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15回国会衆議院1953/03/05

通商産業委員会 第29号

発言数
33
登壇者
6
会派数
3
開催日
1953/03/05

会議録

坪川信三自由党

○坪川委員長 これより会議を開きます。  本日は、まず輸出信用保険濃の一部を改正する法律案を議題といたし、質疑を行います。質疑の通告がありますから、これを許します。加藤清二君。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 私は輸出に関して、実は質問と申しますよりも、質問を兼ねて業界の陳情を申し上げたいと存じます。  御承知の通り、日本経済の復興のキー・ポイントが貿易にあるということは、もうどなたも御存じの点で、多弁を要しないと存じます。今日ドル不足、ポンド不足はもう業界の常識でありまして、これは業界に関係する者の一大痛恨事であり、これはまた輸出不振の証左であるとも存ずるわけでございます。そこで今日日本がドルをかせぐ、ポンドをかせぐということにおいては、日本人ならずとも、何人といえども反対はいたさない点ではないかと存じます。まして業界において、ことにドル不足は、ドル地域のみならず、スターリング・エリアの貿易にまで非常な支障を来しておるということは、国民ひとしく心配いたしている点でございます。予算の通過云々で吉田内閣は倒れないだろうけれども、貿易不振によつて倒れることがあるかもしれないということは、某新聞記者がすでに発表している点でございまして、この点われわれも非常に憂えているわけでございますけれども、このときにあたりまして、ほんのささいの政治的措置の手落ちから、この貴重なドルをみすみすのがしてしまつているということがあつたとしたならば、いかがなものでございましようか。これこそ業者のみならず、国民の皆さんが遺憾に存ぜられる点ではないでございましようか。そのほんのささいな点と申しますのは、すでに通産大臣及び大蔵大臣に向つて一月の終りごろに陳情が出ているはずでございますが、これにつきましていかように考えていらつしやいますか、お伺いしたいのでございます。と申しますのは、アメリカ向けの輸出が大部分を占めております陶器でございますが、アメリカ向けの輸出の大部分を占めておりました絹がほとんど昔日の面影がなくなりました今日、アメリカのドルをかせぐについては、陶器は最も貴重なものだと考えておりますけれども、御承知の通り、このアメリカ向けの陶器輸出の主体は、何と申しましてもディナー・セットでございます。ディナー・セットに使うところの金液が非常に高い。終戦後グラム当りつにきまして四百九円でありましたのが、五百十五円にはね上げさせられ、この点についても業界では非常に苦心をし、あるときには賃金の上げるべきものを上げずにおき、あるときには石炭を使いたいのをやめて、自家用のまきをくべるというようなことで自分のところでしわ寄せをして、これをカバーしておつたのでございますが、先般産金業者の苦衷が訴えられまして、国内向けの金についての操作が行われたことは、すでにこの通産委員会で御相談になつたことですから、皆さんよく御存じの点でございます。そこであの際に国内でこの金を消費する側のことがはたして考慮に入れられていたか、いなかつたか、わが党の永井勝次郎委員があの際は賛成の演説をしたはずでございますけれども、その際に、ぜひ国内の消費者に悪影響を及ぼさないようにということを繰返し言われたはずでございます。それが聞くところによりますと、あの操作によつて現行グラム当り五百十五円であるのが、六百円ぐらいにはね上るのではないか、こういうことでございます。そうなりました場合に、輸出のディナー・セットの原価に占める水金のパーセンテージが、現行でさえも大体三二%でございます。これがもし六百円になりますと、三七・四%を占めることになる。これではとうてい諸外国のディナー・セットと日本のディナー・セットがアメリカの市場において競争することができなくなるではないか。従つて陶器の米国向け輸出はほとんどディナー・セットでございますけれども、その主体がぐらついて来るではないか、こういうことを非常に憂えているのでございます。御承知の通り、陶器業界というものは五十年来の不況である。どこもかしこも今日の業界は不況でございますけれども、とりわけ陶器業界はまるで火が消えている、煙突から煙が出ていない。これはもう実地調査していただけばよくわかることでございます。かてて加えて、原料の三七・四%約四〇%を占めるものが国内で高くなつたら、これは一層業界の衰微に拍車をかけるものではないか、このように考えるわけでございます。そこでぜひ施していただきたい策は、産金業者に対しても御同情ある措置がとられたのでございますが、これを消費する陶器業者、しかもそれが自家用で消費し尽すのでなくして、ドルかせぎのために使われる面、いわば貿易振興によつて日本経済に貢献する部面につきましては、特別な措置をとられてしかるべきではないかと存ずるわけでございます。従つて水金の原料である金の地金の価格を将来いかようになさるのか、業界が心配しないような御返事をここでいただきたいものだと思うわけでございます。そこでもしその金の国内産の値段がはね上らなければならない状況に置かされているとするならば、私どもはあえて産金業者を苦しめようとは存じておりません。そこで別法といたしまして、アメリカでつくられている水金の輸入方がただいまは鉱山局によつて禁止されているとか聞いておりますが、これの輸入方を許可するという方途が一つ残されているわけであります。もしこのアメリカ製の水金が輸入されたといたしますと、一体どういう結果になりますか。ただいま現行の値段でも一一%の赤金で、百グラム、日本製でございますと八千四百四十円でございますが、アメリカ製でございますと六千八百二十二円、十二金の青金でもつて、日本製は九千八百二十円、アメリカ製は七千四百六十六円、大体これはニューヨークのFOB価格でございますが、これでもつて見ますと、ちようど日本金の八〇%の値段である、こういうわけでございます。おまけに、戦前業界はこの水金を使つて知つておりますけれども、伸びが日本製と比べますと二割方多いのでございます。価格の点において二割方安く、量の面において伸びが二割方多いということになりますと、大体ここでも四割余違う、こういう計算が簡単に成力立つわけでございます。そこでもしこれを輸入されるならば、ディナー・セットの原価の約四〇%を占める金の価格を相当量穴埋めすることができるではないか。こうなれば業界も助かり、安い金を使つて輸出するということになりますから、アメリカの市場、アメリカのデパートにメイド・イン・ジヤパンのディナー・セットが並んでも、決してチエコやその他に劣るようなことはない、こういうことでございます。でき得ることならば、私は戦前日本のディナー・セットがアメリカのみならず、イギリスに至るまで、ほとんどチェコの領域を日本色に埋め尽してしまつたというあの姿が、再び日本の陶業界にも再現できる日をこいねがつているわけでございますが、政府におかれましては、そういうようなことを期待なさるのかなさらないのか。またそういう事態を期待するとするならば、どのような措置を講じ、将来どのような措置を講ぜられようとするのか、この点を承りたいのでございます。  民間と政府とがともどもに協力いたしまして、ほんとうに輸出振興のために努力しなければならない時期に直面しておりまする今日、政府の時宜を得た措置を講ぜられんことを切に希望いたしまして、私の質問を終ります。

小平久雄自由党通商産業政務次官

○小平政府委員 加藤委員の輸出陶器用金液についてのお尋ねは、一々ごもつともでありまして、通産省としましてもその間の事情をよく承知はいたしておるわけであります。加藤委員も御承知のように、今回の金に関する政府の処置というものは、金鉱業が非常に窮地に陥つておりまして、各方面からこれに対する施策の要望がございましたので、大体その声にこたえてやつたわけでございます。その反面の影響といたしまして、特に輸出用の陶磁器関係の金液の使用者に、相当の影響があるのではないかということが心配されるわけでございます。そこで当局としましては、販売価格の制限をやめるわけでありますので、でき得べくんば国内産の金を使用してもらう、こういう建前からいたしまして、金鉱業者に、特にこの金液関係に振り向ける分につきましては、価格の自粛を維持してほしいということで要望をいたしておるわけであります。何と申しましても金液用としましては、年間に六百キロないし七百キロ使用されますので、これの大方が輸入にまつということは、わが国の金産業にとりましても大きな問題でございますので、業者の側におきましてもただいまのところ相当自粛の心構えでおるようであります。しかしながら、ただいまも御指摘がありました通り、金液の品質そのものにおきまして、アメリカ産等の方がよろしいということもございますので、技術の向上等のために必要な限りにおきましては、当局におきましても輸入を認めて行つたならばどうかというふうにただいま考えております。以上のように業者の自粛あるいは技術向上のための金液の輸入というものを認めましても、なおかつこの価格が非常に上りまして、大切な陶磁器の輸出に非常に影響があるというような場合におきましては、さらに進んでこれが調整のための施策もとりたいと考えておるわけであります。大体以上のような方向において、今研究いたしておるわけでありますが、なおしさいにつきましては、鉱山局長が参つておりますから、鉱山局長の方から御答弁いたします。

川上為治通商産業事務官(鉱山局長)

○川上政府委員 ただいま政務次官からお話があつた通りでありますが、現在金の価格及び配給につきましては厳重な統制が行われておりまして、大体年間七トンぐらいの生産があるのでありますが、生産の全部を国が金管理法に基いて買い上げまして、そのうちの大体三分の一程度を市場に出しておるわけであります。政府の買上げ価格は、この二月からグラム当り四百五円となつております。それから販売価格につきましては、グラム当り、先ほど申しましたように五百十五円となつておるのであります。ところが金山の平均コストは六百円を越すのでありまして、その間年々歳々相当の赤字が出ておりまして、金山におきましては八十ぐらいあつたのでありますけれども、そのうち十幾つがほとんど操業できないというような状況になつておりますので、どうしてもこれを何らかの方法で救済しなければいけないということから、今回金管理法の改正をいたしまして、政府におきましては大体三分の一程度を買い上げまして、その価格は国際公定価格でありますグラム当り四百五円、それから残りの三分の二程度は自由価格にする、しかも配給につきましても自由にするという方針をきめまして、近く国会にこの改正法律案が提案されると思うのでありますが、それがもし採択されますと、大体この四月一日から金の自由販売というものが認められるということに相なるわけであります。そこで私どもの方としましては、消費者方面につきましても全然無関心であつたわけではないのでありまして、自由販売となりましたあかつきにおきまして、金の価格がどの程度になるかということにつきましては、はつきりした見通しは持つてはおりませんけれども、一応現在の五百十五円を上まわるのではないかというふうには考えております。そうした場合におきまして、特にこの輸出用の陶磁器の原料といたしまして非常に金は重要でありますので、五百十五円以上になりますと、現在でさえも輸出の陶磁器はなかなか輸出が困難をきわめておりますので、これ以上に何とかして上げないようにということを考えまして、先般来金山の業界といろいろ相談をいたしまして、現在の五百十五円を輸出用陶磁器関係に限りましては上げないようにという要望を、私どもの方からいたしましたところが、金山の方におきましても非常に理解いたしまして、決して上げないからというような話合いに相なつておりますので、先ほどお話がありました五百十五円が、自由な価格になりましても、それ以上に輸出用陶磁器関係につきましては私は上る心配はないというふうに考えています。  それから量につきましても、私の方でいろいろ業界の方にお願いをいたしまして、輸出用陶磁器原材料の金の量は十分確保するように努力したいというふうに考えています。  金液の輸入の問題につきましては、国としまして国内に生産するものを使うことがやはり原則であるべきだというふうにわれわれとしましては考えていますので、五百十五円を上まわらない価格であるならば、ぜひとも国内の金を使つていただきたいというふうに考えておりますけれども、先ほど小平政務次官からお話がありましたが、技術的な問題からどうしても伸びが悪いというような点からいたしまして、ある程度どうしても輸入しなければならぬ問題がございますれば、ある程度の輸入はその際は私の方といたしましては考慮したいというふうに考えています。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 そうなりますと、もし金管理法が通過しても、輸出用の永金用の地金の値段はかえないとおつしやるのですか。

川上為治通商産業事務官(鉱山局長)

○川上政府委員 統制は解除されるわけでありますけれども、やはり通産省の指導といいますか、業界に対する要望措置としまして、この五百十五円というものを上げないように措置をします。また業界の方におきましてもそれを十分承知いたしております。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 その業界というのは、水金の製造業界のことでございますか。

川上為治通商産業事務官(鉱山局長)

○川上政府委員 金の製錬所関係及び金液の製造業関係、両方ともこの問題につきましては十分話合いをいたしておりますので、承知いたしておると私の方は考えております。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 それではこの水金を輸出用の陶器に使用する業界に向つて、日本政府は絶対に上げないから、五百十五円からは上げないから心配はいらないということを放送してもよろしゆうございますか。

川上為治通商産業事務官(鉱山局長)

○川上政府委員 この問題につきましては、放送は別にしまして、陶磁器業界に対しましては、その代表者に対しまして私の方からも十分その点はお話申し上げておりますし、同時にまた金山製錬関係の方ともよく相談しておりますので、別に大きく放送しなくても大丈夫だと私は考えております。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 これは放送が問題ではなくて、その金の値段が上つたらもうわれわれはみんな首絞められてしまうというので、戦々きようきようとしていることは事実なんです。事実であればこそ大蔵大臣のところへも通産大臣のところへも陳情書が出ているはずなんです。すでに一月三十日に出ているのでございます。ところがそれに対して何ぶんの御返事がない。そこでそれは東京の一部分の人にはお話があつたかもしれないけれども、末端で実際日日その水金を使つて書いている人たちには知らされていない。従つてこの人だちは—鉱山局長はよく御存じでございましようが、この筆についた残り、それから筆を使つてふきざるときのハンカチまでも非常に大切にしています。使い切つちやつたガラスのビンにくつついて残つているものまでもふきわけているというほど大切にしているのですよ。これは御存じの通りであります。そういう人たちが、値段がまた六百円くらいに上るじやろうということで、実は戦戦きようきようとしている。それじやつたらもう輸出は全然きかなくなつて来るというので、この政府の措置に対する憂いを一日も早くぬぐうてやるということが、業界の涙をぬぐうこをではないか、これはぜひ必要なことである、こう思つたので今放送してもよろしいかとお尋ねしたわけで、決して鉱山局長をいじめてどうこうするという理由じやございません。これはよろしゆうございますか。確かに間違いないということであれば、発表してもいいわけですね……。

川上為治通商産業事務官(鉱山局長)

○川上政府委員 非常に心配しておりましたのはおそらく一月くらい前の時代でありまして、今日は輸出用陶磁器関係の金については、現在の公定価格以上に上げないように政府は指導しており、また金山の方でも十分それは承知しておるということは、おそらく、特に愛知県方面の陶磁器業界に対しましては相当行き渡つておるのじやないか。従いまして最近におきましては、私どもの方にはちつとも何とも言つて来ないような状況でありますので、おそらく相当行き渡つておるのじやないかというふうに考えます。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 実はその心配のおかげで、きよう九時半から東京で輸出業界の方々が全部集まつておられるのです。私はここが済んだらすぐそこへ行くのです。それだから聞いておるのです。心配がなければそんな集まりはないのです。それは別として、それではもう一つお尋ねいたしますが、金液の輸入の見通しはいかがですか。

川上為治通商産業事務官(鉱山局長)

○川上政府委員 金液の輸入がはたして可能であるかどうか、その辺はよほど調査しないとわからないと思うのですが、先ほども申し上げましたように、国内の金がわれわれの指導なりによりましてもなお上るというような場合、あるいはまた技術的に見まして日本の金液がよくないというような特別な事情のある場合におきましては、私どもの方としましては決して輸入を禁止ししないつもりでございます。     —————————————

坪川信三自由党

○坪川委員長 次に中小企業金融公庫法案を議題といたし、質疑に入ります。質疑の通告がありますから順次これを許します。木下重範君。

木下重範同友会

○木下(重)委員 先般大臣にちよつとお尋ねしたのですが、この法案と例の商工中金の関係であります。やつと業界が組織化されるようになつた現段階において—もちろん中小企業者に対する思いやりからこの法案の提出されることはけつこうでありましようけれども、いわゆる組織化を虐待しているのではないかと質問したのでありますが、大臣のお答えは、この中小企業金融公庫の法律案の趣旨は、いわゆる長期の設備資金の貸付とか長期の運転資金の貸付で、全然目的が違つておるのであるから、その必要はないということであつたのであります炉、その点を私は掘り下げて御質問したいと思います。それは今度できますところの中小企業金融公庫で貸し付けますところの貸付金の金利は年一割というふうになつておりますが、商工中金の場合には年一割三分ということになつておりますが、そうでありますか。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 商工中金が自分の調達しておりますところの資金を長期に貸し出す場合は、現在おおむね一割三分でございます。今度公庫ができまして、公庫から中金の窓口を通じて協同組合ないしその組合員へ金を流します場合は、公庫から出す金に関しましては一割でやはり行くのであります。その公庫の金の限度、つまり協同組合でありますれば三千万円、個人でありますれば一千万円という限度を越えて、さらに中金が長期の金を出しますれば、その限度を越える部分につきましては一割三分になるわけであります。

木下重範同友会

○木下(重)委員 そうしますと、前に私が大臣に質問しました点がますます明らかになつて来るのでありますが、それでなくてもたれでもこれは安い金利で金の融通を受けたいという気持はあるのでありますが、高いところの中金から金を借りるよりか安いところの公庫を利用するということになりまして、大臣の言う二本建でどちらも運用はその特質を生かしてやるということが困難になつて来るんじやないかという杞憂がありますが、その点に対する見解はどうでしようか。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 公庫と商工中金といいますものは、相互いに対立しまして競争の立場に立つものではございませんので、公庫はたとえて申しますれば、大きなビルディングの上にあります水のタンクのような作用をいたしまして、そのタンクからいろいろのパイプを通じていろいろな蛇口か泉が流れる、同様なぐあいに公庫から、たとえば商工中金にも一つのパイプを流しまして、その中金の窓口を通じて相当の金額が協同組合ないし協同組合員に流れる、あるいはその他商工中金以外におきましても一般銀行とか、相互銀行、信用金庫、信用組合等いろいろ既存の金融機関がおのおの特色を持つて中小企業に金融をいたしておりまするので、これらの蛇口を通じてそれぞれの分野における中小企業者に金が流れるということに相なりまするので、公庫と商工中金とが張り合つて二重になつて仕事をするという関係にはないと考えております。

木下重範同友会

○木下(重)委員 なかなかお言葉はけつこうなお言葉ですが、現在の商工中金の取引の実態を十分御調査なさつているかどうか知りませんが、御承知の通りもしも中金の方から金を借りようとすれば、まず第一に歩積み、それから預金等をさせられて結局利率というものは日歩四銭くらいの利率になつておる状態であります。しかも窓口が非常に少いという関係から、調査が非常に厳密で、なかなか容易に金を貸してもらえぬ。それで現在では業者におきましては商工中金を利用するごとについて非常に困難だという非難の声を聞いておるのでありますが、この実態は御存じでしようか、事実そういうことであるのでしようか、そうでないでしようか、この点お答え願いたい。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 商工中金の業務運営が満点の状態にあるとは私どもも考えておりませんので、品業務の運営を十分にするとか、あるいは申込みがありましてから貸出しまでの時間を極力短縮するとか、さらにまた金利も極力安くするとか、あるいはまた出資いたしました出資金に対する配当も今後大いにやつて行くとか、いろいろ改善すべき点は多々あろうかと思うのでありますが、最近中金の貸出高は急激に増加して行くカーヴを描いておるのでありまして、少くとも順次改善されつつあるものだということは貸出しじりから見ても想像できるのではなかろうか、かように考えております。

木下重範同友会

○木下(重)委員 抽象的ではつきりわかりませんが、今申し上げたことの具体的なお答えがないと思います。私の知つておる範囲の実態を申し上げますが、商工中金から流れますところの中小企業協同組合、これは組合法ができまして二十四年七月一日から施行されまして四箇年以上過ぎておりますけれども、この法律に基いてつくられました信用協同組合約三百ばかりに対しまして、今日まで政府は一ぺんの指導も育成もいたしておらぬという状態であります。地方庁の当局から原局であるところの中小企業庁に指導を求めても、的確な回答を得られないという状態であります。さらに大蔵省に対してその指導を求めてもこれまた冷淡で的確な回答をしてくれないという状態であります。これは今度つくられましようところの一部改正案に載つておりますが、協同組合ができましてこれを政府が育成しなければならぬという観点から考えまするならば、十分指導育成しなければならぬにかかわらず、いわゆる大蔵省あたりにおきましては、普通の地方大銀行の金融等については非常に親切に指導をされておりますが、この点の指導は全然欠けている現状である。かようなことを申し上げるのはどうかと思いますが、私も実は庶民金庫の顧問といたしまして、十七、八年この面に携わつておりますから、よくわかるのでありますが、この実態はいかがでしようか、この点に対する現在までの指導方針なり、育成をされたか、されないか伺いたいと思います。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 信用組合の関係におきましては、先般法律が出まして、信用金庫に一部組みかえられておるのであります。現在信用金庫の数が四百八十くらい、信用組合として残存いたしておりますものが約百六十見当に相なつているのであります。この百六十足らずの信用協同組合について考えてみましても、逐次預金なり、貸出し資金は増加いたしているのでありますが、政府といたしましても相互組織によります信用組合の発展につきましては非常な関心を持つているのであります。昨年におきましても四千六百万円程度の預託をやりました関係もあり、また今後におきましては商工中金と信用組合との関係というものも逐次強化させて行きまして両々相まつて信用組合が中小企業金融として十分の役目を果し得るように指導して参りたい、かように考えております。

木下重範同友会

○木下(重)委員 私がただいま申し上げましたところの実情は、直接身をもつて体験いたしております関係上、えらく非難するようなお尋ねをいたしますけれども、私は今度の法案との関係をよく調節して参りますためには、やはり協同組合を育成強化する根本対策を立てなければならないのではないかと思います。すなわち末端の零細業者の金融を円滑にし、零細業者の生き血を吸うような高利貸、いわゆる不正金融会社を厳重に取締つて、信用協同組合に対していま少し政府資金を流すような方法をとらなければいけないのではないか、せつかくこの法案ができまして、これを育成するようにすると言われるが、現在の政府の趣旨と実際の行き方が違つているのではないが。特に申し上げたいのは、組合員外の預金を制限しているということについてであります。これで資金の円滑化に非常に困つている状態でありますが、要するに組合員外預金の制限を解く意図があるでしようか。それからただいま申し上げました協同組合の根本対策についてどういうお考えを持たれているか、お尋ねいたします。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 信用協同組合が組合員外の預金をとるということにつきましては、今できぬことになつておるのでありますが、本来信用協同組合は組合員の相互扶助の建前からでき上つている金融機関でございますので、組合員になつた者が預金をし、その間で金のいる者が借りるという相互関係でございますので、これを組合員外にまで広げること自体が、あるいは本質と合致しないかとも考えられるのであります。なお大蔵省とも十分検討を加えてみたいと存ずるのであります。

木下重範同友会

○木下(重)委員 ただいまのお答えによりますと、種々言われておりますが、実態におきましては金融機関はさような簡単なものではないと思います。諸外国の例を見ましても、協同組合の預金を制限している例はどこにもありません。わが国だけであります。従つて何も指導育成云々ということよりは、実態に即した指導が望ましいことではないかと思いますが、組合員外の預金を全然制限する関係上、われわれが地方で見聞したところによりますと、一部のボスの動きによつて金融機関の活動を制限している。しかもやみ金融がその裏で行われるということで、いわゆる一部のボス連中にこれを独占される傾向にあることをわれわれは見聞しておるのでございますが、その点についてさらに重ねて相談されると言いますが、政府の方におきましては断固たる考えを持たれておるのか、持たれていないのか、その所見をお伺いしてみたいと思います。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 重ねての御意見でございまして、私どもといたしましても十分その趣旨に対して大蔵省と問題の検討をいたしたいと思うのでありますが、現在のところ信用協同組合は、相互組織の金融機関として進んで行くのがいいんじやないか、現在のところはさよう考えておるのでございますけれども、なおその辺につきましてさらに大蔵省の銀行当局とも打合せをしてみたいと存じます。

木下重範同友会

○木下(重)委員 今度の中小企業金融公庫法案によりますと、担保の部分で「原則として不動産その他適切な担保を徴する。但し、担保を提供することが著しく困難であると認めるときは、保証人をもつて担保に代えることができる。」こういうことになつております。これは常に問題になるのであります。対人担保、対物担保ということでありますが、公庫の利用をいたしたいと思います者は、とかく零細な中小企業者が多いのでありまして、もちろん担保があれば何も苦しまない。ほかの金庫からも借りる。さらに対人担保になりましても、なかなか相手方で非常に信用してくれるような人物が保証してくれないということになるのでありますが、さような関係でついやみ金融にたよるという実態であるのであります。この問題に関連して特に申し上げたいと思いますことは、御承知の通り今度電源開発あたりで大きく事業が行われますので、この実態から推してもわかりますように、たとえば注文を受けてただちに金が入るわけではない。ただちに自分の方で材料を購入しなければならぬ。その金をつくらなければならぬ。次にそれをつくり上げるまでに工員の給料その他の支払いをしなければならない。さらにこれを納入いたしましても、手形等で二箇月先に金が払われるということで、この間に金のやりくりをしなければならぬ。従つていくら金利が高くてもやみ金融を利用しなければやつて行けないということになるのであります。これを要するに、法案ができまして設備資金及び長期の運転資金ということがありますので、この運転資金を利用さしてもらえるというこのあり方が十分に活用せられまするならば、あるいは救われるかもしれませんけれども、商工中金と同じようで協同組合の場合の例ですが、結局借り受けるについては預金を強要してみたり、出資をさしてみたりするということで、結局公庫を利用しようといたしましても利用できないような事態に立ち至るおそれが生ずるのではないかということを非常に杞憂いたしておるのであります。対人信用に対します貸付の構想につきましては、政府はどういうようにお考えになつておりますか。この点をお答え願いたいと思います。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 この公庫の流しまする金は、設備資金と長期運転資金と両方に相なつておりまするが、さしあたり公庫の運用いたしまする資金の量が百億円程度でございまするので、設備資金とそれに関連いたします長期運転資金に限定いたしたいと現在のところ考えております。運転資金、設備資金から切り離しまして貸し出すということにいたしますれば、相当の資金量がございませんとまかなわれないと思いますので、さしあたりは設備資金とそれに関連して必要の生じて参りまする長期運転資金に限定いたしたいと存ずるのであります。なお担保ないし対人つまり保証人の関係でございまするが、一方におきまして信用保険法を改正いたしまして、近く一両日中にこの委員会で御審議をお願いすることになつておるのでありますが、かなり保険のやり方を改善いたしまして、利用しやすい姿に改正していただきたい、かように考えておるのでございますが、それらの運用と担保の関係とをよくからみ合せまして、特にこれが厳格なために運用が阻害されるというようなことのないように、具体的にあたりまして適切な指導を加えて参りたい、かように考えておるわけでございます。

木下重範同友会

○木下(重)委員 あまり長くなりますからもう一点だけ簡単に私の要望を申し上げまして質問を終りたいと思います。今度は次官にお答え願いたい。  先ほどから申しました構想によつて大体この運用にいかに注意を払わなければならぬかということについて十分の御留意を願つたのでありますが、先ほどちよつと申し上げかかつた関連事項でありますがいこのたび先般も申し上げました電源開発の大きな事業を手がけております。これのいわゆる中小企業者を救済される対策については、先般大臣から所見を伺いましたから大体わかりましたが、中小企業者の声を聞きますと、先ほど申しますように、注文を受けましても金融に非常に困つておる。ところが御承知の通り大銀行にその資金を全部補填されておりますと、地方銀行ではその金はまわらない。地方銀行にその金があれば、電源開発のような会社から大きな発注が出ますならば、一応その金融を円滑に受けられることになるのであります。従つてこれを具体的に聞いてなるほどなと感じたのでありますが、そうしたような事業につきましては、いわゆる中小企業者を救済するという趣旨においてやはり全部中央でその金を吸収して他の投資に有利な方面にまわす。要するに地方の中小企業者に仕事をさせてやるという趣旨にそうした金を分割して、地方銀行と中小企業者と連絡させて、円滑に仕事をさせてやるという方向に持つて行つてやることが必要であると思うのでありますが、この点について次官は何かお考えになつたことがありましようか。またただいま申し上げましたような方式に持つて行かれることがいいということになれば、そうされる御意思があるでしようか。

小平久雄自由党通商産業政務次官

○小平政府委員 お話のありましたように、中小企業にとりまして、地方銀行が非常に貢献をいたしておるということは、われわれといたしましてもこれはよく承知をいたしておるところであります。従いまして特に中小企業にとりましては、今後におきましても地方の銀行から相当資金が流れやすいようにわれわれとしては持つて行きたいと努力をいたしておるわけでありまして、今回の公庫の設置にあたりましても、もちろん従来の実績というようなものがいるわけでありますので、この公庫の金等につきましても、地方の金融機関に対しましては十分従来の実績を考慮しながらまわして行きたい、そのことによつてまた中小企業が従来より以上に量的にもまた時期的にも金融の疏通がはかれる、こういう方向に努力をいたして参る考えであります。

木下重範同友会

○木下(重)委員 これで私の質問を終ります。

坪川信三自由党

○坪川委員長 他に御質問ありませんか。—他に御質問なければ、本日はこの程度といたし、明日午前十時より開会いたします。  本日はこれをもつて散会いたします。     午前十一時四十分散会

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