通商産業委員会 第30号
- 発言数
- 84 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/03/06
会議録
○坪川委員長 これより会議を開きます。 本日は、まず電源開発株式会社の業務進行状況に関する件について、電源開発株式会社副総裁進藤武左ヱ門君、同理事間島達夫君を参考人として、その意見塩求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坪川委員長 御異議なければさようとりはからいます。 それではまず参考人より、電源開発株式会社の業務進行状況に関し説明を聴取いたしたいと存じます。電源開発株式会社副総裁進藤武左ヱ門君。
○進藤参考人 ただいま御指名にあずかりました電開源発株式会社の進藤でございます。お求めによりまして、これから電源開発株式会社発足以来の業務の運営の状態について御説明申し上げます。 御承知のように、電源開発促進法によりまして、昨年の九月十六日に電源開発株式会社が発足いたしました。とりあえず前の日本発送電の本社に事務所を開設いたしましてその後社内の整備と、それから次々に電源開発審議会におきまして定められました開発地点における現場の工事の促進に対する手配、こういうことを今まで続けて参つたわけでございますから、そういう筋で内容を申し上げてみたいと思います。 まず社内の整備につきましては、御承知のようにほんとうに初めからつくり上げられた会社でございますので、人員の整備、機構の整備というものに全力を尽したわけでありますが、最初はできるだけ簡素な組織にして、仕事に応じて組織の変更、人の充実をして行く手配をいたしまして、ただいまにおきましては組織といたしまして、四部十六課、それから一室、これだけの組織をもつて仕事を続けておるわけです。なお現場機構といたしましては、現地に調査所並びに建設所をつくりまして、これは仕事に応じて開設いたしておるわけでありますが、現在までに開設しました建設所、調査所は、お手元に差上げました、「国会説明参考資料」、これをごらん願いたいと思います。ただいままでに開設いたしました建設所といたしましては、富山建設所、胆沢建設所、猿ヶ石建設所、西吉野建設所、佐久間建設所、それから北海道の糠平建設所、これだけでございます。それから調査所といたしまして御母衣の調査所、それから熊野川の調査所、吉野川の調査所、球磨川の調査所、これは実は二月下旬に熊本県の人吉へ設置いたしまして、ここには設置中と書いてありますが、資料が二月十九日でございますから、その後開設いたしておるわけであります。これだけの現場機構をもつて仕事をいたしておるわけであります。 仕事の内容といたしましては、開発審議会におきまして九月二十七日の第三回の会議で御決定になりました十勝川の糠平地点ほか三箇地点、合計十五万七千三百キロワツトの発電所建設と、それから北上川に胆沢、猿ヶ石、この二箇地点、三万六千二百九十キロワツトの発電所の建設、それから庄川の御母衣地点十四万二千キロワツトの電源開発、それから十津川の西吉野第一、第二発電所、四万六千百キロワツトの開発、それからその次に十一月二十日の第四回審議会におきまして御決定になりました天竜川佐久間発電所の三十六万キロワツトの一箇地点、それから十一月二十八日の第五回審議会におきまして御決定になりました天竜川の佐久間の下流にあります秋葉地点八方六千キロワツト及び石狩川の幾春別におきます三箇地点三万三千三百キロワツト、この合計十四箇地点約八十六万キロの発電所の建設を、ただいま申し上げた建設地点におきまして現在仕事をやつておるわけでございます。 仕事の進行状態につきましてはこれにごく概要を書いてございますが、すでに北海道の十勝川の地点におきましてはただいま動力工事も済みまして、いろいろ付属設備の建物を建設中でございまして、来月の終りごろ雪解けと一緒に請負にかけて、本格的な工事に着手する手配をいたしております。それから北上川の胆沢、猿ヶ石発電所に対しましては、すでに胆沢の発電所は請負に付託いたしまして、ただいま工事が三割程度進捗いたしております。早ければ本年の十一月末には発電所の建設を終りまして、発電を開始する予定でございます。おそくも今年の十二月末におきましては胆沢発電所は完成する予定で、今鋭意工事を急いでおるわけであります。猿ヶ石の発電所は、これも今見積りを徴取中でございまして、大体本月の二十日ごろに見積りが決定いたしまして、早ければ本年の終り、おそくとも来年の二月までには発電所を完成いたしまして、発電を開始するというふうな手配を今進めておるわけであります。それから十津川の西吉野第一、第二発電所、これはただいま見積り徴取中でございます。これも二十日前後には請負を決定いたしまして、世事を進める予定でございます。ただいま事務所の建設、工事用動力の建設、こういうものに全力を尽しておるわけであります。御母衣の開発、これは庄川の上流にございます。この地点はただいま用地の交渉を進めておりまして、できるだけ早く地元の御承認を得たいと考えますが、大体におきまして約半分は解決いたしまして、その後あとの半分につきましてお願いをいたしておるわけでございますが、これも大体御承認を得られるのではないかというかたい見通しを持つてただいま進めておりますがこの地点は地質が相当悪いので、技術者を派遣いたしまして、ただいま地質の調査中でございます。これは地質の調査いかんによりましては日本で初めてと申しますか、胆沢に一つありますが、コンクリート・ダムでないロツクフイルド・ダムをやらなくちやならぬというふうなことを考えまして、先般来日本の技術者並びにアメリカの技術者にも見ていただきまして、慎重な調査を進めておるわけであります。それから天竜川の佐久間地点に対しましては、附帯工事を進めておる一方、ただいま用地の交渉を進めておりますが、これも大体御承認を得られる見通しがつきました。また一方請負にかける手配をいたしまして、できるだけ早い機会に請負も決定いたしまして、四月早々から工事に着手いたしたいという考えで仕事を進めております。その下流の秋葉地点、これは国有鉄道におきまして建設の御予定で調査を進めておりましたものを、審議会で電源開発会社がやるように御決定になつたのでありますが、この地点は御母衣と同様地質調査がまだはつきりとした結論を得ておりませんので、国有鉄道の御調査の結果をわれわれ引継ぎまして、またわれわれの技術者も向うへ入りまして、ただいま地質の調査中でございます。これは佐久間の発電所と一緒に落成いたしまして、佐久間発電所の能率を上げるようなことで手配しております。これは佐久間の建設所で、佐久間、秋葉一緒に建設するという建前で現在仕事を進めておるわけでございます。それからもう一つ、石狩川、幾春別の発電所に対しましては、北海道開発庁が今までおやりになつておりました総合開発のうち、電力だけをわれわれの方で開発するようになつたわけであります。ただいま開発庁といろいろ従来の調査事項あるいはすでに御準備になりました建設機械等の引継ぎ、またダムの建設費の分担の割合をどうするかというふうな点につきまして話を進めて参つておりますが、ここもごく近く建設所を開設いたしまして、本格的工事にかかるつもりでございます。こういうふうに建設地点に対しましてはすでに一応手配を終りまして、ただいま現場工事の進捗に全力を尽しておるわけであります。 それから調査地点につきましては先ほど申し上げましたような東北地方の只見川の調査、それから近江の琵琶湖の調査、和歌山県の熊野川の調査、四国の吉野川の調査、九州の球磨川の調査、これだけでございますが、只見川と近江の琵琶湖を除きまして現地に調査所をつくりまして、すでに技術者が入りまして、ただいま地質の調査をいたしておるわけでございますが、これもできるだけ早く調査の結論を得まして、資金の許す限り本年中には着手いたしたいというふうな気持で進んでおります。只見川に対しましては東北電力とただいま話を進め、また関係方面と話を進めまして、実は従来非常に調査資料がたくさんございますので、ただいま本社で調査資料の検討をやつております。これもできるだけ早く現場へ調査所をつくりまして、現地調査に着手いたしたいと考えております。それから近江の琵琶湖に対しましては、これも建設省並びに関西電力または滋賀県等で従来長年にわたつて御調査になつておりますので、その資料を本社へ集めまして、ただいま本社において調査をいたしておるわけでございます。 こういうふうにいたしまして調査の手配、それから建設の手配は一応軌道に乗つたわけで、これからできるだけ早く、安く、またいい発電所をつくるということに全力を尽して仕事を進めて行きたい、こういうふうに考えておるわけであります。いずれにいたしましても、会社で担当いたしまする発電所の性格が、総合開発地点あるいは非常に大規模の地点でありますのと、現在の電力事情から申しまして工期の短縮をできるだけやり、またいい発電所をつくりたいと考えまして、技術のスタツフにしましても、日本の権威ある技術者にお願いいたしまして、技術委員会をつくつて御指導を願いまして、またダム建設の世界的権威者でありますドクター・サベージを会社の顧問にお願いいたしまして、このサベージの御意見も十分伺うことにいたしております。なお日本の技術とアメリカの技術を一緒にいたしまして、何か早くいい建設をするくふうはないか、こういう点でもわれわれ実は知恵をしぼりながら、手配を進めておるわけであります。そのほか、仕事が非常に大きいものでありますから、各機械の製造の方、あるいは土建の方々ともしよつちゆう連絡いたしまして、会社の仕事の実体を十分御理解願つて、ともにこの建設に当るというふうな建前で、今いろいろ連絡しながら応援をお願いいたしておるのであります。 なおできました発電所の電気は、法律によりまして全部供給事業者に販売いたすことに相なるのでありますから、計画あるいは仕事の進行等につきましても、九電力会社といろいろ組織的な連絡の機関をつくりまして、仕事のやり方、設計の方針等につきましても、大綱を打合せながら仕事を進めまして、発電所の落成後におきましても、円滑な運営ができるような手配を進めておるわけであります。こまかい点につきましては、ここに業務の資料を差上げてございますから、これをひとつごらん願いたいと思います。 委員長、なおセメントの問題がありますからちよつと触れておきたいと思いますが、よろしゆうございますか。
○坪川委員長 それはよろしいです。
○進藤参考人 それでは概要はこれだけにいたします。
○坪川委員長 これより質疑に入ります。質議の通告がありますからこれを許します。山手滿男君。
○山手委員 副総裁からただいま御説明を伺つたのですが、二、三の点について私はお伺いをしたいと思います。電源開発会社が昨年できて以来、いろいろ世間から注目をされておるのでありますが、特にいろいろ問題になつた地点、しかも重要な電源地帯、そういうものに手をつけておられるのでありまするが、工事の進捗状況は必ずしも当初予想したように円滑に行つておらないのじやないか、こういう風評があるのであります。今御説明のありました佐久間地方の発電所の問題にいたしましても、水没家屋の移転に対する補償の問題、そのほか土木工事の関係で、外国土建業者を入れるというふうな問題、いろいろ方々困難な問題が錯綜して来て、うまく円滑に進捗しておらないのじやないかという説をなす人もあるのでありますが、その点についてまず少し御説明を願いたいと思います。
○進藤参考人 お答えいたします。佐久間の建設につきましては、ただいまお話のようにいろいろのむずかしい問題がございまするのと、ことに根本問題といたしまして、あの発電所は日本で最大の発電所でございます。おそらく請負金額も百億近いという、日本の一つの請負工事としては最大のものではないかと考えるくらい大きなものでございますし、また発電所の性格が御承知のように五十サイクルと六十サイクルの調整用の発電所として、日本の電力事業運営上その点でも重要でございますので、これはほんとうにしつかりした基礎の上に建設いたしたいと考えておるわけでございます。そこで今お話がございましたように、補償の問題にいたしましても相当影響するところが大きいのでありますし、ことに電源開発会社といたしましては、補償のやり方が今後の例にもなりますので、その点につきましても慎重に手配をいたしておるわけでございます。補償に対しては現地に推進の本部を置きまして、平島理事が現地へ出て、関係の県庁また各町村その他公的の機関と十分連絡をとりながら、ただいま解決に努力いたしておりますが、大体におきまして各方面の御了解を得まして、ごく近く工事に着手できるような手配になつておるとわれわれは確信して進んでおるわけであります。また請負工事に対しましては、ただいま申し上げましたように非常に重要な工事でありますのと、工期を短縮いたしまして早く発電所の建設をいたしたいと考えまして、実はアメリカの技術を導入し、アメリカの機械を入れて日本の請負業者と一緒になつてこの問題を解決して行きたい。またこれによつてわれわれも、今までもし遅れておる技術がありますれば十分勉強しまして、これから先の発電所の建設に応用して行きたいという二つの考え方から、アメリカの請負業者のうちアトキンソンそれからモリソンという二つの会社をこちらへ入れまして、日本の請負業者と一緒になつて仕事をするグループをつくります。また日本の請負業者の方も五社で一つの会社をつくりまして、アメリカの技術あるいは技師を招聘してやつて行くというふうなことで、今三つのグループから見積りを徴取いたしておるのでありますが、いずれにいたしましても最初のことでありまして、経営のやり方につきましてもあるいは技術の実体につきましても十分検討いたしたいと考えておるわけであります。すでにいろいろ資料をとつておりますが、資料の不備または技術の連絡のやり方等につきまして十分関係者と個々に今検討をいたしておりますが、これも大体見当がつきましたので、ごく近く請負を決定いたしたいと考えております。現地の補償と請負決定とを待ちましてできるだけ早く工事に着手いたしまして、できるならば三年以内に工事を完成いたしたいというつもりで手配を進めております。いずれにいたしましてもさつき申しました通り会社創立早々でございまして、社内の整備と現場の工事の段取りということに昨年度は非常に追いまくられておつたのでありますが、幸い現場の機構も大体レールに乗りましたので、今度は個々に仕事を掘り上げて進めて行く段取りを進めております。佐久間は今申しましたように、われわれといたしましては一番重要な発電所でございますから、念には念を入れるという態度でやつております。
○山手委員 外国の土建業者を入れるというという話でございますが、いろいろ報道されておつたところによると、もう一箇月も前にこの請負は今にも決定をするのではないかということであつたのでありますが、その後請負を決定するところにまで至つていない。今副総裁のお話を聞きますと、近く何とか決定をしたい、検討をしておるというお話でございました。只見川地区の電源地帯の調査に向うから専門家を招聘して報告書をつくつてもらつたのでありますが、あの調査そのものについてもとかくの批評がやはり今日出ておる。私はモリソンとかアトキンソンなんかの土建技術を日本で学びたいというのであるならば、優秀な技術者を開発会社自体が雇い入れるかなんかしてやればいいと思う。あるいは機械などは向うから直接購入をして、全国的な大開発をやるのでありますから、日本に適した日本流の技術も十分生かした開発をやることも一つの方法であり、またそうなくてはならぬと思う。それを向うの土建業者をいきなりここにはめ込んで行くというような行き方にはいろいろな問題があろう思います。その点について業界でも非常なシヨツクを受けておりますが、どうお考えになりますか。
○進藤参考人 お答えいたします。御承知のように日本の技術者におきましてもダムの建設は相当従来経験がございますが、しかし佐久間のダムのような大建設は、実は日本で初めてであります。そこでこのダムの建設に非常に経験の深いアメリカの技術を取入れたらよかろう、ことにわれわれが注意いたしておりますのは機械化の問題でございまして、たとえばセメントを練るにいたしましても、あるいはコンクリートを運ぶにいたしましても、掘鑿にいたしましても、日本の従来の機械ではできないとは申しませんが、能率の点、それから施工の質の点におきまして、まだ相当差異があると思います。でありますからまずわれわれは向うの技術を取入れまして、これはもしアメリカの国で決定いたすといたしますと、おそらく人も数十人の技術者が参ります。また個々の機械の運用よりも、機械全体の総合的の運営という問題をわれわれとしては重要視しておるのでありますから、こういうものを入れまして、そうして日本の会社の技術者が一緒になつてあそこで勉強しまして、次の工事からは、今山手さんのお話のようなことに行きたいと考えて、われわれは今外国の技術を入れようと考えておるわけであります。
○山手委員 そういたしますと、モリソンやアトキンソンの方からは技術者が来るだけであつて、会社自体が請負工事の入札に参加をする、そして会社の計算において工事を請負つて、これを完成して行くというふうな構想ではないのでありますかどうか、この点をもう一つ伺つておきたい。
○進藤参考人 お答えいたします。もちろん会社が全責任でやつておるわけでありまして、会社の技術者があそこへ行つて工事を監督し、設計をいたし、工事の段取りをつけるわけでありますが、工事の施行に対しましては、アメリカの技術者と日本の請負業者と、ジョイント・ヴエンチユアと申しまして共同の組合せをやつて——組合せのやり方が二色ございますが、組合せをやりまして共同の責任で工事をやる、こういうことでございます。
○山手委員 どうもその付近が私どもには明らかでないんです。いわゆるトンネル会社のようなものにして、その下請を日本の土建業者がやる。その上に十人か二十人くらいの向うの技術者がやつて来て、指導をして完成をする。だから一種のトンネル会社式に請負わして行くということになるのかどうか、もう少し具体的に伺いたい。
○進藤参考人 お答えいたします。トンネル会社では絶対にございません。と申しますのは、今三つの方式で、請負からこういう方式でやりたいという見積りをとつております。その一つは、アトキンソンと日本の請負業者二つの三つが連絡をいたしておりますが、会社と契約の当事者は日本の請負でございます。そして日本の請負とアトキンソンとの間に契約をいたしまして、向うが技術の人とそれから機械をこちらへ持つて来て、一緒に仕事をしよう、こういう形が一つでございます。もう一つは、モリソンと日本の請負業者二つの三つが一つの共同体、ジヨイント・ヴエンチユアになりまして、会社と三者が共同の責任で契約をするという形でございます。それから日本の請負は、五つの会社が新会社をつくりまして、そうしてそれに向うから技術者を招聘し、機械を持つて来る、この三つの形で今やつておるのでございます。どの形がいいかという問題で、今十分検討をいたしておるわけでございます。でありますから、どの形がいいかという結論はまだ出ておりませんが、いずれも今の三つの形をとつておるわけでありまして、決してトンネル会社ではございませんから、御了承を願いたいと思います。
○山手委員 そうしますと、その形そのほかについてはわれわれも少し研究をしてみたいと思うのでありますが、こういうアメリカの土建会社を参加さすというのは、この佐久間地区の発電所の建設だけに限つてこういうことをおやりになるのであるか、あるいは佐久間と並行して秋葉その他順次これを着手しておいでになるつもりか、その点もお聞きしておきたい。
○進藤参考人 お答えいたします。まだ実は佐久間の結果がわかりませんので、そこまでの結論は得ておりませんが、われわれといたしましては佐久間の結果がよくて、そうして日本の技術者、われわれの技術者もまた請負も一緒になつて学ぶところが多ければ、われわれの方で学んだだけで今後やつて行こうという気持は十分持つております。しかし今佐久間の結果がいいか悪いかがはつきりいたしませんので、今後どうするかということの結論は実は出ておりません。
○山手委員 電源開発法を通しましたときに、開発会社が必要とする所要の鉄鋼とかセメントとかいうふうな資材については政府からいろいろ説明を聞き、かつまたその需給については何ら心配がないというふうな説明をわれわれは聴取してこれは通したわけでありましたけれども、その後磐城セメントとの間に電源開発株式会社が特殊の契約を結ばれて、セメント工場を経営するプランをお立てになつているようでありますが、これについて副総裁から詳細な説明を承りたいと思います。
○進藤参考人 お答えいたします。ただいま山手さんからお話のありましたように、佐久間並びに秋葉地点のセメントを十分確保したい、しかも低廉で確保したいという考えから、磐城セメントと契約をいたしまして、あそこの工場のセメントをわれわれの方で確保する手配を進めておりますが、これは実は今通産省の方へ認可を出願しておるわけでございますから、その点御了承を願いたいと思います。それからどうして確保しなくちやならぬかというと、佐久間及び秋葉の地点で所要といたしまするセメントの量は非常に厖大なものでございます。それからもう一つは、今度の請負を決定いたしますと、できるだけ工期を短縮したいと考えております。それはセメントは社給でございますから、もしセメントに支障がありますと工期が延びはしないかという心配がございますので、セメントを確実に確保するということが目的でございます。ことに東海道筋におきましては、佐久間の建設が盛んになるころになると、大井川流域の井川の発電所の建設がありますし、われわれの佐久間、秋葉の建設、また現在進んでおります木曽川の丸山の建設、また名古屋の火力、いろいろな発電所の建設があそこにございますので、セメントの製造能力と一緒に輸送の面についてもわれわれは十分検討しなければならぬが、幸い磐城セメントの御計画の工場は、佐久間、秋葉から非常に近いところにございまして、輸送が非常に楽である。また工場のセメントの製造能力がわれわれの建設に支障がないというふうな、かれこれの点を考えまして、あとで間島理事から御説明いたしますような契約を締結いたしまして、できるならわれわれはこれを政府で御承認願つて、そうしてこの通りセメントの確保をいたしたい、こう考えております。なお磐城セメントの関係につきましては、間島理事から御説明いたします。
○間島参考人 私、主として経理を担当しております間島でございます。よろしくお願いいたします。今セメントのお話が出たのでありますが、これにつきまして、たしか資料にお配りいたしましたものの中の附帯事業としての、セメント製造業経営に関する件、これは先月二十五日に書きましたものでありまして、それをごらんになりながらお聞きを願いたい。私もそれを基礎にして御説明申し上げたいと思います。この書きましたものの中の最初に、どうしてそういうことになつたかという提携のいきさつを書きまして、その次に契約の内容を簡単に書きました。最後に、参考といたしまして、そういう工場でできるセメントの原価は一体幾らになるかということを書いておきましたが、その順序に従いましてお話申し上げたいと思います。 今副総裁からお話いたしましたように、天竜川の佐久間、秋葉を私の方でやることになつておりますが、この佐久間のダムの建設に要しますセメントは大体四十二万トン、それから秋葉地区でございますが、これが十一万トン、計五十三万トンというセメントがいる。非常にセメントとしては厖大な量になるわけでございます。この点につきましては、私どもがこれをやるようになつてから、何とかして安く手に入れたい。大体東海地区にはセメント工場がないのでございます。小野田の田原工場がございますが、あれは能力四千五百トン、きわめて能力が小さい工場でございます。たまたま磐城セメントが国鉄の二俣線の金指駅から二キロ半のところに月産二万二千トンの工場をつくるという計画を聞きまして、私の方で提携することになつた、こういうのでありますが、そもそものいきさつは、そこにも簡単に書いてございますように、磐城の社長にこの工場の計画の話を聞きましと同時に、一体セメントを安く手に入れるにはどうしたらよいだろうかということを尋ねましたところが、やはりこれは自家用セメント以外にはない、こういう意見を述べられたわけがございます。かねて私ども聞いておつたのですが、戦争中——これは朝鮮の話でございまして少し遠い話でございますが、朝鮮電業が鴨緑江に水豊ダムを建設いたしますときに、セメントを確保したいということで、小野田セメントの朝鮮工場の構内にキルンを一基増設いたしまして、それは朝鮮電業の自分の金で増設したわけでございます。それで水豊ダムのセメントを供給しよう、こういう計画を立てたわけでございますが、その結果セメントの統制にあいましてもセメントは確保できて、水豊ダムの建設に非常に力を尽した、こういうたとを聞いておりました。それをあわせて磐城の意見といたしまして、自家用以外に安くする方法はない、また量の確保もその方法以外にはない、こういうようなことで、それじやお前の方のセメント工場をおれの方に提供してくれないかということを言われたわけであります。その問いろいろ交渉のいきさつはございますけれども、結果といたしまして、次に述べるような契約に到達したわけでございます。もちろんこの契約につきましては、私の方が附帯事業としてセメント工場を経営するということになりますので、電源開発促進法に基く附帯事業の経営に関する認可申請をいたしておるわけでございます。目下通産省で御検討願つておる最中でございます。まだ認可を得ておりませんので、契約の効力が発生してはおりません。締結はいたしましたけれども、それは認可を効力発生要件にしておる、こういうことでございますので、その含みでお聞きとり願いたいのであります。 それでは次に「工場売買並に工場経営委託等に関する基本契約要綱」、これはお手元にこの基本契約書の写しをお渡ししてございますが、なかなかおわかりにくいと思いまして、ここに要綱を書き連ねたわけでございます。これを簡単に御説明申し上げたいと思います。 その一とございますのは、工場をつくつて、それを私どもの方で譲り受けるという段階のことをそこに書いておるわけでございます。磐城セメントは、静岡県引佐郡井伊谷村と申しまして——先ほど申しましたようにそれは金指町から二キロほど北の方に入つた村でございます。そこに、月産約二万二千トンのセメント製造工場をつくる、もちろんこのセメント製造工場をつくる以上は、石灰石、粘土など……。
○坪川委員長 ちよつと間島君に申し上げますが、要点だけを簡潔に述べていただきたいと思います。
○間島参考人 それでは、委員長から御注意がありましたので簡潔に申し上げます。 二万二千トンの製造工場を建設する。これが完成したときに、電源開発会社がそれを建設原価で譲り受ける、こういうことにしようと思います。それからこの工場建設のために金がいるわけですが、それを銀行から磐城が借りますのに、私どもの方が連帯保証をする、こういうことにしたのであります。もつともこの銀行借入金に対しましては、私どもの方の保証のほかに、そのでき上つた工場と石灰石の鉱業権、これを担保に提供する、こういうことにしておるわけです。 それから第二番目といたしましては、私どもの方で譲り受けた工場の経営はどうするかということを書いておるわけでございますが、この工場の経営はくろうとの磐城に経営を委託するということにしたいと思つております。もちろんこの委託経営は実費でやつてもらう、材料費、それから資材の買付、その他を、実費を私どもの方で払つて委託経営をする、こういうことになるわけでございます。なおわれわれの方ではいろいろな実費計算の正確を期するために、工場に電源開発発会社の経理職員を派遣して常駐させる、そして正確な検査を期する、こういうことを考えておりまするほかに、この会社に私どもの方から技術家を派遣いたしまして、品質の管理をする、ダム用のセメントができるように品質管理をやる、こういうことを考えてやつておるわけでございます。それからこの工場でできますセメントのうち約五十三万トン、佐久間及び秋葉にいるだけのセメントは、優先的に私どもの方の自家用セメントとして使うというふうに考えております。残りは磐城の方に原価で売り渡す、磐城はそれを市販することは自由である、こういうことでございます。 それから三番目に、この私どもの方の佐久間、秋葉のダムができ上つたとき、発電所ができ上つたときにどうするかということが書いてあるわけでございますが、でき上れば、私どもの方はセメント工場をセメント業として経営する必要がありませんので、これを磐城に売りもどす、磐城はそれを買いもどすということにしたいと思うのですが、売りもどしの価格につきましては、委託経営をしております間に、あとで述べますような工場譲り受け代金の分割返済をいたしますのですが、私どもの方のダムの建設を完了するまでに払いましたものを、最初譲り受けた金額から引いた残りで磐城に売りもどす、こういうことにしておるわけでございます。磐城はこの委託経営中に私の方から工場譲り受け代金として入りましたものを受取つて、これで銀行の借金を返す、こういうことになるわけでございます。 第四に、この工場でどうしてもダムの建設に向かないセメントができる、適合するセメントができないということがはつきりしたときにはこの契約は解除する。こういうことにしておるわけでございますが、おそらくこういう事態は起きないだろう、こういうふうに考えております。それから参考といたしまして、セメントの原価はそこに書いてございますのでおわかりかと思いますが、簡単に申し上げますと、セメント一トン当り——これは磐城セメントで推計しましたので正確とは申せませんが推計したところをそこに書いたわけでございます。一トン当りの計算で、原料費、燃料費、材料費、労務費、経費といたしまして合計四千二百円、これが工場離れの原価になるわけでございます。この四千二百円にこの井伊谷村から私の方の佐久間建設地まで持つて参る運賃が四百円、それから減価償却費が八百円、それから工場の建設資金利息と申しますのは、工場が完成いたしましてから建設資金として借りたものに対する利息、それが七百円、これを合計いたしますと六千百円になるわけでございますが、これを今市価で買つたら幾らになるかというと、大体佐久間では八千四百円と聞いておりますが、八千四百円から六千百円を引いた残りが私の方で市価より安く買つた値段、つまり二千三百円になるわけであります。この二千三百円の半分を磐城にやろうということで、千百五十円やりますと、私の方がこれに要したセメント原価は、一トン当り七千二百五十円ということになるわけございます。それにいたしましても八千四百円の市価と比較いたしまして千百五十円安い。従いまして五十三万トン使えば約六億の金がそこで節約される。こういう結果になるわけでございます。もちろん市価と申しますのは、これはかわりますものですから、そうなかなか逆賭は許しがたいのですが、現在の需給関係から申しまして、おそらくセメントの市価は横ばい状況であろうということで、みな大体そのくらいの節約は可能ではないかというのが私どもの算定なのでございます。 最後にもしこの原価の方が市価より高くなつたらどうするかという御質問があろうと思いますが、この場合にはその差額は全部磐城で負担する、こういうことの了承を得ておるわけでございまして、私の方はどんなにまずく行つても市価でセメントが手に入る、こういう結果になるわけでございます。概略の説明でありますが、何か御質問がありましたらお答え申し上げます。
○山手委員 セメント工業界の現状は、電源開発会社の方でも御承知の通り決して今日月産二万トン程度のものが入手できないような状態ではございません。昨年あたりは需要の増減はありましたけれども、月産五十万トン六十万トン、あるいは七十万トンにまで行くという状態でありまして、わずかに一万トンか二万トンくらいの電源開発会社のお使いになるセメントが不足をして行くなどということは絶対にわれわれは考えない。しかも現在のところでは全国のセメント会社には相当まだ生産余力が残つておる。それを特殊な一磐城と国家資金を使う電源開発会社とが直結しておやりになるということになると、いろいろ問題が起きて来るのであります。今東京地方にはセメント工場が全然ほかにないようなお話でございましたけれども、小野田もある、それから大阪の窯業セメントも伊吹山につくつておるし、今お話のあの近くにも、まだほかにもあるのでありまして、どういう観点からセメントの入手が困難だという断定を下されておるのか、今の御説明で四、五点われわれは了解に苦しむ点があるのでありまするが、まずその点から御説明を願いたい。
○間島参考人 御質問はごもつともだと思いますが、これからのセメントの需給関係というものはなかなかむずかしい見通しだと思うのでありますが、大体私どもが聞き又んでおりますことは、これからのセメントの生産、もちろん増産計画も含めての生産でございますが、それに対する需要というものはやはり上まわつておるというふうに聞いておるわけであります。それで具体的に申し上げますと、私どもが今は、佐久間の現地まで約九十七キロぐらいでございまして、ばら積で運べるわけであります。従つて袋はいらないわけであります。袋を使いますと、やはり一トン五、六百円かかるわけでありますから、それだけセメントが高くなる結果になります。もちろん三重県だと思いましたが小野田の藤原工場とか、大阪窯業セメントもございますけれども、運賃の点から申しますと、この工場から運ぶのが一番安く上る、こういうことになる。それからもう一つは、私どもの佐久間のダム、秋葉地区でございますが、非常に固まつてセメントがいるわけでございます。大体一番ピーク時には月二万トンを越す量がいるのじやないかと思いますが、そのときの需給関係で万一、二万トンというものが調達できない場合には、それだけダムの建設を待たなければならないというような事態をおそれておるわけでございます。その点でこういうものを確保しておけば、いかにピーク時に行きましてもセメントの量の確保には問題はない。それから先ほど申しました袋を使わない、ばら積みでいいという点で安く行くというような二点をもつて、これと提携しようと考えたわけであります。なお念のために申し上げますが、この工場の建設につきましては、私どもは保証をするだけでございまして、金は一銭も支出しないわけでございます。御了承願いたいと思います。
○山手委員 電源開発会社がこの保証をするだけで一銭も金は出さないのだというお話でありますが、しかしわれわれは了解に苦しむのであります。磐城セメントが自力ではこの融資が受けられない。そういう状態にあつて二十億近いものを電源開発会社のひもつきで保証して、これで金が出て来る。これは電源開発のような厖大な国家資金を使う場合には私はいつも頭に置いて考えてみるのでありますが、なるほど一個人ということになると、金があるとかないとかいう問題が起きて来るのですが、こういう国家資金をプールして大動員するような場合には、それは電源開発会社がこれを保証して、初めて巨額の資金が出るということであつて、国家資金というものは一定のものである。その国家資金は電源開発会社が保証すれば、ぽつと国家資金がふえるというものじやない。電源開発関係に向けられる資金というものはやはり一定のものであつて、それはこの政府の予算なり、あるいは開発銀行やいろいろなところに出て行く資金というものは一定できまつておる。それをとにかく電源開発会社の方で保証されることによつて出て行くということになると、やはりほかの電源開発関係の資金が圧迫されるおそれもあるのじやないかと私は思う。いわゆるわき道のことにまで手を染められることによつて、電源開発関係の資金に食い込んで行くおそれがないか、私はあると思う。その点についてどういうお考えか。
○坪川委員長 間島君に申し上げますが、他の質疑の通告が多数ありますのと、時間の関係上簡潔に御答弁を願います。
○間島参考人 それでは簡潔に申し上げます。今の御質問でございますが、磐城は私の方が保証しなければ金ができないかというと、これはできるのでございます。磐城は社債を発行しておりますし、また市中銀行とのつながりも十分ありますので、私の方が保証しなくてもおそらくできると思います。それではなぜ私の方が保証してこういう契約をあえてするのかと申しますと、私の方から保証いたしますと、長期の金が比較的短時間に出るという利点があるわけでありますが、磐城が単独で借りる場合と私の方が保証して借りる場合と、その資源はおそらく同じではないかと考えております。御質問の趣旨とちよつとはずれたかもしれませんが、お答え申し上げておきます。
○山手委員 そこらあたりはあとから研究してみますが、私は決して同じことではないというふうに考えておるのであります。それから今のセメント業界では数量の確保に非常な困難性があるというふうにおつしやいますけれども、五十万トン程度のセメント、月にして一万トンや二万トンのセメントを、特にこういうものを設けて業界に波瀾を起さなければやつて行けないようなものじやない。いつも十万トンや二十万トンの滞貨はある。今現に今月もセメント業界には滞貨があるのであつて、セメント業界といえどもそう皆さんが御心配のような状態ではないので、むしろこういうことが行われるために、セメント業界の方にも大きな波が立つて行くのだと私は思います。特に磐城セメント——これは会社を特に名ざして私は言いたくないのでありますが、磐城セメントの品質は必ずしもいいとは言われておらない。今あなたの方で品質管理のために係員を派遣するとかいろいろ御説明がございました。あるいはダムの建設に向かないセメントができた場合にはどうするとか、あるいは原価計算は一応出しておるけれども、これ以上に原価が上まわつた場合にはどうするとかいうようなお話がありましたが、この原価計算を見ましても、燃料費などの点は、やはりあすこまで石炭などを引上げるというようなことになると、いろいろな問題もあつて、私は必ずしもこれが正鵠を得たものではないと思つておるのでありますが、こういうダムの建設についてのセメントの品質の関係はどういうふうに御検討になつて参られましたか、その点をお伺いしたい。
○間島参考人 御質問の要点は二点だと思います。最初の方からお答え申し上げますと、あるいはそれは入るかもしれませんけれども、私の方で使いますのはある時期に固まつてセメントを出すという見地から、固まつたときにセメントがはたして市場から入るかどうかという点につきましては、多少私どもは不安を持つておるわけでございます。それで滞貨は冬はございますが、やはり夏は欠けて来ますので、そういうときに入手できないのではないかということをおそれて万全を期しておるわけでございます。 それから第二の点でございますが、磐城の品質の点については、私もいろいろ評判を聞いておりますが、大体東北地方の電力関係のダムのセメントには磐城のものが相当使用されております。現に私の方で北上川の猿ヶ石、胆沢のダムを建設しておりますが、そこでも使つております。なお二十五年の全国の電力会社で使用しているセメントのうち一五%、二十六年度は二一%というものが磐城のセメントが使用されておりますが、私の方としては磐城のセメントでまず間違いないというふうに考えております。
○山手委員 少し話の角度をかえますが、昨日も会社の総裁は、セメントの工場も附帯事業としてやる、あるいは営利事業まで手を出してやるというふうなことを新聞記者にお話になつておるように承つておるのでありますが、この電源開発会社の定款にあるところの附帯事業というものは、どの程度に限定をして考えるべきか。そういうことになると電源開発会社は土建会社をやるとか自動車会社も鉄道もやる、それからまたいろいろな人集めの仕事もやる、そういうふうに附帯事業が熊手のように伸びて行つて、とどまるところを知らないようなかつこうになつて行くと思うのでありますが、その点についてどういうふうにお考えになるか、これは副総裁からお伺いしたい。
○進藤参考人 お答えいたします。先ほど間島理事から御説明いたしましたように、佐久間、秋葉地点の開発に関するセメントの確保で、磐城セメントの処置をとつたのでありますから、われわれは佐久間の建設が終りますと、あの工場をそれから先継続して経営して行く意思はございません。これは契約にはつきりうたつております。そのほか附帯事業は、今お話のような、どこまでも伸ばすというようなことは考えておりません。会社が仕事をいたします上に、しつかりした見通しをつけるのにどうしても必要だという最小限度のものに対してやるのでありますが、ただいま磐城セメントとの契約以外のことをわれわれの方具体的にまだ計画をいたしておりません。
○山手委員 今のお話は昨日高碕さんが言われた営林事業からいろいろやるというふうなお話と少し食い違いがあるように思うのです。そこで私は政府の方にお伺いをしたいのであります。この認可申請がすでに出されたものであろうと思いますが、定款の附帯事業の定義そのほかについていろいろ問題があろうと思うのであります。こういうのをどういうふうに考えておるか、その点政府側から御答弁を願います。
○小平政府委員 附帯事業の範囲をどう解釈するかという点につきましては、御承知の通り促進法にも明文がございません。従いましてこれはもつぱらそのケースケースによつて具体的にこれを判断いたす以外にはないかと思うのであります。それにはもちろん社会的なあるいは経済的な影響ということも十分検討しなければなりませんし、またその他の関係の機関とも十分に協議をしなければならないことでありまして、ただいま話題になつておりまするセメント工場の建設につきましては、当局としましては以上申しましたような諸点につきまして目下検討中なのでありますが、詳細につきましては公益事業局長から御答弁いたします。
○中島政府委員 附帯事業の内容につきましては、ただいま政務次官からお答えありましたように、具体的な問題について決定する以外にないのでありまして、ただ観念的には開発会社の目的達成上必要な事項というものに入る限りは相当広くなるわけであります。しかし実際問題といたしまして、これをあまりに広く解釈しまた運用するということは適当でありませんので、ほんとうにそのために必要であるかどうか、またそれをやることが有利であるかどうかという点につきましていろいろな角度から検討の上で許可をするかしないかという点をきめて行くべきじやないか、こういうふうに考えております。
○田中(織)委員 今の点に関連して副総裁にお答え願いたいのですが、さしあたり二十八年度の開発会社の建設計画に伴う資材の所要量というものを——やはりこれは各産業に関連を持つて来る問題であります。ほかの建設関係の事業にも関係を持つて来ると思うのですが、電源開発の関係で、たとえばセメント、鋼材、木材こういうような関係をどの程度二十八年度において確保しなければならないという見積りを立てておられるか、この点についてお尋ねしたい。
○進藤参考人 ただいま手元に資料を持つておりませんから、あとで参考資料として御提出いたします。
○田中(織)委員 ただいま山手委員からの質問にかかつておるセメントの確保の問題についても、特定の会社との間に契約を結んで、そこで開発会社としての所要量を確保するために、一種の重点的な方針をとられつつあるのであります。セメント、鋼材、木材の全般に、少くとも電源開発会社でやろうとする開発事業に必要なこれらの物資の生産はさしつかえないということが、開発促進法案の通過のときの政府側の弁明であります。その点から見て、特に木材の関係等を私の手元にある数字から見ましても、ことしはまず五百万石ないし六百万石の需要量を見込まなければならぬ、現在の日本の木材資源の状況及び伐採期等の木材の関係から見ましても、とうていこれを確保することはできない、そういう見地から考えますと、せつかく国家的な事業としてやつておる電源開発事業の建設の進行状況にも重大な関係を持つて来る、場合によれば木材については戦時中行つたと同じような統制をやらなければならないような事態も発生するかもしれないということをそれぞれの業界では非常に懸念しておる。私はその意味でできるだけすみやかに今手持の資料がないとすれば後に出していただきたいと思う。その数字が出ないとあとの私の質問が非常にやりにくいわけであります。先ほどこれも山手委員から指摘された、たとえば佐久間の関係におけるアメリカの会社との関係が出て参つておるのでありますが、その点でまだ私明確に理解できない点がありますので、一、二点伺いたいのであります。たとえばアトキンソンなりモリソンなりと日本の請負業者との関係については、たとえば建設機械の供給関係だけにとどまるものなのか、あるいは同時にその建設事業に必要な資金的な面の参加もあるのか、その点がどうも明確ではありません。最近アメリカから帰られた高碕総裁は、電源開発のための外資の導入の折衝及び機械の購入という面についての交渉というか、瀬踏み的な目的を持つてアメリカに行かれたというふうにわれわれは聞いております。その点とも関連をいたしますが、具体的に名前が上つているアトキンソンあるいはモリソンというような会社と請負業者との関係がただ単なる技術援助というような形のものではなしに、そこにはたとえば向うの機械を買うとか、あるいは資金的なものを民間の外資導入というような形になりますか、借り入れるとかいうことが私は当然随伴して来ておると思う。その意味でその点がどうなつておるか、あるいはこれは高碕総裁が出て来て、じかに聞かしていただければたいへんよいのでありますが、進藤さんでもけつこうですから、総裁がアメリカに行かれてから電源開発のための外資導入あるいは機械購入の関係等についてはどの程度の話合いがまとまつて来たか、あるいはどういう見通しを持つておられるか、この三点についてお伺いしたい。
○進藤参考人 お答えいたします。第一の御質問であります請負の形が機械だけを持つて来るのか、その他どうかということは、先ほど申し上げました通り、アトキンソンと日本の会社との関係は、日本の会社とアトキンソンとが契約をいたしまして、アトキンソンの技術と機械を持つて来るわけであります。つまり技術全体とそれから向うの選択する機械を持つて来て日本の請負と一緒になつて仕事をする。しかし契約の当事者は、会社との関係は日本の請負であります。第二番目のモリソンは、これは日本の請負とモリソンとがお互いに共同請負の形になりますから会社との関係は、これも三社が共同の契約の対象になるわけであります。 それから第二点の外資の問題については、この工事に対して外資を入れるということは考えておりませんが、しかしわれわれとしましてはこれを契機としてそういう問題を助力してもらえばという希望は持つております。しかし契約としてはそういうことはございません。 なお総裁の行かれた外資問題につきましては、今いろいろこれは考えておりますけれども、具体的にここで申し上げるまでに至つていないと思いますので、この点は差控えたいと思います。
○田中(織)委員 その点は先ほど保留されたわけでありますけれども、資材の面との関連を持つのでありますが、副総裁にお伺したいのは、二十八年度の、今予定の計画を進める上の資金量は大体どの程度になるか、それの調達はどういうようにやられる見込みでありますか。ここに二十七年度の事業計画についての資金関係が出ておるのでありますが、株式払込み金あるいは政府関係の長期の借入金等で調達した資金で、二十八年度に繰越される部分がきわめてわずかありまするが、その資金計画というようなものはどういうようになつておりますか。
○進藤参考人 お答えいたします。本年は実は先ほども申し上げましたように、相当継続工事が多いのでありまして、八十六万キロばかりの発電所の建設をすでに着手しておるのでありますから、われわれとしましては、それと、それからわれわれが調査して審議会の御決定を得て、新しい地点に相当食い込もうと考えまして、当初政府出資を二百五十億実はお願いいたしまして、強く主張したわけでありますが、その後国の予算の編成上、ただいまにおきましては百五十億円の政府出資、五十億円の借入金、大体二百億円が昭和二十八年度の建設資金でございますが、そのうち大部分は継続工事に使われてしまいますので、今だけの金では新しく建設に着手するのに非常に不十分でありますから、その残りを三、四十億あるいは五十億程度できるなら外資によりたいという希望を持ちまして、ただいまいろいろ準備をいたしておるわけであります。
○田中(織)委員 会社が設立されてから、これは年度末までの計画なんでありましようが、約六十億ばかりの金で、二十八年度へ持ち越される金はきわめてわずかであります。会社が設立されてから約五箇月ばかりにはなるだろうと思いますけれども、この期間にすら五十億からの金を使つておるのに、たとい継続事業だけに限られるだろうという副総裁のお話でありますけれども、二百億だけではとうてい資金量がまかない切れないのではないかと思うのであります。それで来年度に、それぞれ調査を完了して建設に着手する部分も必ず出て参ると思うのでありますが、その点についての、さらに積極的な方針はお持ちではないのですか。今御答弁になりました二百億ではとうていまかない切れないのではないかというふうにわれわれは見るのでありまするが、それ以上超過する部分についての資金計画についても、政府との間に何らかの話合いが進められておるかどうか、この点について伺いたいと思います。
○進藤参考人 お答えいたします。お話の通り、われわれは最初二百五十億をぜひ確保したいと考えて政府へ申し入れたのでありますが、国の予算編成上の都合で、五十億減額されておるわけでありますが、これでは新規開発地点への着手が、われわれの考え方から見ると相当不十分ではないかと考えております。これをどうするかという問題で今苦慮しておるわけでありますが、できるなら外資によりたいというふうなことを考えて、今準備を進めておるわけであります。
○田中(織)委員 私もなおいろいろ質問したい点がありまするが、私の伺いたい資材関係の所要量が明確になりませんので、いずれそれの提出をまつて、全体の物資の需給計画の観点から質問することにし、きようは質問を保留したいと思います。
○長谷川(四)委員 関連して一つ…。会社が附帯事業をしたいという根本の理由としては、要は価格が非常に安く上るのだというのが目的のようであります。従いまして八千四百円という見積りは、これは今までお使いになつた入札価格でありましようか、それとも現在の市価であるか、それをお聞かせ願いたい。
○間島参考人 まだセメントを使つておりませんので、実際のものではございませんが、磐城の方は、もしあそこで買えば八千四百円だろうという、これは推計でございます。さよう御了承願います。
○長谷川(四)委員 あなたのお話にもありました通り、たとえば荷づくり費だけでも五、六百円は違うのだ。そこであなたの方の附帯事業でやる計算が、すなわち六千百円という価格でございます。そういたしますと、八千四百円という市価の見積価格には、荷づくり費一切のものがこの中に含まれているのだと私は思うのですが、荷づくり費が、たとえば最低五百円違うとしても、六千百円だということになると、これから五百円引いた五千六百円、こういうことになるわけであります。そこでこれらに関連して、これだけ厖大なものを今後使わなければならないのに、入札とかあるいは買入れ価格等に対して、他の会社と交渉をしたことがございましようか、お伺いいたしたいと思います。
○間島参考人 たまたま磐城とそういう話になりましたが、ほかの会社とは話したことはございません。今のばら積みの件でございますが、八千四百円の中に袋の金が入つておるかどうかというと、これは入つておると思います。ですがこの八千四百円がはたして妥当かどうかについては、あとで実際に運営いたしますときには、お互いに相談してきめようということにしておりますので、その点御了承願います。
○長谷川(四)委員 私たちも、必ずしもこの種の附帯事業が悪いというわけではないのでありますけれども、少くとも現在の国内のセメント会社も、そう大して成績がいいわけでもないし、それほど逼迫しているわけでもないので、結論としては価格の点のみということになるのでありますが、他の会社との値段の比較というようなことに対しても、十分考慮をしてもらわなければならないと思うのでありまして、これらはただ会社のみにゆだねることなく、おいでになつているところの次官等におきましても、この点十分考えなければならないと思うのでありますが、いずれにいたしましても、次会まで御質問は保留しておきます。
○木下(重)委員 私は角度をかえてお尋ねいたすのでありますが、先般大臣にも、特にこの点は御了解を得たのでありますが、電源開発事業の遂行と中小企業の救済対策という点であります。要するに根本的な工事、これは一流メーカーにやらせなければならないのでありますが、最近にない大事業であります関係上、とかく一流メーカーがいろいろ血眼で、あの手この手で資材の購入、工事の受入れをやろうと運動しているように聞いております。そこでこの業態のあり方は、御承知の通りまず会社の方から大メーカーに注文すれば、大メーカーは商社を使つて、商社はさらに中小企業者に、あるいは製品の製作をさせるとか、あるいは資材をとりそろえさすというような処置に出るのでありますが、とにかくこの際中小企業者を救済してやるという趣旨から、優秀な中小企業者を十分選択されて、直接会社の方でやらせるという処置をとられますならば、その間のマージン等も助かるから、中小企業者は非常に助かるのであります。大臣もそういうことはけつこうだから、そういうことは総裁にも話しておくということでありましたが、現在そういう処置をとられる方途を持たれておりますかどうか、その点について伺いたい。
○進藤参考人 お答えいたします。ただいまは、先ほど御説明申し上げましたように、企業の根幹のレールを大急ぎでしいたわけでありまして、大づかみの機械の注文あるいは請負工事等でありますが、しかし請負工事等に対しましても、たとえば道路工事でありますとか、その他現地の請負者のできる仕事に対しましては、できるだけ現地の方にお願いしたいという気持を持つております。またお話のいろいろの資材の調達にいたしましても、今後現場がどんどん動くに従いまして、各種の資材の確保をしなくてはな止りませんが、できるだけ今お話のような点を考慮いたしまして、具現いたしたいと思います。
○木下(重)委員 これにまた関連してこの問題でありますが、昨日次官に私の要望を申し上げると同時に、その要望に対しましてけつこうな御返答をいただいたのでありますが、この中小企業者をかりに救済するといたしましても、金融の関係で、御承知の通りきのう中小企業金融公庫法案が提出されまして、これに関連してお尋ねしたのであります。あるいは商工中央金庫あるいは今度中小企業金融公庫あたりができるといたしましても、実際の実態は中小企業者は金融面で非常に困つておる状態なのでありまして、たとえばそれを借り入れるにいたしましても、担保を提供しなければならぬ。また特に担保のない者は人的担保を提供しなければならが、これが得られるくらいならそう苦しみもしませんけれども、それが得られないために、まず第一に資材を購入いたしますにも自分で金をくめんし、また工員の工賃等も払わなければならぬということで、この金融はいつもやみ金融によるという状態であります。こうした事業に対しまして、中小企業者をほんとうに救済してやるというあたたかい気持がありますれば、資金等中央の銀行に固定して置かずに、その地方々々の銀行に所要資金を預けまして、そして中小企業者と地方銀行との間をよく調和をとつてやつていただいて、そして中小企業者をほんとうに喜んで働かせるようにしていただきたいという処置について、先ほど申し上げたように、次官にも私の希望を申し述べまして、そう言う処置はけつこうだということでありましたが、その点について現在構想がありますか。もしもないといたしますならば、ただいま私のお尋ねしたような処 置を今後講じていただけるようなお心構えがありますかどうか、この点について承りたいと存じます。
○進藤参考人 お答えいたします。もちろん株式会社でございますから、会社が救済ということはこれはできないと思いますが、しかし中小企業者と取引を十分いたしまして、会社のできる限りの御便宜をはかるということは、そのときどきの事情に応じてお話いたしたいと思います。現にメーカー全体と組織的の連絡をしたいと考えまして、日本機械工業会とはこの間会合いたしまして、これから会社の仕事の動きをしよつちゆう機械工業会全体へ御報告いたしまして、機械業者と組織的の連絡をはかろうという話合いがもうすでについております。また資金等につきましては、お話のように、北海道の糠平建設に対しましては北海道の銀行に預金いたしております。また富山の銀行に預金いたしておりまして、その土地々々の銀行に預金いたしておりますから、また銀行とも連絡いたしまして、銀行との話合いによつて今の点が御便宜がはかれるのならば、できるだけやりたいと考えております。しかし具体的の問題はそのときどきで解決いたします。
○坪川委員長 次にアルコール工場の払い下げ及びアルコール特別会計の収支に関し、アルコール興業株式会社社長久保喜六君及び酒精産業株式会社社長植木一平君を参考人といたし、その意見を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坪川委員長 御異議がなければ、さようとりはからいいたします。 河野委員より発言を求められておりますから、これを許します。河野金昇君。
○河野(金)委員 今問題となつておるアルコール工場の払下げ問題で、まずその所管官庁である通産当局の説明を承り、それから業者の方の説明を承りたいと思いますが、資料としてここに配布されてあります軽工場局から出された「国営アルコール工場売払に関する経過」これはあまり大したものではないと思います。ほとんど重要なことが何も書いてございません。そこで御説明を願うときに、これをこのままお読みにならないで、私の申し上げることを加味して御説明が願いたい。もしそれができないとするならば、資料を整える意味において、この次でもけつこうでありますが、資料を整えて御説明を願いたいと思います。たとえば昭和二十五年に払い下げるという方針をきめて、とりあえず二十五年度に北海道の北見、帯広の工場を払い下げることになり、払い下げたのでありますが、この説明書によりますると、たとえば国有財産を売り払うときには、資産評価協議会が設けてあつて、そこでその売払いの値段を協議して大体きめることになつております。そう書いてありますが、その協会議できめた値段がここには出ておりません、その協議会できめた値段に基いて、また通産大臣が売払いの予定額を決定しておりますが、これもここに載つておりません。そして入札をさせましたが、その入札の価額も載つておりません。それから入札させて、払い下げて、仕事をやらせることになつたが、仕事を始めたところが、金がなくてやれないということで、政府といいますか、通産当局が興業銀行や東海銀行にあつせんして融資を受けさせたとなつておりますが、その金額も出ておりません。あとの方の昭和二十七年度の島原、高鍋の工場についてもしかりであります。政府の財産、国の財産を民間に払い下げた、そして少くとも二十六年度に払い下げておるのでありますから、その払い下げた何千万か何億か知りませんがその金額がどういうふうに国の方に返つておるか。これも御説明願いたいわけであります。今、国会に配付されております二十六年度の決算報告書を見ますると、ふしぎなことに今私が問題にしているアルコールの専売会計に関しての報告が出ておらないのであります。国の財産を民間に払い下げたのがみな国の方へ入つて来ておるならば、これは問題ないと思いますが、入つて来ておるかどうか。入つて来ておらないとしたならば、この決算報告書というものはおかしなものだと私は思うのであります。従つて問題はこの委員会だけでなしに、決算委員会の方にも移さなければならぬと思つておりますが、まずとりあえずあなたの方からお出しになつたこの経過の説明に対して、私の今言いましたようなことを加味して御説明を願いたいと思います。それに関連して引受けた工場なり何かの方が来ておられたら、その話も聞きたい。そしてまた私の質問を続けたいと存じます。
○中村(辰)政府委員 工場払下げの問題に関しまして、昭和二十六年度並びに昭和二十七年度二回にわたりまして一部工場の払下げをいたしたのでございますが、二十六年度の払下げにつきましては、お手元に配付いたしました資料にもその経緯の大要を申し上げてございますが、御資問の点を特に申し上げながら簡単に御説明いたしたいと思います。 二十六年度の払下げの問題の際に、特に北見、帯広は北海道にございます二工場で、これはばれいしよを主原料といたしますアルコール工場でございます。その関係で、全体の醗酵アルコール工場といたしましては、どちらかと申せば、割高の工場でございまして、他の適当な業種に転換ができますならば、これに転換せしめるということが妥当ではないかというような意味を込めまして、払下げを決定したのでございます。北見、帯広の払下げの条件といたしまして、転換を考慮するという意味合いで酒造権の仮免許と申しますか、そういうようなものも与えるという趣旨で、しかし工業用アルコールをつくらせますことは、工場立地の観点から申しまして不得策であるという意味においてそういう条件を織り込んだのでございます。御指摘の評価の問題でございますが、大蔵省関係、銀行関係の専門家の方に入つていただきまして、評価の基準と申しますものを検討いたし、主として物件価格という見地をもとにいたしまして、予定価格というものをきめたのでございます。その予定価は、北見、帯広の二工場で七千四百八十七万五千九百二円でございます。そしてこの入札の方法といたしまして、随意契約ということは法律上また実際上も避けたいということで、適当な人を選ぶという意味で指名競争入札を考えましたが、初めのときは一会社しか申請がございませんので、さらに一般競争入札という建前に切りまえまして、その際二社が申請いたしました。日本飲料株式会社と合同酒精株式会社でございます。これが入札の際に入れました価格は、日本飲料が八千百五十万円、合同酒精が七千三百万円でございました。入札の際に落札をいかにするかと申しますことは、価格の高きものをとることになつておりますので、日本飲料と決定いたしました次第でございます。その後日本飲料におきまして運転資金等相当困難な事情があり、なかなか再開することができないという状況もございまして、この説明にもございますような結論になつたのでございます。当時この払下げの問題を円滑に片づけるために、融資等を相当努力したのでございますが、その金額は両銀行から千二百六十万円、特に工場が動きません関係もございましたので、遅払い給料の支払いを完了せしむるというような趣旨を込めまして、あつせんいたした次第でございます。 次に二十七年度の島原、高鍋の払下げの問題でございます。これは二十六年度におきます払下げと趣旨の点で二、三異なるのでございますが、引受けました会社が事業の継続を可能ならしむるような趣旨で、できるだけ払下げ価格の支払いを緩和いたしたいという意味合いにおきまして、支払い代金の五年ないし十年の延納を認めるということが法律にございますので、これを適用いたしたのでございます。それから売払い方法といたしまして、買受後の事業経営においてできるだけ操業を困難ならしめることのないような意味合いにおきまして、適格者を指名競争入札でやるというような点をとつたのでございます。さらに二十七年度のこの払下げをいたします当時は、酒の問題がどちらかといえば生産過剰ぎみでありまして、酒造権を与えるというようなことが困難な事情も一面ございまするし、同時に立地の関係からいたしまして専売アルコールを委託製造させるというような条件を考慮して、順次適当な洋酒への転換をもあわせ考えるということが適当かと考えましたので、その点二十七年度と違つた払下げをいたすことにいたしたのでございます。こういつた閣議決定の趣旨に基きまして、特に九州は原料の産地でもございます関係で工場が多く、七工場ございますので、そのうちの二工場を払い下げるということにいたしました。一方は能率の点から、一方はどちらかと申せば官営工場が集中しているという地帯の関係で、そういつたことを考慮いたしまして、長崎県の島原と宮崎県の高鍋を選んだのでございます。島原工場は、当初長崎県が県営でやりたいというような趣旨の申出もありましたので、工場を地方産業の育成に役立たせるという趣旨から、できればそういうような方針で参りたいと具体的にいろいろ検討をしておりましたが、昭和二十七年の九月十二日になりまして、県の方から島原工場買受の意思を放棄する旨の入電がございましたので、民間払下げに切りかえたのでございます。先ほど申し上げましたように、引受けました会社がこの工場を完全に動かすというような意味合いを込めまして、指名競争入札の資格決定の際に、工業アルコールを製造しておる業者を選定いたしました。これが現在三社ございます。宝酒造、協和発酵、三楽酒造で、これ以外に小さな会社で一つやつてありますが、その会社は非常に小さくて、こういつた工場を経営するのに不適当だと考えまして、この三社に限定して入札をいたしました。高鍋並びに島原につきましての予定価格、入札価格につきまして数字を申し上げます。この予定価格につきましては、この配付しました資料には書いてございませんが、二十六年度と同じように国有財産売払資産評価協議会というようなものをつくりまして、そこで払下げの基準というものを定めたのでございます。高鍋の方から申し上げます。高鍋の予定価格は四千百十万九千円、入札に三社を指定しましたが、うち二社が応札いたしまして、宝酒造が六千四百八十万円、協和発酵が四千百万円という数字を入札いたしました。入札の原則に従いまして、宝酒造に落札いたしたわけでございます。落札価格は宝酒造の入札価格でございます。島原工場につきましては、予定価格は五千七十四万八千円でございまして、入札者は三社がそれぞれ応札いたしまして、宝酒造が八千五百八十万円、三楽酒造が八千百六十万円、協和発酵が五千百万円、入札価格の最高でございます宝酒造に落札いたしました。二十七年度におきます払下げを受けるに適格性を持つておるかという判定の際に、工場をできるだけ総合的に有効かつ適正に利用する資格のある業者というような意味を込めまして、発酵工業の総合的な事業者が、こういつた工場を引受けてから閉鎖とかあるいは事業を中止するとか、そういつた危険のない一つの有力な要素でございますので、先ほど申し上げましたように工業アルコールを現在製造しております発酵工業事業者ということにいたしたのでございます。なお代金の支払い方法といたしまして、二十七年度は特に分割払いという方法をとりまして、先ほど五年ないし十年と申し上げましたが、実際には五年にいたしまして、第一回の支払をせしめたのであります。第一回の宝酒造の納付分が千九百九十六万円でございます。島原の分でございますが、これは千七百十六万円でございます。 なおお手元に配付してございます昭和二十七年度予定損益計算書というところに、雑収入という利益の部がございますが、この中に島原、高鍋の第一回に払込みました両工場の合計でございます三千七百十二万円というものを計上いたしてございます。 なお配付いたしました昭和二十七年度の貸借対照表、損益計算書の一般的説明をいたしますか。
○河野(金)委員 それに入る前に、前の方の北見、帯広の方の売払い代金はどうなつているかという説明がなかつたのですが、その点御説明願いたい。
○中村(辰)政府委員 二十六年の六月九日に売払い代金、八千百五十万円を納付いたしております。
○河野(金)委員 全部納付しているのですか。
○中村(辰)政府委員 さようでございます。
○河野(金)委員 二十六年六月九日に全部入つているということですが、そんなに一ぺんに売払い代金を払えるような工場が、給料なんかの遅配をしなければならぬということで、政府のあつせんで融資までしてやらなければならぬというのは、ちよつとりくつが合わぬように思うのですが、どうですか。
○中村(辰)政府委員 北見、帯広の払い下げについては、先ほど御説明いたしましたが、最初に昭和二十五年の八月二十六日に官報で北見、帯広の国営アルコール工場の売払い公告をいたしました。九月二十日までに事業計画あるいは資金計画を添付して出しましたものは、日本飲料しかございませんので、さらにこれを随意契約あるいは他の方法によつて契約できるかどうかという問題がございましたが、随意契約が不適当だと考えられるので、さらに昭和二十五年度の十二月二十七日付官報で両工場の一般競争入札による売払い公告を掲載いたしました。さらに先ほど申しました合同酒精と日本飲料とが応札して参つたのでありますが、入札の原則によりまして、最高価格の入札をいたしました会社、すなわち日本飲料に払下げを決定いたしたのでございます。払下げ代金を納めたのでございますが、その後運転資金等に欠乏したのじやなかろうかと思うのであります。そういう意味合いにおきまして、できるだけ事業の再開ということに努力いたすこどがいいのじやないかと考えまして、ただいまのような融資のあつせんをいたしまして、遅払い問題についても努力してみたのでございます。
○河野(金)委員 問題をあとに残してけつこうですが、はつきりと示しておいていただきたいと思うのは、結局入札は日本飲料と合同酒精でやつて、日本飲料が、八千百五十万円で、高かつたからこれに落札させた。その日本飲料は二十六年の六月九日に八千百五十万円全部政府に払つておる。そんなりつぱな会社にどうして融資してやる。売払い代金が納められぬで困つている。政府からは催促する、払われぬ。仕事は始まらない。遅配だからあつせんしてやるというのなら話はわかるが、大体政府の払下げを受けたものは、あまり正直に払つていないのがこの決算報告書によく出ている。これは気前よく払つている。そんなに気前よく払つているものにまた融資のあつせんまでしてやるというのはどういうわけですか。これはやはり日本飲料にあつせんしてやつたのですか、どういうことですか。
○中村(辰)政府委員 日本飲料の融資関係というものにつきましては、興銀、東海銀行が従来の取引先と聞いております。それで興銀、東海から当時の払下げ代金を融資を受けたように聞いております。ただ私たちといたしまして、一番問題になりますのは、労務者が賃金を得られないというような事情がありましたので、その賃金の遅配の問題解決のために、特に融資に努力いたした、こういう気持でございます。
○河野(金)委員 帯広や北見の工場は現在も日本飲料でやつておりますか、それともほかの会社へ売つてしまうかどうかして、ほかの名前になつておるのですか、どうなんですか。
○中村(辰)政府委員 二工場のうち北見の工場につきましては、その後地元の有志の方と思いますが、北見林産株式会社と申します。パルプ、それから製紙工場とありますが、この工場が再開いたしたいというようなことで、昨年秋ごろかと思いますが、話が出まして、最近北見の工場につきましては、北見林産が経営をするということに相なりました。なお帯広の工場につきましては、再開についての考えが従来の融資銀行あるいは地元にもあるやに聞いておりますが、目下のところ帯広工場は再開いたしておりません。
○田中(織)委員 関連して伺いますが、帯広工場はまだ再開しておらぬということですが。私根本的な点で伺いたいのは、通産省の方ではアルコール専売はやつて行くつもりなんですか。この工場を民間へ払い下げるについて、払い下げてからあとの活用方法については、これは国有財産の処分でちやんと条件がついておるわけです。従つて民間の製造したものを専売の方の関係から買い上げるというような形で、やはりアルコールの生産を継続するということが建前でなければならぬと思う。それがアルコール工場変じて製紙工場になるというような形では、やはり根本的にアルコール専売は継続して行くのか、それとも現在は専売制度というものは残しておくけれども、どうせ専売事業なんて大してもうからぬものなのだから、ほしいという者にはどんどん売り払つて行くという考え方なのですか。その点から見れば、国営企業を民営に移すということの原則を非常にうたつておるようでありますが、民営に移すというてもアルコールの生産をやるということが本領でなければならぬのですが、それが民間へ払い下げたとたんに帯広は再開しておらぬ。一つは製紙工場に化けておる。九州の関係は宝酒造、これはやはりアルコールの製造を継続することになつておるのだろうと思うのですが、アルコール専売を継続して行くのかどうか、その根本的な点についてひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○中村(辰)政府委員 専売制度それ自体を存続するかどうかという根本的な問題でございますが、民営企業に移すということと専売制度を残すということは、理論的には違いがございますが、専売制度の存続ということにつきましては、今日のアルコール工業というものが一面農村との関係に非常に重要な点があるということ、それから醗酵によりますアルコールの需要というような面からいたしまして、酒造との関連もございます。さらにこれは実質的に考えますと、アルコール事業の需要面からいたします今後の見通しというような点も十分考えねばならぬかと思いますが、以上の点から専売制度は存続するもの、こういうぐあいに考えております。 なお北海道の二工場につきまして、あるいは他のアルコール工場との特質の点でございますが、最初に御説明いたしましたように、北海道の二工場は原料がばれいしよでございまして、生いもを原料とする他の工場と比べますと、ロストの面からいたしまして非常に割高でございますので、北海道におきましての払下げは、特にアルコール製造の原価から見ました合理化というような趣旨を織り込めて、酒をつくるというような転接を頭に置いて、払下げをいたしたように思うのであります。従いましてアルコール事業そのものの合理化ということから考えますど、北海道の二工場につきましては、地元の木材資源というようなものの活用の面等を考えまして、北見は北見林産という製紙工場にすることが一つの筋かとも考えるのでありまして、それならばどの工場にアルコールをやらせるか、アルコールはどの事業に転換した方がいいというようなことを、それぞれ論議しなければならないかと思います。ただ、先ほども一言触れましたように、醗酵企業を主たる事業といたします企業者が、自分の総合的な立場でこういつたアルコール工業を完全に利用するという面を生かすということが、同時にアルコールの製造原価から見た合理化を促進する一つの行き方かと思いまして、その意味合いにおいて二十七年度の払下げにはそういう趣旨を含めたわけでございます。
○田中(織)委員 私の伺いたい点がまだはつきり出て来ないのですが、北海道の二工場を払い下げた対象が政治的であるという問題は、これは一応過ぎ去つた問題であるし問わないといたしましても、やはり国営のアルコール工場に働いておる労働者の立場から見ても、従来北海道と九州を払い下げたのですが、そういう処分をどんどん継続して行くのかどうかという点に非常な関心が持たれておるのです。そういう点から見まして一体アルコール専売制度を継続する腹があるのかどうか、継続するということになれば、国営工場でアルコールを生産して行く方がいいのか、民間へ払い下げて、民間企業として生産したものを専売会計で買い上げるという形で行く方がいいのかどうか。ただいま中村局長のお話では、アルコール工業というものはやはり農村との関係を考えなければならぬということであつたが、なるほど北海道にはばれいしよがあり、その他の地域にはかんしよがある。いわゆる農産物としてのかんしよを確保する一つの近代的な加工方法としてアルコールというものが取上げられたことも、アルコール工業の歴史からよくわかる。ことに専売事業というものは、戦争中の燃料統制の関係をもつて専売会計に持つて行つたいきさつも多少私ども承知しておるのでありますが、そういう事情は今日大分変化して来ておると思うのです。その意味でアルコール専売事業あるいはアルコールの国家企業による従来の行きががりにかんがみてそれを継続して行くお考えがあるのかどうか、その根本的な点についてもつと端的な御答弁を願えませんか。
○中村(辰)政府委員 今後払下げの方針をどういうぐあいに持つて行くかという具体的な問題にも関連すると思いますが、昭和二十八年度につきましては、さらに二工場の払下げをする予定にいたしております。この払下げの方法でございますが、日本の化学工業特に醗酵工業というものが、どちらかと申せば国でやつた場合と民営でやつた場合に、総合的な企業を営んでおる業者がこれを引受けますと、その総合性を発揮いたしまして相当コストも引下げ得るということが言えると思います。ただ個々の工場の立地条件を考えませんと、国営がいいか民営がいいかというような点に相当問題が残ると思います。ただ私たちといたしましては、アルコールの需要の推移、特に合成、ゴムといつたような新需要の問題、あるいは最近のように火薬のためのアルコールの需要度がふえて参つたというようなことからいたしまして、この需要の推移とにらみ合せて工場の払下げなり、あるいはどういう工場を残すか、どういう工場を転換させるかというような問題を総合的に判断して参らなければならぬかと思います。
○田中(織)委員 どうもまだそれでは私の質問にほんとうに答えていただけないような気がするのであります。今中村局長は、二十八年度においてもさらに二工場を払い下げる方針だと言われた。どうも払下げにかかつてしまつたような感じがするのでありますが、その前に通産省として根本的に考えるべき問題が私はあると思うのです。払下げに伴ういろいろの問題もありますので、私の質問は保留をいたしますけれども、どうかひとつ通産省の内部で、ここにあるように昭和二十五年五月のいわゆる省議決定に基いて、アルコールの国営工場は逐次民間へ払い下げて行くのだという大方針に基いて、二十八年度も二工場をやるのだということになると、二工場払下げの対象になつておる労働組合から、まつ先に私らの方に相談に来るわけなんです。それを承認するか、しないかの問題にあたつては、勢い前の払下げの関係はどうなつているのだ、こういう問題があるじやないかということで、われわれは政府を追究しなければならぬことになるわけなんで、そのことを申される前に、アルコール専売事業の根本的な、これは継続の必要があるのか、ないのか。それからかりにもあるとすれば、それを何も国営企業専売制度そのものから見れば、私は国営企業の方が専売制度そのものとの結びつきの点からいえば一番近い方法だと思うのです。そういう観点から、根本的な点についてひとつ御相談をまとめていただいて、いずれ次会に継続になるようでありますから、そのときまたお伺いいたします。
○坪川委員長 河野君
○河野(金)委員 せつかくこの貸借対照表を刷つて来ていただいておりますから、これの説明をお聞きして、そしてまた質問をしたと思いますが、その前に今田中君が話したことと関連してでありますが、今衆議院を通過して参議院にかかつておる二十八年度の予算案を見ると、専売会計は歳出、歳入とも、それぞれ六、七億ずつ減つておるわけでありますが、これは田中君が質問したことをちやんと予算の中に織り込んでおられるのではないか。今年二つなり三つなりの払下げを予定しての予算でありますかどうか、それをひとつお答えの上で、あと貸借対照表の御説明を承ります。
○中村(辰)政府委員 ただいまの御質問の点は、原料の、特に生かんしよ、あるいは輸入糖蜜というものが最近非常に安くなつておりまして、二十八年度の事業からいたしますと、二十七年度に対しまして安くできるという情勢になつております。同時に販売価格も、昨年の十一月引上げをいたしておるような情勢でございまして、その点から歳出歳入が減つたのでございます。なお二工場の払下げを予定しておりますが、この二工場につきましては、もちろんどの工場を払い下げるいうことは今日きまつておりませんが、アルコールを生産いたします生産見込みというものがちよつとございますので、払下げそのものが、歳出歳入に関係はいたしております。予算の上に出ております問題としましては、二工場払い下げる場合の人件費が減つております。二百三十人分に相当する人件費が減つております。
○河野(金)委員 質問をあとにしまして、貸借対照表の説明を承りましよう。
○中村(辰)政府委員 昭和二十七年度末予定貸借対照表と予定損益計算書が配付されておりますが、貸借対照表から御説明いたします。昭和二十七年度における固定資産の価格は一億八千三百二十一万八千円でありますが、その内訳は九工場と一試験研究機関の諸施設といたしまして、土地が十二万二千九十八坪、建物が建坪二万二千六百八坪、工作物が各種装置及び雑工作物としてあげてあるのであります。機械器具は、各種の機械を含みます。 次に作業資産の価格は四億五百三十万円ということになつておりますが、この内訳はアルコール原料が、糖密で六千六百六十三七、黄変米が二千トン、澱粉が二十二万六千三百八十六貫目、それから玄あわ、玄米に対応して玄あわと通称しておるのでございますが、これが五万一千二百四貫、そこに計上してある金額はこれを換算いたしたものでございます。次にアルコールでございますが、これは工場で持つておりますアルコールでございまして、九十九度相当のものが五百十三キロリツトル、九十四度ものが千百九十二キロリツトル、計二千三百五キロリツトルということになつております。次に未成品という欄がございますが、これは仕掛け中のもろみをさすのでございます。 流動資産の方に参りますが、流動資産が十二億六千六百二十一万二千円、内訳は三箇月延納を認めておりますので、アルコールの売掛金は九千百三十二キロリツトル分でございます。それが十二億二千九百四十七万四千円で、現金が三千六百七十三万八千円、その合計が十八億五千四百七十三万円でございます。 これに対しまして資本金は、ここに自己資本とございますが、これはアルコール事業の当初に一般会計から繰入れまして、その後利益のあるたびに自動的に法律の規定によりまして、資本に繰入れたものが逐次累積して参つておるのであります。その金額が、資本金は五億六千六百八十八万七千円で、固定資産の償却見返額が五千三百二十九万七千円で、その合計がそこにあります六億二千十八万四千円でございます。それが自己資本と名づけておる分でございます。 借入金は七億でございまして、これは日本銀行から一時借入れたものでございます。 以上資本負債の合計額は十三億二千十八万四千円となります。この資本負債の合計額を前述の資産総額から差引きますと本年度の事業益金というものが出るのでございまして、これが五億三千四百五十四万六千円となるのであります。 次に資産の減少額に相当する三億二千五百九十九万八千円を、昭和二十五年法律第三十号の第一条及び第二条の規定によつて、資本より減少いたしまして、事業益金との合計額は、八億六千五十四万四千円となります。この金額は二十七年度の一般会計の歳入に納付する予定のものでございます。 次に損益計算書でございます、損失のうち製造経費とございますが、この内訳を申しますと、政府工場で生産したアルコール一万一千二百二十四キロリツトルの原価、すなわち十一億七千六百二十七万七千円でございまして、それから民間工場で生産されて、アルコール専売事業特別会計で買い上げたアルコール、すなわち一万三百二十六キロリツトルの価格十億五千四十三万七千円ということに相なつております。次に、一般経費は四億一千七百六十六万円でございまして、これは販売経費及び一般営業費でございます。内訳のおもなものを申し上げますと、人件費旅費等で一億二千六百万円、アルコール運賃及び保管料が一億二千三百万円、工場の設備修繕費一億一千九百万円というものがその主たるものでございます。次に、アルコールの償還金でございますが、これは一般定価でアルコールを買い受けた事業者が、所定の工業用に使用した場合は、工業用価格との差額を払いもどすことになつておりますので、その支出に充てたものでございます。以上損失の経費の総額は二十八億八千八百七十九万五千円でありますが、作業資産の価額が、前年度末と比較しまして減少する予定でございまして、その減少額は三億二千七百十三万四千円程度に相なります。損失の部の合計額は三十二億一千五百九十二万九千円と相なります。 これに対しまして利益の部におきましては、固定資産の前年度末の価格は一億二千八百七十八万五千円でございますが、二十七年度末が一億二千九百九十二万円でございまして、その差の百十三万五千円の増加となります。アルコールの売上高は、二十七年度中に売り渡す予定のアルコール二万五千キロリツトルの代金であります。その一キロリツトル当りの売渡し価格は、一般定価で申しますと、九十九度が五十八万三千七百二十七円、九十四度が五十四万五千三百十六円、特別定価は、九十九度ものが十二万八千九百八十八円、九十四度ものが十二万百六十五円でございます。この一キロリツトルの価格は、年間売渡し分の加重平均でございます。次に、雑収入でございますが、この雑収入のおもなものは、島原、高鍋工場の払下げ代金のうち、二十七年度収入となつたものが、先ほど申しました三千十二万円、フーゼル油等の副生産物の売払い代金が三千百十六万八千円でございます。以上、利益の部の合計額は三十七億五千四十七万五千円となりますので、この金額から、損失の部の合計額三十二億一千五百九十二万九千円を差引いた五億三千四百五十四万六千円が、二十七年度の事業の利益となるのでございます。この利益とともに、資産の減少額に相当いたします三億二千五百九十九万八千円を、昭和二十五年法律第三十号の第一条及び第二条の規定によつて、資本より減少いたし、その合計額八億六千五十四万四千円を二十七年度の一般会計に納付する予定でございます。
○河野(金)委員 政府当局に対する質問は後日に譲りたいと思います。きようは説明を聞くだけにとどめておきたいと思いますが、せつかく参考人の方にもお忙しい中を来ていただいてありますので、今まで論議したアルコールの問題に対して、業者側として今の現状、今後に対して何か御意見があつたら、この際承るようにとりはからつてもらいたい。
○坪川委員長 参考人各位にお尋ねいたしますが、今政府側より説明いたしました問題に関連いたしまして、何か御意見なり、あるいは別に御発言される御意思がありますか。
○久保参考人 別にございません。
○植木参考人 私もございません。
○山手委員 この貸借対照表に関する質疑は明日やるということでけつこうでございます、資料をこうやつてもらつておりまして、今局長からの説明を聞いたのでありますが、こういうデータだけでは不十分でありますので、要求をしたいと思うのは、売上金のうち売掛金が十二億二千九百万円もあるのでありますが、だれとだれに対する売掛金か、その明細表を出していただきたい。 それから昭和二十六年度の特別会計の計算書はいろいろ損失金が計上されて、会計検査院の方のあれもついて来ておりますが、この貸借対照表が明らかでございませんから昭和二十六年度の分も二十七年度と同じように、今の売掛金の内容、そのほかこの大きな項の内容を記載した書類を提出していただきたい。
○河野(金)委員 それではいろいろ午後の委員会の関係等もありますから、先ほど同僚委員からの資料の提出をしていただいて、それがそろつた上で明日なり、あとで理事会できめていただいてけつこうでありますが、この問題、電源の問題について、資料提出をお願いしてあるはずでありますから、そういう資料をそろえた上で、質疑を続行することにして、きようはこの程度で散会せられんことを望みます。
○坪川委員長 ただいま河野委員から御提議のありました資料提出につきましては、委員長より政府側に手続をいたしましておきます。またこれに関連いたしましての審議につきましては、後刻理事会を開いて決定いたし、御趣意に沿いたいと思います。 この際お諮りいたします。中小企業金融公庫法案に関し、大蔵委員会より連合審査会を開きたいとの申入れがありましたので、本案に関し大蔵委員会と連合審査会を開きたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坪川委員長 御異議なければさようとりはからいます。 なお連合審査会の期日等に関しましては、委員長に御一任願います。 さらに経済安定委員会において審査中の、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案は、本委員会と密接なる関連がありますので、連合審査会を開きたい旨を申し入れたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坪川委員長 御異議なければさようとりはからいます。 なお、連合審査会の開会時日は、来る十一日水曜日午前十時より開く予定でありますからさよう御了承願います。 本日はこの程度といたし、次会は来る九日月曜日午前十時よりいたします。 本日はこれをもつて散会いたします。 午後一時一分散会