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15回国会衆議院1952/12/02

地方行政委員会 第5号

発言数
132
登壇者
13
会派数
4
開催日
1952/12/02

会議録

青柳一郎自由党

○青柳委員長 これより会議を開きます。  前会に引続き地方財政に関し調査を進めることといたします。文部大臣が御出席になつておりますので、文部大臣に対する質疑を許します。門司君。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 私はこの機会に、きわめて抽象的なことでありますが、大臣がせつかくおいでになつておりますので、お聞きしておきたいと思いますが、問題になつておりますのは、これは新聞では何か解決したように書いてありましたが、この際大臣から一応言明していただきたいと思いますのは、教育委員会ができて、そして教育委員会法に基いて運営されて参りますと、人事権がすべて市町村の教育委員会の手に移つて、給与権は依然として、やはり現在の法律のままで行きますと、都道府県にあるということになつております。そうすると、都道府県は市町村が、平たく言えばつけを持つて来て、この通りに支払えということで、その通り支払わなければ市町村に支障ができる。この問題はかなりやつかいな問題——という言葉はあてはまらないかもしれませんが、複雑なものを残す問題だと考えておりますが、教育委員会法をああいう形で通されて、全国の市町村長それから大体の識者が全部反対しておつたにもかかわらず、政府の原案が通らない、そして今のようなことになつております。従つてこれに対しては必然的に大臣としての責任と、さらに政党としての責任をやはり自由党に負つてもらわなければならぬと思うのですが、そういう二つの立場から、この際はつきりした御答弁をお伺いしておきたいと思います。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 私の立場として御答弁申し上げるのにつらいのですが、教育委員会はとにかく相当検討をしなければならぬと考えておつたのです。けれどもいよいよ実施になりましたので、十一月一日から実行することになつておるのでございますが、検討しなければならぬという問題はいろいろあちらこちらに伏在しております。けれどもまあ一応これが実行せられました以上は、やはりこれをできるだけ法律の趣旨に合つたような運営並びにそのいいところを生かして行きたい、こう考えております。しかし何と申しましてもまだ実施日なお浅いところでございますし、実行しました以上は、やはりほんとうに実行した上でどういう点が合わないとか、よくないとかいうようなことを実績に徴しまして十分改正、改案して行きたいと考えております。しかしただいま御質問になりましたところの人事権と給与の問題、これは一応現行法でもその調整はつくようにはなつておりますけれども、しかし人事の交流とかなんとかいう方面でいかんの息もございますので、これは自治庁と文部省と協力しまして、適切なる方法を早急に考えて行きたい、こう考えております。今自治庁と文部省の方でこれに対していろいろ研究中でありますか、おそらく最近にその結論は出ると思います。なおこのままにしましても、ほんとうのところは教育委員会法、教育公務員特例法というようなもので、調節がつくようになつております。そういうような技術的なところは、ひとつ局長からお話申し上げさせます。しかし問題のお説のような点をどうしても改正しなければならぬ、こう考えております。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 ただいま大体の方針について大臣から御説明がございましたのですが、なおその具体的な内容について申し上げますと、現行法の定めるところによりまして、御承知のように教育公務員特例法の規定には、教職員の義務教育に関する部分については、その勤務条件等は都道府県の条例によつてこれを定めると相なつておりますので、その勤務条件等については、都道府県の条例においてこれを定めることになります。と同時にさらに市町村立学校職員給与負担法によりますと、教員の定数につきましては、これは都直府県の条例によつて定めるその範囲内において市町村の教育委員会が都道府県の教育委員会と協議をして定める、こういうふうに相なつておりますので、都道府県の教育委員会と市町村の教育委員会とが、教職員の定数並びに勤務条件につきましては双方協議をして、連絡をしてきめるということになりますので、これが無軌道に走るようなことは現行法においてもまずないたろうとは思いますけれども、しかし具体的なこまかい点になりますと、なお円滑を欠くおそれもございますのじ、ただいま自治庁とも連絡いたしまして、なるべく早い機会に規定の上でもはつきりさせるように検討中でございます。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 今の御答弁、非常に抽象的で私はそれだけでは満足できないのでありますが、この間の新聞には、大体調整がついたというように出ておりましたので、もう少し、具体的にはどういう構想を持つているかということ、これは御承知のように早くきめていただきませんと、もう十二月でございますから、来年の学期がかわりますときに、教員の異動が行われますことは必至でございます。また異動をしなければならないということになります。従つて問題はここ数箇月といいまするよりも、ごく近い間に市町村ではこれが問題になつて来ると思います。この方針がはつきりきまつておりません限りにおいては、来年度の教育行政の上にかなり大きな問題を残すがんになると考えております。従つて今のように自治庁と話し合つて、なるべく近いうちにというようなことでなくて、できるだけ早くしてもらうと同時に、ひとつこの機会に文部省としてのお考えを聞かしておいていただきたいと思います。これは発表できないということになりますれば別でありますけれども、われわれやはりそういうものを十分考えなければならない。これは文部省としては、自治庁との関係でなかなか言いにくいことがあるかもしれませんけれども、しかしながらやはり主管は文部省でありますし、それがいよいよきまつたものは地方の行政にきわめて大きな関係を持つておりますので、この問題についてのもう少し突つ込んだ話ができれば、この機会にひとつお伺いしておきたいと思います。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 ただ検討中というので、抽象的に延ばしておるわけではございませんで、実はすでに先般自治庁と共同通牒をもちまして給与の支払い等に関しまして、特に先ほど申しましたように定数については市町村が都道府県の教育委員会と協議をして定めますと同時に、他面勤務条件等については、都道府県の条例において定めることに相なります場合、都道府県の条例を定める場合にも国の場合に準じて負担のあまりに重くなつたり、あるいは昇給その他の場合にも支障を来すことのないように、その条例を定める場合にもそこをよく注意をしてやつてもらいたい、こういう意味の通牒はすでに出してございます。なお先ほど大臣もお述べになりましたように、近く法律的措置の前に具体的に先ほど申しましたような意味で、こまかな点についての共同通牒をさらに出したいと思いまして、目下相談を進めておるところでございますので、近くその運びに相なると思います。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 その問題はそれでもうやかましいことは言いませんけれども、もう一つそれに関連して聞いておきたいと思いますことは、文部省としてのものの考え方は、今のことをはつきり法律にして出すというお考えが一つと、もう一つは根本的に今日の教育委員会法を改正される御意思があるかどうかということであります。このことは教育委員会の今回の問題を引起しましたものに非常に大きな原因を持つておりまして、当初文部省の意見が、教育委員会法の実施は、一年延ばした方がいいという考えであつたことは間違いないのでありまして、その通りの法律案が国会に提案されておつたのです。従つて文部省としてはやはり今も教育委員会法については再検討を要するものだというふうに、はつきりお考えになつておるのかどうか。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 私は文部大臣になりましたときに、あの市町村における教育委員会というものは、これは相当考えなければならぬものだ、こういうことを漠然と考えておつたのであります。いよいよ文部大臣になつて会して事情を聞きますと、どうもこれは何とかしなければならぬ、こういう意を深めたのでございます。ところが早急に解散になりましたので、これを検討する余裕がございませんでした。そこでまず法律の規定に従いまして実行はすることにいたしましたけれども、もと考えておりましたところの私の考えはやはり動きませんので、改正改善をして行きたい、こういう理想を持つております。しかしながら、先ほども申し上げましたように、せつかく実行せられたものでございますから、これは今どうしても動きがとれぬという点だけは早急にこれを措置したい。しかしながら、いろいろ指導によつて何とかこれの運営がうまく行くという点は指導して行きまして、そうしてその上で実際上こういうようなぐあいに行かないところがあるという、実際の結果を見ました上で、これに対する対策を講じたい、こう考えております。でございますから、私といたしましては、まず実績を見たい、こういうことを今考えております。御承知の通りに、終戦後できましたいろいろな制度というものは、その後何年かの間にいろいろ実績上日本の国情に合わないんじやないか、不合理じやないかというようなものが、これは私の考えておるような空理空論ではなしに、実際の政治問題として形が現われたものがございます。まず、そんなものを先に手をつけて改正もし改善もして行く。それからまた教育委員会の方もそれと同じように、実績を見ました上で、適当な改正をして行きたい、こう考えております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 どうも私どもはつきり大臣の言葉もわからぬのでありますが、私がその次に聞いておきたいと思いますことは、もし政府がそういう意向であるといたしますと、この問題はなかなか解決いたしません。今たとえば知事会の様子を聞いて参りましても、知事会におきましては、給与権と人事権との関係から、市町村に給与を移してしまつたらどうかということを決議しておるようであります。この問題は非常に地方財政に大きな関連を持つた問題でございまして、現在のような行き方で国が半分の給与を支給する、残りは地方の団体が出すということになると、今は県が一本になつておるからどうやらやれておるのでありますが、これが知事会の言つておりますように、このまま市町村におろされて参りますと、今日の日本の市町村の中には、とうていこの負担にたえ切れない市町村が相当たくさんあると思います。そうなつて参りますと、地方財政の上から考えてみまして、地方財政の中に非常に大きな混乱を持ち込むことになると思います。この知事会の決議に対しましては、今文部当局はどういうふうにお考えになつておりますか、この辺をちよつとお聞かせ願つておきたいと思います。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 お答えを申し上げます。知事会でそういうような決議を出されておるということは私伺つておりますが、しかし私もと地方財政を担当しておりましたので、市町村というもの——大きな市でございますと、そうでもございませんが、町村財政にこの給与の負担をすぐおろすということは、これは至難のことだろうと思います。今府県がこれを受持つておればこそ、どうにかやつて行けるのでございますから、もし貧弱なる財政の町村にこの給与をすぐ移すということになりますれば、いろいろその町村財政のほかの方面における欠陥のために、給与の不払いとかいろいろなことが出て来るのでありまして、これはそう簡単に受付けられることではない、私はこう考えております。もし知事会議で決定したようなことを実行するといたしますれば、町村財政の方の根本的の検討をした上でなければ、私は実行不可能のことだ、こう考えております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 その次に聞いておきたいと思いますことは、この補正予算に関係してでありますが、補正予算で政府は教育委員会法の実施に伴う費用として十一億、厳密に言えば十億八千四百万円でありますが、大体これだけの金しか見ておらない。そうしてことに奇怪に考えますのは、初度調弁費のごときは、御存じのように一委員会あたり三万円ぐらいの見当しか見ていないということをこの前申し上げた。一体そういうようなことで、教育委員会がほんとうに発足できるのかどうか。この点は文部省と自治庁との間に打合せがあつたのか。文部省も大体この辺は承知されて、ああいう数字が出されておるのか。われわれから考えて参りますと、少くとも今日の制度のもとに、十一月一日から教育委員会が発足して、来年の三月まで五箇月間の費用というものは、最小限度やはり四十億ぐらいのものがなければ、大体満足なものは、できないのじやないかということは、これは教育委員会法を審議いたしておりました十三国会のときから考えられおつたことで、しばしば議論されたことであります。大体一年を通じて、ある人は百億といい、ある人は百二十億といい、あるいは八十億というようなことが考えられておつた。最初の調弁費その他を入れますと、どうしても今度の補正予算の中に、少くとも四十億内外のもの、あるいは五十億ぐらいのものが当然盛られなければ、実際教育委員会の満足な発足はできなかつたと私は考えておる。にもかかわらず、今度の内容を聞いてみますと、わずか十億八千四百万円という数字が出て来ておる。従つてこの数字は、文部当局と大蔵省あるいは地方自治庁との間に完全な了解の上でなされておるのかどうか、その辺をひとつお伺いしておきたい。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 お答えを申し上げます。お説の通りに初め四十億とかなんとかいうような予算がいるように計算されたこともございますが、しかしごの年度内において実施の可能な面をとりまして、それを予算に組みますと、大体ただいまきまつておりますように、十億八千万ぐらいで行くということは、自治庁と文部省と両方の事務当局がよく検討し、了解の上でやつた予算でございます。なお、その点のこまかいことは、局長から御答弁申し上げます。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 十億八千四百万の本年度の所要経費につきましては、ただいまもお話がございましたように、大蔵省、自治庁、文部省三者の協議の結果おちついた数字でございます。当初考えましたのは、先般もこの委員会で私お答え申し上げましたように、教育長についても全町村に置くというような建前をとり、また指導主事についても、市には相当多数の指導主事を置きたいというようなことで、実は実際上十二分な案を一応は立てておつたのでございます。しかしその後検討し協議をいたしました結果、教育長においても、僻阪の町村まで一々全部専任者をこの年度内に置くということは、実際問題として困難であろう、こういうふうな点と、また指導主事等につきましても、町村に個々に指導主事を置くということはこれも実情困難であろうというような観点から、教育長は一応年度内半数に計算をいたしますし、指導主事につきましても、新たに置くものについては、市に一名ずつというようなことで、実際問題とあわせ考えながら、財政上の都合も考えまして、そうしてただいま申し上げました十億八千四百万円におちついたわけでございます。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 問題は自治庁の問題にもなるかと思いますが、この問題は地方の町村にとつてはきわめて重要な問題でありまして、今の御答弁をそのまま受取つて参りますと、教育委員会法に定められたことはやらなくてもいいというように文部省はお考えじやないかと思う。大体これはできないであろうという推測だということになつて参りますと、そのままの姿が市町村におろされて参りますと、やはり財政の苦しいところ、それから少し問題でもあるところは、今の政府の意向がこうなんだから、何も指導主事を一ぺんに置かなくてもいいのではないか、あるいは教育長というような問題も、そう考えなくてもいいのではないかというようなことで、せつかくできた教育委員会法がおざなりのような形になつて来ると思う。この問題はきわめて重要な問題でありまして、地方は、御存じのように教育委員会ができなかつた場合は大して問題にはなりません。いろいろな問題で話合いの上で、実際的の問題は出て来ませんから、まだ問題にはなりませんが、少くとも公選された地方の教育委員が出て来るということになつて参りますと、やはりその衝に当る者は、できるだけ完全な教育委員会にしたいということは人情だと思う。また当然そうでなければならぬと思う。そうなつて参りますと、今の文部省の見解は非常に間違つていると思う。少くとも指導の立場にある文部省といたしましては、できるだけ教育委員会法の規定に基いて理想に近いものをなるたけ早くこしらえさせる、要するに教育委員会の機能の発揮が十分できるような処置をとられることが文部当局の意見だと考える。この点を実はきようは聞きたかつたのであります。自治庁の意見が、かりに財政の問題を考えてしり込みするようなことがあつても、文部省としてはやはり自分の主管の関係から、でき得るだけ機能の十分発揮のできるような処置をお考えになつているということをきようは聞きたかつたのでありますが、遺憾ながら、閣議できまり、さらに補正予算がきまつておるから、政府の要員としての立場からそれを護持するというような形で私は言われていると思うのだが、そういうことになつて参りますと、われわれといたしましては審議の上にも非常に困ると思いますので、ひとつ文部省は文部省として、一体そういうことでいいのか悪いのか。——文部省はこの教育委員会の制度については、財政的な問題その他から勘案して、十分な教育委員会の成果といいますか、機能を発揮することができなくてもいいというふうに文部省自体がお考えになつているというように解釈してもいいのですか。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 この予算が、私ども当初考えました点に比しまして十分でないということは、私どもも認めておるのでございますが、ただいろいろな点を検討してみますと、まことにやむを得ない、こういうところなのでございます。なお一例を教育長にひいてみましても、決して教育長がなくてもいいというのではございませんで、よほど設置その他についての困難な事情等がある場合には、兼務もまたやむを得ないというようなことでございますので、実施上の点については必ずしもそれで教育委員会の仕事が停滞してしまうということには実は考えてはおらぬのであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 私は最後にこの問題に関する意見だけを申し上げておきたいと思いますが、今のような御意見でありますと、当初からこの問題はわかり切つたことであります。文部当局はよく知つておつたと思う。今日本に教育委員会法を施行して、教育長の資格を持つ者が何人くらい足りないかということは当初からわかつていたはずだ。従つてこの実施は非常にむずかしい問題であり、また困難な問題であるということもわかつておつた。であるから文部省はちやんとこの委員会法の実施はもう一年延ばしてもらいたいという原案を、十三国会に出されたと考える。文部省が十分このことは承知しておつて、そうして一たびこの問題が幸か不幸か出て来ました以上は、文部省としては私はもう少しがんばつてもらいたかつた。文部省の意向に反したものができ上つて来ている。しかも今日の状態は政党政治である。こういう事態をこしらえたということは、今の政府を支持いたしております自由党の関係でしよう。私は明らかにそう言えると思う。こういうことになるということはわかり切つた問題である。従つて文部省としてはこの際もう少し強い意見を出してもらつて、そうして地方の教育費会の中にいろいろな問題を残さぬように——これは公選されていない委員でありますならば、あるいは任命の委員でありますならば大した問題は起りませんけれども、さつきも申し上げましたように任命された委員でない、公選された委員が出て来るということになつておりますと、おのおの立候補いたしましたときには理想も申し上げおりましようし、またいろいろなことを約束していると思う。教育委員になつてみたところが、予算がこれだけしがなくて何にもできない。教育行政に対してはまつたく無能——というよりも、むしろ無力であるというような形になつて出て来るということは、非恒に遺憾なこどであると思う。よくても悪くても一たび法律として現われて来た以上は、主管であります文部省としては、やはりどこまでも完全な教育委員会にするということにこれを進めてもらいたい。そのことのためには地方の自治体の財政等も関係いたしておりますので、私は今まで意見を聞いたのでございますが、文部省の意見としては一向はつきりいたしませんので、私といたしましては今までの答弁ではきわめて遺憾に考えております。  その次にもう一つ聞いておきたいと思いますことは、これも今度の補正予算に関連を持つておりますが、補正予算の中で地方の起債、さらに平衡交付金の問題の明細な資料を私どもいまだもらつておりません。いろいろなことを書いてございますが、その内訳等が明確になつておりませんので、十分に知ることができないのでありますが、今日問題になつておりますのは、これも来年の三月になりますと特にまた出て来る問題である。いわゆる学級編成の問題から出て来るのでありますが、老朽校舎の手当を一体どうお考えになつているか。これは自治庁だけの問題でありませんで、文部当局はこれに対するどういうはつきりした腹をおきめになつているのか、この点をお伺いしておきたいと思います。六・三制が実施せられて新しい学校の方面には相当力を入れて参つたことは、御存じの通りでありますが、忘れられたものは腐朽の校舎でありまして、日本に腐朽の校舎がたくさん残つている。はなはだしい例は、二、三日前の新聞で、おそらく大臣も新聞をごらんになつたと思いますが、大きなビルディングができたり、アパートができたり、鉄筋コンクリートの建物ができるが、その隣りに、風が吹けば今にもこわれそうな校舎がある写真が出ておつたのでありますが、日本の老朽校舎の実情はその通りだと考える。これの解決策というものは、今度の補正予算の中には、今までの説明を聞いてみますと、ほとんど考えられておらない。これも知事会、あるいは市長会、町村会等を通じて一貫した一つの意見として今日考えられております。従つてこの問題についての文部当局の御意見を、この機会に私はお伺いしておきたいと思います。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 老朽危険校舎が全国に非常にたくさんあるということは、実は私自治庁におりましたときにも知つておつたのでありますが、いよいよ文部大臣になつて詳しく調べてみますと、非常にこれは急を要するものであるということを感じましたので、補正予算に実は組み込んだのでございます。ところが御承知の通りに、ああいう校舎は都道府県の負担において設備をして行くというのが原則である、こういうことなんです。実は私不敏にしてそれを知りませんでしたが、しかしながらいずれにいたしましても、使用禁止とか、使用制限とかいうような命令が出されておる校舎が相当あるのでございまして、これをそのままにしておくということは文教政策上よろしくありませんから、これをぜひ何とかしたい思つていろいろ話をしたのでございますが、これには一つ問題点がございまして、先ほど申し上げましたように、都道府県の資力、あるいは資力がなければ起債によつてやるというような原則で行かなければならないものでございますが、この危険老朽校舎がなぜこうなつたかという原因を探求してみますれば、御承知の通りに、戦時中に軍がこれを使用しておつたとか、もしくは資材、資金の統制が非常にやかましくて、その方面に改善を施す余地がなかつたというようなことで、今日の危険校舎がふえておるのでございまして結局一半の責任は国が負うべきものであるという私の考えになつて来ておる。そこで私は今までの金の出し方の原則というものをかえまして、やはり国家が幾分かの補助をし、同時に地方公共団体にその上を出させてやつて行きたい、こう考えたのでありますが、この補助金政策というものにつきましては、国家財政が非常に困難なときでございますので、そう速急に原則を変更決定するということにはちよつといかぬ、こういうことになるのでございますから、それでは来年度予算におきまして、ぜひ文部省として出すということにしまして、補正予算には盛ることができなかつた、しかし来年度予算におきましては私の方針通りぜひその金の負担の性格というものをかえて、そうして国家補助金というものを幾分か出し、そうして今までの危険校舎を改築して行きたい、こういう方向に私は考え、同時に予算を組んで来年度予算に要求しておる次第でございます。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 そうしますと危険校舎の分については来年度の予算で何とかしたいというお考えのように今お聞きをいたしましたが、私どもから申し上げますと、少くとも国が補正予算を組まれます場合におきましては、やはりそういうものが十分取上げられていなければならない、従つて問題は起債の問題でありまして、もちろん都道府県で今金を出して学校を建てかえるというわけにはなかなか参りませんので、勢い起債によらざるを得ないわけであります。ところが本年度の補正予算の起債は、さつきちよつと申し上げましたように非常に少いので、私は今のような質問をしたわけであります。そうすると、大臣の答弁を要約してそのまま受取ると、老朽校舎のできた一つの大きな原因は、やはり戦争中の戦災である、戦災という言葉が当るかどうかわかりませんが、私は戦災といつてもさしつかえないと思つております。戦災によるものであつて、当然その一つの責任を国が負うべきであるというような考えのもとに、補助金その他の形で国として多少のめんどうを見て行きたい、残りのできないものについてはやはり起債でやつて行くような方法を講じたいという大臣のお考えであるということに解釈してさしつかえございませんか。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 お説の通りでございます。それから老朽危険校舎につきましては、わずかではございますが、おそらく自治庁の方で予算を組んでおると思います。それはよく存じませんが、しかしそれ以上に文部省といたしましては、ぜひ老朽危険校舎を早く改案してもらいたいという考えから、今までの方策をかえまして、補助金制度によつてやつて行きたい、こう考えております。同時に来年度その予算を要求したいというように考えております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 そういつまでも私だけで質問しておるわけには行きませんからこれでやめます。教育委員会法ができ今日のような状態になつているということと、それからもう一つは老朽校告の問題についてさつきお聞きしたのでありますが、御存じのように給与の関係が相当私は問題になると考えております。これもやはり来年の三月の学級を編成するまでの間における教員の異動の時期でありますが、これがかなり問題になつて来ると考えております。当局の調べによりますと五百円ばかりでありますか、高いというようなことで、それだけベース・アツプから差引いたものを加算しようというようなお考えのように今まで大体聞いたのでありますが、文部当局といたしましてもこの教員の給料が大体三百五十円でありますか、高いということは、これをそのまま是認されておるかどうか、この点をお聞きしておきたいと思います。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 教員の給与の額の問題につきましては、御承知のように昨年の十月にベース・アップをいたします場合にいろいろ問題がございまして一応大蔵省等において三百七十五円高いという数字がとられたわけであります。そして当時そのような財政措置をきめられたのでございましたが、しかし文部省としてはその三百七十五円をてのままのむわけに参りませんで、ただちにいろいろ実体的な調査をいたしました。そうしてわれわれの数字をもつていろいろ折衝をいたしました結果、三百四十九円というものに大体話かおちついたわけでございます。そういうことでございまして、三百四十九を是認したとか公認したとかいう意味じやございませんけれども、大体話合いの結果さように相なつて参つたのとございます。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 話合いだという今のお話ございますので、この際もう一ぺん聞かなければならぬようになりますが、別に私はこれをどうしようというわけではございません。文部省がそれで承認できないんだ、しかしその後予算の都合上ああいうものをかつてに大蔵省がきめたんだというなら、それで私どもはいいのであります。ただ政府の立場から何とか言葉のつじつまを合せておかなければぐあいが悪いからということで話し合つたんだということでなく、私の聞いておりますのは文部省自体が約三百五十円というものが高いんだということを御承知になつておるかどうかということであります。これは地方公務員の場合と教員の給料の場合というのは、おのずから趣が異なつておると私は思う。それは地方の一般公務員の場合は、ことに県庁その他に対しましては国と非常に密接なつながりを持つておりまして、国の役人であつた者が地方に出、あるいは地方におる者が中央に入つて来るというようにいろいろ人事の交流はあつた思う。従つてその間における給与の面等につきましても、おのずから一つの関連性が多少あつたと考える。同時にまた一面から考えて参りますと、地方の公共団体で人をとろうとすれば、権力官庁である中央よりも経済的にこれを優遇しなければ、現業官庁にはなかなか人が入つて来ないということはこれは人情である。従つて人情から来る一つの問題として当然地方におつた人の方が高いというようなことが一応われわれにも考えられる。同時にまた勤務年限におきましても地方の方が古い人がたくさんおる、従つてこれを平均に給与を計算して行けば、あるいは高いことになるかもしれません。個々の問題から見ますと決して私は高いものでもない思いますが、いろいろな事情からそういう問題が出て来ておる、ところが学校の先生の場合は国との間にそういう関連性は実際なかつたと私は考えておる。従つて私はまだ大蔵省の国の給与ベースの調査のはつきりした資料をもらつておりませんから、大蔵省に対しては何とも言えませんが、しかし大蔵省がかりに対象にするといたしましても、一応教育公務員と一般公務員との考え方というものは、少々かわつてもよいのじやないか、これが一般公務員と同じように取扱われておるところに、非常におもしろくない一つの問題が出て来はしないかということ、これは教育公務員の方と一般公務員とわけておるじやないか、片方は三百四十八円で、片方は三百四十九円であつて、一円違つておるから、大体わけたということになるかもしれませんけれども、しかし実際からいうと国の方にはこれを比較するものがないのであります。にもかかわらずやはり小学校、中学校の義務教育に携つておる教員の給料だけが高いということは——これは私は一般公務員と比較するということは職務の内容その他から考えて少し酷じやないかと考えます。実際に教育をやつております学校の先生の労力と、一般公務員の労力とを同じようにものを考えて査定して行こうとするところに無理がありはしないか、この点については文部省はやはり一般の公務員と同じように考えてもいいというようにお考えになつておるのかどうか、この辺をもう一つ聞いておきたいと思います。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 私どもといたしましても、地方の、ことに義務教育に携わつておりまする教員の方々の優遇については、できるだけ努めたいと思つておりますし、また努めて参つておるのでございますが、ただ財政措置として国として考えます場合に、御承知のように一応特例法の定むるところによつて国の教育職員の大基準によるというようなことになつておりますので、それをも無視して単独に考えるわけにも財政措置としてはできませんものでありますから、一応先ほど申しましたような経過において三百四十九円というものを出したようなことに相なつたのでございます。

青柳一郎自由党

○青柳委員長 次に森田君。

森田重次郎改進党

○森田委員 関連して私からも二、三質疑いたしたいと思います。まずお伺いいたしたいのは、この教育委員会の町村における構成でございます。それは大体教育長なども自然それに付随してちやんと置き、その他になお職員なども置くといつたような関係になるのですか、その全体の構成をまずお伺いしたい。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 教育委員会法によりますと、公選された委員のほかに専門的な教育の技術者として教育長を置くことになつております。そのもとに教育内容を指導いたしますために指導主事を置きますとか、またその他必要に応じて職員を置く、こういうふうなことになつておるわけであります。

森田重次郎改進党

○森田委員 今のような構成単位で、一月の費用は大体どれくらいかかるという見込みなのですか。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 これはいろいろ町村の規模にもよりますけれども……。

森田重次郎改進党

○森田委員 大体中くらいの標準でよろしい。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 まず一箇月にいたしまして三、四万円程度で、よほど緊縮すればできるだろうと思つております。

森田重次郎改進党

○森田委員 それは教育委員の手当、それから教育長の報酬、主事、職員といつたようなものを見込んで、どれくらいかという質問なのです。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 それをも見込みまして大体数万、あるいは五万円前後と考えたら、いいのではないかと思つております。

森田重次郎改進党

○森田委員 そうすると、一箇年の日本全体の町村におけるお見込みは幾らになつていますか。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 私どもで見込んでおりますのは、一箇年で五十億ないし六十億程度と見ております。

森田重次郎改進党

○森田委員 その六十億に及ぶ費用は、全額国庫負担になるのでございましようか。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 これは国の財政措置といたしまして、本年度の補正予算をさらに来年度に適用いたしまして、私どものただいまの希望としては、国として来年度約三十億を考えておるのでございますから、従つて全額というわけには参らぬと思います。

森田重次郎改進党

○森田委員 そうすると残りの三十億はどういう方法で支弁するようになるのでございましようか。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 なお先ほど申しました数字は、教育委員会設置のために全然新規に増加する分として計算いたしましたので、たとえば従来町村において教育のために使つておつた費用を少しまわしますようなことになりますと、幾分これは減額されることと思いますけれども、その不足分については地方において負担をし、さらに平衡交付金等において措置される部分が相当あると思つております。

森田重次郎改進党

○森田委員 そこで問題のねらいを別の方にかえてちよつとお伺いしたいのですが、この教育委員会法を実施することを一箇年延長の法律案が出ておつたのだそうでございますが、それは一体どういう目的で一箇年延期ということの法律案を提案したのでございましようか。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 当時文部省の考え方といたしましては、教育委員会制度に関する各方面の意見等も、いろいろまちまちな点もございますし、文部省としても、当時結論を得るには少し情勢が熟しておりませんでした。その関係でさらにもう一年延期をして、そうして各方面の意見等もさらに論議を尽した上で結論を得たいという趣旨であつたのであります。

森田重次郎改進党

○森田委員 きわめて抽象的なお答えで、ちよつと要領を捕捉するに困るのですが、率直に言つてどういう点がねらいで一年延期したいということだつたのですか。たとえば今の日本の財政状態では、これを実施することが財政的に困難だというのであつたのか、それともこの方法は日本の国にはどうも不適当だ、だからどうしてもこれはもう一ぺん検討する必要があるんだというところにあつたんですか。その点をはつきりさせていただきたいと思います。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 お話のございましたように、財政上の問題も確かに一つの点でございました。そのほかに教育委員会を設置いたします場合の適正規模と申しますか、どの範囲に置くかという点についても、町村に必置すべきものだという考え方もあり、あるいはそれでは小さすぎるという考え方もございました。その他教育委員の選任方法についてもいろいろ議論がございまして、その規模の問題なり、あるいは選任方法の問題なり、これはなかなか根本的な重要問題でございますので、さらに検討を重ねたいというのがその趣旨でございます。

森田重次郎改進党

○森田委員 そうすると突如として教育委員会の制度が実施されたということについては、文部省として今日はつきりこれがいいのだという確信があつてのことなのでございましようか、ほかに理由があるからなのでございましようか、これは大臣からお伺いしたいと思います。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 お答え申し上げます。文部省といたしましては、これは検討を要する。先ほど局長から申し上げましたように、いろいろ調整しなければならぬ点がございますから、これを調整した上で実施したい、こう考えておつた。ところがいよいよそれが実行に移されます以上は、現行法によつてそのまま実施しなければならぬ、こういうようなところに追い込まれたわけであります。そこで先ほども申し上げましたように、検討をしなければならぬ点が、理論的にまた考えの上では考えられますけれども、しかしせつかく法律によつてできた制度がそのまま実施せられました以上は、できるだけどういう点がいけないのであるかという実際の結果を見て、そしてそれによつて改善して行きたい、こういう方針でございます。

森田重次郎改進党

○森田委員 そうすると、今検討なさるというお考えのようでございますが、日本が独立してから今日まで数箇月たつております。特に文部省として延期案まで出して、これが検討を必要としておつたのでありますが、しからば具体的にどういうような方法でこの制度が日本に適するか、適さないかということを御検討なさつたのでございましようか、その点をお伺いしたい。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 お答え申し上げます。地方行政制度全体から見まして、ただいまの地方の町村のあり方というものは、日本の文化国家としてはたして適当な規模であるかどうかということがまず根本問題でございます。そこでわれわれといたしましては、まず第一に——御承知の通りにあの町村の規模と申しますものは明治二十二、三年ごろにできたものでありまして、たとえて申しますれば、かごとも申しませんが、人力車で交通しておつたような経済、文化程度の時代にできた町村の規模が、飛行機で、また自動車で走るというような経済情勢にかわつて来た今日、なお地方の規模がそのままでいいか悪いかということは、相当これも検討しなければならぬ。そこへそのまま最も進歩した教育委員会というような制度を植えつけていいのか悪いのか、こういう点が根本的に考えなければならぬ問題でございます。そのほかいろいろございますけれども、あとは小さい問題でございます。私の考えといたしましては、まず第一に、日本の今日の経済情勢に匹敵した地方の町村のあり方を創造し、そしてそれができました上で教育委員会もまたそれに合つたようなものにして行くことが根本的の私のねらいでございます。

森田重次郎改進党

○森田委員 今ちよつと抽象的なお答えがございましたが、一箇年延期の法案が出ておつたのに、これが当時与党であつた自由党の延期策というか、あるいはこれは審議しないという態度からいたしまして、とうとう今の制度を実施せざるを得ないという結論に落ちてしまつた。そこで何かそうせなければならなかつた事情があつたと私らは別に考えているのでございますが、この点文部当局としてはどういうふうにお考えになつたか。延期案を出していながら延期されないで、今日のようなどうにもならない苦境に陥つた、その事情は何か別なねらいがあつたとお考えになつておるかどうか、その点をちよつとお伺いいたします。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 御承知の通りに、あれは二回延ばしましてもう三回目で、三度も四度も延ばすのはおもしろくないじやないかという一つの考え方、それからもう一つは、町村会の全会一致の決議によりまして、ぜひ早くこれを町村に施行してもらいたい、こういう非常に強い要望がございまして、それでできたことと私は承知いたしております。

森田重次郎改進党

○森田委員 今大臣のおつしやつたことは私らの聞いておるところとは、まるで逆なように聞えるのですが、事実その通りなんでございますか。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 ただいま申し上げましたところはその通り事実でございます。

森田重次郎改進党

○森田委員 じやその点はその辺にしておきます。そこで次にお伺いいたしたいのでございますが、文部大臣は六・三・三・四の制度を再検討なさるお考えかどうか、それともこのままこれは持続なさるお考えでございますか。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 六・三・三・四は非常に進歩した教育制度でございますから、これを堅持して行きたいと存じております。

森田重次郎改進党

○森田委員 そこで次にお伺いしたいのは、先ほど同僚の委員からも質問がありました通り、老朽校舎に対する起債さえ容易に許すことができない日本の財政状態だと言われた。また一面、もう一つその前提としてお伺いいたしたいことは、屋内体操場に対する起債の問題なのでございます。今までの起債の関係から見ますと、義務教育制度下の設備内容として屋内体操場というものは絶対に必要なものだ、とこういうふうに考えているのでございます。従いまして、これは当然起債の対象になるべきものだと考えているのでございますが、これに対して文部省の御所見を伺つておきたい。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 屋内体操場の点につきましては、両院で非常に御熱心な決議がございまして、そうして実施することになりまして、今度の補正予算でも三億六百万とつてあります。それで、これは来年度もこのとつて残つたものに対して予算を要求している次第であります。それから危険校舎につきましては、先ほど門司君からお話がございまして御答弁申し上げましたように、本質的には地方公共団体の負担でなすべきものであるけれども、あの老朽になつた原因、私の考えといたしましては、これは戦時中、戦後における国家のいろいろな施策のために、地方公共団体がこれを整備改造することができなかつたという原因をとらえまして、できるならば来年度から国家的に補助を与える、同時に地方団体がそれにばつを合して早く改善をして行きたい、こう考えております。

森田重次郎改進党

○森田委員 そこでもう一ぺんお伺いいたしておきたいことは、老廃朽校舎の改築に対する起債の要請、それから今の屋内体操場の設備に対する起債の地方からの要求、これを二つ合せてどれくらいの額に上つておりますか。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 私ちよつとその点は詳しく調べておりませんから御答弁できにくいのですが、ただ問題はこういうことだけを私地方自治庁長官をしておりましたときに感づいたのですが、今年でございますか、地方からの起債の要求額が二千五百億以上に上つておるのであります。これは各省ともなるはどこの起債は認めてやらなければなりないというような査定があつたものたけでも、それだけに上つているわけぐす。ところが国家財政、一般の金融財政政策の上から五百億とか六百億くりいしか、それに対して起債が許せないというような情勢になつておるわけじす。でございますから、これに対ししどのくらいあるかということを、わかつておればまず御答弁申し上げさせますけれども、いるだけのことをぜひ十つてやらなければならぬと、むろん行えますけれども、国家財政がそこまで許し得るかどうかということは、一つの問題点でございます。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 数字の点につきましては、管理局長に来てもらつてお答え申し上げますから、しばらく御猶予願います。

森田重次郎改進党

○森田委員 とにかく今大臣の御答弁中にも、二千数百億円の起債要請がのるということで、義務教育六・三・三の維持に伴う起債でさえ、非常に困却な立場にあるようであります。これは数字がわかれば、自治庁長官にもお尋ねいたしたいと思うのでございますが、しかし結論は大体見当がつくと思うのでございます。それはこの義務教育実施のために、その設備にさえいかに国全体が多額の費用を要するかということは、これはもう顕著な事実だと思うのでございます。ところがこれさえかなえることのできない財政状態の今日、文部省自体ですでに疑いをお持ちになつて、これは再検討を要するというような教育委員会というものは、私らから考えると全然無意味なものです。こんなものはやつたつて手足まといになるだけの話で、財政のゆたかな国においてはあるいは可能であるかもしれないが、こんな自治体で責任を負うから借金を背負うことを許してもらいたいということさえ許可することのできない財政状態の今日、六十億円のむだな金を投じてまで、この教育委員会というものを維持して行かなければならない根拠は、一体どこにあるのでございますか、この点私は大臣の責任ある答弁を求めたいのであります。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 私はその点におきまして、お説まつたく同感でございます。でございますから、教育委員会を早急に実施するということには、これは党議で決定しておりますにかかわらず、私自身が絶対反対したわけでございます。それでもしあの解散があんなに早急に来なければ、私は一年延期を貫徹しておつた、めどはできておつたのでございます。けれども不幸にしてそういうことになりましたものですから、そうなつた以上はやはり法の指定する通りの制度を一応実施しまして、それから先ほど申し上げましたところの三十億とか六十億というものは、これはスタートしますときに必要な金でございまして、あとは地方公共団体が負担すべきものでございます。そこにもやはりお説の通り財政上の難関がございます。でございますから、私自身といたしましては、今後十分これを検討しまして、地方の財政にも合い、またお説のような大事なことから先にやつて、あまり大事でないと思うようなことは、これは何とかやめて行くとか、もしくは改良して行くとかいう方向に進んで行かなければならぬものと考えております。

森田重次郎改進党

○森田委員 そこでお伺いいたしたいことは、この日本の教育制度、特にアメリカから押しつけられて、敗戦日本の財政に適するとも考えられない日本の教育制度、これに対して、その一つとして今教育委員会のことが問題に上つたのでありますけれども、少くとも根本的な再検討を加える必要があるということは、大臣もお認めのようであります。そこでお伺いいたしたいことは、これを検討するためいかなる方法をお考えになつておいでになるかということであります。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 これは教育制度に限りませず、すべての制度に対して私は検討しなければならぬ事態に、もう差迫つておると考えております。そこで文部行政につきましては、私は最近できますところの中央教育審議会を早急に出発させまして、そうしてそれに対しているくただいままでにできおりますところの文部行政についての根本的の検討をして行きたい。そうしてその結論に基いて、われわれは撃にお願いしまして、適当な御裁断を得たい、こう考えております。

森田重次郎改進党

○森田委員 今の大臣のおつしやつたのは、中央教育審議会のことでございますか。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 さようでございます。

森田重次郎改進党

○森田委員 それだと実はこれは前の大臣のときからすでに設けられておつたもののように考えておるのでございますが、これはいかがでございますか。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 お答え申し上げます。いろいろ文部省に審議会がたくさんございましたけれども、どれもこれも国情に合わない——というとおかしくございますけれども、審議会ばかりたくさんありまして、そうしてその結論が統一されない、こういうようなことになります。ものですから、大体四つ五つの審議会を閉鎖しまして、そうして新しく中央教育審議会というものをつくるということに、前国会で法案が通つたわけであります。それで今せつかく人選中でございます。ほどなく出発することと思います。

森田重次郎改進党

○森田委員 そこで私は特に大臣にお願い申し上げたいことなんですが、巷間伝うるところによりますると、まだ委員さえ選考が終つていないと聞いておるのですが、これはいかがですか。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 委員長の選考は大体進行しつつあるのでございます。ただ問題は、ぜひこういう委員会に入つていただきたいという希望を持つていますお方が、二、三お断りになつて来たようなこともございますので、そういたしますと、どうも委員会といたしましては、公正な委員会をこしらえたいと思いますから、ずつと八人までできておりましても、あとの二人ができませんと、ほかのつり合い上、また八人の決定に対していろいろ考慮を払わなければならぬ、こういうことがございまして手間取つておりますけれども、最近できることになつております。

森田重次郎改進党

○森田委員 これは私は、文部省としては非常に大きい怠慢だと考えるものでございます。というのは、今回この教育委員会というものが日本の実情に不適当なものだという結論が出ますると、これはむだな金を、今ここで何億という金を投ずるほど、ばかげた政治というものはないと私は実は考えるものです。それを今日まで、この中央審議会の委員の選考さえまだ終つていないということは、文部行政としてはきわめて怠慢なやり方だと私は考えるのでございます。これはすみやかにひとつ御選考をお願い申し上げたいと思います。これは私の希望であります。同時に申し上げたいことは、さてこの委員会というものがかりにできたとしても、今までの文部省のような、たどくしい歩み方をなさつて、この審議会が一年なり一年半かかるということになりますと、これは容易ならざる国費のむだということになるものだと私は考えるのでございます。そこでこれは中央審議会と別個に何らかすみやかに教育委員会というものが、一体この通り持つて行つていいかどうかという審議をなさる、あるいは文部省の中である一つの案を得て、すみやかにこの教育委員会というものは廃止すべきであるというような単独立法をなさつたらどうか、こういうふうに考えるのでございます。私は特に大臣にこのことをお願い申し上げるのは、従来文部大臣は大体学校の先生とか、あるいは文部行政に明るいといつたような方々で、少し考え方が理論に過ぎるような方が多いように思う。そこへ今の岡野文部大臣が、実践の立場からすみやかに行動を起されるという経験の持主として大臣の地位にお立ちになられた、これは私は非常に興味をもつて実は見ておるのでございます。それでありますからどうも大臣のお考えは、先ほどもこの案自体には反対であつたというようなお考えのようでございますので、その決意をすみやかに文部省の案として、この委員会を廃止する立法をなさるにはまことにふさわしい大臣のように私は考えますが、これに対して一体どういうようなお考えを持つておいでになるか、私はすみやかに御決意なさるのが、日本の困窮せる財政の上にも、まことに必要な実情にあるように考えるのでございますが、この点に対して大臣の御所見を承りまして、私の質問を終りたいと思います。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 私も実は学者でございませんでよくわかりませんが、しかしお説のように改革とか革命とかいうものは、昔のことをよく知つている人とか専門家ではなかなかできないもので、盲蛇におじずで、あるいは私のような者が改革には向いておるのではないかと思いますが、お説まことに一々ごもつともでございます。できるだけひとつ御趣旨を尊重しまして、今後善処して行きたいと存じます。

青柳一郎自由党

○青柳委員長 次に横路君。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 ただいまの文部大臣の答弁で、大体市町村教育委員会法は廃止してもいいとまでは結論が出ないにしても、大体そういう趣旨であるように思いますので、私たちも大いに文相に協力しようと思うのでございます。そこで私が第一番目にお聞きしたいことは、文部大臣は非常に地方財政に明るいというお話でございますので、今回の市町村教育委員会の設置によつて、市町村の財政に対して一体負担になるのかならないのか、全然市町村の財政に負担をかけていないかどうか、もしもかけているとすれば、一体どの程度、昭和二十七年度でかけているのか、その点についてお伺いいたしたい。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 お答え申し上げます。ちよつとこれは言葉じりでございますけれども、私は教育委員会を廃止した方がいいという結論をただいま出したのではございませんで、これは将来検討して何とかしなければならぬ、こういうことを申し上げたことだけを御了承願いたいと思います。それから地方に負担をかけておる点は、これはおそらく負担になるだろうと思います。しかしそれがどのくらいの負担をかけておるかは私よく存じておりませんが、少くとも国家財政といたしましては、今年度だけでも十億八千万円支出しなければならぬということになつておる次第でございます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 今の問題に関連して、私は田中局長にお尋ねいたしたいと思いますが、十億八千万円の内容のうちで、この前のお話では市町村の教育委員会の委員については、市町村会議員と同じ額の実費弁償をする。それから設置した教育長については助役並の待遇をする、こういうことにお話をお伺いいだしたのでございます。なおたしか市については指導主事を一名置くまうにもなつていると思うのですが、そこで大体この市町村教育委員会の委員の実費弁償額は、大体市町村会議員と同じ程度の実費弁償額並びに助役並に待遇する教育長、それから一名置かれた指導主事、こういうものが十一月一日から来年の三月三十一日までの五箇月だけで、この給与総額は大体どの程度を見込んでおられるのか、その点についてお尋ねいたします。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 ただいまお尋ねの点でございますが、委員手当等人件費は、大体約九億と計算いたしております。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 そうすると人件費が九億でございますと、あと一億八千万円がその他市町村約一万に置かれた教育委員会の五箇月分の人件費を除いた費用である、こういうふうに解釈してよろしいわけですか。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 大体さように計算は相なつております。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 そうしますと、一億八千万円で市町村の数が町村だけで一万、町が千九百三十一、村が七千八百十一、市が二百八十ということになりますと、五箇月分で一町村あたり一万円にしかならないわけです。そうすると、五箇月で一万円ということになると、月二千円が市町村教育委員会の人件費を除いた費用ということになつて、これでは先ほど文部大臣がお話をなすつた市町村の財政に幾分迷惑をかけるだろうというのが、幾分どころでなしにずいぶん違つて来ますし、それからたしか十二日のこの委員会における答弁の中で、田中局長は大体それは一委員会当り三万円見込んでおるということになつて、その程度の額でも三億をはるかに越えて、人件費九億ということになると十二億を出るわけでございまして、どうも基礎的な数字に非常な誤りがあると思いますので、もう一ぺんひとつ御答弁を願いたいと思います。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 今私は手元の数字で申し上げましたが、なおお尋ねの疑問もございますので、さらに私は検討してただちに御返答申し上げます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 それでは後日の委員会に詳細にひとつ資料を出していただきたいと思います。  次に私は文部大臣にお尋ねいたしたいのですが、最初門司委員の御質問に対する答弁の中で、一番大きな問題の人事権の問題と給与権の問題でございますが、この点については、自治庁と文部省の間で適切な方法を講じておるというお話でございました。そこで全国町村長会あるいは全国の町村議長会等においては、いわゆる義務教育費についてはこれを全部市町村側に移してもらいたい、こういう希望があるのでございます。そこで適切な方法というのが、市町村教育委員会にあくまでも法の解釈の示す通り人事権を持たしてやるということになると、今まででも都道府県の教育委員会と、それから都道府県との間の給与と人事権の問題でいろいろ問題があつたのでござまして、そういう立場から行くと、適切なる方法というのは給与に関するものを市町村側に移すというのか、それとも逆に市町村教育委員会の人事権をこれを都道府県の教育委員会側に移して、従前のように都道府県教育委員会と、都道府県知事との間の関連でやるのか、どちらの方の立場を一体自治庁との間で基本的な原則の話合いをなさつておるのか、その点について承りたいと思います。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 先ほど局長から申し上げたと思いますけれども、今の町村の方におります教職員は、都道府県の条例により定員をきめるということになつております。それからまた給与の問題も、教育公務員の特例法によりまして、やはり条例できめるということになつておりますから、形の上ではとにかく運行することにはなつておるのです。けれども、それがうまく行くかどうかということに、多少の疑問を持つておりますので、自治庁との間にその定員とか給与の発令とかいうことについて、これを調整するということをやろう、こういうことで今速急にやつているわけでありまして、給与の負担を市町村におろすとか、そういうことはまだ考えていない、こういうのが現段階でございます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 教職員の人員については、都道府県の定数条例でやつております。それから給与については、都道村県でやはり条例で定めて来るわけじ、お話の通りでございます。そうしますと私はとりあえず、先ほど文相かりも言われたように、市町村の教育委員会の設置は、文部当局としては絶対反対であつた。しかしどうもいろいろば政治情勢といいますか、それとも解散前におけるところの自由党のものの考え方といいますかそういうようなものによつて文部大臣としては不本意ながら設置された。そういう経過から見ても、この際私は人事権と給与に関する問題との関連からいつて、定数は都道府県の定数条例で、給与に関しても都道府県の条例で定めているのですから従つていつそ市町村教育委員会におる人事権をこの際文部当局としては、都道府県の教育委員会にこれを委託するといいますか、移管するといいますか、そういうような方法をとられることが、文部大臣がこれを設置しないという当初の精神からいつて、とりあえず今暫定的にやれる措置でないかと思いますが、この点についての文部大臣の御見解はどうでしようか。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 いろいろそれも考えておる次第でございますけれども、ただいまのところ、先ほど申し上げました調整だけにまず重点を置きまして、先にやつておきまして、それからお説の点も十分検討したい、こう考えております。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 次に私は初等中等教育局長にお伺いしたいのですか、先ほどのお話で、地方の教職員については、当初大蔵当局は三百七十五円高いと言つたが、調査した結果三百四十九円におちついた、こう言われたのです。このおちついたというのが一体どういう内容か、私非常に先ほど疑問に思つてその言葉を聞いておつたのですが、おちついたというのはぜういうようなかつこうで三百四十九円に、それこそおちついたのですか。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 文部省としても、先ほど申しましたように、三百七十五円の数字が取上げられました場合に、それじでいけないというので、独自の調査もいたしたのでございます。そこでその調査の数字をもつていろいろ三百七十五円を下げるために折衝もいたしておつたのでございますが、そのわれわ他の調査の数字等によりまして三百四十九円ということに相なつたのでございます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 今のお話によりますと、独自の方法で調査したというのですが、その調査の仕方で金額が大分違つて来るわけです。そこで調査の方法について、どういうことで調査をして三百七十五円が三百四十九円にきまつたのか、その点をひとつ明らかにしていただきたい。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 当時文部省として一応調査をいたしましたのは、昨年の十月一日の現在に基きまして、全国の小中学校等に奉職をいたしております教員の中で、約七割以上も占めております短期大学出の卒業生を対象にいたしまして、そしてそれらが国立の付属の学校に参りました場合、あるいは地方に奉職をいたしました場合、これらについて実は調査をいたしたのでございまして、さようなことから、ただいま申し上げましたような数字を得たのでございます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 重ねてお尋ねいたしたいのですが、短期大学出を対象にしたというお話でございますが、そうすると短期大学を出た者で、小学校、中学校に赴任している者の一番古い者は、勤続年数何年になりましようか、その点ちよつとお尋ねしたい。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 短期大学出と申しましたのは、新しい制度に直して申しましたので、実際は師範学校卒業者を意味するものでございます。それで古い者になると、三十年も勤めた方があるはずでございます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 ただいまの調査の方法は、そうしますと旧制の師範学校並びに現行の学芸大学を出た者のうち、七割以上を対象にして、その者が国立の学校に勤務したとした場合にどうなるかと、こういうように今お聞きしたのですが、それでよろしいのでしようか。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 さようでございます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 その調査の方法については、国立大学に勤務している者についても同様に調査をして、実際の金額の上で調べたのか、それとも今のお話によりますと、旧制の師範学校、それから学芸大学を出た者を、給与によるところの法律に示す初任給は幾ら、昇給は幾ら、昇給の年月日は幾らというようにしておやりになつたのか、その点が抽象的でよくわからないので、もう少し具体的にお話をしていただきたいと思います。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 私どもの調査は、お話のあとの場合でございまして、実際に幾らになつておるかということで調査をいたしたのでございます。ただ号俸その他をつける上で、一応それを測定して、そしてそれから割出したというのではないのでございます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 ちよつと大臣にお尋ねいたしますが、実は今の問題でございますが、二十九日のこの委員会において、自治庁の方の地方公務員の場合には三百四十八円が高い、学校教職員の場合は三百四十九円が高い、このお話がございました場合に、地方公務員の三百四十八円が高いについては、その地方公務員の中の事務系統その他のものを抜き出して、そして昭和二十一年以降における一切の給与法が施行された場合に、大学を出て五年の者は幾らであるべきである、またその者は何箇月ごとに昇給しでどうなつたか、それがいろいろの給与法の改正によつてどう変化しているかというように、法の示すところによつて、いわゆる理論的に打立てて、その者が現在地方公務員の、その法の示した理論的な方法によるものよりも三百四十八円高いという計算方法でやつたのである、こういう御答弁があつた。今の局長のお話によると、そうでなしに、実際にその旧制師範並びに学芸大学を出た者は、国立の学校の現在教職員との比較の上でやつたのである、こういうお話でございますが、そうなりますと、地方公務員が三百四十八円高いという基礎的な調査方法と、地方の教職員が三百四十九円高いというものに関する基礎的な調査方法とがまつたく違うわけですが、今局長の答弁されたことで、大臣としてはさしつかえございませんか。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 私実は調査の方法がどういうふうにされたか、よく存じませんが、しかし去年でございましたか、地方公務員と国家公務員との間に差があるということで、大分大きな問題になりましたものですから、自治庁と文部省と大蔵省との事務当局が寄りまして、会議して算出したものでございますので、ただいま御質問になりましたようなことは、おそらくないのだろうと考えます。と申しますことは、理論的にもそうであろうし、実態調査もしたことでございましようし、その理論的に調査したものと、実態調査したものとを突ぎまぜて、こういう結論になつたものと私は考えております。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 私は田中局長にお尋ねしますが、今のあなたの答弁ですと、大臣のお話では、大蔵省、自治庁、文部省がみな相談をしてやつたと言う、そういうことになると、調査方法というものは、みな一緒のはずなのです。文部省だけがあなたの答弁によると、独自の方法でやつた、こういうことになりまして、非常にその間大臣とあなたの間に食い違いがあるわけですが、その点については、あなたは前の答弁でさしつかえないものか、ひとつお尋ねしておきたい。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 独自と申しましたのは、共同調査でなかつたという意味で申し上げたのでございまして、決してわれわれだけで他との関連なしにやつたという意味ではないので、さよう御了承いただきたいと思います。  それからなおお話のように、確かに理論的な考え方も当然ございますけれども、文部省で当時やりましたのは、先ほど申しましたような実際の調査をやりました。しかもそれを、それぞれの本俸の基準というものがございますので、それに合せて、そして最も実際に近い号俸等に基準をとつて、出したということになつておるのでございます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 局長はよくおわかりにならないのではないでしようか。これは今局長の言うように、地方の教職員の現在支給されている給与額と、国立学校のいわゆる教職員が支給されている類とを比較してやつたという場合と、それから自治庁の方で御答弁になつている、戦後における一切の給与法の示すところに従つて、理論的な打立て方をして、その結果地方公務員が三百四十八円高いというのとは違うのでございます。それをあなたはごつちやにされて、今大臣から言われて、いや自治庁とみな相談してやつた、こう言われているが、その点は非常に大事ですから、あなたがはつきりわからなければわからないで、だれか責任者をもつて答弁させるということにしていただきたいし、わからないのにわかつているような答弁をされても困るので、その点もう一ぺんはつきりしていただきたい。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 私は、個人的なことを申し上げて恐縮ですけれども、当時十月にやつた調査については、実際私がタッチしたわけではございませんで、実はいろいろ事後においてその結果等について聞きましたところが、今まで申し上げましたような結果なのでございます。なおしかしいろいろ御疑問の点もあるようでございますから、私も再調査をしてみたいと思います。その上でさらにお答えをいたします。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 私は局長にもう一つお尋ねしたいのですが、それは昭和二十五年十二月十三日付で、たしか文部次官から各都道府県知事あてにこういう通牒が行つておるのです。それはいわゆる国家公務員、国立大学に勤めているところの教職員については、今まで都迫府県の教職員との間に差があつたので、今回国立の教職員に関しては級別推定表を新たに設置して、その級別推定表に従うところによつて、今回給与を引上げ、変更することにした。しかしこのことについては都道府県の財政との関連があるので、もしも都道府県において財政上許すのであるならば、ひとつこの際都道府県の地方の教職員についても、国立の教職員と同様に級別推定表を適用してもらいたいという通牒を、私の記憶に誤りがなければ、昭和二十五年十二月十三日付でやり、昭和二十六年一月一日からこれを実施するように、あなたの方では都道府県り知事に、この旨通達をたしか出しているわけでございます。従つてもしものなたの方で昭和二十一年以降における給与法に従つて、これを理論的に打立てたものであるならば、その昭和二十五年十二月十三日付で都道府県知事あてに出した、国立の教職員のそれとの間に当然差があるので、三百四十九円は違うということになると思う。それから国立の教職員が今日支給されている実際の給与額と、地方教職員の実際の給与額との間の比較をもつて三百四十九円高いというのであるならば、先月の二十九日自治庁の鈴木次長が答弁された地方公務員について三百四十八円高いという算定の方法とまつたく違うわけでございます。従つてこれは非常に大きな問題でもあり、その後における平衡交付金との関係もございますので、この点についてはひとつ詳細に調査の上で、一体どういう方法でやつたのか、もしも給与法に示すところの理論的な組立てでやつたものであるならば、戦後における給与法に関してそういう測定方法をやつたのであるならば、その点を明確にして、次回の委員会でひとつ御報告していただきたいと思う。どうも局長のお話と自治庁の鈴木次長の答弁との間には、大分調査方法に食い違いがございますから、その点はひとつ明らかにしていただきたい。またこのことは地方の約五十万近くの教職員といたしましては非常に大きい問題でございますので、ひとつ綿密に御報告していただきたいと思うのであります。

青柳一郎自由党

○青柳委員長 次に平岡君。

平岡忠次郎日本社会党(右)

○平岡委員 文部大臣にお尋ねいたします。市町村の教育委員会設置に伴うところのいろいろな財政的な問題、この点はすでに同僚の委員の方々からるる質問もされ、ほぼ言い尽されておるように思うのであります。しかしながら結論を申し上げますと、三十九億を予定したものがその約四分の一に圧縮された、かような平衡交付金の財政的た措置によりましては、文部当局が当初に考えておつたところの、教育のほんとうの目的にかなうような教育委員会の設置というものは、まさに量があまりにもかわつた場合には質的な変化もするように、まるで骨抜きになつておると思うのであります。その意味におきまして、市町村等において理想とする教育委員会を新たに考えたいとおつしやる岡野文部大臣のお気持はよくわかるのでありますが、しかしながら主観的な御意見を述べることによつて、この問題は解決しないのであります。いわば吉田内閣の非常に早急な、考えなしの、それからいわば等閑に付されたところによりまする自由党の党略とも予期されたところのそうした動機から発しまして、ここに不幸な父なし子的なものが生れたのでありますが、里親の方はすでに教育委員会の選挙によりまして、教育委員会を各町村に設置されて、その受入れ態勢をつくつておる。そこでそれに対するところの、せめてやはりうそから出たまことで、こうした非常な動機とかそういう点において再吟味さるべきではありまするが、生れたこの子供というものもやはりできるだけ育てて行く、かような点がわれわれの責務だろうと思うのであります。そこで私はただ気分的にそういう意見を申し上げるのではなしに、地方財政法の十三条によるところの義務が出て来る。要するにこの間四、五日前に、全国の町村長会議の大会がございましたが、そこで補正予算におけるところのこの市町村の教育委員会に対する財源の十一億弱、かような点に対して非常な不安を持つている。そこでこの補正予算の組みかえというものにまず努力した方が、確かに——知事会などもそうですが、こういう地方団体でございますが、結局もうその時期を失している。地方財政法の第十三条によりまして、「地方公共団体、地方公共団体の機関又はその経費を地方公共団体が負担する国の機関が法律又は政令に基いてあらたな事務を行う義務を負う場合においては、国は、そのために要する財源について必要な措置を講じなければならない。」こういうことが規定してあるわけであります。この財源の措置を講じたのが十一億であるとすれば、また何をかいわんやでありますが、しかしながらこれは確かに足らぬことは間違いないのです。それでこの国が国の側からする地方財政の圧迫というものを除くために、この十三条の規定がつくられているわけですから、この教育委員会の設置はまさにこの十三条の対象になる好個の例になるわけです。そこでおそらく地方団体は、次の段階といたしまして、不服を申し立てて来るはずであります。これは第二項によつてそのことができるのでありますが、内閣を通じて国会に意見書を提出して来る、こういう段階に来ると思うのです。そこでわれわれはこれを善意にくみとりまして、しかるべき補正措置というものを講ずる必要があるように思うのですが、私はこのような見通しのもとに、文部当局におきまして非常に好意的なこのための措置をお考えくださる意思がありやいなやをお聞きしたいと思います。  それからもう一つは委員長自身にお伺いしたい。それはこうした事例、地方財政法の十三条によるいわゆる財政的な今の要望を、不服を申し立てて来たときに、その点が国会において今までどのように結論において処理されたか、こういうふうな事例があるかどうかをひとつお伺いしたい。今でなくてもよろしゆうございます。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 十億八千万でございますが、あれは出発のために必要なことでございまして、それから同時に先ほどるる局長からも申し上げましたように、初め四十億くらいいると申しましたのは、完全無欠なものにして行つたら、そのくらいいるのじやないかという予想を立てたわけでございますが、しかし実行するとなりますと、地方に人がないとか、またもし倹約するならば、新しく家を建てて部屋をつくつて入れるということをしなくても、今まである家とか机とかを利用したら行けるじやないか、というようなことで節約もしますし、同時に人なんかをすぐ得られぬというような実情から申しまして、予算をたくさん組んでも使えない、こういうような結論になりまして、自治庁とも相談しまして、十億八千万円にしたわけでございます。ところがこの十億八千万でございますけれども、地方財政といたしましては、やはりほかに教育委員会を維持して行くための算出の基礎がございまして、これは平衡交付金法なり、また地方財政のほかの建前から取捨しまして、結局地方財政の方でもちやんと準備がしてあるはずでございます。でございますから、十一億というものが、そう少いということには私はならぬと、こう考えます。

青柳一郎自由党

○青柳委員長 平岡君の私に対する御質問に対してお答えいたします。ただいまの問題につきましては、調査の上、後日お答えいたします。  次は通告順によりまして、床次君。

床次徳二改進党

○床次委員 ただいま御答弁でありましたが、十一億の経費のほかになお市町村は相当財源を持つているから、何とかなるのじやないかというお話でありまするが、市町村はどういう財源を持つているか。私は現在の地方財政から言いますると、交付金でもつてもらいまするところの十億八千万円以外には、あまり財源はないのじやないかと思つていますが、この点大臣は前に自治庁にもおられたのでありますし、また自治庁の長官もおられまするが、この点はたいへんなお考え違いじやないかと思いまするが、いかがでありましよう。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 ただいまの御質問でございますけれども、大体五箇月分として、それだけの費用を算出いたしましたわけでございまして、大体それでやり得る見込みでおるわけでございます。

床次徳二改進党

○床次委員 ただいまの問題はその程度にしておきまして、先ほどから大臣の御答弁を承つておりますと、やはり町村財政が相当回復しなければ、予想通りの教育委員会法の運営ができないという結論になると思うのです。しからば現在の日本の地方財政の状況におきまして、大体いつごろになつたならば、そういうふうな地方財政の回復があり得るかということに対しましては、これはもとより大臣もお知りでありましようが、そう容易にはならないのではないか。従つて教育委員会法がやや法律の予想通り運営されることに対しましては、相当の時間がかかるということは、どうも御答弁によつて明らかなように思うのです。しからば政府といたしましては、この委員会をどういうふうに持つて参るかというところに、非常に今日懸念をしておられるのでありまして、これを急速に拡充するということも困難である、これはただいままでの御答弁によつて明らかでありまするが、もしもこの委員会を他の形にかえる、あるいはこの委員会法をやめるという場合におきまして、しからばどういうふうな困難があるか、教育上の支障はどういう問題が起るかということにつきまして、お述べをしただぎたいと思います。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 私からお答え申し上げますが、せつかく置いた教育委員会を今ただちに頭から否定するという立場は、実は先ほど来大臣からもお話のございますように、文部省はとつておりません。そこでともかくでき得るだけ円滑な運営をはかるため、せつかく御承知のように自治法も改正されまして、協議会なりあるいは機関の共同設置なり、場合によれば事務委託等のこともございますので、それらのことを最大限に実施いたしまして、そうして当分の間大ぎな支障の起らないようにいたしたいと思つて、せつかく従来も指導して参り、またそれで進むように現在協議をいたしておるのでございます。

床次徳二改進党

○床次委員 ただいま御答弁がありましたが、政府はこの内閣組閣の最初にあたりまして、教育の振興を公約しておられるのでありまするが、この教育委員会の設置ということが、教育の振興ということに関係があるのか、ないのか。ただいまのお話によりますと、教育委員会というものも政府としては教育の振興のうちに考えておられたかと思いますが、からくも法律ができたから、法律の最小限度を間に合せにやつて行くという程度のように聞こえるのでありまするが、この点はいかがでございましようか。政府は教育の振興のために、教育委員会をさらに充実して、一層法律の目的としたところの機能を発展せしむるように努力しておるのか、あるいは当分の間調査研究のために暫定でやつておるという形になつておるのか、すこぶる私はこの点疑問でありまするが、教育の振興とうたわれたところの真意は、教育委員会に対しましてはいかようなことであるのか、伺いたいのであります。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 新内閣で教育の振興を期することがへ当時の綱領とかいうことになつておりますが、しかし私は教育委員会を強化することによつて教育行政を拡充して行くというところまでは踏み切りがついていないのです。先ほどからるる申し上げた通りでございまするから、この点を御了承願いたいと存じます。

石坂繁改進党

○石坂委員 私どもは教育委員会、これに関連する問題につきましてはいろいろ意見があるのでございます。ただいま床次委員の質問に対しまする文部大臣の御答弁は、はなはだ頼りないものでありまして、この際一国の文教をつかさどつておる文部大臣に対しまして、日本再建のための文教の根本方針をどう考えておられるか、どういうふうにそれをやつて行こうという御方針であるか、それを伺わなければ、先日来の本委員会の議論というものは、申し上げては失礼でありますけれども、まつたく枝葉末節の議論であります。私ども本会議におきまして根本的の議論をする機会がないのでありまするから、この際文教に対する吉田内閣、あるいは文部大臣の最も根本的な御方針を伺いまして、しかる後にいろいろな議論を進むべきものだと思いますので、この点はつきり伺いたい。まだ踏み切りがつかぬとかいうようなことは、そんなことはいやしくも大臣のおつしやることではないのです。この点はつきりおつしやつていただきたい。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 文教の刷新と申しますことは、非常に重大な問題でございます。重大な問題であると同時に、仕事が非常に広汎になつているのです。そうして独立後の文教政策というものは、今までの被占領下にあつたような、押しつけられたところの教育制度でいいか悪いかということは、これは相当問題だろうと思います。その点におきまして、私は就任早々ではございますが、被占領下において押しつけられたというと、少し語弊があるかもしれませんが、受入れたところの新しい制度に対し、相当大幅な検討をしなければならぬ、こう考えておるわけであります。たまたま前国会で中央教育審議会というものができるごとになつておりますから、その中央教育審議会において十分なる検討をしていただく、こういうことがまず私の構想でございます。問題は今これを申し上げれば実に広汎でございまして、学生運動の問題にも触れましようし、また一般の子供の教育のあり方についてもありますけれども、これは事ごとにあああつてはならぬ、こうあつてほしいということが私の頭に往来しておりますけれども、今これに対してはまとまつた改革案というものは申し上げられませんが、相当大幅な根本的な教育刷新をして行きたい、こう考えております。

石坂繁改進党

○石坂委員 私は方法論的な末梢的のことを伺つているのじやありません。吉田内閣あるいは文部大臣として、この日本再建のための根本問題である文教の根本的の方針については、御就任の即刻からあなたの御見識がなければならぬ。しこうして吉田内閣としてもその方針は立つておらなければなりません。それを文教審議会にあれこれ委任するとか、そんなことじやないんです。広汎な問題に関連するということは、これは方法論であります。根本の問題につきましては、いやしくも文部大臣に就任される以上は、その御見識がなければなりません。委員会であるから、小さい問題ばかり論議するというような考えで軽くお扱いになるということは、私ははなはだ遺憾であります。あなたとしての御見識、及び吉田内閣としての根本的な教育の御方針について、この委員会を通し国民一般に知らせることは当面非常に重要な問題であると思いますので、はつきり伺いたい。あなたのさつきおつしやつたようなことを伺つているんじやない。広汎な問題になるとが何とかいうことは、私どもも議会に出ておりますれば承知いたしております。根本的にどうするかということなんです。それを伺いたい。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 お答え申し上げます。根本的にどういう方針を持つておるかと仰せになりますれば、私はただいまの日本の教育というものは、日本の新憲法下における民主主義が確立されるような教育方針であるかどうかということについては、いささか不満を持つております。でございますから、教育の根本方針といたしましては、日本の新憲法並びに教育基本法によつて立てられておるところの教育、すなわち民主主義教育というものを立て直して行きたい、その意味におきましては、上は大学から下は小学校の教育に至るまで、その方法、内容というものに検討を加えたいと考えております。

石坂繁改進党

○石坂委員 検討を加えたいとおつしやるのでありますが、文部省及び文部大臣としての御見識いかん。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 お答え申し上げます。文部大臣といたしましては、新日本憲法の趣旨に沿うところの民主主義教育をして行きたい、こう考えております。

石坂繁改進党

○石坂委員 それに対する具体的の方策はどうお考えにな、つておりますか。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 具体的の対策は各事務当局をもつて検討させております。

石坂繁改進党

○石坂委員 事務当局で検討させるようなことでは、はなはだ心もとないと思いますけれども、いずれ他の機会におきまして、もつと掘り下げた十分な質疑応答をいたしたいと思います。

鈴木直人自由党

○鈴木(直)委員 私は一点だけ文部大臣にお聞きしておきたいと思います。それは地方自治体の財政とも関連をしておる問題でありますがゆえにお聞きするのでありますが、小学校の建築に関することであります。校舎が相当腐朽しておるものが全国に非常に多いわけですが、これに対しては今までは起債の方法によつてある程度処理されておるのでありますが、これに対しまして、起債とともに国の補助をも加えて復旧したいという全国の町村の意向が盛んに伝えられておるわけであります。先般本会議において、社会党でありましたか、改進党でありましたか、質問がありましたときに、文部大臣は本年度の補正予算には、補正予算の性質上組むわけには行かないが、二十八年度には義務教育の小学校の老朽建築に対するところの改修の補助の予算を組むというような御答弁があつたように記憶しておるのですが、現在予算案を組みつつある段階と思いますけれども、大蔵省当局その他との関連において二十八年度には必ずそれが予算として編成し得る確信を持たれておるかどうか、この点を一点だけ質問しておきたいと思います。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 その点につきましては今二十八年度予算としまして提出してございます。ただいまいろいろ事務折衝をしておる次第でございますが、私は確信があるかどうかと、こう言われますというと、相手のあることでございますから、はたして自分の確信通り行けるかどうか疑問でございまするが、私はできる限りの努力をいたしまして、ぜひこれをやつて行きたい、こういうふうに考えて、もし大蔵省当局においてこれに対する反対がありますならば、自分自身出かけて行つて、これに対する予算をとつて来よう、こういうような考えを持つております。

中井一夫自由党

○中井委員 私はこの際資料の要求をいたしておきたいのであります。ちよつと資料を要求いたします理由をきわめて簡単に申し上げます。それは先ほど文部当局からお話になりました国家公務員と地方公務員、特に地方公務員のうちでも、一般公務員と教育公務員との間に給与の上に差異があるという問題なんであります。これは先般政府から提出されました補正予算に関連いたしまして、本委員会でも非常に重要な問題として取上げられた問題なのであります。本日委員諸君が特にこの点について質問せられたのもそれがためであると信じます。しかもこの問題は現在並びに将来にわたりまして、財政その他あらゆる問題に影響を持つ問題であります。従つて私どもといたしましては、高いのも安いのもその結果については何らかかわるところはないのでありまして、どこまでも事実をはつきりさせておかねばならぬと信じておるのであります。そういう意味におきまして先ほど申し述べられましたその高低ということを認められたその調査の資料、これをひとつきわめて正確に、かつ詳細にそのデータをお知らせをいただきたい。それは実は自治庁、それから大蔵省、それらの関係においても同じ問題が起つておりますので、一日も早く御提出をいただきたい。こういうことを要求いたしたいと思います。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 いろいろ先ほどからお話がありましたし、また時間も参つておりますので、簡単に御質問したいと思います。教育委員会を市町村に設置する問題については、同僚から検討がありましたが、現実に教育の混乱とと地方財政に対する極端な圧迫というものが現われておる。そればかりでなくて、大臣御自身がこの教育委員会設置が日本の教育振興になるか、ならないかということに対する自信が全然ない、こういうお話でございますので、そういうことは非常にこれは危険なことであると思うのです。いやしくも教育の問題が、それを主管される大臣の自信のないままに行われるということは、これは見のがぜないことだと思うのであります。そこでこの機会に大臣としてはいろいろ現われてくる不都合を糊塗するような、そういうやり方でなくて、もつと根本的な対策を提案といいますか、そういうぐあいになさるお考えはおありでございましようか、これをひとつお聞きしたい。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 これはなるべく早く検討しまして、改正案を出したいと思つておりますけれども、しかしただいま出発したばかりでございますから、やはり少し間を置きまして、改革するならば万全の策のある改革案をつくつていただく、そうして提示したい、こういう考えであります。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 先ほど給与権の問題と人事権の問題の調整のために級別定数を定められた、こういうお話でありましたが、これは県条例で定められるので、県全体として定数を定められるのでありますかどうか。それとも各市町村の教育委員会ごとの級別定数を定められるのであるかどうなのでありますか。

岡野清豪自由党文部大臣

○岡野国務大臣 局長から御答弁を申し上げます。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 先ほど御説明いたしましたように、定数は一応各都道府県条例で定めるのでございまして、その範囲内において市町村が都道府県の教育委員会と協議をして定めることになりますので、その際に市町村において級別定数を定める、こういうことに相なるかと思います。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 そういうことになりますると、市町村教育委員会が持つている人事権というものは、ほんとうに県の方から制約されまして有名無実になるのではないかと思うのでありますが、それを市町村ごとに定めてあつたにしましても、いろいろの事情からあるいはこの先生はこつちに行け、この先生は採用したいということになりましても、県全体の条例によつて一々制約されて思うままに行かない。これは市町村の人事権等についても、全然意味のないことになるのではないか。県で人事権と給与権を掌握したと全然同じ状態になるのではないか、こう思うのでありますが、いかがでありますか。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○田中説明員 これが行き過ぎますと、やはり御説のようになるおそれもございますので、これはよほど双方の理解の上に立つてやりませんと不円滑になると思いまして、それらの点につきましては私ども心配をいたしまして、今まで指導助言をいたしておりますが、さらに根本的には当初本日大臣からもお話いたしましたように、さらに調整方法については検討を進めておる次第でございます。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 関連してあつちこつちになりますが、この起債百二十億を補正予算に組まれているようでありますが、ここで一番必要なのは現在六・三建築をやつている町村に対しまして起債を補助金と同額まで許す、そうぜひやらなければならない状態にあるのじやないか。ほんとうにそういうようにお願いしたいと思うのです。起債額百二十億の中にこういうお考えが入つているかどうか、こまかいことですが、お聞きしたい。

鈴木俊一総理府事務官(自治庁次長)

○鈴木(俊)政府委員 ただいまの関係の経費は、地方負担の問題でございまして、百二十億の起債の中にさようなものを見て参りたいと思つております。

青柳一郎自由党

○青柳委員長 本日の文部当局に対する質問は、これをもつて打切ります。     —————————————

青柳一郎自由党

○青柳委員長 前回の委員会におきまして地方自治、地方財政、警察、消防及び選挙に関する小委員会を設置することにいたし、小委員及び小委員長は、本日委員長より指名することになつておりますので、これより順次指名することといたします。  まず地方自治に関する小委員会には    黒金 泰美君  鈴木 直人君    中井 一夫君  前尾繁三郎君    牧野 良三君  雪澤千代治君    石坂  繁君  森田重次郎君    門司  亮君  西村 力弥君    川村 継義君 を、小委員長には中井一夫君を指名いたします。  次に地方財政に関する小委員には    阿部 千一君  生田 和平君    加藤 精三君  河原田稼吉君    黒金 泰美君  前尾繁三郎君    石坂  繁君  山本 粂吉君    平岡忠次郎君  横路 節雄君    川村 継義君 を、その小委員長に前尾繁三郎君を指名いたします。  警察に関する小委員に    阿部 千一君  加藤 精三君    佐藤 善一郎君 鈴木 直人君    中井 一夫君  中村 幸八君    雪澤 千代治君 床次 徳二君    中野 四郎君  森田重次郎君    大石 ヨシエ君 赤松  勇君    横路 節雄君 を、小委員長に鈴木直人君を指名いたします。  消防に関する小委員に    加藤 精三君  河原田稼吉君    黒金 泰美君  佐藤善一郎君    鈴木 直人君  床次 徳二君    中野 四郎君  門司  亮君    赤松 亮君 を、小委員長に加藤精三君を指名いたします。  本日はこれにて散会いたします。次会は明日午後一時開会いたします。     午後一時二分散会

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