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第15回国会衆議院1953/03/02

通商産業委員会 第26号

発言数
87 件
登壇者
10 名
会派数
4
開催日
1953/03/02

会議録

坪川信三自由党

○坪川委員長 これより会議を開きます。  本日は前会に引続きまして、武器等製造法案を議題といたし、質疑を続行いたします。質疑の通告がありますからこれを許します。木下重範君。

木下重範同友会

○木下(重)委員 ちよつと大臣にお伺いしたいのですが、先般から兵器、武器の件につきまして出血受注ということが非常な問題になつておりますが、大体武器はどういう経過で日本の方に発注されるのでしようか。アメリカの方では御承知の通り工作機械も優秀でありますし、原料も豊富にありますが、あちらからわざわざこちら頼むというのは輸送賃その他を見まして、こちらに頼めば値段が安くあがるから頼むのか、好意的に日本の産業を向上させようということから、価格の点はあまり重きを置かないで日本に発注しようということになつておるのでありますか、その点どうなつておりますか。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○小笠原国務大臣 ごくこまかいことは私はよく存じませんが、大体を申し上げますから御了承願いたい。向うの方は実は非常に品質を問題にいたしておるのでありまして、品質の点でどうもまだ日本は空白の期間が長かつたために、非常に及ばぬ点がある。この点を一番問題にしておる。また納期の点も非常にやかましく言つておりますけれども、価格はあまりやかましく言つておりません。例を火薬などについて申しますと、これは日本でやるものが向うの二倍近くになつていますが、それでも注文をしておるのでありまして、むしろ品質、納期等をやかましく言つておるというのが実情でございます。今木下さんの仰せになりました出血という分につきましては、向うは何も出血させる考え方は毛頭持つておりません。ただこちらの方で、あれは入札なもんですから、そこでいわゆる出血—はたして出血しているかどうかわかりませんが、そういう入札がある。これはたとえて申しますと、神戸製鋼所が今度千何百万ドルの相当大きな受注をいたしましたが、けさあそこの重役に会つて聞いてみたところが、絶対に出血ではございません、従つて先の下請のものにも絶対に出血させるようなことはございません、こういう話でありました。つまり出血々々といつても、どの程度が出血かはよくわかりかねているのですが、向うは何らこつちに出血させて注文しようという考え方は持つていないように存じております。

木下重範同友会

○木下(重)委員 そういたしますと、価格の決定はどういうふうになるのでしようか、結局好意的に、価格の点はあまり重きを置かずに日本の方に注文して、日本の産業を興隆させようということできめられるのでしようか、それともさつき申しましたように、輸送賃その他の関係で日本に頼んだ方が安くあがるという意味からでしようか、この点の考え方はどうでしようか。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○小笠原国務大臣 価格の点は特定しておりませんで、すべて入札でありますので、その点で競争する結果がそういうことになります。過日来二度も入札させるのはひどいじやないかというお話がありまして、調べてみたところが、向うが二度入札させたのは、一回の入札が価格が高過ぎるという問題ではなくて、もつと安くやれるということをこつちが申し出て、こつちが申し出たためにそれならばもう一ぺん入札の機会を与えてやろうというので、入札さしたということであります。そういうことで、大体から申しますると、日本に出血さしてどうこうという考えはなくて、現在の状況では日本の製造力を使つて行くという考え方が割合に強くなつておるように存じております。

木下重範同友会

○木下(重)委員 そうしますと、発注の形態ですが、あらかじめ政府の方に、大体駐留軍の方がこの程度までの予算があるから、この程度までなら依頼しようかというふうな目安か何かあらかじめわかるのでしようか、全然わからないのでしようか。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○小笠原国務大臣 正式には一切わかりません。ただ何々をおよそこれくらいだろうということがわかる場合がございますが、向うでは価格がこれこれで、これこれのものを何するということは正式には申しておりません。但し数量についてははつきりいたしております。

木下重範同友会

○木下(重)委員 そういたしますと、アメリカの方から兵器、武器等を国内に頼む場合に、直接自分の方で生産者を選択いたしまして入札をさせるのでしようか、それとも政府の方で各メーカー、生産工場を引合わして、政府の方からこれこれの工場があるから、これこれの工場に入札させたらどうかというあつせんでもするのでしようか、それとも直接やるのでしようか、その点をひとつ伺いたい。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○小笠原国務大臣 最初は向うの方で自由にやつておりましたが、このごろでは適格者を選んでくれということでありまして、それぞれの注文に応じまして適格者をこちらの方で選びます。その適格者が入札資格を持ちまして、入札をいたすわけでございます。

木下重範同友会

○木下(重)委員 さつきの大臣のお答えによりますと、価格ははつきりわからないけれども、大体見当がつくというふうな御意見もありましたが、この出血受注を防ぐために、もしもそれがあらかじめ大体わかれば、何とかして業者にそれを知らしてやつて、無理な入札、いわゆる安い値段でどうしてもこれをとらなければならぬという形をとらせないような方法をされる道はないのでしようか、その点についてお答えを願いたい。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○小笠原国務大臣 これは木下さんも御承知の通り、なかなか競争する人間は、ちよつとそういうことを聞きません。正直に申し上げますと……。今度法案を通していただきますと、はつきりとそういうことをこちらの方で言うことができます。業者もみんなおよそこれくらいということは、ほぼですけれども、見当をつけて、それで相手がこれだけ入れるだろうから、自分はこれだけ入れてとろうというふうに競争するのですから、弊害が見るに忍びないものがあつて、この法案でもつてぜひ今後はこれを律して参りたい、かように考えておる次第でございます。

木下重範同友会

○木下(重)委員 よくわかりました。一日も早くこの法案を通しまして、ただいま私が希望しました趣旨は大臣もおわかりだと思うのでありますが、せつかくのあれですから、なるたけ出血受注が防がれる方法を十分考慮いただきたいと思います。これで私の質問を終ります。

坪川信三自由党

○坪川委員長 加藤清二君。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 実は私はきようは別なことで質問しようと思つて、別なことを用意して来たのです。そこで武器の方は整理がしてございませんが、永井さんが次に準備のできるまで穴埋めにやらしていただきます。  まず第一番にお尋ねしたいことは、武器等の製造が行われる場合に、通産省としては行政事務をただいまのように重工業局の内部において行われようとするのか、別に部局の編成がえが用意されておるのか、これをお尋ねしたいのです。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○小笠原国務大臣 武器等製造法が通りましても、別に新たに部局をつくるという考えは持つておりません。従いまして、ただいまの重工業局でこれを扱つて参る考えでございます。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 それでは引続きまして先般私がこの武器の受注会社の将来の計画を立てさせる意味にもおきまして、今年度の発注量と、将来の発注量がいかほどございましようかとお尋ねした場合に、次官はこれについては見通しができないというお答えでございましたが、ちようどそのころの工業新聞を見ますると、そこにいらつしやる葦澤さんの談として、当初大体五千万ドルばかりの発注がある、こう出ておつたのでございますが、これはいずれがほんとうでございますか。

葦澤大義通商産業事務官(重工業局長)

○葦澤政府委員 お答え申し上げます。発注量について、この委員会でお尋ねがありましたときに私が申し上げましたのは、五千万ドルということでございまして、当時約二千万ドルぐらいすでに発注がございました。あと三千万ドルぐらいあるのじやないか、こういうような見地から大体五千万ドルというふうに申し上げたのでありまするが、その後最近になりまして、約一千万ドルぐらいの発注が行われましたので、すでに三千万ドルは発注済みということになりまして、あと二千万ドルという見込みになるのでありまするが、こういう情勢ですと、まだ一千万ドルぐらい多くなりまして、三千万ドルぐらいは今後あるのではないか、こういうような見地で政務次官もその点をお答えされたのであります。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 それではあらためてこの問題について、幸い大臣さんがいらつしやいますので、将来の見通しについて承りたいと思います。実は御承知の通り繊維工業の方はただいま設備過剰であるということによつて、操短をやむなくされておるわけでございまするが、今度武器等製造法が行われるについては、またそのようなことがあつては相ならぬ。従つてふるいにかけるんだ。いわば入学試験をやるようなものだ。このように承つて私そう心得ておるのでございます。これはむだな競争と、将来の発注量との振合いにおいてまことにけつこうなことである、こう思つておるのでございまするが、しかし私考えてみまするのに、相手の発注がはつきりしない場合において、一体何を基準として注文を受ける人をきめるのか。それからまたせつかく注文を受けた人が、将来のはつきりした数量の見通しがついておればいいのでございますけれども、ついておらない場合には、ことしはいいかもしれない。しかし来年、再来年一体どうなるのか、こういう心配は当然起り得る。それがうまく振合いができればよろしいが、できないとまた糸へんの工場の連中が苦しんだと同じようなことが行われるのではないか。それでは日本経済の上に及ぼす影響が甚大であると考えなければならない。そこでぜひ承りたいことは、将来発注がどのようにあるか、ないかということと、もしそれがないとされるならば、将来交渉をしかるべく続けられるのか、られないのか。また交渉をやるとしても相手様のあることで、相手がそういうことが言えない、あるいは言うかもしれない、その場合にせつかくこの入学を許可した連中に対してどのように育成指導強化されるつもりなのか、これをまず承りたい。  それからもう一つは、私考えますのに、注文を受けたいと希望して出て来ている人が非常に多い。その多い顔ぶれを見ると、この間もちよつと触れましたが、なるほどずつと以前に武器等を製造した人たちもあつたかもしれないけれども、実際は先祖伝来紡機や織機をつくつておつた人たちにこの希望者が多い。そこでこの人たちはわらもつかむ気持でここへ来たけれども注文が受けられない。入学試験にはずれてしまつた、その場合に一体お前は落第したんだから、どうにでもかつてにせよというつもりなのか、いや日本産業発展上その落第生に対して何らかの手が打たれようとしているのか。入学した入がほんとうにうまく将来伸びて行く手だてができているやいなや。落第した人をどうするのか、こういう二つについてお答え願いたいと思います。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○小笠原国務大臣 加藤さんの御質問はすこぶる実情に対しての御質問でございまして、お答えをするのにもはなはだむずかしい点がたくさんございますが、まず最初に申し上げますのは、発注量の問題であります。発注量の問題は大体昨年までは三千万ドルくらいでございますが、今度は五千万ドルを越し、あるいは六千万ドルに達するのではないかと思われます。また現在の見込みでは、おそらく二十八年度はふえこそすれ、減ることはあるまいと思いますが、しかしはつきりした証文をとつたわけではございませんので、これは一に見込みに属するわけであります。  それからそれらに対して工場が過剰になつたり、あるいはまた今仰せになつたように、新規にやる者で適格者ができて来て—さつきちよつと加藤さんに申し上げたように、適格者をこちらが推薦する形をとつておりますから、すでに実際にものをつくられても、こちらで適格者と認めなければ、入札に応ずる資格をこちらが与えないというわけです。すでに合格されたという方について、それが設備過剰の場合、そういうことについてどうかというお話でございますが、これにつきましては一応の見通しをつけまして、新規の許可についての過剰はこれを制して行くつもりであります。しかし今までやつておりまするものにつきましては、これは、あなたのところは過剰だというわけには参りかねますので、今やつております分はそれを認めまして、新規に許可する分については、そのときの情勢をにらみ合せまして許可しないというような方針で参りたい。そうやつて互いに無用のいわゆる出血のようなことを避けさせたい、無用の競争を避けさせたいという考え方でおります。それでさつきもちよつと申し上げましたように、向うでは品質、納期が非常にやかましいのでありますが、しかし価格の点はそんなにやかましく申しておるわけではございません。ただ日本の方で何とかしてとりたいという業者の競争から、いわゆる出血というところまで参りますので、さつきも実例をちよつと申し上げましたが、この間神戸製鋼所が受けたもののごときは、決して出血でも何でもなくて、これは相当—相当というどうか知りませんが、利益があり、また下請業者にも利益を与え得るということを申しておりましたから間違いないと存じます。なお火薬等について受けておるものについても、大きいところでは同様のことを聞いております。従つてこういう大きいものはそういうことはございません。ただ小さいものがむやみに下請をやるときに、いわゆる出血が起るのではないかと思うのでありまして、この点は今度武器等製造法を通していただきますと、十分こちらの方で監督して行きたいと考えております。また指導もして参りたいと考えております。それではいわゆる落第したものはどうするのだという加藤さんの仰せですが、実は今の自由経済下におきましては、落第したものを救済してやるという方法はちよつと立ちませんので、いいものもつくり得ない、設備も不十分だというものについては、あなた方はこうやれば適格者になれるのだという指導をする親切はあつてよかろうと思います。またその親切は示してよかろうと思いますけれども、どうも落第生を採用してやるという方法はほかにないと実は考えておる次第であります。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 私はむしろ落第生をどうするかという問題について通産省が真剣に取組んでいただきたいと思いますし、またこれについて策なきにあらずでございまするが、きようは武器等に集中しろという小金さんの切なる御注意でありますから触れませんが、これはひとつ真剣に大臣さんに考えていただきたいことだと思うのです。これだけはぜひ考えていただかなければ、名古屋から大阪にかけての業者の、窮状というものは見るに忍びないものがありますから、ぜひ何とか考慮していただきたい。その原因が必ずしも業者の仕事下手であつただけとは言えない点がある、何も今の大臣さんに責任はないかもしれませんが、過去の繊維行政において間違いがある、過去の繊維の輸出の問題において大きな欠陥があつたればこそ、そんな中小企業どころの騒ぎでなくして、大企業の方々がばたばたやられて、銀行管理を食つていらつしやるという事実が目の前に幾らもあるのですから、そのおかげで繊維はもうだめだ、繊維の機械をつくつておつてはいかぬ、なんとかほかのことに転向しようというので、そこに武器等製造に殺到して来た大きな原因があるのですから、これを傍観せずに、何とか救いの手を伸べるというのが、こういう業界の指導育成強化に当る本省としての任務じやないか、この点は、与党が言うことだから野党の私は反対しようとかいうけちなことは考えておりません。それでぜひひとつ五〇%以上の輸出量を占める繊維の将来については、何とかしてもらわなければいけない。将来重工業に全部が転化されるとしても、経過措置なり何なりで何とか策があつてしかるべきである、その方法についてはきようは語る時間がございませんので、いずれまた大臣さんの御高説を承ると同時に、私のしろうと考えの御批判をいただきたい、こう思つておるわけでございます。そこで今の設備の大きいところ、しつかりしているところに発注する、こまいものに発注をしてむだな競争をさせ、出血させるようなことはあえてしないというお言葉で、これはたいへんけつこうだと思います。ところがここに考えてみなければならぬことは、大きい資本と大きい設備を持つていらつしやる人が受けなさる、ところがそれを自分の会社だけで受切れない場合があります。そうしてこれを下請に出す、ところが通産省としてはこの下請の工場を御調査なさいますか、なさいませんか、それによりまして一体どういうことを心配するかと申しますと、実はついこの間の本会議の御答弁で、ああいうところへ注文した覚えはないということを大臣は答えておられましたが、現につくつておることは事実です。それですから、二十人のうら若い早乙女が一ぺんに吹き飛んで、煙とともに消えて行つてしまうということになるわけです。あるいはまたさる工場でつくられたところの機関銃の台座ががたついてしまつて、向うからクレームをつけられた、こういうことになる。そこで今度の入学試験にあたつては、自分のところで引受けられるだけを発注なさろうとするのか、あるいは受けた場合に下請工場へ出すのを許されるかどうか、また許すとしたならば下請工場の調査をなされるのか、なされないのか。実はそれで貴重な材料をロスにする場合が多いし、せつかくでき上つたものが間に合わなくて、クレームの材料になつてしまつた。兵器の材料がクレームの材料になつておつては経済したいへんなことになる、またほかの平和物件ならば少々織段があろうと、織りむらがあろうと何とかなりますが、兵器だけはひとつ間違うと相手を撃つたまが自分にはぜてしまうのですから、自分がやられるし、工場の工員がやられる、この点を一体どういうふうにお考えになつておるかお教え願いたい。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○小笠原国務大臣 ただいまのところは、武器等の注文を受けました場合に、実は大きいところが受けますと、いわゆる適格者が受けますと全部を自分のところでつくるものはございませんので、今仰せになつたようにみな下請に出します。みなということはありませんが、相当下請に出すのであります。その下請工場については一応通産省の方でも調査をいたします。そしてあまりひどいところには下請に出さないようにいたします。それからまた下請業者の人々を保護する意味もありまして、下請の金の支払い等については、初めから約束をさせます。注文する方から下請に出すときに金の支払い方についての約束をさせまして、支払いの遅延等から来るところの負担を下請業者にかけないというふうにいたします。それからまたあまりに下請をいじめつけるといいますか、そういうことがないようにということはいつも勧奨しておりますが、私どもは法的根拠をもつてやり得る権限はただいまのところは持つておりません。しかし実際問題はそういうふうに取扱つております。それで今度この法案が通りますると、法律的根拠を持ちましてさようなことができ得ることになりますので、一日も早く通していただきたいと念願しておる次第でございます。  なお、今最初にちよつと仰せになりました繊維関係の方々がどうもお困りになつておる事情等も、実は私も愛知県の者でよく存じております。従いましてそれらの方の転換等がこういう方面に向けられることでありましたら、これはひとつまた、十分とくと考えまして、これらの方々の立場に対して何らかの措置がとれるものならとらなければいかんと実は考えておる次第でございます。これは今後ひとつよく調査いたしまして善処いたしたいと思つております。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 実は、きよう私これを予定しておらなかつたので、質問の順序があちらこちらになりまして、まことに申訳ないのでございますが、希望者を選択し、規制するということによつて、将来の武器製造による国民経済への影響を考え、その国民経済の進展をはかるというのが本法の精神と聞いておりまするのですが、とかくこの希望者が非常に多い。それをある程度制限する、こういうところには今大臣さんがおつしやつたように、科学的にこの点とこの点とこの点とこうそろつたらこれをやらせる、こういう仕様書に適合したらやらせる、こういうことであつたとしても、ともすると、学校のような、道徳を扱うところでさえも、その先生が贈賄、収賄を世間から騒がれるということがあり、ましていわんやつい最近、電気事業においても、石炭事業いてもいろいろなことが言われておる。このたび武器等製造法に火薬のにおいがするとか、何やら変なにおいがするということが言われるということは、われわれにとつてはたいへん迷惑千万なことであり、大臣さんにとつてもうれしゆうないことであろうと思う。これについて前もつて予防策というものがおそらく考えられているだろうと思いまするが、この点をどのように考えてこの仕事に臨まれようとしておるのか。それが実は第一番に承りました通産省の中の部局に関連を持つて行くわけなんでございます。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○小笠原国務大臣 今加藤さんの仰せになつた点は、私もきわめて注意しなければならぬ点と存じます。特に通商産業省は直接業者に関係がありまするだけに、私どもは綱紀の粛正を最も強く叫んでおるものでありまして、またその点については私は及ばずながら全力を尽しておるものでございます。従つて今日、私の部局下にそういう者があるとは夢にも考えませんし。また今仰せになつたような火薬のにおいがするとか武器のにおいがするというようなことは、私はそんなことはあり得べからざることと確信いたしておりますが、しかし念には念を入れまして、今後ともさようなことのなきよう十分注意する考えでおりまするから、御了承をお願いいたします。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 今そのにおいがするという意味ではございません。今の局長さんや係長さんの方たちが悪いというわけではございませんから、それは誤解のないように。そうなるといけない、とかくそうなりがちである、今まで過去の例を見るとそういう例がままある、従つてこのたびはそのようなことがないように仕事を進められたいということでございまして、決して今の担当者を非難攻撃しているわけじやない。今の担当者は決してそんな悪い人はない、かように私は確信をしておるわけでございます。実はこの問題はこれで終つたわけじやございません。別なことばかりお尋ねしておつたわけなんですが、私が武器等製造法でお尋ねしたいことは、一度この項を整理いたしまして、あらためて、あるいはこの続きなり午後なり何なりにお尋ねしたいと思います。

坪川信三自由党

○坪川委員長 永井勝次郎君。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 通産大臣にお尋ねいたします。先般お尋ねいたしましたことによりまして、大体の輪廓は了承できたのでありますが、この武器等製造を輸出産業として平和的性格でこれをやつて行く考えであるということはわかつたのでありますが、そういうことは大臣の希望、こちらの希望だけでは達せられないのでありまして、そういう輸出産業として平和的性格でこの産業を伸ばして行く、あるいは守つて行くといいますか、そういうような条件が客観的にあるかどうかということが、この法案を成立させる上において妥当か妥当でないかという価値批判の基準になると私は考えるのであります。たとえばアメリカ一国を対象にした発注でこういう国内の産業構造を切りかえて行くというような重大な切りかえを行いますことは、非常に危険である。アメリカがだめならば東南アジアあるいはアジア、西欧各国市場、広くどこへでも転換できるんだ、そういうような方向でこの日本の重化学工業を基盤とした武器生産というものが可能であるとお考えになつておられるのであるかどうか。こういうことに対してもう少し具体的に国際的な客観的情勢というものを御明示願いたい、かように思います。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○小笠原国務大臣 これは私どもよく申し上げておりまするように、現在の段階におきましては、今仰せになつたような日本産業構造を切りかえるという大きな問題ではございません。これは日本の産業から申しましたならば、おそらく〇・何パーセントにしか相当しない。鉱工業生産から比べましたらきわめて貧弱なものでありまして、言うに足らぬ数字でございます。ごくわずかなものでありまして、これは日本の産業構造を切りかえるとか、そんな大きな問題では全然ございません。今の注文は、あなたもお聞きになつたように、三千万ドルかそこらの外注をやつておるようなものでございまして、ことし多くても五、六千万ドルで、これによつて輸出貿易がどうとか、国内の産業構造をどう持つて行こうというような、そんな大きな問題では全然ございません。また過去にありました火薬廠など、あるいは各種の日本にございました軍工廠その他も二十三も今残つておりますが、まだ何にも使つておらぬくらいのものでありまして、産業構造をかえるような、そんな大した問題では全然ございません。三千万ドルないし多くて七、八千万トル—大きいことは望みますが、そういつたように他の輸出産業と同一に取扱うくらいのものでございます。それでありますから、その点まず最初に御理解が願いたいと思います。  それからこれにつきまして、この法案が通りませんければ、今のように全然自由になるのでありまして、この法案が通りますれば、今後その実情に即して私どもは規制して参ることが許可認可等でできます。しかし法がないとすれば、全然自由になるのでありまして、それを自由にやれるように放任するほかございません。それでは弊害にたえぬから、ぜひこの法案を一日も早く通していただきたいというのが私どもの念願とするところであります。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 大臣はこの武器等製造法に非常な期待をかけておる。万能薬のようにこの法律に非常な期待をかけておるのでありますが、この法案の内容を見ましても、たとえば届出をしなければならぬ、それからこれこれの施設のあるものに対しては許可を与えなければならぬとか、こういうことがあつて、今言つたような規制をして行くというような條件はどこにもない。あるいは武器産業をそれぞれの発注量に応じて過不足なく、国内の施設が過剰にならないように、過剰になるところに無理な競争が起らないように、計画的にこれを運んで行くというような、計画性を持つた内容というものがこの法案の中にはどこにも見当らない。そういうような計画的な生産態勢というものをどういうふうにこの法案の中で処理されるのであるか、これを承りたい。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○小笠原国務大臣 御承知のように今自由になつておりますが、届出制によつて事実を把握し、そうして許可、認可によりまして今後を規制して行くわけでありますから、これで私どもはその目的は達し得ると思います。実情から見て、生産設備が多いと見ますればこれは許可を与えないのでありますから、これで十分やつて行けると考えております。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 この法案の中にこれこれの施設がある場合には許可をしなければならないという規定があるのでありますが、これはそういう強制的な、一方的な政府の考えで、こういう設備があつても過剰だからこれを許可しない、そういうことができるのでありますか。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○小笠原国務大臣 それはできると存じます。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 この法案の第五條には「通商産業大臣は、第三條の許可の申請が左の各号に適合していると認めるときは、許可をしなければならない。」こういうことが規定してあります。これは政府の一方的な、主観的な判断できめるのではなくして、施設がどうであるかこうであるかという一定の基準を限度として、許可するかしないかという基準にするという法案の趣旨でありますが、これを施設が多い場合は、どういう施設があつても許可しない、こういう一つの独善的なことがこの法案の中に盛られているのですか。法意はそういうところにあると思いますが……。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○小笠原国務大臣 その法文をよくごらんくださると、過剰設備にならないことということがちやんと書いてありまして、過剰設備になる場合は許可いたさないのが当然でございます。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 ちよつと伺いますが、過剰設備というのはどこに書いてありますか。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○小笠原国務大臣 第五條第三号のところに「その許可をすることによつて当該武器の製造の能力が著しく過大にならないこと。」ということが書いてございます。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 一体過大であるか過大でないかという判断は、その許可を与える瞬間をつかまえて、そうしてそのときの状況において過剰であるか過剰でないかという判断をするのでありますか。先ほど来の大臣の説明にもありました通りに、アメリカの発注は計画的な発注でない。見通しはつかぬ。いつどういうような注文が来るかわからないのだ。こういうように生産の対象となるものが、こちらで把握できないものを対象に持つていて、そうしてこちらの過剰であるか過剰でないかという判断は、ただ瞬間の現状をつかまえて判断する。将来どつと注文があつて、そのために、国内の態勢がこれにそぐわないというようなことで、日本の国策の上から、国の生産の上から大きな障害を来さしめるというような事態も起つて来ようかと思います。一体そういう過剰であるか過剰でないかという正確な判断はどこでするのですか。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○小笠原国務大臣 大体過去における発注量、将来の見込み等で、これは常識的に私は判断ができると存じます。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 現在日本の武器生産業者の希望するところは、大体今年一年なら今年一年の見通しを持ちたい、その見通しさえ現在つかない。そこに非常な不安定があつて、そこで業者自体がそういう問題を究明することがなかなかできないから、政府は日本政府として相手国の政府に対してそういう問題をはつきりさせてもらうように努力をしてもらいたい。発注量が多い、多くないということが問題ではなくて、今年一年の計画がどのくらいであるかという正確な数字をつかみたいということが問題である。できるならばことし一年でなくて数箇年間の、相当長期にわたるところの計画的な数量をつかみたい、これが業者の望むところであります。ところがことし一年の見通しはつかないのだということを大臣は先ほど来ずつと述べておるのであります。述べておりながら、施設が過剰であるとか過剰でないとかいうことを常識的に判断するのだということは非常な誤謬ではありませんか。非常な妄断ではないでしようか。独善ではないでしようか。客観的な事実をつかまえて何するなら、自由経済という一つの原則の上に立つてそれを規制する以上は、自由な企業を抑制しない限界における助長的な規制、ことに非常に消極的な規制をされなければならぬ。一つの生産の計画性をもつて行くという場合には、積極的な性格を持つて来ますけれども、自由経済の基盤の中においてはそういう規制というものは非常に謙虚な、消極的な限度にとどまるべきである。それを企業が過剰だからお前のところは施設があつても押えるのだ、こういうようなことをただいまの答弁のような限界においてなされるということに対しては、われわれは断じて容認することはできないのでありますが、大臣はそれをしもあえてなそうとする独裁的な経済政策を断行なさるお考えでありますか、ひとつ伺います。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○小笠原国務大臣 私ども何も独裁的にものをやろうという考えはないからこそ、この法案を出しておるのでありまして、さような考えは毛頭持つておらぬから、最初にお断り申し上げておきます。なおあなたはことしの発注の見通しはつかぬではないかということを仰せられたが、それはさつきから申す通り発注量は見通しをつけておるのであります。このことはさつき、あなたはおいでにならなかつたかもしれないが、お尋ねに対してたびたびお答え申し上げておる。今までは三千万ドル見当であつたが、すでにことしは三千万ドル来ておるから、ことしは五千万ドルないし六千万ドルに達するであろうということを申しておるのでありまして、何も見通しをつけぬでやるかと言われますが、見通しはちやんとつけておるのであります。また日常これをやつておりますと、そこに常識というものができて来ます。それはちようど商売人が一つの勘を持つておるようなもので、これは一つの勘が出て参りまして、ことしはおよそこの辺になるなということがわかるのであります。それはほかのものについてもみなそういうことが言えます。正確な注文書をきちんともらつて来なければこれは正確でない、それは正確でないことはその通りであります。けれどもなれた勘でこれを見ますると、まず大体誤りなきところに達するのでありまして、たとえばその間が非常に違えば、なぜ通商産業大臣がそういうことをしたかということに対する御非難等が起ることはあとからございましようけれども、自由経済を主義にしておる私どもの建前から言うと、この程度でちようど調整がとれて行くのではないかと考えております。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 民主主義の原則は、個人の常識とか個人の判断とかいうものは第二にして、一つの組織を通して客観的にものをきちつとやつて行くということであろうと存ずるのであります。従つて今の大臣の説明のような法の解釈で行きますならば、たとえば三井、三菱、住友、こういう財閥工業を中心に産業系列を確立して、主としてここで仕事をやつて行くのだという判断に立てば、ほかの方のものは過剰だ、お前の方はだめだといつて押えて行つて、ここらの財閥企業に集中的にやつて行くということも可能であります。それは主として通産大臣なり通産当局の主観的判断で、常識でものをやつて行くのだ、それが正しいか正しくないかという企業の一つの尺度というものが、客観的に何もなされていない。そういうものを持たないで、主観的にそういうふうなことをやつて行くのだということになれば、財閥産業を助長するというような弊害がここに起つて来る、従つてわれわれはそういう点において、個人の判断や、一つの機関だけの主観的な問題ではなしに、国民多数がこういう仕事はやれるのだ、こういうことはやれないのだという判断のできるような、だれでもガラス張りの中でやれるような、そういう規矩準縄を確立することが、われわれの法律審議にあたつての重要な問題である、かように考えるので、重ねてこの問題をひとつ聞いておきます。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○小笠原国務大臣 通商産業大臣は、通産省の者と、よく諮りまして、ガラス張りの中でこれを行う考えであります。なお事務的にいろいろ処理の仕方もありましようから、政府委員から答弁をいたさせます。

葦澤大義通商産業事務官(重工業局長)

○葦澤政府委員 永井さんの御指摘になりました点、ごもつともな点でありまして、しかるがゆえに従来他の委員の方からもその点につきまして再三お尋ねがありました。大臣からお答えなされましたように、方針としては常識のおちつくところへおちつくという方針でございますが、事務的に若干、発注量の測定、むろん年間の発注量が確定いたしておりますときは非常にけつこうなのでありますが、必ずしも一年間の発注量の確定したものをわれわれが持つということも相当困難な場合もございますことは、現下の情勢上当然なことだと思うのでありますが、なお一応一・四半期なり、あるいは半歳にわたつての見通し、あるいは時々刻々の発注量の高につきましては、よく駐留軍側と折衝をいたしまして、その間に発注量において見込みが齟齬しないように、事務的には万全の措置をとろうというふうに考えておるわけでございますが、設備が著しく過剰であるかどうかという判断を、どういうふうな基準でいたしたらよいかということも、非常にまた大きな問題になるのでありまして、そういう点につきましては、むろん通産省の独断というようなことも許せない重要な問題でございますので、法案の中にも規定がございますが、武器生産審議会というものを設置されることになつておりまして、これには朝野の学識経験者の方にお集まりを願いまして、そういつた重要な基本事項につきましては、とくと衆知を集め審議をしていただきまして、それにのつとりましておちつくところへおちつく、この大方針のもとで運営をいたして参りたいというような考え方をいたしております。御了承をお願いしたいと思う次第でございます。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 その問題はまたひとつあとにまわしまして、現在受注の関係において業者の非常に希望しておるところは、発注に計画性を持たせるということと、企業の安定性を確立するということと、それから損失に対する補償、この三つが大体要望されておることであると思うのであります。現実に受注を受けて、今まで体験して来た業者が、その過程においてこれらの問題を切実に感じておる。この発注の計画性、安定性、損失に対する補償、こういうような事柄に対しては、当局はどういうふうに考えておりますか。大臣の御説明を伺います。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○小笠原国務大臣 これらの点はきわめて大切な点でありまするから、ひとつ間違いのないようにこれらの点を処理いたしたいと考えております。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 間違いないようにというだけでは、だれでも間違おうと思つて間違うわけはないので、どういうふうに間違いなくやるかという具体的な内容をわれわれは知りたいのであります。先般小平政務次官は、今後武器等製造については、政府の助成も考えておるというようなことでありましたが、その助成というようなことを考えておるとするならば、その考えておる内容はどうか、あまり抽象的で霞を食うようなお答えでありますので、もつと具体的にお答え願いたい。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○小笠原国務大臣 それは申訳ありません。実は私どもも営業としてやることでございますので、その損失を補償するという考えは持つておりません。商売ですからもうかるときもあれば、損するときもあるのですが、損をした場合には、損失を補償するという考えは持つておりません。ただ損をさせないように向うとよく話をつけまして、今の無用な競争から起る出血等を避けたいということは、これは繰返し申した通りであります。  それから業者に対する一つの対策としては、何といいますか耐用年数、償却年限等についてはこれは非常に短くしておりますので、この点はほかの産業と違いまして、税の取扱いの上では多少ゆるやかになつておるということを御了承願います。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 課税その他については、どういうことになりますか。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○小笠原国務大臣 課税については何ら別の措置をとりません。ただ申し上げましたように、償却をゆるやかに見ますので、この点が幾らか楽だ、こういう点でございます。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 武器の生産というものは、国内の軍備の充実のために備えるところの企業として一応安定し、余力があれば外注にこたえて行くというのでなければ、安定する條件というものがないというふうに聞いておるのであります。またどこでもそのようであります。武器は刻々にかわつて行きますし、進歩して行きますし、遅れた武器というものは、生産したところで意味はない、そういうふうに常に国内の武器生産の施設というものは更新して行かなければならぬ、非常にはげしい力でかわつて行かなければならぬ、こういうところに普通の産業とは異なる性格を持つておる、従つて国有国営的な性格を持つて、単にそろばんがとれるとれない、コマーシャル・ぺースに乗る乗らないという問題だけではなしに、それらの性質に対応する生産というものが各国にあると考えるのであります。ところがこの武器等製造は、国内の武器は生産しないのだ、それを対象とするのでない、外国からの注文を対象とするのだということになれば、十年一日のごとく、こういうものより私のところではできません。こう断わらなければ、たとえば非常に短かい期間の減価償却をするとしても、一年のうちに何回かわるかわからない、たとえば飛行機にしても、ジエット機が出て来れば、もうその前の飛行機はつくつたところで意味はなさない。全部これは更新しなければならぬということになることは、私が説明するまでもないと思います。そういうような性質の産業というものを政府が損失補償しない、また助成をしない、単に一つの企業の限界の中で、そういうものを助長して行つて、ただ競争入札によつて出血をさせないというだけの措置で、こういう問題が果して行けるというふうに大臣は考えておるのかどうか、そうして今後武器を製造して行く上における問題点は、どことどこにどういうふうにあつて、この問題点に対しては、どういうふうに政府は考えておるのかということを明確にしていただきたい。そうでありませんと、今貿易が行き詰まつた、武器生産だというので、どつとみな来る、こういうことは、どのような法律を持つて行つたつて、押しかけて来る勢いというものは防ぐことはできないと思う、政府が何か武器製造について期待が持てるように、明るい明日が期待できるような言説が常になされる。そういうところにどつと押しかけて来るのはあたりまえだ。しかし武器製造についてはこういう問題があつて、こういう状況だということを国民の前に明示することによつて、私は各企業者に相当考えさせて行かなければならない問題があると思う。政府はどういうふうに問題点をつかまえておるか、この点承りたい。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○小笠原国務大臣 武器等製造といつても、過去において毎年三千万ドル程度のもので、大きなものではない、だからそういうものにあまり大きな期待をかけることはいかぬということについては、私は機会あるごとによく話しておるのであります。またその九十九パーセントは永井さんも御承知のように、いわゆる駐留軍の注文なのですから、そういうこともよく話しております。ただ国際情勢等に変化がなければこういう情勢が続いて行くということは考えられるのであります。しかし現在あるものにつきましても何らか今お話になつたような、多少償却等を早くしてやらなければならぬというので、そういう特別な取扱いをしてやるべきであろうというので、大蔵省と償却年限短縮等については打合せておりまして、近く事務的にも解決すると思つております。これはまつたく取扱いですから立法措置等の必要は何らございません。  もう一つは注文を受けた場合に、一時的に入り用とする金がある場合百があります。そういう金のあつせん等はいたしてやつております。これは特に一時的に資金が入り用なものですから、政府の方であつせんしてやるという程度でございまして、ただ見守つておるという考えでありますから、特別にこの産業を私が今申し上げたように助成して育成して行くという強い考えは最初から持つておりません。ただあやまちなきようにこれを見守つて育てて行くという考え方でありまして、これを大きく発展させて行くというような考え方を持つておるわけではございません。現在の段階ではまだそこまで行く時期でもない、かように考えております。

長谷川四郎改進党

○長谷川(四)委員 永井さんの質問に関連いたしまして……。武器等製造法案なるものの基本精神というものに少し食い違いがあるのではないかというように考えられます。なぜならば、大臣のお答えの中に産業構造の切りかえだとか、あるいは産業構造の一角だというような考え方を持つておらないとの答弁でございます。大臣のお考えは、金額の大小によつて産業構造というものが考えられて行くようでありますが、金額の大小によつて産業構造というものは考えられるべきものではない。何事も一つの目的のために出発する場合には、必ずしも大であるものではありません。しかるに大臣の答弁の中に、金額の大小というものが大きく考えられている。従つて産業構造の一角をなすべきものでないというようなお考えがおありのようでございますが、このように私たちは考えてよろしいでしようか、答弁をお願いいたします。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○小笠原国務大臣 今長谷川さんの言われたような産業構造の一角であるということについては、私ども十分そういうふうに了解しておるのであります。さればこそこういう法律も出して、皆様方の御審議を願つておる次第でございます。ただ日本の産業構造を一変させて行く云々という意味のお話がありましたから、それほど大きい問題ではない、つまりそれをもつて東南アの輸出がどうだ、よそからの注文がどうだというお話が出ましたので、それほど大きい問題でない、かように申したのでありまして、もちろん金額の大小にかかわらず、どの産業も日本産業構造の一角をなすものであり、特に現在におきましては、これは産業構造の一角中その注目を引いておるものであることは御指摘の通りであると存じます。

長谷川四郎改進党

○長谷川(四)委員 この法案を議会にかける前に、憲法の問題が大きく論議されております。また憲法にはつきり規定されてあります。この規定されてある憲法を無視するとは私は言いませんけれども、かくのごときものを製造することは憲法の中にはあまりはつきりと出ておりません。こういうような点から考えまして、この種の武器製造の法案を出すからには、大臣としてもはつきりとした信念の上に立つての御提出であろうと思います。さらに日本の産業構造の一角として進み出るという点については、今あなたのおつしやる通り私も了解ができます。従いましてこれらの産業構造の一角として将来はかく行くのだというあなたのはつきりした確信があつて出されておるものであろうと思うし、さらに局長におきましても、一つの大きな方針のもとにこれらを育成して行くのだ—局長の方針というのは、日本に過去の軍需工場のようなものをたくさんつくるという大方針のもとではないであろうけれども、一つの目安に立つての方針を立てられてこの行政に当つて行くというお考えであろうと思うのであります。これらに対しましても、先ほどの大臣のお答えのごとく、産業構造の一角であるという確認の上に立つてこの案を進めるとともに、さらに行政の面にあたつては、これらの業種に対してそういう圧迫のないような方針を立てて進んでもらいたいということを私は考えておるわけでございまして、討論ではございませんから、ただその一点について関連して御質問申し上げたわけでございます。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○小笠原国務大臣 この問題は今ちようど長谷川さんが仰せのごとくに私どもも考えております。従いましてこの産業構造の一角として健全なる発達をはかつて行く、お互いに無用な競争等をやつて行くことが困るので、またたびたび仰せになつたようないわゆる出血受注まで応じなければならぬようなことが困るので、そういうことのないようにこの事業の健全なる発展をはかる、健全なる発展と言うと、また大きく伸びて行くようでいけませんが、まあ育つて行く過程について十分見守つて行きたい、かように考えておる次第でございます。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 長谷川君から産業構造の優が出まして、私も後ほどに日本の産業構造の問題について触れようと考えていたのでありまして、たとえば武器の生産という二次加工、三次加工の面にだけ問題を集約して、それの基礎となる鉄の生産、石炭、電気、その他技術の面あるいは航空機生産というような非常に近代化された総合工業の面における問題でありますが、飛行機を一つつくるのだからこれは数量的に問題ではないというようなものの考え方というものは、これはとんでもない間違いである。一つの飛行機をつくるための毒となるいろいろな産業というものが少くとも国際競争場裡において闘つて行く産業として確立するためには、そういうような産業構造の問題にまで触れて合理化されなければ対抗する力はないとわれわれは考えておるのでありますが、ただいまはその問題を残しまして、後ほどこれらの問題を検討いたしたいと存じます。  次に材料検査と製品検査の問題でありますが、材料の面においては、アメリカはアメリカの一つの規格でやつて来る。そしてそれが不良になつた場合は、もう国内においては利用価値がない、こういうようなことで相当問題が残つておるようであります。製品検査の面においても、最初のいろいろな約束とは違つて、あるときには非常にゆるやかであり、あるときには非常に強いというように、その基準が明確でない。これはいろいろな関係があるようでありますが、この検査について政府は合理化の面からどういうふうに考えておるのか、これをひとつ承りたい。

葦澤大義通商産業事務官(重工業局長)

○葦澤政府委員 お答え申し上げます。材料の品質並びに製品の性能についての検査につきまして御指摘の点でございますが、従来そういつた面において、向うの検査に合格をせずに不良品を出しておつたという事態もございますので、材料面並びに製品面において、何と申しましても技術の充実、設備の改善ということが必要でございますので、現在工業調査委員会の中に朝野の方に集まつていただきまして、それが改善、進歩につきまして案を練つていただいておるとともに、各製造工場におきましてもそういう点につきましては十分留意をいたしまして、そういう不良品の発生のないように注意いたしておる次第でございますが、こういう問題はすぐ明日からどうこうというわけに参りませんことは永井さんも御承知の通りでございまして、十分力を合せて努力をいたしまして、そういうことのないように進めたいと存じておる次第でございます。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 この検査及び材料規格の面において日本の規格でやつてもらうというような余地があるのかどうか。これは漸次向うさんの材料規格に生産を切りかえて行かなければならない次第でございますか、その辺をひとつ……。

葦澤大義通商産業事務官(重工業局長)

○葦澤政府委員 ただいまは駐留軍側の方から発注をされておりまするので、規格も向う側の規格によつておる次第でございますが、これもだんだんとこちらの規格で取入れていただけるものはこちらの規格を取入れてもらうということで向うとも話合いをしておりますが、今後の進展にまつ問題であるというふうに存じておる次第でございます。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 次に産業系列の問題でありますが、今産業系列は非常に混乱しておつて、そういうところにまた生産上のいろいろな不合理な面が出て来ておると思うのであります。大口径の百五十五ミリ、二十万を小松がこれをとつた、あるいは百五ミリ、四十五万を神戸製鋼がとつた。神戸製鋼の場合はこれはいいのでありますが、小松が百五十五ミリをとるというのは、これは産業系列の上からいつて無理ではないか。そういうような系列関係を明確にして行くということが基礎として必要ではないか、この点についての所見を伺いたい。

小笠原三九郎自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○小笠原国務大臣 ごもつともですが、実は今までのところは全然自由企業になつているものですから、これを正すというわけには参らないのでありますが、今後この法案が通りますれば、そんなぐあいにぜひ持つて参りたい、かように考えております。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 武器生産の設備改善においては、何としても工作機械の改善にまたなければならない。工作機械の現在の生産態勢、今後の武器生産というものをにらみ合して、その方面の用意は十分であるか、対応できるような情勢であるかどうか、これに対してどういうふうに考えておられるか、ひとつ今後の計画、現在の分析等をも明確にして、将来の対策というものを伺いたい。

葦澤大義通商産業事務官(重工業局長)

○葦澤政府委員 武器の製造上の基盤として工作機械がきわめて重要なる役割を持つておることは御指摘の通りでございますが、この工作機械のそういつた重要性にかんがみまして、昨年においてすでに二億円海外から優秀な工作機械を輸入いたしまして、それを見本として国内の製作を誘導するという意味におきまして、その輸入しました工作機械の半額につきまして補助金を交付いたしました。約六十台の新しい機械を輸入いたしまして、この整備をはかつておるわけでございますが、二十八年度におきましては、予算の中にも組入れまして御審議を願うことになつておるのでございますが、国内において試作をします工作機械につきまして補助金を出して参るという考え方で、約一億を計上いたしておるわけでございまして、航空機、兵器等の所要の工作機械を新しく国内で試作する場合の補助金でございます。こういつた手を打ちまして、工作機械の技術改善、高性能の工作機械の製作というものに政府としても意を用いておるわけであります。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 この法律が通りますと、火薬類関係業者もこの法律で取締らなければならない。ところが火薬類の関係業者は従来火薬類取締法をもつて取締られておる。そうすると火薬製造業者はこの法律と従来の法律との二重取締りを受けなければならないという事態が起るわけでありますが、これによるところの弊害をどういうふうに考え、これをどういうふうに統一する方針であるか、あるいは政令その他でこの点を明確にするつもりであるか、この点をひとつ……。

葦澤大義通商産業事務官(重工業局長)

○葦澤政府委員 便宜私からお答え申し上げますが、ごもつともなお尋ねでございまして、火薬類につきましては火薬類取締法の規制を受けるのでございますが、この法律はもつぱら災害の防止という点を目的にいたしておりますし、本法案は国民経済の運行に寄与するために事業活動を調整するという別な目的を持つておりますので、両法案ぱおのおの目的を異にいたしておるわけでございますから、両法案の規制を受けることはやむを得ない次第でございますが、ただしかるがゆえに手続その他におきまして、重複、煩雑になつては業界として迷惑な話であることは御指摘の通りでありまするので、同じ通産大臣のもとにおきまして、事務的には重工業局と軽工業局との所管になりまするので、そういつた手続上の重複を排除いたしまして、おのおのの法律に従つて大臣のもとに一本に運営をされるというように配意をしておるような次第でございます。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 外務大臣がお見えでありますから、外務大臣にお尋ねをいたしたいと存じますが、武器の生産等について、現在いろいろ問題になつておりますのは、行政協定に基くところの価格改訂條項及び契約再商議法、これが現在いろいろ問題になつておるわけであります。そこで外務大臣から行政協定におけるこれらの話合い、その他の内容について明確に承りたいと思います。たとえば契約をする。そうしてその契約で実行して、六十日の間、九十日の間それをやつたところで、さらにその契約と実際の状況とがどうかということを比べて非常に利益のある場合においてこれを切り下げる、非常に赤字が出る場合には、これにプラスしてやる。こういうようなのが価格改訂の條項の点でありますし、契約再商議法は、契約について、一定の利潤だけは認める。しかし一定利潤以上の利潤があつた場合は、それを取上げる、こういう條項であります。これは外務大臣が行政協定において明確に承認されておる点であろうと思うのでありますが、この点を承りたい。

岡崎勝男自由党外務大臣

○岡崎国務大臣 私が交渉しました行政協定では、そういう具体的な話は出なかつたし、協定の中には、そういうものはないはずであります。日本の法律を重んずるとか、日本の慣習を尊重するとか、そういうことから出て来たものと考えますが、詳細は協力局長がおりますからお答えいたさせます。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 現在武器の生産の契約において問題になつておりますのは、こちらの方は、日本の国内法の基準によつて、大体その常識でやつている。向うは日本の国内法は認めないで、アメリカの方の国内法を適用して一切やつて行くというところに、契約上大きな齟齬を来して、取引上いろいろな問題が起つておるわけであります。こういう問題について、現実にぶつかつておるのが価格改訂條項であり、契約再商議法である。さらにこの問題の契約の過程においていろいろな物議が起りました場合、訴訟を起すにいたしましても、日本の方は国内法でこれを訴訟に持ち出すことができないというような、非常に屈辱的な隷属的な状態になつておるのであります。外務大臣はこれらのことを御存じないということはないはずでありますし、行政協定の締結にあたりましては、これらの問題については、よくお考えであつたと思いますが、そういうようなことは、ひとつ原則としてやはり日本は向うの法律のために、国内においてかつてにふるまうことができぬようになつておるのかどうか。少くとも日本の国土内においては、これらの経済行為その他についても、日本は独立した立場を持つことができることになつておるのかどうか、これをひとつ伺いたい。

岡崎勝男自由党外務大臣

○岡崎国務大臣 行政協定は御承知の通りで、アメリカの駐留軍に関する條件を規定しておるのでありますが、お話の点はアメリカの駐留軍の必要とする物資の調達とともに、いわゆる特需の問題も含んだ御議論じやないかと思いますが、行政協定は、いわゆる特需という朝鮮関係に使ういろいろな品物の発注等に関しては直接何も関係ないのであります。アメリカ軍自体が駐留軍のための国内で必要とするものの調達には一応関係があるわけであります。原則的には、これは日本の法律を尊重するということになつております。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 現在武器等の製造についての契約は、日米行政協定第二十五條と第二條ですか、それに基いてずつと実行されているわけであります。その点をひとつ伺いたい。

岡崎勝男自由党外務大臣

○岡崎国務大臣 どうも御質問の点がよくわからないのですが、二條とか二十五條で武器等の製造の関係が規定されておるとは私思いません。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 特需の範囲かもしれませんが……。

岡崎勝男自由党外務大臣

○岡崎国務大臣 特需の方は全然行政協定とは違うのであります。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 じや私の調査が不十分であつたかもしれません。この点はまたあらためてお尋ねをいたしたいと存じます。  なお駐留軍の永久接収として工場が指定されておるわけでありますが、この永久接収は名のごとく永久に接収されるものか、時期が来ましたらこれを日本に還付するのか、その点を伺いたい。

岡崎勝男自由党外務大臣

○岡崎国務大臣 これはたしか無期限使用というような字が使つてあると思います。この字はまずいので直そうと思つておりますが、なかなかいい字がないのでそのままになつております。要するにこれは日米安全保障條約が有効であり、その條約に基いてアメリカが駐留する軍隊をここに置く。その期間の問題でありますから、普通のは一年とか一年半とか期限を切つてあります。片方は期限を切れないようなかつこうになつておる。しかし永久というのは間違いでありまして、駐留軍のおる間使う、こういう意味であります。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 現在日本が武器生産をして行く、あるいは武器の生産についての契約を運んで行くというような場合において、アメリカの方がこれらの無期限接収工場を中心としていろいろやつて行く、物資の調達をやる、あるいは技術の方面をやる、あるいは仕事をやつて行くというようなことで、日本の契約分と、それらの直属工場との間における、いろいろな支障が現在起つておるわけです。価格の点において、あるいは時期的な点において、いろいろな問題が起つておるわけであります。外務大臣にもそういういろいろな問題が持ち込まれておると思うのでありますが、現在日本は独立してもう一箇年以上経過しておる。しかも日本が自主的な経済活動をする場合に、国内にこういうアメリカの拠点があつて、この拠点において向うさんがかつて気ままにふるまう、それが日本の国内経済に大きな影響を与え、打撃を与える。こういう條件の中においては、これらの活動について、さらに外務大臣を通して接収緩和が必要であろうと考えるのでありますが、外務大臣はこれらの問題の現実がどういうふうにお耳に入つておるのか、または入つていないのか。入つておるとすれば、これにどう対処されるお考えであるのか、これを伺いたい。

岡崎勝男自由党外務大臣

○岡崎国務大臣 元来、行政協定に基いての施設等の提供は、国内に駐留する軍隊に、直接必要な工場等を提供しておるのであります。たとえば飛行機に故障が起つて修繕する、その修理工場は駐留軍の飛行場の付近になければならないし、またこれについてはいろいろ軍事上の機密事項もありますので、普通の民間の工場に出すことを困難とする事情がある。そういうような必要上、直接駐留軍がぜひ必要であるというものに限つて工場等を提供しておるのであります。別に朝鮮等に送る特需のものは、行政協定等では提供しておりません。これは別の問題であります。しかしその間にいろいろ困難な事情がある。たとえば価格の問題とか、資材の入手とか、あるいは労働賃金とか、もしそういう問題がありますれば、それはむろん調整しなければならないし、またいわゆる無期限使用というのは、話合いによつて一時使用になるし、また不必要な場合は無期限使用をとりやめてもいいわけで、これらは時々刻々行政協定に基く合同委員会で処理しておりまして、たとえば無期限使用となつておるものでも解除する場合もありますし、これを一時使用にかえる場合もあり得る、こういう点は決してきゆうくつなものではないので、事情が必要とすればいつでも話合いによつて変更できる建前なんですが、ただくどくお断りしておかなければならぬのは、特需と行政協定による施設とは関係がないのでありまして、特需の方は別にお考え願いたい。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 もう一つ外務大臣にお尋ねいたしたいのでありまするが、タイム・アンド・マテリアル方式による賃金、これが小松の相模工場などでは、日米合同委員会の決定によつて三十二セントというような低い賃金に決定されておる、川崎工場の場合は一時間四十二セントということでありますが、こういうような問題も、工場と工場との間における技術の内容、作業の内容でそれぞれの相違はありましようけれども、こういう関係は日米合同委員会の決定事項だということでありますが、これらについては合同委員会ではどういうようにおとりはからいになつておるか。

岡崎勝男自由党外務大臣

○岡崎国務大臣 ここに合同委員会の日本代表がおりますから……。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 合同委員会の下部機構として調達調整委員会、調停委員会の二つの委員会を持つておりまして、いろいろ問題が起きますれば、まずその委員会に持つて来られることになつております。その委員会で話合いをいたします。大体その委員会で今まではまとまつております。まとまらぬ場合には、合同委員会に上つて参ります。今までのところ調停委員会とか、あるいは調整委員会に取上げました問題は、大体において円満に話がついております。

山手滿男改進党

○山手委員 関連して……。さつきからの御説明に関連をして一言お尋ねしておきたいと思うのですが、行政協定に基いて駐留軍の施設がいろいろ整理をされつつあると承知しております。ことに日本政府側から要望された都心地区、目抜きの通りとか、主要な地域における施設は全然目立たないところに疎開をするなり、撤去して持つて行つてもらいたいという方針で交渉しておられて、ある程度それが実行されつつあることも承知をしておるのでありますが、しかし今回東京にいたしましても、この国会周辺でも、だだつ広い大きなキヤンプを高慢然と構えておつたり、いろいろしおります。ことに地方などに行きますと、これが政府によつてはあまり認識されておらないで、地方民に与える影響が非常に大きいのにかかわらず、そのまま放置されておる。たとえていえば中京地区でありまして、私も関係があるのでありますが、広小路に面する地域あたりに傲然とまだ半永久的な工事が進められておるというか、修理なんかしてがんばつておるという実情であります。中京地区におきましては、あの広小路地区あたりに面する地域をなおかつ相当長期にわたつて—相当ではない、ほとんど半永久的に占拠するということは、地方民に与える影響がきわめて重大なものでありますが、行政協定による合同委員会でどういうふうにこの問題を取上げておられるか、その経過を御説明願いたい。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 ただいまの問題は二つの点がございまして、一つは住宅の問題であります。一つは住宅以外の施設であります。住宅の中に二種類ありまして、いわゆる個人所有のもの、それから政府が終戦処理費で建てたもの、この二つがあるわけであります。個人所有のものにつきましては、二千四百戸ほどあつたのでありますが、多少の例外を除きまして、三月三十一日までに全部所有者に返還いたします。ただ政府が建てものについては、これは引続き使わせるというのが原則でありますが、ただこの周辺にございますパレス・ハイツなども非常に場所が悪い。名古屋の場合なども、町のまん中にあるのであります。これを動かすということは、これは経費の点をにらみ合せて考えなければならぬと思つております。ただいま五百六十億の安全保障諸費の内訳を検討いたしておりますが、こういうものが非常に余るというふうな事態が起りますれば、政府で建てた住宅も、場所が悪いものについては一部移動ということを考えたいと思つておりますが、これは経費が許すかどうか、まだ今のところもう少し詰めてみないと結論が出ないのであります。

山手滿男改進党

○山手委員 政府が建てたと申しましても、その土地が非常に価値のある土地である。しかも個人所有の土地である、そこでほとんど半強制的に政府が駐留軍のためということでいろいろな施設を、いわばかつてほうだいに終戦直後やつたような土地は、その周囲の土地の利用価値ともにらみ合せまして、たとえばその人がつくつて提供したとかなんとかいうものでなくても、現在その所有者に対する影響力というものは重大なものがあると思う。今話しました名古屋広小路地区におけるような事態というものは、早急に撤去をしなければ、たとい政府が施設をしたものがあつても、ことにあそこには個人所有のものがたくさんあるのでありますが、放置をされております。もう一度、この名古屋の中心地区におけるものについてどういう交渉をしておられるか、御説明を願いたい。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 名古屋につきましても、名古屋の方からあれを動かしてほしいという要望は聞いております。あれを動かすか動かさぬかということは、日米間の問題ではないのでございまして、米軍としましては、小牧地区とか守山地区の方に移りますので、むしろ近いところに建ててもらうことを希望しておると思うのでありますが、これはもつぱら日本の財政が許すか許さぬかという問題になるのでありまして、今安全保障諸費の使い道その他を検討いたしまして、これが財政的にできるかできないかということを政府部内で検討したいと思つております。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 外務大臣に最後に一つ希望をつけ加えましてお尋ねいたしたいと思うのでありますが、武器生産の契約にあたりまして、現在障害になつておるのはJPAに勤務していたような人が退官して、その人が日本に滞在し、事務所を持ち、その契約の中に入つて、そうしてブローカー的な役割をする。内部の情勢は非常に明るいし、こちらの方の何にもいろいろ働きかけて、そうして第一回契約、第二回契約、第三回契約まで契約をし直すというようなことをやる。どういう内部の話合いがあるのかしれませんが、とにかく幾らかの手数料は差上げるというようなことで、そういうような人が正式な契約関係の以外に介在して、非常な混乱をさせておるという事実があるわけでありますが、やはりこういう関係は国際的な問題であり、外務大臣などがそういう実情を見て、もつと経済行為はフェアにやれるような、そういう條件をつくるようにして行かなければならないと思う。占領政策の延長として、何かこちらが向うのそういう人に威圧される、あるいは期待を持つ、またことにこういう契約の当事者であつたというような関係が非常に過大評価されて、そうして問題を混乱させておるという事実に対しましては、外務大臣は特に外交折衝においてこれらの問題を明るくすることに努力をすることが日米外交の上においても重要なことだと思いますが、外務大臣のこれに対する所見と御意見を承りたいと存じます。

岡崎勝男自由党外務大臣

○岡崎国務大臣 私もそういうものはおもしろくないと考えておりますが、法律上別にそういうものがなければならぬということではないので、いなくてちつともさしつかえないのであります。むしろ今までの惰性から日本側業者などが利用したりするために置くことが奨励されておるようなかつこうになつております。そういうものがないようにすることについては御同感ですから、私も将来できるだけ努力いたします。

坪川信三自由党

○坪川委員長 ちよつと速記をやめて。     〔速記中止〕

坪川信三自由党

○坪川委員長 速記を始めて。  本日はこの程度といたし、明日は午後一時より開会いたします。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後零時二十六分散会

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