P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
15回国会衆議院1952/12/04

文部委員会 第4号

発言数
204
登壇者
14
会派数
5
開催日
1952/12/04

会議録

伊藤郷一自由党

○伊藤委員長 これより会議を開きます。  田中委員から、文部行政に関連して緊急質問の申出があります。これを先に許可するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伊藤郷一自由党

○伊藤委員長 御異議なしと認めます。それでは田中君に発言を許可いたします。田中委員。

田中久雄改進党

○田中(久)委員 文部大臣に、数点ついてお伺いいたします。新潟大学の新発田分校を廃止するということを学校当局が言明したことにつきまして、地元では父兄学生その他が非常に心配をして、かなり長い間もんでおつたようでありますが、最近学校をほとんど強制的に統合するということになつて参つたというので、先般来も母親を含む約四十名余りの人が陳情に参りまして、いろいろ聞いてみると、かなりこれには無理があるように思われる。この点についてお伺いをするわけでありまするが、この分校を本校に統合するということは、文部省が命令をしておるのである。文部省の基本方針であつて、命令であるから、国策であるからこれに従うのだ、こういうことを学長は申しておるようでありますが、本省の方へ来ると、大学の自治によることで、こちらではさようなことを言つたことはない、こういうことだそうであります。この点について文部省としてはどちらがほんとうなのか、まずこれからお聞きしたいと思います。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 お答え申し上げます。この新発田の分校を新潟の本校の方に統合するということは、これはもともと大学設置審議会で、国立大学統合整備方針というものに基きまして決定をし、同時に新潟大学の方で、それがいいということで評議会にかけ、そうしてこれを決定したわけでございまして、御承知の通りに今の文部大臣は、大学に対して命令をするという権限は持つていないのでございます。でございまして、みな審議会にかけ、大学の自治を許しておる。大学はこうしたい、こういうことになりますれば、これは国家全体の大局から見まして、もし非常に不都合があるということになれば、もう一度考え直してもらうという程度に文部大臣は言い得るわけでございますが、これをああせいこうせいということはない。非常な支障のない限りは、自治の問題で許しておるわけでございます。  そこで新発田の問題は、御承知の通りに二十六年の六月にその方針をきめまして、いよいよこれを本校に統合したい、こういうことでやつて来たのでございます。それはもともと新発田は連隊跡でございまして、施設なんかも学校にあまり向かぬというようなこともあつたのでございましよう。それで結局統合することになりました。そういようないきさつからもすでに方針もきめ、また向うが要求しました予算に対しても予算措置をしまして、ことしの六月ころに移転するはずでございましたけれども、それが十分準備ができませんで、ほぼ準備が今整いましたので、この十一月八日に大学の評議会で全会一致で十一月末に移転しよう、こういうことにきまつてやつておるわけでございます。ただいまお説のようなことはあるいは誤解じやないか、こう思つております。ただ問題はいろいろそういうことをいたしますと、あちらこちらで支障が起りまして、迷惑、不便がかかる点は多々あつて、いろいろな問題がただいま起きておるのだろう、こう思います。

田中久雄改進党

○田中(久)委員 大学の教育学部の前期よいうのは新潟県では三箇所にわかれている、二箇年の課程を終えると、後期の方だけが新潟大学の本校の方にある。三箇所にあるものを特に新発田だけ統合しようというのが今回の計画のようであります。ところが大学の自治で、文部省は審議会にまかしておるのだからということでありますが、必要ならば三箇所とも統合するのが筋に合うと思います。この点について特に何か大学から、新発田だけを統合しなければならぬという理由について申し上げられましたかどうか。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 その辺の事情は私は、まだよく存じておりませんが、新発田が設備として非常に不十分であるという点から、新発田がまず第一に統合の目標になつたことと思います。しかしその辺のいきさつは私は就任早々でございましてよく存じませんから、事務当局がもし知つておりまするならばお答えさせます。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 御説のように、分校は原則としてこれを統合して、一つの大学に設備を充実するということが理想でございます。大学設置審議会の第九特別委員会の整備方針もさようになつております。しかしながら地域が非常に広大な場所、たとえば北海道というようなところにおきましては、ある程度分校の存置を認めるということが例外となつております。ただいまの新潟の分校でございますが、これは高田と長岡、新発田にございましたものを、これを新潟に統合する。その場合に高田と長岡は分校を存置する。新発田は新潟に統合する。それに対しましてなぜ高田と長岡を残して、新発田を統合するのかという御意見がございました。新発田につきましては、ただいま大臣の御説明がございましたように、旧十六連隊の跡でございまして、また建物が非常にいたんでおります。設備内容等非常に他の分校に比較いたしまして劣勢でありますことは事実であります。それから新発田は元来が青年師範でございまして、他の高田、長岡と趣を異にしております。高田、長岡はそれぞれ師範学校の跡でございまして、新発田とは全然違つている。この元の青年師範学校を原則として統合するということが、大学設置審議会の第九特別委員会の方針になつていて、新発田を新潟に統合するという線が出て参つたのであります。  それから新発田の問題につきましてはこういう意見がございます。それは新潟は御承知の通り上越、中越、下越とわかれておりますので、それぞれ一つずつ分校がありますが、通学距離にいたしましても、時間にいたしまして、新発田と新潟とはただいま汽車で一時間二十分、バスで五十分、これは近い将来白新線ができますれば、わずか四十分内外で新潟と交通ができるというような地理的便利もございまして、下越地区は分校を新発田に必ずしも置いておかなければならないという理由はないというふうに考えまして、新発田分校は新潟に統合するという決定がなされたのでございます。

田中久雄改進党

○田中(久)委員 距離や通学の時間の上から割合に便利であるからというお説は、ちよつと伺いますとそのように聞えますけれども、いろいろ実情について調べてみますると、新発田であれば、自転車であるとかあるいはバスであるとかで奥地の者が通える。汽車でも通える。しかしながら新潟に統合せられると通えないという。全部が新発田の子弟ではないのでありまして、新発田を中心として新発田へ通学しておる学生でありますから、これが新潟へかわることによつて、何でもないように見えますが、事実はよほどその趣が違うように聞いております。施設がまた非常に古くて悪いということだそうでありますが、現在使えないというほどのことでもないようでありまして、にわかに、しかも学年の半ばにおいて急急遽移転を必要とする理由がどこにあるか。今ここに入つておれば校舎の倒壊の危険があるとか何とかいうのであれば別でありますが、かりに来年の学年末まで置いても別に危険がないのに、そうしてまだ新しい校舎ができていないのに——今できかけておるとかいうお話でありますが、いろんな無理をしてやらなければならぬ理由がどこにあるか、この点ひとつお伺いしたい。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 先ほど大臣よりお答えがございましたように、大学の評議会におきまして、全会一致をもちましておおむね十一月末を期して統合を実施するという決定がなされたということであります。さような決定が文部当局の方にも参つております。その決定の理由を考えてみまするのに、受入れ態勢がほぼ完了したのでさような決定がなされたものと考えられるのでございます。また現地の方からの報告もさようになつております。問題はことしの六月から移転の期日の話が出て参りまして、その後国会の方でも現地を視察されることになりまして、受入れ態勢がまだ不十分であるというお話もございまして、国会の決議の線に沿いまして、現地といたしましては受入れ態勢に万全を期したものと考えられるのであります。  ただいままでの受入れ態勢の概略について申し上げますと、教育学部の教室約三百坪、経費が約一千万円、これがほぼ完成いたしました。また現在農学部の教室が、当初四学科を目標としてつくりましたものでございますが、ただいまは二学科しかございませんので、そこのところに余裕が約三百五十坪ございますので、これを合せましてほぼ教室といたしましては受入れ態勢は整備された。それから寄宿舎でございますが、この点につきましては、ただいま教育学部の寄宿舎を約二百五十万円の予算をもちまして改造いたしておりますので、これもほぼでき上る。また女子の寄宿舎、これもでき上る。寄宿舎の点につきましては御懸念の点はないかと思います。寄宿舎に収容する学生は、ただいま現員が三百七十一名でございます。そのうち寄宿舎に入ることを希望するものが百五十四名ございますので、これを目標にいたしまして準備したのでございます。また女子の方は、現在三十二名寄宿舎に入らなければならぬという者がありますので、この三十二名を目標にいたしまして寮を整備いたしております。それから教官の宿舎及び教官の赴任旅費等につきましても、予算的措置を講じ、また現地に建物を物色いたしております。この面につきましては全然心配はいらないわけでございます。また新発田市から通勤なさる先生に対しましても、いわゆる通勤旅費の点について考慮するということで、大学でできませんことは県並びに市の御協力を得まして、受入れ態勢はほぼ万全になつておると承知いたしておるのであります。従いましてこの十一月末を目標にいたしまして移転決定をしたのだろうと考えますが、もはや十一月も過ぎまして十二月になりましたが、おそらくは十二月中には移転がなされるのではないか、かように考えております。

田中久雄改進党

○田中(久)委員 文部次官に伺いますが、新発田分校は大蔵省から借りておるわけですか。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 ただいまの建物は大蔵省の国有財産になつております。それを無償で借用しておるわけでございます。

田中久雄改進党

○田中(久)委員 これには期限がありますか、無期限でありますか。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 一時使用でございますので、その期限の点は今はつきりいたしておりませんが、おそらく期限があるかと思つております。

田中久雄改進党

○田中(久)委員 この建物を明け渡すことについて、相当督促があるやに聞いておりますが、大蔵省から相当督促が文部省に来ておりますか。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 大蔵省の督促ということになりますと、私まださようなことは聞いておりませんので、なおもどりまして係の者からよく話を伺つてみたいと思います。

田中久雄改進党

○田中(久)委員 この点はきわめて重大な問題でありまして、私どもの聞いておりますところによりますと、真偽はわかりませんが、学校が統合せられたあとに保安隊が入ることになつておる。しかも保安隊が入ることはきわめて緊急を要するので、これを出したい、これが国策だというふうに地元では宣伝をせられておるようであります。いろいろ事情を伺いますと、一応ごもつともな節もありますけれども、私は独立後の日本の非常に重大な問題は、教育問題であろうと思いますが、治安に名をかりて保安隊が入ろうと思えば、教育も犠牲にすることができるというようなことにもしなるならば、私は日本はきわめて危険なところへ来ておると考えるのであります。将来全国にこういう問題がしばしば起ると思うのでありますが、こういうことについて、文部大臣としては職を賭してもこれを守らなければ、単に学校の統合であるとか、あるいは場所をかえるとかいう程度でなくして、教育の内容にまで立ち至つて来るときが近くあるのではないかと思います。そこで事は単なる校舎の移転であるとか、大学の統合でなくして、独立後の最重要な問題でありますところの教育が破壊せらるる危険に来ておる、かように思いますので、実はこの問題を非常に重要に取り上げて来ておるわけであります。この点につきまして、そういうことはあるいは事前にはないのかもしれませんか、少くとも統合後において、三月なり半年の後にただちに保安隊が入つたということになれば、これは地元の人人の思想上に及ぼす影響もきわめて大きなものがあると考えます。また単にこれは新潟県の問題でなしに、全国的に見まして、保安隊の出て行くところ、こういう重要な青少年の教育も犠牲にせられるというような感を全国民に与えると思います。私はこの意味におきまして、もしさようなことがあるのならば、これは当然地元の声に聞かれて、地元のごく少数の市長だとか、何だとかいう連中でなくして、この学校に子供を預ける者、あるいは学生自身、最も教育に真剣な者たちの声をお聞きになつて、文部省が先頭に立つて守られる責任があると考えますが、この点について大臣の御所信を伺いたいのであります。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 お説しごくごもつともと存じます。と申しますことは、過去軍国主義の時代に、軍部の必要のためにはあらゆるものを犠牲にしてとつておつた、こういうことがございます。その印象がわれわれにまだ抜けておりませんですから、また保安隊とかなんとかいうような、ただいま再軍備問題ではたいへん問題が起きておるときでございますから、いろいろ人心にいらぬ刺激を与える、こう思います。ところがこの問題に関する限りは、私の承知いたしております範囲内では、これはもともと大学の整備統合方針から出まして、そして新発田の分校を新潟大学の本校の方に統合した方が、教育上非常に有利であるという立場からきめたもののように聞いております。またそのきまつたのも、先ほど申し上げましたように、二十六年の六月ごろのことでございます。ただ問題は、保安隊が三万五千が七万幾らになるというようなことがありまして、そしていろいろあちらこちらへ置かなければならぬという必要が生じましたものですから、もし明くならば——またもとの軍施設でございますから、まず第一番に目をつけるのも無理はないと思います。私は、今度あそこがたまたま明くということになつて、保安隊が譲つてくれぬかという話が出たものと思います。しかし保安隊に関する限りは、実は私局外者ですからよく存じませんが、まあ簡単に申しますれば、ちようど保安隊というものと大学の移転というものとが、時期が一致したものですから、いろいろ問題が起るのだろうと思います。私どもといたしましては、文教施設はお説の通り一番大事なものでありますから、将来、保安隊が入るために学校を明けるとかなんとかいうことはむろん承知しませんし、文教政策のために敢然としてその施設を守ることは、これはお誓いしてよろしいと思います。

田中久雄改進党

○田中(久)委員 きわめて重要な点でありまして、この点についてはいくらか遺憾な点がありますけれども、これは後日に留保をいたします。なお同僚諸君からも引続き新発田問題について御質問があるようですから、一応私の質問を打切ります。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 先ほど局長から、大体受入れの方の整備はできておると承知しておるというお話がございましたが、昨年問題になつたとき、非常に不十分な状態でこれを強行されようとしておるということがここで問題になつて、その後準備ができたという御見解のようですが、実際に地元の方々からは、受入れ必ずしも十分ならずという声が非常に多いわけであります。そういう点についてどれだけの調査をされたか、現地に行かれてそういう声を直接聞かれたことがあるのか、視察はいつごろされたか、そういう点ひとつ御説明願いたいと思います。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 受入れ態勢がほぼ整備されたということにつきましては、現地からの報告によりまして承知いたしております。また現地から会計課長あるいは分校主事等が見えまして、直接話を伺いまして、ほぼ受入れ態勢が整備されたということを承知したのでございます。現地にはまだ調査には参つておりませんが、現地からのお話によつて承知した次第でございます。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 昨年からこれだけの問題になつておるものを、ただ現地の報告だけで受入れ態勢十分だとおつしやられることは、これは非常に手ぬかりだと思います。いやしくもあれほどの問題になつておるものを——それではどれだけの整備ができているか、文部当局は、責任者が現地に行つて、いろいろな声を聞くというところまでの懇切な態度がほしいと思う。  そこで私は文部大臣にお伺いしたいのですが、先ほどの御答弁によりますと、あくまで教育上の統合の原則によつてやるんだ、こういうお話でしたが、これは原則から言えば——あるいは現在の場合そういうことが言えるかもしれませんけれども、今度原則を適用する場合には、やはりその土地の地理的な条件あるいは受入れ態勢というようなものを十分考えて、そうして慎重に、これならよろしいということになつて初めて審議会で決定したものがそのまま行われるのでなければならぬと思う。そこで現在のような状態で——われわれとしてももう少しよく検討しなければなりませんが、受入れ態勢も不十分だ、地理的にもまだ、先ほどの局長のお話でも、将来交通機関も整備されるというようなお話で、現在はまた局長の見解でも必ずしも十分ではないし、地元の声を聞いても、必ずしも新発田だけから新潟に行くわけのものでもないし、いろいろな点に無理があるように私どもには思える。そういうところで、今すぐ原則を実行することが困難だということになつた場合、審議会等に対して再検討を要望される御意思があるかどうか、その点をお伺いいたします。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 なるほど現地からの報告というものを尊重しましてわれわれの意見をきめたのでございますが、しかしいろいろ問題が起きておりますでしようから、現地にひとつ職員を派遣してみたいと思います。ことに参議院の文部委員会の方ですか、現地視察をさるるというお話がございますから、その場合御一緒にお供しまして、そうして研究させたいと思います。ただ御承知おきを願いたいことは、文部大臣といたしましては、むろん勧告なり忠告なりいたしますけれども、大学でそういう方針をきめて、そうしてこれに方向づけて行くということになりますれば、先ほども申し上げましたように、よほどのことがない以上は、これをとりとめるというようなことはいたしかねる立場におることを御了承願いたいと思います。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 そこでわれわれから要望したい点は、大臣のお気持としては、大学当局がそういうふうなことを決定した場合には、自分の方からこれを変更することは困難なことになるという御答弁ですけれども、今日のような状態の場合に、大学がきめるまでに至る過程が非常に重要だと思います。いろいろな要素が入つて来る現在、先ほどの御答弁にもありましたように、これは偶然の一致だ、保安隊があとに入るというのは偶然の一致だと言われますけれども、その間にいろいろな疑惑も生ずるし、必ずしも偶然の一致でないという見解もあり得るし、そういう状態のときには、大学がきめたからという形式的なことでなしに、きめるまでの過程についても、教育行政を担当されるものとしては十分慎重に検討される必要があろうと思います。特に衆議院では先般、教育施設で接収されておるものは優先的に解除すること、並びに学校施設が警察予備隊その他のものに使われることは、これを極力排除するというような決議までなされておる。そういう趣旨から考えても、特にこの点は慎重にその決定までの間を考えていただきたいということを要望すると同時に、一つお伺いしておきたいのは、十三回国会できめた接収の解除の問題で、その後どれだけの御努力をされておるか、また新しい大臣としての今後の方針を承つておきたいと思います。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 それではただいまの接収校舎の解除の経過につきまして、御報告申し上げます……。     〔「大臣が先に答弁しろ」と呼ぶ者あり〕

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 大臣が急がれるなら、大臣に今後の方針について伺つて、それから今までの経過について伺いたい。

伊藤郷一自由党

○伊藤委員長 大臣が予算委員会に出ておりましたのを、予算委員長に無理にお願いして来ていただきましたので、じきに退席しなければならないのであります。ですから大臣に直接関係のある点を……。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 先ほど田中委員に申し上げましたように、教育というものは日本の国家として一番大事なものであろうと思う。その教育優先の意味におきまして、すべてのことを私自身といたしましてはやつて行きたいと思います。でございますから、ただいままでに教育施設が接収されておりますのを、その後どういう経過並びに努力によつて、どういう結果になつているかということは、私まだよく存じませんから、事務当局をもつて御答弁させます。けれども、私自身の考えといたしましては、接収されているところの学校の建物というものは、できるだけ早くこれをとりもどして、そうして教育を確立いたしたい、こういう決心を持つております。御了承願いたいと思います。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 この接収の問題の経過はあとで御報告願うとして、この新潟の新発田分校の問題を、ひとつ衆議院の方でも調査団を派遣するように諮つていただきたいと思います。

伊藤郷一自由党

○伊藤委員長 あとでお諮りいたします。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 たくさん聞かなければ——この新潟大学だけではないのですが、一点だけ確かめておきたい。というのは、ただいまこの委員会において文部省側の答弁を聞きますと、まことに形式的、ごもつともらしい答弁であるのであります。しかしながらわれわれが承知するところは、それと反対なことを承知いたしておるのであります。そのことを一々申し上げる時間がありませんが、一番重要な点は、ここにわれわれ文部委員会としてこれを調査するにあたりまして、ただいま大臣は文部省からも視察をする、こういう話でありました。この視察の目的は、単なるつき合いとか、形式的の視察であつては断じてならないものであります。ことに大臣の答弁に対してわれわれが非常に不満な点は、この大学が新潟に統合されて、そのあとに保安隊が入ることになつておる。このことは昨年来のわれわれの重要なる問題であつて、この新発田分校の統合は、保安隊がこれを使いたいから、文部省に要求して、そうして新潟大学に統合して、それに文部省が屈服しておる。こういうことを承知しておるのであります。しかるに今の大臣の答弁によると、統合が計画された。従つてこれが新潟に移る。たまたま保安隊がここ集るのだ。こういう話である。いやしくも教育の大本をつかさどる大臣は、この保安隊が来る点について、たまたま明くから、そのあき家に向つて引越すというような考えでなくて、もつと調査をしてやらなければならない。しかるに今の答弁を聞くと、何ら調査をしていない。報告を聞いただけだ。大学の学長やある一部の者のためにせんとするところの報告かもわからないと、われわれは危惧の念を持つような次第であります。従つてわれわれは、ここにこの委員会が新発田分校の視察をするということは、日本の教育の根本からいたしまして、しかもまた日本の教育が保安隊といういわゆる軍閥から放逐されるのじやないかというような、非常なる危険を感じておる。この一つの問題の現われとも見られるのでありまして、もしも調査の結果、かような事態が出ましたならば、文部省並びにわれわれ教育の任に当る者は、断固としてこれを排撃してやらなければならない重要な任務を持つておると思うのであります。従つて大臣にお聞きしたいことは、ここに参議院の委員会も調査をするし、われわれ文部委員会も調査し、さらに文部省も視察をここにされまするならば、この視察が、文部省が期待しておる当面の問題を完遂するための視察でなくして、真に教育の根本から考えまして、しこうしてこの新発田分校の問題がたまたま偶然の問題でなくして、保安隊の問題でここに統合の問題が起きておる、この点を根本的に考えてやらなければならないと思う。従つてその視察、調査の方法も、その意味において重要なるものであり、またその結果においては、文部省としては重大なる決意をもつてこの処置に当らなければならぬと思うのであります。従つて単なる視察でなくて、今申し上げたような強い信念を持つて、われわれの委員会がもしも調査することになりましたならば、大臣は文部省の責任として、この視察に参加して、この問題を地元の要望にもこたえるべきしつかりした考えをもつてやられるかどうか、その所信を一言お伺いしておきたいと思います。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 お答え申し上げます。お説の通りに、参議院の文部委員会、並びに今日御提議になりましたように、衆議院の文部委員会が御調査になり、それからまたわれわれの方といたしましてもさようなことをさせます。しかし調査というものは、初めから目的を定めて、こうしようと思つて、それに必要な材料を集めに行くのは、これは調査でなくて、公平なる立場で、どつちがいいかというようなことを御判断なさるためにおいでになる調査だと、私は心得ております。でございますから、その調査の結果が現われました上で、とにかく文部省といたしましては十分善処いたしたい、こう考えております。

伊藤郷一自由党

○伊藤委員長 文部大臣は衆議院の予算委員会に急ぎますので、一応退席いたします。またあとでお見えになるそうですから……。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 さつきの局長の答弁を……。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 接収教育施設の状況につきまして、御報告申し上げます。昭和二十七年十月十五日現在で、被接収教育施設のうち解除になつたものは、学校が十九校ございます。図書館等の社会教育施設が十四、従つて未解除のままでまだ残つておりますものは、学校二十九校、社会教育施設が十でございます。その未解除のまま残つております学校二十九校のうち、並びに社会教育施設の十のうち、去る七月二十六日の日米合同委員会におきまして、無期限使用と、一時使用の振りわけがなされたわけであります。そのうち無期限使用と決定いたされましたものが、学校が十一校、社会教育施設が二でございます。従いまして残りの分が一時使用ということになります。一時使用のものにつきましては、おそらく来春の三月末までには解除されるものと考えますが、なおできるだけ早急に解除していただくよう、外務省の方へ絶えず折衝をいたしております。それから返還の見込みのない無期限使用と決定されましたものにつきましては、これも外務省に対してすみやかなる解除を交渉いたしておりますが、これは向うの軍の要望がございますので、なかなか困難であろうかと考えますが、この点につきましても、われわれといたしましては折衝は絶えずいたしておる事情でございます。

井伊誠一日本社会党(右)

○井伊委員 大学設置審議会の第九特別委員会の答申に基いて文部省で決定した方針というものは、新発田分校に関係する限りにおいては新潟市にこれを吸収するということでございますか。そのほかに別な方針もあるのでありますか。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 大学設置審議会の第九特別委員会で決定いたしました決定書は、二十六年の六月に新潟大学長あて次官通牒をもつて行つておるわけでございます。その中に新発田分校は新潟市に統合するということがはつきりいたしております。

井伊誠一日本社会党(右)

○井伊委員 そのほかにはないのでありますか。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 そのほかに高田、長岡の点につきましては決定がなされております。

井伊誠一日本社会党(右)

○井伊委員 その方針が新潟大学長に通知がされておるのでありますが、その後に本年の五月十日になつてから、新発田分校が新潟大学に統合されるという方針に、なるべく早い機会にということをつけ加えて、すなわち新潟大学の新発田分校はなるべく早い機会に新潟市内に吸収する、こういう基本方針にはかわりはない。これは大学長の問合せに対して再確認をして通知をされた、こういうふうになつておるのであります。そのなるべく早い機会にということはいつきまつたのでありますか、これをお伺いしたい。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 時期的には私はつき記憶いたしておりませんが、なるべく早い機会にと申しますのは、これは第九特別委員会が整理統合方針をつくる趣旨からして、大学の整理統合を早くするということが初めからきまつておつた、かように考えます。従つて新潟の分校の統合問題につきましても、なるべく早くやるということは初めからかわりのない方針と考えます。

井伊誠一日本社会党(右)

○井伊委員 そうすると、先ほどのは統合方針の中になるべくすみやかにという意味が含まれておる、こういう御趣旨のように解されるのでありますが、しからばどういう場合にそれが実現をされるか。そこは文部省においては何らさしずをしない。さしずをする権限もない。これはもつぱら大学においてきめることだ。その時期の問題、いかなる場合が適当であるかという条件等の問題、そういうことは大学において決定するのであつて、文部省においてはこれはさしずはしないのだ、こういうふうになるのでありますか。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 統合の時期等につきましては、これは文部省といたしましてさしずする範囲外と考えます。もつばら現地の大学長の御判断におきましては、地元の方とのお話合い、あるいは府県市等とのお話合いによつてきまるものと考えます。しかしながら先ほど申しましたように、文部省の方針としてなるべくすみやかに統合するというようなことはずつと前からの考え方でございます。

井伊誠一日本社会党(右)

○井伊委員 そういうふうに、すなわち時期であるとか、条件であるとかいうことの判断は大学長にまかせられてあるというような場合に、このなるべくすみやかにという方針とも、また統合自体に対しても、地元において、大学において、全然これと反対の決議が出て来るような場合になりましたならば、文部省においてはこれを改めさせるというような力はないのでありますか。方針と違つたような結果を導いても、それは今の法規上どうもしようがないということになるのでありますか。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 先ほど大臣からも御答弁があつたと思いますが、大学の行政上及び管理上、文部省は法律に定めておる事項以外について指導監督はしてはならないということが、文部省設置法に規定されておりますので、先ほどの大臣の御答弁のように、文部省としては指揮監督いたすことは困難な実情にあるということであろうと私は考えます。ただいまのお話のように、地元が非常に反対しているといつた場合に、文部省はどういう態度に出るかということでありますが、これは事実問題といたしまして、学長に対して、こういう状況になつている、そういうことを十分考慮してもらいたいとお話することはできます。またさようなことはいたして参つております。

井伊誠一日本社会党(右)

○井伊委員 もしここに調査官を派遣して、そして実際今統合の時期であるかどうか、条件が備わつているかどうかというような問題について調査をいたしましても、それは大学長の決定なり、大学の評議委員会の決定というものがきまつているのであるから、文部省においてはこれに対して修正するとかいうようなことは結局できないことになるならば、これは調査をいたしましても、直接これに対して効力を及ぼすことができないという結果にもなりそうに思うのでありますが、そこはどういうことになるのでしようか。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 私はその点は御説の通りではないかと考えます。

井伊誠一日本社会党(右)

○井伊委員 御説の通りというのは、結局文部省においてどうすることもできない、こういう意味でありますか。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 大学の自治の方針によりまして大学の評議会が決定したということにつきましては、これは最も権威あることになりますので、文部省といたしましてそれに対して指揮監督はできない、かように私は考えております。

井伊誠一日本社会党(右)

○井伊委員 これは大臣がおられませんからちよつと無理かもしれませんけれども、非常に支障ない限りは文部省としてはこれに対して口を出すことはできない。そうするとその反面から言うならば、非常に支障のある場合においては文部省はやはり大学に対しても一つの権威を持つて監督指揮をすることができるもののように考えられるのですが、非常に支障のある場合というのはどういう余地をお考えになつておるのでしようか。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 なかなかむずかしい問題でありまして、今私ここで簡単にお答えいたしかねます。非常に支障があるという場合の意味でございますが、それがやはり具体的にその事態を考えませんとはつきりした判断をいたすことは困難だと考えます。

井伊誠一日本社会党(右)

○井伊委員 私の聞き方が間違つたのだと考えます。とにかく先ほどの答えは、文部省の方では何ら大学に対して指導をしたり指揮をしたり命令をしたりする何はない、こういうふうに聞えるのでありますけれども、そうすれば大臣の先ほどの、非常に支障のない限りという例外が出て来ないはずだと思うのですが、例外があり得るというふうにお考えになりますか。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 大臣はどのようなお考えをもつてお答えになりましたか、はなはだ了解に苦しむのでございますが、非常に支障のある場合においては、文部当局が現地の大学に対して指示ができるという意味と私も考えます。しからばその非常の支障というのはどういう程度になりますか、そのことになりますと、やはりこれは個々のケースにつきまして判断する以外に方法はないのじやないか、かように考えます。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 今の点は非常に大事な点で、私ども調査団を派遣するのは、文部省がどういうお考えであろうと、国会としてはやらなければならぬと思うのですが、特に先ほど大臣の答弁で、審議会できめて、それに基いて今度は大学できめるのだ、しかしどうしても全般的に見て、それが不当だと見た場合には再考慮を要求する、こういうお話だつたのです。そうなれば非常にわれわれとしてもスムーズに事を運ぶ見通しが立つわけですが、何か局長の答弁だと、それも不可能なように聞えるのです。なるほど法規上は権限はないでしよう。しかし大臣の答弁によれば、全般的に見て、不当な場合には大学審議会に対しても再考慮を要求できる、こういうふうなお考えのようですが、そこのところははつきりしていただかないと困ると思うのです。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 実地調査いたしまして、そこから出て来ました結論によりまして、大学に対して事実上のアドヴアイスができると考えます。しかし最終的にはどうかと申しますと、これはやはり大学の自治、大学の意思を尊重しなくてはならないもの、かように考えます。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 管理局長にお伺いしたいのですが、今いろいろ局長の御答弁を聞いておりますと、大学の施設の問題についてはまつたく文部省は無関係であるというようなことに伺えるのです。そういたしますと、管理局長といたしましては、審議会において、さらに評議会において、移転が決定する、そうするとその移転について移転先の施設の問題がここに出て来る、その施設の問題について、これは大学にまかせるべきでなくて、やはり管理局長がその責任において、この施設の問題については——法律上の権限がなければ、協力をするとかあるいは先頭に立つてやるとか、こういうものでなければならぬと思うのであります。そこで一般の施設の問題については別の機会に譲りますが、新潟大学の問題で、新発田の分校が移転に決定しまして、設備が完了しておるかいないかの問題があるのでありますが、われわれはまだ受入れ態勢の施設ができていない、こういうふうに解しております。先般来局長の説明では、すでに宿舎も整つておる、こういうような御答弁があつたのであります。そういたしますと、やはり文部省としましては、この施設の面において、いかに移転が大学設置法並びに大学の評議員会で決定いたしましても、その決定が学生のために、また教育のためにこれが完全であるかどうか、しかも完全にさすべき任務はやはり文部省の管理局長としてあると思うのであります。そこでわれわれがここに調査をいたしまして、施設がまだ完備していないという結果になりましたならば、これはやはり管理局長としては率先して——応急にできなければ中止の措置をしなければならぬと思うのであります。われわれも視察して調査を独自でいたしますが、文部省も、先ほど大臣が言いましたように、視察をして善処するという答弁があつたのでありますが、かような場合におけるところの管理局長は、どういう考えを持つておられるか、ただ単におつき合いで視察をするだけであるか、もしもそれが不十分であつたならば、あるいは移転を延期するとか、また中止をするとか、そういう措置も考えられるのでありますが、そういう点について全然権限もあるいは意見も持たないのか。またわれわれの考えるところにおいては、かりに権限はなくても、強力なる意見を持ち出して、そしてこれを中止するか、延期するかという問題もここに起きると思うのでありますが、局長としてそれだけの責任と熱意を持つてやられるかどうかという点を私はまずお聞きしたい。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 お答えいたします。もちろん現地に調査に参りまして、受入れ態勢がきわめて不十分であるということでありますれば、帰りまして大臣に御報告いたしまして、大臣がその必要ありとお認めになりますれば、現地の大学に対しまして、ある種の指示がなされるものと考えます。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 ある種の指示と申されましたが、この問題については、文部当局が相当強力にこの移転を強行しておるという点があるわけなんです。そうしてすでに保安隊がそのあとに入るということがありまして、地方民の方々が非常に心配をし、また蒲原郡と申しますか、岩船郡と申しますか、この地域の方々の教育に対する大きな熱意と、子弟の教育についての非常な心配から、この移転問題の反対も起きておると思うのであります。そこで昨年来からこの問題が持出されまして、地元の陳情もあり、本委員会でも相当質問をしておつたわけでありまするが、ただ見過して来たというよりも、さらに事情を聞きますると、文部省が、表面は権限はないと言いながら、裏面においては移転を促進させるような気配が——証拠もあがつておるわけなんです。(笑声)かような点を考えますと、表面ただここに委員会で職務上のことをするだけでなく、やはりこの問題は真剣に考えなければならない。単に報告を聞いただけで、そうして今がやがや委員会や地元から言われて調査するくらいでは、少くとも文部省の管理局長としての職務は遂行できないのじやないかと思われる。そこである種の指示というのは、私はある種の指示の裏面に、移転促進の指示をして、警察予備隊を早く入れるというようなある種の指示をしておるのじやないか、そういうふうな疑念も持たれるのであります。そういう点もありますから、管理局長としては、もう昨年来の問題でもあるから、施設の点については十分な考え、心構えがあらねばならぬ。  従つて私は最後にここに聞いておきたいのは、大学設置審議会において、この新発田分校の問題が討議されました場合において、管理局長は委員として出られたか、あるいは委員としての資格がなかつたならば、オブザーヴアーとして出られたかどうか、その点が第一と、もう一つは、次官通牒をもつて決定した後において、この移転の問題についてどういう処置をとられたか、とられなかつたか、この二点についてお伺いしておきたいと思います。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 第一点の、大学設置審議会の第九特別委員会が設けられましたときは、昭和二十五年の十一月と記憶いたしております。従いまして私はそれには参加いたしておりません。第九特別委員会の委員の方は、大学の学長さん及び関係官庁の方多数の御参加によりまして、整備統合すべき大学をA・B・Cにわけまして、旧制帝大、たとえば東京とか京都とかいうものは、これはAクラスにしまして、これについてはほとんど問題がない。Bクラスについてはその中間である。今のお話の新潟大学はこのCクラスに入つておりまして、Cクラスは約二十七校くらいあつたと思います。このCクラスが一番困難な学校でございます。これはおもに師範学校あるいは高等学校等が集まつて一つの新制大学になつた学校でございますので、これをすみやかに整備しなければならぬということから、特別委員会ができまして、書面審査をし、かつ実地に新潟へも参りまして、高田、長岡、新発田をずつと視察いたしまして、その結論が生れまして、それをさらに第一読会、第二読会、第三読会までも経まして、最終結論を二十六年の五月に出しまして、それを文部大臣に答申したわけでございます。従いましてその決定は相当権威があるものと私は考えております。  それから第二の次官通牒のあとの措置でございますが、この次官通牒は、御承知のように二十六年の六月に、日高前次官の名前をもちまして、新潟大学長あてに、新発田、新潟大学の整備統合方針はこうである、文部省もこういう方針で考えておる。貴学においてもこの方針に協力して、すみやかに整備をしてもらいたい。但しこの整備統合方針の発表の時期、発表の対象等につきましては、これはいろいろ府県市の関係、地元の関係がございますから、これは大学長に一任するということまで書きまして、通牒いたしたのでございます。その後大学といたしましては、この通牒に基いて着々統合の準備を進めて参つたものと考えます。文部省はこれに対しまして、何ら干渉がましいことをいたしたことはございません。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 この経過がわかりましたのですが、そこで二十六年の六月の次官通牒の際に、新潟大学の統合の通牒と思いますが、私はその内容は承知しておりませんが、多分これは新発田、高田と長岡、この三つの統合の問題が入つておるのじやないかと思うのですが、入つておるかどうか、入つておるとすれば、この三つの統合はどれを先にしてどれをあとにしろというような内容があつたかどうか、その点をお伺いしておきたい。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 第九特別委員会の決定といたしまして、新潟大学につきましては高田、長岡、新発田、この三点について決定がなされたわけであります。そうして新発田につきましては、新発田分校は新潟にすみやかに統合するということでございます。それから高田、長岡につきましては、別段時期的に新発田を先にしろとか、高田をあとにしろとか、さような決定はございません。

伊藤郷一自由党

○伊藤委員長 辻原君。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 大体私が前会御質問申し上げて以来、いろいろこの問題について各委員の方々からそれぞれの調査がありまして、詳細な御質問に対して答弁もあつたわけでございますが、私特に一点確かめておきたい点がある。それは最近大学の方から、すでに既定の方針として統合を進めておるので、最終的に移転の時期に関して、何か文部当局として打合せをされたというようなことを私聞いておるわけであります。そういう点について、はたして大学の方から日取りの決定等の問題について話合いがあつたかどうか、それに対して文部省はどういう態度でもつて臨まれたか、この点をお伺いしておきたい。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 移転の時期につきましては、大学から格別連絡はございません。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 もしそういうことが現地の方からきよう、あすにでも参られた場合には、ただいまとしては文部省はどういうふうにその話合いに応ぜられるつもりであるか、この点をお伺いしておきたいと思います。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 もしさような相談を受けました場合には、受入れ態勢が整備されておるならば、すみやかに統合されることはけつこうなことだと考えております。なお前会参議院の要望もございますので、受入れ態勢を準備しなければならぬということはわれわれよく承知しております。また現地もこの点は十分承知の上で時期の決定をしたものと考えております。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 それで先ほど坂本委員の方からも御指摘のありましたように、大臣並びに局長の御答弁と、それから現地からのいろいろの状況を私どもが聞いた範囲によりますと、受入態勢については確かに大きな相違があることは事実であります。しかし問題は先ほど田中委員の方から提起されておりましたように、単に私は受入れ態勢が完備するまでそれでいいというふうな問題にこの問題はとどまつておらないと思うのであります。従つて先ほど文部省の、積極的な調査は全然やつておらないで、一方の大学だけの話を聞いていて、今度調査をされるということになつたわけでありますが、この場合に、ただ受入れ態勢が現地に行つてみてこうだから、これで統合を進めるというふうな調査であるならば、これはわれわれの要望しておるような問題解決にはならない。少くとも先ほどもお話のありましたように、この問題が特に新発田を取上げて統合を進められるというこの間には、必ずしも文部省が先ほどから御答弁になつたように、たまたまそれと保安隊の建物の接収とが時期を一にしたのだというふうにはどうしても考えられない、特にこうした問題においては、最近の傾向として、こうした建物を迎えることに、ある一部においては非常にやつきになつておるというふうな状況から考えてみた場合には、どうしても学校側の立場というものが弱くなる、従つて一体この学校を統合して、そのあと予備隊に譲ることがはたして教育的に妥当な措置であるのか。また地方の、特に新発田では、文化センターとして地元の人々はこの教育機関というものを存置したいという強い希望を持つている、そういうことに反してまでも統合をやることが、地方の教育を振興するゆえんであるのか。そうした大きな問題が私はこの問題について根本的に残つておると思う。従つて調査に当られる場合に、ただ受入れ態勢がどうだこうだというのみの調査であるならば、これは問題は依然として残ると私は思う。だから文部省が調査に当られる際の観点としては、まずこの新発田の統合が保安隊との関連においてどうなつておるか、また地方の文化センターとして、長岡、高田等の比較から見まして、特にこれを統合しなければならない特段の理由があるのかどうか。そういう点も根本的に調査をして、その結論をもつて——形式的にはもちろん指揮監督の問題もありますけれども、先ほど私が申しましたように、こうした大きな問題になりますと、やはり教育という問題と、それに対抗する新たな一つのそうした勢力という問題との力関係にも、私は関連がないとは断定できませんので、そうしたことについては、やはり教育行政上の大きな問題として文部省は対処する必要があるということを私はこの際はつきり申し上げます。そうした心組みにおいてぜひこの調査に当られたい。ただ形式的にそういう権限はないとかなんとかいうことは、これは将来にわたつてこうした地方に属する問題から、再び各地方における教育施設というものが続々接収されるような一つの大きな端緒になるということを私はこの際特に申し上げます。さらに文部省自体も調査の必要があると申されておりますし、私どももただいままで聞いた範囲と現地の事情とは大いに食い違つておるから、先ほど松本委員から提案のありました通り、この際われわれも現地におもむいて事情を調査して、将来のこうした問題に対する新しい一つのケースとして、本委員会のこれに対する方針を出すべきである、かように考えますので、一応ここらで先ほどの松本委員の御提案になりました調査班の件に関して、私はどうかと考えますのでお願いいたします。

伊藤郷一自由党

○伊藤委員長 文部省関係予算に関して大蔵省拝沢説明員に対する御質疑の申出がありましたら、拝沢説明員は参議院の文部委員会からも出席要求のある関係上、先に御質疑をしていただきたい。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 この新発田分校の問題で、先ほど坂本委員と辻原委員に対する御答弁に関連してでありますが、先ほど局長は調査して来て受入れ態勢が不十分の場合には考慮するというお話だつたのですが、これは非常に重要な——ただの言葉でなしに、きわめて、不十分というところになかなか含みがある。元来が学校の施設というようなものを移転する場合は、普通のときでも相当反対のあるものであります。それは条件がはるかにすぐれておる場合でさえも問題が起りやすい。ましてその受入れの方が少しでも不十分だということになれば、これは当然ふだんの場合でも反対があるのであります。そこへもつて来て、今度の問題は保安隊との関係もあるし、今辻原さんが指摘されたように、これはいろいろ教育上の危惧を持たれる問題が含まつておる、そういう場合に文部省が調査され、あるいはきわめて不十分な場合には考慮する、これならがまんできるという程度なら学校当局の決定通りやるという意向がはつきり現われておる、そういう態度では私はいかぬと思う。あくまでも学校を中心にあらゆる事情を徹底的に調べて、これならば父兄も地元もみな満足して行けるというように、普通の場合におけるより以上にこの点は十分な受入れ態勢をつくつて、地元民の納得のできるようなときに初めてこれはやるべきである。そういうふうなところまで決意を持つてこれに当られるお考えがあるかどうか、そこのところをはつきりと伺つておきたい。  それからもう一つは、先ほど辻原さんからも言われましたように、もしも学校当局から、時期の問題について近い将来に文部当局に話合いが来た場合に、現在はこういうふうに国会でも問題になつておる、地元でも問題になつておる、また文部当局も再び調査をしようというような時期であるから、当分これは返答は待つというような明言をされる気持があるかどうか、その二点を伺つておきたい。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 受入れ態勢に万全を期するということは御説ごもつともでございます。私もさように考えております。受入れ態勢につきましては、これは万全を期した上で今後措置を講ずるのが当然というふうに考えております。  それから第二の、時期の問題について、もし現地から話があつたならば文部省はどうするかということでございますが、時期について、現地から、たとえばこれをいつ幾日にするというお話がございますれば、文部省としてはただその話を承認するということよりほかに方法がないのであります。かりに延ばすというような話でありますれば、そういうことに了承するというよりほかにこちらは方法がないのであります。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 第二の時期の問題について、問題が何もない場合ならば、それはそうですか了承したでいいでしよう。しかし今日これほど問題になつているのに、文部省は、はいそうですかでは済まぬと思う。少くともこういう問題になつているから、そこは十分考慮して来いというくらいの言葉はあつてしかるべきだと思うのですがいかがでしよう。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 それは当然でございます。私自身も、学長に対しましては、かような状況になつている、その点は十分お考えになつてくださいということは、私の個人の見解といたしまして十分お話してございます。

田中久雄改進党

○田中(久)委員 大臣にお伺いしたいところですが、おられませんし、新しいのでよく御存じないかと思いますので、次官にお伺いしますが、大学設置審議会が統合することに満場一致で決定したから、こちらとしてはこれに対して異議がはさめなかつたので、その通り認めたというような先ほどの大臣の御答弁でありましたが、今大学設置審議会令というのを調べてみますと、第一条に「大学設置審議会は、文部大臣の監督に属し、その諮問に応じて大学設置の認可及び博士その他の学位に関する事項を調査審議する。」とあり、この第一条に目的と大体の権限内容があるようでありまして、ほかに権限がございません。そうすると、これは文部大臣が監督をしておるもので、そうして文部大臣の諮問に応ずる機関である。それがどういう結論を持ち出しましても、文部行政上不適当であるというならば、大臣はこれに対して再審議を求めたり、あるいはこれの審議の通り行かない場合もあり得ると思います。またそうあることが国政担当の大臣として当然な御処置だろうと思いますが、これに対してどういう御見解をお持ちでございますか。

廣瀬與兵衞自由党文部政務次官

○廣瀬政府委員 まだ新米でよくわかりませんから、よく研究いたします。

田中久雄改進党

○田中(久)委員 これはきわめて重大な問題ですから、ひとつ大臣とお打合せの上御答弁にあずかりたいと思います。審議会がかように答申をして来たから、文部省としてはこの決定に対してこれを左右することができないというような意味に私は聞いたのでありますが、この法令によりますと、全然そういうことではありません。大臣は御存じない。これも新しいことでありますからやむを得ぬことでありますが、そこで問題が起つて来るわけであります。先般来辻原、松本両委員が申された通り、私どもが現地まで行つて調査をしようかということは、繰返すようでありますが、設備が、受入れ態勢が整備せられておれば引越しというような、ばかなことで行くものではございません。われわれは多少の金をかけて校舎まで建てたけれども、統合することがはたして適当であるかどうかを調べに行くのであります。これは議員としての調べでありますが、文部当局においても、ただ校舎のできぐあい、受入れ態勢の整備ということのみでなく、この審議会の統合という線が、各般から見てはたして適当であるかどうかということの御調査もなさるべきであると——これは行政府に対してはなはだ失礼でありますが、特に大臣の御考慮を願つておきたいと思います。局長としてはむろん既定の方針に従つて、整備ができておれば引越すということのほかやむを得ぬと思いますが、大臣としてはその程度でなく、統合そのものが根本的によいかどうか。大学設置審議会が統合ということを言つたからもうしかたがないのだ、これに干渉がましいことはできないのだというような御答弁では間違つていると私は思う。あくまで自分が監督し、自分の諮問に答えるだけの機関がこう言つて来ましたから、これはしかたがないということは、番頭にしかられている主人と同じことである。そんなことでは大事な文部行政は預けられぬことになる、これは大臣の不信任にまで及ぶ問題であります。しかし、少くとも大臣は今日新しいから、私はそこまで追究いたしませんが、前会の御答弁をお取消しになつて、あくまで大学設置審議会は諮問機関である、しかも大臣が監督しているのである、ゆえにその議決が自分のところへ持つて来られても、これが不適当であるというならば必ずしも取上げない、それだけの力が大臣になければならぬ。これはあらためて次会に御答弁を願います。  第二点は、地元のほとんど必死の反対——市会だとか市長だとか知事だとかいうごく少数の諸君は別として、実際に子供を学校に預けておる父兄、朝早くから起きて、弁当を持たして自転車で通わしている父兄、こういう人たちが必死になつて反対をしておる。しかも、聞くところによりますると、三回までも市民大会が開かれておる。こういうものを強行してやるということは、何かそこに深い理由があると思うのですが、文部当局として、それほどの大きな反対があるのを押し切つてまでやつておることを見のがしてよいかどうか、どう考えておられるか。民主主義ということがやかましくいわれている時代に、ごく少数の、悪く言えばボス、そのボス連中の二、三の動きでこういうことが決定せられておることに対して、そのままうのみにするということははなはだ軽卒であるが、この陳情をどう考えておられるか、この点について、これなら政務次官も御答弁ができるでしよう。

廣瀬與兵衞自由党文部政務次官

○廣瀬政府委員 先ほど申しました通り、まだよく勉強をしておりませんから、大臣に相談いたしました上でお答えをいたします。よく勉強して参ります。

伊藤郷一自由党

○伊藤委員長 午前はこれにて休憩し、午後三時から再開いたします。     午後零時三十四分休憩      ————◇—————     午後三時三十二分開議

伊藤郷一自由党

○伊藤委員長 午前中に引続き再開いたします。  木村国務大臣は予算委員会において今答弁中でございますが、四時ごろまでにはここへお見えになることになつております。田中委員。

田中久雄改進党

○田中(久)委員 大臣にお尋ねをいたしますが、午前中の御答弁で、大学の設置審議会が答申をして来たのであるから、その通り大体これは統合に賛成をしたのであるという御答弁で、一応ごもつとものように思いましたが、審議会の権限の内容につきまして調べてみますると、大学設置審議会令の第一条に「大学設置審議会は、文部大臣の監督に属し、その諮問に応じて大学設置の認可及び博士その他の学位に関する事項を調査審議する。」ここにほとんどの性格と権限が入つておるようでありまして、他には詳しいことは見当りません。これで考えますると、この審議会は大臣が監督をしておられる、また大臣の諮問に応ずる機関であつて、審議会が統合を可としてよろしいというのでここに答申をして来たから、どうしてもこれに背くわけにはいかぬというほどきついものではないように思われます。統合問題に問題がないか、あるいはきわめて小さい問題のときならばむろんこれは問題は起りませんが、今日のごとくこの統合問題が単なる大学の学内の問題でなしに、社会問題として大問題になつて来ておりますときでありますから、これはやはり文部大臣みずからの見地にお立ちになつて、もう一ぺん設置統合することが妥当であるかどうかという根本的な問題についてお考え願うことが至当ではないかと考えます。また審議会自身に対しても、その後に起つた社会問題でありますから、もう一応考慮の余地といいますか、再審議を願うようなことがあるいはできるのではないかと考えるのでございますが、その点について大臣の御答弁を願います。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 お答え申し上げます。審議会はお説の通りに諮問機関でございますから、その答申が出まして、それから大学で決定しません間は、むろんいろいろ助言や勧告やそれからまた決議をすることはできるわけです。ただ問題は、これはそこまで行かないで、とにかく今日となりましては、まつたく大学の評議会で決議もしてしまつておりますし、実際上受入れ態勢もつくつてしまつたし、先月の三十日にはもう移転をするというところまで来ているのですから、今のところでちよつとどうも手がつかない、こういうのが実情であります。

田中久雄改進党

○田中(久)委員 これは文部省においては御存じないと思いますが、教授あるいはその他学校関係者の中にも、この統合についてはかなりな異論がありまして、学生、父兄の意見を正しいとする者も相当あつたようでありますが、これに対して相当な強い力が働いて、そうしてそういう学内の一つの意見がほとんど押えられたように聞いております。こういうことは大学の自治という言葉がありますけれども、非常な反動的なやり方でありまして、きわめてこれは重大なことだと考えます。いずれ調査に参りましてこの事実はきわめたいと思いますが、監督の立場においでになりまして、こういうことについては御報告か何か受取られたことかあるかどうか伺いたい。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 報告といたしましては、十一月八日の評議会で——評議会というのは教授の一部も入つておるものでございますけれども、大学の意思を決定する機関でございまして、その大学の行政上のことを決定します評議会の委員は全会一致できめた、こういうことの報告が来ているはずでございます。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 新潟大学長から文部省管理局長あてに、評議会が全会一致おおむね十一月末日をもつて統合するという決定をしたという報告を受けました。

田中久雄改進党

○田中(久)委員 これは直接の問題ではないかもしれませんが、大臣の御成想を伺いたいと思います。すでに相当受入れ態勢もできたし、また大学設置審議会の答申にも基いてやつておつたし、また大学の評議会においても満場一致できまつたことだからということでありますが、現実は地元の直接学校関係の父兄及び学生の中に、今日非常な猛烈な反対陳情が起つておる。市民大会を三回までも開いてそうして騒ぎが起つておるということは、これは一応私は考えてみなければならぬ問題だと思います。かくのごとく地方民が非常に苦しんでおる問題を強行するということは、私は思想的にも及ぼす影響が大きかろうと思う。ことにこの運動に参加しておる学生または父兄に対しては、お前たちは赤だと言つて、いろいろなボス連中が攻撃しておるというような事実があるのでありますが、社会問題としての統合問題について大臣の御所見を伺いたいと思います。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 お答え申し上げます。文部省の方針といたしましては、そこまで事が運んでおるのであるから、このまま決行したらどうか、こういう考えを持つております。しかし参議院の文部委員会でも調査団を出すというお話でございますし、それからこちらの委員会の方でも調査をしに行くというお話でございます。われわれの方といたしましても、適当な職員をお供させまして、そして調査して、この社会問題のいかに深刻であるかをひとつよく研究させてみたいと思います。事はその上でのことであると考えます。

田中久雄改進党

○田中(久)委員 大臣のきわめて御誠意のある御答弁を伺いまして、まことにけつこうであります。衆議院の調査はこの大学の統合がまことに適当であるかどうかという根本にも触れたいと考えておりますので、先ほど局長はすでにそういう方針によつて進んでおるのであるから、受入れ態勢が完備しているかどうかの程度である、こういうことを言われました。これは局長としては当然の御答弁であろうと思いますが、どうぞ先ほどの大臣の御答弁の趣旨も御考慮の中に一応お入れいただくようにこの際お願いいたしまして、私の質問を終ります。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 大臣が来られましたから、大学設置についての法的根拠並びに文部省の責任その他についてただしたいと存じます。というのは、午前中の審議の際におきましては、この大学の設置——従つて変更、統合なども含むわけですが、この問題については文部省は何ら関係がなく、大学設置審議会が決定してやれば何とも手が出せない、要約すればそういうふうに受取つたのであります。  そこで私は学校教育法の第三条と第六十条の点について文部当局の御所見を伺つておきたいと思います。第三条においては、「学校を設置しようとする者は、学校の種類に応じ、監督庁の定める設備、編制その他に関する設置基準に従い、これを設置しなければならない。」とあります。六十条におきましては、「大学の設置の認可に関しては、監督庁は、大学設置審議会に諮問しなければならない。」とある。それでまず第一に六十条によりますと、大学設置の認可は監督庁である文部省がやるのであつて、ただ文部大臣が大学設置の認可をなす場合において大学設置審議会に諮問をしなければならない、こういうふうに解せられるのであります。そういたしますと、午前中の大臣並びに局長の御答弁とは相反するように考えられるわけであります。その点についての御見解を承つておきたいと思います。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 法制の解釈の問題がございますので、政府委員の私からお答えすることをお許しいただきたいと思います。確かにお話のように、大学設置審議会令におきましては、設置審議会は公立学校、私立学校の設置に関して文部大臣が認可いたします場合の諮問機関であるわけでございます。国立学校につきましては、これは認可でございませんので、設置者たる国が設置いたすわけであります。従いまして、その行政大臣が、いわばかつてにこれをつくりましてもよろしいのでございますけれども、しかし大学の設置につきましては、事が専門的、技術的の問題でありますので、学識経験者が集まつておられ、また新制大学発足当時において認可いたしましたあの設置審議会の意見を聞くことが妥当と考えまして、新制大学発足当時以来、国立大学につきましても、大学設置審議会の議に付してその意見を聞いて参つております。従いまして、大学設置審議会からは文部大臣に、個々の国立大学につきましてはいかなる条件が完備すれば完全な大学になるという点についての答申があるわけであります。さらに一応その意見を聞いて設置いたしました国立大学全体に対して、教育的にまた財政的にこれを有効に今後充実するにはどうしたらよろしいかということで、その設置審議会に、これは文部大臣の方から第九委員会というものを設けてもらつて、専門的な見解を聞いたわけです。そこで統合の全国的な意見が答申になつて、それに基いて今度文部大臣がそれを専門的、技術的に検討した結果、それを是と認めて、文部省の今後の国立大学設置の方針といたしまして、それを各大学にそれぞれ通達したのであります。そして大学長に対して、これを実施するについては、その時期なり方法なりは大学自体において適切なる方法を見出してお考えいただきたいという通牒でございます。すでに新潟大学においては、管理機関それ自身においてこの統合を決定いたしました。そうなると、それから先は新潟大学の行政であり、運営である。そうなれば、その大学の行政運営に対して、文部省からそれを一々指示、監督すべき性質のものでなくなつて来る、そういう性質のことを前回お答え申し上げたのだと思います。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 私の聞き間違いかわかりませんが、国立大学は国が設置する、そういたしますと、国が設置した場合におきまして、設置するについての機関は大学当局であるか、あるいは国の代表としての文部大臣であるか、その点をお伺いしたい。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 設置を決定いたしますのは国の機関である文部大臣でございます。設置されましてから先の運営はあげて大学管理機関にまかされる、こういう性質でございます。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 学校が設置されるまでは国であつて、文部大臣であり、設置後の運用とかその他についてはその学校当局である、こういうふうに今受取つたのですが、そういたしますと、この新発田分校の統合問題は、やはりこれは設置の一部変更である。従つてやはり設置の中に入るというように解されるのでありますが、その点についてはどうなりますか。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 お話のように、どこに本校を置き、どこに分校を置くかというようなことは設置の方針でございます。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 設置の方針ですから、従つて新潟大学は新潟市とほか三箇所に設置される、それをまた統合するということになれば、やはりこれは設置の変更であり、新たな一部の設置になる。従つてこういうような場合においても、先ほどの稲田局長の御答弁によれば、やはり設置の変更については大臣にあるように考えるのですが、その点はいかがですか。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 先ほど申し上げましたように、時間的に経過があるわけであります。文部省として新潟大学の将来あるべき姿を第九委員会の答申に基いて大学に示して、それの実施については大学自体決定してくれ、その結果大学自体、管理機関が決定したわけであります。そうなりますれば、すでにこれは大学の行政である、大学の運営であるわけであります。一方文部省設置法におきましては、大学の行政運営については文部大臣は監督してはならぬという条文もございますので、そうした行政運営につきましては、これは大学にまかすべき事態が発生したことだと考えております。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 その点が私ちよつとはつきりしないのですが、もちろん設置されればその後の行政の運用は大学当局にあるわけです。ところが設置の変更なんです。設置の変更はやはり一部の新設であり、一部の設置の廃止である。これが変更なんです。従つてこの場合においてはやはり国であり、文部大臣ではないか、この点を聞いておるのです。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 あるいは私言葉が足りなかつたかと思いますが、大学の設置でございまして、分校はその一施設であります。そういう点についてあるいは私分校の設置を学校の設置の方にお聞きとりいただくように申し上げたとしたらそれは誤りであります。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 当面の問題が新潟大学ですから、新潟大学の例をとりますと、新潟大学の設置がここにできたわけです。そして分校が三箇所できて、そして運用を始めておるから、その新潟大学の行政については大学当局にある。そこで今度の新発田分校が廃止されて、これを新潟市に移す、こういうことになれば、やはり設置の内容についての新たな設置であり、一部の廃止である、こういうふうに考えられるわけです。従つて今局長のお話ならば、一旦包括的に設置がそこに許されたならば、その後の一部の新設並びに一部の廃止、こういう点については大学当局の行政の範囲に入つて行く、岡野文部大臣の範囲ではない、こういうふうのことになると思うのですが、その点はいかがですか。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 なかなか割切ることは困難だと思います。学校の設置の内容というお言葉でございまするが、内容と申しますれば校地、校舎、校具あるいは教員というような内容になつて参ります。これが少しでもかわればこれは設置の変化とも見えますし、あるいはそういうのはいわゆる設置の変化とは言わない、こうも言えるものなのです。これは取方だと思います。大学が設置されましたその当時の姿、それが多少でもかわれば設置の変更だといえばこれは設置の変更になります。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 私は校舎の一部を変更して右から左に持つて行くとか、あるいは増築をするとかいういわゆる設置の具体的方針の小さいところを聞いておるのじやないのです。今度の新発田分校というのは、新潟大学の新発田分校という大きい一つのほとんど独立した大学みたいなものがあるわけです。これを新潟大学に統合するわけです。これは最初申しましたような校舎の増築とかそういう問題でなくて、大きい重要な設置の内容に入ると思うのです。こういうような場合でも、やはり一応設置された以上はその大学の行政の範囲内であつて、国家はこれに何にも干渉しないか、また国家がやるのではなくて、大学当局がこれをやるのであるか、その点を明らかにしておきたいと思います。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 繰返しになるかもしれませんけれども、新潟大学の将来あるべき姿といたしましては、かつて文部省から新発田分校廃止という根本的線を将来の方針として大学に示唆して、それの実施については大学の定める順序方式によるようにと申して、それ以後大学が大学自体として方針をきめて今日に至つておるのであります。今日大学自体が大学管理機関の責任においてこの問題を処理するという段階におきましては、文部省としては大学管理機関の処置にまかせてその成り行きを見る。もし技術的、専門的に援助、助言する必要があれば、これは専門的、技術的に第二段階において文部省から助言すべきでありますけれども、専門的見地からいたしますれば、文部省としてはやはり新潟大学の将来あるべき姿としては、前に学識経験者をもつてする大学設置審議会が答申したあの線でもつて、専門的、技術的の見解であるという点においてはかわりはないというふうなことに私は了解しております。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 そこで結局今の局長の御発言がありましたように、新潟分校の廃止は国家がやつた。その廃止、いわゆる統合と申しますか、それは国家が了承して審議会の決定でやつた。そこでその先のやり方は大学当局がやるのだ。そういたしますと、結局この新潟分校の統合はやはり国家がやる。従つて国家の主管大臣である文部大臣がやる、こういうふうになると思うのですが、その点はどうですか。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 ある事項につきましては、大学管理機関それ自身が、国家機関としてまかされて取扱うことがあると思います。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 この問題は。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 この問題につきましても、ただいま申しましたように、大学管理機関が一つの運営の方針をきめ、行政上の方針をきめますれば、管理機関にまかされたものと私どもは解釈いたします。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 そういたしますと、この新発田分校の統合は国家である、いわゆる文部大臣がやつたのでなくて、新潟大学の学校行政としてやつた、こういうふうに了承してよろしうございますか。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 国家行政組織法及び国立学校設置法によりますれば、大学の学長は一種の国家行政機関でございます。で、権限は、あるものは文部大臣にありますし、あるものは学長が持つております。その両者の権限につきまして、これはいろいろ今日の法制の欠陥を指摘する向きもありまして、それらは法制改正の研究問題だと思つておりますが……。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 現実の新発田の……。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 現実に文部省の設置法におきましては、文部大臣は法律に特別の定めある場合を除くのほか行政上、運営上の監督をしてはならぬという明文がございます。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 そういたしますと、この新発田分校の統合は国がやる、しかして国の主管者たる大臣がやつたのではない、こういうふうに承知してよろしゆうございますか。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 そうは申してないのでございます。最初は文部大臣が国立学校将来の方針として、大学設置審議会の議を経まして、文部大臣の方針として大学に示した。その示す場合にこれをいかに拡張するか、いかに着手するかは、大学自体が慎重に考えて実施してもらいたいと申しました。その後時の経過があつて、後において大学管理機関自体が、自体の行政としてこれに着手し、今実施中でございます。そうなりますればこれは行政機関である大学学長及びそれの意思決定機関である評議会の決定に基いて現在大学の行政になつておるものでありますから、そうなりますと私どもは文部省設置法の行政上、運営上の監督云々という条文に、これはうしろ髪を引かれざるを得ない状態でございます。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 私は現実の運用の面は言つていない。現実にそういう統合を学校当局が行政面として運用をしておる、その根拠がどこにあるかということなんです。それは大学がすでに設置されたから、大学当局が行政行為としてこの統合をみずから決定して、そしてこれをやつているのか、この統合については文部大臣が審議会の諮問を経て、そして文部大臣が認可したから、実際上ここに統合の問題が具体的に発展しておるのか、その点を明らかにするために私は聞いておる。従つてこの新潟分校の統合は、文部大臣が審議会の諮問を経て、そうして統合を決定したから——もう少し法律的に言えば認可したから、だから大学当局が行政的に実際の統合の面に当つておる、こういうふうに解するけれども、それと違いますか。いろいろ根本を聞いておるわけです。統合の認可者は文部大臣か、あるいは新潟大学当局かどつちか。この点の見解を聞いておる。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 だれも認可していないのです。国立学校それ自身でございますから、文部大臣が最初国立大学の将来あるべき形というものを学長に示して、その実施を大学にゆだね、大学がすでに方針を決定し、それ自身の行政としてここに行つておる。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 文部大臣が大学のあり方を指示した、その根拠は何に基くのですか。しかして私は文部大臣が統合を明示しなければ、新潟大学当局は実際上統合の具体的方針に入れないと思うのです。その統合を決定し、やつてもよろしいという非常な言いまわしで、大学のあるべき姿として指示したからそれによつてやつている、こう局長はおつしやる。それではその大学のあるべき姿でやるのは、国立学校であるから、国の主管者たる文部大臣がこうやれ、それに基いて大学当局がこうやる、私はこういうふうに了承するけれども、今の御答弁を聞くとそういうようなふうでもあるし、新潟大学が実際こうやつている。また実際やつているのは新潟大学がやつているのでしよい。しかしやるには大学自身みずからこれをやつていいかどうか、あるいは国の学校であるから、文部大臣がこれを統合してよろしい、統合しろといつて指示したから、それに基いて学校当局が実際上やつているのか。その点をはつきりしたい。その点についての御所見を伺いたい。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 どうも同じことを繰返すようになりましてたいへん恐縮でございますけれども、文部大臣の方からは、大学設置審議会の答申に基いて、その答申通りが適当だと考えました。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 その点は統合についての設置審議会のあれですか、最初の大学の設置ですか。どつちを言つているのですか。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 あとの方を申し上げているつもりです、統合についての審議会……。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 そうしますと、国立大学だから、やはり最初設置するときは文部大臣が設置するわけです。従つて今度の統合については文部大臣が審議会の諮問を経て、そうして統合を次官通牒でやつたわけです。だからその統合をやつたのは国であり、その主管者たる文部大臣である、こういうふうになるのじやありませんか。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 次官通牒と今おつしやいましたけれども、その内容はさつき申し上げましたように、国は新潟大学の将来あるべき姿としては統合を適当と考える、しかしそれの実施あるいは発表その他の問題については大学自体において慎重に考えて実施してもらいたい。こういう点を申し上げておるのです。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 そこで統合については審議会の諮問を経てやつたわけだから、やはり国がやり、その主管者たる文部大臣がやつた、こういうことになると思うのですが、その点はどうですか。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 つまり国と大学というものは主体を異にしているとは私ども考えません。ただ機関が別であるだけだと思つております。従つて文部大臣の仕事といたしましては、あるいは予算を編成するとか、あるいは人事の発令をするとか、いろいろの受持があるのであります。ただいま申し上げましたように、こうした専門的、技術的な問題につきましては、基本問題といえど、あるいはさまつな問題といえど、これを助言することは、文部大臣としてその仕事として当然だと思います。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 そこで大体この新潟大学の統合は、審議会の諮問を経て大臣がこれをやつたというふうに私は思います。これはみんなそう思つております。局長はそれを実施面についてごまかそうとして根本を濁しておられるのですが、その点について大臣はどう思いますか。今の私と稲田局長のあれによりましてどうですか。大臣が統合を諮問して、そうして統合しろと命じたことになるのですか。それとも新潟大学自身がこれをやつたことになるのですか。大臣の御所見をお伺いしたい。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 お答えいたします。これは今お話を伺つておりますと、私の判断ではこう思います。統合するということが大学のあり方として好ましいことじやないかというようなことを、諮問機関である設置審議会が答申したわけです。その答申によつて、文部大臣といたしましてそれは適当だ、こういうことを考えたのです。そこでその適当であるような方向を各大学に流した。しかしそれは文部大臣としてこれを強行するわけでもないし、またぜひやれというわけでもない。が、こういうような答申があつて、文部大臣は同意したので、こういう通牒を流した。しかし文部大臣がそれを自分自身で新潟大学にやれということになれば、これは新潟大学の行政上の措置でございまして、文部大臣としてはもうそこまでは干渉ができないと思います。こういうわけでございます。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 ただいまの問題でありますが、先ほどの稲田局長からの御説明によりますと、この問題は、いわゆる本校というか、国立校の今後の問題と分校を統合するという問題であると思う。これは一応の方針は文部省として、立つておるけれども、主として大学自体の運営にまかす、大学自体の行政である。こういうふうに答弁があつたわけであります。それとただいま統合の問題であるので、少くともその基本的な方針については設置審議会に諮問をしてその大綱は大臣が定めるのだ、こういうふうな大臣の何とは私はいささか食い違つておると思うのでありますが、その点はどういうことになりますか。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 設置審議会の件は単に設備ばかりでなく、人的の面についての場合もあるのであります。私どもといたしましては、この場合は特に設備の問題につきまして各大学に通じまして審査を願つたわけであります。設備についてのみ出て参りましたから、この設備について示唆いたしたわけであります。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 そういたしますと、方針はきめて、あとは大学自体にまかした、こういうお話でございまするが、その通りでございますか。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 このことを発表したり、あるいは地元と相談したり、いつ実施するというような点については、大学自体において慎重に考究して実施してもらいたい、こう申したわけでございます。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 実施の時期とかあるいは統合の促進等については全然文部省としてはタツチもせず、それに対して大学自体の行政運営に関連するような問題については、文部省の意思は何ら述べられなかつた、こう言われるのですが、全然大学に対して、具体的に申せば、設備の点はこうした方がいいだろう、あるいはこれは統合すべき問題だから文部省の方針に従つて早くしてやれとか、そういう事実はなかつたかどうか、その点をはつきりお答え願いたい。

稲田清助文部事務官(大学学術局長)

○稲田政府委員 ただいまの通牒を出しました後において、あまり時をたたずに大学管理機関が方針を決定しました。それ以後におきましては私どもは常に報告を徴して、実況は見守つておりましたが、お話のようにこちらから特に指示したことはなかつたと考えます。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 その真偽の問題につきましてはここで申し上げてもこれは水かけ論になりますので、その点はあらためて調査の際に譲りまして、後日の問題にいたしたいと思います。なお先ほどの坂本委員の御質問のありました点と、それから再三再四福田局長の答弁された点、いわゆる大学自体の問題であつて、これは文部省としては積極的にタツチをすると申しますか、介入すべき問題ではない、こういうふうな一貫した御答弁を伺つているわけですが、そういたしますと、先ほど申しましたように、何がゆえに設置審議会の議にかけて文部省が諮問をする必要があるか。また設置審議会自体がこの問題にタツチをする必要も、大学自体の本校の問題に限定されたものであるならば起きて来ない。しかしそうでない限りにおいては、設置審議会が決議をして、しかも文部省がこれに対して相当強い意思でもつて統合を促進されておるというこの事実、私はこの事実に立つて考えた場合には、やはりこの問題に対する統合をやつた責任というものは、明らかに文部大臣にあるし、また今後この問題を変更する権限も、これはやはり文部大臣自身が持つておられる、こういうふうに私は考えるのでありますが、その点どういうふうにお考えになりますか。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 お答え申し上げます。どうも私も新任早々で、大臣の職責が十分のみ込めておりませんから、あるいは間違つておるかもしれません。しかし私がただいままでに研究いたしましたところによりますれば、国の文部行政について文部大臣がかつてなことをやつちやいかぬというのが、どうも今度——今度のというより、敗戦後の何になつておるようでございます。そこで何でもかんでも審議会にかけ、すなわち専門家の意見を聞いて、専門家の言う通りに——文部大臣は、俗な言葉で申しますれば、ロボツトみたいなもので、とにかく専門家の意見を聞いて、そうして方針をきめろ、こういうような立法の精神になつているようでございます。これは間違つているかもしれませんが、しかし私の感ずるところではそうなんです。そこで今度の問題は、まず国立大学はいかにあるべきかということをきめるにつきましても、やはりその趣旨から、文部大臣の専断を許さないで、審議会にかけてその答申を尊重しよう。その答申によつて、文部大臣もそのときに初めて顔を立てていただきまして、これがよかろうか、悪かろうかぐらいのことが言えるわけなんです。けれども政治上の立場といたしましては、専門家が答申なすつていることに対して、行政官である文部大臣が、これはいかぬとかなんとかいうようなことは、よほどのことがない以上は申せないはずでございます。そこで問題は、その統合調整方針というものを審議会がつくりましたのを、なるほど、これでよかろうということに文部大臣も承諾しまして、そして各大学にこういう方針の方がよかろうから適当に御処理なさい、こういう通牒を出した。そこで通牒を出しますまでは、文部大臣の権限といえば権限、形の上では権限でございますが、しかしそれが一旦国立大学の、すなわち行政機関たる国立大学に渡りました以上は、これはもう私の方から手が離れまして、行政機関たる大学長が、自由かつてに時期とか方法とかいうものをつくるということにできるものである、こう考えております。それでただいまの段階といたしましては、新潟大学はこの行政権によつてそれを実行した、こういうことになつておるわけですから、ただいま文部大臣としていかようともいたし方がない、こういう点を御了承願いたいと思います。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 私が申しましたのは、実はけさほど来この問題に対して、一体文部大臣としてあるいは文部省としてのこれに対する責任権限というのはどの程度あるかという法制的、あるいは形式的な面で質疑が行われたし、またそういうふうな答弁も形式的にあるとかないとかいう形で、局長の方からはないという答弁がなされておつたわけであります。今大臣から承りましたのは、行政は根本的に民主的でなくちやならぬ。そのために諮問機関も設けられておるし、また大学自体の自治も尊重する、行政も尊重するというような、そういう原則的なお話でありまして、そうでなくて、実際これは文部省としてははつきり二つの大学が統合するとか、そういつた問題とは根本的に性質の異なる一つの大学の行政の中に包括された、その行政の措置としてこれがとり行わるべき問題かどうかということを、私はお伺いしているのです。そういうふうに先ほどは稲田局長の方から確かに答弁があつたはずです。これは新潟大学自体の行政の範囲内に含まれる分校統合の問題だから、文部省は介入すべき問題じやないのだ、こういうふうな答弁があつたから、私はそうではないのじやないか、なぜそれならば、設置審議会の議にかけて、大臣がそういう方針を出す必要があるかということを申上げているわけなんです。問題はそうではなくして、やはりこれは文部省、あるいは設置審議会の議にかけるべき問題であるからこそ、そういう措置がとられたのであるということを申し上げ、従つてそれに対する変更の権限というものは、最終的には文部大臣がお持ちになつておるのだということを結論として申し上げた。その点に対してはどうか。大臣は今次官通牒を出されたから、それ以後については大学自体にまかしておつた。こういうふうに言い切られましたけれども、それは先ほど私は保留をいたしましたが、それならば、その後において、文部省がこうこう言つたからこういうふうな時期にやるんだとか、あるいは大学自体において、相当この問題について文部省が積極的に推進しておるから、われわれとしてもその方針に従つてやるのだとかいう話は出て来ない。一大学の行政問題として当然処理されて行くべき問題だと私は常識的に考える。そうでないところに問題があるのである。次官通牒以後、これは大学自体が独自にやつてよろしいといつて、全部まかしてしまつたのだと断定することはきわめておかしいと思う。その点について大臣に再度の答えを承りたい。全部まかしてしまつたのか、相談を受けて、そうですかとただ聞いておいただけかどうか、その点をはつきり承りたい。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 文部省がどういう指示をしたとか、やれとか、やつた、やらぬかという、その後の経過は実は私存じません。事務当局が自分自身でやつたことをひとつ御答弁させます。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 関連して。これは二つ問題があると思うのです。第一に、先ほど文部大臣がロボツトのようなものだと言われたが、とんでもない話です。これは諮問機関があつて、その諮問に応じて、文部大臣の責任においてやられたことだから、あくまで文部大臣の責任なんです。そこで問題は、将来あるべき姿を、文部省はこうあるべきだといつて指示した。それに基いて大学はきめたので、そのあとのことは知らぬ、こう言われるのですが、将来あるべき姿を指示する場合には、ただ漠然と将来こうあるべきだということを指示されるような、そんな無責任な話はない。やはり将来あるべき姿はこうなければならないという場合には、必ず、現状はどういうふうになつておるか、どういう問題が起るかというような、あらゆる点を十分考慮に含めた上での将来の指示でなければならぬ。これは責任当局としては当然のことなんです。従つてそういう指示をされて、それをきつかけにいろいろな問題が起つて来ている以上は、これはあくまでも文部大臣が責任を持つてやらなくちやならないわけだ。そこに第一の問題がある。  第二には、将来の姿を指示して、あとはすでにそれに基いて大学当局がやつておるのだから、今どうのこうのと、今度文部省が言うあれはない、こういうふうに言われるのですが、実際には、昨年問題になつたころは、まだ新潟大学当局は、統合することには反対だつたのです。それを文部当局がしきりに説得して、やつと今日になつて、大学当局はそれならばやりましようということになつておるのです。そういう矛盾が非常にあるのです。文部当局がもつと責任を持つて、この問題を解決する態度を示さない限り、これは非常に大きな問題になる。従つてこういう点は、将来すみやかに私ども調査しなければなりませんが、この二つの点について文部当局の考え方をはつきりしていただきたい。初めの問題は大臣にひとつお願いいたします。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 お答え申し上げます。当時審議会の答申を経まして、こういうような計画はいいか悪いかというようなことにつきまして案が出まして、その案に対して文部省できめましたことは、これは統合した方がよろしいという意見に一致しまして、そしてやつたわけでございます。その意味におきましては、文部省は相当責任を持つております。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 統合の具体的な干渉の問題だと思いますが、いつ幾日までに統合しろとか、さようなことは文部省といたしまして一切いたしておりません。それからただいまお話で、初めの場合には、分校の方の教職員の間に必ずしも賛成を得なかつた、ただいまは賛成しておる、それは文部当局が干渉されたのではないかというお話でございますが、さようなことはございませんので、大学の学長さんがそういう統合の方向にお話なすつて、そこで決定された、これが事実でございます。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 そこでわれわれが権限の所在を明らかにしたいというのは、その権限の主体が国にあり、その主管大臣である文部大臣にある、かようにわれわれは今までの討論で結論が出ると思うのであります。従つてこの統合の変更の権限も国にあり、主管者である文部大臣にある、かように相なると思うのであります。しこうしてこの新発田の問題につきましては、今地元の方方の非常なる反対がありまして、そして新潟県の岩船郡、北蒲原郡、この両郡にわたる子供の教育の問題についても関係するので、ここに多数押しかけておられるというような状態にあるのであります。従つてもしわれわれ文部委員会におきましてこれを調査いたしまして、真にこれは統合すべきものではない、こういうことになりましたならば、民主的な大臣においてはこれを変更する権限もある、かように考えられるのであります。従つてわれわれはかような意味において、文部委員会におきましても、この大学の調査をいたして、その目的を達したい、かように考えるものであります。

水谷昇自由党

○水谷(昇)委員 これは大学設置審議会に諮問をして、その答申によつて大臣が意思決定をして、それを各大学に通牒するということになれば、統合の問題あるいは分離の問題は大臣にその責任、権限がある。そうでなければ、大臣が通牒を出しても、各大学はそれに従わないでもいいということになると思います。もし大学の教授会あるいは評議員会がそれに反対の意思を表明して、実行しないというようなことになつて来たら、たいへんなことになると私は思う。でありますから、整理統合の問題については大臣の責任においてこれはできることで、またそういう権限があるものである。ただいま問題になつておる新発田の問題は、大学設置審議会の答申が、統合した方がよいという答申であり、大臣においてもそれを是認してそういうふうにきめたのでありまして、その通り大学の方で決定をしてただいま実行しておるのでありますから、その点について文部省からどうせい、こうせいということは、文部省の言う通りにやつているのであるから、それをとやかく言う筋合のものではないのであります。問題は新しくここに起つて来るので、それに対して大臣がどういうふうにお考えになるか、そのお考えによつてまたこれは処置できるものと私は考えるのでありますが、その点について大臣の御意向を伺つておきたい。これはひとり新潟大学の問題だけでなくて、各大学に対する問題でありますから、その点をはつきりしておきたいと思う。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 これについては先ほどほかの委員にお答え申し上げましたが、参議院の文部委員会も、それから衆議院の文部委員会も、調査団をお出しになります。調査ということは、午前中に申し上げましたように、ある一つの意思を決定して、その材料を集めに行くのではない、とにかくこれがいいか悪いかということを御調査になることと思います。でございますから、いらつしやつて、そしていかにも納得の行くよう理由があれば、われわれはそれに対して善処しなければならぬ、こういうことを私は申し上げたのであります。

水谷昇自由党

○水谷(昇)委員 ただいまの大臣の御答弁によつてはつきりしたと思いますが、大学の分校等の統合とか、あるいは分離の問題は、大臣の権限にあつて、これは大学がかつてにやれるものではない、こういうことははつきりしたと思うが、その点をひとつ認識をしておいてもらいたいと思います。

伊藤郷一自由党

○伊藤委員長 田中委員。

田中久雄改進党

○田中(久)委員 保安長官にお伺いいたします。先ほど来お聞きの通りでありますが、新潟県新発田市に保安隊を新設または移転せられる御計画があるかどうかということをまず第一に伺いたい。

増原恵吉保安庁次長

○増原政府委員 新発田にあります。わかりやすく言いますならば、旧兵舎の相当部分と、言葉では申し上げるよりほかありませんが、それが適当に使えるということでありますならば、新発田に部隊を持つて参りたいというふうに保安庁では内定をいたしております。

田中久雄改進党

○田中(久)委員 あることは初めからわかつている。御承知の通り連隊があつた。それがあくなら持つて行きたいということは、いつごろ御内定なさつたのですか。

増原恵吉保安庁次長

○増原政府委員 内定の形をとりましたのは何月何日と明確に申し上げにくいと思いますが、本年の五、六月のころには、そういうような内定と申しますか、先ほども申したように、いわゆる旧兵舎の一部が使用できるならば持つて行こうという意味における内定をいたしたと記憶いたしております。

田中久雄改進党

○田中(久)委員 内定といえば一応仮決定のようなことになりますが、研究に着手せられたといいますか、どこかあいてないかといろいろお探しになつたと思いますが、この辺はどうだろうというのは、いつごろから始まりましたか、そこが非常に微妙な問題だから……。

増原恵吉保安庁次長

○増原政府委員 ただいま申し上げましたように、明確にさらにどうということは、ちよつと申し上げにくいと思いますが、新発田について地元の方から陳情がありましたのは、もつと前であります。その時分にはいわゆる内定というものではなく、われわれの方で一応見に行つたというようなことは、これは一年以上前であります。

田中久雄改進党

○田中(久)委員 陳情が来たというのは、大体去年の夏ごろと見てよろしゆうございますか。

増原恵吉保安庁次長

○増原政府委員 明確にはいたしかねますが、その時分には大体地方からの陳情というものは、昨年の夏ごろにはあつたように記憶します。

田中久雄改進党

○田中(久)委員 少しこまかくなつてはなはだ恐縮でありますが、陳情は県を主体として来たものでありますか、あるいは市を主体として来たものでありますか。

増原恵吉保安庁次長

○増原政府委員 陳情は一応市を主体に参りました。

田中久雄改進党

○田中(久)委員 今後の御計画といいますか、校舎が明いたならば、大体いつごろまでに使用したいというお考えでありますか、その御予定を伺いたい。

増原恵吉保安庁次長

○増原政府委員 一部手直し、修繕を要する部面があると思いますが、そのほかに私が今記憶しておりますのは、ボイラーなんかの新設を要するように記憶しております。その工事が終れば入れるということになります。ただちに工事に今の状態でかかれるかどうかわかりませんが、かかり得る状態のときに、ただちに工事にかかりましても、三箇月くらいは工事にかかるのではないかというふうにただいま記憶しております。

田中久雄改進党

○田中(久)委員 保安長官に特にお尋ねをいたしたいのでありますが、このところがきわめて重大な問題になつておると思います。午前中来文部大臣は、新発田の大学分校を本校に統合する。統合したあとが明いたならば、幸いけつこうな建物だから、保安隊が偶然お入りになるというような式で、期せずして一致したという答弁にあずかつたのでありますが、私どもの大体各方面から聞いておるところによりますと、保安隊の新設が、移動かもしれませんが、それが先であつて、学校がこれの犠牲になつたというような考え方が相当強い状態にあります。これはいろいろ委員会で先般来他の分校の問題なんかできまつて来た問題であります。そうなりますと、ここに現在おられるのは、みな先月から出て来ておる地元の父兄でありますが、こういう無理を押してまでおやりになるということはどうであろうかということが、私の非常に心配する点であります。長官は愛される保安隊にしようというので、たいへん御苦心である。私は長官の御人格から見て当然だと思いますし、敬服をいたしておりますが、こういうことが単に新発田だけでなしに、今後全国的に行われるということになりますと、せつかく国内治安の重責に当らしめる保安隊に対して、国民の感情が非常に悪くなるのではないか。ことに保安隊は再軍備じやないかというようなことをいつて騒がれておるときでありますので、これについては相当古い建物のようでもありますし、保安隊の方はかなり予算も文部省よりは自由にとれるような形勢にあるときでありますから、もう一ぺん根本的にお考えになる意思はないかどうか。あるいは御即答が願えぬかもしれませんが、私はよほど重大問題である、かように考えますので、無理にこの反対を押し切つてなお強行なさることはどうか。せめてその間に一年とか一年半とかあいておるならばそういう感情はなくなりましようが、大体陳情があつたのが昨年の夏から秋ごろと思われます。分校の統合問題もまずそのころと思われる。結局みなの感情は、保安隊に学校が押し出される、そうして学生が犠牲になる、ここに問題があるのでありまして、思想上きわめて重大なことになつて来ておると思います。私はできるならば、多少の経費の多いことはむしろ忍んでも、別に考えなさる方が国家のためではないか、かように考えますので、長官のお考えを伺いたい。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 お話の筋はよくわかりました。私はすべて無理をしちやいかぬという考えでございます。それでこの設置問題につきまして、私は最近聞き及んだのでありますが、それによりますと、新発田の今学校に使つておる校舎は元新発田の連隊で使つておつた。学校としてははなはだ不適当である。それでこれが新潟の方に統合といいますか移転する。幸いに昔の兵舎で現在においては学校で使つておつた。校舎が明くから、それで保安隊の兵舎に使つたらどうだということに話がなつて、それではというので、前々から新発田の方に保安隊の設置問題の要請があつたようでありますから、それを利用するということになつたやに聞き及んでおるのであります。これは筋道から申せばきわめて適当で、昔使つておつた兵舎を保安隊の宿舎にできればまことにけつこうだと考えて話を進めて来た、こういうような次第であります。そこで今問題になつておりまする点で、いろいろ各委員が御議論になつておるようでありますが、私どもとしては無理はしたくない。今仰せの通り、なるたけ保安隊というものは国民に親しみを持つてもらわなければいかぬのだ、その点から顧みても、無理をしてはいかぬというふうに考えております。この点については、皆様の御協力によつて、円満に解決されることを切に希望する次第であります。

田中久雄改進党

○田中(久)委員 たいへん御理解のある答弁でまことに満足をいたしたのです。参議院でも近く調査団を出しますし、衆議院の委員会も調査団が出ますが、どうぞこの点について根本的に一ぺんお考えを願いたい。保安隊に使うのは便利であるしよろしいと思いますが、これは全国的に及ぼす影響が非常に大きい。学問が保安隊の犠牲になるという観念を持たすことは影響が大きいので、よろしくその点について一ぺん御研究を願いたいと思います。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 この新発田分校も明いたら使つてもらいたいというような陳情も来たし、それからそういうお考えで内定しておるということでしたが、それについて、明いた場合には自分の方で使いたいからとか、あるいは自分の方で旧兵舎でもあるし、ぜひ使いたいから明けてもらいたい、そういつた意思表示を文部当局その他にされたことがあるのですか、その点をお伺いしたい。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 私の聞き及んだところでは、ぜひ明けて使わせてもらいたいというようなことはないようであります。幸い明くからそれで使つたらどうか、それでは昔の旧兵舎に使つておつたんだから、それで使おうということになつておつたように聞いております。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 幸い明くからというのはどこから言つて来られたんです。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 私はその点はつきりどこからということを突きとめたわけじやありませんが、さような話合いになつたということを漠然と聞き及んでおるのであります。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 その点増原さんにちよつと伺つておきたいと思います。どこからそういう話が出たか。

増原恵吉保安庁次長

○増原政府委員 この話は主として市当局関係が話に見えました。あそこが統合されて明くようになつておるから考えてもらいたい、明くということであるならば考えてみましようというのが初めで、だんだんと明くという話がわれわれ伺つたのでは実現性があると考えたので、明くことを条件として内定をした、こういう話であります。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 そういう話を市当局から受けられて、それを文部当局に確かめられることをしなかつたのですか。

増原恵吉保安庁次長

○増原政府委員 事実のいきさつですから、全部覚えておりませんが、相談をすることもまた適当だと思います。これは私どもの方でも文部省の方へ、あそこが明くかどうかということは問い合せをしたようであります。そうして大体統合というふうな方針があるということを聞かしてもらつたということであります。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 その場合に、大体いつごろ明くというようなことも聞かれたわけですか。

増原恵吉保安庁次長

○増原政府委員 私の記憶では、いつごろ明くということは伺つていないように覚えております。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 いつごろ明くかもわからない漠然としたものを、あなたの方であとは使用するというように内定して進められておることははなはだおかしいと思う。いやしくも責任は文部当局にあるわけであります。その文部当局ともつと具体的な打合せをしてからそういう内定をされるのがほんとうのやり方ではないでしようか。

増原恵吉保安庁次長

○増原政府委員 あそこの内定します大体の要請のもとといいますか、きつかけは、御承知のように七万五千のものが十一万になります時期が本年七月半ば、その前後にこういうことを文部省へも伺つて、当時大体われわれが七月半ばに——当時はもちろん暑い時分ですから、臨時にいろいろ不便をしのぐこともできるという状態で、臨時に入つてあとだんだん工事もするというふうなことで話をして、大体それくらいの見通しはあるだろうということで一応内定をしたのであります。これはあの方面の御事情に明るい皆さんであるから御承知でありましようが、われわれが一応内定をしましたが、地元の方で反対がありますので、われわれは決して無理をすべきでないということで、当時の計画を変更しまして、七月半ばに入れまする分は、自分の方で無理をして車庫なり何なりへ入れまして、始末をつけたということでございます。しかしその後だんだん話が円滑に進む方向で、あそこを明けていただくならば、われわれ一同いろいろ地理的その他を考えましても、新発田は適当なところであると考えますので、円満にあれが明くものならば入りたいという意思を持つておるわけであります。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 万一この問題が円満に行かないで、これはどうしても明けられないという場合のその後の計画はどうですか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 ただいまのところではどうするという具体的の計画は持つておりませんが、万一明けられないということでありますれば、そこで新発田方面にあらためて営舎を建てるか、あるいはまたほかへ持つて行くか、そのときに考えてみたい、こう考えます。

井伊誠一日本社会党(右)

○井伊委員 保安庁長官の方はあまり御存じないかもしれませんけれども、この新発田分校の統合の問題は、今の経過等によつて明らかになつておりますところでは、最近にそれが大学当局によつて統合が決定したのであります。本年の二月あたりは大学の方には何も統合するような意向もありません。それどころではない、ずつとあとまでも大学当局もこの統合には反対の意向を持つておつたのでありまして、この分校問題は、今年の二月に、当時の予備隊本部の方から文部省の方に交渉をなされて、そうして文部省の方から大学の方にこれを明けられるかどうかというような照会をされて、それに対しては実はお急ぎになつても九月ごろでなければできませんという回答も来ておるのであります。そういうふうになつておりまして、その回答は二月に出ておるのであります。その当時の事情といたしましては、文部省としては、予備隊本部と折衝の都合があるのだから、慎重に調べた上で回答をせよということを言つておるのでありますから、二月ごろにおいてもう予備隊の本部との御交渉があつたものと思うのであります。その当時の回答でも、大学当局は反対の意向を示しておるのでありますから、その当時お聞きになつたという、今七月ごろというようなことでありますが、大学の方ではお急ぎになつても九月でなくちやいけませんと言つているようでありますが、そういたしますと、この問題は二月のことでありますから、二月ごろにすでに予備隊本部の方におかれては、文部省の方から大体了解を得られておつたように思われる、そういうようなことはないのでありましようか。

増原恵吉保安庁次長

○増原政府委員 二月ごろに文部省の方から了解を得ておるというようなことはございません。

井伊誠一日本社会党(右)

○井伊委員 そうすると、この新発田の分校の施設を使うことについて、文部省の方と御交渉になつたことはあるのでございましようか。どうでしよう。

増原恵吉保安庁次長

○増原政府委員 あそこが明いて、円満にわれわれに使わしてもらえるかどうかということについて、文部省の方へお話をしたことはございます。

井伊誠一日本社会党(右)

○井伊委員 その際には予備隊の方としましては、将来時期を見て明いたときに入るというだけの御方針であつたのでありましようか。

増原恵吉保安庁次長

○増原政府委員 もちろん円満に明いたならばですが、当時われわれが入りたいという一応の目標は、さつきも申し上げましたように、七月上旬であつたのであります。七月上旬ごろに円満に明けてもらつて入れるかどうかということを一つの目標として話をしているのであります。それでわれわれが当時承つたところでは、その少し前に円満に話がつきそうだというふうに聞きましたので、一応円満に明くことを条件として、七月半ばに一つの部隊を入れたいという内定をした。しかしその後事情がいろいろありましたので、われわれの方では見送つているという状態であります。

井伊誠一日本社会党(右)

○井伊委員 その事情の変化によりまして、十一月一ぱいをもつて統合をするということを大学当局は決定をしているのでありますが、この十一月中ということについては、別に保安隊の方から御希望を大学の方へはなさらないのでありましようか。あるいは文部省の方へでも、そういうような希望に基いての促進方というような申入れはなかつたのでありますか。時期であります。十一月一ぱいという必要上、そういうような御要求でもあつたのではないでしようか。

増原恵吉保安庁次長

○増原政府委員 十二月半ばごろに一つ部隊が少し動く時期がありまして、七月には使えなかつたが、十二月ごろに使えるということは、われわれにとつては好都合の時期ではありましたが、十一月ごろまでに明けてもらえないかということを、申し出た記憶はございません。ただ市当局あたりが参りまして、話が円満についたらぜひ前々のあれの通り入れてもらいたいというふうな話がありました際に、われわれとしては円満に早く話がつくことを希望するという程度のことは申しております。

井伊誠一日本社会党(右)

○井伊委員 そういたしますと、保安庁の方としては、十一月というのを別に強く希望をしておられるようでもないようでありまするし、また特に具体的に希望したこともないとおつしやるのであります。そういたしますると、事実におきましては今日キヤンプとして希望しておられますところの建物は、すなわち新潟大学の新発田分校の教室その他に当てられているのでありまして、これが統合という問題でもつてあき家になろうという関係なのであります。しかしながら実際におきましては、教育の立場から、その統合の問題については強く地方の人たちの反対が今日ありまして、自然その結果としてあの建物自体の明け渡しは結論的には反対ということが今日強く出ているのでございます。でありまするから、その結末がどうなるかは別といたしまして、さしあたりにおいてはこれを明け渡すという状況にはなかなか遠い、なかなか困難な事態にあると思います。保安隊がそこに急に行きたいというのではないということでありますならば幸いでありますけれども、今の学校にとりましては重大な問題でございまして、これを今——もうすでに昨日などは雪が降つております、そういうようなときにこれを統合してどういうふうにしようというのか。あの建物を明け渡さなければならないというようなことであつては、これは非常に重大なことになると思うのであります。そこで今保安隊といたしましては、あの新発田のキヤンプとして予想しておられますあの校舎は、事情があれば無期延期になつてもそれはやむを得ない、こういうふうにお考えになられるのでありましようか。その点をひとつ……。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 われわれとしては、ぜひとも円満解決を希望いたすのであります。それで万一それが円満解決ができぬということでありますると、この部隊の存置もこれまたなおざりにすることはできません。ほかに敷地を求めて建設するなり、あるいはまた根本的に土地を変更して、新発田以外のところに持つて行くなりしなければならぬと考えております。そこで早急にわれわれといたしましては円満解決を希望する次第であります。

伊藤郷一自由党

○伊藤委員長 時間もたちましたから、簡単にお願いします。

井伊誠一日本社会党(右)

○井伊委員 二月ごろには文部省との方の話はないというようなことで、文部省かあるいは学校の方かということをお尋ねしたのでありますが、その点は別にお答えがなかつたのであります。何か新発田市の方からだけ陳情があるので、それを元として期待だけをしておつたというふうに、お話では受取れるのでありますが、文部省を通して何か御交渉になつたことはないのでありましようか。あるいは文部省をぬきにして大学当局に直接何か御交渉になつたのであれば、その点について伺いたい。文部省が関係しているかどうか、あるいは文部省が関係ないとすれば、大学当局に直接交渉をなされたかどうか、そういうことを聞きたい。

増原恵吉保安庁次長

○増原政府委員 先ほど申しましたように、文部省には、あすこが円満に明くかどうかということをお尋ねをして、意見を聞かしてもらつております。大学当局に直接話をしたかどうかということは、その話をしたということが、文書その他できちつとしたものをやつたかという意味では、しかと記憶をいたしませんが、係官等が大学の意見を聞いたということはあつたように思います。あそこが円満に統合されて明くかどうかということについての大学の意見をわれわれの方の係官が口頭でもつて聞いたことはあるように記憶をします。それから知事の意見も、われわれの方で口頭でありますが、伺つたことはあります。

井伊誠一日本社会党(右)

○井伊委員 その点でありますが、その際時期はいつということはわかりますまいけれども、大学当局が大体どういう方針をもつてお答えしたか。当時受取られました大学の答え並びに県知事がどういうお答えをしているか、こういうことがわかりましたならば……。

増原恵吉保安庁次長

○増原政府委員 要点は、知事の方も、大体新発田のあそこの分校が円満に統合されて明くようになるであろうという意向。大学当局も、あそこが統合されて、保安庁の方で使用し得る見込みがあるという意味で返事を承つているように記憶します。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 関連して……。こういう大切な問題について係官が直接大学当局に行つたり、そんなところに行つていろいろ意見を聞くということ自体が軽卒だと思う。そういうことをしないで、責任者である文部当局と十分話合つてからやるという慎重な態度が必要じやないか、この点に対する意見を伺いたいと思います。  それから木村長官に一つお伺いしておきたいのは、御承知のように十三国会でしたか、本委員会で、警察予備隊のために教育関係の施設の接収等が行われないように努力されたいという決議もしておるわけなのです。今度の問題は、形からいえば、明けばすぐに使おうというのですから、接収とは形式的には違いますけれども、今長官も円満解決をぜひ望む、こう言つておられるわけなのです。ところがこの問題は、御承知のようないろいろな問題がすでに現在起つておりますから、これが形の上では解決しても、はたしてこれを円満解決といえるかどうか、私どもこれははなはだ心配しておる点なのです。そういう状態で保安隊がここに入るということになれば、保安隊のためにもおもしろくない結果が出ると思う。そこでこういう問題が起つている以上は、保安隊としては一応これを白紙に返してしまつて、別個につくる、そういう方針を立てられれば、あとの分校の問題をどうするかは、保安隊とかそういうものとの関係なしに、まつたく教育的な立場から文部当局なり大学当局が白紙にもどして考え直す。こういうことをやつて初めて円満な解決ができると思う。それだけの積極的な努力をひとつ保安庁の方でやつていただきたいと思うのです。これに対する長官のお考えを伺いたい。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 われわれといたしましては、新たにりつぱなものをつくりたいのでありますが、国家財政の窮乏している際に、なるたけさような点については部隊にもがまんさせよう、この趣旨であります。そこででき得べくんばほかに敷地を求めて、りつぱな建物を建てたいのはやまやまでありますけれども、しかしながら今申す通り財政面と、もう一つは時期的にこれがなかなか時間もかかるという関係から、かようになつた次第であります。しかし今仰せのように、これがぜひともいかぬということであれば、またわれわれはほかへ部隊の兵舎を持つて行くとかなんとか考えなくちやならぬと考えております。

松本七郎日本社会党(右)

○松本(七)委員 国家財政のなかなかむずかしい点はわかるのですが、これは金、物質的な問題じやない。無理をしてわずかの節約をしたために、教育的にいろいろな大きな影響を受けるならば、これは財政的な負担以上の大きな損失を招くのです。この点は十分慎重に考えていただきたいと思います。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 文部大臣のお話によれば、もし明いたならば保安隊が使う。木村長官のお話を承りますと、ちようどいいあんばいに明いたからこれを使いたいと、両大臣のお話を聞きますとまことにスムーズに行つたように考えるのであります。しかしながらもちろんこの問題については、木村大臣は円満解決したいと希望を申しておられますが、深刻な問題があるのであります。そこで一、二点ただして、今後われわれが現地調査に参りますが、その点の参考にいたしておきたいと思うのであります。  その第一は、この新発田の元兵舎が地元の陳情によつて内定をした、こういうお話でございますが、これは国立大学の分校になつていて、たくさんの子弟を教育しておる現状にあるのでありますから、これを内定されるのに、単に新発田市当局の陳情のみをもつて内定されるということになれば、まことに危険であると存ずるのであります。と申しますのは、この保安隊の誘致運動に対しましてはいろいろの問題が起きて来るのであります。利権の問題も相当起きて来るのであります。また市当局、ことに市会の議決なんかというのは、その市の特殊の方々のために行われることが非常に多いのであります。従つてこの問題を保安隊の方で——当時は警察予備隊でしたが、内定される場合において、単に市を主体とするところの陳情だけで内定されたか。それとも少くとも国家の最高学府である大学の校舎を明けるについては、ほんとうに明くような状態になつておるかどうか、この点について確かめた上で、その見通しをつけて内定をされましたかどうか、この点をまずお伺いしたいと思います。

増原恵吉保安庁次長

○増原政府委員 陳情を行いました主体といいますか、きつかけをなしておるのは市当局であることは、申しておる通りであります。われわれが、円満に明くならば隊を入れようという内定をしました際には、申すまでもなく文部省にもお話をして、その見通しを一応承り、それから知事にも円満に明け得るかどうかということについての見通しを承つて、われわれの方では円満に明くならば入りたいという内定をしたのであります。  先ほどの御質問にお答えをしますが、統合、あるいは新発田の分校がわれわれの方で使えるように明くかどうかということを承りましたのは、もとより主として文部省に対して承つたのであります。大学当局に承つたのは何といいますか、ささえといいますか、そういう意味でありまして、主として文部当局にお話を伺つた、こういうことであります。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 そこでお伺いしておきたいのは、昨年の五、六月ごろ文部当局にその見通しをお聞きになつて、さらに知事にも見通しをお聞きになつたというのでありますが、その際の文部当局の見通しについての返事はどういうものであつたか、その点をお伺いしたいのであります。

増原恵吉保安庁次長

○増原政府委員 それは昨年ではありません。陳情を持つて来ましたのは昨年でありますが……。そのときは新発田分校を統合して、新発田の方は明くようになる見込みがあるという意味の話を承つておるのであります。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 その問題から片づけたいと思いますが、明くという見通しを文部省のどなたに交渉され、どなたの御返事があつたか、その点をお伺いしたい。

増原恵吉保安庁次長

○増原政府委員 その点は私直接交渉に参りませんので、どなたということは今ちよつと申し上げかねるのでございますが……。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 そこで本年の七月ころの見通しでございますが、学校というのは、御存じのように来年の三月が学年末であるのであります。従つて十月、十一月に統合をやつて、新発田から新潟に移転するということになりますと、大事な天高く馬肥ゆるのこの秋の、学生としては勉強しなければならぬ絶好のチヤンスに、少くともそういう移転をすれば授業を休まなければならぬ。そういういろいろな問題があるから、われわれが普通の常識で考えると、文部省当局は、統合するにしても、学期末に持つて行くべきじやないか、この十月、十一月に持つて行くべきものじやない。こういう点について非常に疑問を持つわけであります。その点について文部省は十月、十一月に明く見通しを持つて返事をされましたか、ただ明く見通しを持つて返事をされましたか。また保安隊の方でもずいぶん急いでおられる客観情勢がありますけれども、そういう学期半ばにおいてこの統合をさせて、そのあとに保安隊を入らせる、そういう御計画ができておるわけでありますか。その点について文部当局の見通しというものが非常に不可解であるのであります。従つてその見通しの内容について、そういう時期的の問題も考えまして、いかなる見通しの御返答があつたか、その点を承りたいと思います。

増原恵吉保安庁次長

○増原政府委員 見通しを承りました最初は、先ほど申しましたように、われわれが一応七月にできれば利用したいというのが一つの時期でありまして、七月のいわゆる一学期の終りました夏休みというときであつたように思います。そうしてわれわれの方で内定をしたといいますか、そういうことが地元に伝わりまして、それでその反対の声が強く起つたというふうに私どもは了解をしておるのですが、その後はわれわれの方では無理をしてはならぬ、円満に明けてもらうならば入りたい。それでもちろん円満にことがきまるのが早いことを希望しますが、十月とか十一月とかいうふうなことを特に申してはおらぬわけであります。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 それから次の問題は、知事に見通しをお聞きになりましたが、この知事の見通しの内容、並びに知事の見通しにはだれが使いに行かれたと思いますが、だれが知事に意見を求められたか、その点をお聞きしたいと思います。

増原恵吉保安庁次長

○増原政府委員 知事とは私偶然直接に話をいたしました。こういう地元の申出があり、いろいろ文部省その他の意見を聞いて、円満にあそこが明けられるものならば、われわれに利用さしてもらいたいと思うかということで、知事の意見を聞きました。知事もそれは円満に利用することができるだろうと思うという意見を口頭で私に申しておりました。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 そういたしますと、そのときはやはり時期の問題なんかはなかつたわけですか、どうですか。

増原恵吉保安庁次長

○増原政府委員 そのときは、一応今の七月半ばごろにわれわれの方が入るという意味合いのときであります。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 それでわかりましたから次の問題を聞きたいと思います。  その見通しがついて、この地元の調査などもやられたと思いますが、その際に、この新発田分校の統合の問題が非常に困難な問題である。こういう点についての調査と申しますか、——いよいよ七月に移転するとすれば、あき家に入るわけじやなくて、しかも多数の学生が勉強している、その校舎を明けるわけでありますから、その際に市の陳情、その他学校の移転、いわゆる統合について、地元の非常な反対があるということは調査なさらなかつたか、あるいはお聞きにならなかつたか、その点を承りたい。

増原恵吉保安庁次長

○増原政府委員 もとより調査に参りました際に、反対のあることを承知しまして、それ以後は円満に解決がつくまではということで、われわれの方は現在に至るまで見送つているわけであります。

坂本泰良日本社会党(左)

○坂本委員 保安隊の処置はまことにもつともなことであつて、要はこの統合が円満にできるかどうかの問題にあると思うのであります。この統合の問題は全国の大学の問題であり、日本の教育の根本の問題であるのでありまして、私たちは、この大学の教育の問題と、この保安隊が入るからという問題がもつれて、かような状態になつたのを非常に遺憾としておるのでありますが、木村長官並びに次長のお話によりますると、そう切なる希望もないようでありまするから、われわれとしましては、やはり教育の根本にかんがみまして——しかもこの新発田に分校を置かなければ、この僻地の方の教育の問題にも関することでありまするから、この教育の根本にかんがみた問題の調査を進めまして、ここに変更がありましたならば、木村長官は、ぜひともこの点に同意されてやつていただきたいということを要望いたしまして、質問を終ります。     —————————————

坂田道太自由党

○坂田(道)委員 大分論議も尽されたと思いまするので、一応この辺でお打切りをいただきまして、調査委員派遣の問題へ入りたいと思います。

伊藤郷一自由党

○伊藤委員長 新潟大学新発田分校移転統合の問題について委員を派遣して調査を進めたいとの申出が坂田委員からございました。御承知のごとく、議院運営委員会で会期中は委員派遣を行わない旨の申合せがなされておりますが、委員会として委員派遣の承認申請を議長になすことに決するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伊藤郷一自由党

○伊藤委員長 御異議なしと認めさように決しました。  本日はこれにて散会し、次会は公報をもつてお知らせいたします。     午後五時十九分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗