P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
15回国会衆議院1953/03/13

通商産業委員会大蔵委員会連合審査会 第1号

発言数
46
登壇者
8
会派数
3
開催日
1953/03/13

会議録

坪川信三自由党

○坪川委員長 これより通商産業委員会、大蔵委員会連合審査会を開会いたします。  通商産業委員長であります私が委員長の職権を行います。本日は中小企業金融公庫法案を議題といたします。これより質疑に入りますが、質疑は通告順によつて許したいと存じますから、あらかじめ御通告願います。なお本日は大蔵委員会との連合審査会でありますから、質疑は大蔵委員を主として、関連質疑以外は大蔵委員の質疑のあとに通産委員の質疑を許したいと存じますから、さよう御了承願います。  それでは質疑の通告がありますから、順次これを許します。佐藤觀次郎君。

佐藤觀次郎日本社会党(左)

○佐藤(觀)委員 中小企業金融公庫は、これは非常に適切なことでございまして、おそらくこのために相当一般の人々は喜ぶだろうと思いますが、ただこういうような公庫というものは今まで運用が悪かつたために、名前はいいけれども実際に均霑になる面が少いというような結果がありますが、これは商工中金とどういうふうな関係になるかということを一応岡田中小企業庁長官にお尋ねいたします。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 本日お配りを申し上げております中小企業設備金融関係資料の一番終りのページをごらん願いますと、この公庫と商工中金との関係が図解をいたしてございますので、ちよつとごらんを願いたいのであります。この中小企業金融公庫と申しますものは、ここに書いておりますような資金源——実はこれ一つ落ちておりまして、五といたしまして、開発銀行から借入れをいたしますところの債権がこのほかに二、三十億ないし五、六十億あるわけでございますが、さような意味の債権も含めまして中小企業金融公庫といたしましては、ここに百二十九億のほかに債権としてまだ入るわけでございますが、相当の金額をここへためておるのでございます。この公庫から商工中金も含めました既存の中小企業家に対します金融をいたしております金融機関に、それぞれパイプなどをつけまして資金を流すわけでございます。従いまして公庫等に対する関係におきましては、商工中金も他の金融機関と同じ立場に立つわけでございます。ただ商工中金というものが協同組合に対します金融だけしかやらない特別の使命を持つた金融機関でございますこと、またさような制限を受けておりますために、預金の吸収が思わしくないということ、また政府といたしましても協同組合を大いに育成発展せしめたいという念願を持つておりますために、商工中金には大いに今後とも活躍をしていただきたいというような期待がありますので、商工中金に対しましてはこれらの点を考慮に入れまして、公庫から流しますところの資金のわくは、そういう点を考慮して設定いたしたい、かように考えておるわけでございます。

佐藤觀次郎日本社会党(左)

○佐藤(觀)委員 そういう点がありますけれども、現在商工中金の関係が、これは金利なんかの関係もございますけれども、非常に煩雑になつておりますが、そういう点についてこの中小企業金融公庫は貸出しの面をどういうような方向に、地方の末端にまでどういうふうに浸透せしめるかということについて、ひとつ岡田長官に御説明願いたいと思います。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 金制の面から申しますれば、公庫から出て参りまする金は、中小企業者に渡ります最終金利が一割でございます。その前にこの公庫と金融機関との関係をもう一つ申し上げますならば、公庫といたしましては、人数五十七名をもつて出発する予定にいたしておりまして、非常に簡素な組織でやるのでございます。従いまして、この金を貸し出す場合におきましても、法律上から申しますならば公庫が金を中小企業者に貸すのであります。債権者は公庫であり、債務者は中小企業者でございますが、その間におきまする、たとえば金を借りてくれという申出を受付けましたり、また相手方の信用状況を調査いたしましたりいろいろな金融上の事務があるわけでございます。さような事務はこれを大体既存の金融機関におまかせをいたしたい。このまかせる方法といたしまして二つの方法を考えておりまして、第一の方法は、申込みから貸付の決定までほとんど全部を金融機関にまかせまして、その金融機関から何のだれがしにこういう条件でこれほどの金を貸すことにいたしましたということを公庫に通知して参りますれば、それで公庫から金が流れるという仕組みでございます。この場合におきましては、その金融機関は公庫に対しまして万一の事故が起きました場合、八割の支払い保証を公庫にいたしましてそのかわり公庫はこの金融機関に四分五厘の手数料を払うわけでございます。従いまして最終金利が一割でございますから、公庫の手取りは五分五厘と相なるわけでございます。第二の方式といたしましては、金融機関が受付から審査はいたすのでございますが、その最終決定を公庫に持ち込むわけでございます。そして公庫で最後にこれを貸すべきやいなや、どういう条件で貸すかということをきめるのであります。この場合におきまする金融機関の責任は、三割の支払い保証を公庫に対していたしまして、そして手数料としては三分を公庫からこの金融機関に出します。最終金利が一割でございますから、この場合は七分の金利が公庫のふところへ入るということに相なるわけでございます。いずれの場合にいたしましても、この公庫から出ます金はいかなる金融機関を通りましても、最終末端で金利一割ということに相なるわけでございます。

佐藤觀次郎日本社会党(左)

○佐藤(觀)委員 今、商工中金を調べて参りますと、どうも貸出しの面で一部の人だけ多額に借りられて、全体の数字を見ますと非常に貸し方が少いという欠点があるわけであります。そこでこの法案を見ますと、最高一千万円あるいは組合なら三千万円ということになつていますが、少くともわれわれは五百万円くらいまでを最高として貸し付けて、大勢の人に貸すという方法の方が、非常に末端まで来ると思いますが、そういう点についてわれわれの納得の行くような御説明を願いたいと思います。少くともわれわれは一千万円というような厖大な金を貸すよりはもう少し低いところで線を引いたらどうかという考えを持つておりますが、どういうようなお考えであるか、その点をひとつ御説明願いたい。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 現在開発銀行が昨年の九月十六日以来見返り資金を中小企業向けに貸し出しまして、大体今度の公庫と同じような条件、すなわち一年すえ置きの五年という期間で、最高一千万円という条件で貸出しをいたしておるのであります。ところがその平均を押えてみますと、一件あたり三百万円程度に相なつておるのであります。従いまして公庫がやります方法も大体開発銀行と同じような方法をとる上に、開発銀行よりはおそらくもつと数の多い代理店を設定することに相なろうかと思うのであります。そうなりますれば、信用金庫でありますとか、信用組合でありますか、相互銀行でありますとか、そういうふうな、いわゆる庶民金融機関であつて、公庫の代理店になるものが、現在の開発銀行よりは多くなろうかと思うのであります。現在の開発銀行でさえ、平均三百万円程度でありますから、あるいはもつと分散して多数の中小企業者に金が行くように相なろうかと思うのであります。しかし設備資金になりますと、いざという場合には一千万円程度までは行き得るということにしておきませんと、中小企業者がほんとうにちよつとした設備をやるにいたしましても、一千万円くらいかかる場合もあり得るわけでありますから、窓口といたしましては、一千万円程度まで行き得ることにいたしております。実情は現在の開発銀行でも三百万円程度でございますので、運用といたしましては、お説のような方向に行き得るのではなかろうか、かように考えております。

佐藤觀次郎日本社会党(左)

○佐藤(觀)委員 このごろ中小企業金融金庫についていろいろ議論があるわけでありますが、しかしわれわれは少くともこの案は現在の実情に非常に適切だと考えます。ただ貸出しの運営方法が間違つておりますと、結局せつかくのいい案もある一部の人が利用するだけのような結果になるわけであります。こういう点についてどういう確信をもつてやつて行かれるか、あるいは一部の人々だけに金を貸すという非難を受けないでやつて行かれるかどうかという点について、岡田長官の考えを御説明願いたいと思います。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 公庫の金は金利にいたしましても一割でございますし年限も長い、現在の金融市場から申しますれば、中小企業者といたしましても、一番有利な資金であろうと思うのであります。従いましてこれが特定の人に集中的に行くことになりますと、御説の通りまことに遺憾でございます。従いまして、先ほど申しましたように、一人当り累計一千万円という限度をきめましたのもさような考慮に出たものでございます。中にはこれを三千万円にせよというような御要求もあるのでありますけれども、われわれといたしましては、これを最高累計一千万円といたしまして、広く多数の人に行き渡るようにしたいというのが、この累計をきめたゆえんでもあるのでございます。

佐藤觀次郎日本社会党(左)

○佐藤(觀)委員 そういう確信を持つておやりになるのはけつこうですが、現在金融面で問題になつておりますのは、御承知のように相互金融あるいは匿名組合というような、いろいろの金貸業が民間に存在しておることは御承知だと思います。税金が高いのと金融問題がうまく行かないということが、今中小企業者のがんになつておる。そういう点についてわれわれは銀行の人といろいろ会合をやるのですが、銀行ば銀行で都合のいいことを言う。そこでわれわれは貸出しをうまくやらないのは君らが悪いのだというように批判するのですが、少くともこういう国家資金でやる場合においては、一般の中小企業者が平易に金を借りられるという道をつくらなければ、屋上屋を重ねるようなことで、かえつてそういうものに食われてしまうおそれがあるのではないかという杞憂を持つのですが、そういう心配があるかどうか、この点もう一つ岡田長官の御説明をお聞きいたします。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 公庫をつくりまして、これが屋上屋にならないように運用をせよというお話でございます。これはもうその通りでございまして、公庫といたしましても、先ほど申しましたように、わずか五十七人の小さな規模で出発するというのも、さような点も考慮いたしておるのでございます。また各委託を受けまする銀行が変な運用をするということに相なつては困るのでありまして従いまして公庫の金を渡しますに際しましては、それぞれの代理銀行が中小企業者に、法律できめましたわれわれの期待する方法できちんと貸出しをきめたということを見定めましてから金を渡すという方法をとりましたのも、この金がきちんとその方向に流れることを確保いたしたいという考えからでございます。

佐藤觀次郎日本社会党(左)

○佐藤(觀)委員 以上の質問で私は終りますが、せつかくの案でありますので、運用する人が十分注意して、民間から非難が越らないようにする。その点の御注意を申し上げまして、私の質問を終ります。

坪川信三自由党

○坪川委員長 宮幡君。

宮幡靖自由党

○宮幡委員 私は自分のかつてでありますが、党の総務会の関係で長い質問はできないのであります。しかし、これは非常に重要なことでありますので公庫のでき上りますまでの経過及び中小企業庁が中心になつておりますところの中小企業の指導育成という面につきまして、二、三きわめて短い時間でお尋ねいたしたいのであります。  金融のことですかち、長期の設備資金、運転資金等が供給されることは好ましい限りであります。しかしながらわれわれが客観的に見ますと、今や中小企業は金融の道が開かれただけでは救われません。もつと強く申せば、中小企業自体の企業努力をもつと啓蒙し指導し、これが盛り上つて来るようになさらなかつたならば、金融の面からいかなるよき成果を達成いたしましても、全般的に中小企業を育成あるいは振興せしめることにはなり得ないと私どもは見ております。あまりにも金さえあれば中小企業はよくなるのだという観念にとらわれ過ぎておりまして、最近の通産省、ことに中小企業庁あたりの行き方をわれわれが見ますと、総括的に見て満足の域に達しておらない。この点につきまして、中小企業庁はどういうふうな中小企業全般の振興対策をお待ちになつておるか、簡単でけつこうでありますから御説明いただきたい。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 私も金融さえあれば中小企業問題終れりというような考えは毫も持つておらないのでありまして、その点につきましては、まことにお説に同感をいたす次第であります。来年度の予算におきましてもその点につきましては、私としましては相当努力をいたしたつもりでございまして、特に中小企業の診断制度を強力に推進をいたしたい。また協同組合の結成によりまする中小企業の合理化というふうなものも強力に推進いたしたいと考えまして、予算といたしましても、従来中小企業庁の第一線機関は府県庁でありますが、その府県庁に対しましていろいろの仕事をお願いいたしながら、それに対する補助金が非常に少くて、所期の効果を発揮し得なかつたうらみがあるのであります。ことしは若干ではございますけれども、この点の増額をいたすことにいたしまして、特に診断をいたします部面におきましては、診断をいたしましたあとの事後指導ということに特に重点を置きたい。また診断をいたします場合の診断員の質の向上に一段の努力をいたしたいという趣旨におきまして府県庁に補助金を出しまして、巡回指導員を新規に置いていただきましてそうして診断を受けましたあとの企業者がうまくその診断の結果を実現し得るように、その後においても指導をして行くというふうにいたしたいという点、また診断員は、東京や大阪等におきましては、かなりりつぱな診断員がございますけれども、地方に行きましては医者がおらぬのであります。そこで中心地から地方に名医を呼び寄せるための旅費の補助をいたします。かようなことも予算に計上いたしておるのであります。  なお中小企業の方におきまして、最近最も注意しなくちやならぬ点は、独禁法の改正等によりまして、カルテルの結成等ができるようになつた、かような点につきましても、われわれといたしましては十分注意をいたしておつたのでありますが、幸いに今国会に議員立法として安定法の改正も出ておるようなわけでありまして、いろいろな点を総合的に運用いたしまして、中小企業問題の解決に努力をいたしたい。その一環といたしまして、今回この公庫法をつくり、そうしてたとえば従来から引続いてやつております協同組合の補助金があるのでありますが、補助金を出しました残額について、それぞれの協同組合においては借入れに困つておつたのが、今度の公庫等の資金と、協同結合の共同施設に対する補助金とが結びつくというようなことによりまして協同組合の共同施設の助成が一段と効果的に行われるのではないかという意味におきまして、この公庫法もその全体の施策の一環として提案をいたしておるような次第であります。

宮幡靖自由党

○宮幡委員 ただいま伺いますと、かなりお骨を折つておられるようでありますが、残念ながら成果としましては何ともおほめ申し上げるわけに行かない現状だろうと思います。そこで、今お示しになりましたような方針を今後ますます御推進くださることを私は希望いたすものであります。と同時に、今度の公庫制度ができ上りますまでの間におきまして既設の商工中金を公庫に改変するのかという議論も出て参りました。そうして信用保険基金というようなものを設けるとか、その他の方法によりまして中小企業の金融に対する全面保険制度の実施というようなことも考えられましたが、今回のこの法案を見ますると、これはまつたく別個の機関であります。先ほど御答弁の中に、屋上屋をなす機関ではないかというような御質問があつたやにうかがわれる御答弁がありましたが、私はこれは屋上屋をなすものだとは思つておりません。こういうものは、組織の点におきましても、資金の点におきましても、いまだ不十分だと考えております。しかしながら経過的には、商工中金の組合を対象とします金融を一般的にいたしまして、これを公庫にし、さらに信用保険を通ずる全面保険制度を実施しようとの声もあつたのでありますが、これを排しまして、私どもが見てはよい方法と思いますが、公庫の制度に取入れますまでの間の通産省、ことには中小企業庁としての御構想は大体どんなふうなものでありますか。ごく概略でけつこうですから、御説明いただきたいと思います。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 中小企業庁といたしましては、二十七年度の補正予算を組みます当時から、一つの特別会計を設けまして、ここに政府財政資金をある程度の量——私どもの予算要求といたしましては、補正予算で百億、二十八年度の本予算で二百億という要求をいたしたのでございますが、相当程度の財政資金をここへまとめまして大体現在公庫がやつておりまするような方法でこれを中小企業者に流すことをやつたならば、これが中小企業者に対する金融難打開の方策としては一番よろしいじやないかと考えまして、当初からその案で大蔵省へ予算要求をいたしたのでございます。ちようど補正予算の査定が済みましたときには、私どもの構想が受入れられませんで、商工中金に二十億の貸付をするということが、予算の査定の結果出て来たのであります。それでその構想で一応折れざるを得なかつたのでございますが、たまたま昨年の暮れにおきまして、衆参両院の中小企業金融に関する御決議がございます。その中にはいろいろのことが決議の内容になつているのでありますが、その一つの重要項目といたしまして、特別会計の形において財政資金のある程度のものをまとめて、それで中小企業に金を流するようにせよという意味の御決議があつたのでございます。私どもといたしましては、補正予算の査定のときは一応済んだのでございますが、二十八年度予算の折衝の始まる直前でございましたので、その御決議の趣旨を体しまして、あらためて特別会計による金融の方策を強く大蔵省に折衝いたしたのでございます。大蔵省側におかれましても、別の構想を持つておられたのでございますが、私どもがいろいろとお話を申し上げました結果、それじやということで、特別会計の構想を御採用になりますとともに、特別会計でやるとすれば、役人がやることになりますので、人的安定がない、従つて運用方針の安定もないじやないか、あるいは会計法によりますところの扱いがきゆくつでありまして自由闊達な動きがむずかしいというふうな特別会計の欠点もございますし、かつまた農林漁業関係の特別会計を公庫に直すということにも相なつておつたのであります。それらかね合いの上で、この特別会計を公庫にするということで、大蔵省と私どもの間の話合いがつき、そしてここに中小企業金融公庫法案として御審議願つているような次第でございます。

宮幡靖自由党

○宮幡委員 ただいまの御説明によりまして公庫に至ります経過は、主として院議の反映であるということになろうと思うのであります。さような意味で発足いたさんといたします公庫の制度につきましては、われわれは非常な期待をかけましてこの成果を見守つているわけであります。さらにこの業務方法は、委託貸付ということが本則のようにできている。この内容は、御説明を聞かなければまだよくわかりませんが、どういう方法でおやりになるか。これは石井振興部長からの御答弁でもけつこうでありますが、従来の中小企業を対象といたしますところの、たとえば相互銀行、信用金庫、その他これに類似いたします機関に政府の預託金として流しましても、これはその目的の中小企業金融に流れておりません。日銀の高率適用利率の返済になつてみたり、あるいは投資信託の受益証券を買い取つてみたり、そういうことをいたしまして、その機関の金利負担を軽減する役割のみ果しまして、中小企業金融の目的は達しておりません。従つてこの委託貸付というのは、その運用が悪ければよい法律も、よい制度も、必ず死物になるであろうことを私心配しております。この委託貸付の方法について、記録にとどむる意味で、なるべく詳細に御説明をいただきたいのであります。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 今度の公庫の金が、今御指摘になりましたような結果を来しましてはゆゆしき大事でございまするので、私どもといたしましても今度の金は銀行に預託の方式はとらないつもりなのでございます。この公庫が金融機関に委託いたします方法といたしましては、二つの方法を実は考えておるのであります。一つの方法は、金融機関が受付から審査、貸付の決定まで、ほとんど全部のことをやりました上で、何々中小企業者にこういう条件でこれだけの金を貸すことにするということを公庫に通知して来ますれば公庫から金をその受託金融機関に流す。この場合におきましては、この受託金融機関は、公庫に対しましては八割の支払い保証をいたし、手数料四分五厘を公庫が払うわけでありまして従つて金融機関が具体的に中小企業者に、法律その他われわれとの間にとりかわしました約束に応じた貸付をするということが大体はつきりしたあとで金が流れるという仕組みでございまするから、これをわれわれのねらう以外の方向へ流すということはまずなかろうと思うのであります。第二の方式におきましては、金融機関が受付をいたしまして、審査をいたしました上で、貸すか貸さぬかの決定はいたしませんで、その決定を公庫に持ち込んで来る方式でございます。この場合におきましては、公庫が具体的に何々中小企業者に金を貸すべきやいなやということをきめまして、その上で受託金融機関を通じて金を流すわけでございますから、これまたわれわれのねらう場所以外に金が流れるということはないわけでございます。この場合におきましては、金融機関は三割の支払い保証を公庫にいたしまして、手数料三分を受取るということに相なるわけでございます。二つの方式のいずれにいたしましても、われわれといたしましては、公庫の金がどこへ流れて行つておるかということをたえず押え得る状態にありまするので、まず所期の目的通りに金が流れて行くものと考えておる次第でございます。

宮幡靖自由党

○宮幡委員 大体方法は簡単ながらわかりましたが、それではこの公庫は直接貸しをするのですか、しないのですか。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 現在のところ直接貸しはいたさないつもりでございます。

宮幡靖自由党

○宮幡委員 銀行局長とあわせて伺いますが、長期信用銀行のうち、中小金融をまかなつております日本長期信用銀行とこの公庫との、設備資金あるいは長期運転資金の関係というものはどういうふうな分野になるのですか。あるいは公庫を通じます委託貸付等に対します金融機関の必要に応じて肩がわりの申出がありました場合には、どういう配慮をせられ、どういう取扱いをせられるのか。その点参考までに両者から御答弁をいただきたいのであります。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 長期信用銀行もやはりわれわれが考えておりまする一般銀行の一つでございまするので、要すればこれも委託銀行として使つてさしつかえないかと思いまするが、その点はなお長期信用銀行の万で希望するかせぬかという問題もございましよしいろいろ研究の問題はあるまするけれども、これは使つてさしつかえはなかろうかと思つております。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 お答え申し上げます。今岡田長官から申し上げました通りでありますが、この新しい公庫と長期信用銀行とは、御承知のように性格がまるで違いまして、長期信用銀行は一般の銀行あるいは信用金庫、そういつた民間の金融機関の一環とお考え願いたい。その限りにおいては、政府機関たるこの公庫と、民間機関たる長期信用銀行とは、競争とか対立とか、そういう関係に立ちません。一般金融機関と同じように考えております。

宮幡靖自由党

○宮幡委員 時間がありませんのでその問題は深くつつ込んで伺いませんがこれは通商産業委員会の方に、本法案を可決なり、あるいはどういうふうになりますか、委員会としての適法の処理をなさる際に、特に御留意願いたいのでありますが、第二条を拝見いたしますと、その後段の方に「一般の金融機関が融通することの困難とするものを融通することを目的とする。」とありますが、今岡田長官、河野銀行局長のお話から行きますと、長期信用銀行の制度とこれとの相違ということははつきりしている。しかしながら長期信用銀行も使つてよいと言われますが使う資金などはこの公庫にはないのでありますから、これは言葉の上だけだろうと思いますが、はたして融通することを困難とするものに融通するという理論が、そういう考え方から適当であるかどうかと私は思う。われわれは合同審査をいたしておるのでありますから、この第一条の目的を大蔵委員会側から改変しようというような意思を確定的に申し上げるものではありませんが、長期信用銀行も使つてこの金を流してやるのだという趣旨があるならば、長期信用銀行を通じて貸付困難なものの解決をしてやらなければならないということになりまして、どうもちよつとぴつたり来ない。これは私もまだ十分勉強しておりませんので、透徹した議論にはなりますまいけれども、何とはなしに、第一条の目的というものが不都合千万であり、しかもこれを委託貸付なりその他の方法において実際に金融するときに、とかく言いのがれの材料となる条文であるように私には思える。本日はまだまだお話を願うならば三時間や五時間はぜひ伺いたいのでありますが、何分にも時間に追われております。そこでおもな点といたしまして、第一条につきましては、ぜひ専管の通商産業委員会で十分御検討を願いたい。貸付困難なものに貸すのだということはわかるのであります。中小企業の金融逼迫のために設けた制度で、一般の金融機関から借りられないものに貸すという意味ならわかるけれども、それなら、それをカバーするための、先ほど伺いました信用保険制度の全画的施行を考えているのかどうか、これらをあわせて御説明を願わないと、どうも納得が行きません。われわれは合同審査の責任上、ここに時間を借りまして発言したにとどまつておりますから、どうぞ通商産業委員会の方でこれらの点を十分御検討くださいまして、ただいまは資金も少いのでありますが、十分院議を尊重する限り、あるいは財政事情の許す限り、その他の点におきましてますます資金は拡大強化されるものと信じております。その発足にあたりましては、将来をおもんばかり、十分なる御研究をいただきよき法律としていただきたいことを念願してやみません。通商産業委員長にも特にこの点をお願いしておきます。「融通することを困難とするものを融通することを目的とする。」ということは、政府機関であります輸出入銀行や、あるいは開発銀行というようなものの字句をまねたような気持がする。かような気持では、日本の中小企業の金融というものは断じて救われるものでないということを私ははつきり申し上げまして、政府委員の方が不熱心でなく、私の方が時間の都合で本日はこれで質問を終ることにいたします。どうどよろしくお願いいたします。

坪川信三自由党

○坪川委員長 永井勝次郎君。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 銀行局長にお尋ねいたしますが、アメリカの占領下における金融政策として、従来いろいろ複雑多岐になつた特殊銀行を整理して、できるだけ一本の姿にしよう、こういうことで運んで来たと思うのでありますが、最近それがまた特殊金融機関的なものがどんどん増設されて来ている。どういう事情でそういうな転換がなされているのか、基本的な理由を伺いたい。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 お答え申し上げます。お尋ねの点は、おそらく銀行の制度の問題ではないかと思います。金融制度といたしましては、御承知のように信用金庫、あるいは相互銀行といつた中小金融機関の制度が他にいろいろございますが、銀行の制度についてのお尋ねと思いますので、その問題に限つてお答えを申し上げたいと思います。  昨年の国会で、御通過をいただきました長期信用銀行の制度、こういう制度を設立いたしまして、昨年以来発足をいたしておるのでありますが、これは御承知のように戦争前におきましてはあるいは日本興業銀行あるいは日本勧業銀行といつた特殊銀行があつたわけであります。この特殊銀行の制度を敗戦後占領軍当局示唆もあつてやめまして、一律に預金銀行、普通銀行といたしたのであります。その後の事態をいろいろ研究いたしますると、やはり日本の実情からいたしますと債券を発行いたして、それを財源として長期の金融をいたす金融機構というものが、一般の預金を、財源といたします商業銀行のほかに存在することがどうしても必要である。その意味におきまして普通銀行の制度の中で、やはり長期の金融機関と短期の預金をもとにした商業金融機関とを区別することがどうしても必要である。これによりまして金融の分野をはつきりして、おのおのその目的といたすところに進んで参らなければならぬ、こういう考え方に立つたのであります。普通銀行は最近までやはり長期の金融に対して相当大きな融資をいたしておる。これが御承知のようなオーバー・ローンその他にからんでいろいろ問題が起つて参つておるのでありますが、預金銀行といたしましてはその資金の源がどうしても短かい資金でありますので、長期の金融ということにそう大きな力を入れることがなかなかむずかしい。その場合におきましてはやはり債券という安定した資金をもととした資金源を吸収いたしまして、これによつて長期の金融をいたす金融制度をどうしても確立する必要がある、こういう考え方に立ちまして、先般国会の御賛同を得て長期信用銀行という制度をつくつたわけであります。日本の実情からいたしますと十ぱ一からげに銀行制度をただ商業銀行、預金銀行という立場にのみ置いて日本の必要とするすべての長期金融がまかなわれるかどうかにつきましては非常に疑問といたすところであります。そういつた意味で民間の金融機構としての銀行制案を、そのおのおのの機能に従つて分野をはつきりした、こういうふうに御了観いただきます。  なお銀行制度の中には、御承知のように開発銀行、輸出入銀行といつた政府の金融機関の制度がございます。これらはこれらとして日本の現在の民間の金融機関だけに金融をすべてまかしておくことは非常に困難であるという事態にかんがみましてこれらの政府金融機関をつくり、これに財政資金を投入いたしまして、国家の必要なる長期の金融に当らせる。しかしこれはあくまで民間の金融機関でまかない切れない、あるいはまかなうことを非常に困難とするような金融の分野について、これらの政府金融機関が補完的に活動しておる、こういう建前に相なつておるわけであります。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 言うまでもなく、金融機関は単に営利本位に運営せらるべきものではなく、金融機関それ自体、その内容としては相当公共性を持つておるものと考えますので、公共性の上に立つて運営して行く場合、真に国の重点とする産業の方面にやはりこれを並行して動かすという態勢でなければならぬ。ところが金融機関は金融機関で営利本位のみに走り、金融資本の独占を強化して行く、こういうようなことで金融機関に対するいろいろの不平、不都合というものが一般に出て来て、そこにいろいろ特殊銀行が必要であるというような要望があり、さらにはいろいろな国の財政投資を要望するというような声が出て来ておる、こういうふうにわれわれは考える。問題は現在行つておる金融機関の営業方針というものがこれでよろしいのかどうか、監督の任にある局長の御意見をひとつ伺いたいと思います。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 金融機関、ことに銀行は一般企業と違いまして非常に大きな公共性を持つておる。そのために特別の監省に服し、特別の行政上の指導を受けておる、またそれをやつてもらわなければならぬという点につきましてはお説の通りと思います。現在そういう方向で私どもも努力いたしておるのであります。しかしながらお話のように金融機関が現在完全にその使命といたしまする公共的な立場に徹しておるかという点につきましては、お話のように個々の問題につきましてはまだ十分に満足すべき状態にない点もないとは申しかねます。従いましてこれらの点につきましては、なお一層私どもといたしましてもこれらの金融機関が公共的の使命に徹するように大いに努力いたして参りたい。ことに融資の面につきましては、融資のやり方をできるだけ公共的な目的に沿うように、いろいろの形でこれらの指導をいたしております。中小金融についても大いに努力するように努力させておりますし、また不急、不要の資金の融資を抑制するために、いろいろ監督指導いたして参つておるのであります。ただここで一つだけ申し上げておきたいのは、やはり金融機関、特に銀行等におきましては、多数の預金者から預金を預かつておる。この預金をもとにして金融をいたしておるのであります。やはり金融機関としての制度といたしましては、一番大きな根本は預金者の保護、これをどうしても第一義といたさなければならない。それだけが唯一の目的ではありませんが、預金者を保護するという立場で金融機関というものは動かして参らなければならぬ。その意味におきまして国家的に必要な資金でありましても、これは預金者を保護するという立場に立つておる預金銀行といたしましては、どうしても出せないというおのずから限界がある。しかもある程度預金者の保護に欠ける場合におきましても、これを国家の産業政策としてどうしても資金を投入しなければならぬという場合におきましてはこれはやはり現在の情勢におきましては国の資金、そういつた特殊なルートから来た資金をもととした金融ということにこれをたよらなければならぬという事態になつておる。私どもは大きな筋として民間における産業金融というものは、すべて民間の金融機関によつてまかなわれることが筋であろうと思いますが、現在の過渡的の日本経済の実情からいたしますと、やはりこれまたそういう分野においては、民間の預金銀行といたしてはなかなか融資の対象にしがたいものがあるというわけであります。そういうものにつきましては、やはり当面国家資金を注入いたしまして、これによつて民間の金融機関のまかない得ないところを補完して行くということはどうしてもとらなければならぬ施策であろうと思うのであります。今御提案になつており、御審議いただいております中小企業金融公庫の制度というものもそういう観点から出ておるものと御了解をいただきたいと思います。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 ただいまの局長の御説明の通りに銀行が運用されて行くものといたしますと、たとえば中小企業金融公庫をつくつて、そうして資金を下に流す、それを受けて一般銀行は、上の中小企業金融公庫から流れて来るところの資金と、それに自己資金をプラスして貸出しをする。こういうことになつておるのであります。何といつてもコマーシヤル・ベースに乗つておる金融対象というものは、これは銀行業務としてあり得ない。そうすると、金融公庫の方は金を借りることが困難な者にこれを貸すのだ。銀行の業務は営利を主体として、そろばんをはじいて貸すのだ。こういう二つの矛盾した性格で仕事をやらなけれげならぬ。こういうことになると、従来のように土から流れて来た資金は自分の銀行の焦げつきの肩がわりにする。あるいは一応中小企業への金融のわくというものがある。あるいは銀行自身に資金源が不足になつて、オーバー・ローンとかいろいろ問題になつている。上から資金が来ても自己資金をそれにプラスして行くだけの資金源が一体あるのかないのか。そうしてそうした矛盾を実際の業務の上でどう調整して行くのか。それに対して銀行局はどういう監督をするのか、このことをお尋ねいたしたい。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 まず最初に、もし誤解かありましたら誤解を解いていただきたいと思うのでありますが、この中小企業金融公庫の運用は、従来やつておりましたいわゆるハーテイシペーションの原則をとらないのでありまして、ある程度保証責任は持ちますけれども、資金はすべて中小企業金融公庫資金でまかなわれることになるのであります。従いましてこれに幾らか自分の資金をつけなければ、中小公庫の資金を代理で貸すという制度が使えないというわけでございませんので、もしそういう誤解がありましたら、そういう意味でないということをまず申し上げておきたいと思います。しかしながら私どもは、この問題につきまして、金融機関が非常にかつてなことをやる心配があるという点につきましては、いろいろな観点から十分に監督はいたして参るつもりでありますが、今までの経験から申しましても、市中金融機関がある中小企業者に対して五百万円なら五百万円貸します場合に、その五百万円全額について危険を負担するという場合にはなかなか貸し切れない。しかしそのうちの三割なり二割程度の危険の負担なら何とか貸せるというようなものは、われわれの経験から見まして多々あるわけであります。従来の見返り資金でやりました協調融資の場合と今度の場合は、資金の源が違いますから、的確には言えませんが、責任の負担の割合において、パーテイシペートいたしますことは間違いがないのでありますが、その場合におきましても、やはり幾らか責任を別のものが持つてくれるということになりますならば貸せる。しかしながら、自分が全額その危険を負担するのでは貸せないという範囲のものが相当あるわけであります。それらがやはり中小企業としては、その金融さえつければ一番伸びて行くし、堅実に充実をいたして参る可能性のあるものではないか。従いまして、私どもはこういつた金融機関の一部の責任を負担するということによりまして、従来金融のつかなかつた者で相当つくようになる者が私は相当あると思いますし、かたがた金融機関にある程度の責任を持たせることによつて、あまりルーズな金融がされない。今お話のように悪いものばかり押しつけて来るといつたような金融がなされないで済む。その意味において少くともある程度の責任は政府資金の代理貸しをする場合におきましても持たせなければならぬ。その持たせる程度は三割がいいか、二割がいいか、その点の御議論はいろいろあるかと思いますが、ある程度の責任をやはり金融機関自体に持たせないと、金融資金の運用がルーズになり、せつかく政府資金という尊い金を出しても、その本来の目的とするところに流れないおそれがありますから、そういう意味におきましては、この制度は、責任はどうしても分担しなければならぬ。ところが資金そのものは、必ずしも金融機関自体の資金を使わないで済む、こういつた制度になるのでありまして、この際の制度としては非常に適当な制度と私どもは考えております。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 岡田長官にお尋ねしますが、ここの図表にある、たとえば一般銀行八十三億、これは一般銀行に…。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 それは銀行の数でございます。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 それではここに横線を引いてあるのは……。中小企業金融公庫から流す資金、それにふくらまして自己資金、こういうふうに書いてあるのは、幾らの金を流せば、それに自己資金を幾らプラスしてふくらましてこれを流す、こういうようなものではなくて、自己資金が今日これだけ出るだろうという予想ですか。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 この絵を書きましたのは、公庫から流れる金は、銀行が自分で持つておる自己資金とは別の形で、混合せずに運用されるものだというわけで書いたのであります。公庫の金は公庫の金として直接に上から下までずつと流れて行つて、自己資金と混同しない。金利の面におきましても今銀行局長が申しましたように、いわゆる協調融資をやるのでもございませんので、この部分に関する限りは、累計一千万円までは公庫の金が直接中小企業に行くということを表わそうとしたものであります。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 銀行の貸出しも常に百パーセント健全だというわけではなくて相当危険負担があり、焦げつきがある。そういう焦げつきが出た場合、少くも金融公庫の貸出し対象になるような部分に対しては、これを肩がわりするということが行われるのが従来の通例である。たとえば二割の危険負担、三割の危険負担というものがありましても、これは借りる側の利益としてももちろん考えられるが、それ以上に、銀行の利益を安定させ、危険負担をそれだけ軽減させて行くのだ、たとえばここに五百万円貸出して、焦げついてしまつてどうにもならない、それを二割なり三割なりこの金融公庫の貸出しに肩がわりする、そういうことによつて銀行は二割、三割の危険負担で、七、八割は金融公庫の方に押しつけて済ますことができる、こういうような運営が実際に行われておる。だから資金の面においては、総額はもちろん区別して出しておりましても、実際の貸出し対象はどれというきまつたものがないから、これは銀行の運用になるわけでありますが、一体融資の実体の中でそれをどういうふうに区分し、どういうふうにしてそういう危険を防止するのか、長官と銀行局長と両方にお伺いいたします。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 この公庫の運営にあたりましては、代理銀行が特定の中小企業者に金を貸すということをきめて公庫に通知する場合と、単に貸すか貸さぬかの決定を金融機関が公庫に持ち込んで来る場合と二つの場合を考えているのであります。いずれの場合におきましても、あとの公庫自身が貸出しを決定する場合は問題ないと思うのでありますが、金融機関が貸すことをきめまして、公庫に通知をして来る場合におきましても、公庫としてそれを監督することができるわけであります。そうして御指摘のような方法によります公庫の金の運用はなさないように、金融機関に指導いたしますとともに、金融公庫が各金融機関のやり方を絶えず見ているわけでありますから、万一さような方法を多くとる金融機関に対しましては、次の四半期の資金計画の場合に、その銀行に預かつてもらうことをやめるということもできましようし、資金のわくを減すということもできましようし、個々の場合に、わかりますれば貸出しをとめてもらうこともできましようし、相当各金融機関の資金、公庫の金の運用は、公庫において十分目を光らせてやつて行くことができる。そういうことで今申しましたような弊害は防止して参りたい、かように考えております。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 今岡田長官が申し上げました通りでありますが、ただ実際問題としてはなかなかそれがわからぬ点がございます。従いまして、そういう弊害を根絶いたしますことはなかなかむずかしいと思います。結局銀行自体の良識にまたざるを得ない。しかし私どもといたしましては、常時銀行を検査いたしますから、これらの検査を通じまして——この検査をいたしますれば、個々にわかるわけでありますか、そういつた面で検査をいたしました結果、これらの不当な行為がありますれば、十分これを是正することができると思います。趣旨におきましては、今お話のようなことはさせない方向に、いろいろな行政的な措置を通じてあるいは銀行自体の良識にまつて、そういうことのないように私どももできるだけ努力をいたしたいと考えております。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 銀行局長の話でよくわかるのですが、岡田長官のような、業務を指導するとかなんとかいうことは、中小企業庁長官は行政の権限内においてはそういう指導力は発揮できるかもしれませんが、金融機関の中に入つて金融の実際事務を指導するとかなんとかいう大それた考えを持つていたつてそんなことはできるものではないし、今銀行局長の言うように、実際業務の運営においてそれが焦げつきの肩がわりかどうかというような判別は、そう簡単にできるわけのものではありません。銀行側といたしましても、個人の信用に関する問題を、こういうふうになつていますといつて全部公表するものでもないので、実際監督権限を持つている銀行局なり何なりが、その業務に実際に入つてそうして貸出しした結果についてそれを照し合せて判断するというようなテーマをもつて、特にその点を調べるということでなければならないのであります。そこで問題になるのは、先ほど私が申しました通り、金融機関の公共性というものを金融機関がほんとうに良志的にやるかやらないかということに問題はかかつておるのです。そこで銀行の預金者の利益を存るという立場における営利的な立場と、それから大蔵省の監督のもとにおいて公共性という方向へもつともつと発展させなければ、この問題の解決は、どんな機関をつくつてやつたところでできるものじやないと考えるのであります。  さらにいろいろ問題がありますが、次の質問者があるようでありますから長官に対するいろいろな質疑は後刻に譲ります。

坪川信三自由党

○坪川委員長 長谷川君。

長谷川四郎改進党

○長谷川(四)委員 今の永井さんの質問に関連して銀行局長さんに聞きたいのです。よくあるのですが、開発銀行あたりから借り入れるにいたしましても——たとえば今度の公庫が二割なら二割というものを結局保証させなければならないという段階になりますと、ここで一千万円金を借りたい、それでは借りてやろうということになると、これにはたとえば五百万円、あるいはその保証の範囲内で最低三百万円は銀行へ定期しろ、そうなれば、そのあつせんをしてやるというような条件の備わつたものが、今の貸出しのうちの大半ではないかと思うのであります。公庫はこれから発足しようという段階にありますので、今までの開発銀行等々の調べによりましてあなたは検査をするのだからわかると言うが、そのわかつた結果等がありましたならば、伺つてみたいと思うのであります。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 開発銀行は、実は御承知のように、去年の十月からこの問題を始めておりますので、まだ的確に検査の結果の実情は出ておりません。ただ見返り資金の当時におきまして、そういう問題が私どもの検査の結果を通じて出て参つております。ただこの見返り資金の場合と開発銀行の場合と若干違います点を申し上げておきたいのであります。これは先ほどの御質問にもありましたが、見返り資金の場合には、銀行は自分の金をそれにつけ加えて出さければならない。ところが、開発銀行なり、今度の中小企業金融公庫の場合におきましては、自分の金をつけ加えて出すということはないのであります。しかも保証債務はある程度持つのでありますが、その債務に関する限りにおきましては、先ほども岡田長官からお話がありましたように今後信用保険制度の対象とすることができるように、今御審議を願つておる法案の改正でできております。こういつた制度を利用いたしますならば、その貯源を確保いたしますために預金をさせる、一般の銀行等で世間から非常に非難されておりますいわゆる両建、歩積みといつたような意味のものをやる必要はなくなつて参る。従つて、私どもは、今後においてはそういう弊害は少くともなくなるのではないかと思います。ただ一般の貸出しと預金というものとが見合うのは、普通銀行常識からしてあることでありまして貸出し先が全然預金を持たない、貸出しを受けていない人だけから預金を集めるというのじやなくて、やはり貸出しを受けている人からも預金を受ける——これは銀行取引を通じてわかつているわけでありますから、その貸し出した人から預金を受けることは必ずしも不当なことではないと思いますけれども一般のいわゆる両建なり、歩積みにつきまして、不当なことを要求いたしておりますものが相当程度あるように聞いております。これらの点につきましては、一般の金融政策なり、あるいは金融行政といたしまして今後といえども厳重に取締つて参るようにいたしております。これらの問題につきましては、さらに具体的な方途によりましてこれらを適当に取締つて参るようなことを考えておりますが、これは一般論の問題として申し上げたいと思います。

長谷川四郎改進党

○長谷川(四)委員 たとえば銀行の制度といい、営利を目的とするものである。従つて反面大いなる公共性も保つて行かなければならないことは明らかな事実なのでございますけれども、たとえばこの金融にあたりまして、中小商工業者が何とか方法はないかといつて行くときに、どうしても銀行は拒みやすいのです。というのは、保証ということがあくまでつきまとうという点だと思うのです。従つて、この運営にあたつても、大いに公共性を発揮して各銀行に当つてもらわなければならないと思うのでございます。その点については、特に銀行局長の方から理解ある説明等を与えてもらいたいと思います。  これにつけ加えて申し上げたいのは中小企業金融公庫法案について特に最も重要だと考えられるのは、その運用に当る人の機構であると思います。従つて本庫の特殊性にかんがみ、役員には商工中金の役員を兼任させることが最も適切であり、望ましいことであろうと思います。しかしこの法案には、兼職が禁止されております。従つて本委員会多数の意見といたしましては、本公庫の役員は、主として中小企業という面に徹し、また最も理解のある者すなわち協同組合の実態について知識と経験を持つている人に総裁と、その役員になつていたただくよう御選任願いたいという考え方であります。なお公庫の役員について、市中銀行とか、あるいはまた大蔵官僚といおうか、大蔵関係のお方といおうか、こういう人たちの人選では、この運用にあたつてあまり芳ばしくないと思うのでありまして、きようは大臣はおりませんが、次官もおられることだし、局長もいることですから、特にこの点については今申し上げましたような人選を考えていただきたいことを希望申し上げまして、私の質問を終ります。

小平久雄自由党通商産業政務次官

○小平政府委員 本公庫の役員につきましては、ただいま御指摘のごとく、兼職が禁止されております。従いまして、中金の後員との兼任はできかねる建前になつております。ただ具体的に何人にこの公庫の役員となつて運営を御依頼するかにつきましては申すまでもなくこの公庫は通産及び大蔵両大臣の共管になつておりますので、両大臣間において慎重に御相談の上、御決定願うようになるものと存じます。ただいまの御意見は、御意見として十分拝聴いたしておきます。

坪川信三自由党

○坪川委員長 他に御質疑はありませんか。——他に御質疑がなければ、連合審査会はこれにて散会いたします。     午前十一時五十一分散会。

国会会議録検索システムで原文を見る ↗