P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
15回国会衆議院1953/02/14

地方行政委員会 第18号

発言数
122
登壇者
9
会派数
4
開催日
1953/02/14

会議録

青柳一郎自由党

○青柳委員長 これより会議を開きます。  地方財政に関する件について調査を進めます。  前会に引続き義務教育費国庫負担に関する問題について調査を進めます。質疑の通告がありますので順次これを許します。横路君。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 文部大臣にお尋ねをいたしたいのですが、地方財政平衡交付金千七百二十億円の中に義務教育国庫負担分として九百二十億円とられてあるという話を、この間自治庁の長官から伺いましたが、その九百二十億円の内容につきましては、いずれ文部大臣から説明があるだろうから、文部大臣から聞いてもらいたい、こういうお話がございましたので、やはり地方財政一般についてただいま審議をいたしておりますので、ぜひこの際文部大臣から予定されている義務教育国庫負担分としての九百二十億円の内容について、詳細にひとつ御説明をいただきたいと思うのであります。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 こまかい数字のことでございますから、事務当局から御説明をいたさせます。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中(義)政府委員 二十八年度の義務教育費国庫負担金についてその内容を御説明を申し上げます。お話のように来年度九百二十億円計算いたしておるのでございますが、その内訳は給与費について九百一億円、それから教材費について十九億円でございます。この九百一億円につきましては、来年度の給与費の計算をいたします場合に、当局といたしましては、財政計画として全教育費を千百五十五億円とふみました。その計算は給与についてこれもすでに前々から御承知のように教員の全国定数を出します場合に、従来の財政計画における基準を踏襲いたしまして、小学校の生徒児童の数五十名につき先生の数を一・五それから中学校の生徒数五十名につきまして一・八、なお結核休養者につきまして従来の一・三三、かような数字をもとにいたしまして、そして昨年の七月の実数を元にいたしまして計算を出しまして、大体来年度事務職員をも入れまして、約五十三万人という数を得ております。それから先生方の単価でございますが、これは昨年の十一月のベース・アツプの際の単価をとりましてそれに二十八年度における昇給を見込みましてそうして単価をきめました。それを先ほど申し上げました数にかけます。それで大体先ほど申しました千百五十五億円という数を得るわけでございますが、しかし来年度の問題といたしましては、御承知のように、平衡交付金等の関係もありまして、全国の都道府県にそのままこれを配付いたすことができませんので、いわゆる富裕県に対しまして交付しないでもいい額をただいまのところで、大体二百五十四億円と見込みまして、差引九百一億円が給与費と相なつたわけでございます。その次に教材費でございますが、これは十九億円でございまして、この教材費につきましては、一応現行法にもございますように、国において一部を負担することと相なつておるのでございます。その計算等につきましては、山間僻地の小さい学校になりますと生徒数が三十人、四十人という学校もできますし、また大きいところは千何百人ということになりますので、単にこの際生徒数のみを基準にして、一人について百円とか百五十円とかいうのみでは、小さい学校では少くなりまして、ほとんど交付をいたします意味も減殺されますので、従つて大小を問わず、少くとも学校であります以上、小学校については最低二万円は交付いたしたい。また中学校については最低二万五千円は交付いたしたい、かような最低限をきめまして、そうして段階的に規模の大きくなりますにつれてそれぞれふやすことにいたしまして、ここに十九億円という計算をいたしたわけでございます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 ただいま九百二十億円の内訳の給与費九百一億について御説明をいただいたのですが、去年の十一月からの補正予算のこの地方行政委員会におきまして、ただいま局長から御説明いただきました小学校、中学校の教員の俸給は三百四十九円高いからこれを引いて渡した。ところが全国知事会の代表にこの地方行政委員会に参考人としておいでをいただきまして伺いますと、全国知事会の全体のまとまつた意見としては、三百四十九円高い。しかし実際にはその三百四十九円を引かれたということについては、全国知事会としては了承できない。なぜ了承できないかと言えば、それはいわゆる国家公務員について実際に調査をして、その比較の上でやつたのでないし、今回の一方的に三百四十九円高いということについても不当であるし、よしんばその調査の結果幾分高いということがありましても、実際にはそれぞれ都道府県の実態において、地方の教育を振興させるについても、これは当然やらなければならぬ。従つて平衡交付金の算定は三百四十九円引いて渡してあるけれども、全国知事会としてはこれを昨年の十一月以前の給与ベースから三百四十九円を引いたものとしてベース・アツプをするという政府の指示には従うことはできない。こういうようにこの地方行政委員会に参考人として呼んだ場合に答弁をしているわけです。なお衆議院の予算委員会におきましても、これは文部大臣も御承知のように、自治庁長官である本多国務大臣も、大蔵大臣も、さらに河野主計局長も、地方財政のわくの中で、自主的に三百四十九円の問題について、これを引かないで渡すということについては、政府としては関与しない、こう言つているわけです。従つて文部省も御承知のように実際には小学校、中学校の義務教育の教職員は政府がいかようにきめても昨年の十一月以前の給与ベースから三百四十九円を引いて渡してはいないわけです。そこでただいまお話のございました、今回全国の府県を全部基礎にいたしましたこの千百五十五億円というものの算定の基礎は、ただいま御説明ございましたように、昨年十一月のベース・アツプ、これは元の給与ベースから三百四十九円引いたものに対するベース・アツプの単価をもとにして定めたのだ、こう言つている。そうすると、文部省では現実には義務教育全額国庫負担という名前はつけては見たけれども、実際には個々の教職員に渡る分については、現在支給されている給与ベースよりは個人個人については全部二千円ないし三千円、学校長に至つては七、八千円という給与が下ることになるのだが、そうするといわゆる義務教育全額国庫負担は義務教育についての国の責任を明確にし、さらに義務教育の水準を高めるといつているけれども、現実にはそうでなしに、個々の教職員に対するところの給与が、多くは八千円、低くて二千円というように下つて来るならば、これは明らかに義務教育の水準が低下して来ることである。もしも義務教育について国が責任を明確にするというならば、今まで都道府県知事会において昨年以来強硬に反対し、さらにただいま私が申し上げた通り実施している三百四十九円の問題については、今お話による千百五十五億円、これから富裕県の分を差引いた九百一億円についてはこれを見込んでいないことが明瞭になつたのだが、この点は文部当局としてはどうなさるつもりか、その点を私はひとつはつきりお伺いいたしたいと思うのです。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中(義)政府委員 国の財政措置として考えます場合に、一応国家公務員である国の教職員を基準にするということは、建前上やむを得ないと思うのでございまして、ただそれを実施いたします場合に、定員についても相当の余裕のあることでありますし、実際の個々の先生方について現在よりもこれを切下げた程度において支給するということはないように十分考えて、実施をいたすつもりでございます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 私は局長にお尋ねいたしたいのですが、そうすると、今回の教員の身分を国家公務員にし、さらに義務教育費を全額国庫負担にする場合に、あなたの方ではおそらく都道府県には通牒として国立学校教職員についての給与基準というものを明らかに示す。しかし現在出ているものについてはいかようなことがあつても下げてはならぬ。この点は文部省としてはそれぞれ都道府県に対して責任を持つてあなたの方でおやりになるのですか、これは非常に大事な問題ですから、局長でなしに、文部大臣から御答弁を願いたい。絶対に下げないということを文部当局としては都道府県に対してそういう指示を責任をもつてやることができるか。ただいまの局長の答弁ではできるというお話ですが、その点を明らかにしていただきたい。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 経過措置におきまして今仰せのように三百四十九円高い。しかし国家公務員としては三百四十九円低い定額によつてやるということになりますが、これは決して下げるということはしないようにわれわれは措置しよう、こう考えております。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 文部大臣から措置をするということでありますが、ただいまの局長の措置をするという内容は、これから算定をして都道府県に配当する教員の定数については、実際の教員数よりも余裕があるように定数を配置するから、たとえばある県については三万人の教員を配置したけれども、実際には二万五千人しか採用にならないから、その五千人の余剰人員のわくの中で、三百四十九円問題については考慮せよというように聞こえるのでありますが、そういう措置の仕方をするのですか、それとも明確に国立学校教職員についての給与準則を適用するのであるけれども、現在支給されている小学校、中学校の義務教育の教職員の給与については、絶対に引下げないというのですか。なお絶対に引下げないというのであるならば、その引下げないという分につきましては、おそらくあなたの方でも約百億円は違うはずです。実際に三百四十九円見込んだ場合の小学校、中学校の義務教育の全額国庫負担に要する費用と、三百四十九円を差引いた場合は約百億円違うのだが、実際には給与を下げないという場合においては、当然今国会において百億円足りないのだから、その百億円を追加するというのか、あるいはこの二十八年十一月から開かれるであろうところの補正予算をめぐる国会において、文部省は責任を持つて百億円を追加するというのか、どちらですか。その点をひとつ明らかにしていただきたい。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中(義)政府委員 単に余剰人員でもつてそれをまかなえというようなつもりではございません。経過措置におきましては、当分の間現状通りに都道府県の負担として、国が一定の額を交付しよう、こういう建前にいたしたいと考えております。従つてそれらの点については、従来とかわりなく実施してもらうようにいたしたいと考えておるわけでございまして、お話の点から申しますならば、あとの方のお話になろうと思います。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 私は本多国務大臣にお尋ねしたいのですが、今の点は非常に重要なんです。文部省は、教職員については絶対に給与を減額しないと言つている。減額しない場合においては、文部省の算定においても、年間を通して百億円違う。これは文部省自身が今回の算定にあたつて大蔵省に要求した原案を見ても明らかなんです。そうすると、実際に百億円足りないものをどうやつて支給するか。今も局長は文部大臣と相談をして答弁をされたようだけれども、これを都道府県の負担においてやると言つている。義務教育費国庫負担、しかも身分を国家公務員にしておいて、現実に全国で百億円足りないところの金を都道府県に対してLうなるほど経過措置としては、一応支払いは都道府県であるだろうけれども、実際に百億円足りないものに対して、その百億円は何とかお前らの財政のわくの中でやつてもらいたい、身分は国家公務員、しかも義務教育費全額国庫負担、こういうことが自治庁として都道府県に対してやれるかどうか、私は自治庁長官としての見解を承つておきたいと思う。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○本多国務大臣 平衡交付金の性質は、御承知の通り一般財源として交付するのでございまして、この使途について制限を加える考えはございません。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 もう一ぺん私は自治庁長官にお尋ねしたいのですが、私のお聞きいたしておりますのは、ただいま文部省の方から御答弁になりました九百一億円の内容です。大臣はちよつと今時間を遅れておいででございましたから……。義務教育費国庫負担に関する分は、大臣も御承知のように千百五十五億円である。そのうち富裕府県の分を差引いて、そうして残り九百一億円についてやるのだ。この九百一億円は、大臣も御承知のように、去年以来問題になつている三百四十九円を差引いた金額なんです。差引いた金額を渡しておいて、差引かないでやつてもらいたいということは、一体どういう財政上のうまい措置があるのか、ひとつここで教えていただきたい。そういううまいことがあるならば、三百四十九円の金は差引いて渡してある、現に全国で百億円足りない、その足りないものに対して、その百億円だけはうまいぐあいに引かないでやつてもらいたい、そういううまいことが一体地方財政の中でできるのかどうか。もしも百億円をやるということになるならば、それは地方財政の負担になるのだが、そのときに、身分を国家公務員にして拘束しておいて、地方財政のわくの中でやれということができるかどうかということを私はお聞きしておる。これは自治庁長官としての見解をひとつお聞かせ願いたい。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○本多国務大臣 この点は、国家公務員と地方公務員との給与の差額の問題でございますが、この問題の解決は、暫定措置ではできないと思います。これは今回の平衡交付金の一千七百二十億円という義務教育費国庫負担分を分離する前の計算におきましても、国家公務員に準じた計算でございます。従つて、これから分離した義務教育費の全額国家負担金の配賦も、定員定額で国家公務員に準じて配賦される、こうなつておりますから、国家公務員に準じた計算以上に高い部分、その部分についてはやはり地方で適当にこれをまかなうほかはないのであつて、その財源についても分離する前と同じでございます。すなわち、自治庁から交付いたしまする平衡交付金と、文部省から行く義務教育費の国庫負担分の交付金額は、大体一本で計算したのと同じになると存じます。その同じ金額をもつて現状通りのことをまかなつてもらうのでございますから、大体かわりがない。でありますから、国家公務員に準ずる計算でやりまする以上、地方が高いという分の解決は、やはり地方でしてもらうほかはない建前であると考えております。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 そうすると、私は重ねて自治庁長官にお尋ねしたいのですが、本多国務大臣はこうおつしやつている。これは一月十八日付の読売新聞ですが、十七日の閣議で義務教育費国庫負担の問題が決定いたしましたあと本多国務大臣は、記者団との会見においてこういうようにお話なさつている。一応私はそれを読んでみたいと思います。「基本的な点で全く文部省側に押し切られたのは面目ないが、余り大勢が激しいのでこれに逆うことが出来ずやむを得ず譲歩した。しかし教員の任免につき、地方団体に発言権を与え得たことは一応の成功と思う。今後この決定に伴つて必要とされる立法措置などは複雑なものがあり、相当な困難が予想されるが、とくに富裕県に対する場合、教職員の給料を国家が全然支払わず、身分だけを国家公務員とするのは筋が通らぬので、これに対する立法措置は問題となろうが、結局これで文部省は日教組の政治活動の封じ込みに成功したわけだ。」と、記者団との会見で話をしている。しかしこれは別に公報でもございませんからあえて私はここで、本多さんがこういうように言つたというようなことは言いません。しかし特に自治庁長官にお尋ねしたい点は、身分を国家公務員にしておいて、そうして義務教育費全額国庫負担というやり方で、文部省が算定をして渡すんだ、そうして都道府県に対して、今まで高い三百四十九円については従前通りお前たち払つてやつて行けよ、とこういうことを言うならば、そういうことを自治庁長官としても、自治庁としても承認するのであるならば、当然身分は国家公務員でなしに、本多国務大臣が記者団にも話をしているように、やはり教職員の身分は地方公務員であることが正しいと思う。この点について、やはり自治庁として地方公務員としての身分を保持するならば、今大臣がお話のように、三百四十九円問題については、地方の財政でまかなつてもらいたいということが言えるが、国家公務員にしておきながら、いかに経過措置であつても、これを地方財政のわくの中でまかなつてくれということは、筋が通らぬ。この点自治庁長官はどういうようにお考えになつているか、もう一ぺんお尋ねしたい。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○本多国務大臣 これは御意見の問題でございまして、全額もしくは一部地方負担で国家公務員という制度はあり得る制度でございます。従つて、それが適当であるかどうかということは御判断の問題でございますが、私は一部地方負担の国家公務員であつても、今日の義務教育の教職員を国家公務員にすることは、その地位の安定、さらにまた国家の責任を明確にするという大目的の点から妥当であると考えております。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 私は、田中局長に聞きたいのですが、今お話のように、やはり百億円金が足りないのですよ。三百四十九円の問題は何としても解決できない。あなたはそれを引かないでちやんと解決すると言うが、これはどうしてやるわけですか。やりようがございますか。それとも文部省の方としては、やはり都道府県知事に対して、実際は金が足りないのでやむを得ずこういう経過措置をしたが、ぜひひとつ差引かないで、その百億円については一応二十八年度の補正予算、十一月以降において政府にお願いするから、それまで待つてもらいたいとあなたの方はおつしやるのか。そうでないのだ、この九百一億円のわくの中で、絶対に差引かないでやれるのだ。三百四十九円を減額して、全国で百億円足りないものを引渡しておいて、その百億円についてはうまいぐあいに操作できるのだということについては、もつとあなたから具体的な数字をあげてこういうようにするのだという話がなければ、どの委員が聞いたつて、私たちは了解できないのです。この問題についてはつきりしてもらいたい。そうでなければ、実際には教員は三万人配当しておいて、二万五千人だけでやつておけ。五千人分だけは首を切るか採用しないで、その分だけを三百四十九円の問題に当てがえというのか、その点あなた方の文部省側の態度をはつきりしておいてもらいたい。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中(義)政府委員 三百四十九円の問題については、ただいま自治庁長官がお話になりました通りだと思つておりまして、私どももさように考えておるわけでございます。従つて先ほど申し上げましたのは、決して余剰人員があるからそれで全部まかなえるのだ、こういう意味で申し上げたのではないのでございまして、先ほどお話もございましたように、現在の基準が国としての基準以上によほど高い場合には地方においてめんどうを見てもらわなければならぬ分が出て来るかと思います。それらの点についての措置を遺憾のないようにするために、先ほど申しましたような経過措置を考えておるわけなのであります。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 私は局長にお尋ねしたいのですが、あなたは今自治庁長官と同じだというのですが、自治庁長官はどういうようにおつしやつたのですか、それをもう一ぺんお聞きしたいのです。あなたの方の文部省側としては、そうすると全国の都道府県に対して金が足りないから経過措置として、今年一年間は足りない分は従前通り見てもらいたい、そういうように言うというわけですか、その点をひとつはつきりしてもらいたい。その点が一番大事なのです。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中(義)政府委員 九百一億円で、いわゆる富裕県を除きました場合にはおよそやれるのじやないかと、私ども計算をいたしておるわけでございます。従つてその富裕県その他についての計算というものも、さらによほど的確にいたしませんとただいま確言はできないのでございますけれども、もしそれらの点についての不足分等が出ました場合には、結局地方負担としてめんどうかけるよりしようがない、こういう経過措置にいたしておるのであります。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 あなたにお尋ねしたいのですが、九百一億円というのは、さつきあなたが御自分で御説明なさつたように、昨年三百四十九円を引いた、いわゆる単価で支給しているのでしよう。そうすると、その単価で算定をしてやつたが、一応これでやれるという根拠はどこですか。実際には文部省側として三百四十九円問題については減額をして単価をきめたのだ。それで支給しておいて、一応これで三百四十九円高い問題は地方ごとに解決できるのだという根拠は何かというのです。その根拠は私が話したように、実際に教員が五十三万人の定員で予算を組んだけれども、十万人首を切つてしまえとか、十万人は採用してならぬとか、そういうようにして、その剰余分の給与総額を三百四十九円に当てはめるためにあなたの方では一応やれると考えたのか、どういうところにやれると考えた根拠があるのか、その根拠を明らかにしていただきたい。ごまかしのきかない数字を話しているのですから、数字ではつきり話をしてもらいたい。やれるだろうという、そんなばかな話はないはずだ、その点を明らかにしていただきたい。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中(義)政府委員 九百一億円に関します限りは、大体において先ほど申しましたような相当な人数についての余力もございますので、およそ現員現給と比較した場合にまかなえる見込みでございます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 そうすると局長にお尋ねしたいのですが、余力があるというのは、やはり結論とすると、あなたが基礎としてやられた義務教育の五十三万人分については五十三万人は充当できない、四十五万か四十八万かしかできないから、その残り八万人あるいは十万人分だけが浮くであろうから、これについて教員の現在の俸給を維持してもらいたいということが、あなたのほんとうの言いたいところなのか。余裕があるだろう、余裕があるだろうというのはどうもわからないのです。あなたの方で一学級五十人として算定することだつて実際に無理なんだ。たとえば北海道、東北等の各地域が広大で、人口が稀薄なところをあなたは初等中等教育局長として担当されておればわかるはずなんだ。一学級五十人でさえも無理なんだ。あるいは四十二人という算定をしなければならぬ場合も来るし、四十六人として算定しなければならぬ場合もあるのだ。あなたは初等中等教育局長として小学校の担当で、十五人しかいない、福祉学級で二十八人しかいない、そういうところが全国で非常に多いことをあなたは御承知なんだ。そういう具体的な資料を持ち、その責任の担当官である初等中等教育局長として全国の児童を平均五十万人で割つて行つて出て来た数でなお余裕ができるから、三百四十九円問題についてはある程度やれるだろうというのは、一体どういう根拠から出て来るのか。五十三万人を予定したけれども、実際は四十五万人しか教員は採用しないなら採用しないと、その点をひとつはつきりしてもらいたい。ただ何とかうまくやれるだろう、やれるだろうということは、それは予算の説明をしている以上は、何べんやつても了解できない。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中(義)政府委員 お話のように地方地方において小さい学校があります場合に、先生の数が多くいるということは当然のことでありまして、従つて先ほど申しました全国定数をそれぞれの地方に府県別に配分いたします場合には、その府県におけるお話のような実情等を十分考慮いたしまして、その実情に合うように配分をいたして行くつもりなのでございます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 実情に合わして配分したら人数はそれだけ一ぱいになるはずではないですか。どこに余裕があるか。そうすると人員で余裕がなければ当然三百四十九円を減額して渡すのだから、実際には個々の教員は減額されることになるではありませんか。それがどうやつて減額されないで済むという文部省の根拠はどこなのか、それは足りない分は都道府県に頼んでやつてもらうといえばそれでもいいのです。その点をはつきりしてもらいたい。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中(義)政府委員 定員の関係につきましては、大体実人員現員が約五十万と踏んでおるのであります。従つてそこに約三万人の余力もあるわけで。ございまして、決して一ぱいではございません。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 そうするとやはりあなたは三万人分だけの俸給総額を五十万人に割当てる、こういうわけですか。その点をはつきりしてもらいたい。あなたは三百四十九円の問題、全国総額百億円にわたる問題をどうするのかと私は聞いておるのですよ。だからあなたはそれが百億円については五十三万人と組んだけれども、実際には三万人はあらかじめこちらでは採用しないように、それぞれ都道府県に通牒をしておいて、その三万人の浮いた分で百億円の分について配分するのだ、それであればそのようにお答えをいただきたい。ただ三万人余ります、余りますと言つたつて、その三万人余つたことと三百四十九円イコール百億円の問題はどうなるのか、その点はつきりしていただきたい。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中(義)政府委員 大体その人員等について各府県に割当てます場合に、それだけの余力のあることは確かでございまして、従つて現状を元にいたします場合には、それでやれる見込みなのでございます。特別な事情でさらにふやすというようなことを、地方でおやりになれば別でございますけれども、一応今までの過去の実績なりその他からいたしまして、人員について減員をしなければならぬというようなことは起らない見込みなのでございます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 その点は委員長から注意していただきたい。私は局長からもつと誠意のある答弁をいただきたい。一体三百四十九円を減額してやる、あなたの方では減額をして金を渡したけれども、全国で三百四十九円高く渡してある金については、引かなくてもいいと言つておる、その引かなくてもいいという財源は、一体どこにあるかということを聞いておる。だからあなたの方で五十三万人定員は組んだけれども、実際は五十万人しか採用しないのだ、だから三万人浮くから、その分でやるのですと、こういうならそれでもいいのだ、その点はつきりしてもらいたい。うまくやれるだろう、うまくやれるだろうということは、どういうようにうまくやれるのか、この点はつきりしてもらいたい。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中(義)政府委員 大体三万人の余力等においてやれると考えておるのですけれども、しかしお話のように、それで足りないという場合が起りますれば、これは地方に負担を願うよりしようがないわけでございます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 私はそうすると文部大臣にお尋ねしたいのですが、ただいま初等中等教員局長のお話では、教員の定数については、五十三万人を組んだけれども、実際には五十万人しか採用しない見込みである、あるいは現存員五十万人と押えてある、従つて三万人分だけはよけいに組んだのであるから、この三万人分の、いわゆる一人約一万三千幾らの給与ベース、十二箇月分の三万人分について、三百四十九円の問題については、それを不足財源に充当してやらせるのであるというのが文部省の見解でございますか。その点を文部大臣に私はお尋ねをしたいのであります。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 この問題は地方財政と非常に関連がございますから、よく御了承願いたいと思います。ただいま平衡交付金で支給しておりますところの教員費、すなわち教育費のうちでも教員の給与、これは今度文部省が採用いたしました定員定額でやつておるわけでございます。そういたしますと、もし逆説的に申しますれば、今まで平衡交付金で、文部省が今回やらんとするだけの定員定額で勘定して地方財政は持てておるのです。でございますから、三百四十九円というものは、地方財政がちやんとそれを今まで払つて来ておるのでございます。ただ平衡交付金をひも付の国家給与とするということになつたばかりでございますから、私は三百四十九円は地方財政の中にメスを入れるべきものだろうと考えております。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 私は文部大臣にお尋ねしますが、地方財政の中にメスを入れるということは、聞きようによると、今の地方財政についてあなたの方で何か監督したり、監査したりするようなことに聞えます。しかし文部当局としてこの義務教育費全額国庫負担法を立案した精神は、私が申し上げるまでもなく、あなたが一番御承知なんです。義務教育についての国の責任を明確にして、義務教育についての水準を高めるというのです。そういう意味での義務教育費全額国庫負担であるならば、何も地方財政のやつかいにならないで、あなたは御承知のようにこの間の十二日の衆議院の本会議で、暮れに五十万人に及ぶ教職員については、国家公務員について〇・二五は支給したけれども、地方教職員についてはいまだに支給されていない、それはみんな地方財政が苦しいから支給されていない、そういう中であなたは一体義務教育費全額国庫負担という建前であるならば、当然地方財政に迷惑をかけないで、全額を国が負担するということが、法の精神からいつてもほんとうではございませんか。ただいま文相の答弁によると、名前は義務教育費全額国庫負担であるけれども、中身は違うのであつて、やはり地方財政に何とかお願いをしたいというのがその本旨であるならば、そういうように御答弁をいただきたい。  その点が一つと、それから初等中等教育局長が答弁されたことは、これは今後の地方財政あるいは教員の定員その他でただ単に地方行政委員会だけでなしに、非常に問題になることは、五十三万人を組んだけれども、実際には五十万人くらいで済むのじやないか。三万人はいらないのだ。しかし三百四十九円問題については解決しないから、見越してあるのだというのが初等中等教育局長の答弁なのですが、それで大臣も了承できるかどうかです。その点重ねてお尋ねいたします。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 メスを入れるという言葉がたいへんお気にさわつたようでございますが、私は地方財政をよく検討しなければならぬということであつて、文部大臣が地方財政を切開するとか、財源強制をするとか、そういう考えは一向持つておりませんから、これはよく御了承願いたい。と申しますことは、今まで平衡交付金でそのまま残つておりますれば、三百四十九円というものは、これは切つて平衡交付金法で地方に出してもらつているわけです。そういたしますと、現状をそのまま実行いたしますならば、すなわち今度の職員法というものを出しませんで平衡交付金にまかせてしまいますならば、三百四十九円は地方で負担をしておることです。その状態は今度はこれが平衡交付金から引き出して定員定額の文部省の案を実行いたしましても、実情はちつともかわらないから、その点において地方財政とよく話合いをしてみなければならぬと、こういうことでございます。  それから年末手当のことを仰せでございますが、私が今回そういうことを考えたのも、やはり地方公務員たる教員にはそういうことはできていない。国家公務員は年末手当をある程度ほかの職員と同じようにやりました。しかしわれわれとしては、地方五十何万人の教職員に対しては、国家公務員ではないから、これをやつてくれということは言えない立場です。やはり文部省といたしましては、地方公務員で、義務教育ことに一番大事な教育の職におる人に、ほかの職員がもらうにかかわらず、教職員がもらえないということは非常に悪いことだ、よくない、こう考えまして、私は出過ぎたかもしれませんけれども、国家公務員たる義務教育の職員に対しては年末にはこれだけ出したのだぞ、ということを各地方の教育委員会に通知したわけです。と申しますのは、ぜひやつてくれということは権限がございませんから、言い得ませんが、しかしこういうことがあるからということを参考に出せば、おそらく地方でもやつてくださることだろうとい考えで、われわれはしたのです。今回もしこれが国家公務員になりますれば、そういうような非常な苦しい立場でなくて、国家公務員としてやれる、たけのことは、やはり地方のどんな山間僻地におられる人でもやつて行きたい、こういう方法でございます。  それから全額とか半額とかいうようなことを仰せになりますけれども、これは御承知の通りに、昨年できました法律の、俗語で申しますいわゆる半額国庫負担、あれは半額とは書いてございません。義務教育費国庫負担法ということでございます。ただ問題は、昨年全額にするか半額にするかということで、たいへんな問題になつたものでありますから、その当時は半額しか支給しないというので、通俗の名称としては、あれが半額国庫負担ということになつた。今回はその半額国庫負担と趣旨が違う、すなわち全額やるのだ、という意味において、全額国庫負担、全額国庫負担と言われておりますけれども、法案の実際の名前としましては、その全額ということではございません。しかしただ御承知置き願いたいと思いますことは、少くとも日本の義務教育に従事しておられる教職員のお方は、東京のまん中で勤めておられるところの国立学校の義務教育職員と同じレベル、すなわち水準において、いかなる山間僻地にお勤めになる方にも、それだけの給与待遇というものはぜひ確保して行きたい、こういうような考えでやつた次第なのでありますから、その点はよく御了承を願いたいと思います。  それから、先ほど局長が申しましたのは、その通りでございます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 そうすると文部大臣の結論としては、平衡交付金の仕方で義務教育についてそれぞれやつてもらつたように、今回もやはり地方財政に何ぼかお世話になつてやつてもらうのだ、こういうわけでございますね。端的に言えばそういうことになるでしようね。三百四十九円問題については、やはり地方財政にごやつかいになるのだ、文部大臣としてはそういうように御答弁になつたと私ども了解しておいてよろしゆうございますか。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 暫定措置としてお説の通りでございます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 本多国務大臣にお尋ねしたいのです。なるほど経過措置としては都道府県の負担といいますけれども、今回義務教育費国庫負担という形で明確に出て来ました今日において、都道府県負担であるとは言うけれども、都道府県では、国できちんときめて九百一億がそういうように配分になつて来た、しかし実際はやれませんと言つて、それぞれ都道府県の条例で現在より下げてやる場合もある。現に昨年の十二月に岐阜県の県議会でそういう条例をつくつている。そういうように各都道府県で、義務教育費国庫負担の分が明らかになつたのだからといつて給与を下げる条例をつくつた場合に、自治庁としては、それは不届きではないか。文部大臣はちやんと現在の給与については下げてならぬとたびたび言明しているのだから、そういうことをするのは違法措置である。こういうように、あなたの方では、都道府県でそういう給与条例をつくつた場合に、これに関与される、これに対してただすことができるかどうか。これについて私はお尋ねしたい。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○本多国務大臣 私の方では平衡交代金一本でやつたときと同じ財政措置をするのでありますから、特別なことはやらないつもりでございます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 私は本多国務大臣にお尋ねしたいのですが、まず自治庁の長官としては、今度こういう法律をつくつたけれども、一財政上の措置については従前と何にもかわりはないんだ、そういう見解でございますか。その点ちよつとお聞きしたいのです。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○本多国務大臣 大体においてその通りでございます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 そうするとただいまの点は、自治庁としては、文部省で大分張り切つて義務教育費国庫負担というようなことをやつたけれども、実際は財政上の措置は何にもかわりがないんだ、こういう結論に達したというように自治庁長官から御答弁がございましたから、それでは私はその問題はそういうように了解いたします。  次にちよつと重ねて本多さんに私はお尋ねしたいのですが、あなたは、教員の任免につき地方団体に発言権を与えたことは一応の成功と思う——これは新聞記事でありますが、どういうように自治庁としては文部省と折衝なすつて、教員の任免について地方団体に発言権を与えられたのか、自治庁の方からお聞きをいたしたいのです。あとでまた文部省からもお聞きしますが……。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○本多国務大臣 御承知の通り、教員の給与について国庫負担になりましても、学校の維持につきましては、地方団体がその経費を担当することでもございまするし、また何といいましても地方団体として総合的に行政運営の責に任ずるのは市町村でございますから、その市町村の総合的な行政運営という立場から考えましても、学校の教職員の適否ということには非常な関心を持つておるわけでございます。文部大臣から市町村の教育委員会に任免権の委任がありました場合、その委任された権限の行使については市町村長に協議して行うということにいたしたいということで、閣議の了解を得たわけでございます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 本多国務大臣にお尋ねしたいのですが、実は今本多国務大臣が御答弁なさつたように私どももお聞きしておつたわけです。先ほど新聞を読み上げましたように、一月十七日の閣議では、教員の任免については市町村教育委員会は市町村長と協議の上でやるということに閣議の了解を得たので、不満足ながら一応了承したというように聞いて、今の御答弁の通りなんですが、そこで私は岡野文部大臣にお尋ねしたいのです。今度文部省の方で立案されるところのこの義務教育費国庫負担にからむ教員の身分等については、自治庁の長官が一月十七日の閣議で了解なさつているようにあなたの方では立法なさつているのかどうか。協議をするということになつておりますか。ところがどうもお話を聞きますとそうでもないようですし、その点は市町村の教員の任免がどういうようになつているのか。その点文部大臣からひとつお聞かせいただきたいのです。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野文部大臣 その方向で今立案しております。しかしただいま法制局で検討中でございます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 私は本多国務大臣にお尋ねしたいのですが、この点私はやはり今回の義務教育費国庫負担の中で非常に大事な問題だと思うのですが、今自治庁の長官としては、閣議の了解は市町村教育委員会と市町村長との協議だとおつしやいますが、協議ということになれば、これは両方とも対等です。ところがこれは新聞の報ずるところですから、まだ私たちもよくわかりませんが、本多国務大臣としてはあくまでもそれは市町村長と市町村教育委員会が協議でやるというように今でもお考えになつておりますかどうか。その点もう一ぺんお聞かせいただきたいのです。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○本多国務大臣 協議で行うということに閣議では決定したというように了解しておりますから、その線に沿うて成文化されることを期待しております。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 今の点非常に重要だと思うので重ねてお尋ねしたいのです。まあそういうことはないと思うのですが、一月十七日の閣議で自治庁長官としてそれを了解しているというのですが、文部省側の意向としては、そうでなしに市町村の教育委員会に市町村長が意見を述べることができる——意見を述べることができるということと、それから協議するということでは、これはもうただ言葉上の意味でなしに、非常な違いがあるわけです。そこでこれは今文部大臣からお話のように、立案中でおそらく意見がまとまらないのかもしれませんが、もしも文部省側が、かりに市町村教育委員会に市町村長が意見を述べることができるということになれば、自治庁長官としては一月十七日の閣議の了解事項とは違う、こういうように言えるのではないかと私は思うのですが、その点どうでございましようか。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○本多国務大臣 これはまだ成文化されたものを拝見いたしておりませんので、協議という趣旨をどういうふうに表現されるか。私は協議という趣旨は必ず貫かれる成文でなければならぬと考えております。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 私は文部大臣にお尋ねしたいのです。自治庁長官としては、市町村における教育の任免は、一月十七日の閣議の了解事項で、市町村教育委員会と市町村長と協議するという了解をしている。そしてなおその精神を貫くというのですが、この点文部省としてはどういう方針を貫くのか。その点ひとつ精神だけをお聞かせいただきたい。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 閣議決定の線に沿うて準備しつつあるのであります。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 私は岡野文部大臣にお尋ねしたいのです。それは〇・二五の問題について先ほど大臣から御答弁がありましたが、〇・二五の一つの難点は、教職員に超過勤務手当制度がなかつたところにあるわけです。そこで文部大臣は義務教育国庫負担で絶対にそういうことがないようにすると先ほどおつしやつたわけですから、そうすると当然今度の教職員の給与の中には、明確に超過勤務手当というものを載せることになるわけでありますか。そういうようにあわせて立案をしてお出しになるのかどうか、その点ひとつお聞かせいただきたいと思います。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中(義)政府委員 実は昨年の年末において、われわれも何とか地方の教職員の方々にも国家公務員並の手当ができるように思つて、いろいろ検討をいたしました場合に、研究をいたしてみますと、御承知の日直、宿直等も実は広い意味で超過勤務の扱いをすべきものでありまして、全然超勤制度がないというように言い切るわけにはいかないのでございます。しかしさらに将来の問題としては、超勤等についてもただいま検討を加えておるところでございます。それだけをお答え申し上げます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 私は初等中等教育局長に申し上げたいが、その日直、宿直手当が超過勤務手当と同じだということは、あなたは実際に全国五十三万の義務教育の職員を直接に担当している初等中等教育局長として不適当ですよ。あなたも御存じのように一箇月は三十日しかないのです。ところが五十学級になれば教職員は七十人もおるのです。そうすれば、あなたが十二月に超過勤務をやつたもので一月に払うものを十二月に繰上げ支給してやる場合には——十二月に宿直を何回やれますか。一箇月は三十日しかないのだから日直、宿直は三十回しかないのに、教員が七十人もおるところではどういうふうにしてやれますか。あなたが明らかにそういうように日直、宿直の手当とからんでそれが超過勤務手当制度と同じだというようなことを言うのは、初等中等教育局長としてだめです。そういう感覚であるから、年末の〇・二五は文部省としては押せないということになるのです。私は重ねて聞きたいが、〇・二五については、文部省として昭和二十七年の年末のようなことはさせないという以上は、超過勤務手当を国家公務員と同じようにこの義務教育費国庫負担法の中で明確にうたうのかどうか。いずれ考慮しますと言うが、先ほど文部大臣は去年の暮れにああいうことがあつたから、二度とさせないためにやるのだと言つている。そうすれば、この義務教育費国庫負担法の中に並立してはつきりと超過勤務手当というものを、あなたは人事委員会の方に法案としてお出しになるのかどうか、これをはつきりしていただきたい。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中(義)政府委員 日直、宿直のお話をいたしましたのは、それが超勤だ、こういう意味で申し上げたわけではないのでありまして、全然超勤制度は問題にならぬ、初めからないということではなかつたというわれわれの当時いろいろ苦労いたしましたことを申し上げたのでございまして、それはひとつ御了承いただきたいと思います。  なお今回の法案で超勤を明確に出すか出さぬかという点については、ただいま私がここで明確にはお答えできないのでございまして、われわれとして検討中でございますということ以上にお答えいたしかねるのでございます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 文部大臣にお尋ねしますが、先ほど文部大臣から非常に熱意をもつて、昨年暮れの教職員の〇・二五が支給になつていないのははなはだ遺憾だ、二度とああいうことのないようにしたい、そういうお話でしたが、二度とないようにするには、やはり国家公務員と同じように超過勤務手当制度をしかなければならない。ああいうふうに大臣は先ほど熱意をもつて話されたのですから——初等中等教育局長としては、まだ下僚だから考えていないかもしれませんが、大臣としては今国会にその法案を人事委員会に提出する用意があるのかどうか、その点ひとつお聞かせいただきたいと思います。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 お答え申し上げます。私は実を申せば、今度の先生の全額国庫負担法に没頭しておりまして、今度の国会にそういう法案を出すか出さぬかということですが、これはそういう成文化をしたいとは思つておりますけれども、おそらく出せないだろうと思います。  それからもう一つここで申し上げておきたいことは、これにはこういういきさつがあるのだと私は伺つております。もし間違つておつたら局長から直させますが、教職員に超過勤務手当はないのだという、そこで私昨年調べてみましたところが、これはうそかほんとうか知りませんけれども、教員には夏休みが一箇月あるじやないかとか、しかしそれでも超過勤務をしなければならぬことがあるじやないか、こういうときに、いやそれは号俸で、すなわち普通職員よりも二号上げて教職員のべースにしているからそれはいいのだろう、こういうようなことを私伺つたのです。しかしながら私のごく率直の意見を述べさせていただきますならば、同じように毎日国の仕事に従つている職員でありながら、一般職の人、すなわち教職員以外の人が年末とか盆、暮れに手当が出る。しかしながら教職員はそういうふうな措置がしてあり、また特別の何かがあるためにそういうものを認めておらぬのだということは、日本の国情に合わぬわけであります。進駐軍が来ましてから一般の国家公務員にもやはり盆、暮れの手当を出すということに難色を示した。しかしこれは日本の国情としては盆と暮れというのは、いろいろ入り用がありまして、どんな人でもそこに何かの手当があるべきはずであつて、また長年その慣行であつたのです。それが与えられていなかつた。しかし占領後の最終段階に至りましていくらかわかつてくれて、一箇月分を一年間の手当にするというような制度がしかれましたけれども、しかし私の考えといたしましては、年末手当や盆等の手当というものは、やはり初めからやることにすべきものだという考え、もし一般にやるとするならば、教職員もやはりそれに均霑するということにならなければならぬと私は考えておりまして、その方向に向つて私は十分なる準備をしたいと思います。ただ無準備でやりますと、またいろいろおしかりを受けますから、十分研究いたした上でやつてみたいと思います。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 本多国務大臣にお尋ねしたいのですが、それならば、地方行政委員会に自治庁としては法案を出されていないのですが、これから一体どういう法案を出されるのか。この間の本委員会において出されました昭和二十八年度地方財政計画などを見ますと、たとえば自治体警察廃止による不要額に関する調べ等においても金額が出ているわけです。そうすると、自治体警察については、世上いろいろ新聞には出ておりますけれども、本委員会においては何ら出ていない。あるいはこの前もお話がございました百五十億円に上る地方税が増額されるというようなことも言われますが、その点についても別に地方税法について何ら法案も出ていない。そうすると、本国会においては、この地方行政委員会にかける法案が何らないのかどうか。それともあるならば、一体どういう法案を予定されているのか、聞かせていただきたいのです。これは当然最初の地方行政委員会において聞くべきでありましたけれども、ちようど財政計画も出ましたから、一応予定されているものについてお聞かせいただきたいと思います。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○本多国務大臣 実は提案予定のものは、あるいは記憶漏れがあるかと存じますが、ただいま御指摘の自治体警察廃止に伴う減につきましては、すでにもう廃止されたものの結果でありますから、それに伴う法案はございません。しかし警察制度の改正が行われるとすれば、その問題は起きて来るわけでございます。そのほか地方税法につきまして考えておりますのは、所得税法の改正に伴いまして、基礎控除の引上げを行いたい。さらにまた欠損金の遡及しての繰上げ期間の延長等、これも所得税法の改正に伴いましてそうした改正を行いたいと思つております。それ以外は部分的には地方制度調査会等の答申をまつてやりたい考えでございますが、とりあえずの調整といたしまして、住民税の所得課税につきまして、税課税、所得課税、税引きの所得課税という三段構えになつておりますが、これが非常に複雑でございますので、大体において制限税率が平衡するような調整を加えたいということ、もう一つは定額課税のものを経済事情の推移にかんがみまして、これを調整いたしたいというようなことを考えております。  さらに町村の合併促進のための法案、これらも合併をしたがために、暫定的には平衡交付金の算定において合併前よりも不利益を受けるというようなものを何年間か緩和するような措置、その他そういうことに伴うものを出したいと考えております。  それから従来地方行政につきまして研修を行つて参りましたけれども、これをもつと組織的に拡充する意味において、自治大学の設置法というものを提案いたしたいと考えております。そのほか平衡交付金法につきましても、来年度の予算を算定するにつきまして、若干の単位費用等の改正が伴うのではないかと考えております。  大体そういう程度のところを今記憶しております。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 もう二点伺います。自治庁長官にお尋ねいたしたいのですが、この間十二日の本会議で、教職員をも含めた地方公務員についての年末〇・二五について善処いたしますという御答弁がございました。本会議ですからそれで終つたわけですが、ここではどういうように善処なさつておるのか。それからもう一つ、全国知事会においては政府にも要求があつたと思うのでございますが、この二十七年度末の赤字です。二十六年末においては赤字債を認めたわけですが、二十七年度末の赤字については赤字債をお認めになるかどうか、もしお認めになるとすれば、大体その総額は幾らになるのか、その二点をひとつお聞かせいただきたいと思います。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○本多国務大臣 年末手当の地方の措置に伴う国の地方に対する財政措置につきましては、御承知の通り来年度の平衡交付金、起債等も一応きめたことでございますので、それ以外に起債を増類する措置ということを目途といたしまして、極力大蔵省と折衝中でございます。しかし資金運用部資金等の関係でどうしてもできない場合には、あるいはもう少し便宜的な方法になるかもしれないのでありますけれども、目標といたしましては、どこまでも起債の増額ということを目標に、ただいま努力しておるところでございます。  その他地方の一般赤字につきましては、地方の財政状況の推移をまだ見ておるところでございまして、ただいまのところその赤字に対しまして融資するという計画はございません。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 そうすると、今の〇・二五については必ず見るわけですか。その点がただ善処だけではどうもはつきりしない。折衝なさつておるというのですが、その見方が自治庁次長等の話によりますと、どうもその点〇・二五については見ると言わないのです。今度各党共同提案による決議案が通つて決議になつておるわけですから、その点もう少しはつきりお聞かせいただきたい。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○本多国務大臣 これは本委員会においても明らかにいたしました通り、地方財政状況の推移にかんがみということになつておりますが、先般本会議で答弁いたしましたことは、閣議の了解を得て答弁したものでございまして、大蔵大臣ももちろん承知の上でございます。でありますから、この結末はぜひともつけなければならぬと考えております。

青柳一郎自由党

○青柳委員長 次に通告順によりまして石坂君。

石坂繁改進党

○石坂委員 簡単に文部大臣にお伺いいたしたいのでありますが、先ほど横路君との質疑応答の間に、この法案の名前が義務教育費全額国庫負担という名前じやないということは、まことに仰せの通りでありまして、私どもの手元にある文部省の案の要綱にいたしましても、さような名前はついておりません。なおただいままで要綱だけでありまして、法案が提出されておりませんので、いろいろ具体的のことをお聞きする段階にまだ参つておらないと思います。横路君の質問に関連をいたしますが、重複を避けまして、なお私は簡単に二、三文部大臣に伺いたいと思います。  元来この法律案は通俗的には義務教育費全額国庫負担、こういうふうに了解いたしておるようであります。これは必ずしも政府の責任とは言われないでありましようけれども、法案の要綱だけ見ましても、いかにもこれは羊頭狗肉の感じがいたしておるのであります。具体的のことはいずれ法案が出ましたときに、ぼつぼつお伺いいたしたいと思いますが、先ほど文部大臣なり本多国務大臣の御答弁を伺つてみましても、この給与費九百一億円と教材費の一部十九億円、合せまして九百二十億円の国庫負担というものは平衡交付金の千七百二十億円から支払われる、こういうことになるのであります。従いまして予算説明書を見ましても、平衡交付金は八百億円ということに減つておる。この両方をにらみ合せてみましたときに、この法案要綱の趣旨のように、義務教育費を国庫が支弁するということになりましたときに、地方財政に対して圧迫を加えることになりはしないか、この点が私ども多分に心配いたしておるところでありますが、この点につきまして文部大臣及び自治庁長官の御答弁をまず伺いたいと思います。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 私は平衡交付金の算定基礎を基礎といたしまして、そうして今回の負担法にしたわけですから、地方財政に対する圧迫を与えない、こう確信しております。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○本多国務大臣 ただいま文部大臣からお話のありました通りに、平衡交付金の中からこの義務教育費の財政需要額を算定いたしまして、それから富裕団体に不交付になりました分を控除して分離いたしておりますので、この制度のために特に地方団体が圧迫を受けるというようなことはないと存じます。しかし将来義務教育費国庫負担制度の充実は、これは地方財政にも好影響を及ぼすことでございますから、このことは私の方といたしましても大いにこれから希望するところでございます。今回の分離のために特に圧迫という点はないと考えております。ただ一点、教材費十九億円の分配の仕方によつて、少しは平衡交付金の不交付団体にまで行くということになりますと、交付団体に行く分がそれだけ調整を受けることになりますので、影響を受けることになりますけれども、これくらいのことは大きな目的のために、制度の改革でございますので、やむを得ないことかと考えております。

石坂繁改進党

○石坂委員 いやしくも義務教育費を国家が負担するということになりますれば、その地方団体が富めると富まざるにかかわらず、交付するのが理論上当然のことであると考えられるのでありますが、この要綱に従いますと、富裕府県には交付しないことになつております。その点について八都道府県に交付しないということは、理論的に考えまして本多国務大臣はそれでもよろしいという主張でありましようか、いかがでありましようか。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○本多国務大臣 これは暫定措置としてやむを得ないと存じます。もし同じように交付されることになりますと、地方財政の偏在性を一層強化することになりまして、決して平衡交付金の趣旨に沿わないと存じます。不交付と申しましても、たとえば東京、大阪のごとき、昨年と同じ財政事情の推移でありましたならば、義務教育費の国庫負担分は不交付になるのでありますが、不交付ならば現在も不交付でありますから、財政的事情はかわらない。また一部交付になるところもあろうと存じます。その一部交付になるところにつきましても、結局余剰部分は余剰部分としてそこに残るのでありまして、財政事情はかわらないのでございますから、全額交付をするにつきましては、どうしても根本的な財政調整を行つた上でなければ、かえつて地方団体間に財源の不均衡を激化することになりますので、今文部省がとろうとしておられる制度がよろしいと考えております。

石坂繁改進党

○石坂委員 しからば各都道府県の赤字財政との関係におきまして、今回提出されるこの法案は暫定措置として出す、こういう趣旨でしようか。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○本多国務大臣 文部省の今回の全額国庫負担は、根本的なものでなく暫定的なものである。根本的には将来国と地方を通じまして財政調整を行いまして、義務教育費全額国庫負担は負担で通す、しかも全国の地方団体間の財源の調整もできるという制度に行くことを目途といたしております。

石坂繁改進党

○石坂委員 この要綱に従いまして、国庫負担の方法は定員定額で支給する、そうしてこの点につきましては、先ほどから横路君と文部当局との間に質疑応答が繰返されたのであります。すなわち従来教職員は三百四十九円だけ高い、それを減額せずに支給するということについての一応の御答弁を伺つたのでありますけれども、私はまだ十分にその点了解できないのであります。かりに田中政府委員の言われます通りに、実人員五十万人、それを五十三万人として交付する、そういうことになれば、俸給を減額せずに支給した場合に、現在の教職員を首切らずにそのまま済むというお見込みであるかどうか、この点を田中政府委員に伺いたい。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中(義)政府委員 先ほど来いろいろお答えを申し上げましたように、五十三万人であり、一方実人員は五十万人だ——ただその際にちよつと私説明いたしておきたいのでございますけれども、決して三万人というものをわざわざ五十万人の人たちのために特にのけてとつておるというのではございませんで、財政措置で五十三万人が出、実際問題として約五十万人、こういうことで三万人の開きがあるわけでございまして、その点の誤解のないようにお願いをしておきたいのでございます。それで八都府県をのけまして、大体私どもは現在の現員現給に狂いのないようにこれを確保できるという見込みで、ただいま各府県への配賦等についての基準を検討しておるのでございます。

石坂繁改進党

○石坂委員 私は冒頭にこの法律案は羊頭狗肉である、そうしてこの内容については法案をつぶさに検討いたしました上で論議いたしたい、かようなことを前提に申し上げたのでありますが、先ほどからの田中政府委員の御答弁では減額はしない、現職員を首切らない、そのためには実人員五十万人だけれども、五十三万人の分の予算を計上した、かようなことに聞えるのであります。これはまつたく予算の編成自体がごまかしであります。かようなところに羊頭狗肉であるという私の論拠も一つあるのであります。文部大臣は今中座しておられますから、あとでお伝え願いたいのでありますけれども、いやしくも一国の文教の中心である文部大臣が、国の予算自体において、ただいま田中局長の言われるようなごまかしの予算を組んで、この法律案をつじつまを合せようというような態度は、私どものいかにも承服のできないところであります。こまかしの予算と国家の道義高揚という点につきましては、田中局長より文部大臣にお伝えを願いまして、文部大臣から確たる御答評を願いたいと思います。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中(義)政府委員 そういうお感じをお持ちなのも私どももつともだと思います。そのために先ほど申しました点について、さらにつけ加えて申し上げたつもりなのでございまして、現員現給として定員を考えておりませんで、実は従来財政措置としてやつておるのでございまして、その財政措置として先ほど申しましたような数字が年年出ております。それが現存も現員をとつてみます場合に、それだけの開きが出て来るという結果的なお話をいたしておるのでございまして、お話のように、初めからたくらんで、よけいに、ありもしないものをあるとして計算をいたしておる、こういう意味ではございませんから、ひとつ御了承をいただきたいと思います。

石坂繁改進党

○石坂委員 初めからたくらんでやらなかつたと仰せになりますけれども、ただいまの説明では実人員五十万人に対して五十三万人分の予算を組んでおる、こういうことはすでにもう明らかになつておることでありますから、それを最初からたくらんでやらなくつても、これを最初からごまかしでやつておることは間違いない、少くとも現在ただいまにおいてごまかしでやつておることは聞違いない。かようなことを政府みずからがやつて、文部省は文教の中心として道義の高揚ということがどうして得られるか、これにつきまして文部大臣の御答弁を願いたいと思います。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 お答え申し上げます。今ちよつと途中から聞きましたのでよく了解しませんが、おそらくあとの方の御言葉から判断しますと、文部省がうそをついて定員をとつたじやないかというようにも聞えぬこともない、こう思いますが、今まで平衡交付金で支給いたしておりますのも、やはりそういうふうなことでなければよりどころがないのです。実際のところは五十何万人あるはずのものが、それが一万何百の団体にわかれておつて、そうして学級数、学校数も数万ということになつておりますので、それを一々実際に押えて実態通りに経営をやつて行くというわけに参らないのです、事実上不可能です。それでございますから、いろいろ文部省で理論的に考えまして、児童数を五十で割つたものを一学級とし、それからこれはやはり不確かじやないかというおしかりをこうむるかもしれませんが、一学級に対して一人の担任教師があればしかるべきはずのものが、やはり一・五、すなわち一人半を当てる、また中学校の方では、一学級に対して一・八という基準を出して勘定しております。結局問題は、そのくらいの余裕を持たせておかぬと、いわゆる首切りをしなければならぬ、ほしい教員があつても定員が少いからとれぬ、こういうようなことになりますから、十分とは申しませんけれども、ある程度の余裕を認めて、定員定額ということをいたしておるわけです。ところでいろいろお話がございましたが、定員は文部省の理論的な今の基礎から行きますと、五十三万人あるのだけれども、実際は五十万そこそこしかおらぬのだから、あるいはそれをうまく利用できるのではないか、こういうように田中局長は申しておる次第であると考えます。

石坂繁改進党

○石坂委員 この問題につきましては、私もなお申分があるのでありますけれども、きようはそれをしばらく納ゆておきまして、この法案と地方財政の関係におきまして、もう一点伺いたいと思いますことは、先ほどからこの法案それ自体によつては、地方財政を圧迫するようなことにはならぬ、こういうふうな答弁であつたのでありますが、ベースも下げない、首切りもしないということで進めて参りました場合に、給与の問題はそれでいいといたしましても、学校教育の問題というものは、学校の先生方の給与だけの問題ではないのであります。学校校舎の問題、設備の問題等がおのずから伴つて参るわけでありますが、現在のところ、各学校の老朽校舎の数というものは、かなりの数に上つておるようでございます。時間の関係でそのこまかしい数字は省略いたしますけれども、年々風水害によつて崩壊する建物も出ておる。起債をやるにいたしましたところで、二十七年度には十五億円の起債のわくを四十億円に上げてある。しかし現在の耐用年限を超過しておる危険な校舎の改築、新築をやるといたしますれば、やはり百億円くらいの起債をしなければならないようなことになるのではないか、かように考えるのであります。この国庫負担の問題が出ましたときに、市町村の学校建築費に対する補助率というものは、おのずから限定されるのではないか。危険の迫つておる建物が相当多いにもかかわらず、そちらの方をそのままにしておくことは、その結果、まことに恐るべき損害の惹起を憂慮されるような状態になるのであります。さような場合におきましても、やむを得ず市町村といたしましてはそれを繰延べて、学校の先生方の給与をそのまま維持して行こう、こういうことになるのではないかと心配されるのであります。かような恐るべき危険を予想される学校の老朽廃校舎に対する補助率は、文部省といたしましては、従来通りの率でおやりになるのか、あるいはその辺の率が少くなりはしないか、こういうことが心配なのでありまして、この点特に伺つておきたい。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 学校の施設に対して、二十七年度で大体義務教育の施設が終つたというようなことに、私が就任以前に了解されておつたのでありますけれども、しかしそのあとから、人口増加とかあるいは風水害で倒れたとかいうようなことがありますので、事務当局の話を聞くと、落ちこぼれとかいうようなことがあるようでございます。その落ちこぼれの分につきましては、来年度は相当予算に計上してございます。それから今まで老朽校舎については、むろん学校の設備は市町村の責任でやつて行くのが原則でございましたけれども、しかしわれわれが見るところによりますれば、非常に古くなつたというのが百六十四万坪も全国にあるように伺つております。それから使用禁止とか使用制限とかいうのが四十八万坪ぐらいあるように聞いたものでございますから、これは早急にひとつ国庫でも少し補助をしなければいかんということになりまして、今まではそういうものに対しては国庫補助はしなかつたのでありますけれども、来年度は十二億円ほど予算をちようだいしたいと思いまして、老朽危険校舎の改築について、単に市町村ばかりに負担を負わせないで、ごく小部分ではございますが、国庫がこれを補助して、全校舎を改築してもらいたい、こういうようなことでやつているような次第でございます。

青柳一郎自由党

○青柳委員長 次に門司君。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 きようは非常に時間がおそくなつておりますので、簡単に一、二の問題だけを質問したいと思います。  まず最初に文部大臣にお聞きしたいと思いますのは、文部大臣が地方自治庁長官当時にこしらえられた地方制度調査会があるのでありますが、この制度が地方の行政の上に非常に大きな影響を持つことは御存じの通りであります。にもかかわらず、地方制度調査会が、政府にこれらの意向があるということを聞いて、一応文部大臣に出ていただいて、さらによく内容を知りたい、その上でわれわれも至急態度をきめるべきものであるならばきめたらどうか、しかもそのことが起りましたのは、自治庁長官であります本多さんから、文書によらざる諮問ではありますが、一応こういうものもあるという御説明等がございましたので、そういう態度に出たのであります。そのときに文部大臣としては、どういう理由であつたか出席をされなかつたのであります。こういう地方の教育に対してきわめて大きな変革を来そうとする——それは予算的にも、行政的にも、あるいは精神的に言つても大きな問題でありますが、地方制度調査会がせつかく政府の機関としてつくられておつて、そう長くないうちに、地方制度全体について検討をし、その結論を得て、重大な改革を行うときにあたつて、主管大臣であります文部大臣が出席できなかつたということは、われわれ非常に遺憾に考えております。この機会に文部大臣はどういうお考えで、あの地方制度調査会に出席されなかつたか、その点をひとつ明確にしていただきたいと思います。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 政府といたしましては、その当時本多長官からお話をお聞きになつたと思いますが、閣議のほんとうの決定はしていない案件でございます。そこで本多長官が自分のところの諮問機関であるから、自分だけ行つて話しておけばいい、こういうようなお話でございまして、私は閣議でそういうような話合いになりましたものですから、まあ出ないでもいいだろう、こう考えておりましたことと、いろいろその当時所用がございまして、時間がなかつたわけでもございます。そういうことでよう出ませんでしたが、あとから私が出ないためにたいへん皆様の御心証を害したということを伺つて非常に恐縮しております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 それは単なる言い訳だと思います。その当時出られた局長は、大臣の命令といいますか、お話によつて、概要の説明はするが、委員の質問には答えられないという態度をとられたのであります。大臣は今、所用その他のことでというようにお話になりましたが、実際は、御存じでなければ局長にああいう命令が出るはずがない。ですから、大臣の今の答弁ははなはだおかしいと思いまして、私は納得するわけには参りません。しかし事実、出ておられませんので、これ以上大臣を責めるという考えは持つておりません。しかし、その結果として、地方制度調査会では、この問題は国会に提案をされることを見合せてもらいたいという決議を、全会の決議として送られておるはずであります。このことは先ほどから申し上げております通り、政府みずからこしらえた機関を政府みずからが軽視することで、よくないことである。従つて、国の権威の上から申し上げましても一委員会の権威の上から申し上げましても、やはり一応の結論が出て、その上でさらに国会が取捨選択し、内閣がこれを考慮するのが当然であるという考え方のもとに、そういう決議が出されたのだと私は思つておりますが、この地方制度調査会の決議に対して、大臣はどういう御心境でおられるか、その点を承りたいと思います。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 お答え申し上げます。その決議があつたということを承りました。しかしながら、地方制度調査会は、その答申をまたなければものが決定しない、こうお考えのようでございますが、しかし政府といたしましては、明年度予算の決定を非常に急ぎまして、どうしても、これを一応解決しなければ予算が組めない、また予算が国会に提出できないという火急の場合に迫りましたものでございますから、一応本多長官から皆様方のお耳に入れておいて、そうしてやつて行きたい、こう考えた次第であります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 予算を組む必要があつたからと言われましたが、これは大臣の答弁としては非常に当を得ていないと思います。今教育制度をこういうふうに変革しなければ、一体国民のどこにどれだけの影響があるかということでございます。緊急やむを得ざる事項として内閣が組まんとする事項ではないと考えます。教育制度は国の大本をきめる制度でありまして、これが速急にきめられるものでもなく、またこれを速急に考えるべきでもないと私は思います。少くとも国の最大の重要な基本の一つの施策であります。ことに義務教育であります以上は、国民の生活、あるいは国家の将来に対する思想的影響を非常に大きく持つております制度が、単に二十八年度の予算編成を急いだからというのでは、理由にはならないと思う。この点、大臣はきわめて認識不足であると思う。もし大臣がそういう認識のもとに教育行政を行わんとするならば、私はきわめて危険であると思う。私は大臣の今の御答弁にきわめて強い不満の意思を表明するのであります。しかしながら時間もございませんので、これ以上本日の議論は避けます。  さらにその次に大臣の心境を聞いておきたいと思いますことは、そういう大臣のお考えでありますために、先ごろ全国の町村長あるいは町村議会さらに市あるいは市長、市議会、県知事あるいは県議会に至るまで、ほとんど全国の民主的な代表機関といい、行政機関が全部反対して参りましたあの教育委員会法が、やはり実行されておる。国民の全体の意思はおそらく私はあの法案には反対だと思う。これは自由党の方に、はなはだ言い過ぎる言葉で恐縮でありますが、もしあの法案を国民全体にお問いになるならば、どれだけの人があれに賛成したかということです。少くとも行政機関であり、国の公の機関でありますものが全会一致で反対しております以上、日本国民が全部反対したといつてもさしつかえない。国会の中でああいう形において賛成して、あの教育委員会法案というものをぜひ実行しなければならないということになつたのは、単にあの当時の自由党の二百八十名の代議士だけが賛成したのであつて、あとの八千万国民は全部反対であつたと思う。従いましてその結果はどうなつておるか。今日市町村会等の決議、決定を見ますと、あの制度はよくないから、ただちにかえてもらいたいという要求をしておる。しかも妥協的な案として、あれを諮問機関にしてもらいたいと言つております。一旦公選で、住民の意思決定をしたこの委員会が、単なる市町村長の諮問機関であつてはならないことは当然であつて、従つて市町村長の要求にも簡単に応ずるわけには行きますまい。去年の暮れ実施した法案に対して、今年もうすでに反対運動が起つておる。しかも事教育に関するきわめて重大な問題である。私は政府の不定見というか無定見というか、これよりはなはだしいものはないと思う。また今度の法案もその通りです。だれがこれに賛成しておるか。市町村長会議に参りましても、あるいはそれらの決議機関である議会の総会に参りましても、こういうことがいいということは言つておらない。全部反対しておる。国民あげて反対しておる法案であるということは大臣はよくおわかりのことだと思う。ことに自治庁の長官である本多さんといたしましては、この地方団体の要求とマツチする国の行政を行わなければならない立場にあるわけで、当然一応地方制度調査会に訴えて、その審議の結果にまつことが正しいとお考えになつたことは私は正しいと思うにもかかわらず文部大臣は単に予算編成に必要だからこれを急いだということについては、私は非常に不満に考える。従いまして、さきに教育委員会を設置されたということが、政府といたしましての一つのミスであつて、そうして、半年、一年たたないうちに、もう地方からこれの改正の要求をして来るという現実にかんがみ、やはり市町村全体が反対しておるこの問題を無理に通そうということは、政府のためによくないと考える。また国民は非常に迷惑をすると考える。ことに地方行政は、先ほど議論がありましたように、ある程度混乱を招くということは何人もいなめない事実である。一体政府がこういう事態にあつても、なおかつ緊急として大臣はこれを押し通そうというお考えがあるかどうか。これは今大臣の心境をお聞きすることは無理かと思いますが、委員会として一応聞いておかなければならないと思いますので、お聞きいたしますが、大臣は世論に反した、いわゆる民主政治であると言いながら輿論を無視した行政を強行しようということについて、もう少し考慮する余地があるのじやないかと思いますが、これに対する大臣の心境を伺いたいと思います。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 私はこの案を引込めるという考えは毛頭持つておりません。そうして全国にそういうほうはいたる反対の御意見がおありであるならば、おそらく国権の最高機関たる国会にそれが反映して、国会で適当な御裁断をくださるものだと思つております。私は自分自身この問題はいいことであると実は考えておるのでありまして、もしこの法案がほんとに出ました上で、皆様方からいろいろおしかりをこうむりましたならば、是正するところは是正してもよいと思いますけれども、この案は一応やはり国民の代表であり、同時に国家の最高機関であるところの国会に御判断願いたいと考えております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 一応行政的な手段としてはそういうことで御答弁願えると思います。しかしそれは危険なものの考え方である。あるいは少くとも立法しようということ、さらに立案するということのために準備を進められております政府、国会にこれを提案して審議を願おうとする政府の主管者であります大臣が、世論を無視したものを出しておいて、これは国家の最高権威だから国会がこれを取捨選択すればいいということになれば、一体文部大臣としての識見いずれにありやということになる。私は少くとも文教の府の長である文部大臣としては、やはり教育行政に対して十分なる見識と、さらに将来を見通した制度を打立てる経倫並びに抱負がなければならないと思う。にもかかわらず出しさえすればあとは国会がいいようにするからということになれば、これは何をかいわんやであります。私はそれ以上議論をすることはどうかと思います。しかし、重ねてお聞きいたしますることは、大臣の今の御答弁でありまするならば、これは、先ほど申し上げましたようなことで、国会に責任を課せられるということに相なると思いまするが、それなら大臣個人の心境として、輿論を尊重されるのか、あるいは自分の考えていることは、無理にでもこれを一応立法化してみようという、フアシズム的のお考えを持つておるのか。一体どちらであるか、はつきり聞かしていただきたい。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 むろん輿論は尊重いたさなければならぬ、民主主義であります。しかし、その輿論を決定するのはどこにあるかと申しますれば、結局、国会というものが、立法の権力を持つておるのですから、その国会が、その輿論によつておそらく動かされるだろうと思います。でございますから、当務者といたしましては、これが一番いいものだと、政府としては考えている次第であります。これをひとつ出してみまして、そしてそのいわゆる輿論というものが、正式のルートを経て国会へ反映して、適当に調節される、こう私は考えます。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 私は、どうもその点の大臣のお考えが、少し違やしないかと思うのです。大臣が輿論を尊重されるなら、大育のところに、相当の数のこれに対する反対の陳情が行つていると思う。従つて、もし大臣がそういうお考えでありまするならば、今反対陳情が参つておりまするその事態について、大臣の御答弁をこの際要求いたします。地方の要求は、地方財政に非常に大きな圧迫を加えるということ、それから地方公務員でありました従来の教員が、国家公務員になるということは、この案の内容にかなり大きなごまかしがあるということを言われておりまするが、私は、今このことには触れないで、外郭的なことだけ申し上げますが、この輿論が起つておりまするのは、地方の教育というものは、やはり地方の住民に最も基礎的なものを教えて行く、あるいは人間の完成に努めて行くというのが、小、中学校の一つの趣旨であつて、学問を教えるのは、それ以上の学校でいいのです。人間をこさえますのには、やはりこれらのものが郷土と密接な関係を持つて行くというところに、今日までの初等教育の重要性と、さらに基礎教育の最も大きな意義があつたと思う。これに対しまして、教員が全部国家公務員ということになつて参りますと、観念的に申し上げましても、国の役人が子供を教育するという形になつて来る。いわゆる自分たちの先生であり、自分たちの教師が、自分たちの子供を教えるという、その観念から違つて来ると思う。そういう面が心配されていると思う。その次に大きな問題は、画一的の考え方、いわゆる文部省がものを考えたことが、法律ができてしまえば、そういうことが必ず行われるということである。その次に問題の起つて参りまするのは、先ほどから議論されておりまするが、身分が三元化されておる。文部大臣が最終の権限を持ち、県の教育委員あるいは市町村の教育委員等がこれに参与することができるということであつて、教員の身分というものが支離滅裂になつておる。こういう教育の混乱を導くであろうということが憂慮されておりまするので、やはり相当の研究期間というか、相当の日にちをかけて、なおかつ十分に考えるべきであるということが大体の反対の趣旨になつておる。この中の、町村長から出て来ておるものの最も大きなものは、財政の処置であります。こういうものについて、一体大臣はどうお考えになつておるか、地方から出て参つております反対陳情が、一考に値するものでないとお考えになつておるかどうか、その点を、もう一つお伺いしておきます。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 地方からいろいろ陳情は来ておりますけれども、またそれに対して、私のやつておることに対し支持する陳情も来ております。でございますから、その判断を個人的にすることは、あまり独裁的でございますから、皆様方の御意見に従つてやつて行きたいと思います。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 私は、もし今の答弁がその通りであるとするならば、その反対の陳情を示してもらいたいと思う。少くとも、大臣のところに行つておる反対陳情は、私が考えますに、大部分は、地方の住民から公選された市町村長、市町村議会あるいは県の知事会、県議会というような、住民を代表した代表機関が、あげてこれに反対しておると思う。もし賛成するものがあるとするならば、個人の意見としては、おのおの見方がありますから、あるでございましよう。しかし、日本の現在の立場で、住民の意思決定を最終的にしようとすれば、やはり住民が選んだそれらの機関のいうことは、一応住民の意見として聞くことが、私は常識ではないかと思う。地方の議会、執行機関等が全部反対しておると私は考えておるが、これと個人の意見との比重を大臣はどうお考えになるか。もし大臣がそこではつきり答弁できるなら願いたい。どの市町村議会、どの市町村長会の会長が、政府の原案がいいといつて、大臣に激励の書面であるか、言葉であるかわかりませんが、賛同するようなことを言つて来ておるのか、その点を教えていただきたい。私の記憶するところでは、全部の自治体が反対しておると考える。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 お説の通り、各公共団体からは、陳情が来ております。支持するのは個人でございます。ですから比較になりません。その意味において、いわゆる地方自治体の輿論と申しますか、そういうものは反対だ、こういうことに聞いております。しかし、それによつてこの数年来、今まで全額国庫負担にしてもらいたいというような印象を受けておつた私の感じは、まだそれを解消するまでに至つておりません。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 私どもは、その点は十分考えております。そのよつて来る原因は、地方の自治体並びに多くの有識者から、小中学の義務教育に対しては、国庫負担にするということが正しいであろうということ、いま一つの意見は、憲法に無償とすると書いておりますので、当然無償でなければならぬというので、国が負担をするという考え方が、今まであつたと思う。従つてもし今度出します文部省案が、その国民の全体の期待に沿い得るものであつたならば、私は反対でないと思う。期待に沿い得ないから反対がある。今まで案の内容を一々議論されたが、その通りである。従つて政府は、単に自治体が、全額国庫負担にしてもらいたいという意見があつたから、その案の内容はどんなものであろうと、形式だけが国庫負担であれば、それでいいというが、それは、地方の公共団体の要求した案でないと思う。地方の公共団体の要求したものは、全額国庫負担にするならば、そのすべてを国家で持つていただいて、十分完璧を期していただきたい。しかも、それは国家の画一的教育をねらつたものでないと考える。主として財政の負担を国家においてやつてもらいたいということであつたと考える。この点は、文部大臣のきわめて大きな認識不足だと考える。案の内容は、地方の公共団体が承認するあたわざる、羊頭を掲げて狗肉を売るという言葉を使いますか、今まで要求いたして参りました要求に便乗して、およそ要求したものの考え方と相反するような案を出されたところに、私は、今日の反対の機運が非常に高まつておるのだと思う。そういたしますならば、政府原案自身が、あまりよくない案であるということは、はつきり言えると思う。こういう民衆の意に沿わざる問題は、さきの教育委員会の問題のときには、文部省は延期することを要求されておりましたから、文部省とは申しませんが、自由党の諸君が通したので、与党に聞かなければならぬが、いずれにしても、与党によつて形成されておる政府が、事教育問題に対して、ここに二つの大きな、国民の納得し得ざる制度を行われるということは、あまり私はいいことでないと考える。従つて、最後に私が聞いておきたいと思いますことは、文部大臣は、この法案を是なりとしてお出しになつたと言いますが、反対をしております大体の領域も、おわかりになると思う。従つてこれを撤回するというような意思はないというお考えである。しかも、国会でこれを審議するから、それにまちたいという、きわめて無責任な話でありまするが、それとこれを別にいたしまして、今杞憂いたしております、多く反対をされておりまする県等については、大臣は一体どのくらいの期間内にこれが是正される、というより是正するという御答弁ができるかどうか。これを私が聞いておりまするのは、財政的な問題にいたしましても、これは暫定的なものだ、こう仰せになつておりますので、これが暫定的であるとすれば、地方の住民の納得し得るような本ぎまりはいつされようとするのか、その点の見通しをお聞かせ願つておきたいと思います。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 お答え申し上げます。財政的措置は最近の機会においてやるということを、閣議で決定しております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 最近の機会と言われますけれども、もう二十八年度の予算は出ておるのであります。そうすると、この会期中に補正予算か何かでこれを処理されるのかどうか、その点ひとつ聞いておきたいと思います。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中(義)政府委員 ただいま大臣のお話の閣議決定と申しますのは、二月六日でございまして、義務教育費国庫負担制度に伴う措置について、昭和二十八年度当初予算における義務教育費国庫負担金は、当初決定した地方財政平衡交付金の金額の範囲内で決定したものであり、その措置は税制を改正するまでの臨時措置としてとられたものであるから、最近の機会において税制改正等所要の措置を講じ、すべての都道府県に国庫負担金を交付できるようにする、さような最近の機会において本来の姿に持つて行かれるはずであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 それは非常に重要な問題でありますので、念のために聞いておきたいと思います。この決定は、先ほどから横路君その他からいろいろ意見が出ておりますが、地方にまつたく財政的の負担をかけないということを意味しておるのでございますか、どうでございますか。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中(義)政府委員 この税財政等の改正がありました場合には、少くとも全部の都道府県に対して、所要の教育費を交付する、こういうことになるのがこの決定の主眼でございます。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 そうなつて参りますと、これは本多長官に一応お聞きしなければなりませんが、税法改正ということはきわめて大きな問題でありまして、そう簡単に、政府が閣議できめたように、近い機会になどというわけに行かないと思いますが、今度の国会にそういう根本的の税法改正をお出しになるという御意思がありますか。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○本多国務大臣 この会期中には困難だと思います。地方制度調査会等の答申をもまつて、ただいまも申し上げましたような最近の機会をとらえたいという趣旨でございます。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 私は、そういうことになるということが、大体政府の最後のねらいではなかつたかと考えておる。なぜそういうことを申すかといいますと、教育制度の今度の非常に大きな改革については、これが地方制度調査会にかかつて参りますと、なかなか簡単にこの問題は片づかぬ。そこで政府は十分承知していながら——ことに今の文部大臣の岡野さんは、前の自治庁の長官でありまするから、その間の事情は十分御存じのはずである。従つて強引にこの際既成の事実をつくり上げて、その上で地方制度調査会で大体これを基本としてきめて行くということが、政府の意思を全うする一つの陰謀というか、策略が必要だというような、きわめてずるい考え方、という言葉は少し当らないかもしれませんが、国会あるいは地方制度調査会というようなものを軽んじたものの考え方ではないかというように考えざるを得ないのであります。従つて今の本多さんの御答弁を聞いて参りますと、地方制度調査会の意見等をまつてということになつて参りますが、それでは文部省の今の局長のお話のように閣議決定から来るごく近い機会だと言われておりまするが、これは大きな誤りであります。地方制度調査会が教育制度に対して、地方では一体どういう形であるべきかということについての答申をするのは、相当先だと思う。相当先だということになつて参りますと、今これをごく近いうちに改革すると言われましても、これは自治庁の意見と文部省の意見が非常に食い違つております。事実上できないことである。一体文部省は、いつの機会にこれをされるのか、今度の機会に税制改正を行わぬと本多さんがおつしやる以上は、一体いつの機会に税制改革をされるのか、その時期はいつなのか。文部省は期日をはつきりしておいていただきたい。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中(義)政府委員 私どもでいつということのはつきりした見通しは立ちませんけれども、文部省としては、閣議決定の文字をすなおに受けて来たわけであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 そうなつて参りますと、これは非常に大きな問題になつて参ります。閣議できめられた以上は、閣内の意見は一致していなければなりません。そこでただいまの本多さんの御意見によれば、そう簡単にこれはできるものでないということは、私も納得が行きます。おそらく今度の機会に税制改革をするということは、できないと思う。そうすると、税制改革は一体いつ行われるかということの見通しはついておらなければならない。これは文部大臣に聞くのは無理かとも思いますが、むしろ内閣の首班でありまする総理大臣がどう考えているかということを聞くべきだと思いますが、一応文部大臣に聞いておきたいと思います。閣議決定が、文部省の主管に属することで、そういう決定を見ておりますので、文部大臣としては、一体いつごろ税制改革が行われるという見通しのもとにこれを暫定措置とされたか、この点について、もう一度御答弁願いたいと思います。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 最近の機会としておりまして、私の希望といたしましては、二十八年度中にこれをやりたいと考えております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 二十八年度にこれをやりたいというお考えであるといたしますと、政府は当初予算のときには、これはなかなか言えないことではございましようが、補正予算は出さないようなお考えにあつたように、私ども聞いておりますが、今の文部大臣の意見で、二十八年度中にこれをかえて行くということになるならば、勢い補正予算に触れざるを得ないと思います。補正予算は政府において最初からお出しになる考えで、これを暫定案としてお出しになつたように解釈してよろしゆうございましようか。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 私はこの際不交付団体等に出さないということでおわかりの通り、地方財政というもの、国の財政というもの、それを調節するのですから、補正をしなくても、税制その他の措置によりまして、入り繰りをしまして、この教育費が出せると思います。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 それは少しおかしい。税制改革をすれば、国の収入がふえたり減つたりすることは、わかり切つている。それをつじつまを合せて、そうして国税をこれだけ減らして、そのかわりにこういうものをこれだけ入れるという技術的なごまかしはできましようが、しかしわれわれはそういうことは納得ができません。少くも税制をいじくれば、どうしてもそこには出入りができなければならない。そうすると、これは補正をしない限りにおいては、困難だと思います。よしんば数字の上においてつじつまが合つたといたしましても、これは当然補正の措置をとらなければ、なかなか動かすことのできない問題じやないかと思う。しかし今の大臣の御答弁では、二十八年度中に税制改革をする、しかしそれは補正予算には関係がないというようなことは、われわれは承認できないのであります。きようは大分時間が長くなつておりますので、これ以上申し上げませんが、この機会に私が大臣にさらにお願いをしておきたいと思いますことは、きようは文部大臣がおいでになりましても、ここに文部省案の要綱すら示されておりません。従つてわれわれがうかがい得ました範囲内で、お互いに新聞その他を基調として質問いたしておりますので、多少食い違いがあつたかと思いますが、どうかこの次はぜひ、文部省の成案はなくても、要綱だけは資料としてお示しが願いたい。その上に立つて私どもは、なお文部大臣の出席を求めまして、地方財政に関する限りにおいてお聞きをいたしたいと思いますので、ひとつ委員長から資料の要求をしておいていただきたいと思います。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 今の資料の点について……。先ほど文部大臣から今までの小学校、中学校については、国立学校の教職員と同じ待遇にするというお話でございました。従つて同じ待遇ということになるならば、ただ単に給与の問題でなしに、一つの労働条件であるところの一学級当りの児童数、たとえば今までの国立学芸大学の付属小学校、中学校の一学級当りの児童数はどうなつておるか。これに対するところの定員はどうなつているか。当然国立学校と同じであるならば、先ほど初等中等教育局長から五十三万とはじいた人員、国立学校の一学級当りの児童数と一学級当りの教員の定員と同じ基礎に立つてはじいておると思うので、従つてこの点について、次の委員会に資料を出していただきたい。

青柳一郎自由党

○青柳委員長 ただいま文部当局に対して門司君並びに横路君より資料の提出の要求がありました。文部当局におきましては、その通りにおはからいを願いたいと思います。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 前に二月二日の委員会で、〇・二五の地方公務員に対する支給状況調査資料を提出していただきたいということを、委員長を通じて要求してあつたのでございますが、今もつてこの提出がない。それで委員長におかれましては、自治庁においては必ず財源措置をするのだから、これは黙つておつても地方公務員に支給されるべきであるから、資料の提出は必要なくなつたのだ、こういうぐあいにお考えですか。また本多大臣におかれましては、全部出すように措置するのだから、今のばらばらに支給になつておる支給調査表を出しても、それは意味がない、こういう立場でおられるのか。これに対して、委員長と大臣の御見解を伺いたい。

青柳一郎自由党

○青柳委員長 この際私より自治庁当局に対して申し上げます。前々回の委員会におきまして、昨年末全地方公務員に対する〇・二五の問題に関し、各府県別の資料を要求してあるのでありますが、いまだにその御提出がありません。すみやかに御提出願いたいと存じまするが、自治庁御当局はいかにお考えになつておられますか。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○本多国務大臣 これは今報告を徴しておるところでございまして、まとまりましたならばなるべく早くお示しいたしたいと思います。

青柳一郎自由党

○青柳委員長 次に床次君。

床次徳二改進党

○床次委員 たいへんおそくなつてから恐縮でありますが、譲りました同僚議員の質問が非常に長くなつたものですから、簡単に二、三申し上げます。  先ほど横路委員からも質問がありましたところの地方教職員の俸給の差三百四十九円ですか、これを今後教育費の中に含むとすれば、およそ百億円と言つておりますが、数字は大体幾らになるか、ひとつ局長からお願いいたします。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中(義)政府委員 はつきり幾らになりますか、具体的な数字等は、いずれ計算をしてお答えいたしたいと思います。

床次徳二改進党

○床次委員 次に自治庁の長官にお尋ねいたしたいのでありますが、先ほど来の議論によりまして大体明らかになつたのですが、最後にもう一回お尋ねしたいのであります。三百四十九円の差額につきましては、府県は負担義務があるかどうか。出すだろうというようなお話のようにも聞えるのでございますが、義務があるかないか。私は義務がないと思うのですが、自治庁長官はいかようにお考えになりますか。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○本多国務大臣 政府として負担を命ずることはできないと思います。

床次徳二改進党

○床次委員 この点は一部は都道府県が負担するということになつておるのでありますが、三百四十九円は、いわゆる基準財政需要額の中にも見えないのであります。しかし実際においては、過去において出しておつた。その前提のもとに政府は考えておられるのでありますから、引続いて各府県は出すものという前提のように承るのでありますが、その場合には、各府県はやはり束縛を受けるもののようにも見られるのでありますが、この点は政府といたしましては、義務でない、各府県の任意であるというふうにお考えになつておられるか、その点を確めたいのであります。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○本多国務大臣 これは義務教育費全額国庫負担に伴う問題になつて参りますので、平衡交付金制度のときと少しく関連が違うのではないかと思われます。従つてその点については文部当局から御答弁願いたいと思います。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中(義)政府委員 とりあえずの経過措置としては従来通りということを期待いたしておるのでございます。

床次徳二改進党

○床次委員 ただいまの御答弁は非常に不明瞭で満足いたしませんが、時間がありませんので次の問題を伺いたいと思います。  富裕府県に対しましては、暫定措置として国庫からは負担をしないということになつておりますが、この問題は富裕府県という考え方いかんによると思います。今の標準財政から見まして富裕府県であるというにすぎないのでありまして、決して当該都道府県がなすべき仕事を十分なし尽して、なお余りがあるというのではないと思うのであります。この点に関して自治庁長官はいかようにお考えになつておりますか。私は富裕団体だからといつて、さしあたりこの負担を国が負わないということは、はなはだ間違つておると思うのでありますが、この点について伺いたいと思います。  なおこの取扱いをいたすことによつて、地方財政と国の財政との間に非常に混乱を来して、本来から申しますならば、ここに浮び上つて参ります二百五十億円は、都道府県が当然得べき国庫の補助だと思うのであります。それを国費がないからといつて、ことさらこれを削る形になつてしまうのだと思います。むしろこの金は他の都道府県にわけてしかるべきものだと考えますが、この点に関して大臣はいかようにお考えになりますか、伺いたいと思います。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○本多国務大臣 御趣旨の通りになつておるわけであります。なお基準財政需要額から計算いたしました千十二億、それから富裕団体に交付すべき金は、他の府県に交付することになりますために控除して九百一億。それですから富裕団体に行くべき金が他の方へまわるという関係は従来と同じことでございます。さらにまた義務教育費全額国庫負担の制度を確立する以上は、富裕団体といえども、まだ財政が困難でございますから、一貫して全額を交付すべきではないかという御意見については、これは将来の問題でございますが、これは国と地方を通じての国力の問題でございまして、今財政に対する平衡交付金制度をとつておりまする趣旨からいたしますと、できるだけ財政の平衡という方向へ行きたいという考えでございますので、余力ができればそういうことを考えてもよろしいと思いますけれども、暫定措置としてはやむを得ないと存じております。ただいま申し上げました通り、基準財政需要額で算定したものをそのまま文部省へやりますと、お話の通りになります。  それから富裕団体に交付すべき金額は、それは富裕ならざる府県に配分される平衡交付金の財源でございますので、そうしたものを引いたものを分離いたしております。

青柳一郎自由党

○青柳委員長 今日は他に御発言もないようでありますので、この程度で散会いたします。次会は十七日火曜日、午後二時より開会いたします。     午後一時三十一分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗