水産委員会 第13号
- 発言数
- 26 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1952/12/22
会議録
○松田委員長代理 これより会議を開きます。 福永委員長はただいま委員長会議に出席しておりますので、暫時私が委員長の職務を行います。 水産物の運賃に関する件について調査を進めます。最近水産物の貨物運賃の等級改正が問題となつておるようでありますが、その実情につきまして関係当局より御説明を願います。
○岡井説明員 御承知のように国鉄の運賃改正が本国会で問題となつておりまするが、その事前におきまして水産物の等級改正を同時に審議せられることに相なりまして、国鉄の運賃を国鉄自体の経営の方針によつておきめになる前に、可及的適正な運賃改正をするという御意図のもとに等級改正に関する委員会を設定せられておるのでありまして、農林物資につきまして官公署の方では官房長がこの衝に当られたのでございます。従いまして水産庁といたしましては、あらゆる資料を官房長の手元まで提出いたしまして、官房長からこの委員会を通じて国鉄へ折衝したのでございます。その折衝してもらいました問題点はどこにあるかといいますと、まず大衆水産物につきましては、これは水産庁の調査によりまして、庶民階級、特に金のない連中が、終戦後における生活状態においてどういうふうな経費を家計費の中で持つているかという資料を中心にいたしますると、いわゆる米、麦、野菜が、現在においても、あるいは改正されようとする運賃におきましても一番安いクラスになりますが、野菜と比較しましてエンゲル係数をとりますと、ほぼ同じでございます、いわゆる大衆魚というものが、各家庭の生活費の中に占める重さは野菜と同様である。従つて運賃におきましても、野菜を米麦と同じクラスに置き、一番安い優遇方法をとるとすれば、大衆魚も少くとも同じ優遇運賃をもつて国鉄の方で御処理願うということが妥当であるという考えを持ちまして、官房長をして強くこの点を主張してもらつたのでございます。しかるところ官房長と国鉄側における折衝の結果は、それはどうしてもいかぬ、国鉄側において了承できないということでございましたので、官房長と私の方で相談した結果、さらに水産庁独自において国鉄側の営業局長、貨物課長の御両氏に再三折衝を重ねたのでございます。そういたしまして最後に遭般国会議員の御理解も得まして、最終的に事務折衝をしました結果、国鉄側の言い分も聞き入れまして、クラスで言いますと米、麦が二三で一番安く、その次にみそ、しようゆ、薪炭等が二二のクラス、二一のクラスには大衆魚及びその冷凍品が優遇されたクラスにおりますのを、二二のクラスまで持つて行くことをやむなく了解した次第でございます。と申しますのは、国鉄側の言い分といたしましては、大衆魚の持つ公共性といいますか、大衆の家計に及ぼす影響は非常に重い比重を持つておることは十分にわかる、しかし国鉄側としては、大きが変革を及ぼさないで従来の段差を徐々に直すという範囲内において今回の運賃の改正をしたいという気持があるような関係もございますので、私の方でもだんだんに直して行く、いわゆる野菜と同じようなところへ持つて行くために一歩前進せしめようというところで、事務折衝としてしぶしぶながら了承するという段階まで行つている次第でございます。この点につきましては、皆さんの方では非常に御不満であろうと思いまするが、事務当局側といたしましては再三、再四折衝も重ねましたし、また国鉄側へあらゆる資料も提供して、精一ぱい努力いたしました結果でございます。 なお今回の改正によりますと、従来鮮魚などに適用されました五百キロ以上で五分引という優遇措置は、原則的には抹殺するという御方針でありましたのを、そういういうようなことは困るということを強く要望いたしまして、大衆魚などについては一応置こうという了解は同時に得たのでございます。 以上が今まで国鉄側と折衝した経過の概要でございます。
○遠藤説明員 ただいま水産庁から御説明になりました通りでございますが、少しく敷衍をさせていただきたいと思います。 貨物等級は昭和五年に制定されましたものがもとでございまして、その後戦争中、戦後数回手直しはいたして参りましたのですが、根本的な改正ではありませんでしたので、最近の経済情勢に合わなくなつておることを鉄道も認め、さらに経済界一般の方々も改訂の必要を強く御要虫されましたので、この春から貨物等級審議会を設置いたしまして、改正に着手いたしたのでございます。この貨物等級は、性質といたしましては運送約款の別表という形式をとつておりまして、国有鉄道の総裁が定めることになつております。しかしながら正大な問題でございますので、国鉄の独断でやつてはいけないということを考えまして、国鉄総裁の諮問機関である貨物等級審議会に諮問いたし改正に着手いたしました。この審議会の委員には、経済各方面の代表者、あるいは国会議員の方々にも御就任を願つたのでございます。その等級審議会に諮問いたしまして改正の方針を決定したのでありますが、原則として最も問題になりましたのは、国有鉄道の公共性と企業性の兼ね合いの問題であつたのであります。国鉄は終戦覆しばらくの剛採算割れした場合には国からその不足分を補つていただける状態であつたために、あまり採算を云々する必要はなかつたのでありますが、御承知のように公共企業体としてスタートしましてからは、やはり採算の合つた経営をしなければならない。しかしながら国鉄の公共性にかんがみまして採算のみに走つてはいけない、こういう兼ね合いの問題が最も議論の中心になつたのでございますが、そういう大きな問題をも考えつつこの審議が進みまして、結局大きな方針といたしましては、国鉄の独立採算は認めなければならぬ、であるから貨物運送に要する経費も貨物の運賃でまかなうのだ、しかしながらその経費の総額を各物資に割当てる場合には、国鉄の公共性に基いて、運賃の負担力に重点を置いて、負担力の高い貨物には高い運賃を課する、負担力の低い貨物には低い運賃を課することにいたしまして、経済全般のために寄与する、こういう考え方でございます。 もう一つ大きな問題は、運賃の最高限と最低限の問題でございます。最高限の問題といたしましては、鉄道以外に有力な運送機関のない、いわゆる独占形態におきましては、幾ら運賃をかけてもそういう荷物が鉄道に出荷されたのでありますが、現今のように自動車運輸等が非常に発達いたしますと、非常に高い無理な運賃では、そういうものは鉄道には出荷されないのであります。現在最高の運賃が原価に比して二倍半、われわれは平均原価のところを運賃指数一〇〇として、二倍半は二五〇と称しておりますが、二五〇という高い運賃をかけると、そういうものは鉄道に来なくなるのであります。それで今後最高限は他の運輸機関との運賃の均衡を考えなければならないという問題がございます。それから最低限の問題でありますが、これは従来は、管理費とかあるいは減価償却費等を除いた直接的な経費、いわゆる輸送作業費でありますが、輸送作業費を割つた運送をいたしておつたのであります。特に例として申し上げますれば、まきというようなものになるのでありますが、こういうものは作業費を割つて運送しておつたのであります。今後は企業ということも考え、少くとも輸送作業費はいただくべきではないか、こういうことが原則の第二でございます。また運送原価が貨物によつて違います。これは普通の場合にはあまり違わないのでありますが、鮮魚、冷凍魚のような冷蔵車を使用する場合には、原価が相当違いますので、そういう特に運送原価が異なる場合には、その原価もやはり運賃をかける場合の一つの基準として考えるべきであるということであります。以上のような要素によつて等級表が一応できるのでありますが、それにさらに特に公共性の強い物資につきましては、また別の考え方をして低い運賃をかけるべきであるという問題であります。それから、以上の公共性の考慮までやりまして、それによつてでき上つたものが、さらに現在実施せられておる等級表と著しく異なりまして、ある種の産業に非常な打撃を与える場合には調整をすべきである、こういうことでございます。 以上のような考え方によつて等級の査定が進んで参つたのでありますが、等級審議会でこの原則をきめていただきまして、個々のこまかい物資について審議会で一切を審議することもなかなか困難な問題でもございますので、さらに通産省、農林省の方々にこれをとりまとめていただくということで、通産物資は通産省の企業局、農林物資は農林省の官房の方においておまとめを願つて、事務を進めて参りました。そのことについては今水産庁からの御説明の通りでございまして、問題がいろいろありましたが、最近に至りまして、農林物資についても、一切のこまかい品物に至るまで話合いがついたというふうに、私どもとしては考えておるのでございます。 そたから、鮮魚関係についてちよつと申し上げたいと思いますが、鮮魚は戦争前には別に特に安い運賃を適用されてはおらなかつたのであります。 〔松田委員長代理退席、田口委員長代理着席〕 戦争前には原価を一〇〇といたしまして一一三という高い指数の運賃をかけられておつたのでございますが、その反面塩干魚などが原価を割つた運賃で運送いたしておりましたのは、当時の考え方といたしましては、鮮魚より塩干魚のようなものが、農村等消費力の薄いところに普及されておるというような判断を多分加えたのではないかと思つております。そういうことで歴史的には鮮魚には相当に高い運賃をいただいておつたのであります。それがだんだんと安い等級の方に下つて参りまして、二十五年の四月北等級の一部修正をいたしました際に、従来の等級で六級でありましたのを、五、六、七と三種にわけたのでございます。五級が高級魚、六級は中級、下級の大衆魚が七級ということになりました。二十五年四月に六級から七級に下りましたので、運賃の指数から申しますと九五から八五に下つたのであります。今回の改正にあたりましては、今後の改正が、先ほど申し上げましたように、少くとも直接費はカバーするという原則に立つておりましたので、野菜とか米麦というようなものの運賃が、最低のクラスには入つておりますけれども、運賃の額といたしましては約一割方上るかつこうになつておるのであります。鮮魚につきましては、国鉄といたしましては特別等級の二十一級、おととし八五という指数に下りましたが、二十一というのは今回の新等級の二十一級の八五でございます。鮮魚、冷凍魚の大衆魚は、等級表上は指数は増減なしというところに持つて行くように、われわれといたしましては案を進めて参つたのでありますが、水産庁その他の御要望が非常に強かつたので、われわれやむを得ず二十二の等級に入れるように案を修正いたしたのでございます。と申しますのは、今度の貨物の等級改正が、負担力ということにまず第一の基準を置いておりますが、われわれは、負担力は価格によつて計算する以外に方法がございませんので、価格によつて負担力を測定いたしておるのであります。そういたしますと魚類は野菜類の値段の四倍見当ではないかと思いますので、野菜の方はトン当り五千円程度、鮮魚の方は、二万円程度というように考えております。これは一応発地価格によつておりますが、負担力が価格ということを考えれば違うということであります。 それから鮮魚につきましては特別の輸送をやつておりまして、これは原価が非常に高くかかるのであります。他のあらゆる貨物をかきわけまして、最も早く、しかもきまつた時間に市場に入れるという作業をやつておりますが、これは実は客易なことではございません。原価がよけいかかるという点、あるいは一昨年一〇%運賃の低減をいたしたというようなことで、今回は二十一級にすえ置きをしたがつたのでありますが、そういうような熾烈な御要望がありましたので、二十二級に編入をいたしました。それで事務的には解決をいたしたように考えております。ただいまのお話は鮮魚、冷凍魚の下級魚だけの問題でございます。魚介類といたしましては、等級上いろいろな品目が数多く出ておりますが、その他の品目の方は、等級表上おおむね値下りになる方が多いのでございます。なお詳細な説明は省略させていただきます。
○田口委員長代理 甲斐中君。
○甲斐中委員 国鉄当局の御説明によりまして、独立採算制という国鉄の性質から、性格をこわさないためにいろいろと御苦心をなさつておる点につきましては感謝いたしまするが、民主主義の根本精神からいつて、この等級のきめ方ははなはだおもしろくないと私は思うのであります。その理由は、日本の国民をずつと見渡してみまして、魚の全然食べられない人たちが相当多いのです。山間部などには、魚を食べられないでへびやかわずなどを食べておるところが相当たくさんございます。そういう人たちにいくら少くても魚を食べさせなくてはほんとうの民主政治ではない。政治の恵みをあまねく国民に均霑させるというところに民主政治の精神があるのでありまするから、そういう意味から申しまして、日本人の食生活に最も欠除しておるところの動物蛋白を、全国民になるべく均霑させたい、こう私は考えるのであります。そのために過去における運賃の規定はどうあろうとも、とにかく魚類を穀物、野菜と同様に扱つていただきたい。たとえば海流とか何かの関係で大漁があります。いかがたくさんとれるとか、いわしがたくさんとれた場合に、運賃などの関係でそれを遠隔の地に運ぶことができないために、腐らかしてしまうことがたびたびあります。これは日本の食糧の上から見ましてもたいへんな損失であります。こういうことがしばしば起るのであります。これは運賃問題が非常に関係しております。要するに、生鮮魚類を穀物、野菜並みに扱うところの政治こそ、民主主義の精神に従つたいい政治である。そういう意味において、今おきめになつたことはどうありましようとも、将来生鮮魚類を米、麦、野菜と同様に取扱われるように、これは単なる価格の問題ではない、民主主義政治の精神上の問題である。そういう意味から、将来にわたつてその精神でやつていただきたいということを強く当局に要望いたします。これに対する国鉄当局のお考えを承りたいと思います。
○遠藤説明員 貨物の運賃がなるべく低廉であつて、国民が自由に運輸というものを利用できるということが望ましいのでありますが、国有鉄道も企業としての採算を確保しなければならぬということでありますので、先ほども御説明申し上げましたような、負担カというものを一応念頭に置きました等級をつくつたのであります。この特別等級に編入される貨物の問題がまた特に問題になるのでありますが、いろいろな業界から目分の方の御関係の貨物の公共性を非常に強く主張されるのであります。私どもごもつともであると思うのでありますが、鉄道で輸送されますような相当まとまりました貨物につきましては、公共的に有益でないというようなものは考えられないのであります。どんなものでも公共的に重要な貨物であると思うのでありまして、その間の比較、順序、配列ということにつきましては、これは非常にむずかしいことでもありますし、われわれまつたく独断ではなし得ない重要なことであると考えておるのであります。そんな関係から等級審議会等をつくりまして、農林、通産というような官庁の方の御判断もお願いいたしまして、今回こういうようになつて参つたのであります。と同時に、すべての貨物をなるべくよけい最低の等級に入れるということも、なし得ないわけではありませんが、そういたしますと、独立採算ということから、そういう最低の等級に入れる貨物が多いと、全体の運賃の水準を上げなければならぬということにもなりまして、結局物資の重要性の問題と企業の経営の問題とからみ合いまして、なかなかめんどうな問題があるのであります。今回は先ほど御説明申し上げましたように、鮮魚は一応二十二級ということで決定をいたしたいというふうに考えておりますが、生鮮食糧品の重要性につきましては、国有鉄道としましても将来もつとよく勉強いたしまして、十分に研究をいたしたいと考えます。
○甲斐中委員 次に国鉄当局にお伺いいたしたいのは、米国のように貨車を運輸会社もしくは生産業者が持つておつて、必要なときに貨車に積んで運ぶというようにいたしますと非常に便利なのですが、そういう制度を日本でも採用できないかどうか。また鮮魚や野菜のごときは、駅間のレール積みのごとき方法をとることができないかどうか。これらに関しまして御説明をお願いすると同時に、参考書類を御提出願いたいと思います。
○遠藤説明員 御質問の第一の私有貨車の問題でありますが、これはわが国においても実施をいたしております。国鉄が私有貨車を実施しております範囲は、ワムとかトムとかの一般の貨車につきましては、原則としてこれを承認いたしておりません。と申しますのは、それらを承認することによりまして、輸送の効率が悪くなりますので、承認をいたしておらないのであります。特殊車とわれわれは申しておりますが、そういうものにつきましては、御要求によつて、——もちろんその都度審査をいたすのでありますが、原則的には認めておるのであります。現在どういうものがあるかと申しますと、タンク車が一番多いのであります。揮発油であるとか、そういうような類を運ぶタンク車、すなわち貨車の一部が容器となつておるようなものにつきましては、これを認めております。また冷蔵車につきましても、もし御希望があればできないものでないと思うのでありますが、現在まで公式にやつてもらいたいというような御希望が業界にございませんでしたから、実施をいたしておらないのでございます。 御質問の第二の、駅間の積卸の問題でありますが、これは国鉄としましては、運転上の関係からほとんどの場合に御承認ができないのであります。現在鮮魚等につきまして中間積卸を認めておる例は全国にないと思います。ごく一部木材について、山間の非常に閑散な線区でありますとか、そういうところに汽車を一時とめまして、駅でも何でもない所で荷物を積むことを、全国でごくわずか認めておるのはございますが、原則として、そういうことは運転上の関係から認められないことになつております。
○甲斐中委員 さつきの質問に落しましたのでつけ加えますが、米国、英国、フランスのような諸国では、生鮮食糧物資の運賃と他の物資の運賃とは、どのような比率になつておるかということがわかれば、ひとつお教えを願いたい。
○遠藤説明員 資料で後刻お知らせいたします。
○山中委員 この機会に鉄道当局に……。青函連絡の運賃は、実際のキロ数の約四倍くらいの高いキロに測定をしておるのでありますが、どうしてそういう関係になつておるのか、まずその根拠をお伺いしたいと思います。
○遠藤説明員 青函の実キロは百十五キロでございますが、四百五十キロという営業キロ程になつておりまして、約四倍でございます。これは戦前は船舶の別建ての運賃をちようだいいたしておつたのでございます。船舶は船舶の運賃をいただく。それから汽車の方は、北海道内と本州の方とを通算いたしまして汽車のキロでいただく。そして汽車の運賃と船の運賃をつき合せましていただいておつたのでありますが、それも手数がかかりますので、昭和十五年ごろでありましたか、全部を鉄道キロ程に換算をいたしまして、ちようだいいたすことになりました。つまり現在は、四百五十キロと申しますのは鉄道の運賃、船の運賃を通算いたしまして、船の運賃をキロとして鉄道のキロに換算していただいておるのでございます。こういう例はほかの航路におきましても、また関門隧道におきましてもやつておるのであります。 それでは四百五十キロの運賃が実情に合うかどうかという点でございますが、これは鉄道部内の問題でありましてあまり御関心がないかもしれませんが、われわれといたしましては、一応船舶は船舶の収入(支出を計算いたしてお吊ります。しかしこれは計算をするだけでありまして、必ずしもペイしなければならないかどうかということは別問題でありますが、計算によりますと、今いただいておる程度の実費がかかつておるのでございます。というのは、四百五十キロといいます運賃が非常に高いように聞えるのでありますけれども、あの区間を渡りますところの貨物の平均輸送キロは千六、七百キロという長いキロでございますので、四百五十キロというキロ程の実額は、——四百五十キロといいますと、たとえば東海道線で申しますと東京から相当遠くまで参ります。その場合にお支払いになる運賃と、さきの二千キロなら二千キロの運賃をいただくその中の四百五十キロというものとは、実額はよほど違つておるということでございます。なおもう一つ、船舶経費の問題のほかに、やはり船舶運賃との関係も一応は考えておるのであります。これはぴたつと合せようということではございません。もちろん鉄道の方が現在も安くなつております。将来も、船より以上に高くするということは考えておりませんが、今船は船なりで一応の均衡が保たれておる。これを急激に下げますと海陸の均衡が破れまして、鉄道の収入が減るということのほかに荷物が鉄道に押し寄せて参りまして、現在ですら、鉄道の最高能力を発揮いたしましても北海道の滞貨がはけ切れないのであります。この運賃をさらに下げますと、その傾向がますますひどくなりまして、それを実施いたしますには船をあと何ばいつくるとか、あるいは線路を増強しないことには、輸送不能に対する避難がますますきつくなるのではないかということも考え合せまして、四百五十キロという程度にいたした次第でございます。
○山中委員 そうしますと、結局実キロを営業キロに換算する場合に、その目的はつまり船舶輸送の経費あるいは船の建造費、そういつたものがすべて営業キロ数に換算されるときの根拠になつておるということになるわけですか。
○遠藤説明員 一つの根拠にはなると思いますが、将来ともそれだけで行くということではないと思います。
○山中委員 実はこの問題はきわめて重大な問題でありまして、鉄道当局はよく独立採算制ということに重点を置き過ぎて、地方の産業発達ということに対しては、きわめて関心が薄いのではないかというような感じを持つのであります。ことに北海道のようなああいう地理的に遠く離れている所におりますと、陸上の運賃だけでも相当の運賃がかかる。従つて生産物の価格等にも非常な影響を及ぼすのであります。しかもこのわずか百十五キロの実キロを四倍の四百五十キロに算定される結果として、北海道あるいは内地の産物の移出入の関係に非常に重大な影響を及ぼして、北海道の産業の発達にも支障を来すようなことが歴然と現われておるのでありますが、この点について当局は、これをさらに下げて、北海道の産業の発達並びに内地、北海道の産物の交流にもつと寄与するという考え方はないかどうかということを、お尋ねしたいと思います。
○遠藤説明員 先ほど申し上げましたように、四百五十キロを今回は修正する用意がないのでございますが、北海道の貨物につきまして運賃の実額が軽減されますように、割引の措置によりまして——北海道の全物資ではございませんが、特産物資につきましてはおおむね割引の措置を講じたいと考えております。
○川村(善)委員 ただいま海峡運賃のことや、鉄道の輸送になるもののうち、鮮魚その他のものは公共性を持つておるのであるというような、いろいろな立場から今質問されておりますけれども、課長の答弁はどうしても私はふに落ちません。と申し上げるのは、先ほどいろいろと運賃の査定についての苦労談の一席は承りまして、苦労されたことは大体了承することができますけれども、その運賃の査定は物の価格に準じておるというようなことを言われておりますが、物の相場、いわゆる価格というものはその時によつて非常な変化がございます。一例を申し上げますと鮮魚のごときは、わずかな時期には相当高価に販売されましても、大漁になりますと、先ほど甲斐中君が言われたように、運賃さえとれないということで、輸送ができない場合もあるのであります。従いまして運賃の査定については、私に言わしめるならば、必ずしも物の価格に応じてやるべきでない。いわゆる物の重要度、すなわち公益性を持つておるかどうかということも十分加味して運賃の査定をすべきだ、かように私は考えるのであります。その意味からいいますと、甲斐中君が申し上げたように、水産物が食糧であり、国民の栄養を保持するにはどうしても必要なものとしておりますならば、やはり穀類あるいは野菜類に準じて運賃の査定をすべきであるというふうに私は原則的に考えるのであります。すなわちものの価格にばかりよりますと、多いときには非常に下り、少いときには価格が上るということになりますと、運賃を月々に、あるいはその日のうちに動かさなければならぬという矛盾もできるのではないかと思います。従いまして公共性を持つているというこの一事をもつて、やはり鮮魚はなくてはならないもの、あるいは魚全体が蛋白質給源として日本の国民になければならないものだという観点において、最も安い運賃をもつて査定すべきであると私は考えます。山中君の質問に対しても下げる意思なし、北海道については貨物全体の運賃を下げる考えである。もし海峡運賃を下げると他にも及ぼすし、さらに鉄道の独立採算制にも及ぼす、かようなことを言つております。そこで課長にこういうことを聞くことはどうかと思いますけれども、トンネルがたくさんある所はこれが運賃を高くしておるか、トンネルがたくさんあるならば鉄道を敷設するために必ず多くかかるはだずだから、それを高くしているかどうか、それから海峡にも長い海峡も短かい海峡もあるでありましよう。その経費等もまたおのずから違うでありましよう、それらをかえて考えておるかどうか、かりにかえてとつているといたしましても、私らが考えますと矛盾もはなはなだしいものであるといわざるを得ない。鉄道は申し上げるまでもなく公共敷設でありまして、なくてはならない。従つて独立採算制であるとはいいながら、国が重点的にその敷設をし、保護をして行かなければならぬという考え方でありますので、日本の国のためには鉄道というものはなくてはならないものとして、すなわち公共物の一位に入れているというような点からいたしましても、公共的な立場において——そこが敷設が大きかつたからどうとか、海峡があるは、船で輸送するから経費がよけいかかるから高くしなければならないというようなことでなく、鉄道であるならば、実キロ数にこれを按分して運賃を査定すべきであると原則に立つて考えます。皆さんの中にはストライキを起しておる者がある。ベースが安いのでしよう。このベースはしからば東京と北海道は違つておるかというと同じだ。北海道は高いものを食つておる、あるいは高いものを着ておる。それにもかかわらずベースは同じだ。石炭をよけいたく、衣類もよけいかかる。いろいろなそうした不便、あるいは海峡の運賃等が高い、あるいは遠距離の運賃が高いということから、高いものをあがなつて生活をしなければならぬ。一部はあるいは特別手当等で違うかもしれませんけれども、ほとんど同じである。こうしたようなあなた方自体の矛盾がある。これを是正しなければならないということをわれわれはかねがね主張して来ておりますし、運賃のごときものは、国民生活に直接に関係のある公共的のものでありますから、海峡運賃といい、あるいはトンネルがわずかの区間に数本あるからといつて、運賃を高くすべきでない。また輸送上特に施設を多くしたから、あるいは施設に対して経費がよけいかかつたからといつて、運賃を高くすべきでないという考えを持つておるのでありますが、どこまでも海峡運賃を改訂する意思がないかどうか。これは課長の言葉では、ここで責任を負うてお話はできますまいけれども、かつてわれわれは局長等に会いました際には、また運輸委員会に傍聴していた際にも、非公式ではありますけれども、海峡運賃を下げなければならぬ、また議員諸公も、どうしてもあの海峡運賃を実キロ数に近いものに改訂をしなければならぬ、すなわち国会とさらに相談をして、鉄道当局で改訂をしたいという意見を漏らしておるのでありますが、課長の先ほどからの答弁を聞きますと、海峡運賃のキロ数を改訂する意思が何らないということでありますが、もう一度はつきり課長が言つていることと、上の人の言つていることとはいささか違つておりますので、この点をまず御答弁願いたいのであります。
○遠藤説明員 第一に鉄道は地形によりましてコストが違うわけでありますが、そういうものについて運賃をかえないではないかというお尋ねであります。これはその通りでございます。線区によりましてコストが違いましても、同じ計算方法による運賃をいただくのが国鉄の公共性であると考えて実施をいたしております。ただ船舶区間だけ従来から考えをかえておるのであります。しかしながらそれも先ほどお答え申し上げましたように、絶対にそれだけでコストを引合うようにすべきであるというふうには考えておりませんが、実質的に船舶はなるべく船舶区間でコストが引合うということも一つの目安として制度をつくつて参りました。こういうことでございます。 それから先ほど四百五十キロを修正する考えがないということを申し上げましたのはこういう意味であります。今回の値上げにおきましては、船舶の運賃計算のベースの四百五十キロはそのままにしておきまして、そして北海道でお困りの、必然的に遠距離輸送しなければならぬというような特産物資につきましては、運賃の割引をいたしまして、御要望の一部に沿いたいということでございますが、これが将来の問題、四百五十キロを修正するかしないか、あるいはすれば幾らにするかという問題は、絶対にやらないということではないのでございます。前国会からの国鉄の幹部が御説明申し上げておりますように、これは善処をするということを私どもも命を受けまして考えておるのでございます。将来適当な機会に修正されるものと思います。
○川村(善)委員 ただいま貨物課長のおつしやられることは大体わかりました。運賃の今度の査定については、海峡運賃のいわゆる実キロ数、あるいはその倍数を考えてやつたのではなくて、運賃というものは大体鉄道の採算制に乗れるように、あるいは貨物の特異性に応じてそれぞれ等級を改訂した、こういう意味に私は解釈するのでありますが、おそらくその通りの御答弁と思います。もし違いましたならば答弁をさらに言つていただきたいと思います。 そこで私たちから言わしめれば、北海道はいまさらあらためて申し上げるまでもなく、資源は日本再建の基盤をなしておるものであり、特に水産物につきましては全日本の四割を占めておる。これはいずれも内地方面の消費に向つて輸送しなければならぬ。その他林産にしろ、地下資源にしろ、農産資源にしろ、あらゆるものが北海道からあの海峡を通つて内地の方に来る。きわめて重要な海路でございます。結局国民全体から考えて、こちらへ渡るのには四倍もの高い運賃をとられるから、高いものを内地の方々に供給しなければならない。北海道に荷物を送る時分には、北海道の人がいずれも運賃高によつて高くあがなわなければな亡ぬ。これは双方の損失であります。毎道は先ほども申し上げましたように、公共性において敷設されておるもの柄ある以上は、そうした国民の損失にたるようなことは、でき得るだけ是正ふしなければならぬと私は考えておるのであります。この意味からいたしまして、運輸省ではごく近い機会において改訂する意思だということを私はひ子かに聞いております。また直接にも私は局長に会つて、そういう意思であるが、さてそのキロ数をどう査定するかまだきまつておらぬけれども、できるだけ御期待に沿うように努力したいという意味の話をされておるのであります。こうしたようなことから考えて、すみやかに海峡運賃のキロ数を変更して、あの区洲の運賃の査定をすべきである、かように私は申し上げておる次第であります。かつて昭和十四、五年ごろだと思いますが、現在の長崎総裁があの係をしておつた時代に、たしか海峡運賃は実キロ数の倍額であつたように記憶があるのでございますが、いずれその資料を私求めまして、あなた方の方に提出して、ぜひとも海峡運賃だけは、大体実キロ数の倍額ぐらいにしたいという希望をものておりますので、特に課長から、上司に向つてその意見を具申せられんことを希望する次第であります。 次に長距離の運賃でありますが、今までも割引のありましたことは申し上げるまでもありません。今度の改訂で、大体どんな段階で長距離運賃の割引をするかということが一つ、そのほかに鮮魚も大体三種にわけておりまするし、冷凍魚も三種にわけております。それから塩干魚は大体二種にわけておるのでありますが、この内容を大体でよろしゆうございますから御説明を願つて、それからさらに細部の問題について逐次お伺いしたいと思います。
○遠藤説明員 具体的の運賃を先ほど御説明しましたように、ある程度割引の措置を講じたいということを考えておりまして、一応事務的につくりました案はございますが、北海道の道庁等の方の御意見なども承る必要があると思いまして、そういう方面にただいま御相談をいたしておるような状態でありますので、何が幾らという、確定的なことをまで申し上げる段階ではないように思うのであります。鮮魚、冷凍魚の方は、しかしながら今回は等級が改正されまして、二十二級になりますし、従来五百キロ以上は五分割引をいたしておりますので、あれを継続する程度ではどうか、塩干魚の方はそれ以上の割引をしたらどうか、一応私どもの案はさようなところでございますが、まだ決定をしておらない次第であります。
○川村(善)委員 まだ長距離運賃についても北海道庁あたりの御意見も聞いて割引をしたい意向であるということでありますが、いずれにいたしましても、現在も割引があり、さらに海峡運賃等の問題もからんで、どうしてもわれわれは長距離運賃の割引をしてもらうことを要請いたしますし、さらにわれわれといたしましても運輸当局とよく協議いたしまして、実質的に合うようにしたいと考えております。まだ細部の案ができていないということであるから、これ以上ご質問をいたしません。 ただ最後に一言質問いたしたいことは、塩干魚は今度の等級によりますと、上級四級で、下級二十一級と極端になつておりますが、この極端な開きというものはどういう出口にされているのか、この点をあらかじめわかりましたら、ひとつお願いしたいと思います。
○遠藤説明員 上級、下級の区別は鮮魚、冷凍魚の区別をそのまま塩干魚の方にも適用したらいかがかと思つております。
○川村(善)委員 ただ表を見ただけではわれわれもわかりませんし、おそらく貨物課長もおわかりにならないでしようけれども、要はこの水産食料品の全体をわれわれが検討いたしてみますと、もちろん上下の差があることははつきりしておりますが、さて四級になるものが何であるか、あるいは二十一級になるものが何であるか、その中間にある十級なり、八級なりになるものが何であるかということを示してもらわなければ、われわれとして運賃が適正であるかどうかということも判断がつきません。かりに先ほど課長が言われるように、運賃の査定は物の価格を大体基準にしたといいましても、いろいろ水産物の価格も今日かわつているものがございます。一つの例をとりましても、魚卵が一つの種類になつておりますが、かつては四種類四級で、今度は三級になつております。魚卵にもずいぶん種類がございまして、いわゆるからすみというぼらの子は小さなものが何十円も上ます。それからさけの卵とますの卵とは、これも差がございます。いわんやたらこはまたかわります。それを一律に今度三級に上げたというようなことは、理論的にも実質的にも合いません。それからこんぶでございますが、日本一の味のよい高いこんぶもありますし、また根室、釧路方面の、かつては支那人、朝鮮人しか食わなかつたあのこんぶも、こんぶのうちに入つております。その価格たるや片一方を一とするならば百倍もしておりまして、価格だけで見ますと相当差がございます。こういうような海産物の千差万別の種類と同時に価格がおのおの違つているものを一律に当てはめるということは、矛盾があることは申すまでもありません。従つて今度の本委員会において、もう一回品目別の運賃の表を示してここで議論しなければ、ただわれわれが高いとか安いとかいうことについて議論いたしましても、議論倒れになつてしまつて、貴重な時間を費すだけでありますので、事務当局といたしましても、また運輸当局にいたしましても、われわれによくわかるような表を提出して、水産委員会で特に水産物の運賃について論議しなければ、この表ではさつぱり私にはわかりません。あしたでもあさつてでもよろしゆうございますが、ごく近い委員会に運輸省でその表を出せるかどうか、あるいは事務当局でこの資料をそろえることができるかどうか、それを承つてから私は質問をいたしたいと思います。
○田口委員長代理 ちよつと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○田口委員長代理 速記を始めてください。 お諮りいたします。本問題につきましては、大綱問題はこの程度にいたしまして、細目にわたつて政府から詳細なる資料を提供願つた上、この次の水産委員会において審議したいと思いますが、いかがでございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田口委員長代理 それではさよう決定いたしました。 それでは本日はこれをもつて散会いたします。 午後零時三十分散会