懲罰委員会 第3号
- 発言数
- 23 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/03/06
会議録
○南條委員長 これより会議を開きます。 前回の委員会におきまして、委員の資格に関して古屋君より議事の進行の発言があり、理事会において協議することになつておりましたが、この点について同君より発言を求められておりますので、この際これを許します。古屋君。
○古屋委員 私から前会委員の資格に対する質問を申し上げましたが、それに対する委員長の御答弁があり、その他本人の河野君の意思表示がございましたので、了解をいたしましたから、私の質問は、これで了解済みといたします。
○南條委員長 ただいまの古屋君の発言を了承することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○南條委員長 御異議がなければ、これを了承することに決しました。
○岡本委員 私は議事進行について動議を提出いたしたいと思います。本事案は、議員吉田茂君を懲罰に付せんとする事案でございまするが、問題になつておりまする言動は、吉田総理大臣が西村榮一君に対する総理大臣としての答弁の際に行われた言動でございます。総理大臣の言動が懲罰の対象にならないということは明らかでございます。従つてこの懲罰事犯は、管轄権を有せざるものとして却下すべきものと私は信ずるのでございますが、しかしながら、これは独断に陥つては相なりませんから、この点につきまして、広く学識経験者の意見を聞いて、しかる後に裁判管轄権の有無を決定し、事実の審理に入るならば入るべきものと信ずるのでございます。かるがゆえに、私はこの際、裁判管轄権の有無について、学界あるいはその他法曹界の公正なる有識者を参考人として招聘せられんことを求めるの動議を提出いたします。なおその人選及び員数につきまして委員長に一任いたします。
○木村(文)委員 ただいまの岡本君の発言に関連して、私はこの懲罰委員会の進行をするにあたりまして、今岡本委員からも動議を提出されました通り、きわめて慎重を要することでありまして、参考人の招請等の動議がございましたが、私はこれに関しまして、さらに事の重大であるということを考えまするので、きわめて詳細なる関係資料を収集する必要があるということを私は考えるのであります。従いまして、ただいたずらに吉田茂君が懲罰に値するとかしないとかいうことでここで論議を重ねることは、私はどうかと思います。従いまして、その資料を収集することが、今の参考人の招請とあわせて、きわめて重大だと思いまするので、私は、参考資料の収集のために本委員会が全力を傾注する必要がある、よつてこれに要する期間は、少くとも一週間から十日の間において収集し、その間私は本委員会を休会するというようにおとりはからい願うことを、動議として提出いたしたいと思います。
○中村(高)委員 先ほど岡本さんから議事進行につきまして意見のありましたことを拝承いたしましたが、(「意見じやない、動議だよ」と呼ぶ者あり)動議を提出せられたのでありまするが、管理権があるかないかということについて、学者の意見を聞くというのでありまするが、本会議におきまして懲罰問題が提起をされました以上は、この懲罰委員会に付する以外に、懲罰問題を審議する機関はないのであります。(「その通り」) この懲罰委員会に管轄権があるかないかと言いますけれども、懲罰委員会以外に懲罰の問題を審議する機関がないのでありまするから、これはもう、懲罰に付せられました以上は、当然この委員会で審議することは一点間違いがないと思います。ただ岡本委員の動議に説明をせられました、総理大臣として懲罰の動議に値するか、あるいは議員として懲罰の動議に値するかというようなことは、懲罰の事犯の内容に関しますることでありますから、これは委員会を進行しまするならば、進行の過程において、国務大臣として、総理大臣としては懲罰ができるかできないかというような内容は、むろん審議されますることについてはわれわれも異議はないのであります。しかし、管轄権があるかないかということについては、どうも岡本さんの発言は適当ではないと思いまするので、これはそういう意味でなくして、内容を審査するということで進行を願つて、そうして岡本さんの言われまするように、これは懲罰に値しないという論議に帰しまするならば、これはやむを得ないことであります。そういう意味におきまして、岡本さんの動議の説明につきましては、われわれは反対の見解を持つておるのであります。 それから木村さんの発言でありまするが、いろいろ資料を取寄せて審議をする必要上、十日間くらいの間を置く必要があるということでありまするが、資料の取寄せあるいは本人あるいは関係議員の呼び寄せというようなことは、法規の上において許されますることであるから、そういう審議の方法について、われわれは制限をしようなどという考えを持つているわけではないのであります。ただ十日間も取寄せにかかるなどということは、われわれにはとうてい理解ができませんから、そういう点については賛成することができないのであります。われわれは今度の問題につきまして、この懲罰委員会か——この前の委員会のときに私は出ておりませんでしたけれども、懲罰委員会が混乱をしたり、あるいは懲罰委員会が社会に、どうも無理をしておるのだ、どこかの党派が無理をしておるのだというような感じを与えるところが、もしありとしまするならば、懲罰委員会の、(発言する者あり)発言中です。——懲罰委員会の名誉のためにも、国会の名誉のためにもならぬから、懲罰委員会というものは準司法機関のような意味において、冷静にしかも公平に、だれが見てもこれは正しいという審議の方法をなすべきで、多数をもつて押し切るというようなことをしたり、無理に期限を延長をして行くというようなことで、懲罰委員会の公正を疑わしむるようなことがあつては断じてならない。公正な審議によりまして、なるほど吉田首相の懲罰はきわめて公明に行われたということ——議員吉田茂君の懲罰はきわめて公平に行われたということを社会に示す、こういう意味において、われわれは無理にひつぱつたり、あるいは無理なりくつをこねて、この委員会を混乱せしめないように希望をいたしまして、私の意見を終ります。
○岡本委員 中村委員から御意見がございましたが、私は管轄権の存否を決定することも、懲罰委員会の仕事だと思います。たとえば政府委員を懲罰すべしという動議を本会議で提出いたしまして、可決と相なつて参りましたといたしましても、これを懲罰委員会に付して参りましたときに、全然管轄権を有せざるにかかわらず、これを審議することはできません。そういう場合には、本委員会において受理すべからざるものとして決定して、却下すべきものと考える。すなわち管轄権の存否についても、懲罰委員会は権限を持つておると私は考えます。従つて、懲罰委員会において却下するという方法もあるわけでございますが、さらに事の慎重を期しますために、学界あるいは法曹界の有識者の意見を徴して、これを参考とした上で決定したい、かような提案であります。
○中曽根委員 まず、本委員会に権限があるかないかという問題でありますが、こういう問題を審議する委員会は本委員会以外にはありません。しかも、吉田茂氏は衆議院議員でありまして、衆議院議員としての発言であると認められて、本会議の多数によつてこの委員会に送られたのであります。本会議によつて否決されたなら別であります。国会の中の衆議院の多数によつて懲罰事犯ありと認定されて、この委員会に付託されたのでありますから、この委員会は当然権限がありと考えなければならぬと思います。 次に学識経験者の意見を聞かれるというお話でありますが、その前にわれわれがやらなければならないのは、事実の認定であります。懲罰委員会は準司法的機関として、公平にあらゆる資料を調査し、あるいは関係人の意見を聞く必要があります。そこで事実の認定を先にやらなければならないので、私は委員の資格において要求をいたします。資料として、あの当時の録音盤——たしかラジオ東京、NHK、あるいは文化放送等が録音しておりましたから、あの録音盤はあるはずであります。そしてそれは放送されました。そのラジオ東京、NHK等の録音盤をすみやかにごの委員会に持参させて、それをわれわれに聞かせるということ、第二番目には、本件を趣旨弁明いたしました清瀬一郎氏、並びに事件該当者となつておる議員吉田茂氏を本委員会にすみやかに喚問して、その事実の認定を行いたいと思います。録音盤の件と清瀬一郎氏、吉田茂氏をすみやかに本委員会に喚問されるように要求いたします。 もう一つ大事なことは、当時の速記録であります。当時の速記録もあわせて資料としてすみやかに提出していただくように要求いたします。
○有田(二)委員 私は、岡本君の動議また木村君の動議に賛成をするものであります。というのは、先刻中村高一君からお話がありましたが、議院運営委員会におきましては、総理大臣吉田茂君に対しまして、西村榮一君から訴状が議長に提出されておる。本会議において議員吉田茂君の懲罰が可決されまして、懲罰委員会にかかつておるから、総理大臣吉田茂君の訴状は却下してもらいたいということを、中村高一君と同じ党であるところの社会党右派の土井君にわれわれはお願いをしたのであります。ところが土井君は、内閣総理大臣吉田茂君の議長としての処分も当然あるべきものであつて、これは却下しない、かようなことで拒否をされたのであります。従つて同じ社会党右派の同志である中村高一君の今のお言葉をお聞きしますると、私は非常に矛盾があると思う。従つて私は、この際これを究明すためには、どうしても今の動議を採決して、これは内閣総理大臣吉田茂君としてやるべきものであるか、議員吉田茂君としてやるべきものであるかということをはつきり鮮明することが、懲罰委員会の権威のためにも絶対に必要である、私はかように考えるのであります。しかも今中曽根君からいろいろな資料の要求がありました。またわれわれとしても相当の資料を要求いたしたい。事非常に重大でありまして、議員吉田茂君でありますけれども、内閣総理大臣でもあるのでありまして、この懲罰の結果は非常に重大であります。従いまして、この際十日間という木村君の動議がありましたが、あわせて二つの動議を採決されんことを要求いたします。
○古屋委員 私は、岡本君の動議に対しまして、反対でございます。その理由は、本事犯は、国民が非常な関心をもつてこの事実の有無に対する決定を要望しております。のみならず、本件は日本ばかりでなく、世界のあらゆる方面においても重大な関係を持ちます事案でございますから、私どもは、おそらく自由党の諸君といえども、すみやかにこの事実の有無を明確にいたしまして、その次に、はたしてこれが懲罰に値するかしないか、そういう問題についてはいろいろ各界の意見も聞き、参考に学説を聞くのも、私は賛成するにやぶさかではありません。しかし、これは議員吉田茂君として本会議で決議され、議長からこれが審査の付託を受けているのでありますから、この管轄がどこにあるかという問題はおのずから明確であります。これは中村委員の申し上げましたように、その他の問題、なお西村さんの訴状の問題は、本件とは関係がございません。別個の事案でございます。これは内閣総理大臣ではございません。議員吉田茂君としての懲罰事犯であります。従いまして、西村氏が別に提訴いたしました問題は、別の事件として立件されているのでありまして、別個であります。私どもはこれを混同する議論には賛成をいたしません。しかしながら私どもは、木村さんから申出がありました、いろいろの資料を集めてこの事実を明確にしたいということにつきましては、賛成でございます。もちろん私どもは異議がございません。しかし、この事犯に対して十日も十五日も特に準備の期間を置くということは、本院の国民に対する責任、本会議に対する責任上から見ましても、私はさようなことには賛成できないのであります。ただいま中曽根委員から申出のありましたように、すみやかに本人の吉田茂君を呼んで、実際にそのような事実があつたかどうか明確にしたい。のみならず、当時の重要な証拠物件でありますところの予算委員会における記録を取寄せていただきたい。さらに録音盤を取寄せまして——録音盤を取寄せますと、当時の問題がはつきりいたしますので、私どもはどこまでもこの事実審理のために——自由党の諸君といえども、吉田茂君のかような問題をすみやかに解決することには反対でないと思います。少くとも吉田茂君がかような被疑事実にひつかかつて長く係属することは、自由党の諸君といえどもおそらく非常に懸念されまして、すみやかに解決されるというのが本旨であろうと思います。従いまして、私どもは、すみやかにこの事実有無に対する御審議を進めていただきたい。その意味において岡本さんの動議には反対であります。
○南條委員長 古屋君に伺いますが、あなたの後半の方の録音盤を取寄せる云々の要求は、先ほどの中曽根君の要求と同じことになりますが、それでよろしゆうございますか。
○古屋委員 よろしゆうございます。
○南條委員長 それでは重ねて一緒に……。
○高橋(禎)委員 申し上げるまでもなく、懲罰委員会は、国会における他の委員会とは若干性質を異にしておりまして、先ほどからも意見が出ましたように、いわゆる公平機関、裁判的な性質を有するものでありまして、私どもはどこまでも冷静に、厳正に、公平に、この委員会の職責を果さなければならないと思うのであります。そこで管轄権の問題が岡本さんから提起されましたが、懲罰に関する問題は懲罰委員会において取扱うということは、これはもう国会法の規定等から見ましても、いささかの争いもないところであります。また中曽根君が申しましたように、本会議においては、すでに議員吉田茂君の懲罰動議が提出されて、それが本委員会に管轄権ありとして付託されておるのでありまして、すなわち本会議の意見を尊重しなければならない委員会としては、これに管轄権なしとして玄関払いを食わすという問題では断じてないのであります。また内閣総理大臣云々という問題が出ましたが、内閣総理大臣は、これは憲法の規定から明らかでありますように、国会議員たることを前提としておるのであります。従つて、国会議員はどこまでも憲法の精神にのつとり、また国会法を守らなければならぬということについては、何の争いもないところであります。すなわち衆議院議員である吉田茂、衆議院議員にして内閣総理大臣を兼務しておるところの吉田茂君の国会内における言動が、懲罰に値いするものとして本会議から委員会に付託されました以上、この委員会においてなすべき仕事は、まずその事実を確定することが第一である。そうして、その確定された事実の上に法規を適用して、すなわち国会法の第百二十二条の第一号から第四号までの、そのいずれの項に該当するかということを決定するというのが、委員会の職責である。そして、これは当然法理上なし得るところのものなのであります。で、私はこういう意味におきまして、今国会が国民の注目を浴びておるとき、さらに大きく申しますと、現在の日本の国際情勢のもとにおいて、世界が日本の国会を注目しておりまする場合に、私どもはえりを正して、厳正な気持でもつてこの問題を解決するごとに努力邁進しなければならぬと思うのであります。その意味におきまして、私どもは、この事実の確定には、先ほど中曽根委員より申し出ましたあれだけの証拠を取調べれば、これはただちに明らかになると思うのであります。そして、その事実が明らかになりましたならば、それは私どもの法律的な意見をもつて、解釈によつて、先ほど申し上げました国会法百二十二条の第一号から第四号までのどれに該当するものであるかどうか。あるいは懲罰に付すべきものでないかどうか。それらの点をはつきりすればいい。まず事実の確定が第一である。そうして懲罰に付すべきやいなや、付すとすればいかなる懲罰をもつて臨むべきかということを決定するわけであります。私は中曽根委員の申し出た証拠をまず第一に取調べることが、最も当を得た処置であると考えるのであります。
○南條委員長 高橋君に伺いますが、要求ですか、動議ですか。
○高橋(禎)委員 要求です。
○南條委員長 それでは採決に入ります。 〔発言する者あり〕
○南條委員長 採決いたします。——委員長はあとでその問題につきまして、ちよつと意見を申し上げますが、大体皆さんの御意見のところはわかりました。 採決いたします。第一に、岡本君の先ほどの動議の採決をいたします。岡本君の動議に賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕 〔発言する者多し〕
○南條委員長 多数。 第二は、木村君の動議の、資料を提出することに対する期間を置くということの動議でありますが、この点に対する賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕 〔発言する者多し〕
○南條委員長 多数です。 それから、中曽根君の要求と高橋君の要求につきましては、要求として御提案がありますが、これは後刻理事会において協議いたしたいと思いますが、いかがでございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○南條委員長 では、さようにいたしたいと思います。 それから、先ほど管轄権の問題についていろいろ御発議がありますが、これは決して岡本君やその他の諸君も、この懲罰委員会が管轄権がないと言つておるのではないようであります。 〔発言する者多し〕
○南條委員長 静粛に願います。静粛に願います。——ただ、これは議員の吉田茂君の懲罰であるか、総理大臣の吉田茂君の懲罰であるかというところの問題になつておるので、その点について、もし国務大臣の場合においては、この懲罰委員会がこれを処罰することの権限があるかどうかということは、いろいろな先例あるいは学者の、経験者の意見を通じても異なつておるのであります。従つて、その問題について、その点についても今後研究したいというのが、岡本君のあの御意見のようでありますから、これはこの委員会におきまして十分審議することは当然だと思うので、野党諸君の言う発言とは決して矛盾はしていないと思います。さよう御了承願いたいと思います。 あとは理事会を開きたいと思いますから、理事の諸君だけ残つていただきたいと思います。 これで散会いたします。 午前十一時十九分散会