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15回国会衆議院1953/02/07

水産委員会 第18号

発言数
42
登壇者
15
会派数
4
開催日
1953/02/07

会議録

田口長治郎自由党

○田口委員長代理 これより会議を開きます。  本日は福永委員長に御都合がありますので、暫時私が委員長の職務を行います。  ただいまより前会に引続き、昭和二十八年度水産庁関係予算の説明に対する質疑を継続する次第でございますが、その前に昨日の水産庁の説明に対して一部訂正をしたいという申出があります。これを許します。

家治清一農林事務官(水産庁漁政部漁政課長)

○家治説明員 昨日御説明申し上げて、それから赤路委員の御質問で、私が錯覚を起しておりましたために、間違つて御答弁を申し上げた点がございます。それは小型機船の減船整理に関連しまして、中型の方は乗組員の退職手当補助があるのに、小型の方はないじやないかという御質問に対して、両方あるように申し上げたのでございますが、小型の方はございません。中型の方で退職手当補助の八千円というのは、予算上は一月一万二千円平均と見込みまして、それの三分の二補助という計算で中型はついております。小型の方は二十七年度から出てございません。二十六年度の減船の際に、失業保険等の手当が出ない部分につきまして、八千円というものを乗組員の失業に関連して補助したのでございますが、二十七年度には失業保険の措置を各府県を通じて進めることによりまして、失業手当の補助というものは含んでおりません。失業保険の方で救済するという考え方で参つたのであります。従いまして二十八年度予算は小型の減船整理の中には退職手当は含んでございません。おわびかたがた御訂正申し上げます。

川村善八郎自由党

○川村(善)委員 昨日予算説明で、長官その他漁政課長からお話があり、赤路君の質問に対して、本年の小型機船底びき網漁業の整理には、乗組員の救済についての問題は明らかにはしておらぬけれども、失業手当とかあるいはその他にかわるべきものを組んであるという説明をしております。そこで、きようの委員会の劈頭においてそれが誤りであるということを釈明的に説明されておりまするが、きようの新聞紙上を見ると、長官がおかわりになつたということになつておりますが、そうすると、長官はもう水産庁を去るのであるから、少しくらいのうそを言つて水産委員会に説明をしてもよろしい、水産行政などは、自分が去るのであるからどうでもいいのだという考えで、いわばでたらめな説明をしたとも解釈で言のであります。われわれはこの中型底びきの整理にいたしましても、小型機船底びき網の減船整理にいたしましても、各地をまわりました際に、この乗組員に対するいわゆる失業手当を出してもらいたいということが叫ばれておつたのであります。私が班長になつて瀬戸内海、四国、九州の一端を調査して参りました際には、特にそういうことの要望がありましたので、これを水産庁長官にもあるいは本委員会にも報告してあるはずでありますから、当然昭和二十八年度の予算におきましては、細部的には明示しておらぬでも、その含みを持つて予算を計上すべきことは当然のことでございます。われわれも昔の長官の御答弁を聞いて、やや漁民の要望が達せられたと思いまして安心をしておつた。ところできよう漁政課長から、昨日の説明が間違つておつたということでありますけれども、いやしくも長官なり、予算の衝に当つた漁政課長なりが、委員会で説明を求められた場合において、間違つたで済むかどうかという問題であります。言いかえれば、先ほどもちよつと雑談の中に出たように、第十四回国会に、水産庁はとかく閉会中にあき巣ねらいをするから、そういうことのないようにという委員からの発言もあり、私からも警告しておつたにもかかわらず、十四回国会は開会勢頭において解散になつて、今度の選挙で相当の空白時代があつた。その空白時代に、北洋漁業の問題にしろ、以西底びさ網あるいはかつを、まぐろの問題にしろ、ちようどやつたことがあき巣ねらいと同然のことになつた。それを糾弾されたので、長官はおそらくしつぽを巻いてほかへ逃げたということでありましよう。私は長官がきよう出席されるならば、とことんまでこの二つの問題を取上げて闘わんとしているときに、長官が去られたので唖然としたようなわけであります。しかるにきのう出席し、きよう去つた長官がいわゆるでたらめな答弁をして議員を喜ばせおそらくあのことが新聞に書かれたならば、乗組員がみな喜んでいたでありましようが、それもつかの間、今これがないということは何たることであるか。長官がいなくとも、次長もおり、担当漁政課長その他の方もいるはずでありますから、今後そういうことのないように警告するのは、私から申し上げるまでもありませんけれども、この責任をどうするか、ひとつ御答弁を願いたいのであります。

松田鐵藏自由党

○松田(鐵)委員 関連して。今川村委員からの発言には私は同感であります。しかしわれわれも水産庁に対し、われわれ委員会の以降を尊重して、立法と行政の面を一致した方法によつてやつて行かなければならぬということは、常に言うていることであり、また川村委員の議論もそこにあるのであります。たまたまただいまの問題は、昨日の予算の説明に対して、その内容において誤りがあつたという修正であります。私は今までの議論の上から言つても、また川村委員の議論においても同感ではありますが、この問題は小型底びき漁船整理の問題のときにおいて、あの苦難な状態から脱却するために、われわれはあらゆる努力をしたものであり、しかもまた水産庁においても、この問題について非常な強い論議を大蔵省に向つてしたのであります。大蔵当局は時においてなかなかがえんぜなかつた。八億幾らの要求を出したのに、わずかに三億幾らしか認定がされなかつた。それは漁船の整理のみであつた。しかしてこれこそは自由党の政策がまだ大蔵当局に浸透していなかつたために、かかる問題を閑却したものでありまして、委員会においても、ただいまの川村委員と同様な意見をもつてこれに対する努力を十分払つたのでありますが、大蔵当局の考え方が、自由党の政策とあまりにもかけ離れている点が今度の予算の面にも現われているのであります。これがために、われわれは正月にも帰ることができずして、あの予算獲得、予算の制定に対する努力をしたものであります。今後においても、ただいま川村委員の言われるがごとく、また昨日の赤路委員の言われるがごとく、漁民の窮迫せるその立場を大蔵当局に正しく認識させることが、自由党の政策であり、また委員会全体の意見であるのであります。きようは大蔵省からどなたかおいでになつておると思いますが、十分にこの点をお考えになつて、やがて次に臨時国会も開かれることでありましようし、そのときに必然的に補正の問題も出て来ることだと思います。こういう際における今日の川村委員の質問、及び委員会全体の空気、これは社会問題でもありますので、こういう点を十分しんしやくして考慮あらんことを、上司に向つてよく御申達を願いたい。長官がきようの新聞によると、交代されたということであるが、このときにあたつて長官の非をここでわれわれが論議するということは、あまりにもどうかと考えられるのであります。その点に対しては、今まで水産行政に対してあらゆる努力をされたことをたたえたいと考えるのであります。しかし悪いところは、今後次長もおられることであろう、またその他の職員もおられることでありましようから、川村委員の今の御議論に対しては、今後十分気をつけてやつていただきたい。しかして今日においては、どうか川村委員においても、納得のできないことであろうけれども、この程度でがまんをされて、次の議題に進んでいただきたい、かように私は考えるものであります。

川村善八郎自由党

○川村(善)委員 ただいま松田君から非常に好意のある御意見がありました。今去つた長官を追究し、さらに残つておる者に責任を負わせるということは苛酷であると思います。ただ私の申し上げておる心境は、数字の違いならば承服できるのであります。しかしこの中に漁民の要望であり、かつ委員会の要望であつた乗組員の退職手当にひとしい補償が盛られてあるということが根本的な問題であると思う。その根本的なことについて虚偽の説明をしたということは許されないというのであつて、百億要求したのに対して、五十億になつたから不届きだと言つておるのではない。こうしたようなことから私は今申し上げておるのでありまして、昨日の長官の説明、またわきにおつて黙つて聞いておつた漁政課の課長がそれを修正しなかつたということは、私は漁民に申訳がないという感じで発言しておるのでありますから、質問者はもちろんでありますけれども、漁民各位に、昨日の長官の説明はこうした間違いであつた、それで今後は労災保険の趣旨にのつとる救済をして行くということを明らかにして、漁民に申訳をしていただけば私はけつこうだと思つております。松田君の発言に対しましては私は承服いたしまして、この際これ以上申し上げません。

田口長治郎自由党

○田口委員長代理 皆さん方にお知らせいたします。政府側説明員でここに出席になつております方は、大蔵省銀行局福田総務課長、通産省森農水産課長、水産庁岡井次長、家治漁政課長、林漁港課長であります。

赤路友藏日本社会党(左)

○赤路委員 今の取消しの問題ですが、これは私が質問者なんですから、質問者の意見も聞いていただきたい。  これは水産庁長官の非常に大きな間違いであつたのでありまして、まことに遺憾であると思います。しかしながら人間である限りにおいては、感違いも間違いもあるのでありますから、質問者といたしまして、きのう長官がなされた答弁が感違いをしておつた、間違つておつたということによつて取消しを要求されておることは承認いたします。ただ私がきのう質問いたしましたことで問題点は、中型において乗組員の手当を計上しておるにもかかわらず、小型の乗組員に対しては全然手当が計上されていない。それはいかなる理由によるのであるかということである。今川村委員の御説明を聞いてみますと、現地視察の結果、特に小型底びき網の整理減船の乗組員に対しては手当を考慮するようにということを、水産庁の方へ申し入れておいたというようなことを承るのでありますが、だといたしますなれば、同じ整理の対象になるものに対して片手落ちな取扱いをしておる。これに対する理由をはつきり承りたいということ。もう一つは、きのうは失業保険でカバーするということをおつしやつておりますが、きのうも申し上げましたように、小型関係の乗組員総数十四万人に対してわずか五百九十七人しか、昨年十一月の調査によると加入者がない。こういう問題にならないような数字しか加入者はないのである。一体こういうような状態で、長官のおつしやるように、失業保険でカバーすることができるかどうか、こういう現実を無視した考え方の上に立つということ自体が、私は非常におかしいじやないかと思う。この点に対しましては、非常に詳細にこまかい点に入りますので、昨日も申し上げましたように、おそらく長官なり次長なりではおわかりにならぬと思うから、もう少しはつきりとした材料を整理して御答弁を願いたい。それまで本件は保留しておきます。

田口長治郎自由党

○田口委員長代理 昭和二十八年度水産庁関係予算の説明に対する質疑を継続いたします。横川重次君。

横川重次自由党

○横川委員 私は海藻に関する水産行政並びに海藻工業の育成指導に関する御当局の方針、並びに海藻工業振興に関します予算措置等につきまして、御質問申し上げたいと思います。  すでに御承知の通り、海藻に関する世界の情勢は、最近各国におきましてその重要性を非常に認めて参りまして、昨年の七月でございますか、イギリスのエジンバラにおきまして、世界十六箇国の海藻生産関係の国々が集まりまして海藻に関する会議が開かれたような次第でございまして、海藻の食糧としての重要性を打越えまして、現在では近代化学工業の一環といたしまして、化学かんてん、あるいはマンニツトその他工業化されました工業に利用されつつある状態でございます。わが国は御承知の通り、原料資源におきましては、世界に冠たる生産を持つております。私は年来民間の熱心なる海藻工業の振興に関しまする要請に基きまして、海藻工業の振興協会というものを結成をいたしまして、それに参加をしておる一人でございまするが、陸上の耕地は限定をせられおりますけれども、海底の耕地は無限でございます。わが国のごとき四面環海の特殊な国柄といたしましては、ぜひこの海藻方面に着眼をいたしまして、国家力を用いてますますこの工業化の発展、指導をいたしたいと思うものでございますが、政府の年来の御指導におきましては、ややこの点に欠くるところありと感じておるものの一人でございます。この際水産御当局のこれらに関しまする方針を、まずお伺い申し上げたいと存じます。

岡井正男農林事務官(水産庁次長)

○岡井説明員 今横川先生から、海藻工業の重要性についてどう思つているかというお尋ねでございますが、水産庁といたしましても、海藻工業の重要性については十二分に御同意申し上げる点でございまして、研究部が主としてこの仕事に当つておるわけでございます。予算につきましても、研究部といたしましては、最後まで大蔵当局に予算の継続獲得を努力いたしたのでありますが、二十八年度予算には結局計上せられておりません。この点は遺憾だと思つておりますが、さりとて将来海藻工業について決してしぼんで行くというような気持は毛頭持つておりませんことを、御了承いただきたいと思います。

横川重次自由党

○横川委員 海藻工業の振興に関しまする予算は、昭和二十六年度からいわゆる三箇年計画で大蔵省に要請せられまして、二十六年度におきまして二千八百万円、二十七年度におきまして同額の二千八百万円を要望いたしまして、その額は大蔵省において認められたのでありますが、庁内の関係から予算の都合の関係からと思いまするが、千五百万円に減ぜられたのであります。本年度はただいま次長のお答えのごとく、その項目がゼロに相なつております。これは海藻工業の面に関しまして非常に遺憾でありまするのみならず、現在の海藻工業がやがて輸出産業として相当なる実績を上げんといたしておりまするこの際におきまして、国家的にこれを見ましても、私は非常なる損失であろうと思うのでございます。これに関係を持つておりまする漁民は四百万家族といわれておりますが、これらの生活向上の面から考えましても、実に重大なることであると思うのでございます。本国会におきましても、当初三箇年計画でこの海藻高度利用工業化試験委託費という項目で要請をせられておりまするこの予算は、国会をあげて御承認をいただいたものでございまするし、その当初自由党の政務調査会におきましても、満腔の熱意をもつて御賛成をいただいたものでございます。これら内外に非常な重要なる影響を持ちまするこの予算が、その三箇年の最終の年度である本年度におきまして全部削られたということは、何とも遺憾しごくに思うものでございます。私は本年度におきまして、ぜひとも水産当局におかれてこの予算を復活し得るような、最善の努力を払われたいと思うのでございますが、この問題につきましては、すでに農林大臣とも数次の会見をいたしまして、それはぜひ認めてやろうということのお約束もすでに得ておる次第でございます。予算は、拝見いたしますと、相当広範囲にわたつておりまして、あるいはごくふうによりまして他の費目からも転用し得るのではないかと実はお察しするのでございますが、それらに関しまして水産御当局の最善の御努力を願いたいと思うものでございますが、ひとつこれに関しての御答弁をお願いいたします。

岡井正男農林事務官(水産庁次長)

○岡井説明員 海藻工業の重要な点については十二分にわかつておりますがゆえに、将来機会をとらえまして予算の獲得には努力いたしたいと考えております。但し現在水産庁の予算に組まれている中での款項目のやりくりによつて、この予算に振り向けることはむずかしいと考えておりますので、それ以外の点がありはせぬかということはなお研究いたします。

横川重次自由党

○横川委員 本年度もすでに昨年度の実績予算二千七百万円というものがこの関係の費用として認められておるように存じますが、いわゆる庁内の転換によりまして他の費途の方に転換をせられておるやに思うのでございます。すでに承認せられております継続費といたしましての項目、これは庁内においての重要性の認識の欠如から起つた結果とも存じますので、ただいま次長からのお話私十分に納得でき得ませなんだのでありますが、本年度におきまして、何とかこれらの欠如いたしました予算に対します方途を講じ得るものと解釈してよろしゆうございましようか。

家治清一農林事務官(水産庁漁政部漁政課長)

○家治説明員 予算の関係では実は二十八年度予算の要求の際に要求して参つたのでありますが、水産庁では、一応年次予算というものを目標にして折衝はしましたけれども、大蔵省の方では、いわゆる年次予算というものを認めない、三年というものを認めないというようなことで、とうとう落ちた次第でございます。そして、今御審議願つている予算の中のどこからか、これを持つて来る方途があるかということになりますと、実は水産庁の現在の予算の中では、事実上持つて来る余地はございません。しかしもつと広い範囲で考えれば、全然ないということも申し上げられないのでございますから、その点、われわれとしましては、庁内でよく検討したいと思います。

松田鐵藏自由党

○松田(鐵)委員 実は、海藻工業に対する問題は、一昨年、昨年以来非常に問題になつたものであります。しかしてこの補助のやり方に対して、われわれは絶対に反対したものであります。その結果、今日現われておるもので何の成果が上つておるか。この点に対して、水産委員会のわれわれの納得のでき得るような行き方で持つて行つてくださるのであつたならば、われわれはあえてこの問題に対して反対したものではありません。しかしその方途に対する。いわばやみ取引があつた、大蔵大臣と農林大臣と私どもの同僚の中のやみ取引であつたのであります。ゆえにわれわれはその不明朗を指摘して、これに対して完全なる反対の意思表示をしたものであります。(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)もしそういうことでなかつたならば、われわれ水産委員に対して、その内容をつまびらかに発表されて、後日この問題に対する論議をかわしたいと思います。しかしてわれわれが納得のできるものであつたならば、明年度の予算または補正予算に対してあらゆる御協力を申し上げ、この予算の獲得に努力をしたいと存じておるものであります。この点、御了承願いたいと存じます。

横川重次自由党

○横川委員 ただいま同僚委員から、予算の執行に関しまする重要なる御注意があつたのでございますが、われわれ直接に海藻工業に関係をいたしておる者の立場から申しますと、たまたま予算がとれましても、水産長官が数次かわつておりまして、それらの点から、予算の実際上の費途につきましては、不十分なものがあつたやにわれわれも感じております。しかしながら本邦の海藻工業の振興に関しましては、国家的な見地から考えまして、これはぜひとも皆様の御了解を得て、振興をさしていただきたいと思うのでございます。私は農林大臣にもこの問題につきましては、とくと実際の海藻工業の実態を申し上げまして、ぜひとも今年度もこれに関する予算をいただきたいという意味で懇請してございます。農林大臣もこの点は了といたされておる次第でございますから、ただいまのお話のように、広汎なる範囲から、何らかひとつ海藻工業振興に関しましての予算の捻出をお願い申し上げまして、私の質疑を終る次第でございます。     —————————————

田口長治郎自由党

○田口委員長代理 次に、水産貿易に関する件につきまして、議事を進めます。この際、松田委員より発言を求められておりますので、これを許します。松田君。

松田鐵藏自由党

○松田(鐵)委員 本日皆様のお手元に陳情書が参つておりますが、これは水産貿易に最も重要であり、しかも通産省の調査による資料も出ております。それによつて見ましても、水産貿易として一番重要であり、しかも一番多額の外貨の獲得のできておりまする水産油脂、そのうちビタミン油というものが、日本の水産貿易の中の一番主となつておる多額のものであります。このビタミン油は、今日において、業者の陳情及び油脂課の係員のお話を承ると、アメリカで合成ビタミンができて、その結果、大体において二割程度の値下げになるだろうという観点をもつて、業者が仕事に従事しておつた。ところが今日の一番需要期におけるビタミンのアメリカの買付が停頓しておる。しかも世界の生産の六割を日本が産出しておる。しかしてビタミンの需要国は、アメリカ一国に限られておる。かような実態から、さきほど申した合成ビタミンとの関係もあるが、業者は金融の切迫から、今いかんともしがたく、投売りをしなければならない実態に入つておる。かようなことが陳情の趣旨であります。私どもは、業者を救うなどという考え方を持つておるものではありません。しかしこれを生産するものは零細な漁民で、魚価維持対策の上からいつても、全沿岸漁民の重大な問題であると考えられるのであります。  まずビタミンの原料となる油は、魚の中の一番きたない、一番手数のかかるところから抽出されており、それがビタミンの原料になるということで、このビタミンの単位によつて魚油の価格が決定されるのが今日までの状態であります。そのビタミンの含有量によつて魚油の価格がきまつて行つておるのが今日の姿であるが、しかし魚油そのものは、鯨油から見たならば、ドラムカン一本において五千円程度の差があるものであります。ただビタミンがあるがゆえに、鯨油とほぼ匹敵した価格で、普通の魚油が販質されており、それが今日の漁民の経済を最も潤しているものであります。これがもし現在の予想された価格である七セント五分程度で行くならば、年産二十億から三十億輸出されておるものが魚価の安定となるものでありますが、これがもし現在のような市場価格であり、またそれが値下りをするようなことであつたならば、日本のビタミンの輸出というものが半額になる。しかして三十億が十五億になり、外貨の獲得もでき得ないというような事態に直面しておるものであります。こうした点から行きましても、漁民の経済の確立、またこれを生産をしておる業者というものは中小企業者であります。今や日本の国は、一銭の配当もない戦時軍需工場は、その株が四百円、五百円に上つております。しかし中小企業というものは、ほとんど倒産に近いだけの状態になつておることは、大蔵当局もまた、水産当局も、よく御存じのことと思うのであります。これは野党から攻撃されるが、自由党の金融政策、経済政策の誤りであります。これをわれわれはよく考えておりますが、しかしわれわれは党の政案、われわれ自由党にあつて訂正したいという努力を日夜しておるものであります。この点、野党諸君は御了承願いたいと存じます。しかしこの現実においてのビタミンの価格は、アメリカの一つの商取引の上において支配されておるのみでありません。経済の利益という意味において、今日の膠着した事態になつておるのであります。この点を水産当局、大蔵当局及び通産当局は、どのように打開の道をお考えになつておるか、またその事業があるのであつたならば御発表を願つて善処したいと考えておりますが、お知らせを願いたいと存ずるのであります。

藤波良雄農林事務官(水産庁生産部水産課長)

○藤波説明員 ただいま松田委員から御発言がありましたビタミン油脂につきましては、おつしやられる通りでございます。実はこの件につきましては、一応共販組織と申しますか、そういうものをつくつて買上げをしたらどうか、そういうことは水産庁の正式の庁議でもございませんし、また農林省としてきまつたわけでもありませんが、担当の油脂課の方がきよう見えておりまして、油脂課の方で研究されておるように聞いておりますし、その点について、現在のまぐろの共販組織のことについていろいろ聞きに来られましたので、われわれとしてそういう点を説明いたしまして、そういう方向に進んでもらうように話しておるわけでございますが、その点につきましては、それ以上詳しくは承知いたしておりません。

福田久男大蔵事務官(銀行局総務課長)

○福田説明員 松田委員から、ただいま天然ビタミン含有油脂についてのお話があつたのでありますが、御趣旨を初めて承つたため、実はまだ不勉強で、何もそういう心構えなり、検討をいたしておりません。水産庁ともよく御相談いたしまして、研究さしていただきたいと思います。

森日出哉通商産業事務官(通商局農水産課長)

○森説明員 ただいま松田先生から御質問がありましたが、問題点は二つあると思います。ビタミンの価格の値下りにつきましては、一つの原因はやはりアメリカのビタミンの合成事業と申しますか、合成ビタミンの生産が非常に進んで来たということでございます。これはお手元に資料があるかと存じますが、十万単位以上のビタミンの価格が著しく落ちております。二十七年四月に大体十セントから十セント半ぐらいのものが、現在九セントを割つております。その上の方に書いてありますところの、それより低単位のビタミンは、これも下つてはおりますが、比較的値下りが少い。これはやはり合成事業の影響を非常に受けておるということだと思います。それからもう一つは、ビタミンの価格の季節的な変動でございますが、これは確かにやはり影響を受けると思います。この季節的な影響につきましては、先ほど水産庁から御説明がありましたが、やはり共販組織というようなものをとりまして、価格のてこ入れをやるということで防げるのではないかと思います。この合成ビタミンによる価格の値下りの問題については、私たちも非常に悩んでおるわけでありますが、なかなか国内的な措置でこれを吸収することはむずかしいのじやないかと思います。  それから御参考のために申し上げておきますと、昨年の一月から十二月でビタミンの総輸出量が九百二十八万二千ドルとなつております。これはお手元にございます統計は少し時間がずれておりますが、私どものところの承認統計によりますと、九百二十八万二千ドル、このうちアメリカに輸出しましてドルを獲得しましたものが八百九十四万六千ドル、非常に大きなドルを獲得しておりまして、先般来問題になつておりますまぐろの輸出などは、四、五百万ドルにすぎない。これから見ますと、案外軽視されておりますところの肝臓油の輸出というものが、貿易に非常に大きな役割を占めておるということが言えると思います。いずれにいたしましても、価格事情につきましては、私たちも御協力できるところは、水産庁と歩調を合せまして、十分手段をとるつもりでおります。

松田鐵藏自由党

○松田(鐵)委員 森課長は水産関係においても十分御認識のある課長でありまして、私どもは非常に尊敬しておるものであります。ただいまの資料の面からいつても、よくこれまで内容を御調査になつて、この業者に対するあらゆる努力をされ、御研究をされておることを承つて非常に感謝しておるのでありますが、お説のように、この問題の解決点は二つあるのではないかと思うのであります。まず一つは価格の調整でありまして、この調整に対する措置というものが、はたしてどのようになつておるか、この点は同僚遠藤議員から承りたいと存ずるものであります。こうした価格の調整をするためには、遠藤先生の組織されている協会そのものが、最も強力な、自主的な組織ができなければ、価格の調整というものはなかなか至難であると存ずるのであります。次には、私も水産カン詰をやつた経験もあり、現在もやつておるのでありますが、カン詰そのものは、共販ができたので、非常に価格の維持というものもでき得るようになつておりますが、これは世界のいずこの国にも行くカン詰であるからまだいいので、ビタミン油だけはアメリカ以外に行かぬ。こういうところに、貿易業者は非常に苦痛なところがあるのではないか、かように私は考えるのであります。しかしてこの価格の維持調整をするということは、先ほど申したような中小企業の苦難の今日、日本政府は、これを何とかよく考えて行かなければできない。向井大蔵大臣のあの言葉などは、アメリカをして有利に持つて行くような言質のように、私どもはとれるのであります。これではいけない。今までの価格というものを、合成ビタミンとの関係をよく考慮されて適正な価格が維持できるように、金融の措置なり、または買上げなりをして、そうして水産貿易の一番重要なビタミンというものに対する措置を講ずるという方法でなければいけないと、私どもは考えておりまするが、こうした点に対して、通産省あたりは何かお考えを持つておられまするか、この点承りたいと存じます。

森日出哉通商産業事務官(通商局農水産課長)

○森説明員 最初の、肝臓油の国家買上げというような問題になりますと私の方の問題でございませんので、担当の方からお答えがあると存じます。  第二の価格の維持でございますが、共販制度あるいはこれに類似した一手買取り、あるいは売渡し等をするという問題が一つでございますが、これは将来研究する問題として取上げなければならないと思います。その次に、現在私たちが価格の値下りを防ぐ方法として、通産省として、今すぐにでもとり得る方法と申しますと、輸出貿易管理令によりまして、輸出価格の規整をするということでございます。たとえば百万単位七セントを割る、あるいは八セントを割るというようなことが起りました場合に、七セント四分の一なら七セント四分の一が適正価格だとしますと、その辺で輸出価格をきめまして、これ以下の価格は許可しない。御承知の通り、肝臓油は輸出許可品目になつておりますので、そういう方法もとれるわけでございますが、実際、国際的に価格が値下りしておりますときに、あまり無理な価格規整をやりますと、かえつて輸出を阻害する。あるいはこれははなはだ申し上げかねるのでありますけれども、リベートをやりましたり何かしまして、あとで価格の調整をする。結局帳面づらと申しますか、申請書の表面では、高い価格で出しておるのでありますが、実は、やはり低価格で出すというようなことがあるわけであります。そういうわけで、ただ単に輸出貿易管理令によりまして価格の規整だけをやるということは、ちよつと意味がないような気がいたします。それでやはり根本的には、共販組織をとる、あるいは金融上の措置をとることによつて、問題を解決したいと思つております。

田口長治郎自由党

○田口委員長代理 お諮りいたします。ただまい委員外の遠藤君から発言を求められております。これを許してさしつかえございませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田口長治郎自由党

○田口委員長代理 御異議ないようでございますから、これを許します。遠藤君。

遠藤三郎自由党

○遠藤三郎君 ただいま同僚松田委員から、きわめて適切な御意見がいろいろありましたが、価格調整の問題について、どうなつておるかというお尋ねですが、結論を申し上げますと、価格調整の問題は、現在有効な調整手段というものは一つも講ぜられておらないのであります。そこで私、このビタミン問題を考えてみますに、先ほど来、松田委員がいろいろ述べておりましたが、ビタミンくらい輸出における重要な地位を占めておるものは、水産関係ではないのであります。終戦後、急速に伸びて来たとはいうものの、これほど重要な意味を持つておるものはないが、政府はこれに対してほとんどかまつておらないのであります。政府がビタミン問題について、どれだけの保護をし、あるいは指導をし、さらにまた、これが育成をしたかということを、私は伺つてみたのでありますけれども、残念なるかな、ほとんど放置であります。しかも、このビタミンの輸出は、繰返して申し上げるようでございますけれども、重要な輸出品目になつておる。その上に、さらに大きな問題としましては、ビタミン工業というものは、多くは中小工業であり、それに連なつておる二千万の漁民が、営々としてとつて来た魚を利用してつくつておるものでありまして、これは水産問題として最も大きな問題である。この最も大きな問題が、今危機にさらされておる。それにもかかわらず、政府は、ほとんど放置の状態であります。先ほど来、松田委員が、きわめて適切な御議論をしていらつしやることを拝聴しておりまして、まことに感激にたえなかつたのでありますけれども、今日の段階においては、あらゆる面から見まして、この問題は、政府として取上げて行かねばならなぬ段階に来ておる。今、価格調整の問題はどうかというお尋ねでありましたが、価格調整の問題は、業界自体においては、まだそこまでの段階に来ておらない。その一つは、業界にも罪があるだろうと思いますけれども、やはり政府が、親身になつてめんどうを見てくれないというところに、問題があつたのであります。幸いこの機会に、ビタミン問題の根本的な解決を、どうしても、していただかなければならぬと、痛切に感ずるものであります。そうして二千万の漁民がとつて来る魚の価格を維持して、しかもその魚からとれるビタミンを輸出いたしましても、アメリカにかつてにたたかれるようなことのないように、業者自体の自立的な力を養うと同時に、政府もこれに対して、もつと親切にめんどうを見ていただきたい。さもなければ、日本の産業はことごとくつぶれて参ります。日本の産業全体の縮図のようなものを、私はここに発見しておるわけであります。どうかこの機会に、政府の方においても、十分にひとつお考えをいただきたい。鯨の油を政府が買わんとする意図はよくわかつておりますけれども、ビタミン油を考えてみますと、それよりもはるかに大きな意味を持つておる。二千万の漁民の生活の問題になつておる。政府は、当然これを買上げて、ビタミンの問題の根本的な解決をはかるべきである、かように私は考えておるのでありますが、この点についての政府の御見解をお尋ねしたいと思います。

岡井正男農林事務官(水産庁次長)

○岡井説明員 ただいま遠藤先生から御熱意のある御発言をちようだいいたしましたが、忘れられているもののうちでの比重から言えばその通りであります。従いまして、われわれも今まで熱意がなかつたことをおわびしますと同時に、今後関係部局と十二分に連絡いたしまして、先ほど他の者からこもごもお答え申し上げましたように、十二分に研究さしていただきまして、なるべくすみやかに御趣旨に沿うように処置いたしたいと考えております。

遠藤三郎自由党

○遠藤三郎君 ただいま岡井次長の御答弁によりますと、研究するということであります。まことにそれはありがたいと思います。けれども、今日の問題は、例のごとくおつとり刀で、いつまでも研究しておるような、それを許すような状態ではないのであります。もうビタミンも出まわり期になつて来ておるわけでありまして、どんどん生産されようとしておるけれども、アメリカの方では、買手が一人でありますから、いわば独占的な形において、自由に日本のこのビタミンの販売をたたこうとしておる。一日を争うときであります。このままに放置しておけば、中小企業であるビタミン工業というものはことごとく倒れて行く。しかもそのあとにくつついて来るものは何かと言えば、漁民の経済が破壊されて行くのであります。こういう状態でありますから、ひとつただちに結論を出していただきたい、そのことを特にお願いするわけであります。

川村善八郎自由党

○川村(善)委員 ただいま同僚議員からビタミンのことについていろいろお話がありましたが、実は遠藤君の言うように漁民が二千万あるか、ないかは知りませんけれども、私もその一人であります。しかも私は第一回国会から出て、水産議員を任じて今日までになつておりますけれども、おそらくビタミンのお話は初めてであります。しからば私から言わしめるならば、ビタミンの原料となる魚の肝臓の何々がどのくらいの価値があつて価値があるということは、すなわち逆算すればわかるのであります。私ら漁民に一回も発表いたしたことがない。困れば、委員会を責めたり、政府を責める。はなはだけしからぬと思う。一体そのくらいの重要性のあるものであつたならば、なぜ委員会にも前から訴え、さらに委員会を通じて政府に要請がなかつたか。今ここに至つて競争相手が出たから困るから云々といつたようなことは、政府の責任ばかりじやない、業者の責任も十分あると思う。業者の責任を感じないで政府を責めるということは、私は妥当なことでないと考えます。しかしながら事ここに至つて、いわゆる困つておるところのビタミン業者を救つて行かなければなりませんし、陰に三百万漁民の生産する魚の価格の維持、これについては先ほど松田君から言われましたから、るる申し上げませんけれども、やはり相ともに立つて行かなければならぬ生産業者である。私はかような意味において、本委員会におきましてもそれぞれ担当する小委員会がありますので、小委員会にこれを付託して十分研究の上、すみやかなる機会において、政府にその対策を樹立せられんことを希望いたしまして、善処されんことを念願するわけであります。

遠藤三郎自由党

○遠藤三郎君 ただいま川村委員から非常にけつこうな御意見を伺いまして、その点は私は業界の面に関係のある天といたしまして、われわれ業界のものも、終戦後の急速な発展の産業でありましたので、ごたごたしておりまして、連絡が悪かつたことは、まことに恐縮しております。今まではとにかく何とかやつて参りましたけれども、もうやれない段階になつて参りましたから、裸になつてお願いしておる、こういうことでありまして、われわれもこれからはふんどしを締めて、そうして日本の重要な輸出産業として、あくまでもこの地位を確保して行く、こういう考えで参りますから、どうか何分よろしくお願いしたいと思います。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野委員 貿易振興ということの重要性は十分わかるのです。今の説明で、原因は合成ビタミンの出現による値下り、そうしたことを原因にしているようでありまして、非常に事情は重大であるから、臨時措置として考えることはいいけれども、それは今日の一般的貿易不振の原因もあり、世界的にコストの競争などもあるので、一体政府においても、あるいは業界においても、今後のそれらの対抗策等があるのかどうか。今ここで、原因は合成ビタミンの出現、こういうことで臨時措置として金融措置をやる、こういうようなことは一応考えられ、十分研究される。川村委員よりの発言もあり、これは水産貿易の小委員会で十分検討して適当な措置を講ずることはいいけれども、一般的な一つの対抗策、貿易不振の場合でも悠々対抗して行ける一つの方途を講じて行くことが必要である。さらにアメリカに今出現している合成ビタミン等に対して、悠々コストの競争までやつて行けるだけの一つの研究、用意等が十分考えられなければならぬが、現実にそういう用意がどこにあるのかどうか、それをちよつとお聞きしておきたい。

椎熊三郎改進党

○椎熊委員 私はこの問題に対して自分の意見を開陳するのは差控えたいと思いますが、この際承つておきたいのは、これは日本の水産事業の中でも重要な部門を占めているものだと思う。しかも原料は廃物でございます。廃物が利用されてこれだけの輸出ができるということになつていることは、非常に喜ばしい次第である。しかるにこれに対抗するいろいろなものが外国で発明されたために、価格が下落するというような現状だと聞いて実に残念に思つているのですが、私はこういう重要な品物が輸出貿易依存だけでいいかどうかという疑問を持つている。私はこれを国内消費に活用することができれば、価格の維持、また事業の経営等に対しても、恒久的な計画の上に立ち得るものだと思う。現に肝油のごときは、アメリカに輸出されて、それが精製せられて日本に逆輸入されている。それが非常に高価なものになつている。日本の技術がそこまで行つていないからそうなつているのかもしれませんが、そうだとするならば、それを打開するために、技術方面の奨励指導、研究等をもあわせて当局でお考えを願いたいし、ことに国民の体位向上のために学校給食などをしている際に、においのついている肝油を飲まして子供に不愉快な感じを持たせるよりも、技術的にもつと研究を深めて行けば、現にアメリカからは日本の肝油をもととしたりつぱな薬が来ているのですから、その程度のことは日本でもできないことはないと私は思う。これらはひとり輸出貿易対象のみならず、日本国民の体位向上のために国内消費に向けるという方向が、一つの大きな目安で考えられて行くならば、私は事業の経営上には安定性を期待することができると思うのです。それらについて農林当局の御意見を承つておきたい。

松下七郎農林技官

○松下説明員 ただいま両先生からの御質問に対しまして、あわせてお答えいたします。先ほどの御質問の中で、合成ビタミンと天然ビタミンとの比較をいたしまして、天然ビタミンが合成に対応できる方法ありやいなやという御質問でございましたが、この点につきましては、化学者はともかくといたしまして、日本の多くの臨床の医者の間におきましても、天然ビタミンは合成にまさる何ものかがあるということが、一般に信ぜられております。その点につきまして、今年度合成ビタミンと天然ビタミンとの比較研究の予算をとりまして、今その比較の研究に移らんとしているところでございます。その結果によりましては、それを広く海外に宣伝いたしまして、日本の天然ビタミンの優位性を強力に主張したいと思います。それから先ほどのお話にありましたように、合成ビタミンがもしも天然ビタミンと同じ価値であつたといたしましても、現在の一年間を通じました日本の輸出価格は、常にアメリカの市況のいかんにかかわらず、これをそのときの時価で売つて行かなければならないという現状でありますので、その点を何らか改善いたしまして、海外の市況の悪いときには国内においてこれを貯蔵いたしまして、常に最も有利な条件のときに輸出して行くということを考えることが必要であると存じまして、目下業会その他と連絡をいたしまして、その措置につきましては、十分な検討をいたしておるわけであります。  また国内におきまするビタミンの消費をふやしたらどうかという御質問に対しましては、これは主として厚生省の問題になるわけでございますが、昨年食糧対策委員会でも取上げましたように、マーガリン、人造バターに含有させますビタミンAの単位を引上げまして、一般のマーガリンの消費宣伝とともに、一般国民にビタミンAを十分に供給するという方法を、現在食糧庁といたしましても考えておりますので、その線にのつとりまして、国内におけるビタミンAの消費は増進するものと考えておるわけであります。

松田鐵藏自由党

○松田(鐵)委員 ビタミンの問題について、私ども委員会で取上げたのは、かつての第八国会においてであると私は記憶しておるのでありまするが、当時油糧公団というのがあつて、この油糧公団があまりにも乱脈な行き方によつて、この価格をほとんど隠蔽しておつた。そのために非常なあの問題が起されたのが原因であつたので、私どもは論議した記憶が今日あるのであります。今日における価格というものは、川村委員とはちよつと異なつております。私ども北海道の北端に住んでおる者は、魚油の価格はほとんど単位によつてはつきりきめられておりまして、ビタミンに対する価格に公表されております。漁民はたとえばさめの肝臓は、六千単位があれば一万何千円とか、または、たらの肝臓が二万単位あれば幾らとかいうように私どもは承知しております。また漁民もそれを承知しておるがために、あのきたない操作のめんどうな魚油を、肝臓を摘出してビタミンをつくるのに一生懸命になつておるように私は記憶しておるのであります。この高低は別として、先ほど森課長から言われておる、この窮状を救うのには、結論から言つたならば、金融の措置以外にないものではないかという御議論に対しては、私も同感であります。この金融をすることによつて、先日この前の委員会において、われわれは捕鯨による鯨油そのものが、世界の経済に支配されて、につちもさつちも行かなかつた当時におけるわれわれのとつた行動は、資本漁業を擁護するのではない。その鯨油の七万二千円の値下げには、それに伴う魚油の値下りが、漁民に対する漁業経済の安定を一番阻害するものであるという議論が一つと、国際的に日本の捕鯨事業を擁護しなければならないという議論と、この二つによつてわれわれは鯨油の買上げを主張したものでありました。しかしそれは実現はでき得ませんでした。しかし今日においては議員立法によつて、鯨油に対する買上げをせんとする意向が伝えられております。しかしこれは相当われわれも考えて行かなければならない議論とは存じておりまするが、いまだその段階には達しておりません。しかし鯨油のみではない、魚油の価格の維持というものは、先ほど私が申したように、鯨油と魚油との価格は、ビタミンがあるがゆえにドラムカン一本に対して五千円も価格の差があるものでありましよう。ところがビタミンがあるがゆえにその価格が維持されておるのであります。どつちかというと、魚油として硬化油にする場合に不必要なビタミンが、むしろ逆に今日においては、ビタミンがあるがために魚油の価格が維持されておるという現実の姿であるのであります。そうして抽出されたそのビタミンが、日本の水産の一番の金額、二十億から三十億になるということであつたならば、日本としてもこの価格の維持または漁民の魚価維持対策の上においても、十分考えて行かなければならない議論であると私は考えるのであります。現実の問題として、業者には持つているものを投げ出さなければならないはめになつているという意見に対しては、これは通産省も認めておらるるような状態であり、しからばこれに対する、三月から四月までの間でも、ある程度までの金融の措置なりしてやることによつて、初めてその価格の維持ができ得る道があるというのであつたならば、大蔵当局においても十分この点を考慮されて、しかして市中銀行はなかなかこうした者らに対しては金を出して行かぬ。融資をする道がない。たとえば七セント半のものであつたならば、何も七セント半全体を貸す必要もないだろうし、適正なところで貸してやればいいのであるが、今現実の問題として投げ出さなければならぬというときには、今しばらくの間の海外の事情日本の政府は、先ほど各委員が言われておるように、この肝油ビタミンに対する援助を考慮することによつて価格の維持ができるものであつたならば、これに対して善処するのが日本の水産貿易を振興することであり、しかして漁民経済の確立をなすものであると私は信じておるものであります。でありますから、この委員会の空気を上司に伝えられて、一日も早くこの方法を水産当局、農林当局と御協議あらんことを希望するものでありますが、もし大蔵当局において御意見がありましたならば、お漏らし願いたいと存じます。

福田久男大蔵事務官(銀行局総務課長)

○福田説明員 先ほどお答え申し上げましたように、この問題自体について深い研究もいたしておりませんので、責任あるお答えはもちろんできません。ただ抽象的に考えてみました場合に、先ほどもいろいろ御議論が出ておりましたが、合成ビタミンの出現によつて価格が下る。従いましてその影響は一回あるいは当座の処置で解決すべきものでなくて、将来にわたつて合成ビタミンの出現がますます伸びるとすれば、それによつて受ける影響、つまり天然ビタミンに対する価格の影響というのは、繊維等についても御承知の通り、相互のバランスというものが必要であります。従つてどの程度かわかりませんが、値下りはやむを得ないという結果になるのではないかと思います。そこで金融の問題といたしまして、かかる場合に、先ほどもお話にありましたように、現在手持ちいたしておりますストツクというか、商品というか、そういう現在量は多数の業者にまたがつておりますので、それらに対して一々措置することは事実上困難であります。そこでもしその段階において処置するといたしますれば、個々の業者と取引委員会との話合いによつて処置する以外に方法がないと思います。なおまた先ほどお話が出ておりましたような共販制度的なものが考えられるといたしますれば、そこにまとまりましたものを対象にして、将来値下りがあるかもしれない適正なる価格を一つの基準といたしまして、それの一定の割合の金額を金融するということは、金融としては考えられないことはなかろうと思います。問題はその際は価格をどういうふうに見えるかという点にかかつて来ると思います。中小企業は内容が種々雑多でありましよう。お話にありましたように、非常に窮境に立たされておるものも少くないと思いますが、また同時にそれらの中にも、信用力によつて価格にとらわれずに融資できる対策もあるかと思いますが、いずれの方法いかなる対策という点になりますと、なるべく早く結論を出すように努力いたしたいと思いますが、通産あるいは水産当局ともそれらの実態の方の成行きとにらみ合せまして検討したいと思います。

椎熊三郎改進党

○椎熊委員 議事進行について……。私は当委員会に出席するようになりましてから、かつて当委員会に農林大臣の出席を見たことがない。そういうことは一体どうしたことなんでしようか。廣川農林大臣の今の内閣における地位、立場がどのようにあつたとしても、国会において委員会の請求あるにかかわらず出席しないということは私どもことに国会の営運委員を担当しておるものといたしましてどうしても納得が参りません。本日はビタミンの問題もさることながら、その他水産庁長官の更迭等私どもすこぶる疑問とする重大問題が山積している。この際どうしても農林大臣の所見を明らかにしてもらいたいたくさんの問題を持つておるので、ただちに農林大臣の出席を要求いたします。そのために私は予算委員会に出ております農林大臣の状態を先刻まで調べて参りました。ただいま、予算委員会におきましては概轄的な一般質問でありまして、農林大臣に対する直接の質問はない時間になつております。三十分ないし一時間と時間を限定してもいい、ただちに農林大臣の出席を要求いたします。

松田鐵藏自由党

○松田(鐵)委員 先の問題ですが、大蔵当局の御意見もよくわかりました。しかして当委員会における空気も十分お伝え願いたいと思います。また水産庁といたしましても、通産省といたしましても、農林省といたしましても、かかる重要な輸出水産物に対しては十分御研究を願い、急速に御意見をまとめていただきたいと存ずるものであります。またわれわれの委員会といたしましても、いろいろ議論もあることでありましようから、これを小委員会に移して十分研究をするよう、委員長においてしかるべくおとりはからいを願いたいと存ずるものであります。

田口長治郎自由党

○田口委員長代理 ただいま松田委員から、本問題は魚価維持の観点から申しましても、外貨獲得の点から申しましても、きわめて重大なものである。しかして事が相当逼迫をしておる。かかる意味におきまして、すみやかに小委員会に問題を移して十分に検討し、早く結論を出す、こういうような動議でございますが、これはいかがでございましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田口長治郎自由党

○田口委員長代理 それは本問題はただちに小委員会に移すことにいたします。  暫く休憩いたします。     午後零時二十八分休憩      ————◇—————     午後零時三十五分開議

福永一臣自由党

○福永委員長 休憩前に引続きまして会議を開きます。

椎熊三郎改進党

○椎熊委員 農林大臣の出席を要求いたしましたが、いち早く農林大臣は予算委員室より姿をかき消したという。私はかような不誠意な態度は政治家として許すことはできない。もし重ねてわれわれの要求を拒絶するにおいては、私は農林大臣としての敬意を表することはできない立場にならざるを得ないのであります。従つて二十八年度農林関係予算の説明等も、直接大臣の心境を承らなければ、私どもは審議を進めることはできない。従つて農林大臣が当委員会を軽視するにおいては、それに対する対抗的なる決意を持たなければならぬ状態になりますので、委員長におかはましては、与党から出ておる委員長ですから、その辺とくと御考慮の上、次会には断じて出席を要求いたします。あなたからもおりはからいを願います。

福永一臣自由党

○福永委員長 椎熊君の発言に対しましては、委員会の意向を十分農林大臣に伝えまして、次会は必ず出席するように勧告をいたしたいと思います。御了承願います。  本日はこの程度にとどめまして、これにて散会いたします。     午後零時三十八分散会

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