電気通信委員会 第4号
- 発言数
- 94 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/12/05
会議録
○橋本委員長 これより開会いたします。 この際高瀬郵政大臣より発言を求められておりますので、これを許します。高瀬郵政大臣。
○高瀬国務大臣 この際私から御報告申し上げたいことがあります。かねて当委員会の皆様から御心配をいただいておりましたブエノスアイレスにおける国際電気通信全権委員会議のその後の経過についてでありますが、昨日出先全権からの電報によりますと、管理理事会の構成員の選挙の結果、日本は得票数三十二票で、残念ながら当選することができませんでした。当省といたしましては、出先及び外務省筋とも緊密に連絡をとり、わが方に有利な結果をもたらすよう種々努力をいたしたのでありますけれども、遺憾ながらこのようなことになりました。この問題については、もとより微妙な国際情勢に支配される面も多いことは存じますが、当委員会が寄せられました御好意と御鞭撻に対しましても、はなはだ申訳ない次第でありまして、一言おわびをかねて御報告を申し上げます。 —————————————
○橋本委員長 去る三日付託になりました放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件を議題として審査に入ります。まずその趣旨の説明を求めます。高瀬郵政大臣。
○高瀬国務大臣 日本放送協会の昭和二十七年度追加事業計画、収支予算及び資金計画に対する郵政大臣の意見書につきまして御説明申し上げます。 日本放送協会の事業計画、収支予算及び資金計画につきましては、放送法第三十七条の次のような規定がございます。すなわち協会は、毎事業年度のこれら事業計画、収支予算を郵政大臣に提出し、郵政大臣はこれを検討して意見を付し、内閣を経て国会に提出し、その承認を受けなければならないことになつております。追加、変更の場合も同様手続をとることとなつております。 昭和二十七年度の同協会の事業計画、収支予算等につきましては、第十三回国会において、すでに御承認を得たのでありますが、今般同協会においては、新たにテレビジヨン事業を開始する計画を持ち、昭和二十七年度事業計画、収支予算等に対する追加事業計画、収支予算等を作成し、ただいま申し上げました放送法第三十七条の規定に基いて提出して参つた次第でございます。 今回協会から提出されました追加事業計画、収支予算等の詳細は、議案の通りでございますが、その概要について御説明申し上げますと、同協会においては、従来実施しております標準放送、いわゆる中波放送に加えて、新たに将来全国あまねくテレビジヨン放送が受信できるようにする目的をもつて、その第一着手として、昭和二十八年二月から東京において五キロワットのテレビジヨン放送業務を開始し、かつ、これを十キロワットに増力する工事を本年度内に実施し、また大阪及び名古屋において昭和二十八年度中にテレビジン放送局を設置するため、必要な調査を本年度内に実施しようとするものでありまして、収入支出におきまして、それぞれ二億九千五百六十四万円の追加を行おうとするものでございます。 収入につきましては、受信料として月額二百円を徴収するものとし、年度内収入六十四万円を見込み、ほかに二億九千五百万円の借入金を予定しております。 支出といたしましては、二億五千六百万円を建設費に充て、三千八百六十四万円を番組費、技術費、給与等に充て、かつ予備金として百万円を計上しております。 郵政省におきまして、右の追加事業計画、収支予算等を詳細に検討いたしましたところ、同協会がテレビジヨン放送事業を行うことは、放送法の趣旨にも合致し、かつわが国の放送政策上も適当なことと認められ、またこの事業計画、収支予算の個々の内容も妥当であると認めた次第でございます。 これをもちまして私の説明を終りたいと存じますが、なを詳細につきましては、御質問によりお答え申し上げたいと存じます。何とぞ御審議の上、すみやかに御承認を賜わりますようお願いいたします。 —————————————
○橋本委員長 この際お諮りいたします。本件につきまして参考人として、日本放送協会会長古垣鐵郎君並びに同理事岡部重信君より説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○橋本委員長 それではさよう決します。 —————————————
○橋本委員長 なお本件につきまして寺島隆太郎君より質疑の通告がありますので、これを許します、寺島君。
○寺島委員 郵政大臣に伺いますが、ただいま御提案に相なりました放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件につきまして、高瀬郵政大臣に二つの点について基本的な線を御説明願いたいと思います。 第一点、高瀬郵政大臣は御提案の案件の意見書の中において、しかもとうとう四行を費して明確に、電波法及び放送法はその立法の立場に立つて、民営及び日本放送協会の二者並立すべき問題であるということを御肯定になつておるのであります。さらに加えて日本放送協会に対しては、あまねく日本全国において受信出来るような放送を行うことを使命としておるものであるということを述べておる。ところが私は電気通信委員会は、終戦後七箇年間代議士をしておりますが、御縁がなかつたのでありますが、前国会以来の速記録について一々点検をして見たのであります。前国会の議論を解明してみると、実は大臣が明白に民営及び公営の二つのテレビジヨンが並立して存在すべきであるとうたつておるのでありますが、この問題に対しては国会の意見は、しかく大臣がすつきりと割切つているようには結論が、いずれの機会においても私の散見した限りにおいては出ておらないのであります。すなわち、その問題は別個といたしましても、一番問題になつておりますのは、将来におけるわがテレビジヨンのあり方だと思います。民営、公営二つの立場が掲げられており、前国会すでに解消してなくなつております電波監理委員会の終局的な結論に基きますと、とにかく相当設備を持つておるものであるならば、民営は一つには限らない。二つでも三つでも民営は許すであろう、こういう結論に相なるのでありますが、これを一つの立場からながめて見ますと、全世界的にながめて物資のきわめて豊富でありますところのアメリカ合衆国は別個といたしましても、欧州大陸の諸国家において並立しておるような国家はほとんどないのであります。これが世界の実情である。大体民営か、しからずんば公営かの一を選んでおるにもかかわらず、わが国の放送は明確に二つが並立すべきであるということを大臣はおうたいになつておられる。これはどういう立場に立つてこういうことを言うておられるかということに対しては、むしろ了解に苦しむのでありまして、これはわが国のよつて立つ経済的立場、現在置かれております経済的実情を無視して、両法律の一片の解釈によつて、かかる重大問題を包括いたして結論を見出しておるような解決であり、はなはだ言い古した言い方ではありますが、官僚の独善的な考え方の一片が、氷山の一角としてここに現われておる感もありますから、この点に対して大臣はいかなる見解、いかなる根拠に基いて、日本の現段階の国情を直視して、二つのテレビジヨンのあり方を肯定したのでありますか、大臣の意見書の冒頭四行を費して申されておりますことについて、明確にお答え願いたい。
○高瀬国務大臣 前国会で放送法が改正されまして、有料によるテレビジヨン放送ができることになつたわけであります。有料によるということは、つまり広告による民間放送とは別個の建前の放送になるわけでありますから、それが認められるということは、つまり二つの並立が認められることになつたものと私は解釈しておるわけでございます。
○寺島委員 前国会において二つの並立が認められるようになつたのだというが、前国会の状態はいかなる状態において結論づけられたのか。大臣はあるいは御存じないかもしれませんが、官僚諸君は耳の痛いほど知つておる問題である。もみにもんだあげくに、辛うじて電波監理委員会が表決する最後において、ああいう形にまで持つて来た。ところが世界各国の現状から見て、いかに大臣が法律をお考えになつておつても、アメリカがやつておるだけであつて、イギリスはやつておらない、残余の国家もやつておらない、日本だけがやるのだということをお考えになつてみても、これはいたずらに、有料の放送である日本放送協会に対して、わずか二箇月間に二億七千万円という厖大な財政的支出を求めて来る、その御態度の裏に解釈に苦しむものがある、こういう点ですが、これは押し返しはしません。いずれ詳細にわたつて御論議を承りたいのでありますが、もう一点、今日は最初でありますから承りたい。私は郵政大臣の意見書についてのみ今日は申し上げますが、郵政大臣の意見書においては、御丁寧にも「公共の福祉のため、可及的すみやかに、あまねく日本全国においてテレビジヨンの受信ができるように放送を行うことを窮極の目的として、」云々と述べております。究極の目的として二箇月間に大体二億七千万円の金をお使いになりたいと考えておられる。ところが実際に放送をわれわれがこの耳にこの目に享受いたしますのは、ほぼ来年の七月だということになりますと、二月、三月の予算は二億七千万円で済みますが、あとの四月、五月の予算は一体幾らかかるのだという問題になつて来る。一つの局あたりにわずか二箇月間に二億七千万円の大きな金を組んで、四月、五月は一体幾らかかるかわからないのだというのが、われわれがこの同意書に承認を求められても、にわかに賛成という態度に持つて参れない点でございます。そもそも日本放送協会から、昭和二十七年三月付NHKテレビジヨン放送実施計画というパンフレットを発表になつておられる。この十二ページを見てみると、昭和二十七年度に、東京、大阪、名古屋のテレビの計画をして、昭和三十一年度において佐賀県のテレビの放送網の整備を終つて、全国通計して三十二局、一千二十万の大体日本の世帯数の約半分のものが昭和三十一年度にでき上つて来るのだ。われわれは二箇月間に二億七千万円の金をとられるのだ。これだけ予算書が御丁寧にもきわめて克明にできておつて、きわめて公平なる財政支出だということを言つておられますが、こういういわゆる昭和三十一年度佐賀県に及ぶテレビ放送の最後の姿ま一でも模索いたしてみますると、おおむね一千五、六百億から二千億くらいの金が動員されなければできないのだ。一千五、六百億ないし二千億の金を昭和三十一年度までにかけて、初めてテレビ放送ができるのだ。それを財政的支出として示しておらない。そもそも財政承認を求める件については、今回は二億七千万だが、この次は幾らになるのだという理路整然たる計数的措置を講ずることなしに、本計数はきわめて妥当なものであるという大臣の御説明は甘いのではないかと私は考える。これに対してお答え願つて、もう一つだけお尋ねしてみたいと思います。
○高瀬国務大臣 予算についての御質問でありますが、今度提出いたしましたのは、今年度内の予算であります。しかし、これによつて二月から放送を開始するということになり、その後漸次普及さして行くことになるのでありますから、将来の計画ということもむろんお話の通り重要なことであります。それにつきましても、郵政省当局の方はむろんそういう点も相当検討いたしまして、そしてこういうような意見書をつけて出したような次第であります。ただいま委員長からのお話によりますと、放送協会当事者もお呼びになるそうでありますから、放送協会の方からも十分にお聞きになつていただきたいと思うのでありますが、今回提出いたしましたのは今年度内の補正予算で、それと関連した将来の問題につきましても、ただいままで郵政省の当局で放送協会の計画等を勘案いたしましたところでは、この意見書のような結論になつておる次第であります。
○寺島委員 実に理路整然たる法学者の高瀬大臣から、異な御回答を承つたと思つている。全体的計画は、あとでNHKの人が来るからそれに聞いてくれというようなことを言つておられますが、この収入についてという、あなたの書いたものかどうか、あなたの下部官僚の書いたものかとも思いますが、これにしても、明白にこの受信料収入その他の経費支出は、おおむね妥当な見積りであるということをおつしやつておられる。妥当な見積りということを大臣がこの意見書の文章において申されている以上においては、二月、三月にはこれだけの金を食うから、この次の国会ではこれだけの予算がほしいのだという関連性がなくては、そもそも二億七千万円をいくら国会だつて出せますか。高瀬大臣の頭脳的な視野に立つての明快なお考えを承りたいと思います。以上の歳出はおおむね妥当な見積りだということをおつしやつておりますが、NHKによる放送は有料である。一月二百円の受像料といいますか、それをとつてまかなう。ところが片やあなたの所管官庁においてお許しになつているもう一つのテレビジヨンの会社は、ただで見せるのだ、スポンサー付で、スポンサーが広告料によつてただで見せるのだということになると、ただで見せる方のものは見る。ラジオの場合でございますと、確かに放送法第三十二条の規定に掲げている通り、わが輩は文化放送とラジオ東京だけをエンジヨイしておつて、断じてNHKだけは聞かないのであると力説してみたところで、絶対にNHKを聞かないという反証は上つて来ない。ダイヤルをまわせばNHKの方が入つて来るから、聞いたものとして放送料は払うという理論的根拠が辛うじて苦しくとも成り立つが、テレビの方はそうは行かない。そもそもわが輩は銭をとられて二百円も出してテレビジヨンを見る気はないのだ、NHKの方だけはやめて日本テレビだけを聞くのだというような、機械を固定したような場合といえども、放送法を準用して料金を取立てることになつて来ると、勢いテレビジヨンのあるところ、われわれは日本テレビだけを聞かんと欲するけれども、全部金を払わなければならなぬことになる。いかに郵政省のお上の経営のもとでやられるとしても、妥当なものとしてお金が取立てられるものかどうか。必ず不払い問題が出て来ると思います。これがお考えになつていただきたい一つの点なのであります。 もう一つ、あなたはきわめて妥当な予算とおつしやいますけれども、私に言わせれば、日本テレビだけ聞いて事足りるのだという者が多数を占めた場合には、予算の掲げる経理は非常に不安定な内容になつて来るのです。国実構造の内部にかかる不安定性を包蔵することをそのまま放任しておいて、しかも妥当であるという考え方をしておられるのは、一体どういう根拠でこれをお考えになつておるか、ひとつ承りたい。
○高瀬国務大臣 私の解釈では、放送法等によりまして、テレビの方におきましても、この前の改正によりまして、やはりラジオと同じ取扱いができるものと解釈をいたしております。従いまして、ラジオについて放送協会のものは聞かないということでもつて別に扱つて、聴取料をとらないということが技術的にできないと同じような事実は、どうしても起らざるを得ないと考えておりまして、それはラジオについて認められると同じようにテレビジヨンについても認められるべきであろう、こういう解釈であります。
○寺島委員 テレビジヨンというものを、実際に御家庭で取扱つておらないから大臣はそういうことをおつしやる。ラジオの場合は、ダイヤルをまわしてしまえばNHKでもラジオ東京でもあらゆるものが出るから、NHKを聞いておらないという反証が上らないということで全国的にそういうことになつたが、テレビジヨンはそういうことではいかない。NHKは見ないと言つて来た場合でも、あなたは金がとれますか。近ごろの大衆はそんなに甘くない。私は集まらないというふうに考える。そういうことをよくお考え願わないと、苦しい日本の金融事情の中で、これだけの金をさいてもなかなか困難な問題だと思う。意見を申し上げるとはなはだ恐縮ですが、以上を通観いたしまして、日本の現段階、賠償支払いの能力のきわめて薄い今日において、日本のテレビジヨンというものを二つ並べて、片や民営としてやつて行く、片や公営として二つが並立してやつて行くというのは、私は絵に描いたもちのようなものであると思う。世界のいずれの国のテレビジヨン発達の歴史を見ても、民営、公営同時に競争するというような形において発達した国はありません。いずれか一方におちつかなければならない問題だろうと思う。二つあるなどとはとんでもない。第一あなたのところで二億七千万円出すというが、残念でたまらない。二億七千万円を出して何ができるのだ。東京に放送局が一つよけいにできるだけだ。しかるにほぼ同じくらいの時期に日本テレビが東京において放送を開始する。あなたはこの意見書の中に明確に、テレビジヨンは大衆のものである、一部特権階級の玩弄物ではない、大衆のテレビジヨンでなければならぬといつておるやさきに、東京という大都会だけは、故意か偶然か二つのテレビジヨンができ上る。ところがNHKの報告によつて見ましても、昭和三十一年になつてようやく全国の半ばを満たす程度の普及しかできない。大臣の考え方は、郵政大臣としての職務、事務官僚としては忠実な答弁であろうと思いますが、そういう考え方は、銭というものが太平洋のまん中からこんこんとわき出る機械でも発明されない限りにおいて、不可能な議論であろうと思います。そこで明日詳細なる点について、NHKの方々並びに各位の御意見を承りたいと思いますが、国家財政、内外の現状並びにテレビジヨン発達の現状及び日本の現状、放送法、電波法の内部に持つておる幾多の問題等を考えあわせられて、この機会に事務当局をもう一ぺん督励されて、願わくは民営か公営か、どちらでもよいとおつしやる通り、この大臣の意見書が額面通りになるような案をお考え願いたい。これだけ申し上げておきます。
○橋本委員長 第二議題について特に本日御質疑がありますれば続いて許しますが、明日より引続いて質疑を続行いたしますから御了承を願います。
○松村(光)委員 質疑はありませんが、参考資料の提出を求めます。その前に、NHKの関係者二人の参考人申請がありましたが、いずれ他の多くの諸君を参考人として申請する必要があろうと思いますので、あらためて委員会に申し上げますが、この点は留保しておきます。
○橋本委員長 今の申入れにつきましては、あらためて理事会で御相談申し上げます。
○松村(光)委員 参考資料第一、放送法、電波法の提出を願う。第二に昭和二十七年度NHKの予算の内容、第三にテレビに関する詳細なる計画の全貌を御提出願いたい。NHKの人が来ての口頭説明ではいかぬから、口頭説明の前に、あらかじめわれわれが十分読んでおけるように、今日までに幾ら使つたか、今後どういう計画であるかということを年度割にお願いしたい。第四、電波監理委員会の審理の経過並びに結果、これは書類があるはずでありますから、その書類、第五、電波監理審議会は、この予算を提出するにあたつてどういうことをやられたか、その審査の経過並びに結果を明細に御提出願いたい。第六、今寺島君が言われたが、前議会当時われわれは議員でないから速記録はありません。そこで前議会の放送法案審議の速記録を御提出願いたい。これは前の議会がやつたことについてもう一ぺ審査を必要としますので、それをお願いする。第七、東京、大阪、名古屋におきましてテレビジヨンを出願しておる会社、あるいはその内容を全面的に参考資料として提出願いたい。
○橋本委員長 ただいまの松村委員の資料要求につきましては、本委員会においてそれを要求するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○橋本委員長 御異議なしと認めますから、さよう決します。
○寺島委員 松村君の資料要求について動議を出したいと思います。私ども前国会まで国会議員ではありましても、電気通信委員会にはなじみの薄かつた者も多くあるだろうと思いますし、突如としてこういうガリ版一枚で、氷山の一角だけを見たようなことで大きな問題を審議するということは、国会議員の良識にかんがみていかがかと思いますので、松村君要求の資料の提出が完全にそろつた後に、初めて審議を開始したいという動議を提出いたしますから、採決を願いたいと思います。
○松井委員 ただいまの動議に私は決して反対するわけではありません。資料がそろつてから審議するということはけつこうでございます。この点は委員長にもお伺いするのですが、従来の電通委員会の扱い方は、ほかの委員会でもそうでありまするが、次の委員会で大体どのようなものを議題にして、どのような形で審議をするかということは、理事会の決定をまつているわけであります。この理事会の決定と、出された動議とが食い違つた場合には、委員会の運営に困難が来るのではないか。理事会の考え方が全員に認められれば理事会の決定通りに運営するがよろしいし、さうに動議のごとき審議をやろうということならそれもけつこうでありますけれども、理事会の決定に従つて運営の方法がきまるのでありますから、理事会の決定はどのような決定か、ひとつお聞かせを願いたい。
○橋本委員長 ただいま松井委員からの御質疑でありますからお答えいたします。本日の理事会におきまして、ただいま議題になりました議案の審議に移ると同時に、明日NHKの会長古垣鉄郎君並び岡部理事を呼んで、この補正予算提出に関する内容について、あるいはそれに関連する一般のことについて質疑を続行し、同問題は重要問題でありますから、引続き委員会を持つて慎重審議に当る、こういう方針を理事会で決定しております。従つて先ほどの松村委員の資料要求につきましては、当局はこれを承知いたしましたからして、大体明日には、完全ではありませんでも、大部分の資料の提供ができると思いますから、明日も引続いて当委員会を開催して審議に当りたいと考えております。
○松井委員 動議の採決ということになりますれば、私は異議をはさむものではありませんけれども、それならば定数をそろえて採決していただきたい、これは国会運営の基本的な建前であります。
○橋本委員長 寺島君の言われたこともそう強い意味じやないと思いますから、従つてできるだけ資料をそろえて明日から審議に移りたいと思います。
○松村(光)委員 今の委員長のお話で異議はありませんが、せつかくNHKから来てやられるのですから、二度も同じような説明を聴取しないように、明日の説明の始まる前に一応目を通せるように提出を願いたいと思います。 —————————————
○橋本委員長 それでは前回の委員会に引続いて、電気通信事業についての調査並びに電波監理についての調査を進めます。これについて質疑の通告がありますからこれを許します。松前重義君。
○松前委員 この前郵政大臣に御質問を申し上げ、いろいろお答えもございましたけれども、はつきりしない点もたくさんございました。私の質問しようと思つておりますことの一部といたしまして、まずテレビジヨンの電波の割当の可能なる範囲はどのくらいでありましようか、この点をちよつと伺いたいと思います。
○長谷政府委員 ただいまの御質問に対して大臣にかわつて御答弁申し上げます。テレビジヨンに対します電波は、御案内のごとく超短波よりもう少し波長の短かい、私たちはこれを四百メガ単位と称しておりますが、その範囲と、超短波の百メガ単位のところと、大体二箇所のところで東亜の地区では使える形になつております。もつともマイクロ・ウエーヴの入るところには将来超短波のために開拓し得る余地もありますが、現在の技術におきましては超短波帯だけが実用化されておる状態であります。アメリカにおきましては御案内のごとく最近四百メガ単位のところの実用化を目ざしまして新しい局が認可になつておりますが、まだ実施を見ていないような状況であります。従つて日本といたしましては超短波帯のところ、いわゆる百メガ単位と百七十メガのところと二つにわかれておりますが、その範囲のところが実用化が可能という状態であります。その範囲におきまして現在全部のところをテレビジヨンに充てますと、大体六つのチャンネルができることになつておりますが、占領当時から駐留軍が引続きニチヤンネル分のところをまだ使用しておりますので、当分は、残りの四チャンネルしか使えないというような形であります。もつとも駐留軍の方では行政協定の線に沿いまして、できるだけ早くニチヤンネル分をあけるべく手配を進めておるようでありますが、いつそのニチヤンネル分が日本側にもどるか、まだ確定はいたしておりませんが、そういうような状態でございます。なお御質問の点は、日本でど のくらいテレビジヨンの許可が出ることになりますか、チャンネルを有効に活用した場合にどのようになるかという御質問だと存ずるのでありますが、かりに四チャンネルを全国にできるだけ一様にばらまいて、全国の国民があまねくテレビジヨンを享受できることを目標として考えてみますと、過般審議会に大臣から諮問をなされ、審議会では各方面の方々の御意見を聞いて答申されたのでありますが、東京、大阪、名古屋などを幾つずつに分配するかということによりまして、具体的な計画もかわつて参りますので、その地域のチャンネル割当計画を御諮問になつて御答申があつたわけであります。これが決定を見ましたならば、全国的なチャンネル計画を決定すべく目下準備を進めております。大体の見当を申し上げますならば、四チャンネルを全部全国に割当てますならば、その一つ一つの局の電力等にもよりまして、一概には申し上げかねますが、日本全国の世帯の大体六〇%から七〇%はカバーされる形になると存じております。先ほど申し上げましたように、できるだけ近い機会に駐留軍が使用して、いる分も返還になるならば、もちろんそのパーセンテージはさらに向上されるものと存じております。
○松前委員 駐留軍のニチヤンネルが返つた場合においては六チャンネルがテレビジヨンのために用意し得るというお話だと承るのでありますが、しからばたとえば東京なら東京でテレビジヨンの放送の申請がありましたときに、六つの放送局にこれを許可することができる。技術的な立場から見ますならば六つだけは許可し得る、こういうような意味に解釈してもさしつかえありませんか。
○長谷政府委員 私から答弁させていただきます。チャンネルは六つあることになるわけでございますが、二つのものが返還された場合を条件といたしまして六つあることになるのでございます。そのうち三つずつ一緒に隣接いたしておりまして、言葉をかえて申し上げますと、二つのグループになつておりまして、三つが一緒に並び、またほかの三つが並んでいる状態になつておりますが、この隣接のチャンネルは、同一地域あるいは電波の伝播上影響のある近くと申しましようか、一概には距離だけでは申し上げかねますが、同一地域あるいは隣接の地域には割当ができないのでございます。これは混信問題が起りますので、できない形になります。平易な言葉で申し上げて恐縮でございますが、ちようど一つおきならば置けるという形になります。従いまして東京の場合を例にとつて考えますと、最大限四つまではできるような勘定になるかと思います。
○松前委員 四つまで技術的には可能であるといたしますときに、たとえばただいま御質問がありましたように、日本テレビ放送網と申しますか、あの会社に先般突然お許しになつたあの波長と、今度の、ここに予算が出ております放送協会の波長というものは、どういうことになつておりますか。
○長谷政府委員 ただいまの御質問に対しまして、私から答弁させていただきます。先ほどテレビジヨンのチャンネルが二つのグループにわかれているということを申し上げましたが、一つのグループは、先ほどもちよつと申し上げましたように大体百メガ近所のところに三つ並んでおります。そのうち二つだけを現在駐留軍の方で使用いたしておりますので、そのうちの一つだけが占領期間中も日本側のテレビジヨンの実験用として使用しておりました。それを現在でも、日本放送協会が実験あるいは実用化試験の目的で使つております。そのほかに約百七十から約三チヤンネル分ございます。過般予備免許になりました日本テレビジヨン放送網株式会社には、その百七十の方の一波が割当てられました。その間は相当間隔がある状態であります。
○松前委員 放送協会は今伺わなかつたようですが……。
○長谷政府委員 ただいま実験に使い、実用化試験局として百メガのところを使つておるのでございます。おそらく日本放送協会が、本業務としての免許を得られる場合に、電波の指定が郵政大臣から行われるわけでございますが、その場合は、現在使われておるものそのものが本業務用として指定されるのではないかと思つております。
○松前委員 電波の割当の問題につきましては大体わかりましたが、テレビジヨンの将来は、御承知のように色づきのテレビジヨンに移行する傾向が世界的であるようであります。このカラー・テレビジヨンに移行する場合におきましては、どちらの周波数が妥当とお考えになりますか。そうして私どもがこの点で一番考えなければならない問題は、米国のような国は、とかくある期間だけは同一の規格をもつて、同じ方式をもつてやつて参るのでございまするが、ある期間を過ぎて次の技術的な段階に躍進いたして参りまするときに、一挙にその方式をとりかえる。すなわち新しい方式に切りかえる。そして過去のものを放棄するというようなやり方をいたしております。従つて一定の期間だけは、多少技術は進歩しておつても、がまんして古いものを使つておる。アメリカのあらゆる工業の行き方、アメリカのみならずドイツや英国等の工業の行き方においても、このようなやり方をしておると私どもは考えるのであります。テレビジヨンの場合におきましては、もしも色づきのテレビジヨンに日本が、世界が、あるいはアメリカが移行せんといたしておる現状にあるのかどうか。あるとするならば白黒のテレビジヨンについて今後まだくアメリカがこれを持続して行くか、もしくはこれを廃棄するか、日本としてはそれらの世界の動きの中にどういう立場をとつて、この許可をなさるつもりであるのか、この点をお伺いしたい。
○長谷政府委員 恐縮でございますが、私から御答弁させていただきます。御質問なりいろいろお話になりましたことは、私どものかねがね重視いたしておる点でございます。御案内のようにテレビジヨンが、現在アメリカでも欧米でも実施されておりますのは白黒だけではございますが、各国とも天然色のテレビジヨンにつきましては非常な力を入れて、研究をなさつておると思うのでございます。もつともいろいろな事象ら、その実施はまだ行われておりませんけれども、絶えず研究によりまして日進月歩をいたしておる状態でございます。従いましてテレビジヨンの研究、あるいは実施面におきましてもつとも進歩しておりますアメリカでさえも、まだその標準方式についても最後的な決定が見られていない。もつとも過般FCC、アメリカの連邦通信委員会におきまして、天然色テレビジヨンの方式の一応の決定を見ましたけれども、これは万人の納得するところにはまだ至つておらないように伺つております。従いましてまだ研究の途上だと考えていいのだと思うのでございます。やはり白黒よりは天然色へというあこがれもございますので、早晩ある時期にはこの実施を見るだろうと思うのでございますが、ただいまお話もございましたような道程をおそらくたどるのではなかろうかと思つております。 〔委員長退席、本間委員長代理着席〕 この点につきましてわれわれといたしましても、日本テレビジヨンの実施あるいはテレビジヨン工業の発達ということは、単にテレビジヨンだけでなしに、あらゆる電子工学面あるいは電気通信の広い技術面の進歩に非常に影響がございますので、慎重にかつ完璧な対策をできるならばして行きたい、努力をして行きたいと存じまして、関係各省あるいは各協会の方々とも御連絡、御協力を努めて行きたいと存じております。なおこの際御参考に申し上げますが、私どもといたしましても、私どもが直接あるいは間接的に将来のテレビジヨンの技術の発達に対しまして力を尽したいという観点から、みずからあるいは研究委託とようようなことでも、カラー・テレビジヨンにつきまして来年度以降力を尽したいということで予算の要求等もいたしておりますけれども、まだその結論を申し上げるまでに至つておりません。御趣旨の点等についても努力いたしたいと存じておりますが、御案内のように日本の技術は、遺憾ながらこの方面におきましてもいわゆる立遅れになつております。また経済面におきましてもいろいろな難点がございますので、諸先生方の御援助なり御指導によりまして、この問題の解決もはかりたいと思つておる次第でございます。
○松前委員 ただいま私が質問いたしましたことで、お答えのないところがあります。それはもしもお許しになるとするならば、放送協会にお許しになる波長がカラー・テレビジヨンに移行しやすいのか、あるいは過般の日本テレビ放送網株式会社に対する波長の方がやりやすいのか、この点について。
○長谷政府委員 お答えを漏らしましてたいへん失礼いたしました。ただいまの御質問の点は、先ほども御答弁申し上げましたように放送協会が現在使つておりますのが百メガで、日本テレビ放送網株式会社に指定になりましたのが百七十メガサイクルのバンドでございますが、これはいずれも幅が六メガサイクルずつになつております。御質問の点は、カラーのテレビジヨンではそのバンド幅等につきましても相当問題があるので、バンド幅の点を電波の周波数そのもの等から考えて、どちらがカラーに有利であるかという御趣旨であると思うのでございますが、ただいまのところだは両者の間に、その点について考えますれば、そう大きな違いはございません。しかもバンド幅は同じくいずれも六メガサイクルになつておりますので、ほとんどかわらない状態だと考えております。もつとも細部の点に参りますと、百メガと百七十メガにつきましては長短両方ございます。いろいろな点で片方に長所の点は片方の短所、あるいは逆の点がございますけれども、カラー・テレビジヨンについての観点から見ますならば、ほとんど大差はないと考えております。
○松前委員 大体のところわかりました。こういうものを許可しまするときに一番重要な問題は、日本の製造工業の発達の将来を裏づけする基礎の上に立つて許可する必要があると思うのであります。その工業の将来を考えますときには、今までわが国が最も怠つておつたものの一つといたしまして、少くとも規格の統一、すなわち日本は外国からあれを購入する、これを購入するといつて部品を集めてつくつておる、あらゆる工業がそういうふうな外国の多岐多様なものをいろいろ入れてでき上つておるのであります。わが国の貿易を伸ばすのだとか、あるいは貿易によつて日本の国を立てるのだとか、品はばつたいことをいろいろな人が言つておりますけれども、その基礎である製造工業のあり方はまつたく支離滅裂でありまして、そこに技術的な、科学的な基礎の方策がないというために多岐多様の姿をとり、そのために海外への輸出もはばまれておる、技術の向上もできないというのが、今日までの状態であるのであります。われわれもその点について、技術屋の一人として出て参りました者としては、使命を感じておるものであります。この意味においてただいまのテレビジヨンの問題にいたしましても、将来の発展を、ただ日本の津々浦々まで何とか日本のもので、あるいは外国のものでやられるかもしれませんが、日本のものでやりたいという野望は少くともだれもが持つだろうと思うのであります。これらに対する規格の立場から見た統一、あるいは日本の品物で一体間に会うのか間に会わないのか、間に会うとすればどういう規格でおやりになるのか、その辺まで指定して許可を下されるのか、またその辺までやらなければ、日本の工業というものは決して基礎づけられるものではない。そこまで政府は少くとも根をおろして行かなけれぱならぬ、このように私は考えておりまするが、その辺のところはいかがでございましようか。
○高瀬国務大臣 ただいまお話になりました御趣旨は、私もまつたく同感であります。現在までどんなふうになつておりますか、局長から御説明申し上げます。
○長谷政府委員 ただいまの御質問点につきまして、私どもの承知いたしておりますところを申し上げたいと思います。と申しますのは、ただいまお話の点は通産行政とも密接な関連がございますので、直接郵政省に関係することばかりでもございませんので、通産省の当局者と御連絡の上、今お話のような線に向いまして微力を尽したいと思いますが、御指摘のようにたくさん問題が残つております。私どもの今後打開すべき最も重要な諸点を御指摘になつたように拝聴いたしておるのでございますが、その中で特にお話になりました規格統一の問題でございます。テレビジヨンにつきましては、御案内のようにあまねく日本国中でできるだけ早くこの恩恵に浴するためには、よい品物が安くできなければならない。当然のことでございますが、そのためには多量生産、従つて規格ということが当然出て参りますので、この点過般来関係者でいろいろな形の委員会あるいは研究会井等を設けまして、いろいろ対策を練つておりますが、端的に申し上げまして、まだ具体的に結論を申し上げる段階に至つておりませんが、関係者はいずれも痛感いたしている点でありますので、早晩よい結果が出るものと実は期待をしている次第であります。 なお輸入問題と国内生産等の振興という点につきましても、通産省の当局者の方々も非常に慎重に考えられ、適切な施策を考えられているように承知いたしております。 なお標準方式でございますが、これは過般特に日本におきまして東日本と西日本とで電力サイクルが違つている点等からいたしましても、非常に大きな問題でございます。先ほどお話になりましたカラー・テレビジヨンの標準方式等につきましては、今後のわれわれの課題だと存じておりまして、これらと部品の規格との結びつきを十分に考えて行きまして、御指摘の点につきましては御趣旨に沿うような努力をいたしたいと存じております。先ほど申し上げましたように幾多困難の点がございますので、微力の点はよろしく御指導、御援助を願いたいと存じております。
○松前委員 私ばかり質問申し上げるのもどうかと思うのでありまするけれどのも、一言お尋ねいたします。規格の問題でただいまお答えがございましたが、何だか通産省に大分げたが預けられたようでありまして、これは少くとも通産省ではテレビジヨンの専門家はだれもおいでになりませんから、郵政省の電波監理局で確信のある結論をお持ちになつていらつしやらなければ、この問題はきまらぬ問題だと思うのであります。御許可になる前には、少くともこれらの目安あるいはある程度の指導性を持つてかからなければいかぬのじやないか、またそうしなければ乱雑な機械が濫売されまして、悪いものが高く売られたり、民間の人はそれをつかませられたりして、非常な混乱がこの放送の許可と同時に起るものであると思うのであります。この点についてはとくと御注意いただきたいと思います。 もう一つは研究機関の問題でありますが、通信関係、ことに電波あるいは電子工学の研究は、従来わが国でも非常に重要視されて参つたのでありますけれども、戦後において研究機関は非常な圧迫を受けております。予算の面からいつても、予算を減らすときにはまずもつて研究の予算を減らすというようなことで減らされて来ておるのであります。ドイツなどでは、敗戦復興のときにはむしろまず研究費を増額し、その研究によつて工業を盛んにしている。これが日本は逆でありますから、今日貧弱な状態をさらしていると思うのでありますが、少くともこのテレビジヨンの新しいサイエンス、新しい工業、すなわち通信にも関係があるし、あらゆる原子物理学、電子工学にも関係のある基礎的なものでございますので、この研究機関を拡充し、全面的にこれを動員して行くことによつて、今後の規格その他を統一し、アメリカから一々真空管やブラウン管を輸入しなくてもいいようにしなければ、日本の国際収支はテレビジヨンをやつたためにめちやくちやに悪くなるということが考えられると思うのであります。かつてわが国が震災の折に自動交換機を入れましたとき、日本の円の相場がちよつと安くなりました。そのようにしてあくまでもRCAのブラウン管あるいは真空管を使わなければならぬどいうようなことを今後持続して行きますならば、日本はいくらかせいでもかせいでもアメリカにみつぐだけであります。この問題は研究機関と同時に非常に重要な課題でありまして、ここに基礎を置かなければ日本の工業は成り立たないばがりでなく、ことにこのテレビジヨンを契機として外国のまねをする場合におきましては、国際収支に非常に影響すると思うのであります。この点につきまして、電信電話公社にも研究所がありますし、あるいはまた電波研究所もお持ちになつているし、放送協会にもございますが、これらの研究機関で十分であるとお思いになつておられるのでありまするか、それとも現在こういう放送協会の予算だけをお出しになりまして、これを承認しさえすればこれでけつこうであるというふうなお気持でありまするか、もつと積極的に、日本の重大問題のきつかけであるこういう問題に対して、基礎的な研究機関を通じ熱意を持つて解決して行こうと思つておられるのでありまするか、その点をお伺いいたしたいと思います。
○高瀬国務大臣 電波に関する研究機関の充実促進という点につきましては、私自身も、技術関係にはしろうとでありますけれども、学者の一人といたしましてはぜひともやらなければならない問題だと考えております。従いまして国の財政の許す範囲において、予寡の上でもできるだけその方面は努力して参りたいというつもりであります。
○松前委員 簡単なお答えでちよつと満足が行かないのでありまするけれども、とにかくこの問題は具体的に予算の上においてお答えを願いたいと思うのでございます。 なお放送協会関係の予算その他に関する問題についての私の質問は、あとに譲ることにいたします。
○松村(光)委員 今松前君の聞かれたことに関連して二つ伺いたい。その第一点は、百七十のチャンネルが三つある、一つは大体放送網に専用するという御説明である。あと二つのチャンネルは、実際上の許可は別として、使用し得る十分の可能性ありということに解釈してよろしいかどうかということです。
○長谷政府委員 電波の面からだけ考えまして、東京地区で技術的に幾つ置けるかということは、先ほどちよつと申し上げましたように郵政大臣から電波監理審議会に諮問になり、各方面の御意見を聞いた上で、審議会の方が原案を妥当として答申されておりますが、それによりますと、東京では合計三つということになつております。
○松村(光)委員 先ほどは四つと言われたが、あと一つは留保して必要があれば使用する余地があるという意味でありますか、絶対にやらないという意味でありますか。
○長谷政府委員 その点は先ほども申し上げましたが、同じ場所あるいは近所に置きますと電波は混信を起しますから、平たい言葉で恐紳ですが、一つおきのように割当でなければいけないのであります。従つて現在四つあるがごとく見えますが、技術的に言つて東京には三つだけしか可能でないのであります。もう一つは、割当てようと思つても混信妨害が起りまして不可能でございます。
○松村(光)委員 二つはほぼ予定されているが、あと一つを許可し得る可能性ありやということを伺いたい。
○長谷政府委員 一つ可能性が出て来ているわけであります。
○松村(光)委員 東京グループはわかつたが、大阪グループは幾つチャンネルがありますか。
○長谷政府委員 二つでございます。
○原(茂)委員 放送協会の予算の問題につきましては、次会の審議に譲ることに理事会でもきめておりますので、この点はさておきまして、かつてわが国に鉄道が敷かれましたとき、もつと古くは徳川末期に種子島とかなんとかいう鉄砲が入つて参りましたが、ずつとあとになりまして私どもは一ぱい食わされたことがわかつた。諸外国においてはすでに古くなつて、スクラップにひとしいものになつたので、そのはけ品を日本に求めたということは、賢明な郵政大臣あるいは政府委員の方は御存じだと思います。これに関連しまして、今回のテレビジヨンの六メガ、七メガの問題でありますが、今うわさされておりますような六メガに決定されました。このテレビジヨンが認可されて今後普及したとしますと、またいつのときか一ぱい食わされたという感じを受けるようなことがないものだろうか、こういう見通しを郵政大臣から伺いたい。
○長谷政府委員 ただいま御質問の点に、大臣にかわりまして御答弁申し上げます。テレビジヨンのチャンネルにつきまして、今御指摘になりましたように、六メガにすべきか七メガにすべきかいう議論が関係者の間に出まして、いろいろ議論されたのでございます。その点は六メガ、七メガということだけが実は表に出ておりますけれども、本来はテレビジヨンの画の質ということから出発して参つたのでございます。画の質は御案内と思いますが、走査線と申しまして、一枚のテレビジヨンの画を出すのに五百何十何本、あるいは六百二十何本にいうぐあいに線に細分いたしまして、その線をもつて画面を送り、あるいは再現しているのでありますが、その線の数、それから一秒間に送ります画の数、そういうものから電波の幅、六メガとか七メガというものが出て来るのでございます。大体日本では今申し上げましたように、走査線の数と一秒間の画の数等から考えまして、標準方式といたしましては五百二十五本の走査線で、画の数が一秒間に三十枚、こういう標準を立ててあるのでございます。それから画の精密度等から計算いたしまして、六メガが必要にして十分な幅であるということが大体出て参つておりますし、またほかの今まで実在しております例から申しましても、五百二十五本の走査線と画の数を三十枚とした場合は、大体六メガで十分であるということになつておりますので、そういうことにいたしたわけでございます。ところが七メガ論が出て参りましたのは、将来白黒から天然色にする場合に、六メガではきゆうくつである。アメリカあたりでは六メガでけつこう天然色をやつております。技術の進歩したところでは六メガでやつておりますが、たやすくやるためには広げておいた方がたやすい。こういうことから七メガ論が出て参りました。将来たやすく天然色にかわるには余地を広げておいた方がよろしい、こうした議論でありまして、必ずしも技術が七メガの方が進歩しておつて、六メガの方が遅れているのだということではないのでありまして、そういう点からいろいろ議論がありましたが、なるほど七メガの方がいいということも言い得るのでありまして、一メガだけ電波の面で犠牲を払つた効果が、はたして画の上にそれだけの効果が現実に現われて来るかどうかということ、これはどこでも実施された例がございませんので、その点もはつきりいたしておりませんし、犠牲と申し上げては恐縮でありますが、貴重な電波を広げて使つた効果が如実に現われて来るかどうかということがはつきりいたしておらない等のこともありまして、諸外国の実在にならつて六メガというものが採用されたいきさつになつております。
○阿部(五)委員 私は電話のことについてお伺いしたいと思いますが、過日大臣の所管事項の御説明において、現在重要なる懸案として残つているのは、第一に電波の獲得、第二にテレビの免許の問題、第三には電話施設の整備拡充であるというような御説明あつたのでありますが、その中でもこの電話については民衆が最も期待しているところでございます。ところがこの電話の施設を拡充いたしますについては、もちろん独立採算の公社自身の内部の利益金をもつて増すこともできないことは申すまでもありません。当然外部から相当巨額の融資がなければならぬと思います。それにつきまして過般の本会議における大蔵大臣の御演説によりますと、政府は長い間超均衡財政をとつておつたので、政府資金も相当潤沢になつているから、これからはこれを産業界に放出して、国民経済の振興をはかるというような御方針も承つておつたのであります。ところが今回の補正予算につきまして、この通信事業関係方面におきましてはそれが少しも出されておらない。財政資金のみならず、預金部の資金もまた保険の資金も少しも出ておらない。見返り資金ももとより出ていない。わずかに二十億円の公社債が認められておりますけれども、そのほかの財政的な融資が行われておらないのであります。こういう状態ではとうてい急速に電話施設の整備拡充をはかることはできないと思われるのであります。そこでどういうわけでこの重要なる通信関係方面に、それらの資金を出すことができなかつたか。それからまた二十億円出ておりますところの公社債につきましては、公社の側でおつしやられるところによると、電話を新たに利用する人々で持つてもらう、そういう方面で消化をするというお話でありましたが、受益者負担というような原則があり、まことに適当であつて、そのためにインフレが起るというようなおそれの最も少い方法であろうかと思うのでありますが、それがわずか二十億に限られて、それが三十億、四十億となし得ない、またなさなかつたという理由がどこにあるのでありますか、あわせて来年度においては大幅に飛躍的電話施設の拡充をはかる御準備があるかどうか、これらの点を御説明願いたいと思います。
○高瀬国務大臣 お話のございました通り、電話施設の拡充整備は非常に大切なことでありますので、この建設資金をできるだけ獲得したいと考えております。それで資金源といたしましては、運用部資金からの借入金が第一に考えられる点でありまして、補正予算でもできるならば、それからも相当の程度を借り入れるということにいたしたいと考えたのでありますが、運用部資金の運営計画等の点から申しまして、それが非常に困難な状況にあります。もう一つの資金源といたしましては、お話のありましたような電話債券の発行ということでありまして、この方でできるだけ資金を求めて整備を進めたいと考えたわけであります。二十億ということに追加予算がなつておりますが、この程度ならば三月までに多分消化できるだろうと考えたわけであります。あまり大きな金額を期待いたしましても、一月から三月までの間に消化しなくてはならない問題でありますから、そう大きくはやはりできないことであります。二十億か三十億というような見当でありましたが、二十億ということでこれからその債券の発行についての、いろいろな具体的な条件を決定いたしまして、至急一月からはこれに着手して、本年度内の建設に間に合うようにしたいと考えておるわけであります。来年度予算につきましては、もとより郵政省の希望といたしましては、運用部資金からできるだけ多額の惜入れもしたいし、また償還能力を考えた上での債券発行額というものもできるだけ多くしたいという考えで、ただいま大蔵省方面とも折衝をしておる段階でございます。
○阿部(五)委員 お話はわかりましたが、電話についてはほかの電信などと違つて、相当利益の上るものという御説明を過日承つたのでありますが、これを急速に拡充いたしましたならば、その利益によつて公社の経理もよくなつて、従業員の給与につきましても、調停案に近づくというような方向に向うのでありますから、どうぞ来年度におきましては、ぜひとも飛躍的拡充をはかるように希望いたしたいのであります。本年度のごときは、公社内部において、公社みずから公社債を売つて、それでまかなうというだけで外部からの援助が少しもないと言つてもさしつかえない状態であります。こういう状態ではとうてい急速なる拡充などは期待できないと思いますから、御考慮願いたい。 もう一つ別のことでございますが、放送局の関係であります。聞くところによりますと、占領軍の支配下におきましては、放送は大放送局を中心として、その大放送局の電波の及ぶ範囲内にあるところの小さな放送局は、とりやめるというような御方針であつたということでありました。それは企業そのものの合理化という方面から申しますならば、一応道理もあろうかと思いますけれども、地方々々には、それぞれ独自の文化がありまして、それを無視して、大きな放送局で中央文化だけを地方に流すということはどうかと思われる点もあるのであります。ことにそういうことになりますと、いわば文化の交流を欠いて、中央集権的な文化を地方に押しつけて行く形にも相なりますので、地方々々にそれぞれ放送局を生かして行つて、ローカル・カラーを濃厚に織り込んで行くということも大いに意義があろうかと思いますが、それについて大臣におかれては、どういう御方針を持つておられるのでありましようか。現在聞くところによると、電波法に基く放送局の設置の根本基準という規則が定められておつて、それによると、現在存在する放送局の中でも、九州から言いますと、小倉とか、佐賀とか、四国では高松、徳島、近畿で京都というようなところが、その規則をそのまま厳格に遵守いたしますれば、廃止することになるのではないかというようなことも聞くのでありまするが、それに対して、私の申し上げるように、地方色を放送に織り込むという方針をとりましたならば、当然この電波監理委員会規則を改正しなければならぬことに相なるかと思うのでありますが、改正をなさいます御意思がございましようかどうか、これを伺いたいと思います。
○高瀬国務大臣 御承知のように地方の民間放送局等は、最近でも漸次許可しておるような状態であります。ただいまお話のありました規則の点、それと関連する技術の点等は、いろいろ御説明申し上げることが必要かと思いますので、それは局上長から申し上げたいと思います。
○長谷政府委員 ただいま御質問がございました放送局の問題でございますが、大電力をつくつた場合には小電力をやめて行くというような考えは別にございません。もつともお話の中にもございましたように、経営の面から申し上げれば、小電力をたくさんつくるよりは、大電力少数の方が有利でございますが、お話のごとくローカル・カラーというものをできるだけ出して行つて、地方自治体の御活用という点も考えるならば、電波の許す限り小電力も置いて行くというのが実際だろうと思います。そういうことで進めて来られておりますが、御指摘の電波法の第七条にうたつております根本基準、それは無線局、放送局等も入れまして新しくつくろうとするときの根本基準でございますが、これは聴聞会等も開きまして、関係者の意見を審理官が十分に聴取しまして、公平な観点からきめられた規定でございます。それは同じ地域、あるいは大部分を同一にいたしまして二つの放送局がある場合、例にあげられた場合等がそれに当るかと存じますが、そういう場合に、その内容のプログラムが三分の一以上同じである場合にはそういうものは置けないということで、お話のございましたようにローカル・カラーを十二分にお出しになりまして、独特のプログラムを組まれる限りにおいては、そういう問題は起らないのでございますが、電波の貴重な場合に、まつたくあるいはほとんど同じプログラムのものが二重に聞けるようではならない、こういう観点からできておる規定でございます。その点御了承願いたいと思います。
○阿部(五)委員 大体わかりましたが、結論として、現在存在する放送局をおやめになるということはあるのかないのか、この点私しろうとでよくわかりかねるので、はつきりおつしやつていただきたい。
○長谷政府委員 その点についてお答え申し上げます。これは電波法の定めるところによりまして、放送局ばかりでなしに、すべて年限を切られて免許がございます。社会のいろいろな事情もわかつて参ることでございますので、生命の安全とか、そういうことのために、義務的な観点から設けておる無線局は別でございますが、それ以外は、最大限五年ですべて免許が切れます。放送局の場合は、それが日本放送協会の放送局であろうが、民間放送局であろうが、すべて三年ごとに一斉に免許が切れまして、更新されることになります。ちようど来年の五月末はその更新期にぶつかりますので、その際にお話のような点が問題になつて来るのではないかと思いますが、御趣旨のような点もございますので、私どもも関係者とも御連絡の上でいろいろ研究をいたしておりますが、まだ結論は出ていない状態であります。
○阿部(五)委員 それでは電波監理委員会規則の放送局の開設の根本基準というのは、改められる御意思はないのでございましようか。
○高瀬国務大臣 ただいま局長から御説明申し上げましたようなわけでありまして、そういう規則についても、むろん検討を要するということで研究はいたしておりますが、ただいまのところ、すぐこれをかえるということは考えておりません。検討の上、必要があつたからえたい、こういう考えでおります。
○阿部(五)委員 わかりました。ほかのことに相なりますが、過日大臣の御説明によると、民間ラジオ放送はなかなか成績がよろしいというようなことを承つたのであります。最初民間放送会社ができまする時分は、各地ともその事業の前途に若干の不安があつたようでありまして、なかなか株の募集が思わしくなかつた関係上、その株の募集のために、地方自治体に対して、府県とか、あるいは市町村のごときものに対して株式の応募を勧誘して、相当多額の株式を持つておるというのが実情であると聞いておるのであります。地方自治団体は御存じの通りに、最近財政状態がはないはだ悪いのであつて、平衡交付金の額が中央政界の重大問題になるくらいの状態にありますが、そういう状態のもとに、自治体としての本来の事業でない、こういうものの株式を相当持つておるということは、あまり好ましくないものと思うのでありますが、幸いにして民間放送会社がそれぞれ相当よい成績を上げるということになつて参りますると、すでに持つている地方自治団体のこれらの民間放送会社の株式を何とか肩がわりでもさすとか、あるいは新規にはそれは持たないような方針にさすとか、何とかそういうふうな御処理をおとりになる考えはございませんか、その点を承りたい。
○高瀬国務大臣 ただいまのお話のような点は私もよくわかるのでありますが、建前といたしまして、郵政省がこれを積極的にあつせんをして、そういうことをするということはできないことではないかと思います。しかし放送会社の成績が非常によくなれば、株式の引受は割合簡単にだれでも希望するようになるわけでありますから、地方団体当局の考えによりまして、それをやろうと思えば容易にできるということになりますから、お説のような方向へ進むことはけつこうなことではないかと思つております。
○阿部(五)委員 はなはだ楽観した予測をなさつておられるようでありますけれども、元来言論機関というものは、それぞれ自治団体で選挙に出て来ておる議員とか、あるいは首長とかいうものは、相当発言力の強いものでありますから、そう簡単には、成績が少しいいからというて解消される問題ではないと思うのでありますが、なおこれは法的にいつて権力的に郵政省からなすべきことではないのはお説の通りであろうと思いますが、何らかの御処置をお考えいただきたいという希望を申し述べておきます。 それからまた大臣におかれては、公共企業体等労働関係法を尊重する考えであるというお話でございましたが、これはもちろん原則的には当然のことでありまして、法律を尊重するのはもとよりのことであると思いますけれども、私がお尋ね申し上げましたのは、今回の特定の問題といたしまして、今回の調停案ができましたのは、労働組合側の申請は九月であつた。そしてそれ以後調停の手続が進められておつて、そうして調停案が提示されたのが十一月の八日、それに対して組合側は翌々日の十日にはそれを受託しております。ところが公社側においてはこれに対してまだ態度を明らかにしないうちに、政府におかれては補正予算をきめてしまわれ、三〇%の引上げに終つて、調停案はこれを拒むという態度が定められてしまつたのであります。それらの点から見ますると、この調停手続は調停案が示されて、双方の態度が明らかになつて、そこで調停手続が一応の終結を見るのでありますが、それを待つことなしに、そういう態度をおとりになつたところから見ますると、この公共企業体等労働関係法を十分御尊重になつておるようには見えないという点をお尋ねしたのでありまして、それがひいて従業員側としましては、将来電電公社に関する限りにおいては、政府の指示のもとにその労働条件が定められて、公共企業体等労働関係法の精神があまり強く出ないのではないかという危惧を抱くのでありますが、その間の双方の成行きなり、事情なりをお尋ねしたいのであります。どうかひとついま一応のお答えを願いたいと思います。
○高瀬国務大臣 私大臣に就任いたしましたのは十月の二十九日でありまして、当時調停が行われておつたわけで、そのことはさつそく事務引継ぎでも聞きましたし、それから当時の状況につきましては、公社の総裁からもよく聞いておりました。どんなふうに進行しておるかも大体は知つておりました。それで組閣早々来年度予算というものをきめなければならないので、いろいろ方針についての協議は幾たびか開いてやつておりましたが、その間にとにかく現在の国民生況の状況から申しまして、料金値上げというようなことはできるだけやらないで行きたいという方針は、内閣としてみんな一致して考えておりました。だんだん調停案も形ができて来たようでありまして、はつきりした調停案の提出は八日でありましたけれども、その前にも大体こんなふうになるということは、種々公社と連絡をいたしまして承知をいたしておりました。ですからはつきりした調停案が出る前といえども、ああいう形になるということは私も承知しながら閣議には出ておつたわけであります。そうしてそれを考えながら補正予算も考えておつたわけでありまして、八日の日に調停案が出た。そうして補正予算のはつきりした決定はそれ以後になつたわけでありますから、決してあれを無視して補正予算を考えたというわけではございません。
○阿部(五)委員 その間の事情は承りましたが要するところ通信料金の値上げを避けんがために、調停案に従うことはできなかつたというお話のように承りました。ところがそのことについて過日もお尋ね申し上げたのでありますが、一方国鉄に関しましては運輸省において仲裁裁定案を、実施の時期は違いますけれども、とにかく採用することになつております。そうしてそれが運賃そのものに影響を来しておるのであります。それが確かにいいことだとは申しませんけれども、とにかくそういうことが行われておるのであります。過日も大臣におかれては鉄道関係と通信とは異なるというお話でありました。もちろん産業の種別が違うのでありますから、違うのは当然でありますけれども、そのおのおのの国民生活に与える影響から申しましたならば、鉄道の方においては通勤列車とか、あるいはそれらの旅客運送方面におきましては、これは大多数の国民の日常生活に大きな影響を持ち、その生活費の重要な要素に相なつております。電報電話におきましては、もちろん影響はありますけれども、それほど重大なものとは考えられないのであります。また貨物運送におきましても、これはあらゆる消費物資、生産物資の原価構成に影響するのでありまして、たちまちその価格の構成要素となり、物価の騰落にも影響するところ大なるものでありますけれども、通信料金におきましては、これも国民経済に影響を及ぼさぬわけではありませんけれども、特に通信関係、言論関係の需要とか、あるいは商取引上の需要に大きく影響しますけれども、これが貨物運賃ほどしかく重要な影響を国民経済に与えるものとは考えられぬと思うのです。しかるにそれだけの重大なる影響を持つ運賃関係におきましてああいう御措置があるにもかかわらず、郵政省関係におかれては従業員の待遇が鉄道に比べて低いということをお認めになつておりながら、それを上げる措置をおとりにならなかつたという理由が、ちよつと受取りかねるのであります。いま一応御説明を願いたいと思います。
○高瀬国務大臣 これもこの前松井さんの御質問で実はお答えしたつもりでありますが、鉄道につきましては裁定の相当部分が実施されることになつたわけでありますけれども、あれによりましても基本給のペース・アップ等は今度一般公務員について実行されましたその額にやや近い状態であります。それでその程度のベース・アップが実現されましても、鉄道としてはどうしても国有鉄道の財政状態から申しまして、一割程度の運賃の値上げをやりませんと、実行できない状態になつたわけであります。それでやむを得ずこれが実行されたものでありますが、公社の財政状態はまあ鉄道ほどにきゆうくつ非常にきゆうくつには違いありませんが、鉄道ほどではなくて、そこに少し違いがある。それから引上げにいたしましても、調停案をのむということになりますと、結局鉄道において裁定案をのんだ場合の基本給の上り方と、調停案をのむということによつて生じます基本給の上り方というものは、でこぼこを直すという点からいいまして、大分違つて来ることになるのであります。でこぼこを直すべきであるという理論的な点は私も同感でありますから、むろんそれが実行されればよいのでありますが、料金なども値上げしない範囲においてやるということになりますと、今そのでこぼこを直してしまうということは非常に困難な状況にある、こう考えられた結果、現在公務員がいろいろな事情から二割ベース・アップ程度の待遇改善が行われるのでありますから、たとい調停案をのまないにいたしましても、少くもその程度の改善は必要であろう、こう考えまして、それについては別に料金引上げというようなことをしないでも何とか追つつけるというようなところから、ああいう結果になつた次第であります。
○阿部(五)委員 お考え方はわかりましたが、考え方にはいろいろ人によつて差があろうかと思います。聞くところによりますと、参議院の運輸委員会におきましては、内村委員の質問に対して運輸大臣は、政府は組合と公社の団体交渉を拘束するものではない、これは当然だろうと思いますが、団体交渉の結果、調停を行つたために予算不足の場合には、公労法第十六条によつて政府は国会に対して予算措置の承認を求める、こういう御答弁があつたそうでありますが、もし電電公社側でこの調停案を御承認になつたとしましたならば、これは両者間に協定ができたもの、こういう解釈をするのが至当であろうかと思います。その場合においては、政府の方においては国会の承認を求める手続をとられるであろうか、この点をお伺いいたします。
○高瀬国務大臣 公社がこれをのみまして、団体交渉が成立したということになりますと、仲裁裁定のあつたと同じ効果を持つことになるものでそうであります。そうすればどうしてもこれを国会に持ち出さなければならないという結果になるだろうと思います。
○阿部(五)委員 公社総裁にお尋ねいたしたいのであります。総裁におかれては、この調停案をしごく妥当なものだという御見解を過日お示しになりました。公社はもうすでに政府から一応独立して、独立の企業体になつておるのでありますから、独自の御見識をもつて妥当と思うのでありましたならば、これを御承認なすつてはいかがかと思うのであります。過般来の成行きを見ますと、調定案が提出されたのが八日であつて、労働者側がこれを承認したのが十日であります。そうして公社の方では、まずそれに対する政府の態度がきまつてしまつて、補正予算案ができてしまつて、そして政府の態度はこれはのめないというのが明らかになつて、いわば政府の鼻息をうかがつた後に、二十日に至つて拒否の御回答をなさつておるようでありますが、独自の企業体でありますから、独自の御見識をもつてこの際この調停案を受諾なさる御意思はございますか。
○梶井説明員 ただいまの御質問に対してお答えいたします。まちろん公社といたしましては独立の企業体でありますけれども、これは御承知の通り郵政大臣の監督下にあるのであります。またその調停案をのむということに対しましては、われわれはそれの財源というものを一応考えないで単にのむということになりますと、政府のきめられた予算の方針とただちに抵触するということになるのであります。従つてのむかのまぬかということにつきましては、監督されておりまする郵政大臣と十分協議して、そうしてその財源を何らか見出し得るならばこれを実現し得るわけでありますから、その間時間を要しまして、ただいまもお話のように財源が見出し得ないという状態であつたため、やむを得ずのむことができなかつたのであります。そういうわけであります。
○阿部(五)委員 一応ごもつともに承りました。ところが財源がなかつたとおつしやいますが、今回の補正予算を拝見いたしましても、これはどうもはなはだ難解な予算でありまして、しろうとにはなかなかわかりにくいのであります。今回の予算で計上されておりますのは、諸施設の増強とか、給与の引上げとか、こういうことに相なつておつて、別に減価償却などというのはちつとも上つておらぬ。ところがそれを予算書のしまいの方についておる貸借対照表というので見ますと、今回の補正予算の結果、二億六千五百万円という減価償却、積立金が増加したことに相なつておるのであります。どういうふうになつておるのか、どうもわれわれにはわかりませんけれども、こういうところから見まして、公社としては、従来経費としてあげて来たものの中で、使つてしまつたものではなくて、何らかの積立というようなものが若干はあるのではないかという感じがするのであります。このほか、こういう大きな世帯でありますから、収入を得る方も相当大きなものでありますから、給与の引上げ程度のことは、何らかの処置が内部においてつくのではないかという気がするのであります。もしそれができないといたしましても、借入金をするなり何なりして、本年度内の処置をつけるということは不可能ではない、かように一般常識的に考えるのでありますが、その点いかがでございましようか。
○靱説明員 私からかわつてお答えいたします。ただいまの何とか公社でのめるようにできたのではないかという御質問でございますが、今回の調停案が十一月八日に示されますと同時に、私どもといたしましてはこれをただちに補正予算の事務折衝に移しまして、郵政省の方に折衝すると同時に、大蔵省と補正予算の折衝を進めたわけであります。それは料金値上げを含んでの折衝でございます。と申しますのは、今回ほぼ二割のベース・アップが補正予算でただいま国会の御審議を願つておりますが、それに要する経費は約三十四億ばかりございます。しかるに八月からこの調停案をそのまま実施いたすといたしますと、年度内にさらに四十億の金がいるという計算に相なつておりますので、この四十億の金はどういたしましても財源を求めることができないわけであります。もちろん借入金ができればけつこうでありますが、そういう公社予算につきましては、御承知の通り大蔵大臣が予算案を調整して、閣議で決定して政府原案として国会に出される、こういう形になつておりますので、電電公社がこの予算は不当なりと訴えて行つたところでどうにもならぬ。政府の決定に従わなければならぬ。さらに国会の議決を経ますれば、これが公社予算として郵政大臣から通知される、こういうような公社法に相なつておるわけであります。そこで四十億の財源をさらに探さなければ、年度内にどうしてもこれを受諾してやつて行けない。それを私どもとしては結局料金の値上げに求めたわけでありますけれども、ただいま郵政大臣から御答弁がありました通り、政府としましては料金値上げをせぬという線を示されましたので、私どもはその決定に従うことが当然であります。そこで他に年度内に何とか四十億の金があるかないかの問題になりますが、この三十四億の財源を、結局事業収入の増及び節約によりまして、本予算より収入において約五十億余り見出した次第であります。もちろん私どものつくりました予算案におきましては、そういう余裕はなかなか出て参らなかつたのであります。もちろんこれは予算折衝の当然の形で削減を受けますし、収入見込みも確定されましたが、そうして五十億余りの収入の増が出て、それの中から三十四億というものを待遇改善に用いた。ただいま御指摘の二億幾らというものは、二十六年度末施設の増に伴うところの減価償却を増さなければならぬということで出された次第であります。その他の財源は、それぞれ予備費その他の必要経費に充当された次第であります。こういう形に相なつておりますので、ただいまおつしやるように公社として何とかさらに四十億出せるかという点につきましては、われわれいくら予算を検討いたして見ましても、他に財源を求めない限り、公社だけで生み出すわけには参らぬ、こういう次第に相なつております。
○阿部(五)委員 とにかく借入金ができさえすれば、公社としては値上げをすることなしに、本年度は処置ができる、こういうふうに承つてよろしゆうございますか。
○靱説明員 その借入金ももちろん政府の承認を経、国会の承認を経なければできない状態にありますが、もちろん他から借りられて、支出することができれば幸いと存じます。
○松井委員 簡単に三点お伺いしたいと思います。第一点は、ただいま阿部さんの質問に対するお答えと、この前私の質問に対するお答えで、経過は十分わかりました。考え方もわかりました。そこで予算に載つて来ておるものは、調停案を全然考慮に入れないで、宜公労並の予算が組まれております。一応調停案を認めたという形で出て来るには、額を認めるか、額の一部を認めて調停案に示す八月にさかのぼるということが認められるか、いずれかでなければ、調停案を考慮したということにはならないのであります。従つてこれは再度お伺いするのでありますが、政府は調停案を全然考慮に入れないで、公務員と同じような形のペース・アップの予算を組まれたのか。それとも調停案を考慮に入れたならば、国鉄の裁定の場合、これは裁定でありますが、しかし公労法の建前は大体同じ精神を持つて来ております。国鉄の場合は政府としても八月までの裁定には応じなかつたが、十一月からは裁定の額を全部認めておるのであります。電電公社の調停案の場合は八月にさかのぼることも考えない、額も考えない、こういうことになつておると思うのでありますが、どのようにお考えになつたか、その点を大臣と公社側と両方からお答えを願います。
○高瀬国務大臣 調停案を現在の状況のもとにおいてはのむことができないという見解であることは、先ほど申し上げた通りであります。しかし調停案も実は待遇改善に関する案でありますから、待遇改善という点ではやはり考えたわけであります。しかし調停案の内容そのものを実施する意味であれを実行したわけではございませんで、待遇改善をできるだけしなければないということで考えたわけであります。
○靱説明員 これは先ほども申し上げました通り、公社の予算といたしましては、政府において決定され、それが最終的に国会の議決を経て公社予算になるという建前が、公社法の規定するところでございます。従いまして私どもが公社の予算として、関係政府機関に折衝いたします場合には、調停案をのみまして折衝いたしたのであります。その決定はただいま国会で御審議になつておるような次第でありまして、調停委員会に対しましては、本俸を中心とした調停案に対しては、われわれとしては非常に適当だと思う。これは先般の委員会で総裁からも御説明した通りの回答を出しますと同時に、政府に対しましては、郵政大臣、大蔵大臣に、特に他の公共企業体と比較して本俸等において、低い。従いましてこれらについてはぜひ調停案の趣旨が実現できるように、さらに特別の御処置を願いたいという上申を出して、現在に至つておるような次第であります。
○松井委員 第二点をお伺いします。この前の委員会において大臣に要望いたしましたところ、大臣は、公社法の上からいろいろな要望折衝について、今緊密に相談をする意思がある、こう御回答になつたように記憶いたしております。公社側の方も、ただいま同僚議員の方から申し上げた通りの予算が出ておりますが、その予算に関係のない、法律に基いての郵政大臣認可によるいろいろな操作上の問題については、郵政大臣とさらに至急に折衝してもらいたいという要望を私は申し上げておいたはずであります。従つてその後の経過についてお伺いをいたします。われわれも明瞭に法の解釈等はできないのでありますけれども、やはり公社は公社としての運営上必要欠くべからざる弾力を持つことと、経営上の自由さを持つことと、能率を上げること、能率を上げるということになりますれば、やはり一線に働く人々が真剣に努力しなければならないのでありますから、そういうふうな事柄を全部十分に執行し得るのが公社の本質だ、こういう建前から公社法の審議をいたしたのであります。そこで四十条の弾力条項、四十三条の五の給与の総額、さらに五十三条、さらに七十二条の但書及び予算総則の五条が、本予算をつくるにあたつて考えられたことは当然だと思いますが、郵政大臣と公社側の方で、この前の委員会においてそういう法律上の操作の点で従業員の要求に、たとえば調停案の一分でもあるいは五分でも、こたえようとするための努力をどのような形で行つたか、お伺いいたします。
○高瀬国務大臣 ただいまお話のような操作も考えられるわけであります。それで公社の方もいろいろと考えておられるだろうと思いますが、まだはつきり具体的なものとして折衝はいたしておりません。
○松井委員 第三点は、これは公社側にお伺いいたしますが、その後やはり調停案が困難になれば、結局公社も公労法によつて裁定委員会というような形で行われるわけでありますが、そういう形でなしに、ただいま申し上げた操作上のことまで考慮に入れて、公社側と組合側とはこの前の委員会後どのような折衝を行つたか。それは進展しつつあるのか、それとも全然進展しない、にらみ合いの状態を暮れ押し迫る中で続けておるのか、この点の考え方を経過の説明とともに明らかにしていただきたいと思います。
○靱説明員 組合との関係におきましては、もちろん組合といたしましては調停案の全面実施を主張いたしておりまして、私どもに対しましてはそれによつて協定を結ぶように幾回も折衝があつた次第であります。しかしながら前々から申し上げておるような次第で、調停案の全面実施ということにつきましては、私ども現在においては遺憾ながら実行できない、そこで現在の段階においては協定は結び得ないということを詳しく説明いたしておる次第でありますが、この交渉は遂に成立しないで現在に至つております。従いまして遺憾ながらなお紛争状態を継続しておるような次第であります。 次にこれを仲裁の問題にするかどうかということでございますが、組合といたしましても、また公社といたしましても、そもそもこの給与改善の団体交渉がありました当初から、できるならば団体交渉によつて解決したいというのが両者の意見でございます。しかしながら国家公務員に対する人事院の勧告を見てみましても、それがちようど三割アップの案でございます。その当時三割アップをわれわれがかりに遵守してとつたといたしましても、どうしても料金値上げに至らざるを得ないというような点を私ども考えまして、また組合といたしましては一応一万六千何百円というぺース・アツプを要求して参つたので、公社、組合単独に団体交渉が成立すればけつこうでありますが、一方において料金の引上げという問題になりますれば、これは当然われわれ同志の関係において決定することはきわめて不当ではないか、むしろ第三者の調停によりまして適正なをところのベース・アップを求めるのが妥当ではないか。何といたしましても一万六千円では妥結を見ないということで、調停委員会に組合から出されたような次第でありまして、当初から私どもはなるべく団体交渉なり、また調停委員会に持ち込みました場合においても、調停委員の調停案に従つてできるならば妥結したいというような考えを持つておりましたので、ただいまの状態におきましてはまだ調停も打切られておる次第でもございませんので、私どもとしてはなるべく早い時期にこの紛争を両者及び調停委員会も加わりまして解決して行きたい、こういう形で現在のところ仲裁のことはまつたく考えていないような次第であります。
○松井委員 経過はよくわかりましたが、そうすると公社としては団体交渉を続けながら、調停委員会の意見等を聞きながら善処したいという熱意があるのでありますから、そこで起きている紛争の調停案を労働組合側は全面的にのんでおり、公社側がのまないところに紛争が続いているのでありますから、公社側が調停案をのめばこの問題は解決する。ところがのまないところにただいまのような苦労があると思います。そこでのまないならばどの点がのめないかということが、先ほど来から問題になつているのです。しかしながら示された調停案は八月でありますから、八月にさかのぼるか、それとも額をのむか、いずれかでなければ妥協点は出て来ません。従つてこの問題については、公社側としては調停委員会並びに労働組合との間にさらに折衝を重ねて、円満妥結の意思があるのでありますから、郵政大臣においては公社側と今夜からでも十分なる打合せを開始していただき、調停案の趣旨は反対でないようでありますから、趣旨に基いて可能の線はどの点であるか、こういう点については急速に今夜からでもひとつ打合せをしていただきたい。そこで法律に基いて郵政大臣認可の条項その他の問題について操作上必要なるもの、操作上でき得るものはどこであるかという点を明瞭にしていただいて、次回の委員会にでも報告していただくと非常にけつこうだと思います。一日も早く問題を解決しないといけませんので、この点については特段の努力をお願いして、希望を申し上げておきます。
○原(茂)委員 先ほど阿部委員からお尋ねいたしましたのに対して御回答がありましたので、一応了承いたしましたが、特に民主的な立場から組合はこの調停案をのんでおりますし、公社におきましても妥当なものと認めておられますので、一日も早く借入金がもしできるものならば、すみやかにこの大衆の要求を受入れてやつていただきたい。重ねてお願いいたすだけにとどめておきますが、あわせて国鉄あるいは専売、電電との比較をいたしますと、基準賃金あるいは勤務地手当、扶養手当におきまして、大分現行のものでも違いがあるのでありますが、この点は公社側において十分苦心、研究されたものと思います。その研究された数字の違いがどこから出て来たのか、どうしてこの三者が違うのか。三者全体でなくてけつこうでありますが、国鉄と比較しました場合の基準賃金がなぜ違うのか、こういつたことを御説明願いたいと思います。
○靱説明員 国鉄、専売、電電、いずれも本俸、その他においても基準外の賃金につきまして差異を生じておりますが、いずれももともと国家公務員であつたものが、公共企業体に移つて行つた次第でありまして、根本的にそう差異があつたものではないと考えます。しかしながらその間において年齢差、あるいは職員の構成等につきまして差異のあることは当然であると思います。従いまして本俸が同じだということは絶対にあり得ない。現在国鉄の裁定によりまして本俸は一万一千四百十円で約二割のアップになつているわけでありますが、これを電電に当てはめますと一万円前後、私どもの計算では一万円ちよつと欠けているところになつております。それでこの差異につきましてはただいま言つたように、だんだんと公社と公務員との間に差が生じて参つたのでありますが、国鉄側の説明によりますれば、二十七年度におきましては、一箇月というものが公務員に特別手当として出ている。すなわち一・〇というものが特別手当とし場て出ているが、国鉄におきましては、そのうち半分を本俸に入れてある、こういうような説明がされております。さらに扶養手当、これは家族の多い少いによつてきまることで、これが多いから他の方が自分たちより多いというわけに行かないと思います。これはまつたく比較の対象にならぬ。次に勤務地手当でございますが、これはやはり本俸の何割ということで級地別にきまつておるのでありまして、これにつきましては電電と専売とはまつたく同じになつておりますが、要するにこれの差というものは、都会に集中していれば勤務地手当が高くなるということは当然であるし、勤務地手当の低いところに多数の従業員がおれば、その平均をとつて参りますれば低いのは当然であります。ただここにおきまして、国鉄においては勤務地手当について、国定公務員ないしわれわれの現在の詮の職員に対しまして二割五分出ているところにおいては二割しか出てい。それから電電の社員に五分の勤務地手当が出ているところに対しましては、国鉄は全然出していないというようなことを申しておるのでありまして、事実勤務地手当につきましてはそのような事態にあるように考えております。そこでこの点の調整を要するという問題になるかと思います。ただ全体を見まして、本俸だけ比較してみますと、調停案をそのままののみますと、一万一千七十四円というのが電電の職員に適用されますし、国鉄においては一万一千四百五十円ということになりまして、ここに四百円弱の開きがあります。まつたく国鉄の企業体系と電電、ことに公務員からまだ切りかわつたばかりで、新たな給与体系もつくつていない電電と比較するということは困難かと思います。ただ今基準賃金について申し上げますと、そういうような点が指摘されておるところでございまして、全体のわくといたしましては、そういうような換算をしてみますと、国鉄より電電の職員の給与は上でないという結論になるのでありまして、その他実質給与について比較して参りますれば、これはかなりの問題が多いと思います。私ども調停案の趣旨についてはもつともな妥当なものである、こういうふうに考えております。
○原(茂)委員 ただいまの御説明によりますと、国鉄と電電との比較に対しては、大体私どもが研究した結果と同じようでございます。従いまして電電が国鉄に比較して低いということをお認めになつたわけでありますが、しかもなお国鉄の裁定は、政府におかれましては、十一月から実施の補正予算を組んでおるのであります。公社は組合との協定で八月からこれを実施するように取運んでおると現在までも聞いておりますが、電電公社におかれましては、この調停案を実現するために、今後具体的にどんな措置をされてこれを実現しようとなさつておるのか、全然そのプランがないのだろうか、この点最後にお聞きしておきたいと思います。
○靱説明員 この点は、法律に認められ、予算に認められた範囲内で、最善の措置をするより方法がないのであります。従いまして、しからばどういう方法があるかというお尋ねになるわけでありますけれども、給与の予備費といたしまして一億五千万円ただいま補正予算で御審議を願つている次第であります。これはそういうふうに決定を見まして、現在国会で審議をされております。これは公社法の規定によりましても、経済上の変動その他の場合におきまして、臨時的に給与として支給できるという規定でございますから、この一億五千万円は一応使えるものではないかと考えております。それからもう一つ今回出しております予算総則の十三条に、予算に比し収入がふえた場合におきましては、これを直接そのために必要とした経費に支弁することができるという旨が書いてありまして、その直接必要な経費の中には、郵政大臣の承認を得た場合においては、給与総額を増すことができるというような形になつておりますので、この点はもちろん私どもといたしても、収入のふえた場合に活用いたしたいと考える次第でございますが、今回の補正予算におきましては、先ほど申したように収入増を五十億余り、本予算より足されておるのであります。これは非常な職員の努力の結果により、あるいはまた一般の通信事業の結果によりまして、最近の実績によりまして五十億程度は出るだろうという見積りで補正予算が組まれた次第でありますから、これをさらに上まわつてやるということにつきましては、まつた従事員の努力によらなければならぬと考えております。従いまして、これに多くの期待を持つことは非常に困難ではないかと考えられますし、またこれが現在におきましても、予算に比し超過したものにつきましては、約三〇%を能率向上奨励手当として現金で支給することに、現実に本年度の第一期分を実施した次第でありますので、これらにつきまして若干の期待を持つてよいのじやないかと思う。しかしこれはまつたく不確定な金額でありまして、どのように動くかわからない。そのほか予算的に見ますれば予備費というものが別にございますが、これは給与に用いられるようになつていない。予備費として給与に用いられますのは、今回の補正予算の十四条による一億五千万円ということになつておりまして、この額を含みまして現在予備費といたしましては六億弱のものしか持つていない次第であります。そこで先ほどの御質問の、公社はいかなる措置をとるつもりかという点でございますが、借入金をすることにいたしましても、予算に盛られて承認を経て行かなければ支出ができないので、そういうわけにも参らない。ただいま申し上げましたように、予箕並びに法律で許された範囲でやる、こういう形で参るのであります。
○山田(長)委員 さつき少し遅刻して来たので、どういう希望条件で放送局の許可問題が出たかわかりませんが、放送局の内容について知りたいので、二十六年度、二十七年度の決算及び予算問題についての資料をいただきたいと思います。
○本間委員長代理 わかりました。できるだけ早く出させるようにいたします。
○阿部(五)委員 一言だけ公社の方々の御注意を喚起しておきたいと思うのであります。政府の勧告を受けるのであるから、妥当と信じてもそれを公式的に妥当と信ずることはできないというお話でございましたが、最後にこれを決定するのは政府でなくして、この問題に関して妥当と信ずることを御決定になつたならば、それを最後に決定するのは国民を代表する国会であるということが、あなた方の存立の基礎であるところの電信電話公社法によつて定められておるのでありますから、公社におかれては、御見識によつて事をきめるのに別に御遠慮なさるには及ばないと申う。これは法律がきめたところであります。御決定なさろうと思つたら遠慮なしに御決定なさつて、それがよいか悪いかの判定は国会に信頼してよいということが法律の意思である、そういうふうに定められておるということを申し上げておきます。
○本間委員長代理 それでは本日はこの程度で散会いたします。次回は明六日午後一時から開会することにいたしますから御了承願いたいと思います。 午後五時二十一分散会