文部委員会 第8号
- 発言数
- 14 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1953/02/06
会議録
○伊藤委員長 開会いたします。 委員会の今後の審査方針に関して御協議いたしたいと存じますが、これは追つて理事会で御協議いたすこととし、本日は昭和二十八年度文部省関係予算に関して文部当局より説明を願いたいと存じます。なお、小林会計課長が病欠のため、西田会計副長から説明を求めます、西田説明員。
○西田説明員 私御紹介にあずかりました会計課の副長をいたしておる西田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。お手元に説明の便宜のために三枚刷りの印刷物を差上げてありますので、それによつて説明をさしていただきます。 最初に文部省予算の総額について一言御説明申し上げます。印刷物の二枚目の一番おしまいの欄に、文部省所管合計という欄がございます。二十七年度の予算は三百七十四億円台でございます。それに対しまして二十八年度の予算は千三百四十七億円台になつておりまして、差引九百七十二億九千七百九十八万八千円の増加と相なつております。しかし二十八年度の予算千三百四十七億円台の中には、義務教育費全額国庫負担の実施に伴う経費九百二十億円が含まれておりまするので、それを差引きまして二十七年度と比較いたしますると、五十二億九千七百九十八万八千円の純増と相なつております。なお、その予算額を国の一般会計総予算と比較いたしますと、二十八年度の予算はその約一四%に当り、そのうち義務教育関係の九百二十億円を差引きますと、四・四%に当ります。これを二十七年度の文部省予算の比率四%と比較いたしますと〇・四%の増に相なつております。それらにつきましては、三枚目の表に参考をつけておりますので、後刻ごらん願いたいと思います。 続きまして、事項別表によりまして順次総括的な説明をさせていただきます。最初の義務教育の充実でございますが、その第一は、義務教育費国庫負担制度の実施に関する経費でございまして、この経費は九百二十億五百万円が計上されております。その内訳は、義務教育に関する教職員の給与費が九百一億、教材費が別に十九億ということになつております。なお残りの五百万は、この制度実施に要する本省の経費でございます。義務教育費全額国庫負担の制度は、言葉は適当でございませんけれども、いわゆる定員定額の制度によつて実施される建前をとつております。これによりまして一定の率によつて、教員数並びに給与額を算出して計算をいたしますると、千百五十五億円が給与費に必要ということになつております。この義務教育費全額国庫負担の制度は、国が都道府県に定員定額により算出した金額の全額を負担する建前となつておりまするが、現状におきましては、一部富裕の府県につきまして、さようにいたしますると財源が偏在します事情と、一面国費の増額が困難な事情もございまして、それらの富裕の県につきましてはそのロス分を差引くという考えによりまして、このロス分である二百五十四億円を先の千百五十五億円から差引きまして九百一億円と相なるわけでございます。 なお教材費につきましては、十九億でございますが、これは小学校、中学校、盲学校、聾学校の学校種別によりまして、それぞれ児童数によりまする学校の規模に応じまし一定の単価を乗ずることによりまして、積算したものでございます。次に義務教育費教科書無償配付についてでざいますが、これは御承知の通り義務教育に関する教科書の無償配付についての法律に基きまして義務教育に新入学いたしまする児童に、国語及び算数の教科書を無償配付いたしまする経費でございまして二十八年度の学齢児童予定数は約百九十二万五千人の推定でございます。児童の増加と単価の増によりまして、経費は多少の増額をいたしております。第三番目に公立小中学校一般校舎等の整備についてでございますが、その内訳は備考欄にあります通りでありまして、いわゆる六・三制の建築関係の経費が二十二億六千九百万何がしの金額に相なつております。これはいわゆる六・三制の応急最低基準坪数〇・七坪に足りない不足教室を解消しようという趣旨に出ずるものでありまして、明二十八年度におきましては中学校につきまして申し上げまするならば、約六万九千二百坪を見込みまして、経費の上では十億三千三百七十一万という計数に相なつております。なお小学校につきましては、二部教授その他の不正常授業の解消を主といたすものでございますが、それらは戦災と一般とにわけまして、一般の分につきましては四万七千六百坪、約四億七千四百万円、戦災の分につきましては五万一千坪で、約七億六千二百万円、かように相なつております。なおここで補助率について一言申し上げなければなりませんが、中学の分につきましての補助率は二分の一の補助でございます。小学校につきましては、戦災の分につきましては二分の一でございますが、一般の分につきましては三分の一の補助と相なつております。 次に屋内体操場の件でございますが、これは御承知の通り、積雪寒冷あるいは湿潤の地に屋内体操場を設けることの必要に出ずるものでございまして、二十七年度からごの種の経費が認められて参つておるのでございます。この分につきましては、大体六年の年度計画のもとに、約三万七千八百坪につきまして予算を計上いたしておるわけでございまして、補助率は二分の一でございます。 次に危険校舎でございますが、これは御承知の通り六・三制実施のために、古い校舎につきましては手を入れる余裕がなかつたために、相当危殆に瀕しておる建物が多数あるわけでございます。それでこれらにつきましては、二十八年度から新たに国として補助して参るという考えに立つものでございまして、大体の対象は、古いもので五十年近くたつて危険のあるもの、あるいはまた戦時中の資材の統制その他の関係で、粗悪な建物で、あまり期間がたつておらないのでありますけれども危険のあります建物等につきまして、約十二万一千五百坪を見込みまして計上いたしてあるものでございます。補助率は三分の一と相なつております。 盲聾学校につきましては、おおむね前年通りでございまして、学年進行によりまして、明年度も二十七年度同様の経費を計上いたしておる次第でございます。 次の特殊教育の振興につきましては、盲聾児童の就学奨励の事務、あるいは施設の整備、養護学校の設備等につきまして、予算を計上いたしておるわけでございますが、その内容は、大体前年と同様でございます。多少の増額は、単価の増その他によるものでございます。 次の教職員の保健管理に関する経費でございますが、教職員につきましては、結核が非常に憂慮すべき状況にありますので、健康診断あるいは保健所等を設置する経費でございまして、増額の千百三十三万の経費は、主として保養所の新設にかかるものでございます。 六番目の教科書の編集、検定、刊行、これは大体二十七年度同様の規模構想のもとに編成されておりまするが、ただ一つ内容的に新しい点では、備考にございます通り産業教育の教科書につきまして助成金を四百万円計上いたしております。これは産業教育関係で特に需要の少い教科書につきましては、刊行上いろいろ不便がございますので、円滑な刊行が行われないという事情にありますので、その経費の一部を国が補助して部数の少い教科書が出やすいようにするという趣旨によるものでございまして、その内容は主として編集費を補助の対象といたしております。 次に学校給食の助成の経費でございますが、これは日本学校給食会の事務費の補助でございます。これは主として脱脂粉乳を取扱つております給食会の事業の運営を一層円滑ならしめるために、また間接には父兄の負担を軽減するという趣旨をも含めまして、ここに新しく計上されたわけでございます。なお、学校給食の関係の経費につきましては、従来ララ物資等によりまして国費の出費をまたず実施されていた時期とはかわりまして、従来の児童の体位の保全というような教育的観点からの学校給食から生活改善という考え方に建前が変つたものでありますが、その際これらに要する経費は、農林省関係の予算に計上されるようになりました。それで農林省関係の予算といたしましては、食糧管理特別会計に十六億五千二百五十万円が計上されております。なお、このほか農林省関係の一般予算に運転資金の利子補給金ということで、五千六百万円が計上されております。 次に学術の振興についてでございますが、第一に科学研究費の充実ということでございます。学術の分野におきましては、戦中、あるいは戦後も自由に渡航が許されないというような事情から、日本の学術界は孤立した状態にありまして、各国に比しまして非常に立遅れておる事情にございますので、相当の経費の増額計上を見ております。その内容は、大体前年と同内容のものを取扱つておりますが、従前は、細分いたしますと、科学研究費、科学試験研究費、助成費、あるいは成果の刊行費という四本建になつておりますが、そのほかに、明二十八年度は新しい内容といたしまして、私立大学の研究の基礎施設助成補助金という経費が、新しく二千万円計上されております。 次は国立学校の施設の整備でございます。これは大学及び付属の研究所、病院の施設の改善、新築、増築あるいは大修理というようなものに要する経費でございまして、相当額が計上されておりますが、これは主として継続事業あるいは戦災復旧という面に重点が置かれて計上されておりますほか、神戸商船大学の創設に伴う経費も含まれております。 第三番目の学術の国際交流でございますが、これは一のところで申し述べましたように、日本の学術界が孤立いたしまして、世界の水準から非常に立ち遅れた現状にかんがみまして、ぜひとも学者の海外における留学が必要な状況にあります。これは在外研究員ということで古くから行われて来た内容と同様のものでありまして、明二十八年度は相当額を増額計上いたしまして、斯界の要望に答えるというふうにいたしております。大体招聘の事情その他によりまして、経費も一律には参りませんが、半額を招聘国が持つというような事情等をあわせ考えますならば、九十名前後の有能な学者先生に留学をしていただける計画と相なつております。 四番目に学術情報室の整備でございますが、学術情報ということは、どうしても科学研究の基本をなすものでございますので、これらの事業の刷新をはかるということで、学術用語の制定、あるいは学術映画の作製というような事業内容を含んでおります。 五番目は民間学術団体の補助でございます。それには備考欄に小内訳がございますが、純粋の民間学術団体に対する補助は五千三百五十万円で、そのほかは学術振興会の経費、開国百年記念文化事業に関する経費などでございまする 六につきましては、二十八年度予算といたしましては、総理府所管に繰りかえられておりますので、御説明をはぶきます。 第三番目は育英事業の強化でございます。御承知の通り、就学困難な学生、生徒に対しまして奨励資金を貸与する事業を日本育英会が行つております。それらの貸与金及び事務費を計上したものでありますが、比較増減表にもございます通り、五億四千五百万の増額を見ております。その内容は、単価につきまして、高等学校の生徒について月額五百円支給いたしたものを七百円に引上げたこと、また大学の学生につきましては千九百円のものを二千円に引上げたことによる単価の増加、また採用率は二十七年と同様でございますが、学年進行によります生徒の増加、学生の増加等によりまして実際の人数は相当数ふえておりますので、それらの要素によりまして、五億四千万円の増加と相なつているわけでございます。 次は学徒援護会補助でございます。これは学徒の生活援護のために学徒援護会が学生会館を設け、これを管理し、あるいは学生相談所を設置して、これが事業を行うというような仕事をいたしておりますので、それに対しまして、そのような事業費の補助、また援護会の事務費の補助を含めまして計上いたしている次第であります。 四番目の産業教育の促進につきましては、内訳にございます通りに、高等学校の設備費が中心をなしておりまして、七億一千六百五十七万一千円という金額を占めております。これは二十八年度当初におきます基準と照しまして補助をいたす必要があると認められるものにつきまして、おおむね三箇年計画を立てましてそれに要する経費の三分の一を補助することにいたしまして計上いたしたものでございます。次の高等学校実習船建造費は、水産教育振興のために大型船を五隻、小型船六隻の建造に要する経費のことでございます。次の中学校研究指定学校につきましては、一校当り十五万円で一県平均十校ということで計上をいたしております。なお共同実習所の設備費、これは大学付属のものにつきまして農業あるいは工業の教育を振興させるために、所要の経費を計上いたしておるものでございます。 次いで私立学校の助成でございますが、一番の私立学校振興会の出資でございます。御承知の通り私立学校は非常に経営難でありまして、学校の最低施設の基準に比較いたしましても、非常な開きを示しておる現状でございます。これらを解消するために、一応私立学校振興会はそれぞれの事業を営んでおるのでございますが、政府出資であります金額は主として債権でございまして、かつ返済期限が三十五年ということになつておりますので、それらの返済金をもちましてそうした復興に充てて行くというわけには、ここ数年の間は参りませんので、国から特別の援助をいたそうという趣旨に出ずるものでございます。 次は私立学校の恩給関係の事業費の補助、それから三番目は私立学校教員の共済組合の補助でございますが、前者はいわゆる恩給で長期給付に当るものでございますし、後者の方は社会保険等で言われております短期給付に当るものであります。通常の場合、短期給付と長期給付は一本の組合で運営されておるのが現状でございまして、国家公務員等につきましても、共済組合費ということで長短両給付を実施いたしております。かような関係もございまして、かような二つの団体で運営をいたしますよりは、一つの団体にして運営する方が非常に円滑でもありますし、経費の節約もはかり得るという趣旨から一本にいたしまして、これを強化するために多少の経費増を見ておるものでございます。 六番目は、社会教育の振興でございます。第一番目は青年学級の開設でございます。勤労青年の教育が教育一般の上に占める地位の大きいことは御承知の通りでございまして、それに比しまして、従来社会教育関係の経費は非常に恵まれないものがあつたのでありまするが、二十八年度におきましては画期的な増額を見ております。もとよりその対象の広汎なることに比しますれば微々たる経費ではございまするが、二十七年と比較いたしまするならば、相当額の予算と相なつております。青年学級は一応現存の青年学級が一万余ございますので、一万一千の青年学級に対しまして、一学級当り国が八千円の補助をするという建前でございます。補助率は三分の一でございます。一学級当り八千円といたしまして、一万一千学級で八千八百万円という計算で、その他はこれが事業執行に要する経費でございます。 次の二番目の青少年の教育指導関係の経費でございますが、これは従来見返り資金で支弁されておりましたものでございまして、全国に百四十人余りの指導員がおりますが、ここに見返り資金に振りかわりまして、この分を計上いたしたものであります。補助率は三分の一と相なつております。 三番目の社会教育施設の助成でございますが、四千八百万円のうち一千万は図書館、公民館、博物館の純粋の施設の補助でございまして、補助率は三分の一でございます。残りの三千八百万円見当の経費は、主として公民館、図書館また博物館の運営費の補助でございます。 次の視聴覚教育費の拡充でございますが、視聴覚教育が新しい教育における地位の重いことは御承知の通りでございますし、特に勤労青年を対象とした非常に広汎な地域に教育を施すという方法といたしましては、視聴覚教育は非常に大切な教育の一つでございますので、勤労青年向けの教育放送ということで時間を買上げることにいたしまして、約三百時間を一時間五万円ということの構想に立ちまして計上いたしておるものでございます。なおこの事項の経費の中には、教育映画の作成、あるいは買上げの経費をも含んでおります。 五番目の全国青年大会の開催に要する経費でございますが、この内容は、体育を中心といたしました勤労青年の全国的な行事を行うということにつきましての補助金でございます。昨年度は流用によりましておおむね同規模の金額で事業を実施しております。 七番目は、ユネスコ活動につきしましてでございますが、ユネスコ国内委員会並びに事務局が発足いたしましてから、ようやく事業を実施する態勢も整えられましたことと、一方わが国が独立いたしまして、ユネスコ活動につきましても一本立ちの活動をいたさなければならない事情にございますので、それらの事情を勘案いたしまして、所要の経費の増額が見られております。 次の文化財保存の事業につきましては、戦中戦後のしわ寄せを大体十箇年計画で解決する計画に立つて事業が進められていますが、明年度は八年目に当ります。それでその種の一般修理費について四千五百万円で増額計上されておりまするほか、国の直営事業であります姫路城。松本城等の経費約二千万円の増額計上と、そのほか金閣、あるいは法隆寺の火災の事情もございまして、従来保存事業におきまして、修理という消極的な保護の面から、積極的に火災を防止するという面に重点を移行しなければならない事情にありまするので、その種の経費につきましての約二千万円の増額計上とによりまして、二十八年度においては事業費で約九千二百万円の増加となつております。 次は一枚めくりまして、八番目のその他の事項でございますが、定時制の教育の振興、これは定時制教育はやはり大衆教育・青年大衆の教育方法として非常に有効適切なものでありますので、所要の経費を少額ではありますが計上いたしたものでございます。一千万が設備費の充実ということで一校当り五万円、二百校分という基礎に立つております。補助率は三分の一でございます。また定時制高校のモデル教室といたしまして、百五十万円が計上され、合計千百五十万円と相なつております。 二番目は公立幼稚園施設整備費の補助でございますが、そのうち幼稚園の施設の充実という関係で、約九十の幼稚園に対しまして二つばかりの段階を設けまして、一定額を補助することといたしまして、補助率は三分の一、その分の経費は四百五十万円というふうに相なつております。残りの二百万円はモデル教でございまして、約六教室分を考えておりまして、補助率は三分の一でございます。以上(1)、(2)はともに二十八年度から新しく加わつた事項でございます。 次は公立学校施設整備でございますが、備考にあります通り戦災復旧分が一億三千五百三十九万なにがしございます。これは大学関係につきまして約千坪、新制高校関係につきまして一万一千坪を予定し、補助率は三分の一という基礎に相なつております。次の災害復旧は、御承知の通り十勝の震災あるいは鳥取の火災、鉱害復旧等に要する所要の経費を計上いたしたもので、約二億六千八百二十五万円と相なつております。 次の教育委員会の運営、指導に要する経費でございますが、御承知の通り昨年町村の末端まで教育委員会が設置されるごとになりましたので、これが指導は、文部省といたしましては、非常に重要な事項の一つと相なつております。それで地方の教育委員会の参考になるような資料を配付するとか、あるいは職員の研修を行うというような経費を計上してあるものでございます。 次は新しい事項でございまして、僻地の教員の待遇改善の一助といたしまして、僻地教員に対しまして宿舎の補助を行おうというのでございまして、約千四百六十坪の見込で教員住宅の補助を計上してあるものでございます。補助率は四分の一の補助でございます。 現職教育講座開設等の経費、これは御承知の通り戦後、教員の資質が非常に低下しておるということでございますし、また免許法によりまして一定の資格の基準が示されておるというような事情から、現職教員の再教育、その方法には通信教育あるいは各種の講座等を含みまするが、さような方法によりましてできるだけ現職の教員の資質を向上しようという経費でございます。 七番目にあります大学入学試験の実施、これは試験問題の作成及び印刷あるいは試験の実施のために要する経費でございまして、二十八年度における受験者見込数は約三十六万人でございます。 八番目は教員検定試験実施の経費でございますが、独学力行、試験によりまして資格を得たいという希望者も相当あり、見込みとしましては約三万人を予想しておりますが、それらの向学の志ある方に機会を与えるという趣旨から、従前とは異なつた観点に立つて試験制度をとりあげたものであります。 九番目は文教政策の普及徹底に要する経費でございまして、およそ事業は普及徹底ということが伴いません限り十分な仕事ができませんし、特に今日の教育行政におきましては、地方の教育委員会の設置その他、新しい問題が広範囲に展開しておりますので、それらの趣旨を十分に徹底させるための経費でございます。 十番目は新しい事項でございまするが、学校教育と社会が要請するところの能力との間に少からず開きがあるような事情もありますので、双方の実態を調査して、それらの間の調整をはかろうとする趣旨に出てるものでございます。 十一番目は文化功労者年金でございまして、これは従来郵政省に組まれておつたものでございまするが、二十八年度から文部省予算に振りかえられたものでございます。一人年五十万円として五十六人分の年金が計上されております。 九番目は人件費でございまするが、文部省関係及び所轄機関、文化財保護委員会ともに、人員につきましてはほとんど異動はありませんので、主としてべース・アツプによる経費の増加に相なつております。 二番目にあります一般事業費は、以上申し上げました重要事項以外のおこぼれをここに拾つて計上してあるわけであります。 次に国立学校についてでございますが、国立学校は御承知の通り新制大学の発足等いろいろむずかしい問題がありまして学校の統合、整理その他いろいろの課題を含んでおりまするので、相当額の経費が計上されております。そのうち比較増のうちのおもなるものは、人件費の増がやはり一番大きいウエイトを占めるものでございまして、約二十八億三千万円が職員のベース・アツプに見込まれています。その他国立大学及び附属の研究所及び病院につきまして教育研究に必要なそれぞれの経費を計上いたしておるのでございますが、新規の事項のおもなるものといたしましては、広島の県立医科大学を国立に移管いたしまして、広島大学の医学部を新設するという経費、あるいは富山大学に経済学部を新設する経費、また群馬電気通信大学、静岡大学、滋賀、山口の大学に夜間の短期大学を新設するという事項が含まれております。大学附属病院につきましても相当の経費増となつておりまするが、これも半分以上が主として職員のベース・アツプによる分でございましてその他は医療費の単価増等による増額であります。 以上たいへん不行届きでございましたが説明を終ります。よろしく御審議をお願いいたします。
○辻原委員 質問の前に今後の審議にあたつて関係があると思いますので、委員長並びに政府委員の方に御見解を伺いたいと思います。 ただいま予算の総括的な御説明があつたのでありますが、これに関連する所要の法案がいろいろ新聞紙上にとりざたされておるのでありまして、これらの法案がどういう形態で、しかも大体この予算に関連してどの程度のものを、いつ国会に出すのか、その辺のところの予定を伺いたい。その点についてまず政府委員の方から伺います。
○稲田政府委員 お話の本国会に提出すべき文部省関係の政府提出法律案でございますが、いまだ閣議決定を見たものは一件もございませんので、お話ではございますが、いつ提出するかという見込みはまだ相立ちかねております。
○辻原委員 そういうこともありましうが、大体事務当局で検討を進めておる提出というのではなく、提出予定を見込んでおる法案はどの程度あるか。またそれの内容、種別はどんなものであるか。それを参考に承つておきたいと思います。
○稲田政府委員 その点につきましても、文部省議としてもまだ未決定な分が多いのでありまして、適当な機会にごひろういたしたいと思います。
○辻原委員 それでは少しつつ込んでお伺いしたいと思いますが、例の義務教育費国庫負担法について、本日の新聞にも相当具体的なことが出ておるのであります。これらの問題は本国会における相当重要な教育問題であると思いますし、さしあたつてこの問題について、すでにこれは閣議決定を見ておる事項であると思いますから、現在どの程度の進捗状況であるのか、また国会へいつごろ提出の見通しが持たれておるのか、この点はすでに閣議決定の問題であると私ほ思います。提出法案としてすでに通告された問題でありますからお伺いしておきたいと思います。
○稲田政府委員 この点につきましてはごく近日中に閣議決定を見まして、おそらく文部省関係の法律案としては一番最近に国会に提出し得るだろうと考えております。
○辻原委員 これは昨日の衆議院の議院運営委員会での官房長官からの答弁であつたわけでありますが、その答弁によりますと、大体要項ができて、法文化に着手しておるので、おそくとも来週一ぱいには提出するという言明があつたのですが、その言明をそのまま受取つてよいかどうか、事務当局の進捗状況と食い違いがないかどうか、お伺いいたします。
○稲田政府委員 文部省におきましても、でき得る限り最近の機会において、閣議決定を見て国会に上程いたしたいと思いますので、ただいまお話にありました官房長官の所見と別に異なる事実を考えておるわけではないのであります。
○辻原委員 これは官房長官の言ではありませんが、相当本日の新聞にも書き立てられておりまして、大体ああいう方向で検討を進めておつて、要項的なものはすでに一応決定を見たかのごとき報道がされておりますが、あとは法律的な技術の問題のみであつて、要項は新聞発表の通りであるか、これを伺いたい。
○稲田政府委員 新聞の内容をつまびらかにいたしませんので、ただいまお答えできません。
○辻原委員 私がただいま申し上げましたのは、これは義務教育費国庫負担法の問題についても非常に多岐にわたつておりますし、さらにその他の提出予定法案も検討されているということを聞いておりますが、これは早くそれらの予定について委員会にもお知らせを願つておかないと、今後の議事審議にあたつて予定の期間中にこの法案をこなすということは、なかなかむずかしかろうという想像も成り立ちますので、ただいま稲田局長はお答えできないというお話でありましたが、われわれとしてはそういうふうに答えられないほど予定法案が遅々として進んでおらなければ、相当精力的に予算の質問もいたしたいと考えておりますが、もし後ほどになつてばたばたこういう法案も出て来る、ああいう法案も提出するということになると、これは非常に困る問題になると思いますので、早急にひとつ御報告を願いたい。少くとも次会の委員会までには提出予定法案を御報告願いたい。かように希望いたしたいと思います。 なおただいま予算案の説明を承つたわけでありますが、説明者の御説明は非常に簡潔で要を得ていると思うのでありますが、配付された資料を見ます、と、この程度のものはむしろこの予算書の方が正確をきわめておりまして、プリントはいただかなくてもこれでもつてやれる、その程度のものであろうと思います。せつかく予算書を説明なさる機会があるのでありますから、でき得べくんばむしろ数字よりもその算出の基礎が問題であろうかと思いますので、さらに今後予算の細部の質問にわたります場合には、いま一度御配付願いまして親切な資料をひとつお出し願いたい。各款項目にわたつて少くともその説明を付記した算出の基礎、また特に施設関係におきましてはその補助率、またその補助率をもつて対象としているそれぞれの種目、こういうものについてひとつ詳細な内容を記載された予算説明書をお出し願いたいと思います。こういう程度のものではせつかくでありますが、資料としては重複するだけでありまして、大して価値のないものと思いますから、次会からの説明にあたりましては、委員のわれわれも不行届きでありますが、十分参考となるようなものを御提出願いたいと思います。
○伊藤委員長 辻原委員の御要求は文部省当局にお知らせいたします。 なお次会は各局別に詳細に予算案の内容を御説明願います。そのときに予算案に対する質問をしていただきたいと思います。 なお散会後当委員会室におきまして、沖繩の代表の方が見えられておりまして非常に悲惨な学校の施設状態を訴えられますので、お残りを願いたいと思います。 本日はこれにて散会をいたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。 午前十一時三十九分散会