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15回国会衆議院1952/12/05

農林委員会 第5号

発言数
43
登壇者
8
会派数
3
開催日
1952/12/05

会議録

坂田英一自由党

○坂田委員長 これより農林委員会を開会いたします。  本日は昨日に引続き大臣に対する質疑を続行する予定でありましたが、専仕の農林大臣の任命等のことで事情がかわりましたので、ただいまの理事会の申合せによりまして、当面最も重要な肥料問題につきまして調査を進めることにいたします。  まず順序といたしまして、関係政府当局から、最近における肥料の需給状況、輸出問題並びに価格の推移等につきまして、一応御説明を求めることにいたします。農林経済局長小倉武一君。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉政府委員 最近の肥料事情につきまして、概略御説明申し上げます。  まず生産の関係でございますが、御承知の通り生産関係は非常に順調でございまして、本肥料年度の生産見込みは、硫安につきましては百五十万トン、石灰窒素が五十万トン、燐酸肥料ン百六十万トン、あるいはこの数字以がになるかと思いますが、確実なところをとりましてさような数字を見込んでおるのであります。他方需要の方といたしましては、これもむずかしいのでございますけれども、一応の推定として硫安が百五十万トン、石灰窒素が五十万トン、燐酸肥料が百五十万トン、かような見込みになつております。従いまして量的には需給はもちろんのこと、過剰部分を輸出し得るといつた状況に相なつておるのであります。そこで現在の肥料問題の中心は、おそらく輸出並びにそれに伴つて国内の価格、配給といつた問題に集中するのではないか、かように存じております。次に輸出の関係でございますが、輸出が本格的に可能になりましたのは二十六肥料年度からでございまして、二十六肥料年度においては約十八万トンの輸出がありました。本年度の肥料の輸出の見込みとしては、これまではあまり輸出が振つていなかつたのでありますが、需給の状況から見ますと相当数量の輸出が可能であるのではないかと存じております。しかしながら一方国際市場の関係を見ますると、必ずしも楽観を許しません。と申しますのは、肥料の国際価格が最近非常に低落して参つておるのであります。一時はトン当り八十ドル近くになるような高価格で取引がされたようでありますが、最近インドの入札の状況を見ますと相当値下りいたしており、FOBにいたしまして四十六ドル近くになつておるのであります。もちろんこういう価格がいつまで続くとも限りませず、またおそらく日本の肥料業界といたしましても、こういう価格では耐え得ないところでございますので、輸出の価格ももう少し高いところをとるのが妥当ではないかと思いますけれども、現実はさようになつております。  ところでなぜ国際価格と国内価格がこんなに開いているかということについては、むしろ通産省の御関係だと思いますけれども、私どもの聞いているところを申し上げますと、何と申しましても硫安工業内部の問題よりも、外的な条件すなわち原料特に石炭の価格にあるのじやないか。石炭の価格は日本はドイツなどに比べて二倍以上もしているといつたような状況であります。また過燐酸につきましては、原料がもともと外国から輸入するものでございますので、何といつても不利になつていることは争えないところであります。かような関係でありまして、量的に輸出は相当量可能でありますけれども、実は輸出がそう振わないのであります。そこで特に硫安においては滞貨がこの二十七歴年度においてだんだんとふえて参つておるのであります。窒素質肥料全体といたしまして、三月末では在庫が十八万トンであつたのでありますが、この十二月末におきましては五十万トンをおそらく越えるであろうという推定をいたしております。かような事情がもちろん国内の価格にも影響して参るのでありまして、農林省の卸売り価格の調査でありますが、硫安においては今年の三月の卸売り価格が九百九十二円であつたのでありますが、だんだんと低落して参りまして、十二月の初めにおきましては八百八十五円になつておるのであります。これはおそらく硫安のメーカーといたしましても相当の問題になつているようにうかがわれるのであります。  そこで現在のような状況をどういうふうに考えるか、あるいは対処するかということにつきましては、いろいろわれわれも考えているところはあるのでありますが、何分問題が非常に複雑なので、まだ具体的にこれといつた手段をとる段階には至つておらないのであります。もちろん農林省といたしましては国内の需給が安定し、また価格が安定するといつたことが望ましいことは言うまでもありませんので、そういつた線でもつて考えたいと思うのであります。従つて現在の肥料問題におけるわれわれの事務的な考え方を申し上げますと、需要の面でございますが、これは相当多く使われておりまして、中には酸性土壤といつたような関係があつて、若干の地方におきましては過剰に投下されているというきらいもあり、むしろ節約しなければならぬといつたような面もございますが、広く申しますと、もつと合理的に肥料の消費を普及することによつて食糧の増産に寄与できるといつた部面もあるに違いない。従つて施肥法の合理化といつたような面を相当進めて参る必要があるのではないかと思います。二番目といたしましては、国内の需給の安定ということから考えますれば、当然これは国外に輸出するということによりまして、あるいは輸出ができないから生産を制限するといつたことによりまして国内の価格が上騰する、高騰するといつたようなことは避けなければなりませんので、さような点から市価をいかに安定するかといつたようなことが考えられなければならぬと思うのであります。それから第三点でございますが、これは通産省の方でお考えにならなければならぬことだと思いますけれども、先ほど申しましたような輸出の状況、国際価格の状況から申しまして、国内の過剰分を円滑に輸出できるといつたような実態に導くために、硫安工業を合理化する余地があれば合理化し、あるいは硫安企業以外の石炭等の基礎原料に対する施策もあるいは必要になつて来るのではないかと考えております。以上概略でございますが、最近の硫安を中心とする肥料の事情を申し上げた次第であります。

坂田英一自由党

○坂田委員長 通産省軽工業局長中村辰五郎君。

中村辰五郎通商産業事務官(軽工業局長)

○中村(辰)政府委員 ただいま農業経済局長さんから申し上げまして全般的の御説明につきまして、私から補足を二、三つけ加えさせていただいて申し上げたいと思います。  肥料の生産状況につきましては、ちよつと数字が農業経済局長さんの申し上げた数字と違うのでありますが、硫安について申し上げますと、二十七年の四月以降来年の三月まで、肥料年度とは異なりますが、会計年度で申しますと、十月までの実績をとりまして、十一月以降は当初の生産計画の月別数字を採用いたしますと、硫安におきまして百九十五万三千三百五十二トンの生産見込みを立て得るのではなかろうかと思います。最初の計画は百八十五万二千トンでございまして、おおむね今日まで十万トン程度生産計画を上まわつている状況であります。  石炭窒素につきましては当初の計画が五十万トンでありまして十月までの実績を加味いたしまして硫安同様十一月から三月までの生産計画をそのまま月別平均をとりますと五十二万八千七十二トンという数字が出るのであります。これまた当初の計画を上まわりつつある状況でございます。このような生産状況でありまして私どもといたしましては農林省と経済審議庁との間に輸出の問題に関連いたしまして、逐次具体的な輸出のわくを設定して参つたのでありますが、二十七年度の需給の大体の感じから申しますと、本年の七月、すなわち二十六肥料年度末の最後が三十八万トン、正確に申しますと三十八万六千八百九十二トンというような数字になるのでございまして、その後生産の状況がただいま申し上げましたような状況でございまして輸出につきましては相当実現できるのではなかろうかと思います。今日輸出の促進につきましてせつかく努力中でございます。  輸出の状況を簡単に申し上げますと、二十六肥料年度でたしか五月の中旬ごろと記憶いたしますが、最初の輸出のわくを十五万トンに設定いたしました。その後二十七肥料年度に入りまして七月に韓国からの輸出引合いが相当大幅でありまして、十二万トン程度の追加割当をしました。それが今日の輸出に対します基本方針でございます。この数字がどのように進捗いたしておるかと申しますと、大体におきまして輸出の契約が成立しておる数字が十七万四千六百トン程度でございます。残りのわくは目下インド向けのMSAの買付の二万六千トンの問題、あるいは韓国向けで今価格その他折衝中でございます二十二万五千トン、その他琉球、フイリピン少量でございますが、折衝中の状況でございます。  なお輸出の値段の推移の問題でございますが、一つには船運賃が非常にこの夏ごろから急激に下つて参りまして、欧州物が東南アの市場へ相当有利に競争し得る態勢にあるというのが一つの原因でございます。昨年の秋から今年の春にかけまして、日本が非常に有利な地位にございましたが、これを境といたしまして非常に国際競争が激化いたして参つたという状況でございます。これに対しまして通産省といたしましては、硫安工業の基礎を確立すると申しますか、相当の国内の生産力を持つております関係で、できるだけ操業度を高めまして、肥料価格の安定ということに資したいと考え、昨年の十月、一割増産計画を立て、逐次その生産増強に進んで参つたのであります。そういつた見地からいたしまして、ただいまおおむね窒素肥料で申しますと、二百五十万トン近い生産を実現し得る段階になつておりまして、石灰窒素肥料はもちろん国内に最優先に、あるいはこれを集中して供給する建前でございますので、海外需要の比較的多い硫安を、輸出産業として一面伸ばしたいという気持で努力して参るつもりであります。  その関係から申しまして、輸出余力がどのくらいあるかという想定につきましては、もちろんこれは私一個の私見でございまして、農林省あるいは経済審議庁の御了解を得た数字でないのでありますが、窒素肥料のうちの硫安につきまして、生産が約二百万トンくらいまであるのでありまして、そのうちの四分の一の五十万トン程度という数字をかりに考えて、これを東南アの市場に向けるというようなことで行きますことが硫安工業の操業度からいたしまして、非常に安定せる操業度だと考えられるのであります。これを国内だけの百五十万、あるいは百五十万を越えておる国内需要に限定いたします場合の、硫安の生産コストの値上り等を考えますと、どうしても東南アの肥料市場を確保して、今後に培養して行きたい、かたがたこの東南アにおきまする肥料に対しては、全部ドル資金で決済される関係もありまして、われわれといたしましては、できるだけドル貨の確保という観点も加えまして、輸出を何とか確保したいという気持で参つております。この建前から国際入札に参加して参つたのでありまするが、最初は八月二十二日の台湾の入札が大体底でございまして、その後インドあるいは韓国の入札状況から見ますと、ほぼ欧州ものも日本の入札価格の線から見て高めになつて、西欧との競争力もまず底に来ておるという感じがいたします。こういうような状況からいたしまして、この国際競争力をどういう方法で進めましたならば、肥料工業の基礎が確立するであろうかという根本問題を、実は積極的にこの際取上げて推進して参りたいという気持になつておるのであります。この数字は、まだ事務当局の一試案でありまして、ここで申し上げることはいかがかと考えられる点もございますが、非常に重要な問題でございますので、一応の考え方を申し述べさしていただきたいと思うのでございます。  欧州ものとわが国との東南アジアにおきます船賃その他から見ました価格の相違と申しますか、競争点を簡単に申し上げますと、従来欧州から東南アに参ります船運賃は、二十ドル前後もするというときもありました。しかしその後非常に低下いたしまして、今日では場所によつて非常に違いますが、大体八ドルないし十ドルというぐあいに考えられます。欧州硫安の東南アに参りますCIFの肥料の価格は五十三ドルから五十五ドル程度ではなかろうかと思うのであります。もちろんこれはインドから、インドシナ、フイリピンあたりまでが大体このような点に該当するのではなかろうか。日本に最も近い韓国でありますとか、琉球、台湾あたりになりますと、この情勢はもう少し日本側に有利になつて参るのでありますが、大体そこらの点をとりまして欧州物のCIFの価格を考えていいのじやないか。これに対して日本側の方からの輸出を考えます場合に、東南アジアに対する船運賃は大体三ドル見当、日本のFOBの価格を——欧州は大体FOB四十五ドル程度と考え、日本側は六十五ドル程度に考えまして、わが国の硫安の東南アに対しまするCIFの価格は、おおむね六十八ドル程度ではなかろうかと考えるのであります。このような値段の差を何とかして克服して硫安工業の基礎を培養したいと考えまするので、両者の差の十三ドルないし十五ドル——もちろん日本に近い韓国、台湾等はこれほどの値差はございませんから、十ドル前後になるのではなかろうかと考えられます。これらのものを肥料工業自体の近代化、あるいは先ほど農業経済局長さんも仰せられました石炭工業の合理化、あるいは硫安工業を他の関連化学工業と結びつけまして、総合化すると申しますか、そういつたようないろいろな操作、あるいは電源開発の進捗の面とも結びつけていわゆる電解法によります硫安の生産の操業度の引上げというような総合的な施策をこれに施しますならば、これらの価格差を克服し得るのではないかというふうに考えつつある次第でございます。この点につきましては、もちろん重要な大きな問題でございますので、事務当局として目下検討中でございます。

坂田英一自由党

○坂田委員長 これより質疑を行います。通告がありますのでこれを許します。井上良二君。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 私は先般農林大臣に対して、肥料価格の安定についての質疑をいたしたのでありますが、その際われわれが一番問題にしておりますのは、通産省が今御説明のように、現在欧州ものとの対抗上、国内価格から申しますと、二百五十円も三百円もの開きで出血輸出をしておる。このことが国内の肥料の安定の上に非常に大きな問題を投げ、ひいてはこれが春肥の価格の上にどう影響するかということで、全国の農民はこの解決を切望しておるわけであります。そこでまず伺いたいのは、確かに農林委員会でもお話があつたと思いますが、海外向けの輸出わくというものは、大体三十万トンが予定されておつた。それが今日まですでに十二、三万トン輸出したのではなかろうかと思うのでありますが、その上に最近今お話のインドに対し、あるいはまた韓国に対し、またはフイリピンに対して、それぞれ輸出が予定されております。そうしますとこの予定した三十万トンの輸出のわくを相当上まわつておりますが、この上まわつたことについて、今お話によりますと、生産が計画よりも相当上まわつており、かつ本年度末の手持ち滞貨が相当多くなり、そういうところから多少上まわつても、この際東南アジアの市場を確保するというところから輸出して行きたい、こういうことであつたようであります。問題は今お話になりましたように、欧州物との対抗上、やむなく東南アジア市場の需要を確保したいというところから出血輸出をなくしておることです。この出血輸出についての見通し、つまり欧州物でも、特にドイツの肥料との対抗になろうと思いますが、今この問題についての局長の説明によると、国内肥料の操業度を高めることによつてコストを下げたい。また他の産業との関連においてできるだけ合理してコストを下げたい。こういう非常に抽象的なお話で、もつと具体的につつ込んで御説明を願いたいのは、たとえて言いますと、ドイツの肥料生産の基礎資材であります石炭、コークス、電力、こういうものと、わが国の肥料生産の土台である石炭、コークス、電力というものの価格を調べてみると、ドイツのものは問題にならぬ価格であります。そういうふうに日本の石炭相場に比べれば、はるかに下まわる価格の原料炭を使つておるドイツの肥料と日本の肥料とが、単なる操業度を高めるということだけで——ここに一割、二割の操業度が高まつたからということでかんじんの基礎資材たる石炭、コークス、電力等についての価格対策を考えずして、実際競争はできぬのではないかと私は考えますが、ドイツの肥料との競争に一体どうして打勝とうとするか、これが今輸出問題を中心にして考えます場合の大きな問題でなければならぬと思います。地理的に運賃その他では非常に有利な条件におりながら、かんじんの生産資材が非常に高いということから、今お話のようにトン当りで八ドルから十ドルも日本のものが高いというこの事実に対して、一体どう対処しようとするのか、この点をまず明らかにしてもらいたいと思います。  その次に伺つておきたいのは、そういう出血輸出をすることを通産省は国内の価格とのにらみ合せによつて、これはやむを得ないことだ。滞貨がふえてかつ東南アジアの市場を確保するため、また将来輸出産業として非常に重要なドルを獲得する必要からも、この際出血輸出はやむを得ない、こういうことで出血輸出を通産省は認められたのでありますが、その輸出を許可しました理由について、明確にしておいてもらいたいと思います。まずこの二点について伺いたいと思います。

中村辰五郎通商産業事務官(軽工業局長)

○中村(辰)政府委員 第一点の生産コストの引下げという点につきましては、肥料部長から詳細に申し上げたいと思います。第二の出血輸出の問題につきましては、これは同時に、先ほど抽象的ではございますが、日本の硫安化学工業というものを育成するという見地からいたしまして、かりに二五%程度を輸出に振り向けるということで現在参つております。二百万トン生産を維持するということにいたしますことと、内需にこれを限定いたします場合のコスト、その他の関係を検討いたしますと、おおむね二五%の操業短縮か、一割強のコスト高というような状況とも相なるのでありまして、一面東南アの肥料の需給の推移を考えますると、業界その他の調査資料をもとにして、いろいろ検討いたしたのでありますが、現在インド、パキスタンから中華民国を除きました南鮮を含む東南アの地域で大体百七十万トン程度の窒素肥料の需要がございます。このうちインドその他に需給の計画、あるいは現に生産いたしておるもの等がございますが、これらを差引きますと、おおむね百五十万トン前後の輸入をいたす必要のある地域でございます。かたがた東南アの地域はどちらかと申すと、未開発地域でございまして、今後農耕その他その方面の開発ということが盛んになると考えております。そういたしますと、化学肥料も相当需要においては増すことがあつても、これを下ることはないと考えるのであります。と同時に、もう一つ化学肥料工業は、わが国におきます化学工業としても、相当過去においてしつかりした基礎を持ち、同時に国内資源をもとにいたしました化学工業でございまして、海外の原料に依存する工業ではございませんので、今後におきます日本の国民経済の関係からいたしまして、重化学工業の綿業その他が国際場裡におきまして昔日の面影がない今日の状況におきまして、何とか貿易上の日本の地位を確保する建前からいたしまして、重化学工業の輸出ということを相当強く推進いたさねばならないと思うのでございます。この現実とにらみ合せまして、硫安化学工業と申しますものは、政府といたしまして輸出の立場から重要視しなければならないと考えまして、今日肥料の輸出につきましては、もちろん内需に影響のないことは申すまでもございませんが、東南アの日本と関係の深い経済地域に対しましては、できるだけ輸出を進めて参りたいと考える次第でございます。なお詳しい数字的その他の点につきましては、肥料部長から御説明申し上げさせます。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 お尋ねのドイツその他ヨーロツパの硫安と日本の硫安といかに今後対抗して行く成算ありやということでありますが、実は私の方として直接現地に参りまして調査を完了いたしておらぬのでありますが、目下企業局の次長が向うへ参つて調べつつありますので、正確には判断できないのでありますけれども、最近業界その他からいろいろな方が向うへ参りまして、いろいろ調査した点を聞きましたし、あるいは最近国際競争が非常にはげしくなりまして、国際競争の様子なんかをながめてみた結果から総合いたしますと、日本の現在の硫安工業の現場からみまして、まずどの辺が採算点になるのか、大体公正な価格であろうかということを、現在需給両者の間で協定いたしております安定帯価格六十七ドル見当というものを中心にこちらは考える。ヨーロツパのものはいろいろ入札のたびごとに相当違つておりますが、その最低をとつてみますと、大体四十五、六ドルから七、八ドルというのが向うのドイツの国内価格というふうに想定いたされますので、まず国内価格の同士では二十ドルくらい差があるのではないか。そこで日本の硫安の国内の需要量、さらに海外の需要量を含めた増産をいたしまして、できるだけコストを下げるというふうに持つて行きますために、どのくらい海外に売り得るかという点でありますが、われわれの方でいろいろな資料から総合いたしますと、東南アジア地区全体で約百七、八十万トンくらいあるのではなかろうか、そのうち国内で今生産工場の建設中のものを含めて三、四十万トンくらいのものがあるのではないか。結局百四十万トン内外は東南アジア地区において日本が売り得る量ではないかというふうに見ておりますので、東南アジア地区に対するヨーロツパの方とわれわれの方と地域的な立地条件から申し上げまして、現在ではさほどの有利さはありませんが、通常の海上運賃になりますと——現在は一般の通常運賃からいうと半分になつておるということが言われておるのでありますが、われわれとしては五ドルないし十ドルの有利さはあると思うのでありまして、結局これらに対抗して行くためには、先ほど局長が申し上げましたように、国内において現在より十ドル見当のものを下げて行けば、生産を落さずに内外の需要に応じて行くという態勢がとり得るのではないかというふうに思うのであります。その方法でありますが、これは今まで戦後において硫安の増産はすなわち食糧の増産であるという合言葉で、官民あげて生産は一応量的にはできましたが、なおこれを国際競争に耐えて行くために、設備の近代化のためにもう少し金をかけるというふうにいたしますれば、設備の近代化によるコストの低下は数ドルはあると思うのであります。それについても最近各工場ごとにそれぞれ検討いたしまして、これを平均いたしますと五ドル見当は下げ得るのではないかという数字が出ております。それから電源開発に伴う電気の供給がふえますと、今電解法によつて六〇%余り、ガス法によつて八〇%余りの操業度をさらに上げることによつて相当の低下があるのであります。御承知の通り硫安工業は設備に非常な資本投下をしておりましていわゆる量を多くつくつても、つくらなくてもいるところの固定費、投下資本に対する金利、償却それから労賃、一般管理費というものが全コストの大体三割五分ないし四割見当を占めておるのでありまして、この操業度の上昇によつて相当のコスト安を見込み得るのであります。話は余談になりますが、先般も、こういう競争のはげしい輸出にはとうてい耐えられないというような説も出ました。そうしてかりに国内の需要だけに生産を落せばコストはどのくらい割高になるだろうかというような計算をいたしたのでありますが、そのときに、今の安定帯価格九百円というものをかりに平均のベースといたしましてこれの四割である三百六十円が、つくつてもつくらぬでも、量のいかんにかかわらずかかるコストといたしますと、二百万トンをつくる計画でありますが、それを百五十万トンに縮めることによりまして大ざつぱにいつて二割減産することになるのであります。そこでこの二割を減産すればその三百六十円というのは幾らに上るかというふうに計算いたしますと、それは三百六十円を〇・八で割つた四百五十円ということになるのであります。四百五十円の固定費になりますから、四百五十円と九百円から三百六十円を引いたものとを足しますと、九百九十円という計算になるのであります。かように硫安の生産量のいかんというものがコストについて非常に影響いたすのであります。今減産の話をしたのでありますが、これを逆に増産に持つて行きますれば、なお増産しましても価格が安くなりますと、東南アジア地区にもまだ相当需要があると考えられますので、増産によつてコストを下げ得る。それからこれはまだ予算的裏づけはないのでありますけれども、日本の安硫ばかりでなしに、あらゆる重化学工業をいま少し建て直すといいますか、国際的に競争をし得る段階に持つて行くには、ただいま井上委員から御指摘がありましたように、日本は石炭が飛び抜けて高いのでありまして、どうしてもこれを安くしなければ、日本の工業はあらゆるものが立つて行かないということはだれでも言つておるところであります。しかしながらこれに対しては相当の資本がいるのでありますけれども、しかし資本のいるのを躊躇しておつたのではいつまでも日本の経済は建て直らないということから、どうしても主として炭鉱の竪坑による増産を伴つた掘鑿の改善、そこからコスト低下ということを考えておるのでありますが、大体そのプランによりますと、現在の炭価の二五%程度、これは全炭鉱にこれを期待するわけに行かないのだそうでありまして、これを全体に平均すると、大ざつぱに二割程度というふうに言われておるのでありまして、それなんかがありますれば、これは一本で行くわけではないと思いますが、最終の段階においてその程度になりますと、硫安部門におきましては、石炭をよけい使うのと使わないのといろいろ方法がありますが、大体平均して硫安トン当り石炭一トン程度の消費をいたすのでありましてこれによるコスト低下も数ドルあるというふうに考えておるのであります。さらにこれは非常に困難なことではありますが、製鉄でありますとか、あるいはソーダ工業、化学繊維その他の化学工業、あるいは他の工業との共同的な企業の経営というところまで考えますと、相当まだコスト低下の余地があると思うのであります。それらを考えますと、決して欧米に対抗することができないというものではない。なお努力をすれば、むろんこれはすぐあしたからということではありませんが、将来まあ世界の硫安工業に対して太刀打ちできる硫安工業であるというふうに考えておるわけであります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 通産省が出血輸出を認めました理由、それから御説明によるとインド向けは現在契約ができた。また韓国との二十二万五千トンというものが話合いが進められておるというが、これの価格は一体幾らにきまる予定であるかという、この二つを明らかに願いたい。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 初めのインド向けは、アメリカのMSA資金による国際ビツドでありますが、これは日本も参加して東京において一部入札したのでありますが、最後に落札したと今伝えられておりますのは昭和電工が、ワシントンにおいて入札いたしましたものが二万六千七百五十トンインド向けにMSA資金によるビツドに落札したというのが最近の情報であります。その落札価格はインドに到着して、インド・CIF五十ドル三十三セントというふうに聞いております。これはまだ正式にこれの契約書をつけて輸出申請を受理しておりません。大体そういうふうな情報を聞いております。それから朝鮮の二十二万五千トンを暮れから来年の五月までに渡す予定でありますが、これは特需のいわゆるJPA——日本でアメリカ軍が調達して持つて行く分でありますが、これにつきましては、かねて朝鮮の特需等については、ぜひ日本に供給方を慫慂されまして、われわれも先ほど来需給の数字的な御説明をいたしておりますように、相当量的な余裕があるのでありますから、朝鮮に対して輸出することはむろんよかろうということで、省としてもその方向で入札することを認めておるのでありますが、価格につきましては、これは当初特需でありますから、日本だけで入札があるものと思つておりましたところが、国際的な非常な一般の値下りの状況もありますので、今まではこの特需は日本だけでビツドしておつたのでありますが、今回からはかわりまして国際競争入札ということになつたのであります。これは先月の二十六日の午前十時ということで、国際入札でありますけれども、東京だけで受付けたのであります。それにつきましては、アメリカの入札はその時間を締切つてすぐ開票して最低に落すというようなことでないようでありまして、その後においても、日本はその日にやりましたが、ずつと受付けがありまして、最近協議段階に入りまして価格を協議しておるのでありまして、まだ確定的な、幾らならJPAも買う、日本も売るという最終段階に立ち至つておらぬようであります。しかし日本側としましては減産することは全体としてコストを高くするし、どうしても肥料を買つてもらいたい。しかしながら今まで現われたような非常な安い値では日本の産業としても困る。できるだけ高く買つてくれというようなことを交渉をしております。今協議中ということであります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 お話を承りますと、まだインド向けのものも正式に輸出の申請が提出されていない。朝鮮向けも今価格の点で十分ではない。しかしこれは国際価格ということになつておるので、日本の国内相場の価格ではとても話にならぬことは明確であります。そうなりますと、通産省としては、特に肥料の責任者としては、この輸出許可の申請が出された場合、またこの朝鮮向けの二十二万五千トンがいかなる価格にきまりましようとも、国際価格できまりました場合は、輸出を許可する方針ですか、この点を明確にしてもらいたい。時間がありませんから簡単に答弁願います。

中村辰五郎通商産業事務官(軽工業局長)

○中村(辰)政府委員 ただいまの御質問に簡単にお答えいたします。先ほど来肥料輸出につきまして抽象的ではございますが、いろいろ申し上げました見地からいたしまして、輸出の許可を出すつもりでございます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 私はこのほかにもまだ契約が進められておることを承つておりますが、かくのごとく海外輸出の肥料が国内価格に比べて非常に安く輸出されておる。こんなに安く輸出されるということは、結局これが国内価格に当然影響して来ると考えますが、この点通産省はどうお考えになつておりますか。

中村辰五郎通商産業事務官(軽工業局長)

○中村(辰)政府委員 国内価格に関しましては、先般安定帯価格を具体的に設定いたしまして、本肥料年度はこの価格によつて国内の価格を維持して参るという考え方を持つております。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 その安定帯価格というのはさきにお話がありました八百九十円ぐらいのところではないかと考えますが、しかし現実に日本で生産された肥料が、海外に国内価格から二百五十円も三百円も安い価格で出されており、現にまたお話のように、政府みずから国内価格よりははるかに下まわつておる国際価格で取引されておるということを御説明されておりますが、この安い国際価格を知つておる肥料需要者である農民は、かくのごときべらぼうに高い安定帯価格で肥料を引取るとお考えになつております。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 現在日本の農家が外国の農家よりも高い肥料を買つておるということは、感情としてはこれは不満であろうということはわかりますが、先ほども申しましたように、終戦後における日本の置かれた地位から、ともかく肥料を調達することにまず重点を置いて、日本の農業に必要な量をつくるということに専念したのでありますが、これから国際競争に耐えられる価格にまで下げる措置を講じまして、しかもそれは十分に見込みがあるのでありますからして、これに向つて今後一層の努力をいたして、その間しばらくの間は現在の肥料工業の経営上許される最低のところでがまんをしていただく。輸出によつて損した分を農家の消費者に転嫁するということは許すべきではないのでありまして、先ほども申し上げましたように、こういう情勢の変化がない前に考えました安定帯価格というものはどこまでも守つて価格を上げないようにする。しかしながら輸出分につきましてはその損を生産地において抱きまして、ともに生産費が安くなるまでがまんをして行くということしかないと考えるのであります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 今の御説明を聞いておるとまつたくむちやくちやですね。つまり国際的な取引の市場相場を政府みずから認めておりながら——またそれに対応できるように操業度を高め、あるいはまた設備の近代化によつてできるだけコストを下げて行こう、つまり目標は国際競争に耐え得る価格に接近させて行くことに努力を一方で払う、こう言つておる。それならばその努力が報いられるように肥料価格というものは順次下げて行くべきである。にもかかわらず今のお話を聞いておると、その間やむを得ないから国内の農民は朝鮮の農民よりも十貫当りで二百円も二百五十円も高い肥料を使うのをがまんをしておれ、こういう考え方のように聞えます。朝鮮の農民は七百円そこそこの肥料を使つているのに、何ゆえに日本の農民が八百円や九百円の肥料を使わなければならないか、そんな肥料政策なんてあるものではない。逆に米の生産者価格を引下げ、わが国民生活を安定しなければならぬ今日、米の生産に重要な資材たる肥料の価格を下げることにわれわれは全力を上げなければならない。そのためにかりに国内の肥料価格が今お話のように安定帯価格から下げることができないということになつて、もし政府がその価格をメーカーとの間に話合いをつけて押しつけようとした場合、農民は欧州物がほしいというときに欧州物の肥料輸入を認めますか、おそらく認めるとは言えないでしよう、そこに問題があるのです。だから今輸出している価格はおそらく出血輸出であると私は想定しておりますが、出血輸出による損害が国内の農民にかぶつて来ることは当然であります。かぶらないとは言えないのですよ。そうお考えになりませんか。かぶらないということが言い得られますか。今局長さんは、輸出をしても国内方面には影響をしないようにしたいとおつしやいますけれども、現実に営利を目的にした会社なのです。そうすると外で損をしたら内で埋合せて行くということはあたりまえなのです。今お話を承つておりましても、操業度が高まつてそれだけ生産がふえれば、ふえただけ減価償却の比率も下つて行くから、肥料がそれだけ安くなつて行く。それならば当然それだけは価格は下げなければならない。だから今お話の安定帯価格というものはくずれると私は思つておる。今年はその価格で取引してもらう、春肥はその価格で取引してもらうと言つたところで、おそらく全購連を中心として買付をしようとする農民は、今きめております安定帯価格では引取りません。そういうものを全購連が買えば、全購連はまた大きな赤字をかかえ込んで、みずから国の世話にならなければならぬことになつてしまう。だから出血輸出による価格が国内肥料価格に影響して来ることは当然です。それを影響しないとお考えになりますか、この点もう一度はつきりしてもらいたいのであります。

中村辰五郎通商産業事務官(軽工業局長)

○中村(辰)政府委員 ただいまの国内価格に与える影響でございますが、本肥料年度につきましては、この出血輸出で起ります損失を国内価格に影響させない、いわゆる安定帯価格を堅持する建前でございます。今申し上げました肥料の合理化あるいはその他の関連産業の合理化、そういつたものによりまして、国際競争上不利でございます日本の硫安工業のコストの引下げの対策を申し上げましたが、この線から参りますコストの引下げは当然国内価格にも影響いたすわけでございまして、これは来肥料年度以降におきまして十分具体的に検討いたすべきだ、こう考えております。今肥料年度におきます安定帯価格を、長く将来農民にお願いするという趣旨ではございません。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 今お話の安定帯価格を堅持して行きたいということは、メーカー及び通産省としてはそうかもしれませんけれども、今私がお話申し上げましたように、現実に国際価格は国内価格よりはるかに下で取引されておるのであつて、この事実を知りました農民は、そんな高い肥料を買うということはあり得ないのです。だから、この安定帯価格というものはくずさなければいけません。くずすことが妥当であります。現に御存じのように国内の取引においても、肥料価格はどんどん下まわつております。この安定帯価格を、最近の国際価格の動向とにらみ合して妥当な価格に改訂する意思がありますか。これはこうきめたからこの通りやらすと言いますか。私は、当然新しいこの事態に対応して、最も妥当なる安定帯価格をきめるべきだ、改訂すべきだという考え方を持つておりますが、どうですか。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 安定帯価格というのは、政府が法律または何かの法令によつてきめておる価格ではないのでありまして、御存じのように、需要者、供給者の両者がいろいろ協議をして、こういうところが妥当であろうということでつくつておる価格であります。政府がその協定を認可するなんということはいたしておらないのでありますが、その協定をすることにつきまして、肥料の関係各省が、そういうことをした方がいいだろうというわけであります。今までややともすると、輸出によつて、それを材料にして価格をつり上げるという傾向があるという御批評もありました。量的にいえばもう少し輸出ができるのにかかわらず、輸出を許すことによつて、価格が自由になつておる最近においては、そういうきらいがあるという御批判がありましたので、今肥料年度からは、あらかじめ需給両者が話し合つて、一年間この範囲で価格を安定させようじやないかというような協約をさせまして、それによつて価格を安定さして行く。そして需給関係も、輸出をさして余つた肥料は従来より勇敢に価格も高くなく出そうというようなアイデアを持つて、そういう安定帯価格の制度を関係各省が話し合つて慫慂してできたのであります。できました経緯につきましては、消費者側としては肥料は安い方がいい、生産者側としてはもう少し高いところがよいということで、大分折衝があつたようでありますが、大体先ほども御説明いたしましたように、八百七十円から九百三十円の間において安定して行こうということがきまりまして、関係省といたしましても、大体その辺ならよかろうということで、今それが行われつつあるのであります。価格がきまりました当時におきましては、大体平均九百円くらいのところであります。まずこのコストは、先ほど来触れておりますごとく、固定費が相当大きな部分を占めている関係上、生産を幾らするかによつて非常に違つて来るのでありますけれども、大体国内百五十万トン、輸出四、五十万トンくらいの見当で、二百万トンがらみの生産をやる場合における適正な価格はこの辺であろうというふうに想定して、この安定帯価格ができておるのであります。八月には安定帯価格より高く売れたものもあつたのでありますが、ほんの一、二箇月の間に急激に下つて来た。従つて井上委員のおつしやるごとく、このほんの一、二箇月のうちに急激に十数ドルも下つて来たということから見ますと、今のせつなというか、今の短かい期間から申しますと、日本の農民が高いものを買つて、他の輸出先の農民がえらい安い肥料を買つてそれはおかしいではないかというお感じは、ごもつともでありますけれども、今言つたような安定帯価格決定の経緯から申し上げますと、生産者の経理面からいえば、五十万トンについても、安定帯価格程度でゆとりがあるという想定であつたにもかかわらず、二割下つて、八割の安定帯価格についても、あのときには輸出も相当な値段で売れると思つておつたのであるが、こんなに下れば安定帯価格にもう少し色をつけてくれといつて泣きを入れるくらいなところであろうと思うのであります。しかしながら安定帯価格をきめました趣旨からしてともかく一年間どうあつても価格を安定させる、下つてもお互いに次の会計期には考えるとしても、安定させる方が配給も円滑に行くし、両方ともその方がよいのだからということできまつたのであります。従つてこういうようなことがあつても、二割が出血で、あとの八割の国内製品に、安定帯価格をきめたのだから、少し色をつけてくれとは言わないということなのであります。あとの二割の赤の問題でありますが、これも結局は農民が負担するのではないか、今肥料年度は上げないかもしれないけれども、今赤を持つておれば、結局先に行けばその赤は農民の負担になるのではないかというお話でありますけれども、これもこの赤の処置のしよういかんであろうと思うのであります。これは日本の財政等も考えなければならないが、どうしてもその赤についての処置を農民に転嫁すべきではないといえば、これはもちろん国家がそれをしりぬぐいする手もありましようし、企業内部で資産の評価等においてその赤をなしくずし的に吸収するという点もいろいろあろうかと思いますので、この赤の出たものが必ず近く農民に転嫁されるというようなことは避け得られると考えます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 一番大事なところですから、そこを明らかにしておいてもらいたいのですが、私の考えでは、安定帯価格を破つたものはメーカーです。はつきり言えば、これを破らそうとしておるのは通産省です。この点ははつきりしておるのです。自分で安定帯価格をくずすような行動をとつておいて、この価格はともかく、多少価格の上り下りがあつてもこれで行こうといつて——これは電力事情や石炭事情や、あるいは労賃の値上りや、また外国から安いのが入つて来たというようなところで、多少の上り下りはあるにしても、今お話のように、わずか十貫俵で二、三百円も開いておる。この国際相場との値開きは、多少上り下りしたとは言えないのです。だからどうしても国内肥料価格も国際価格に接近する手を打つて行かなければいかぬのです。でないと、われわれ国民から考えれば、まことにどうもへんな考え方です。国内では非常に高い肥料を使わして、外国へは非常に安く肥料を売つて、買う米は国内の米の二千五百円も三千円も高い値で買い入れておる。それには輸入補給金をつけておる。そういうべらぼうなことが常識上一体あるか。そういうことを考えないでやられたらたまつたものではない。そういう事情だから、春肥その他で価格の変動があつてはいかぬということで、肥料の需給調整についていろいろ対策を講じようとしておる。肥料の一定の安定をはかるためには、どうしても肥料に需給調整をやらなければならぬ。この需給調整をやることに通産省は常に反対なんです。それで自由競争に持つて行こうとしておる。そのしわを今農民と国内の生産者にぶつかけて来ておるわけです。そういう肥料政策というものが一体ありますか。これはもう少しお考えを願いませんと大問題になりますぞ。生産者と農民と両者のはさみ撃ちになりますぞ。現にそういう傾向になつて来ておるじやないですか。政府が出血輸出を認める以上は、当然欧州物の安い肥料を農民が買いたいという場合は、輸入を許可するという腹があつて出血輸出するならいいですが、その腹はないじやないですか。そうなりますと出血輸出の損害は、今お話のように、国の財政支出によつてその赤字を埋めてやるか、そうでなかつたならば、国内価格にこれがかぶつて来ることは明らかであります。そういう点を考えたときに、通産省としては肥料需給調整についてどう考えておるか。このままでいいとお考えになつておるか、何か措置を講ぜねばならぬとお考えになつておるか、この点を明らかにしてもらいたい。

中村辰五郎通商産業事務官(軽工業局長)

○中村(辰)政府委員 井上委員の御質問にお答えいたします。通産省は肥料の問題に関しましては、従来生産の上昇と同時に輸出を行う、こういう二面の目的で今日まで進んで参つたのであります。先ほど来輸出の問題、同時に生産の増強を御説明いたしましたように、肥料の生産はきわめて順調でございまして、輸出に対しましても関係各省連絡いたしまして、それぞれ輸出のわくを設定して、この中でコントロールいたしておる状況でございます。一面国内の価格につきましては、自主的ではございまするが、安定帯の価格を実施いたしましてその間の調整を考えておる次第であります。八月末の台湾の輸出価格でございますが、これが底でございまして、その後の入札等を見ますと、西欧物と日本の価格との差は、先ほど井上委員の御指摘のような例とはかわつて来るものと思います。もちろんそれとは異なりまして、価格差は順次狭められて来るように考えるのでございます。そういつた状況でございまして、こういつたことがそう長期にわたつて考えられるということは、もちろん問題ではございますが、私は国内価格との値開きは、御指摘のようなものではなかろうと思うのでございます。今後はこれよりも狭まると考えております。同時に生産の維持ということに意をいたしまして、国内供給の価格並びに数量というものには影響のないようにいたしたいと思います。今次の輸出の出血の程度、幅等から勘案いたしまして、これを今後どのような状態において処置しなければならないかという問題でありますが、もちろん輸出におきましても非常に有利な場面もございまするし、また不利な場面もございますが、私は国内価格に悪い影響を与えないで今肥料年度の輸出をやつて参りたい、またできるのじやないか、こういうように考えております。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 大事なことだから局長さんに伺つておきます。国内価格は、今申しました安定帯価格ではとうてい農民側は承諾しない。しかしメーカーの方もまた通産省の方も、一定の目標を定めまして、できるだけ生産費を引下げて行く、コストを引下げて行くという努力をされると思いますが、その目的を達成し得るまでは、価格はそう急激には下げられぬじやないかというのがほんとうであろうと思います。ただここで問題になりますのは、現に国際相場が国内相場に比べて非常に安いということを知つた農民は、今お話のような安定帯価格ではどうしても承知をしません。業者や通産省は、この安定帯価格をできるだけ維持したいという気持でありましよう。しかし農民はそれを引取らぬ。またこの価格は高い。もしそれで行かなければ、肥効度の同様な安い欧州物を入れたいということになつて来ます。事実そうなつた場合あなたはどうしますか。これは重大な問題です。そこで生産の合理化に対しまして、積極的に指導、援助を願わなければなりませんが、国際相場と国内相場の幅をいかに狭めるかということについて、積極的対策を農林省とともにお考えを願わなければなりませんし、また農民代表との間でも十分対策を講じてもらわなければなりません。     〔委員長退席青木委員長代理着席〕 そうしなければ春肥の価格というものはまつたく不安な状況になつて参りますから、この価格安定について、国際価格とにらみ合せて最も妥当なる線を出して行くことが、私は今一番真剣に取上げて考えなければならぬ問題ではないかと思います。その場合農林、通産その他関係者を網羅した肥料審議会のようなものをつくつて、肥料の生産から価格の安定、輸出等の問題をあわせて、公正な審議を尽して行くということが必要ではないかと思う。そういう公正な権威ある機関によつて検討されませんと、問題は非常にやつかいなことになると私は考えておる。そういう肥料審議会のような機関をかりにつくつて、一定の安定帯の方向へ肥料を持つて行こうという意思があなた方にありますか。私は農林大臣にも先般この点については質問いたしまして、農林大臣も関係当局と十分相談して、その方向に考えたいという御答弁でありましたが、本日承りますと、農林大臣は今度あなたの方の通産大臣に専任されるそうでありまして、おそらくあなた方の方に相談があろうと思う。そういたしますと、この問題は至急に解決を願わなければならぬ問題でありますので、肥料審議会をつくることに対して、通産省としてはどうお考えになつておるか、その点を一点伺いたい。それからもう一点は、われわれは国内に一定の安定的な肥料を確保しておきたい。たとえば年間三十万トンなら三十万トンを政府がいつも確保しておりて今申すように、これから国際的な闘争がはげしくなつて参りましようし、いろいろな関係から肥料相場の上り下りが非常に急激になつて参ります。そういう事態に備えるために、ここに一定の資金のわくをもつて肥料価格の安定に資する需給調整の制度を設けることが必要ではないか、こう考えますが、そういう意思はあるかないか伺いたい。

中村辰五郎通商産業事務官(軽工業局長)

○中村(辰)政府委員 ただいまの二つの問題は、ともに非常に重大な問題でございます。井上委員も仰せられたように、専任通産大臣が決定いたしましたように承つておりますので、よく通産大臣の御意見を伺いまして善処いたしたいと思います。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 もう一点最後に承つておきたいのは、肥料のトン当りのほんとうの原価計算というものをもう少しよく御調査を願いたいと思います。今度の出血輸出によつて肥料というものは相当もうかつておるなという印象を一般に与えています。あなた方みずからこの委員会の小委員会においでになつて、十貫目当り大体千円見当くらいかかるのではないかという答弁をされたように記憶しております。またメーカーの代表である古山さんは千七十円といいましたか、千百七十円といいましたか、それくらいの見当でないと採算が合わぬ、こういう答弁を小委員会でされたことがあります。そのように千円も原価にかかるものを、六百十円や六百十六円や、七百七円で売つ飛ばすという勇気に至つては実にどうも驚くべきことで、いかに世間をごまかしておるかということがわれわれには想像され得るのです。だからわれわれは肥料工業が非常に重要であり、しかも国内資材をもつて生産をされる化学工業でありますから、あらゆる点でこの工業の発展に国としても力を注がなければなりませんが、しかしそれはあくまで鏡に照らしたような公正な原価計算をされて価格をきめらるべきである。ところが千円、千百円でなければならんといつておつたものを、通産省も思い切つてこれの輸出を認めよう、輸出業者もしようがないということで輸出するらしいですが、そういうことは使つております農民の側から考えますと、まつたく気狂いざたです。そんなことは想像できません。しかし、それで売つて業界がそう大きな打撃を受けない、株も、そんなに株の相場がこれ以上下つたということになつておりはしない。そうすると、これはもうかつておるなということになる。そこをもつと国民が、特に生産農民が納得し得るように、肥料トン当りの原価計算について、ひとつ詳細なる資料を提出願いたいと私は考えておりますが、出せますかどうですか。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 いろいろお話がございましたが、この委員会で硫安のコストが問題になつたのは二、三月ごろでありまして、その後におけるコークス、硫化鉱その他の原材料が相当に下つていたという事情があります。それから電気事情がよろしいのでありまして、先ほどから説明しましたように、相当増産をしたことから安定帯価格がきまり、当時いろいろ需給調整の話がありましたが、まず九百円を中心にして三十円上下という点は、農林大臣の要望もありますし、関連産業の協力を得れば、相当努力目標ではあるけれども、硫安工業全体のアヴアレツジからすれば何とかやつて行けるのじやないかということで、この春二、三月ごろ考えた、つまり、いわばかます約百円くらい下のところで安定帯価格がきまつておるのが実情であります。  それから出血輸出の問題でありますが、それにもかかわらず六百円台で売つてもまだよいのなら、相当もうかつておるというお話でありますが、これは先ほど来たびたび申し上げましたように、安定帯価格でなければ輸出が出来ぬというので輸出しなかつた場合、すなわち減産した場合には、なおより大きな損になります。要するに、安定帯価格を上げてもらえればともかくも、これは先ほど来申し上げました通り、一年間安定しようという約束をした以上、上げるべきでないのでありますから、これはどこまでもすえ置いて損をできるだけ少くする、あるいは将来の日本経済のために押えておこうというところから考えますと、損をして出血輸出をしても、減産をするのに比べれば企業としてもよろしいし、日本経済全体としてもよろしいという観点から、あえて非壮な覚悟を持つてやつおるとわれわれは見ておるのであります。それでありますから、この二、三月ごろに申し上げましたのと今の六百何十円で出しておるのとの比較をされて、そういうふうにおつしやられると、ちよつと違つておる感じがするかもしれませんが、われわれ詳細に内容を知つておる者とすれば、実は悲壮な覚悟でやつておるというふうに考えております。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 最近の原価計算はどうですか。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 これは物価統制につきまして、物価庁を廃止いたしたのでありましてわれわれの方で法令に基く原価を毎月々々あるいは毎期々々出さすというようなことはいたしておらないのであります。従いまして、各社ごとにどうというような非常にこまかいことになりますと、相当各企業の内部の問題にもなりますのでここでは申し上げられないのであります。物価庁がありました当時、その方の仕事を担当しておつた者が私の方におりまして、いろいろ資料を持つておりますので、それらを基礎にして、最近の生産指導の面からいろいろなデータをとつております。それらから考えまして、当局といたしましても、方法別に大体この辺だろうということは概数的につかんでおるわけであります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 それをひとつ出してください。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 これはどういう程度にいたしますか、私一存でお答えいたしかねますので、いずれ相談をいたしましてお答えいたします。

青木正自由党

○青木委員長代理 足鹿覺君。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 井上さんが大分長時間にわたつておやりになつておるようでありますので、重複を避けてごく簡単に一、二の問題をただしてみたいと思います。  先年の肥料の不足のときには、対外輸出をされまして、それでなくても国内の肥料価格が上ろうとしておるものに拍手を加えられ、現在はまたこれとは逆に、自然の成行きになるならば肥料が非常に下ろうとしておるものに対して、一つの安定帯を設けて値下りにブレーキをかけるということで、まことに肥料行政に対する矛盾というものは、私ども農民の立場から承服できません。このような施策をいつまでもおやりになりますならば、これは別にゼスチユアでもありませんが、おそらく農民の不買運動にまで発展するものだろうと私は思う。かつて台湾への輸出をして、その見返りにバナナあるいは台湾糖を入れたというようにわれわれは聞いております。非常に遺憾にたえません。また今日は朝鮮べ出血輸出をする。一体どこにその言うことに対する基本があるのか、われわれは了解に苦しみます。今、井上さんも指摘されましたが、一体日本の硫安会社の平均した現在のコスト——もちろん最高最低もあるのでしようが、これが先進国といいますか、外国の主要なる国々における生産コストとの間にこのような大きな開きが実際あるのですか。外国のメーカーも出血輸出をしているのですか。あるいはそうでなくしていわゆる生産コストが下つて、インドの方においても七百円を割るような価格でもつて輸出をしても、外国のメーカーは引合うのか。そういう優秀な機能を持つた外国の肥料会社だと当局はお考えになつているのですか。またそれについて御調査になつているのですか。今の段階では、おそらく国内だけでこれをどう処理しようと思つても、相手のあることでありますからなかなか処理できない段階に来ている。いわゆる国際価格の問題が起きておるのでありますが、しからばその国際価格を左右している国々の硫安の製造過程について、担当省としては詳細に御研究になり、そしてそれらをもととした施策を何とかしなければならぬというお考えであるのですか。それとも自由経済の成行きで、これはやむを得ないのだというふうにお考えになつておるのでありますか。コストの点については、いずれ資料がいただけるそうでありますから待つておりますが、即急に出していただきたい。外国のものだつたら、これは別にさしつかえないでしよう。たとえばドイツであるとかその他の国々におけるごく最近の生産コストの問題、それらは担当省としてどういうふうに御研究になつておられますか。その問題を論外にしては、国際価格化した肥料問題の対策は立たぬと私は見ておりますが、通産当局としては、その点についてどういうふうに御準備になつておりますか、まずそれを伺いたいと思います。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 その問題につきましては、先ほど井上委員にもお答えしたと思うのでありますが、現在ヨーロツパ物と日本物とのそれぞれの国内における相場は、約二十ドル違つております。大体これは最近のリストを通じてわかるのでありますが、ヨーロツパのものは四十五、六ドル見当だと思うのであります。その差が日本は本質的に縮まらぬかという問題でありますが、これは先ほども説明いたしましたように、設備の近代化、あるいは電源開発に伴う操業度の上昇、竪坑掘鑿による石炭費の軽減、その他地産業との連繋による企業合理化と申しますか、改善等によりまして、この程度の差は縮め得るという想定のもとに——それぞれすぐあしたからそうなるというわけではありませんが、技術と資金の投下によつて対抗し得る自信はあると考えておるのであります。それまでの間、日本のコストと向うのコストとの間には、石炭価格が相当に違つている点、規模の相違がある点、あるいは機械化が遅れているというような点で、相当差はあるのでありますけれども、これは漸次欧米に対抗し得るところまで企業の合理化、コストの低下が期待できると思うのであります。その間において日本の消費者が、外国のものを買えば安いにかかわらず、日本の高いものを買うことは忍びないというお気持は重々わかりますが、そういう場合において——これは私どもの決定すべき問題ではありませんが、その消費者たる農民の勘定に対して、これを売つて何かやるという場合には、今すぐの問題であれば、従来やつておりましたように農村に対する肥料の消費価格を下げるための財政的支出をするよりほか、現在の日本の硫安工業の現状においては国際価格で売つてよいという段階までまだ下つておらない状況でございますから、その間は日本の農民に忍んでいただくか、あるいは農家に対して特別に対処する日本全体が負担する補助金で行くか、そのいずれかであろうと思います。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 私はもちろん日本の商工業をつぶしてもいいとは毛頭考えておりません。これはやはり大きな意味からいいまして、国民的な財産であります。農民もそういうことは考えておらないと思う。ただ、農民の犠牲において行われるといたしますならば忍びがたいという問題なのです。ですから、今承りますとFOBの四十五ドルから六ドルだということになりますが、インド向けのものは大体五十ドル五十セントと伝えられておるようです。どの程度運賃その他の諸掛がかかりますか私わかりませんが、とにもかくにもF○Bの四十五ドルから六ドルのものが五十ドル五十セント程度でインドへ出ておる。その差額が少くとも五ドルから六ドルくらいあるということになりますと、現在の日本の肥料メーカーの生産設備というものとの間には、相当大きな開きがあるように思うのです。今、部長は業者の自主性によつてある程度コストの引下げは可能だということを言われましたが、それは業者の自主性において可能だと思われますか。伝え聞くところによりますと、最近国内においても非常に進んだ会社もある、またまつたく老朽化した会社もある。これは石炭の使用にしましても、電力とともに大きな肥料工業の基本ですが、伝え聞いておりますそういうようなものは、業者の自主性においてコストの低下を期待し得るという前提に立つて、通産省は現在の肥料対策をおやりになるのですか、それともそれらに対して国家の保護なりあるいは援助によつて、その合理化に力を入れて行くということをお考えになつておるのですか。私は、この業者の自主性の上から行きましたのでは、とてもこの国際価格という問題は百年河清を待つてもなかなか解決がつかぬと思う。国内においてもそういう大きな高低がある。日本の一番コストの安い会社と外国との間にも大きな開きがあるということは、今の御答弁でも明らかです。そうしますと、これは自由経済の結末であるからいたし方ないといつて、これを放任いたしましたでは片がつかぬのではないかという印象を受けます。まずその点を伺いたいのが一つ。  それから昨日も、今度通産大臣になられた小笠原さんにお尋ねしたのですが、現在の出血輸出に対して業者は共同計算をやつておる。その平均のコストは大体八百円と踏んでおる。大体その見当じやないかと聞いております。それらのものは、まつたく業者の自主性において行われておると昨日も仰せられておりますが、この八百円という一つのコストを六百二十五円から七百円までで出しておりますから、その差額というものを共同損失の形で業者はかぶつて、出血輸出をやつておる。そういたしますともうここに、大体の日本の安定帯価格との間に歴然たる数字的な差額というものが出ておるのです。現在通産省としては、こういう業者の出血輸出はあくまでも業者の自主性においてやるものであつて、通産省としては関せずという態度でありますか。これに対してはどういう関心を持つておいでになりますか。これは考え方として非常に重大な点であろうと思いますので、どういうふうにお考えになつておりますか、その点をお伺いしたいと思います。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 お答えいたします。原価について国内においても相当の相違がある、日本と外国との間にも相当の相違がある、一体これを業者だけの力でよく国際競争に耐え得るようにやつて行ける自信があるのかどうか、政府はそれに対してどう考えるかという御質問のように伺いましたが、実は終戦後硫安工業を何とかしようということで、ともかく生産コストよりも量をそろえて、農家に一貫目でも多く配給しようという、非常に急に迫られた時代が四、五年続いたわけであります。その当時、ある程度原価は二の次にして量ということでありましたので、工場によつてそれぞれ原価が違いました。物価庁でいわゆる個別価格というものをきめたときがあるのです。それは昭和二十四年の初めごろであつたと思いますが、その当時において、安いのは一万六千円くらいから、高いのは二万八千円、三万円くらいの個別価格で、当時公団がありましたから公団が買取つて、補助金を出して売つておつた時代がありました。それほど倍くらいも違つた時期があつたのであります。その後昭和二十四年以来、いわゆるドツジ・ラインでそういうことはいかぬ、一本価格で行けというようなことから、順次各社で生産の合理化をして参りまして、現在におきましてはガス法——石炭を使う方の系統と、電解法との二つがあります。その二つのグループの間では、幾分の差はあります。けれどもガス法同士においては、そんなにひどく差がないところまで接近しているようにわれわれは聞いております。そこでヨーロツパの硫安工業に対して日本の工業を確立させなければならぬ。とにかく安いときには安い外安を入れ、また何かの事情で肥料の輸入がとまつたら、また工業を興すというような奇妙なことには行かぬわけでありますから、どうしても確立させなければいかぬ。確立させなければいかぬけれども、しかし永久に日本の硫安は高いのだ、常に買つた方が安いのだということになれば、これは考えねばならぬことでありますが、われわれの現在の段階におきましては、先ほど来申し上げましたような事柄を——これは業者がその気にならなければ目的を達しないのはもちろんでありますが、これに対しては政府も強力にプツシユしないと容易な問題ではないと思います。ことに電源開発による操業度の上昇によつてコストを下げられるということを申しましたが、これらについても、電源開発の計画は一応プランはありますけれども、これらが日本の貧弱な資力から申しまして、その。プラン通りに行かないということになりますと、やはり原価の引下げの最終目標が非常にずれて来るという問題、さらにこれはまだきまつておりませんが、省内では着手しようといつたような、日本の根本的な問題である石炭の価格を下げるために、数百億の金をかけて竪坑をつくつて、二、三割石炭のコストを下げようということを考えたのでありますが、これはぜひ炭鉱業者の御努力によらなければなりませんが、むろんこれにつきましても国が相当の力と決意を持つてやらなければならない問題であると思います。  それから設備の近代化の問題であります。設備能力は相当輸出全力ができて来ましたけれども、もともとこの硫安工業の復興は、終戦後非常な日本の食糧不足、農村が非常に困つておるので、農家の経済をよくしようということから、肥料を値のいかんにかかわらず国で補助金を出して、量をつくることに、要するに出る金にかまわず、一刻も早く肥料をつくろうということで、肥料々々というのでつくつたきらいは確かにあるのであります。それが幸い国際的に肥料が足らなかつたために、そういうふうなきらいでできた産業も何とかやつておつたのでありますが、こういう段階に達しますれば、これはどうしても量をつくる設備、さらに質すなわちコストを安くする設備の近代化の方に重点を今度は振り向けて、画竜点睛をやらなければならぬ時期であろうと思うのであります。それには先ほども申し上げました設備の近代化によるランニング・コストの低下を見込むものであります。これはわれわれがざつと概算しても百億を越える資金がいるのであります。これも各企業のみの力ではとうてい調達できないと思うのであります。これに対しましても国家が相当の財政的資金の裏づけをして行かなければならぬ問題ではないかというふうに考えております。さらに設備の増加によつて、ある部分は二重になるが、量をふやした設備をさらに質にかえるわけでありますから、量はあまりふえないのにかかわらず、設備の近代化のために資金投下がプラスになるという面がありますから、この資本の投下による金利償却の重圧で、せつかくランニング・コストを安くしたものを帳消しにするという部分がありますので、これらに対する長期の金融に対しましては、低金利政策をとつて行くというようなことも伴つて行かなければならぬというふうに考えまして、官民一致して、この局に当り硫安工業を世界のレベルに上げなければならぬという熱意に燃えておるのでありますが、むろん業者もそのつもりで現在の出血輸出というようなこともあえてやつているわけであろうと思うのであります。われわれは業界の皆様の御熱意と同時に、国家としてもそれをバツク・アツプするという決心をして行かなければならぬのじやないかというふうに考えております。  それから将来はそういう見通しを持つて業界、政府一体になつて硫安工業を世界的レベルまで達せしめるということに努力はいたしますが、その間どうするかという問題であります。先ほども井上委員から、こういうふうにして出血したものは、結局、今は値を上げるわけには行かぬが、将来値を上げて、そうして消費者の負担にするのじやないかというお話がありましたが、これは安定帯価格をきめた趣旨から申し上げましても、長期間価格が安定することは需要者の方面はもちろんこれをつくる側におきましても、事業経営上好ましい問題だと思いますので、安定帯価格をきめました以上、少々の事情があつても、これはかえないということで参つておるのでございます。もちろん本肥料年度におきましては出血価格の穴を安定帯価格で補うというようなことはやるべきでないと思うのであります。その出血につきまして、出血の程度によりますが、非常に出血が多額に上りますと、各企業といたしましては、その期その期において決算することは赤字決算にならざるを得ないということが起らないとも限らないと思うのであります。これらにつきましては業者といたしましては、現在のところともかく共同でこの損出を負担して行こう、その損失の額によつて処理の方法は研究しようという態度で進んでいるのであります。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 たいへん時間がおそくなつておりますので、またの機会にこまかい問題については触れたいと思いますが、もう一、二点簡潔にお尋ね申し上げたいと思います。  ただいまの部長のお話によりますと、政府として施設の近代化その他に対して大きな決意をもつて臨まなければならぬという御意見でございました。通産省としてはそれはそうでしよう。しかし農林委員会がこの問題を取上げて行く場合におきましては、一面国際価格の問題とにらみ合せて、その線まで近代化し、コストの引下げに通産省が努力をなさると同時に、農林省としても、これは食糧増産の基本資材である。従つて通産省はそういう一方的な方向だけでコストの低下が行われ、そうして安定帯形成の基礎条件が整備するということになりますと、官庁のセクシヨナリズムによつて米価と見合つた肥料安定帯価格の問題が軽視されて来ると思う。従つて国際価格へ接近せしめて行くということは、通産省自体としては専管省としてそういう御構想でけつこうでありましようが、しかしメーカーがいくらあつても、これは成り立ちません。内地の農民が購買して初めてメーカーが一つの企業として成り立つわけでありますから、農家がこれを購買する場合、あくまでも時の米価と見合つた安定帯価格にならなければ、われわれの目からすると無意味である。従つてこれは小倉さんあたりの問題になつて来ると思いますが、今通産省のコストの引下げの構想はそれでわかりました。米価と見合う安定帯との問題に対して、この問題を中心に担当しております農政局長は、今言われたような通産省の構想に対して、米価と見合うだけの安定帯形成の問題に対して、どういう構想で今後対処して行かれる御用意でありましようか。ぜひそのお考えを承つておきたいと思います。いろいろ申し上げたいことがありますが、それが一つ。それからこれは農政局長にお尋ねしたい。肥料課長もおいでになつておりますが、私は統計を持つておりませんからわかりませんが、最近化成肥料が非常に氾濫している。これは一種の農家の肥料知識の欠陥から、メーカーの宣伝に乗つて、いわゆる完全肥料だとか何だとかいろいろな名目により、うかうかとこれを買つて行く。ところが事実最近において単肥の輸出が出血輸出である。従つてメーカーの方針が漸次単肥よりも化成肥料あるいは配合肥料という方向へ向つて行くことは、企業者としては当然だと思う。しかも農林省の改良普及員に対するところの指導あるいは一般農家の肥料知識の啓発普及というような面においておのおのの力によつて農家の利益は守られて行かねばなりません。おそらく今後業者としては、いよいよそういう方向へ進んで行かざるを得ないと私は思う。農林当局としては、化成肥料あるいは配合肥料というようなものが現在市場に氾濫していることに対し、また一方硫安その他の単肥が出血輸出を余儀なくされており、その犠牲を内地の農民が受けているという重大な事態に対しまして、どういうふうに調査をしておられ、また対処されようとしておりますか。これは純技術的な面もありましようが、やはり問題は、通産省との関連において、一方においては肥料メーカーへの国家的あつせんを余儀なくされて強力にやらねばならぬという御見解を持たれる。解釈によつては肥料工業の公共性といいますか、内地における食糧増産の推進法が今まさに誕生しようという重大な事態において、こういう基礎条件についての総合施策なしに、官庁のセクシヨチリズムによつてやつて、はたして食糧の増産の推進ができますかどうか。今のいろいろな政府の施策が、何もかもとは申しませんが、農民経済に影響し、ひいては食糧増産に影響するようなこういう非常に大きな問題が、いわゆる官庁のセクシヨナリズムによつて見のがされて行くというようなことでは、ほんとうに食糧増産の目的も達成できない、農民経済の擁護もできないと私は思うのですが、この点も通産省方面とはどういう関連において処理して行こうとされますか。化成肥料あるいは配合肥料の問題とあわせて小倉局長の御所見を承り、私の質問を打切りたいと思います。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉政府委員 初めの硫安を主とする国際価格と国内価格の問題でございますが、この点につきましては先ほど化学肥料部長が詳しくお話になりましたように、国際価格水準まで引下げ得るように生産の合理化なり生産の増進をするということが本筋の施策だろうと思うのであります。この点におきまして、化学肥料部長がいろいろ具対策をお述べになつたことにはなはだ同感であります。もつともこれは足鹿委員も御指摘のように、国内の農産物価格と国内肥料価格とは均衡を保たなければならぬということもこれまた当然でございまして、その面からの私どもの考え方をお尋ねになつたのだと思うのでありますけれども、御承知の通り、米が統制されているという現状において、なおまた米の生産費の中における工業肥料のウエートが著しく多いといつたようなことから見まして、肥料の国内市場について米価とにらみ合せた何らかの安定措置が必要であるということは同感でございます。ただその措置をいかようにするか、現在やつているような行政措置でよろしいか、あるいはそれをもう一段と進めた措置が必要かどうかということになりますと、いろいろ意見がわかれ参ります。これは何もセクシヨナリズムによつてのみわかれているということではございませんので、自由経済といつたような問題とも関連いたしますので、事務的にすぐここでどうするということを申し上げるわけに参りませんが、御説の通り、私どももまつたく従来のままでよろしいとは考えておらないのであります。生産が増進する、あるいは生産関係が合理化するということによつて国際価格に近づくということを期待すると同時に、他方国内価格の安定措置についても必要性は十分感じております。  次の化成ないし配合の肥料についてでありますが、最近単肥の価格がある程度安定して参り、なお若干値下りぎみであるということも関係、ございましようが、御指摘のように、化成肥料の需要と申しますか、生産がふえて参つているようであります。この点については一つは農家の肥料についての知識なり技術の普及ということが非常に重要な問題であるということも私ども感じております。もう一つは化成肥料の成分なんかについて肥料検査の対象になつているわけでございますが、その検査の基準につきましても再検討をした方がよくないかということも研究いたしております。それから全購連などにおいても、化成肥料をみずから取扱うということによつて、ある程度化成肥料の市価に対する安定的な条件をつくつてみるということも考えております。以上のような農家の肥料に対する経済関係も入れましての知識の向上、検査、全購連の動き方というようなことをにらみ合せまして、化成肥料がいたずらに普及し、そのために農家経済がかえつて不利になる、あるいは生産の合理化に逆行するということのないようにいたしたいと考えております。

青木正自由党

○青木委員長代理 芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党(左)

○芳賀委員 私は重複を避けて、ごく簡単に質問したいと思います。肥料問題を考えた場合に、一つは企業という立場から肥料工業の育成発展を考えるということと、もう一つは日本農業の生産力を増大する角度から見た肥料工業の行き方という二つの視野から分析して考えなければならぬと思いますが、本日の通産当局の御説明を聞きますと、現在の出血輸出は国内における現在の価格を維持することを前提としても、なお出血輸出をやらなければならぬのだということでありますが、しからばそういうような企業の一面において出血が行われ、採算が不可能になるような部面が露呈される場合においても、二十七年度の硫安の生産高は当初計画において百八十五万二千トンを見込んでいたのを、実際の生産高は約十万トンをオーバーした百九十五万トンにも及んだということは、これは企業としての肥業工業が確かに採算が引合うということを明らかに証左しているのではないかと思います。ところが現在の国内市場の価格を維持するために出血をやるという場合における価格維持の問題と、しからば生産制限をした場合においてどれだけ現在の価格に影響が来るかというような数字的な分析された説明が全然ないのであります。百五十万トンの国内需要を一つの生産の限界とする場合において、肥料の現在の価格がどれだけ上昇するかという点について具体的な資料があればお聞かせ願いたいと思います。  もう一つ、農業生産の増強の意味から肥料政策を取上げた場合に、こういう出血輸出によつて一定の肥料価格の安定をはかるという方法もございましようが、もう一つは外国からある程度安い硫安を輸入して国内のコストの高い肥料との価格調整を行うというような方法もまたあり得ると考えるわけでありますし、もう一つは生産の余剰分を出血する場合において、この出血に対して国家が一定の損失補償のような形をとつて、国内における肥料価格の安定を確保するというような方法は、あくまでもこの肥料工業というものは自由な立場に置かれたところの性格における、私企業の限界においても可能であるというふうにも考えられるわけでありますが、こういう点について御説明願いたいと思います。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 一番初めの御質問の、当初硫安百八十五万トンの生産計画が、電力事情がよくなつたために百九十五万トンくらいに増産するのではないかというような見通しを申し上げましたが、これにつきまして、こんなに出血輸出といつておりながら増産するのは、なおもうかつているから増産するのであつて損するのならこんなに増産するはずはないというような御質問であつたかのように存ずるのであります。これは先ほども井上委員に申し上げたと思いますが、硫安のコストは工程によつて幾分の差はありますが、電力、原材料のような製造量に比例してかかります費用と、硫安の生産量にかかわらず、その事業に投下した資本の金利償却、本社費、労賃というような固定的な費用、大きくわけますとそういうふうになるのであります。それが大体硫安二百万トン見当の生産をやります場合において、原材料その他の比例比以外の、つくつている量のいかんにかかわらずかかります費用が約四割であります。従いまして今安定帯価格の中心価格である九百円をコストとして例にとつてみますと、この中の三百六十円というものは生産量のいかんにかかわらず固定的にいる費用でありまして、あとの五百四十円が電力、硫化鉱、石炭等の比例比であります。そこで輸出をやめて、内地だけに生産量二百万トンを百五十万トンに減産しますと、むろんその六割の五百四十円の比例比に相当する費用も、生産が減りますれば電気も石炭も割高にかかります。これは割高になると思いますが、それは一応別といたしましても、比例比の三百六十円に相当する部分は、二百万トンが百五十万トンになると約二割を見まして、二割減産するということになりますと、三百六十円を〇・八で割つただけ高くなつて来る。〇・八で割つたものと三百六十円の差が高くなります。三百六十円を〇・八で割ると四百五十円になります。四百五十円と三百六十円の差の九十円は固定費において減産をすれば割高になる。九百円でペイしておつたものが九百九十円になるという大ざつぱな計算を先ほど申し上げたのであります。国内の需要は心先ほど小倉農政局長がおつしやいましたたが、大体百五十万トンで横ばいになつております。国内の需要は百五十万トンでありましようが、先ほどもちよつと触れましたが、東南アジア地区における需要は相当あるのであります。輸出が非常に伸び悩んでいるのは急激な国際競争のためでありまして、値段によつては十分需要があるのでありますから、減産をいたしまして非常にコストが高くなるよりは、出血をいたしましても生産を続けて行つた方が損が少いという現状でありますので、非常に値が下れば下るほど肥料は減産ができない、しかしそれが絶対に余つて売れない場合には減産するより以外にないのでありますが、ある程度出血ではあるのでありますが、需要があるのでありますから、下れば下るほど生産をふやしてコストを下げようという方向になつて来ているのであります。これは一に硫安工業の生産が、非常に大きな資本を投下しなければならぬというために、その投下資本の金利償却が非常に大きいということから、生産量のいかんにかかわらずかかつて来る固定費の占める部分が非常に大きいという特質から来ているのであります。

芳賀貢日本社会党(左)

○芳賀委員 外国との引合いの関係はおおよそわかりましたが、この肥料が農業生産に与える影響、結局米価の問題だけは逆現象でありまして輸入米価の方が非常に高いわけでありますが、畑作農業のうちから生産された、たとえば澱粉であるとかビート糖であるとか、あるいは除虫菊であるとか、これら国内農産物の価格というものは決してその採算が再生産をつぐなうほどの可能な農産物の販売経路をとつておらぬわけであります。そういう場合において、農業生産の基礎的な最も大きな消耗部門を占めるところの肥料が、一面において肥料工業が肥料工業の企業としての最低線を守つているという形において、それが全部農家経済の方にしわ寄せされて行くというようなアンバランスの現象がだんだんと出て来ているわけでありますが、そういう角度から考えた場合において、日本の肥料政策が、特に肥料生産という形態が、このような状態で将来も持続されることがいいか悪いか。これはいいか悪いかと言つてはちよつと変な表現でありますが、そういう点について農政局長のお考えがありましたならば、簡単にお聞かせ願いたいと思います。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉政府委員 輸出農産物を考えてみますと、ビートは輸出農産物ではございませんが、外国の砂糖と比べまして非常に割高である。その他の輸出農産物につきましては、除虫菊といつたようなものは、お話のように国際競争になかなか打ち勝ちにくい状況になつておりまして、困難な実情になつておるのであります。そういう実情であるにもかかわらず、肥料の価格につきましては特別の措置を講じておるではないかというような意味のお尋ねであつたと思うのでありますが、肥料の価格につきましても、特別に価格支持をしておるわけでは必ずしもないのでありまして、たとえば出血輸出の出血分を国が補給するといつたようなことになりますと、輸出農産物につきましても、国際競争に勝ち得るように、差額は補給するといつたような問題になつて来るかと思いますけれども、その点はやはり国際競争になると自由競争ということで、現在のところ輸出につきまして、特別の補給といつたような制度がございませんので、この点につきまして特別に肥料工業の方が恩恵に浴しておるということはないと思います。もちろん肥料生産者と農産物生産者とは、その規模から行きましても地位から申しましても、問題になりませんので、そういう点は、肥料につきまして特別の安定措置が必要であります。そうしてまた安く肥料をつくつて、日本の農産物の価格を下げまして、でき得べくんば特別の農産物につきましては、国際競争にも勝ち得るような措置をできるだけとりたい、かように存じております。

青木正自由党

○青木委員長代理 本日はこれをもつて散会いたします。次会は追つて公報をもつてお知らせいたします。     午後一時二十二分散会

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