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第15回国会衆議院1953/02/04

内閣委員会 第14号

発言数
43 件
登壇者
6 名
会派数
3
開催日
1953/02/04

会議録

船田中自由党

○船田委員長 これより内閣委員会を開会いたします。  栄典法案を議題といたしますが、本案についての公聴会開会の日時は、理事の諸君と御相談の結果、来る二月十七、十八日の両日に決定いたしましたから、御了承をお願いいたします。  それでは質疑に入ります。質疑の通告がありますからこれを許します。吉田賢一君。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 政府委員の方にお尋ねしてみたいのですが、新憲法によりまして、皇族の範囲も非常に少く制定せられ、華族も全廃せられ、従つて国民の法律上の階級というものがなくなり、すべて平等に権利を得、義務を負担し得るということが大きな原則として打立てられた次第であります。しかるに、この栄典法案によりまするというと、七条に位が規定されてあります。国民を八つの階級にわけ、十六の等級にわけたような感じがいたされます。もちろん、この法案は人の国家または公共に対する著しい功労を表する表彰の法律でありますから、法律上国民に上下の区別をつける趣旨でないと思いますけれども、以上申したような憲法の大きな精神から考えてみまして、また国民感情の帰趨するところから考えてみまして、何だか国民にそういう特別な位、階段をつけるような感じがいたされます。これはいかがなものだろうかと思いますので、その辺についての政府の御所信、この七条の立法の理由、こういつたところを明らかにしていただきたい。

村田八千穂総理府事務官(内閣総理大臣官房賞勲部長)

○村田政府委員 位につきましては、従来の性質はいろいろ変化もしておりますし、問題もございまするが、これからの位につきましては、単なる一つの称号制度、こういうふうに考えておるのであります。こういうふうな称号を功労の大小によつて与えるということは。現在の憲法に反しているわけではないと存じまして、栄典の一種としての位の制度を置こう、こう考えたのであります。位の従来の運用を見ますと、幾らか今申し上げましたのと違つたところがあると思いまするが、これからの位につきましては、まつたく一つの功労者に対する称号制度、こういう本質だけで進みたい、こういうふうに考えております。なお前にも申し上げましたが、従来贈位という制度もございまして、すでに故人となられた功労者を表彰する方法として用いて来ておつたのでありまするが、こういう制度は他の栄典制度ではかえることができない、こういうふうに考えまして、位の制度を残しておきたい、残しておくというか、純然たる称号制度としての位を置いて行きたい、こういうふうに考えたわけであります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 従来の位の制度は、そのまま今なお法律上有効なものと考えていますが、それはそうなんですか。

村田八千穂総理府事務官(内閣総理大臣官房賞勲部長)

○村田政府委員 従来の位の制度は、憲法施行のときに若干の訂正をいたしました上、有効となつて残つております。訂正しました点は、従来「有爵者及爵ヲ襲クコトヲ得ヘキ相続人」に授与するというふうになつておりました点を削除したというところが、一番大きいところでございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 そうしますと、従来の位もやはり正一位から従八位まであるわけでありまするが、前議長の樋貝君も正三位であつたかと思いまするが、その位と本法の位とはどう違いますか。

村田八千穂総理府事務官(内閣総理大臣官房賞勲部長)

○村田政府委員 従来の位と形式上は結局同じことになると思います。しかし本質的には若干の相違を来しているということは、前の位についてはある地位にある人に対して当然与えるというような面がございましたが、今後の位は純然たる功労者に対する表彰の方法以外に用いないことになりますから、本質については変化がある。しかし形式的には同じものであると思います。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 形式的に同じであれば、社会的に見る目は何の区別もないように思うのですが、その理由とするところ、目的とするところ、また沿革などがまつたく違つている、そういうようなまぎらわしい同じ形のものをここにきめなければならぬという理由はどこにあるのですか。

村田八千穂総理府事務官(内閣総理大臣官房賞勲部長)

○村田政府委員 これは勲章、あるいは功労章の制度だけでは栄典の運用について十分でないところがあるのではないか、さらに別種の栄典がありまして、両方相並んで運用するところに栄典の実際の運用にうるおいと幅を持たせるようになるのではないか、こういうふうに考えまして残したわけであります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 どうも今の説明はわからぬのです。勲章はよくわかりますが、これにさらに位という字句を使い、位という称号を使わなければいかぬという理由がどこにあるのかということです。つまり従来は正一位から従八位まである。別の趣旨、別の目的で存しておる。ところがこのたびのやつは、別の第七条による理由によつてのみ運用されるのであるから、まつたくそれは本質が違つております。それならば違つたものを同じ形でしなければならぬという理由がどこにあるかと聞いておるのです。ただ憲法に違反しない、別に憲法の条章の趣旨に違反するという言い方をしたのではなしに、根本的な点を究明しようとしたのですが。なぜ位というふうにつけなければこの趣旨、目的を達しないのかというその積極的な理由がどこにあるのかということを尋ねておるのです。

村田八千穂総理府事務官(内閣総理大臣官房賞勲部長)

○村田政府委員 この位をたとえばお話によりますと、一級、二級というような言葉で表示すればよいが、位という従来と同じ名前を使つておるところがどういう理由かというお尋ねと存じますが、それにつきましては私らの方でいろいろ研究いたしましたのですが、位というものはわが国で長年使われて来ておりまして、その本質についてはこの際若干の訂正を加えなければならないと思いまするが、しかし名称を新しくしてしまつて、あまり熟しない名称をつけるのもいかがか、こういうふうに考えた結果、従来の名前をそのまま使うことにいたしたわけであります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 御説明はまつたく納得しにくいのです。従来の位階というものは主として宮中における席次などに非常に関係があつたものとわれわれ了解いたしております。別の面から尋ねたいのですが、この位はその点についてはどうなつていますか。

村田八千穂総理府事務官(内閣総理大臣官房賞勲部長)

○村田政府委員 営中席次という問題については直接は関係がない、こういうふうに考えております。勲章も同じでございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 なれぬ言葉、表現がいかがかという御議論がありましたが、しかしたとえば産業勲章にしましても、産業勲章というものは、これは新しい表現でもあり、また新しい字句でありますが、この栄典法案は相当新しい大きな進境が見られておるものと思うのですが、かりに第七条の根本の趣旨が相当であるといたしましても、過去の、現在も有効な位社会においてもまたそれを持つておる人におきましても、何位々々というその位につきましては、はつきりとした理解もし、納得もしておるのに、またそれとは本質は違うものをつける、形は同じだけれども実は違う、理由も違えば目的も違うのだという、そういうまぎらわしいことにしなければならぬということがどうもわかりかねるのですが、最初立案の以前に相当審議の機会もあつただろうと思うのです。その辺について、ことに栄典調査ですか、世論調査なども相当広汎に詳細にせられておるのですが、これらの機会に、もしくはそういうような場合に、この問題については私の質問するような線に沿うた意見などは出なかつたのでございますか。

村田八千穂総理府事務官(内閣総理大臣官房賞勲部長)

○村田政府委員 位の問題につきましては、世論調査の方では主として勲章のことについて調査するという目的でやつたために落しておりますが、前に申し上げました内閣にごく非公式の栄典制度に関する調査の会を設けまして、いろいろ審議願いましたときには、位についてはいろいろの御意見がございまして、御説のような御意見もございました。しかしいろいろ研究いたしました結果、こういう結論になつたわけでございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 これはどうも納得いたしかねますので、なお私はその点につきまして保留いたしておきます。  それから進んで伺いますが、栄典法の運用は非常に重要なことだと思います。あやまつて濫賞になりましたら、所期の目的を達しない。同時にまた片寄つたら、これもいろいろな弊害があるものである。よつてこの栄典審議会の制度は、組織においても、運営においても、非常に重要な役割を果すものと考えられるのであります。つきましては私は審議会は、国民各層の最も良識のある、ないしは漏れることのない意向が、ここへ集結されるということが望ましいのであります。それについては、国民の政治の最高の代表の府である国会の両院の議長は、議長なるがゆえに当然に審議会の構成員となることが適当であろうと考えるのであります。これにつきまして、何か御意見があれば伺いたいと思います。

村田八千穂総理府事務官(内閣総理大臣官房賞勲部長)

○村田政府委員 栄典審議会の重要なことは、お説の通りと存じておりまして、特に法律の中にその条文も入れますし、委員の任期なども、他の委員会に比較しては長くいたしまして、この会を中心に栄典を運用して参りたい、こういうふうに考えておるわけでございまするが、この委員の人選につきましては、具体的には今はつきりきめておりませんが、主として民間各界から選ぶ、こういう考えでおります。  なお国会関係の方をお願いするかという問題については、政府としてまだはつきりきめているわけではございませんので、なおよく研究いたしたいと思つておりますが、この栄典の運用につきましては、従来の憲法時代と違いまして、絶えず国会に対して御批判を受けるということになると存じておりますので、絶対的に国会の方にお願いしなければならないかどうか、まだ十分に考えておらないようなわけであります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 総理府所管におきまして、幾多の審議会がありますが、この栄典審議会は、別の角度から考えまして、国会に関係のある者から選ばれるのかいかがというのではなしに、国会の議長は議長なるがゆえに当然構成員になるべきものと考えるが、御所見いかん、こういうふうに伺つたのであります。

村田八千穂総理府事務官(内閣総理大臣官房賞勲部長)

○村田政府委員 その点につきましては、なお研究いたしまして御返事申し上げたいと思います。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 なおこの審議会につきまして、「委員は、公正で識見のある者のうち」という、ことのほかに、さらに各階層の意見を代表する、こういうことが、この栄典審議会においては持に重要視すべき点だと思いますが、これも伺えればけつこうでありますが、御所見は、なおさきの議長問題と同じように、御研究の上別の機会に意見を伺つてもよろしゆうございます。

村田八千穂総理府事務官(内閣総理大臣官房賞勲部長)

○村田政府委員 この委員の人数なんかを審議いたしますときに、なるべく各方面の方々にお願いするというために、比較的多い人数をということで十一人というようにいたしたわけであります。具体的にはどの方面から何人ということまでまだ決定していないような実情でございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 いずれ本法案につきましては、公聴会におきまして各方面から豊富な御意見も出ることと思いますので、そういつたことによりまして、またあらためて今のような審議会の内容等についても質疑応答を繰返してみたいと思いますが、きようはこの程度にしまして、公聴会のあとでもう一度お尋ねさしていただきます。

船田中自由党

○船田委員長 辻政信君。

辻政信無所属倶楽部

○辻(政)委員 私は休会の間を利用しまして、内閣委員の職責に関係のある事項について多少調査して参りました。それは戦犯として処刑された人の——栄典制度に関係なくてよろしゆうございますか。

船田中自由党

○船田委員長 きようは栄典法の質疑だけにとどめていただきたいと思います。

辻政信無所属倶楽部

○辻(政)委員 それではこの次に…。

船田中自由党

○船田委員長 砂田重政君。

砂田重政自由党

○砂田委員 私も栄典法に関係ないのですが、今配付を願つた総理府の機構の中に調達庁というのがあるのですが、調達庁の長官は政府委員になつているのでありますか。

船田中自由党

○船田委員長 政府委員になつております。

砂田重政自由党

○砂田委員 それではついでのときに一ぺん出てもらつて、この機構が動いておるのか動いておらぬのか、聞きたいと思う。実にこれは乱暴狼藉きわまつておるから、一ぺん出てもらつて私は質問したいと思う。この機能が動いていない。もう一年以上何もしていないで、新聞ばかり読んでおる。何べん行つてみたつて新聞を読んでいるばかりである。これはついでのときに呼んでもらいたい。

辻政信無所属倶楽部

○辻(政)委員 栄典法案に関係したことを質問申し上げます。昨年の年末にも申し上げましたが、金鵄勲章を勲章として認めるかどうかという点でございます。今度も帰つていろいろ見ましたが、太平洋戦争では金鵄勲章は授与されていない。大部分の者が、しかも生きた者は全然ないわけであります。多くは太平洋戦争以前の戦死者もしくはその戦争に参加した者がもらつております。その遺族の気持なんかを聞いてみると、これをむすこの身がわりとして仏壇に飾つておるという状態であります。金鵄勲章の実体をよく認識していただきまして、その遺族の気持に対して、国家がそれを無視するかどうかということを慎重に御検討いただきたいと思います。これを認めることによつて、私は決して反動とか軍国主義というような逆コースの空気を生むことはないと思う。遺族の気持というものを国がどう見るかという点に御注意になつてもらいたいと思います。それについて何らかの意見は決定されたでしようか、まだでありますか。

村田八千穂総理府事務官(内閣総理大臣官房賞勲部長)

○村田政府委員 金鵄勲章につきましては統計を差上げたのでございまするが、お説のように太平洋戦争につきましてはごく一部の戦死者、戦没者に限つてありまして、あとの方はそのままということで打切られてしまつております。これの廃止につきましては、さきに新憲法の施行とともに、ふさわしくないものと認めて廃止したわけでございます。今これを復活する必要があるかという点については、政府として今その必要はない、こういう結論で使わないわけでございます。

辻政信無所属倶楽部

○辻(政)委員 それでは、従軍記章はお認めになりますか。

村田八千穂総理府事務官(内閣総理大臣官房賞勲部長)

○村田政府委員 従軍記章につきましては、現在効力を認めておりますものは引続きそのままにしておこう、こう思つております。

辻政信無所属倶楽部

○辻(政)委員 その点に非常に矛盾を感ずるのであります。戦争に行つたしるしとしての記章は認めておこう、戦争に行つて命を投げ出した人の表彰は認めない。それから金鵄勲章をもらうまでの武勲のなかつた人、極端に言いますれば大した働きをしなかつた人に与えられたものには瑞宝章と旭日章がある。これは認めておこう。そこに従来の勲章に対する政府の考え方で、はなはだ一貫しないものがあるのであります。公聴会でも問題になるかと思いますが、もう一回御意見を承りたい。やめるなら全部やめた方がいい。

村田八千穂総理府事務官(内閣総理大臣官房賞勲部長)

○村田政府委員 金鵄勲章の授与ということには、ほとんど例外なしに旭日章または瑞宝章をあわせて授与しておるのでございます。そこで金鵄勲章だけが効力を復活することなくとも、旭日、瑞宝——主として旭日でございますが、あわせて授与されておりますから、その方面で補いがつくのではないか、こういうふうに考えておるのであります。  それから従軍記章と申しますものは、これは御承知のように、単に従軍したしるしでございまして、必ずしもほかの勧章とあわせていただいておるものでもないわけであります。今になつてこれを否定しなければならぬという理由もない、こういうことに考えております。

辻政信無所属倶楽部

○辻(政)委員 ただいまの御説明によりますと、金鵄勧章というものは適当でない、金鵄勧章とあわせて与えられた従軍記章もしくは旭日、瑞宝はいいという御議論ですが、最もよく働いて、国家から最高の表彰をされたものを否定し、これに付随して与えられたものを認めることは意義をなさない。やめるなら全部やめた方がいい。やるならば全部認めるのがほんとうではないか、そういう不徹底なことで、しかもこの金鵄勧章の大部分は遺族です。今生きている者に与えられたものよりも、その遺族が仏壇に飾つておるものを国家として否定するとは何だ。それはあなたに答弁を求めるよりも、官房長官なり総理大臣に聞きたいことでありますから、きようはそこでとめておきますが、遺族の気持というものを考えてもらいたい。

岡田忠彦自由党

○岡田(忠)委員 今のは何も御答弁がないですか、あらためて話をするとか、そのままにしておくとか……。

船田中自由党

○船田委員長 いずれ総理大臣なり官房長官には御出席を願うことにしてありますから、その機会に十分政府の意思をお聞き願つた方がよかろうと思います。

岡田忠彦自由党

○岡田(忠)委員 今のをお伝えください。私も同意です。

船田中自由党

○船田委員長 辻君、それでよろしゆうございますか。

辻政信無所属倶楽部

○辻(政)委員 この次でけつこうです。

船田中自由党

○船田委員長 それでは本日はこれをもつて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。     午前十一時三十七分散会

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