水産委員会 第9号
- 発言数
- 51 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1952/12/16
会議録
○福永委員長 これより会議を開きます。 この際小委員及び小委員長の補欠選任についてお諮りいたします。去る十三日赤路友藏君が委員を辞任され、昨十五日同君が再び委員に選任されました。その結果赤路君が担当しておりました水産金融に関する小委員長及び漁業制度に関する小委員がそれぞれ欠員となつておりますので、この際その補欠選任をいたしたいと存じます。これは選挙の手続を省略して委員長において従前通り赤路君をその補欠に指名するに御異議ありませか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福永委員長 御異議なしと認めます。よつてそのように決します。 —————————————
○福永委員長 ただいまより内閣提出中小漁業融資保証法案を議題として審査に入ります。まず政府より提案理由の説明を求めます。松浦農林政務次官。
○松浦政府委員 中小漁業融資保証法案の提案理由を御説明いたします。 国民食糧のうち蛋白質給源として漁業がわが国産業中重要な地位を占めていることは、いまさら申し上げるまでもございません。この漁業のうち水揚高において六割ないし七割を占め、漁業経営体中九割以上を占めている中小漁業については、漁業の豊凶が天然現象に左右されがちであることと、その経営の零細性のために従来からその金融難が叫ばれて参りましたことは、各位の十分御承知の通りでございます。 そこで、この中小漁業の金融難を打開するためには、まず漁業者みずからの信用力を高める必要があります。このために、漁業者の漁業権証券または現金による出資、地方公共団体の出資を基金として、原則として各都道府県を区域とする漁業信用基金協会を設立し、この協会が中小漁業に対する金融機関の融資を保証し、かつ、国が協会の事業を支援する意味でその保証につき保険を行うこととして、もつて中小漁業への融資を円滑にし、その振興をはかろうとするのであります。 以下法案の主要な点について御説明申し上げますと 第一に漁業信用基金協会は、法人とし、原則として都道府県ごとに設立するものとします。 第二には協会の会員たる資格を有するものは、漁業協同組合、漁業生産組合、漁業協同組合連合会及び一年を通じて九十日以上漁業を営む個人、漁業を営む法人であつて一定規模以下のもの及び地方公共団体であります。 第三に協会は、会員たる中小漁業者の漁業経営に必要な資金及び会員たる漁業協同組合等の事業に必要な資金の借入による金融機関に対する債務を保証します。 第四に協会は、税法上民法上の公益法人と同様に、法人税法、所得税法等について免除されることになつております。 第五に政府の行う保険事業については、別に提案しております中小漁業融資保証保険特別会計法による特別会計を設けて行うことにしております。 以上、本法案の提案理由について簡単に御説明いたしました。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願いいたします。
○福永委員長 ただいまより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。赤路友藏君。
○赤路委員 ただいま提案理由の説明を承つたのでありますが、以前から小委員会におきましてもるる御説明願いまして、大体了承をしておるのでございますが、なお二、三不安な点が残つておりますので、その点について御質問を申し上げたいと思うのであります。できるならば大蔵当局の方にお聞きしたいのでありますが、大蔵省の方が御出席がございませんので、水産当局の方へ二、三点お尋ね申し上げたいと思います。 この法文面から参りますと、地方公共団体が出資金総額の三分の一を出資することになつていますが、水産庁の方ではこの面について十分な自信をお持ちになつておるのであるかどうか、この点を一点お聞きしたいと思います。 次にこの法案によつて設立される金庫が、将来健全な経営下に置かれで継続されることを私たちは望むのであります。これが中間からこわれるようなことがあればたいへんであるので、これらに対し経営を継続し得るような十分な条件が成り立たなければならぬのではないか、かように考えます。かつて漁業手形が発行されたのでありますが、この漁業手形、いろいろ理由もあつたと思うのでありますが、結果論的にこれを見ますと失敗しておるのじやないか、こういうふうに思われるのであります。その最大の原因は、資金回収というものが非常に不円滑であつたということである。そこで再び本基金を設立いたしました場合、これら漁業手形の轍を踏むようなことがあつてはならぬと思いますので、返還方法については当局ではどういう構想を持つておられるのか、これが質問の第二点。 次は、最近の業界の状態を見ますと、地方におけるところの大きな業者の人たちも、金融面においては相当困却をしておるというような状態ではないかと思います。従つてこの基金の貸出し保証と申しますか、こういうようなものがでぎ上ることによつて、これらの人たちがこの貸出の面にもぐり込んで来るというような懸念が持たれるのでありますが、そうなつて参りますと、この法案の本旨というものが生かされないというようなことも考えられますので、貸出しにつきましては、こういう点については相当な厳格性を持たなければならぬのではないかと思うのでありますが、この貸出しの方法についてどういうような御構想をお持ちになつておるか。 以上三点について当局の御答弁をお願いしたいと思います。
○鹽見政府委員 ただいまの地方公共団体の出資の問題でありますが、これは現在地方公共団体の方の財政事情も相当苦しいので、協会に対して一挙に多額の出資をするということは、かなり無理があろうと思います。それで昭和二十九年六月末日までに漁業者が出した出資額の半分だけを達成する、こういうような取扱いの方針になつております。昭和二十九年六月末日としました理由は、本年度の地方公共団体における補正予算と、来年度一ぱいの予算、それから再来年度の当初予算というふうに三箇年度にわたれば大体何とか行くのではないか、こう考えまして、昭和二十九年の六月末日までに漁民の出したものの半分は出す、こういうふうな話合いに大蔵省とはなつておるわけでございます。 それでそれに対する起債ということが問題でございますが、これは私の方からも地方自治庁及び大蔵省の理財局の方に交渉はしております。自治庁の方は、起債計画の中に認めるというふうな意見を持つておりますし、大蔵省の方はその事業に伴うようなものに起債を限りたい、こういうような考え方を持つておりまして、まだ両者の意見がまとまつておらないような状態にあるわけでございます。 それから第二点、第三点については協同組合課長からお答え申し上げます。
○濱田説明員 第二点の回収の方法でありますが、これはまつたく重要な点でありまして、回収がうまく行かないということは、基金が非常に危険になる、危険になれば永続性が疑問になる、永続性が疑問になれば金融機関もあまり信用しないというようなことになりますので、これは非常に重要な点だと考えております。それでその点につきまして、まず考え方といたしまして、われわれの計募ももとは募金の五倍の融資、こういうことにいろいろの統計の資料からはじき出して考えておるのでありますが、しかしそれは統計に現われた数字だけで、はたしてそういうふうに行くかどうかという点が、具体的な運用の場合問題になつて来るわけであります。そこで保証倍率の点で、まず第一は漸進的にやつて行こうということであります。開店早々はなばなしく五倍までやつて、どんどん焦げついたということでは困りますので、その倍率は漸進的に始めて行きたい。この点は漁連の会長、信連の会長の会議がありましたときも、その点を特に彼ら自身が強調しておるのでありまして、一挙に五倍というところまで行かないで、二倍あるいは三倍をやりながら、その体験を通じて逐次拡大して行きたい、こういうやり方がまず問題にならなくてはならぬと考えておるのであります。 次は、出資をした人に対して機械的に何倍というやり方をしない、漁業手形で失敗した点はその点でありまして、出資をした者に対しては、その人の信用力、あるいは事業を別にして一律に四倍にしたために、返る人は返る、返らぬ人は返らぬ、こういうことになつて来ますので、その人の基本だけでなくして、おのずからその人の信用力ということも勘案しながら一律主義を排除して行きたい。そういう意味におきましてわれわれといたしましては地方公共団体の出資も期待したわけであります。地方公共団体の出資による発言権並びに会員相互間による相互牽制といいますか、そういうことによつて一律主義を排して、具体的の信用力というものを付加しながら考えて行く、こういうことをやり方の根本態度として持つております。つまりこれは全体として保証倍率漸進主義、体験を通じて逐次やつて行こうという漸進主義、それから出資に対して一律に倍率を適用するというのではなくて、信用度を勘案しながら体験を通じてぼつぼつやつて行くというのがやり方の基本であります。そういうことを前提にしましていろいろ手がこれにくわわつて来るわけであります。抵当をとるにしましても、金融機関がやつておられるように、とことんまでとることになれば、結局金融機関にまかせればいいので、金融機関が保証してやるということは意味がなくなつてしまうので、とことんまでやるというのではなくして、今の原則を頭に入れながらいろいろの手を考える。たとえば水揚高から出荷機関が一定の割合を天引して落して、それを金融機関にまわして行くとか、あるいは組合に貸して組合が転貸した場合、組合の理事者の保証をとるとか、それから、たとえば漁網を買うといつて貸した金が変なところへ使われてしまつたということでは、回収が困難になりますので、指図禁止の記名式小切手を使つて造船の場合は造船所に金が入る。途中で下手に目的以外のところに金がまわらない、目的のところに金がまわる、こういう形を考えるとか、あるいは船の場合あるいは船と一体になる漁網の場合も、漁船保険に加入することを前提条件にして、場合によればその保険金の受取りの委任状をもらつておくとか、それからまた家屋の場合は、火災保険に加入してもらうことを前提にするとか、こういういろいろのこまかいテクニツクは、その人々によつてやり方は違う。抵当物件がなければ絶対に金を貸さぬ、保証せぬということでは金融機関と同じなんですから、その人々の状況に応じて、漁船保険に加入してもらうとか、あるいは水揚高の天引制とか、あるいは指図禁止の小切手でひもつきの融資をするとかというテクニツクを使つて、現実に合うようにしたいと考えております。原則としましては、先ほど言いましたように、倍率の一律主義、それから基金全体の倍率の漸進主義、こういうことで用心をしながら、体験を通じて基金を運用して行きたい、かように考えておるわけであります。 第三点はよく理解がしにくかつたのですが、こういうことで間違いないでしようか。たとえば旧債のこげつきになつておるもの、これを振りかえて基金の方に背負わせてしまうという点、それから通常の融資で行けるにもかかわらず、保証でないと金を貸さぬということによつて通常融資が保証融資にもぐり込んで来る、こういう点の御心配ではないかと想像するわけでありますが、その点も非常に重要な点でありまして、今まで融資したものに対するこげつきをこれに振りかえてやる、言いかえれば基金並びに政府にしわを持つて来る、こういう形が考えられます。法律でこれを縛つて行くという点は、いろいろ考えましたが、手はありませんので、これは基金の運用のところでどうやるかということです。基金の運用のところで、Aという人が金を借りに来た場合、その人はどこからどういう金を借りておるかを申請書みたいなもので調べる。その借りた金についてそれぞれどういう返還計画を持つておるのかということを調べる。それから今度は基金が融資したものについて、これの返還計画はどういうふうに持つておるのか、その人の返済計画全体について、新しい資金が行くところはどういう事業計画でやられるのかということを、基金が保証する前に調べて行くことによつて、旧債にこれが振りかえられないという手を講じたい。それから基金が保証融資したあとでも、その保証融資する条件としてひもつき融資ということが考えられます。実は旧債の振りかえということで、漁網を買うというりくつを立てて漁網の融資を受けて旧債に振りかえたということがあつてはいかぬ。この際には確かに漁網に金が行く指図禁止記名小切手という形で、今言いました回収の条件ともからみ合つて来ますが、そういう形で旧債の振りかえを防止して行きたいと考えております。 それから次の点は、しからば通常の融資がもぐり込んで来るじやないか、こういう点であります。通常の融資がもぐり込んで来れば、これは何のためにこしらえたかわからなくなり、金融機関の救済だけになつて来るので、われわれの考え方としては、通常の融資は従来通り金融機関にごひいきに願う。そうしてプラスされる絶対額の増加という考え方を持つておるわけであります。従つて通常融資がもぐり込むということは非常に重要な点であります。これも法律で書けるかどうかずいぶん苦心した点でありますが、一律一体にこれを書くことは非常に困難であります。そこでやり方としましては、まず資金の用途を考え、用途を押える。まず水産金融について一番重要な点で融資に乗りにくい点は、これから漁に出て行く油なり漁網なり、こういう着業資金です。これは漁があるのかないのかわからぬから、金融機関としてはなかなか融資がしにくいものなのです。ところが販売資金と申しますか、できたものを売る資金、これはものがあるのですから、そのものが見返りになるという期待、可能性があるわけです。ですから私どもの考え方としましては、まずそういう最も融資に乗りにくい資金に用途を限定して行きたい。そうして逐次なれて来れば用途をだんだんふやして行きますが、まず店開きとしましては、そういうところへ用途を限定して行きたいという考え方が一つと、それからまた漁船の融資につきましても、あるいは網の融資につきましても、あるAさんならAさんが、百円の油を買うので百円保証してくれということでは困る。これの幾分かは金融機関が自分の危険で見てもらいたい。たとえば漁船の融資ならば四割までは金融機関が自分で見てもらいたい、あとの六割あるいは五割を保証して行く、こういうコンビで、この四割分がもぐり込まない、こういうように、つまり融資の保証の割合を物々、人々によつて限定して行く、こういうやり方で極力通常の融資が保証融資にもぐり込まぬ、こういうふうな運用の仕方を考えて行きたい、かように考えております。この点につきましては、実際に運用をされるであろうと思うところの漁連並びに信連の方々もまつたく同感で、そういうふうにわれわれも運用するということが実は決議にまでなつて来ておりますので、私どもとしましても意を強くしておるわけであります。
○赤路委員 ただいま御説明願いましたので大体了承いたしましたが、なおこの基金運用については、当局の十分な御注意と御監視をお願い申し上げておきたいと思います。 大蔵省の方が御出席になりましたので、ちよつとお聞きしたいと思います。実はただいま水産庁長官から御説明があつたのでございますが、本法案によります地方公共団体の出資問題であります。現在御存じの通り、地方公共団体は財政的に非常に困窮をしておりますので、現在構想されておるような出資総額の三分の一を出資せしめるということは、地方財政の面から困難ではないか。ただいまの御説明によりますと、二十八年の六月末日までに分割して出資してもいいのだというお話でありましたが、業者側の出資の半分ということになりますし、業界のこの基金に期待いたしますところは非常に大きいので、案外相当な出資が寄るのではないか。そうなつて参りますと、地方公共団体の方の負担が大きく膨脹して参りますので。これらに対しまして大蔵当局の方では、地方公共団体の苦しい財政状態をカバ—してやるというような方法をお考えになつていないかどうか。たとえばこの出資に対しては起債を認めるというような点、ただいま水産庁長官の御説明では、自治庁の方では起債を認めてもいいというようなお話であるが、大蔵省の方では、どうも起債は認めがたいというような御意向のように承つておるのでありますが少くともこの法案が及ぼしますところの業界への寄与という面は非常に大きいわけで、特に私どもの方といたしましても、ぜひこれは成立せしめて、業界発展の一助にしたい、こういうふうに考えておりますので、大蔵当局の方の忌憚のない御意見を、この点についてお伺いしたいと思います。
○河野(通)政府委員 お答え申し上げます。地方財政が非常にきゆうくつでありますために、こういつた業界への出資金を、たとえば起債等によつて資金運用部資金で引受けるといつたような形で調達することができないかどうかというお話のように承りました。この問題はかねがね部内におきましてもいろいろ検討いたしたのでありますが、地方財政全体が非常にきゆうくつである、しかも資金運用部において、この起債を引受ける財源と申しますか、資金源というものはおのずから限られて参つておりますので、その限られた中で、地方財政としての起債に対する需要額が非常に大きい中で、どういう部分の起債を引受けるのがいいかということになりますと、やはり事業に直接密着しておるものがどうしても優先的になつて来る。資金運用部の資金が十分に余裕があるほどありますれば、そういうこともまた考えられるのでありますけれども、どうしても優先順位からいいますと、直接の事業に関連いたしました起債が先になるというふうに考えられます。かたがた現在この制度に類似いたしております制度といたしまして、信用保証協会という制度が、これは漁業でございませんけれども、一般の中小企業についてできておるわけであります。これに対する出資をやはり府県、地方団体がいたしておるのでありますが、これらにつきましても、その出資金を起債によつて調達するということはやつておりません。かれこれ勘案いたしまして、現在のところでは、資金運用部の資金の状況から見ましても、この分の財源はできるだけ起債に仰がないで、地方公共団体自体で御調達願うのが好ましいのじやないかと考えております。
○赤路委員 ただいま御答弁願つたのですが、この点につきまして御再考を願う余地はないのかどうか……。なるほど大蔵当局の御意見はごもつともだと思いますが、今日の日本の漁業はほとんどジリ貧の状態にあるということでございまして、特に朝鮮水域等の問題、あるいは南方と申しますか、支那海等におきまする漁業の関係、沿岸におきます漁業の不振等々から考えまして、何とかしてここでてこ入れをやらなければならぬ、こういう状態にあると私は思うので、他の面をも十分御考慮になられることはごもつともだと思いますが、今日日本の漁業の置かれておる特異な情勢をお考え願つて、この点に対する御考慮をお願い申し上げたいと思いますが、いかがでしよう。
○河野(通)政府委員 現在まで私ども考えておりますところは先ほど申し上げた通りでありますが、十分御意見も承りまして考えてみたいと思つております。
○赤路委員 先ほどから申し上げますように、この法案は日本の漁業界に活を入れるという大乗的な、画期的な施策であると私は思つておりますので、法の本質を生かして行かなければならない。そう言うことは、業界が安定感を持つてこの基金を利用されるように考慮されなければならないのでありまして、従つて問題点は、できるだけ安い金利でこれを融通してやるということが結論になると思うのであります。その点について大蔵省のお考えをひとつお伺いしたいと思うのでありますが、運転資金の面につきましては、日銀の方が融資をしないということで、この長期資金に非常な難関があると思うわけなんです。従つて農林中金等でこの設備資金をまかなつて行くということになりますと、農林債によらなければならないのでありますが、現在の状態ではこの農林債の方の発行額と市中銀行の金繰りの状態というようなものが非常に条件が悪いと申しますか、従つて資金コストというものが非常に高くなるのではないか、その上にこの制度から来るところの保証料というようなものを考えて参りますと、業者側の方の漁民の金利負担というものは相当高くなると思うのであります。そこで現行で実施されておりますところの農林債の引受けでありますが、これは現在市中銀行で五〇%消化すると、あと資金運用部資金で五〇%引受けるというように、五〇%、五〇%の比率になつておるようでありますが、この比率は何とか緩和できないか、この点が一点。 もう一つは、資金運用部が引受けることについて市中銀行と同じような金利条件にあるようでございますが、これは資金運用部の性格から考えますと、本来の使命というものが停頓しておるような姿であるが、この点金利引下げの余地はないかどうか、これを第二点としてお伺いいたしたい。 第三点といたしましては、そういう線とともに、いろいろ調べてみますと、戦前ではこの農林債の引受けにつきましてはまるまる預金部運用金がこれを引受けておつたようでございますが、できれば私たちとしてはそういう形でこの線を打出していただきますならば、業界の者は非常に助かるし、そのことがまた漁業の発展性を推進することになると思うのでありますが、この三点について大蔵当局の方ではどういうふうにお考えになつておるか、お聞きしたいと思います。
○河野(通)政府委員 お答え申し上げます。御質問の第一点は、資金運用部による農林債券の引受ける割合を、現行よりもさらに緩和して大額に引受けるようにすべしという点ではないかと思います。この点につきましては現在検討はいたしておりますが、現在のところでは全額引受けるということにはなかなか参りかねる思います。割合はある程度緩和いたしたいという方向で検討はいたしております。ただ問題は、この割合を緩和するだけでは実は解決しない問題が一つあるわけであります。と申しますのは、資金運用部資金は、御承知のように数年前までは相当多額の過去のたまりと申しますか、そういうものを持つておつたわけでありますが、本年度におきましては、この補正予算案を含めて過去の蓄積分を相当大量に放出いたしまして、そういつた関係で、来年度におきましては、資金運用部資金自体の原資と申しますか、資金源が相当きゆうくつになつて参ると予想いたさなければならぬ。そういつた観点からいいますと、ただ割合を緩和いたしましても、金融債その他の方へ当てられる資金総量というものはおのずから制約をされて来るということになりますので、この問題を解決いたしません限りは、ただ引受け割合を緩和したところで、絶対額をたくさん引受けるということはなかなか困難だという事情もございます。ことに農林債券とあわせて、やはり資金運用部といたしましては中小企業に対する金融の源であります商工債券も引受けなければならない。また長期信用銀行のやつております金融の源としての金融債の引受けもいたさなければならない。これらのものをにらみ合せまして、どういうふうにウエ—トをつけて資金を配分するかということに問題は帰着するのであろうと思います。引受け割合はある程度緩和いたしたい方向で考えておりますけれども、資金量全体の関係からこれを緩和しただけで、にわかに非常に多量の農林債券を資金運用部で引受けるということができるかできないか。これは資金全体の問題から十分に検討しなければならぬ問題だと思います。 それから第二点は、農林債券の資金運用部において引受ける場合のレ—トと申しますか、金利は下げてはどうかということでありますが、漁業の現状から見まして、これらの金融の金利をできるだけ低くいたすことは望ましいとは考えております。ただこの問題は、先ほどもちよつと申し上げましたように、やはり中小企業等につきましての金利についてもできるだけ下げることが望ましいという議論もあります。一般的に金利はできるだけ下げることが望ましいのでありますが、資金運用部自体の収支は、現在では独立採算制と申しますか、それ自体で採算がとれるような運用をとつております。一方資金運用部の資金の源になつております郵便貯金等の利子は、御承知のように、相当高くなつて参つております。これらの利子の支払い等の関係をにらみ合せながら収支がとれるようにいたして参りますためには、非常に安い金利を出すというこもなかなか困難な状況になつております。御意見の点は、できるだけ低い金利にしたいという点につきましてはまつたく私ども同感でありますけれども、今申し上げましたような事態で、そう急激に改善ができますかどうか、なかなか見通しは困難だと思いますが、なお今後も努力はいたして参りたいと思います。ただここでお断りをいたしておきたいと思いますことは、先ほど申し上げましたところに関連いたすのでありますが、金融債の引受けは全額を引受けるということはいたしませんで、緩和はいたすにいたしましても、やはり市中の引受けとパ—テイシペ—トするという建前はとつて参りたいと思います。そういたしますと、やはり有価証券である金融債については、同時に発行いたしますものについて一方は金利が高く、一方は金利が安いというのも、実際の問題として有価証券の性質から見まして、なかなか困難な問題もございます。これらの点を十分にらみ合せて考えたい。資金運用部の引受ける金利と、市中の金利が同レ—トであることを前提といたしますならば、資金運用部の引受けの金利を下げますと、市中の消化ということが非常に困難になつて参るというような点もございますので、これらの点もにらみ合せて検討を加えて参りたいと考えております。
○赤路委員 ただいま御答弁願つたんですが、大体要約いたしますと、同感をしていただいて検討中である。また望ましいということ以外には一歩も出ぬと思う。これではどうにも処置がないのでありまして、できるだけ私どもの意をおくみ願いまして、ぜひこの際は私の希望いたしました農林債引受けに対するところの比率の緩和か、金利の点についてでも御考慮をお願い申し上げたい、私はこういうふうに要望しておきたいのであります。 それから大体今までの漁業の金融関係を見てみますと、農林中金にもちろん依存しておりまするが、比率から参りますと、市中銀行に依存している度合いがより大きいように思うのでありますが、市中銀行では長期資金の貸付をいたしませんので、この点非常に困るわけでございまして市中銀行の長期資金源について大蔵省では何かお考えになつている点があるかどうか、その点をお伺いいたします。
○河野(通)政府委員 その点またおしかりを受けることになりますが、市中銀行の長期金融の資金源について特別の処置は現在のところとつておりません。なお先般の国会の御決議を体しまして、長期金融をまかないます専門の金融機関には長期信用銀行という制度ができております。この十二月から発足いたしております。現在は二つの銀行が長期信用銀行として発足いたしておりますが、これらの機関はもつぱら長期金融を中心にしてやつて参る金融機関であります。これらの機関をできるだけ御利用願いたいと思います。 なおこれらの機関はまだ店舗その他が充実しておりません。これから逐次店舗を充実いたして参るのでありますが、店舗ができます前におきましても、できるだけ地方銀行等を利用した代理貸しの制度を活用いたして参りたいと考えております。従いまして店舗がなくても地方銀行の方から代理貸しの制度を十分活用させることにいたしますれば、地方の中小のこういつた資金に対する長期の金融も、その方を御利用願えれば、だんだん活用の道ができて来るというふうに考えております。 なお一般の長期信用銀行以外の普通銀行に対しましては、できるだけ短期金融を中心として運営されて行くことが望ましいと思いますけれども、長期の金融を全然普通銀行がやらないというものではございません。御承知のように、現在でも相当程度やつております。従いまして個々の問題につきましては、原則は短期の金融でありますけれども、普通銀行が長期の金融はやつてはならぬということにはなつておりませんので、個々にお話合いになつていただけば、十分普通銀行でも長期金融をやる道はとざされていないということがはつきり申し上げられると思います。
○赤路委員 長期信用銀行がこの十二月から大体発足するということで、従つてこの長期信用銀行を通じての融資が市中銀行から得られて来る、こういうようなことになつてまことにけつこうなんですが、先般新聞に載つておつたことを記憶しているんです。はつきりいつのどの新聞ということは申し上げられないのでありますけれども、この長期信用銀行の融資は、金融債消化額の半分を融資する意向であるというようなことがはつきり載つておつたように記憶しているんですが、そういうような御意思であるか、その点をお聞きしたい。
○河野(通)政府委員 そういうことは実はないのでありますが、こういう意味のお読み違いじやないか、あるいは新聞の記事が間違つておつたのかもしれませんが、地方銀行において引受ける金融債の半額程度をその地方銀行の代理貸しの資金に充てるという意味であります。従いまして長期信用銀行は金融債によつて調達した資金の半分しか融資をしないというわけではないので、金融債で調達した資金はもちろん長期信用銀行としては融資に充てるのですが、その中で地方銀行の引受けた金融債の半額程度はその地方銀行に還元してやる。つまり代理貸しの制度で運用できるようにしてやる、少くとも半額程度は地方へ還元する道を開きたいというのです。
○赤路委員 そこの点が問題だと思います。今のお話によりますと、地方銀行が引受けて消化した金融債の半額を地方へ還元する、こういうことなんですね。
○河野(通)政府委員 地方銀行が代理貸しをいたすものは半額、地方へ還元される資金はそれだけではありません。
○赤路委員 その点はわかりました。 もう一点ちよつと御意見をお聞きしておきたいのですが、今度これに対して大蔵省の方では利子補給を考えておられるかどうか、何とかこれに対して方法をお考え願えないかどうか、この点をお伺いしたい。
○河野(通)政府委員 これは私の所管でございませんので、主計局の方からお聞き願わぬと何とも私からお答えできないのであります。私ども金融の面を扱つているものといたしましては、できるだけ安い金利で金融がつくようにされることが望ましいことは水産庁長官と同意見であります。財政上の関係その他から私まだ結論を承知いたしておりません。主計局からお聞き願えればはなはだ幸いと思います。
○田口委員 この中小漁業融資保証法につきまして一応御説明を承つたのでありますが、中小企業に対しましては、ひとり漁業ばかりでなしに、あらゆる面で金融問題をいかに解決するかということが従来から非常な問題でありまして、いろいろなことをやつて来ましたけれども、実際におきましてはなかなか金がまわらない、これが現状でございます。この中小企業の金融に対しまして、どういう方法でどういう組織でやつたらという研究の中で、今回水産庁と大蔵省が共同で研究されたこの保証法を見てみますと、ほんとうに画期的な金融制度のように考えるのでございます。この点から考えまして、おそらく中小企業の将来の金融の行き方というものの一つのモデルになるのではないかというふうに考えているのであります。この中小企業の金融のむずかしい問題につきまして、国家財政資金だけでまかなう方法も一つの行き方でありましようが、いまひとつの方法といたしましては、中小企業の金融がうまく行かない理由が、中小企業者自体の信用がないということに原因をするのでありますから、国家財政だけで行かない以上は、やはり中小企業者に対する信用をいかにしてつけるかということ、この一途よりほかにないというように考えるのでございます。この点につきまして後者を全面的に取入れました、いわゆる中小企業自体が自分の信用をつける、こういう方法による金融ということにつきまして、私はこの法案はおそらく中小企業の全般に対する将来の金融の行き方というものに対するモデルになる、こういうことを考えておる次第でございます。この点水産庁と大蔵省にまことに感謝にたえない次第でございます。ただ、今まで河野局長の答弁を聞いておりますと、中小企業者の方ではほんとうに金がなく、経営に非常に困つておる状態にある。そのふところから思い切つて出資をしておる。また府県も現在のごとき地方公共団体の財政上からして、非常にこの問題を解決するために努力を払つておる。しかるに国だけが、大蔵省だけが何も犠牲を払わないという従来の考え方、さような気持を私は多分にただいまの質疑応答の中において感ずる次第でありますが、この問題が画期的のものであり、将来中小企業者の金融、これの一つのモデルとしてつくる、こういう観点に立ちますれば、中小企業者及び地方公共団体が大きな犠牲を払つておる、これに対しても国は従来の考え方よりも、ほかの考え方でひとつ相対してもらわなければ困る、こういうふうに考えるのでございます。従つてこの問題に対する具体的の問題といたしましては、地方公共団体の起債の問題、これも事業に関係するものだけに認める、こういうような考えは従来の考え方とひとつも違わないのでございます。今日の公共団体の財政の実情から考えまして、この一つのモデルをつくり上げる、また地方公共団体に出資をさせておくことが、この基金の将来の運用上から申しましても、あるいは漁業者のふところぐあいからも、必要な資金が集まらないという現況からいたしましても、絶対に必要でありますから、まず起債の問題につきましては、従来のお考えを一擲され、事業関係のみというようなお考えでなしに、全般的に事業そのものの重要性、地方公共団体の出資の必要なる度合い、こういうことをお考えになつて、この点を特にひとついま一度御配慮を願いたい。 第二に金利の問題でございますが、一割三分、あるいは一割二分七厘、こういうことは経営費はともかくも、設備資金というものに対しましてはほんとうに高いのでございます。今われわれは特融によつていろいろな設備資金を得ておる次第でございますが、この特融でもこの問題が非常に重大でございまして、七分五厘でとにかく金を借りておる、こういうことになつておるのでございますから、この理想的の案が通過をして、いよいよ金を借りる場合に、今まで七分五厘で借りておつた設備資金が一割三分でなければ借りられない。かようなことになりましては、これは一大退歩と考える次第でございますから、何とかこの金利をもう少し下げるということに対しまして、大蔵省としては一段の御努力を払わなければいけないと考えるのでございますが、あらためてこの二つの問題について河野銀行局長のお考えをお伺いいたしたいと思うのであります。
○河野(通)政府委員 お答え申し上げます。起債の問題につきましては、先ほどお答え申し上げましたような次第で、部内では一応そういうふうに考えておりますが、御趣旨の点は十分にくみまして、さらに検討を加えたいと思います。ただ先ほどもちよつと申し上げましたように、地方財政の現状から見まして、起債に対する需要が非常に大きいわけであります。一方で資金運用部資金を初めとした財政資金の状況は、だんだんきゆうくつと申しますか、過去のたまりをだんだん食つて参りましたために、非常にきゆうくつになつて参る見通しでありますので、限られた政府資金と申しますか、財政資金のうちで、どういうふうなものに優先的に起債をつけ、資金をつけて行くのがいいかということは、結局そのプライオリテイと申しますか、その問題にかかつて来ると思うのであります。十分に財源がございまして、地方財政の求められる起債を、全額資金運用部で引受けられるというような事態でありますれば、こういつた問題は起らないのでありますけれども、どうしてもきゆうくつでありますために、需要額に対してなかなか百パ—セント応じることができないという現状でありますので、おのずからそこに選択して参らなければならぬというような問題も実はあるのであります。これらの実情もおくみとり願いたいと考える次第であります。 それから金利の問題につきましても、今お話もございましたが、できるだけ下げて行くように努力はいたしたいと思いますが、政府資金としてこれを引受けて参ります場合には、どうしても、やはり資金運用部資金自体の収支が償つて行くようなことでないと、先ほど申し上げましたように、なかなかむずかしいという問題があるわけであります。この問題を踏み切つて、政策として特別の安い金利を、中小漁業のために出すという問題になりますれば、解決の方法はどうしてもやはり財政措置と申しますか、具体的に申し上げますれば、たとえば利子補給といつたようなことで解決せざるを得ないという問題になるのではないかと思います。この点につきましては、先ほどもちよつとお答え申し上げましたように、私所管をいたしておりませんので、お答えができかねるのでありますか、結局財政措置として政策的に、この問題を解決するよりほかに道がないのではないかというふうに、私どもは考えておる次第であります。この点についての大蔵省としての意見は、主計局長でもお呼び出してくださいまして、お聞きとりを願いたいと思います。
○田口委員 起債の問題につきましては、この起債が将来永久につきまとうというような起債でありますと、多少無理な点があると思うのでございますが、金額が大体少額でございますし、それともう一つは二十九年の六月までに終るという特異性もお考えくださいまして、この点ひとつ重ねて慎重に御研究を願いたいと思うのであります。なお金利の問題につきましては、主計局長その他と折衝をいたしますけれども、金利補給の問題だけでこの問題を解決するということにも多少問題もありますから、この金融、すなわち預金部引受けの割合をできるだけよけいに預金部で引受ける、こういうことについてただいま御研究とのお答えがございましたが、どうかその点できるだけ預金部で多く引受けるという方向に決定をしていただくことをお願いいたしまして、私の質問を一応打切ることにいたします。
○福永委員長 松田君。
○松田(鐵)委員 ただいま田口委員からいろいろとこの中小漁業融資保証法案に対しての当局の御苦労、またこれが漁民の金融を救う唯一の道であり、模範の道であるという御意見がありまして、私どもといたしましても、まつたくこういう法案を今日の自由党内閣によつて出せ得るだけに進化したということを喜んでいるものであります。そこで銀行局長はいろいろ御多用でもあり、さつぱり当委員会には御出席になつていないので、水産というものの立場を御理解はくださつていることとは存じておりますが、どうもまだちよつと足らない点があるように見受けられるのでありまして、まことに愚論な詰を申し上げるようでありますが、一応われわれの水産業というものに対しての理解を深める意味において、お聞さとりを願いたいと存じます。まず水産業者の経済観念というものは——自分をいやしめるような言葉を使うことはまことに残念なことではありますが、中小企業者とは全然異なるところの恬淡なものであります。これゆえに水産業者の経済の行き詰まりというものが、今日政府の施策と相まつてこの困難な状態になつたのであります。当局はこの経済観念をよく理解しているがゆえに、救済の模範的な法案をつくられたのであります。これに対する感謝は田口委員と同様でありまして、まつたく画期的なものであると、われわれ喜んでいるのであります。しかしてこの法案の成立するかいなか、また将来これが発展するかいなかというポイントはたつた一つであります。そのポイントはいずこにあるかということでありますが、これすなわち地方公共団体の出資であります。この地方公共団体の出資というものがなかつたならば、この法律というものはほとんど絵に描いたぼたもち同様、意味をなさぬものである。これが一番の重要点であります。これ以外にこの法案のポイントはありません。ところがそれに対する地方公共団体の今日の財政状態はどうかというと、まことに貧困な状態になつております。ゆえに地方財政委員会でありますか、そちらの方においても水産業というものの特異性、しかしてこれを善導し、日本経済の確立をはかり、日本の人口の調節をはかるのが水産業であるという信念から、起債を認可するまでに行かなければならない。非常なめんどうな点を、事業でなく、別な方へ出資するということは起債としてはでき得ないはずである。それに対してまでも画期的にこれを許さんとする意向を述べているのに、河野銀行局長がこれに反対するなんて、とんでもない話だ。この点は水産業というものの特異性に対する十分なる理解を持つていただいたならば、これは国を救うべき——水産のみではありません。国を救うべきこの法案でありますから、この点十分考慮するなどという御意見でなく、たいこ判を押していただかなければならないものと思います。中小企業信用保証法とはまつたく異なる点が多々あるのであります。この点をしつかり御認識されておるかどうか、ここのところをひとつお聞きしたいと思います。
○河野(通)政府委員 御意見の点は非常にごもつともな点が多々あると思います。御意見の点を十分にくみとりまして研究いたしたいと思います。
○川村(善)委員 ただいま委員会に提出せられました中小漁業融資保証法案について一点だけお伺いしておきます。 この内客を見ますと、第二節の会員、すなわち漁業信用基金協会の会員の資格が五つあります。漁業協同組合、漁業生産組合、漁業協同組合連合会、一年を通じて九十日以上漁業を営む個人、次に漁業協同組合以外の一定の制限を受けますところの法人、この五つが会員になる資格になつております。もちろん今度の法案については、漁業に中心を置いて金を貸し付け、それに保証しようという考え方だと思いますが、漁業法と水産業協同組合法を見ますと、漁業法第二条に、「この法律において「漁業」とは、水産動植物の採捕又は養殖の事業をいう。」と定義が定まつております。ところが水産業協同組合法の漁業協同組合の章の第十一条に十二の事業がうたわれております。そこでこの法律の適用を受けるような事業と申しますのは、第一項に「組合員の事業又は生活に必要な資金の貸付」それから第六項に「水産動植物の繁殖保護その他漁場の利用に関する施設」と、こうこれの適用を受けるような項目があります。それから生産組合の章には生産組合の事業といたしまして「漁業生産組合は漁業及びこれに附帯する事業を行うことができる。」こうなつております。そこで漁業協同組合はもちろん漁業を自営することができるのでありますけれども、その他の附帯事業を行うこともできますし、生産組合も同様漁業またはそれに附帯する事業を行うことができるとなつております。個人でありましても、漁業と附帯する製造加工等はございます。これを附帯しなければその漁業が成り立たないという場合も多々あるのであります。従いましてこの資金の保証につきましては、やはり漁業だけの資金か、またはそれに附帯した事業の資金に対しても保証するか、この一点だけをお伺いしておきたいと思います。
○濱田説明員 この法律におきましては相当広範囲の事業資金にできるようになつております。漁業そのものの資金も、その他の協同組合なら協同組合自体のいろいろな資金も、広範囲になつております。先ほど赤路委員からお尋ねになりましたように、但し初めのうちは通常の融資が、この保証融資にもぐり込んで来るのを防ぐために、最も必要なところの漁業の着漁資金、その辺にまず主眼を置きながらだんだんとやつて行きたい、そう考えております。法律としては広範囲にとつております。
○川村(善)委員 そうしますと、ただいま私が申し上げたもの全部に資金を貸し与える、それを保証するという考え方であるけれども、あまりはなばなしく初めからやつて行くと、しり詰まりになるおそれがあると困るし、他に流用されると困るのであるから、その引締策として漁業資金に重点を置いて行く。しかしながらその成果の上り次第に、逐次漁業に附帯した事業等についてもこの資金で保証してやる、こういう考え方と解釈してよろしゆうございますか。
○濱田説明員 そういうふうに考えております。
○日野委員 さつき赤路委員の質問に対して、長期信用銀行の構想を述べられた中に、金融債を引受けた地方銀行には引受額の五割の融資を認める、こういうことがありましたが、その地方銀行の範囲は地方の金融機関という意味ではないのですか。
○河野(通)政府委員 長期信用銀行の金融債を引受けますのは地方の普通銀行です。
○日野委員 極限されるのですか。
○河野(通)政府委員 地方銀行が金融債を引受けるのでございますが、ほかの金融機関は引受けません。その場合に地方銀行が金融債を引受けましたらその半額程度、百万円引受ければ五十万円は長期信用銀行の代理貸し、代理店としてその貸付業務を行う。言葉は非常に悪いですが、その資金源をそのまま還元して地方銀行が貸出しをする資源に充てる、こういうことでございます。
○日野委員 そうすると代理店として指定を受けた以外のものは、その長期債を引受けることはできないという意味でございますね。
○河野(通)政府委員 引受はどの金融機関でも個人でもだれでもできるわけです。しかし金融機関としては、おそらくまとまつたものを引受けるのは、地方銀行は、大銀行も入れて、要するに多くは普通銀行よりない。地方の相互銀行でありますとか信用組合等は多くは引受けないであろうと思います。
○日野委員 もう一つ、大蔵省関係の政府委員の方と委員会をやると、いつもきようのように委員会の要求に対して大蔵省は逃げようとする、阻止しようとする一つの傾向がしばしば見られるのです。さつき松田委員の言われるように、自由党でもこういう案を出すようになつたのだというお話がありますが、大体最近の傾向からいうと、社会保障的な意味を持つた立法がことごとくでないか、政府提出のものでも社会保障的意味を持つたものが相当出て来る。そのたんびに大蔵省ときようのような問答が繰返される、一つの立法的傾向としてこういう現われが出ておる。政府部内においても大蔵省としばしば対立するようなものが出て来るのであるが、大蔵省はいつまでも従来の、今銀行局長が言つておられるような方針を堅持して議会と闘い、政府部内で守つて行こうとするのかどうか。すでに財政方針を転換するところの用意がなければならぬ時期だと思うのであります。大蔵大臣の答弁のようなことになるかもしらぬが、銀行局長あたりになれば、重要な会談に参画して一つの方針と自信を持つておられると思いますが、この種の立法に対してもつと緩和して、国民の要望にこたえるところの構想でも、もし部内にあれば、ひとつここで御発表願いたいと思うのであります。
○河野(通)政府委員 一般論といたしましては、私のような事務官僚がお答え申し上げるのははなはだ僭越なことでございますから、いずれ大蔵大臣からでも聞いていただきたい。下級の事務官僚が国会を相手にして闘うなんて、そういう僭越なことは毛頭考えておりません。具体的な問題につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、御意見の点は十分に頭に置きまして検討を加えたいと思います。
○山中委員 私はこの法案の趣旨に対して全面的に賛成でありまして、一日も早く通過されんことを希望するものでありますが、ただこの条文の解釈上の問題と、それから手続上の問題でちよつと疑義がありますので、水産当局にお聞きをしたいのです。 この法案の要綱の一番最後の規定の中に、「政府が右の保険金を支払つたときは、協会が当該保険金の支払請求のとき有していた求償権は、政府と協会との共有となり、」こういうことが規定されておるのであります。そこで実際に求償権を行使する場合に、一体協会が協会の名においてこれを実行することになるのか、政府の名においてこれを実行することになるのか、それとも政府と協会の共同の名においてこれを実行することになるのか、この点をちよつとお聞きをしておきたいと思います。
○濱田説明員 このやり方はこういうふうに考えております。政府といえども手足がありませんから、結局協会に請求の委託をする、そして取立て委託料を払う、こういうことになつておりますからして、百円回収されれば七十円は国に、三十円は協会という形で回収する、こういうことになります。そこで今度は債務者に対してこれを言う場合には、これは一つのものの共有でありますから、政府と協会の名によつて回収をはかる、こういうことになります。
○山中委員 それはちよつとおかしいのではないかと思うのです。内部的にはそういうことになるかもしれませんが、法律で明らかに政府と協会の共有ということになりますと、特に求償権を行使する場合には、たとえば七対三の場合においては、七なら七を特に協会にその権利を委任してその協会の名においてその権利を行うのだということを法文で明らかにしておきませんと、ただ共有だということになれば、当然法律的には両者の名においてのみしか請求ができないことになる、こういうように考えられますが、その点はどうですか。
○濱田説明員 法律案の七十四条のところをちよつとごらん願います。七十四条のところで、その場合を例にとれば、その七対三の割合で協会に代位して政府が直接求償することもできる、こういうことになつております。そこで実際問題としては、代位しても政府自身は手足がないから協会に委託してとつてもらうという形になります。七十七条の二項のところに、「政府は、第七十四条の規定による権利の行使の業務を当該協会に委託することができる。」とあります。
○山中委員 これは直接この法案には関係がないのでありますけれども、当委員会で審議されている沿岸の損害補償の求償権関係などを見ますと、国が損失補償をした場合においては、当然金融機関の主たる債務者に対する債権は消滅するのが原則だが、その場合にはその権利が消滅しないで、金融機関が国から損失を受けてもその債務者に対して権利はそのまま保有して、その金融機関の名においてそれを回収するというような立法措置を講じようとしているわけです。そういうこととこのこととは内容的には大体同じことですが、特にこういうふうな共有関係ということを明らかにした理由だとか、この損害補償との均衡からいつて非常に矛盾があるように考えられますので、こういう点については、どういうお考えを持つておられるのか、ちよつと聞きたいと思うのであります。
○濱田説明員 われわれの関係の法律で例を言いますれば、例のル—ス台風とか十勝沖のあれですね、あれは国が損失補償をしたならば、それだけの求償権を取得して、国が直接請求することができるということになつております。三割の損失補償をすれば、その分について国が求償権を持つて、直接請求することができる、こういう形になるようにわれわれの法律はこしらえております。 —————————————
○福永委員長 それでは次に防潜網による漁業損害の問題について宇都宮委員から発言を求められております。これを許します。宇都宮徳馬君。
○宇都宮委員 先回の本委員会におきまして防潜網問題が審議され、防潜網の設置によつて損害をこうむつておる漁民の著しく窮迫しておる状況が、各参考人によつて陳述せられました。それに対しまして本委員会は、委員全員の強い要望もあり、損失の補償、またさらに年内に見舞金に類するものを支給するため努力する等のお話があつたのであります。年末に際しまして漁民の窮乏はいよいよはなはだしきものがあるのでありますが、これにつきましてその後の経過を当局から御説明願いたいと存じます。
○伊東説明員 法律関係と補償の問題と二つございます。法律関係につきましては、この前の国会で外務省と大蔵省と出まして答弁したのでありますが、われわれの方としましては、一日も早くということで、実は大蔵省とも話合いをつけまして、本日法制局に関係省が集まつてこれを審議しております。なるべく早い機会に上程いたしまして審議願いたいというつもりで今やつております。 それから補償の問題でございますが、これは何度もお話がございまして、われわれの方といたしましても、実はどれが防潜網による損害であるかというなかなかむずかしい問題があるのでございますが、基本的な調査は、この前御答弁いたしましたように、関係者がいろいろ集まりましてやつているのであります。それはそれといたしまして、ある程度の見当をつけようじやないかというようなことで、先週の土曜、日曜も関係県から来てもらいまして、今数字を検討いたしております。できますれば今週中くらいに調達庁なり大蔵省と金額の相談のところまでやりたいと思つております。われわれの希望といたしましては、今おつしやいましたように、年内に少くとも政府から県の方に指令が出せるような段階にまで持つて行きたいということで、今金額の算定等をやつております。
○宇都宮委員 防潜網がアメリカの軍事施設であるために、不当な反米感情から問題が起つておる傾向もございますから、個々の漁民の窮乏ももちろん救わなければならないが、そういうことも御考慮に入れられまして、至急御措置あらんことをお願いいたします。
○福永委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明十七日午前十時より開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十五分散会