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15回国会衆議院1953/03/04

大蔵委員会 第38号

発言数
97
登壇者
15
会派数
4
開催日
1953/03/04

会議録

奧村又十郎自由党

○奥村委員長 これより会議を開きます。  本日は本委員会における国政調査の一環として、金融制度中特に株主相互金融、その他やみ金融に対する取締り問題について調査を進めて参りたいと存じます。まず政府当局に対して質疑を行います。質疑に先だつて、銀行局長からこの議案に対して陳述があるようでありますから、まず聴取いたしたいと思います。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 議題となつております貸金業者等に対する政府の態度につきましては、かねがねこの委員会で説明を求められておつたところであります。かねがね関係当局の間で、この問題につきましていろいろ検討いたしました結果、一応政府としての考え方がまとまりましたので、まずその大要を御説明申し上げたいと思います。  貸金を業といたしまする業態は、現在の社会的、経済的状況から見ますると、その存在の理由があると思います。貸金のみを業といたしまする者に対する指導または取締りの措置といたしましては、弱者、つまり命を借りる方の保護の見地から、高利の金利を抑制するということだけで足りると考えております。高利を抑制する以外のことにつきまして、何らの措置を必要としないという意味は、貸金を業とするものが、自己の資金または特定少数者よりの借入金のみによることを前提といたしておりまして、広く公衆から預金その他類似の方法により資金を受入れますことは、その方法または名儀のいかんを問わず、一般に禁止されておるところであります。預金者の保護あるいは公共性の保持の要請から、公衆から資金を受入れることは、銀行その他の金融機関のみに許されておるところであり、これに違反する無免許営業者は処罰の対象とされております。従つて、貸金業者に対しても、高金利の抑制とともに、同一の観点から預金の受入れが特に取締りの対象とせられるわけであります。最近いわゆる株主相互金融の形態による貸金業者に、預金業務を新たに認めるとともに、金利についても一般の政府の金融機関よりも高い金利を認めるような金融機関を制度として立法化するようにという要望が一部に強く行われております。これにつきましては、次のような観点から私どもといたしましては反対であります。  第一に、高金利の金融機関を認めることによりまして、その種のものの資金の受入れが著しく高利であることは、他の金融機関との間に不健全な状況を惹起し、一般金利水準にも悪影響を及ぼします。従いまして、金融の秩序を乱すことになると考えます。  第二に、正規の金融に乗り得る資金が、かかる高金利の金融機関に吸収され、高金利の貸付に向けられることによりまして、国民経済的要請から見れば、低利融資の資金量を減少せしめ、正常な資金運用のルートを圧迫することとなり、金融の正常化を阻害すると考えます。  第三に、高金利の金融機関というもののほかに、原則として株主のみの融資機関たる新金融機関の立法化という点についてこれを見まするならば、株主のみの金融ということは、組織こそ異なりますが、信用金庫あるいは信用協同組合というような制度が現に存在し、社会の需要を満たしております。新たに重複して株主のみに対する株式会社制度の金融機関を設けることの金融制度としての実益がまつたくなく、むしろ金融制度を混乱に陥れる弊害があると考えます。  なお、いわゆる株主相互金融の形態等による方式そのものをそのまま立法化して制度化するようにという主張も起きて参りますが、その資金の吸収の方法が金融法規違反でない限り、一般の株式会社の増資と何ら異なるところがなく、貸金を営業とするという違いがあるだけでありますから、特別の立法を必要とせず、現行の貸金業等の取締に関する法律により監督いたすことでもつて足りると考えております。  次に、金融法規の関係でいろいろ問題のある業態といたしましては、先ほど申し上げました株主相互金融あるいは匿名組合の方式によるもの、物品割賦販売による金融方式、協同組合の出資の形式によるもの、いろいろありますが、特に現在最も問題となつておりますものは、次の二つであります。一つは株主相互金融であります。その業態は、御承知の通り株主相互金融というものは、貸金業等の取締に関する法律によりまして届け出た株式会社組織による貸金業者が、通常増資にあたり、自己の役員等に株式をまず引受けさせ、右株式を広く公衆に売却し、その代金を割賦にて受入れ、株式引受者に融資を行うか、または融資を受けないものについては株主優待金を支給する方式であります。  以上の方式により、株式会社が株式の売却による代金を受入れることは、これを預かり金に準ずる不特定多数者よりの資金の受入れとして、銀行法等の金融法規違反とは断じがたいのであります。  次に、匿名組合契約による資金の受入れ方式であります。この業態は、匿名組合契約による金銭出資を広範囲に募つて金銭を受入れ、これに対しては確定利息を付する形態であります。その出資された資金は通常株式、不動産投資を目的として運用されております。また貸金業を目的といたしておるものもあるようであります。この方式につきましては、商法の規定する匿名組合契約ではないと言い切るだけの根拠がありません。従いまして、この方式による出資は、預かり盆に準ずる資金の受入れとは言いがたいと考えます。しからばこれらの問題に対する今後の私どもの考え方はどうかという点でありますが、この点について申し上げたいと思います。  上記の方式による株主相互金融と匿名組合方式とについては、株主または出資者たる立場が、あたかもこれらのものが確定配当をいわゆる加入者に対し保証しているがごとき感を与えていることから、預金者に近い立場にあるという主張があります。従つて預金者に対すると同様の保護を与える措置をとるべきであるということがいわれております。これにつきましては、いわゆる加入者が株主または出資者であつて、そこに一般の事業会社等への株式投資または事業への投資の場合と区別すべき何らの相違もなく、株主または出資者の保護については、一般のこれら事業会社等に対する株主と相違する取扱いをなす必要は毛頭認められません。従つてこの投資または出資は、預金とはその性質が違うものであるから、これに対しては一般の金融機関における預金者保護の措置はとられないということが特に注意されなければならぬ点であると思います。  以上の株主相互金融または匿名組合による出資の受入れという方式のいずれも、金融法規のみの関係においては、その違反とは言いがたいのであります。しかしながらこの方式の業態と称するものの実情は、千差万別でありまして、個々に判断をいたしますときは、株式引受予定者よりの仮受金等の受入れの例のように、なお金融法規違反と断ずべきものが少くない見込みであります。これに対しましては、貸金業法、銀行法その他の法規によつて厳重に取締りを行つて参りたいと考えております。なお貸金業の中には、大蔵省公認というような広告、または正規の金融機関である信用金庫とまぎりわしい金庫というような名称をもつて、大蔵省の免許または認可を受けた正規の金融機関のような印象を一般大衆に与えておるものがあるようであります。これらのものは正規の金融機関ではなく、単に届出制の貸金業者にすぎないということも、この際はつきりいたしておかなければならぬと考えます。  以上が長い間研究いたしました政府部内としての一致した見解であります。

奧村又十郎自由党

○奧村委員長 質疑は通告順によつてこれを許します。宮幡靖君。

宮幡靖自由党

○宮幡委員 長い間の懸案であるという前提のもとに、ただいま銀行局長が説明せられました中に、株主相互金融という言葉が多く出ておりますが、もつと平らな言葉で言えば、当然にして発生いたしました庶民金融に対します政府の所信が述べられまして、その内容の多くにつきましては、大蔵当局の御苦心並びに現下の事情に即しました考えを取入れられたことによりまして、昨年あたりよりは一大進歩をいたしておることに、私はまず敬意を表します。しかしながら根本的な矛盾を見のがすわけには行きません。昨年はちようど高金利等の取締りに関する法律を出されまして、われわれは断じてこれに反対いたしました。われわれは与党でありますが、これに反対いたしまして、各般の情勢を調査しつつありますうちに、審議未了の形になつたわけであります。ただいま聞きました御説明の内容から見ますと、貸金業等の取締に関する法律は存続せられる趣旨がうかがい知ることができるのでありますが、こういう情勢になりました経過は、もし秘密等にわたる事項がありますればこれは格別でありますが、さしつかえのない程度において、どうしてそういうような変遷をたどつて来たか、簡単な言葉で申せば、心境の変化はどこから生れたか、この点をひとつはつきりいたしていただきたいのであります。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 お話の点は、昨年はお話のように、政府といたしましては貸金業法をやめて、ただ高金利だけを厳重に取締るという方針を実はとつたのであります。このことは、方針としては私は今でもそういう方針でいい、これは冒頭に申し上げました通り、自己資金でもつて金融、貸金をやるものにつきましては、これは特に高い金利をとるという以外には、私は取締る必要はないと考えます。この方針は私は堅持して行つてもいいと思うのでありますが、ただ最近御承知のように、いろいろな観点から、やはり先ほど申し上げましたように、千差万別の業態の中で、預金と同じような性質の形の資金の受入れをやつておるものが相当あるようであります。従いまして、これに対しては十分に検査をして調べる必要があるのじやないか。そうして実情を十分に検査をして調べた上で、そういうことがなければ非常にけつこうでありますし、そういうことがもしありとすれば、これに対する措置をいたさなければならぬ。それがためにはやはり検査を行つて行くことがどうしても必要であろうという意味において、貸金業等の取締に関する法律はいましばらく残して参りたい、かように考えております。

宮幡靖自由党

○宮幡委員 この点はややはつきりしたのでありますが、そこで前回の立法、いわゆる高金利の取締りというところに重点を置きました法律の中の見のがすべからざる事実は、これらの取締りに反し、あるいは諸種の法制に違反するであろうという疑いのあるものに対しまする取締り、こういうものをあげて検察当局に一任しようというのが、当時の大蔵省の考え方であります。今度は、積極的に大蔵省がやろうというような意欲のように見えるのでありますが、この点の心持の移りかわりはどうなつておりますか、はつきりしていただきたい。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 金融法規違反の事実があつた場合に、それを取締るのは、これは検察当局だと思います。しかしそういう事実があるかないかにつきましてやはり一応調べることは、私どもとしては、職分としてあるという考え方に最近の情勢に従つてなつて参つたわけであります。

宮幡靖自由党

○宮幡委員 昨年の法律を本委員会に提案せられました当時の状況から行きますと、どうもきよう盛んに言われております株主相互金融というものは、もう考えの外に置くというふうに見られた、あるいは説明の中にもそういうふうに受取れたような記憶もあるわけであります。今回は、やはり取締りの対象としては株主相互金融、これに類似します、悪い言葉でありますが、やみ金融も一括して取締りの対象にしよう、こういう強い意思が出ておるように思いますが、そう考えて間違いはないでしようか。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 その通りであります。

宮幡靖自由党

○宮幡委員 そこで大体昨年からことしに至りまする間、非常に心配せられ、ずいぶん御研究にもなつたことだと思う。それによつての移りかわりがわかつて来たのでありますが、かりに私は、株主相互金融というものは、それ自体本質的にすきでもありません。しかし株主相互金融というものを盛んに言葉の上に申されますから、すきであるとか、きらいであるとかいうことではなく、その名前を使いますが、株主相互金融というものは、これは貸金業法の上から見ますと、合法的に成立したものであるということが一応言えるのであります。そうしてその株主組織の盲点を巧みに利用いたしました、いわゆる法令の抵触を避けている巧みな人間の知恵から生れました一つの制度であります。この両面は今の御説明でもありますように、かなり判断に苦しむのでありますが、その実態は、御説にもありましたように株式の売買を仮装する金融業とも言えるのであつて、資金の吸収上、貸金業法の第七条でありますか、あるいは第十四条、相互銀行法の第二条第一項第一号あるいは第三条のほか、商法の資本充実という原則及びたこ配当の禁止等に抵触しておるばかりでなく、利息制限法第二条の違反となる、こういう脱法行為的な要素を多分に含んでおることは明らかであります。政府は、これに対してただちに法的に断ずることはできないとただいま言われたのでありますが、この断じ得ないというところにますます盲点を深めるのでありまして、それについてはまた別の機会に懇談で伺うことにいたしますが、大蔵省としてはもう少し深くつつ込んだお考えを持たれておるのではなかろうかと思います。しかし公開の委員会で私はあえてこのお答えをいただくことは要求いたしませんが、しかしこの盲点を何とか解決しなければいかなる名目のもとに放置をせられ、いかなる改正を意図されましても、これはいわゆる龍頭蛇尾、実を上げることはできないと思います。しかして難ずべきは難じ、救うべきは救いましてこそ立法の価値があるのでありまして、もしこういうことがまだわからないが、こういう考えであるとか、行政措置ではつきりした一つのケースでもあるならけつこうでありますが、かような問題はでき得ましたならば、行政措置で片づけてもらうことが望ましい、法に訴えなければ取締りができない、こういうようなことは、ある意味におきまして法治国としては情ないことであると私は思つておる。ですから、行政措置でもよいからこういうふうにやつて行くんだというはつきりした見解というものをぜひ知りたいのであります。またそれを知らせろということは無理であるかもしれません。しかし知らなければ、法律としてはこれは検討して行くことがむずかしいのではなかろうかと思う。また月賦販売という名でやつておりますが、これに関しまする取締りのないことはすでに御承知のようであります。この本来の月賦物品販売は別といたしまして、月賦販売を名目とする金融は、その実体はいわゆるみなし無尽方式と選ぶところはないようであります。従つて相互銀行法の第二条第一項第一号及び同法の第三条の違反となるばかりでなく、貸金業法の第五条の違反となるべきものである、こういう点につきましても、やはり現在月賦販売という名におきまして、別に月賦払い約款つき売買と呼んではおりますが、内容はそうでない、これは私がくどく申すまでもなく、内容は御存じの通りこういうような盲点があるのであります。これを積極的に、検察当局も入つて取締りをしようという考えになつたのに、どうしてもう少しこの盲点をついておらないか、この点が私は遺憾にたえないのであります。しかして私は、前段も申しましたように、株主相互金融というものは好ましくないものだと思つておる。しかしながらすきであるとかきらいであるとかというようなことは別といたしまして、別途の方式で現在のおもに小企業——農民とかあるいは勤め人とかというような階層が高利得を得ようとする考えを器持ちになつたことは、その思想のよしあしは別といたしまして、こういう階層をはずしました、いわゆる小企業というものを対象にいたしましたもう一つの金融制度をせひほしいような感じを強く持つております。あえて名前をつけますれば相互金融業、こういうようなものでももう一方にあつたならば、あるいはこの盲点を解決することができるのではないか、こういう考えを実は強く持つております。最近横行しております類似金融方式と申しますか、金融機関と申しますか、そういうものには社会的な危険性があるということはよくわかるのでありますが、一面小企業の金融の需要に応ずるというようなことか二考えますと、自然に発生した事実でありまして、この事実を否定する法律というものはあまり有効なものでもなく、また私は法律の観念から行きまして正しくないものだと思うのであります。そこでどうしてもこの小企業の実情を考慮し、一般の金利体形とか、あるいは金利水準というものとは別個の観点に立つて、特殊の金融制度を樹立してこれを善導して行くことが政府としても大蔵当局としてもなすべき当然の義務であろうと私は思う。あえて相互金融の名において集めた資金は預金とは言いがたいので、預金者保護の配慮には及ばない、こういう御説明のようでありますが、そういう考え方ではなく、正常なわくからはずれたもう一段階下の小企業を中心とした相互金融制度というものがあつてほしいというのが私の考え方であります。その目的といたしますのは、小企業を加入者とするところの、これこそ公認された専門金融機関として、これはみなし無尽方式の業務を営む相互金融制度というものを創設してほしいという気持を持つています。株主相互金融ではありません。それでその営業の免許及び監督は当然大蔵大臣、組織及び資本の点については株式組織に限定する、最低資本金は二百万円程度、業務及び金利は、同一人に対しては五万円程度の加入を限度といたしまして、日掛無尽方式で払い込ませて、金融貸金業法に認められます株式金融会社がその資金を操作いたし、相互金融の目的を達する。金利の点については、大体受入れます場合には名目金利は日歩十銭以内、利まわりはどう計算しても二十銭を越えない限度、こういう程度で資金を受ける。一般の貸金は貸金業等取締りによります法律の規制によりまして、貸出しの方はおおむれ自由の原則をとる。営業区域については最大一都道府県を単位とし、その範囲内において区域を定款に定めて大蔵大臣の認可を受ける。類似金融はことごとくこれを禁止する法令を設ける。そうしてこれに違反したものは、まことに残念なことでありますが、罰則等も適当に考慮して取締りを励行せられる。貸金業法の貸金の自由を認めますならば、やがて来るべき時代には、今ただちにとは申しません、また六箇月、一年とは申しませんが、御説のように年来不備な法律としてはなはだ残念に思つておられたでありましよう貸金業等の取締に関する法律も順次廃止すべき時期等も考慮に加える。しかしそれらを施行いたしますには、この雑然としている現在の庶民の金融と申しますか、やみ金融と申しますか、無制度の金融、これらの移りかわりにも相当の配慮を及ばさなければならないと考えますので、法律は公布後六箇月以上一年以内に施行する。こういう段階によりまして、なお詳しく申すと時間がたくさんかかるから省略いたしますが、相互金融法というのをこしらえて、株主相互金融の名のついたものとは違つた真の小企業の相互金融というものを達成する。この根本とするところはみなし無尽方式により、加入者は一人五万円限度、それを割賦によつて払い込ませ、資金も資本金二百万円以上の株式金融会社として運営する、こういう道を開くべきだろうと実は強く考えている、そうして他のいわゆる類似金融というものは、取締りの徹底、保護の達成とともに断じてこれを禁止してしまう。こういう強い構想を出すべきだと思つておりますが、これらの点についてはどういうふうなお考えを持たれますか。本日は私は同僚小川委員の質問と時間をわけ合つておりますので、より以上お尋ねする時間がありません。この点を簡単でよろしゆうございますから御答弁をいただきます。あとは小川君に譲ります。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 株主相互金勘が、銀行法第一条なり、あるいは貸金業法の第七条なりによります預金、去るいはそれに類似する資金の受入方式であるかないかにつきまして、実は長い間研究しているのであります。この結論は、先ほど申し上げました通り結論としてはつきりこれは預金ではたい、銀行法第一条違反ではない、また貸金業法第七条の違反ではない、こういう結論にはつきり到達いたしまた。ただそこに到達いたしますまでには、いろいろ研究はいたしまして、むずかしい問題がたくさんありましたが、そういう結論にはつきり到達いたしたわけであります。ただここで申し上げたことは典型的な場合の問題でありまして、いろいろ実際にやつている業態は千差万別でありますから、現実には銀行法違反になるような、あるいは貸金業法違反になるような貸金の受入た方をやつている株主相互金融が絶無とは申されません。調べてみなければわかりませんが、先ほど申し上げたように、仮受金の名義、あるいは借入金の名義で資金を受けるものがあるようであります。これらの点については調べてみなければわかりません。もう一点、商法の関係でいろいろ違反がある場合がないかという問題、これはそういうことがあればもちろん取締りの対象になるものではないかと考えております。今申し上げましたのは、すべてそういう点が合法的にできている典型的なものだけを申し上げたわけであります。なお物品販売のシステムによりまして、それを仮装いたしまして実際資金の受入れをやつているものがございます。これについては法務省からお聞き一願いたいのですが、現に相当起訴もいたしております。私ども先発をいたしたものもあるわけであります。実態においてこれが金融業法違反になるようなものでありますならば、適当な取締りの措置がとられる、かように御了承を願います。  それから何かいわゆる庶民金融と申しますか、小さい金融のための相互金融制度を法律をもつてはつきりつくつてはどうかという御意見。これは、先ほどそういつたような御意見に対しては私どもは反対であると申し上げた。その意味は、私は金融制度としては現益できていると思うのです。貸金業者というものも金融制度の中に入つているわけです。自分の資金で貸金業をいたす限りにおいては、他に違法がなければこれは貸金業者として法律もできておつて、ちやんとその業務を営めるようになつている。それから金を持ち合つてそれでもつて相互に金融をいたす、いわゆるみなし無尽方式というものがありますが、そういつたものにつきましては、貸金業自体がそれをやつてありますし、相互銀行の制度、あるいは信用金庫の制度、あるいは信用組合の制度、これらの制度がこういうことに重点を置いてやつて行くのが適当であろう。制度としては私はできていると思う。ただこれらの制度が数が少な過ぎるとか、あるいは一般の需要に応じきれないとかいう問題につきましては、いろいろ御意見があると思います。私どももそういつた点に金融のギヤツプができないように、ごとに中小企業あるいはそれ以下の金融を対象とするような金融の便宜については、これらの金融機関ができるだけやつて行くように努める。それで満たされないところは現在の貸金業者がそのギヤツプを埋めて行く、かように考えている次第であります。

宮幡靖自由党

○宮幡委員 今の御答弁は八割程度満足いたしますが、どうもあらゆる金融制度ができておると断定せられては、これははなはだ国民が迷惑すると思います。金融制度は、それは金利水準とか、あるいはりくつで申します金融制度はできておるのでありますが、実際に庶民の金融、あるいは小企業を中心といたします金融制度というものは、われわれは立法の府に参画しながら、残念ながらいまだ足りないと思つておる。その盲点を突かれて、危険性を伴いまするところの庶民金融が自然発生の事実として生れておる。これは取締りの対象になるかもしれない、あるいはならないかもしれないというような解釈では、ほんとうの庶民のための金融を考えている構想とは思われない。それで、そういうものを禁止するためには、そういうもののために正常なる部門を開いてやるという考えを持つてこそ、これは政府であり、親心を持つところの行政なのであります。  そこで、この点はまだ数時間を費しまして微に入り細に入りお尋ねしたいのが、私の本旨でありますが、きようは時間がありませんので、これ以上はいたしません。けれども委員長にお願いしておきますが、この点は適当の機会に懇談でも何でもけつこうでありますから、保留していただきまして、もう少し親心を持つてあつたかみのあるところの、金融制度なんというりくつに当てはまるものでない金融を処理することに専念せられるよう、特に銀行局長の明快なる答弁に対しまして、条件をつけてお願いしておきます。  以上をもつてきようは終ります。

奧村又十郎自由党

○奥村委員長 ただいまの御発言、よく了承いたしましたから、後ほど善処いたしたいと存じます。小川半次君。

小川半次改進党

○小川(半)委員 この間新聞などで見ますと、銀行局長は、この株主金融の問題について検察町当局といろいろ御相談されたようでありまするが、その結論は、先ほど申し述べられたあれだけが結論ですか。もつと深くつつ込んだ問題があつたかどうか、あるいはこれに対する何か特別な措置を今後とらなければならないような問題が出たか、この点、先ほどのあの説明ではまだ何となく物足りないものがありまするから、もう少しその御相談のつつ込んだ内容をお示し願いたいと思います。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 関係当局間の打合せの過程におきましては、いろいろ問題が出まして、意見を闘わしたことは事実であります。しかしながら結論は今申し上げましたところの結論であります。しからば、この態度なり方針に基いて検察当局がどういう態度をとられるかということにつきましては、私から申し上げる資格はないのであります。法務省から政府委員が来ておりますから、そちらの方からお聞き取り願いたいと思います。ただこういう点はどういうふうな問題になつているかというような具体的な御質問でございますれば、それについてなお詳しく御答弁申し上げます。

小川半次改進党

○小川(半)委員 法務省当局から御説明を願います。

奧村又十郎自由党

○奧村委員長 それでは刑事局長がまだ見えておりませんから、その折衝の局に当つた刑事局総務課長津田実説明員から説明を求めます。

津田実検事(刑事局総務課長)

○津田説明員 法務省と大蔵省と話をしました結論につきましては、先ほど銀行局長から申し上げました通りでございます。  ただ若干補足して申し上げまするならば、株主相互金融という形態は千差万別でありますので、一概に適法であるとか違法であるとかいうことは申せないということでございまして、先ほど来銀行局長が申し上げましたのは、金融法規の関係において申された。しかしながら、商法その他に違反する場合もあり得るのでありまして、これは一概に申し上げにくいのであります。また取込み詐欺の行為は、これは刑法にも違反するということでございますので、現に各地におきましても、数件はすでに取締つておるのもあるわけでございます。一概に相互金融という名前においてどうということは申し上げにくい、こういうことは法務省においても十分考えた次第でございます。

小川半次改進党

○小川(半)委員 私は、この間も銀行局長に株主金融のことについて質問したのでありますが、その際にも申し上げたように、この株主金融というものがどうして生れて来たか、その原因をやはりわれわれはつかまなければならぬと思うのであります。御承知のように、最近わが国の銀行その他の金融機関でありますが、市中銀行などは、十万円以下の金は貸してくれません。それから旧無尽会社——今相互銀行などと言つておりますが、これも無尽会社という時代はまだ比較的庶民的な感覚もあつたのですが、相互銀行と銀行の名がついてからは、いばつてしまつたのかどうか知りませんが、これも五万円以下の金は貸してくれなくなつた。そこで二万円、三万円の金に突き出る。それじや零細な国民はどこから命を融資してもらうことができるか。ここから生れて来たんです。銀行も貸てくれない、相互銀行も貸してくれたい。零細な国民はどこから金を借りるか。二万円、三万円の金に突き当つて、そこで必然的に考えたのが、この零細な大衆がお互いに金を出し合つて、だれか必要なときにそれを融通してもらおう、お互いに融通し合おう、こういうところから、必然的に日本の現在の経済社会の中から生れるべくして生れたのが株主金融であろう、私行こう見ております。  そこで問題はやはり日本の政治に欠陥がある。零細なる大衆にたやすく命を貸し得る制度があれば、こういうよは生れて来ないんです。最近のわが用の金融状態は最も大きなもの——金融資本家、財閥などと言つておりますが、大きなものにはどんどん金は貸すけれども、零細なる者には金を貸さたい、こういう大資本家偏重の政治経済のもとにこの零細なる国民は苦しまたければならぬ。そういうところからこの株主金融というものが生れたものであつて、先ほど宮幡君は好ましくないというお話でしたが、私は、これは非常に好ましいものであるという解釈をとつておるのでおります。  そこで、ややもすれば銀行局長なりあるいは当局などが株主金融などの欠点のみを見ているようでありまするが、長所もやはり見るべきであると思うのです。私はこの株主金融のことについて東京、大阪、京都で実態調査をしましたし、アンケートをいたしましたが、そのアンケートの中で大体私のつかんだものに、こういうものがあつたんです。終戦後わが国の国民思想には一種の投機的な、賭博的な風潮が多くなつた。たとえば、競輪、競馬とかあるいは宝くじとか、こういうものはよく言えば投機、悪く言えば賭博、こういうものに国民は金を入れて、あわよくば千金をつかもうというような風潮になつて来た。ところが賭博、要するに競馬、競輪というものはうまく当ればいいが、当らなかつたら捨ててしまわなければならない非常に危険性のある投機行為なんです。国民の風潮がそういう方向に非常に流れておつた。ところが株主金融というものができてから、かつて競輪、競馬というような賭博行為で熱を上げておつた者が、今までの金はむだだつた、金を捨ててしまつていたのだ、しかしこれから利殖をはかる方法は株主金融である、こういう気持から株主金融に集まるようになつた。これが事実なんです。こういうところを見なければならない。これは、一方においてはそのような賭博的な風潮をなくし、そして貯蓄のためにも役立つてれる。私はこういう立場から見て、これは非常に好ましいものだと考えておるのです。先ほど宮幡君から好ましくないという説が出たから、私は好ましいという解釈を持つておるということを申し上げたのでありますが、この点について、銀行局長はどちらをとられるか、お答えを願いたいと思います。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 先ほど申し上げましたように、株主相互金融は好ましくないということでこれをどうしようということは考えておりません。ただ好ましいものだということも私は言いません。社会的、経済的必要があつて起つておるもの、これだけお答えいたします。

小川半次改進党

○小川(半)委員 銀行局長はこの間よりも一歩前進されたようで、私は非常にうれしく思うのです。この間私が質問したときには、どうも株主金融というものは銀行法違反の疑いがある、預金行為をしておるらしいので、ひとつ徹底的に取調べる考えであるということでしたが、先ほど来の御説明によつて、銀行法違反ではない、預金行為ではない、少くともこれは株式である、こういう結語に達したというので、この間よりも一歩前進されたことを私は非常に満足に思うのでありまするが、すでに銀行局長も御承知のように、株主金融は商法に基いて設立しておるものであり、また増資の場合でも、商法に慕いで増資ができるのであります。また貸金業法によれば、大蔵省に届出すればそれで営業ができますし、株式の売出しについては、証券取引法法に基いてやればよいのであつて、この三つの手続さえふんでおれば、何ら違法でもないし、これは合法であるわけです。合法であるということをすでに当局も認めつておられますから、私は合法か非合法かということについてはこれ以上論及しようとはしませんが、合法であるということを当局が認めた以上は、これで大体私たちの考えと同一であるということで、満足するものであります。  そこで、先ほど局長のお話では、非常に高金利であるが、高金利であるがために将来これを法制化する必要かない、その他二、三の点を言われましたが、それでは金利というものを一定のわくに押えるという制度にして、これは法制化したらどうですか、金利が高いから、こういう高いものを法制化することは、いろいろな金利のルートを乱すからでないというのですが、乱さないように法制化した方が乱れないのです。私はこういう点から、これはやはり法制化した方がよいという考えなのですが、銀行局長、もう一度この点についてお答え願いたいと思います。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 先ほどお話したことを、誤解のないようにもう一度繰返して申し上げますが、株主相互金融は別段金融法規に違反してむらないという意味は、すべてのことについて金融法規に違反してないということと申し上げたのではないのであります。違反しておるものもあるかと思いますから、その点は個々について調べますが、また商法の違反がある場合もあり得ると思います。それらのものは個々に当つてみつなければいけない。そういつたふうな典型的な違反がない限りにおいては合法だ、こう申し上げておるのであります。  それから法制化の問題でありますが、小川さんどういう意味で法制化を言つておられるか、ちよつと私わかりませんが、金利を一般の免許を受けた正規の金融機関と同じレベルの金利まで下げて行つてさしつかえないような制度でいいのならば、現在の金融機関の制度でよいのです。それから、それよりもやや高い金利で、しかも今の株主相互金融の制度をそのままやつて行かれるのであれば、これは株式会社とかわりない、ただ普通の貸金業をやつておる、それを株主でやつておる、その資金を株の形で集めるというだけのことでありますから、何もそれを特別の法制化をする必要はない。ただ、貸金業等の取締に関する法律上の監督だけで足りるというはつきりした考えを持つておるわけであります。それから株主相互金融につきましては、先ほど申し上げましたように、それに加入する者は預金したのではない、出資をいたしたのです。その配当が高いことも、これはやむを得ないと申しますか、それは払い得る範囲において配当はある。しかしこれは預金と同じような保護はされませんよ、それだけははつきり申し上げておきます。

小川半次改進党

○小川(半)委員 もちろん株主金融業者の中には、たまには悪質な人もいると思います。役人の中でも、善良な役人もいるし、悪い役人もいるのと同様に、こうした金融業者の中にも、たまにはそういう法規を無視した違反業者もいると思います。そういう業者はもちろん徹底的に取締る必要があると思います。  そこで、先ほど銀行局長は、今後は株主金融の出資者の人々に対しては、一般の預金者と同様に国家は保護しなければならないという考えを持つておる、たしかそういうことをおつしやつたようですが、一体どういう方法で保護される考えか承りたい。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 逆のことをはつきり申し上げたのであります。

小川半次改進党

○小川(半)委員 先般大蔵省当局において、株主金融に対して、株主優待費は、とにかく損金に入れるものではなくして、これに対して課税をしなければならぬ、要するに課税の対象となるという結論が出たように承つておりますが、そういう結論を出したのですかどうですか、承りたいのです。

原純夫大蔵事務官(国税庁次長)

○原政府委員 株主相互金融会社が株主に払う株主優待費、これは配当であるという判断で政府の方はやつて参るつもりでおります。従いまして損金にはなりません。また源泉徴収が必要だということに相なります。

小川半次改進党

○小川(半)委員 要するに優待費は今後課税の対象になるわけですか。そういうことになると、会社その他新しく事業をする者は、その事業を一般大衆に知らせるために、あるいは宣伝とか、あるいは旅行とか、いろいろな制度があるわけですか、一体全般的なこれらの問題はどうなんでしようか。損金に入れないのでしようか。

原純夫大蔵事務官(国税庁次長)

○原政府委員 優待費に課税するしないという問題、これは優待費の解釈によつていろいろ意見がわかれたわけでありますが、配当と見るということによつて、配当として課税する。これは優待費に課税しようというつもりで出した結論ではないのです。税はそういう支払いの性質を確然と判定いたしまして、それに従つて税法の規定と適用いたす。配当と見ますれば、それは配当で課税する。そうでなくして利子と見ますれば、それは利子所得として課税になる。いずれにいたしましても、こういう支払いに対しては課税になる。大体原則としてそういう結論になると思うのであります。それを配当であるという形において、配当所得として課税するということをただいま申し上げたのであります。

小川半次改進党

○小川(半)委員 結局これが課税対象となりますると、営業状態も非常に悪くなつて来るわけですが、どうもこれは、政府の方で株主金融というものを徹底的に追い込みまして、とにかく税金でしぼり上げて、営業不振にして、将来これを消滅さしてやろうという意図から出ているのではないかとも考えられるのです。しかしこういうことについては、私はあまり追究いたしませんが、一体これは、昭和二十八年度からそういう課税対象としておとりになるのであるか、あるいは二十七年度分などはどういうことになるか、いつからこれを実施されるのか、その点伺つつておきたいのであります。

原純夫大蔵事務官(国税庁次長)

○原政府委員 まず株主相互金融につきまして税をとるということは、今のお話の調子が、ひどいことをして、これを金融業法の面からでなしに、税法の面から攻めて参るというような感覚をお出しになつたように実は伺つたのでありますが、そうであるとすると、その考え方はすつぱりと捨てていただきたいと思います。われわれ税によりまして、正当に合法的にできる営業というものを押えて参るという気持は毛頭ございません。常々申し上げております通り、税は公平に適正にやつて参る、ごとに信頼に乗せてやつて参るというようなことを申しておるわけでありますので、ただいまのようなお気持を抱かれまするのは、非常に残念でございます。どうかひとつそのお気持は解いていただきたいと思います。  それからこの優待費に対する課税につきましての御気分にしましても、当然かからないものなのに、かかるようにされたというような御気分がちらつとうかがえるのですが、それもお改めを願いたいと思うのでございます。これは配当であるか利子であるか、かなりに議論のあつたことは事実でありますが、どつちにころびましても、これが課税の対象からはずれるということは、こんりんざい——こんりんざいと申すと何ですが、税法ではつきり非課税なり免税なりの規定をいたすのでなければ、これはかかるのは、まず常識的に当然だというふうにお考え願わなければいけないのだろうと思うのであります。そういうような意味におきまして、いつからかけるということも、お払いのあつた時期々々にかけるべきであつたという考えで処理いたして参りたいと思つております。

小川半次改進党

○小川(半)委員 この株主優待費の点については、古来学説でも二派にわかれているのです。大体損金として認めるべきか、あるいは税の対象とすべきかということについて、私たちはこれは損金として認めるべきである、こういう解釈を持つております。あなたとは根本的に違うのであります。しかし違う意見をお互いに議論していてもしかたがないことですが、後ほど佐藤君その他多数の同僚からも質問がありますので、私は最後に一点だけ申し上げておきたいのであります。  これはただに株主金融のみならず、一般の市中銀行においても、特に相互銀行などにおいても、おそらく銀行局長やあたな方は御存じないことでしようけれども、冷たいへんな利子をとつておるのです。実際においてまつたく高利の利子をとつておる。どの銀行がどうしたなんということは、私は具体的に申し上げませんが、こういう点をよく知つておかなければならぬと思うのであります。株主金融の人ならず、株主金融にメスを入れるのであれば、一般の市中銀行にも徹底的なメス加えるべきである。私はこのことを強く要望しておきまして、本日の質問はこれで打切つておきます。

島村一郎自由党

○島村委員 先ほど宮幡委員から、ただいま小川委員からも、いろいろな点に対する御質問があつたのでありますが、どうもこういうものは法の盲点を突いて生れ出る。しかもこれを利用するものはますますふえつつある現状から考えますと、ただいまの許された金融制度ではどうも足りない。もつと簡単に金が措りられるような方法がほしいというような気持の人、あるいはこれを利用しようという人が、もつと簡単なところがほしいというねらいがここらへ集まつて来たのであろうと思う。それでありますと、かりにこれはこれで処理するといたしましても、ほかに何か信用組合あたりより、もつと簡単に融通がつくような制度を将来おつくりになるようなお考えが今おありかどうか。そういうことを何つておきたいと出います。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 その点は先ほどもお答え申し上げたのでありますが、相互組織のもとに、簡単に小さい資金を借りられる制度としては、信用組合というりものができております。それでもなおかつ満たし得ない点は、今問題になつております貸金業者としてこれをやつて行くのがいいのであつて、その間に何か別の仕組みをつくるということは、制度としては私は必要がない、かように考えます。

佐藤觀次郎日本社会党(左)

○佐藤(觀)委員 銀行局長に結論を聞きましたけれども、どうもこの結論ではこれくらい全国的に根を張りました相互金融なり、あるいは匿名組合なりというものは、そう簡単には解決できない問題があると思うのですが、一体銀行局長や大蔵当局は、現在の一般の庶民が金に困つておるという現状、あるいは相互金融の実際を調べられたことがあるかどうか。この点をまずお尋ねします。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 相互金融の制度の問題につきましては、貸金業務の取締り規定によりまして検査いたした——検査といいますか、調べたものがございます。全般的には、御承知のように貸金業者というのは非常に数が多いのであります。届出をいたしておりますものだけでも九千に近いような数であります。これらのものについて、一々私ども検査を行うことは物理的にできません。従いまして、ほんとうに全体について実体を握つておるかといわれますと、実はその点についてはあまり満足の行く御答弁を申し上げるわけに参りません。しかし私ども手の許す限り、法律の認めております限り、実体につきましてはできるだけの調査をいたしております。なお現密行地方の財務局に対して、実情をさらに詳しく調べるように命令をいたしておるところでございます。

佐藤觀次郎日本社会党(左)

○佐藤(觀)委員 先ほど同僚の島村委員から、現在の金融機関は庶民的でないという立場から、株主相互金融とか、あるいは匿名組合の経済金融が生れたということを指摘されても、銀行局長は、現在別段新しい方法がなくてもこれでいいということを言われた。これは現実にそういうような事情であれば、当然株主相互金融とか、あるいは現在市内にこれに類似したいろいろの金融業者が生れるはずはないと思うのです。それならば大蔵省は、このままでやつて行つて、庶民が金に困つて倒れて行つてもやむを得ない、こういうふうにお考えになるかどうか。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 先ほど来申し上げましたように、私どもは、零細な資金を必要とする中小企業の方々が困つてもさしつかえないというような失敬な考え方は、毛頭持つておりません。できるだけそういつた方面の金融をつけるようにいたしたいとは考えております。しかしながら、政府といたしまして制度として考えた場合に、私は、ギヤツプはない、貸金業者はいかぬとい考え方に立つていないのです。自己資金でもつて貸金をおやりになり、それで需要を満たしておる。株主相互金融でも、合法的にやつて行くことがいかぬとは私どもは言つていない。その制度で満たされる範囲においては、私はさしつかえない、かように考えております。

佐藤觀次郎日本社会党(左)

○佐藤(觀)委員 御承知のように、銀行局長は国民金融公庫の監督をやつておられます。現在国民金融公庫から金を十万円借りるのに、どのくらいの手続とどのくらいの年月がいるかということを御説明願いたい。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 その点につきましては、たびたびこの委員会からもおしかりを受けております。一つは時日の点、一つは国民金融公庫の資金量が十分でないという点から、金融を求められる方々に十分にその需要を満たしておらぬことは申訳ないことであります。また貸出しにつきましても、長いものについては、決定に数箇月かかるというようなものもあるようであります。これらにつきましては、手続を許す限り簡素にして、迅速に貸出しをいたすように今後とも指導いたしたいと思います。資金量の点は、私どもも財政の許す限りにおいて、できるだけこの資金量を増加いたしたいという念願を強く持つておりますが、現在のところは財政の事情から、今御審議をいただいておりますような予算案の範囲しか出せなかつた。今後ともこの資金量の充実につきましては努力をいたしたい、かように考えておる次第であります。

佐藤觀次郎日本社会党(左)

○佐藤(觀)委員 現在の資本主義制度のもとにおいて、大企業が発展して中小企業が倒れて行くというのは、資本主義を唱え、あるいは自由主義を唱える当然の結果であるとわれわれは考えております。しかしながら現在の日本の経済のもとにおいて、多くの中小商工業者が倒れて行く姿は現実の事実であります。これはどういうわけかといいますと、日本の現実が、中小企業に対して非常に税率が高いということと、金融の面に全然道が立てられない。この間も商工中金の問題でいろいろ議論をしたのでありますが、商工中金の金も、これは一口の貸出し一千万円のものもあつて、相当多くの者が借りられるものが、現在ではわずか五千口ぐらいしか金を貸していない。二万五千人の組合員があつても、現実には五千人ぐらいにほとんど全部の金が借りられておる。おそらく現在の株主相互金融あるいは難名組合が発展したのは、日本の経済制度あるいは銀行制度というようなものの欠陥がこういうことをしからしめたとわれわれは考えるのであります。そういう点について、これは非常な卑近な例でありますが、現在米の配給というものは一月に十日か十五日しかないけれども、われわれはこうやつて米を食つて生きている。これは大蔵当局といえども、われわれといえども同じなんです。必要があつてやみのルートを流れておるという現実を、われわれは否定することができないのであります。現在こういうような金融が出て来たことについて、われわれは社会的な一つの情勢として生れたものと思う。しからばこれは保護育成して行くべきだ。御承知のように大衆の金を預かるのでありまするから、もしこういうような五億、十億の預金を持ち、あるいは株主金融をやつておる状態をこのまま捨てておいて、そういうものが倒れて行つたならば、どういう方法で大蔵当局はこれを救済することができるか。こういう点について、先ほど小川委員か税金を高くしてつぶしてしまうのじやないかというような御質問がございましたが、そういうことの前に、すでに現実は御承知のように出発しているわけであります。もしそのために大衆が迷惑した場合にはどういう処置をされるか、この点についてひとつ銀行局長に伺いたい。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 いかなる場合におきましても、大衆にできるだけ迷惑がかからないことを私は望みますが、株主相互金融の場合の資金の受入れの形は、先ほど来申し上げましたように株式に投資をいたしておるわけです。鉱山業の株式を持つのと、それから証券業者の株式を持つのと、何らかわらない性質の株式を持つておる。従つて配当も、普通の預金とかいうものよりもはるかに高いと聞いている。そのことをはつきりするならば、株主相互金融の株主だけを特に何らかの方法で保護しなければならぬということは、私はないと思う。そう言えば、一般の事業会社の株式を持つた人は、その会社が破産いたしますならば元も子もなくなる、それも保護しなければならぬ。そういうことが起らないことを私どもは熱望いたしますけれども、政府として何かそういうものを保護する方法をとるかということになりますと、これは私はできない、そういうふうに考えております。

佐藤觀次郎日本社会党(左)

○佐藤(觀)委員 今日大衆の金がないというところから、毎日の新聞を見ますと、やはり大衆の金を集めるために質屋、あるいは貸金業者、一部の土建業者、鉱山業者などが盛んに資金を集めることを新聞に広告しております。こういうものについて大蔵当局はどういう取締りをされるのであるか、この点について伺つておきたいと思います。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 証券の方は、実は私は所管をいたしておりませんので的確なお答えはできないかと思います。インチキ会社——言葉は悪いですが、そういつた株の募集の仕方がいいか悪いかということにつきましては、証券取引法その他の取締り法規の問題であります。従つてその法規の許す範囲において行われておるものならばやむを得ない。そのために投資者がばかを見たということが起りましても、今の場合としては、現行法に違反しない限りにおいては、私はやむを得ないのじやないかと考えております。

佐藤觀次郎日本社会党(左)

○佐藤(觀)委員 きようはわざわざ金融問題で専門的に委員会を開いたわけですが、現在林主相互金融というものと、それから組合金融というものが相当大きな根を張つて来ておることは、先ほど銀行局長が認められた通りであります。しかしながら、この前も取締りのことで法務省と打合せがあつたそうでございますが、こういうものは将来大衆に迷惑させる前に業者と懇談をして、何か良心的なとりきめとか、あるいはこういうものについて将来不測の結果を招かないような方法を講ずる考えがあるかどうか、これを伺つておきたいと思います。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 この点は、結論を先に申し上げますと、そういうつもりはございません。大体貸金業者というものは、先ほどから申し上げておりますように、預金を受入れるわけではなくして、自分の金を貸すか、あるいは株式を募集した金でもつて貸すかしておるのです。預金者と同じような立場にある大衆に迷惑をかけるということはない。あつてはいけない。それは貸金業法違反だと私は思つております。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 関連して。いろいろ銀行局長は終始一貫信念のもとにお話をしておられたようであります。私の見た目から言いますと、なるほどあなたが言われるように、株主相互金融の場合については、株主としての形は持つておる。ところで、これは同時に非常に高い一つの利益といいますか、配当といいますか、これを元にしてつつておるわけでございます。月に三分の配当というか、報酬というか、対価を出す、あるいは場合によつては五分の対価を出す、こういうような高金利、高報酬のもとに大衆をつつておるのは事実です。これがどういうふうな形において株主の形になるか、あるいは匿名組合の形になるかわかりませんが、それはただ単なる事業会社がその株主を募るというふうな意味とは非常に違うと思うのです。これは一つの金融であることにはかわりはない。金融ということは、ちようど人間の血液みたいなもので、日本の経済、財政、あらゆるものの中心をなす重要な部面である。これが一朝にしてけつまずくような場合があれば、日本の産業、経済全体に大きな麻痺の状態を来すという過去の幾多の苦い経験から、金融業については特に取締りの厳重を期して、しかもこれに対するところの預金者なり、あるいはこれに準ずる株主というようなものの保護の道を当然講ずると同時に、金融機関に対して大きな影響力のないような取締りというものはずつと今までして来ておる。これをただ単に株主なるがゆえにというふうなことで問題を片づけられるということは、私は非常に遺憾だと思う。これは金融の中心をつかさどり、しかも機関によつては五十億、七十億の金を集めておる。ただ株主であるとか、あるいは匿名組合員であるというふうな問題で解決がつかない。ことに株を買い、一時株の上る時分にはもうけておるが、それが不幸にして株が下つて来るような場合になつたら、その組合なり、株主金融機関が財界等の事情によつて不健全な事態になつたら、はかり知るべからざるところの何方、何十万の人間に全国的に大きな影響を及ぼすという一つの機構になつておるわけです。これは単なる一つの事業会社だということとは違うと思う。この株主になる人は、自分は預金するのだ、配当をもらうのだというよりも、金利をもらうという考え方に立つておる。預ける人あるいは株主になるという人の考え方が、初めから金融機関に対して預金を持つて行くというような考え方に立つておる。それと同時に、金融の実態というものが国の全体の経済に著しく大きな影響隅力を持つており、その金融の一環であるということも考えてみたときに、ただ単なる株主としてというふうな考え方で当局がおられるというのは、非常に間違いじやないかというふうに思うのですが、この点についてひとつ御意見を聞きたいと思います。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 お話の点につきましては、非常にむずかしい問題でありますので、研究の過程においてはいろいろ議論が内部でありました。だが結論としては、これは預金ではないのだという結論が出ました結果、これは株式である、しかも株式てあるということが、ただその株式会社が貸金をやつておるということだけで、特別に何かその株主を保護しなければならぬということは、政府としてはない。それは金融をやつておりますから、お話のように普通の事業会社とは違います。従つてその範囲においては、貸金業等の取締に関する法律でもつて監督はいたして参りますが、その貸金業をやつておる会社の株主に限つて、ほかの株主より違つた保護をいたすということはできかねる、かように考えております。ただお話のように、一部には預金をしたつもりで、普通の金融機関よりも高い預金の利子をもらえるくらいにお考えになつてお入りになつておる方がないとは私も申しません。これははなはだ私は残念たと思います。残念でありますけれども、その点についてさてどうするかということになりますと、政府としては、今申し上げておるような考え方を捨てるわけに参らぬのであります。はなはた残念でありますけれども、そういう考え方をしておるわけであります。

奧村又十郎自由党

○奥村委員長 西村直己百。

西村直己自由党

○西村(直)委員 私は二、三点お伺いしたいのですが、株主相互金融その他を総括したやみ金融と申しますか、少し正常なルートをはずれたような金利を持つた金融の扱いの問題につきましては、ある方は、むしろ積極的に新しい制度を設けよという御主張もいたします。ただいままでの大蔵当局の御説明を聞くと、やや前進はしておるようですが、どこか割切れない線がある。たとえば違法とは断じがたいという説明がある。そうすると、裏をひつくり返せば、それは合法ではないかというように受取る人もあります。いや違法に近いものだというふうに受取る方もあります。そうなると、これは個々に当つて行かなければならない。ところが一般の預金者は、今おつしやいましたように、大衆層——ことに今日は株主相互金融その他の形態のものが相当村落に入つておりまして、未亡人その他の零細資金を吸収して、事実上の預金者になつておる。ひどいところは村長さんが顧問になつてやつておるというようなこともある。そうして、これは局利の利息がよけいとれる利殖機関たというような考え方も一般に起きておるようであります。そこで預金としての保護の措置をとらないと、かりに国会を通して御言明になりましても、実際上これをどういうふうに大衆に理解させて行くか。たとえば株式の事米に投資したものであるから保護の対象にはなないと言つても、これはわれわれならばお互いに理解ができましても、大衆に対してどうしたら保護の措置がとれるかという問題があるのです。またこれに関連いたしまして、貸金業が公認の看板を使つているという問題もある。  いま一つは、これに関連して、少し問題が発展いたますが、金庫という名称、あるいは銀行に近い安田、千代田というような名前を使つておる、これら金庫というような名称の扱い方の問題、あるいは公認というような名称の扱い方について、あるいは自分を預金者と考えておる人たちに保護の措置をとらないということに対して、今の法規だげで完全に取締りができるかどうか、そういう悪い面の取締りができるかどうか。零細金融を救つて行くという問題は別の問題としていましばら、くおくといたしまして、現在の法規で悪い面を大蔵当局と法務省で十分にカツトできるような御自信があるのか、この点だけをお聞きしたいと思います。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 お答え申し上げます。具体的な取締りの問題につきましては、法務省の方が参つておりますからそちらの方からお聞きを願います。  預金でないものを預金と誤認して勧誘をされた方々があつたといたします場合に、その結果預金と同じような取扱いを受けずに、考えておらなかつたよりな不測の損害を受けるようなことが万が一起りました場合には非常にお気の毒だと思います。そういうような点については、今後できるだけ末端までいろいろな形で徹底させますように、種々の機関を使つて、啓蒙と申しますか、そういうようなことはやめさせなければならないと私は思います。  第二の金庫というような名前を使う、あるいは千代田とか勧業というような大銀行、正規の機関とまぎらわしいような名前を使つておるが、これらについて何か考えなければならないのじやないかというお話であります。現在確かに正規の金融機関である信用金庫とまぎらわしいような名称を用いた貸金業者がたくさんあります。これらにつきましては、現在内部でいろいろそのことのために弊害を起しておる面もあるように思われますので、そういう業者には金庫という名前を使つてはいけないというような立法をしたらどうかという意見もございます。この点はいろいろ今研究いたしておりますが、立法技術上なかなか困難な問題があるわけであります。これは貸金業者に限るわけではありませんで、資金をいろいろな形で受入れおるものもすべて金庫というような名前を使わないようにしなければならない。そういたしますと、たとえば金庫店という名前もつけられないといつたようなこともございまして、これはじようだんのような話でありますけれども、そういう点もあるので、立法技術としてはいろいろ真剣に考えなければならぬと思いますが、との問題は何かそういうまぎらわしいことないように、弊害の起きないようにしたいと思います。  それから公認というようなこともできるだけこれはお話合いで、最近はだんだんやめてもらつております。そうして大体大蔵省届出第何号といつたような書き方でもつてその実態を現わすように、皆さんにそういうふうにしてもらつております。だんだん公認というような制度は——いなかの方に実は私は参つておりませんので、はつきりしたことは存じませんが、東京の方では大分なくなつて参つておるように存じております。

西村直己自由党

○西村(直)委員 現在新しく制度をつくるとか、あるいは零細金融をつくるとかという問題は別といたしまして、現在の弊害を除去するのに現在の法規でもつて十分であるか、法務省のお考えをお伺いしたい。

岡原昌男検事(刑事局長)

○岡原政府委員 お尋ねの件でございますが、これはなかなかむずかしい問題がたくさんございまして、実は先般も、二月二十六日、七日全国の財政係、経済係検事合同を催しまして、その席上でも、全国のかような金融関係の諸般の実情並びにこれに関連する犯罪等の対策について協議をいたしましたのでございますが、全国のかようないろいろな金融業者の形がすこぶる多岐多端にわたりまして、必ずしも一つの線でこれを割切ることができないわけでございます。そこで私どもといたしましては、この金融行政の実際の面に当つておられます大蔵省の方とも緊密な関係を保ちまして、それが一方において庶民のいわゆる金融を阻害しないといいますか、弊害を生じないような面を確保するにはどうしたらいいか、またもしこれを刑事的に取扱う、いわゆる検挙するということになりますと、これはまた相当影響が大きい。それでどういう事件についてどうすべきかという問題について、たいへん困難な問題が一時生じて来たのでございます。目下は全国の諸般のこのような実態についての研究を重ねるということで進んでおるのでございますが、現在の取締りの法規で十分かいなかというお尋ねになりますと、私どもといたしましては、どうもいわば第二線的な、金融行政の裏打も的な、お手伝い的な面を担当しております関係上、真正面から罰則がどうのこうのという問題ではなくして、むしろ大蔵省の方で十分その点の緩急よろしきを得た施策をしていただきまして、その裏打ちを私どもの方でお手伝いをして行きたい。さような観点から、これを表面に立つて何でもかんでも処罰だ、検挙だというようなことで、金融行政を軌道に乗つけるというような大それた考えは私は持ちませんので、なるべく両方手を握つて進んで行きたい、かように存じておる次第でございます。

川野芳滿自由党

○川野委員 私の質問いたしたいと考えた大多数の点は、すでに同僚議員から御質問がありましたので、ごく簡単に御質問申し上げたいと思います。本日議題となつておりまする金融機関が現在日歩どのくらいの金利をとつておりますか、これは見込みでけつこうでございますが、これを何つてみたいと思います。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 現在指導いたしておりまする業務方法書による金利は、日歩五十銭となつておりますが、最近はいろいろ調べましたところでは、大体日歩三十銭、三十五銭が一番多いと思います。

川野芳滿自由党

○川野委員 先ほどの御説明で、現在の株主金融等は現在の法律に抵触せない、こういう答弁がございましたが、実は今申しました金融機関が法に抵触するかせないか、こういうような話題でにぎわつておりまする際におきまして、御承知のように現在全国に多数の金融機関ができておる、こういう実情でございます。そこで今度は違法にあらず、こういうことになりますと、おそらく私は、全国にこういう金融機関が雨後のたけのこのごとくできるのではなかろうか、こういうふうに実は考えるわけであります。そこで大体今ぐらいの金融機関でございますならば、私は御心配申し上げないのでございまするが、さらにこういう金融機関がたくさんできるということになりますると、その中にいかがわしい金融機関もできまして、結局国民に迷惑をかけることになつて参りますので、従つてこの点を非常に心配いたす次第であります。先ほどの御説明によりますると、下層階級の金融機関は相互銀行、あるいは借用組合でけつこうである、こういうようなお話もございましたが、こういう金融機関でけつこうでございますならば、法的問題で疑いのありつつあるうちに、かくのごとき多数の金融機関はできないのであります。これは私が申し上げるまでもなく、今信用組合に参りましても、あるいは相互銀行に参りましても、金を一万円借りるにいたしましても非常な苦労があるわけであります。そこでこの株主金融等に参りまして金を借りよう、こういう場合におきましては、これはいろいろの脱法行為はここで申しませんが、たやすく金が借りられる、実際社会に相応した金融機関であるというので、実は今日の盛況を来しておるわけであります、そこで実際国民が要望いたしてできておる金融機関であるということをまず銀行局長が認識していただくならば、私はおのずから方向がかわつて来るのではなかろうか、実はこういうふうに考えておるわけでありまするが、今日のこの金融機関というものが国民の要望によつて生れたか、あるいはそういう営業をやる人が自発的にやつてこういうものが生れたか、局長の観点を伺つてみたいと存じます。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 お答え申し上げます。先ほど来他の委員の方の御質問に対して申し上げたのでありますが、こういう貸金業者が出て参りまする社会的、経済的な必然的な理由はある、そうして、それがある面における資金の利用者に対して需要を満たしておるということは、はつきり申し上げられると思います。金融制度として考えました場合には、私ども先ほど来たびたび申し上げておりまするように、貸金業者が本来の姿でもつて貸金を行うのでありますならば、預金を受ける金融機関の場合と同じようなことはないのであります。大衆に迷惑をかけるということはあり得ない。自分の金で貸金をやるならば、これは必要に応じてたくさんできてもよろしい。ただ貸金業の取締りはもちろんしなければならぬ、監督はいたしますけれども、さしつかえない、かように考えておる次第であります。従いまして先ほどお話のように、正規の金融機関と申しますか、免許を受けたり認可を受けたりてやつております信用組合、相互銀行だけがあればいいので、貸金業者というものは一人もなくてもいいんだ、あるいはこれはもう禁止してしまつていいという考え方は持つておらないのであります。それらの足りないところは、やはり貸金業者によつて填補されておる問題もあるし、それはいいんだというふうに考えておる次第であります。

川野芳滿自由党

○川野委員 貸金業者は自己資金を貸しまして、五十銭の高金利をとつて実際は貸しておるわけであります。こういう金を借りて営業が成り立つのでございますならば、これは問題はないわけであります。しかし金を借りる側におきましては、こういう金利では営業が成り立たたない。そこでただいま議題となつておりまするこういう機関でございましたならば、私の調査では大体二十銭ぐらいで貸しておるところもあるようであります。そういう安い金利で借りられる機関がございますので、従つてこういう機関を要望いたして参つて、今日のごとくたくさんの金融機関ができたという結果になつたのであります。あなたのおつしやるように、五十銭の金利で金を貸して営業がなりたつならば、こういう議論はここでしなくてけつこうであります。しかしそういう高金利では営業が成り立たないので、従つて今私などは非常に心配をいたしましてここに問題としたような次第であります。そこで、実はこういう高金利の機関ができますと、一般の金融機関にも影響する、こういうお話が実はさいぜんの説明にあつたようであります。しかしこれはおのずから階層か違つていると私は存じております。すなわち相互銀行が預金を取扱うという問題になりましたときに、地方銀行は非常に心配して、反対運動をしたことは御承知の通りです。しかし相互銀行が生れましても、地方銀行にはそう大した影響はなかつたと私は存じます。そこできよう議題になつているこういう機関についてある程度の金融措置をとるということになつても、私は決して現在できている金融機関には、そう大した影響はないのではなかろうかというふうに考えております。ことに今業界が要望しているこの法律案等の内容を考えてみますと、二十銭の金利でけつこうである、二十銭の金利でやつて行ける。現在では五十銭もとられているという世の中に、二十銭の金利で済む金融機関ができるということになれば、国民大衆はどれだけ喜ぶか、こういう点をひとつ考えていただきたい。かつて殖産金融というものがございましたが、この殖産金融が実は整理される場合にも、私は当時大蔵委員長でありましたが、委員長の席から、この機関を半分くらい残したらどうかということを御説明申し上げましたが、大蔵当局は聞かずして、遂に全国六百有余の金融機関を十八に整理された。この整理されたところの金融機関は、わずか二割か一割五分しか実はもどし金をしなかつたのであります。当時私の言をお用いになつてたくさんの金融機関をお残しになつたならば、おそらく今日の株主金融という機関はできていなかつたであろうと私は存じます。すなわち当時の大蔵当局の施政よろしきを得なかつたために、今日のこういう機関がかわつて生れたわけでございます。しかしこれも国民の要望によつてできたということをまず深く御認識していたたきたいと私は存じます。そこでこの金融機関は、なるほど先ほど来の御説明によりまして、無謀な取締りはしない、こいうことはけつこうでございますが、取締りをしない、取締りを不正金融機関に対してするだけではこの問題の解決は不可能であると思います。と申しますことは、国民の要望によつて生れた金融機関である、この金融機関を少くとも今日利用している大衆に聞いてみますと、このくらいの金融機関でも、便利に金が借りられるからけつこうである、こういうふうに金を借りる側は言つている。そこでこの声をひとつ政府もよく聞いていただいて、そうして法的措置を講ずるというふうにしていただきたいと存じますが、先ほどの御答弁では私は非常に不満足でございますので、重ねて伺つてみたいと存じます。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 貸金業者の金利は、現在の経済かだんだん正常化して参るに応じまして、今の日歩五十銭の金利というものは高過ぎると考えますので、おそらく今お話の二十銭程度までにだんだん下つて来るのじやないか。それから少くとも五十銭は高過ぎるということで、何らかそれをさらに引下げる方向に持つて参りたいということで、現在いろいろ検討いたしております。ただ金利問題で二十銭がいいか三十銭がいいかという問題がいろいろございますが、これらにつきましてはもう少し研究いたしまして、そうして一般の貸金業者の金利をさらに引下げるということについて努力いたしたいと思いますが、一般の経済の正常化するに応じて、これもやつて行きたいというふうに考えております。  それから今の立法化したらいいというお話が、どうも私はなはだ失礼でありますが、どういう趣旨だかよくわかりません。私どもは先ほど来申し上げておりますように、株主相互金融とか貸金業者というものは、決してやみ金融とか、不正金融だということは一度も申したことはございません。私はそれが社会的に必要があつて起つて来たので、今の制度でちやんと合法的にやられるという限りにおいては、決して不正金融でもなんでもない。ただ貸金業者が不正なことをすれば不正なことになります。けれども、貸金業自体は不正金融でもなんでもない。起るべくして起つて、しかも必要を満たしているのですから、私はこのまま残して、従来の制度のままでやつて行つてさしつかうえないものだと思つております。特に立法化して、これを制度化するということの実益、あるいは理由がよく実は私はわかりません。どうしても立法化しなければならぬというところがどこにあるかということを、はなはだ失礼でありますけれども、お聞かせ願いたいと思います。

川野芳滿自由党

○川野委員 現在の金融機関というものは、届出制によりまして、現在のごとく無数に実はできて参つたわけでありますが、さらに現在のごとく届出制によつてこれが認められるということになりますと、こういう機関がさらに無数にできると思います。あまりたくさんこういう機関ができますと、従つていかがわしい機関ができる。そこでそういう機関に対してお取締りをやられる。取締りをすると、金融機関に対する信用がなくなる、従つてたんす預金がふえる、こういう結論になると存じます。今日こういうような金融機関というものは、たんす預金の引出しということには役立つていると存じます。従つて毎日集金人がまわつて、たんす預金を引出してやつている。こういう点から考えて、非常に役立つている機関でございますので、今日これ以上金融機関がふえなければ、これでほつたらかしておつてけつこうと存じますが、しかしたくさんある金融機関が、法的違反にならぬという言明をされました以上はさらにどんどんできて参る。そういたしますと、そういう機関の中にはいかがわしいのができるので、その点を心配するから、ある程度こういう金融機関はもう今日以上ふやさない、こういうような点から考えて法的措置が必要ではないか。こういうふうに私は御質問を申し上げたような次第であります。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 この点はたびたびお答え申し上げているわけでありますが、私どもといたしましては、預金を扱うような金融機関でありますならば、これはいろいろ大衆に迷惑を及ぼす形があるから、いろいろな形でもつて行かなければならない。しかし少くとも貸金業者が自己資金でやる、株式会社が資本を集めて、それで貸金業をやるということであれば、預金者に迷惑を及ぼすような事態は起らない。自己資金でやる限りにおいては、さように実は考えております。

川野芳滿自由党

○川野委員 あとに質問者がございますので、私はここで議論を申し上げません。最後にただ一点希望を申し上げて私の質問を打切りたいと存じます。  現在の金融機関は、表面上は預金にあらず、こう申しておりますが、実質面から申しますと、預金に近いものであると私は考えております。すなわち法の盲点を突いて進んでいるところの金融機関である。実際は預金にひとしいところの金を取扱つている。この認識は銀行局長もお認めになると存じます。そこで実際は、そういう預金的の金を取扱つているという実情でございますので、従いまして、私は先ほど来心配の点について御質問を申し上げたのでございます。これはこれ以上議論は申しませんが、国民の要望している金融機関であるという認識に立ち、さらにある程度法的措置をするならば、安い金利が国民に借りられる、こういう点等もよく考慮していただいて、どうかひとつ下層階級の金融機関も、信用金庫、あるいは相互銀行では不満足であるという実情もよく御研究されまして、そうして法的措置をやられるようにお考え願いたいことを希望いたしまして、質問を終ります。

奧村又十郎自由党

○奥村委員長 大泉寛三君。

大泉寛三自由党

○大泉委員 昨日の公聴会で大体聞いたのですが、中小企業組合に対する課税取扱いに対して、当局はたいへん手をやいていられるようであります。それに対して、中小企業が今日発展しておるゆえんは、中小企業庁が相当組合の設立に努力されているという点にあろうかと思うのであります。この組合が生産的な共同的な組合で、そして共同の利益のために立つているにもかかわらず、やはりどうも税の方面においても相当共同的な一つの手段を講じておるので、これが組合設立に対するある程度の盲点である。区域とか、あるいは業種別とか、その他いろいろ脱法的に行われているような組合などは、結局生産的な利益よりも、そういう税務行政に対する税務事務の共同取扱いというか、こういつた面に重点を置いておれるような傾向がある。これに対して税務当局が手をやくということは、やはり組合の設立目的、あるいは成り立ちについて相当の欠陥があるのではないか、こう思うのでありますが、これに対して、中小企業庁あたり、あるいは通産省あたりは大蔵省と相談して、税務行政たつてやはり一般行政と連繋がなければ遂行できないのでおりますから、これに対して何らかの連繋をとつて、相談の上万全を期する考えはないか、これを承つておきたいと思います。

奧村又十郎自由党

○奥村委員長 大泉さんに御相談申し上げますが、税の問題は明日からもずつと続行して質疑をやりますが、きようは主税局長は今見えておりませんのて、次回に譲りたいと思いますが……。

大泉寛三自由党

○大泉委員 じや、いいですよ。

奧村又十郎自由党

○奥村委員長 それでほかに大泉君、御質疑はありませんか。

大泉寛三自由党

○大泉委員 それではきようはよしま旧して、あとで国税局の方に対して一問一答式で申し上げたいと思いますが、国税局長なり次長なりの言葉というものは、第一線の税務官吏には実務上きわめて重要な発言になると思いますので、その筈えを将来行政上に反映せしめるようにいたしたいと思いますから、もう少し整理してから質問いたします。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 銀行局長の意見にかかわらず、私としてはこうした特殊の変態的な金融機関、しかもこれが相当大きな経済的な影響力のあるものについては、取締り法規の少くとも新しい制定が必要だと認めておるわけです。その理由としましては、たとえば銀行のごときは大体株式会社になつておるはずです。株式会社においては、配当の制限ということは別に法規の上にありませんが、大蔵省の指導方針等によつて、あるいは銀行自身のおよその申合せといいますか、常識といいますか、そういうものによつて、配当は二割も三割も五割もやれるという実態はないはずなんです。まあ八分か一割程度になつておるという現実だと思いますが、これは実に金融機関の社会的な使命というものに十分な認識を持たれておること、それから積立金については、法規の規定するところによつて相当信用を増強するような特別の法規ができておる。そうしてまた金利についても、銀行自身の自主的と申しますか、あるいは大蔵省の意向が相当指導的に入つておるかは別として、これについても一つの限度を越えないところの申合せがされておる。これが実行されている。また資金の運用面においても相当の監督がされていると思つている。これは四つの例でありますが、これらの問題についても、金融機関なるがゆえにという考え方から、そういうものには特別の措置が行われている。ところが最近において相当の勢力を持ち、数においても多くなりつつある相互金融なり、あるいは株主金融なりというものについては、こうしたものが裏づけとして十分にやられていない。ただあるがままに放任されてやつて行くというようなことになる。先ほどの意見によれば、株主なり相互の一つの法人といいますか、一つのまとまつた団体なるがゆえにという考え方のようでありますが、その株主も預金という考え方を、結果のいかんにかかわらず、実質的には持つている。それがただ金融業者なり貸金業者が自己資金において——自己資金というものは、言いかえれば、いわゆる経営者を中心とする少数の自己資金、あるいは外部の少数の人から借りて来てやる、あるいは預かるといいますか、かりに預託を受けるというような程度のものならいいが、何方、何十万というふうな広汎な大衆をねらいとして集めるような機構に至つたときには、この金融機関というものは何ら銀行とかわらない、またこれに準ずるもの、言いかえればある意味の預金であり、形はかわつてもある意味の預金の吸収であり、大衆から集めたところの金を貸し付ける、あるいは有価証券等に、あるいは不動産に投資されるというような複雑な運営の形態においてやられるということは、これは実際において普通の銀行と何らかわらない。そういうものに対していつまでも放任しておくというふうな考え方は、今日予測し得ないような相当の紛糾が起る。株主だという形でも、実際は預金するつもりであつたのだ。こういうことで、いざ間違いがあつたら、はちの巣を突いたようになるかもしれぬ。金融界に相当大きなおそれが必ずある。ことに利息が——配当か何かわかりませんよ、月に三分、五分というに至つては、一体どこからそんなものが出て来るのかわれわれにはわからない。あなたが言われるように、日歩三十銭くらいで配当のようなものをやるのはいいが、月に三分、五分というのは日歩五十銭にも一円にもなる。それだけの配当なり報酬が現実に行われている。貸金に対する利息ではない。それは明らかに預金の利息ですから、ずつとさやの低いはずのものが、いかにも月三分、五分というようなことによつて大衆を引きつけるというような実態は、ほうつておけないと思う。少くとも今のような事項については、取締り法規が必要じやないか、私は必要であると信じておるのであります。私が今具体的に申し上げた、配当であるか、報酬であるか知りませんが、それに該当するものとか、あるいはまた運用、積立て、こういうような面について、少くとも銀行に準ずるようなそういう規定が必要ではないかと思うのです。ことに先ほど刑事局長ですか、法務省も大体そういうふうな考え方を持つているのではないかと私は推測したのでありますが、これもやはり実際において公益的な立場から見れば、そうすべきではないかと思うのですが、もう一度あなたの御意見を聞きたい。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 お話につきましては、先ほど来お答え申し上げたのでありますが、銀行等のいわゆる認許を受けた金融機関については、お話のように積立金の問題、あるいは配当の問題、経理一般について、普通の株式会社と違つた監督指導をいたしておりますが、一番大きい問題は、やはり預金者を保護しなければならぬということであります。それから、銀行等が金融市場に持つております力、この点から見て、金利等については、一般金融市場を見てその影響力ということを考えなければいかぬとか、その他の観点から、その公共的使命に考えまして、特別な監督指導をいたしております。しかしながら、これはあくまで金融機関、銀行等の株主を保護するためにやつているのではないのであります。預金者を保護する、その他金融全体に対し銀行の公共的な立場を十分に徹底させる意味においてやつておる。ところが先ほどお話の貸金業者等におきましては、これは中崎さんとは結局見解が相違するということになると思いますが、私どもは自己資本で金を貸しておる限りにおいては、その加入者は銀行の株主と差異がない。これは預金をするつもりで入つておられる方もないとはもちろん申せないと思います。しかし、制度としては銀行の株主と同じものだ、それが相互に金融をいたしておるのだというふうな観点に立ちます以上は、あるいは金融市場に対する一つの大きな経済的な、指導的な役割の程度も非常に違いますし、預金者を保護しなければならぬということも格別ないというようなことからいたしまして、特に銀行等に対してやつております経理上の監督なり指導と同じ程度のことをやる必要はない、普通の株式会社と同じように扱つてよろしい、こういう考え方に立つておるわけであります。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 銀行局長という、ことに日本の金融全体に全責任を持つて、第一線において監督調整して行かれる立場の人が、どうしてこの場合にはそこまで固執されるかよくわからないのでありますが、いずれにしても、今言われる株主金融ということも、たとえば月三分配当しますとか、五分やりますとかいう約束のもとに金を集めている。それが結果においてどうなるか知らぬが、少くとも普通の株式会社であるならば、何箇年も配当を何ぼという約束はできないはずです。それによつて金を持つておる人がまんまとつられる、というと語弊がありますが、その好餌に期待を持つというか、その約束に従つてやつておるのが現実だと思う、そうすれば、これはむしろ性格的に見て株式会社でない、信託投資みたいなものだと思う。ちやんと配当率というか、分配率がきしまつている。しかもそれを確保する約束のもとに集めて来ている。だから、そういうものは特殊の形態を持つているものだと思う。そういう方法がよいかどうか、その金利が年八分とか一割とかいうことなら常識的にわかる。それで人がついて来るかどうか、そこをよく考えてごらんにならなければならぬ。月三分、三年割六分、これなら銀行預金の六倍になるから持つて行こうということになるのが実態だと思う。だから、これをただ単なる株式会社の株主と同様に考えられるところに大きな間違いがある。もう一つは、実際に金融機関なら、三分だ五分だということが継続して行かれようはずがない。必ずこの会社はつぶれるという前提のもとに立つておる。実際につぶれるかどうかは私は知りませんよ。しかし、たとえば五十億、百億集まるでしよう。それに月三分、年三割六分、年に三十六穂の金が継続的に出し得るというのはよくよくのことだと思う。必ずそこに破綻がある性格のものだと思う。ですから、行き過ぎを是正する意味において、どうしてもこういうものには、たとえば銀行に一割という内示をしておられるならば、一割五分、二割を越えてはいかぬというようなことをやる。少くともそういう配当を継続的に約束をして株主をつることは、決して健全なやり方でないし、必ず破綻が来るということを心配するのであります。ですから、どうしてもこういう面において何らかの制限を置く必要があると思う。もう一度これをお聞きしたいのです。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 重ねての御質問でありますが、銀行における預金者保護といつた観点からする経理上の監督と、自己資本で貸金業をいたしておりますものとの間には、取扱いをかえてもよい。普通の株式会社で、配当を年三割するのも四割するのもあるわけです。それが成り立つか成り立たぬかは私はよくわかりませんが、配当するのならば、必ずしも年三割の配当は非常に高いということもない。それで株式会社として成り立つならば、配当をされることもよいじやないか。こういう高い配当をしておつたら成り立たぬぞということは私は言い切れない。(「皮肉を言わないで、親切に言つてやれよ」と呼ぶ者あり)貸金業をやつておるからといつて、特にその配当を低利に押えなければならぬという理由はないのじやないか。ただ先ほどもお話がありましたように、貸金の率そのものはあまり高いと弊害がある、従つて、これにつきましては、今五十銭の日歩でありまして、年に直しますと十八割になりますが、これは経済的にきわめて高い。だからこの点についてはかなり下げるように努力いたしたいと考えております。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 大蔵当局としては、金利が高いということ、ことに貸金利で高いのは好ましくない現象だということは当然考えられると思う。言いかえれば、貸金利を下げることについて非常な努力を払うべきものだと思います。その観点から言えば、配当が年三割六分にも六割にもなるということは、いかに運用をうまくやつても、貸金の日歩五十銭の中から出て来ません。それではそういうものはどこから出て来るかといえば、日歩五十銭ということで制限されておるが、実際においては、そうでないような面が相当できて来るように考えるのであります。そこで貸金業を調べるといつても、そういうものがだんだん大きな組織となつて次から次へと数がふえて来ると、あなたがいくら努力してもなかなか容易でないと思う。そういうふうなあなたのお考えを通して行つても、一つの貸金についての限度を実行するために、その裏づけとなるもの、問題となる配当というか、それについてもある程度制約する必要が当然起つて来る。だから普通の株式会社と同じような考え方をこの場合に限つてなさるという金融機関の元締めとしてのあなたの考え方が、私にはどうしてもわからない。もう一度この点だけを御説明願つておきます。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 先ほどもお話申し上げましたように、今の日歩五十銭というのは、年にして十八割になる。それでこの配当が月二分から三分といたしますと、年にして三割六分ですか、その程度であります。従つてこれはもう非常に大きな利益が出る。従つて私どもは、その利益がいい悪いはいろいろ問題がありましようけれども、この十八割というのは、現在の金融においては高過ぎるので、これはできるだけ下げるように努力をいたします。しかしながら、加入者に対して払つておりまする配当金は、これは利益の中から払うわけでございますから、その利益が非常に出ないという場合には、これは払えないはずのものであります。しかし十八割の貸金の金利の制限を下げて参りますと、これはやはりいろいろな形で利益の出方が少くなつて参ると思います。そうした場合には、配当金もおのずから下げなければならぬというような問題も起つて来るかもしれません。しかし今のところでは、十八割に対して約三割とか二割とかいう配当でありますから、これはもうそんなに非常に経営が苦しくなるような問題ではない。従いまして、株主配当に対する配当率を制限するということよりも、むしろ貸金の最高金利をできるだけ下げるということをもつて始めたい。その結果あるいは配当金も下げなければならぬということになるかもしれませんが、できるだけ金を借りる人の立場を擁護して行くという観点に立つて参りたい、かように考えておる次第であります。

松尾トシ子日本社会党(右)

○松尾委員 お時間もありませんから、二、三点簡単にお尋ねします。  銀行局長は、銀行やあるいは相互銀行、信用金庫、下は組合に至るまで、たいへん厳重に調査をしたり、またしかり飛ばしたりしていらつしやるにもかかわらず、この機関だけをどうしてこういうふうに野放しにしておくのですか。というのは、一昨々年相互銀行と信用金庫という法律を出した後に、これが野火のように盛んになつて来た。当時は、おそらくこんなことになるまいとお考えになつていたので、受付をどんどんして認可をしてしまつた。その一つの災いで今日のようになつたのだから、幾分というか、大なる責任があるので、抽象的なお返事をしているのじやないかと思うのです。それで御説明を聞いておりますと、確かに預金でありながら、これを預金でなく株式とお認めになるからと申しております。預金というふうになると、いろいろ監督をしなくてはならないけれども、株式と認めるから、普通一般の株式会社と同じようにしておけばよろしいのだとおつしやいますけれども、これは貸金業をやつている以上、そうはいかないと思うのです。特にここで問題になつた大きな利まわりなんですけれども、その利子は、株式と認めれば配当とも言えるわけです。その配当を払うときに、金を借りない人だけに限つて配当を行つているということは、いわゆる株主平等の原則に反するのじやないかと思うのですけれども、この点はどうですか。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 これはいろいろ内部で検討いたしたのでありまして、株主平等の原則には反しないという結論にはなつております。それで、その点の説明は、実は私専門家でないものでありますから明確な御答弁ができないかと思いますが、あるいは税の方の関係から調べておるかもしれませんので、原君の方から……。

原純夫大蔵事務官(国税庁次長)

○原政府委員 連絡が不十分といいますか、打合せができていないような感じを与えてまずいかもしれませんが、税の方は、配当がありますれば、これは配当として課税する。そうして、株主のうちでもらう人ともらわない人があるのですから、確かに同じでないというように感じますが、いろいろな場合に、その不平等配当というようなことは間々あるものなのでございます。それからまたよく言われますたこ配でございますが、これは商法上禁止されているが、現実にはあるという場合に、それらのたこ配——禁止されている方の取締りといいますか、押え、その方は一般の税以外の方でおやりにたるというような場合、税としては、たこ配であつても配当があれば配当として課税するというようなことで、その株主相互金融の場合も、優待費を出去れるという向きにはそれに対して課税するということにいたしておるわけであります。

松尾トシ子日本社会党(右)

○松尾委員 この問題は、税金は税金だけの問題であつて、いわゆる法律価には、御説明を願わないとちよつと私も満足できないのです。連絡が不十心であつたから明快な返事ができないおつしやるが、あとからそつと私に教えていただきたい。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 ちよつと私答弁が間違いましたので申し上げますが、利益の配当であることは間違いない。しかしそれが商法上株主平等の原則に反しているか反していないかは、この場合利益の配当であると考えることを左右する問題ではないというようなしとで、今まで結論を出しております。株主平等の原則に反しないということを私申し上げたのは間違いでございます。

松尾トシ子日本社会党(右)

○松尾委員 その点を法務省から御説明を願いたい。

岡原昌男検事(刑事局長)

○岡原政府委員 お名ざしでございますのでお答えいたしますが、実は私の方の所管ではございませんで、民事部の方の所管になつております。ただ一応ここでお答えいたしますことは、今銀行局長からもお話のありました通り、株主平等の原則に反する場合が多かろうと私も存じます。ただそれが、私の方の所管になりまして罰則の適用ということになりますと、これは別でございます。そういうことはございませんが、ただ、さようなことは株主総会における理事者に対する責問の原因にはなる、かようなことになろうかと存ずるのであります。

松尾トシ子日本社会党(右)

○松尾委員 そういうような、どうも決断を下せないような点が多々あるので、社会からもいろいろ言われるし、問題になるのだと思うのです。そこでもう一点お尋ねしたいのは、株主相互が自己の株式を取得する場合に、それが問題になると思うのですけれども、もし株式がいらなくなつた場合にはいつ何どきでも会社の方が買い取るということは、自己株式の取得の禁止の規定にひつかからないかどうか。私は信用金庫なんかの例も知つているのですけれども、確かに株がいらなくなりました場合には、九十日以前にこれを通告してというようなむずかしいことがあるにもかかわらず、即時に買い取つたりすることができるのはちよつと違反じやないかと考えるのですけれども、いかがでしようか。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 この株主相互金融のやり方は、会社が自己の株を買いもどすのではない、株を買い取る媒介と申しますか、あつせんはいたしますけれども、形式はあくまで役員が個人としてその株を引取る。それから最初にこの株をお勧めいたしますときも、役員がまず引受ける、そうしてその引受けたものを売り出す、こういう形になつておりますので、商法上は自己株式の取得ということにはならないように聞いております。

松尾トシ子日本社会党(右)

○松尾委員 役員の個人がいわゆる株のあつせんをするということは、やはり証券取引法と何か関係があつてひつかかるのじやないでしようか。株のあつせんを役員がするということは、これとはどういう関係にあるのでしようか。どんどん株を売りつけに行くというのは、特定の信託株式会社に雇われた人ならばできるけれども、個人でそういう業務は許していませんね。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 御質問の点わかりました。その点は何も株を売買することを業としてやつておるわけではないのでありまして、個々の株式会社におきましても、その株が他の人に移るということに事実上品を聞くということは、何らさしつかえないと思います。

松尾トシ子日本社会党(右)

○松尾委員 それを業としているのではないといいましても、継続的にやるとなると、一つの商売と認めてさしつかえないと思うのですけれども……。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 役員が自分の会社の株を売買することを業にするということはないのではないかと思います。自分の会社の株ですから……。

松尾トシ子日本社会党(右)

○松尾委員 そうすると株式のあつせんということは、実質的には会社が代行しているのですから、会社の業務になりますね。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 役員が自分で株を買うのでありまして、あるいは実質は会社の代行ということが言えるかもしれませんけれども、会社のためにやるのではなくて、個人が自分で自分の会社の株を買うのでありますから、別にさしつかえないと思います。

松尾トシ子日本社会党(右)

○松尾委員 そういう点が大蔵省としても痛しかゆしで、ここまで来たものをぴしやつと取締りをするということは社会問題を起すし、お困りになつているという腹はよく私もわかるのです。しかしながら先ほど御説明のありましたように、貸付金利をだんだん下げて行つて、信用組合、信用金庫と同じように下つたら、これは株主相互金融が、政府の厳重な取締り、あるいは許可制を持つている信用組合とか金庫とどういうふうな関係におちついて行くのでしようか。  それからもう一つ私は、これは言つては悪いけれども、金融機関は金融機関として認めないと思つているのです。どんどんこういうふうな方法でいろいろな運営方法を編み出してやられたのでは、収拾がつかないではないか。日ごろ委員会で非常にりつぱな御答弁や御説明をしていらつしやる銀行局長としては、これに英断を振えないのはおかしいではないかと思うのですけれども、いわゆるこれも政治問題になるので、政治的に片づけなければならないし、きようあすにどうということには私は不賛成です。なぜならば、預金をしているといつて安心している者に大きな災いを来す。たとえば百万円出した者が、整理をしてみたら三万円になつてしまつたといつてもけんかになないような取引を結んでいるらしいし、またここでそれが一本になれば、銀行局長の河野さんがやつたから、あるいは議員がそういうことをしたためにこのような始末になつたので、責任は負えぬ、こういうことになつたらたいへんですので、もう少し政府内部でもお考えいただきまして——ただ放任主義などということでは一切ならぬと思うし、これをどういう方法にして行くかということをおきめになつた上で、この委員会で明らかな答弁を聞けるものだと思つていたわけなのですが、どういうものなのでしようか。この先どういうふうにおちついて行くかというお見通しをひとつお聞かせ願いたいと思うのです。それでないと、金庫なんかは運営ができないのです。先ほどのお話では、信用金庫や組合や相互銀行では下部の資金が足りない、こういうふうになつているからこういう面が出て来たとおつしやるのですけれども、考えようによつては、これらに対する政府のいろいろなお考えがまとまつておらないために、お認めになつた機関が自由に預託の吸収ができないということも言えるのではないか、こう考えているのです。

奧村又十郎自由党

○奥村委員長 委員長から松尾委員にちよつと申し上げますが、この問題に対する政府の態度は、一応結論がつきまして、この委員会の開会冒頭に銀行局長から説明があつたわけであります。つきましては、速記録をごらんの上で、なおおわかりにならぬ点はまた重ねて御質問を願いたいと思います。

小山長規自由党

○小山委員 ちよつと関連して。今松尾委員の質問に対して銀行局長は、株主相互金融の場合には、会社の役員がその株を買つて新しい株主に売却する、こういうお話だつた。そうすると分割納入の場合には、その役員のところに預け主は金を預けて行くことになりますか。会社の帳簿上には、おそらく会社に分割納入されているように書かなければおかしいだろうと思うのですが、本人は会社に預けたつもりで、実は役員たる個人に金を預けた、こういうかつこうになりませんか。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 非常に複雑な形になつておりますが、こういうこと下あります。まず会社の株を役員が引受けまして、それを加入者に売り出す、そうすると、買つた人にその株式の買入れ代金を会社が融通をする、その融通した金を分割で返して行く、そういう形になつておるわけでありまして、商法上は——そのほかの問題を別にすれば、その限りにおいては適法な行為なのであります。

小山長規自由党

○小山委員 役員の方か会社から借入金をするのですか、それとも新しく株主になろうという人が会社から金を借りるのですか、どちらですか。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 新しく株主にたる人が会社から金を借りる、それを小割して返す、こういうことになります。

小山長規自由党

○小山委員 その場合に、それは新規の払込みでしようから、金融機関を通して払込みをするわけですね。株式会社の増資の場合には、銀行なり信託会社なり商法できまつた金融機関に預けなければならぬと思うのですが、その点はどうなんですか。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 その問題につきましては、最初に役員が株を引受ける、そうするとそれを売り出すわけですから、そこで株が成立しておるわけです。役員が増資の株を受けた場合には、そういう成規の手続をふんでおるわけであります。

奧村又十郎自由党

○奥村委員長 本日はこれをもつて散会いたします。明日は午前十時より開会いたします。     午後零時五十八分散会

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