農林委員会 第7号
- 発言数
- 46 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/12/12
会議録
○坂田委員長 これより農林委員会を開会いたします。 この際御報告いたします。ただいま青木正君外七十七名提出、湿田単作地域農業改良促進法案が本委員会に付託に相なりました。これより本案を議題どいたし審査を進めたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂田委員長 御異議なしと認めます。それでは本案の趣旨について提出者の説明を求めます。青木正君。
○青木(正)委員 ただいま議題と相なりました青木正外七十七名提出湿田単作地域農業改良促進法案に関しまして提案の理由を御説明申し上げます。 御承知のごとく、わが国の水田面積約三百万町歩のうち約六十九万町歩は、常時排水不良であるところの湿田地域でありまして関東初め各地方に広汎に分布しております。これらの地域は、農地が湿潤であるために土地の農業生産力が著しく低くていわゆる低位生産地でありまして蓄力の導入はもちろん農耕作業にも困難をきわめ、また病虫害も常に発生するという悪条件のもとにあるのであります。そこでこれらの湿田地域に、その特異性を考慮に入れました農業改良計画を立て、土地改良等農業生産条件を整備して水田の裏作を可能ならしめたならば、飛躍的な増産効果を発揮し得ることは、まつたく疑う余地がないのであります。また、これらの地域における農家は、ただいま申し上げましたような悪条件のもとで食糧の生産に貢献して参りましたが、今後強力な施策によつて湿田単作地域を解消いたしますれば、これらの農家諸君は米穀供給地としての地位にかんがみまして喜んで生産に精進することになります。この問題の解決に資しまするために、ここに本法律案を提出いたした次第でありまするが、以下その内容のおもなる点について申し述べることといたします。 第一条は、本法律案の目的を規定いたしております。すなわち、湿田地域に対しまして総合的な計画に基く事業の実施、つまり、灌漑排水、区画整理等を計画的に施行いたし、あわせて農業技術の改善を最も効率的に行うことによりまして急速に生産効果をあげ、食糧その他農産物の増産に寄与すること目的といたしております。第二条から第八条転びに第十条第十二条の各条は、積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法に準拠し、第二条に湿田単作地域の指定を、第三条、第四条、第五条に、それぞれ市町村長、都道府県知事、農林大臣の定める農業改良計画を、第六条、第七条、第八条にそれぞれ定めた農業改良計画の変更並びに事情変更の原則を適用せねばならない場合の計画の変更を掲げております。 第十三条に委任事項を、第十二条に湿田単作地域農業改良促進対策審議会の組織を規定しておるのであります。 第九条は、本法の目的に関車して農業改良計画の内容を規定いたしております。すなわち、同条第一号、同第二号において湿田単作地域における農業改良の基礎条件を整備する事項を規定しております。すなわち、湿田単作地域農業が具有する土地及び労働の生産低位の問題等特有の生産阻害条件に対しまして灌漑排水施設、農業用道路、その他農地の保全もしくは利用上必要な施設の新設、廃止もしくは変更、区画整理、客土、埋立その他の農地の改良に関する事項、農業技術の改革その他農業生産に関する事項を計画するようにいたしたのであります。同条後項において、これらの計画は、立地条件、農業技術発達の程度、労働力その他の諸条件を総合的に勘案して事業の経済的効果を最大に発揮するものでなければなりない旨を規定しておるのであります。 以上簡単に御説明申上げましたが、慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
○坂田委員長 本案に対する質疑は次会にこれを行います。 —————————————
○坂田委員長 次に食糧関係職員の問題について調査を進めます。質疑の通告がありますのでこれを許します。足鹿覺君
○足鹿委員 政務次官なり官房長に対してお尋ね申し上げて、その次に食糧長官にお伺いいたしたいと思います。 現在各官庁に勤務をいたしておりまする非常勤職員の問題でありますが、この制度は、昭和二十四年の行政機関の職員定員法以後、行政整理によつて人員が不足をして来たものを非常勤職員という名前でもつて定員法以外でいろいろな執務に充てておられるようでありますが、いかに政府の行政機関職員定員法というものが現実に即応しない不合理なものであるかということは、この実態から見ても明らかでありますが、その当否は本日は別といたしまして、一般現場職員を多く持つておいでになると思われる農林省の非常勤職員の現状はどういうふうになつておりますか、お伺い申し上げたいのであります。
○渡部政府委員 ただいまお話の通り従来から非常勤という制度はあるのでありますが、行政整理に伴いまして、整理後の就職を待つ時間非常勤で置いておるのもありますし、実際はどうしてもなくちやならぬのを、定員を減らされたので非常勤というので置いたのもあります。そういう者はいわゆる常勤的非常勤と申しまして、ほとんど常勤者と同じように仕事をさせなければならないという数が相当あるのでございます。これは食糧庁、統計調査部、農地局関係等現業的な仕事の多いところに非常に多くあります。各省の関係を見ましても、建設省とかあるいは郵政省、そういうところに多いようであります。いずれも同じような原因でできておりますし、ひどいところ、たとえげ農林省の食糧庁なんかの電話の交換手を見ますと、当然なくちやならぬのを、定員法のあまりぎりぎりこしたのでいわゆる常勤的非常勤というかつこうで雇つておるのもあります。その数は大体食糧庁、統計調査部それぞれ三千人内外になると思います。非常勤職員全体を含めますと、農地局の方はそれよりも多少少い、こう考えております。
○足鹿委員 私どもの仄聞しておりますところによりますと、農林省全体で一万二千人ないし一万三千人の数に達しておるのではないかと聞いておるのでありますが、概数において、農地局とかあるいは食糧庁その他は別としまして、全部で大体どの程度あるのでありますか。
○渡部政府委員 たとえば作物報告の調査等非常に簡単な調査をやるような非常勤職員も加えますと、仰せのような数字になると思います。けれども常勤に近いような数字を正確に言えば、しよつちゆう動いておりますのでなかなかつかみにくいのでありますが、それが一万人を越えるというようなこと一はないと思います。
○足鹿委員 たくさんの人が事実上通常の執務をしながら非常勤職員という名月のもとに不合理な取扱いを受けておる。非常に遺憾に思うのでありますが、非常勤職員の待遇については、常勤職員との間にどういうふうな差別がありますか。聞くところによりますと、べース・アップの問題にしましても、また年末手当の問題にいたしましても、非常にその差別が著しいということでありますが、そのような実情についてどのようになつておりますか伺いたいので、あります。
○渡部政府委員 仰せの通り、非常勤職員は名前の通り非常勤でありまして、各省庁の長が予算の範囲内において手当を支給するということになつておりますので、仕事の分量に応じてそれぞれの手当を支給しておるのであります。ですから、常勤的な者は月給ではない手当でありますが、月給に近いのを出すことができるのであります。なかなか予算のわくが十分でないので、年末手当等は普通の職員と同じに行つていないのが事実じやないかと思います。
○足鹿委員 名前は確かに非常勤という名前でありますけれども、日給月給であつて、執務の実態というものはかわらない、それは先刻官房長がお認めになつている通りなんで、あります。それに対して予算のわくがあつてどうにもならぬというお話でありますが、事実上において執務の実態が常勤の通常の職員と何らかわりがない、むしろそれ以上困難な仕事を担当しておる面も多かろうと思います。特に出先機関は現場をたくさん持つておる関係上、待遇に比してその職務の内容は非常に気の毒な事態にあると思う。それはお認めになるわけで、ありますが、しかし予算のわくということでありますけれども、すでに一般の官公庁においてもベース・アップの問題が取上げられ、また年末手当の問題も非常にやかましく今問題になつておるのであります。それに対して政府としてどのような措置をこの年末手当の問題、また一般職員に準ずるベース・アップの問題については、さしあたりどのような措置をおとりになるつもりでありましようか。これは官房長で何でありましたら、政務次官からひとつあたたかいお気持ちをお聞かせいただきたいと思うのです。
○松浦政府委員 足鹿さんのお言葉でございますが、私も足鹿さんのおつしやることは十分わかるのでありまして、非常にその点は遺憾な点もあり、あなたのお話に賛成の面が多いのであります。御承知の通り、あなたがおつしやるように、農林行政は非常に国民生活と密接なつがりかあり、かつ広汎であります。そしてその仕事が今仰せられましたように、あるいは食糧庁にしましても、あるいは林野庁にしましても、農地局にしましても、また統計調査にしましても非常に大事なことであり、地味なしかも綿密な仕事でありますので、現在の定員ではやりにくい点が非常にあるのでありまして、その点でいわゆる非常勤職員を置かざるを得ない実態に相なつておるわけであります。そこで今あなたかおつしやられたような、ほとんど常勤とかわらないような執務状態を続けておりまするものに対する人件費、あるいはまたその他厚生施設面の利用、いろいろな面において差がありますことは非常に遺憾でありまして、これは何とかもう少し抜本的な対策を立てまして、それらの人々をも包含するような方法を考えたいと思つているのでありますが、現在ではあなたが御存じのように非常に困つおるのであります。われわれとしましては、何とかできるだけの、法を破らない程度におきまして、そのわく内においてできるだけの措置を講じたいこういうように考えておるわけであります。詳しいことは事務当局より申し上げます。
○渡部政府委員 この問題は、抜本的どうしても普通の職員と同じような勤めをせなければならないだけの事務があろならば、それはやはり定員に繰入れなければ根本的な解決にならない。これは行政管理庁の方にも申し出まして、行政管理庁の方でも一、二当つて、これは無理だというので根本的に実態調査をやつていただくことになつております。これは二十八年度の問題でありますが、さしあたり足鹿委員のお話は、年末の問題をどうするかというお尋ねだと思いますが、その点はただいま政務次官が申しましたように、あらゆる努力を払つて、一般職員に近い待遇に持つて行きたい、こういうふうに苦慮しておる次第であります。
○足鹿委員 非常に理解のある御答辯でけつこうでありますが、しつこいようですけれども、その見通しははつきりしていますか。たとえば、今度の国会の情勢から見ましても、いろいろ動きもありますし、また現在の政府のお考えになつておるもの以上に、かりにつたとしましても、これに準ずるというよりも、むしろ同一の取扱いをされる自信があると解していいのでありすか。この点もう差迫つておりますで、特に年末手当の問題、一般職員並のベース・アップの問題が、非常に大きな問題だと思うのです。この一万二、三千人の人たちにとつては、普通の官公署の人々が、現在悲痛な叫びを、上げておられる以上に深刻なものが、年の瀬を控えてあるのであります。そ点について、ただいま政務次官の御答辯で、大体お気持はわかるのでありますが、いま、少し具体的に御決意のほどが承れますならば、非常に喜ばしい次第であります。 なおこの機会に申し上げておきたいことは、一般職員並の諸手当もない、それから季節非常勤の諸君は、共済組合にも入ることができない。従つて医療にさえ非常に困る事態が起きる。特に農林省関係でも、食糧庁関係あたりを見ますると、特に季節的な繁閑が著しい。しかしそれは、この非常勤職員のみならず、一般職員といえども、季節的な繁閑はあるのであつて、だからその季節的な繁閑だけでもつて、いわゆる非常勤と常勤と区別をつけるということは、私は当らないと思う。そういう悩みを持つ職員をお持ちになる当該官庁の食糧長官とされましては、特に御配慮にならなければならない責任があると私は思。そういつた点について、もう少し具体的な、政府のとられようとする措置について伺えたら、非常にけつこうだと思います。
○東畑政府委員 季節的非常勤を三千五百名ばかり持つております食糧庁としまして、足鹿さんの御意見は、われわれとしましてもまつたく同感でございます。実は予算といたしましては、季節的非常動でありますので、ベースというものがございません。単に延数何人、単価幾ら、こういうような予算になつております。まつたく季節的な繁閑による臨時職員的な手当になつております。従いまして、ベース・アップというような問題についても、いつもベース・アップがありましても、これにからみました予算補正がないわけであります。ところが実態は、先ほどからいろいろありましたように、実は非常勤でも三年もあるいは五年もいる職員があるわけであります。先ほど官房長が申しましたように、当然これは定員に繰入れるべき性格のものかと存じております。ただいまのところ、単なる季節的なものもありますけれども、中には非常に常勤的なものが多い。それはことに末端の検査補助員という形でおるわけであります。この人たちは、共済組合にももちろん入れませんし、手当も実は一般職員より苦手落ちるのであります。年末のボーナス等につきましても、われわれといたしましては、予算のやり繰りをいたしまして少しでも多くしたい、こういうので実はやつておるのでありますけれども、全般のベース・アップの線とからみまして必ずしも予算がそれに伴わないため、あらゆる法の許す範囲内で出しましても、現実はなかなかそこまで行きがたい、こういうような点がありまして、この年末を控えまして、私も案は苦慮をいたしておりますが、なかなか一般職員並のベースには、とうてい出すだけの財源がございませんことは、まことに遺憾とするところであります。これは根本的にさらに検討を要する問題である、こう考えております。
○足鹿委員 実態は食糧庁長官も、また官房長、政務次官もよく御存じのことで、これ以上申しあげることはなかろうと思いますが、伝え聞くところによりますと、特に食糧庁の非常勤職員の実態というものは、平均給与が五千円くらい、しかも三千五、六百人あるというような長官の御答辯でありますけれども、大体四千人という数字をわれわれは見ておるわけであります。これはなかなか大した数がありまして、実際において、現地で検査員の手のまわらないものを、実際はこの諸君たちがやつておる。これはもう少し具体的に、予算に縛られる点はあるでしようが、特に早急にこれら職員に対する措置を、いま一段と強く完全なものに実現をしていただきたいと私は思います。年末の問題でもありますし、早急に措置を講じていただきたいことを、重ねてお願い申し上げておきたいと思います。なお行政管理庁との関係において、定員に当然繰入れなければならぬという実態も、これはもう明らかだと思うのです。そういう人たちに対する対策としては、抜本的な対策といいましても、現在来年度の予算編成期に入つておるわけです。従つてまた、この予算編成の際にこれが解決しないということになり、ますならば、抜本的対策々々といつても、荏苒日を延ばすことになる。この人たちは労働組合をつくる力もない、気の毒な状態にあるように聞いております。現在そういう動きもあるようでありますが、待遇そのものが著しく悪いのと、また非常に仕事がそういう点で忙がしいというような点で、他の官公署の労働組合方面が活発な動きを見せて、そうしてそれぞれ要望をし、要求を上、自分たちの主張を貫こうとしておつてもへこの人人はその行動に移す段階にもまだ至つておらぬ。そういう点から考えてみまして力のある者だけがその主張を通して行くということではなしに、黙つて現在の不遇に甘んじて、末端の第一線で汗みどろになつて働いている人々のためには、当然当局は目をお明けにならなければならないはずだと私は思います。そこで当面の対策については、強くやるという御答辯を、今政務次官から承つたのでありますが、来年度の予算編成期を迎えておいでになり、月末近くには大蔵省の内示も行われようという段階だと聞いておりますが、来年度対策について、どのようなお考えを持つておいでになりますか、これをお伺いいたしたいと思います。
○松浦政府委員 食糧増産やその他のために非常にじみな働きをして挺身します者に対して、非常に御理解のある言葉をいただきまして、まことに感謝にたえません。私どもは仰せのように、定員法についてもいろいろな考えを持つておるのでありますが、御承知のように、食糧増産が日本の自立経済を達成するほとんど唯一の道である、こういうことになりまして、近く御審議を願う予定になつております食糧自給促進法のような法案を提出するにしましても、これは官庁だけが幾ら懸命になりましても、とうていその目的を達成するわけには参りません。これはどうしても職員なりまた皆様方のお力をお借りしなければならないわけでございますが、そういう重点的な食糧増産政策、農林行政の強化について非常に重点的なことになつて参りまする場合には、勢いこれにどうしても必要な定員というものにつきましても、われわれはさらにもう一ぺん考慮する必要があるのではないか、こういう観点に立つて抜本的な解決をいたしたい、かように思つておるのであります。来年度の予算の問題につきましては、目下行政管理庁との遅いろいろ農林省から折衝を重ねておる次第でございます。
○足鹿委員 最後に要望と申しますか、時に今の政務次官の御答弁はまだ具体的になつておりませんので、御準備ができなければ、これ以上くどくは申し上げませんが、少くとも来年度の予算の上に、これらの問題が解決の一歩を進められることなしに抜本的な対策といつても、処置がないのでありますから、さしあたりの年末手当の問題とベース・アップの問題、これを当面の問題として早急に解決をしてもらいたいということと、いわゆる非常勤職員中の日勤者と申しますか、そういうもうほとんど常勤と区別のつかない人たちは、すみやかに来年度中に定員の中に繰入れる措置を早急に講じていたんきたいということを、特に強く要望を申し上げておきたいと思います。 なお委員長におかれましても、この問題は人事委員会とも関連のあることと思います。でき得るならば、この問題について人事委員会とも御連絡を願いましてすみやかにこの趣旨が徹底するような措置を委員長としてもおとりはからいをお願い申し上げたい。以上で私の質疑を終ります。
○坂田委員長 了承いたしました。
○井上委員 ちよつとこれに関連してして二、三質問したいのですが、今足鹿君の質問で承つておりますと、非常勤職員が一万人余り食糧庁や農林省関係におる。この非常勤の者が連続的に勤めておる、ただ定員法その他の関係で、常勤職員とすることができない、こういう印象をちよつと受けたのでありますが、そうしますと、この非常勤職員というのは、現在たとえば食糧庁三千五百名のうち、期間的にはこれはどういうようにお使いになつてい心すか。私どの承るところによると、ほとんど常勤にひとしい勤務がずつと続けられておる。ただ名前だけが非常勤という制度のもとに採用しておる、こういうことを承つておるのですがその事実はどうなつておるのですか。期間的には相当長期にわたつて使つておるということでありますが、もしさようなことがありますならば、これは当然法律にひつかかります。当然これは常勤にしなければならぬ性質のものです。それを政府みずからが法律を無視して、臨時工的にこれを採用して行くという行き万は、もつてのほかなのです。従つて今お話のように、当然これはそういう常動的に必要な業務が、現在の状態では絶対必要であるということならば、定員法を改正いたしまして、増員の許可をとる処置を至急にとる必要がありましよう。そこでこの際特に伺つておきたいのは、年末手当を出すようなお話ですが、年末手当を出すことになりますか。どうもそこがはつきりしませんが、出すとすれば、常勤者とどのくらいの割合で出すのですか、これを明確にせられたい。 それからベース・アップの問題も当然関係して来ますから、この点も明確にされたい。 それから最後に一点伺つておきたいのは、政府は本年の供米の最盛期に当面しまして、食糧検査官の超過勤務手当を、予算の範囲において相当前渡しをした事実がありますが、そうなりますと、十一月から来年の三月までの超過勤務をする者については、予算的にどうなつておりますか。私どもの承るところによると、先般北陸、東北、関東等の、北海道を合しての地域の超過勤務が非常に深刻なために、この実情に当面して、政府は来年三月まで組んである超過勤務手当の大半をこの方に振り向けて、いわゆる前渡しを予算的にはしたそういう話を承つております。そうしますと、十一月から三月までの間の超過勤務に充当し得る予算的処置が新しく考えられないと、そこがマイナスになつておるのじやないか。その関係はどうなつておりますか。これは非常に重要な問題でありますので、この点も一応明確にしておいてもらいたい。もしそこで前渡しして金がないならば、何か流用すべき費目の財源がどこかにあるか。流用すべき費目の財源がないとすれば、補正予算に新しく追加を要求しておるか。この点をひとつ明確にしてもらいたい。
○渡部政府委員 ただいまお話の第一点、年末手当を非常勤者に出すか出さないか、これは出します。ただ額をどうするかについて、苦心をしておるのであります。もうしばらくしないと、何ぼ出すかということまで申し上げられません。 それから超勤の繰上げ、これは食糧庁の方で早期供出を督励したときにうんとやりまして、それはお話のように、第四・四半期の超勤の財源を繰上げて支給しております。その穴埋めについては、お話のように、第四・四半期になりまして超勤が足りなくなれば、流用するとかなんとかいうことを考えなければいけないのでありますが、ただいまのところはそれは第四・四半期の問題ということにしております。
○井上委員 もう一点伺いますが、年末手当は出すが、まだその額については何ぼ出すかわからぬ、こういうお話でございますが、まだ国会の方においてもこの問題について最後的結論を得ておりません今日ですから、額を何ぼ支給するかということを聞くのではなしに、常勤者との関係において、たとえば常勤者が一箇月分もらうとするならば、非常勤者にも一箇月分出そうとするのか。それはそうは行かぬ、これは〇・八でがまんしてもらうとか、あるいは〇・五になるとか、その比率ですね。いわゆる常勤者と同等に出すというのか、それともそれは多少割引するというのか、ここが問題なんです。しかし年末ということを考える場合は、これはその区別をすべきじやないと私は考えます。そういう区別をつけるとかえつて問題を起しますから、一年末手当としてお出しになる場合は、これは常勤者と同等の金額を出すようにひとつ手当をしてもらいたい。それから超過勤務手当に対する繰上げ支給による財源の問題は、第四・四半期になればそのときになつて考えたらいい。実際いうと、そのときになつていつも考えるから問題を起すのです。金が足らぬことははつきりわかつておるのです。そうしたら、今からこれをどうするかということを考えて、それも大した金じやないのですから、至急に補正する、補正するならたとえば流用するなら、大蔵省その他の関係方百面の了解を得て、これにはこれだけの流用を認めてもらはなければ困るということを明らかにしておきませんと、またそのときになつてすわり込みをやられて、どうにもしようかないということになつて問題を起すよりも、今からそれについてはこういう手を打つということで、末端の人に対して、安心して働くようにすることが当然じやないかと思うのです。この点について政府次官どう考えますか。これはあなたの仕事です。あなたから、そういう点については心配をかけぬという言明をひとついただきたいと思う。
○松浦政府委員 渡部官房長からお答えいたします。
○渡部政府委員 第一点の非常動に対する年末手当を常勤と同じにせよ、こういうのはその御趣旨ごもつともでありますので、それに近づけるように最大の努力を払つておるのであります。その点はそれで御了承願いたいと思います。 それから第二点の超勤の繰上げ支給の問題は、これはもちろん大蔵省にかけ合つておるのであります。それがきまらないと出せぬというのでは困りますので、それをペンデイングにしたなりで、食糧庁の問題は片づける、決して投げやりに第四・四半期にほつたらかすという意味で申し上げたのではありませんので、これもとにかく穴を埋めなければならないのであります。
○井上委員 政務次官それでよろしいですね。
○松浦政府委員 けつこうです。
○川俣委員 この際ちよつと関連してお伺いしておきたいと思うのですが、非常勤を問わず常勤者に対しましても、大規模な農林研修所というようなものを設置しまして、職員を再教育して、質的向上をはかつて、事務能率を上げるとともに、農林行政の強化に万全を期せられたいと思うのですが、これに対して御腹案がありましたら承りたいと思います。
○松浦政府委員 今の研修制度、すなわち再教育の問題でありますが、これは非常に必要と考えておりますので、これを制度的に考慮いたしまして、強化いたしたい、こういうふうに考えております。 —————————————
○坂田委員長 次に農産物の運賃問題について調査を進めます。昨日農林当局より運賃値上げについて運輸当局との折衝の経過の説明を承りましたので、これから質疑を行います。質疑があればこれを許します。
○小笠原(八)委員 私は運輸省の方に運賃のことについて伺いたいと思うのであります。実は農産物を予定してお尋ねするのでありません。今農産物についての達人の方が出席していないようでありますから、そのひまを見て、あなた方にたいくつさせては困るし、またあとで関聯して質問する時間の節約をする意味で申し上げるのであります。それは何かといえば、農産物もさることながら、同じ食糧増産のうちで日本が解決しなければならぬものは畜産の問題です。ところが畜産に対する運賃の問題が運輸省の方はまるきり認識不足もはなはだしい。これは食糧などということについての考えは持つていない。まるで道具かなんかのように考えておる。それだから食糧問題についてえらくあなた方が骨を折つておるというが、これが解決がつかなければ日本では山のてつぺんまで開墾、開拓し、海まで干拓をやつたところで、とうてい自給自足はできない。どうしてもこの食糧というものの改善をしたり、食生活の問題を自給によつて日本が解決づけるというには、畜産の発達が必要なのです。現に乳量なんかは何千石という不足を来しておるような状態なんです。従つて畜産の鳥といい、卵といい、乳、バター、それに附帯した牛でも馬でも全部これは食糧だ。だから、食糧問題を解決せずやたらに運賃をかけるから、運行不能に陥るためにとうていうまく行かない。それからこれを基礎にして堆肥、厩肥によつて農家がほんとうに耕そうとするために畜産の飼養管理をする、その運行もまた容易じやない。運賃によつて値段が非常に高いものになる。零細農家は無畜農家だ。この解消ということは運賃にさえぎられて容易にこれができない。この状態をあなた方はよくおわかりにならぬと思う。あなたは部長さんか、局長さんかしらぬが、もう少し畜産のわかつた子命を置かなければだめです。レールを走る汽車のことばかりつかんでおつたつてだめです。もう少しごの方に目を通して、運賃というものはどこに重点を置くべきかということを御研究なさらないと大きな間違いをする。その点はよくお考えおきを願いたいと思います。これは何キロについて幾ら下げるというような姑息なことを言うためにきよう立つたんじやない。この問題は国家としても相当大きな問題だ。畜産のことはあなた方がわからないだけでなく、大臣の中でもよくわからないのが相当にいる。だから、特にこの点は食糧解決の大きな一部門として取扱うように、十分に御研究なさる用意があるかどうかということだけをきよう確かめておけばそれでいいのですから、どうかその意味において御確答をいただきたい。
○細田政府委員 畜産の重要性につきましていろいろお話がございました。私どもお説のように畜産についてしろうとでございますが、しかし畜産の重要性につきましては、私どもももちろん考えているわけであります。今回の運賃につきましては、個々のものは言わないというお話でございますが、畜産につきましては、全体を約一割上げるのでいございますけれども、牛、馬、豚あるいはめん羊といつたようなものにつきましては一割の値上げよりもやや低目に相なつておるのであります。
○小笠原(八)委員 それは事務当局のあなたとしては御無理もない御答弁で今畜産に御同情なされて低目の云々ということで、それで足りるかもしれぬけれども、そういう小細工のところを私は論議するのじやなく、食糧問題解決の上に相当大きな部門であるから、いつかは問題になる時期があるので、あなた方の方でも、事務的にも、相当な用意をして待つておる必要があるということだけお含み願つておきたい。これで質問を終ります。
○原(健)委員 今日日本で非常に重大なことは、国土緑化運動で、これは何をおいても食糧の次に重要であることは御承知だろうと存ずるのであります。その国土緑化のために一番障害になるのは運賃が高いことであります。国土緑化の重要性はあなた方も認識されておる通りでありまして、食糧に次いで、あるいは食糧と同様に重要な一大国策であります。しかるに造林用苗木というのが十級が二十一級に上つておる。一体この運賃を上げておるというのは、どういう見解で上げたのであるか、これからひとつお聞きしたい。
○細田政府委員 農林省の渡部官房長から、今回の運賃改正、特に等級の問題につきまして、二応の御説明があつたかと存ずるのでございますが、いろろ御質問を承りますのに、ただいま二十一級というのはどういうわけだということもございましたが、一応今度の運賃改正のやり方につきまして、特に等級の問題——運賃といたしましては、一割でございますが、等級を改正いたしておりますために、これが一割以上のものもあり、あるいは一割以下のものもあり、安くなるものもあるというようなことでございますので、等級をどういうふうにして改正したかという点につきまして、これは国有鉄道がきめることになつておるわけでございますので、国有鉄道のこの方の事務を担当しております遠藤貨物課長から先に御説明申し上げた方が好都合かと思いますので、お許しを願つてそうさせていただきたいと思います。
○遠藤説明員 私国鉄の貨物課長であります。貨物等級とは何のためにつくるかというようなことをごく簡単に申し上げたいと思います。鉄道の貨物運賃は国民経済上重要な地位を占めるものでありますので、他の運輸機関の運賃と異なりまして、公共的な見地に立ちましての運賃制度を採用しなければならないというふうに考えられます。そういう場合に具体的に言えばそれではどういう制度をとつたらいいかということを考えますと、まず第一に統一賃率制度と申しまして、運送原価は地勢によりまして、また運輸量の繁閑によりまして非常に違うのでありますが、そういう地理的条件の差異にかかわらず、線区によつて統一的な賃率制度を採用しようということでございます。そういたしませんと、非常に原価の高くかかりますところの支線地帯におきましては、経済の発達が困難であるということになります。第二には達距離逓減制度でございますが、貨物運送は物の移動を容易にしようというところに使命がありますので、遠距離の方を割安にいたしまして、遠距離の取引を行いやすいようにしようということでございます。その次に、第三といたしまして、運賃に負担力主義を加味するということでありまして、これが貨物等級となつて現われるものでこぎいます。旅客につきましては一等、二等、三等とございますが、こういう等級は貨物にはございま叶んので、貨物の等級と言いますと、その利用する商品の負担力によつて運賃の差別をつけるのでございます。こういたしますと、運賃負担力の小さい貨物も遠くまで運送ができるようになります。またこうしなければ負担力の小さい貨物が流通を妨げられまして、国民経済の円満な発達を阻害する結果になる。それでありますので、国有鉄道のような公共性の強い運輸事業におきましては、等級制度を設けまして運賃負担力を運賃に加味して行こうということでありますから、貨物等級というものが昔から実施をされておるのでございます。それで現在の貨物等級は、昭和五年に大体制定されたものが骨子になつて、引続きまして昭和十五年あるいは戦争中、その後小部分の改正を加えまして現在に至つておるのでありますが、現行の貨物等敬が時勢に合わない、利用されます側から見ましても現在の事情に合わない、また国有鉄道といたしましても、現在の貨物等はいろいろな点から時勢に合わない点を認めておりましたので、いろいろ御要望もこれあり、一昨年以来等級の改正を考えてはおつたのでありますが、物価が安定しない時期におきましては、等級は永久的な制度でありますので、簡単に改正することができないというわけで、この春に至りまして、ようやく等級を全面的に改正することを決定いたし、国有鉄道総裁の諮問機関として、各界の代表の方々からなります貨物等級審議会を設置いたしまして、どういうふうな制度が公正妥当であるかということで、公正妥当な貨物等級表をつくるための根本的改正に着手いたしたのであります。 そして貨物等級審議会にまず貨物等・級の調整基準をどういうふうに定めたらいいかという諮問を総裁から提出されまして、それに対しまして等級審議会から答申があつたのでありますが、その答申の、ごく要点を申し上げますれば、まず第一に、貨物等級は運賃の負担力を要素として考えるべきである、そして運賃の負担力は何によつて客観的に測定し得るかと言いますと、貨物の価格によることが妥当であるということになつたのであります。 等級決定の第二の要素といたしましては運送原価の問題でございます。運送原価の点につきましては、この答申におきましては、普通ワムとかトムとかいう貨車を使つて運送いたします場合には線区的にはもちろん違いますが、品物別の原価というものはほとんど異るところがないのでございますので、等級査定の場合に原価を考慮するのは、通常の経費以外に特別の経費を要する場合に限り考慮すれば十分である、こういうふうに書かれておるのであります。 三番目に公共性に基く調整措置であります。運賃負担力と運送原価によりまして査定されました等級が、結果から見まして査定されました表が一応でき上りますと、それに一般社会生活上日常不可欠の消費物資は、その負担力なり原価なりにかかわらず、安い運賃を適用することが妥当であるという意味で、そういうような日常不可欠の消費物資については、公共性に基き調整の措置をしたらどうか。 それから最後に、そうやりましてでき上りました等級表が現在の等級表と著しく違いまして、ある産業に対しまして非常に大きな打撃を与えるとい、りような場合には別にまた公共性に基いて調整を行つたらいいではないか、こういうような答申をいただいたのであります。それによりまして、その他御説明申し上げればこまかいいろいろなことがございまするが、一応そういうような考え方で仕事を進めたのであります。そういたしまして、まず第一段階といたしましては、価格によりますところの品物の格付をいたすわけでありますが、その価格を発地における荷づくり込み実重量当りの貨物乗り価格を基準としたのでありますが、この価格につきましては、国鉄はもちろん現地の職員を動員いたしまして調査をいたしましたが、関係各省その他業界ともできるだけ打合せをいたしまして、まずく間違いのない価格というものを査定いたしまして、それによつたのであります。その価格によりまして等級を十二級に分類をいたしたのであります。それは多分お手元に行つておるかと思いまするが、一級から十二級までであります。十二級はただの品物から二百円まで、十一級は二百一円から四百円まで、こういうように下の方は倍に飛んでおります。途中から二倍半飛び、三倍飛び、三倍半飛び、四倍飛びというふうになつておりますが、そういう価格の刻みをつくりまして、大体各商品の価格をこれに当てはめて一応等級を査定いたしたのであります。 それから運送百原価の方は、特別に運送価格をよけい必要とするものについてのみ考慮するということでございますので、特殊貨車といたしましては冷蔵車活魚車について割増しを行うことにいたしたのであります。これは一割程度というふうに考えております。それからその他運送原価に関係がある危険品であるとか、または運輸上特別の措置であるとか、そういうふうな特別の手配を要する物につきましては、物によりましては、等級査定の上にそれを表わす、それは運賃の割増しによつて行うということで妥当な結果を得るようにしたのであります。それからなお運送原価の点につきまして、列車指定の問題が従来から生鮮食糧品関係にあるのでございますが、これにつきましては、現在三割増しの運賃をいただいておりますのを二割増しに引下げましてその負担の緩和をはかるというふうに考えておるのであります。 それから公共性に基く調整措置といたしまして一般社会生活日常不可欠の消費物資の範囲を最小範囲に縮小して考えまして、米、麦、小麦粉、生野菜、みそ、しようゆ、大衆魚、薪炭等といたしました。 次にこういうふうにしまして一応の等級は査定されますが、従来の等級の中に貨物が貨車に標記トン数一ぱいまで積めない場合の措置でありますが、これをわれわれは減トンと称しておりますが、これを等級の中に織り込んでおつたのであります。これは今回の等級からはずしましてトン数によつて引く、たとえば、ある貨物は六級であつて、従来減トンの関係で七級になつておつた。それを今度は等級はそのままにして、そうしてトン数を一トンなりニトンなり計算トン数を引くということにいたしたのであります。これもある一定の基準をつくりまして、各物資公平に査定いたしたのであります。 こういうようにいたしまして、等級は一応でき上つておるのでありますが、先ほど申し上げましたように、従前の等級と位置が著上しくかわりまして、そのために何割も非常に大きな値上りをするような結果になつてしまうことは、運賃が各産業の一つの基盤となつておる関係がございますので、非常に急激な変動は避けなければならぬということで、いろいろと関係各省あるいは業界の御意見も聞きまして、最後にいろいろと調整措置をはかつておるのでございますが、まだ一部打合せの完了しないものもございますが、大部分につきましては、事務的な手続を完了したようなかつこうになつております。 そこで先ほどちよつと言い漏らしましたが、下級といいますか、品物としてはあまり下級でありませんが、従来政策的に非常に安い運賃を適用されておりました物で、今回相当値上り率の多くなる貨物が結果として現われておるのであります。これは一体どういうことが原因かと申しますと、国有鉄道が公共企業体となりました関係上、公共性はもちろん尊重するわけでございます。また公共性を尊重するがゆえに等級制度を今後もつくつて行くのでありますが、企業的見地も同時にあわせ考えなければならないということでございまして、今度の運賃の最高限、最低限の関係は、そういう企業的見地も加味いたしまして、率をつくつてみたのでございます。等級審議会の答申には、運賃の最高限は他の運輸機関との均衡を考慮して考えろ、それから最低限につきましては、少くとも直接的な経費をカバーし得る程度に考えろ、こういう答申になつておるのであります。現在やつておりますところの等級表は、賃率指数は最高が二五〇でございまして、最低は減トン制度を含めまして五三になつております。等級そのものとしては六八になつておるのであります。お米であるとか、そういう最低の必需物資が六八という運賃指数を適用されております。それが今回は最低も最高も中ほどに縮めて参つたのであります。それは等級審議会の答申に書いてありますように、他の運輸機関の均衡ということを考えますと、二五〇という運賃の指数は、大体一〇〇を鉄道の平均原価とお考えになつてできたのだと思います。一〇〇が普通の貨物を送る場合に要するところの平均の原価でございますが、平均原価の二倍半の運賃をいただくという貨物は、自動車等の発達によりまして、制度としてはありますけれども、実際はそういう貨物は鉄道に参つておらないのでありまして、ほとんどが自動車の方に行つております。一級品といつておりますが、この一級品は、品目は数十品目ございますが、最近の調査では五日間に全国でわずか一車しか動いておりません。普通の場合はこれはほとんど自動車で行くということになると思います。そんな関係で、今回はその二五〇を二〇〇にというように、一〇〇に近寄せたのでございます。それから従来の等級の最低が六八でございますが、直接費をまかなうという観点に立ちますと、われわれ七五ということを考えたのであります。
○坂田委員長 途中ですが、簡単に結論の項目だけを願います。
○遠藤説明員 七五と申しますのは、輸送作業費の総額をカバーする程度でございます。すなわち支出のうちから、営業費及び公安費、管理費・利子、減価償却費をのけましたあとの輸送作業費、直接費でございますが、これが運賃を一〇〇といたしますと、およそ七五にあたつておりますので、七五というところで最低を定めました結果、たとえば従来最低の等級でありましたお米につきましては、六八と七五の差で実質運賃が一割値上りする。さらに運賃の一割値上げでもう一割加わりまして、合せて二割というようなことになつたのでございます。これは国鉄が独立採算制ということで、公共性を尊重しながらも、企業的な経営をしなければならぬということになりましたので、やむを得ないことだと考えております。
○高倉委員 ちよつとお伺いしますが、青函連絡航路に対する運賃の是正のことであります。青森、函館間の貨物の輸送に対しては、実キロ数が百十三キロであるのに、営業キロ数が四百五十キロになつておる。こういう計算をしておつておられるようで、非常に運賃が高くなつておる。これは話を聞くと、戦前に輸送船を三そうかこしらえるのを運賃の関係で負担したことになるのですが、これは今後どういうような方針でやられるか。これを実キロに直すところの意思があるかないか、この点をお伺いしたいと思います。
○細田政府委員 青函航路の貨物営業キロ程でございますが、国有鉄道といたしましては、鉄道の線路は全部実キロによつておるのでございます。ただ青函につきましては、ただいま御指摘になりましたように、四百五十キロという擬制を用いておるのであります。この点は戦前は、これもやはり擬制がございますが、二百五十だつたのであります。これを四百五十キロにしたのはなぜかということなのですガ、当時は航路の運賃と鉄道の運賃とを別に計算をいたしまして併算をいたしておつた。これは非常に専門的な言葉でおわかりにくいと思いますが、結論だけを申し上げますと、国有鉄道の運賃は遠距離逓減をいたしておりますから、距離が通しになりますと、それだけ安くなる。別々にある区間ずつを計算して合せますと高くなる。これは会社線の通勤定期なんかでよくおわかり願えると思うのですが、社線から定期券を買つて国鉄に乗りかえますと、通しの定期というものは両方の運賃を計算して出しますから、同じ距離を国鉄で行くよりも非常に割高になる。こういうのを併算と言つているのですが、この併算をいたしましたものを、通算いたしますときに距離を延ばしたわけでございます。ですからそのときには、二百五十キロを四百五十キロにいたしましても、全体として影響なく通算の利益によつてそれがカバーできたということでございます。それではなせ昔から併算しておつたかということが問題になるかと思います。それから二百五十キロ自体が問題ではないかということになるのではないかと思うのでありますが、これにつきましての現在の考え方は、航路の連絡船をつくつたのをこれにしわ寄せしたというようなお話がございましたが、そうではないのでございまして、それも一部になるものと思いますけれども、航路の運送につきましては原価が鉄道よりも高くつくのでありまして、この原価の点から鉄道と別のキロを設けておるようなわけでございます。一方民間の航路の運賃の関係も考えますと、この程度でいいのではなかろうかということできまつておるのでございます。これをただいまのところ国有鉄道並びに運輸省といたしましては、変更いたす考えは持つておりません。
○芳賀委員 関連して、ごく簡単に申し上げます。この等級の改正は運賃一割値上げと全然別の角度において行われたものであると思いますが、この結果するところは、特に農林物資に対する運賃の一割値上げを別にいたしましても、等級改正による運賃の値上げは大体一割五分程度になるのではないかというように予測される。そういうことにいたしますと、運輸省の言つておるところの等級改正というものは、あくまでも不増収、不減収の原則の上に立つて行つているということでありますれば、その改正によるところの賃上げのしわ寄せば、ほとんど生産力の面においても経済力の面においても一番弱いところの農林物資の部面に寄せられて、その反面に、従来よ。もむしろ実質的に運賃か値下げになる部面が出て来るということが結果的に言い得ると思うのであります。先ほどの説明によると、あくまでも公社は公共的な立場 に立つて、しかも輸送原価を守るという二つの建前の上に立つて等級改正を行つたというわけでありますが、一トン当りの価格を基本にした等級の設定からいつた場合に、この一トン当りの物資の価格が非常に安い場合においては、この等級の改正によつてその物の値の中で運賃の部面がしめるコストが非常に多くなつて来るわけです。そういう場合において、現在において非常に不安定な価格のもとに置かれているところの農業生産物、あるいはまた肥料等の生産に必要な物資に対して、両方の面から農民に対する負担が過重になるという結果が非常に大きく露呈されて来るわけでありますが、当局としてはこういう国内の産業を育成するためにも、公共的な立場に立つて配慮をしているという場合において、農業の部面に対してこの改正案から見てどれだけの真剣な公共的な配慮を行おうとするか。またこの改正によつて実質的に運賃が下るというような部面ははたしてどこであるかという点。それから現在において公社の独立採算の上から賃上げをしなければならぬという現実の情勢におりながら、従来よりも実質的に運賃を下げなければならぬというような現象がこの改正によつて起るというようなことの不合理性に対する一考え方。この三点について明快な御説明を願いたいと思うのです。
○遠藤説明員 全般的に見まして、農産物に今回の等級改正と運賃一割値上を加えました値上り率の割合が多いということは事実であると思います。そうしてその原因は、先ほど御説明申し上げましたごとく、六八の指数でやつておりました公共割引の限度を七五、直接費をまかなう程度というところに定めました結果がそういうようなことになつて現われたわけであります。従来非常に安い運賃でやつておりましたのが、一割ばかり最低が上つたという結果でございます。 それから先ほど原価が大体一〇〇の指数のところであると申し上げましたが、ただいまの等級で一〇〇を割りまして割引をいたしております貨物の運賃のその割引額は幾らかと申し上げますと百十二億円になつております。貨物運賃は今回値上げをいたしましても一千億でございます。九百億円ばかりの運賃に対しまして百十二億円を割引いたしておりまして、その百十二億というものをほかの貨物にかけて行くのであります。そうしてただいままでやつて参つたのでありまするが、他の運輸機関との関係もありまして、これ以上割引を拡大すればその額をよその貨物に転嫁さすことが容易なことではないということで、今回七五というところに指数を定めました次第でございます。
○細田政府委員 ただいま国鉄から説明がございましたが、運輸省の立場から申し上げたいと思います。ただいまの御質問承りますと、端的に言つて等級をこの際かえなくてもいいじやないか、一割値上げならば一割値上げで全部一割づつ上げたらいいじやないか。こういうことも運賃値上げの方法といたしましては、戦争中から数回やつておりますが、ずつとこういう方式でやつて参つたのであります。ただ私どもが昭和五年以来という等級改正に——これは非常に大きな問題でございますが、国有鉄道が中心になりまして改正に手をつけましたゆえんのものは、前回の運賃改正におきましても前々回の運賃改正におきましても等級の問題が非常にやかましかつた。ということは今回下りましたようなものについて実は非常にやかましいのでございます。運賃の値段の中に占める割合がこういうものはこれだけであるのにわれわれの方はもつとうんと高くなつているじやないか、こういう声が相当ございました。もちろん運賃を上げろとおつしやる方は一人もおりませんので、等級を下げろという声が非常にございました。いずれにいたしましても、根本的にこれは新しい状態で見直さなければならない。昭和五年のときにいろいろ種類をわけたのでございますが、状態が非常にかわつているじやないかということで国会からもいろいろ特に、運輸委員会は特にと思いまするが、御意見がございまして、適当なる時期に等級については根本的に改良しよう、こういうことでございましたので、われわれとしましては、もちろん今までのように一割値上げなら一割値上げということであれば今回のような問題は起りません、一率に行けばそれで事務的にも非常に楽なわけなのでございますが、そういつた声が一方に非常に強いものでございますから、そこで先ほど貨物課長が申しましたように、等級表というものは国有鉄道の運賃法では国有鉄道の総裁がきめるごとになつておりましてその意味から国有鉄道総裁が、関係の官庁と関係の各産業の代表の方々に、これはほとんど網羅いたしますが、委員、幹事というものになつていただきまして、数回にわたつて御相談を願い、そこでたとえば値段にいたしましても非常に議論があつたのでございます。こんな高くない、実は計算するとこういうふうに安いのだというような御議論がございまして、それでそれぞれの各業界の代表の方が御納得の行く数字にしたわけでございます。そうしてやりました結果こういつた形になつているのでございまして、特に等級改正をいたしました理由はそういうことなんでございます。それで 一番問題は、ただいま貨物課長が申しました、従来非常に安くしておつた、直接原価も割つておつたというものが問題になるわけでございます。この点につきましては等級審議会におきましても、上るものもあり下るものもあるし、どうせこれは等級改正でございますから、今と同じ率なら改正でないわけでございまして、上るものも下るものも等級上はあるわけでございますが、著しく上るということにつきましては、これは今までの一応等級運賃でいろいろ経済が営まれているわけでございまして、これに急激な変動を与えるということは避けなければなりせまん。これは等級審議会の答申にもはつきりいたしているのでございます。なお運輸省といたしましてもその点は先般運輸審議会——これは運賃改正をいたします際には必ず運輸審議会に諮問いたしまして答申をいただかなければならぬということになつているわけですが、運輸審議会の方におきましてもそういつた御答申がございました。今日まだ一番問題になつておりますのは、その最低のところで最後的なところまで至つておりませんので、この点につきましては運輸省としましては、著しい変化があつて重大な影響を及ぼすというものについては今後十分——ただいま国鉄が各官庁あるいは各業界の代表の方々にお願いしているのですが、運輸省といたしましても、その点につきましては公共性の保持の立場から十分監視いたし、監督いたしたい、かように考えている次第であります。
○芳賀委員 ただいま高い運賃の方からいろいろ苦情が出たかというお話がありましたが、これは私企業として公社の事業が行われている場合には、そういう株式会社等において話ができるかもしれませんけれども、国家的な立場に立つて行われておる公共企業体である場合において、この改正案を見ると大体石炭を中心にして——これはそうかわつておらぬと思いますが、木材、農産物資が上つておるということなのであります。そうしてそれ以外の高い方からの苦情ということになると、これは比較的公共性の少い、従来当然それだけの運賃をとつてもそれで苦情が出なかつたはずの部面に特別サービスをして、公共性のある、特に経済的な基盤の弱い農林物資等にしわ寄せをしたということが明確に見えるということであつて、決して従来よりも改善された点でないということが言えるわけです。端的に一例をとつてみますと、たとえば農業生産の量的に大きな資材であるところの肥料等の運賃も、大体この改正によつて一割の値上げになるわけですが、国内における肥料のいろいろな情勢を考えてみた場合に、現在国内における肥料価格と、いわゆる出血輸出との差が、十貫目一かます大体三百円くらいの差があるわけであります。これも肥料工業を国が育成しなければならぬというような通産省の考え方において、大体四十万トンぐらいの出血輸出をして、国内需要の百五十万トンの価格でそれもカバーして行く。なお今度の鉄道運賃の改正によつて、さらにその肥料の輸送コストが二割以上も上る、こういうようなことは鉄道当局のおつしやつているところのいわゆる公共性の立場から考えた場合に、妥当であるかどうかということも十分お考えを願わなければならぬのであります。基本原則としての改正案に対しては、これは別に論議もあると思いますが、ただ現実の国内における産業の諸般の情勢あるいは経済情勢等を考えた場合に、運賃に対する政策的な配慮というものが当然行われなければならぬと考えるわけであります。それでこういう点については今後農林当局と十分話合いをいたされまして、そして農林当局の考えを十分尊重されてこの改正案が決して改悪にならぬように善処される意思があるかどうか、そういう点を最後の質問としてお聞きしたいと思う次第であります。
○細田政府委員 等級の問題につきましては、農林当局ともこれまでも数次にわたりまして、国有鉄道としても折衝いたしておりますし、また運輸省といたしましても間へ入りまして、いろいろ御相談をいたしているのでありますが、今後とも単に役所だけでなく、関係の業界の実情、御意見というものにつきましては、十分尊重いたしたいと考えている次第であります。ただ私どものところで運んでおりますものは、ありとあらゆるものがございます。それで私ども必ずしも万般のものの実情について十分詳しく知つているというわけに参らぬのでございますから、そういう点につきましてはよく事情を承りまして、実情に沿うようにいたしたいと思います。
○坂田委員長 貨物運賃の値上げに関しましては、本委員会といたしましても農産物の等級をいかに決定するかということは農林業にとつて非常に重大な問題であると思いますのてこの際委員会の決議として関係当局べ参考送付いたす必要があるのではないかと存じます。決議文の内容につきましては、ただいま委員長においてつくりました案がありますから、一応朗読致します。 農林関係物資の運賃の等級等の改正に関する件 今次の国鉄運賃の等級等の改正案をみるに、農林関係物資に対する重点的な大幅引上げが意図されている。 食糧増産が重要国策として取上げられ、畜産振興が刻下の急務とされ、農家経営の安定、国土の保全、国民生活の向上に関して万般の施策が速急且つ大規模に実施されなければならぬ現在、農林物資、就中、基礎的な生産資材及び重要食糧品の運賃が二割以上も上るが如き賃率並びに等級の改正は軽々に黙過し能わざるところである。 よつて、政府は、等級の改正、減屯、遠距離割引等の実施に当つては、食糧、農業並びに林業政策の遂行に障碍を来さざるよう左の如き措置を講ずべきである。 記 一、木材中「原木のその他」「坑木」「パルプ用材」及び「木土製材のその他仁については、二十一級とすること。 二、肥料(硫安、石灰窒素、過燐酸石灰、配合肥料、炭カル等)については、一割程度の値上げにとどめること。 三、燐鉱石は、一割程度の値上げにとどめること。 四、飼料(米糠、ふすま、配合飼料、粕類等)については、二十三級とし、且つ、減屯を考慮し、一割程度の値上りにとどめること。 五、農機具は、二十三級とし、減屯を加味すること。 六、牛及び馬は、二十二級とすること。 七、農薬は、二十一級とすること。 八、造林用苗木及び桑苗木については、一割程度の値上げにとどめること。 九、米麦については、一割程度の引上にとどめること。 十、大豆油、ナタネ油については、二十一級とすること。 十一、甘藷(切干、蒸切干を含む)、馬鈴薯及び野菜類については、一割程度の値上げにとどめること。 種子用も同様の取扱いとすること。尚、りんご、みかんについては、四〇一粁以上五分引、八〇粁以上は一割引の長距離割引を行い、なし、かき、西瓜及び夏みかんは小型二屯、大型三屯の減屯を認めること。 十二、食料塩については、一割程度の値上げにとどめること。 十三、調味料(味噌、醤油、食酢)は、二十三級とすること。 十四、畳表は、二十一級とすること。 十五、福神漬については、二十三級とすること。 決議の内容は右の通りでありますが、これを本委員会の決議として、関係当局に参考送付するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 坂田委員長 御異議なしと認めてさようとりはからいます。 本日はこれにて散会いたします。次会は月曜日午後一時ごろから開きたいと存じます。 午後零時三十五分散会