地方行政委員会 第20号
- 発言数
- 5 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1953/02/27
会議録
○青柳委員長 これより会議を開きます。 消防施設強化促進法案、地方税法の一部を改正する法律案及び自治大学校設置法案の三案を一括して議題といたします。これより順次政府よりの提案理由の説明を聴取いたします。本多国務大臣。
○本多国務大臣 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及び内容の概略について簡単に御説明申し上げます。 現行の地方税制度に根本的な再検討を加える必要のあることはすでに御承知の通りでありまして、政府におきましても、その改革の方法につきましてすでに地方制度調査会に諮問いたし、同調査会におきましては、目下鋭意検討中であります。 従いまして、地方税制の体系に触れる根本的改革につきましては、調査会の答申をまつて、できるだけすみやかな機会に行財政制度の改革とあわせ行うことが適当と存ずるのでありますが、地方財政及び地方税制運営の実情にかんがみ、現行税法にさしあたり必要最少限度の改正を行う必要を認め、本法律案を提案いたした次第であります。 次に本法律案の内容について御説明申し上げます。 改正の第一は、附加価値税、事業税及び特別所得税に関するものであります。附加価値税につきましては、現行法上はいよいよ本年一月一日から実施せられることとなつているのでありますが、社会経済事情の変化は、今、現行法をそのまま施行することを適当としない事情にあるのみならず、かたがた附加価値税を含む現行地方税体系については、地方制度調査会の答申をも参酌してその態度を決定する必要があると考えられますので、この際はさらに一年附加価値税の実施を延期し、その間現行事業税及び特別所得税に若干の改変を加えて存置せしめようとするものであります。その一は、個人事業税及び特別所得税の基礎控除額の引上げに関するものであります。御承知の通り、現行法は、個人事業税及び特別所得税については三万八千円の基礎控除を認めているのでありますが、少額所得者の負担を軽減し、納税の合理化をはかるため、今回これを五万円に引上げようとするものであります。 その二は青色申告法人について、損金算入を認める繰越欠損金の範囲拡大に関するものであります。現行法上は二年でありますが、事業税及び特別所得税をさらに一年存置いたしますこと心伴い、今回さらに一年延長し、三年としようとするものであります。その三は、課税標準の算定から除外されます国民健康保険法等各種保険法に基く療養の給付につき、支払いを受ける金額の範囲に関するものであります。現行法上は国民健康保険及び健康保険に基くものに限定せられているのでありますが、税務行政の運営上遺憾な点がありますので、今回これを拡大合理化しようとするものであります。 改正の第二は、入場税及び遊興飲食税に関するものであります。すなわち入場税及び遊興飲食税の減税実施とともに、その厳正なる運用を確保し、地方税源を確保するため、入場税及び遊興飲食税の納入金の納期限を法定することにより滞納を防止し、徴収の確保をはかろうとするものであります。 改正の第三は、定額税の税率の調整に関するものであります。現行自動車税及び入湯税の税率は、昭和二十三年ないし昭和二十四年における物価を基礎として定められたままになつておりますが、その後における物価は相当に騰貴いたしており、各種手数料の額等もそれぞれ物価の変動に即応して調整せられていることにもかんがみ、かたがた地方財源確保の趣意を含めて、この際物価水準の変動等に照し、所要の調整を加えようとするものであります。 改正の第四は鉱区税に関するものであります。鉱区税につきましては、従来その徴収は困難をきわめていたのでありますが、地方財政の実情にかんがみ、滞納者に対しては、試掘権の期間延長及び転願を許さないこととし、その徴収の確保を期するごとといたしたのであります。 改正の第五は、市町村民税の課税方法に関するものであります。御承知のように、市町村民税の課税方法としては、現在所得税額を課税標準とする第一方式、課税総所得金額を課税標準とする第二方式及び課税総所得金額から所得税額を控除したいわゆる所得税引所得を課税標準とする第三方式の三方式が定められ、それぞれ制限税率が定められているのでありますが、この三ズ式につきいずれを採択するかは、まつたく市町村の自由にゆだねられておりますので、結局実質的意味における制限税率は、課税総所得金額の百分の十または所得税引課税総所得金額の百分の二十となるわけであります。しかるに市町村の実情によつては、第二方式による場合は課税技術上の困難を倍加し、徴収費の増嵩を招くごととなりますため、第一方式をとりつつ、第二方式と同様の目的を達成し得る方途を開くことが要望せられていたのであります。今回の改正はこの要望にこたえ、第一方式によつて課税した場合においても、その税額が第二方式によつた場合の制限を越えない限り、税率決定の自由を認めようとするものであります。 以上が本法律案の提案理由及びその内容の大略であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことを希望するものであります。 続きまして、ただいま本委員会に付託されました自治大学校設置法案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 地方公共団体の行政の民主的かつ能率的な運営を期するためには、地方公務員の資質の向上と勤務能率の発揮増進にまつところがきわめて大きいのでありまして、これがため地方公務員に対してできるだけ研修の機会を与え、その教養に努めることは、きわめて肝要と存ぜられるのであります。地方公務員法におきましても「職員には、その勤務能率の発揮及び増進のために、研修を受ける機会が与えられなければならない」と規定しており、各地方公共団体においてもそれぞれ研修に力をいたしている次第であります。しかしながら地方では、初任者その他一般職員の研修は格別として、中堅職員に対する高度の研修については、その実施に種々支障があり、事実上困難な場合が多いのでありまして、かねて中央に高度の研修機関を設置すべき要望が強かつたのであります。 なお、申し上げるまでもなく、地方公共団体の処理している事務には、国といたしても利害関係が深く、その適正かつ円滑な執行については深い関心が寄せられ、その職員の能力を向上し、勤務能率を発揮するため、研修を行う必要が痛感せられていたのであります。以上申し述べましたような事情により、地方公務員に対する高度の研修を行う機関として自治大学校を設置することとしたのであります。 法案の内容の概要を申し上げますと、自治大学校は、自治庁の附属機関として東京都に置くことといたし、任命権者の推薦にかかる地方公務員に対する高度の研修を行い、これにあわせて地方自治に関する制度等についての基本的な調査研究を行うとともに、地方公共団体の研修機関に対して、研修に関する技術的助言をすることができることといたしたのであります。 以上自治大学校設置法案の提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げたのでありますが、何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。
○青柳委員長 押谷法務政務次官。
○押谷政府委員 ただいま提案いたしました消防施設強化促進法案の提案の理由並びにその内容につきまして御説明申し上げます。 この法律案を提案いたしました理由は、消防施設を購入し、または設置しようとする市町村に対し、その費用の一部を国において補助する道を開きまして、消防施設の強化促進をはかるためであります。 御承知のごとく、昭和二十二年消防組織法が制定され、消防は市町村の責任において管理されることになつたのでありますが、同法は、その制定の当初から第二十五条におきまして「市町村の消防に要する費用に対する補助金に関しては法律でこれを定める」旨の規定を設け、補助金法定の道を開いて来たのでありますが、現在までいまだその運びに至らなかつたのであります。 一方消防の財源措置につきましては、必ずしも十分ではなく、あまつさえ市町村の財政状態は窮迫いたしております関係上、消防施設は整備強化されるすべもなくしてきわめて劣弱な状態のまま今日に及んでいるような次第であります。 翻つて火災による損害の状況を見まするに、逐年増加の一途をたどり、昭和二十七年の年間統計によりますと火災件数二万二千余件、焼失坪数約七十二万坪、損害見積額は、実に三百八十六億円の多きに及んでいるのであります。 右のような実情にありますので、この際すみやかなる消防施設の強化をはかる必要がありまして、今回国庫から補助金を市町村に交付する措置を講じ、その消防施設の整備を促進し、火災による損害の軽減に万全を期するため、本法律案を提出した次第であります。 次にこの法律案の内容について御説明申し上げます。 この法律案は、本文七条及び附則一項からなつております。先づ第一条においてこの法律の目的について定め、第二条におきましては消防施設を購入しまたは設置しようとする市町村に対し、国はその費用の一部を補助することができる旨を定めております。 次に第三条におきましては一補助すべき対象を消防の用に供する機械器具及び設備とし、政令で定めることにいたしたのであります。 第四条は、補助基本額及び補助率について定めております。すなわち消防施設の種類及び規格ごとに内閣総理大臣が基準額を定め、予算の範囲内でその三分の一以内を補助することといたしました。 次に第五条は、補助の申請について規定してあります。すなわち、市町村長は、都道府県知事を経由して内閣総理大臣に申請書を提出することとし、申請書の様式、添付書類等は、総理府令で定めることにしたのであります。この場合都道府県知事は必要な意見をつけることができることといたしております。 次に第六条でありますが、これは、補助金の使途を適正ならしむるために、正当な理由がなくて施設の購入または設置の全部または一部を行わないこととなつたとき、補助金の目的以外に使用したとき、または内閣総理大臣の指示に違反したと認められるときのいずれかに該当しますときは、内閣総理大臣は、補助金の交付を取消し、停止しまたは交付した補助金を返還させることができる旨を規定いたしました。この場合、市町村長に事前に釈明の意見を述べ、証拠を提出する機会を与えることにしております。 次に第七条におきましては、さらに一層補助金を有効適切に使用するため、内閣総理大臣が目的達成のため必要な限度において市町村長に対し必要な指示を行い、報告書の提出を命じ、または職員に実地検査させることができるように定めたのであります。 最後に、附則におきましてこの法律は、公布の日から施行することにいたしました。 以上がこの法律案提出の理由及びその内容の概要であります。何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。
○青柳委員長 本日はこれにて散会いたします。 次会は三月二日月曜日午後一時より会議を開きます。 午後二時二十六分散会