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15回国会衆議院1952/12/23

文部委員会 第7号

発言数
38
登壇者
10
会派数
4
開催日
1952/12/23

会議録

伊藤郷一自由党

○伊藤委員長 これより会議を開きます。  理事の補欠選挙を行います。竹尾弌君が一時委員を辞任され、本日委員に選任されましたので、その補欠選挙を行います。  選挙はその手続を省略し、私より指名するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伊藤郷一自由党

○伊藤委員長 御異議なしと認めます。竹尾弌君を理事に指名いたします。     —————————————

伊藤郷一自由党

○伊藤委員長 過日新潟大学新発田分校移転問題の調査のため委員を派遣いたしました。これより派遣委員より報告を聴取いたします。坂田道太君。

坂田道太自由党

○坂田(道)委員 新潟大学新発田分校の統合問題に関しまして、本委員会より現地調査を命ぜられました。ただいまより調査の大要を私から御報告を申し上げます。なお足りません点につきましては、他の派遣委員より逐次御報告をお願いいたすことといたします。  調査委員は自由党より北吟吉委員、坂田道太委員、改進党より田中久雄委員、社会党より菊地養之輔委員、辻原弘市委員、なおオブザーヴアーとして井伊誠一議員の六名、さらに大中臣調査員でございました。今月十七日の夜行で出発いたしまして、十八日と十九日の午前中調査を実施し、同日夜帰京いたした次第でございます。  現地は長い間紛争を続けておりました関係から、その陳情にいたしましても、統合賛成、反対を問わず、双方とも感情的であつたり、場合によりましは誇張されていたりしましたが、本脚査委員はそれらに煩わされることなく、比較的客観的に、公平に、かつ冷静に実態を調査し得たものと思つております。  まず当初大学当局、学長より、統合整理の経過について事情を聴取いたしました。学長の明らかにいたしました要点を申し上げますと、一、少くとも出発にあたつては保安隊との関係はなく、純粋に教育的立場から大学のあるべき姿に合致させるため統合をはかつたこと、二、統合に関しては文部省より圧迫されたことはなく、大学設置審議会第九特別委員会の答申に基く文部省の次官通牒によつて、大学の評議会にかけ、大学の意思を決定した。詳細につきましては、添付書類をごらんいただきたいと思います。その間各委員より質疑応答が重ねられたのでございますが、われわれの承知いたしました点は、答申案が出ます以前におきましては、統合という問題は漠然とした形であつた。答申案が出てから大学の意思か決定されたということが言えると思うのであります。また昭和二十五年一般教養課程を高田、長岡、新発田分校より新潟に集中するということになつた際に、各地区より猛烈な反対論があつたのでございますが、その際二十五年二月十八日に岡田知事、県会議長及び学長との間におきまして、教育学部の組織変更をせざることという覚書をかわしているのであります。しかるにこの覚書があるにかかわらず、学長が答申案に基いて統合を決定したのでございますが、あとで申しますように、県会当局とも一言の相談もなくしてこれを決定した点につきましては、われわれ調査団といたしましても、学長の措置に遺憾の意思を表明して参つた次第でございます。さらに大学側が統合に熱心のあまり、生徒及び父兄の納得の方法、あるいはまた地方団体との協力、地方民に理解を深めるという努力に欠けておつた点を認めないわけには行かなかつたのでございます。その後知事及び県の教育長に意見をただしましたところ、知事及び教育長は、一日も早く統合をすべきであるという考えを持つておりました。県会議長及び文部常任委員の各氏より意見を聴取いたしましたが、態度を留保して、意見は持つているけれども、議会としての最後的な決定は持つておらぬということでございました。ただ一致して訴えられましたことは、先ほど申しました二十五年三月十八日の覚書、つまり教育学部の組織を変更せざることという覚書が現存しているのであるから、答申案に基く次官通牒があつて統合をきめるにしても、相談があつてしかるべきものである。そのことについては、県議会は一致して責任を追究したいということを申しておつたのであります。それから日教組の副組合長より反対の説明がございました。これは書類によつてごらんをいただきたいと思います。それより新潟市内にあります学芸学部の受入態勢について調査をいたしました。新校舎十四室三百五十坪が、この統合のために充てられるということでございました。寄宿舎を見ました。これは男子の方は三十七室を二つに仕切りまして、大体二百六十人収容できるということでございます。現在新潟には百九名の寄宿舎生がおります。新発田には百二十五名の寄宿舎生がおります。合計いたしますと二百三十四名であつて、十分収容能力はあるということでございます。女子につきましては、現在八畳四室、十畳二室、十二畳一室というものを整備いたしますると、二十五名が可能である。ただ希望者が三十名であつて、女子については多少不足をしておるということでございました。それから食堂その他も見てまわつたのでございます。全般的に申しますると、十分ではないけれども、受入れ態勢は一応整備が整つておるというふうにわれわれは感じた次第でございます。  それよりただちに新発田分校に参りまして、分校主事及び教官より声涙ともに下る陳情が行われたのでございます。その要点を申し上げます。一、十月九日の教授会で統合に賛成はしたけれども、これはやむを得ず承認したものであるということでございます。  それから第二に、統合をすればその地方の文化の低下を来し、特に下越地区の教員養成機関がなくなつて、教育の機会均等が失われるおそれがある。第三に、保安隊からおつばらわれるというのは教育上おもしろくないと考えておるということでございました。さらに学生父兄からも、非常に熱心に新発田分校の存置論が主張されたのでございます。統合による父兄の経済的負担は加重されて、このまま推移して行くならば、今相当進学希望者があるにかかわらず、退学者が続出するであろうということでございました。第五に受入れ態勢はできておるというけれども、しかし不完全きわまるものであるというようなことでございます。しかし統合に賛成する学生も中にはございました。  次に新発田市の当局と懇談いたしましたけれども、市長及び議会ともに、新発田市の将来の発展の上から保安隊の駐在をむしろ歓迎しておりまして、統合には賛成が強かつたように見受けられました。夜の八時過ぎに懇談を打切りまして、翌日再び瀬波の宿舎におきまして、北蒲原郡及び岩船郡の熱心な分校存置論者の陳情を受けたのであります。  かようにいたしまして、われわれ調査団は再び大学を訪れまして学長に面会いたしました。現在の状況から判断して、双方を刺激して争いを深くせざるようわれわれの結論が出るまでは、とにかく強行を見合わすよう要望いたしまして、帰京いたした次第でございます。簡単ではございますけれども御報告を申し上げます。私の足らざる点につきましては、各派遣委員の方から逐次御報告があるものと存じます。

伊藤郷一自由党

○伊藤委員長 派遣委員の方から補足説明があればこれを聴取いたします。

菊地養之輔日本社会党(右)

○菊地委員 坂田委員の報告は大体におきまして間違いございません。ただ反対論と賛成論を見ますと、反対論は学生父兄あるいはこれに関するPTAの諸君、学校の関係者、こういう方方が反対である。学校と利害をともにする人、こういう人たちはみないわゆる統合反対に非常に熱心で、それはほんとうに文字通り寝食を忘れて反対する。それから賛成者側を見ると、大体において保安隊を誘致することによつて利益を得る関係者、新発田の公務員の中でも、学校関係でない、いわゆる商売をやつておるとかあるいはその他の仕事をやつて、保安隊の誘致によつて利益を得る人と関係のあるものが賛成しておる。それから学校の当事者いわゆる分校の職員は、最初は非常に猛烈な反対者であつたが、反対しておつても、これは不可能である、こういうあきらめから異議を言わないが、ほんとうの心の中は反対であるけれども、表面職員であるという利害から、新潟大学の言うことに従つて行くという建前だということを十分看取できたのであります。もちろん新潟大学の当局者は、学長初め熱心な賛成論でありました。要するに結論を申し上げますと、反対派というのは学校と運命をともにし、学校と利害関係を持つ者が反対者であつて、学校と何のかかわりもない、保安隊誘致によつて利益を得る人たち、あるいはその関係官庁が極力賛成する実情であるということを私は見て参つたのでございます。別にこれ以上補足することはございません。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 坂田委員から報告がありましたことにつきましては、大体私どもの調査に参りました調査員を代表しておるとも思いますが、ただ時間的な関係もありまして、その点具体的な一一の調査の詳細な点を打合す十分の余裕がありませんでしたので、報告のありました趣意は、現地に参りまして、それぞれ反対、賛成側の意見を聴取したその結果のありのままの大要を報告しておる、かように私どもは御了承願つておきたい。その中で若干大体私どもの意向がまとまつた形において出されておる点でありますが、その中の受入れ態勢等の問題といたしましては、あるいは受取り方によつては相当完備をしておる、こういうふうに受け取れるおそれなしといたしませんけれども、その点について若干補足いたしたいと思いますが、この受入れ態勢につきましては、非常に主観的な問題でありますので、見方によりましては、取り方があると思うのでありますが、少くとも総合的に統合をして、内容充実をはかるという大学のあり方からいたしますと、なおわれわれとしては完璧を期してはおらないし、今後十分その点については、さらに改善を要する点を多々発見いたしておるということもつけ加えておかなければならない問題であると私は考えております。それと、最初に報告のありました点で、統合に関する考え方につきましては、全般的に私どもの受取りました印象から申しましても、当初は、問題がこうした問題の性格上からも、ほとんど賛成している者はなかつたということを発見したのでございました。これが賛成に切りかわつたというのは、やはりいろいろな客観的な資料を調査いたしました結果からも、報告のありましたように、第九委員会並びに文部省当局の意向によつて、これが統合という方針に切りかわつて、それを受けて、それぞれこの大学をめぐる関係当事者の間において、反対、賛成の意向が非常に顕著になつて来ておる、こういう事実を発見したということも、特に申し上げておきたいと思います。

田中久雄改進党

○田中(久)委員 私は調査団の諸君でおおむね尽されておりますので、別にございません。

坂田道太自由党

○坂田(道)委員 先ほどの報告におきまして、受入れ態勢につきまして、若干落した点がございます。それは新入生入舎生に対しまする補助につきましては毎月一千円、それから現在入つております宿舎生のものにつきましては毎月三百円、それから生活困窮者につきましては一時金といたしまして五千円、それから現在入舎しております者の移転につきまして、移転費を支給する、それから通学生の交通費の増加分の差額について支給する、それから通学専用のバスを開設するというようなことが考えられておるようでございました。ただしかしこれは二十七年度きりで打切られるのではないかというようなことが、学生あるいは父兄の御心配のようでございます。ただいま辻原委員からお話の通り、なかなか受入れ態勢ということはむずかしい問題ではございまするけれども、事情が事情でございますだけに、特段とこの際は、国といたしましても、また県、市といたしましても、十分な受入れ態勢を整えることが必要であるというふうに私たちは感じたのでございますが、これに対しまして、もし文部省といたしまして何らかの措置を現在持つておられるといたしましたならば、ひとつできるだけこの際御発表をお願いいたしたいと思うのであります。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 ただいま受入れ態勢の問題につきましてお話がございましたが、この受入れ態勢につきましては、先ほど坂田委員も申されましたように、宿舎の整備が中心でございまして、そのほかに教養学部の教室の新営が約三百五十坪、これは金額にいたしまして約一千万円、それから宿舎の趣備の方は約百万円、そのほか職員の赴任旅費あるいは交通費の援助、あるいはスクール・バスの購入代、これは約二百万円でございます。そのほか職員、寄宿生の移転費の補助とか、また新発田市並びに新潟県の援助によります分が、これは金額が確定しておりませんが、約二百万円程度でございまして、一応これによりまして受入れ態勢はほぼ整備しておるというふうに考えております。金額といたしまして、全部合計いたしますと、ただいまのところでは約千七百万円程度になるわけでございますが(なお受入れ態勢の整備につきましては、ただいまも折衝いたしておりますので、この金額はさらにふえる見込みでございます。受入れ態勢の費用を本年度中で打切られて、来年度はどうなるかということでございますが、来年度につきましても、引続きこの統合によつて経済的負担が加重されるということにつきましては、学校当局並びに文部省といたしましても、何らかの方法によつてこれを軽減することにつきまして今後とも十分努力いたしたい、かように考えます。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 調査に行かれた委員の方々、非常にお忙しいところ困難な調査をしていただきまして、この点非常にありがたく存じます。特に先ほどの報告を伺いますと、あらかじめ結論を持つのではなしに、まつたく白紙の立場から公平な調査をしていただいたようで、私どもとして非常に嬉しく存ずるところでございます。  ただこの機会に一つだけ大切な点を確認しておきたいと思うのです。これは結論がどうなりましようとも、この調査の効果というものは非常にいいだろうと思うので、その点だけでも非常にありがたいと思うのですが、先ほどの御報告の中に、最初は、大学当局はまつたく保安隊との関係なしに、教育的な立場から出発したのだというようなお話があつた。それが文部省の方針がきまつてから統合の方向に切りかわつたということであつたのです。最初教育的な立場から考えた場合には反対意見が多かつたのであろう、そういうふうに受取つたのでありますが、その点に間違いがないかどうかということと、その大学当局の御返事が、問題がこういうふうに複雑になつて来たので、特に保安隊との関係がめんどうになつて来ているために、これ以上そういう問題でごたごたを起さないために、最初は全然そういう関係なしに考えて来たのだというような、おざなりの答弁として受取られた、そういうように受取られた点は全然ないかどうか、その点をちよつと伺いたい。

坂田道太自由党

○坂田(道)委員 お答えいたします。あるいは私の受取り方が間違つているかと思いますが、もし間違つているとすれば、他の派遣委員から御訂正いただきたいと思うのでありますけれども、私の受けた感じから申しますと、少くとも大学当局だけは保安隊との関係はなかつたというふうに受取つております。むしろ保安隊との関係はあとから巻き込まれたもので、大学当局はあくまでもその筋をずつと押し進めて行つたというふうに受取つたのでございます。ただしかしながら先ほど辻原委員からも申されました通り、地方民の方々には反対が非常に多かつた、しかし保安隊の問題が出て来てから、その地方民の方々も大分賛成に傾いて来た、こういうふうに受取つて参つた次第でございます。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 大体御苦労な調査の御報告があつたのでありますが、私も一、二お聞きしておきたいと思うのです。先ほど坂田委員の御報告にもありましたが、翌朝の懇談会でいわゆるPTA、父兄、学生は非常に反対であつた、そういうことを考えあわせますと、この分校が新潟に統合されることについて、北蒲原郡、岩船郡の両郡が、このために教育の低下を来しはしないか。と申しますのは、この学校で養成される学生は卒業後において、特にこの両郡における教育の任に当るわけです。そういたしますと、統合によりましてこの両郡から出る学生が非常に低下をしないか、少くなりはしないか、やはりその郡の者は郡を愛するので、この統合によつて両郡の今後の教育の問題が低下しはしないか。そういう点から考えますと、熱心な学生並びにPTAの父兄は、やはり教育の根本を憂えてやつておるのではないかというふうに考えられるのであります。従つてその点についての御調査の結果は、影響はないと考えられたかどうか。この点が一つ。もう一つは、統合されるにあたつて、学生並びに父兄の負担が加重されはしないか、その点についてもう少し承りたい。

坂田道太自由党

○坂田(道)委員 私は統合によりまして大学の質的な点はむしろ向上するというふうに考えております。ただ量的には、岩船郡あるいは北蒲原郡の僻陬地からあそこまで通われるということは、非常に困難な事情がございますので、あるいは若干低下しはしないかと実は心配をいたしておりますが、その点につきまして、われわれといたしましては十分な受入れ態勢を整えたい、文部省に対しましても、そういう量的な機会均等の失われざるような措置を要望したいと考えて帰つたような次第であります。  昨日われわれ調査団一行が集まりまして、何らかの結論を出した方が、現地の今まで紛争をされて参つておりました中に、一つの終止符を打つきつかけになりはしないかというようなことを考えきて、寄り寄り相談いたしまして、ここに案文を持つて参つたような次第でございます。願わくは各委員の方々もごの要望事項を御了承いただきたいと思います。案文を読んで見ます。  新潟大学の整備統合問題に関し、本委員会は委員を派遣し現地調査を行い、審議を重ねた結果、ここに次の諸点に関しその善処方を要望するものである。  一、新潟大学新発田分校の移転は学期途上においては不適当と思われるので、昭和二十八年三月下旬までこれを延期すること。  二、整備統合の受入態勢は、なお最善を尽す必要がある。従つて学生、父兄の要望をも勘案し、さらに万全を期するこど。  三、統合による父兄、学生に与える経済的負担に関しては教員充足にきわめて密接な関係を有する点にかんがみ、特にこれを軽減するよう措置し、その保障については、当分の間十分なる措置を講ずるごと。  四、なお本問題については関係者の間に意思の疎通を欠き紛糾を招いた点遺憾であるから、今後の処理については、教育問題だけに、十分の配慮をもつて臨まれたきこと。  右決議する。  以上であります。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 ただいまの結論は、視察の結果、調査の結果、むしろ統合はすべきものと認められての結論か。それとも諸般の事情からやむを得ないだろうというようなところからの結論か。どつちですか。

坂田道太自由党

○坂田(道)委員 統合をすべきとまでは申しませんけれども、現在もう統合という線が出ておるのでございますので、非常なる支障がない限りは、これを認めざるを得ない、こういうふうに考えておる次第であります。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 委員長にちよつとお伺いしたいのですが、参議院の調査団の結論はどういうふうなことですか。ちよつと参考までにお聞きしたい。委員長が御存じなければ、どなたかから……。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 参議院の文部委員会におきまして、三好委員からの現地調査の報告がございました。その際の大体の結論といたしまして二点ございました。第一点は、双方相当感情的になつておるから冷却期間を置くことが適当であるというのが一点。第二点は、受入態勢の整備につきましては、なお国の予算をもつて十全を期する必要があるという二点をお話くださいました。ただし衆議院の文部委員会においても現地調査に行く予定であるから、その結論を待つて参議院の文部委員会としては決定したい、以上のような報告がございました。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 ただいまの松本委員の質問に対して坂田委員の方から答弁がありましたが、その点は、坂田委員の方から最初に述べられましたように、本問題に関して、明確に統合すべきであるという前提において、この決議要望の調査団の決定を見たわけではないのでありまして、これはたびたび本委員会においても意見が述べられておりましたように、大学の統合という基本的問題については、内容充実、すなわち新制大学の性格から見て、現行の四年制度を中核とした設備充実をはかるということは一応の線でありますけれども、しかしながら従来大学の統合の問題に関しましても、それぞれ個々について審議し決定をして行くという取扱い方をされている点にも見られますように、全部これを統合してしまうのだという明確な結論は、これはいまだ文部当局においても持つておらないように私は看取しておるわけであります。そういう点から、特に今後の問題については、理想の方向のみならず、具体的に統合するという場合には、やはり現地の事情その他諸般の事情を勘案して、統合是であるか非であるかという結論を出して行くのが問題の取扱い方である、こういうふうに私は考えておるわけであります。従つて当然この新潟問題についても、理想の方向と、いま一つは、地方の教育センターという立場及び教育予算その他経済的な諸問題等、これらを勘案した場合には、明確に是であるという結論に至るには、まだ相当の検討を要する問題があると思うのであります。ただしかしこの問題は、相当日数を経過いたしまして、教育問題のみならず、他の問題にも波及しておる現状にかんがみ、特に当委員会が取上げまして、何とか教育的な方向も生かし、また一つには地方の紛糾している状態にも善処するような示唆を与えるという現実的な面に立脚をいたしまして、諸般の情勢上やむを得ずここにかよう取扱い方をわれわれとしてはとつて来た。この点につきましては、考え方に若干の相違はあろうかと思うのでありますが、明確に統合を前提にしてかような結論をきめたということではないということを付言いたしておきたいと思います。

伊藤郷一自由党

○伊藤委員長 ただいま坂田委員より本問題に関する要望がありましたが、この要望を文部委員会として決議するに御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伊藤郷一自由党

○伊藤委員長 御異議なしと認めます。よつてさように決しました。  なお要望の条文整理については、委員長に御一任願います。なお本要望はこれを議長に提出して文部大臣あてに参考送付いたしたいと存じます。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 この際取扱い方として、特に本問題につきましては、一応決議要望という形で文部大臣に手交するわけでありまするが、これらの内容の点については、ただいま発表されたばかりでありまして、おそらくこれに対して文部当局の御意見もおありだと思いまするし、われわれもこの内容の点について文部当局に疑問があればお答えもし、具体的な要望をして、明確に本問題に対する見解を出しておいていただいた方がいいかと思いまするので、その点をとりはからつていただきたい。もし手交いたしまして後日これに対して文部当局の方からの見解が発表される機会がありまするならば、その際でもけつこうでありまするが、そういうふうな爾後の取扱いをここでおきめを願いたい。

伊藤郷一自由党

○伊藤委員長 文部大臣は閣議がありまして、現在ベースの問題で大臣室で懇談中で、終れば来ると申しておりますが、まだお見えになりません。

廣瀬與兵衞自由党文部政務次官

○廣瀬政府委員 決議をちようだいいたしまして、帰りましてよく協議いたしまして、皆さんの御希望に沿うようにいたしたいと、こう存じております。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 その点は今政務次官のお答えがありましたが、あらためての機会に当委員会においてこの手交に対して態度の発表をいただけるのでありまするか、それともただいまの答弁でもつて打切るということでありますか、そこはどうでありますか。

廣瀬與兵衞自由党文部政務次官

○廣瀬政府委員 決定いたしましたならば、この委員会に御報告申し上げます。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 それは御協議をいただいて決定して報告いただくということも一つの筋でありまするが、やはりわれわれここまで努力をいたしました問題でありますので、それを受けて大臣からこれに対する所信のほどをやはり明確に承つておいた方が、今後の問題の解決にもいいのではないかと思いまするので、そういうふうにおとりはからいを願いたい。なおそのあとで大臣の所信に対し文部当局は協議されて、具体的の方法を立てられたらまた後の機会にでも伺いたいと思います。

伊藤郷一自由党

○伊藤委員長 大臣がお見えになるまで暫時休憩いたします。     午後零時三分休憩      ————◇—————     午後零時十八分開議

伊藤郷一自由党

○伊藤委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  ただいま新発田分校の問題につきまして、派遣委員団の要望を文部委員会といたしまして決議したのでございますが、これについて文部大臣から発言を求められております。これを許します。岡野文部大臣。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 先ほど本委員会で新発田の問題について御決議があつたようでございます。われわれといたしましても、皆様方の御意思をよく尊重いたしまして、十分検討の上善処いたしたいと存じます。ただ、問題は、御承知の通りにすでに半ばそのことが実行に移されておるときでございますから、私といたしましては、やはり統合することはむだがなくなつていい、こう思います。しかしながら、期間その他につきましては、十分われわれの方で検討の上適当にいたしたいと考えておりますから、御了承願います。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 ただいま大臣の決議案に対する御所信を表明されたわけでありますが、今お話になりました御要望にこたえるということは、本問題がいろいろ御承知のいきさつがありますので、われわれとしては、少くとも決議案を出した以上、今後の取扱い方につきましては、その線に従つて協力をするという立場以上には出ないのではないかという点からも考えまして、最終の結論として、この実行方につきましては、特に大臣に強く要請をするという形で出したものでございます。今後どのように文部当局が取扱われるかということについては、非常に私どもとしては関心を持つております。そういう立場から、少しく大臣の御見解を具体的に承りたい、かように思うのであります。ただいま最後に申された統合の時期その他の点につきましては、一応諸般の情勢から勘案いたしまして、三月下旬まで延期することが妥当であるというわれわれ調査団の結論に対して、いかにお考えになつているか、その点を第一点に承りたい。次に校舎、寄宿舎その他の受入れ態勢につきましては、現地を見ました立場から、教室を見ましても、これでもつて統合して内容が充実したというふうには必ずしも簡単に受取れないような状況下にもありまするし、なおかつ寄宿舎は相当量手がまわつておりますけれども、炊事施設その他の点、あるいは現在修理されている以外のものにつきましても、建物自体が相当将来にわたつて修復をして行かなければならぬ箇所のあることを私どもは発見しましたし、また環境からいたしましても、樹木一本もないような、教育的な環境としては——これは学校当局が相当努力をいたしまするならば、そうした点については経費を要せずとも改善する道があることも考えられましたか、そういうことについて多少の経費の支出と、なお今私が簡単に申しましたような点において改善を要する点が相当あると思うから、われわれはその改善を要望しているわけでありますが、これらの点に対する具体的措置は、もちろん今後よく研究せられることと思いますが、そうした点についておやりになるお心組みがおありであるかどうか、この点が第二点であります。  第三といたしましては、やはり要望書にありまするように、特にこの問題についての現地の反対、純粋な教育的見地において反対されている当該父兄の方々の意見というものを、私どもとしては重視しなければならない。その最も尤たるものは、何と申しましても統合することによつて進学が非常に困難になる、従つて教員を充足するに困つて来る、これではせつかくその地方の教育センターなりあるいは文化センター、あるいは将来の子弟の教育のために非常に大きな力になつた学校の姿が、何ら地方には裨益して来ない、こういうことではまことに困る、これを満たすためには、本質的にはやはり尊重することにいたさなければならぬと思います。しかしこれは一面別な反対意見もありまする点から、何とかかりに移転をして統合いたしましたとしても、その統合しましたことによつて、今申しましたような教員充足に支障を来したり、あるいは教員充足の支障を来す原因となり、入学志願者が減つたりするというようなことのないような措置を極力しなければならぬ。こういう点を考えますと、その点に対する経費の補償を、これを移転した場合といえども、実害をこうむらない程度に与える必要がある。こういう点については、私は文部当局の責任のみならず、関係当局全体の責任であると思うのでありまするが、そうした点については、文部当局としては関係当局と協議の上、できる限り推進せられるお心組みがあるかどうかお尋ねをいたしたいのであります。以上三点について大臣の御所見を承りたい。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 お答え申し上げます。第一点につきまして、三月末まで猶予しろというような御要望のようでございます。むろん先ほど申し上げましたように、文部当局といたしましても、文部当局がもし適当な措置をいたしまするについては、自分自身で確信を持たなければできませんことですから、十分検討いたします。しかし先ほど概括的に申し上げましたように、皆様方の御要望は十分尊重してこれを検討する、こういうことであります。  第二点の受入れ態勢の問題でございますが、これはもう一度人でも出張させまして、はたしてどういうようになつておるか、皆様方の御見解と一致するかどうかということも検討しなければならない。おそらく皆様方の御見解に一致することとは思いますけれども、しかしやはり自主的に判断を下さんければなりませんから、いま少しその御猶予だけはいただきたいと思います。  また第三点につきましても、これは県とか市とかいうものとよく懇談しまして、そうして十分御要望にこたえたいと考えておりますから、御了承を願います。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 一点だけ。一番最後の、個人的な経費の負担の面に対する補償でありますが、特に要望書の中に「当分の間」と入れました趣意は、これは私が先ほど強調いたしました教員充足に支障なからしむるためということを前提にいたしまして、そのためには、ただ現在在学している者に対する経費の補償のみをもつてしてはそのことは十分に目的が達せられない。今在学しておる者だけということになりますると、今後入学する者については、勢いそうした面の補償が全然なくなり、これでは存置されたる場合と、ない場合とにおいては、その志願状況が非常に異なつて来る、こういう点を最大限考慮いたしまして、ここに「当分の間」という言葉をもつて表現いたしておりまするので、その点はよく御勘案の上——現地において打切つても、その点についての状況の変化はないという結論が得られました場合には別問題でありまするが、私どもの調査の範囲によりますと、その点きわめて重要の点でございまするので、調査にあたられては特段の御配慮をもつて、さらに御検討を願いたいということを付言いたしたいと思います。

坂田道太自由党

○坂田(道)委員 新発田問題につきましては、大体お話も尽きたように思いまするから、本日はこれにて散会せられんことを望みます。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 文部大臣、なかなかおいでにならないのがせつかくおいでになりましたので、伺つておきたいと思います。今一番緊急の問題は、地方公務員の給与の問題でございますが、この点について今参議院でもいろいろやつておられ、閣議でもけさ決定があつたということを承つておりまするが、地方公務員の三分の二以上は教職員でございますので、やはり文部関係に重要な点がございますから、その点についてどういう状態になつておりますか、承りたいと思います。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 お答え申し上げます。正式の速記のついた委員会であまり私がしやべり過ぎますと、できることもできなくなりますから、もう一日御猶予を願いたい。私といたしましては、御趣旨のことはよくのみ込んでおりますので、その方向に向つて渾身の努力を尽して閣議をまとめつつありますから、どうぞもう一日御猶予を願いたいと思います。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 ただいま大臣の御決意のあるお言葉をいただきましたので、これを御信用申し上げて待つことにいたしますが、ただ先般補正予算について大臣にいろいろ御質問いたしたいという際に、大臣は、老朽校舎その他についても、ただいま閣議に出ていて、そこでがんばらなければならぬから委員会には出られないというので、われわれもそれを努力してもらうということで了承したわけであります。ところがその予算はやはり何ら、大臣の努力があつたか——あつたと思いますが、結果が現われなかつたのであります。従いまして、過去は問いませんが、今度の問題はこれは全国六十万の教職員に関する問題でありますから、その点は十分効果があつて、その効果を委員会に発表していただくように御努力あらんことをお願いいたします。

伊藤郷一自由党

○伊藤委員長 本日はこれにて散会いたします。     午後零時三十分散会

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