水産委員会 第6号
- 発言数
- 44 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1952/12/08
会議録
○福永委員長 これより会議を開きます。 漁業損害に関する件について調査を進めます。前回の委員会におきましては、防潜網、駐留軍の海上演習及び陸上演習によるところの漁業損害につきまして、各関係業者の方々よりそれぞれ実情を聴取いたしましたが、本問題はきわめて重要でありますので、本日はさらにこの問題について調査を進めたいと存じます。 それでは各委員より質疑の通告がありますので、順次これを許します。田口長治郎君。
○田口委員 第十三国会におきまして、われわれは某国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基き駐留する合衆国軍隊に水面を使用させるための漁船の操業制限等に関する法律、この法律を通過させますひもつきといたしまして、この法律では包含できないと称するいわゆる間接被害の問題につきまして、委員会といたしましては、政府に対して将来いかなる処置をするかということを確かめましたところ、政府では行政協定の第十八条に基く国内法をできるだけ早く制定をするから、これが一つと、なお制定以前におきまして損害をこうむつたものについては遡及をする、どうしても遡及ができない場合においては見舞等の方法でこれを補償する、こういうような答弁があつた次第ございます。われわれはこの法律を通過させた今年の五月三十一日から今日まで、右国内法の制定をできるだけ早く実現させてもらいたい、こういうことで今日まで参つておつた次第でございますが、今になりましてもこの問題が解決していない、これはいかなる理由に基くのでございますか。本件に関する官庁は水産庁と外務省と大蔵省、三省にまたがつておると思い手ますから、三省おのおから見解について御説明を願いたいと思うのであります。
○伊東説明員 今御質問になりました点は、この前の十三国会に漁船の操業制限の法律を提出しましたとき問題になつた点でありまして、当時たしか主計局長が、今田口委員のおつしやつた内容のような答弁をいたしておられます。われわれの考えといたしましては、やはり主計局長がおつしやいましたような趣旨で目下国内法の準備はいたしております。まず基本の国内法をつくつて、それによりましてこの前出しました漁船の操業を制限するということについての法律を一部改正しようということで法案の準備をいたしております。目下大蔵省なり法務省、外務省等々と交渉いたしておるような段階でございます。
○田口委員 今の問題につきまして、外務省は水産庁あるいは大蔵省から御相談を受けられましたかどうか、お伺いいたします。
○伊関政府委員 私直接でございませんが、私の方の課長が相談を受けております。
○田口委員 ただいま外務省から相談を受けた、こういうような御回答でございますが、本件が今日まで進んでいないということは、事務的に進捗していないわけでございますか、あるいは法文の解釈上疑義があつて進まないのか、その点を外務省と水産庁から御説明を願いたいと思います。
○伊東説明員 これは私の方で先ほど申しましたような原案をつくりまして、関係省と連絡しておるわけであります。問題になつております点は、この前も主計局長が答弁されたと思うのでありますが、駐留軍と日本側の負担の問題の度合いがまだきまつておりません。主計局長の当時の答弁も、これは全部日本側で出すのでなくて、一部は駐留軍にも負担してもらうということをはつきりされておりまして、これがまだ話合いがついておらぬ点が一点であります。それからもう一つは、この十八条の問題に関連しまして若干解釈の点がございます。これはわれわれはあの法律をつくりますときには、当然十八条でこういう被害は補償してやるというような関係で考えていたのでありますが、若干十八条の解釈の問題も疑義があるというようなことで延びておる点と、両方ございます。
○田口委員 五月三十一日当委員会におきまして、行政協定の第二十五条によつて制定をいたしました法律では、全部の経費を日本側が負担をする、ところが防潜網のごとき被害は、実態上から申しましてこれは当然日本国とアメリカ合衆国とがある負担の割合をもつて負担をする性質の被害でございますから、二十五条に基く法律ではこの問題が解決をしないから、十八条で負担の割合をきめられるような法律にしよう、こういうような話であつたのでございます。われわれ委員といたしましては、もつともな見解だ、こういう考えで、その当時先般通過させました日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基き駐留する合衆国軍隊に水面を使用させるための漁船の操業制限等に関する法律で、第二条をわれわれは修正して、そうして帰結しようとしたのでございますが、大蔵省その他からの説明によりまして、被害の実態から両方の国が一定の割合で負担した方がもつともだ、こういうような解釈で実は修正案を撤回をいたしまして、とりあえず二十五条の分だけを通過させたような次第でございまするが、そういうような事情になつている関係から考えましても、今の防潜網その他により漁業者が困つているこの実態から考えましても、政府といたしましては、一日も早くこの十八条に基く国内法を制定すべきものと考えるのでございますが、十二月の半ばになりましても、なおアメリカとの経費の割合の話合いがつかない。また十八条で制定するのには法律的に多少の疑義がある、こういうようなことを今言われますることは、はなはだ意外に考える次第でございます。われわれといたしましては、とにもかくにも防潜網に関する間接被害というものははつきりある、このはつきりしている被害に対しましては当然国家が補償しなければならぬ。合衆国との話合いがつかないといたしますれば、二十五条による日本だけの負担、こういうようなことにでも片づけてもらわなければなりませんし、このまま荏苒日を送るということはできない次第でございますが、一体いつごろになつたらこの問題が解決して、そうして法律が制定されるか。その見通しについて一応の御説明を願いたいと思います。
○伊東説明員 今田口委員のおつしやいました通り、法律の遅れておりますのははなはだ遺憾に思います。ただこれは遅れましても、当時の主計局長の答弁にあります通り、遡及できなければ必ずその法律で補償されると同様な考えで見舞金を出すということを言つておられますので、われわれとしましても遅れた点ははなはだ遺憾でございますが、補償につきましては法律があつたと同様に考えて行くつもりでございます。ただいつごろ出せるかというお話でありますが、水産庁といたしましては、ぜひ本国会に指出をいたしまして御審議をお願いしたいと考えております。
○田口委員 西村第三部長にお伺いしたいと思うのでございますが、法律的に考えまして、十八条で国内法を制定する場合にどういう点に疑義があるのだか。その点をはつきりさせていただきたいのでございます。そうしてその疑義が絶対的の疑義であるという場合におきましては、われわれはやむを得ませんから先般通過させました二十五条による法律の第二条を修正して間接被害にまで及ぶ、こういうような方法をとらなければならぬと思いますが、その点をひとつ詳細に御説明願いたいと思います。
○西村政府委員 田口委員の御質問に対してお答えいたします。今十八条で制定した場合にどういう疑義があるという御質問でございましたけれども、その御質問の御趣旨は、かりにそういつたいわば間接被害に関する補償法を制定した場合に、それが行政協定の十八条に乗つて来るかどうか、こういう問題であろうと思います。十八条の協定に乗つて来るとすれば、費用の分担という問題が起ります。そうでなければこれは日本国政府が全額やる。それがたとい二十五条であろうが、あるいは純然たる国内立法としてやる場合であつても、もちろん立法手段としては可能のわけであります。問題はおそらく十八条の点だと思いますが、十八条はまず通常の場合予想していることは、「公務執行中の合衆国軍隊の構成員若しくは被用者の作為若しくは不作為」これによつて財産上の損害を生じた場合においては、日本国の法令において同様の場合、と言いますのは日本の公務員が同様の作為もしくは不作為によつて財産上の損害を与えた場合に補償するということになつている、その場合には十八条に乗つて来るということに解釈いたしているのであります。そこで問題は、現行法令としましてはあたかもこれに相当する国内法令は国家賠償法でございます。国家賠償法は公権力の行使に当る公務員が違法の行為に出る場合、もう一つは営造物の設置の瑕疵、この二つがある。従つてこの二つに当るような場合、公務執行中の合衆国軍隊の構成員もしくは被用者のそういつたあたかも日本の国家賠償法に該当するようなものでありますれば、これは当然十八条に乗つて来るということになるわけでございますが、適法行為についてはどうだという問題があるわけであります。適法行為については十八条は必ずしも適法行為も排除しておらないのじやないか、こういうふうに私どもは考えております。ただ適法行為につきましては日本の国内法令がそういう該当する場合がございません。もしこれをそういう補償した場合の費用の分担の点で十八条に乗つて来させようといたします場合には、やはり日本の国内法令で一つの立法をしまして、そうしてこれこれの行為をした場合、あたかも日本の公務員がこれを補償するあるいはそこで間接被害を補償するというふうに書いた場合に、十八条に乗つて来るかどうかという問題であろうと思います。この問題につきましては、いろいろ解釈のわかれるところだろうと思いますが、私は乗つて来ないとはこれは決して言えないんじやないか、まあ言い方がはなはだ不正確かもしれませんが、乗つて来るという論も十分成り立つ。但しこれは安保条約に基く行政協定でございまして、純然たる国内法令ではございませんので、十八条の解釈をめぐつておのずから相手方との折衝ということは残ると思います。問題は、具体的な問題としまして、実は私の伺つていることはあるいは肯綮をはずれているのかもしれませんけれども、防潜網の設置について一体どうだという問題でございますが、これの見方についてもこれはいろいろあるのじやないか。たとえば防潜網の設置ということを一つの設置という行為として押える、しかも同様な行為について日本の国内法令で賠償するというような立法措置をしました場合に、今のような解釈をとりますと十八条に乗つて来るということが考えられるわけです。その防潜網の設置という行為で押える。逆にまた見方としまして、防潜網というものを一つの施設だというように考えますと、むしろ二十五条になるのじやないか。但し二十五条は提供者に補償するということになつておりますので、間接被害の被害者にまで二十五条が及ぶかどうかと いうことはきわめて疑問じやないか。但しそのことは国内法としてそういう立法措置を禁ずるという趣旨のものでは決してないわけであります。もちろんそのほかいろいろこの問題をめぐりまして事実の認定とかあるいは因果関係の問題、いろいろむずかしい問題がございますけれども、田口委員の御質問の点は私お答えしたような点じやなかろうかと思います。
○田口委員 ただいまの西村第三部長の御説明によりまして、大体さような法律を制定するのに十八条は絶対的の疑義がある、かようなふうには解釈しないという点が一点と、今日までこの法律制定が非常に遅れておることは、主として外務省と合衆国との経費の負担関係の折衝が遅れておる、こういうふうに解釈される次第でございますが、外務省と先方との経費の負担関係についての御相談がどんなふうに話が進んでおるのだが、今日まで何回ぐらい折衝されて、そうしてどういう内容になつておるのか、この点を御説明願いまして、この方がなかなか進まないというような見通しであれば、われわれといたしましては、やむを得なければ、先般の法律の第二条を修正することに出なければならぬと考えるのでございますが、まず先方との折衝状態をひとつ承りたいと思います。
○伊関政府委員 行政協定の原案には、こうした十八条の場合の損害の負担は、日米五〇、五〇にするというのが原案にあつたわけでございますが、日本側としましては、NATOの協定のように、日本側が二五%先方が七五%ということを主張いたしまして、結局行政協定には負担の率についてきめなかつた、追つて合同委員会できめるということになつたわけであります。ところで合同委員会の方でいろいろと議論をしておりますうちに、国連軍に関する協定の交渉が始まりまして、この国連協定の中にも十八条三項と同じ問題があるわけでありまして、そこで両者がからみ合つて参りまして、今のところ国連協定の方がきまりますならば、行政協定の方も同じようにきまるという段階に来ておるわけでありまして、大体私の見通しといたしましては、どちらも七五、二五、日本側が二五、先方が七五というところにいずれもきまるというところで話がつくと思つておりますが、ただ国連協定の方がきまりませんと、こちらの方もきめかねるというのが先方の意見でありました。と申しますのは、われわれの方は国連協定につきましては日本側はゼロ、先方は一〇〇というふうな主張で交渉いたしております。そこで妥協になりまして、向うが行政協定で五〇、五〇、こちらは国連協定で一〇〇対ゼロ、行政協定で二五、七五というふうなことを主張しておりまして、結局妥協点がどちらも七五、二五ということにまずおちつこうと見ておりまするけれども、いずれにしましても、これがひつかかつて参りまして、国連協定の方がきまりますまで、行政協定の方も一時延びておるというふうな形になつております。ところで国連協定の方は、御承知のような裁判権の問題でもつて、今ひつかかつておりますが、裁判権の問題を一時たな上げいたしまして、その他の問題につきまして早急に話をつけようというふうに大体今話が進んで参りました。また本日の午後から専門委員会を開いてやるというふうになつておりますので、私はそう遠くない日に、この問題がきまるだろうと思つております。
○田口委員 ただいまの御説明によりまして、結局経費負担の率の問題で国連協定の関係で遅れておる、こういう話でありますが、大体近いうちにということは、この国会に間に合うような、そういう近いうちの意味に解釈してよろしゆうございますか。あるいは今期の国会に間に合わない、次の国会当初ぐらいになる見込みでございますか、その点を重ねてお伺いしておきたいと思います。
○伊関政府委員 本国会の会期中には間に合わないのじやないかと思います。しかし次の国会、一月の下旬までには話がつくのじやないか、こう思つております。
○田口委員 十八条に基く国内法の問題につきまして、ただい重までの政府各員の御説明によりまして、大体、来国会の当初には話がつきそうだ、こういうことがはつきりいたしたのでございますが、私はこの際その話合いがついたら、時を移さずただちに提案ができまするように、政府各省に対しまして法案の準備をしていただきたいという問題が一つと、それからいま一つは、今の漁業者の防潜網等のための被害による苦しみという点を考えてみますと、この法律を制定して、そうしてこの法律に基いて補償をする、こういうことになりますと、あるいは早急に間に合わない、こういうようなことも想像できますから、法律の制定と併行いたしまして、何らか法律を予想した見舞金の形でこの問題を早急に解決される必要がある、こういうふうに解釈する次第でございますが、その点について、水産庁はいかなるお考えを持つておられますか、重ねてお伺いいたします。
○伊東説明員 この前の委員会でもお話があつたのでありますが、損害の算定の問題は、機構の上から行きますと調達庁になつておりますが、われわれの方が一番関心があるわけでございます。それで一防潜網と漁獲高の減少は、どこまで因果関係があるかという問題は、非常にむずかしい問題でございますので、この前もお答えいたしましたように、水産庁のみならず、大学とか、あるいは科学研究所とかいうところの技術者を相当この被害調査に委嘱いたしまして、目下調査をいたしております。われわれとしましては、なるべく今月中に結論を出したいというふうには考えておりますが、非常に困難な問題がありますので、今月中というはつきりしたお約束はできかねますということを、先週の委員会でお答えしたのでありますが、できるだけ早くわれわれの方は被害の算定をいたしまして、法律が出ます前にも、何とか法律と同じ考えの見舞金というようなことで出してもらうように、大蔵省なり調達庁に話をしたいというふうに考えております。
○福永委員長 中村君。
○中村(庸)委員 防潜網問題につきまして、昨年度におきまして六百万円の見舞金を出しておられます。昨年度の六百万円を出されました根拠は何によつて出されましたか、お伺いしたい。
○伊東説明員 昨年度防潜網関係として出しましたのは、特にはつきりして出しましたのは富津でございます。これは金額は若干違うのでございますが、考え方といたしましては、あそこに防潜網をずつと張つてしまいますと、漁場に出て行くにも非常に迂回しなければいかぬ、それで経費がかかる、その経費を何とか考えたらどうかという見地で、あれを算定いたしました。これは防潜網によりまして漁獲高が減少するということを算定したのではありませんで、漁場の往復に非常に経費がかかるということからいたしまして、その経費を何とか考えようという考えでやつたのでございます。
○中村(庸)委員 委員昨年度は防潜網だけの問題であつたようでありまするが、今年度におきましては、すぐに隣接いたしまして聴音機の設置も見ておるのであります。この聴音機のために漁業ができない。すなわちこの聴音機の問題に対しましては、十七平方浬にわたる地域提供、こう考えておるのであります。この問題は不可分の問題であるいと考えておりまするが、この補償問題につきまして、法制化してひとつ根を与えて行こうという点におきましては、分離して考えられまするか、あるいは不可分のものとして一つの臨時措置法でもつくられますか、その点をひとつ伺いたい。
○伊東説明員 防潜網の外面にありますところの聴音機によつて操業ができないという関係につきましては、これは現在の法律でその区域を提供というような形をとりまして、漁業の制限という形をとつて、現在の法律でこれは補償ができるというふうにわれわれは考えております。
○中村(庸)委員 聴音機の問題につきましては、ただいまの御説明ではつきりいたしましたので満足いたす次第であります。この防潜網の問題につきましても、解釈のしようであると私は考えておるのであります。東西十二キロ、南北五キロでありますが、この間まつたく防潜網のために漁業ができない。これは東京湾におきまする漁獲高が非常に減つて来た。従来東京湾におきまする回遊魚は、東京湾のふところに入つて、そうして約半年の間そこで非常な成長をして、寒くなると外洋に出て行く、こういうようなことになつておつたことはすでに皆さん御承知の通りであります。これは東京湾のふところに入つて魚が成長し、そうしてここが出て来るときにいい漁場であつたということも御承知の通りでありますが、今日防潜網のために中へ魚が入らない、すぐにそのまま引返して外洋へ出てしまうというような現状であります。従つて先般もこの防潜網の南側においては魚族が非常に密度が増して来るであろうという質問も出たのでありまするが、事実はまつたくそれに反して、防潜網に突き当つてすぐに外洋へ出てしまうというのが現状であります。かようなわけで、防潜網によつて魚族が非常に減少した、漁獲高が減つたという点に対しましては、今朝千葉県庁の方から書類が届きましたので、御参考にお手元に配付いたしたのであります。この魚族が減つたということは、まつたく漁獲高が減少しておりますことによつても明瞭でありまするが、しかしながらこの解釈の仕方によりまして、東西十二キロ、南北五キロの間がまつたく漁業ができない、潮流の早い所でありまして、昨年度におきましても非常に流された、策の施し方なく、防潜網にひつかかつて転覆したが船が三ぞうもあるような次第であります。この地域に対しては、まつたく漁業ができないのでありまするから、地域提供と解釈すべきが至当ではないか。これに関連してまた間接被害も起つて参る、かような観点からして、立法措置を願うということについて、水産庁としてのお考えはいかがでございましようか。
○伊東説明員 防潜網の問題は、これは区域の提供ということになりますと、幅どれだけとつて提供ということになりますか、非常にむずかしい問題がございまして、中の東京湾全部ということは、これはおかしなことになりますし、防潜網の周囲どれくらいを提供するかということが非常にむずかしい問題になろうかと思います。それでわれわれの今の考え方としましては、防潜網関係は全然別な法律をつくりまして、何とかこれは補償したいという考えでおります。
○中村(庸)委員 ただいまの説明によりまして、大体来年早々には法制化されるという御説明を承つたのであります。またこの防潜網だけ切り離して補償したいというお考え、まつたく了承をいたした次第でありますが、本年年末に際しまして非常に漁民が窮境に追い込まれておるのであります。これに対しまする見舞金を、昨年度は迂回しまする漁船の油代として出されたということでありまするが、今年は年末に差迫つてまつたく窮境に追い込まれておりまするので、その点本年度に対しましてはなるべく年内に見舞金を出したいというお考であるように先ほど承つたのでありまするが、ぜひとも年内にひとつお出し願いたい、かように考えておりまするが、今年度に対しまする基本的なお考え、またどのくらいの増額になるか、あるいはどういう方法で出されるか、あるいは油の見舞代のみならず何か考えておられまするか、その点当局のお考えを承りたい。
○伊東説明員 法律ができます前に見舞金という形になりますと、先ほど申し上げましたように、昨年は油代というようなことだけ考えたのでありますが、今年は全然別な考え方でこれは考えたいと思います。法律をつくりまして、防潜網による被害を補償しようという考えでございますので、見舞金はその法律と同じ趣旨でやるべきだというふうに考えます。ただ別の問題でございますが、先ほど申し上げましたように、われわれとしましても極力被害の調査はいたしております。できるだけ早い機会に、法律が出ませんでも、見舞金を出したいというつもりで努力いたします。
○中村(庸)委員 漁民の窮乏はまつたく言語に絶する状態に今日なつております。神奈川県におきましては、見舞金を引当てに貸付をいたした、かように聞いております。千葉県におきましても、神奈川県にならつてひとつ漁民救済をすべしという嘆願が今日出ております。かような情勢でありまするので、被害状況の調査も十分できておると考えますので、年内に間に合いまするようすみやかに支給されんことをお願い申し上げて、私の質問を打切りたいと思います。
○福永委員長 山中日露史君。
○山中委員 先ほど西村第三部長の話によりますと、国連協定十八条に乗せるためには、国内法において、日本の国がそのような施設をした場合において、無過失的にその損害を補償するという法律がない限りは、これは乗せるわけにはいかない、こういうお話でありまするが、その国内法の制定が遅れおる理由は、いろいろ国連協定との関係もあるようでありますが、損害の算定が非常に困難であるという、技術的の問題で遅れておる点もあるのではないかと思うのでありますが、この十八条に乗せるためには、国内法で損害の算定についての細目を規定する前に、こういう場合には日本国は無過失的に損害を賠償するのであるという基本的なことだけを規定することにおいて、第十八条に乗せることができるのではないかというふうに考えておるのでありますが、その点についてはどういうお考えを持つておられるかお聞きしたい。
○西村政府委員 お答えいたします。私が先ほど申し上げた趣旨は、日本の国内法としては、いかなる形態の補償法もできるわけであります。これは理論的には一応国連協定と関連する行政協定の合同委員会の交渉というものと切り離して考えられる。ですからかりにもし国内法を先につくつても、それが十八条に乗つて来るかどうか、これは別問題であります。それから今の損害の算定、これは御承知のようにむずかしいと思いますが、それが遅れておるのじやないかというお話でございますが、これは水産庁の方からお答えした方がいい点と思いますけれども、おそらく実際問題として法律の規定上そんなこまかいことまで規定はできないのじやないか。おそらく水産庁の御意向としても、今農林省内で準備を進めておられるというふうに私が聞いております内容も、これはきわめて大まかなものである、筋だけを確かめておるというふうなものにちよつと拝承いたしております。
○山中委員 十八条に乗りさえすれば、結局あとは合衆国との交渉によつての割合を幾ら幾らにきめるということが出て来るのであつて、その前に、とにかく国がこういう場合においては補償するのだという日本の国に法律さえあれば、当然この十八条に乗せて、あとは協定で割合をきめるという姿に進んで行くのではないかというふうに考えられるのですが、その点はどうなのですか。
○西村政府委員 私が今申し上げた趣旨もまつたく仰せの通りでございます。
○川村(善)委員 本問題は数回議論されまして、もう議論は尽きておるようであります。要は行政協定の第十八条を適用して、日本とアメリカ合衆国との間において補償の按分をするかどうかという問題、それからさらに、もしそれができない場合には、これは国内法でやはりどうしても補償して行かなければならぬと、私はかように考えております。なぜかというと、日本は申すまでもなく軍備を持たないから、自分で自分の国を守るだけの実力がないから、初めて安全保障条約というものを結んだのです。そこでそれに伴つて行政協定を結んだのであるから、漁民だけが犠牲を払うべきではなくて、日本国民全体が日本を守るために必要な安全保障条約であるから、どうしたつて私らに解釈させますと、ただちにこれは国内法を制定いたしまして、国でまずとりあえずその損害を受けておる漁民に対して補償して行くべきであり、またその法律がまとまらなかつたならば、油代というような見舞的なものでなく、生活にある程度まで乗つて行くだけの見舞をしておいて、そして国内法でそれぞれ漁民に安心を与えるようにして、さらに合衆国と交渉すべきである。さもなければ、もしこれが十八条に乗るとか乗らぬとかいつて議論しておつたのでは、見舞金だつて必ず出ししぶると私は考えております。いわんや中村君が言う通り、今窮乏のどん底にいる漁民を、これ以上私はひつばりまわすわけに行きません。どうしても水産庁、外務省さらに大蔵省とが協議して、法律が遅れるのならば、ただちに見舞金をやつて安心させることが先決問題ではないか、私はかように考えるのであります。そこで本委員会におきましては、これに対する小委員会を設置してそれぞれ付託しておるのでありまするから、積極的に動くように、さらにまた外務、農林、それから大蔵とよく相談をして、ただちに立法措置を講ずるまでに運ぶことが必要ではなかろうか、かように考えておりますから、委員長におかれましてはそれぞれこの本案に対して最後の結論を得るべく委員会でやつて、小委員会に付託して進行すべきである、かように私は考えますので、この点を全員に諮りまして、窮乏している漁民を一日も早く救われんことをこい願いまして、皆さんにお諮りする次第であります。
○赤路委員 この前参考人の方々においで願いましていろいろ御説明を聞いたわけでありますが、この損害補償の問題は大体第二義的な問題であつて、まず第一の要求は防潜網を撤廃してもらいたいということが第一の要求であつたのでありますが、私たちといたしましてもこれは当然の要求である、かように考えておるのでありますが、この件についてはたびたび水産庁なりあるいは外務省方面へも業者の方から陳情があつたのですが、外務省としては、防潜網撤廃の問題についてアメリカの方に交渉をしたことがあるかどうか、その点お聞きしたいと思います。
○伊関政府委員 この前もここで申し上げましたように、私の方は主として防潜網を撤廃するか、あるいは撤廃できない場合には魚が通りやすいような穴をあけるというふうな点を主として米軍と交渉しております。国内立法の問題につきましては、むしろ国内各省の方にお願いしまして、私の方は根本である問題について撤廃できるなら撤廃する、どうしてもできないならば魚が通りやすいような穴をあけるというような交渉を過去数箇月にわたつて続けております。
○井手委員 防潜網についてはすでに論議を尽されておるので、水産委員会としての結論を行うべき段階である。私の記憶によれば、委員長も業者大会において強い発言を行つておられるので、委員各位も同様の意見であると思います。従つて水産委員会としては、防潜網並びに水中聴音機をすみやかに撤去すべきであるということを強く打出しまして、同時に撤去までの損害賠償については、すみやかに立法措置を講ずべきであるという結論を得て、これを衆議院の決議にいたしたい、このことを提案しておきます。
○福永委員長 ただいま川村君並びに井手君の発言の通り、委員会の空気は、この問題について相当に積極的であるということが見受けられますので、小委員会にこれを移しまして慎重審議、早急にこれが解決の道をはかりたいと思いますが、いかがでございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井手委員 小委員会に移されることはけつこうでございますが、なるべく早くこれの結論を得たいと思いますので、早急にお囲いいたします。
○福永委員長 早急にいたします。
○中村(庸)委員 見舞金の件も早急に……。
○福永委員長 関連事項全部含めてやります。
○井手委員 そういうふうに私どもは強い意思を持つておりますが、一ぺん現地を見る必要もあるかと思うのでございますが、委員長の考えを承りたいと思います。
○福永委員長 これも小委員会において研究の結果きめたいと思います。
○福永委員長 本日はこの程度にとどめ次会は来る十二日午前十時より開会いたします。 これにて散会いたします。 午前十一時三十一分散会