか、何か車でぱつと出て行つたような様子を見ておりますか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 それは見ませんでした。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 いつとはなしにいなくなつたということになるわけですね。

鈴木長松農業

○鈴木証人 さようです。あとの荷物は部隊の方からとりに来たのです。大きなトラックで。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 部隊というのはアメリカの部隊ですか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 アメリカの部隊です。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 それはあなた見ていますね。

鈴木長松農業

○鈴木証人 見ました。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 その前に人間は移つた様子ですね。

鈴木長松農業

○鈴木証人 よくわかりません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 とにかくアメリカの部隊が大きなトラックで荷物をそこへとりに来たことは事実ですね。

鈴木長松農業

○鈴木証人 さようであります。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 それからもう一ぺん確かめますが、その二世たちが入る前は一時あき家になつておつたというのであるが、どのくらいあき家になつておりましたか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 よく記憶ないですね。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 あき家になつておつたのを二世たちが入る前にさくをゆつたわけですね。

鈴木長松農業

○鈴木証人 さようです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 どんなさくなんです、針金がまわされておつたさくですか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 いや四つ目がきです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 高さはどのくらいです。

鈴木長松農業

○鈴木証人 高さは四尺くらいですね。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 その四つ目がきは人がそこからもぐつて出ようとすれば出られますか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 それは飛び越せば何でもないでしよう。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 それはその前にはなかつたものなんですね。

鈴木長松農業

○鈴木証人 なかつたものです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 新たにそれをめぐらしたわけですね。

鈴木長松農業

○鈴木証人 さようです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そのうちの内部の構造をあなたはわかりますか、二階屋ですか平屋ですか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 二階屋で、二階が二間あります。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 その二世たちが出てからあなたうちの中に入つてごらんになりましたか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 見ました。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 その二階屋は出入口は一つですか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 その家は南を向いておるのです。東側に接収してから非常ばしごをつくつた。そこに出入口があるわけです。そこはくぎづけになつておりました。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そうするともう一方のところはドアか何かになつておりますか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 あとはドアです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そのドアにかぎがかかつていましたか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 私が行つたときにはかぎはかかつておりません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 あなたが行つたというのは二世たちの引揚げたあとですか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 引揚げた後ですからかぎはかかつておりませんでした。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 それから二世たちが入る前もかぎはかかつてなかつたのですか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 かかつておりません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 何かかぎをぶつつけたうな跡はなかつたですか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 その方はちよつと記憶にありません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 あなたの奥さんはえつといいませんか。

鈴木長松農業

○鈴木証人 さようです。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 よろしゆうございます。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 証人に対する尋問はこれで終りました。証人には御苦労さまでした。ちよつと委員諸君にお諮りいたしますが、午前中の証人として渡辺利三郎さん、榎本正雄さん、鈴木長松さん、これだけ御出席願いましたが、鹿地亘君の奥さんになつております池田幸子さんがいまだ御出席がありません。これはどうとりはからいましようか。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 実はけさ池田幸子さんから連絡がありまして、まだ寝床に寝たつきりで、非常に歩行が困難だ。しかし自分の夫のことに関することであるから、どうでも出なければならぬなら必死の覚悟で出ますけれども、いかようなものであろうかという使いが参りました。そこで私病状を聞きますと、非常に衰弱をしておる。長い間床についておる。そこでそれを無理に出てもらうこともいかがかと思つたから、無理はいけない、出られたら出てもらいたいけれども、自分で考えて無理だと思つたらその旨を委員会に私が報告するから出ないでもよろしい、こういう返事をしておきました。そうしたらその後また電話が来まして、どうも出られそうもないからきようはお許し願いたい、こういうことでございました。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 猪俣君から今発言があつた通りですが、いかがとりはからいましようか。

木下郁日本社会党(右)

○木下(郁)委員 鹿地君も昨日大体委員長の問いに答えられただけで、あの内容についてはたいへん聞きたいことがあります。御本人大分疲れておるというし、すぐ出られるものとはあまり期待が持てない。さような意味でも奥さんはぜひ調べたい。ことに奥さん自身、日華事変中、それから太平洋戦争中も鹿地君が中国において軍事顧問として働かれた当時、ずつと同棲されておつた。さような意味も多分にありますので、ぜひお調べを願いたいと思います。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 木下君の御意見あの通りですが、ほかに御意見ございませんか。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それでは日時、臨床尋問その他の方法については委員長に御  一任願いたいと思います。ではさようとりはからいをいたします。  なお午後は国家地方警察本部警備第一課長三輪良雄君、外務省伊関国際協力局長の出席を求めることにいたします。三輪良雄君はこれは証人として取扱いますことは先回御決定の通りでございますが、伊関国際協力局長は政府委員でございますから、証人という形でなしに事情を聴取する形で行きたいと思いますが、よろしゆうございますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 では午後一時半から開会いたします。     午後零時五十一分休憩      ————◇—————     午後二時二十八分開議

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  人権擁護に関する件のうち、鹿地亘君関係について調査を進めます。  さつそく、国家地方警察本部警備第一課長三輪良雄君より証言を求めることにいたします。ただいまお見えになつている方は、三輪良雄君でございますね。——あらかじめ文書をもつて御通知いたしました通り、証人として本日は証言を求めることに決定いたしましたので、さよう御承知を願います。  これより鹿地亘君関係事件について証事求めることになりますが、人権擁護の面から、本委員会が特に本件を取上げて、その真相の究明に着手いたしました事情を御了承の上、本委員会の調査には十分の御協力をお願いいたします。  それでは、これより鹿地亘君関係事件について証言を求めることになりますが、証言を求むる前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。  宣誓また証言を拒むことのできるのは、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。  なお証人が公務員として知り得た事実が職務上の秘密に関するものなるときは、その旨申出を願いたいと存じます。  では法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。御起立を願います。          宣誓書の御朗読を願います。     〔証人三輪良雄君朗読〕    宣誓書   良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それでは宣誓書に署名捺印してください。     〔証人宣誓書に署名捺印〕

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 これより証言を求めることになりますが、証言は証言を求められた範囲を超えないこと、また御発言の際にはその都度委員長の許可を得て答えるようお願いいたします。なおこちらから証言を求めるときはおかけになつていてよろしゆうございますが、お答えの際は御起立を願います。  証人のお年と御住所をお伺いいたします。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 三十九歳でございます。住所は東京都千代田区隼町十三番地の一であります。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 国家地方警察本部警備部警備第一課長警視三輪良雄さんですね。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 その通りであります。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 お仕事はどんなお仕事をされるのですか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 国家地方警察本部の組織に関します政令にあります通り、警備第一課におきまして所掌いたします仕事は、外国人に関するものを除きます警備情報に関する事項、それから次に述べます三つの法律違反の犯罪の捜査の企画に関する事項、その三つと申しますのは、刑法の内乱外患に関しまする罪、その次は破壊活動防止法の罪、次は刑事特別法のうち六条から八条、と申しますと、スパイの防止に関する件でありますが、その規定の違反、捜査の企画に関すること、その次には右申しました各犯罪に伴います警備方針の企画に関する事項、その他警備部に他の二課がございますが、他の課に属しない警備の事項でございます。申し遅れましたが、第二の犯罪につきましても、外国人に関するものは除かれております。それは警備第二課になつております。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 あなたの職務によつて知り得たことになるかもしれませんが、アメリカ国内におけるスパイ調査に対する機構というようなもの、情報に関する機構というようなもの、こうしたものを御存じになつておりますか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 書物で承知をいたしたことでありますが、通常CIAと言われております。これは一九四七年の国防保安法に基いてできたと言われますが、国家安全保障委員会のもとにおける事務部局としてあります中央情報局と申しますか、各情報に関係するものが兼務してやるのだそうでございますが、そういうものがあるということを承知いたしておりますけれども、その活動の詳細その他についてはよく存じません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そのCIAというものが日本の進駐軍関係において活動しているかどうかということは御存じですか、御存じないですか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 CIAが国内において活動していることは存じません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 アメリカの軍関係の情報機関としてCICというのがございますね。これは御存じでありますか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 存じております。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 これはどういう活動をするのですか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 これは陸軍部隊に属しているかと思いますが、部隊に対しまする諜報活動に対抗する部隊と申しますか、CICということはカウンターインテリジエンス・コアーと言いますが、そういうことで占領後は各県にありました事務所を接収いたしまして、それぞれの部隊に即応した機関になつておりますが、そういう機関と承知をいたしております。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 当時の占領下における進駐軍の持つておつた機構でCIC以外に諜報機関があつたかどうかということを御存じないですか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 警察につながりますものとしては、幾つか私の知つているものがございますが、いわゆる諜報機関というものは、それ以外にあることは承知いたしておりません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 アメリカの民間団体で、日本の国内において諜報活動をしているものがあつたかどうかを御存じありますか、御存じありませんか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 存じません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 アメリカの情報関係に配属されておつた将校でキヤナン中佐という人があつたということを、アメリカ軍も認めて、きようの毎日新聞に出ておるようですが、あなたはキヤナンという中佐を御存じあつたのですか、なかつたのですか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 私は今の仕事に入りましたのが今年の四月半ばでございまして、キヤナン中佐には一ぺんも会つたことはございませんし、聞いたこともございません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 あなたの青報関係でおつき合いになつたアメリカ軍、その他の方で御存じの方があれば、お名前を言つてください。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 先ほども申し上げました通り、私が警備の仕事にかわりましたのは、占領が解けたあとでございますから、今のところ占領下のように軍なり、そういう情報機関と定例的もしくはそういうふうにきまつて連絡を持つておりません。CICにいたしましてもそれぞれ現地の警察との連絡はございますが、本部へは何と申しますか、全国の情報のまとめたものについてときどき話しに来られて求められる情報についてお話をしておるというような程度でございます。私の乏しい知合いの中から名前をあげれば、二世で高橋という人がときどき連絡に見えますけれども、それ以外に親しく接触している人はございません。CICの本部の方も一度会つたことのある人はございますけれども、記憶に残つている名前はございません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 高橋というのは、これはいつごろから日本におられる方ですか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 この方は多分占領当初ぐらいからおられる人じやないかと思います。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 軍人ですか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 たしか准尉の人だと思います。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 実は新聞で御承知くださつておると思いますが、鹿地亘氏が今日議題の中心になつているわけですが、この人の奥さんからことしの十一月の十二日に本人鹿地亘氏の失跡について捜索を願いたいということを藤沢の市警に届出があつた。そうして市警では捜索したかどうか知りませんが、そういうことがあるのですが、あなたの方にもそういう情報が入つたのでございますか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 直接私の担当でございませんけれども、家出人の捜索願がありました場合には、国家地方警察本部におきましては刑事部の防犯課が主管でございますが、しかも今回のその問題につきましては私も聞き知つております。藤沢に届出がありまして、藤沢も捜査をされたようでありますし、他の県にも及ぶ場合がございますので、国家地方警察本部に御連絡があり、国家地方警察本部としては全国に捜索をやつてもらうように手配をいたしたように承知いたしております。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 その結果はどうだつたのですか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 聞いておりますところでは警視庁、神奈川、静岡等には特に慎重に手配をしておつたようで。ございますけれども、まだその方面からすぐ手がかりは十分得られなかつたと考えます。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 奥さんからの捜索願に対して藤沢の市警は奥さんの詳しい尋問をしたかどうか。これは御承知ないですか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 私の聞きました範囲では、捜索願は郵便で来ただけのようでございまして、それを捜索いたしますのに、必要上二回かと思いますが、奥さんに会つておられるという話を聞いております。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そのとき奥さんから何か話があつたということをお聞きになつておりませんか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 その詳細については、私直接の所管でありませんので聞いておりません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 委員長の質問はこれで終ります。委員からの質問がありますからお答え願いたい。猪俣浩三君。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そうすると外人の犯罪等に関する取扱いは、国家警察の警備第二課になつておるわけですか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 犯罪のうちで警備部が担当いたします犯罪は先ほど申した通りでございますが、その犯罪が外人によつて行われた場合は警備第二課でございます。その他の一般犯罪におきましては、その犯した者が外国人でございましても、刑事部の捜査課なり、防犯課なりで行うことになつております。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 なおお聞きしますが、たとえば鹿地亘氏の失踪事件が外人の不法逮捕、監禁であつた場合におきまして、これを責任をもつて捜査をする機関は国家警察のどういう課なのでありますか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 それは刑事部の捜査課でございます。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 刑事部の捜査課——そうすると刑事部の捜査課というものはあなたの方と何か連絡があるのですか、ありませんか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 犯罪は概して関連があるものでございますから、ある犯罪事件につきましては相互に連絡をいたしますし、まつたく警備に関係の薄い犯罪でございますればそういう連絡はございません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そうすると具体的に鹿地亘氏の事件がかりに外人の不法逮捕、監禁であつたとするならば、あなたの課にも関連ありとして共同の捜査をなさるのでありますか、どうですか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 逮捕、監禁ということに関しまする限りは私どもは何らの関連を持つておりません。しかし新聞等で見ますと、スパイ容疑とかなんとかいうことでございますから、特殊の犯罪としてこれから捜査が進行する途中では連絡をしてもらうつもりでおります。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 アメリカの情報機関でCICというものが存在することは今おつしやいましたが、CIDと称するものがありますか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 CIDというものは私の記憶する限りにおいては陸軍部隊に属しまして、いわゆるこちらの私服刑事に当る部隊だと思います。MPが制服で交通事故その他の軽微な事犯を扱いますに対しまして、私服で殺人その他の重要な犯罪を扱う機関であるというふうに承知しております。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そうすると、このCIDなるものは、私どもアメリカの機関はよくわかりませんが、G2という機関がありますが、そのG2組織の一環でありますか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 その点はどうも私まだ承知いたしておりません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そうするとCICというものとCIDというものはどういうふうな任務の違いがあるとあなた方は考えておられますか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 先ほど申しましたように、CIDというのは軍に属しましていわゆる国家地方警察におきましての警備部、刑事部という関係で、普通犯罪を捜査いたしますものが、CID、CICは部隊に対しまする諜報活動に対抗するための部隊であるというふうに考えております。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 先ほどキヤナン中佐というものは知らないというのですが、知らないというのは面識がないという意味か。キヤナンという人がおることも全然知らぬという意味ですか。どういう意味ですか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 キヤナンという人は全然——今度鹿地氏の御発言で初めて知りました。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 二世の高橋という准尉をお知りのようでありますが、この人はどこに勤めておつて、どういうことをやつておつた人でありますか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 CICの全国の本部におる人だということで、その任務の詳細はよく存じませんが、従来から国家地方警察本部にときどき見えて、さつきのように情報について私お話したことがある人でありますが、任務の詳細は聞いておりません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そうすると、その高橋という人があなた方のところへ現われて、一体どんな情報の交換をやるのですか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 先ほど申しましたように、第一には現地の県と現地のCICとの連絡が多いのでありますけれども、私の記憶によりますと、たとえばメーデー事件の前後のようなときに、たとえば四月三十日に、あした何か全国で大きなことがあるような情報が入つておるだろうかとか、あるいは自分の方の入手したところによると、どこどこでこういう事件が起るような話を聞いておるけれども、そちらにも入つておるだろうかといういうことで連絡があるようであります。こちらといたしましては、向うから特別に情報をちようだいいたすごとになつておりません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そうすると、講和後にもこのCICなるものは存在し、講和後においてもその高橋なる者があなたのところへさような情報を聞きに来ておつたことになるのですか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 講和後に私のところに参つたことはございます。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 鹿地氏の証言及び山田善二郎の証言によりますと、この二世の高橋と称する者が、鹿地氏が幽閉せられておつたといわれております茅ヶ崎の三十一号館、及び鹿地氏が最後に釈放されたと称しまする渋谷の猿楽小学校の前のハウスにも、この高橋なる者がおつたということになつておりますが、さようなことをあなた方は御存じありませんか。鹿地が幽閉せられたかどうかということでなしに、その高橋という人物が茅ヶ崎の方に勤めておつたり、あるいは都内の猿楽小学校の前のハウスに勤めておつたりしたことについて何か認識がありますか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 全然認識はございませんし、私どもの感じでは、何か別人ではないかというような感じがいたします。と申しますのは、私の関係においてはそういうような任務を持つているようには思いません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そうすると、高橋という二世でもあるが、それは鹿地氏たちが言う高橋というのとは違う感じである、こういうことになるわけですか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 その通りでございます。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 この鹿地の事件につきまして衆議院の当法務委員会で今調査をしておるのでありますが、これを国警におきましては調査をする意思がおありでありますが、どうでありますか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 先ほども委員長にお答えをいたしましたが、ただいまのところでは、鹿地氏が出て参りましたので、その不法監禁等の罪につきまして刑事部捜査課が主になつてこれを企画をいたしまして捜査をいたすことになると思います。ただそういうことで、被害者でございます鹿地氏の十分なる当時の事情の御説明がほしいので、警察の方ではそういう事情をお伺いできる機会を求めておるということを承知いたしております。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 これはあなたの係でなく、国警長官に対する質問かも存じませんが、鹿地の失踪事件についてはすでに週刊朝日に詳細に出ておりました。どういうことでその記事が載つたのか、しかもそこに書かれておりますことは、今日鹿地氏が正式に釈放せられ当委員会で述べましたことと非常に似ている記事がすでに出ておるのであります。それからまた鹿地の奥さんから捜索願も出ている。私はこれが共産党自身が加害者であるような事件についてならばこんなにほつておくかどうか疑問だと思うのでありますが、週刊朝日にああいう詳細な失綜事件として報道せられたにかかわらず、国家警察、自治警察においてはいかなる手を打つたか、私どもは承知しない。国家警察としてはあれに対していかなる手を打たれたか。鹿地が出て来ないうちは捜査は始められないとするならば、今日鹿地が出て来なければ、やはりそのまま捜査をしないでほつておかれるつもりであるか、私どもその点が解せない。警視庁に言うても、鹿地を調べなければどうも手がつけられない。しからば鹿地自身が永久に姿を消したならばこの事件は全然手をつけないで放任されるのであるか。しかも鹿地でなしに、あるいは政府の役人、民間の有力な実業家、さような人の失踪事件があり、ああいう週刊朝日のような記事が出ておつても、その本人が出て来なければしようがないというふうに放任されるのであるか、私ども奇怪に存じます。ああいう週刊朝日というようなものが出、あるいは捜索願が出てあるにかかわらず、これに対していかなる手を打たれたのであるか。あなたの関係する事項でなければやむを得ませんが、先ほどお開きすると、やはり関連する場合もあり得るようでありますので、その所見を承りたいと存じます。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 先ほど委員長の御質問にお答えいたしましたように、藤沢から捜索願が出まして、国家地方警察本部に御連絡があり、国家地方警察本部では、主として家出人の捜索ということで刑事部の防犯課が主になりまして、警視庁、神奈川県、東京都等とお打合せし、いろいろな手を打つたこと思ういますけれども、この捜査につきましては私の所管するところではございませんので、詳細にどういうことをやつたかということは承知しておりません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 これはあなたの御意見になるかもしれませんが、私ども不可解に感ずることを申し上げるならば、鹿地氏の失綜事件というものは、先ほど申しましたように、週刊朝日に実に詳しく出ている。それがまつたくのでたらめの記事でなかつたことは今日判明いたしておるのでありますが、ああいう記事が出ておるにかかわらず、留守宅である奥さんの池田幸子氏のところに警察から何らの連絡も今日までなかつた。今あなたがおつしやるように、捜査願が出たときに、はがきか何かで出頭してくれろという通知があつた。病床にあつたために出られなかつたのですが、出ないなら出ないままでほつておく、その点が私ども不可解なんです。事実があるかないかわからぬにしても、大衆雑誌にあれだけセンセーシヨナルな記事が出ている。留守宅に警察が一ぺん、どうしたのか、ほんとうにいるのかいないのかということくらいの捜査をしないことに対して、私どもは実に解せない。だから国家警察け鹿地の失綜事件を知つておつたんじやないか、そういう疑いを持たれる。全然手をつけていない、捜索願を出しても、出頭せよ、出なければ出ないでそのまま幾日でもほつておく。あれだけ奇怪な失跡事件が発表されているにかかわらず、警察はそんなに鈍感でいいのであるか。私はその意味におきまして本件については国家警察は知つておつたのじやないかと思われるが、あなたは一体どうお考えになりますか。そういう態度はやむを得ないことでありますか、あるいはどうも手抜かりであつたとお考えになりますか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 国家警察が知つておつたというようなことは私は全然考えられませんし、意見を言えということでございますが、今御指摘のようなことであつたかどうか、私承知いたしておりません。警視庁の戸塚警察署の方からは奥さんのところに伺つているのではないかと私思つておりましたけれども、そのあたりが御指摘の通りであるか承知をいたしておりません。先ほどお答えいたしたようにどのような捜索をやりましたことか、所管でございませんのでお答えできないのは遺憾であります。けれども、そういう点は承知いたしませんので、どうも意見を言えと言われても控えておきたいと存ずる次第であります。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 なお将来のために一点お伺いしますが、われわれがいつの間にか姿を消してしまつた。それが猪俣代議士失踪事件なんかといつて、何か雑誌に出たとして、あなた方はそれに対じて猪俣が出て来ないうちはどうも捜索はできないという態度を今後もおとりになるのであるか、どうか、その場合に活動するのは国家警察では一体どの機関が活動するのか、あるいは警視庁としてはどの機関が活動するのか、私ども将来のために承つておきたい。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 どなたによらず失踪をされたということでありますれば、警察は全力をあげて捜索いたしますことは当然でございます。そういう場合には、先ほど申しましたように一応家出人というかつこうでやります限りは刑事部の防犯課でございますが、明瞭に犯罪の容疑として扱います場合には刑事部の捜査課が扱いますことと存じます。  それから鹿地氏が出て来なければ何もしなかつたのかという御指摘でございますけれども、先ほど私が申し上げましたのは、すでに鹿地氏が今日出て来られた上は、捜査を今後いたします、上に被害者である鹿地氏の詳細なる御説明を承ることがきわめて必要であるということを申し上げたので、鹿地氏が出なければ全然捜査をしないのかという御指摘をいただきまして、私の発言が足らなかつたことと思いますから御了承願います。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 それは鹿地氏が出て来た以上は、鹿地氏についてまず聞いて捜査を始めることは当然でありまするが、出て来ない以前何もやつておらなかつたから私の質問が出るのです。これが騒ぎにならなくて、当委員会などが取上げないで、鹿地氏がそのまま失踪を継続し、渋谷の猿楽小学校の前に悶々の日を送つておつても何ら国家警察がこれに対して手をつけない。家内なり近親者なりその他の人について事情を聞こうともしない、そういうことに対して私はあなたに質問した。しかしこれはお若いあなたにお聞きしてもしかたがない、長官にでも聞く問題になるかも存じませんから、これで打切つておきます。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 ちよつと最後にお聞きしますが、藤沢市警が捜索願を受けて二回くらい行つて奥さんにも会つているのじやないか、こういうお言葉でありましたが、そのときに奥さんが何と答えたか、これを知りたいのですがね。これはあなたの方で藤沢の警察へ連絡してこちらへお出しくださることは可能でしようか不可能でしようか。

三輪良雄国家地方警察本部警備第一課長

○三輪証人 ただいま考えますところでは可能だと思います。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 ではきよう私から要求したことにして、それをあなたの手から出す、こういうことにしていただきたい。  ほかにございませんか。——それでは御苦労さんでございました。ありがとうございました。本証人に対する尋問はこれで終ります。  外務省の伊関政府委員が出席いたしましたから、この際まず委員長より総括的な質疑を行います。次に委員諸君の質疑を行うことにいたします。  伊関政府委員にお伺いいたしますが、本委員会が今日取上げておる問題は、鹿地瓦君の件であります。これはアメリカ軍関係に監禁せられておつたんではないかというのが議題の中心になつているのでございます。そこでまずお伺いしたいのですが、今日アメリカ軍関係の諜報機関として日本国内で活動しているもの、これはお答えができるのだつたら、ひとつここでお答え願いたい。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 G2と申すのが軍の情報機関でありますが、日本の陸軍におきましても、参謀第二課と申すのは情報をやつておつたわけであります。それで参謀第二課、G2の使命といたしますと、敵側の情報をとるというのがこれの使命でございます。G2を支援いたします部隊としまして、G2の指揮下にCICという部隊が一つございます。これはG2を支援いたし、G2の指揮下にあるけれども、G2と構成上は独立しておるという部隊でございます。カウンター・インテリジェンス・コアーと申しております。このCICは敵の情報をとると申し上げますよりは、外部からの軍内部の撹乱ということから軍を防ぐというのが、このCICの使命であります。ですから外部から破壊的な行動その他によつて軍自体の利益を害す、軍人に働きかけて来る、そういうものを防ぐのがCICでありまして、CICは占領中は各府県に分遣隊を出しておりましたが、現在はこれを全部縮めまして、北海道の、ごく一部と秋田県に一箇所以外は、全部普通の軍の施設内に入つておりまして、独立した事務所は持つておりません。それだけが私が存じておることであり、また申し上げ得る点でございます。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 民間機関として諜報をやつている機関が日本に存在するかしないか、これはどうですか。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 私はそうした機関は存在しておらないと思います。ただ個人が、一アメリカ人が日本の法令に触れずに情報を集めて、ある機関に提供するということは、これはあり得るかと思います。そうした機関としては何か文化団体とか、そういうものがあるかもしれませんが、いわゆる情報機関として、はつきりしたようなものは私は存じません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 これは占領中になるかもしれませんが、占領中岩崎邸が軍によつて接収されて、その中にCICの機関があつたという事実を御存じですか御存じないですか。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 今回の事件にからみまして、米軍の方でもキヤナンという少佐がおつたということを認めておりますので、私はおそらくそれが岩崎ハウスにおつたのではないかと思つております。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それから川崎市の新丸子町に、現在の東京銀行の東銀クラブというのがあるのですが、このクラブの中にそうした諜報機関があつたかどうか。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 何も存じません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それから茅ヶ崎の松林の中に中島門吉さんの別荘があるのですが、その別荘の中にそうした機関があつたかどうか。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 茅ヶ崎の点につきましては、私の方で調べてみました。米軍に提供しております施設につきましては、私の方で令部表を持つておりますのでそれを調べましたが、その中にはありませんでした。ですから米軍関係ではないということだけはわかつております。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 今回の事件について、外務省がアメリカ側から何かの情報を接受したことがありますか。これは職務関係になりますからお答えができないかもしれませんが、お答えができる範囲において……。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 今回の事件につきましては、最初軍かと思いましたので、軍の方に連絡いたしましたが、軍は関係がないという声明を出しました。その後は大使館の方と接触いたしております。大使館の方からは、主式な文書によりまして、これに関する事実はまだ知らせて参つて来ておりません。まだ調査中だと申しておりますが、口頭では向うのわかつておることは、ある程度聞いております。また大使館は、大体荒筋を本日の午後すでに発表いたしましたか、あるいは今から発表するという段階になつております。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それはあなたからここで話せませんか。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 発表内容ですか。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 発表内容です。内容というか知り得たこととして……。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 向うが発表すると申しておりますが、時間的関係がありますので……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 あなたの知り得たことは職務上秘密ですか。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 秘密ではありませんが、向うが発表しておるかおらないかによるので、向うが発表しておればいいのですけれども……。もうしておると思いますが……。私は二時ごろに、いつでも発表してもらつてさしつかえないと言つておきましたから……。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 こういうことを発表するということを聞いたということでやつていただいてはどうですか。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 でそれは……。アメリカ大使館は、鹿地亘なるものが非常な虐待を受けた、悪い待遇を受けたということについて、いるいろ言つておることについては、目下適当なる機関を通じて活発なる調査をしておる。もし鹿地氏が実際にアメリカ人によつて言うがごとき待遇を受けたとすれば、アメリカ大使館はその責任ある人間に対して適当なる——ジヤスアイスという言葉を使つておりますが、要するに法的な手段をとることにやぶさかでない。これが一つであります。  その次にアメリカ大使館は、今までの調査によれば、鹿地氏のケースは、鹿地氏が拘禁された理由は、鹿地氏がある外国のために日本においてスパイ活動をしておつたということが判明しておる。このスパイ活動の詳細については国警当局に連絡してある。それだけであります。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それ以外には外務省に入手した事実、事柄はございませんね。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 大体これが大要でございます。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 この前アメリカ大使館の言だといつて、結局一応逮捕したがすぐ帰した、こういうようなことが新聞記事に載つておつたのですが、御存じですか。このことについて向うと話し合つたことはございますか。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 それは軍の方が十一月に逮捕したが、十二月末には軍の手で放したという軍の声明がありました。これは軍が私に申しましたことです。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 委員長としては終ります。猪俣浩三君。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そうすると先般のアメリカ側の声明は軍の声明であつて、大使館の声明は、本日あなたが聞いたという、それ以外にはないわけですか。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 それ以外にはございません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 われわれはそのアメリカ大使館の本日の発表を見て、われわれの主張が真実である感を深くするのでありますが、なおあなたにお聞きしますことは、CICなるものの行動につきましては今承りましたが、このほかにCIDというものが存在したかしなかつたか。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 CIDというものは占領中は存在しておりましたが、今はなくなつたと聞いております。占領中は参謀第二課に所属しておりまして、これはクリミナル・イソヴエステイゲーシヨン・デパートメント、犯罪調査班というもので、主として軍内部において犯罪を犯した者をつかまえるというのがその役目であつたと思います。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 このCIDというものの本部が横浜にあつたと承つておりますが、政府委員は御存じですか。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 私は存じません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 このCIDに多数の日本人が使われておつて、その日本人の総支配人といいますか、人事を掌握しておつた者が中里盛永という人物であるということをお聞きになつたことはありませんか。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 何にも聞いておりません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 ただいまあなたは茅ケ崎のC三一号と称するハウスは、軍の接収家屋の中に入つておらないというお話のようでありますが、このCICなりCIDの人たちが借り受ける場合においては、やはりそれが全部軍のものとして届出になるか、あるいはそれがあなた方の記録に残るようになつておつたものですか。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 先ほど申し上げました私の言葉は多少違つているかも存じません。私が今申しておりますのは七月二十六日以降における施設の表を私は見まして……。ところがCICもこれは軍の機関でありますから、CICが使つておりました建物等はやはり軍の施設になるわけであります。これらは平和発効後すみやかに、CICが各府県に出しておつたものを引揚げましたので、それで皆そういうものは解消されて行つた、こういうふうに私どもは思つております。ですから発効後も一時CICとしてあつたかも存じません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そうすると今の茅ケ崎のC三一号というものが接収されたことがあるかないかは、本年の二、三月ごろの状況は、その当時は借りておつて後にそれが返還されたとすれば、あなたの見たのが七月幾日だとすれば、その中に載つておらない場合があり得るわけですか。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 おつしやる通りであります。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 それをあんたはさつき七月幾日に見たなら見たとおつしやつてくださればよかつたのです。今のお話では、茅ヶ崎にC三一号館なる軍の接収家屋があつたかどうかということはあなたはわからぬ、本年の三月、四月ごろの状況はわからないと承つてよろしゆうございますか。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 その通りでございます。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 CICがずつと各部隊に分遣隊を出しておつたのが引揚げて、今北海道と秋田の一部にだけあるようだというお話でありますが、それはいつごろのお話でありますか。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 私がそのCICをどこに置くかという話を司令部といたしましたのは大体四月ころであつたと思います。その後逐次部隊内、兵舎内に引揚げて参りました。ただいまのところ大体引揚げが完了して、完全に引揚げが完了すればそういう形になる。一、二の例外があるかも存じません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 鹿地亘の本件につきまして本委員会で調査したところによると、最後に彼は渋谷の代官山の猿楽小学校の道をはさんだ筋向いの家屋に拘禁されておつたという証言をいたしました。本日の新聞を見ると、さつそく新聞社が調査して写真が出ているが、昨日鹿地氏が証言している間にさつそく行つて、猿楽小学校の前ということだけで探し当てて写真をとつて来た人があ。その写真を鹿地氏に見せましたところが、これに間違いなしという証言をいたしております。それは一体接収家屋に入つておりましたかおりませんか。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 まだ調べておりません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 外務省としてはそういうことは早く調べていただきたいですね。しかも新聞記者の方はみな調べちやつている。どうしてそういうことだけ手ぬるいのか、よくわからぬが、これを貸した人がだれで、借りた人がだれで、いつからいつまで接収されておつたか、それが接収家屋に入つているかどうかを、外務省としてさつそくお調べになつて当委員会に御報告願いたいと思います。今七月幾日の帳簿をごらんになつたようですが、その中には入つておらなかつたわけですか。あなたがごらんになつた接収家屋の中にこれが入つておつたかどうかはわからなかつたのですか。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 私はこれにつきましては、けさ新聞を見まして、私はけさからほとんど部屋におらないように飛びまわつておりましてまだ調べるひまがございません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 そこで本件につきまして、外務省から軍に、あるいは大使館に何らかの要求をされたかどうか承りたいと思います。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 調査の要求を口頭で出しております。それから本日午後文書も出すことにいたしております。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 すると調査の要求を出され、その同等がこの前の軍の発表、今日の大使館の発表ということになるのでしようか。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 必ずしも回答というわけでわございませんが、中間的な発表でありまして、もう少し全貌がわかりました際にまた回答が来ると思います。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 これは外務省の役人の方として私ども要望するのですが、これは徹底的に、大使館なり軍に調査を要求して、いいかげんの声明でごまかされないように、しつかり腰をすえて調査していただきたい。これは将来私どもの生命、身体の安全のために、事の黒白を明らかにしていただかぬといかぬと思います。当委員会の調査によりましても、鹿地氏が荒唐無稽のことを言つてるんじやないことは、ほぼ委員諸君も了解していただいたと思うんです。調査々々に名をかりて事をうやむやにされますことは、それだけ不安を長引かせることになりますので、至急調査の上、期限を切つてでも早く事の真相をアメリカ側から発表していただくように、あなた方の御努力を願いたいと思うのであります。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 ただいまおつしやつた通りのことをいたしております。それから米側が発表いたしました後段の、鹿地氏がある国のスパイであつたという事実は、国警当局においても確認いたしております。これには間違いございません。それで国警当局と打合せの上で、この発表に対して同意を与えたということであります。

木下郁日本社会党(右)

○木下(郁)委員 私は行政協定のできたときに、すでに議会で繰返されたことではないかと思いますが、この事件に関連しまして一、二の点をお伺いしたいと思います。この事件は実に奇奇怪々、われわれとしても非常な関心を持つているわけですが、アメリカの軍の行動でないにしても、鹿     地君が一年余りとめられたということは、不当なことであるかどうかということを判断するには、よく調べなければならぬと思いますが、これについて民事的な——鹿地君が今のお話のように、スパイ云々ということで調べられたということなら、これは話が別になりますが、今まで出た趣旨で不法にとめられた。とめた人はアメリカの機関であつたかなかつたかは別といたしまして、機関であつた場合は、これは行政協定の面では、日本の国がその民事的な損害は補償してやらなければならぬのではないかと思います。そういう意味の民事的な点については、こういう問題が起つたので、お調べになりましたかどうか。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 民事につきましては、行政協定十八条によりまして、完全に日本側の管轄権がある。刑事につきましては、米軍については刑事裁判権を持たない、こういうふうになつております。

木下郁日本社会党(右)

○木下(郁)委員 お話の十八条でありますが、十八条の(6)(a)に、「(3)に掲げる請求に関しては、日本国において訴を提起されることがないが、これだけは除外して、全面的に民事裁判権が日本側にあるということになつておらないように思います。この前にある(3)を除外した残りの点では、裁判権がある。それで鹿地君のとめられたのが不法だと仮定すれば、鹿地君としては、その民事的な請求権は、日本で十分裁判上保護されておる。そのことでひとつ伺いたいのは、証人とか証拠については、アメリカも十分協力するということになつておるように思います。その意味で、その証人を出すときには、やはり直接その衝に当つた、本件について申し上げますならば、キヤナン中佐とかいう人が関係したことは明らかだと思います。こういう人を不法行為とか何とかいうことで日本が追究する裁判権は、行政協定の面ではありませんが、この人を証人として呼ぶことはできると思いますが、さような意味で行政協定はつくられておりますか。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 問題が二つにわかれると思います。平和発効前と発効後とは違います。発効後の場合も、軍人が関係している場合は行政協定、軍人が関係しておりません場合は、普通の外交折衝によりまして、大使館に処罰、賠償を要求するというわけであります。今のお話は、軍人が関係している。キヤナンというのは二月に帰つているそうでありまして、これは占領中の行為であります。占領中の行為につきまして、行政協定が適用されるかどうかということは、ちよつと私疑問に思います。おそらくこれは発効後のものに適用されると思います。

木下郁日本社会党(右)

○木下(郁)委員 キヤナンを例に出したのですが、キャナンは四月二十八日前にやめたらしい様子がありますが、しかし鹿地君が抑留されたのは、四月の末からずつとことしの先日までです。講和条約発効後におつたわけです。そうすると、その間にG大佐とかいう人がたびたび出入りしておつたということもありますが、この人の氏名はわかりませんが、こういう人は行政協定の面で刑事責任を追究するということはできないにしても、少くともこういう人を証人として呼ぶ、またアメリカとしては、こういう人を関係の証拠書類と同じようなことで、証拠書類の提供あるいはこの人を証人として、協力する意味において出す、行政協定上の義務は持つておるように私は思うのですが、いかがでしようか。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 私行政協定をここに持つて来ておりませんので、ちよつとはつきりいたしませんが、私の記憶でも、そうではなかつたかと思つております。

木下郁日本社会党(右)

○木下(郁)委員 本件が起つてから、そういう問題についてはアメリカの大使館あたりとまだ御折衝にはなつておりませんか。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 私が軍に参りましたときに、軍の方は、はつきり関係がない、こう申しておりますので、私の方はもつぱら大使館と交渉いたしております。ですから、軍人でないとすれば、行政協定の問題でない。そこで大使館に対しましては、もしこれが不法監禁であれば、これは処罰の問題、賠償の問題、それからこうした事件の再発せざるよう保障する、そういうことについては十分話し合つております。

木下郁日本社会党(右)

○木下(郁)委員 この事件についてはこれは日本国民全部が非常な関心を持つておると思う。大体私自身の常識的な判断では、今まで得た資料では、やはりアメリカの一機関が自分の方に協力を求める意味でやつて黒星をとつたというのがその真相じやないかと思います。国民全部はアメリカのやり方等については、独立後は相当やはり批判的にもなつておるし、この問題は十分慎重に取扱わなければならぬと思つております。そういう意味におきましても、ありのままに出しまするかもしれぬが、どうかほんとうにこの真相をざつくばらんに国民に納得するように——相手が外国ですから、国民がすぐ行つて聞くわけにも行かぬのですから、十分お調べを願つていただきたいと思つております。

田万廣文日本社会党(右)

○田万委員 先ほどのお話の中で、本日午後またはこれから発表されると思うという大使館からの発表の内容でございますが、その第二項でおつしやつた今までの調査では鹿地が拘禁された理由は、スパイ活動をしたものだというお話があつたのですが、それにつけ加えられて、なおこの事実は国警もまた認めているというようなお話もあつたのですが、間違いございませんですか。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 ええ。

田万廣文日本社会党(右)

○田万委員 そうすると、そのスパイ活動なるものの内容もあなた御存じではなかろうかと私は思う。その事実があるかどうかは知りませんが、お話を聞いたところだけでもさしつかえなければ言つてほしい、こう思うのです。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 本日米軍がこの発表をいたしますにつきましては、私の方は国警のことが書いてありますから、国警長官と私が相談いたしまして、国警長官はこれで間違いないからよろしい、こう申しましたので、向うに発表してよろしいという返事をしたのであります。詳細につきましては、私はそれほど詳しく聞いておりませんし、またこれは国警長官が発表すべきものと考えております。

後藤義隆改進党

○後藤委員 ちよつとお伺いしますが、この前アメリカ側の発表で、鹿地を一度逮捕したけれどもすぐ釈放したというふうなことが、何か新聞に載つておりましたが、そういうことを聞いたことがありますか。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 これは軍の方が申しておるのでありまして、鹿地は逮捕したけれども、十二月末に軍の手から放した、こう言つております。

後藤義隆改進党

○後藤委員 そこで鹿地をいかなる理由によつて、いつ、どこで逮捕して、そしてどこに抑留してあつたかということをお聞きになつたかどうか。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 そうした詳細な事実を今要求しておるわけであります。しかし国警長官の方が多少詳しく知つておるかもしれません。

後藤義隆改進党

○後藤委員 これは釈放の時期及び釈放の場所、釈放の方法、そういうことが非常に重要な関係をもたらすと思いますから、なお今後も調査をお願いしたいと思います。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋委員 ただいまの御説明によりますと、鹿地がある国のスパイをやつたという事実を国警が申し出たので、さように認めた、こういうことですが、そうすると、鹿地が外国のスパイをやつたということ自体で、アメリカの軍はこれをつかまえて処罰する権限があるかどうか、その点を伺います。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 それは事件の内容にもよりますが、占領中は米軍には日本人を逮捕する権限がございました。発効後は別でございます。発効後は全然そうした権限はございません。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋委員 発効以前にも長い間拘禁するような権限はあつたでしようか。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 権限と申しますか、それが妥当であつたかいなかという問題はございますが、しかし米軍が逮捕することはできたわけです。逮捕して長く拘禁しました場合に、それが妥当であつたかいなかということは問題になりますけれども、違法であつたとは言えないと思います。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 伊関政府委員に対する質疑はこれにて終了いたしました。ただいま国警長官の出席を求めております。——ただいま斎藤国警長官がお見えになりましたので、斎藤政府委員に対しまして委員長から鹿地亘君の事件をお伺いし、そのあとで委員諸君の質問をお願いすることにいたします。  斎藤政府委員にお尋ねをいたしますが、御承知のように、この委員会で本日取上げられております問題は、鹿地亘氏の事件でございます。これは米軍ないし米関係人によつて監禁をせられておつたのではないかというようなことが議題の中心になつておるわけであります。これにつきましてただいま外務省の伊関政府委員が当委員会に参りまして、本日米出先機関においてこの問題に対する見解の発表があり、なおその見解の発表についてその趣旨をここで述べられました。その述べられた趣旨の中に、鹿地亘氏は某外国人の手先となつて日本国内においてスパイをやつておつた嫌疑がある。この嫌疑をアメリカがやつておつた事実については国警もよく承知の上である。そうして国警と連絡の上でこの発表をするんだという陳述がありました。そこで特にきようはおいでを願つたわけですが、鹿地氏が某外国人と通謀して日本国内においてスパイをやつておつたというこの事実について、お答えになれる範囲でお答えを願いたい、こう思います。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 鹿地氏が某外国人と通じてスパイ行為をやつておつたかどうかという最後的な認定は、私の方といたしましてはまだ調査中でございます。ただ鹿地氏が昨年の暮れに逮捕をせられましたときに、アメリカ側で発表いたしておりまするように、当時取調べたことが事実であるという発表がありましたし、鹿地氏の声明によりましても、心ならずも自供をしたという点があつたのでありまするが、それはただいまお尋ねの点に関係をするのであろうと思うのであります。それによりますると、ある諜報網の一連の機関の中の一員であつたということを立証するような自供に相なつております。目下私の方で取調ベ中の事件からも、鹿地氏に関係を持つであろうという関係事件をただいま調査中であります。その事件の取調ベの進行に伴いまして、そういつた事柄が事実であつたかどうかということがここで裏づけられると思うのであります。現在の段階ではまだ十分裏づけの段階には、われわれの方の取調べといたしてはなつておりません。せつかく取調べ中に属するわけでございます。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 そういたしますと、アメリカ軍において、鹿地氏を取調べをした、そのときの調書でも国警にお見せになつたのですか。それとも口頭において鹿地氏がそういうことを自供したということをあなたの方に知らせて来たのですか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 調書というものかどうか存じませんが、日本のあれで言えば調書に当るものでありましようか、鹿地氏が自書せられたもの、そこに鹿地亘と署名をいたしておるのであります。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 それは発表できないのですか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 先ほど申しましたように、ただいま取調べ中の事件と直接関連を持ちますので、当分の間は発表は差控えさせていただきたい。捜査のために差控えさせていただきたい、かように考えております。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 アメリカの日本における出発機関が、あなたの方に連絡をとり、打合せをしたというのは、その事実をさすのですか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 さようだと存じます。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 委員長の質問はこれで終ります。猪俣浩三君。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 今外務省の伊関政府委員が出て、アメリカ大使館が声明を発表するについて、鹿地が某国のスパイであつたということについて、国警長官もこれを確認した、その上で発表した、こういうふうに確か確認という言葉を使つたはずであります。速記録を御調査願いたい。しかるに今あなたの証言を聞くと調査中なんだ。しかるに伊関政府委員は確認、こう言つておる。ここに日本の外務官僚の頭がうかがわれるのですが、そうすると確認なされたわけではないのですね。念のために聞きますが、スパイをやつたということは、確認なされたわけではないのですね。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 伊関政府委員が何か誤解をしておられるのじやないかと思いますが、こういう声明を出すということを私が知つているというような意味じやありますまいか。鹿地氏のスパイ事件を私が確認したということは、私はどこにも申しておりませんし、さようではございません。

猪俣浩三日本社会党(左)

○猪俣委員 これは速記録を見ればわかりますから、その後の問題にしたいと思いまするが、アメリカ大使館が発表するについて、国警長官と打合せして、国警長官も鹿地がスパイであることを確認した上で発表した、こういう表現をしております。そこであなたに今お確かめしたのであります。実は今あなたがおいでにならぬ前に、私のまわりにおるところの改進党の委員及び社会党の委員諸君に、私はすでに話をしてある。必ずあのことはこういうことに違いないぞということを話をしたその通りのことを、あなたが今証言なされた。それは先般鹿地が七日の夕刻出て参りまして、八日の日に「私は訴える」という声明書を私に手交せられた。私が当委員会にそれを発表した際に、一箇所抜かして発表したのであります。これは鹿地氏は全文を発表してくれと特に要求して来たのでありますが、私は党の首脳部と打合せをしまして、その点だけ鹿地の意思に反して抜かしたのであります。それは鹿地が釈放せられる際に、某国のスパイをやつておつたということをお前認めろ、とう言うて認めさした。しかしこれはまつたく脅迫に基いて認めたものであつて、そんなことをやつた覚えがないのであるということを、その八日の日、出て来た翌日すでに、声明としてこれを委員会に発表してくれといつて、私に託したのであります。あなたに見せたというその聞取書みたいなものはそれに違いないと存じますので、私どもは、さようなことによつてあなたが確認せられたということになると、はなはだ困ると思いましたが、今お聞きすれば、確認したわけでもないようであります。それで安心をいたしましたが、その声明書を私は今日忘れて参りまして持つておりません。これは証拠としていつでも出せると思うのでありまして、向うのトリツクの一つだと考えるのであります。私は以上で終ります。

後藤義隆改進党

○後藤委員 ちよつとお伺いしますが、今の、鹿地が某国のある機関と通謀してスパイ行為をしたということを認めて、自分がサインしたという書面、それをあなたはごらんになりましたか、本物を。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 私は見ております。

後藤義隆改進党

○後藤委員 それは現在どこにありますか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 私の責任のもとに保管をいたしております。

後藤義隆改進党

○後藤委員 それはいつどこでつくられたものでしようか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 それがいつどこでつくられたものか、まだ調べておりません。今後調査を進める必要が、場合によればあろうかと思つております。

後藤義隆改進党

○後藤委員 あなたの手に入つたのは、どういう経路で入つたのでしようか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 向うの関係機関から参考によこされたのであります。どこの機関ということは申し上げることは差控えさせていただきます。

後藤義隆改進党

○後藤委員 これはいつどこでだれの手によつてつくつて、だれにそれがまわつたかということは、これは非常に監禁しておつたかどうかということにも関連を持つと思いますから、その点をよくお調べ願いたいと思います。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋委員 ただいま後藤委員からお尋ねになつたのですが、いつお手元に入りましたのでしようか、今の書類というのは。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 昨日でございます。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋委員 それからただいま斎藤長官は、そのスパイ行為が裏づけられると思うというのは、ほかにも資料でもおありになるのですか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 ただいま調査中の地の事件がございます。それと関連をして裏づけられるものと考えまするが、関連をしてまた裏づけて行かなければ——事実か事実でないかを裏づけをしなければならぬのであります。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋委員 なお昨日この委員会におきましても、鹿地本人が確認した「私は訴える」と題する書面の中に、こういうことを書いておるのですが、これに基く書面だと私は確信するのですが、読み上げます。「釈放するにあたり、彼らは私に一、ソ連と連絡をとつていて捕えられたと承認、二、私より、米国政府に何の賠償をも要求しないこと、右二条に署名させられた」とある。この書面はいずれ当委員会に証拠に提出されると思いますが、こういうような事実があるのでありまするが、お手元にありまする書面の中には、第二の米国政府に何の賠償をも要求しない、かような意味のしたためられた書面があるかどうか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 さようなものは示されておりません。また手元にも持つておりません。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋委員 その他の資料と申しますものについてはここでは述べられませんか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 他の資料と申しますのは、先ほど外務委員会でも質問がありましたときに申し述べましたが、ある容疑者をただいま逮捕、調査をいたしておるのがあるのであります。電波法選反の容疑で逮捕いたしておりまして、本人がどういう活動をしたかということをただいま取調べ中であります。それに関連を持つて、それの取調ベの進行によつてただいまの鹿地氏の自供が事実であるかどうかということが判明をして来るでありましようし、またその方の事件を固める上からも、場合によれば少くとも鹿地氏には参考人として御出頭を願わなければならないことがあるか、かように考えておるのであります。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋委員 その容疑事件の容疑事実はいつのできごとでしようか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 ただいま取調ベ中でありますので、内容はあげることは差控えたいと思いますが、少くとも鹿地氏が逮捕といいますか、拘禁といいますか、失踪しました前からほとんど今日まで、途中に中断はいたしておりますが、そういう事実があるのでございます。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋委員 これは御捜査の上の希望を申し上げるのですが、ただいま申し上げたような証拠か書面がありますということを前提に御捜査を願いたいことを希望として申し上げます。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長 ほかに御質疑はございませんか。——質疑はこれにて終了いたしました。  明十二日午後一時より理事会を開くことといたします。次回の委員会は公報をもつてお知らせいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時十三分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗