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15回国会衆議院1952/11/24

大蔵委員会 第2号

発言数
16
登壇者
7
会派数
3
開催日
1952/11/24

会議録

奧村又十郎自由党

○奧村委員長 これより会議を開きます。  まず理事追加選任の件についてお諮りいたします。前回の委員会におきまして理事四名を選任したのでありますが、なお理事一名の選任が保留になつておりましたので、前会通り委員長において理事一名を指名するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

奧村又十郎自由党

○奧村委員長 御異議なしと認めまして、佐藤觀次郎君を理事に指名いたします。     —————————————

奧村又十郎自由党

○奧村委員長 次に、国政調査承認要求の件についてお諮りいたします。本委員会におきましては、従来より税制及び金融制度について調査をいたして参りましたが、今会期におきましても、調査を進めて参りたいと存じます。なおそのほかに専売事業に関する事項及び国有財産の管理状況に関する事項をも調査いたしたいと存じます。なお本調査をするにあたり、衆議院規則第九十四条により、国政調査承認要求書を議長のもとに提出し、その承認を求める必要がありますので、本調査に関し国政調査承認要求書を議長のもとに提出し、その承認を求めるのに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

奧村又十郎自由党

○奧村委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  なお右国政調査承認要求書の文案起草並びに提出手続等につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じます。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕     —————————————

奧村又十郎自由党

○奧村委員長 この際、大蔵当局に一言警告を発しておきたいと思います。本日は、午前十時に定刻より委員会を開会する予定で委員諸公にお集まりを願つた次第でありますが、定刻を三十分以上経過しても、いまだ政府当局の出席なく、このようなことでは、本委員会の運営に重大な支障を来すことはなはだしいと思われますので、政府当局におかれては、定刻には必ず出席されるよう、この際厳重に警告を発しておきます。  次に、今会期における委員会運営の円滑、法案審査の慎重を期するため、今会期大蔵省所管の提出予定法案について、大蔵当局よりあらかじめ概略の説明を聴取しておきたいと存じますので、これよりその説明を聴取することにいたします。  先に文書課長より、提出法案全般について一般的な説明を求めます。村上説明員。

村上一大蔵事務官(大臣官房文書課長)

○村上説明員 大蔵省文書課長の村上でございます。本国会に私の方から提出を予定いたしております法律案につきまして、概略の説明を申し上げたいと思います。従来大蔵省関係は、よその省に比べまして法案の数が非常に多いのでございまして、また内容につきましても、いろいろ財政関係、金融関係にわたりまして、複雑な法案が多かつたのでございまして、当大蔵委員会におきましては、多数の案件にわたつて御審議を煩わして参つたのでございますが、本国会におきましても、おそらくよその委員会よりは件名が多いのではないかと存じます。ただいま早々委員長から御注意を賜わつたのでございますが、私どもといたしましても、せつかく勉強いたしまして、資料の調製、提出、あるいは参考資料の作成等にわたりまして、せつかく努力をいたしたいと存じます。どうぞよろしく御審議をいただきたいと存じます。  提出予定法律案は、簡単ではございますが、お手元に一表にいたしまして、ガリ版に刷りました縦の表がございます。これをごらんいただきながら、お聞きとりをいただきたいと思います。全部で十三件でございますが、中には多少今後の検討の結果、増減を来すものがあるかと存じます。そのうち最も重要と存じますのは、御承知の通り所得税法の関係でございまして、件名で申し上げますと、第十一番目に載せてございますが、昭和二十八年分所得税の臨時特例等に関する法律案でございます。これは内容のやや詳細にわたりまして、あとで担当局でございます主税局から御説明をする予定にいたしたいと存じます。提出の時期でございますが、所得税の臨時特例等に関する法律案は、本日午後提出できる見込みでございます。それからそのほかの法律案につきましては、第五番目にございます漁船再保険特別会計への繰入れ、これも本日午後提出可能の見込みでございます。それから第十二番目にございます国民金融公庫法の一部改正、これも本日午後提出いたすつもりでございます。以上三件をさしあたり本日午後提出いたしまして、御審議を進めていただきたいと存じます。  順序によりまして、まず一番初めにございます漁船再保険特別会計法の一部を改正する法律案は、実体法に基きまして、漁船そのものの損失につきまする国の再保険を実施しております。船そのものが拿捕されたというような場合の損失でございます。ところが先国会におきまして議員立法をもちまして、漁船乗組員給与保険法という法律が成立いたしまして、これはまだ未施行でございますが、いずれ近く施行されることと存じます。この内容は、すでに皆様よく御承知のことと存じますが、乗組員が拿捕されました場合、一定期間を限りまして、その給与を漁船保険組合が保険するわけでございますが、それを国家が再保険いたしますわけでございます。そこで、国が再保険いたします場合の収入支出、ごく簡単に申しますと、保険料等の収入が歳入に上ると思いますし、保険事故が起りました場合に国が支出をいたします、それが歳出に立つわけでございますが、そういつた収入支出の関係を経理するために、今までございました特別会計の中に、一つの特別な勘定を設けたいというのが骨子でございます。繰返しますようでございますが、ごく簡単に申し上げますと、従来ありました漁船再保険特別会計法の中に、一つの特別の経理勘定を設けまして、議員立法でつくられました乗組員の給与の再保険の関係を経理いたしたいというのが、趣旨でございます。  それから第二番目の法律案でございますが、これは食糧管理特別会計法の一部改正法律案でございます。現在食管会計が食糧証券を発行し得る限度は、千七百億円というふうに定められております。ところが御承知の通り、先般食糧の価格の引上げがございました関係と、それからもう一点は、輸入食糧の数量がどうなるか、年度内に購入し得る数量がふえるのではないかというような二点の関係からいたしまして、千七百億円の限度をある程度引上げないと、食管としてはまかなえないような事態が起つております。今数字につきまして検討を進めておりますが、大体千七百億円を千九百億円、あるいは場合によりますと、二千億円程度に引上げる必要があろうかと存じまして、目下検討中でございます。結論が出ましたならば、その点の法律改正をお願いするつもりでございます。  それから第三番目の中小漁業融資保証保険特別会計法案、これはそこの説明に書いてございます通り、漁業信用基金制度というのが設けられまして、この基金が、中小漁業の融資につきまして債務保証をいたすわけでございますが、この基金の行います債務保証を、さらに政府が保険するわけであります。その保険の関係を、特別会計を新設いたしまして経理いたしたいというのが、この法案の骨子でございます。特別会計の内容としましては、目下法文化を急いでおりますが、従来ございます、政府が行つておりますいろんな保険関係の特別会計とほぼ同様でございます。  それから第四番目、食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、これは今度の補正予算に伴いますものでございまして、まつたく予算そのものとうらはらをなすわけでございます。二十七年産米の生産者価格の引上げの時期と、消費者価格の引上げの時期とでは、御承知の通り二箇月ばかり消費者価格の引上げが遅れたわけでございます。従いまして、売り買いをやつております食管会計には、それだけの赤字が生ずることになるわけでございます。なおそのほかに、かつて実施いたしました学童給食の経費、これのしりが赤字になつて残つております。こういつた二つの種類の赤字を、今回補正予算で一般会計から埋めようというふうに考えまして、百十四億六千万円の繰入れを予定しております。御承知の通り、特別会計に対しまして一般会計から補填する場合には、事柄を法律をもつて改正する建前になつておりますので、そのことをこの法律で定めよう、こういう趣旨でございます。  第五番目に、漁船再保険特別会計における漁船再保険事業について生じた損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案、これは先ほどちよつと給与の保険の関係として申し述べましたが、その漁船そのものの保険でございまして、昭和二十六年十二月ごろから二十七年の三月ぐらいにかけまして、漁船が拿捕されるという事故が、予定いたしましたよりも以上に発生しておるわけでございます。そこで二十七年度予算を編成いたしましたときにおきまして、すでに一般会計から、多少こまかくなりますが、一億百八十一万六千円という金額を、この特別会計に損失補填として繰入れるということを、予算にも計上いたしまして、またそのための法律をすでに出しておるわけでございます。ところがその後、具体的な計数につきまして金額、損失の程度等を算出いたしました結果、一億百万円に対しまして八千万円ばかりの追加を要することとなつたわけでございます。従いまして今回その金額を補正予算に計上いたしますと同時に、法律の定めております一億百万円の金額をも改訂いたしまして、一億八千百万程度に修正いたしたいと存じますのが、この法律案の要旨でございます。  第六番目に、昭和二十一年度における一般会計、帝国鉄道会計及び通信事業特別会計の借入金の償還期限の延期に関する法律の一部を改正する法律案、これは昭和二十一年度におきまして、一般会計におきましては、例の終戦処理費の財源に充てるために、日本銀行から百億円の借入れを実施したわけでございます。これはもちろん予算の歳入にも計上しますし、またそれぞれの法律的措置を了して、御審議を経て借入れたわけでございます。それから帝国鉄道会計の収益勘定におきまして、これまた赤字が生じましたために、四十二億円の借入れをいたしております。それから通信事業特別会計の業務勘定におきまして、やはり経費支弁のために十五億円の借入れをいたしております。そこで現行法によりますと、これらの借入金はいずれも昭和二十七年度末が償還期限になつております。これは一回延期して昭和二十七年末ということになつておるのでございますが、現在の一般会計、特別会計それぞれの経理状況から申しますと、二十七年度一ぱいに返す見込みはとうてい困難と思われますので、これをさらにある程度延期したらどうかと存ずるわけでございます。延ばす期間につきましては、これもいろいろ御議論のあることかと存じますが、一応三年程度延ばしたらどうかと存じております。当初の期限は二十四年度末でありましたものを一ぺん延ばしまして、現在二十七年度末ということになつておりますのを、さらに三年間延長いたしまして、三十年度末というふうにいたしたいと考えております。  それから第七番目でございますが、これもほぼ同様の問題でございます。日本国有鉄道に対する貸付金の償還期限の延期に関する法律案、これは昭和二十四年度の赤字を補填するために、昭和二十五年三月三十一日、国有鉄道に関しまして政府が貸付金—金額は三十億五千二百三十六万三千円と端数がついておりますが、約三十億円の貸付金をいたしたわけでございます。その償還期限がこれもやはり二十七年度末、昭和二十八年三月一日、こうなつておるのでございますが、国鉄の経理状況から申しますと、なかなかそれを所定期限で返すということは困難でございますので、これも一定期限延ばしたいと考えております。期間につきましては、一応三年程度を延ばしたらどうかというふうに現在のところ考えております。  それから八番目でございますが、特別調達資金設置令の一部を改正する法律案、これは当初ポツ政令で設置いたしまして、現在は法律とまつたく同様の効果を持つておるものでございますが、当時は進駐軍でございまして、現在は駐留軍になつておりますが、駐留軍労務者に給与を払います場合に、その経理を操作するフアンドといたしまして、七十五億円をもつて特別調達資金というものを設置しておるわけでございます。それで円で支払いまして、それに対しまして別途ドルが入つて来るわけでございます。ところがドルの支払いがなかなか予定通りに参らないというような事情もございまして、これ末端からいろいろ集計いたします。また計算書を詳細につけまして中央に集積いたします。その結果によりまして駐留軍側から日本側にドルを支払つておるわけでございますが、それがなかなか私どもの期待いたします通りに迅速に参らないという関係で、すでに七十五億円のほかに国庫の余裕金を繰りかえ使用するという御承認を国会からいただいておるわけでございます。その限度が現在は五十億になつております。従いまして基金の七十五億と合せまして百二十五億円の操作し得る金を持つておるわけでございますが、その金をもつてしても、なおかつ多少不足するというのが実情でございます。これにつきましては、相当検討の余地もありますし、また相手のある事柄でございますので、私どもといたしましても、慎重に研究を進めておりますが、場合によりましては、五十億円をさらに十億とかあるいは二十億という程度拡張していただく必要があろうかと存じております。数字につきましては、目下検討中でございまして、私どもとしましても、できれば拡張の必要がないような事態に持つて行きたいと思つて、努力はいたしておりますが、多少現在の五十億では困難かと思います。  それから九番目、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、これは今回の公務員べースの引上げに伴いまして、一般職と申しますか、普通の職員の給与の改訂が当然行われるわけでございますが、これは従来の例によりまして、内閣から提出されまして、おそらく人事委員会の御審議にかかるのではないかと存じます。特別職の方は、これは従来から大蔵省で立案いたしまして、大蔵委員会の御審議を仰いでいるというような関係で、ここに掲げているわけでございます。内容は給与二割の引上げということでございます。  それから十番目、国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案、これも給与の引上げに関する部分が大部分でございますが、なお別途運賃の引上げ等も予定されておりますので、それの関係に伴いまして、旅費の関係を改正いたしたいというわけであります。  それから十一番、昭和二十八年分所得税の臨時特例等に関する法律案、これは所得税でございまして、別途やや詳細に御説明申し上げるつもりでございます。  それから十二番、国民金融公庫法の一部を改正する法律案、これも今回の補正予算とうらはらをなすものでございまして、改正の第一点は、まず出資金を従来百億でございましたのを、補正でさらに三十億追加いたしまして百三十億といたすこと、第三点は、一時借入金二十億円の道を開こうということでございます。御承知の通り国民金融公庫法によりまして、借入金は従来から認められているのでありまして、今度の補正予算でさらに二十億の借入金を追加する予定にしております。ところが借入金の限度を、政府機関でありますために、国民金融公庫に関する予算の総則で、二十七年度においては何億円ということを規定いたしております。従つてその部分を今度の予算補正で修正いたしませんと、借入金ができないわけでございます。ところが、おそらくは予算の成立は来月早早というわけには参らないのではないか、あるいは月末に近いのではなかろうかというふうに予想されます。一方金融公庫の方の金繰りは、ちようど年末の十二月を控えまして相当繁忙を予想されます。またいろいろな遺家族の公債に対する金融の問題等も控えておりますので、十二月の初めごろから中旬にかけまして、何とか国民金融公庫の金融を多少とも楽にしたいというような考えをもちまして、一時借入金、すなわち年度内に返済する一時借入金として二十億円を借り入れることができるという道を今回開きたいと思うわけでございます。これは予算が成立いたしまして、その方で二十億円の借入れの承認が得られますれば、実質的にはその方に振りかわるわけでございますが、ねらいは予算の成立する前に借入金のできるようにしたいということでございます。以上二点が国民金融公庫法の一部改正の内容でございます。  なお十三番に、製塩施設法の一部を改正する法律案というのが、あるいは印刷して消してあるかと存じますが、これはいろいろ内容につきまして検討いたしました結果、今回の国会には提出を見合わせるというように、ただいまのところ考えております。  なおここに掲げてございませんが、あるいはこのほかに御審議を煩わすことになるかもしれないと存じます法律案が一件ございます。それは国際連合との関係におきまして、日本側といたしましてもそれに協力するという建前で、すでに本年度予算に計上いたしまして、医療品、あるいは若干の衣料といつたものを国が予算で購入いたしまして、朝鮮とか東南アジア地区、そういつた方に無償で配布するということを予定しておるわけでございまして、その部分の金額は、すでに当初予算に計上済みであります。ところが現在の国有財産の管理の基本的な考えから申しますと、国の財産を無償で交付するという場合には、法律をもつて国会の承認を要するという建前になつておりますので、その点の御承認を仰ぐ必要が起ろうかと存じておりますが、これはまだ内容が実は固まつておりませんので、ここに掲げるまでに至つておりません。  以上、第十三番目の製塩施設法の一部改正を落しまして、最後に申し上げました国有財産の無償譲渡の関係の法律案を加えるといたしますと、差引き十三件の法律案の御審議を煩わすことになろうかと存じます。大体おわかりいただきますように、所得税法もそうでございますが、今回の法律案は、補正予算の歳出歳入の数字とうらはらをなす法律案が相当大部分を占めております。内容的には、そうごたごたした法律案は少いのではなかろうかと存じます。簡単でございますが、所得税法の分を除きまして、ほかの一般の御説明を終りたいと思います。

奧村又十郎自由党

○奧村委員長 ただいま説明がありましたが、十一の所得税の臨時特例等に関する法律案はあとまわしにしまして、それ以外の法律案についての資料その他の御要求がありましたら、許します。

中崎敏日本社会党(右)

○中崎委員 この会期もごく短かいようであるし、すでにきよう午後あたり提案を予定されておるものもあるようでありますが、そのほかの法案についても、できるだけすみやかに御提出の運びを、委員長からおとりはからい願いたいと思います。

奧村又十郎自由党

○奧村委員長 委員長において、さようとりはからうことにいたします。  それでは十一の所得税の臨時特例等に関する法律案について説明を求めます。泉説明員。

泉美之松大蔵事務官(主税局税制第一課長)

○泉説明員 大蔵省主税局の税制第一課長をいたしております泉でございます。昭和二十八年分所得税の臨時特例等に関する法律案につきまして、その要旨を申し上げたいと存じます。  この法律案は、先ほど文書課長から申し上げましたように、本日午後提出することができる運びになつております。お手元に「第十五回国会昭和二十七年度補正予算に伴う税制改正の要綱」という活版に刷つたものを差上げてございますので、これをごらんいただきながら、お聞取りを願いたいと思います。  税制の一般的改正につきましては、独立後の日本の税制をどういうふうに持つて行くかという見地から、いろいろ慎重検討いたしておるのでございますが、これにつきましては、昭和二十八年度予算に関連いたしまして、明年休会開けの第十六回国会に提案いたしたい、かように考えておるのでございまして、今回は昭和二十七年度補正予算に関連いたしまして、さしあたり必要な減税措置だけをする、そのために二十八年分所得税の臨時特例等に関する法律案を提出いたしまして、御審議をお願いすることになつておるのでございます。この税制改正の法律案の前提といたしまして、歳入問題があるわけでございますが、これは要綱の一番しまいのページに簡単にごらんになれますように、二十七年度の租税及び印紙収入の予算は当初六千三百八十七億七千七百万円であつたのでありますが、その後当初予算が二十五年度の収入実績を基礎にし、その後の経済情勢を見積つてやつておつたのでありますが、二十六年度の課税実績が判明いたしたものもあり、また当初見込んでおりましたより経済情勢にいろいろ変化が生じまして、七百一億八千百万円というふうに自然増収を生ずる見通しになつたのであります。もつともこの七百一億八千百万円の中には、今回補正予算におきまして公務員の給与ベースを二〇%方引上げることに伴いますはね返り分の九十五億五千八百万円を含んでおるのでありますが、そういつた自然増収が生ずる見通しになりましたので、歳出の不足に一部充てますとともに、余裕財源として出て参ります二百三十億三千二百万円をもちまして、臨時的な所得税の軽減を行おうというのが、今回の税制改正の趣旨なのでございます。  今回の改正は、法文といたしましては本文九箇条、それに附則が五項つくのであります。もつともそのほかに別表が三表ございますが、その要点を申し上げますと、三つにわけることができるのであります。  第一は、昭和二十八年の一月から三月末日までの間に支給されまする給与所得と退職所得につきまして、現在定められておりまする所得税の控除及び税率を、次のように改正することにして計算した源泉徴収税額表に基いて源泉徴収をして行く、つまり明年改正を予定しております控除税率による所得税額の負担の軽減を、給与所得及び退職所得につきましては、早くあらかじめ与えておこうというのでございます。それで、その改正の内容は、明年正式に所得税法の一部を改正する場合におきましては、あるいは若干違つたことになるかもしれませんが、大体このままの軽減ということになるわけでありまして、まず基礎控除を現在の五万円から六万円に二割方引上げるのであります。それから扶養控除を、最初の扶養親族の一人につきまして、現在二万円でありますのを、三万五千円にするのであります。従いまして扶養・控除は最初の一人について三万五千円、その次の一人について二万円、その次の一人について二万円、それ以下は一人ごとに一万五千円というふうになるのでございます。それから勤労控除につきましては、その収入金額に対する一割五分という率は変更いたさないのでございます。その最高限度を現在三万円に押えられておりまして、給与の収入金額が二十万円を越えます場合におきましても、三万円以上は引かないということになつておるのでございますが、これを四万五千円に引上げということにするのでございます。従いまして給与の収入金額三十万円までは一五%で計算し、三十万円を越えます場合に四万五千円を控除するということになるのでございます。  その次は、新しく社会保険料の控除を設けるというのでございます。この社会保険料と申しますのは、いわゆる社会保険と称されております健康保険、国民健康保険、厚生年金保険、船員保険及び失業保険の保険料と、それから国家公務員共済組合の掛金、恩給の国庫納付金、それから国家公務員について設けられておりますこのような制度に準じまして、地方の公共団体の職員につきまして設けられておりまする退職金制度、あるいは退職一時金制度、共済制度、こういつたものにつきまして、その加入者のうち、所得者が負担しておる分を、社会保険料として控除することになるのであります。  なお労災保険につきましては、事業主負担になつておるのでありまして、これは社会保険料の中に入つて参りません。また社会保険料につきましても、先ほど申し上げましたように、事業主が負担する部分は、従来からその事業主の事業所得の計算上、必要経費、あるいは損金に算入されることになつておりますので、これも引かないのであります。  それから社会保険の保険料は、ひとり給与所得者のみならず、国民健康保険に入つておる場合、あるいはかつて給与所得者でありました当時保険に入つておりました者が、その後給与所得者でなくなつた後も任意加入の形で加入しておる場合も、もちろん控除できるのであります。ただ昭和二十八年一—三月の場合におきましては、給与所得者についてだけ、その給与の支払いの際に徴収される社会保険料を控除するということになるのでありまして、そのほかの場合におきましては、確定申告によつて控除をするということになるのであります。ただあとで申し上げますように、昭和二十七年分についてだけは、この社会保険料の控除を二十七年の一月一日にさかのぼつて認めることにいたしますので、この分につきましては、給与所得者につきましては、年末調整の際、それ以外の所得者につきましては、明年の確定申告の際に控除することといたしております。  その次に税率につきましては、低額所得者に対する負担を軽減するという趣旨におきまして、従来八万円以下の課税所得の場合におきましては、二割ということになつておつたのでありますが、これを一万円以下は一五%、二万円を越えて七万円まで二〇%、七万円を越えて十二万円まで二五%というふうに改めることにしております。従いまして、二万円以下につきましては五%だけ従来より軽減されることになるわけであります。なお七万円と八万円の間におきましては、従来二〇%でありましたものが、二五%になりますので、一見税率が上つたかの観があるのでありますが、これは二万円以下につきまして五%引下げておりまするので、七万円と八万円の間で一万円分につきまして五%上りましても、差引き二万円の方について五%下げる方が大きいということになるのでございます。なお税率につきましては、十二万円以上のところは現行法通りでございます。ただ明年富裕税を改正するような場合におきましては、若干の税率に変更を加えることになるかもしれませんが、今回はそうした改正は加わつておらないのであります。以上の控除税率によりました源泉徴収額表に基きまして、明年一月—三月の間に支払われまする給与所得及び退職所得につきまして、源泉徴収の軽減を行うということになるわけであります。  それから第二番目は、先ほどちよつと申し上げましたが、今申し上げました社会保険料の控除を、二十七年分の所得につきましては、本年一月一日以降支払つた分についても認める。さかのぼつて認めるということにするのであります。従いまして給与所得者につきましては、本年年末調整を行う際に控除いたします。申告納税者の所得につきましては、確定申告に際して控除することにいたしております。  その次に要点の第三点は、所得税の申告納税の成績が従来芳ばしくないということで、いろいろその改善について検討いたしておるのでございますが、いろいろ検討いたしてみますと、従来の申告期限及び納期限でございますと、税務署の方で十分的確に調査をするいとまがない。従つてその所得の把握が正確にならないというような点がありますので、二十七年分所得税の確定申告書の提出期限及び第三期分の納期限を、従来でありますと二十八年の二月末日ということになつておりますのを、三月十六日まで延期することにいたしたのであります。これは約半月間遅らせる予定になるのでありますが、三月十五日がちようど日曜日に当りますので、その日曜日を避けまして、三月十六日にいたしておるのであります。  以上法案の要旨の大体を御説明申し上げましたが、さきに第一で申し上げました控除及び税率の改正によりまして、どの程度給与所得者の所得税の負担が軽減されるかということは、その次の表にございますように、月収七千円の独身者でございますと、従来毎月三百五十六円負担しておりましたものが九十一円になります。二百六十五円軽減されて、七四・四%軽減される。また月収一万円の独身者でありますと、従来八百六十六円の税額が五百四十九円になりまして、三百十七円、三六・六%の軽減になるのであります。それから一万五千円の夫婦者でありますと、従来の税額千三百九十六円が七百八十一円になりまして、六百十五円軽減され、四四%の軽減になります。また月収二万円の夫婦、子二人の場合でありますと、従来の千七百五十円という税額が九百八十一円になりまして、七百六十九円、四三・二%の軽減になります。また二万五千円の月収の場合でありますと、夫婦、子二人の場合でありましては、三千百六十六円の従来の税額が千九百十二円になりまして、千二百五十四円、三九・六%の軽減になるのでございます。その他につきましては、この表によつてごらんいただきたいと存じます。  それから基礎控除は先ほど申し上げましたように、五万円から六万円に引上げるのでございますが、扶養控除があり、さらに社会保険料の控除を設けることになりますので、給与所得者の免税点は、従来に比べまして相当引上げることになるのでございまして、その状況はやはりその下の表に掲げてある通りでございます。  以上簡単に本法律案の要旨を御説明申し上げました。

奧村又十郎自由党

○奧村委員長 何か御質問はありますか。

川野芳滿自由党

○川野委員 今回の税制改正は臨時的なものでございまして、あまり多くは期待いたしませんが、しかし次の通常国会におきまする改正の問題については、私などは非常に期待を持つておる一人であります。ただいま泉課長のお話によりますると、次の通常国会における税制改正におけるこの百万円以下、こういう問題については、あまり大きな改正がないような御口吻もちよつとお漏しになつたかのように私聞いたのであります。しかし税制改正をいたす以上は、少くとも百万円以下の問題については、ある程度の改正があるものと、こういうふうに私は期待いたしておるのでありますが、これについて局長の御意見を伺つておきたいと存じます。

平田敬一郎大蔵事務官(主税局長)

○平田政府委員 今回御提案申し上げております分は、今年の社会保険料の控除と来年の一—三月の給与所得の源泉課税の分というふうに、非常に範囲を限定いたしておるわけでございますが、いずれこの次の国会には、一年分といたしまして、これらの改正を平年度化する改正を行う予定でございます。その際におきまして、どのようなことをやるかということにつきましては、なおよく検討いたしまして、できる限り御期待に沿うような案をつくりたいと思つておりますが、ただ所得税の控除税率に関する限りにおきましては、今回盛込んでおります分は、すでに実は相当の改正でございまして、これを平年度化しますると、約八百億円程度の減税になるのでございます。これは大体今年の予算には、一月と二月の二箇月分だけしか影響しない、国家公務員の分だけは三月分影響しますが、一般の分は二月分だけしか影響しないのであります。それで社会保険料の本年度分を除きまして、百億円程度の減税になつておるわけでございますが、これを引伸しますと、今申し上げましたように、所得税といたしましては相当の減税になる予定でございます。  それから今所得税の税率につきまして御意見がございましたが、この点は来年度富裕税をどうするか。考えといたしましては、廃止の方向に持つて行きたい。その場合におきましては、所得税の最高税率五十五ととまつておりますが、これはやはり相当程度に引上げるのが妥当ではないか。上の方の税率をさらに二段階くらいつけ加えまして、百分の六十、百分の六十五というくらいの税率をこの上に附加することにいたしたい。そうなりますと、地方税を加えますと七十五以上の税率になるのでございますが、そのくらいの程度の所得税の税率にするのが妥当ではないかと、かように考えている次第でございます。しかしこれらの点につきましては、いずれこの次の国会におきまして、成案を得まして提出いたすつもりでございますので、その際に、さらに御審議を煩わすことになるかと思う次第でございます。

川野芳滿自由党

○川野委員 議論は次の機会に譲るといたしまして、私はこの際希望を申し上げておきたいと思います。二百万円以上の所得者に対する税率の引上げという点については、あえて私は異議はありません。思い切つて上げていただきたいと思います。しかし百万円以下に対しましては、ある程度御考慮を願わなければ、現在の実態は非常に中産階級と申しまするか、中くらいの人も相当お困りのようであると存じますので、その点もひとつ御考慮を願つておきたいと思います。

内藤友明改進党

○内藤(友)委員 私は委員長にひとつ申し上げておきたいと思います。この大蔵委員会は、従来の経験からしますと、初めは、予定されている提出法律案はこの程度でありますが、最後になりますと、いろいろ混雑して参るのでありまして、先ほど社会党の皆さんから御注意がありましたが、これは厳にひとつ政府とよく連絡をとつていただきたいと思います。  それからもう一つは、この委員会に政府委員の御出席が非常に悪い。政府委員の御出席がないために流会になつたことも、しばしばあつたことなのでありますが、そういうことのないように、ひとつ今度の委員長は練達の委員長でありますから、よく政府と御連絡願いたいと思います。  それからもう一つ申し上げたい希望は、実は私どもは、今までそういうことはありましても黙つておつたのでありますけれども、この委員会は、ややもしますると、法規を無視して運営せられることがある。たとえて申し上げますると、委員長が欠けた場合、理事でない、資格のない者がその席にすわるのでございます。そういうこともどうかと思つておりましたけれども、私どもは黙つておつたのでありますが、ことにこの国会は規律を重んじて行く国会でありますから、これからの皆さんは、そういうことはなさらぬと思いますが、なお十分そういうことは配慮していただきたい。規則を尊重して、まじめにやつていただきたいということを、特に今度の練達の奥村委員長にお願いいたしておく次第であります。

奧村又十郎自由党

○奧村委員長 委員長も、ただいまの御発言にはまことに御同感であります。特に本日の委員会においては、ほとんど全員そろつて御出席でありまして、定刻から委員会が開ける態勢になつておつたのでありますが、遺憾ながら政府委員の出席が遅れたことは、先ほど警告いたした通りであります。今後の運営については、委員長においてしかるべくとりはからいますから、御了承願います。  本日はこれをもつて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。     午前十一時三十七分散会

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