農林委員会 第16号
- 発言数
- 37 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1953/01/31
会議録
○坂田委員長 これより会議を開きます。 本日は肥料問題について調査を進めます。 昨年末本委員会は肥料小委員会を設け、肥料に関する諸般の問題について調査検討を加えて参つたのでありますが、昨年十二月二十四日の委員会におきまして、肥料価格の適正化並びに供給確保に関する委員会の決議をいたし、議長に報告するとともに、関係政府当局に参考送付し、その善処方について要望いたしておきました。しかしながら、さしあたり当面の春肥の問題について、農民の間にいささか不安の点もあるようでありますし、また特に小委員長よりの御希望もありますので、最近における肥料事情及び政府の措置等について明らかにしておきたいと思う次第であります。 まず順序といたしまして、先般の本委員会の決議に対しまして、政府におかれてはいかなる措置をとられたか、一応簡潔に御説明を求めたいと思います。これより質疑を行いますに先だちまして、政府の御説明を求めます。小倉政府委員。
○小倉政府委員 昨年の十二月二十四日の本委員会の御決議に基きまして、政府といたしまして、いろいろ考えたこと、決定したことにつきましてお話をいたします。 第一点の輸出価格の問題でございまするが、輸出価格が国内価格よりも安い、そのために国内価格に損失が転嫁されないような措置ということでございまするが、この点につきましては、すでにこの御決議があつた当時から、いわゆる安定帯価格といつたような措置に基きまして、行政的に価格の安定の措置を講じております。なお春になりましても、その措置を措置としては継続して参りたい、かように考えておるのであります。 それから春肥の需給の関係でございまするが、昨年の十二月末までに輸出を大体予定しておりまする量は、硫安につきましては相当の数量になつておりまするが、春肥の需給につきましては、それによつて量的には不足を来すということはないと確信いたしております。国内の肥料の需要の充足については遺憾がないのであります。石灰窒素につきましても、最近無酸根肥料の奨励ないし具体的に耕土培養事業の進展というようなことによりまして、需要が昨肥料年度よりあるいは増加するということが考えられまするが、たとい若干の需要の増がありましても、供給も増加いたしまするので、石灰窒素につきましても、一応供給に不足するところはない、かように考えております。 それから第三点の肥料購入の合理化でございまするが、これは通産省の方からお答えがあると思います。 第四点の肥料審議会でございまするが、これはただいま申し上げました輸出の価格の問題、あるいは国内の需給の問題、あるいは肥料購入の合理化の問題、いずれも関連がございますが、このことにつきましては、経済審議庁の方から御説明願つた方がよろしいかと存じます。
○岩武政府委員 今小倉政府委員から申し上げました肥料の審議会の件でございますが、当委員会のお申入れの趣旨に沿いまして、昨年の末に閣議決定をもちまして、肥料対策に関する委員の委嘱の件がきまりまして、これは肥料の生産、流通、消費、輸出入、価格等に関しまする重要事項を審議することを任務としまして、関係の生産、流通、消費等の部門の代表並びに学識経験者等から、関係大臣の推薦に基きまして、内閣総理大臣が委嘱するということで閣議決定をおきめ願いまして、これに基きまして委員の選考を進めまして、一応メーカー関係から四名、流通関係から三名、消費関係から四名、学識経験者五名という、合計十六名の委員の発令を見まして、そのうち石灰窒素関係一名だけ、実は団体の改組等もございまして、代表未決定のために発令が遅れておりますが、最近まとまりましたので、不日発令されると思つております。それから委員会の議事の模様でございますが、御趣旨のように早急に結論を出します関係もございますので、去る二十七日に第一回の会合を開きまして、一応最近の肥料事情並びに当委員会のお申入れの趣旨を十分に説明いたしまして、そういうふうな線で、早急に御審議を願うというふうにお願いしておるわけでございます。続きまして、第二回の委員会も来月早早に開きまして、まず硫安工業の現状を検討いたしまして’それに基きまして、当面しておりまする春肥の問題、あるいは輸出の価格の問題の処理等につきましても、早急に御審議を願うという建前になつております。通常の委員会と違いまして、この委員会は一週間に二度でも三度でも開きまして、早急に、間に合いまするように結論を出していただきたいというふうにお願いしてございまして、委員諸氏におかれましても、その意を体されまして、今後引続き審議を続行されまして、早急に結論を出していただけると思つております。またその結論につきましては、関係官庁としましては、早急に実行に移して参ることになつております。幸いに委員各位は非常に御熱心でありまして第一回におきましても、いろいろ御発言もございまして、われわれとしましても、今までと違いまして、非常に妥当な結論が早急に出ると考えております。その結論を待つておる次第でございます。
○中村(辰)政府委員 需給関係につきましては、先ほど経済局長から御説明のありました点と同様に考えております。なおこの際肥料工業の合理化についての問題を私の方から御説明申し上げることになりましたので、一応申し上げます。 肥料工業の合理化につきましては、昨年当委員会におきまして大臣から申し上げましたように、コストの恒久的な引下げ対策として申し上げました重要問題につきまして、通産省としましては、目下全力をあげてその具体化に努力中でございますが、特に水力電気開発計画の促進並びに石炭価格の引下げに、基本的に触れます縦坑開発計画、その他具体的な方式について検討いたしております。なお肥料工業それ自体の合理化の問題として、特に先般来強く主張されておりました粉炭ガス化の企業化の問題につきましては、海外の技術導入その他につきまして目下具体的に検討推進いたしておる次第であります。
○坂田委員長 これより質疑を行います。井上良二君。
○井上委員 大臣及び政務次官が見えませんが、見えましたらそのときはそのときで質問をすることにいたしまして、事務当局に二、三伺いたい点は、昨年、例の海外輸出の問題が国内肥料価格の上に非常に重大な影響をもたらすとともに、これが春肥の需給と価格に重大影響がある。その第一点は、ここでも相当議論になりました通り、メーカーは出血輸出といつておりますが、もしそれが出血輸出の場合は、全体でどのくらいの出血になるか、その出血になつた分が国内の価格に転嫁されるのと違うか、こういう点が議論になりまして、それらの点については肥料小委員会でもいろいろ検討して参りましたけれども、全体の出血金額がどのくらいになるかということについては、その当時は一向に明らかにされておりません。従つてそれがただちに春肥の価格に転嫁されるということは、さしあたりはないのではないかという一応の希望的な観測がされておつたようでありますけれども、しかしこの出血輸出が国内価格に転嫁されはせぬかということについての明確な結論というものは、いずれも出されていないのであります。そこで政府としましては、特にこれは経済審議庁が、これらの問題を適当に解決するように、審議会を主催されておりますので、経済審議庁としましては、単に肥料審議会がどういう発議をし、どういう審議をして行くかということについて、全然干渉もしなければ要請もしない。まつたく自由な活動にまかす、こういう考えのようにわれわれは見るのであります。ところが、その審議を進めて行く場合に必要な資料というものが、それぞれ事務当局から提出をされなければならぬのではないかとわれわれは考えるのであります。そういたしますと、経済審議庁といたしましては、ただいま問題になつております、メーカーが申します出血輸出というもののおよその金額はどのくらいと査定をしておるかということが一点。それから、かりにここに何十億かの出血があると仮定をいたしました場合、それは現在の肥料工業の経営内部で一体消化できる見通しがつくかつかぬか、これが第二点。もし消化がつかないとかりに考えた場合、その処置を一体どうやつた方が最も適当と考えるか、これは肥料工業の発展と、海外輸出を将来推進して行く場合、海外市場価格が国内価格をはるかに下まわつておる現在、政府としても当然そういう対策を考えておらなければならぬ。単にそれはメーカの採算の上で考えてやつたことであつて、政府はそういうことに対して干渉する必要はない、こういう考え方でおるか、それとも肥料工業は輸出工業としても、輸出産業としても、相当重要な産業であるのであるから、今日のように海外相場が国内相場を非常に下まわつておる場合、海外市場を確保する見地からも、この際出血輸出はやむを得ない。しかし現状の経営内部では出血は吸収できないとするならば、国家とし、政府としては、一体どういう対策を講じたら最もいいかということに対する、肥料輸出政策の上からの政府としての一応の見解を確立する必要があろうと思う。それが立つてないとすれば怠慢もはなはだしいのでありますから、そういう点について意見をひとつこの際第一点として伺つておきたい。
○岩武政府委員 ただいまお話がありました審議会の運営の問題につきまして、何か自由にさしておるのではないかというお話でございますが、これはそうではございませんので、第一回の目頭におきまして当委員会のお申入れの内容を十分説明いたしまして、いろいろな問題もあるだろうが、むしろ当面の肥料審議会において解決していただきたい問題は、農林委員会のお申入れの諸点である。従つて単に長期的な問題だけではなくて、短期の早急解決を要する問題についても早く結論を出していただきたい。こういうふうに申入れいたしまして、そういう趣旨で、第二回以降の議事も進められる模様でございます。御了承を願いたいと思います。 第二点の、肥料工業の将来並びにそれとの関連の問題でございますが、これにつきましては、われわれ事務当局がこれらを御説明いたすのもどうかと思いますが、ただ一、二御参考までに申し上げますれば、出血輸出等の問題、いろいろございますが、値が下りましたのはこの夏以降の契約分でございまして、それ以前はむしろ内地価格をはるかに上まわつておるものと存じます。従いまして輸出価格の問題は国内価格を上まわることもあり、下まわることもある。これは国際競争上おそらく当然だろうと存じております。ただ企業経営上の措置としまして、そういうような、一時輸出価格によつて生じました赤字あるいは損失というものがありました際に、これを企業経理上どう措置するか、短期にすぐ国内価格の方にしわ寄せをするか、あるいは経営上の措置としまして長期的にこれをなしくずしに処理するかという、いろいろの問題があろうと思います。先先輸出価格が上りますれば、それとの関連もあろうと思いますので、そのへんのむしろ経理上の操作あるいは措置等につきましても、委員会等において方針が得られることを期待いたしております。
○井上委員 そうすると、経済審議庁としては、今度の出血輸出は一時的な海外の相場であつて、将来また国内相場よりも高くなることがあるかもわからぬから、従つて今回出血をいたしても、また将来相場が国内よりも上つた場合は、それでまたカバーすればよいので、そういうことについて政府として、この際取立てて海外市場価格に相応する輸出計画というものを検討する必要はないというか、考える必要までまだ至つていないというか、その肥料審議会か協議会か知らぬが、それをつくつたがゆえに、その結論が出なければ、政府としては出過ぎたことはしたくない、別な言葉でいうと、肥料審議会に一切の責任を転嫁さして、政府としては、その結論の出るまでは何ら対策は考えずもいい、そこへ逃げ込んだような印象をわれわれは受けるのです。あなたが今御説明になりました通り、問題は一つの大きな政治的問題として、国内の安定価格を、九百三十円から八百七十円のところで政府のあつせんにおいてきめたのでしよう。その安定価格がきまるやいなや、国内の相場よりも二、三百円も安い価格で輸出をしておるというところに、農民としては納得のでき得ない肥料政策を見ておるわけです。だから海外に国内価格よりも二、三百円も安い価格で輸出ができるならば、国内価格もその価格に下げるべきであるというのが、農民一般の強い要望です。ところが、それが出血輸出であるということが一方においていわれておりますが、その出血輸出であるかないかということは、われわれはもつと検討を要する問題として、検討をいたしておりますけれども、問題は、そういう農民をばかにした、農民を裏切つた政策というものが政府のあつせんにおいてとられておることです。そこに問題があるのです。だから肥料審議会がまず第一に解決せなければならぬ問題は、この農民が考えております矛盾した肥料政策を、どう一体明るい考え方にするかしないかという問題であろうと思う。だから海外でそれだけ安い価格で売られるだけのものがあるならば、国内価格もそれに見合つて、当然安定価格というものを改訂すべき必要があるという意見がここへ起つております。だから肥料審議会が第一に解決せなければならぬ問題は、春肥をめぐるこの安定価格を下げるか下げないかという問題が、当面の一番大きな政治問題として解決せなければならぬ問題であります。この問題が、今申します出血輸出による損害を国内価格に転嫁するかしないかという問題にもかかつて来る問題でありまして、そういう面から政府とし、特に経済審議庁としては、肥料を輸出産業と見て、特に今の海外相場は、これは一時の特殊現象であつて、将来また国内相場に接近するほど海外相場は上る、こう見るか見ないかという問題を、今あなたの御答弁からしますとわれわれも考えるのであります。私どもは、西欧の肥料工業の実態をいろいろな書物で教えられまして、そう簡単に、日本の肥料工業では西欧の肥料工業を上まわるコスト安の肥料はでき得ないという現状にあるのです。特別な肥料国家管理でもいたしまして、肥料産業に対する資材、原料、資金、税金その他諸般の総合的な対策を立てて、海外相場に対抗できる特別な経営を政府が指導しない限り、おそらく私は西欧の肥料相場とは太刀打ちができない状態に追い込まれはしないかと私は見ておる。そういう一つの肥料輸出に対する見通しについて、経済審議庁はどうお考えになりますか、これを伺いたい。
○岩武政府委員 ちよつと私のお答えの言葉が足りなかつたせいかとも存じますが、先々輸出価格が上るかどうかということは、マーケツトの事情がございますので、一時的な問題か、あるいは御指摘のように、日本の肥料のコスト高のためにすでにそうあるかということは、これはなかなか予断を許さぬと思いますが、おそらく御指摘のように、西欧の品物の方が東南亜市場では有利に闘えるということかとも存じております。ただ問題をこの輸出価格によつて生じます損益の面に局限いたしますと、処理の方法は、おのずから企業経理上の処置があるのではないか、こういうふうに申し上げた次第であります。従いまして御指摘のように、西欧諸国の輸出価格——あるいはそれがコストの反映かとも存じますが、あるいはそうでないかとも存じます。よくわかりませんが、多分日本のコストよりも西欧のコストの方があるいは相当安いだろうということが言われておりますので、そういう関係で、日本の肥料工業としては、将来東南アジアの市場をある程度確保して参るためには、長期的な見地から合理化、あるいは政府のそれに対しますいろいろな施策等も必要かと存じております。この東南亜、ことに近隣の諸国に対しましては、これはおそらく一般的な輸出市場として考えまするほかに、政治的な問題等もございますので、日本の肥料でこの農業生産を培養して参ることが必要かと存じております。従つてその点からある程度輸出産業という形の施策が必要と存じております。問題は、御指摘のように現在のような国内価格と輸出価格の開きでは、消費者側の非常に高いという気持は、これは争われないと思つております。従つて安定帯価格の問題も、これを現在通りすえ置くべきか、あるいは下げるべきかという点の方向につきましては、これは肥料審議会等でもとくと御審議願いたい。その方向はこの農林委員会の申入れがございますので、そういう消費者側の気持も十分にくんで結論を出していただきたい、こういうように考えておるのであります。
○井上委員 ちよつとだめを押しておきますが、あなたの方にそういうことを質問するのは妥当かどうかわかりませんが、さきに私が申しておりますのは、メーカーが申します出血輸出と言われるのは、全体でどのくらいの金額になるかということについて調べたことがありますか、まだそういうことについては調べてないというのですか。これは通産、経済審議庁、いずれでもけつこうですから、その出血輸出であると言われている内容について、全体でどのくらいの出血輸出になるか、ならぬのか。もし出血輸出であるとすれば、それが企業経営の内部において消化される見通しか、消化されない状態にあるのか。これは事務当局としてはおよそそういうことについての見当を持つておつて、審議会から要求されます場合は、当然その資料として提出すべきであろうと思うし、それだけのことは事務当局としては当然準備すべきであろうと思います。その二つについてはつきりした御答弁をいただきたい。
○前谷政府委員 ただいまの御質問に対しましてお答え申し上げます。井上さんも御承知のように、肥料の統制を撤廃いたしましてから、従来主として数量の調節によりまして肥料政策というものを政府としてはやつて参つたわけでございます。従いまして最近、昨年度の中ごろまでは、価格の問題につきましてはそれほど問題がなかつたかと存じます。しかし御指摘のように、海外の肥料の市況が悪くございまして、国内価格との乖離というような問題が出て参りました。われわれといたしましても、御趣旨の点を尊重いたしまして委員会をつくつたわけでございます。価格の問題につきましては、各社の経理状態がそれぞれ異なるし、また各社の輸出数量等もそれぞれ異なりますので、これにつきましては政府といたしましても調査することも考えたのでございますが、むしろ肥料審議会におきまして、消費者の代表の方々もお出になつた上におきまして、メーカーの側から十分にその実態を御説明になつて、この上において十分その実態を明らかにいたしまして、政府としても措置することが妥当ではなかろうか。むしろ政府だけでもつてその内容を洗うというよりも、そういう審議会のもとにおきまして、消費者の方々も御列席の上においてその内容を検討いたしたい、かように考えまして、この次の会合におきましては、生産者の方々からその実態を十分に御説明になり、それに基いてさらに検討いたしまして、その内容を明らかにいたしたい、かように考えております。
○井上委員 一応ごもつともなような御説明でございますけれども、政府は価格の面については別に干渉もしなければ、調査するということも考えてないようだ。しかし、この肥料審議会をつくりましたのは、一番問題点はそこにあるのでありまして、それが出血輸出であり、どれだけの赤字が出て、それが肥料価格に転嫁されるか、されないかということが、安定価格にどういう影響を持つか持たないかということにも影響して来るのであります。それに対しまして、政府が何ら具体的調査もしないで、まつたく権威のない、法的根拠のない、どつちかと言えば、輿論はうるさいから、一時輿論を緩和するための便宜的機関としてつくつたような肥料審議会、そういうものに逃げ込んでしまつて、それで荏苒と日を暮して、遂に春肥の肥料価格の適正な決定には何らの結論を得なかつたとした場合、一体政府はどういう責任をおとりになりますか。これは事務当局のあなた方にそんなことを聞くのは、はなはだどうも行き過ぎかわかりませんが、現実にそういう具体的な必要な資料を政府としては整えて、メーカーはこう言うけれども、政府はこう考える、従来の肥料価格をきめておりました統制時代のいろいろな資料がありますから、その資料から推定をいたしましても、現在いろいろな条件を勘案をいたしますならば、大体の公正な価格の推定というものはおおよそつく。そういう点からこれが、出血輸出として、どのくらいの金額が予想され、あるいはまた出血輸出として出ますその内容がどういう状態にあるか、またそれが国内で消化されるかされぬかということについても、およそ推定し得る。その具体的な資料が全然なしに、政府がそういうことをせずに、一体消費者代表でそういうことができると政府ではお考えになつていますか。消費者代表がそういう必要な資料を持ち、必要な権限を振りまわすことができ得るとお考えになつていますか、そこに問題があるのです。なるほど学識経験者や消費者代表を、一応メーカーやそれに関連する者と同数くらい委員をお出しになつて、いかにも公平な運営をするように表はなつておりますけれども、一体メーカーのあの厖大な資本力と組織力による調査機能と、消費者代表による資本力と組織の実情を見て、そういうことが適正合理的に調査がされ、正確な結論を得るような資料が消費者代表によつて得られると政府はお考えになつていますか。そこに問題がありはしませんか。私はそう考える。だから政府が何か審議会が結論を出せばというけれども、審議会がそういうものに対して、十分な活動のでき得る予算なり法的根拠なりというものが与えられておりますならばそれはやるかわかりません。しかし、審議会は何ら法的、予算的裏づけなしに、単に起つた問題を、何か政治的に緩和しようとする意図の上に時間をかせぐということになりはせんかということを、われわれは憂えるのです。それでは当面の春肥の価格対策に何ら効果は現わさないのです。私どもがきよう急にこの委員会を開いて、政府の所信を伺うというのはそこにあるのです。だからその点に対してもつと責任のある答弁をしてもらいませんと、そういうことで逃げられたのでは、一向この問題は解決いたしません。ところがあなた方がそこまで言うのは、政治上の問題だから私は答弁できぬというならば、長官なり、政務次官なりに来てもらつて話をせなければならぬ。どういうお考えですか。
○前谷政府委員 ただいまの御質問の問題でありますが、事務当局といたしましては、現下非常に問題となつておりまする肥料問題につきまして、単に審議会におきまして審議をされ、その結果そこに逃げ込むというふうなことは絶対に考えていないのでございまして、事務当局といたしましては、誠心誠意審議会と協力いたしまして、問題の解決に努めたいと考えているわけでございます。なお先ほど申し上げました点は、もちろん統制時代におきまする資料は、通産省その他においてはお持ちでございまするが、その後相当の期間もたつておりまするし、そういう資料とあわせて現在の実態につきまして、詳細に生産者側からも御意見を伺い、またそれにつきまして各委員の方方から、政府に対しても資料の提出要求もございましようし、そこでもつて十分に実態を明らかにいたしまして、その実態のもとに対策を立てるのが妥当ではなかろうか。もちろんそのために時期を失するということは非常に問題でございますから、できるだけ頻繁に開きまして、そういうことのないようにいたしたいと考えております。
○井上委員 これ以上あなたと抽象的な議論を繰返しても事は始まりませんが、問題は、私どもが一番心配するのは、肥料審議会が法的根拠の上に立ち、必要な予算的措置も講ぜられて活動します場合は、今あなたが説明されたような結論になるかもしれません。しかし、かりにメーカーからこれだけの出血がある、またこの価格でなかつたらメーカーとしては採算が合わないと言われた場合に、それを否定するだけの確実な資料が、一体どういう方法によつて今の審議会でとれますか、とれないですよ。結局メーカーの言いなりのようなことに使われてしまう審議会になつてしまうのではないか。それでは農民が鬱勃として胸の中にためている肥料に対する不平不満は解決できない。そこに問題がある。この問題は今のようなやり方では解決されないと私どもは考えているのです。だから政府は、政府として政府の権威において、必要なら必要な法律を出し、予算を要求して、この当面する重大問題ととつ組んで解決するという方向をとつてもらわなければだめであります。そういう点について、統制をしていないのだから、そんなことまで手を入れることはおかしいと言われるかもしれない。だがしかし、肥料の産業は、日本の輸出産業として重大な役割をこれから演じて行きますものでありますから、やはり適正な国内価格をきめ、海外の輸出競争に堪え得る生産を高めて行くためには、どうしても必要な資料が必要であります。そういう面に対して何ら資料を持つていないということが、一体肥料政策としてあり得るのでしようか。その点をもつと事務当局としては慎重に御検討を願いたいと思う。そうでないと議論ができません。まつたくずさんきわまりない。肥料政策に対して政府は何ら案を持つていないといわれてもしかたがなくなつてしまうと思うので、そういう点についてひとつ御検討を願いたい。 それから次に中村局長にお伺いしたいのですが、昨年十二月から御存じの通り、電力の事情なりまた石炭の事情なり、あるいはまた運賃の改訂等によりまして、肥料の住産は現在どういう状況になつていますか、そうしてこれが来年の四月なら四月までを大体限度にいたしまして、生産計画と実績はどういうぐあいになつて行きますか。その場合に、かりに予定通り電力が確保され、石炭が確保され、輸送が順調に行きました場合、かりに生産計画通りの実績が上るといたしまして、その場合の予想され得る増産されました分に対する処置に対して、どういうお考えをお持ちでございますか。たとえて申しますと、昨年の十二月末には約五十万トンほどが国内で滞貨する、さらに一月末になればそれが十万トンほどふえる、そのうちから三月末まで朝鮮向けその他を輸出いたしましても、なおかつ国内には二、三十万トンからのものが滞貨しやしないかということが予想されております。そういう状況はどういうぐあいになつており、そういう滞貨に対しての処置をどう講じようとしておるかということについて伺いたい。 それから第二点は、今お話になりました肥料価格の安定、合理化のための必要な措置として、肥料増産を積極的にはかるための電力の供給確保、それから石炭の価格の引下げに対する措置を講じるそうでありますが、その電力の増配といいますか、これは大体今までやつて来ておるよりも特に多くというわけにも参りますまいが、問題は石炭の価格引下げに対する措置であります。特に肥料に使います石炭、コークス等の価格は、一体いつになつたら下つて使うととができるようになりますか。そういうことに努力をしておるというだけですか、それともこの年度内において、三月なら三月になればトン当り石炭はこれだけ安くなる、コークスはこれだけ安くなつて、これだけよけい使うことができるとかいうような具体的な計画があるのでありますか、その内容を御説明願いたい。
○中村(辰)政府委員 第一点の昭和二十七肥料年度の窒素肥料の生産状況について御説明いたします。八月から十二月までの生産は硫安が八十二万七千トン、石灰窒素が二十一万八千トン、計百四万五千トンでございます。その内需並びに輸出の数字を申し上げますと、内需が八十二万九千トン、輸出が十一万九千トン、十二月末の在庫が四・十八万トン。一月の実績はわかつておりません。一月以降本肥料年度の終りでございます七月までの生産を計画通りいたしますと、硫安が百九十六万一千トン、石灰窒素が五十二万五千トン、計二百四十八万六千トンと考えられます。それから内需でありますが、硫安が百五十万トン、石灰窒素五十万トンというぐあいに考えますと、肥料年度末の七月末には大体四十万トンの在庫が考えられます。その間の輸出数量は、おおむね現在はつきりいたしております四十万トン程度を輸出するという案で考えました見通しでございます。なお今後の内需の動きにつきましては、農林省ともまだ十分打合せておりませんので、月別のことは今日申し上げる段階ではございません。大体年度間の現況としては、八月から十一月までの生産実績は硫安におきまして七万七千トン、石灰窒素が三万五千トン、計十一万二千トン計画を上まわつております。一月、二月の計画におきましては、電力においては暫定計画と申しますか、その線で推進しております。二月は一部六十四万キロ程度でございましたか、増加いたしております。三月以降の問題につきましては、目下具体的に検討中でございます。 それから第二点の石炭価格の引下げの問題でございますが、ただいまの御質問のような年度別、時期別の縦坑開発計画その他の具体的の措置はまだきまつておりませんので、その影響を御質問のような点で御説明できないのは遺憾でございますが、そういう次第でございます。
○井上委員 今日は経済審議庁長官が見えませんので、政務次官にひとつお聞きして、大臣にお取次を願い、政府として対策を講じてもらいたいと思います。昨日の本会議における経済審議庁長官の説明を聞いておりましても、肥料政策に対しては全然触れておりません。今一番重要な問題は、御存じのように昨年秋以来、審議庁と通産省と、農林省が集まりまして、肥料に対して一定の安定価格をきめまして、いわゆる国内需要に対する肥料価格を八百七十円から九百三十円という値幅を持たせてきめた。その安定価格が政府のあつせんできまるやいなや、そのすぐ後において、海外に対する輸出の契約をメーカーがいたしました。その契約が安定価格からはるかに下まわる価格で契約されておりますが、これがほんのわずかな一、二万トンの問題なら、事はしよいのですが、それが数次にわたつて、全体で三十万トンくらいの契約がされております。これがいずれも二、三百円下まわつております。これはあなたも御存じの通り、海外からの米は一万円以上で輸入しておいて、国内の米は七千五百円で買い上げる。国内の肥料は九百三十円から八百七十円でとめて、海外へは六百円から七百円で輸出しておる。このことは、生産農民にとつては何としても矛盾きわまる問題で、納得の行かない政府の農村政策であります。そこでこの委員会でも、昨年来非常にこの問題がやかましくなりまして、この海外輸出の問題について、いろいろの面から検討いたしました結果、政府に対して一定の申入れをいたしました。その申入れの第一は、御存じのように、出血輸出と言われておるが、その出血輸出である場合は、それを国内価格に転嫁をしないようにしてもらいたいということであります。ところが今事務当局にいろいろ質問をいたしますと、出血輸出と言われておるが、その出血輸出というものが一体どのくらいの金額になるかということが、まだ政府でわかつておりません。これは政府としては非常な怠慢であります。今日これほど大きな問題になつておつて、それが全体でどのくらいの出血輸出になつておるかということさえ政府にわかつてないというようなことは、まつたく怠慢もはなはだしいです。しかもその出血金額がどのくらいになるかということがわかりましたならば、それが一体肥料メーカーの企業運営の中において消化されるかされぬか、されない場合の処置はどうするか、それが明らかになりませんと、農民は安心できない。もしそれが適当に処置をされるということが明らかになりました場合は、国内価格に転嫁されないということが明確になつて参ります。ところがその点が明確にされておりませんから、依然として農民は不安になつておる。だからそれを国内価格に転嫁しないためには、企業内部において消化するとか、あるいは政府がそれに対して補償するとかなんとかの手をここにはつきり打出すべきでありますが、それが打出されておりません。この点をひとつ明確にされたい。 それから問題は、さきに申します通り、国内の安定価格から二、三百円も下まわつて海外に売られておりますから、この安定価格はもつと下げるべきではないかという意見が非常に強いのです。そこで肥料審議会でいろいろ御審議を願うことになつておりますが、ところが肥料審議会は、法的根拠も予算的裏づけもありません。まつたく当面の問題をお忙しい人をお願いをして御協議を願うだけにすぎないのであつて、何ら法的に活動できない機関であります。そういう機関でこの重大な問題の結論が妥当につくとは、私どもちよつと期待ができません。そうなつた場合、春肥の価格が依然として安定をせず、かつ農民が期待するように海外の相場との間に適正価格がきまらぬとした場合、一体政府はどういう責任をおとりになるか、この点についてもつと政府で御検討を願いたい。こういうことを私ども事務当局に今までお願いしておりますけれども、これは事務当局としては解決できない問題で、あなたの方、通産、農林両大臣において、ひとつ責任を持つて——この海外相場と国内相場との値開きをどう調整するかということについて、責任のある政府の処置をわれわれは要求しておるのです。そうしませんと、あの審議会でごたごたごたごたやつておりましたのでは、春肥の価格の安定の時期を失してしまつて、農民の不平不満は次の供出にこれが重大なる影響を来します。そういう点を政府はお考えになつて、農民の不平をすみやかに解決してやるということに、ひとつ政治的な努力を払つてもらいたい。これを私はあなたに特に要望しておきます。あなたとして御所信をこの際伺いたい。
○小川政府委員 この問題は、ただいまお言葉にございましたように、懸案となつており、しかもきわめて急速に解決を要請されておる深刻な問題でございます。長官の演説において、特にこの肥料問題に触れておらないことは御指摘の通りであります。さればといつて、決してこの問題を軽視いたしておるわけではございません。先刻のお言葉にもございました通り、この価格引下げに必要な石炭の価格引下げ等の措置につきましては、長官の演説においても相当詳細に言及しておるような次第でございます。政府といたしましては、急速にきわめて具体的な解決策を樹立しなければならない必要に迫られておることは申すまでもないわけであります。先決問題といたしまして、これまた御指摘の通りに、コストを正確に捕捉することが何よりも肝要な問題となつて参ることは申すまでもございません。これにつきましては、なかなか統制時代とは異なりまして、官庁方面で正確なコストを捕捉しにくいような事情もあるわけでございますが、いろいろな角度から正確なコストをつかむように努力をしなければならないことはもちろんでございます。安定審議会はすでに発足いたしまして、先般第一回の会合を開いたわけでございまするが、ただいま御指摘のように、春肥の問題につきまして明確な結論をきわめて急速に出さなければならぬということはもちろんでありまして、このことにつきましては、御出席の消費者代表からも強く御要望があつたわけでございます。さような御要望がなくとも、政府といたしましては、審議会の方々にも御勉強願いまして、なるべく早く妥当な結論を出して行きたい、かように考えておる次第でございます。審議会は、お言葉の通り法的な根拠は持つておりませんが、政府といたしましては、問題の重要性にかんがみまして、慎重の上にも慎重を期したい、こういうわけで、各界の権威を網羅いたしまして意見の開陳をしていただく、こういうつもりで発足をいたしたような次第でございます。ただいまの御要望の諸点は、いずれもきわめてごもつとものことと存ずる次第でありまして、政府といたしましても、その御趣旨に沿つて格段の努力を払つて参るつもりでございますから、さよう御了承を願います。
○井上委員 さきに中村局長から伺いましたのですが、どうも政府のたびたびの資料、説明によりますと、数字がそのたびおかしいのじやないかと思います。たとえば今の御説明では、八月から十二月末までに四十八万トンのいわゆる国内滞貨があるわけです。それが肥料年度の終りの七月末までに、かりに計画生産通りいたしまして国内需要を満して参りますと、これはたしか四十万トンと今おつしやつたように思いますが、国内需要を差引きまして、その間の数字はどうなつておりますか。 それから肥料生産の月別な生産状況と、それからどつちかといいますと肥料生産は関西の方に大体片寄つておるようではないかと思います。そういうことからしまして、関東、東北、それから中部、近畿、関西、四国、九州という方面とに需給の状況を具体的にわけた資料を出してもらいませんと、ほんとうに需給関係がうまく行つておるか行つていないかということがつかめません。私は昨年暮れにそれを要求しておりましたが、まだ今日資料の配給がございません。そういうことができないものですか、できますか。これをひとつお答えを願いたいのであります。 そこでこの際、さきに中村さんからの御説明によりましてさらにもう一応確かめておきたいのは、今問題になつておりますのは、終戦直後のあの肥料の減産が国の非常な財政的援助や、また資材、税金等の援助等、総合的な肥料増産に対する措置を講じました結果、今日国内需要を満たし、この産業が輸出産業として非常に大きくクローズ・アツプされて来ました。そこでこれを輸出産業として今後考えて行きます場合において、一番問題になりますのは、やはりその資材たる石炭、電力の対策であります。ところが今御説明によりますと、電力供給におきましても、あるいは石炭単価の引下げ、必要な石炭を肥料工業にまわすという点を考えてみても、なかなかここ三月や半年でその肥料価格が海外に太刀打ちできるだけの価格に引下げられる、いわゆる生産コストを下げるということはちよつと不可能でないかと私は見ております。そういう一つの見通しは誤つておりましようか。この点に対する見解をひとつ伺いたい。そうなりますと海外市場は、メーカーもこれ以上出血輸出を強行することはできなくなつて参ります。さりとて東南アジアの肥料市場を西欧にまかしておくということは、日本としては見るに忍びない。ここに政府としてほんとうに出血輸出に対する対策というものを具体的に、もつと政治性を持つて検討さるべきではないか。そういうことについて通産省当局は一体どういう構想を持ち、一体どういう政策を、事務当局として採用した方がいいかということについての一つの構想があると思います。この際それを伺いたい。
○中村(辰)政府委員 第一点の問題でありますが、生産関係につきましての工場の月別のブロツクの生産数字は、今持ち合せておりませんが、これは後刻御提出いたします。工場としては御意見の通り、地域的に多少西にふくれて生産されておるというような傾向がございますが、販売径路につきましては動いておる傾向がございます。そういう点もございます。この流通関係、消費に関します関係につきましては、農林省の方から御説明を煩わしていただきたいと思います。 第二点の電力、石炭の生産増強計画につきましては、御説のようにここ二、三箇月、これが期待するような効果をただちに見るというようなことは、はなはだ困難かと思いますが、金利あるいはその他の問題を解決することによりまして、できるだけこの電力あるいは石炭の増強計画の進捗以前においても、石炭価格の引下げの措置をとるべく目下検討中でございます。従いましてこのような計画によりまして、できるだけ東南アジアの市場確保ということに努力いたして参りたいと考えます。それ以外にも、たとえば優先外貨の幅を広めるというような問題、あるいは他の肥料工業自体の合理化というようなことにつきましても、極力努めて参りたいと思います。
○井上委員 私これ以上は事務当局ではぐあいが悪いと思いますから、ひとつ農林大臣、通産大臣にぜひ出てもらつて、実際これは時期を失したらたいへんな問題になりますので、政府の方でもひとつ積極的に出席を願うように、委員長の方でおとりはからい願つて、この問題の善処をはかつていただくようにやつていただきたい。私はこの程度で一時保留しておきます。
○坂田委員長 井上委員の言われる通り、委員長といたしましても、この問題はきわめて重大だと思いますので、次回になお引続き質疑を続行いたしたいと存じております。ただ現在御存じの通り、大臣は参議院並びに衆議院に御出席に相なつている時期でありますので、その点御了承を願いたいと存じます。大島秀一君。
○大島委員 私は農林委員になりまして初めてでありますから、あるいは見当違いのようなことを言うかもしれませんが、どうぞひとつ御了承を願いたい。 先ほどから伺つておりますと、どうも根本的な問題に触れているような、触れていないような感じが実はするのです。というのは、統制撤廃された爾後の問題を、営利会社を相手に価格をどうというようなことは、これはぼくは非常にこつけいだ思う。(「ノーノー」)ちよつと待ちたまえ。しかしそれだからといつて農民は安定した肥料を使いたい、これも当然だと思う。しからばどうするかという問題がきつと起きたその結果だろうと思う。そこで私はそれを根本的に解決するということは、政府がこれに対して補償をするとか、さもなければ官民合同の会社にでもしない限りにおいては、相手が営利会社ですから、どんなに政府がうまいことを言つて聞こうとしてみても、原価なんということはわかりつこはない。わかりつこはないし、またわからせないようにして行くと思う。ですからそういつたものを探究しようとするよりも、ほんとうにわかるような処置ということは、要するに、これに対して足らないならば足らないように政府が補償をするとか、あるいは合同の会社をつくるとか、そうでもしない限りは、私は不可能だと思うのです。そしていま一つは、海外に輸出をする、その補償をして、価格が安くなるとか高くなるとかということを言うけれども、営利会社は、もうかれば輸出もしようし、もうからなければ輸出もしまいと思うのです。だから、そういつたようなことを論議していることは、私は非常に不経済であり、こつけいだと思う。ですから、こうしたことを議論をする前に、根本的なものを立てるように考えていただきたいと思うわけであります。先ほどから聞いていると、石炭をどうしろの、こうしろの。そんなことは製造会社が苦労してやる仕事だろうと思う。そうした申請があつたものに対して、政府はどうするか。安い肥料をつくらなければならぬ、あるいは国民にそれだけのものを供給しなければならぬというならば、会社の申請によつて、政府はそれを供給すればいいのであつて、営利会社に向つてどんなことをしろの、こうしそうなものだなんて言つたつて、相手がもうけ会社なんで、そんなことは考えつこないのだから、そうしたことにほんとうにメスを入れて、根本的な協議をしていただかなければ、むだじやないかと思つているのです。どういうぐあいにしたならばいいかということは、少し時間を与えていただけたならば、私も少し研究してみたいと思うのですが、どうです。
○中村(寅)委員 農林省の農林経済局長にちよつとお尋ねしたいのですが、この対策委員会というのは、先ほど同僚の井上君からいろいろ質問があつた中にも出ておつたように、春肥の需要を円満に運ぶというようなことのために、臨時応急的な対策を早く考えるというところにねらいがあつたと思うのであります。それが何だか肥料の恒久的な対策の方に比重が傾いてしまつておる。そして一例をあげると、委員もそうだと思いますが、事務当局のメンバーを見てみても、農林は農林経済局長と肥料課長二人しか出ておらぬ。ほかの方面は四、五人、それぞれ係ではあろうけれども出ておる。この委員会というものの目的が少しずれておるというような気が、われわれにはするのですが、それに対する農林経済局長の見解を正直に聞きたいと思います。
○小倉政府委員 委員会の委員の構成てございますが、これは関係者がよく相談いたしまして、また上司にはかりまして、公正に委員を選出するということにつきましては、遺憾のないように処置したものであります。先ほどお話のありました通り、肥料の生産関係の方から四人、消費者の方から四人というものを中心にして、それに流通関係、学識経験者を加えておるのであります。官庁の関係といたしまして、私どもの名がここに上つておりますのは、これは肥料行政に関係のある役人が、こういうのがおるということを御参考に配付したことでありまして、委員会とは実は何ら関係がないと申しましては何でございますが、委員会の構成分子ではないのであります。従いまして、農林省といたしましては、関係官の数が少いからといつて、関係が他の役所よりも薄いということでは毛頭ないのでございます。御了承願いたいと思います。
○中村(寅)委員 関係係官が少いからということでぼくは言つておるのでなくて、これは一つの例であつて、この委員会のねらつておるところが、どうもわれわれが考えおつたねらいから少しずれておる。とにかく農民に肥料を十分に与えなければならないというところに、ねらいがあつたと思う。この委員会というものは、肥料業者のためにつくられたものでないと考えなければならないと思う。もちろん業者との関連もあることはありますから、そういう人たちを入れることも必要ですが、大体委員会のねらつている目標というものが、われわれ農林委員のねらつておつたものとずれておるということは、否定できないと思う。これは経済審議庁の方でも、今後の運営の上で十分考えてほしい。そうしなければ、われわれのねらいと違うということ、そういう点で、これは全国の農民が期待しておつたものと、やつて行つておる姿というものがずれておる。その点農林当局でも経済審議庁の方でも十分考えて、今後のこの委員会の運営の面においてうまくやつて行つていただきたいということをお願いいたしておきます。
○小川政府委員 まことにごもつともの御意見でございまして、審議会におきましては決して当局緊急に解決を要する春肥の問題をおろそかにし、あとまわしにしておるというようなことはないのでありまして、この問題に関連しましては、最初の初顔合せの際に、いずれの問題を先議すべきか、日本経済の中における肥料工業の位置いかんというような、基本的な問題から入つて行くべきであるか、あるいは直接に当面の問題を端緒として掘り下げて行くべきであるかというような問題につきまして、相当活溌に論議が行われたわけであります。言うまでもなく、この問題は互いに密接に関連をいたしておりますので、いずれの入口から入つて行くにいたしましても、当面の春肥の問題に対して結論を出すことをおろそかにするというようなことがないように、運営につきましては、お言葉をまつまでもなく、十分注意を払つておるつもりであります。さよう御了承願います。
○中澤委員 結局差迫つた問題は、事実春肥をどんどん買つておるのです。私このごろも長野県で調査してみたが、高いのは九百七十円くらいで買つておる。困るのです。安いのでも九百四、五十円でどんどん業者が売り込んでおる。この事実です。だから、これに対して委員会は一体いつまでに結論を出すのか、どういう方法で、いつまでに出すのか、その審議の経過を資料として出してもらいたい。それといま一つお聞きしておきたいことは、これは通産省の中村さんにお聞きしたいのでありますが、品質の問題であります。現在朝鮮へ出す硫安の品質と、内地の農民に出す品質とは、同じ成分のものであるかどうかという点だけをお聞きしておきます。
○中村(辰)政府委員 今韓国に輸出するものと、内地に販売いたしております肥料の品質については、同様だろうと考えております。
○中澤委員 それでは、もし韓国に出すものと、内地のものと成分が違つたという事実があつた場合、一体どこが責任をとるのですか。それをお聞きしておきます。
○中村(辰)政府委員 輸出の面につきまして、品質の点は、注文によりまして品質を選んでおるというようなことがあるのではなかろうかと思います。
○中澤委員 ちよつと小川さんにお伺いしておきますが、いつまでに結論を出す予定ですか。それから事務当局は、いつまでに結論を出すかについての準備をどの程度やつておりますか。それだけをお聞きしておきます。
○小川政府委員 この問題につきましては、先ほども申し上げました通り、委員会発足早々でありますが、委員各位には特に御勉強を願つて、できますれば毎週二回ぐらいというような御意見もあつたようでありますが、ただいまのところ、いつ幾日までに結論を出すというような日取りまでは予定しておりませんが、とにかく政府の側も極力勉強いたしまして、何分大切な問題でありますから、できるだけすみやかに結論を出したい、かように考えております。
○中村(寅)委員 本委員会の決議として、肥料対策委員会の委員長に申入れをしたいと思います。それは春肥対策はきわめて緊急を要する問題でありますから、すみやかに対策を立てるための委員会を開いて結論を出して、そうして審議の経過とか結果をこの委員会に報告があるように、委員会の決議によつて申入れをしたいと思いますので、その動議を提案いたします。決議の案文は委員長に一任いたします。
○坂田委員長 中村寅太君の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂田委員長 御異議なしと認めます。なお本件の処理につきましては、ただいまの御発言の趣旨を尊重して適宜委員長において処置いたします。 —————————————
○坂田委員長 この機会にお諮りいたします。ただいま水産委員会において審議中の内閣提出、日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の行為による特別損失の補償に関する法律案は、水産関係のほか駐留軍による防風施設または砂防施設の除去または損壊により農林業が損失をこうむつた場合、国がその損失を補償しようとするものでありまして、農林委員会といたしましても重要な関心を有する問題でありますので、この際水産委員会に対し連合審査の申入れをいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂田委員長 御異議なしと認めます。 なお連合審査会の開会日時等につきましては、関係委員会とも協議の上追つて決定いたしたいと思いますので、委員長に御一任願いたいと思います。次会は公報をもつてお知らせ申し上げます。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十五分散会