P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
15回国会衆議院1953/03/03

地方行政委員会 第21号

発言数
86
登壇者
14
会派数
4
開催日
1953/03/03

会議録

青柳一郎自由党

○青柳委員長 これより会議を開きます。  まず、去る二十六日本委員会に付託されました警察法案を議題といたします。政府よりその提案理由の説明を聴取いたします。犬養法務大臣。

犬養健自由党法務大臣

○犬養国務大臣 今回提出いたしました警察法案につきましてその提案の理由及びその要点を御説明いたします。  現在の警察制度は、占領下の初期におきまして警察民主化の方策として急激に改革が行われた結果生れたものでありまして、確かに従前の警察に見られなかつた民主的な美点を有してはおりますが、他面において現下のわが国の実情に適合しない部分のあるのはいなめない事実であります。すなわち現在の制度は国家地方警察と自治体警察の二本建となつており、その組織はおのおの管轄区域を異にしておりますが、前者は国家的性格に過ぎて自治的要素を欠除し、後者は完全自治に過ぎて国家的性格を欠除し、両者それぞれ長短を兼ね有しているのであります。ゆえに忌憚なく申せば、この制度自身が警察本来の性格と運営にとつて、必ずしも適合せざるものを内蔵している次第であります。かつ、これまでも自治体警察においても国家地方警察においても、相互間の連絡調整のためにはおのおのよく努めて参つたのではありますが、何と申してもその管轄区域の相違より生ずる盲点の存在は、世人のすでに指摘するところでありました。かつ中小自治体警察はその単位が小さきに失し、ために効率的運営に欠くるところのあつたこともこれまた認めざるを得なかつたのであります。さらに、国の治安の責任の所在につきましては、現制度下においてはきわめて不明確でありまして、この点に関する限り、現下の警察組織はかの民主主義の所産であります責任内閣制度の精神から見て徹底せざるものがあるのであります。それゆえ、これらの点につきましては、現行制度実施後、過去五箇年有余の間にも、数度にわたつて警察法の一部改正が行われたのでありますが、その後におけるわが国の治安情勢は、これらの弱点を内蔵する警察制度の根本的改正が要請せられるに至つているのでありまして、政府におきましては、過般来慎重に検討を重ねました結果、民主警察の美点を保持しつつ、上述の不備を是正し、もつて治安の確保と行政責任の明確化をはかるため、ここにこの法律案を提出し、御審議を願う次第であります。  この法律案のおもな点を申し上げますと、次の通りであります。すなわち、  第一には、警察による治安確保についての政府の責任を明らかにするため、国務大臣をもつて充つるところの警察長官を置きましたが、この長官の権限がともすれば過大に陥らぬよう、その所掌する職務はこれを法律に明記して制限を加えたのみならず、長官の責務はあくまで不偏不党、かつ公平中正を旨とすべきことを規定して、かりにも政治警察の弊害の生ぜざるよう、厳格なる保障の措置を講じたのであります。かつ他方において、現在の国家公安委員会にかわるところの国家公安監理会は警察が時の政治勢力に左右せられることのなきよう、常時監視助言の機関としてその職責を果すごととなつております。  第二には、先ほど申し述べました自治体警察、国家地方警察二本建の弊を除去し、両者それぞれの組織に内包する欠陥を是正せんがために、国家地方警察、自治体警察はともにこれを廃止して、新たに都道府県単位の都道府県警察を設け、これによつて従来に比して一層効率的な民主警察の運営をはかることといたしました。なお、この場合、人口七十万以上の大都市てについては、それが実質上府県と同様の規模を有しております点にかんがみまして、もしもこれらの市が希望いたします場合には、都道府県警察と同一の性格を有する市警察を置き得る道を開いたのであります。  第三に、都道府県警察てについは、その民主的な運営を保障するため、その管理を都道府県会安委員会にゆだねましたが、一方公安委員は常時警察長の考課をしるしてこれを中央に具申し、かつ警察長並びに警察官に対して罷免懲戒の勧告権を有することとなつたのであります。かつこの公安委員会の構成には変更を加えて、地方自治の機関との連繋を一層緊密にしましたが、警察署等の設置、その他、都道府県警察に関する地方的事項はあげてこれを都道府県条例にゆだねるものといたしました。しこうしてその職員の大多数は地方公務員として警察に要する経費は国家的な警察事務を除いてすべて都道府県の負担とする等、あとう限り自治体警察の特長と美点とを具備せしめることといたしました。この精神よりいたしまして個々の犯罪捜査の指揮のごどきは、中央の警察庁はこれを都道府県警察の職務に一切をゆだねるべきものでありまして、政府は今般この点につき特にその意の存するところを明らかに示したのであります。  以上の諸点が改正案の骨子でありますが、この制度が実施される結果となりますれば、警察官の数において約一割三分程度を減少し、しかも機構の単一化によつて従前に比してはるかに効率を上ぐべきことは論をまちません。なおこの改正が実施されます場合には、国家地方警察、自治体警察ともにその職員の身分に変更を生ずる結果となりますが、この場合にもつとめて新しい警察機構への受入れを円滑にし、俸給その他の給与、恩給等についても特に従来の自治体警察の職員であつた者の既得の立場を尊重し、少しでも不利益な結果を招来せぬよう、万全の配慮を払う所存であります。しこうして従来の国家地方警察、市町村の自治体警察がその用に供しておりました財産物品等につきましても、このたびの切りかえに伴なう円滑な処理が行われて、新しい都道府県警察の仕事に支障を来すことのないよう十分の措置を講ずる考えであります。  しこうして本法案は、幸いに成立いたしましたあかつきは、十月一日を目途として施行の日を政令で定めたいと存じますが、上述のごとく、円満なる引継ぎの万全を期したるため、二十八年度中は都道府県警察に要する経費は従前通りの負担区分に従つて、すなわち従前の国家地方警察の組織に属するものについては国が、市町村警察の組織に属するものについては従前通り支弁することとし、二十八年度中はこの法律施行によつて、国、都道府県、市町村間に負担の変更を来さないことといたしたのであります。  以上が、本法律案提出の理由及びその内容の概要を申上げた次第であります。何とぞ御審議あらんことをお願いいたします。

青柳一郎自由党

○青柳委員長 引続き政府委員より補足説明を聴取いたします。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 委員長は補足説明を政府委員としての齋藤国警長官にさせることになると私は思いますが、このことについて私、申し上げておきたいと思いますことは、齋藤国警長官は、警察法によりますると国家公安委員会の一つの事務を処理する機関であります。むろんその任命は国家公安委員会に命ぜられております。国家公安委員会の機構の中に入つておりまする齋藤長官の身分というものが、政府委員の一人であるということは組織の上において言えるかもしれませんが、国家公安委員会としての責任がこれに持てるかどうかということであります。この点を一応確かめておきませんと、齋藤長官の身分の関係から、ただちにこれを政府委員の意見として聞いておりまして、そして国家公安委員会の意見がこれと違つておつたということになりますると、問題を起す危険性を持つておりますから、一応その点をはつきりさせておきたいと思います。

青柳一郎自由党

○青柳委員長 齋藤長官にですか、あるいは犬養法務大臣に対する御質問でありますか。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 これは身分の関係です。

齋藤昇国家地方警察本部長官

○齋藤(昇)政府委員 私は政府委員といたしまして、この警察法の改正につきまして補足的な御説明等をいたすことにつきましては、国家公安委員会といたしましては十分了解をいたしているのでございます。その点を明らかにしておきます。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 私は国家公安委員会と齋藤長官との間に十分の意見の交換があり、さらに了承を得ているという御答弁でございまするが、もしそうでありまするなら、当然国家公安委員会から、やはりこういう説明の内容等につきましても、われわれの委員会に対しても一応何らかの意思表示があつていいのではないかと思います。単に齋藤君の話で了解があるというだけでは、私ども問題を処理するわけには参りません。と申し上げますのは、国家公安委員会の施設といいまするか、制度が今度の警察法の中に性格がかわつて来ております。そこで公安委員会が、これに同意を与えているかどうかというこの点は、非常に重要な問題でありまして、もし齋藤国警長官が今の警察法の中にありまする通り国家公安委員会の機構の中の一人であることには間違いはございませんが、その意見は公安委員会の意思と食い違つておつて、ここに説明されるということになると、私ども多少疑義が残るのであります。だから委員長においてもしこれを説明させるとするならば、私ども国家公安委員会の委員長あるいは委員なりを呼んでいただきまして、そうしてその間の事情を私ども十分聴取した上で、齋藤君の意見を聞くことも必要じやないかと、こういうように考えておりますので、委員長においてはその点についてどう判断をされているか伺いたい。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 その点に関連して……。今門司委員からお話がございましたが、齋藤国警長官がこの重要な警察法案について、いわゆる政府委員としてここで説明するということについて、その資格等について非常なる疑義を抱くものです。この点につきましては昨日流会になりました会議の場合におきましても、齋藤国警長官がはたして政府委員としてここで答弁できる、説明できる資格があるかどうかということでございます。ただいま門司委員からお話がございましたように、国家公安委員会は今回の政府の警察法案については反対している、こういうことに私たちは承知しているのであります。しからば国家公安委員会において齋藤国警長官は明らかに任命されているのでありまして、国家公安委員会から任命された齋藤国警長官は、国家公安委員会の方針に従つて行動しなければならない。そのときにその意図とまつたく相反している政府提案の警察法案について、いわゆる立場をかえてここでやるということは、齋藤個人がここでやるのか、それとも国家公安委員会において明らかに、この政府提案の警察法案について、本委員会に提案することを了承されてやつているのかどうかにつきまして、私は流会になりましたが、昨日もすでにお話してあつたのでございまして、その点は門司委員同様、本日ここで齋藤国警長官が国家公安委員会の意に反して、政府委員としてこの警察法案の細部について補足説明するということは、その資格について、国家公安委員会との関係において、私は重大なる疑義を持つものでございます。従つて私もただいま門司委員からお話がございましたように、当然国家公安委員会の責任者をここに呼んでいただいて、その上で明らかにされなければ、齋藤国警長官の政府委員としての警察法案に対する補足説明はできないという考えておるのでございます。この点について明確にしていただいて、爾後疑義のないように運営をしていただきたい。そうでなければ、今後警察法案について総括的な質問に対する答弁、あるいは細部についての質問に対する答弁等において、一体齋藤国警長官はどういう資格であるのか。齋藤個人でやるならば、私たちはあえてここに来て答弁してもらう必要はないというのであります。従つて私たちはこの点を明らかにしていただかなければ、齋藤国警長官の政府委員としての補足説明について聞くわけに行かぬ、こういうふうに思うのでございます。

齋藤昇国家地方警察本部長官

○齋藤(昇)政府委員 私は政府委員として御説明し、御答弁申し上げるのであります。国家公安委員会との関係は、御承知のように法案の提案につきましては、国家公安委員会といたしましては、さような権限は持つておりません。しからば事務部局におりまするわれわれは、そういう説明をしたり、あるいは政府のきめられた方針について立案したりすることが不当であるかということは、前にもここで御議論があつたと考えるのであります。しかしながら今著たびたび、そういつた場合に政府の立案について政府の立案について政府委員として答弁をすることは、国家公安委員会でも十分了承をいたしておるのでありまして、ことに御承知のように、先般の警察法の改正の場合におきましては、政府の提案の立案説明等も、われわれ政府委員として申し上げておつたのであります。これはすでに慣例として認められておることだと私は思つておるのであります。

平岡忠次郎日本社会党(右)

○平岡委員 議事進行。非常に重大でございますので、われわれはその前提がはつきりしなければこの会議に入ることはできない。そこで委員長は休憩を宣告していただきたい。それで各党の理事によりまして、討議するなりしかるべき処置をとつてほしいと思います。

青柳一郎自由党

○青柳委員長 それでは休憩いたします。     午後二時三分休憩     —————————————     午後二時十九分開議

青柳一郎自由党

○青柳委員長 再開いたします。  警察法案に対する政府委員の補足説明につきましては、あとにまわすことにいたします。  次に地方税法の一部を改正する法律案、地方財政法の一部を改正する法律案及び地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案の三案を一括して議題といたします。地方税法の一部を改正する法律案につきましては、すでに提案理由の説明を聴取いたしましたので、これより他の一案について、それぞれ政府より提案理由の説明を聴取いたします。本多国務大臣。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○本多国務大臣 ただいま提出いたしました地方財政法の一部を改正する法律案の提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。  終戦後インフレーションの抑制と経済の安定に寄与いたしますため、地方財政の面においても極度に健全財政の方針を貫き、地方公共団体が地方債をもつて財源とすることができる場合を強く制限して参つたのであります。しかしながら、近来ようやく経済も安定の段階に入つて参りましたし、他面規模の小さい団体の多い地方財政の面においては、公用施設といえども臨時に多額を要する経費を一般財源でまかなうことを一律に強制することは困難でありますので、一面には地方債をもつて財源とすることができる場合を拡張し、他面には地方債の分量を増加するとともに公募債によつても、相当の資金を集めることができるようにする必要があるのであります。これがこの法律案を提出する理由であります。  以下内容の概要を御説明申し上げます。改正の第一は、地方公共団体は、公用施設の建設事業費の財源とする場合においても、地方債を起すことができるものとすることであります。地方財政法が制定せられました昭和二十三年のころは、なお悪性インフレーションの進行しているさ中でありまして、その経済情勢を背景として、健全財政を確保いたして参りますためには、住民一般の使用する公共施設の建設については、地方債をもつてその財源とすることを認めても、行政全体の直接の用に供する公用施設は、地方債をもつてその建設費に充てることは認めないのも、やむを得ないとされたのでありますしかしながら、これらの規定が実施されて四年有余を経た今日、経済情勢も大いに異なつて参りましたので、臨時に多額を要する経費について、年度間の調整をはかろうとする地方債の本来の機能を発揮せしめて、公共施設のみでなく、公用施設の建設についても、地方債をもつてその財源とすることを認めるのが適当ではないかと考えられるに至つたのであります。  改正の第二は、公募債を中心として地方債に関する規定を整備しようとするものであります。地方債は従来ほとんどその全部を政府資金によつてまかなわれ、民間資金を募集するいわゆる公募は、ほとんど行われなかつたのでありましたが、明二十八年度においては、地方財政計画上百八十億円の公募資金を予定しているのであります。これらの地方債を育成し、その信用を高めるためには規定を整える必要があるのであります。  その一は、公共施設または公用施設を建設するために起した地方債の償還年限は、当該施設の耐用年数を越えないようにしなければならないものとすることであります。償還年限を耐用年数以上に延長いたしますと、当該地方債によつて建設した施設が老朽し、再建のため再び資金を借り入れなければならない際、まだ旧債が償還されていないということになつて、いたずらに債務が加重して参るのであります。その結果は財政を健全な基盤の上で運営することができなくなつて、地方債償還についての信用をも損するに至るおそれがあるからであります。  その二は、証券発行の方法による地方債の発行及び償還について、技術的な事項を政令で規定するものとするほか、この種の地方債について割引発行及び抽籤償還をすることができる旨の規定を設けることであります。  その三は、証券発行による地方債について商法の社債に関する規定の一部を準用することであります。証券による地方債について、公衆の保護をはかる必要がありますため、募集の委託を受けた、いわゆる受託会社の権限及び義務について、商法の規定の一部を準用し、一面には地方債権者のために、地方債の償還を受けるに必要な一切の裁判上または裁判外の行為をなす権限を保障することにより、受託会社が、地方債権者にかわつて適切な行為を行うことができるものとし、他面には受託会社が地方債の償還を受けた場合は、遅滞なくその旨を公告するものとするほか、受託会社が二以上あるときは、地方債権者に対し連帯して償還額の支払いをなす義務を負うものとしたのであります。  その四は、資金調達を容易ならしめるために、地方公共団体が一部事務組合を設けて起す地方債については、当該組合と当該組合を組織する地方公共団体とが連帯してその償還及び利息の支払いをなす責に任ずるものとすることであります。  その他に、個人に対する、市町村民税の所得割について、標準税率とみなすべき場合の税率の算定方法を規定し、地方公営企業法の施行により、不必要となつた規定を削除する等必要な規定の整備を行つております。  以上、地方財政法の一部を改正する法律案の概要を御説明いたしたのでありますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに可決されんことをお願いいたす次第であります。  次に、ただいま提出いたしました地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案の提案の理由及び内容の概要について、御説明申し上げます。  各地方団体に対して、交付すべき地方財政平衡交付金の額の算定に用います単位費用につきましては、給与改訂に要する経費や市町村教育委員会設置に要する経費の年間所要額等を算入することとするため、これを増額する必要が生じているのであります。  これに加えまして、義務教育に従事する教職員の給与費等九百二十億円を地方財政平衡交付金から分離して、国から地方公共団体に別途交付することといたしますため、地方財政平衡交付金法に所要の改正を行う必要がありますとともに、地方税法の改正案との関連におきまして、個人に対する市町村民税の所得割にかかる基準財政収入額の算定方法に関する規定を整備する必要があるのであります。  これが、この法律案を提出する理由であります。  以下改正しようとする内容の概要について申し上げます。その第一は、義務教育に従事する教職員の給与関係経費を、国庫において負担しようとすることに伴うものであります。新制度が実施になれば、この種の経費財源は、地方財政平衡交付金制度をもつて保障する必要がなくなりますので、道府県分の基準財政需要額から小学校費及び中学校費の項目を削除するほか、その他教育費に含まれている盲聾唖学校費のうち義務制の児童生徒にかかる教職員の給与関係経費を削減する方針のもとに当該単位費用を改訂することといたしました。  改正の第二は、児童保護措置費及び義務教育教材費に対し、それぞれ国庫負担金制度が復活ないし新設されることになりましたので、これらにかかる基準財政需要額から国庫負担金相当額を減額することに伴う単位費用の改訂であります。  すなわち、道府県及び市町村の社会福祉費にかかる基準財政需要額から児童の保護措置に要する経費の八割を減額し、市町村の小学校費及び中学校費のうち学級数及び児童または生徒数を測定単位とするものから、国が負担する教材費相当額を減額する方針のもとにそれぞれ当該単位費用を改訂することといたしました。  改正の第三は、測定単位を改正しようとすることであります。その一は、港湾費にかかるものであります。現在港湾における船舶の出入ーン数を測定単位としておりますが、トン数が毎年度かなり大幅に変化いたして参りました上、その変化が港湾費として地方団体が出費いたします港湾管理費や港湾施設費と、必ずしも直接の関係がある止も考えられないのであります。もちろん港湾の態様というものは、千差万別でありましてそれぞれの財政需要を機械的に、しかも的確に測定するということは、技術的に困難なものでありますが、種々検討の結果、港湾における船舶の出入トン数よりも、港湾における繋船岸の延長と港湾における防波堤の延長とを併用いたしました方が、合理的であると考えられましたので、これをもつて測定単位としようとするのであります。  この改正の結果は、個々の港湾について財政需要額に若干の異動は免れないのでありますが、総額においては従前の額を維持することになつております。  その二は、社会福祉費にかかるものであります。社会福祉費の測定単位につきましては、人口のほか、当分の間、児童福祉施設入所者数と被生活保護者数を用い、それぞれ児童保護措置費及び生活保護費を測定することといたしておつたのであります。  しかしながら、経費をあまり細分して測定いたしますことは、一般財源としての地方財政平衡交付金について、とかくひもつき財源のごとき感じを与えるおそれがあります上、明年度からは、児童保護措置費が生活保護費と同様、八割国庫負担となる関係もありますので、この特例は廃止することといたしたのであります。  その三は、公債費にかかるものであります。公債費といいますど、土木、衛生その他各種の行政費に充てた地方債の元利償還額を全部ここで測定するかの誤解を与えますので、この本来の趣旨にかんがみその名を災害復旧費に改めるほか、測定単位は、現在災害復旧事業費及び防空関係事業費の財源に充てた地方債の元利償還金となつておりますのを、災害復旧事業費の財源に充てた地方債の元利償還金のみに改めたいのであります。  防空関係事業費は直接には、災害復旧費に該当いたしませんのと、インフレの影響を受け、現在ではきわめて少額なものとなつているからであります。  改正の第四は、単位費用の改訂であります。第一に、昨年十一月から行われました給与改訂の結果、標準的な団体または、施設に配置されるものとされた職員の給与に要する経費は増加いたしますので、これらの団体または施設において、当該行政項目について必要な経費を測定単位の数値で除して定められる単位費用は、それぞれ増加するわけであります。従いまして橋梁費、戦災復興費及び公債費の単位費用については、その算定にあたり、職員の配置を予想しておりませんため、給与改訂による増額はないのであります。  第二に、恩給負担金は従来、各行政項目に配置された職員に伴つて、各経費ことの単位費用中に算入いたしておりましたが、地方団体ではこの種の経費は一括して経理していますので、警察費、消防費及び教育費を除き、その他の経費の単位費用中に算入されておりましたものは、一括して「その他の行政費」のうちの「その他の諸費」の単位費用中に算入することとしたのであります。  第三に、各種法令の制定、改廃その他国の施策に伴い、すでに申し上げましたもののほか、単位費用の内容について若干の改訂を行つております。すなわち石油関係資材統制の撤廃によるこの種経費の「産業経済費」からの減額、市町村教育委員会に要する経費の平年度所要額算入のための「その他教育費の増額、学校建築単価の引上げ等による教育費等の増額などであります。  改正の第五は、新たに、個人に対する市町村民税の所得割にかかる基準財政収入額の算定方法に関する規定を設けようとすることであります。基準財政収入額は前にも申し述べました通り、法定普通税について標準税率の七〇%、すなわち基準税率で算定した収入見込額であります。しこうして、個人に対する市町村民税の所得割については、現在、地方税法上、課税方式の選択が許されておりますが、基準財政収入額の算定においては、所得税額を、課税標準とし、その標準税率百分の十八を用いておつたのであります。しかしながら、今回予定しております、地方税法の改正法案によりますと、この種の標準税率が削除されますので、地方財政平衡交付金法中に、基準財政収入額算定の際用いる課税標準を所得税額とし、その税率を百分の十八とすることを規定することといたしたのであります。  以上内容の概要について御説明申し上げました。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決されんことをお願いいたします。

青柳一郎自由党

○青柳委員長 それでは地方税法の一部を改正する法律案、地方財政法の一部を改正する法律案及び地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案の三案に対する質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。横路君。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 私は本多国務大臣にこの三案に対する質問を行う前に、重大なる懸案事項についてお尋ねをいたしたいと思うのであります。  昨年の十二月十六日の本院の予算委員会におきまして、昭和二十七年度の補正予算の採決にあたりまして、政府与党たる自由党の諸君が、この補正予算の原案に対しまして、御承知のようにすみやかに公務員の給与改善をすべきであるという決議がございまして、大蔵大臣から善処いたしたいという答弁があり、その補正予算の原案が参議院にまわりまして、御承知のように十二月二十四日参議院の予算委員会におきましては、公務員の待遇に関して、当時問題になつた〇・二五の問題に関しましては、それぞれ条項をあげまして、教職員を含むところの国家公務員についても〇・二五、公共企業体関係法の適用を受ける者についても〇・二五、さらにわれわれと最も密接な関係のある地方公務員に関しても、教職員を含んで〇、二五をすみやかに措置をするように、共産党を除いて各党一致で可決になり、さらに参議院の本会議においても可決になり、十二月二十四日御承知のようにこの地方行政委員会において、この点について委員長から本多国務大臣に対して善処方の要望があつて、本多国務大臣からこれに対して、善処すべき旨のお話があつたのであります。しかしその後、十二月末におきましても、一月になりましても、政府は何らこれに対して措置をいたしませんので、御承知のように、二月の十二日に本院の本会議におきまして、各党の共同提案によりますところの地方公務員等の昭和二十七年末給与改善に必要な財政措置に関する決議案を満場一致可決いたし、この点に関しましては御承知のように本多国務大臣から、「ただいま御決議に対し、所信を申し述べたいと存じます。昨年末、国家公務員の例に準じて地方団体の行つた給与改善に対する財政措置に対しては、本院の御決議の趣旨に従つて、地方財政状況の推移とにらみ合せ、十分検討の上、すみやかに善処いたしたいと存じます。」という御答弁があつたのでございます。その後政府側はこれに対する財政措置をいまだにしていないのでございます。さらに地方行政委員会におきましても、本会議における満場一致の決議に対する本多国務大臣の答弁に関して、再度私たち御質問いたしましたところ、本会議の答弁同様に、いわゆる地方財政の推移とにらみ合せて検討すると言われた。ところがいまだにこれに対して何ら措置をはかられてないというように私たちは承知いたしておるのでございます。従つて地方行政委員会といたしましては、昨年の暮れ十二月二十四日、青柳地方行政委員長からの本多国務大臣に対する質問、これに対する本多国務大臣の答弁をもつて、自治庁はそれぞれ都道府県に、青柳地方行政委員長からのこれこれの質問に対して、本多国務大臣からかよう答弁があつた旨を通達して、それぞれ措置をいたした府県並びにこの措置をいたさない府県がございますが、これは当然政府の責任においてしなければならぬ。ところが、一体きようは三月の何日だと思いますか。三日です。きようも、ただいま昭和二十八年度のいわゆる地方財政一般について三案が提案になつておりますが、たいへん失礼なものの言い方ですけれども、政府のこういうように誠意のないというよりは無責任きわまるやり方では、私ども今後三法案を審議する上に重大な支障を来すと思う。この点につきましては、本多国務大臣もずいぶんつらい中をいろいろ地方財政のために、〇・二五のためにやつておられるとは思うのでございますが、効果が上らないということになると、私は政府自体の誠意を疑わざるを得ないのです。都道府県知事会においては五十億とも言つておるのでございますが、昭和二十六年度のいわゆる赤字債、都道府県四十億、市町村四十億、合計八十億の赤字債がいまだに解決を見ない今日、さらに〇・二五の問題が解決しないということになるならば、私たちはこの政府提案の三案に対しても、この〇・二五の問題が解決しない限りにおいては、われわれは審議しない、こういう態度をもつて臨まざるを得ないのです。従つて私は、ただいま本多国務大臣からこの点に関する御答弁をいただき、さらに私は委員長にお願いを了いたしたいのですが、大臣の答弁で、何月何日このようにきまつて、こういうようにしてあるということであるならばさしつかえございませんが、なお交渉中であるとかいうことであるならば、本多国務大臣の御答弁いかんによつては、本委員会にただちに大蔵大臣の御出席をいただいて、この点について明確にしない限りは、いかなる法案についても審議できないと思う。これはすでに三月たつているわけです。従つてこの点については本多国務大臣から政治的な答弁でなしに、大蔵大臣との折衝過程においては、もうこういう段階に来て出ないなら出ない、出るなら出るということを明確にしてもらいたい。出ないということになるならば、そういうふうに昨年委員長から大臣に対する質問で都道府県知事に通牒もいたし、本会議に提案して可決された決議に対する大臣の答弁もござい事ので、われわれ委員会としては重大なる決意をもつて臨まなければならぬと思うのです。この点ひとつ本多国務大臣から、ただ単に政治的な答弁でなしに、はつきりしたところをお聞かせいただきたい、こういうように考える次第であります。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○本多国務大臣 御指摘になりました財政措置、すなわち昨年の年末いたしました国の地方に対する財政措置につきましては、地方財政の推移とにらみ合せて善処するという方針で参りましたことはお話の通りでございます。しかるにすでに年度末も切迫しておりまするし、地方の財政状況の推移の把握も大体においてできたわけであります。従つてこの財政措置を急速に講じなければならぬということもお話の通りであると考えております。政府といたしましてはこの財政措置、すなわち年末に措置いたしましたことによる地方財源不足の補填は、起債許可の方法によつてこれを充当いたしたいと考えておるのでございますが、自治庁といたしましてもそれぞれ地方財政状況から見た不足額を算定いたしまして折衝いたしておるのでございます。しかるに大蔵当局におきましては、資金運用計画の面からいまだ決定に至つておりません。しかし事情が事情でございますから、この際急速に政府としてもこれを決定するものと信じておりますので、いましばらく御猶予願いたいと思います。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 これが一月であるとかあるいは二月の半ばぐらいまでならば今のお話も私はわかる。この点については十二月二十四日のこの委員会において本多国務大臣は政府を代表して、地方財政の推移とにらみ合せて考慮すると答弁された。さらに二月の十二日の本会議においても同様決定をしておるのに、いまだにその折衝中であるということについては、私は政府の誠意を疑わざるを得ない。折衝中であるならば、今の状態から行くならばおそらく三月一ばいかかつても折衝中、四月一ばいかかつても折衝中だということが言えるのです。従つて私は大蔵大臣にここに御出席をいただいてこの点をはつきりしない限りは、ここで誠意のある明確な答弁をいただかない限りは、もう折衝中であるとか、考慮しているとか、地方債の起債の額によつていろいろ考えておるのであるとか、そういうことではとうてい納得できない段階である。何十億にきめたという点については一々指令をした、各都道府県について何々県へは何億、何々県については何千何百万円の起債について許可したというようなことははつきりしておるはずだ。この点については何回も資料を要求しておるのに、いまだに自治庁から出ない。そういうことではこの三法案に対して私たちは審議できない。そういう不誠意きわまる政府の態度では地方財政に対する検討はできない。これは本多国務大臣に対して酷な言い方ですけれども、どうしても政府自身が大蔵大臣の責任においてやらなければならぬ。従つて私は、これ以上本多さんに聞いたところで同じことを何べんも繰返すだけであるから、ぜひ大蔵大臣の出席を得て再度質問をいたし、さらに本委員会にかかつている三案についても継続して質問したいと思う。一体政府はこういう大事な法案を、この地方行政委員会に諮つて通す腹があるのかどうか、この点は委員長からもぜひ明確にしていただきたいが、重ねて本多国務大臣に申し上げたいのは、こういう答弁では私たちは了解できない。だから、大蔵大臣の出席を得なければできないということであるならば、ひとまず委員会を休憩して、大蔵大臣が出席してからこの問題を明確にして、その上でやるのならやる、やらないのならやらないというふうに答えてもらいたい。さらに各都道府県に出て来たところの赤字に対する配当の問題についても、一箇月以上もかかつておるのに、いまだに本委員会に何らの資料が出ていない。怠慢と言つては少し失礼かもしれぬが、このやり方はあまりにもひどいと思うのです。従つて私は今の二点、すなわちなぜ一体資料を出さないかという点と、それから今折衝中であるというのであれば大蔵大臣に聞く以外にないから、大蔵大臣の出席を求めてこれを明らかにするまで、この委員会は休憩されるように、委員長においておとりはからいを願いたい。

青柳一郎自由党

○青柳委員長 大蔵当局に対して今出席を窓輝中であります。本会議が開かれていて、今出席いたしかねるという  ことであつたので、重ねて出席を要求しております。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 それでは鈴木次長にお尋ねしたい。あなたは本委員会の一つの決定として青柳委員長から資料の提出を求められておるはずですが、一体どうして出さないのですか。一箇月以上にわたつておるのに一体どうしたことですか。この点についてひとつ次長から答弁してもらいたい。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 重ねて御要求のございました各府県市町村等の二十七年度決算の見込みについての資料でありますが、これは市町村についてはことに数が多くございますので、従来の例によりましても年度内に相当確実な基礎のものをとりまとめることは困難な事情でございますが、府県のものにつきましては数が少いので、何らかこれはとりまとめ得るものと考え、鋭意一個々の団体の資料を今収集しております。大部分のものは集まつたのでございますけれども、問題は赤字の性質でございます。各地方団体から提出して来ておりますものは、これはそれぞれ一数字がございますけれども、しかしやはりある程度内容を検討いたしまして、真の赤字であるかどうかということをはつきり確認いたしませんと、一つの決算見込みとして出すことにつきまして誤解を生ずるおそれがあるのでございまして、さような点で今精査いたしておるのであります。いましばらく御猶予をいただきたいと思う次第であります。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 大蔵大臣の出席がなければ、本多国務大臣もこれ以上答弁はできないのかもしれません。しかしこの問題は本委員会として、折衝中であるとか考慮中であるとか、あるいは地方財政の推移とにらみ合せて何とかやつておるというようなことでは、もう切りがつかない段階に来ておると私は思う。だからぜひ大蔵大臣に御出席いただいて本問題だけは明確にしてもらいたい。そういう意味で大蔵大臣の出席があるまで、私は質問を保留しておきたいと思います。

青柳一郎自由党

○青柳委員長 他に御発言はありませんか。

中井一夫自由党

○中井委員 私もただいまの横路委員の御発言には、同感の意を表するものであります。ことに私の知るところによりますと、この問題につきましては本多長官初め自治庁の皆さんが非常な御尽力に相なつて、大蔵省との間に折衝を重ねておられるということもよく承知いたすのであります。それがいまだに結論を得ませんということにつきましては、大蔵省としてもなかなかいろいろな問題のために、ただちにこれを決定することができない、応諾することができないというのが実情であろうと思います。そういう点から見ましても、この際当委員会に大蔵大臣の出席を求めて、委員の方よりすみやかにこれを決定すべしということを要求いたしますことは、本多長官初め自治庁の皆さんの非常なこの御尽力を実現せしめる上についても効果があるであろうと思います。そういう意味において私はただちに大蔵大臣の出席あるよう委員長よりおとりはからいを願いたい。同時にこのたび出された自治庁よりの提案というものは、まさ、にその内容から見てしかるべき御提案だと思います。横路委員におかれても、審議は審議としてひとつこれを進めて行くということにしていただいたら、せりかくわれわれもこうして出おるのでありますから、時間の空費がなくてよいのではなかろうか、かように思うのであります。大蔵大臣が出て来ぬというのならば、それはまたそのときの覚悟でありますが、出て来る乏いうのでありますから委員長のおとりはからいによつて、すみやかに横路委員の御希望の達せられるようにお願いいたしたいと思います。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 私は大蔵大臣の御出席をいただいてから重ねて質問をいたします。私自身としましては、この問題については委員長も御承知の通り何べんもここで発言して御同様な御答弁をいただいておる。これではさつぱり進届いたしませんので、私は大蔵大臣の御出席をいただいてから質問を続行する、そういう意味で私は質問を保留いたしておきます。

床次徳二改進党

○床次委員 私は大蔵大臣の来られますまでの間、少し関連したこ厘につきましてお伺いいたしたいと思います。ただいまの話題となつ、ておりますことは〇・二五の問題でありますが、本年度の地方財政の状況を見ますと、また非常に大きな赤字があるのであります。自治庁当局においてもすでに御承知だと思いますが、各府県の要望しておるところを見ますと、本年度におきまして二百三十四億の赤字を予想し、市町村と合計しますと、四百九十一億の赤字を予定しておるのであります。これがまるくいわゆる赤字とし認むべきものかどうかというこ邑にづ・き院ましては検討中だと思いまするが、しかし相当額の赤字がただいまの〇・二五の補填以外に予想せられ、ておるのでありまして、これに対する対策を当局としてほすみやかに決せられることが必要だと思う。場合によりましてぽ、これを数年度にわけましてあるいは赤字補填債を起すことも必要だと思いますが、これに対する当局あお考えを伺いたいと思います。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 地方財政の赤字の原因につきまして本年度どの程度の赤字が出て参りますか、まだ先ほど申し上げましたような次第で的確な見込みが立たないのでございます。御指摘のように年末におきまして国家公務員に準じた給与改善の措置を地方公務員についていたしますために要する経費も、一つの問題であることもちろんでございますが、そのほかにたとえば六・三制の学校の建物等につきましての基礎等がやはり、何と申しましても若干実情に沿つていないというような点もございますし、その他一つくあげて参りますれば、中央において措置いたします問題について、必ずしも十分でないという点もあろうかと思います。しかし同時に反面地方におきまする仕事の順序、計画等におきましても、必ずしも地方団体の財政力を十分見合つていないというような点もあると思われるのでございまして、従つてこれらの赤字に、つきましては、中央と地方とが相協力してごとを解消し、健全な地方財政の運営に持つて行くということが必要であろうがと思うのであります。先信書いろいろ御質疑のございました問題とも関連いたすのでございますが、今年度末の地方財政の赤字の調整につきましては、今政府といたしましても最終の結論を見出すように、鋭意努力しておる次第でございまして何らかの政府の措置が講ぜられました上は、ひとつ地方におきまして自治団体としての財政経理の運用上、努力をして参りたいと考えておる次第であります。

床次徳二改進党

○床次委員 ただいまの問題は、年度末も近づいておりまするから、緊急に結論を出していただくようにお願いいたしたいと思います  なお次に関連した問題でありますが、過般のルース台風の災害復旧対策は、各府県におきましてはほとんど起債に肩がわりしまして処置がついておるようでありまするが、市町村に関する限りにおきましては、いわゆる特別融資の形になつておりました関係上、その解決に非常に困難を来しております。今年度末におきましては、これをすみやかに赤字補填の起債を認めるか、あるいは長期債に借りかえる処置を必要とすると思つておるのであります。かなり関係市町村において今日困惑をいたしておるので、この措置につきましてはやはり特別に考えられる必要があると思いまするが、政府の対策を伺いたいと思います。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 ただいま御指摘の点も一つの問題でございまして、政府といたしましてはさような点につきましてもいかようにいたすか、考慮を合せて行いたいというふうに考えております。

床次徳二改進党

○床次委員 前回私は二十八年度の地方財政計画につきまして御説明を伺つたのでありまするが、なおこれ関連しましてひとつお尋ねしたいと思いまするのは、明年度におきましては、義務教育費並びに警察費に対する大きな異動があるのでありまするが、二十九年度における地方財政計画としまして今日の政府策によりますると、義務教育学校職員法並びに警察法の実施に従つてどの程度の異動があるかということについて、あらかじめ政府は考慮せられたかどうか、もしお考えがありましたならば、大体の大綱でよろしゆうございますから、二十九年度の地方財政の大要というものについての御意見を伺いたいと思います。政府は今年度この二大法案に対する非常に大きな財政上の異動を生ずることを予想しておられます。その跡始末は地方制度調査会において適当に出すというふうにお考えのようでありまするが、どれくらいの異動があるかということについては、大体の見込みはおつきになつておるだろうと思います。いかにしてこれを補填するかということはあるいは別かもしれませんが、どれくらいの大きな異動があるかということにつきましては、お見込みが立とうかと思いまするが、御説明ができまするならば、この点を説明していただきたいと思います。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○本多国務大臣 財政の規模といたしましては、やはり二十七年度から二十八年度への推移状況を考えまして、できるだけ膨脹はさせないようにというふうになることと存じます。しかし財政調整がどの点を重点に行われるかということになりますと、国から地方に委譲すべき財源、また地方から中央にどの税等で調整をはかるかというような骨組みの問題になつて参りますので、実は政府として、まだ財政調整の骨組みは何らきめておらないのでございます。地方制度調査会の御答申等を見た上できめる。今これだけより実は徹底した方針は持うておらないわけでございます。

床次徳二改進党

○床次委員 いずれ義務教育学校職員法あるいは警察法の審議のときにもお尋ねいたしたいと思いまするが、この二つの法律を実施することによりまして、地方におきましては相当負担が増すのではないかと思いまするが、この点の見通しはいかがでございましようか。大体大きくなるが、あるいは地方は少くなるかというような見通しはおつきになりますか。たとえば警察法によるところの跡始末の問題、転移の問題につきましても、それが相当多くなつたならば、国か跡始末をしなければならぬということになるかと思いますが、大体の筋模様がおわがりでありますれば、承りたい。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○本多国務大臣 これは国全体としての財政力という点から考えなければならない問題でございますが、御承知の通り、地方財政が今日の状態ではまことに苦しい立場にありまするので、でぎ得る限り、地方財政というものを充実して行くことが必要でございます。義務教育費の負担義務教育費は別わくになりますが、あるいは警察費の負担にいたしましても、まだぐ充実すべきものと存じますので、地方に財源を与えただけはまたよけいに金もかけられる、両々粕まつてこれは考えて行かなければならないと思つております。

床次徳二改進党

○床次委員 この機会に税法に関しまして、二、三お尋ねをいたしたいと思います。昨年の国会におきまして、地方税関係における減税を実施いたしたのでありますが、その減税後、の実施の状況を見て参りますると、たとえば入場税等におきまして、実際において入場料を減額しているかどうかという点について、多少疑問なきを得ないのであります。国会が減税しましたことによりまして、相当入場料を軽減し得ることを実は期待しており、なお関係者も当委員会において、そういうことを言つておつたのでありますが、一部においては実施しておりますが、一部においては依然として実施してない。あるいはその後の物価の増等によりまして減額を実施し得なかつたというような説明を聞いておるのでありますが、この間の見込みにつきまして政府当局はいかさに判断しておられますが、減税の実施状況について調べがありまするならば、意見を承りたいと思います。

後藤博総理府事務官(自治庁税務部長)

○後藤政府委員 入場税及び遊興飲食税の減税の実施状況についてお答えいたします。入場税及び遊興飲食税は、本年一月から半減されたわけでありますが、実際の状況を見ますると、半減いたしましたけれども、料金は、入場税におきまして、最近大体東京都内の封切館あたりで十円程度値下げをいたしております。地方の実情は、私どもいろいろ調べおりますが、地方でも都市におきましては多少値下げをいたしておるようであります。大体十円程度ではないかと思つております。遊興飲食税におきましては、これはいろいろ要素が違いますので、料金がどの程度下つておるかということはわかりがねるのであります。ただ映画の実情を見てみますると、なるほで税は下つたけれども、映画の配給価格といいますが、上演料が上つておりますので、それに伴いまして料金の引下げが十分に行い得ないという実情があるようであります。これは映画の配給会社それぞれによつているく違うよそあります。それからもう一つは、一本売りの映画の場合も相当上つておるようであります。どの程度上つているかということも、私どもいろいろ調べおりますが、相当上つておるということだけで、内容はこまかくわかりかねるのであります。実情はそういうわけであります。

床次徳二改進党

○床次委員 なお関連してもう一つ伺いますが、浴場業に関しまして減税せられたわけでありますが、最近伺うところによりますと、厚生省におきましては入浴料の値上げを承認しておられる。一方において減税しておるにかかわらず、片一方において入浴料の値上げをするということは、はなはだ適当でないと思うわけでありまして、この点厚生省自体が、かかる地方税の減税に対して無関心というか、あるいは気がつかなかつたとも思うのでありますが、適当でない処置だと思うのでありますが、この点に関しましてはいかように考えられるか、伺いたい。

後藤博総理府事務官(自治庁税務部長)

○後藤政府委員 事業税のうちで浴場関係の事業税が軽減されたのに、入浴料が逆に上つているのはどういうことかというお話のようでありますが、実は私ども、入浴料が上りましたのは諸経費が上り、特に薪炭費、光熱費関係が上つて参りましたので、やむを得ず上げたというふうに聞いております。事業税の軽減もあるのですが、それ以上にそういう光熱費が上つているので引上げた、こういうふ参に私ども伺つておる次第であります。

床次徳二改進党

○床次委員 遊興飲食税につき歯して減税いたしたのでありまするが、反面において、徴収を相当強化することを予期しておつたのであります。その後の実情について、徴収ぐあいはどうなつているかということを伺つてみたいと思います。なお今回の改正におきましては、納税時期を二期にわけてあります。この月二回にわけることは、ある程度まで徴収強化になることを予想しておられるようでありますが、反面において、これはどういう影響があるかということについて御説明いただきたい。

後藤博総理府事務官(自治庁税務部長)

○後藤政府委員 遊興飲食税の減税の実施状況は、一月からで、ありますので、私どもの手元に資料が参つておりません。去年十二月までの状況は参つておりますが、一月のは現在集めておりまするので、もう少しお待ち願いたいと思います。大体入場税、遊興飲食税は昨年の夏ごろから徴収成績がよくなつて参りまして、前年度よりも大体二割以上の増収になつております。調定が多くなつておりますし、実収もそれに似た程度多くなつております。  もう一つ、月二回に納期を法定いたしますると、一つは、現在は月末までのものを翌月の十日ないし二十日の間に納めることになつております。その納期は各県の条例で定めることになつておりますので、その間にその金を方方に投資したりしまして、資金の回収ができない等の実情がありまして滞納の原因をなしておりまするので、できるだけ手持ちのものを早く納めるような方法を講ずることが、逆忙徴収強化になる、こういうふうに考えておる次第でございます。あわせて、年度の終りの、翌年度にまわるべき分が、前年度に入つて来るという意味で徴収強化になる、一」ういうふうに考えているわけであります。

床次徳二改進党

○床次委員 さらに一点お伺いしたいのですが、今回の改正の中には直接入つておりませんが、歳入の予想を見ますると、固定資産税の相当の増加を見ている。これは評価の増加に伴う収入増加のように見えるのでありますが、固定資産税の評価を毎年々々するということは、ある程度まで適正なる時価に順応させるという意味においては適当かと思います。しかし年々これが増加して来るということに対しましては、反面においてはたしてこれが実情に合うかどうかも、かえつて疑問を持たれることも少くないと思います。むしろ将来ある程度まで、この評価をすえ置いた方が実情に合うし、また徴税手続から申しましても、簡便化し得るのではないかと思うのですが、この評価の時期を二年あるいは三年間すえ置く。そうしてそのときの適正な評価をするということに対して、意見を承りたいと思います。この評価自体につきましては、もとより売買の実績であるのでありましようが、家屋あるいは土地等におきまして、いわゆる商品的な価値を考えないものが少くないので、このものの財産のいわゆる知らざる間の潜在的な増加という形において、どんどんと税金がふえて来るということは、ある程度までこれは実情に合わないとも思うのでありますが、この点、過去の固定資産税を実施して参りました経過にかんがみて、どういうふうな意見を持つておられるか伺いたいのであります。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 固定資産の評価の問題でございますが、ただいま時価によつて、これを課税標準として百分の一・六の税率において徴収する、こういう建前になつているわけでございますが、この時価というのが、文字通りの時価でございますれば、年々かわり得るわけでございますが、かわつたところを常に補正をして、現実の時価によつて課税をして行くということになりますると、確かにお話のように評価自体が非常にめんどうでございますので、ただいま平均価額といいますものを各都道府県ごとに示しまして、それによつておおむね適正な評価のできまするように、技術上の指導にいたしておるのであります。しかしお話のごとく三年なり四年なり、あるいは五年なりそう大きな変動のない経済状態になりまするならば、一度評価したものでしばらくすえ置くということも確かに徴税行政の簡素化という見地からも、負担の激変を防ぐという見地からも、むしろ適当でないかと思うのであります。将来の問題としてはこれはぜひ検討をいたして行きたいと考えております。ただ最近の、ことに土地のうちで宅地等の値上りの状況は相当の状態でございまするので、その関係のものをある程度実績を見込みまして、今回固定資産税のうちの宅地等に対しまして評価増を見込んでおるのでございます。家屋等につきましては新規の償却資産の増というようなもの、あるいは家屋の増というようなものを見込んでおりまする以外には、特に見込んでいない次第でございます。

平岡忠次郎日本社会党(右)

○平岡委員 本多国務大臣にお尋ねいたします。地方財政法の一部を改正する法律案に関するものでありますが、二十八年度の地方財政計画中の地方債の規模の問題についてお伺いしたいのであります。二十七年度と比べましてふえておりますね。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○本多国務大臣 ふえておりますが、財政部長から数字について申し上げます。

武岡憲一総理府事務官(自治庁財政部長)

○武岡政府委員 昭和二十八年度の地方の発行計画は普通会計、企業会計合せて千百四十七億円に予定をいたしております。これは前年度が八百億でございまするので、総体といたしましては三百四十七億円増加の状況になつております。そのうち政府資金引受けのものが百五十億、公募資金が百億、そのほか交付公債として明年度新たに発行されますものが九十七億、合わせて三百四十七億がふえる、こういう計画になつております。

平岡忠次郎日本社会党(右)

○平岡委員 その数字が二十八年度の財政投資資金計画表によりますと違うのですが、どつちがほんとうなのでしようか。ことしの計画は千五十億じやないでしようか。昨年が八百五十億で二百億ふえておると思うのでありますが、その点間違いありませんか。

武岡憲一総理府事務官(自治庁財政部長)

○武岡政府委員 昭和十七年度は八百億、昭和二十八年度はただいま私が御説明申し上げましたように、総計で申しますと、つまり普通会計と企業会計合せて千百四十七億、その中で普通会計は九百十二億、企業会計は二百三十五億、こういうふうに計画をいたしております。

平岡忠次郎日本社会党(右)

○平岡委員 その点ですが、二十八年度の財政投資資金計画表、これが違うのですか、政府の予算案の説明書はミスプリントで、これは十億だけ違つていることは知つておりますが、千四十億となつておるのは間違つていて、千五十億が正しいとわれわれは輩薫るのでありまして、その立場からわれわれは質問をしておるわけです。

武岡憲一総理府事務官(自治庁財政部長)

○武岡政府委員 どの資料についてのお話であるか存じませんが、地方財政計画といたしまして私の策定いたしておりますのは、ただいま申し上げました数字に間違いないはずでございます。

平岡忠次郎日本社会党(右)

○平岡委員 私のこれからの質問は、数字が食い違つていては質問にならない。どつちが権威があるのか、私はこれは政府の出した予算の説明書ですから間違いないだろうと思いますが、どつちが正しいのですか。まずそれを明らかにしておきたい。もし違うのならば向井さんがやがてやがてやつて来るでしようから、そのときでけつこうです。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 ただちに御返答申し上げられませんことははなはだ遺憾でありますが、ただいまの点は、私どもの手元の資料と対照いたしまして、明確になつた上で、御返事をいたしたいと思います。

武岡憲一総理府事務官(自治庁財政部長)

○武岡政府委員 ただいま私が昭和二十八年度の地方債の発行計画として申し上げました全体の千百四十七億円の数字の中には、普通会計の中で国の直轄事業に対する分担金を、各地方団体から国に納めますものを明年度においては、交付公債という形で納めることになつておりまして、その分が九十七億入つております。それらを合せた数字で申し上げましたので、御指摘の数字と食い違つておつたかと思います  が、それを抜きますと千五十億になります。

平岡忠次郎日本社会党(右)

○平岡委員 それではその点はそれで一応了といたします。但し公募の地方債は昨年に比べまして、昨年は八十億、今年度は百億増して百八十億、そうすると今の交付公債の九十七億は別といたしまして、昨年に比べて全体で二百億ふえておる中で、公募地方債として地方の住民のやや直接的な負担にかからしめるものが百億とすれば、政府の方の財政出資によりまして負担する額は、やはり百億で、あたかも両者を折半しているように、数字の上で考えられるわけなんです。政府の財政出資が昨年は七百七十億であつたはずです。昨年の八百五十億から公募地方債によります八十億を引きますと七百七十億ですから、それは明らかであります。しかもその七百七十億は、資金運用部資金特別会計から出ております。ところで今年はそれが二つになつておる。簡保資金から百八十五億、それから資金運用部資金から六百八十五億、その合せたものが八百七十億ですから、ちようど公募地方債の百八十億と合せまして全部で千五十億になるわけです。私が質問せんとする点は、簡保資金がここのところに織り込まれている点なんです。昨年末の議会を通りました簡易保険並びに郵便年金に関する法律ですが、それによると、地方に最も関連のある郵便年金とか、あるいは簡易保険というふうなものは地方のために使え、それで大蔵省から所管を半分だけ移しまして、郵政省の所管事項として与えたはずなんです。ところでいつの間にか院議の目的とするところの、地方の住民のために郵政省所管のもとにそれを使わしめるという目的がすりかえられているというふうに思うのです。この政府による簡保資金百八十五億は、納付金の三百七十億のちようど半分になつているわけですが、一体どつちの半分なんですか。要すると大蔵省の方の取前としての百八十五億なのか、それとも郵政省政管に移された百八十五億なのか、それを明らかにしてほしいのです。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 このお手元に配付いたしました二十八年度地方財政計画の地方債計画の中には、資金運用部資金一本ということで書いてございますが、御指・摘のように、今の簡易保険、年金の独立運用が二十八年度から行われますことになりますれば、三百七十億の予定資金の中の百八十五億は地方債にまわす、こういう考え方・であります。地方債にまわします場合に、具体的にどういう種類の地方債にこれを充当するかというようなことにつきまして、あるいはその地方債の許可の手続等につきましては、ただいま自治庁と郵政省並びに大蔵省との間におきまして協議中であります。

平岡忠次郎日本社会党(右)

○平岡委員 政府の財政出資が総計において本年度におきまして八百七十億、そういうことですね。そこまでは問題はないのです。ところが今の郵政省所管に移した百八十五億が、やはり一名目はかわつたけれども、大蔵省が負担すべき、大蔵省が負担すべきと言うと言葉が当らぬかもしれぬけれども、資金運用部が負担すべきものと——これは昨年は全部資金運用部資金でまかなつたわけですが、ここのところに来て合流してしまつた形だと思う。です一からわれわれの議院が意図したこととは全然違つた運用がされておる、かような懸念があると思います。要するに、昨年末の国会における簡保資金の半分を郵政省所管に移して地方住民のために使用すべしとする院議は、完全に無視されておると私は思う。これは院議に対する面従腹背的な財政的措置であると思うが、この点に対する明確な御答弁をお願いしたい。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○本多国務大臣 この問題は、運用の面におきましては、それぞれ郵政省の機関において貸付を地元に対して別わくでやることになりますから、地方に対する国の財政措置の総わくとしては八百七十億の中に含まれておりますけれども、実際は自治庁が財政計画上配分いたします地方の起債のわく通りに郵政省と打合せてやつて参りますから、結局その半額の百八十五億だけは、地元々々に還元するということになると考えております。

平岡忠次郎日本社会党(右)

○平岡委員 それなら初めからああいう法律案をもつて衆議院並びに参議院を通過せしめる理由は一つもない。それだつたら初めからそんなことは無用なんです。こういうところは非常に欺備的だと思う。この点はそう簡単にひつ込めない。要するに簡易保険と郵便年金の余り、といつてはおかしいですが、これが大体三百七十億ですから、これを百八十五億ずつ折半するならいいのです。片方の大蔵省の方で保留した資金運用部資金の方に繰入れる百八十五億ならいいと思うが、同じ数字だからごまかされると思うのです。この点は大体院議無視です。これは自治庁長官に質問しても的はずれなんで、むしろ大蔵省当局に質問すべき問題だと思いますので、この程度にしておきまして、あとでどうせ向井大蔵大臣がおいででしようから、そのときにやります。

青柳一郎自由党

○青柳委員長 門司君。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 この機会に財政規模の問題のことをちよつと質問しておきたいと思います。それは国の補助金の関係の問題であります。自治庁の地方財政計画を立てられまする際の各省から出て参ります補助金との関連性ですが、これは一体どういう関係をもつてやつておるか。各省から出て参ります補助金が三分の一とか二分の一というようなものがありますが、これを基準にしてお立てになつておるのか、あるいは地方財政といいますか、事業とのにらみ合せの上で、自治庁としては独自の建前でお立てになつておるのか、この辺をちよつと聞いておきたいと思います。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 国が特殊の事務あるいは事業につきまして一定の補助金を出しておる、あるいは負担金を出しておる場合におきましては、その補助金なり負担金の対象といたしまする事業、あるいは事務に要する経費の額を基礎にいたしまして、それを地方財政計画上も取入れておるわけであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 そうしますと、地方財政の大体の規模をきめますのには、各省のそういうものが一応出そろわないと、地方財政の企画というものが立てられないということになると思うのですが、実際上の問題としてそういうことがやられておりますか。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 これは各省が大蔵省に予算要求をいたします場合に、地方財政に関係のあります、要するに地方の負担に関連をいたしますものにつきましては、いずれも自治庁の方に同時に資料を提出してもらうことにしておるわけでございまして、それによつてそれぞれ各省の地方負担額というものを常に調整をするようにいたしておるのであります。ただ予算の時期になりますと、非常に一時に多額の地方負担関係の経費が参りますので、その間の実際上の事務処理が必ずしも円滑に行われていないうらみがございますが、法制上の建前はさように相なつておりまして、自治庁が直接各省から受けました資料を一方において基礎にいたし、また各省が大蔵省当局に出しておりまする資料と相互対照いたしまして、最終的に確定する、こういう考えでやつておるわけであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 私がそういうことを心配して聞いておりますのは、たとえば住宅資金の問題でありますが、これについては昨年でありましたかの統計では、二十六年度においても大体全国で四億六千万円近いものが国に返されております。これはまつたく地方の財政計画の中に、そういうものが織込んでなかつたのじやないかと私は考える。国から補助するものが十分受入れられる地方の財政計画が立ててあれば、私はそういうことはなかつたと思う。実際上の問題として、国からは補助が出ているが、それに見合うだけ地方が財源を持つていないということで、やむを得ず国家の補助金を返さなければならぬということが私はあると思う。現実に住宅資金については、さつき申しましたように二十六年度では四億六千万円ばかり返しておる。こういうこと  では実際上の地方財政の計画を立てて、そうして地方の仕事というものが十分行い得るかどうか、その辺のかね合いといいますか、非常にむずかしい問題でありますので、お聞きをしておるのでありますが、そういうことが十分考慮された上で、この起債なりあるいは交付金なりが一体考えられていないんじやないかと思う。従つて、今度の二十八年度の計画の中には、大体そういうものを十分織込んで、政府からの補助金のあるものを返すようなことのないように、大体これで十分間に合ういう御確信があるのかどうかということをひとつお聞きしたい。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○本多国務大臣 これは財政計画の立て方といたしましては、お話の通り補助金を地方が受けてやる事業につきましては、その総額を財政計画上の需用費、つまり歳出に見積つて、そうして歳入の面には中央から受ける補助金、その他起債あるいは地方税等の財源がこれに伴つて初めて裏づけができるわけでございます。そういうやり方を厳密にいたしておるのでございますけれども、結局はやはり全体的に財政に無理があるか、そうでなければ地方がその財政資金の運用に適正を欠いたとかいうようなところから齟齬を来して、補助金のある事業でも財源不足のためにやり得ないということは、これは起きるのでございます。来年度につきましても、そういうものは確保するように算定はいたしておるわけでございます。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 それでは一応確かめておきたいと思いますが、二十八年度の財政計画の中には、大体そういうことはないということに了承しておきたいと思います。万一そういう場合がありましたら、それに見合う財源というものは、起債かあるいは交付金で保証されるということをこの場合言つていただけますか。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○本多国務大臣 これはすべての地方団体に公平な財政措置をしなければなりませんので、特定の地方団体で他の事業の方面によけいに使つたから、そのほかの仕事に財源難を来したということに対して、漫然と財政措置を講じてやるということは困難だと思いますけれども、実情をよく調べまして、できるだけ融資等の方法によつて遂行させるように、協力はして行くつもりでございます。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 それは一般財源はそれでけつこうだと思いますが、ただ住宅資金のようなものは、これは償還の関係がありますし、地方において財政計画が立つと思うのです。何もただ漫然とほかに使つてそつちに便わなかつたからというのではなくて、起債さえ許せば償還計画の立つものは、これは当然仕事がやれることだと思います。だからもしそういう財源については、起債なりその他で十分見ていただける。これは地方では非常に重要であります。かりに総額四億といつておりますが、住宅が非常にないときに住宅を十分建てようとすれば、地方ではそれだけの資金が必要である。ところがきゆうくつな起債その他のわくに縛られておりまして、実際上の問題としてはそういうことができないということがあるのであります。従つてこの場合、私がさつきから申し上げておりますように、そういう地方では十分償還計画の立つ仕事でありますし、また国も必要として住宅その他に資金を出しておりますので、これが十分受入れられるように、ひとつ大蔵省にもお願いしなければならぬと思いますが財政計画の中で、今即答ができなければ、ひとつ十分考えておいていただきたい。そうしてそういうことのないようにひとつ十分しておいていただきたい。  それからもう一つこの場合明らかにしておきたいことは、この二十八年度の財政計画を見て行きましても、いろいろな面で地方に交付されます補助金その他に対しまして算定になつておりますものが、先ほどの御答弁では大体それと見合つてと、こういうお話でありましたが、これは地方財政に非常に大きな問題でありまして、地方自治体自体が十分考慮すべき問題ではありますが、国あるいは国から出しております補助金というものが、大体一律に出される。地方の公共団体では補助金があるから仕事をするんだ、従つて地方にはそれが適した仕事であるかないかということは十分考えられない。単に補助金があるから、これに見合う財源をこれだけとつてこの仕事をするんだということになる。私は地方の仕事の中には、かなりそうした無理がありはしないかと思う。この面については、自治庁としてはやはり将来地方財政というものを十分考えて行くとしますれば、何らかこの交付金との間に十分調和のとれた考え方をしなければならない。これは農林省と厚生省が多いのでありますが、厚生省関係は主として対象が生産方面に関係がありませんので、役所の仕事としてこれで済んでおる。ところが農林関係になりますと、直接農民に関係のある、地方団体に非常に関係のある補助金がたくさんあるのであります。補助金があるから仕事をして、補助金がなければ仕事をだんだん減らして行く。見方によつては県費が相当むだに使われているということが、現在考えられないこともないと思います。こういう面の財政調整というものは非常にむずかしいと思いますが、こういう面については、交付団体であります各省との間に、自治庁が十分お話合いになつて、そうしてそういうむだといえばむだに近いようなものでありますが、そういうことのないように善処される何らかの方法をお考えになつておるかどうか。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○本多国務大臣 御指摘の問題は、実は平衡交付金制度に切りかわります前においては、補助金の数も三百数十に上つておりまして、まつたく全国一律のひもつきの補助金があつたために、補助金が来るからこの地方にはあまり必要でないことであるけれどもやろうというような弊害が、非常に強かつたと存じます。この平衡交付金制度にかわりましてからは、各省がそれぞれ適切な仕事と適切な方面を選んで補助金を交付することに査定して行きますから、専門的である各省の補助金が、まつたくやらなくてもいいところにむ、だに行つたがために、地方が迷惑するという場合は非常に少くなつておることと存じます。しかし大局的に考えますと、お話のような場合もあろうと存じますので、地方財政を実質的に健全化するという意味から、そういうことは各省とも十分連絡をとりまして努力して行きたいと考えます。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 今国家公安委員の金正氏がおいでになつたそうでありますから、もう一度だけ申し上げたい。今の大臣の御答弁でありますが、私の申し上げておりますのは誤解されては固るのですが、決して地方財政を少くせよと申し上げるのではありません。国が一つの方針を立てておやりになる仕事を縮小して、地方にやれというわけではございません。やはり国が方針を立ててやります以上は、それに見合う財源を十分考慮していただきたいということでありますから、大臣誤解のないように考えていただきたいと思います。

青柳一郎自由党

○青柳委員長 それでは、便宜この際警察法案を議題といたしまして、先ほど來門司君の御質問がありました点につきまして、国家公安委員長の代理として金正国家公安委員が来ておられますから、門司君の質問を許しまする

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 実は今大臣から新しい警察法の説明を求めたわけであります。その補足説明を齋藤国警長官からいただくことになつておるわけであります。御存じのように齋藤国警長官は、国家公安委員会委員であるとともに、政府委員として国会の委員会あるいは会議に出席することができるように行政措置がとられております。その点ではちつともさしつかえはないのであります。同時にまた齋藤国警長官は国家公安委員会の事務局の中の一人であるということにも間違いがないのであります。従つて問題の焦点は、比較的簡易な案でありまして、それが公安委員会等の性格を非常にかえる問題でないような警察制度の改正でありますならば、私はそれでいいと思います。しかし今度の警察法改正につきましては、国家公安委員会の機構というものが非常に大きくかわつて参ります。性格がほとんど一変したといつていいくらいにかわつておる。名称もむろんかわつておる。そこでこういう大きな問題を審議いたしまするときに、一方においては政府委員として登録されているからそれでいいじやないかといいますが、念のために私どもお聞きをしておきたいと思つて御足労を願つたことは、公安委員会としてこの法案の説明に対して、政府委員として齋藤長官が説明されるということが了承の上で、齋藤長官をここにお出しになつているかどうかという二とであります。これは一つの国の力で齋藤君が出て来て説明するというならば、それまででありますけれども、この問題は非常に重要な問題を持つておりまして国家公安委員会の意見と政府の意見とが相反しておつて、その中にはさまつた齋藤国警長官が、政府の意思だけを体して、ここに来て説明するということで、あとで公安委員会と齋藤君との間に、いろいろな問題が起るということもあまり好ましいことではございません。従つて念のために御足労を願つたわけであります。どうか腹蔵のない御意見をこの際御発表していただきたいと思います。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 関連してひとつ。私が公安委員の方にお尋ねいたしたいのは、先ほど齋藤国警長官が、政府委員として法務大臣の警察法案に対する説明にかわつて補足説明をしようという場合に、私たちは、国家公安委員会との間で疑義があるので、それは国家公安委員の方の御意見を聞いてからした方がいいじやないか、こういうお話をしましたところ、齋藤国警長官は、いや、この点については、もしも自分が国家公安委員会の意に反してやつたということで、そのために国家公安委員会から罷免されても、そのことは自分の責任でやむを得ないんだ、こういうことを言つておられるのです。ぜひやらせろということを極力主張されておる。私たちは、それはちよつとおかしい。国家公安員会の方の意見を聞いた上でなければ、齋藤国警長官がここで話をされて、悪かつたら国家公安委員会が罷免しても、それはおれの責任だからかまわないというようなことについては、私たち委員としていささかふに落ちない。この点について私ども新聞で見ましたところでは、国家公安委員会としては、今回の警察法案の中で、従前の国家公安委員会の重大なる権限である警察本部長官の任免に対する権限を奪つて、やはり監視助言というけれども、実際上諮問機関にするについては、重大なる意見の食い違いがあると思う。その点について国家公安委員会が任命した齋藤国警長官が、政府の代弁者として、警察法案に関して、従前の国家公安委員会は治安維持上うまくない、だからこれは国家公安監理会として監視助言の機関にするんだということをここで説明された日には、現在の齋藤国警長官は国家公安委員会から任命されているのであつて、従つて国家公安委員会としては、国家公安委員会の意に沿わないものであるならば、当然罷免するということが起きて来る。齋藤国警長官はそういうことを前提としてここで説明し、答弁すると言つておられますが、私たちは現行の警察法でいいと思つてやつておるので、国家公安委員会の方もそうであろうと思う。そういう意味で、齋藤国警長官が先ほど罷免されてもおれの責任であると言われた点については、重大な点でもあるし、国家公安委員会としては、どういうふうになつているのですか。その点とくと私たちにわかるように話をとて、あとで齋藤国警長官がここで答弁するときに、間違つても罷免されたり何かしては本人にお気の毒ですから、そういう点をひとつ。

齋藤昇国家地方警察本部長官

○齋藤(昇)政府委員 ただいま横路さんのお話は、私が先ほど申しましたことを若干誤解をしておられるのではないかと思いますから、誤解のないように申し上げます。私は国家公安委員から罷免されることを覚悟でやつているということを申し上げたのではございません。国家公安委員からは、かねがねこの法案については政府委員として私が答弁することになりますが、その了承を得ていただいておりますということを申し上げたのです。もしそういう了承なしにやつておつて、国家公安委員が齋藤はけしからぬことをやつて旧いるということであれば、罷免されることがあるかもしれないけれども、そういう了承があるんだからそういうことはありませんと申し上げたのでありまして、それは国家公安委員と対立の考えで、罷免覚悟でやつているという意味では毛頭ありませんから、誤解のないようにお願いいたします。

金正米吉国家公安委員

○金正説明員 お答えいたします。今度の改正法の問題について、特に齋藤長官から、政府委員として出席して、公安委員会と違つたものを説明して行くようになりました。この点どういうふうにいたしましようという相談がありましたから、それは政府の機関におつて公務員でもあるから、当然それをやるべきが至当であろうということで、公安委員会としてはこれに了承を与えております。さよう御承知を願います。

青柳一郎自由党

○青柳委員長 それでは引続き政府委員より補足説明を聴取いたします。

齋藤昇国家地方警察本部長官

○齋藤(昇)政府委員 それでは私から法案の内容につきまして、その条文の順序に従つて説明を申し上げたいと存じます。この法案は、七章七十二箇条の本文及び附則三十七項からなつてお・ります。  第一章は総則といたしまして、この法律の目的、警察の責務及び警察職員の宣誓について規定をいたしております。現行法におきましては、特に前文を置いて法制定の趣旨をそのうちに述べておりますが、今日の法形式として前文を置きますことは、法律としては異例に属しますので、この際前文の形式を避けまして、従来前文に盛られておりました精神は、これをこの法律の目的として第一条に規定いたした次第であります。第一条に規定するこの法律の目的とは、すなわち民主的理念を基調どする効率的な警察の組織を定めることであります。  次に警察の責務につきましては、現行通りその範囲を限定いたしまして、これを越えて権限を濫用することがあつてはならない旨規定したのでありますが、新たに不偏不党、公平中正を旨とすべきことを明示いたしまして、警察のあるべき姿をさらに明らかにすることに努めたのであります。  第二章は、警察庁に関する事項を規定いたしております。警察庁を総理庁の外局として置くこととし、警察庁長官は国務大臣をもつて充てるとともに、警察庁の所掌事務について都道府県警察を指揮監督するものとして国の治安に関する政府の責任を明確にいたした次第でありますが、警察庁の任務は、国の治安確保と警察行政における調整をはかることに限定し、その所掌事務の範囲を明示いたしております。また警察庁に次長一人を置くこととし、この次長の任免は大事な事柄でありますので、特に国家公安監理会の意見を聞いて行うことといたしております。  警察庁の内部部局としては、従来の総務部を改めた長官官房のほか従来と同じ警務、刑事、警備及び通信の四部を置くことといたしております。また附属機関としては、警察大学校、科学捜査研究所及び皇宮警察本部を置くこととしておりますが、これらは現在あるものをそのまま規定したものであります。また地方支分部局としては、地方警備局を仙台、東京、大阪、広島及び福岡に置くこととしたのでありますが、これらは従来の管区本部と異なり縮小簡素化されその所掌事務も警備、通信、教育訓練及び連絡に限られ、かつその範囲内の事項に限つて管内府県警察を指揮監督することとされております。また地方警備局に、地方警察学校が附置されるごととなつておりますが、これは従来の管区学校に当るものであります。第五節は、警察庁の職員の規定で、警察庁に所要の職員を置く旨を定めておりますが、そのうち警察庁の次長、部長(但し通信部長を除く。)等は、警察官をもつて、皇宮警察本部長は皇宮護衛官をもつて充てる等現行通りであります。  第三章は、曲国家公安監理会に関する事項を規定いたしております。国家公安監理会は、警察庁に所属せしめず内閣総理大臣の所轄のもとに置かれ、その委員は五人、内閣総理大臣が国会の同意を得て任命し、その任期は五年とされておるのでありまして、任務としては、警察庁長官の権限が公正に行われているかどうかの監視にあたり、長官に対して、必要と認める勧告助言を行うものとされております。しこうして警察活動の公正を保障するその職責の重要性にかんがみ、形式的な資格制限を設けず、広く人格高潔で警察に関する公正な判断をなしうる者のうちから任命することとなつております。また、こうした任務の重要性から身分保障、服務、報酬その他の点につきましては、すべて従来の国家公安委員会に関する規定にならい、その権限地位ともに重きをなすものとされております。  第四章は、都道府県警察に関する事項を規定しております。第一節は、総則といたしまして、都道府県警察の設置、責務及び経費について規定いたしております。従来の警察組織が大きくは国家地方警察と自治体警察にわかれ、さらに自治体警察は多数の市町村にわかれ、そのために警察の効率を阻害されることが多かつたのみならず、国家地方警察は地方自治の色彩に欠け自治体警察は国家的性格を欠除しいずれも警察本来の性質に適合しない点にかんがみ、国家地方警察、市町村警察ともにこれを廃止して新たに都道府県に警察を置き、この都道府県警察が警察万般の責に任ずることといたしたのであります。経費の点につきましては、都道府県において経費を負担するのが原則でありますが、警察の事務のうちには一面に国家的性格を有するものが多々ありますので、都道府県警察・に要する経費のうち、特に国家的警察活動と目される事務に要する経費及び国家公務員たる警視以上の階級にある警察官の給与等については、国が支弁することとするとともに、そのほかの都道府県の負担する経費についても、国が政令の定めるところによつて一部を負担することとした次第であります。  第二節は、都道府県公安委員会について規定しております。都道府県公安委員会は、各都道府県において警察に関する一切の責に任ずる機関として、都道府県警察を全面的に管理する権限を有せしめることといたしました。その組織については新たに副知事一人と都道府県議会の議員のうちから議会で選挙された一人とを委員に加えて、知事及県議会との連繋を緊密ならしめ、知事が都道府県議会の同意を得て任命する一般の委員三人と、計五人の構成といたしました。なお広く適任者を得やすからしめるため、一般の公安委員については資格制限を緩和し制限は警察と検察の前歴に限ることとしました。その他の点につきましてはおおむね従来の都道府県公安委員会について規定されていたところと同様であります。  第三節は、都道府県警察の組織について規定しております。都には警視総監、道府県にはそれぞれ警察本部長が置かれ、都道府県公安委員会の管理の下に都道府県警察を指揮することとされておりますが、その任免については、警察庁長官が国家公安監理会の意見を聞いて行うことといたしました。しかし、これに対して都道府県公安委員会は常時警察庁長官と国家公安監理会に対し警視総監、または警察本部長の考課を具状し、罷免、懲戒を勧告し得ることとしたのであります。また北海道には道警察本部のもとに、その地域をわかつて五以内の方面本部を置くことといたしました。都道府県警察の本部の部以上の組織、警察署等の機構等については、住民の意図をよく反映した組織をつくりうるものとするための条例をもつて定めるものといたしました。また警察署のほかに、都及び数個の警察署を置く市の区域においては、数個の警察署を統轄し得る地区警察部を置き得る道を新たに開き大都市における警察運営の適切を期し得ることといたし、都道府県警察の職員は警視総監または警察本部長が公安委員会の意見を聞いて任免することとしましたが、公安委員会はこれらの職員についても考課を行いまたは警視総監または警察本部長に懲戒または罷免を勧告することができることといたしました。また、都道府県警察の職員については、国家的性質をも有する警察事務の円滑な遂行をはかるため警視以上の警察官は国家公務員といたしましたが、それ以外の職員はすべて地方公務員といたしました。但し、これらの地方公務員たる職員についても、警察の職務の特質上、国家公務員たる警察職員に準じて一般の地方公務員に対する特例を設け得ることとしているのであります。  第四節は市に関する特例でありまして人口七十万以上の市においては、これらの市が府県同様の規模を有する点にかんがみまして、もしそれからの市において市議会が三分の二以上の多数により議決した場合においては、都道府県警察と全く同じ性格の市警察を置くことができることとしたのであまりす。  第五章には警察職員に関する事項を規定いたしております。現在国家地方警察、自治体警察をあわせ警察官の定員の会計は、十三万二千を越えておりますが、この制度改革後の新たな定員「を約一割三分を減じて十一万五千人といたしましたが、なお従来より一層よく警察の責務を果し得るものと確信しております。警察官の階級については、現在の階級のほかに警視監という階級を一つ附加いたしましたが、この階級にあたるべき者としては警察庁次長及び警視総監を予定しております。第五十五条から第五十八条までは、警察官の職権行使についての規定であります。警察官は、本来その所属の都道府県警察の管轄区域内で職権を行使すべきことを原則としますが、例外として、当該管轄区域内における職権行使に関連する場合、援助要求のあつた場合、現行犯人に関する場合及び移動警察について関係都道府県会安委員会の協議がととのつた場合には、それぞれの規定に従つて職権を行使し得るように定めているのであります。また武器の携帯、皇宮護衛官、被服装備品の支給貸与等についても、その際それぞれ法律に明定する措置を講じた次第であります。  第六章は、国家非常事態の特別措置に関する事項を規定いたしております。国家非常事態については、現行警察法の規定をそのまま踏襲いたしました。但し、国務大臣をもつてあてる警察庁長官が置かれることとなりましたので、国家非常事態につきましてその布告と廃止以外については、現行制度では内閣総理大臣の権限とされているところを警察庁長官の権限に移しました。  第七章は、雑則として、検察官との関係警察間における管轄区域の変更に伴う措置、国有財産等の無償使用等を規定いたしております。  附則は、この法律の施行について必要な事項を定めているのであります。第一項には施行期日を公布の日から六箇月を越えない範囲内で政令で定めることといたしております。この法律の施行による制度の改正を円滑ならしめたには、ある程度の準備期間を必要とすると考えますので、一応施行期日の目途を昭和二十八年十月一日とし、状況によりそれより早く施行される場合をも考慮し、施行期日は、この法律の公布の日から六箇月以内において政令で定めることとしたのであります。  第三項は、市警察の設置の手続について規定しているのでありまして、人口七十万・以上の市がこの法律施行と同時にこの法律による市警察を持ち得るための手続はこの条項によるのであります。第四項から第六項までは最初の国家公安監理会の委員の任命について、第八項及第九項は最初の都道府・県公安員の任命について規定を設けたものであります。第七項、第十項及び第十一項は警察職員の身分の引継ぎについての経過規定であります。また第十二項は、現在の警察官の定員がさきにも述べましたように、十三万二千を越えておりますの一で、逐次定員数まで減少するまで当分の間は十一万五千人を越える人員を置き得ることとしたものであります。第十三項から第十九項までは、現在の国家地方警察及び自治体警察の廃止に伴い、これらの警察の用に供されていた国または市町村の財’産を新たにできる警察庁及び都道府県警察の用に供するために、あるいは譲渡したりあるいは使用したりする財産処理の方途を講ずる必要がありますので、このため必要なる事項を規定したものであります。  第二十項から第二十二項までは、この法律が施行になつた場合における休職または懲戒、不利益処分に関する審査の請求及び公務災害補償に関する経過措置について規定いたしております。第二十三項から第二十五項までは、この法律が施行になつた場合における昭和二十八年度中における特例措置について規定いたしております。すなわちこの法律による制度の根本改正を能率の低下や混乱を生ずることなく実施し、新制度への移行を円滑ならしめるため、昭和二十八年度中特例措置として、この期間においては市町村の公安委員会を都道府県公安委員会の下部機構として存続させ、都道府県警察に要する経費の支弁についても従前の例によることとし、また職員の給与についても従前の適用法令等によることといたしたのであります。第二十六項から第三十二項までは、恩給法の特例についての規定でありまして、この法律の施行に伴う職員の身分の変動にかかわらず、恩給法を適用または準用し、かつ在職期間を通算し得る規定を設けたものであります。また第三十三項及び第三十四項は、退職手当の特例に関する規定であまして、職員の身分の変動に伴う在職期間についての通算の措置に関して規定したものであります。第三十五項及び第三十六項は、この法律施行に伴い必要とされる消防組織法及び恩給法の改正についての規定であります。  以上法律案の主要な点につきまして、概略を御説明申し上げげた次第であります。

青柳一郎自由党

○青柳委員長 連合審査会開会の件についてお諮りいたします。  すなわち本委員会において、ただいま審査いたしております警察法案につきまして、去る二月二十八日法務委員会より連合審査会を開会したき旨申入れがありましたが、当委員会と連合審査会を開くに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

青柳一郎自由党

○青柳委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。

青柳一郎自由党

○青柳委員長 引続きお諮りいたします。すなわち目下文部委員会において審査中の義務教育学校職員法案及び義務教育学校職員法の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案は、本委員会ときわめて密接な関係があり、多大の関心を有するところでありますので、これら両法案について連合審査会を開会したき旨、文部委員会に申し入れたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

青柳一郎自由党

○青柳委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なおただいまの法務委員会との連合審査会及び文部委員会との連合審査会の開会日時につきましては、それぞれ当該委員長ど協議の上、公報をもつて御通知申し上げたいと思いますので、この点御了承を願います。     〔「異議あり」と呼ぶ者あり〕

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 今の法務委員会との連合審査につきましては、きのうの理事会におきましても、御承知のように警察法の審議の過程において、これは私たち理事会で再度検討しよう、こういうことになつておりましたので、ただいまの委員長のお話のように、きのうの午前中の理事会において、法務委員会との連合審査においては、地方行政委員会の委員長と法務委員会の委員長との間の話合いできめるということについては、理事会ではさように一任をしてないのです。従つてこの点については私は反対です。地方行政委員会と法務委員会との間でやる警察法に対するところの連合審査は、再度理事会において協議をしてもらいたい。同様義務教育職員法案に関して文部委員会との間に持つ連合審査等においても、これは向うの方が主体なんだから、その点についてはそれ以前において一応向うの方の意向を聞きまして、当然それは理事会の承認を得なければならぬと思う。そういうように委員長と法務委員会の委員長との間において決定することについては私は了承できないし、また反対である。従つておやりになるならば、当然理事会を開いて十分みなとこの警察法案について納得の行く審議過程においてこれをやつていただくでなければ、この点については了承できません。

青柳一郎自由党

○青柳委員長 お答えいたします。昨日の理事会において、ただいま問題になつております二つの連合審査会を開くことについては決定いたしました。ただいまおつしやいますのは日時の問題であります。日時を決定いたしますについても私に御一任願つた上において、理事会の意向を聞いて私として決定いたそう、そういうつもりでありますので、御了承願います。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 私はその点は理事会の意見を聞いていただけば、それでいいと思いますが、もう一つ合同審査の問題ですが、今実は法務委員会に刑事訴訟法の一部改正が出ておりますが、刑事訴訟法のたしか百九十三条だと私覚えておりますが、これの改正は、検察官が捜査をするにあたつて警察官を指揮命令することができるとか、あるいは九十四条には罷免の訴追をすることができるとか、現行法の中にもありますが、それがより何上強い形で出て来ていると思います。このことは警察法の改正上きわめて重大なことでありまして、同時にまた日本の警察行政の上でも非常に大きな問題でありまして、いわゆる検察権が警察の捜査権を指揮するということになりますと、警察フアッショのおそれなしとも考えられませんし、警察法がこういうふうに改悪されて、その上にもう一つ警察権がフアツシヨになるような形を示して参りますと、日本国民の人権に対しきわめて大きな問題が私は出て来ると思います。従つて人権擁護の意味からも、この点については警察法を審議しているわれわれとしては、この刑事訴訟の改正問題にもやはり合同審査を申し込んで、十分にこれを討議して行きたいと思いますので、ひとつこのことを委員長からお諮りを願いたいと思います。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 今の門司委員の刑事訴訟法の一部改正と相並んで、政府の方で、もしも警察官に関する適格審査委員会設置法案が用意されて、そういうものを出すのであれば、それは当然また相並んで法務委員会に出すのかもしれませんけれども、もしもそういう点について法案の用意その他があれば、当然これは今の警察法案とも関連していますから、この二つは、今のと一緒にからんでやつてもらわなければなりませんので、その点も同様に御留意願いたいと思います。

青柳一郎自由党

○青柳委員長 ただいま門司君、横路君から御発言の連合審査に関する件につきましては、理事会に諮りましてから、また委員会の御決定を願おうと存じます。

森田重次郎改進党

○森田委員 これは単独で開くことなしに初めからやるのでございますか。今の警察法に関する委員会を最初の質疑から併合してやるということになりますか。それとも何回かこつちでやつた後に、適当な時期に併合するという意味でありますか。

青柳一郎自由党

○青柳委員長 お答えいたします。昨日の理事会におきましては、一応警察法につきまして一般的の質問を当委員会でやつて、その途中あるいはそれが済んだあとで、法務委員会との連合審査をやろう、こういうのであります。  本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。   午後四時十二分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗