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15回国会衆議院1952/12/24

水産委員会 第14号

発言数
52
登壇者
8
会派数
2
開催日
1952/12/24

会議録

福永一臣自由党

○福永委員長 これより会議を開きます。  まず請願及び陳情書の審査を行います。本日の請願及び陳情書日程全部を一括議題といたします。まず請願及び陳情書審査小委員長の報告を求めます。甲斐中文治郎君。

甲斐中文治郎自由党

○甲斐中委員 ただいま議題となりました請願及び陳情書につきまして、請願及び陳情審査小委員会の経過並びに結果について御報告申し上げます。  今までに当委員会に付託となりました請願は全部で五十二件でありまして、その内訳は、漁港、船だまり関係が三十一件、漁業災害並びに漁業損害に対する補償に関するものが各五件、金融に関するもの三件、その他八件となつております。以上の各請願につきまして、去る二十二日小委員会を開いて慎重に審査いたしました結果、本日の請願日程中、第一ないし第一〇、第一二ないし第一四、第一七ないし第二一、第二四ないし第二八、第三〇ないし第三四、第三六ないし第三八、第四 ○ないし第五一の各請願は、いずれもその趣旨は適切妥当なものと認め、採択の上内閣に送付すべきものと議決し、第一一、第二二、第二三、第二九、第三九、及び第五二の各請願は、すでにその目的が達成されておりまするので、これらの各請願は議院の議決を要しないものと決しました。その他の請願につきましては今後も慎重に検討する必要がありまするので、その取扱いの決定につきましてはこれを留保いたした次第であります。  次に陳情書でありますが、当委員会に送付されました陳情書は、全部で四十九件であります。各陳情書につきましても慎重に審査いたしました結果、これらの各陳情書はいずれも委員会において了承するに決した次第であります。ななお個々の詳細なる内容につきましては、文書表において御審議願うことにいたしまして、簡単でありまするが、小委員会の審査の経過並びに結果について御報告申し上げた次第であります。

福永一臣自由党

○福永委員長 これにて小委員長の報告は終りました。お諮りいたします。請願及び陳情書につきましては、ただいまの小委員長の報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福永一臣自由党

○福永委員長 御異議なしと認めます。よつて小委員長報告の通り決しました。  重ねてお諮りいたします。ただいま議決いたしました請願に関する委員会報告書の作成につきましては、先例により委員長に御一任を願いたいと存じますが、これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福永一臣自由党

○福永委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたします。     —————————————

福永一臣自由党

○福永委員長 ただいまより前会に引続き水産物の運賃に関する件についで調査を進めます。水産物の貨物等級改正の問題につきまして各委員より質疑の通告があります。順次これを許します。田口長治郎君。

田口長治郎自由党

○田口委員 きよう御出席の政府委員はだれだれですか。

福永一臣自由党

○福永委員長 国有鉄道営業局長津田弘孝君、農林省官房長渡部伍良君、水産庁長官はやがて見えます。ただいま次長の岡井正男君が見えております。

田口長治郎自由党

○田口委員 国鉄の津田さんにお伺いいたしますが、水産業者及び農林省は、米穀類と魚類が、公共性から申しましてもあるいは必需品である点から申しましても同じ立場にある。かかる意味におきまして米麦と等差をつけてはいけないということを強く主張しております。なおあなたのところの運賃等級審議会の答申案を見てみましても、米穀類、野菜、魚類、これは特別に扱うものだと、審議会は同等の観念で答申をしておられるにもかかわらず、国鉄案を見てみますと、米穀、蔬菜と魚類との等級が違つておるように見受けられる次第でございます。一体国鉄当局は、われわれの生活必需品として、あるいは公共性において米麦、野菜と魚類とが違つておる、こういう観点に立つておられると思うのでございますが、実際にどの点が違つてさような認識でおられるか、この点をはつきりお示し願いたいと思うのであります。なお国鉄といたしましては、貨物等級の審議会の意見を、これは諮問機関でございますから無視されてもやむを得ないという立場もあると思いますが、審議会の意見及び一般の通念、また農林省の主張が一致しているにかかわらず、ひとり国鉄だげが差別を設ける、これには相当な理由がなければならぬと思いますから、その点をまず第一にはつきりさしていただきたいのであります。

津田弘孝日本国有鉄道営業局長

○津田説明員 ただいま田口委員からお話のございました鮮魚の等級の問題でございますが、それについて申し上げまする前に、今回の貨物等級の改正は、実は昭和五年以来二十年ぶりの大改正でございます。従つて国鉄といたしましては非常に大きな事業でございますので、国鉄だけの独善で等級の上げ下げをするということはとてもできませんし、またやつてはならないことと存じまして、今お話のございました貨物等級審議会を国鉄総裁の諮問機関としてこの春設置いたしました。その審議会には物資の主管官庁である農林省あるいは通産省の責任者、また各産業の代表者、学識経験者及び国民の声を如実に反映していただきまするために衆参両院の運輸委員長並びに若干の議員の方にもお入りを願つて、慎重に検討を続けて参りまして、御答申をいただいたのでございますが、その御答申の趣旨につきましては、国鉄としてはもちろんこれを十分に参酌いたしまして、等級改正の作業を進めさしていただいて参つたような次第でございます。従いまして、これはもちろん国鉄だけの意見というようなものではないのでございまして、各界の代表の方にお入りいただいた等級審議会の決定を十分に尊重いたしました結果の、具体的な各品目についての等級づけということになつております点を、あらかじめ御了解を得なければならぬと思つております。  ところで、なるほどただいま田口委員からお話のございましたように、鮮魚類が日常不可欠の消費物資であるという点につきましては、等級審議会においてもそのような御答申をいただきましたし、またわれわれもその点につきまして何らの疑いを持つているものではないのでございます。ただ、それでは魚とお米、あるいは魚と野菜と比べた場合に、その生活必需性において差異があると思うかどうかという点につきましては、私はそれに対して別段特に差異があるということは考えておらないのでございます。等級審議会の答申において、日常生活上不可欠の消費物資という中にも、米穀、薪炭、大衆魚等々は並べて書いてあるのでございます。鮮魚類は私ども初めは特別等級、これは割引等級になつておりますが、その二十一級に入れておつた。米麦、野菜は二十三級に入れていた。その点につきましては、理論で申し上げまするよりも、やはり沿革的なものを若干そこに考慮しなければならぬのではないかというふうに考えております。最も大衆の生活に直接関係のある下級の鮮魚について申し上げるならば、これを指数で申し上げますと、昭和五年当時は一二三という指数でございました。十五年に貨物等級表の若干の修正がございましたが、そのときも一一三という指数でございます。それから十九年の改正の際に九五となつております。それが昭和二十五年四月の改正の際には八五という指数になり、また今回の改正案でも下級魚につきましては引続き八五ということでございまして、だんだんと魚の等級は下つて来ている。一方野菜につきましては、ちよつとここに資料がございませんが、私の記憶しているところでは、昔は指数が大体六〇くらいであつたものが、七〇になり七五に上つて来ているということで、だんだんと魚と野菜は近づいて来ているということが言われておるのであります。現在まだ多少の差があるのは、主としてそういつた沿革的な理由からでございます。  それからこれが生活必需物資であることは疑いないところでございますが、当初国鉄の案といたしましては、割引等級の中では二十一級という一番高いところに位づけておつたのでありますが、農林当局等と十分に打合せをいたしました結果、大衆鮮魚については、三つ割引等級がありますが、そのうちのまん中の二十二級に下げるということについて、お打合せをとげている次第であります。そのように鮮魚につきましては、貨物等級作成にあたりましても特段の配慮を用いたということを申し上げておきます。

田口長治郎自由党

○田口委員 一部改正でございますと、私らもそんなにやかましく言わないのでありますが、ただいま津田営業局長の御説明の通り、今回の貨物等級の改正は二十年ぶりの根本的大改正である、たまりたまつたごみをこの際きれいに掃除をするんだ、こういうような重大なる改正でもございますし、それから国鉄ばかりでなしに、関係各官庁あるいは学識経験者あるいは両院の運輸委員長、換言いたしますれば、社会のあらゆる階級の人を集めて諮問をしておられる。そのあらゆる階級の人々が、すべて一般社会生活上日常不可欠の消費物資という観念において米麦、野菜と何ら区別すべきでなく、同等に扱うべきものだという答申をしているにかかわらず、国鉄だけが独善的に、まだ沿革その他という観点から差別待遇をされている。こういうことが私らにはどうしても了解がつかない次第であります。御承知の通り、日本の食糧問題は、米麦だけではいかにしても解決がつきません。これにはどうしても動物蛋白をまぜたいわゆる総合食糧の立場において解決するよりほかに道がない。かくのごとく、国会もあるいは社会人も、新しい観点からこの動物蛋白を見直しておる。こういうような見直しておることが、結局二十年間にたまつておつたちりをきれいに払う、こういう新しい行き方、新しい観念、新しい社会通念を織りまぜるところに今回の等級改正の問題があると思うのでございます。二十年間にいろいろわれわれが研究いたこと、あるいは社会がかわつて来た、そういうことを国鉄当局だけが全然観念に入れられない二十年前の観念で、この等級の改正を措置されたのではないか、こういうように考える次第でございますが、国鉄当局といたしましては、一体二十年前の米麦だけで日本の食糧問題が解決すると考えておられるかどうか。あるいは日本の食糧問題について、国民全体にいま少しく蛋白、脂肪をよけいに食わせなければ体位の向上も何もできない。将来の日本の食糧の問題は、いかにしてもこの問題を強く取入れなければ解決しないということを御承知でありますかどうか、その点を重ねてお伺いいたしたいと思うのであります。

津田弘孝日本国有鉄道営業局長

○津田説明員 ただいま田口委員からお話のございました日本人の食生活におきまして、蛋白資源としての鮮魚が非常に大きな要素をなしているということにつきましては、私といたしましても何ら異論はございません。その通りであると存じます。ただ先ほど、お言葉を返すようでございますが、国鉄当局の独善云々というお話がありましたが、これは私どものたどつて参りました今回の等級改正につきましての態度とは著しく違いますので、先ほどもたびたび申し上げました通り、各界の代表の方、国会議員の方もお入り願い、また物資官庁の責任の方にもお入り願いまして、慎重にお打合せを遂げて参つた点を重ねて申し上げたいと思います。

田口長治郎自由党

○田口委員 あらゆる階級の人を集めて、その意見を聞いて決定したということでありまするが、その審議会の人が決定したことを国鉄で無視しておられるということは、あらゆる人を集めて研究をして、その決定に基いてということと著しく矛盾をすると思うのでございます。もし審議会が米麦、野菜と魚類とを区別してやるべきものだ、こういうような答申であれば、今営業局長の一声われることは筋が通ると思うのでございますが、衆知を集めてやつて、衆知はこうせよということになつておることに対して、国鉄におきまして、それと違つたことをやつておるということは、結局衆知によらない、輿論を無視した、いわゆる国鉄の独善的の考えでこういうことをきめておられる、こういうふうに断定せざるを得ないと思うのでございます。審議会があらゆる意見を集めて、その意見はかくせよということに対して、国鉄が反対のことをやつておることは、私はあらゆる階級の意見を国鉄が無視しておる、こういうふうに解釈する次第でございますが、その点どうも営業局長の話は筋が通つていない、こう考えるのでございますが、それでも筋が通つておるとお考えになるかどうか、その点を重ねてお伺いいたします。

津田弘孝日本国有鉄道営業局長

○津田説明員 国鉄が独善的に今回の等級改正をいたしましたかどうか、あるいは筋が通つておるか、通つてないかということにつきましては、どうも見解の相違で、私からさらに重ねて申し上げるのもどうかと思います。

田口長治郎自由党

○田口委員 これはすこぶる簡単なことで、衆知は同等に扱えという答申をしております。それに対して国鉄が同様に扱つていないということは、結局国鉄が独善的にすべてをやつておる、こう解釈せざるを得ないと思うのでございますが、この簡単なる理論に対して、見解の相違だということで話を片づけられるということは、国鉄として少しおかしいのではないか、こういうように私は考える次第でございます。  なおこの審議会に対しまして、農林省から渡部官房長が出席しておられるのでございますが、渡部官房長はあくまでも、値段が高かろうが安かろうが、米麦あるいは野菜と魚は同一のものである。一般社会生活上日常不可欠の消費物資としては同様なものである、こういうことを強く主張されたと思うのでございます。渡部官房長は審議会に出席されて、かくのごとき案を審議会委員としては決定しておいて、農林省の官房長としては国鉄のこの原案を認められたやにわれわれは聞いておるのでございます。その点審議会における渡部官房長の主張と、農林省の官房長としての主張と、何かそこに矛盾があるように考える次第でございますが、その点について渡部官房長から、明細な御説明を願いたいと思います。

渡部伍良農林事務官(大臣官房官房長)

○渡部政府委員 ただいまの点は答申案の第一項第三号だと思いますが、それには生活必需物資及び特定産業に著しい影響を及ぼすものについては特別の調整を加える、こういう一項があるのであります。それに基きまして第一項の貨物の価格に基いてはじいた等級を是正して行く。その間でこの特別調整をやるものには、先ほど営業局長からお話がありましたように、二十一級から二十三級の特別等級をつけておるのであります。ただいま申し上げました第三項の公共性に基く調整措置の分を二十一級から三級の中に入れる。具体的の品目につきましては、二十一にするか二十三にするか、これは協議によつてきめる、こういうことになつておつたのであります。そうして農林省の主張としましては、大衆魚は米麦並にせよ、あるいは調味料は米麦並にせよ、そういうふうないろいろな主張をやつておつたのでありますが、いつまでたつてもはてしがありませんので、実は衆議院の本会議に上程する前に、とにかく結論を出さなければ本会議に上程できない、こういう関係もありまして、一応中の二十二に妥協したというのが経過であります。

田口長治郎自由党

○田口委員 この問題は審議会の答申から申しましても、社会通念から申しましても、今日におきましては—私の申しますのは大衆魚の問題でありますが、この大衆魚につきましては、われわれの不可欠の消費物資として、米麦あるいは野菜、しよう油なんかと何ら区別すべきではないと考えるのでございますから、この観点に立つて、国鉄といたしましては、もう一回お考え直しをしてみられる御意思はありませんかどうか、その点をはつきりお伺いしておきたいと思います。

津田弘孝日本国有鉄道営業局長

○津田説明員 たびたび申し上げますように、いろいろの御意見はありました。もちろんこの大衆魚を米麦と一緒にしろというような御意見もあつたのでありますが、いろいろな関係から申しまして、最後的に大衆魚につきましてはこれを、われわれが当初考えておりましたよりもさらに一級低いところに入れる、こういうことからして二十二級にいたしましたわけでございますが、そういうことで進ましていただきたい、かように考えております。

田口長治郎自由党

○田口委員 この問題はここまで参りますと、局長の立場では少し無理な相談と思う次第でございますが、いずれ総裁あるいは副総裁に来ていただく機会をつくつていただきたいと思います。  それから従来の五級、六級を全部ひつくるめて四級に入れる、こういうような案になつておるやうに聞いておる次第でございますが、その点はどういうふうになつておりますか、御明示をお願いいたします。

渡部伍良農林事務官(大臣官房官房長)

○渡部政府委員 従来は甲、乙、丙と三級にわかれておりました。これは大衆魚の占める割合が非常に大きいという水産庁のデータもありまして、一方国鉄の方ではあまり級をわけると荷扱いにかえつて煩わしい、こういうことで二つにできないかという話がありまして、一応二つにやつてみたのであります。その後品目をどういうふうにわけるかという問題につきましては、データが整備されるに従つていろいろな説が出ております。この点は従来通り甲乙丙の三級でやつたらよいのか、上級、下級だけで品目の整理したらよいのか、そうすると今のようにちようど中級にあつたものが二つにわかれて、上級に入つた方は高くなる、こういうことでありますので、この点の調整の必要がある。その点はこれから国鉄当局ともう少し念を入れて協議しなければならぬというふうに考えております。

田口長治郎自由党

○田口委員 私農林省の官房長にお伺いしておるのではなく、国鉄の方にお伺いしておるのでございますから、国鉄の方から御回答を願います。

津田弘孝日本国有鉄道営業局長

○津田説明員 申し上げます。従来は下級魚、中級魚、上級魚というふうになつておるのでございます。現在は「鮮魚」「酢だこを含む」となつておりまして、甲種乙種丙種とこの三つがあるのでございます。甲種がいわゆる大衆魚でございます。その甲種が今度は下級魚といたしまして、従来七級でございましたのを、三十一級にする予定にいたしておつたのでありますが、これを先ほどもお話いたしましたように、特に農林当局と十分お打合せをいたしました結果、二十二級に入るということでございます。上級魚は従来は六級でありましたのが四級になるわけであります。それから今度は丙種というのがなくなりまして、鮮魚の混載賃率というものを特別につくつておるのであります。これが改正では七級に相なつております。

田口長治郎自由党

○田口委員 私の質問は上級魚と中級魚をすべて四級に入れられることになつておるかどうか、これを問うておるのでございます。

津田弘孝日本国有鉄道営業局長

○津田説明員 従来はこの三つの種類にわかれておりまして、今度の改正によりますと、混載問題がございますが、二つの種類になるのでございますから、従つて中級魚の中で上級に参るものもあると思いますし、下級に参るものもあると思います。魚の種類等につきましては、なお農林当局と打合せ中でございます。

田口長治郎自由党

○田口委員 今の御答弁によりまして、上級魚と中級魚が大体四級の方になる、魚の各種類については農林当局と将来相談してきめる、こういうような話でございますが、農林当局と話合いしてきめるということは、四級にすべてを包含させるというのであれば別に相談は必要ないのでありまして、五級六級、いわゆる中級魚と上級魚の中には貨物の負担力という点からいつて非常に違うものがある。たとえば上級に入つておる鯨だとかあるいはかつおのようなものはまさに負担力から申しますと二十二級に属するものであるが、かくのごとく種類によつて負担力がはなはだ違うから、この従来の上級魚と中級魚のうちから、負担力の小さい種類を公共性を加味した方に移すことについて農林省と国鉄と御相談になる、こういうふうに解釈するのでございますが、またそうなければならぬと思うのでございますが、そういうふうに解釈してさしつかえございませんか。今の農林省と相談して種類ごとにという意味を、もう一歩深くはつきりとしておきたいと思います。

津田弘孝日本国有鉄道営業局長

○津田説明員 従来三種類にわかれておりましたものを二種類にするわけでございます。従いまして、全部の魚についてそれをどういう振りわけにするかということにつきましては、農林当局と今後十分お打合せして参りたいと思つております。

田口長治郎自由党

○田口委員 その点ははつきりわかりました。従来の上級魚と中級魚のうちには、負担能力の点において格段の相違のあるものが混入しておりますから、それをはつきりとひとつ仕訳をしていただきまして、大衆魚の方に属するものはその方に移していただき、また負担能力のあるものは四級に上せるというような作業を、正確な資料によつてひとつやつていただくことを、この際はつきり要請をしておく次第でございます。その点だけははつきりいたしました。  それから今度の等級改正が、全般的に大体一割程度の借上げを予想しておられる、こういうふうに聞いておるのでございますが、それに間違いありませんか。

津田弘孝日本国有鉄道営業局長

○津田説明員 今回の運賃改正によりましては、旅客、貨物ともに現在の収入に対しましてそれぞれ一割の増収を考えておる次第でございます。ただ旅客関係については、大体一割の値上りということになるわけでございますが、貨物関係につきましては、御承知のように、今回等級の改正を同時にしたのでございます。この等級の改正を同時にやつたということにつきましては、かねてから、もう二十年もたつている鉄道の等級を改正し、現在の産業経済上に即応した合理的なバランスのとれた等級表を作成すべしということが、国会方面あるいは産業界方面の強い御要望でございましたし、ことに将来運賃改正をする場合には、等級の改正はその条件であるということにも相なつておりましたので、等級改正をいたしたのでございますが、その結果、等級改正によりまして、あるいは普通の一般の運賃値上りの一〇%を越えてさらに値上りになつておるものでございますし、あるいはその程度に至つていないものもございます。従いまして、貨物関係につきましては、フラツトに一割ということには相なつておりません。その理由は等級改正を同時に施行いたしたからであります。

田口長治郎自由党

○田口委員 今の日本の各種漁業が、いろいろな事情によりまして、非常に経営難に陥つております。ほんとうに楽に経営しておるという漁業は、全国的に一つも見当らないというような実情であります。極端な言葉で申しますと、破産直前にあるというような実情になつております観点から申しまして、また漁業が国家的になくてはならぬ仕事であるという観点から申しまして、水産業界がある、程度負担能力ができますればあまり無理なお願いはせぬでいいと思うのでございますけれども、今のような実情でございますから、少くとも今回の改正につきましては、一般貨物が負わせられる一割程度に水産物全体を通じての運賃の値上げということでやつてもらわなければ、非常に困る問題があると思うのでございます。かかる点から国鉄の今回の案をいろいろ調べてみますと、従来水産物による国鉄の運賃収入は大体十八億程度ということを聞いておりまするが、いわゆる上級、中級のものを再選別されなければ、結局水産物から今回貨物運賃として上りますものは二億七千万円程度に上るのじやないかというふうに計算が出る次第でございます。かくなりますれば、結局この弱い水産物に一割五分の運賃収入をよけい見込んで—ほかの貨物が大体一割見当というのに、一割五分を水産物に負わせる結果になる次第でございますから、この上、中級魚を非常に厳密に選別をされまして、負担能力の点から能力のないものは大衆魚の方に落していただいて、この運賃収入が大体ほかの貨物とつり合いのとれた一割程度にとめてもらうことを、ぜひ研究していただきたいと思うのでございますが、その点について、国鉄としてはいかようにお考えになつておりますか、御意見をお伺いいたしたいと思うのであります。

津田弘孝日本国有鉄道営業局長

○津田説明員 従来農林当局等とお話を進めて行く場合も、常に大衆の食膳に供せられるところの下級鮮魚が問題になるのでございまして、その下級鮮魚につきましては、国鉄といたしましても当初の案から少し上げたわけでございますが、上級鮮魚につきましては、実はあまりお話は承つておりません。但し現在上級の部類に属しておるものを、その負担力等を考えて下級のものに入れろ、その選別をしろということにつきましては、先ほども申しましたように、十分今後そういう打合せを農林当局とやつて参りたいと考えております。

田口長治郎自由党

○田口委員 この前の貨物運賃改正のときから、混載の問題で非常にやかましい問題があつたのでありますが、現在におきましては、各現地において業者と国鉄の係の方といろいろ打合せまして、無理のないいわゆる混載した鮮魚の比例によつて運賃の算定をしているというようなことで、この点は非常に円満に行つている次第でございますが、御承知の通り漁業は、その魚だけをとることがなかなかできないのでございまして、必ず混獲というものがある。混獲してこれを港に持つて来た場合におきまして、そのわずかの数量だけの輸送はできませんから、ほかのものと一緒にどうしても送らなければならぬ事情があるのでございますが、今回の改正で、この混載の問題をいかようにお考えになつているか。一説によりますと、混載した場合におきましては、上級魚によつて運賃を計算するというような話も承つておるのでございますが、さような非常識なことはないと思いますけれども、この点について、営業局長の明確なる御答弁を要求いたします。

津田弘孝日本国有鉄道営業局長

○津田説明員 田口委員のおつしやいますように、鮮魚は、その性質上貨車に混載されて輸送される場合が往々にしてあるという点は、その通りだと思うのであります。ところで現在国鉄がそういう混載貨物の場合に適用しております鮮魚及び冷凍魚の貨物等級適用方というのが、二十五年三月に総裁示達で現場に示達されておるのでございますが、それが二品目に属するものを混載したとき、三品目に属するものを混載したときというふうに二つの条項にわかれておるのでございますが、これが何回読みましてもなかなかわかりにくいのでございます。かりに三品目に属するものを混載したときというところについて一行だけ読みますと、「丙種に属するものの数量が甲種と乙種に属するものの合算数量に等しいか又はこれを超える場合には丙種による。」「乙種に属するものの数量が甲種と丙種に属するものの合算数量に等しいか又はこれを超える場合には乙種による。」というように、なかなかわかりにくいのでございます。今田口委員は、鉄道の現場では非常に円満に混載鮮魚が扱われておるということですが、それならばたいへんけつこうであると存ずるのでありますが、実は私ども聞いておるところでは、甲、乙、丙というような混載の場合には、現場で非常に苦労しておる。いかなる賃率を当てはめるかということで、貨物係が苦労しておるという話の方を、むしろ多く聞いておるわけなのであります。しかしながら魚が混載されて輸送されることは、商取引上当然あるべきことでございますので、今度の等級改正においても、もちろんこの混載制度は存続して参りたいと考えております。その際には全部上級魚にするということではありませんで、いかような等級を適用すべきかということにつきましては、今ほど複雑では困りますけれども、やはり一定の標準によつて現場の取扱いに遺憾なきよう示達をいたしたい。その扱い方につきましては、実情に合うように、農村省の方ともよくお打合せをいたしたいと存じます。

田口長治郎自由党

○田口委員 混載の場合におきましては、積み込んだ荷物の数重によつて原則的に計算するというような処置が妥当と思いますから、さような方向に御研究願いたいと存じます。  最後に私が鉄道運賃について強いお願いをいたすゆえんのものは、御承知の通り、魚は市場に出したら、いやでもおうでも売つてしまわなければならないという特殊性のある商品でありますがゆえに、消費者に運賃を転嫁することができない。その点が米だとか麦と著しく異なるのでありまして、運賃が上つただけは漁業者が直接負担をしなければならぬ。しかるに漁業の実情は、諸経費を負担する能力はなかなかない。こういう意味において強くお願いをしておるのでございますから、少くとも水産物の運賃に対する国鉄の収入を、ほかの貨物と同じように一割程度にするために、上級魚と中級魚の仕訳を十分にやつていただきたい、そして今約一割五分になつておるこの収入を、少くとも一割程度でとめてもらう、こういうことをお願いする次第でございます。結局他に転嫁ができないという特殊事情がありますから、この作業だけはひとつまじめに農林省と国鉄と相談してくださいまして、魚の種類による負担能力という点からいつても、われわれが納得の行くような方法をぜひとつていただくように強くお願をいたしまして、私の質問を終りたいと思います。

福永一臣自由党

○福永委員長 川村君。

川村善八郎自由党

○川村(善)委員 先ほどから鉄道運賃の値上げについて、各般にわたつて田口君が質問いたしまして、その答弁によつて腹が十分読めたのでありますが、ただ一点だけ申し上げておきたいと思います。先ほど営業局長が、この運賃の大体の案は国鉄の審議会にかけたのだ、審議会のメンバーは各方面から選んでおる、特に運輸関係に属するものであるから、運輸委員長もその審議に参画しておる、国会議員も参画しておる。そういう機関でつくつたのであるから、責任がないというような口ぶりが見えるのであります。しかしいやしくもすべての原案の作成は、その衝に当る当局がつくるのであつて、それをただ諮問する。ところがその諮問機関たるや、国鉄の運賃の諮問機関も、全部が全部わかつているという人はおそらくないでしよう。各審議機関を見ますると、めんどうくさいからこれでよろしいといつて通すというのが多いのであります。しかしながら農林省におきましては責任がありますので、聞くところによりますと、水産物の運賃に関する限り、当局との間に相当議論が闘わされまして、この改訂についてもずいぶんつつ込んだところまで行つたということであります。しかしながら一応負けた形で、現在鉄道当局がこれを断行せんとしておるときにこうしたような委員会を開いたのも、われわれがその内容をつぶさに審議して、運輸の改訂をしようというのがねらいであると私は考えております。ところで津田局長は先手を打つて、さらに細部にわたつては農林当局ともよく相談をしてきめたいということで逃げております。逃げたということはあるいは妥当でないかもしれませんけれども、最後の決定はそういうような発言で、田口君は了承したようでありますが、そのことについては私も了承いたしました。ただこの際官房長に申し入れておきますことは、かねてあなたが主張なさいましたけれどもどういう理由で負けたのか、さらに官房長の主張の背後に、水産庁が、今田口君の言われたようなことを主張したのか、ただ審議会のメンバーでないから水産庁は傍観しておつたのか、こうしたようなことを疑わざるを得ないのであります。水産庁と水産委員会は密接不可分の関係であります。水産物の運賃について、今改訂をしようとしておるときにおきましては、水産委員会に相談をして、そうして状況を聴取して、その意見を官房長に伝え、さらに官房長は審議会を通じて運輸当局あるいは鉄道当局と折衝すべきであると私は考えるのであります。水産庁当局は、この重大な問題を一度も相談をしたこともなければ、協議の申入れもしたことがないのであります。言いかえるならば、独善ですべてを処理しておるということが、この際はつきり言い得るのであります。水産物の運賃に関するばかりじやない。最近の水産行政はほとんど委員会を無視しております。委員会の意見を無視してやつたことは、例をあげればたくさんございます。そこで運賃に関する問題は、どうか官房長と水産庁の長官とよく協議して、さらにまたその両者が、われわれ水産委員会の意見も十分聴取して、その意見のまとまつたものをもつて運輸省並びに鉄道当局に折衝せられんことを、この際強く希望しておきます。  さらに委員長にお願いしたいことは、先ほど申し上げましたように、最近の水産行政というものは水産庁の独善に過ぎるのでありまするから—本国会も大体今日か明日で自然休会になるということでありますが、これまでの二、三の例を見ますると、水産庁では、休会中に特にあき巣をねらつて政令を発令したり、さらにこんがらがつておるいろいろな問題等については、この際解決をつけなければ解決がつかないというので、抜打ち的にやつておる。あき巣と抜打ちをやられるのはたいてい休会中にやられますので、委員長においては、自然休会中といえども、必要に応じては何どきでも委員会を開かれるような処置を講ぜられんことを特に要望いたしまして、私は質問を終ります。

甲斐中文治郎自由党

○甲斐中委員 私はさいぜんから津田局長並びに田口委員の質問応答によりまして、ほぼ国鉄当局の御意思はわかつたのでありますが、私非常に不審に思いますることは、この等級を決定する審議会に水産委員長を陪席させなかつたということでございます。水産庁が独善であるかないか、そんなことは私ども新米の委員にはわかりませんけれども、とにかく日本の政治は民主主義の政治です。国鉄がいかに独立採算制の制度をくずさない範囲でやつて行かなければならぬと申しましても、この運賃率の決定権は国会にある。貨物等級改率の決定権と品目をきめる決定権が国鉄にありましても、国民の希望というものを無視したやり方はできないはずである。国鉄は独立採算制ではありますけれども、国家からはかり知れない援助を受けて、独占に近い国家的な公共事業でありますばかりでなく、他の営利会社と異つて税金はいらない、利益配当もいらない、こういう三大特典があるのでありますから、いたずらに採算のみに重点を置くことなく、国民に対する奉仕という点にもつともつと重点を置いて、運賃などはきめてもらわなければならない。国民の希望とか輿論を尊重するためには、国民の代表として国民から選出された議員の意見を基礎に物事を処理しなければならぬことは当然であります。審議会に運輸委員長が参加した。それだからといつて国民の輿望をしんしやくしたとは言い得られない。水産物に関する運賃をきめるにあたつて、まずわれわれ水産委員会の意見を聞いた後、その意見を基礎にして事務的処理をせられるべきであると私は思います。われわれより先に内定しておいて、その後に水産委員会に臨んで独立採算の旗を振りかざして事後承諾を求められるようなやり方は、われわれ水産委員会を軽んずるやり方です。水産委員会を軽んずるということは、われわれを選出した国民を軽んずるということでありまして、民主主義の国家としては許されないところの非民主在義的な精神でありまするから、もし国鉄当局の方々の心の中にそういう片鱗でもありましたならば、この際一掃していただきますることを、あなたのみならず、総裁にも、国鉄の役人諸公全部にわれわれ水産委員としての意見をお伝え願いたい。いやしくもわれわれは国民に対して政治上の責任を持つております。野党の諸君も与党の諸君も、今度の運賃を上げるということに対しましては、国民に対して責任を持つております。野党の諸君は、お前たちがしつかりしなかつたからこんなに上げたんだというように言われる。与党はなおさら強く国民から言われるのです。そういう責任の立場にあるところのわれわれに対して、たとい結果は同様でありましても、最初相談をかけられて意見を徴せられた後でありますならば責任も持てますけれども、ちつとも相談をかけないで自分できめておいて、あとから事後承諾を求めるというようなことに対しては、われわれは責任は持てないのです。日本の政治は責任政治なのだから、責任を持てないような政治のやり方はいけません。これは改めていただきたい。  そこで、私はもうあまり国鉄の当局を苦しめようとも、追究しようとも考えませんが、精神だけを言つておるのです。あとからでもけつこうですが、われわれの要望は水産庁の役人諸公に十分に伝えてありまするからして、今後の折衝においてわれわれの要望を入れてもらいさえすれば、私どもは文句はないのであります。その要望の第一は、田口委員の言われましたところの大衆魚の運賃を、特に安くしてくれとは申しませんが、米麦、野菜と同様に、どうしてもやつてもらわなければならぬ。今ここに水産試験場の統計を持つて来ておりますが、都市の生活者と農村の生活者では、蛋白質を摂取する量において、これは昭和二十五年の調査ですが、農村の人は一日に十三・八グラム、都市の人は二十一・三グラム、比較にならぬほど農村の栄養状態は食生活の上において悪いのであります。こういう状態をほつておいてはいけない。これはどこに理由があるかと申しますと、経済的の理由もございましようけれども、運賃が高過ぎるために農村のすみずみまで魚が行きわたらない、こういう理由が非常に多いのであります。運賃が高くて僻阪の農村に魚が届かないということが最も大きな理由となつております。今、日本の山村には魚が食えなくて、へび、かわず、かたつむりを食つておる地方がございます。これはいやらしいことをやるといつてただ笑つて済ます問題ではありません。魚が食えないから、いやらしいへびを食うのですから、実に気の毒な食生活といわなければなりません。このように食べたい魚もろくろく食べられない人たちに、少しでも多く魚を食べさしてやるという涙のある政治こそ、生きた民主政治といわなければなりません。しかもあまねく国民に魚を食べさして食生活を向上させるためには、大衆魚の運賃を安くすることが最も効果があるのです。民主政治は、政治上の措置によつてあまねく国民を平等に幸福にするというところに精神があるのでございますから、大衆魚の運賃に対しては特別の御配慮が願いたいのです。さらに食糧の足らぬ日本におきまして実にばかげたことは、この前の委員会でも申しました通り、大漁の場合に、魚がとれ過ぎて価格が暴落し、運賃にもならないから、浜辺で腐らしておる。しかも同じ日本の中で一方では魚が食えなくてへびやかわず、かたつつむりを食う人もある。食糧の豊富な国ならこういうようなぜいたくなことも許されるけれども、足らぬ日本においてこのような現象がしばしば起るのは何という矛盾であり、損失でありましよう。しかもこのような矛盾した現象の起ることを助けるものは、大衆魚に対する高い運賃である。大衆魚の運賃を高くすればするほどこの現象はたびたび起る。運賃を安くすればするほどこの現象は緩和されて、日本の食糧問題に貢献することになります。ゆえに国鉄当局は、ただ単に独立採算というからからものを見ないで、日本の食糧事情という大局から達観して、たとい運賃が原価に多少食い込んでも—法規上から言えば、抵触するかもしれませんが、多少食い込んでも、足らぬ食糧を腐らすような矛盾の発生を防いで、もつて日本の食糧問題に大きく貢献するという大乗的見地に立つて、大衆魚に対する運賃を決定していただきたいのであります。  さらに私がふしぎに思うことは、鯨の肉が大衆魚の中に入つていないということをきのう承りました。鯨は生物学的分類からすれば、魚ではなくて、哺乳類である。だから大衆魚とは言えないかもしれませんが、そんなことは生物学者にまかせておいて、さばが百匁三十五円もしておるときに、私どもの方では二十五円ぐらいで鯨の肉が食えるのです。そういう安い価格で食べられるほどの大衆的な肉であるから、これは大衆魚として扱うのは当然のことです。ことに国家が捕鯨事業のために莫大な援助を与えておるのである。その援助によつてとつたところの肉を、あまねく国民に安い価格で食わせることはあたりまえなことであるから、この鯨の肉をぜひ大衆魚の中に加えていただきたい。これを要するに、米麦と魚を同じように考えなかつたという過去の考えが根本的に間違つておりますから、誤つて改むるにはばかることなかれです。今からでもおそくございませんから、悪いこととわかつた今日、ただちに大幅な改革によつて、同じように扱つてもらえますることを私は要望いたします。こういう精神をもつて、水産庁は国鉄に当つていただきたい。  それだけのことをお願いしておきます。答弁はいりません。

福永一臣自由党

○福永委員長 次に公海漁業に関する件について議事を進めます。     ————————————— 母船式北洋さけ、ます漁業の出漁計画について発言を求められております。これを許します。川村善八郎君。

川村善八郎自由党

○川村(善)委員 公海漁業の問題、特に北洋母船さけ、ます流し綱漁業の問題については小委員会でも議論いたしましたし、さらに本委員会の過去におきましても、長官との間あるいは関係官との間に意見をかわしたのでありますが、この委員会に水産庁長官の出席を求めているにもかかわらず、出席しないということは私は不可解であります。参議院の方に多分長官は行かれたと思つております。事実行つたのでありますが、参議院の水産委員会は流会になつております。にもかかわらず本委員会に出席をしておりません。しかも事務局をして水産庁長官に催促したところが、参議院の水産委員会が終り次第に出席をするという回答があつたにもかかわらず、参つておりませんので、さらに事務局に対して長官の出席を求めましたところ、防潜網の問題で大蔵省に行つた。いずれも水産問題で重大な問題でありますから、その方に行かれることも決して悪いとは申しません。しかしながら委員会で出席を要望しているにもかかわらず、しかもまた参議院の委員会が終れば、ただちにこちらに出席するという回答があつたにもかかわらず、そちらの方へ行つたということは、悪意に解釈をしますと、衆議院の水産委員会がとかくうるさいから、逃げ足を使つたという考えより私には出ません。このさけ、ます漁業の問題につきましては、長官がいないところで質問いたしましても、おそらく次長は確たる回答すできないでしようし、さらに昨日水産庁長官と大臣と本問題について面会をしておりますので、必ず何かしら長官と大臣の間に話をされたことと思いますが、どうも御本人がいないので、議論にも何にもなりません。きようは水産庁長官の出席を求めましても、おそらく何時になるか時間がわかりませんので、いたし方ございませんから、きようの委員会では一応保留をいたしまして、明田委員会を開いて、長官その他関係官を本委員会の席上に出席を求めまして、大いに議論をしてみたい、かように考えておりますので、委員長におかれさしては、その方法をとられんことを特に御要望いたしておきます。但しここにおいでになる次長が責任を負うた答弁ができますならば、次長でも一向さしつかえがございません。但し逃げを打つような答弁ではまつぴらごめんでございますから、次長は責任ある答弁ができるかどうかということをます御質問申し上げまして、もし回答ができなければ、次回の委員会、すなわち明日委員会を開いて、先ほど申し上げましたような方法をとられんことを、この際要望いたしておきたいと思う次第でございます。

岡井正男農林事務官(水産庁次長)

○岡井説明員 長官から御答弁申し上げます。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 ただいま水産庁長官が出席できなければ、明日あらためて開会したいという御意見がありましたが、私は北洋漁業についてもその他のことについても、公海漁業に関連して緊急に質問したい事項を通告いたしておりますので、委員長は至急出席を求められて、本日開会されるように、一応休憩されますよう希望いたします。本委員会は、もし水産庁長官の出席を承めるならば、明日と言わず、本日午後にでも開けるように、本委員会を休憩にしておいていただきたい、かように希望いたすものであります。

田口長治郎自由党

○田口委員 私は今国会に政府から提案されておられまとすころの以西機船底びき網漁業及び遠洋かつお、まぐろ漁業の許可等についての漁業法の臨時特別に関する法律案について水産庁次長にちよつとお伺いしたいのでございます。この問題につきましては、例の以西底びきの中間漁区にある百八隻の船を中間漁区以外に出したい、こういうことがこの法律の趣旨になつておりました。これの実行方法といたしましては、現在の漁業法では、遠洋漁業の許可は抽籤によるということになつているのでありますが、抽籤によつては所要の百八隻を以西漁業に出すわけには行かない、こういうことになりますから、その抽籤制度を改めてこの百八隻に限つて優先的に入れる。そのためにはこの中に十二月一日現在におきまして同海区において許可を受けたもの、こういうことに内容がなつておりますが、この既成事実をつくるために、水産庁は操業区域の変更ということで、すでに以西の漁場に百八隻の大部分のものを最近になつて許可をしてもらつている。許可をしてしまつたものの跡始末にこの法律案を国会に審議させるというような形になつておりますが、何ゆえに政府が法律的に見て無理なことをやるかということをなお研究してみますと、結局水産庁といたしましては、以東底びきをこの中間漁区に入れたい、これを実行いたすために無理な法律の改正案をやろうとしているように考えるのでございます。なるほど以東底びきの操業区域はどこだというような法律的の規定はございませんが、われわれの社会通念といたしまして、東経百三十度以西において操業する五十トン以上の機船底びき網を以西底びき網という、こういうことになつている以上は、この東経百三十度よりも東の方を大体において以東底びきの操業区域、こういうことに社会通念としては解釈されますし、また従来もさような手続で、この以東と以西の底びき漁業の秩序がこの百三十度で両方にはつきりとわかれている。ただ問題はこの以東底びきに操業区域の制限がないということで、どこへでも許可してもよろしい、言いかえますと、こういうような法律の盲点を役所自体がくぐつて、今回の新しい中間漁区に以東底びきを入れる、こういうような処置をするために、この漁業法の臨時特例に関する法律案を提出してあるように考えるのでございます。この点につきまして、役所自体が法律の盲点をもぐるということは、少くとも漁業法の精神を蹂躪する。かような措置は役所として絶対にとるべきものでない。この問題に直接関係をいたしまして、法律上さように考えるのでありますが、なお実際問題といたしましては、今水産庁が入れんとする中間漁区には、兵庫県以西、また瀬戸内海の各府県、九州の各県から零細漁業者が四千そうもこの中間漁区に入漁している。もちろん長崎県の零細漁業者もその漁場で生活を立てている。この人員をざつと調べてみましても、約三万人の人間がこの以西底びき区間である、いわゆる中間漁区で生活をしている。その漁場にこれらの零細漁業といかにしても相いれないところの以東底びきを入れる、こういう案は沿岸漁業者の立場から絶対に承諾できないということで、今日まで各県及び長崎県が猛烈に反対して来ているのでございますが、議会もいよいよ最終になつて、この年末年始の休暇ごろに、この問題を水産庁はこつそりと実行に移してしまう、かような計画と所存を持つておられるように考える次第でございますが、その点について、さような計画が実際にあるかどうか、風評であればけつこうでありますが、実際にあるといたしますれば非常に重大問題でありますから、さような計画の実否について、この際ここで次長にはつきりお伺いをいたしたいと思うのであります。

岡井正男農林事務官(水産庁次長)

○岡井説明員 ただいま田口委員から御質問がございました中間漁区の以東底びきを入れるように事務的に運んでいるかどうかという点でございますが、運んでおります。できれば一月の中旬ごろには向うへ入漁せしめるようにいたさしめたいという気持をもつて、現在取運んでいることは事実であります。ただ御質問をかねて御意見もありましたが、法の盲点をくぐるような意思があるとか、あるいはまた御指摘の中間漁区に零細な多府県の漁業者を包容している沿岸漁業への関係を考えれば非常にまずい行政であるまいかという御意見がありましたが、間接的にはそういうようなことも一部生ずるかもしれませんが、要は零細なつり、はいなわ漁業者と底びき漁業者との従来の摩擦は、底びき漁業者がそういうつり、はいなわ漁区へ入つて行く、禁止区域を侵してやつているということが大きながんになつているのであります。従いまして今後実施する上からは、水産庁におきましても相当これらの点を考えまして、漁業取締り上、十分は遺憾のないような手を打つと同時に、なお念のために、零細なこれらの漁民が打撃をこうむらぬような措置も並行的に講じながら実施するというつもりでやつております。

田口長治郎自由党

○田口委員 ただいまの次長の答弁によりまして、この問題については漁業取締りが徹底するかどうかということが重大である、かようなお答えでありますが、私もその点は同感でございます。しからば以西底びき、いわゆる中型底びきの漁業違反を実際に取締れるかどうかということがきわめて重大でございますが、県あるいは農林省で今日まで努力された結果によりますと、どうしても取締ることができない、物に集まるはえと同じである、何となれば、違反をする船は、荒天でほかの船が出漁できないような日に昼間はやる。それから多くは標識燈をつけないで無燈で夜間操業をしている。こういうような状態でございますから、いかに取締りましても取締りができない。これは長崎県におきましては、漁業者が最後に憤慨いたしまして海上保安庁の船に乗り込んで、乗組員の帽子その他をとつて海にぶち込んでしまつた。その程度に海上保安庁は努力されているが、実際にはできない、かような実情からいたしまして、取締りを徹底するということだけでは、われわれは過去の経験から申しまして、また現在の実情から申しまして、密漁船の取締りということはできない、こういうことを前提にせざるを得ないのでございます。その点につきまして、取締りをするからということについて、ただ言葉上の問題では、われわれはどうしてもこの底びき網の取締りだけは、なかなかできないというような観点を持つております。それと同時に、三万人の沿岸漁業者が、しかもこの沿岸漁業者はほとんど西日本全体の沿岸漁業者、これは自分らの県の地先で飯が食えないようになつたから、この中間漁区に来てかせいで生活をしておる。かような三万人の生活を脅かしてまでも、この以東底びきの八十そう、あるいは五十そう、言いかえれば、千人内外の漁業者の問題と、三万人の零細漁業者の問題を天びんにかけて、何と民間の声があつても、どうしてもこれをやるのだというその根本がどうしてもわからないことと、いま一つは、法律の盲点を突いたのではないということを言われますけれども、この改正案を臨時特例に関する法律案として出しておられまするが、この法律の内容を見ますと、結局既成事実をつくつてその既成事実のもとに百八隻を以西の方に移してしまう。こういうことで最近新たに許可をどんどんやつておられることと、中型機船底びき網漁業について、従来のやり方及び社会観念からいたしまして、百三十五度を基準として右と左、こういうことにわかれておる次第でございますが、法律に漁場の制限がないから中型底びき網漁業は、どこへでも許可をしてもいい、こういうようなへりくつのもとにこの以東のものを中間漁区に入れようとしておる。かかることは今回のこの法律に関する限り、役所のやり方としては言語道断でございます。まつたく法律の精神を蹂躙しておる。このことだけは法制局に尋ねましても、あるいは専門家に研究をさせましても、はつきり言つておる。ただ操業区域の制限がないために、法律的には違法とは言えないけれども、精神は蹂躪しておる。こういうことを各方面でもはつきり言つておる次第でありますから、この問題につきましては、沿岸漁業と非常に錯綜した事情があります。われわれがこの法案を審議するまで、この問題について水産庁は、いわゆる休会中に抜打ち的にかかる錯綜した、しかもきようも佐賀県の代議士も福岡県の代議士も一緒に集つて、各県の沿岸漁業者の立場に立つて反対運動をしておりますが、さような複雑な問題を留守中にこつそりとやられるということでは、その責任は今甲斐中委員が申されましたように、すべてわれわれが持たなければならぬ。こういうような立場になるのでございますから、この臨時特例に関する法律案を議会が審議するまで、以東底びきを中間漁区に入れるということについては、何としてもとめていただく意味におきまして、この水産委員会としては、ひとつこの委員会を代表して、委員長から強く水産庁長官及び農林大臣に申入れをしていただきたいのであります。

福永一臣自由党

○福永委員長 本件はただいまの質疑応答を聞いておりまして、委員長も考えたのでございますが、これは以西底びきと以東底びきの根本にも関係があります。また政府から本国会に提出しておられます以西底びき網漁業及び遠洋かつお、まぐろ漁業に関する漁業法の特例についての法律案も関連いたしますから、この中間漁区に以東底びきを入れることは特例法案の審議決定までこれを保留されたい、かように衆議院の水産委員会として委員長から申入れておきます。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 それに関連して一言お尋ね申し上げます。水産庁次長は手続を進めているというお話でございますが、許可されておりますかどうか、その点を念のためにお伺いします。

岡井正男農林事務官(水産庁次長)

○岡井説明員 許可いたしておりません。手続を進めているだけでございます。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 委員長の要旨に私も了解いたしますが、さらに明確にいたしますために、文書をもつて申入れるように希望いたします。

福永一臣自由党

○福永委員長 わかりました。     —————————————

福永一臣自由党

○福永委員長 この際委員派遣承認申請の件についてお諮りします。本日開会前の理事会において理事諸君とは御協議をいたしましたが、当委員会の議案の審査及び国政調査の一環といたしまして、第一、韓国周辺の航海制限に伴う漁業の操業及び漁船の拿捕等についての実情調査、第二、以西機船底びき漁業及び遠洋かつお、まぐろ漁業の許可についての特例法案審査のための実地調査、第三、駐留軍の演習及び軍事施設による漁業被害の実地調査、第四、日米加三国漁業協定に基く北洋出漁船団編成についての実地調査、第五、北海道及び三陸方面における漁業災害の実地調査、このため明年一月中旬ごろ十日間程度にわたりまして委員を各地に派遣して、つぶさにその実情を調査いたしてはいかがかと思うのでありますが、委員会が委員を派遣しようとするときは、衆議院規則の定めるところによりまして、文書をもつて議長の承認を得なければならないことに相なつております。つきましては派遣委員の数、その人選、派遣地などは委員長及び理事に御一任を願うことにいたしまして、議長に対し委員派遣の承認申請をするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福永一臣自由党

○福永委員長 御異議なしと認めまして、そのように決定いたします。

川村善八郎自由党

○川村(善)委員 先ほど私から委員長に申入れをしておきましたが、大体今までの慣例を見ておりますと、休会中は委員会はなるべく開かないようにしておりますが、特に水産問題は先ほど申し上げたように輻湊しておりますので、この休会中といえども必要に応じて本委員会を開くように、その手続を進めてくれるようにという申入れをしておりましたが、これに対して委員長からは御明答がありませんので、この機会にお伺いします。

福永一臣自由党

○福永委員長 ただいまの川村君の御要求に対しましては、何分にも水産委員会は魚という生きものを相手にしておりますから、時々刻々、自然現象にも変化がございますし、また国際情勢も刻々にかわております。従いまして私は川村君の御意見はしごくもつともだと思います。でありまするから、臨機応変いつでも委員会を開くような態勢にしておきたいと思います。この際皆さん方に御了解を得ておきたいと思います。  本日この程度にいたしまして、次会は明日開きたいと思います。なお時刻等はあらためて公報をもつてお知らせいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時四十一分散会

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