大蔵委員会 第42号
- 発言数
- 56 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1953/03/10
会議録
○奥村委員長 これより会議を開きます。 議案の審査に入ります前に、ちよつと委員長よりお願いいたしたいことがございます。御承知のごとく本委員会におきましては、ただいま約四十件ばかりの法案を審査しておりまして、連日の御熱心なる御審査に対しましては委員各位に厚く心から御礼を申し上げる次第でありますが、これら法案審査の促進につきましては、ひとえに委員各位の御協力にまつほかはないと存じますので、今までより一層の御鞭撻と御協力をお願い申し上げる次第であります。 なお今週の審査日程及び審査順位につきましては、先日御郵送申し上げました文書に記載いたしました通りに進めたいと存じますので、この点御了承願いたいと存じます。 これより本日の日程に掲げました税関係法案十四件を一括議題として質疑を続行いたします。質疑は通告順によつてこれを許します。佐藤觀次郎君。
○佐藤(觀)委員 主税局長に質問いたしますが、今問題になつている申告税法でございますが、この申告税法をこれからもずつと続けて行かれるのであるかどうかということについて、一応大蔵省の御意見を承りたいと存じます。
○渡邊(喜)政府委員 申告納税のやり方をずつと続けて行くかという御質問だと思います。申告納税と一応並行しまして考えられます方法は、昔やつておりました税務署の方でもつて所得金額を調査して賦課決定する、いわゆる賦課課税の方法が考えられるのでございますが、当時の状況を考えてみますと、当時におきましても一応納税者に申告はしていただいたわけであります。ただ税務署が一応賦課課税するという関係もありますが、申告の内容につきましては、一応申告をしないと扶養控除を受けられないとかいうゆえもありまして、申告はしていただきましたが、その内容につきましては、あまり納税者としましても深くつつ込んだ計算をなすつている様子もございませんでしたし、また税務署の方におきましても、それなりの扱いしかしなかつたといつたような姿でございまして、結局税務署の調査によつて万事決定して行く。しかしその場合におきましても、いろいろ問題もありますものですから、そうしますと審査の請求になるとか、いろいろな関係があつたわけでございますが、それと比較してみまして、現在の申告納税の方法は、何と申しましてもやはり進歩した姿であるということを感じております。もちろん現状の姿におきましては、まだまだ賦課課税当時の影響をほんとうに脱け切つておりませんので、今の姿でいいということは思つておりませんが、今後の方向といたしましては、現在の申告納税のやり方をほんとうの意味の申告納税のやり方に漸次発展させて行くというのが所得税のあるべき姿ではないか、かように考えております。
○佐藤(觀)委員 いつも主税局長、国税庁長官は申告制度一本でいいということを言いますけれども、まだ今日末端の税務署に行きますと、実際は割当制度をやつているのではないか。私昨日選挙区に帰りますと、たくさんの陳情がございまして、やはりこれらの不平。すなわち申告をさせて、おいてあとで割当をやるといつたような方法を講じている例がたくさんあるわけでございます。一体大蔵省は国民をいつまでも信用しないのかどうか、またこういう割当をやるならば、申告なんかしないでかつてに大蔵省がやつたらいいではないかというような意見が出るわけでありまして、実は昨日も選挙区に参りますと、この点でたびたび陳情を受けているわけでございます。まだこういうようなことを私どもの選挙区ではやつている。これはおそらく日本全国の税務署が、国では申告ということを言つておりながら、実際にはまだ今日割当をやつているのじやないかというような考えを持つているわけですが、そういう根拠がないという立証を大蔵省からお示しを願いたい。
○渡邊(喜)政府委員 私は現在のやり方で割当課税をやつているということはないと思つております。税務署、それから国税局でやつているやり方をごく簡単に申し上げますと、税務署におきましては、各人が調べて来ましたものにつきまして総合的に一応これを見ますし、国税局におきましても、各税務署の実績を一応見ますが、一番大事な点は、調査をした人の個人的な意見により、あるいは各税務署の個々の意見によりまして、ある税務署においては非常に強い見方をしている、ある税務署は非常に弱い見方をしているということは絶対に避けなければなりませんから、従いまして各人の調べた数字、あるいは各税務署の調べた数字をある程度調整するという仕事は残つていると思いますが、しかしそれはどこまでもその税務署が調べたその数字が、たとえばある税務署が低かつたとしましても、それはそれなりの理由がはつきり立つていればもちろんそれでいいわけでありまして、ただ税務署ごとによる強さ弱さというものの調整だけは考えて行かなければならぬ。こういう意味におきまして、各国税局長においてある程度の調整は行つておりますが、いわゆる割当制度というものは絶対に行つておりません。
○佐藤(觀)委員 主税局長からは非常にりつぱなことが言われますけれども、各税務署の署長個人が成績を上げるために、こういうことをやつているのじやないか。税金を民衆からしぼつて税務署長の成績を上げるようなことを、実際にやつている面があることをわれわれは非常に心配しているのですが、そういう点について主税局、あるいは国税庁では一体こういう点があるかないか、意見を伺いたい。
○渡邊(喜)政府委員 現在第一線の仕事をしている人たちにつきまして、そういう御批判を伺うことを恐縮に思つておりますが、われわれは税金をたくさんとるということがその税務署の成績がいいというふうには全然思つておりません。税務行政は、国会で御審議を願いましたこの税法を公正に施行して行くというところに税務署の仕事があるわけでございまして、従いまして税法にきめられている以上に税金をとることも、また税法にきめられている以下の税金でそのまま延滞を放つておくことも、いずれも悪いことでございまして、税金がたくさんとれればその税務署の成績がいいというようなことは全然思つておりません。従いましてたくさん税金をとつた税務署長は大いに腕があり、従つて成績がいいのだ、こういうふうには思つておりません。むしろほんとうに実情に合つたような、公正な税務行政をやつて行く税務署長が一番いい税務署長である、その意味において、われわれは税務署長についての一応の評価もいたしておる次第でございまして、たくさん税金をとればそれで大いに腕があるというふうには全然思つておりません。
○佐藤(觀)委員 もう一つほかの方について伺いたい。物品税が非常に問題になつておりまして、今度大蔵省は物品税について三十億か三十億の減税をするということになつておりますが、物品税は中小工業者が一番困つておる税金でございまして、これを全然廃止してはどうかというような意見がありますが、大蔵省当局はどういう考えを持つておられるか。
○渡邊(喜)政府委員 物品税につきましては、いろいろ業者の方におかれまして転嫁の関係等もあると思いますが、これをやめるということについての陳情はわれわれもずいぶん受けております。何と申しましても、物品税の総額としましては二百億という相当の大きな税収になつておりますので、これを今ただちにやめるということにつきましては、他の財源との見合い等もございますし、また歳出の関係もございまして、とうていできないことであるとわれわれは思つております。ただいろいろな御批判もありますので、これの調整的な意味におきまして、税率をあるものについて引下げるとか、そういう点の考慮はいたしたい、かような考え方で物品税の改正法律案を提案いたした次第でございます。
○佐藤(觀)委員 製造課税から小売課税になつたものもありますが、小売課税になると、非難されました取引高税と同じような、めんどうになるような問題がありまして、今度税法がたくさん出ておりますが、どうも大蔵省の考え方が、税務官吏を会社や個人のうちまでタツチさせて、いろいろ店先なりあるいは会社の中に立ち入るような法律が二、三出ておるわけであります。これは戦争中の法律と同じように、大蔵省は昔のような夢を持つて、もう一度中小工業者や会社の人々を苦しめるのじやないかというような、こういう非難が一般にあるのでありますが、こういう点についてどういう考えを持つておられるか、お伺いしたいと思います。
○渡邊(喜)政府委員 税法を施行して参ります場合におきまして、全部の納税者が全部その税法通りに正しい申告をして納税していただくということがはつきりわかりますれば、あるいはそういう情勢でありますれば、税務官吏はほとんどいらないわけでもありますし、また税務官吏の仕事もそれほど大きくなくて済む、まして納税者の方のいろいろな帳簿を見せていただくとか、そういつたような仕事もなくて済むわけでございますが、ただ遺憾ながら現在におきましては、そういう事態でございませんので、従いまして片方に正しい、まじめな申告をしていらつしやる方もありますし、反面そうでない方もあるという事態におきましては、課税の公平を期する上におきまして、やむを得ずある程度帳簿も調べさせていただかなければならぬということは必要だと思つておりますが、どこまでもわれわれはその点だけの必要においての要請をしているわけでありまして、それ以上にわたりまして、会社あるいは個人の事業につきまして立ち入つた干渉をするということは毛頭考えておるわけではございませんので、課税の公正を期する上におきまして、必要最小限度の検査あるいは質問ということをお許し願う、かように考えております。
○佐藤(觀)委員 今一番悪税中の悪税といわれておるこの物品税の問題について、たびたびいろいろな陳情を受けるわけでございますが、われわれは一日も早くこういうような税法を改正して、大衆に直接税務署がタツチしない制度をつくつてもらいたいと考えておるものでございます。 それからそれにかわる財源として、このごろちよいちよいうわさに上りますが、私は愛知県の織物産地に選挙区を持つておりますが、織物消費税を将来かけるのじやないか、こういううわさもあるのでございます。こういう点において、できるだけこういうような税を課す場合にも、たとえば羊毛なら羊毛、綿なら綿というような原料へかけてもらいたいというような声があるわけですが、織物消費税というような問題につきまして、大蔵当局はどんなお考えを持つておりますか、もう一点お尋ねしたいと思います。
○渡邊(喜)政府委員 織物消費税の問題につきましては、現在特にどうこうといつた考え方はしておりません。将来何かの財源がいる場合に、織物消費税が話題の一つになるだろうということは考え得ると思いますが、しかし将来の増税がどうなるかこうなるかということについては、現在まだ全然考えておりません。従いまして織物消費税について、われわれは何も考えていないといつていいと思つております。ただ織物消費税といつたものを考える場合におきましての段階において、綿とか羊毛とかに課税したらどうかといつたような問題につきましては、消費税というものはどちらかというと、できるだけ消費に近いところで課税するのが一番公正な課税ができる、こういうことが一般に一応常識的な考え方としてあり得るのではないかと思いますから、そういう点が相当考えられた上で課せられなければならぬと思つておりますが、現在の段階におきましては、織物消費税をかけるというようなことはまだ考えておりませんので、そういう具体的な事例についてどうこうということを申し上げる段階ではないと思つております。
○佐藤(觀)委員 今国民の一番関心を持つておりますのは税法の問題でありまして、これはわが国が戦争に負けた関係からこういうような悲惨な状態になつたと思いますが、ぜひともこういう税法の問題は、国民の一番今困つておる問題だけに、できるだけ慎重なお扱いを願いたい。この一点を希望しまして、きようの私の質問を打切ります。
○奥村委員長 淺香忠雄君。
○淺香委員 税関部長に伺いますが、今度の関税定率法の一部改正につきまして、こんにやくの従来一割五分の関税を急に四割五分にしようとするところの理由について伺いたいと思います。
○北島政府委員 このたびこんにやくの関税率を一割五分から四割五分に改正しようということにつきましてちよつと御説明を申し上げます。こんにやくはわが国におきまして群馬県、栃木県、茨城県、福島県、宮城県、長野県、静岡県といつたような地方で約十六万戸の農家が栽培いたしております。大体こんにやくの栽培に適した土地と申しますと山間の傾斜地でありまして、ほかに主たる農作物ができない、いわばこんにやくがほとんど重要な農家の現金収入となるというものであります。ところがインドネシア及び南支方面からこの一、二年来非常に安くこんにやくが入つて参りました。と申しますのは、インドネシア方面におきましてはこんにやくは野生の植物でありまして、それを採集してただ運賃をかけて持つて来るだけでありますから、非常に値ごろが安いのであります。昨年中のこんにやくの値段を申し上げますと、これは荒粉と申しますか、切りぼしでありますが、その値段は、国産品が大体一貫目当りごく最近で千五百円、それに対しましてインドネシア方面は、昨年中の平均が二百六十円見当、それから南支方面が八百十三円の平均になつております。このように非常に開きがございまして、そのためにこんにやくの市場がいわば撹乱されたようなかつこうになつておりまして、国産のこんにやくの値段が非常に下落して参つたわけであります。ただいま申しましたように、これらの地方におきましては、こんにやくの栽培というものがこれらの農家のほとんど唯 一ともいつていいくらい重要な換金作物でありますので、このような農家の窮状を救いますために、一割五分の関税を四割五分に引上げなければならぬということに相なつたのであります。
○淺香委員 ただいまの答弁を伺つておりますと、生産農家の利益擁護のための理由に伺うのでありますが、一割五分から急に四割五分にしなければならぬという具体的な理由は、農家の利益擁護以外にあつたのでしようか。
○北島政府委員 ただいま申しましたように、これはもつぱら栽培農家の保護という見地から出ております。実は 一割五分の関税につきましては、去年あたりから非常に低いから上げてもらいたいという御要求があつたのであります。私の方でも慎重に考慮したわけでありますが、最近のように非常に安いのが入つて参りまして、国産のこんにやくがどんどん下落して行くというような状況を見ますと、どうしてもこの際上げなければならぬという感じがいたしたのであります。一部には四割五分でも低過ぎる、十割程度にしてもらいたいというお話もあつたのでありますが、そう現在の関税体系をかえて、十割課税ということもいかがかと思いますので、大体南支物とインドネシア物との品質の差異、国産こんにやくとの品質の差異等を勘案いたしまして、四割五分程度の関税率といえば、まあある程度の保護ができるだろう、こういう観点で四割五分というものを一応目安にいたしたわけであります。
○淺香委員 くどいようですけれども、急にこれだけ大幅に引上げるのについては、何がそこに数字的な、また科学的な標準がなければならぬと思うのです。その一点と、それから四割五分に大幅に引上げるについては、どういう機関にこれを相談されたのか。たとえば審議会のようなものがあれば、その審議会における模様など一応伺いたいと思います。
○北島政府委員 では具体的に、関税率を算出いたしました根拠につきましてまず御説明申し上げます。輸入品の昭和二十七年中の平均のCIF価格、これは荒粉にいたしまして一貫目五百二十一円ということになつております。これに対しまして国産品の最近の卸売価格は、荒粉一貫当り千五百円ということになつております。ところが輸入品の品質は、国産品に比べますと劣りますので、その品位を国産を一〇〇といたしまして計算いたしますと、インドネシア品が大体四〇%、中国品が六〇%程度に専門家の意見で相なるようであります。これを加重平均いたしまして考えますと、輸入品の平均の品質は、国産品の五二%程度になるのであります。これによりまして、かりに国産品が輸入品と同品質である場合の価格に換算いたしますと、一貫目七百八十円という金額になります。これと輸入品の一貫目五百二十一円とで関税率を算出いたしますと、五〇%程度に相なるわけであります。しかし五〇%といいますと、現在の関税率では最高の税率でありますので、現在の一割五分を三倍程度の四割五分にするのが至当であろうという気持であります。 それから今回の関税率の改正につきましては、どういう機関の諮問を経たかというお尋ねでございますが、これは関税定率法に関税率審議会を置くことになつておりまして、関税率の改正その他重要事項について、大蔵大臣の諮問にこたえる機関を置くことになつております。今回の関税率の改正につきましても、この関税率審議会に諮問いたしました。その意見によりましても、四割五分に上げるのは妥当という結論が出まして、そこで提案いたした次第であります。
○淺香委員 こんにやくといいますと、概念から行きまして食糧を想起するわけですが、その他一般に工業品に使われているかのようでありまして、私ども聞きますのには、皮革の染色とか、なめし用、あるいは紙コツプ、ふすま紙、製本用、紙箱、事務用ののり、雑多の方面に使われているらしいのですが、食糧とその他工業用との間の比較はどの程度になつておりますか。
○北島政府委員 こんにやくはその九〇%以上が食糧でありまして、残りの一〇%足らずがのりになるわけであります。食料品といたしましても、こんにやくは栄養価値と申せば実はほとんどなきにひとしい程度でありまして、また国産品におきましても十分需要の弾力性がありまして、この程度でまかなえるわけでありますので、関税率の引上げを考えた次第であります。
○淺香委員 三倍に引上げるということにつきましては、禁止価格だということをよく陳情者から聞くわけなのでありますが、第一の農家を保護しなければならぬということはよくわかりますけれども、また一面において、ただ一部の声だけを聞いて、そうだというように断定的に物事を考えられて、こうした三倍というような事実上の禁止価格ということにするについては、どうも私ども納得できぬ点があるのですが、その後いろいろな方面からこのことについて陳情もあつただろうと思うのでありまして、また話合いのあつた点もあろうかと思われるのですが、三倍にすることが、各般の情勢から妥当なりというような見解を今なおお持ちでございますか。
○北島政府委員 関税率をきめます場合には、なかなかむずかしいのでありまして、どんな案を立てましても、必らず反対の意見が出て来るわけであります。免税にしてくれという御要求がありまして、かりに免税にいたしましても、一方また生産者の方からは、免税は困るという反対が出て来る、関税か上げてくれという要求に対してそのまま応じますと、また消費者の方から苦情が出るというわけでありまして、関税率の改正につきましては、常に一方的の見解にとらわれることはきわめて禁物でありまして、今回の関税率の改正に対しましても、消費者側あるいは生産者側の両方の立場におのおの立つてみて考えた結果でございます。その結果、彼此勘案いたしましても、四割五分程度にすることはやむを得ない、こういうふうに考えたわけであります。
○淺香委員 他の質問者もおありのようですから、私一人時間をとりますことは非常に恐縮でありますが、いま一点、今度は関税定率法の一部改正法律案の中で、児童給食用の乾燥脱脂ミルク、これを来年の三月三十一日まで輸入税を免除しようとしている問題です。私ども聞き知つておりますのは、児童給食用の乾燥脱脂ミルク等は、臭いとか非常に受けが悪い。給食に使われるミルクはあまり子供が喜ばぬということをしばしば耳にするのでありますが、こういつた品目をなぜ来年の三月三十一日までさらに輸入税を免除しなければならぬか、その理由についてひとつ伺いたいのであります。
○北島政府委員 乾燥脱脂ミルクにつきましては、これは嗜好の問題もございまして、あまり好まないという人々もあるようであります。栄養上から申しますと、これは相当な価値のあるものであります。広く小学校及び保育所において使用されておるわけであります。実は昨年児童給食の用に供する乾燥脱脂ミルクにつきまして、本年三月末までの免税をいたしたわけであります。二十八年度におきましても、乾燥脱脂ミルクにつきましてはやはり国家として援助する方針になつておりまして、この資金の面につきまして、国として無償給付するということになつております。こういう見地から考えますと、やはり児童給食の用に供する乾燥脱脂ミルクにつきましては、さらに一年間の免税措置を必要とするのではないか、こう考えたわけであります。なおもしかりにこの乾燥脱脂ミルクに対しまして免税措置を廃止いたすといたしますと、父兄の一箇月の負担の増加が十七円六十銭ということに一応算定がなつております。国民一般に広く関係いたします問題でありますので、彼此勘案いたしまして、さらに一年間免税を継続したいという考えであります。
○奥村委員長 小川豊明君。
○小川(豊)委員 私は揮発油税の問題でお尋ねしたいと思いますが、揮発油税がこれで行くとたいへんに値上げされるわけであります。こういうものが値上げされると、ただちに輸送費の値上げになると同時に、国民生活に非常に大きな影響を来すのではないか、こういうことが考えられるのであります。ことにダイヤモンド等の貴金属や遊興飲食税等が引下げられているというときに、この揮発油税がこういう高率であるということはちよつと納得が行きかねるが、これはどういうわけか。 いま一つは、航空用の揮発油税は免税になつておると思いますが、航空用の揮発油税が免税になつていて、自動車等のこうした揮発油に対してだけ非常に高くなつているのはどうしたことか。さらに揮発油税のこの高率な税金に対しては、おそらく商工方面の方々、あるいは運輸方面等との協議がなされたと思うのでありますが、どういう協議の上にこういうことができ上つたか、その経緯等をお聞きしたいと思います。
○渡邊(喜)政府委員 揮発油税につきましては、従来行われておりましたその税率を今度はそのまま存置するつもりでございまして、今回の改正におきまして、揮発油税の税率を引上げることは考えておりません。今回揮発油税法の改正の法律案を提出いたしましたゆえんのものは、従来関税一般について利子税の規定がなくて、たとえば滞納になつても、督促状が参つて延滞金をとるということはございましても、期限後における納付については利子税をとつていなかつたが、これはやはり関税においても利子税を徴収するのが他の税との一般的な関係からして適当であろう、こういうような観点でもつて揮発油税法の改正法律案を出したわけでありまして、税率につきましては従来の税率をそのまますえ置くつもりでおります。従いまして今回の税率につきまして他の官庁との間で相談をしたということは全然ございません。他の官庁から積極的に現在の揮発油税が高いからもう少し下げろというような話もございませんでしたし、われわれの方からも、特にそういうようなつもりもございませんから、他の官庁に相談したこともございません。 なお御質問の一点の航空機用の揮発油税を免除するという問題でございますが、これは租税特別措置法によりまして、本年の三月末まで一応免税することになつておりましたが、これを一箇年延長してくれということを航空局の方から申出があり、われわれの方としても検討をしてみたわけであります。結局日本の航空事業というものは、現在におきましてまだなかなか発展の途上にございまして、コスト的に考えてみましても、航空会社といたしましては赤字こそ出せ、なかなか利益が出ない。と申しまして航空料金を値上げするということもなかなか困難である。航空機につきましては、現在通行税をとつていることは御承知の通りだろうと思います。通行税をやめてくれというような意見もあるわけでございますが、通行税の方はちよつと振合い上やめるのは困る。しかし揮発油税につきましては、現在なおそうした発展の途上にあるものでございますから、その点を考えまして、それではとにかくもう一年だけこの免税を延長して行こうといういわば過渡的な措置といたしまして、現在の航空会社の航空事業の現況に顧みまして、一年免税ということを提案した次第でございます。
○小川(豊)委員 次に、もう一点有価証券の問題でお尋ねしたいと思います。何新聞だが忘れましたが、二、三日前の新聞を見ますと、白木屋とか、澁澤倉庫とか、野田醤油とか、こういう会社の株式が何名かの名によつて買い占められている。そうして総会のまぎわになると、非常に高い価格で引取れということを要求されて、それを引取らないと役員の退陣を要求するというようなことで、たいへん企業者が不安で混乱しているというようなことが出ておつたのであります。もちろん株式はだれが買おうと、これは自由であるし、それを押える方法もないと思いますけれども、それがよくいう会社荒しといつたようなものに該当するかしないかわかりませんが、そういうことが絶えず繰返されていると、経営者は非常な不安の中にやつて行かなければならぬだろうと思われますが、こういうことに対してどういうふうにお考えになつておりますか。またそういうものに対する対策は別に法的にはないと思いますが、どういうふうな考えを持つておられるか、お尋ねしたいと思います。
○渡邊(喜)政府委員 お答え申し上げます。今言われたような事態が生じた場合におきまして、会社の経営者は会社の経営上いろいろな支障の問題があろうということは私も考えます。この面につきましては、私の方の理財局の方で証券行政をやつておりますので、そちらの方におきまして何らかの対策を考えておるのではないかというふうに思いますが、税法の面におきましては、結局今度の改正によつてこれが成立しますれば、有価証券そのものの譲渡所得には課税しない、但しこれもいわゆる株屋さんとか、そういうような調子で始終株を売つたり買つたりということを商売にしていらつしやる方という場合におきましての所得につきましては、これは従来も事業所得として課税して参りましたが、今度におきましても、これは事業所得として課税に残ることになつているというわけでございます。
○大泉委員 法人税、または事業をやつている個人においても同じでありますが、税の査定に対して借入金の利息が経費に出る場合と出ない場合がある。これは第一線に立つておられる税務署員の考え方によつて二つあるということははなはだ解せないのです。本来事業をやつている者の借入金の利息というものは経費であるべきだ、これを局長ははつきりひとつ御答弁を願いたいと思います。
○渡邊(喜)政府委員 お答えいたします。今お話の借入金が事業のための借入金であり、従いましてその借入金のための利子であるということになれば、それは当然経費として差引くようになると考えております。
○大泉委員 事業をやつている者が金を借りるのは、事業のためであることはもうはつきりわかつている。ところがこれは税金を払うために借りたのだから、この利息は経費と認められないというようなことを言う、これはたいへんな間違つた解釈だと思う。たとえ税金を出すにしても、金に甲乙があるわけではない、税金を納めるのに苦しいというと、とかくほんとうは事業資金として借り入れたのをそこにまわす。銀行は税金を払うのだから貸してくれと言つても貸してくれない、これははつきりしている。そこでどうしても営業上、運転資金に必要があるからと言つて借りるのであります。その借りた金を税金に払つたからといつて、これは税金に納めたのだから経費じやないというような認定を下す、これはほんとうにあることでありますから、局長の答弁によつて日本全国の税務署員の頭がかわつて来るのだから、はつきりしてもらわなければ困る。
○渡邊(喜)政府委員 税金のための借金がどうなるかという御質問と思いますが、たとえば相続税を払うために——これはお話の点とは全然違いますが、借金したという場合に、その借金の利子がどうなるか。相続税というのは、事業と直接関係がありませんから、従つてこれは事業のための借金じやない、こういう結論は出るのじやないかというふうに思います。多少議論があろうと思いますのは、所得税のための借金というものは議論の余地があるのじやないかと思います。所得税は御承知のように必要経費と見ていいというような点もございますから、多少の議論もあり得ると思いますが、結局借金といいますのは、特に個人でございますれば、税金のための借金といいますか、事業のための借金といいますか、それも別にはつきり名がついているわけでもございませんし、所得税を払うために借金をするといつても、結局事業のための借金というふうに考えるのがまず普通の状態じやないかというふうに思いますから、その場合におきましては、利子は経費として差引くべきものである、かように考えます。
○大泉委員 なるほど局長のおつしやるように、相続税とか、財産を持つているために税金を納める。一ぺんこつきりの税のために借りた金は対して経費と認めろというのは困難でありますが、事業をやつておる者は、税攻勢以来というものは物の値上りによつて非常に事業が苦しくなつて、やはり借入金等によつてこれを補つて行かなければならない。かような場合には、たといその金は税の方にまわつても、営業をやつている者が借りたものはやはり経費と見るべきだ、これをはつきりしておいてもらわぬと非常に困るのです。ただ生活が困るからといつて借りた金、つまり個人企業の所得税の納税のために借りた金、こういうものは今の局長のお話の通り無理かもしれないが、いやしくも法人としてがつちりやつているものに対して何百万円、何十万円というその利息、これがどうも経費ではないというようなことをされたのではたまつたものではない。まつたく事業はつぶれざるを得ない。やはりこういうことははつきりしておいてもらわなければ困る。それで、こんなことはわかり切つたことで、法文にも出ておりますが、やはりこういう局長の答弁であるからということで、日本全国の税務署の署員にしみ込ませたい。そのために局長の明確な答弁を求めたいというのが私の質問の要点です。
○渡邊(喜)政府委員 法人におきましてのお話もちよつとお触れになつたようでありますが、法人においての借金の利子、これは問題なしに経費に考えております。ですから、税務署がものを言つておるとすれば、おそらく別の観点で言つておるのではないか、たとえばその借金がほんとうにあつたのかなかつたのかという別の観点でものを言つているのではないか、たとえば銀行の方から金を借りたという証明があるとかいうことで、その借金のあることについては議論の余地がない。同時に利子を払つたことについても議論の余地がないといつたような事態におきまして、法人の場合におきましては、その場合にそれを別に否認するということはわれわれ自身としても考えられないのじやないかというふうに考えております。個人の事業所得の場合におきましても、大体は同じように考えて行つてよいと思いますが、ただ個人の場合は、正直に言いまして家計と事業とが多少からみ合つておりますので——これは逆に極端な事例ですが、たとえば家計関係の、店のほかに住宅をおつくりになる。その住宅をおつくりになるために借金をなすつたというような場合も考えられますので、事業をやつておる方ならば、全部その借金の利子は事業の経費だということを言い切れない場合があり得るのではないかというふうに思います。あまりはつきり申し上げますと、今度は逆にはみ出してしまう場合をおそれますので、多少慎重にものを言わなければならぬということをお許し願いたいと思いますが、事業に関係していることにつきましては相当広く考え、むしろそうした特殊な例外的な場合を除いて、原則的にはそれは事業の借金だ、従つてそれに対する利子は必要経費である、こう考えるべきものだと思つております。
○大泉委員 大体わかりました。 それから今問題になつておる株の買占め事件でさつきやはり質問がありました。参議院なんかでも問題になつているようでありますが、今度の法人税の交際費の制約に対する考え方なんかも、私はそういうところから生れて来たものだろうと思う。いわゆる放漫なる経営のもとにあつては、やはり政府において何らかの制約をして行かなければならないのだというような考え方から出て参つたと思うのでありますけれども、経営者が放漫な行き方でいると、こういう経営者にはまかしておかれない、よし株を買い占めてこういう経営者を追つばらつてしまおうということも、株主のほんとうのいわゆる会社を守る、事業を守るというような考え方から発したならば、これは株の買占めというわけじやないが、株に対する正しい一つの行き方だ。そういう手段もあるから、今度の法人税などについては、私はあまり政府が監視すべきじやない、かように考える。今株の買占めの問題がいろいろ問題になつておるから、株主のいわゆる自主性にまつて、株主の力において解決した方がよろしい、現に解決されつつある。いわゆる株の買占めによつて経営者を脅かしておるということが現実なんだから、私は交際費の制約なんか認めない、問題になつておる際であるから、局長、何とお考えになりますか。
○渡邊(喜)政府委員 結局交際費の問題についての御議論のように承りますが、交際費の問題につきましては、われわれの方としましては先ほど来るる申し上げておりますように、とにかく現在一番大事なのは資本の蓄積である、従つて税法上におきましても資本の蓄積に必要な措置であると考えまして、特別償却だとかいろいろな措置を講じているわけでございます。従いましてそうした面におきまして、資本蓄積のためと思えばこそ、いろいろ税の負担軽減がなされているわけでございますから、会社の方におかれましてもそれにぜひ協力していただきたい。その場合におきまして、片方で放漫な交際費が支出されているという場合におきまして、それを税の上においてやはり何らかの措置を講ずる。これもあまり極端な措置は私は好みませんが、そうすることによつてやはり資本の蓄積が促進されるということならば、そうした措置も税法の上に許されているのではないか、かように考えております。
○川野委員 昔は税収入確保のために、当時大蔵省であつたと思いますが、各地方の国税局にこの税額を割当てられまして、各地方の国税局が各地方の税務署にまたこまかい数字を割当てて税金をとつておられたようでございますが、その後方針がかわりまして、今度は各税務署から国税局に予定税収額を報告して、さらに各地方の国税局が東京の国税庁にその数字をまとめて報告する。こういうふうで税金を取立てておられるようでございましたが、現在においてもその方針にかわりはないのでありますか、伺つてみたいと存じます。
○渡邊(喜)政府委員 今お話に出ましたような、いわば課税の目標というのでばなくして、徴収の目標というようなものを税務署に割当てたという事例は、二十二年から二十四年までの間あつたのであります。これは非常に過渡的なやり方であると私も思つておりますが、当時インフレの状況のもとにおきまして、それからまた税務署の内部におきましても、労働組合とかいろいろな問題がごたごたしておりました時期におきまして、ほんとうの過渡的の措置といたしましてはあるいはやむを得なかつたのじやなかつたかと思つておりますが、何と申しましても、ほんとうのそうしたその場に応じての臨機の措置でございまして、もちろんそれが平常的の措置だとはわれわれ毛頭思つておりません。従いましてインフレが収まり、事態が改善されるに伴いまして、もうすぐにそれをやめてしまつて、現在におきましては、そういう事態は全然ございません。ただ税務署からいろいろ数字をとります。それからそれを国税局に集め、国税局から国税庁に数字をとりますが、これはやはり常に全国における歳入の状況をはつきり把握して行くということが、国税庁として、また大蔵省としてこれが対策を講ずる必要ありやいなやという点で、監視は必要でございます。何と申しましても、全国津々浦々から集まつて来る税金でありますから、それが全体としてどんな状況になつているかという点につきましては、常にこれを監視し、同時に必要に応じましての措置をとる上から必要があるというわけでございまして、その意味のことはやつております。なお課税の問題などにつきまして、国税局がある程度税務署を指導しているというのは、これは先ほどもちよつと触れましたが、どこまでもある税務署においては同じ状況のものが非常に課税が弱くなり、ある税務署は強い。こういつたような問題があつてはいかぬ。たとえば農業所得などをとつてみましても、同じ田一反の課税の標準が、たとえば山梨県と長野県の国境で、山梨県の方が同じような地続きであるのに非常に安くて、長野県の方が高い、あるいはその逆である。こういうような事態を局がかわつているために、あるいは税務署がかわつているためにそのまま放置するということは、非常に課税の不公平という問題で、納税者の方々にも非常な御不満も出るわけでありまして、こういうような点につきましての権衡をとるというために、必要な意味におきましての国税局の監督、国税庁の監督はやつておりますが、それ以上にわたりまして、かつて行われたような意味のいわゆる割当課税、割当徴収ということは現在は全然やつておりません。
○川野委員 主税局長の御答弁は実は私も了といたすわけであります。しかし実際問題といたしましては、そういう徴税の状況を知るために報告を求めている、こういうような局長の御答弁でございまするが、第一線の税務署側といたしましては、この報告を出すにつきまして、前年よりも少く出すということは何だか自分の力が弱い、こういうふうに見られることを心配するものと見えまして、昨年の実績よりもさらに何割増というように大体報告いたしているのが現在の実情であります。そこでそういうふうに報告いたしますると、その報告の線に沿うてどうしても税金をとらなければならない、こういうような考えが起りますところに無理が生れて来るわけであります。そこでその無理が生まれて参りますために、さらに一般国民に非常識な課税もされる、こういうところが出て来ると私は存じます。先ほど佐藤君の質問にお答えになつたと思いまするが、なかなか適当な課税をする税務署をおほめになつたようでございますが、実際面におきましては、うんと税金をとつたものを栄転させている、こういう実情が多くあるわけであります。ことに局でございまするが、局も小さい局は非常に課税が酷である。これは九州の例を引きますると、九州に熊本国税局と福岡国税局がございます。熊本国税局は国税局が非常に小さい。従つて税額も非常に少い。従つて今日福岡国税局と熊本国税局の比を見ますと、熊本国税局においては非常に高い課税が行われておる、こういう現実の実情であります。そこで、実は昨年でしたか一昨年でしたか、熊本国税局と福岡国税局との合併問題が起つたことがございます。そのときに熊本国税局のある税務署の直税課長さんから、税金の面から見ましてどうしても小さい国税局は非常に不利であるから、ぜひ福岡国税局と合併してもらいたいという陳情が私の手元に参りました。私はなるほどこの方は国家的の人であると今でも敬意を表しておりまするが、そういう実情である。小さい国税局でいかに無理な課税が行われておるかということは、これを見てもわかるのではなかろうかと私は思うのでございます。要するに局長の心持は、私は十分認識しておるわけでございまするが、その気持が第一線の署長、あるいは税関係の主任等にまで浸透せないために、無理な課税が行われておる。こういう点が実は現実の姿ではなかろうかと私は思つております。これに対して局長のお気持を伺つてみたいと存じます。
○渡邊(喜)政府委員 私は先ほども申し上げましたように、税法によく従いまして正しい課税を行つて行くのがよき税務官吏である。同時にその場合におきまして、何と申しましても税法は一般的な規定でございますので、その一般的な規定の中に一般的な公平性を欠かない範囲におきまして、同時に具体的な妥当性を求めて行くというところによき税務官吏の仕事があるのじやないかと考えております。私も先日まで国税局長をやつておりましたが、私は何とかして一般的な公平性の中に具体的な妥当性を求めて行くことに努力して参つたつもりでございます。それで第一線の税務官吏がかような動きをうまくしていないことは、遺憾ながら御指摘の通りであろうと私は思つております。さいきん大分よくなつて来たとは申しまても、まだま不十分な点が多々ございまして、国税庁といたしましてもその点については十分に認識もし、かつ努力もして来たわけでございます。御鞭撻に従いまして、今後もまた努力して参りたいと考えております。 ただいま御指摘のありました小さい局と大きい局の問題というのは、これはある程度小さい局が無理しているというよりも、小さい局あるいはいなかの方へ参りますとよくわかつてしまう、裏も表もみんなよくわかつてしまう。従いまして、そこに非常に無理があるというわけではございませんが、大きい局の方はなかなか手が届かないということで、二つ比べてみますと、小さい局の方に課説が酷になると一口に言うような事態があるんじやないかというふうにおそれております。従いまして定員の配置等におきましても、東京とか、大阪とか、とかく目の行き届きかねるような局が、熊本とかそういうところと対蹠的なところにあるわけでございまして、そちらの方にむしろ定員の増加をいたしまして、そして同時にその方においてはまだまあだ相当課税からのがれている人あるのではないか、ないと言い切れないのではないかと思いますので、そういうところにむしろ重点を置くといつたような行政の仕方につきましては、国税庁でも考えておるようでございまして、昨年におきまして、相当各局間の定員の増減を行いました。たとえば東京局は、昨年は一面行政整理でもつて一般的には減つたわけでありますが、実員としましては、東京局はほとんど減らないで済んだ、こういつたような事態がございまして、今御指摘になりましたような事態に対処しましては、国税庁としましてもでき得るだけの努力をしておりますが、さらに今後ともその努力を続けて参りたい、かように考えております。
○奥村委員長 淺香君。
○淺香委員 主税局長に砂糖の消費税の引上げに関連して質問したいと思うのでありますが、第十一條第一項第三号に「煉乳若ハ育児食又ハ外国二輸出スル菓子、糖菓其ノ他命令ヲ以テ定ムル物品ノ製造ノ用二供スル砂糖」という原文に対して、「育児食」の下に「(乳児ノ食用二供セラルル物品ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノヲ謂フ以下同ジ)」を加える。」、この括弧を入れられた理由はどういうところにあつたのでしようか。
○渡邊(喜)政府委員 お答えいたします。育児食という名前が法令の中に入りましたのは二十三年の税法改正の機会でございます。当時の事情を振りかえつてみますと、当時は煉乳が配給制度になつておりましたが、まだ煉乳の生産が非常に少かつた。従つて煉乳の配給が行き渡らない乳児に対しましては、それにかえて育児食というのを配給するということになりまして、その配給される煉乳につきましては、砂糖の課税を免除しておる。従つてそれにかわるべき育児食についてはこれを免除したらいいのではないか、おそらくそういうような趣旨でもつて育児食が入つたものと思つております。ところがその後、御承知のようにもう煉乳の生産も相当ふえまして、同時に配給の制度もなくなつた。従つて煉乳にかわるような育児食、少くとも配給といつたようなものと結びついた面における育児食というものは、現在なくなつてしまつたわけであります。従いまして現在この育児食というものは、そうした砂糖の免税の趣旨からいえば使命が終つたのだから、これはむしろ消してしまつた方がいいのではないかという意見も実は一部にあつたのであります。同時に片方、この育児食というものが法文の上にありますから、これが育児食だというふうなお話で、これに対する砂糖の税金を負けてくれといつたような民間からの御要求もあつたわけでありますが、事の性質がそういうわけでございますので、なかなかこの育児食の條文というものはうまく動いておりません。従いまして、一体こういう條文を存置すべきかどうかということについて今回厚生省の意見も聞いたわけでございます。ところが厚生省としましては、いわゆる乳児用のものとしてある育児食というものについては、やはりぜひ砂糖の課税をやめてくれということが厚生省の強い要請でございました。厚生省の要請はどうかといいますと、結局乳児の用に供するものでありまして、それに必要な規格とか、そういつたものにつきましては、厚生省の公衆衛生局に技師の人も大勢おりまして、一応の案文をつくりまして、とにかく離乳期までの幼児に必要なものについては、せつかく現在育児食という法文がありますから、これによつて砂糖の課税を免除して行きたい。われわれの方としましても、それは育児食の定義がそうはつきりし、その境目がはつきりするならば、この際としてこの條文を生かすことの方がいいのじやないか。それで今の乳児の食用に供するもので、命令をもつて定めるものとあるが、命令におきましては、厚生省の方の意見案を出してもらいまして、大体その規格をはつきり規定したい。現在の状態のままでございますと、これは育児食だ、いや育児食じやないといつたような行政面の議論が多うございまして、結局は現在としては動いていない。それでは何のためにこの規定が置いてあるかということにもなりますし、また行政上の摩擦も非常に多くなりますので、政府といたしましては厚生省の方と十分打合せた上でもつてそういうふうな結論を出しまして、そうしてせつかくある條文でございますからこれは生かして使う。同時に育児食といつたような名前が、今言われましたような給配当時の関係から出た條文でございますので、概念がはつきりしていない。そこでその概念をはつきりさせることにつきましては、一定の規格のものについては砂糖を免除する。しかしそれ以外のものについては及ばぬという線をはつきりするのが本来の目的といいますか、この案文を生かすゆえんであると同時に、行政上におきます不必要な摩擦をなくするゆえんでもあろうと思いまして、今回のような法律案を提出いたした次第であります。
○淺香委員 育児食の問題につきましては、ただいま御見解を表明されましたので、その見解に対して私もいま少しく研究してみたいと思います。 次に、学校給食に使用いたしておりますところのパンに使う砂糖について、免税もしくは減税をするというお考えはありますかどうか。
○渡邊(喜)政府委員 学校給食の砂糖について何か考えないかという議論は、政府の中ではごく最後になりましてちよつと意見が出たことはありました。ただ砂糖の減税関係につきましては、交付金の問題で行くとか、手続上の問題につきましてもいろいろめんどうがございまますので、そう簡単に行かない点もございますし、現在といたしましては、学校給食の砂糖について免税しようということは政府としては考えておりません。
○淺香委員 今のところでは、学校給食用に供するパンについての砂糖の免税、もしくは減税についてお考えがないようでありますが、先ほどもこの関税定率法等の一部を改正する等の法律案に関連いたしまして、北島部長さんまで私が質問いたしました。その一点は、児童給食用の乾燥脱脂ミルクに本年三月三十一日まで輸入税を免除しようとしておつたものを、さらに二十九年の三月三十一日まで免税期間を延長するということについての質問をいたしましたが、この質問の要旨は、学校給食用に供せられておるところの輸入ミルクが最近非常に受けが悪い。臭みがあり、また日本の児童の口には合わぬ、学校によつてはこれを子供が捨てるというような珍現象さえ出ているわけであります。そこでそういうものを輸入しないでも、ほかにたとえば内地の牛乳等を、高価にはつきますけれども、農林省として何らかのくふうをすれば飲ませ得ぬこともない、こういう見地から北島部長に質問をいたしたのでありますけれども、部長さんから、非常に栄養にも富んでおり、かつまた国として補助までしている問題であるから、この免税措置をさらに引延ばそうというお話さえあつたことは、局長さんはよく御承知のはずなんであります。こういうような意図、観点からいたしましても、今日学童の給食は非常に重要視されており、体位は学童給食が始まつてから非常に向上して来た。これはもう万人が認めるところであります。しかもミルク等におきましては、従来の補助額が非常に少くなつて来ている。父兄たちはこの児童給食をやつてもらいたいのだが、従来より国の補助が少くなつたから負担が大きくなつて困つている。従つてこれを辞退する家庭すらあるというので、社会問題化されつつあるような今日の現状であります。こういうときに砂糖の消費税を上げなければならぬという理由は、私どもはよく了承しておりますが、しかしながらこういうような重要な問題に対しましては、いま少しく積極的にお考えがあつてしかるべきであり、しかもまた十一條には、乳児用は別といたしましても、外国に輸出するところのお菓子あるいは糖菓その他命令で定める物品の製造用に供するところの砂糖はこれを免税もしくは減税するということを法律にうたつている。その項目にあてはまるべきものであると私は考えますが、いま一度局長さんのお考えを聞きたいと思います。
○渡邊(喜)政府委員 お答え申し上げます。現在砂糖消費税をこの項目で免除しておりますのは、練乳、育児食、それから外国に輸出する菓子、糖菓であります。外国に輸出するものにつきましては、これはいわば一種の輸出免税といつた観点で、その意味で物品税等におきましては外国に輸出するものについては課税しない、その線に沿つてのものであるというふうに私解釈しております。「其ノ他命令ヲ以テ定ムルモノ」と一応ございますが、現在命令によつて定めましてそれを免除しているものはございません。これは結局、一つはこの砂糖の税金の免除といいますのが、末端の機構におきまして製造される品物などにつきまして免除する場合におきましては、非常に大きな手数がかかるということがあるということを御了承願わなければならぬと思つております。輸出の菓子、糖葉なんかにおきましては、むしろ税関でもつて、そのカン詰ならカン詰に砂糖がどれだけ使われておるかということを分析いたしまして、そうして結局それは全体でどれくらいの砂糖が使われておるかということを計算上出しまして、あとから交付金を渡しておる。その程度のことしかできないほど、実は砂糖の免税は末端の方でもつていろいろ免税の規定を使おうといたしますとむずかしいということを御了承願いたいと思つております。従いまして学校給食等につきましては、確かにその重要性はわれわれも認めておるのでございますが、一面においてはそういうこともございますので、むしろ総合的に考えまして、あるいは補助金とかなんとかいう制度によつてこれを行う方が適当であろう、砂糖の課税免除ということになりますと、手数の上から、あるいはまたそれが悪用される心配がないとは限りませんので、必要な取締りも出て来るというような面からしまして、なかなかむずかしい技術的な問題もそこにあるということを御了承願いたいと思つております。
○淺香委員 今の御答弁では、大体学校給食に対するパンの必要などはお認めのようでありますが、それを実施するのには手数がかかる、事務的に非常に煩雑だというお答えでありまして、これにかわるべきものは補助金等であんばいすべきだというようなお説でありますが、それは別といたしまして、よくひとつ御考究を願つて、私ども研究を進めることにいたしまして、さらにいま一点伺つておきたいことは、最後にある一部からお話があつたというのですが、それはたとえば次官会議等におきまして、厚生省あるいは農林省あたりの御関係の方からそういうお話が出たのでしようか。それともこの給食に関係する業者、もしくは給食分科会等からそういう話が出たものでしようか、この一点を伺つておきたいと思います。
○渡邊(喜)政府委員 法案の審議の過程におきまして、私どもの方で経ます会議は次官会議、閣議でありますが、そのある会議の段階において、ある省の人からそういう話があつた。通常の場合におきましては、まず事務的にいろいろ連絡がありまして、そうして最後に話がまとまらないから実は会議でそういうことを議論するのですが、事務的に全然話がない、いわば思いつきのようなかつこうで話が出た。それが、説明を聞いて、なるほどむずかしいといつて聞いていたという程度のものであるということを、御了承願いたいと思います。
○島村委員 先ほど主税局長の御答弁の中に乳児食の問題がありましたようですが、これは私どもの聞いております範囲では、農林省及び厚生省当局の見解と大蔵省の見解が違つておるというので、私ども両方伺つてみますと、折衝したけれども、結局大蔵省の意見で向うは黙つて下つたということではなかつたのですか。すつかり了解点に達したのですか、それを一応確かめておきたいと思います。
○渡邊(喜)政府委員 この問題は、結局育児関係ということで、われわれの方では厚生省の方と交渉いたしました。次官会議等におきましても厚生省から発言がありました。公衆衛生局長と私と話し合いまして、われわれの考えておる線と、公衆衛生局長の考えておる線とが合致したものでございますから、それをそのままいれたという事情でございまして、両者の間でもつて意見の相違があり、ある意味においてわれわれが押し切つたというような事実は全然ございません。
○奥村委員長 本日はこれをもつて散会いたします。 午後零時二十四分散会