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15回国会衆議院1952/12/04

地方行政委員会 第7号

発言数
117
登壇者
11
会派数
4
開催日
1952/12/04

会議録

青柳一郎自由党

○青柳委員長 これより会議を開きます。  昨日に引続き、地方財政に関して調査を進めることといたします。まず鈴木自治庁次長より資料についての説明を求めます。

鈴木俊一総理府事務官(自治庁次長)

○鈴木(俊)政府委員 それではお手元に配付申し上げております「全国知事会、市長会及び町村長会の地方財源増加要望額と政府測定の地方財源不足額との比較」につきまして、団体の方の数字はわかつておるのでございますが、具体的によく承知していない面もございますので、承知しております限りにおきまして御説明を申し上げたいと存じます。  政府と知事会あるいは市長会、町村長会との比較におきまして大きな差異のあります問題は、この1の「給与単価調整額及び給与引上げによる給与関係費の増」、これと4の「旅費、物件費等の節約による減」、それから7の「地方税の増減収」、8の「税外収入の増収」、9の「赤字債」、こういう点が主たるものでございます。ことに団体の中で道府県と市町村で若干違いますが、それは、市町村におきましては11の「その他」というところの市町村の欄をごらんいただきますと、「地方債要増加額」といたしまして市長会が百七十二億、町村長会が二百四十四億ということで、起債につきましての増加要求が特に多いわけでございます。ところが府県の場合におきましては、やはり今申し上げましたような観点からいたしまして、これは財源不足額ということで、その振りわけにつきましては、必ずしも地方債を特に要望しているということではなくて、財源不足額ということで出しておるわけでございまして、性格から申しまして交付金増加要求のものが多いように思われるのであります。その点が道府県、市町村の総体の感じとしてあるのであります。そこで1の「給与単価調整額及び給与引上による給与関係費の増」であります。知事会が二百五十四億、自治庁が百九十一億、比較いたしまして六十三億という違いでございますが、知事会の方では大体昨年行われました財源措置の場合におきまして、道府県職員につきまして四百六十二円、教員につきまして三百七十五円というふうに違いを調整しておるわけでございます。その実態の給与と、政府が国家公務員の基準で考えました財源措置との間の開きがある。その開きを実態に即して見るべきであるということで六十三億よけいに要求をしておるわけであります。市町会、町村長会につきましてもよく細部のことがわからないのでございますが、大体さような考え方に立つておるのではないかと思うのであります。  それから4の「旅費、物件費等の節約による減」であります。これは知事会の方では見込んでいないのでありますが、自治庁としては二十八億見込んでおるわけであります。市町村の方は三十二億見込んでおるわけでございます。計画では四十九億になつておりますが、この旅費、物件費の節減は、二十七年度予算におきまして旅費一割、物件費五%の節減をいたしておりまして、本年度の基準財政需要額から標準財政需要額を引直しまして、その中から給与費なり旅費なりを除きまして、物件費からは五%、旅費からは一〇%というものを見込んでいるわけでありまして、この点を見込むか見込まないかで違つておるわけであります。  7の「地方税の増減収」でありますが、知事会におきましては約二百億の減収があるということを言つておるわけでございます。その主たるものは、法人事業税あるいは個人事業税等がいずれも相当減収になる。それから入場税、遊興飲食税の法律上の減税によつても、やはり相当減収になるということで二百億という数字を出しておるのでありますが、自治庁といたしましては、財政計画の方で先ほど御説明申し上げましたように、総体としては十億増収、府県税におきましては三十二億の減収、市町村税におきましては四十二億増収になるという見方でございまして、従つて百六十八億の開きがあるわけであります。それから市町村の方は、税につきましては大きな違いはございません。税外収入の増でありますが、これも知事会の方は全然見込んでいないのでありますけれども、自治庁といたしましては二十五年度と二十六年度の税外収入の延びを見ておりまして、二十六年度の決算見込みの見当か大体つきましたので、その延びによりまして二十六年度から二十七年度における税外収入の増も同じ程度に考えて参りますると、当初の見込みがやはり少くなるというふうに考えるのであります。百九十五億というのが税外収入の数字であつたと思いますが、それはちようど二十六年度の決算と同じ数字でございます。それに対して二十五年から六年に至ると同率の延びを見たのが三十四億であります。  二十六年度の赤字債の四十億というのがありますが、昨年度末のいわゆる緊急融資として、八十億政府から融資いたしたわけでございますが、その半額余りのものを赤字債として、やはり財政規模の上で見て行かなければならないというのが、知事会の主張のようでございます。しかしながら政府といたしましては、できるだけ均衡財政の実をあげてもらいたいという考え方から、これを不足額の中に見込むことは、いかがかと考えて落した次第であります。  なおそのほかに比較的開きの大きな数字としては、第五の「物価騰貴による一般物件費の増」というのがございます。これにつきましては、当初計画におきまして百五十億余りのものを、物価騰貴による増加経費として財政計画上見込んでおりますので、最近の物価の横ばいの状況等から考えまして、さらにこれを見込むことはいかがかと考えて、これは自治庁としては見込んでいなかつたのであります。知事会は十二億見たわけであります。大体さような点が主たる相違でございます。市町村の方におきましては、最初に申し上げましたように起債要望額が多いわけでありまして、これは戦災復興でございますとか、その他の公共事業費等の充当率が何と申しましても低いものでありますから、さようなことからこの辺の経費を多く地方債として要望したいという気持があるのであります。  大体主たる差異といたしましては以上のような点でありますが、なお御質疑によりましてお答え申し上げたいと思います。

青柳一郎自由党

○青柳委員長 御質問ありますか。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 もう一回聞いておきたいのでありますが、九の赤字債の問題であります。この赤字債は自治庁はどういうふうに見られているか。今の説明でありますと、大体八十億くらい融資したものの中の四十億ということで、それは一応いいといたしまして、この機会に赤字に対する政府の考え方をお聞きしておきたいと思います。地方財政の中で一番今問題になりますのは、赤字であるか黒字であるかということで、財政上の問題としては概括的に黒字であるという見方、しかしこれは必ずしも黒字でない。たとえば大阪市の今の状況を見てみますと、なるほど黒字の形が出るような数字が出て参ります。しかし内容を見ますと事業繰延べによると黒字がたくさんある。事業をすれば赤字になる。これは大阪だけでありません。各都市とも、あるいは町村とも、事業上そういうことを示しております。はなはだしいのは、事業年度において補助金その他を一応もらつているが、しかし実際の仕事をしておらない。帳面づらだけはそれが繰越されて黒字になつているが、やれば完全に赤字になるということになつている。こういう実質的の赤字も、ただ帳面の上では黒字というふうな、まつたく正反対の形が今日の地方自治体の中に出て来ているのであります。従つていいかげんのときに思い切つた地方自治体の処置を講ずるようなことにしないと、いつまでたつてもこの赤字と黒字の相違がわからなくなつて来る。自治庁のお考えはどういうお考えか知りませんが、われわれの考えからいたしますと、そういう純然たる赤字というものについては、やはり何らかの処置を講じてやるべきではないか。非常に放漫なことをやつている場合においてはこれはやむを得ませんが、しかし赤字自体についてはそういうような考えでやるべきでないかというように考えられるが、この点に対する当局の御見解をこの機会にお聞かせ願いたい。  その次にもう一つ聞いておきますことは、給与の問題はあとで知事あるいは労働団体の代表者の方から、いろいろ意見があると思いますから、それを聞いた上でさらに考えたいと思いますが、第四に「旅費、物件費等の節約による減」と書いてあります。これは当初予算ですでにこういうことを言つてあるはずでありまして、補正予算にこういうことを自治庁が考えることはおかしいと思う。当初予算のときに無理だ無理だというやつを、五分の節減をして予算に組めということをやつているのに、ここへ来てまたこれをしいることになれば、これだけのものを地方の自治体は圧縮しなければならぬと考える。また同時に旅費とか何とかというものはだんだんふえて来るのがあたりまえである。自治体といたしましては、こういう自治庁の見積り方では非常に仕事がしにくくなると思う。当初予算を組むときにすでに五分減というものが出て来ておつた。その上にまた補正予算のときにおつかぶせて行くことになると、地方の自治体は非常に苦しむということになると思いますが、これはどうなんですか。当初予算のときに最初からきまつておつたものは追加予算に載せなくてもいいと思うが、自治庁ではちやんと出して来ている。従つて自治体の方から言つていないが、自治庁はなお補正予算で削ろうとしているということになる。私はこの点だけはふに落ちないのですが、どうしてこの二十八億だけこういう形で削らなければならないか。当初予算と補正予算との関係をひとつお聞かせ願いたいと思います。

鈴木俊一総理府事務官(自治庁次長)

○鈴木(俊)政府委員 最初の赤字の問題でございますが、赤字団体が都市の場合等におきまして数が相当あることは御指摘の通りでございます。この赤字の中にはほんとうに純粋の赤字と、それから何といいますか、そうでない赤字と、両方あるわけでございます。政府の考え方といたしましては、たとえば昨年度の都道府県の財政について当初相当赤字が予想され、年度末に八十億の緊急融資をその意味においていたしたわけでありますが、二十六年の決算見込が大体明らかになつて参りますと、税収においてやはり二百億も計画を上まわつておつたというようなこともあるわけでございます。さような点からやはり財政運営を適切に行いまするならば、赤字というものは相当これを解消することができるのではないかというふうに考えておるのでございます。御指摘の五大市等におきましては、ここ数年非常に赤字があることは峯でございますが、しかしだんだんと赤字を解消する努力をせられ、逐次これが解消されて行くのではないかというふうに考えておるのであります。もちろん平衡交付金の算定におきまして、基準財政需要額の算定がだんだん改善されて参りまして、今日におきましてはほぼ実情に近いものに、だんだんなつて来たと思うのでございますが、しかしなお大都市等につきましては、ことに人口が急激に増加するというような、さような事態に応じ得る財政需要の算定が、まだ必ずしも適切に行われていないというようなうらみもあるのでございまして、これらの点は私どもといたしましても、将来の改正の際には考えて参りたいというふうに思つておる次第でございます。また基準財政収入額の見方につきまして、これはいずれも年間の見通しを年度開始前に立てるわけでございますから、しかもそのころにおきましては前年の決算というものはわかりませんし、結局前々年度によるわけでございます。さようなためにそこに若干の見積り等におきまして齟齬を来すことがなきにしもあらずでございまして、基準財政収入の測定は非常に困難であるわけでございます。さような交付金制度の運営の上におきまして、なお改善を要することによつて、不当な赤字というものを解消することは、政府として、あるいは自治庁として努力いたさなければならないと考えておりますが、しかしながら、同時に各自治体におきましては、戦争中公共事業がすべて押えられ、あるいは公共施設が破壊されるというようなことで、戦災復興あるいは戦災でなくても、老朽の改築というようなことで、一時にあらゆる仕事が手をつけられなければならないような状態になつておりまするために、いきおい財政力を越えた事業を行うというような傾向が見られるのでございまして、さような点はやはり財政力と見合つて計画的に順次やつて行くようにしてもらいたい。赤字ということは、財政運営のやり方によつて、相当解消できるというふうに考えておるわけでございまして、さようなことを自治体の当局には、かねて要望いたしておる次第でございます。  それから第二の旅費、物件費の節減の問題でございますが、これは政府におきましても、今年度の実行予算といたしまして、過般から閣議決定によりまして、旅費の一割節減、経費の五%節減ということを実行いたしておるわけでございまして、地方ももちろん楽ではありませんけれども、しかし政府のさような考え方で実施いたしております政策につきましては、地方についてもやはり同じような考え方で、これに臨むほかはないという考え方から、旅費物件費につきましては、政府と同じような程度の節減をはかつてもらいたいということで、かようなことを計上いたした次第でありまして、その点御了承願いたいと思います。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 最初の旅費の問題は、私の考え違いかもしれませんが、私は当初予算のときに、大体これは五分の節減を見込んでおつたと思いますが、これは誤りですか。

鈴木俊一総理府事務官(自治庁次長)

○鈴木(俊)政府委員 これは行政整理によります節約という意味で、四十七億あまりのものを計上しておりますが、その際に職員につきまして、いずれも五%減ということをやつておるわけでございますが、そのほかの節約は特に見込んでいないわけでございます。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 そうだといたしますと、問題になつて参りますのは、中央がそういう事態になつておるということから、地方にこれだけのものを見込むという、一応筋の通つたお一話でありますが、しかし、私はこの機会にお聞きしておきたいと思いますことは、地方の旅費、それから物件費というようなものが節約し得る状態にあるかどうか。私はこの間から市長会に参りましても、あるいは町村長会に参りましても、ほんとうの旅費関係をひとつ出してもらいたい。いわゆる今日の行政のあり方がよければ、ことに財政の関係では地方平衡交付金あるいは補助金等の関係で、地方の町村長、あるいは議員が上京しなければならないというのがたくさんあるのであります。もしそういうことがなければこういう上京の必要はないのだということを、ひとつ明確に知らしてもらいたいということを、私は町村長会に行きまして、あるいは市長会に行きまして、そしてその資料を私は集めたいと思いますが、自治庁はそういうことをお考えになつたことがあるかどうか。今日地方の自治体の旅費というものは、実際上の問題で来たくて来ているわけではないと私は考えている。地方平衡交付金にいたしましても、補助金にいたしましても、とにかく来なければもらえないから来るのでありまして、地域給の問題にいたしましても、村長さんが中央に出て来なければうまく行かない。中央の政府が、実際旅費の膨脹を行政の上からしているような形になつておる。この点について、自治庁はいつかお調べになつたことがあるかどうか。私も今調査を進めておる途中であつて、はつきりした資料を持合せておりませんが、もし平衡交付金を今のような形でなく、あるいは補助金、地域給の問題で、地方から陳情しなくてもいいようになれば、ほんとうに地方の事務のために使う旅費と、政府の施策が悪いので仕方なくこういうことをしなければならないということのために使う旅費と、相当開きがあると思う。旅費の節減も必要でございましようが、国の方がそれをしいておる。実際問題として平衡交付金をよけいもらおうとすれば出て来なければわからぬ。一方においては、行政上の立場から旅費を使わなければならぬようにしいる、といつては言い過ぎるかもわかりませんが、事実上はしいるようなことをしておいて、一方において節減しろということでは困ると思います。それで私はむだな旅費というものが、行政上どのくらいあるかということを、自治庁はお調べになつたことがあるかどうかお聞きしておきたい。

鈴木俊一総理府事務官(自治庁次長)

○鈴木(俊)政府委員 地方から中央にいろいろのことで、陳情に出かけて来るということにつきましては、御指摘のように、やはり陳情によつて、たとえば若干でも補助金をよけいもらうというようなことのあることは、否定することのできない事実でございますが、ただそれにいたしましても、実際必要以上に多くの人が出かけて来るというようなことが、事実なきにしもあらずの状況でありまして、一人でいいものを五人も十人も同じことを言いに来るというようなこともあり得るわけであります。さような場合に一割節減ということでありまするならば、十人来るところを九人で済ましてもらいたい、こういうことでございまして、旅費の節減ということは、苦しいに違いございませんけれども、やつてできないことはないであろうというふうに考えておる次第でございます。地方のさような旅費がどのくらいあるかというようなお尋ねでございますが、これはお手元に配付いたしました修正財政計画の八ページのところに「旅費、物件費等の節約額に関する調」というのがございますが、ここに基準財政需要額から旅費としてはじき出しておりますのが、百九億であります。これは基準財政需要額でございますから、概略これの三割増くらいのところが、すなわち約百三、四十億のところが、地方の旅費というように考えておるわけでございますが、その一割、すなわち約十四億余りのものを節減していただきたいというのが、この考え方であります。真実に必要なる旅費と、いわゆる冗費的な旅費というものが、どのくらいの割合であるかということは、私どもも的確にこうであるという資料は、遺憾ながら持つておりませんが、大体総体のこの数字から御推察願いたいと思う次第でございます。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 もう一つ、その次に聞いておきたいと思いますことは、非常に相違しておる地方税の増減の問題でありますが、今のお話をお伺いいたしておりますと、知事会の数字と非常に大きく違つておる。これは一つの大きな問題であります。税収入の見込みが、自治庁の見方と府県の見方が百六十八億違つておるということは、非常に大きな違いであります。大体税収入の見込みとして、このうちで一番大きく見込んでありますのは何であるか。税法の上から行けば、府県では固定資産の問題は、私はそう大した大きな問題ではないと考えておる。一番大きな問題は遊興飲食税であると考えるが、遊興飲食税について、どのくらいの減収をこの中に見積られておるのか、その点をひとつお話していただきたい。  それからもう一つの問題は、知事会から二百億要求されております。これは知事を二、三日うちに呼んで話を聞けばわかりますが、二百億要求しております。これの内容が詳しくわかれば、それをお聞かせ願いたい。三十二億の税種目による内訳と、それから知事の要求いたしおります二百億というものはどこから、こういう大きな数字が出ておるのか、その点をひとつお聞かせ願つておきたいと思います。知事会の方のもふに落ちない。遊興飲食税の方は百七十七億しか見込んでおらない、にもかかわらず一月からこれが廃止され、そんなに大きな数字が出るはずはないと思うのですが、知事会の方が二百億要求しておるのは、数字に山がかけてあるのではないかという気がするのです。両方とも納得が行かない数字ですから、はつきりしておいていただきたい。

鈴木俊一総理府事務官(自治庁次長)

○鈴木(俊)政府委員 修正地方財政計画の十四ページに「昭和二十七年度地方税収入見込額調」というのがございますが、これに自治庁で見込みました増減の根拠が各税ごとに出ております。当初計画が御承知のように二千九百二十四億でございますが、それに対しまして年度当初見込み得ませんでした事情の変化によりまして補正を加えたものが二千九百六十億ということになるのでありますが、入場税、遊興飲食税、電気ガス税等の三税の改正税法の適用によりまして二十六億減収になりまするので、三税の改正規定の実施後の収入見込額としては、二千九百三十四億ということになるわけであります。その内訳は府県が千二百七十三億、市町村が千六百六十一億ということになるのであります。そこで当初の見込みと二千九百三十四億との違いでございますが、その主たるものは事業税でありまして、事業税で約四十六億減収になるのでありますが、知事会はこれをさらに七十三億よけいに見ておるわけであります。合せて当初に対して百二十億の減収になる見込みを立てておるわけであります。この点が一番大きな違いであります。自治庁といたしましては最近の国税につきましての所得税あるいは法人税等の課税見込み所得からはじき出した実績による数字でございますが、その点がさように違つておるわけであります。  それからその次に大きな違いがございますのは入場税でございまして、入場税につきましては自治庁といたしましては、十二億の増収を予想いたしておるのでありますが、知事会におきましては、さらに五十三億の減収になるという考え方でございます。従いまして当初見込みに対しては約四十億の減収になる計画であります。自治庁が入場税をかように増収になる見込みを立てましたゆえんは、やはり税は低くなりまするが、一月はいわゆる正月の特別興行等がございまするし、いつも一箇月分を上まわりまして、一・八箇月分くらいの税金がとれるのであります。さようなことを考え、また税込み料金といたしましては現在の料金とあまり違わないようなことがいつも結果として起りますので、さようなことも若干考えておる次第であります。なお税を低くすることによりまして、徴収がさらに確保されるというようなことを考えておる次第でおります。  遊興飲食税でありますが、これは自治庁といたしましては十億の減収を考えておるわけでございますが、知事会は四十四億ということになつております。これは今回税率が半減されるというようなことで、これも徴収につきましては飛躍的に増強できるという考え方を持つておるわけであります。それからいたしまして減収は十億にとどまるという計算をいたしておる次第でございます。大体主たる違いは以上のような点であります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 大体自治庁の方だけお聞きいたしましたので、あと知事会側の意見を一応聞いてみたいと思いますが、今のお話の中で非常に大きく違つておりまする府県税の中の例の事業税の問題でありますが、事業税が非常に大きく違うという原因は、国の事業税は御存じのように所得税に関係を持つているものでありますので、今年度の国の予算の上で、ああいうふうに補正予算の中に七百億ばかり自然増収を見込んでおるわけでありますが、これに比例して今の自治庁のお考えであるのかどうか、その点をもう一つ伺つておきたいと思います。

柴田護総理府事務官(自治庁税務部府県税課長)

○柴田説明員 事業税の中で法人事業税は前年度の各事業年度の所得、今年度事業税については前年の実績によつております。個人事業税につきましては、当初国の二十六年度の見込み所得をとつておるわけでありますが、その結果が最近においてわかりまして、相当当初の見込より減つておりまして、それに従いまして減らしました。法人事業税つきましても、当初の国の法人税の課税見込み所得というものが非常に甘かつた。それが三月決算が終りました現在において、大体本年度の上半期の実績がわかつて参つた。それから下半期の九月決算の大体の見込みが現在ほぼ明らかになりました。そこでその見込みに基きまして、上半期を基礎にして下半期を推定したわけであります。そうして再計算をいたしました結果が、そこにお示しておりますような個人事業税につきまして、当初に比較いたしまして三十四億、法人事業税におきまして当初に比較いたしまして十二億の減収、かような結果になるわけであります。  なお知事会の数字は、これは地方団体からそれぞれ本年度の歳入の見積りが、どの程度になるかということを報告を求めまして、その結果を集計したものであります。その中にはその後における事情の変化もあるわけでありまして、集計にかかりまする時間等を考えますると、この知事会の数字は、まだ若干その後かわるのではないかというふうに私たちは考えるわけであります。ただ法人事業税等につきましては、相当程度の更正決定の処理ぐあいの進行を促進するような計画をいたしておりますが、地方財政も苦しい、国の財政も決して裕福ではありません。それらのことを考えまして、徴税の合理化を促進いたしまして、徴税の処理ぐあいを促進するという態度をもつて、この補正の税収見積りを積算した次第であります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 自治庁の方は二十六年度の大体三月末の決算を基礎として見積られた。地方から出ておりますものは、それを見積らないで、そういう的確な数字でない基礎の上に立つて、こういう二百億というような数字が出て来ているというように解釈してよろしゆうございますか。

柴田護総理府事務官(自治庁税務部府県税課長)

○柴田説明員 そういう見方ではございませんで、府県の数字でありますから、中にはおつしやるように的確な見積りに立つておるものもあるわけであります。中にはその辺の調査が十分行き届いてない数字もあるわけでございます。その辺は精査検討しなければわからないわけでありまして、この知事会の数字というものは、分析すればまだ相当修正をする余地があるのではないかというように考えるわけであります。ただ前年度分につきましての意見は、精査検討すれば一致するだろうと思うわけでありますが、前年度並びに昭和二十六年度分で残つておつたものがあります、それの更正決定の処理ぐあいをどうするかという問題は、これは押し詰めて行けば、水かけ論になるかもしれませんが、現在の状況から見て、私たちはある程度の促進をしてもらわなければ困るというように考えて、かような見積りをしておるわけであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 もう一つだけ伺います。これは給与の問題でありますが、給与の問題はいろいろここで議論されおりまして、一向らちが明かぬのでありますが、自治庁といたしましては、今度の補正予算が大体通るということになると、地方の自治体に対するベース・アップの関係について何らかの指示がなされるだろうと私は思いますが、その指示をされるときに、先ほどから問題になつております三百五十円内外のものが、教職員あるいは一般公務員について高いということで、それだけベース・アップのときに下げろというようなことを自治庁として指示されるのか、あるいはこのままの姿で出されるのか、自治庁のお考えをちよつとお伺いしておきたい。

鈴木俊一総理府事務官(自治庁次長)

○鈴木(俊)政府委員 地方財政が非常に事実困難があることは、今回の財源不足額の補填によりましても、同じような事情がやはりある程度継続すると思うのでございます。しかしながら国もまた均衡財政ということで苦労をいたしておるわけでございますから、地方財政といたしましてもさような見地で、はかり得まする増収はことごとくこれをはかり、また節約し得る経費はできるだけこれを節約してもらうという建前で、均衡財政の原則を堅持してもらわなければならないということは、自治庁としても要望しておるわけでありますけれども、かような地方財政の苦難を給与費にだけかけて行けというような考え方は、私どもとしては持つていないわけでございまして、やはり当該地方団体全体の財政経理におきまして、赤字を出さないように、健全財政の原則を堅持するようにしてもらいたいということを、強く要望しておるわけであります。具体的に給与の切りかえにつきましては、国家公務員に関します新給与法が成立いたしますれば、その法律並びにこれに基きます国の関係の各種の細則等を、参考として地方に送付いたしますが、地方は地方として人事委員会あるいは財政当局等の意思の決定をまつて、自主的に給与の改訂が行われるわけでありまして、自治庁といたしましては、これに対していわゆる指揮をする、あるいは指示をするというような考え方は持つておりません。ただ、今申し上げましたような趣旨で、地方財政全体についての経理については、十分考慮してもらいたいということを申しておる次第であります。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 ちよつとお尋ねいたしたいのでございますが、平衡交付金の都道府県並びに市町村に対しての内訳と、起債の内訳、地方債の都道府県並びに市町村に対する内訳、それから平衡交付金のうちで特別平衡交付金を一体どの程度見ておるのか、この点について、前に御説明があつたのかどうか、ちよつて私記憶がはつきりしませんので、ぜひ明らかにしていただきたい。

鈴木俊一総理府事務官(自治庁次長)

○鈴木(俊)政府委員 この交付金につきましては、数日中に地方財政平衡交付金法の改正法律案を提案いたしまして、御審議を願いたいと思いますが、それはこの給与改訂等によりまする単位費用の改正を中心とするものでありまして、それによつて算定をいたしませんと、正確なところは出て参らないのでございます。大体交付金は道府県が約百三、四十億、市町村が約六、七十億というような結果になるのではないかと考えております。このうち特別平衡交付金は百十六億で、千四百五十億から百十六億を引きました千三百三十四億が普通平衡交付金ということになります。これは交付金総額の八分が特別平衡交付金ということになつておにおける国家公務員の実態調査はおやりになつていない。これはきのうもおやりになつていないということはお話があつたのでございます。従つて自治庁としては、約百五十万にわたる地方公務員の生活権を擁護しなければならぬ立場にもございますので、中央官庁はやつているだろう、そういつた推定でなしに、実際に国家公務員についての実態調査の結果、三百四十八円が高くないということが出たならば、私は自治庁としては遠慮することなく、大蔵省あるいは閣議において、この減額補正されたものについては、それに見合うだけの財源について、当然私は増額の要求をすべきだと思うのでございます。私ども実はここにありますものだけでも、具体的な資料として中央官庁と比較した昭和二十五年十月十日の調べがございます。この点につきましては、私はやはり自治庁としては、もう一ぺんお考えをいただきたいと思うのでございます。お考えをいただきたいというのは、一つには中央官庁の国家公務員の実態調査を自治庁としてもやり、その比較の上に立つことが第一点。第二点は、その比較の上に立つて三百四十八円が実際には高くないのだ、あるいは逆に低いかもしれぬ、こういうことが起きたならば、当然減額補正された総体の分については、自治庁は責任を持つて大蔵省に復活要求をするなり、あるいは閣議において増額の修正をやつてもらいたいと思うのですが、この点に対する自治庁のお考え方をぜひこの際もう一ぺんお聞かせいただきたいと思うのでございます。

鈴木俊一総理府事務官(自治庁次長)

○鈴木(俊)政府委員 この三百四十八円という数字は、先般来るる申し上げましたように、政府といたしましては、関係機関の一致の調査によつて出て来た結論でございまして、この数字に基きまして、政府としては今回の財源措置を考えた次第であります。先般の昨年の計算はあるいはこれによつて是正されたものというふうに考える次第であります。お尋ねの、もし国家公務員が国家公務員の法令等に基きます基準と比較いたしまして、現実に高いという事態があつたならばどうするかという仮定に立つてのお尋ねでございますけれども、この点も先般来申し上げておりまするように、私どもといたしましては国家公務員につきましては国家公務員に関しまする各種の法令等に基く給与が現実に行われておる、かように信じておるわけでございまして、ただ私どもといたしましてはその当然の所管でございませんので、それ以上のことは申し上げられませんが、私どもといたしましてはさような考え方を持つておる次第でございます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 そうしますと、自治庁としては自分の所管でないから調査はできないというお話ですが、しかし私はそういうものの考え方から行けば自治庁自体が三百四十八円高いのだということをあなたの方で納得させられて、そうしてそれを基礎にして予算をお組めになつたという、そういう建前から行けば、当然そのときに一体国家公務員の方は実態調査をおやりになつたのですか、あるいは実際に地方公務員について給与基準に示された通りの方法でやつておるかどうか、またもしも実態調査の結果、高くなつたらどうなさるのかという点につきましては、私は当然あなたは百五十万からの地方公務員についての給与に関するその予算を組まれる当面の責任者として、私は当然それだけの心構えは必要だと思うのでございますが、ただいまのお話で何べんも私どもこの委員会でやつておるわけですが、やつているであろうと信ずるということでは、これは百五十万からの地方公務員を納得させることはできないと思う。従つて私はもう一ぺん国家公務員について給与基準に従つてやつているかどうかということについて、あなたの方でいろいろな関係各省との間に話合いを持たれて、もう一度実態調査を——一度もやつてないわけですから、実態調査をおやりになる御意思があるかどうか。やつた上で現実に高ければ、あなたの方ではそれに対する増額の修正要求、その他をおやりになる意思がおありになるかどうか、その点もう一ぺんお聞かせ願いたいと思います。

鈴木俊一総理府事務官(自治庁次長)

○鈴木(俊)政府委員 国家公務員の給与の現実とあるべき給与基準というものが、どういうことになつているかということにつきましては、地方公務員と一番関連の密接なものとして地方事務官という制度があるわけでございまして、この地方事務官に対しましては、過般全員にわたりまして、このものさしを当てはめて調査をいたしたのであります。その調査によりますると、やはり国家公務員の基準給与におおむね従つておるという結論が出て参つたわけでございまして、私どもといたしましてはただいまの段階におきましては、三百四十八円という数字は総体の観察としては誤りないものであるというふうに考えておる次第であります。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 地方事務官のお話につきましては、この間次長からも御答弁がございまして、実際都道府県におるところの職業安定所職員等のいわゆる国費支弁のものと比較されたということはわかるのですが、しかし一番大事なことは、国家公務員ということになれば、実際に都道府県における職業安定所職員というのは御承知のようにほんのわずかです。国家公務員の大多数を占めるものは中央官庁におるわけですね。ですから私の申し上げるのは地方事務官について御調査をなすつて、比較をなすつたのならば、もう一歩進めて、農林省、建設省というように中央官庁の実態調査をおやりになつた上で、自治庁も納得してやるのが当然でありまして、地方事務官についてやつたのであるならば、もう一歩進めて中央官庁の国家公務員の大多数を占めるものについて御調査をおやりになるのが当然だと思いますが、この点はどうでしよう。

鈴木俊一総理府事務官(自治庁次長)

○鈴木(俊)政府委員 重ねての御質問でございまするが、国家公務員につきましてはそれぞれ各任命権者である大臣、長官等が第一次的の人事責任を持ち、また人事院が給与について全面的な管理権を持つているわけでありまして、私ども政府の一員といたしまして、国家公務員につきましては法令に準拠して給与が現実に行われている、かように信じておる次第でありまして、現実にはさように行われていない、違法状態があるという前提のもとにお尋ねの問題につきましては、遺憾ながら私から申し上げることは困難でございます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 私は次長の考えが何べん聞いてもかわりがないようで、これ以上聞いてもしようがないと思いますが、やはりこれは一番大事なことは自治庁として基本的には地方公務員百五十万にわたる生活権をあなたたちが守つて上げるという立場に立つのでなければならぬと思います。そういう立場に立つてあなた自身だつて矛盾を感じていらつしやるだろうと思う。実際に都道府県における職業安定所職員などわずかである。実際に中央における国家公務員の大多数については、あなたの所管外の官庁であるから調査ができない、そつちは盲にしておいて、あなたの方だけ都道府県における職業安定所の二、三百、五、六百のものについてこれを調べて、それをもつて押しつけられたものと思つて私はあなたに同情している。しかしやはりこの際もう一ぺんあなたも地方公務員百五十万にわたる給与に対するいろいろな点に関する責任者でおありになるので、やはり本多大臣とも相談されて、本多大臣からもそういう点は閣議なり大蔵省に対して再調査してもらう、そういう要求はして何らさしつかえないと思う。あなた自身ができなければ、あなたかり所管大臣に話をして、大臣から閣議にその点に対してはもう一ぺん再検討してもらいたいという話をして何らさしつかえないと思いますが、その点どうですか。

鈴木俊一総理府事務官(自治庁次長)

○鈴木(俊)政府委員 国家公務員につきまして同じような調査を実施する、そうして現実と理論的な基準給与というものが、どういう状況になつておるかということを調べることは、これはそれ自体として意義があることであろうと思いますし、私どももさようなことはかねて関係の機関には要望いたしておるのであります。しかしながらまた御指摘のごとく地方公務員の給与の改善あるいは待遇の改善ということにつきましては、私どもといたしましても同様に十分考えておるのでありまするけれども、しかしながら先般来るる申し上げましたように、ただいまの段階におきましては先刻来申し上げましたような御答弁を申し上げるのほかないという次第でございます。

鈴木直人自由党

○鈴木(直)委員 私はただいまの質疑の内容を何回もお聞きしておるのでありますが、率直な感じといたしましては、どうも地方自治庁が国の公務員その他についてはほとんど調査も何もしていない、手を出していない。ところがそれに比較して、大蔵省は積極的に自分の責任と申しますか、職権をもつて地方公務員の給与をどんどん調査しておる。そうしてそれによつてどうも引きずられておるという感じがするのです。それは今回だけではなく、今までずつとそうであります。従いまして私たちは今まで参議院の地方行政委員会におりましたときにも、終始自治庁を鞭撻して来た者の一人なんでありますが、今回におきましても、どうも国家公務員法の給与の実態については自治庁側として全然調査をしていない。また大蔵省でも調査をしているというような様子が見えない。それなのに地方公務員だけは厳重に調査をしてその比較をして来ておる。こういうのを見ますと、どうも自治庁側としましては押され気味であつて、もの足りないような感じがするのです。そこでそのような質問が出るのはもつともだと私は個人としては考えているわけなんです。そこでちよつとお聞きしたいのですが、地方公務員の給与は国家公務員に準じてこれをやるという場合に——そういう法律があるわけですが、それは国家公務員が地方公務員と一緒に勤めている職場、たとえば、市町村は比較的少いのでありますが、府県庁だとかそういう職場において現実に、たとえば県庁等においては地方事務官の方が非常に低い、県庁側は非常に高いというようなことで、職場の中においては国家公務員と地方公務員との間において、給与におけるところの不均衡のいざこざがいつも行われているのです。そういうことからして、県庁には地方公務員を置いてもらわない方がよろしいというような意向も伝えられているくらいに、その職場内においては、どつちが上だとか下だということがある。その職場内においてだけいわゆる均衡をとろうとしているのであるかどうか。こういうことをお伺いしたいのであります。いわゆる地方公務員は国家公務員の給与に準じてこれを行うということは、その職場におけるところの均等観からそういうことが行われているのか。そうじやなくて、日本全体の国家公務員の給与と日本全体の地方公務員の給与というものを比較して、それに準じて行うというような形で行くか。法律はおそらく後段であつて、日本全体の国家公務員の平均と日本全体の地方公務員の平均との比較ということになつているだろうと思うのでありますが、今まで調査したところの報告によると、どうも県庁あたりにいる者のみの国家公務員との比較だけを考えて行つているように思われるのであります。そこで、県庁などの地方公務員とのバランスをとるということだけで、この給与が解決するというお考えで進められて来ているのかどうかを、まず第一にお聞きしておきたいと思います。

鈴木俊一総理府事務官(自治庁次長)

○鈴木(俊)政府委員 ただいまの御指摘の点でございますが、国家公務員の給与水準と同じような程度を押えて、地方公務員の給与につきましてもその財源を財政計画上見込んで行きたいという根本の考え方に立つているわけであります。その場合、やはり一番の基礎になりまするものは、国家公務員の給与基準に関する各種の法令等に基きまして定められた基準の一つの級号表というものが、やはり根基にならなければならぬわけでございまして、さようなものと地方公務員の給与とが一体どういうふうに違いがあるか。国におきましては一つの人事院あるいは一つの財政当局によりまして、一つの管理者のもとに全体的に管理されているわけでありますが、地方は一万有余の人事委員会あるいは任命権者等によつて、それぞればらばらに行われているわけでございます。従つてはたしてさような一つの基準のものとどのように違つているかということを調査する実際的の必要性はより強いわけであります。国におきましては、人事院にいたしましても何時でも抽出の調査その他をやろうと思えばできるわけでありまするが、地方につきましてはさような方法がないし、またさような全面的な調査をするということ自体が、地方自治というような建前の問題といろいろ問題があるわけでありまして、さような意味から過般の調査も実は大蔵省の出先機関が調査いたしたのでありまするが、これはあくまでも財源措置というような意味からどういうふうになつているかを見たいというので、一方的な調査を行つたわけでありますけれども、これをさらに再調査するために、私どもといたしましても、先刻お手元に提出しておりますような要綱によつて調査を行つたのであります。その結果によりまして地方公務員の基準というものが、どういう状況であるかという総体の観察をいたしたわけであります。具体的に申しますならば、これは事実昔から大都市の給与というものは明らかに国家公務員よりも高くあります。また県庁等におきましてもなかなか中央の各省に人を得るのに比較いたしましてむずかしいというようなことから、従つて給与をある程度高くしなければならないというようなこともあろうと思うのであります。従いまして実際の問題として国家公務員に比較いたしまして給与が若干高いということは、これは私どもも一つの直感としても是認せざるを得ないように考えているのでございますが、さような給与の現実に高いことに対して財源措置をどうするか。これはまた一つの別個の見地の問題で、高いことを高いとしてこれに対してそれを認めて財源措置をするか、それとも実際高いのだから高いところは国家公務員と同じ程度しか考えられないという考え方に立つて財源措置をするか、さような二つの考え方の問題に帰着すると思うのであります。この三百四十八円という数字は、そういう意味で私ども総体の基準との観察においてはさほど大きな誤りはないと考えているのでありますが、現実に地方が高い。高い場合に、その財源措置をどうするかということにつきまして、私ども——私どもと申しますよりも内閣といたしましては、かような高い点まではいれられないという見解に立つて、財源措置が行われたわけであります。その点についての御審議は十分煩わしたいと思いますが、事実につきましては私どもはかように考えているのであります。  都道府県庁に勤務しております地方事務官についてだけ、なぜ特にこの方法で調べたのだというような点がございましたが、これは私どもといたしましては、やはり同じ職場に勤務しております国家公務員と地方公務員との間において、相互に不均衡があるということが一番困るわけであります。賞与の問題にいたしましてもあるいはその他の問題にいたしましても、これは非常に困つているわけでございまして、最も均衡を要望される点でありますから、さようなものと一体どういう違いがあるかということを見たわけであります。これは約一万余りの職員が全国にいるわけでございますが、それらのものを全部調査した結果、大体基準通りという結果が出ているわけでありまして、そういう点から申しましてもこの数字につきましては私どもそう誤りはないのじやないかと思うのであります。もちろん国家公務員全体について調査をして、それと国家公務員の基準給与というものを比較し、また地方公務員の全体の実態給与というものを比較できれば、それに越したことはございませんが、目下のところそれができていないのであります。国家公務員につきましての全体的な調査については、先ほども申し上げましたように機会あるごとに、いろいろわれわれ要望はいたしておりまするけれども、まだそれの実施になつていない点は遺憾と申せばまことに遺憾であると思う次第であります。

鈴木直人自由党

○鈴木(直)委員 そういたしますと、全体の国家公務員については給与基準通りに行われているような実態であると信ずるのだというお話でありますが、そういうことを信ずる基礎は、まず国家公務員全体の中の地方公務員についてその実態を調査してみたところが、少くともその地方公務員については給与実態というものは給与基準通りに行われているという事実がはつきり調査の結果わかつて来た、従つてその全体の国家公務員の一部である地方公務員がその通り基準通りに実態が行われているのであるから、それから推察するというと全体においてもおそらくその通りに行われているであろうということを信ずるに至つた。こういうことになるのですか。その点お聞きしておきたい。

鈴木俊一総理府事務官(自治庁次長)

○鈴木(俊)政府委員 ちよつと今のお話がよく聞き取れなかつたところもございますが、国家公務員につきまして、基準給与に従つた措置が行われているであろうということを信ぜざるを得ない状況であるということを申しておるわけであります。

鈴木直人自由党

○鈴木(直)委員 その科学的な基礎はどこから来たかということです。

鈴木俊一総理府事務官(自治庁次長)

○鈴木(俊)政府委員 その基礎は、先ほど申し上げましたように、人事院は国家公務員法に基きまして、各省の人事、給与の全面的な監督権を持つておるのでございますし、また大蔵省は財政当局といたしまして抽出的な調査は時々やつておるようでございますが、さようなものによつて、国家公務員法並びに人事院規則等に基きますところの給与、要するにさような基準給与と実際との違いを、さような監督権等によつて常時把握しておるであろうというふうに信じておる次第であります。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 ちよつと関連して。私は今御答弁を聞いていて、今までの鈴木次長の御答弁と大分一話が違うという感じがいたします。鈴木次長は、今の御答弁の中で、自分はやはり一つの感じというか、自分の感覚というか、そういうもので、現実に自分は地方公務員は国家公務員よりも三百四十八円高いと考えている、こういうお話でありますが、これが私は非常に重大だと思う。さつきから私たちが何べんも、あなた方は実態調査をしているかどうかという点については、あなたは実態調査をしていないということを明らかに言われている。実態調査をされていないで、あなた自身の感じで三百四十八円高い。そこへ大蔵省から押されてそのまま了承したということになると、これはあなた御自身が国家公務員についての実態調査は必要がないというように私たちは考えられるのですが、その点は、今まで給与準則に従つてやつて三百四十八円高かつたというのと、あなたが今御答弁された、いろいろな角度から検討して、自分の感じとしても三百四十八円高いということは、答弁内容が違つて来るのですが、その点どうなんですか。

鈴木俊一総理府事務官(自治庁次長)

○鈴木(俊)政府委員 今感じということを申し上げましたが、それは感じはあくまでも感じでありまして、国家公務員につきまして、全体の給与水準がどういうふうになつているかということを調査するということは、私は一向否定をしておるわけではないのでありまして、それを調査することはもちろんけつこうであると思います。そのことを私どもも要望しておるわけであります。

床次徳二改進党

○床次委員 ただいままで給与単価に対して質疑がありましたが、当局はこれで十分だというふうにお考えになつておりまするが、しかしわれわれ委員側の方におきましては、国家公務員における実績というものが、はたして当局が考えておられるようなものであるかどうかという点について、多少疑いを持つておるのであります。人事院の資料だけでそのままにうのみにしていいかどうかということについて疑いがあるのでありますから、この点に関しましてもう少し正確な判断を得るために、ひとつ小委員会等の方法によりまして、当委員会でもう少し調べるようにおとりはからいいただきたい。この方法につきましてはひとつ理事会で相談させていただきたい、この点をお願いしておきます。いかがでしよう。

青柳一郎自由党

○青柳委員長 ただいま床次委員から、国家公務員の給与単価については、小委員会などに付託してそれを調査しようという御発言がありましたが、そういうふうに取扱うにつきまして、一応理事会で相談いたしましてからそのようにいたしたいと思いますが、よろしゆうございますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

青柳一郎自由党

○青柳委員長 それではさよう決定いたします。

床次徳二改進党

○床次委員 なお、大分時間がおそくなりましたが、この表につきまして四点ばかりお伺いしたいと思います。  ただいまの給与の問題に関連いたしまして、鈴木次長が最後に答弁されましたところの、地方は実際高い俸給を払つておるかもしれぬが、しかし政府の方は大体国家公務員と同じように扱つて財源措置をとつておる。しかし地方の方で多額に支払うならば、これは地方の方でしかるべく責任をもつてやれというような結論になるように伺つておるのでありますが、はたしてその財源というものは市町村当局において予想しておるかどうか。今日までの平衡交付金の算定方法その他におきましても、地方が中央の国家公務員以上に俸給を支払う余地があるということを、実は予想しておられないのではないかと思いまするが、予想しておられるかどうか、この点だけ一つ給与に関連してお伺いいたします。

鈴木俊一総理府事務官(自治庁次長)

○鈴木(俊)政府委員 昨年の修正された給与水準におきましては、高い府県でありますと三百四十八円高いという形になつておりましたが、たとえば高給者について解職してもらうことによつて給与の全体のわくとしてはゆとりを得る、あるいは不補充主義等を堅持し、現員の現員による能率化をはかることによつて、やはり給与の総体のわくの縮減をはかるというようなことで、三百四十八円という一定の基準によります数のわく内で、その程度の給与水準を実際にやつておる所もあろうと思いまするし、それから昇給等を一回待つてもらうといつたような方法によつて、現実に高いというものを若干調整をしておるという所もあろうと思います。これらはいずれも各地方の人事委員会なり、任命権者等の自主的な決定にまつて行われることであつて、従つて今の地方公務員法の建前から申しまして、一律に地方公務員の給与がいかがあるべきかということは言えないわけでありまして、私どもも特に給与の高い低いという具体的の事実をつかまえて、お前の所は低いから高くせよ、お前の所は高いから低くせよというような指示は、一言もしておらないわけであります。

床次徳二改進党

○床次委員 時間がありませんから、別の問題をお伺いいたします。行政整理による不用修正額でありまするが、この点は、府県におきましては財源が苦しいために、行政整理をやりましても、すでにその財源は他に使つているのじやないか、かように推測されるのであります。当然行政整理をすべきものを知事がやらなかつたならば、これは知事が中央の指示に従わなかつたということになつて、その知事はむしろルーズな経理をしておると認めていいのでありまするが、実情はそうではなくて、地方の財政が苦しいために、その不用額等はすでに他の必要なところに使つているのではないかと思うのでありまするが、この点どういうふうにお考えでありますか。

鈴木俊一総理府事務官(自治庁次長)

○鈴木(俊)政府委員 行政整理によります不用額の修正減と申しますのは、当初予定した程度に行政整理が行われないから、従つて当初見込んで節約ができない。従つてそれだけゆとりかなくなるわけでございますから、全体として今度は行政整理によつて節減を見込んでおつたのが赤になるから、それを財政計画上は不足額として四十二億あまり計上しているわけであります。  それから今の節約の方の問題は、これは政府といたしましては、いつごろでしたか、九月ごろであつたと思いますが、今の旅費、物件費等の節減方を方針としてさらに決定してやつておるわけでありますが、地方につきましても、現にさようなことを年度当初から実施しておる所もあると思うのでありまして、そういうようなことで地方財政全体の規模といたしましては、それだけ節減を見込んでいいのではないかというふうに考えておるわけであります。

床次徳二改進党

○床次委員 次の、地方税の増収源の見込みの点でありまするが、これは非常に差があるのでありまするが、これは実績を見ますれば、おのずから結論は明らかになるのではないかと思うのであります。自治団体が徴収成績が上らぬ場合は別といたしまして、相当誠意をもつてやりましたならば、結果において出ましたところの不足額というのは、これはやむを得ない数字だろうと思う。これは明らかに見込み違いと言わざるを得ないと思うのですが、そういう場合におきましては、当然政府の方におきましても、その補填は考慮しなければならぬものと思う。年度末において赤字債を起すなり、何らかの方法を必要とすると思いますが、さような見込み違いがあつた場合には、当然考慮せらるべきものと思いますが、どうですか。

鈴木俊一総理府事務官(自治庁次長)

○鈴木(俊)政府委員 税収の見込み等につきましては、はなはだしい見込み違いがあるのだ、その後の経済事情の大きな変動によつて、とうていこの修正計画に載せられたようなことが困難であるという新事態に立ち至りますれば、政府としても何らか考えなければならぬと思いますけれども、特定の団体の特別の事情によるようなものにつきましては、それがもし特別交付金で処理いたすことができますような種類のものでありますれば、それはそれによつて考えることになると思います。そうでない限りは、やはり今回の修正計画の趣旨に従つて本年度はずつと参りたいというふうに考えている次第であります。

床次徳二改進党

○床次委員 なおこの第十一項目の「その他」の中にありまする地方債の要求額ですが、市町村には非常に地方債の要求が多いのでありますが、これは現在公共事業をいたしまする場合におきましても、地方に財源がないために、せつかくの割当事業もできないという状態なんです。地方の負担額につきましても、起債を実は希望しているくらいです。さらに一般の赤字というものも本年度において予想されているので、強い希望があるのだと思いますが、この点に関しましては、特に公共事業につきましては、でき得る限りこれを実施することのできますよう、政府においては考えておられるかどうか。

鈴木俊一総理府事務官(自治庁次長)

○鈴木(俊)政府委員 単独事業よりも公共事業を主体として考えまして、起債の配分等を考えたいと思つております。     —————————————

青柳一郎自由党

○青柳委員長 それでは次に警察に関して調査を進めることといたします。  質疑の通告がありますので、これを許します。大石ヨシエ君。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石(ヨ)委員 斎藤国警長官に私はちよつとお尋ねしたいのでございますが、今回の総選挙は公明選挙が行われましたか、または不公明選挙が行われましたか、それをお尋ねしたいと思います。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 このたびの選挙は、公明選挙にふさわしい公明な選挙が行われたかどうかという御質問でございまするが、どういうふうにお答え申し上げたらよろしいか存じませんが、公明選挙運動の要望が、国会におかれましても、また一般の輿論といたしましても、ことに言論界におきましても、強く要望され、また推進をされましたことは事実であります。従いまして、選挙そのものも私は従前に比べて公明の一歩を踏み出した、かように観測をいたしております。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石(ヨ)委員 しからば斎藤さんにお尋ねしますが、公明選挙は吉田内閣のモットーでございます。その吉田内閣の、しかも最も重大な大臣である外務大臣のあの醜態はいかがでございましようか、その点について私はあなたにお尋ねしたい。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 ただいま個人の立候補者あるいは当選をせられた方の選挙違反の問題について、政治的にどういうように考えるかというお尋ねでございましたが、これはわれわれ取締り当局の見地からのお答えでは御満足にならぬのではないかと考えておりますし、私がどういうように考えるかということは答弁の限りでないと思います。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石(ヨ)委員 しからば今度の国警の選挙対策は、どういうモットーでその取締りをなさいましたか。それを私は聞きたいのです。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 警察の取締りといたしましては、この公明選挙運動の趣旨に沿うべく、選挙の取締り自身もまた公明であることはもちろんであります。選挙違反は今まで党派に関係なく厳重に取締るということを申しておりましたが、これを徹底いたしますことはもちろんのこと、このたびのわれわれのモットーといたしましては、警察官が良心に照してはずかしくない取締りをやるということをモットーとしてやつたのでございます。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石(ヨ)委員 しからば警察官が良心に照してはずかしくない取締りをなさつたというならば、野党ばかりを取締つて与党にはゆるやかであつたが、その点あなた方として公正な取締りをしていらつしやいましたか。その点を私はお聞きしたい。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 私は野党のみ厳重に取締つて、与党には取締りの手を緩にしたというお言葉は初めて伺うのであります。むしろ与党にあまりに取締りが厳重であつたんじやないかという声をすら聞くくらいであります。数字から申しましても、また実際から申しましても、私は野党にのみ厳重に取締つたということは全くいわれのないことだと思います。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石(ヨ)委員 これは一つの例ですが、私は舞鶴の国警があなたの方から、大石ヨシエを徹底的に取締れ、こう言われまして、私がビラを横に張つておると、お前のビラは横に張つてあると言つて来る。ビラを横に張つておるくらいを取締つて、そうしては選挙事務長ちよつと来い、ちよつと来いと言われて、あなたの方に私は非常に妨害された。行く先々において国警が妨害した。これは公正な取締りですか、どうですか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 大石さんの取締りを厳重にせいというような指令が、もしどこからか出ておつたということでありますならば、私はその実際を教えていただきたい。さような考えは毛頭持つておりませんし、またさような特定個人の候補者、どの候補者を特に取締れというようなことは、全然指示はいたしておりません。むしろ特定候補者の名前を知らないくらいの考えでやれというように申しておるのであります。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石(ヨ)委員 それは舞鶴の警察へ私の代理が行つて来ましたら、大石ヨシエを徹底的に取締れということであつた。ポスターをちよつと横に張つておつたくらいで、警察と何の関係があるのですか。それくらいで一々ちよつと来いと言う。足の痛いのにぐるぐる歩いておる。そうするとあなたの方が私の自動車をとめて、そうして選挙妨害をした。ほかの人は妨害せずに、私のみを徹底的に妨害した。そして今あなたの舞鶴の国警は、何も罪のない者を検事局にひつぱつておる。これはあなたがよく御承知であろうと思う。この真偽のほどを私は聞きたい。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 実は本日、何か大石さんの選挙取締り問題で御質問があるということでありましたから、特に調べてみたのでありますが、大石さんの関係で取調べをしておるという報告は全然受けておりません。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石(ヨ)委員 私は貧乏ですから金を使つておらぬ。そうして自動車も使つておりませんが、使つておらない自動車を二台使つたと言つて、舞鶴の警察が検事局に出しておる。そうしたところが、その検事さんがこれはまことに疑義がある、こういうことはまことに気の毒である、こうおつしやつておる。私たちは自動車一台きり使つておらぬ。それでも国警は自動車を二台使つておると言う。あなたが指令を出したんでしよう。これはどうなんです。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 自動車の二台を使つておられたというようなことについては、何ら報告を受けておりませんので、ひとつ照会をいたしてみたいと存じます。それは舞鶴の国警ですか。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石(ヨ)委員 そうです。私たちは自動車を二台使うほど金もありません。一台しか使つておらぬ。一台しか使つておらぬのに二台使つた、そういうことを言う。そうして今盛んに事務長ちよつと来い、ちよつと来いと言う。事務長ちよつと来い、ちよつと来いで警察にひつぱられたら、私はどうするのですか。非常に選挙妨害をせられた。何ぼあなたが選挙妨害をしたつて、私はこうして当選をして来ましたから大丈夫です。弱い者をいじめている。そうしてあなたの方は、強い者には黙つておる。それなんです。私がよく知つている人は、五台も六台も自動車を使つておる。この人は国警が黙しておる。こういう例は、私は枚挙にいとまがないほど知つておる。あなたは御存じですか、どうですか。これを聞きたい。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 私は、第一線におきましても特定の方々の選挙運動を特に妨害をする、あるいは当選を妨害しようというような意図で動いた警察官は一人もないと考えておるのであります。もしさような者があれば、厳重に取調べをいたしたいと考えております。私が大石さんの選挙干渉をやるように指令したとおつしやいまするが、何か実証があればそれもお示しをいただきたい。私は御承知のように大石さん個人とはごじつこんをいただいております。心の中では、むしろ御当選をこい願つておるようなわけでありまするから、どうしてそんな選挙干渉を私がし得ましようか。お考えをいただきたいと思います。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石(ヨ)委員 それから話が違いますが、私は先日呉に視察に行つたことをあなたは御存じでしよう。そうしたら、帰つてから大石ヨシエはまつ赤なうそを新聞記者に発表し、まつ赤なうそを国会議員に話しておる。そういうことを言つたあなたの方の広島県の人が、こちらに来ておるでしよう。広島県の隊長がこちらに来ておる。それが新聞記者にちやんと言うておる。それは一体どうですか。いつでも新聞記者を連れて来る。なぜそういううそを言うのですか。それを私は聞きたい。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 その話も初めて伺います。どういういきさつでどういうことがありましたか、よく取調べてみたいと思います。おそらく大石さんに悪意があつてさようなことを話をしておるということは、全然なかろうと考えております。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石(ヨ)委員 それからお尋ねしたいのは、将来自治体警察と国警と一本になるのですか、それはどうなんですか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 先般の総理大臣の演説にも警察の民主的な、そうして能率的な運営をはかるように考えたいというお話がございましたが、その内容につきましては目下研究中でありまして、具体的な点はまだ何ら申し上げる段階に至つておりません。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石(ヨ)委員 大体私がずつと見ておりますと、自治体警察は非常に忙しい。ところが国警は実にひまです。これは国警が人員が過剰しておると思う。斎藤さんはどうお思いになりますか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 私は国警の人員が過剰だとは思つておりません。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石(ヨ)委員 それでは自治体警察は常に忙しくしておるが、国警はいつもしりから煙が出るほどタバコを飲んで、そうしてじつと遊んでおるではありませんか。これは一体どういう証拠ですか。これは自治体警察は忙しいし、国警はひまだという証拠です。そうして国警はひまですから、選挙があつたらこせこせする。これは一体どうです。これはほんとうのことです。あなたはどうお思いですか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 初めてそういうことを伺いますので、国警はひまにして遊んでおることを教えていただきましたら調査をいたしたいと思います。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石(ヨ)委員 それからもう一つお聞きしたいのは、今国警で元の特高のようなものができておるのでございますか、それはどうなんですか、これを知りたい。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 元の特高のようなとおつしやいますのは、どういう意味でございましようか。以前の特高という言葉は、治安維持法がございまして、その治安維持法の違反を検挙するために従事しておる者を、大体特高と呼んでおつたのでありますが、今日治安維持法はございませんし、従いましてそういう言論、思想というものを弾圧するということを対象にした警察は現在ございません。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石(ヨ)委員 大体国警には若い大学出の人がたくさんおつて、世の中のことを一つも知らぬ、そうして盛んにひまなものですからこせこせして、そうして人のあらを探しておることをあなたは御存じないのですか。それからもう一つ私がお尋ねしたいのは、あなたは将来——あなた自身ですよ、自治体と国警と一つにする方がよいというお考えを持つていらつしやいますか、あなたのお考えを聞かしていただきたい。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 私の個人的な見解を申し上げますことは、この席ではお許しをいただきたい。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石(ヨ)委員 しかし私があなたに聞きたいのは、あなたは将来自治体と国警とを一つにした方がよいと思つていらつしやいますか、どうであるか、それを私は聞きたいのです。吉田内閣とは別でしよう。あなた個人の考えを私はもう一度聞きたい。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 一つにしたらとおつしやいましても、そのしかたがいろいろありまして、ただ簡単に一つにするというわけにも参りますまいし、よい点もありましようし、悪い点もありましようし、一概によい悪いということは申し上げかねます。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石(ヨ)委員 国警を現在のままのようなことをしておると、またもとのフアツシヨ警察のようになる。日本をつぶしたのはやはり国家警察があつたために日本がつぶれたのですが、私は将来日本は自治体警察がなくなつて一本になると思うのでありますが、あなたもそれに賛成しておられるということを聞いておるのですが、この点私は正直にきようここで聞きたいと思います。言うてください、斎藤さん。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 ただいま申し上げました通りであります。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石(ヨ)委員 私は何と言うても自治体警察は残しておきたいと思います。私の意見を聞いてください。日本でもうけたものは、憲法第二章の戦争放棄と、民主警察になつて自治体警察と国家警察とわかれたこと、これが一つのもうけものであると私は思つております。ところがだんだんと国家警察がフアツシヨ化しつつある。この点あなたはどういうふうにお考えになるか、それを私は聞きたい。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 国家地方警察はフアツシヨ的であるというお考えのようでありますが、私はその点は非常に遺憾に存じます。制度の上かち申しましても、国家地方警察も中央に国家公安委員会があり、各府県にそれぞれの公安委員会がありまして、もしさようなフアツシヨ的な活動をするということでありますならば、この民主的に選ばれた公安委員の方々は、必ずやこれを防止してくださると考えますし、現実の活動におきましても、今日の民主的な法律を無視して執行に当るというようなことは全然ないと私は考えております。私は国家地方警察の各警察官個人々々に至るまで民主的な精神の体得者でなければならぬということをモツトーといたしまして、指導いたしておるわけであります。制度もただいま申しますように、ただ特定の人間がフアツシヨ的な、法律を無視したことをやろうと考えましても、これがやれぬ仕組みに相なつております。その点は私は何らかの誤解ではなかろうかと考えております。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石(ヨ)委員 しからば私は例を引いて京都のことを言いますが、知事と国家警察の隊長と何の連絡もない。常にけんかしておる。そうして知事がどんなことを隊長に言うてもきかない。そうして自分の思つた通りをやつておる。これはだんだんともとの国家警察になり、またもとの内務省の復活になる。それからあなたをこうしてここへ呼んで、国会議員が質問できますが、隊長は向うにおつて、盛んにフアツシヨ化しておる。それをあなたは御存じございませんですか。どうお考えですか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 隊長の身分上の監督権は私が持つておりますから、さような非行の点があるかないかの監督は、もちろん私の責任でございます。運営の面におきましては、京都府の公安委員会が、さような目に余るようなことがあるならば、十分チエツクができると思うのであります。御承知のように府県の公安委員は、知事が府県会の同意を得て任命をしておられます。その公安委員の方々、しかもこれらの方々は、過去において、最近の改正によりましても、十箇年間専門的な官公吏のそういつた経験のない人たち、いわゆる良識のある民間の方々ということで、知事によつて、また府県会の同意によつて任命をされておる次第であります。従いまして警察運営上必要があるならば、知事が公安委員に事実上助言されるということもさしつかえないことでありますから、これを全然無視するということは、ちよつとあり得ないと私は考えておるのであります。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石(ヨ)委員 現に私が見ておるところ、公安委員は国警の隊長のロボットになつておる。この例を私は枚挙にいとまなく知つておる。あなたは長官であつても、その事実をごらんになつたことはございませんか、どうですか。あの公安委員が隊長の言いなりになつておるではないか。何のための公安委員ですか。そうしてだんだんとフアツシヨ化して、またもとの日本の国家警察にならんとしておる。それをあなたはどういうふうにお考えになつておるか。実地にごらんになつたことはございませんですか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 隊長のやつておりますことが、公安委員から見てさしつかえない、隊長のやつておるのはもつともだ、かように思つて監督をしてくださつております場合には、外から見ますとロボットのように見えるかもしれませんが、私は実際上、公安委員をないがしろにして、公安委員がおられるということを念頭に置かないで運営をしておる隊長はないと考えております。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石(ヨ)委員 現に公安委員会が盛んに国警の隊長と酒を飲んだり待合に行つたり、そういうことをやつておる。まるで隊長の下に公安委員がおつて、そうして隊長は公安委員を指揮しておる。こういうことはだんだんともとの内務省の復活になつて、もとの日本を滅ぼした国家警察の出現になると思う。この点について私は再認識を長官にしてもらいたいと思いますが、あなたはどういうふうにお考えですか。もつと詳細に言つてください。あなたは存じないんでしよう。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 府県の公安委員は、先ほど申しますように、府県会の同意によつて任命をされているのであります。従つてその意味におきまして、間接的に府県会の監視も受けているわけであります。従つて公安委員のあり方というものについて、府県会等において御質問なさるということも現にあり得るのであります。ただ私どもといたしましては、ただいまおつしやいましたことは初めて耳にいたすことばかりでありますので、ただいまお述べになりましたような事実があるかどうかは、十分調査をいたしたいと思います。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石(ヨ)委員 それから管区本部を、あなたは必要と思われますか、必要と思われませんか。この点ちよつと御所見を聞きたい。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 管区本部は、私は検察庁に高等検察庁がありますように、今日の現状では必要があると考えております。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石(ヨ)委員 私は管区本部のようなものは必要がないと思つております。しからば、あなたと私は見解の相違ですが、どの点が必要があるか、詳細を聞かしていただきたい。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 府県の警察の運営は、府県の方の公安委員のもとに警察隊長がやつておりますが、個々の犯罪、あるいは警察の対象になります件は、県の領域を越えまして、非常に広範囲に最近なつておるのであります。これを中央だけで連絡をはかるというようなことは、事実上、非常に困難が多いのであります。さような意味から申しましても、府県間の連絡調整をよくとるという意味から、一つの犯罪をつかまえて考えてみましても、その必要が最近非常に多くなつて来ておるのであります。また先ほどいろいろ隊長のことについてお話がありました。それらにつきましても、今日の制度のもとにおきましては昔と違いまして、知事の一部下ということではありません。以前は知事が自分の部下として、十分監督をせられたのであります。ただいまは公安委員の運営、管理下にはございますが、しかし、運営の実際におきまして、技術的の面から申しましても、またこれらの行政官としてのあり方という面から申しましても、やはり、できるだけ近いところにあつて監督指導する者がおつた方が、私は非常によいと考えております。また、事件によりますと、高等検察庁の検事さんとよく連絡をとる必要のある事件が多いのであります。さような場合におきましても、管区本部が、大体高等検察庁のあるところにありまして、検察庁と警察と連絡を十分にして行くということが必要であると考えておるのであります。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石(ヨ)委員 しからば地方の国警を事実上だれが監督しておるのですか。私はそれを知りたい。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 先ほど申しまするように、身分上におきましては、私及び管区本部長が隊長を監督いたしております。運営の面におきましては、公安委員が行過ぎはないかどうか、また県の治安状況とにらみ合せて、その運営がよろしいかどうかという面において、監督を公安委員がしておられます。事実上この運営の連絡調整また監督、身分上の監督に伴いまして、運営上においても、あやまちなき運営をしているかどうかということは、また私並びに管区本部長が監督しておるということになるのであります。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石(ヨ)委員 ただいま事実上は公安委員が監督しておる。ところが、その公安委員が隊長と飲んだり食つたり、芸者買いに行つたり、そうしたふしだらをしておることを、私は現によく知つておる。そうして公安委員はロボツトになつておるではありませんか。監督する者が現在地方にだれもない。これをあなたはどういうふうにお考えになりますか。そうしてだんだん元の通りの日本のフアツシヨの国家警察が再現する。それをあなたはどういうふうにお考えになつておりますか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 私は実質的に監督をしておるのは、国民大衆であると実際上は考えております。従いましてこの声を反映いたしまするものは、地元におきましてはまず府県会というものがありまするので、府県会がその公安委員の任命に同意し、また府県会において警察のあり方というものも、現在実際上そういう点から質問が行われておるのであります。公安委員がつまらないことをやつているということであれば、府県会においてこれを糾弾する道もまた事実上あるのであります。さような民主的運営の方法がとざされておるとは私は考えておりません。従つて国家地方警察がフアツシヨになるという考え方を私は持つておりません。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石(ヨ)委員 私は実際問題を言つておるのですが、実際に国警を監督する人は今地方にだれもない。公安委員はロボットになつておる。大衆がその国警を監督する、そうただいまおつしやいましたけれども、大衆が監督するというその大衆を、弱い者をこうして国警がいじめる。一体大衆が警察を監督できるものでしようか。そういうような官僚的な考え方を持つていらつしやるから、だんだんと国警が昔の通りのフアツシヨ警察になつて行く。あなたはこれに対してどういうふうにお考えになるのか、私はもう一度聞きたい。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 私は官僚的な考えでなくやつておりますので、大衆が監督しておると申し上げたのであります。官僚的に申しますれば、身分上は私が監督しておる。また実際上責任をもつて監督をいたしておる立場にあるのであります。しかしその監督をいたすにつきましても、大衆の声を聞き、また府県会のそういつた声を聞き、また府県会においても、そこで監督をしていただく機会もあるということを申し上げておるのでありまして、隊長を監督しておりますのは、制度上は管区本部長及び私でございます。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石(ヨ)委員 しからば私と約束してくださいますか。大衆が監督する。しからば大衆の声を私が反映してあなたに今言つておる。あなたは今後この国家警察のあり方が、もつとフアツシヨにならないようにどういうふうにお考えになりますか。このまま置いておいたらフアツシヨの警察ができる。あなたは東京ばかりにいらつしやいますから、地方を御存じない。地方はだんだん警察がフアツシヨ化して行く。これをあなたはどういうふうに責任をおとりになるか。それを私は聞きたい。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 フアツシヨ化して行くという御意見のようでありまするが、私はさようには考えておりません。おらぬのはお前は目があいてないからじやないかということをおつしやると存じますが、先ほどから申しますように、制度の上からフアツシヨにならないような建前がとられておりまするし、また民衆というものの基盤に立つた今日の警察制度でもあります。また実際われわれの一番重要な事柄として心に刻んでおりまするのは、民衆の公僕としての警察官吏、大衆に奉仕する警察官吏ということを第一の眼目として、教養もいたしておるのであります。しかも警察を法律に基かないで運営をするということはでき得ないのであります。さような点から、警察が、しかも国警が、フアツシヨ化するということにつきましては、私はどうも合点が行きません。しかしながら、個々に非行をなしておる警察官吏があるというような場合には、容赦なくこれは処断をいたしたいと考えております。従いまして、さような現実の問題がありましたら、事実をそのままにお伝えをいただきますならば、私どもの方としても、誠意をもつて調査をいたし、それについて適切なる方途を講じたいと思います。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 この機会にお聞きしておきたいことは、今の大石さんの質疑に対する答弁を聞いておりますと、どうもはつきりした線が出て来ないのであります。たとえば先ほどの選挙関係の問題であります。今度はいろいろ選挙の違反の事実があつただろうと思いますが、この機会に警察の基本方針だけを聞いておきたいと思いますのは、あの場合に国警としては、検挙第一主義で指令を出されたか。あるいはそういう建前でなくて、まあ防犯という言葉はこの機会に当てはまらぬと思いますが、選挙をきれいに行つて行きたいという指導の立場で指令をされたか。もし指令をされたとすれば、どちらを主にして地方に流されたか。この点についてお答えができたら、ひとつ答えていただきたいと思います。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 犯罪者をつくることはわれわれの目的でもありません。また犯罪のない社会を実現したいと考えておるのは当然であります。選挙につきましても、防犯ということがむろん主でございます。しかし現実に犯罪があつた場合には、検挙をするということが必要であります。このことがまた次の選挙の場合の防犯にも相なります。さような考えからいたしまして、犯罪のあつた者につきましては、検挙も峻厳にやつたわけであります。どちらを主というわけではありません。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 実はそこに先ほどからの大石さんのような話が出て来ると思う。なるほど犯罪のあつた事実に対しましては、警察に峻厳に取締つてもらいたいということは、国民ひとしく希望するところであつて、私もその通りだと考える。ただ気持の持ちようとして、検挙第一主義の指令が出て参りますと、権力を持つた者は権力を濫用するのであります。これが非常に恐しいのであります。従つて本部の意向が、検挙第一主義ということでなくして、できるだけ犯罪を未然に防ぐということを考えられておつたとするならば、やはり検挙第一主義で取締りを進めて行くという気持とは、非常に大きな相違が出て参ります。末端の機構におります警察官というものは、上司から検挙第一主義で行けというような命令が出て参りますならば、必ず行き過ぎがある。この行き過ぎということが、ややもすればフアツシヨともなり、また間違つた取締りが行なわれる最も大きな原因になると思います。そうしてこれは、さつきも申し上げましたような、ただ教養の面でできるだけそういうことのないように指導をして行こうじやないか、公明選挙を指導しようじやないかという建前とは、非常に大きな違いがあります。公明選挙を行うのでありますから、公明選挙について警察官としてどういう指導をして行けばいいかという考え方と、公明選挙をやるのだから徹底的にやれということとは、非常に大きな相違でありまして、そこから大石さんのお話のようなことが出て来ると思う。従つて私が今お聞きしておりますのは、今度の選挙に際して、斎藤国警長官としてはどういう気持で、あの選挙に臨んだかということであります。  それから立つたついででありますから聞いておきますが、これは万に一つもないと思いますが、今の大石さんとのやりとりの状況を聞いておりますと、特定の人に対して何らかの犯罪があるのじやないかという目星をつけておいたのではないか。これはだれそれが悪いというわけではありませんが、だれそれはどういう選挙の仕方をするということが、大体わかつておりますから、ここにはこういう犯罪が起るはずだということは、大体警察官としてはあらかじめ予期していると思う。従つて検挙第一主義ということになつて参りますと、やはりそれが下の方にしみておつて、特定の候補者に対して特定の取締りをするという形が必然的に出て来るのであります。これは今までの選挙がそうでありますから、別に国警長官としてはだれそれをどうせよという指令を出した覚えは毛頭ない、また管区本部長としてもそういうことは毛頭ないと思うし、またあつたらたいへんだと思うが、しかし指令の出し方ではそういうものが出て来るのであります。これはやむを得ぬと思う。どうもあの人の選挙のやり方はこういうやり方をしておるから、あそこにはこういう犯罪がありやしないかということになるのはつきものですが、それならそこをひとつやつてみようということになると、特定の候補者がどうしてもやり玉にあがつて来る。私はこういうことを恐れますので、もう一応聞いておきたいと思いますことは、今度の公明選挙に対しては、検挙第一主義で行かれたのか、またそういう方法でなく、できるだけ犯罪をなくして、教養を主として選挙に臨む警察官の態度をきめられたのかということであります。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 率直に申し上げまして、選挙の犯罪、ことに形式犯につきましては、できるだけ防犯的な考慮をめぐらして行け、それから実際の買収犯についてはやはり厳重に取締れということは申しております。従つて買収犯は相当厳重であつたと私は考えます。しかしその際に最も留意をしなければならないのは、取締られる人に対してもつともだという感じを与える取締りでなければならぬ。納得の行く取締りをするように、そしてどこまでも良心的であつて、自分の良心に問うてみて恥しいという取締りであつたならば容赦はしない。という意味は、ある人には寛に、ある人には厳にというようなことのないように、この点を特に留意をいたしたのであります。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石(ヨ)委員 しからば斎藤さんにお尋ねしておきますが、公平にやれとあなたの方は指令をお出しになつたのですね。しからば私の方は自動車を二台も使わぬ、それからのぼりなんかあげてはおりませんが、あなたの方では写真をとりに来て、これは選挙違反だという。そしてほかの自由党の人が、螢光燈をつけたり、盛んに吹上げののぼりをしておつたのは見のがしておいて、私の方ばかり調べられた。これで公平ですか、どうですか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 私はもちろんただいま申し上げました方針は十分徹底しておると考えておりますので、ただいま大石さんのおつしやいますことを聞きまして、私はむしろ奇異の感に打たれておるのであります。この点は十分調査をいたしてみたいと存じます。さようなことは私自身としてはあり得ないことだというように考えます。ただ私は先ほど申しましたように、公平という言葉は今度はあまり使わなかつた。公平ということはバランスをとれというように感じまするから、バランスをとるんじやないのだ。悪いことをたくさんやつていた者は、その下にたくさんの犯罪が起つて来てもしようがない。この人も一件ならあの人も一件という件数の公平になつては相ならぬから、公平ということよりは、むしろ納得の行く良心的なという言葉を使い、これを徹底させたのであります。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 選挙の関係でございますが、先ほど与党より野党というようなことについては全然初耳だというようなお話でございましたが、読売新聞の多分社説だろうと思つておりますが、そこには与党より野党にきつく、与党内においても鳩山派にきつい、こういう姿に現われた。こういうぐあいに載つておるのですが、それをごらんになられませんでしたか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 私は不幸にしてその記事は見落しました。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 それでは実際の件数を調査してみまして、そういう読売新聞の断定といいますか、推測といいますか、そういうものを否定される根拠がございますか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 われわれ取締りの実際に当りましても、その点は良心を持つて否定いたします。また結果に見ましても、これは十分数字をもつて否定ができると考えております。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 それでは、私としてはその数字的な結果をお知らせ願いたいと思うのですが、きようは時間でありますので、それは後日にお願いしたいと思うのです。  それから選挙運動期間中に、選挙事務所を手入れした件数は何件でございますか。

中川薫治国家地方警察本部警視長(刑事部長)

○中川説明員 御質問の各政党関係について、違反関係がどうあつたかという数字でございますが、先ほど長官からお話申し上げましたように、私どもの方では政党とか候補者とかいうことと無関係にやつておりますので、きちつと正確な資料というわけに参らないのですけれども、犯罪行為が特定の人のために行われた、何々候補のための選挙運動だというので、当該関係者とかその属する政党の関係者という推定の見込みでありますが、今回の総選挙で申しますと、自由党が一万二千七百二件、改進党が四千三百件、社会党の河上さんの方が六百四十四件、鈴木さんの社会党が六百三十六件、共産党が三百五十五件、協同党が八十九件、日本再建連盟が四十二件、諸派が百四十五件、無所属が三千三百九件、その他の識別できない犯罪が二百八十五件、こういうふうになつております。  それから選挙事務所を捜索した関係ですが、犯罪の資料を得るために、判事の令状を持ちまして捜索を行つておりますが、それ自体として統計をとつておりませんので、その数字は申し上げることができないのであります。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 これは非常に大事なことですが、このたびそういうことがあつたのです。選挙人名簿なんか証拠品として持ち去るというようなことは、実はいかなる確信に基くものか知りませんが、明らかに弾圧であると断定せざるを得ない。だからそういう例がどこかにおつたか、そうしてその令状はそれぞれいかなる理由と確信によつて持たされたか、これを明確にしてもらいたい。今おわかりにならないというお話でございますが、これははつきりと示していただきたい。  次に警察に留置しておる人々に対する差入れの問題であります。かつて思想犯取締りが強かつた時代においては、共犯によつて締め上げられただけに、学術的なというより、一般総合雑誌のような、あるいは思想的なものは差入れを禁止しておつたわけですが、今に至つてもそういう差入れを禁止しておる状況にあるのでございます。これは国警全体としての方針でありますか、こういうことは刑務所とまつたく対照的な立場にある。刑務所はエロ雑誌は一切禁止する、これは首肯されますが、思想的なものにせよ何にせよかまわない。警察においては思想的なものは全然入れさせないという事例があるのです。これは警察がかつての思想犯取締りの考え方をまだ残しておるという一つの証左にもなると思う。そういうことに対して警察は統一した立場がおありでございますかどうですか。

中川薫治国家地方警察本部警視長(刑事部長)

○中川説明員 捜索する場合におきましては、捜索箇所等について選挙運動中のことを十分考えまして、厳重な観点に立ちまして、それぞれ検討しております。全国の統計の数字がわからないだけでありまして、今ここで申し上げられないのであります。選挙事務所を捜索する場合におきましては、それぞれ必要な手続を全部整えまして処置しておりますので、そう間違いはないと信じておるのであります。  御質問の後段に属する部分でございますが、選挙犯罪は目的罪でございますので、この目的の関係が通謀等によりまして、証拠が壊滅する場合がありますので、そういう見地に基く法律上の制限はしておるのでありますが、全然面会をさせないとか、そういう取締りの必要の範囲を越えて差入れを禁止する、こういうことはやつていないと思うのです。但し目的罪でありますので、しよつちゆう差入れの関係者と会りとか、そういうような点は制限しておるということは事実でございます。そういう必要に基く制限はやつておりますけれども、その制限を越えて全然面会をさせないとか、そういうことはないと考えております。

青柳一郎自由党

○青柳委員長 もうそろそろ一時半になりますので、次の機会を見てまた御質問を願つたらどうかと思いますが……。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 質問に対する答弁がちよつと違いますが、一応これで打切ります。

青柳一郎自由党

○青柳委員長 それでは本日は警察に関する調査はこの程度で打切ります。     —————————————

青柳一郎自由党

○青柳委員長 この際参考人招致の件についてお諮りいたします。本委員会におきましては連日地方財政の問題について、調査を進めておるわけでありますが、この際地方財政の実情について関係者より説明を聴取することは、多大の参考となると存じますので、知事会、市長会、町村長会、自治労連及び自治労協の代表者より、参考人としてその実情を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

青柳一郎自由党

○青柳委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。次表は追つて公報をもつてお知らせいたします。     午後一時三十一分散会

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