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15回国会衆議院1953/02/24

電気通信委員会 第22号

発言数
19
登壇者
9
会派数
5
開催日
1953/02/24

会議録

橋本登美三郎自由党

○橋本委員長 これより電気通信委員会を開会いたします。  昨日本委員会に付託されました国際電信電話株式会社法を廃止する法律案を議題とし、審査に入ります。提出者より趣旨の説明を求めます。松井政吉君。

松井政吉日本社会党(右)

○松井委員 ただいま議題となりました国際電信電話株式会社法を廃止する法律案の提案理由を御説明申し上げます。そもそも公衆電気通信事業は、国家社会の神経機能とも称すべきものでありまして、公共の福祉増進を究極の目的とするきわめて高度の公益性を有する事業である一面、本来一元経営を必須とするいわゆる自然的独占事業であります。わが国において七十年の久しきにわたつて国営を続け、先般の機構改革に際してもなお国家の厳重な監督下にある公共企業体経営方式をとり、かつ一部設備を民営にゆだねたことはあつても、事業の一元的運用の原則に至つては終始一貫これを堅持し来つたのは、電気通信事業の本質上むしろ当然のことというべきであります。  しかるに、第十三回国会において成立した国際電信電話株式会社法は、この事業本来の性格と目的とを無視し、公衆電気通信事業を国内業務と国際業務とに分断するのみならず、後者を株式会社経営に移して一部資本家の営利の具に供しようとするものであつて、ひとり事業の健全なる発展を阻害するばかりでなく、ひいては国家の将来に大なる禍根を残すおそれあるきわめて危険なる法律といわざるを得ないのであります。  国際電信電話株式会社法の実施によつて生ずべき弊害は枚挙にいとまありませんが、その顕著なものの二、三をあげても、第一に、国際電気通信は一国の政治、外交、防衛等諸活動の手段として、殊殊の国家性ないし機密性を帯びる幾多の通信を包含するにかかわらず、これを民間法人、特にある程度外国資本の介入を認める営利会社の手にゆだねることは、ある場合には国家の存立に影響を及ぼすおそれなしとしないのであります。また貿易、商業通信のごとき寸秒の遅速が莫大な利害をかもす通信にあつては、民間会社によつて取扱われて、はたして通信の秘密、取扱いの公正が保たれ、利用者の信頼をつなぎ得るやいなや、危惧なきを得ません。  第二に、前述のごとく本質的に経営の一元化を必要とする電気通信事業を、しいて国内業務と国際業務とに分断する結果として、国際通信の国内業務部門につき、国際電電会社と日本電電公社との間に、設備要員の重複投資、あるいは複雑な業務の相互委託等の事態を生じ、サービス水準の低下ないしはサービス原価の増高を免れないと思われるのであります。  第三に、従来、公衆電気通信料金政策上、電話と電信、国際業務と国内業務とは、一方の利益をもつて他方の欠損を補い、総合して事業経営収支の均衡を保持していたのであつて、なかんずく日本電電公社における国際業務は年額二十億円に近い利益をあげ、焦眉の急を告げている国内通信部門の建設改良に多大の寄与をしていたのであります。従つて国際業務が日本電電公社から分離されることとなれば、公社は有力な財源を失い、その結果は最大急務たる国内通信の整備に悪影響を及ぼすことは明らかであります。  第四に、一部論者は、国際間の熾烈な競争に伍して通信権益の伸張をはかるには、国家よりも民間会社による工作の方が適当であると称するのでありますが、私企業経営の長所を多分に取入れた日本電電公社がこの方面の活動に不適当であるとは認められません。  また会社経営によつて民間資金を吸収し、大いに国際通信設備の拡張をはかる必要があるという議論がありますが、わが国の国際通信設備は改善の要があるとしても、その緊急度は国内通信設備に比べればはるかにゆるやかであり、無線送受信設備のごときは、なお若干の余力を存している状況であります。また民間資本の利用は、日本電電公社によつても電信電話債券の発行等により十分可能であることは申すまでもありません。  その他民間営利事業の特性として利潤追求に走る結果、労働争議等を生じ、会社機能が停止するおそれがあること、事業態様を同じくする国際電電会社と日本電電公社との間に従業員待遇の不均衡を生じ、労働争議の誘発、作業能率の低下を来す憂いがあること、会社設立に際して現物出資の適正評価が困難であること、会社に対する国家監督の規定が不備であること等、場幾多の欠陥を指摘することができるのでありますが、これを要するに国際電気通信事業は、これを国内通信とあわせて現在の通り日本電信電話公社の経営にゆだねて何らの支障を見ないのであつて、しいて国際業務を分離して国際電電会社を設立しなければならない積極的理由はとうてい発見することができないのみならず、これによつて予測される害悪はただいま申し述べましたことく歴々たるものがあるのであります。  よつて国際電信電話株式会社法のごとき悪法は、一日も早くこれを廃止する必要を認めるのでありますが、特に本年四月一日と予定されている会社設立の後においてこれを廃止することは、複雑な経過措置を要する関係上、この法律案の実施は可急的速かなるを要するのであります。イギリスにおいては、会社経営方式をとり来つた国際通信を、その非を認めて一九四七年国営に改めたのでありますが、わが国においてはその轍をふむことなきよう、本法律案に対してすみやかに御審議、御賛成あらんことを希望いたします。  これをもつて本法律案に関する提案理由の御説明を終ります。

橋本登美三郎自由党

○橋本委員長 本案は重要案件でありますから、次回適当の機会に委員会を開き、政府当局並びに関係参考人の出席を求めて、慎重審議いたしたいと存じます。御了承を願います。  五分間ほどテレビの準備のために休憩いたします。     午後二時二十五分休憩      ————◇—————     午後二時三十九分開会

橋本登美三郎自由党

○橋本委員長 休息に引き続き、電気通信委員会を再会いたします。  有線電気通信法案、公衆電気通信法事並びに有線電気通信法案及び公衆電気通信法施行法案の三条を一括議題とし、質疑を続行いたします。質疑の通告があります。これを許します。自由党中村梅吉君。

中村梅吉自由党

○中村(梅)委員 現在電話の需給状態はきわめて不均衡でありますことは御承知の通りであります。これがために国民生活上多大の不便を来している現状であります。この際私は郵政大臣から、現在の電話架設申込みの積滞数並びに本年度において仮設し得る可能の数についてご説明を願いたいと思います。

高瀬荘太郎緑風会郵政大臣

○高瀬国務大臣 現在電話の加入申込みをして、まだ架設せられていないものが、昨年末現在で東京は約十三万、大阪は約六万、全国では約四十三万あります。それに対する来年度の拡張工程は東京四万、大阪一万八千、全国では十四万と予定しております。

橋本登美三郎自由党

○橋本委員長 改進党有田喜一君。

有田喜一改進党

○有田(喜)委員 ただいまの御答弁によれば、日本電信電話公社の電話架設数は、二十八年度にあつては申込み数の三割にすぎない状態であります。昨年八月公共企業体として新たに日本電信電話公社が設立された理由は、これによつて立ち遅れている電信電話事業の画期的振興をはかろうということにあつたのでありまするが、公社が設立されてからも依然として思い切つた電話の拡張ができないのは一体いかなるわけか、その根本的な理由について御説明を願いたいのであります。

橋本登美三郎自由党

○橋本委員長 郵政政務次官平井義一君。

平井義一自由党郵政政務次官

○平井(義)政府委員 お答え申し上げます。終戦以来一つでも多く電話をふやすために、できるだけ既設の設備を活用いたしました結果、現在におきましては既存設備の余裕がほとんどなく、今後電話を架設するには新たに局舎、機械、路線の設備をしなければならない実情であります。これには巨額の建設資金を必要とするのでありますが、公社予算のわく内では需要に応ずることがなかなかむずかしいのでありますが、御趣旨の通り何とか考えまして御趣旨に沿いたいと考えております。

橋本登美三郎自由党

○橋本委員長 日本社会党松井政吉君。

松井政吉日本社会党(右)

○松井委員 公社の電信電話拡充五箇年計画及びこれが実行に要する経費の大要を御説明願いたいのであります。特に所要経費は相当莫大な額に上ると思われるのでありまするが、これが調達の財源はどこに求めるのであるか。またその一部を外資に求めるということでありますが、外資の導入の見通し並びに外資の介入によつて、わが国における電気通信事業経営上の自主権を侵害されるようなおそれはないかどうか、という点に対する公社側の見解を承りたいのであります。

橋本登美三郎自由党

○橋本委員長 日本電信電話公社総裁梶井剛君。

梶井剛日本電信電話公社総裁

○梶井説明員 電信電話五箇年計画の内容は、電話加入者をさらに百五万名増加して、経済上の中心地区においては、架設申込みの大部分に応じ得るようにすること、市外電話回線百六十万キロを増設して、通話待合時間を短縮し、特に東京、大阪、名古屋間は、来年度からほとんど即時につながるようにすることを主とするものであります。所要経費としては、政府資金及び電信電話債券等による約三千七百億円を必要といたします。なおその一部を外資に求めることを考えておりますが、目下のところ確たる見通しを得ておりません。外資導入による通信自主権侵害のおそれは絶対にないものと信じます。

橋本登美三郎自由党

○橋本委員長 日本社会党原茂君。

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員 現在電話を架設するには、たとえば東京においては設備負担金、装置料、加入料で三万四千三百円のほかに、六万円の電信電話債券の引受を必要とし、なおところによつては線路費を特別に負担しなければならないのであります。電話はもとより一般大衆のための公器でありまして、一部金持ち階級の壟断すべきものではないのでありますから、電話架設ももう少し安く一般勤労階級の手が届くように引下げることはできないものか、この点に関する政府当局の所見を承りたいと思います。

橋本登美三郎自由党

○橋本委員長 政府委員金光昭君。

金光昭郵政事務官(大臣官房電気通信監理官)

○金光政府委員 現在電話架設の実費は、一加入当り約二十五万円も必要とする状況でありますので、臨時的措置といたしまして、設備費の負担、債券の引受等を加入者にお願いしているのでありますが、政府としてはでき得る限り早い機会にこれらの制度をやめまして、容易にもつと安価に電話の架設ができるように、施策を推進して行きたいと考えております。

橋本登美三郎自由党

○橋本委員長 本日の質疑はこの程度にとどめます。次会は明二十五日午後一時よりNHK二十八年度収支予算、事業計画、資金計画の質疑を行う予定であります。  これにて散会いたします。     午後三時十一分散会

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