電気通信委員会 第5号
- 発言数
- 46 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/12/06
会議録
○橋本委員長 これより電気通信委員会を開会いたします。 放送法第三十七條第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件を議題とし、審査を進めます。きのうの委員会において決定いたしました日本放送協会会長古垣鐵郎君並びに理事岡部重信君が参考人として出席されております。まず古垣参考人より説明を求めます。
○古垣参考人 このたびは当委員会におきまして、日本放送協会のテレビジヨン放送に関しまする昭和二十七年度追加収支予算及び事業計画等につきまして御審議をいただくことになりましたことを、最初に厚く御礼申し上げます。すでに当委員会におかれましては御承知のこととは存じますが、貴重な機会をお与えくださいましたので、お許しを得まして、日本放送協会の業務全般のあらまし並びに将来の方針等につきまして、説明をさせていただきたく存じます。 御承知の通り日本放送協会は、昭和二十五年の六月に、放送法に基きまして設立されました特殊法人として、ラジオ、テレビジヨンを公共の福祉のために全国普及をはかりますとともに、国際放送の実施責任をも持ちまして、その新しい第一歩を踏み出したのでございます。放送協会は放送法の精神にのつとりまして、内においては、放送文化を通じて国民の福祉に寄与すること、また外に向いましては、国際放送を通じまして世界の平和と親善に力を尽すよう、施設及び番組の拡充に努めて参りました。またテレビジヨン放送ににつきましても、中波放送同様、その全国普及を目ざして努力いたしておる次第でございます。 協会の業務運営につきましては、経営委員会というのがございまして、この経営委員会が協会の最高の意思決定機関としてその衝に当りますとともに、協会の業務の重要なものを指導いたすことになつております。この経営委員会は、国会の御同意を得まして全国八地区から八名の権威者が指名されて、この八名の経営委員と会長をもちまして経営委員会が構成されておるのでございます。この経営委員会は通常毎月一回開催されまして、中波の放送網計画、テレビジヨン放送網計画を初めといたしまして、協会の重要な方針の決定に当つております。 また協会の財政は、国民を基盤といたしましたこの事業体にふさわしい運営ができますように、国会の御承認を得まして、常に国会の建設的な御好意ある御審議をいただいて参つておるのでございます。また協会の収支の内容は、会計検査院の検査を受けることとなつておりまして、業務の面におきましても、財政の面におきましても、すべてに国民の意思を反映いたしまして運営を行つて参つております。 そういたしまして日本放送協会は、この国会の御審議に基きまして、番組面におきましても、豊富迅速なるニュースの提供、青少年教育放送の拡充、健全明朗な娯楽放送の充案、国際知識の普及をはかり、広く国民大衆の要望にこたえますとともに、わが国文化水準の向上に寄与することをもつぱら念願としておる次第でございます。まず報道放送におきましては、通信網の整備、取材記者の拡充に重点を置き、さらには平明な解説によりまして正しい社会の動きを伝えるように努めております。また教養の面では、国民全般の教養と知識の普及を目的といたしました一般社会問題を、さらには農山漁村向け、勤労者向け、婦人向け等の対象別教養番組の充実をはかつて参りました。ことに次代をになう青少年に対する教育番組には特に力を入れております。学校放送の拡充を初め、職業教育、通信講座等の番組の拡充に努めて参つておる次第であります。また慰安、娯楽の面では、家庭を中心とする健全明朗な娯楽の提供を行うほか、固有の芸能の保存、育成や、高度な芸能文化の開拓と育成にも力を注いで参りました。次に国際知識の面につきましては、米、英、仏等に特派員を配置いたしまして、海外各放送局とも番組資料などを互いに交換いたしますほか、さらに海外諸国の著名芸能人を招聘し、あるいは相互間の交換放送などによりまして、海外のすぐれた芸能文化の紹介に努力いたしております。 以上の番組は第一、第二の二つの全国放送網を通じまして放送いたしておりますが、第一放送においては国民一般を対象といたしました普遍性のある番組を放送し、第二放送におきましては比較的高度な教養番組や芸術的価値のある番組、それから特殊の層を対象といたしております。これらはあくまで国民の大多数の要望にこたえるため必要なものでありまして、このほかさらにたとえば英国のBBCの行つておりますような第三放送を行うことも計画いたしております。すなわちこの第三放送におきましては、現在一般大衆向けの番組のわく内において組み得なかつた高度の芸術及び教養番組、特殊な通信講座、いわば先駆者的な放送番組等の編成をねらいまして、聴取者がたとい少くても、わが国文化の上に貴重な地位を占める芸術、学術などを放送に取上げたいと考えておる次第であります。これらは公共放送としてのNHKに対し、最近とみに国内一般から要望を受けておりますところで、わが国文化水準の向上にも大きく寄与できるものと考えておる次第でございます。 次に海外放送は本年二月から開始いたしましたが、これは平和国家として苦難な復興の道をたどつておりますわが国の姿を世界に正しく伝えまして、世界の理解と支持によつて復興を早め、さらに国際親善に寄与せんとするものであります。現在では北米を初め五つの方向に電波によりまして、この海外放送を行つております。この海外放送につきましては、海外から非常な反響を呼んでおりますので、協会といたしましてはできるだけすみやかに、さらにできるだけ多方面に向けまして国際放送の拡充をはかりたいと考えております。 次に協会の中波放送の現在は、第一放送は放送局数八十三局で、電波法によりまして指定された放送区域は、全国総世帯の約九八%であります。また第二放送は放送局数五十四局で、全国総世帯の九二%強をカバーいたしておりますが、さらにこれの拡充、強化をはかりまして、両聴区域、聞える聞えないところが日本全国にないように、一〇〇%を目ざして放送局、中継局の増強を行つて行く考えでございます。 次に地方行政と地方文化に密接に結びつきました放送局のあり方を確立いたしますために、単に全国どこでも放送が聞えるというだけでなく、各府県を単位といたしまして、県民がその県の重要事項についてローカルの放送を聞えるように中継局を設置いたしたいと考えております。この計画が完成いたしましたあかつきは、ローカル・ニユース、緊急事態放送、選挙放送、選挙放送、農事番組、社会番組、地方芸術番組等の点で、地方行政と地方文化のために大きく寄与することができるのではないかと考えております。 次に普及の面につきましては、番組の周知、宣伝を積極的に行い、あるいは受信機の維持のための技術講習や、地方の故障受信機には巡回修理を行いますなど、受信者の開発と維持のために活発な活動を続けて参つております。また各方面の皆さんの御支援をいただきまして、おかげをもちまして本年の八月、遂に受信者の数は一千万を突破するに至りました。この傾向は、一つにはラジオヘの関心と受信機の販売方法にも大きい原因がございますが、従来普及率の著しく低い立場に置かれました鹿児島県や長崎、岩手、秋田、徳島等の各県の普及率が向上いたして参つたことも特徴と申せると存じます。 最後にテレビジヨンの放送についてでございますが、テレビジヨンは本来国民の文化財でありますから、これをできるだけ早く全国至るところで受信できますようにいたし、しかもその番組はテレビジヨンの聴取者に与える影響の大きいことを十分考えまして、番組自身が健全で明朗なものとし、さらには中波放送とテレビジヨンと両方一体としてバランスのある編成に努め、十分に公共放送の成果を発揮いたしたいと考えております。これを実施するにあたりましても、NHKではすでに全国的な中波の施設を持つておるのでありますから、現有の放送施設及び機能を十分活用いたしまして、テレビジヨン放送に要する運営費はできる限り節約し、国民の負担もできるだけ軽くいたしたいと念願いたしております。 協会は以上のような趣旨によりまして、公共の福祉のために可及的すみやかに、あまねく日本全国においてテレビジヨンの受信ができますように放送を行うことを究極の目的といたしまして、その計画を進めておる次第であります。そういたしまして、このNHKのテレビ計画は、まず東京において年度内に放送を開始し、所要の増力工事を行いますと同時に、大阪、名古屋におきましても、来年度放送を開始いたしますために必要な調査を行おうとするものでございまして、かようにして逐次枢要の地より放送網の計画を取進めまして、五箇年の後には全国に三十二局のテレビジヨン放送局を建設いたしまして、それによつて全国総世帯の六二%をカバーせんとする計画でございます。なおこの放送協会の計画は、すでにお手元に資料として送りましたように、全国各地の自治団体、教育団体、ラジオ商組合、文化団体などから、公共放送によるNHKのテレビジヨン放送を一日も早く開始するようとの要望や決議などが、国会を初めといたしまして私どもの方へも寄せられております。これらの要望や決議等を私どもも十分参考にいたしまして、立案いたしました次第でございます。私どもはこれらの全国的な国民大衆の強い要望にこたえ、テレビジヨン放送の全国普及に邁進いたしたいと存じておる次第でございます。なお日本放送協会では白黒テレビジヨンの次に来るものとして、天然色テレビジヨンにつきましても一応の研究段階を経まして、すでに公開もいたしましたが、さらにこの天然色テレビの方も積極的に研究を進めることといたしております。 以上簡単でございましたが、NHKの現状につきまして申し述べさせていただきました。さらに御質問に応じて補足させていただきたいと存じます。 なお国会におかれましては、公共放送としてのNHKの業務運営の全般につきまして、常に格別の御配意と御指導をいただいております。ここに厚く御礼申し上げますとともに、今回提出されましたNHKテレビジヨンの補正予算につきましても、何とぞ国家的見地より格別の御同情をもちまして御審議をいただきたいことをお願い申し上げます。
○橋本委員長 質疑を続けます。質疑は便宜上政府当局と参考人に対し並行して行いたいと思います。なお参考人に対する質疑は、これは便宜的でありますが、総括的な問題につきましては古垣会長に、かつ内容について具体的問題その他こまかい問題につきましては岡部理事に質疑されんことを望みます。では質疑の通告がありますのでこれを許します。山田長司君。
○山田(長)委員 初めてのことで多少めんどうな御質問にお答えを願わなければならないと思いますが、その点前もつて申し上げておきます。 ラジオ東京が始まつて、NHKの放送と両方かみ合わせてわれわれときどき聞いておるのに、一体公共放送と民間放送の差はどういう点で公共性の差があるのか、こういう点がまず最初に私の伺いたい点でございます。古垣参考人先ほど申し上げましたように、一昨年新しい放送法によりまして、私どもの立場が明らかにされたのでございます。放送協会は営利を目的とせず、広告料をとることを禁止されて、もつぱら受信料によつてやるのだ、従いまして国民の要望にこたえて放送をやる、また全国あまねくこれが聞えるようにしなければならない。また国民の福祉及び国の文化の向上に最大限の努力を払わなければならない。その他いろいろの重い義務を負わされて仕事をいたしております。従いまして私どもは公共の利便、利害ということを直接かつ唯一の目的といたしまして番組を組み、また電波を発射し、その他の必要な施設をやるというようなことになつております。民間放送の場合、もちろん公共の利益ということをお考えになられるということでございますが、われわれの立場とはたいへん違つた立場に置かれまして、営利を目的とし、そうして営利事業として運営される、また広告料をおとりになつておやりになるというので、放送法の條文のほとんど大部分が、放送協会の権利、義務を規定する條項になつております。民間放送については日本放送協会に比較しましてきわめて自由な立場に置かれております。
○中曽根委員 関連して……。私は電気通信事業にはしろうとでありまして、勉強も足りませんので、いろいろ教えていただきたいと思います。もし私の発言で間違つているところや勉強不足のところがありましたら、どうぞ委員長において注意してもらいたいとい思ます。 ただいまの山田委員の御発言は、日本の電波事業、放送事業等の基本に関する部面に触れていると思うので、そこで政府にお尋ねいたしたいと思うのでありますが、政府は放送法あるいは電波法あるいは最近決定した電波監理委員会のテレビジヨンに対する基本方針、これを拝見いたしますと、一貫しておるように思います。つまり公共企業体が担当する公共性を持つた放送事業、それから私的利潤追求という面が入つておる商業的な面を持つた放送事業、その二つの分野にラジオにおいてもわけておるし、テレビジヨンにおいてもわけておる、その間の混淆を許さない、すつきりした態度をとつておりますが、今後放送局を認可するにしても、あるいはテレビジョンを認可するにしても、あるいは将来いろいろな電気事業の仕事をやつて行くについても、この基本原則を画然として守つてやるのか、あるいは変更することがあるのか、基本的な方針をまず承つておきたいと思います。
○長谷政府委員 ただいま御質問の点につきましてお答え申し上げたいと思います。ただいま御質問にございましたように、放送法あるいは電波法の精神におきましても、電波法は特に電波が公平かつ能率的に利用されて、公共の福祉を増進することをその法の目的にいたしております。また放送法はただいまお話がございましたように、電波による放送が、特殊法人であるいわゆる公共法人であるところの日本放送協会によるものと、一般放送事業つまり民間放送事業との両者によつて行われることを予想いたしまして、法律ができておる次第でございます。従いまして現行法のもとにおきましては両者が並立するという建前だと考えられおります。なおいろいろ番組の面等に。きましてお話がございましたが、憲法に定めてございます言論の自由という建前から、放送法に特にうたわれておる点を除きましては、それが日本放送協会において行われます放送であろうと、あるいは民間放送の場合はなお一層でございますけれども、番組に対しての監督というようなことは一切行われていないのが実情でございます。 なお私から番組の点につきまして一点追加させていただきますと、民間放送につきましては非常な自由な立場をとれるようになつておりますが、日本放送協会につきましては特に輿論調査等を義務的に行いまして、公衆の要望に沿うような放送をしなければならない、こういう建前になつております。つまり聴取者本位でなければならない、こういう條項が特にうたわれておりまして、そのほかに公安を害しないとか、あるいは政治的に公平であり、報道は真実を曲げるものではいかぬというような原則は、NHKであろうと一様に、放送の番組を編成する上での指針となつておりますが、先ほど申し上げましたように、協会は特に聴取者の要望を輿論調査等によつてよく調査をして、それに沿うような番組でなければならないという点が強調されておる次第でございます。
○中曽根委員 私は関連質問ですから、あまり時間をとることを差控えますが、政府委員の御答弁でやや触れていると思うのですが、もう一回簡単に、明確に御答弁願いたいと思います。放送法あるいは電波法、あるいはテレビジヨンの場合における電波監理委員会の方針を見ると、一貫した体系がある。つまり公共事業を担当するNHKの部面と、それから商業的要素の入つている民間放送の部面と二つがある。この二つをくずさないで—もちろんその内容は、プログラムにアミユーズメントの要素があるから、多分にダブるところもあるでしよう。しかし政府の方針として、この放送法や電波法や、あるいは電波監理委員会の一定の基本方針という、この二つの並立する体系はくずさないで、混淆させないで今後もやつて行くつもりかどうか。放送局の免許にしても、テレビジヨンの免許にしても、その原則で一貫するのか、これを明確にお答え願いたい。
○長谷政府委員 ただいまの御質問の点は、私どもは現行法のもとにおきましてはその通りやつて行くのが、何し申しましようか、国民の放送のあり方についての御期待に沿うものであると考えます。
○山田(長)委員 先ほど古垣会長のお話を伺いますと、あまねく公衆に知らせる、国民に知らせるためにというようなことが言われておりましたが、あまねく知らせるということは、今日の地方農村の実情などをしんしやくいたしますと、もうすでに聴取料の五十円という問題が、地方においてはかなり払い切れなくなつている実情などがあるということを、われわれは実際問題として見ておるわけです。そういう点で、あまねく知らせるためには、聴取料の場合などにおいても相当考慮される必要があるのではないか、こういうことも考えられるわけですが、この点などについてどういう考えをお持ちであるか、伺いたいと思います。
○古垣参考人 お答え申し上げます。地方の農村のあるところでは、聴取料を払うのに非常に苦痛であるというようなことは、私どもにおきましても十分関心を払わなければならない点だと存じます。私どもはしよつちゆう全国の収納状態を調べておりまして、関心を十分払つておる次第でございますが、現在までのところ、月五十円の収納率はほとんど百パーセントであります。大体九八%以上の収入率をあげております。またこの受信料は、国会で協会の運営を御指示をいただきまして、そしてこれくらいが妥当であろうということでおきめを願つておる次第でございます。
○山田(長)委員 先ほどテレビの問題について御説明があつたわけですが、この問題について一応話を進めて行きたいと思うのです。追加予算で二億九千五百万円という、手元に届けられたさつきの書類によつて見るわけですが、一体こういう状態で二十七年度の追加予算は一応出されたけれども、この問題が二十八年度に及ぶごとを考えまするときに、一体どのくらいな歳月を要するならば黒字になる目安があるものか、こういう面をまずお伺いしたいと思います。
○本間委員 今の山田委員の御質問に関連して、補正予算の計画内容の概略を一応説明してもらつたらどうですか。
○岡部参考人 追加予算等につきましては政府委員の方から御説明があつたことと存じますのでお手元にございます「テレビジヨン放送事業計画要綱」というのに基きまして若干申し上げたいと思います。 テレビジヨンをNHKが実施いたします理由、計画の概要、さらにまず東京において本年度実施いたしまして、年来度大阪、名古屋において実施する。その計画につきましては二ページにございますが、東京につきましては年度内になるべく早く国民の要望に沿いまする趣旨をもちまして、四月からの目標をもつて工事をいたし、過去のラジオの経験によりまして、できるだけ電力を次第に増強して参りまして、容易に受信できるようにいたすという考え方でございまして、逐次電力を上げて参るというので十キロワットに工事をいたし、来年度大阪、名古屋の計画といたしましては、やはり十キロワツトをもつて電波を発射して行きたい。それで東京の関係につきましては、大体ここにございますように二億七千二百万の経費をもちまして、今年度から来年度にわたつてこれを実現いたす計画でございます。大阪、名古屋につきましては、来年度と再来年度におきましてこれの実現をはかつて行くということになつております。東京、大阪、名古屋が完備いたしますと、大体全国の世帯数の三〇%を受信可能の範囲内に入れることができる。次いでその他主要都市二十九箇所を選びまして、五箇年をもつて実施して行く、そうしますと、全国の世帯数の六五%を受信可能ならしめることができるという構想によつているものでございます。それではそれが経費関係ではどういうふうになるかと申しますと、七ページに関連の計数がございますが、東京におきましては、この財源といたしましてまず考えなければならぬことは、受信者の契約者の見込みでございます。初年度におきまして二千百の聴取者を獲得し、次第に増加して三十年度においては十二万六千五百の聴取者を獲得する。以下大阪についてそれぞれございますが、合計二十七万ほど三十年度にはなるだろう。それは国民の負担力と申しますか、経済状態と申しますか、それと受像機の価格が次第に量産によつて低下するであろうという見込み、それらを勘案いたしまして、この計数を算出いたした次第でございます。 しからばこの三局の計画によつてどういう状況になるか。ただいま山田さんからお話のあつた黒字になつて来るのはいつごろかということでございますが、七ページの収支見込という欄に、その間の経緯を載せてございますが、大体東京、大阪、名古屋につきましては、三十年度には黒字になつて来るという見込みにいたしております。もつとも東京、大阪、名古屋と並行的に、先ほど申し上げました主要の地域に二十九年局を逐次建設して参りますので、これにプラスしてその金額はいることになります。従いましてこの計画の進行の中途におきまして、資金の需要面、あるいは資金の収入面ということ、あるいは御承知のいわゆるマイクロウエーブの建設の進行ということにも関連いたしまして、その次に計画いたしておりますテレビジヨンの五箇年計画概要、八ページにございますが、これを取進める計画にいたしておる次第でございます。こういたしますと、先ほど申し上げましたように、この三十二局によりまして全国の世帯のうち六五%をカバーすることができる、かように考えておる次第でございます。しからばこの計画を実施する場合にどういう状況になるかと申しますと、それの概略が十ページの三の収支見込でございます。収入の欄に借入金の欄がございまして、設備資金と事業資金とにわかれておりますが、ちようどこれの借入れがいつころ返還が行われるかということになりますと、三十一年度でございます。下から二段目の欄でございますが、そこで初めて借入金の返還というものができる。これらにつきましては先ほども申し上げましたように、先進国といいますか、外国のテレビジヨンを実施したときにおいて、どういうふうにテレビジヨンの機械がふえて行つたかというような関係も考慮いたしまして、それから御承知の通り放送債券が放送法によつて三十億を限度として発行することができるということがございますが、そういう債券の発行の限度並びに先ほど会長が申し上げましたが、中波——ラジオににおきまして全国あまねく容易に聞けるようにという使命の達成に齟齬なきように、また進んでできるだけ行政単位と合せた施設をしたい。中波の方もいささかもこれによつて害されることがなく、むしろ進行させるという考えをもちまして、この企業体として確実なデータから見るならば、ほかに何といいますか、資金の需要も、現在の條件において考えられる資金の調達ということをもとといたしまして、大体五年目から黒字になる。もつともその間受像者の要望は、もつと早くやれというような希望もあるかとも存じます。それから先ほど申し上げましたように、中継回線の問題もございますので、一応東京、大阪、名古屋につきましては確たるもので進んでおりますが、その他のものにつきましては、皆さんの御審議の御参考までにこの五箇年計画をお目にかけている次第でございます。
○本間委員 これの東京の部分を補正予算について説明してください。
○岡部参考人 ただいまお尋ねがありましたが、東京につきまして申し上げさしていただきたいと存じます。追加予算の印刷物と私の申し上げることと違うかもしれませんが、この追加予算でただいま御審議を願つております「追加事業計画」というところがございます。お手元にあります十三ページの二の建設計画でございますが、ここに計上してございますのが他方の印刷物のところに該当するわけでございます。議案の十三ページにあります二の建設計画、これにつきまして、詳細にわたるかもしれませんが申し上げたいと存じます。それとただいまの資料の二ページでございます。この二億九千五百万円という建設費が議案の方にございますが、それが東京を完成いたしますには、この資料の方は二億七千二百三十九万円とございますが、これは先ほども触れましたが、今年度至急に整備するものをし、来年度補充すべきものを補充するという差でございます。 それで土地につきましては、大体所要の坪数千坪でございます。送信所の局舎につきましては九十坪、これは送信機だけ置くわけでございまして、電送設備はただいまの放送会館で一応いたすわけであります。その次の送信用空中線操置九千六百万円、これは百六十メートルの鉄塔を建つて、その上に空中線を建てる。それから放送装置は先ほども申し上げた十キロワットで、この経費六千六百八十万円、その次に配電線から引きます配電盤、その次の自家発電装置、この装置だけを来年度に繰延ばして、この御審議願う議案には載つておらぬ次第でございます。それから演奏所の付属機器といたしましては、ここにこまごまと載つておりますが、これに要しますところのイメージオルシコンヵメラというものを二台、あるいは撮影機、録音機というようなものの総計でございます。次にあります番組中継器と申しますのは、放送所と演奏所の間を無線でつなぎます区域であります。その他は工事その他のものでございます。これがただいま申し上げたように、自家発電装置の八百五十万円を除いた分が、議案にございます建設計画の経費になるわけであります。
○山田(長)委員 たいへん計画はいいのですが、一体受像機はどのくらいするものであり、それから受像者の見込数が二千百と出ているが、一体二千百なんというのは、どこにこんな目安があるのか、こういう点を伺いたいと思います。
○岡部参考人 いわゆる受信者数の見込みにつきましては、国税庁その他の資料を見まして、税額に応じた収入のあり方というものを参考といたしまして、個人の加入者を推計いたしまして、またそれに加えまして、御承知の通り多数の客の来集するところと申しますか、ホテル、レストランのテレビジヨンの電波の及ぶ範囲を調べまして、その中の数からこれを算出いたしまして、二千百という数字を出したわけでございます。なお現在におきましてどのくらい受像機があるだろうかということになりますと、ただいま手元で調べておる範囲におきましては、八百台を越えておるのではないか、かように存じております。 なお受像機の価格でございますが、七インチの大きさから十二インチの大きさの例のブラウン管の大きさでございますが、それをとつてみますと、大体本年度においては十七万円、来年度におきましては四万円引きまして十三万円、さらに二十九年度におきましては六万円となる見込みであります。御承知の通り大量生産という問題、それとただいまラジオで政府その他の御協力によりまして月賦販売というようなものが確立いたしておりますが、テレビジヨンにつきましてもその点等も御配慮願うというようなことも考えておりまして、ただいま申し上げたような受像機の数を算出いたした次第でございます。
○山田(長)委員 今の問題ですが、一体これは国産の品物であるか、あるいは外国製品であるか、そういう点も伺いたいと思います。
○岡部参考人 大体私どもの方で調べておりますのでは、一部分外国の部分品を使つておるというのもございますが、それはブラウン管でございまして、大体本年度内の生産計画は、受像機の方が八千八百くらい、ブラウン管が五千三百くらいの生産計画を国内において立てておるような次第でございます。
○山田(長)委員 聴取料の二百円という数字は、何を基準とされて出されたものであるか、この点を伺いたいと思います。
○岡部参考人 御承知の通りテレビジヨン事業の経費は、ラジオに比しまして多額を要します。これは先ほど申し上げたような放送施設の建設、それから維持運営の経費でございますが、これをまかないますところの受信料額のただいま御質問の決定でございますが、建設のために投下された資金の調達の方法、及びその資金をどういうふうに償却して行くか、償却の期間並びに維持運営の経費等を検討して、慎重に決定しなければならぬと考えております。ただいま協会の資金調達の方法といたしましては、現状におきましては借入金または放送債券によつてまかなわなければなりませんので、これらの発行條件としては、現在発行のものと同様償却期間を五箇年と考えております。次に維持運営の経費といたしましては、その運営の最も大なるものは番組の費用でございますが、それでは番組の費用は大体どれくらいかかるものかと申しますと、案用化試験の経験あるいは諸外国、特に英国の例から見まして、中波放送の大体四倍ぐらいの経費を必要としておると考えられます。これらの資金上の状態を考慮いたしまして、今後の受信者の増加や建設工事の進捗状況に伴う経費の増加を勘案して、今後五箇年の収支の見込みを厳格に算定いたしますと、大体月額二百円が必要かと考えた次第なのであります。
○山田(長)委員 どうも今の二百円の問題について、さつぱり私には要領を得ないのですが、こつちにもあまりはつきりした目安がないので、一応その程度で了承せざるを得ないのです。さらに伺いたい問題は、一体京浜地区に何万台の受像機ができれば放送局は黒字になるという目安があるか、この点を伺いたいと思います。
○岡部参考人 先ほど申し上げましたテレビジヨン放送事業計画要綱という印刷物の七ページに受信契約者見込数というのがございます。これはただいまお尋ねのとはいささか違うわけでありまして、関東地方の大部分ということになりますが、二十七年度において 二千百、明年度において一万五千三百、二十九年度において六万八千、三十年度で十二万六千五百というのと、大阪、名古屋、それから先ほど申し上げました各地の聴取者数というので、この資金の回収といいますか、企業の経営をやつて行くという立て方でございます。東京テレビジヨンの地区だけを考えますと、東京地区に四十万あれば採算は可能であろう、一応こんなふうに考えております。
○山田(長)委員 もう少しはつきり願います。
○岡部参考人 一応私どもで見ました予定では、本年度始まりまして、大体そうなるのは三十三年度になるのじやないかと見ておりますが、そのときに東京地区が三十九万五千あればペイして行くというようような見込みであります。
○山田(長)委員 よく聞えなかつたのですが、この印刷物にはないわけですね。
○岡部参考人 はあ、案は放送協会といたしましては東京、大阪、名古屋を全部として考えておりますものですから、この印刷物にはございません。
○山田(長)委員 今印刷物にないといらお話ですが、一体五年先の目安として、東京及び大阪、名古屋という点が入つてないとすれば、非常に当局としてはルーズだと思うのです。一体この数字が漠然としてでなく、はつきりした目安が立たないと、国民負担に及ぼす影響が非常にある問題だけに、一応やはりこの点については明確なものを出していただきたいと私は思います。これが結局料金にも及んで来ることでありますし、さらに一体日本の経済という問題になつて来て、そんなにもたくさん—この数字で見ますと、四年間に、六万円するか十万円するか知らないけれども、それが十二万六千五百できるという目安ですが、京浜地区にこんなに多額な経費を要するものが、一体四年ぐらいの間にできるものであるかどうか。これは私のふところぐあいから申し上げて、非常に恐縮なんですが、一体そんなにも娯楽放送であるテレビジヨンに対して、世の中の必要性があるものかどうか、当局はどういうふうなお考えでおられるか、こういう点もひとつ明確にお願いしたいと思います。
○長谷政府委員 ただいま御質問の点につきまして私から御説明申し上げます。政府の方へ日本放送協会から提出になりましたテレビジヨンの放送事業の計画につきましては、正式に提出になりましたのは、本年度の追加予算だけでございますけれども、その内容は今後の長期的な計画の一端でございますので、ただいま資料としてお手元で御審査をなさつておられるこの事業計画要網を慎重に検討いたしまして、その一端として、本年度の追加予算計画が一応妥当なものと認めたわけでございます。その計画によりますると、ただいまお話に出ておりますが、京浜地区だけというようなことでなしに、先ほど放送協会の会長からもお話があり、またわれわれも先般来申し上げましたように、放送協会はできるだけ早く全国一般の国民が聞けるような、見られるような妥当な計画をもつて進めるべきだ、こういうような観点から、一応東京、名古屋、大阪三つを組にした計画を立てておるわけでございます。従いまして収支計算等もその東京、名古屋、大阪を三つ、組に計算をいたしておりますので、たまたま京浜地区の点のお話が出たので、資料等に数字が出ていなかつたわけでございますが、実はこの計画によりますると、東京には相当の規模のスタジオを持つてプログラムを送るけれども、大阪にはほとんどそういう設備をつくらない。ほんの少しだけスタジオをつくり、名古屋は全然中継だけという計画になつておりますから、三者一体の計画により相当経費が節約になつておる形になつております。従つて先ほどお話に出た点について申し上げますと、東京だけを考えますと、もつとたくさんの聴取者がなければペイしないかつこうになりますが、三者一体によつてかえつて少い数のもとに経費がまかなわれる形が出て来ておるのであります。従つてただいま申し上げましたように、東京だけの計画というものは初めから考えておらなかつたものですから、そういう資料がここに出ていない形でございます。 なお受像機の値段の点でございまするが、先ほど放送協会の方からもお話がありましたが、先般当委員会において御質問がございましたときにも申し上げましたが、テレビジヨンの事業は、日本のこの方面の製造界、いわゆる電子工業の関係の製造の上においても非常に重要な意義がございますので、その点からも慎重に考えて行かなければならぬ問題でございますが、現在すでに各メーカーがいろいろな点から準備を進めてございます。従つて受像機はあまり初めから大きな画を出そうということになりますと、今お話に出ましたブラウン管というようなものは輸入いたさなければなりませんが、多少小さいのでがまんするということならば、現在の見通しでは、最初から全部国産品で間に合う見込みでございます。しかしながら受像機の値段は多量生産で、どのくらいたくさん出るかというようなことにもかかつて参りまするので、しばらくの間は割高でございますが、逐年値段が外国品に負けない程度に下つて行くものというふうに見込まれてございます。 なお先ほど会長あるいは放送協会の理事の方からお話がありまして、私の方も別な観点からこれを調査したのでございますが、この受像機の値段と国民の収入と申しましようか、そういう点との関係から考えまして、外国の例—アメリカはその点大分事情が違いますので、イギリスあるいはフランスにおける受像機の値段と国民の所得との関係を、同様に考えて見ました結果、このくらいの増加の割合を見込むということは、さほど大きな見当違いではない。もちろん将来にかかつておる数字でございますので、これの的確性ということになりますと、いろいろ問題がございますけれども、一応このくらいの見当で見るのは不当ではなかろう、こういう結論に達したわけでございます。
○山田(長)委員 今の問題についても、あまり私には納得行きません。それからもう一つ伺いたいと思いますことは、白黒で行くのかあるいはテクニカラーのものを使われるのかという問題について、一体もし白黒のものを使用されるとするならば、そんなに急いでやらないで、天然色のものをもう今日の段階においてはやつたらいいのじやないかということが、しろうととしては考えられるのですが、その点どういうわけで白黒のものを放送局では急いでおやりになられようとするのか、そういう点を一応伺いたいと思います。
○古垣参考人 白黒で始めなくても、カラーが完成してから始めたらいいじやないかという御質問だと存じますが、もしカラーの方が非常に早く完成していて、またすぐ国民の要望にこたえ得れば、それはカラーから始めるに越したことはないと思いますけれども、アメリカ等におきましても、いろいろな問題がまだ未解決になつております。完成いたしておりません。それは反しまして、白黒は今実用として非常に大きな普及をいたしております。他方国内におきまして、テレビジヨンを早くやつてくれ、国会におきましても昨年テレビジヨンの促進決議をいただいております。なお国民の各階層から、教育方面とかあるいは実業方面、あらゆる地方団体その他から、早く始めてくれという要望がございます。世界的に見ましても、すでにテレビジヨン時代というものが参つておると思います。わが国でも一日も早くこのテレビジヨンというようなものを普及して、国民の要望に沿いたい、またテレビジヨンは、私どもは決してぜいたくなものだとは考えません。これによつていろいろの社会教育、受校教育、その他国民の慰安というようなものに資して、国民の福祉に貢献し得る。これを一日も早く実現することが、特に敗戦後の日本で必要であろう、また国民の各方面から要望されておりますことを参考にいたしまして、一日も早くしたい。他方カラー・テレビは、初めのうちはいろいろ、白黒で始めてカラーをやる場合に、困難が伝えられておると言いましたけれども、将来はそういうような困難も打開されまして、白黒で始めても、カラーのときにまた多少の改正附加というようなことによつて、余裕がある人はカラー・テレビに移行することができるというふうなことになつておりますから、テレビジヨンを実現する、そうして日本の国民全体の福祉に沿いたいという念願が趣旨でございます。
○山田(長)委員 最後に申し上げておきますが、一体私が見ていて、私が来てみたら、机の上にこの計画が乗つていたというわけで、こういう重大な書類が来ていて、ここに来てから見なければならないというような状態では、何か私にはこの問題を審議するのに、非常は私自身としてはふに落ちない点があるのです。これを一応……。次はいつこの委員会を持たれるのですか。
○橋本委員長 さつきの理事会で八日の日にやろうということになつております。もちろん今後も続いてやりますから、どうぞ十分に御審議を願います。
○山田(長)委員 そうですが。ではその程度できようは私はとどめておきます。
○橋本委員長 それではテレビジヨン問題については、月曜日引続き参考人の御出席を願つて質疑を続行いたします。 —————————————
○橋本委員長 これから電気通信事業に関する件について、淺沼委員から発言を求められておりますので、これを許します。淺沼君。
○淺沼委員 簡単でよろしいのです。このごろわれわれ国会におつて国会のまわりを見ておりますと、しよつちゆうデモが来る。それから官庁をたずねて参りますと、大臣の前ではすわり込みをやつておる、また超過勤務は拒否をしておる、こういうようなことが国家事業並びに国家の従業員の中に非常に多く現われておる。これが普通の民間産業でありますならば、また考えようもあろうと思うのですけれども、そうでなく、国の事業並びに国家の官庁の従業員、これらの中にこういうような状態が現われておる。政府はあらゆる意味において公認といつては語弊があるけれども、これを何とかしようというような意欲があるのかないのかわからぬ。国会にかけてしまつたんだから、あとは国会の予算の審議をまつ、こういうようなやり方をしておりはしないかと思うのです。私は国家の従業員の立場を考えてみまするならば、二つの立場があろうと思うのです。一つは、国家の官庁を出れば日本の主権者であります。官庁の内部にある間はいわば国の従業員であります。同じ人格の中において主権者たる立場と、もう一つは国家の従業員たる立場を包含しておりますのが、国家官庁で働いております従業員であろうと思うのであります。従つてこれらの方々の行動というものは、自然公務員法によりましてある程度縛られて来ておるということもわれわれは了解事できるわけです。従つて問題の起らぬように、やつぱり上級機関におる人が何とか問題の解決をするようにやつて行かなければならぬ。自分の部下から反逆をされておつて、それで国の政治をやれるなんといつても、これは無理な話だと思うのであります。国の官庁で働いておる従業員が国会のまわりに押しかけて来て、それで総理大臣並びに各省大臣は、ただ予算を審議してくれればいい、こういうような態度では私は相ならぬのではなかろうかと思うのであります。従つてかかる問題についてはより積極的な操作によりまして、下で働いておりまする方々がすわり込みをやつたり、デモをやつたり、超過勤務をやらぬということのないような状態をつくり出して、それで冷静の間に国会においては審議が進められて行く、こういうような努力は官庁側にあつてよかろうと私は思うのであります。官庁側においてはそういうような努力をしないで、すべて国会の審議にまかして、あとはすわり込み、デモ、超過勤務拒否、こういうようなことはやられてもしかたがないというような態度をとつておられるように見受けられるのであります。これに対して、たとえば電電公社の調停案の問題にいたしましても、これは罷業権をとられておりますところに調停案ができたわけであります。その間に仲裁裁定というものがございますが、それを経ないでこれでもいいということになつておるのでありまして、これはある程度そのことをのむための努力というものが見られる。しかもそのことが従業員の納得を受けるということになれば、従業員の各位は何も総理大臣の官邸に押しかけて行く必要もなければ、故意に行く必要もないと私は思うのであります。自分の部下から信任を受ける立場としてどういうような考えか、その点を私は聞きたいのです。
○大野説明員 電電公社のこのたびの問題につきましては、お話の通り今月の初めごろでございましたか、調停委員会の調停案が示されまして、公社といたしましても何とかしてこの調停案に沿うような解決をしたいということで、予算的にも大いに検討をされ、われわれも同様にその公社の努力の線に沿つて協力をいたして参つたのでございますが、御承知のように補正予算の決定までに満足な解決案が得られませんで、とりあえず二割ぺースを上げるという案ならば、とにかく現在の予算の範囲内で処置できるけれども、それ以上の措置はむずかしいということに相なつたわけであります。ところがお話の通り現にすわり込みなどということがあり、決してこれはそのままに放置してよい問題ではございませんので、今朝も公社の首脳部と大臣、政務次官等、熱心に何らかの解決策を見出すべく、検討を続けられて参つておる実情でございます。大臣はやむを得ない用事で旅行にでられましたけれども、その旅行中においても、さらに十分に大臣としても案を練つて、お帰りになるまでには何らかの解決点を見出したいと言つて、先ほどお出かけになつたような次第であります。
○淺沼委員 具体的な解決についてはおのずからそういうことがあろうと思うのでありますが、一体主権者の行動とそれから従業員としての行動を、どこかで調和しなければならぬはずであります。私はこのことが一番大きな課題であろうと思うのであります。すなわち主権者としておる者が従業員の立場に立つたときに、生活ができないから要求する、こういう立場にあるのだから、これは従業員の方でもいろいろ考える点があろうと思うけれども、こういう人を雇つておる立場にある官庁としては、こういう問題をどういうぐあいに処理すればよいとお考えでしようか、このことが私は一番大きな課題だろうと思うのです。
○大野説明員 たいへんむずかしい、また大きな問題でございまして、私どもとしてはどうもちよつと御答弁ができかねるようにも感ずるのでありますが、私どもは御承知のように職分はそれぞれ違つておりますけれども、上から下まですべて国家公務員といたしまして、いわば国の使用人であるわけであります。その職分はいろいろ持場持場によつて違つておりますが、ひとしく公共の福祉のために奉仕をしなければならないという最大の義務のもとに、その意味におきましては同一線上に一般の職員も管理者も立つておるというのが実情でございます。今の穏やかでない行動があるというようなことになりますと、これは実は国民全体に対してまことに申訳ない次第でありますので、何とかそういう行き過ぎのないように、最善の努力をそれぞれの持場々々によつてなさなければならぬ、かように考えておる次第であります。
○淺沼委員 国家公務員の中にも、いわゆる労務を提供することによつて国に奉仕しておる姿と、そうでなく、知識あるいは技術をもつて奉仕しておる姿と、二つある。今の次官の立場の立場は、知識をもつて国に奉仕しておる立場とも言えると私は思うのであります。奉仕しておる立場は同じだけれども、そういうような労務をもつて国に奉仕して協力している者が、矛盾のないような行動をして行くようにするのが、あなた方のような高級行政官の務めではなかろうかと私は思うのであります。それは同じ線におるのだから、やはり問題の起らないような操作というものが上級官吏の中に現われて来なければ、しよつちゆう問題は紛糾から紛糾を重ねて来ようと思うのであります。これはどこにもある最近の傾向でありまして、こういうようなたとえば官庁は天下の公器であろうと思うのであります。またそれぞれの機関も天下の公器であろうと思うのであります。それが案外そうでなく、ときにはいろいろ自己の利益のために使われるというような姿が現われて来る。そういうような姿が現われて来るのは、私は明らかに頂点におる人の政治といいますか、行政よろしきを得ないからそういうようなことになつて来るのではなかろうかと思うのであります。そうすると最近の傾向は、みんなこのケースに当てはまつて来ておるといわなければならない。自己に使われておる者から、内閣が不信任的抵抗を受けておる、こういうような形になつて現われております。これはただ従業員の生活問題として大きな課題のみでなくして、自己の使つておる同じ線上におるけれども、上級官吏というものが下級官吏に弾劾をされておる姿が、賃金問題を通じて現われておるというところに、私は大きなケースがありはしないかと思うのであります。このことはただ単に選挙を通じて出ておる院内における不信ということばかりでなくして、私はそうでなく使われておる者から不信を受けているということは、これはこれで国の能率を上げようとか、国の行政を円滑にやろうとか言つたつて、私はこれはできないことだろうと思うのであります。こういうようなことについて、どういうお考えを持つておるかということを私は伺いたいのであります。
○大野説明員 現実といたしましてはお話にありましたように、何と申しますか、同じ線上に立つておる者同士の間で一方の側か何か、職分の関係でありますが、一方の側が他方の側を不信任しているというような事実はないと考えております。
○淺沼委員 これはやはり自分の官庁において、大臣室の入口のところへ行つてみんながすわり込みをやつているという姿、さらには官庁の入口へ行つて旗を立ててデモをやつている姿、超過勤務を命令しても拒否する姿、これは明らかに不信任の態度ではありませんか。私は単なる争議の戦術として考えるには、官庁労働者にとつてはもつと深刻なものが含まれておろうと思うのであります。このことが民間産業におきまするところの労働争議でありまするならば、何も私は申し上げません。しかしそれでもあるいは自分の使つている者の不信ということになりましようけれども、それとこれとは違うと思うであります、そういう意味で私は聞いているのであります。だからこういうものに対しては、きよう大臣がおりませんからこれ以上つくのもどうかと思うのでありますが、もつと私は自分の部下が—要するにいわば議会は国民最高の権威であります。そこに官庁で働いている部下がデモをやつているという姿は、日本の国の健全な姿ではございません。しかも総理大臣の、いわば総理庁で働いております官庁従業員が、国民の一番最高権威であるといわれている国会に向つて、官庁の人が全部デモをやつて参るという姿も、これは私は官庁側が大いに反省をしなければならぬことだろうと思うのであります。私にはこのことが納得が行かないのであります。それをそそのまま放任して行く姿、従いまして予算が出たから、予算ことでこれはわれわれの審議にまかすというならば、こつちへ来ない。この人たちに納得さして、少くともわれわれの側にも責任がないとは言えませんが、要するにこの圧力が加わつて来るのは、お前たちの力が足りないから外から圧力を加えて、お前たちの力の足らぬところはわれわれ労働者、従業者の方で大いに鞭撻するということ、こういう意味のことはよくわかります。よくわかるけれども、ずつと系図をたどつて行けば、総理大臣の手元の官庁で働いている総理府の従業員である。きのうは法務省に働いている従業員各位がわれわれのところへ参りまして大いに陳情する、こういうようなことは私はもう少し真剣にお考えになるように大臣にお伝えを願い、大臣も少くともこの郵政省関係の従業員においては、他の官庁はおのずから別としても、そういうことのないようにひとつ御努力を願いたいと私は考えておるのであります。それからかりに調停案に対してわれわれが修正を加えて調停案通りこれを修正する、こうなつた場合において郵政省側といいますか、全電通側においてはそれは受ける、それは財源がないからいかぬというのか、そういうような修正があれば応ずるということになるでありましようか。これは予算委員会あるいは他の委員会等においていわばそういう希望をし、あるいは予算委員会においてはわれわれの修正案を出した場合において、それならば受けるということはできることでありましようか。今申し上げましたさしあたりということでありまして、少し考えてみればできるということになるのでありましようか。その根拠なくしてこういうものを出されたように私どもうかがえるのであります。さしあたりということの中には、言葉じりをとるわけではありませんが、少くとも資金上、財政上これ以上困難だというならば別でありますが、そうでない他の官庁との関係もあつて、さしあたりということになりますならば、本年度の財政においては余裕があるというように見受けられるのでありますが、そう見てさしつかえないのでありますか。
○大野説明員 それらの問題につきまして、先ほど申し上げましたように補正予算の審議の当時には、調停案をそのまま受諾することは困難だという事情がございましたので、御承知のようなことになつておりますけれども、なおさらに何らかの方法はないかというので、公社当局の方も非常に苦心をしておられるようでありますし、郵政大臣としてはできるものならば他に何かもう少し考えようはないかというので、再検討をしようという態度を持つておられるわけでありますので、ただいまのところでは何とも申し上げかねます。
○淺沼委員 せつかくの御奮闘を願います。
○橋本委員長 淺沼委員の御質疑については、なお大臣に聞く必要がありますれば、八日に大臣は出席するそうでありますから、さよう御承知願います。 本日はこの程度をもつて散会いたします。次回は八日午後一時から開会いたします。 午後三時三十七分散会