水産委員会 第4号
- 発言数
- 58 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/11/29
会議録
○福永委員長 これより会議を開きます。 前回に引続き、公海漁業に関する件について調査を進めます。 この際お諮りいたします。先般来当委員会において取上げて参りました李承晩ライン及び国連軍の朝鮮防衛水域における出漁問題につきまして、直接その利害関係を有する漁業者の方から、その実情を聴取してはいかがかと存じますが、有志委員の申出もありまして、今ここに長崎市の丸徳漁業株式会社専務取締役妹尾芳太郎君、福岡市の漁業者森口幸夫君、下関市の漁業者江口次作君のおいでを願つております。そこで以上三君を参考人に選定するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福永委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたします。 まず田口委員より発言を求められておりますので、これを許します。田口長治郎君。
○田口委員 朝鮮海域の漁業問題につきましては、当委員会におきましても相当外務当局と懇談をいたした次第でございますが、その結果から判断いたしまして、外務省、あるいは水産庁といたしましても相当努力をしておられる、その点は私らも認めるのにやぶさかではないのでございますが、ただその運び方がいかなることを進めておられるか、いかなる内容になつているかということを、ほとんど外部に漏らしておられない、ここに国民としての誤解が多分にある次第でございまして、せつかくの官庁の御努力を国民に知らしめることができないような実情になつている点から考えまして、官庁の立場からいたしましても、ある程度内容を国民に知らせることが国民の誤解を解く一つの方法でございます。また問題がここまで参りますと、秘密々々で役所にお預けしておくわけに行かない、かような気持も国民にある次第でございます。これは軍備のない産業がいかにみじめであるかということを如実に示している次第でございますが、ここに外交のうしろだてになるものをいろいろ研究してみますと、結局国民の輿論が外交の裏づけになると考えるのでございまして、今までの外務省の行き方、いわゆる秘密にすべてを運ぶ方法では、いかにしてもかくのごとき難問題は解決することが困難でないかと考えますがゆえに、この際私は外務省に対しまして、今までこの問題に対していかなる文書、いかなる回答がされたか、その内容を明らかにさせていただきたいと思うのでございます。このことが外務省その他の御努力になつていることを国民に知らしむるゆえんであるし、本問題を解決するところの重要なるポイントと考えますがゆえに、私はことさらにこの問題の経過に対する書類の交換のいきさつについて、まず第一に外務省にお尋ねしたいと思うのであります。
○倭島政府委員 今の御意見ごもつともだと存じております。先般委員会に対しましては御報告を相当詳細に申し上げましたし、また業界の方にはその代表の方を通じまして、交渉の模様をほとんどすべて申し上げておりますので、大体御了解を得ており、業界の代表の方から直接の御関係の向きにも伝わつておるかと存じております。なお従来の交換された文書の公表の問題でございますが、この点につきましては今の御意見もございますし、さらに研究をいたしまして御返答を申し上げたいと思いますが、この場合の文書の公表の関係は、従来ほかの外交関係でも同様でございますけれども、相手国のいろいろ意向もございますので、その点研究並びに交渉させていただきまして、その上で公表の問題についてなるべく御要望に沿うようにいたしたいと存じます。
○田口委員 今ここでただちに公表をするということは、相手国その他の関係もあるので、あとで十分に研究の上で趣旨に沿うように努力する、こういうお言葉でございますから、その点は了承いたしたいと思うのであります。 そこで各論的に少しお伺いしたいのでございますが、九月の二十七日の国連軍の韓国防衛水域設定については、あらかじめ日本政府は、国連あるいは米大使館その他から御相談を受けておられたのでございましようか、受けておらなかつたのでございましようか、その点まず第一にお伺いいたします。
○倭島政府委員 このいきさつも先般相当詳しく申し上げたと思いますが、これは相談ということではなくして、軍事上の必要で何らかしなければならぬことになるようだということを一日、二日前に耳にいたしたことは事実であります。それに対してこれはたいへんなことになるということから、そういう軍事的な措置が考えられる際には、いかなる影響がわが国の漁業にあるかという点を十分明らかにしておかなければならないということで、直接の政府の担当であります水産庁と十分協力し、また水産庁の方から直接いろいろ手を尽された状況でありまして、相談というのではございませんが、そういうことを耳にしまして以来、ただちにわれわれのなし得る手配をしたというわけでございます。
○田口委員 その問題に関連しまして、九月の二十九日に日本政府から書面か、あるいは口頭で米大使館に対して質問と希望の申入れがあつたようなふうに承知しておるのでございますが、その内容について御発表を願いたいと思います。
○倭島政府委員 この文書の全般についての公表の問題は、前申し上げましたようなふうに御了解願いたいと存じますが、大体のところは、一体この措置というものがわれわれにわかりましたのは、最初は新聞を通してでありまして、新聞の報道がどの程度までその全貌を伝えるか、真実であるかということがわからなかつたものでありますから、第一のわれわれの要求は、一体どういうような発表があつたのかということを尋ねたわけであります。 その発表文を入手したいということで、その発表文は先般も差上げたところのものでございますが、それから防衛海域の性質なり、あるいはそこへ日本の漁船が入つたりいたします際にどういう取扱いを受けるかということについてはつきりしたいということで、必ずしも新聞その他言葉で聞いたところでは明らかではありませんので、その性質を明らかにしてもらいたいという要求を第二にしたわけであります。 それから第三番目には、その文書を出します前に、先ほどもちよつと申し上げましたが、日本の、特に漁業の関係がたいへんな影響を受けるということを直接感じたものでありますから、資料を添付いたしまして、さらにこの点を十分考慮してもらいたいという点をつけ加えたわけであります。 それからまた従来、ちようど防衛海域の宣言せられた付近において、朝鮮の監視船その他が日本の漁船に対して加えた種々のことがございますので、防衛海域というものを実施されるにあたつても、そういう朝鮮の従来の李承晩ラインの関係あるいは朝鮮側のとつた措置と紛淆を来さないようにしてもらいたいという希望を申し入れました。 それから最後に、日本が従来主張しております海洋の自由という建前もありまして、さらにこの点を述べて、いわゆる李承晩ラインというものとは何ら関係がないと思うがどうかということで、この点も念を押したわけであります。
○田口委員 ただいまの日本政府の申入れに対しまして米国大使館から回答が来たと思いますが、その回答された日にちと内容を、ことに漁業に関係したポイントだけでよろしゆうございますから、御説明願いたい。
○倭島政府委員 米国側の回答は日本の口上書に対しまして約二週間遅れて来たのでありまして、その日にちは十月の十三日に向うから参りました。その回答には国連軍司令部の広報局の発表というものが添付されて来たわけであります。それからこの回答は、日本政府が今申しましたような質問なりあるいは要望なりをいたしましたのに対してその一部を答えて来たものであります。実はこの書面を日本政府が受取るまでの一週間の間においているく口頭をもつて交渉をし、要望をさらに追加して交渉したわけでありまして、最初の手紙と、それから米国側の回答が参ります間にいろいろそこに交渉があつたということをお含み置き願いたいと思います。そういう経緯を経ましたあとで、日本側の要望並びに交渉の結果の一部が書面のかつこうで返答として来たというわけでございます。なお漁業の関係につきましては、ここでそのままの字句を申し上げることを少し差控えたい点もございますが、要するにこの防衛海域の中に漁船が入ります際は、陸海軍軍事行動の遂行を阻害すると認められる際には退去するよう警告されるということと、嫌疑をかけられたりあるいは頑強に抵抗するというような極端な場合以外は、いかなる船舶も拿捕されることはないという点がはつきりしたわけでございます。
○田口委員 ただいまのお話によりまして、日本漁船が防衛水域内に入りました場合、作戦の保全を危殆に陥れる場合は退去を命ずる、また嫌疑を受けあるいは極端に抵抗したときは拿捕する、こういうことがはつきりとなつた次第でございますが、そういたしますと、結局、作戦の保全を危殆に陥れる心配がない、また疑わしき事情もないし、極端に反抗もしないという場合におきましては、われわれは安心して漁業ができる、こういうふうに私考える次第でございまするが、この点につきまして、重ねて倭島局長のお考えをお伺いしたいと思うのであります。
○倭島政府委員 その辺、はなはだ残念ながらいまだに不明確であります。国連軍が米国の大使館を通じて書面をもつて通知をして来た点は、今申し上げましたように、陸海軍事行動の遂行を阻害するということが認められるときには退去を警告するという書き方になつております。従つて、これを今度裏から読めば、今の御解釈のように、そうでない際にはいくらでも出れるのではないかという解釈になるわけでもあります。日本政府が第二の手紙を十月の十八日に出しているのですが、この十月の十八日に出しました手紙においてはこれも、十三日に向うの返事が参りまして、五日間研究をし、またさらに交渉を重ねて、そして第二の日本政府からの手紙を出したのでありますが、その手紙の中には、今おつしやいましたような解釈を多分に取入れて出したわけでありますけれども、その解釈は必ずしも正確でないというような表示がまたありました。要するに、逆を読めば、軍事上さしつかえないときはいくらでも出れるのじやないかというかつこうで、出得るというふうに直接解するのは少し行き過ぎであるという状況にあり、現在も同様であります。
○田口委員 倭島局長は非常に消極的にお考えになつておると思うのでございますけれども、少くとも作戦の保全を危殆に陥れる、あるいは嫌疑あるいは極端な反抗ときわめてはつきりした文章でございますから、作戦の保全という言葉の解釈に相当むずかしい点があるかもしれませんけれども、この危殆に陥れるというような言葉があるのでございますから、日本漁船どの船をつかまえましても、少くとも政府の証明書を持つている船は、嫌疑を受けることもないし、あるいは反抗することもないし、作戦を危殆に陥れるというような漁船は一そうもいないというように考えます。また日本の現在の立場、いわゆる食糧問題にいたしましても、出漁の問題にいたしましても、支那東海の漁船の経営状態、経済状態から申しましても、日本国民を苦しめるというようなさような気持は、国連軍あるいはアメリカには絶対にないと考えるのでございますから、これは当然文章の通り、こういうふうに解釈しなければならないと思うのでございます。またさように解釈すべきものであるというふうに考えるのでございますが、ただこの御回答がありました後におきまして、実際に現地でいかようになつているか、こういう点が、私ら多少は聞いておりますけれどもはつきりいたしませんから、この御回答があつた後におけるところの現地の実情につきまして、参考人に詳細に参考事項として意見を聞きたいのでございます。
○江口参考人 地図について御説明申し上げます。 私ども以西漁業を営んでいる者は、中間漁区を含めて百三十度以西の東海黄海を漁場とし、南の方は台湾の北までの漁区をもつて漁場としている者でございます。こちらに青く入つておりますものが旧マッカーサー・ラインでございますが、これは御承知のように講和の三日前に廃止になりまして、一応漁場がオープンになつたと考えられる次第でございます。その細く赤く書いてありますのが九月二十七日に示されましたいわゆる防衛水域の海面でございます。この赤く大きく入つておりますものが二十七年の一月中旬に発表されたいわゆる李承晩ラインでございます。それでこの百三十度以西の漁場の中の、このクラーク・ラインの先駆をなすものとして漁場のあり方をごくかいつまんで申し上げたいと思います。 私どもの一番よい漁場であります山東岬角からこちらの方に寄りました漁場は、中共の圧迫によりまして公海のまん中においてすら拿捕が続き、現在九十八隻という隻数が拿捕されておるのでございます。これは以西の全漁区の一割五分に相当する漁船が拿捕されております。しかも向うは、拿捕をいたしますとそれにすぐに機銃をつけまして、今度は日本漁船の拿捕に向うのであります。ちようど将棋の駒と同じようでありまして、向うに駒をとられるとそれが向うの駒になつてこちらに王手、飛車取りをかけて来るという状況で、現在すでに九十八隻がとられている状況でございます。 それで中共の出て参ります限界はどこかと申しますと、はなはだ皮肉な偶然でございまするが、李承晩の宣言したこの百二十四度の線の西側すれすれにずつと中共は来ておるのでございます。そうして南の方はこの図面の下になりますが、上海の南の方になります。北緯の二十九度から北、東径の百二十四度から西の方は中共の完全な勢力下になつておりまして、一ぺんここに出れば拿捕される危険な水面だ、かように御承知おき願います。従いまして私どもに残された漁場は二十九度から南、これは大陳島という所に国民政府の海軍の根拠地があるようでございますが、あの二十九度から南二十六度に至る間、百八十マイルのわずかな水域と、それから朝鮮のこの水域が私どもに中共から残されておる安全な水域であつて、ここが一番大事な区域であるというように私どもは実は考えておつたのでございます。ところが、李承晩ラインは二十七年の一月に制定されておりましたけれども、これは実際上は何らの害もなく、八月に及んだのでございます。先生方のお手元にも参つておるでしようが、日本週報に詳しく書いてございますが、八月十四日に山口県の萩に国籍を持つております第五七福丸という船が済州島の東の三十マイルの所で操業しておつたときに、韓国の海軍が参りまして、これを拿捕して行つたのであります。そうしてこれをひつぱつて行つて、済州島に行つて裁判にかけたのですが、結局そのときに何と言つたかというと、お前のつかまつた場所は確かに三十マイルの所だ。しかしお前はその前日に牛島の水道に入つておつて、領海一マイル半の所で操業をしておつたということで脅迫したそうでございます。私はその船長からじかに告白を聞きましたが、非常に生命の危険があつたので、泣く泣くであつて、私は神かけてこんな所にその前日行つておつたはずがないと言つておりましたが、ともかく前日その辺に何か日本の船がいたというのだそうであります。それで、これはお前らしいということで、これはお前だと強制的に自白を強いまして、裁判の結果が船、漁具没収、船長、機関長は懲役ニ箇月、罰金五万円、そのほか二人ばかりが罰金刑ということで、体刑を受けて労役に服して帰つて来ております。 それから引続きまして、九月の十二日と思いますが、長崎県のさばのきんちやくをしておりました二十七海鵬丸という船と、同じく長崎県の船で松寿丸という船がやはり済州島の東側で操業しておりましたときに、韓国の軍艦にひつぱつて行かれたということであります。これは乗組員のうち三十四名下の方は帰つておりますが、責任者の十数名がまだ帰つておりませんので、はつきりしたことはわかりませんが、当時付近におりました船からの状況を総合いたしますと、少くとも十数マイル離れたところに操業しておるのにひつぱつて行つて、同じようにここでお前は領海侵犯したというかどで起訴、告発しておるというのが現状でございます。おそらくこの結果も第五七福丸と同じような判決が下るものでないかと私は推定しておるのであります。 ところで以上三隻は防衛水域の設定前の今年のできごとでございますが、九月二十七日に防衛水域の設定が発表されまして、続いて十月五日になりますと、李承晩大統領は海洋侵犯の取締り令を出す。そしていわゆる李承晩ラインの方を法的に裏書きするような措置に出ておつたのでございます。それで、私どもは現地において非常に心配いたしまして、東京の情報を待つ一方、佐世保に韓国の駐在武官の金少佐がおりますが、金少佐に人を介して情報を探りましたところ、その金少佐から探つた情報というのは、韓国の海軍司令官が麾下の艦隊に対して次のような命令を出しておる、韓国の海軍は友援軍——国連軍だそうですが、友援軍の封鎖作戦に協力して、この防衛水域内の警戒の任に当る、二つには、大韓民国及び国連軍の発行する証明書を持たない船は処罰するのだ、大づかみにしますとそういう二点を情報として私どもは聞いておるのであります。そういたしますと、先ほど倭島局長さんから承りましたような国連軍の意図と、韓国海軍の意図と、ここに非常な食い違いがあるのじやないかと私ども考えておるのであります。一つは、国連軍の方では、韓国海軍は国連軍の指揮下に入つておるかのごとくにあるいはお考えになつておるのかもしれませんが、今申しました情報によりますと、韓国海軍は独自の権能を持つておるのだと韓国は考えておるようであります。二つには、クラーク大将の方は純然たる作戦のために立ちのきを命ずることがあり得るというお考えのようですが、韓国の方は、自分の方あるいは国連軍の証明書を持たない船はみな追い出す、こういうのがこの情報の食い違いでないかと考えております。 それならば、実例はどつちの線に沿つて行われたかということを申し上げますと、十月十三日午前三時、当時済州島の東の端の牛島から巨文島を結んだ線から大体十マイルくらい離れた所に、静岡県、千葉県、鹿児島県あるいは長崎県からのさばのつり船が、当時二百余隻行つておりましたが、その晩は四、五十隻たつたろうと思います。これが今申し上げたように巨文島を結んだ線から大体十海里離れておりますが、やはりクラーク・ラインの内側で操業しておりましたときに、韓国の軍艦数隻——夜陰でありますので隻数ははつきりわかりませんが、数隻から曳光弾の攻撃を受け、次いで小銃が乱射されましたので、くもの子を散らすように逃げ帰りました。幸いこのときには、被害は、死傷者も拿捕の船もなくて済んだのであります。続いて十月二十一日になりますと、済州島の東南東、やはり牛島から三十マイルくらい離れておることがあとでわかりましたが、この地点に韓国の監視船二隻からサーチライトが照射されまして、二隻の漁船が遁走しておるのであります。続いて十月二十四日になりますと、下関の手操り船の出雲丸という船が、巨文島のばら島のサウス・ウエスト二十三マイルの地点で操業しておるところを、韓国の駆潜艇らしいものが三隻参りまして、これはクラーク・ライン内であるからといつて退去を命じたわけであります。十月二十五日になりますと、門司の第一管区に所属しております海上保安庁の巡視船の壱岐という四百七十トンの大型の船でございますが、それが今度は済州島の南の水域を航行しておりましたときに、韓国の砲艦から停船命令を受けた。それでこれは、公海上であるからというので拒否して航行を継続したところ、この海上保安庁の船に対して数発の小銃弾を撃つて来たのでございます。十月の三十日には下関のさばのきんちやく船の東天丸、南天丸という船がやはり済州島の東の方の水域で、農林二百五十四といいますから十数マイル離れておる所にやつて参りましたところ、韓国の海防艦から、やはりクラーク・ライン内であるからというので退去を命ぜられておるのでございます。以上の場合は全部クラーク・ライン内であるからといつて撃たれたり、あるいは退去を求められたりしたのでありますが、十一月の十日になりますると、初めてこの李承晩ライン内の操漁を禁止するというケースが起つたのでございます。それは下関の第三進魚丸という手繰り船です。これが農林二百三十三といいましてちようどこのクラーク・ラインと李承晩ラインとの間でございますが、そこで韓国の軍艦が二隻とそれから遠くにアメリカの軍艦が一隻おつたそうであります。都合三隻が来て、そして韓国の軍艦が横づけをいたしまして、お前は新しい法律ができたことを知つておるか。知らないと言つたところが、李承晩ラインというものができた。そこで初めて李承晩ラインというものが問題になつたのですが、李承晩ラインができて、お前はこの李承晩ラインの中に八マイル入つておるから、十一マイル南に下れ。というのは、この李承晩ラインからさらに三マイル外へ出ろということだと思いますが、命じられたということであります。しかもこの韓国の掃海艇の持つておつた海図には、今の防衛水域のこの線は入つておらなくて、この李承晩ラインの線だけはちやんと記入されておつたということでございますから、事態はきわめて重大視する段階に入つたのではないかと私ども考えております。 以上申しましたように、私どもが佐世保から知り得た情報では、日本の漁船といいますか、韓国及び国連軍の証明書を持たざる限り全部ここから撤去させられるのだということは、佐世保のいわゆる海軍の司令官が麾下の艦隊に出したという命令通りにそれが実行されて、日本の漁船は見つかると全部、防衛水域はおろか、李承晩ラインより外に追い出されておるというのが実情であると考えます。 それからその後に起りましたケースといたしましては十一月の十五日でございます。これは場所は全然違いまして、朝鮮の西海岸のちようど北緯三十六度の地点なんでありますが、推定場所で北緯三十六度十分と百二十四度四十五分、その辺に下関の手繰り船の第六、第七日進丸というのが操漁しておりましたところが、アメリカの空母と駆逐艦とがやつて参りました。ちようど真夜中でございましたが無燈でやつて参りまして、いきなり空母を守つておりました駆逐艦が漁船に横づけになりまして、この漁船を曳航しまして、三十八度の線に近いところに巡威島という島嶼がございますが、そこに連れて行きましていろいろ取調べをしたのでございます。そのときに、お前たちはウオー・ゾーンを知らないか。戦争水域といいますか、これを知らないかと聞かれて、船長は、いや自分は李承晩ラインとかクラーク・ラインというものは聞かされておつたけれども、ウオー・ゾーンというものは聞かないと言いました。ところが向うの駆逐艦から来ました中佐だつたそうですが、それは対島から釜山を結び、それから山東岬角を結んだその北の方がウオー・ゾーンだということを申したそうであります。そこで船長はおかしいと思つてしつこく聞きましたら、沿岸の警備隊の船が来るからそこでまた詳しく説明をするということでありました。そしてすぐ、コースト・ガードと申しますか、沿岸の四千トンくらいの巡洋艦が参りまして、そこから中佐と大尉が参りまして取調べをいたしたそうであります。——言い忘れましたが、前に取調べた海防艦はTAVLOR四百六十八号という船であつたそうでございます。そのあとで、このコースト・ガードのイギリスの国旗を掲げた四千トンくらいの巡洋艦が参りまして、その大尉と中佐が来たそうであります。その大尉がウオー・ゾーンといつて示してくれたのは、三十七度四十五分ですから大づかみに三十八度と御記憶願つていいのですが、この三十八度から百二十四度の線を下りまして三十六度、こう結んだ線、これがウオー・ゾーンだ、こつちには全然来ちやいかないのだということを言つたそうでございます。だからこつちだけは来ちやいかないのかと言つたところが、こつちへ来ちやいかないのだ、それで船長がしつこく聞いたところが、防衛水域と李承晩ラインという問題は、全然イギリス及びアメリカのこちらに来て調べました船は問題にしていなくて、結局三十六度、百二十四度の線だけは来るな、かようなことを申したそうであります。そこで私どもはこの線だけはほんとうに作戦水域であつて、あとのところは朝鮮がかつてに追つ払つておるのであろう、国連軍の純然たる作戦水域ではないのじやないかということが、実は考えられて来ておるのでございます。たまたま今の第六、第七日進丸の船長の取調べと符号いたしますように、十一月の十七日に釜山の朝鮮の漁業をやつております金光水産の代表者である金光浩という男が下関の私のところに参りまして、いろいろ朝鮮の漁業の話をしておるのを聞きましたところ、自分たちは許可証を持つてこつちの方で自由に操業しておる。しかし韓国政府から、この三十六度以北とそれから東海岸では三十七度から北は行つちやいけないという命令を受けておるという話をしておるのでございます。もつともそのときには、この百二十四度ということは全然申しておりませんでしたが、三十六度から北は私どもも行けないようになつておる、東の方は三十七度から北は行けないようになつております、こう言つておりました。従つて韓国の意図はこつちだけを禁止して、あとは韓国の漁船は随時に操業しておるのだ、日本の漁船は、数数申し上げました事例のように、完全に締め出されておるのだというのが実態でございます。
○田口委員 ただいまの参考人の説明によりまして、われわれはクラーク・ラインの設定についてもいろいろ考えるべき問題があるのでございますが、これはそこまでは論及をいたしません。ただ参考人の説明で、国連軍といたしましては公文書で明らかに、この線内で漁業をやつていい、あるいはわれわれが一般に聞いております関係国の利益を阻害するものでない、こういうような点及び日本の現在の国情からいたしまして、国連軍としてはおそらく日本漁民を苦しめる、日本の食糧問題を困難にする、かような意思は全然ないと思うのでございますが、たださような国連軍の通牒あるいは意思であるにかかわらず、現実ではそういうような文書がないのと同じような実情になつておる。この原因を今の参考意見によりまして判断をいたしまするのに、結局取締船が国連軍の艦艇にあらずして朝鮮の海軍がこれに当つておる、これが主たる原因であるように考えるのであります。従つて、この問題は日本の実情を国連あるいはアメリカに訴えると同時に、この漁業取締りを完全に国連軍の艦艇によつて取締る、こういうようなことができますれば、ある程度解決する部面が非常に大きいのでないか、こり問題が一つ。いかなる努力をされましてもこの問題は解決をしないということになりますれば、結局日本の漁船に、アメリカと申しますか、国連軍の証明書を持たしてもらうか、この二つの方法で解決するよりほかに道がないと考えるのでございます。私は韓国軍につきましては別に質問をしようと思うのでございますが、この問題の解決は、何といたしましてもアメリカの御努力にまたなければならぬ。こういう見地から申しまして、ただいま申しましたように、漁業の取締りを国連軍の艦艇でやつていただく。またこれがいかにしてもできないという場合におきましては、この往復文書あるいはあらかじめ発表してある関係国の利益を阻害しないといういわゆる正義と申しますか、人道にかなつたアメリカの行き方から申しまして、アメリカあるいは国連軍の証明書を日本の漁船に持たせる、この二点について外務省に強く御努力をしていただかなければ、問題は解決せぬのではないか、かように考える次第でございます。なおこの防衛水域内においては、いずれの国に対しても差別待遇をしないということをはつきりわれわれは承知をしておるのでございますが、現地においてはたしてこの差別待遇が全然ないものであるか、あるいはあるものであるかということについて、参考人のどなたでもよろしゆうございますから、現地の実情を御説明願いたいのであります。
○森口参考人 差別待遇の件につきまして御説明申し上げたいと思います。現地の海域においては、朝鮮軍が監視いたしております状況下において差別待遇を受けておるということは、前参考人が申した通りでございます。日本の漁船が防衛水域付近または李承晩ライン内に入つておりまして、朝鮮海軍がこれを見つけたら、ただちに李承晩ラインに退去を命じておるのが現在の実情でございます。しかしそのライン内においてしからば韓国の漁船が操業しておらないかといえば、韓国漁船は全部安全操業をいたしておるのでございます。その顕著な事実といたしましては、朝鮮海域、特に済州島周辺海域は、私ども以西底びきといたしましては十二月の中旬から三月末がこの漁場の盛漁期でございます。また五月から十月末まではあじ、さばのまき網漁業、さばのはねづり漁業がこの海域において盛漁期でございます。ところがいわゆる韓国漁船が相当の隻数をもつてその海域内で操業いたしておりまする顕著な事実といたしましては、連日下関の市場に対して、朝鮮からその海域において漁獲された漁獲物が相当数搬出せられまして、これを販売している事実がございます。その金額は、これは外務省あるいは水産庁でもよくおわかりと思いますが、相当額に上つているのでございます。以上御説明申し上げます。
○田口委員 国連軍の立場といたしましては、日本国民を困らせないという立場であろうと思いますが、今表向きに出ているところの、いずれの国といえども差別待遇をしない、こういうようなことに対しても、ただいま参考人から説明があつた通りでございます。われわれといたしましては、結局この問題は国連軍の意思でなしに、ほかの力によつて動いている、こう解釈せざるを得ないのでございます。かような観点からいたしまして、私は先ほど申しました防衛水域内の船舶の取締りを国連軍海軍でやつていただくという問題と、それがいかにしても解決しなければ、これは国連軍の証明書を日本漁船に持たせる。この二点が問題の解決ポイントではないか、かように考えるのでございまするが、この二点について外務省では今日までいかなる御努力をなされましたか。もしまだ折衝していないということでございますれば、これから先この二点についてあらゆる努力を払われる御意思はありませんかどうか、その点をお伺いいたしたいと思うのであります。
○倭島政府委員 先ほどからの御意見の中に、二、三私が説明いたしました点で、徹底しないためか、ちよつと事実と違う点がありましたので、二、三申し上げて、それから御質問にお答えしたいと思います。 先ほど、漁船が防衛水域の方面に出る際に、どういう場合に軍との関係で退去を命ぜられるのかという御質問がありました際に、私の使用しました言葉は、陸海軍の軍事行動の遂行を阻害すると認められる際は、退去をさせられるということで、たとえば軍事行動を危険に陥れるとかいうようなことではなくして、相当広い言葉で言われておるわけでありまして、軍事行動を阻害する、しかもそれが認められるというのはこつちが認めるのでなくして、軍当局が認めるということになりますと、はなはだ広い適用を受ける可能性があるというふうに考えております。なお現在もこの交渉にあたりましては、政府としては、従来の発表文なり、米国の大使館を通じてわれわれが承知しております国連軍の意図がどういうことであるかということは、できるだけはつきりさせたいと思つておりますけれども、実ははつきりさせたいということに趣旨を置きますと、はなはだきゆうくつになる傾向が見えますので、むしろはつきりさせないままに、実際上日本漁船が出れるように、あるいは日本の漁業がさしたる悪影響をこうむらないようにする点に趣旨を置いて交渉しております。そして最初の国連軍の発表はすでに差上げておりますが、その中には防衛水域の性質なりがはつきり書いてありません。それをだんだんとつついて参りまして、はつきりしないのではないかということでやつて来ますと、むしろそれがこわばつてしまう。それで先ほども申し上げたのでありますが、防衛水域の問題で、向うの文書に書いてあるのに対して、たとえば日本政府の方の解釈の仕方がむしろ少しきゆうくつに解釈しておるのじやないかというふうな印象をあるいは持つておられるかもしれませんが、それはそうではありませんので、日本政府としては少しでも多く解釈して、船の出れるようにしたいということで努力しておるのでありますし、そういうかつこうに持つて行きたいというのが交渉の主眼点でありますけれども、実はその書きものにあまりへんなことを書いてもらいたくない点もありまして、あまりはつきりさしてもらいたくないという希望も述べ、また交渉もしてはつきりしてないのでありますが、要するに現在の交渉の段階におきましては、先ほどおつしやいましたような反対解釈で、軍にさしつかえがなく、じやまにならなければ出れるのじやないかということを積極的に解釈するところまで、残念ながらまだ了解に到達しておりません。実際にわれわれの承知しておる今の段階を申しますと、軍の建前としては、大体軍事上あそこを指定したのであるから、いつでも軍の必要によつては立ちのきを命じられる状況にあるということでありまして、それをさらに逆の解釈をしますれば、いつでも立ちのけと言われるかもしらぬということを含んでおいて出ることはできるという程度には言えるかと思いますけれども、しかしそれはしよつちゆういつでも立ちのきをしろと言われることが前提になつているわけであります。それ以上の了解は残念ながらいまだについていないのであります。従つてさつき参考人の方がお話になりましたが、北の方のいわゆるウオー・ゾーンというものは、時期的には相当以前に軍から声明せられたようでありますけれども、この点については日本政府は何ら通牒も受けておりません。しかしうすうす知つておるところでは、北の方の関係は相当前に軍の必要でやつておるのだろうと思つております。それから南の方の関係につきましても、防衛水域が発表されておりますが、その区域においても単に韓国の艦艇が出ろと言つておるということではなくて、国連軍の現在の建前がそういうことになつておるというふうにわれわれは承知しております。 次に国連軍と韓国の艦艇の関係でございますが、従来何回も交渉した結果承知しておるところによれば、韓国の艦艇は国連軍の司令官の指揮下に入つておると承知しております。従つて国連軍の司令官の命令のもとに動く、あるいは監督指揮のもとに動くという建前になつておると承知しております。そのほか防衛水域の領海の近所を航海する韓国の艦艇で、国連軍の指揮下に入つていない艦艇はほとんどないのではないかと私は想像しております。それから先ほどちよつと申し上げたと思いますが、最初日本側の方から出しました手紙の中にも、防衛水域の哨戒とか取締りは国連軍の艦艇でやつてもらいたいということは申し入れておりましたし、何回も交渉しておるところでありまして、大体実情もそこへ来ておるかと思います。先ほど参考人のお話の中で、国連軍の艦艇がそばにおつて韓国の監視艦と申しますか、それが李承晩ラインの中に入つておるからそとに出ろという要求をした件についても、われわれ承知してただちに、国連軍の方の注意を喚起しており、それについての書面の回答はまだ受取つておりませんけれども、そういうことがあるはずがないということでただちに現地の関係当局の方へ連絡をしてもらつておる状況でありまして、そういうことが今後起ることはないはずだと考えております。それが大体補足して申し上げたい点であります。 それから先ほどの二点の御質問でありますが、防衛水域の取締りなり警戒は国連軍の艦艇でやるように交渉する点はどうかという点につきましては、これは最初からそう頼んでおります。しかしたとえば英国人なり米国人なり韓国人以外の人たちが乗り込んだだけの艦艇というものには限りがございましようし、実際問題としては、韓国のいろいろな艦艇が指揮下に入つておるということで国連軍がその命令指揮をやる、従つてその責任をとるということに私はなると思いますが、その問題はわれわれ最初から要求をしておりますし、そういうところへ、従来二、三そうではない例があるかもしれませんが、その方に向うと思います。さらにそういうことで不都合な点が将来あるならば、さらに政府はどこまでもこの点の要求をし、目的を達するようにしたいと存じます。 それから日本漁船に国連軍の証明書を持たせたらどうかという点につきましては、これは先ほどから申し上げますように、防衛水域内に出漁するということになりますれば、国連側の証明書を持つておりましても、やはり軍の関係で退去を命ぜられるという現在の建前でありますので、その関係ではへんな嫌疑をかけられることはないということにはなつております。実はその嫌疑の問題から申しますと、すでに水産庁の方で日本政府の身分証明書、あるいはそのほかの標識であるとか証明書であるとかいうものを用意せられておるようでありまして、国連軍に対してはそれを見せれば大体すぐ了解がつくということで、嫌疑をかけられる状況にないようにするということは、必ずしも国連軍の証明書を持たなくてもいいという——従来も国連軍の証明書の問題は実は起きておりません。日本政府の証明書を持たせてもらえばけつこうだ、それでは持たせましようということで話を進めております。従つて大体水産庁の方から今手配されておる証明書で、国連軍との関係は十分ではないかと考えております。
○井手委員 ただいま倭島局長の説明を承りましたが、どうもはつきりしないのであります。この切実な問題について原則は承知しておるとか、将来はそんなことはあるまいという答弁でありまして、私はこれに対して承服できない。従つて先刻参考人から述べられた点について二つ三つの事実について局長は承知しておられるのかどうか、その事実を承知しておられるかどうか。さらに交渉をどういう方面と進められておるのか、具体的にお答え願いたい。それによつてさらに私は追究したい。
○倭島政府委員 先ほどお話のあつた点につきましては水産庁を通じて大体承知しております。またさらに承知したいということを申し入れておる点もありますけれども、従来起つた事実については大体承知しております。 それから従来の交渉経緯につきましては、実は先般秘密会において大分長い御説明を申し上げました。なぜ秘密会にしたかというような御質問があるいはまたあるかもしれませんが、その点につきましては秘密外交というような観点ではございませんので、むしろ問題はまだ交渉を継続中であります点と、それから日本側が国連軍に要求しておりますものとちようど正反対の要求を朝鮮側からいたしておる状況でありまして、ここで今全部を発表するということは、むしろわが方の利益に反するという現在の状況にありますので、その点まだ秘密会で御説明いたしたい分も多々ございますけれども、その点以外の点では多少ぼんやり御説明をするというような関係にならざるを得ない点を御了解いただきたいと思います。
○松田(鐵)委員 下関に漁獲物がたくさん来ておるというが、どういう手続によつて日本に入つておるのか。その説明をどなたからかお聞きしたい。
○松尾説明員 韓国からの魚の輸入の状況につきまして簡単に申し上げます。御存じのように今の輸入制度一般は、外貨予算制度というものがこの四月までは三月ごとに、それからこの年の四月以降は六箇月ごとをもちましてつくられまして、それに基きましていろいろな外貨資金の割当とか、あるいは自動承認制とか、あるいは先着順位とかいろいろな方式がございますが、外貨予算制度に基きましているくな輸入のやり方をやつております。韓国からの魚類につきましては、自動承認制というようなやり方もいけませんし、先着順位というやり方もいけませんので、一応雑品的なものといたしまして、一括して毎回外貨予算に若干含まれておるわけであります。その中から関係の深い農林省と相談をしまして、雑品の外貨予算の中でどの程度魚類に充てるべきかということを相談しつつ今日まで来ておるというのが現状であります。 具体的な数字を申し上げますと、昨年におきましては、昨年の一月から十一月まではドルにして百万ドル程度の輸入の実績に相なつております。数量にしますと二千五百八十トン程度になつております。
○松田(鐵)委員 昨年韓国から船を買いに来ておりましたが、そのときにおいてどのくらいの船を売つてやりましたか。
○松尾説明員 船の具体的な数字は今持ち合せておりませんが、あとで調べました上でお知らせいたします。
○松田(鐵)委員 下関の漁獲物が二千五百八十トン、百万ドル、このような数字になつておる。日本から買われて行つた船、または拿捕された船によつて漁獲されて日本に輸入されておる。そうしてこういう事態が起きている。まつたくどこから考えて行つたらいいかわからぬような事態になつておる。日本の国の漁獲物がだんだん下つて、漁民が困つておるというときにこういうものが輸入される。これは水産庁と通産省はよく協議されてやつておるだろうと思うが、こういうことに対しても今後は十分な注意をしてもらいたい。アジア局長は国連軍の証明書がなくても、日本の船であるという疑惑が解ければいいじやないかというお話でありましたが、先ほど参考人からの意見では、朝鮮の船であれば自由に漁業をやつておる。しかし作戦水域はいけない。拿捕される日本の漁船というものは、韓国の海軍によつて行われておる。しかしそれは国連軍ないしは韓国の証明があればそれでいいというように聞えるのでありますが、解決点は、日本の漁船であるという証明を日本政府が出したところで、韓国の海軍は応ずるものではない。ここにおいて国連軍の一貫の作戦によつて水域を防衛しておる建前からいつたならば、韓国の海軍というものは、国連軍の指揮命令によつて行われておるのであつて、国連軍からの証明があつたならば、韓国の海軍といえども、これを拿捕するわけには行かないのじやないか。そこにポイントがあるのであります。それをやらなかつたならば、いつまでたつても解決しない。前の秘密会議でもアジア局長のいろいろな御意見を承つております。やむを得ないことだと思うのであります。そこでポイントは、ここ一つよりないじやないかと私は考える。これ一つさえ解決できるならば——国連軍の船によつては押えられない。それは遠のける注意をされることであつて、韓国のものによつてのみ押えられるのであるから、この点はひとつ日本政府としても実態をよく披瀝して、国連軍の証明をもらうように努力をしてもらうということによつて、この問題の解決があると思います。昨日池田通産大臣が、五人や七人の問題で、野党に負けて首を切られております。しかし九十何ぞうという船が今外国に、しかも朝鮮にとられて、その家族の者、本人がどのような苦しみをしておるかという実態からいつたならば、ここにおいて外務省は、この輿論と、業者がこれほどまでに真剣な叫びをしておる、これに対して、ポイントはここであるということはおわかりになつておることだろうと思う。しからばこの点さえ解決したならば、岡崎外交においても、私は再び不信任案なんというものは出るものでないと思う。今新聞には、岡崎外交に対して不信任案を出すなんと野党は言うておられる。私はこれさえ解決したら、その岡崎外交不信任案はないと思う。どうかアジア局長は、この点に対する日本政府の特段の御努力を願つたならば、われわれ水産委員は全部岡崎外交を支持することであろうと思う。この点を十分ひとつ御考慮願いたい。
○田口委員 今松田委員も強く要望されたのでございますが、私も先ほどからの話によりまして、問題のポイントはそこにあると考えるのでございますから、この防衛水域においての操業問題につきましては、外務省あるいは日本政府といたしましては、その一点だけをぜひ実現をしていただきたいということを強く要望をいたすものでございます。 なお私はこの防衛水域付近における日本の保安庁の取締船及び水産庁の取締船の行動について、この際承つておきたいと思うのでございます。今水産庁の取締船は何交代で航海をさせておられますか。また保安庁の取締船は何交代でやつておられますか。先般の水産委員会におきまして、保安庁といたしましては取締船の数が足らない、こういうようなお話もありましたが、私らももつともと存じており、国会としても取締船の建造ということについては格段の努力をしなければならぬ、かようにも考えておる次第でございますが、この現在ある船の運航を幾交代制でやつておられるか、その点をまずお伺いしたいと思います。
○増田説明員 水産庁の監視船の運航について御説明いたします。水産庁といたしましては現在監視船といたしまして特に東海、黄海方面におきましては、用船しております監視船が六隻でございます。水産庁所属の監視船として一隻、ほかに最近南方方面から回航いたしました監視船が二隻、計九隻が運航いたしております。そのうち先ほど申し上げました六隻の監視船は大体三百トン級でございまして、従来主として東海、黄海の中共地区水域について重点を置いたのでありますが、最近の事態にかんがみまして、主力を韓国の水域に置いております。それから南方地区から回航いたしました二隻の監視船は、韓国水域の漁業監視が重点でございまして、その水域の取締りを中心に運航しておるわけであります。ただいま申し上げました隻数によりまして、水産庁の監視船は常時中共地区には四隻が配備されておることになります。また韓国水域におきましては常時二隻、大体一航海の日数は十日ないし十四日でございまして、根拠地に帰還いたしまして、碇泊回数は二日でございます。一箇月のうち二十四日がこの行動に当つております。以上運航の状態について御説明申し上げました。
○松野説明員 それでは海上保安庁の現在やつておりまする哨戒の状態について申し上げます。現在海上保安庁は北方水域に常時一隻、支那東海から黄海にかけまして常時二隻、朝鮮の東岸から済州島の東方海面に常時一隻行動させる、こういう計画でやつております。大体一航海の行動日数は一週間ないし十日でございます。そうして各七、八管区の所属船を順次交代さしております。こういう状態であります。しかし常時この五隻を前線で行動させるためには、補給とか修理というような必要も考え合せますると、やはりこの哨戒のためには、少くとも十隻ないし十二隻のものが必要である、こういう状態であります。
○田口委員 参考人にお伺いしたいと思うのでございますが、かかる水域におきまして操業をされます場合において、日本の取締船が近くにおる、こういうことは非常に力強く、安心して操業ができる、こういうふうに考える点が一つ、それからもう一つは万一の場合がありましたときに、無電でよく「本船は今遁走中」こういうような無電が来るのでございますが、そういうようなときに、監視船がただちに現場に急行しつつありますかどうか、それが第二点。それから第三点といたしましては、漁船が監視船の位置を常に知つておるかどうか、万一の場合は監視船のおる方へ逃げる、こういうようなことがあるので、これは監視船の位置を漁船が必ず知つておる、また監視船も漁船の位置をはつきり知つておることが必要であると思うのでございますが、その三点につきまして現地の実情を御説明願いたい。
○妹尾参考人 ただいまのお尋ねにお答えいたします。私どもの漁船が出漁をいたしまして、危険を感じつつ操業いたしております際に、その付近にわが国の監視船、巡視艇等がおつてくれることは非常に心強いものでありまして、この船がおつてくれることを希望いたしております。第二の危険にさらされまして緊急通信をいたしましたとき、その付近におる監視船ないし巡視船の行動はどういうふうになるかという問題についてでありますが、従来のあらゆる場合を総合して考えます場合に、水産庁の監視船はいち早くこれをキャッチして救難におもむきます。距離も相当ありますときでも、本船はただちに救難に向う、がんばれといつて激励の無電を発して参るのであります。はなはだ申し上げにくいのでありますが、保安庁の船に対しましては、これらの措置に漁民としてかなり遺憾の点のありますことを申し上げておきます。第三点の漁船は水産庁の監視船並びに保安庁の巡視船の位置を常時承知しておるかという問題でありますが、漁船は水産庁の監視船の位置は常時承知いたしております。保安庁の巡視船に対しましては、遺憾ながら承知いたしておりません。以上でございます。
○田口委員 ただいまのお話によりまして、保安庁の取締船につきましては、私らもたびたび今のような意見を聞いておるのでございますが、これは別に保安庁が士気が上らない、こういうような意味でなしに、私は善意に、保安庁の乗組員の万一の場合における身分の保障あるいは乗組員の乗船手当、こういうような問題がある程度十分でないのではないか、こういうことを考えるのでございまして、この点につきましては、水産委員会といたしましても、十分調査をいたしまして、そうして、さような点について士気が上らないというようなことがないようにいたしたいと思うのでございます。この内容につきましては今ここで保安庁の方に、お伺いいたしませんが、多分そういうような関係があると考えます。しかし今の漁船の実情から申しまして、ほんとうに日本漁民が命がけで、しかもすべての財産を投げ出して仕事をしている。この実情をよく御認識くださいまして、漁民のたよるところは結局水産庁の取締船と、保安庁の取締船、この二つよりほかに現状においてはないのでございますから、何とか保安庁におきましても、現地取締船によく了解をお願いしまして、そうして取締りに遺憾がないように処置をしていただきたいのであります。これは外洋ばかりではなしに、沿岸方面にもさような問題が起つております。長崎県の鷹島におきましては幾度お願いをいたしましても、保安庁の船がやつて来てくれない。こういうことで保安庁の船がたまたま参りましたときに、役人の帽子をとつて海の中に捨ててしまう。かように沿岸漁業者も憤慨しているような事実がありますから、この漁業取締りにつきましては、格段の御配慮と御努力をこの際お願いをしておきます。また給与問題につきましては、私らも及ばずながらよく内容を調べまして、この点について遺憾がないように努力をするつもりでございますから、私は別に保安庁の方につつ込んで質問をいたしませんが、その点を重ねて強くお願いをしておく次第でございます。 なお通産局次長にお伺いをしたいと思うのでございますが、先ほどからの話によりまして、結局日本から漁船を朝鮮に売り、さらに魚をとるに必要であるところの漁具までを持つて行つて、そうして朝鮮海域で日本人を排斥して魚をとらしている。そのとつた魚は朝鮮で売れないから、内地に持つて来る。今内地の各種漁業が、漁価の低落で困つているその直接の原因になつているという、妙な関係になると思うのでございますが、いろいろ朝鮮での国内事情——悪意をもつて日本漁民を苦しめる報復手段というような意味でありませんで、日本内地の魚価の低落で三百万の漁業者が非常に困つている。この事実からいたしまして、日本から漁船、漁具まで提供して日本の魚の値段を下げる必要はないのではないか、かようにも考えるのでありますが、この点について通産局次長の御意見をお伺いしてみたいと思うのであります。
○松尾説明員 ちよつと先ほど昨年度の輸入について申し上げましたときに、数字が間違つておりましたので、訂正させていただきますが、魚介類といたしまして百万ドルと申し上げましたが、これは十五万ドルでありまして、トン数に換算いたしまして、四百トンくらいであります。実は前々から輸入によつて漁価に及ぼす影響あるいは先ほど来いろいろ御検討になつておりますいろいろなトラブルにつきましては、われわれも間接ではありますが、水産庁からも十分伺つておるわけでございます。従いまして水産物の輸入につきましては、かりに外貨予算が二百万ドルとかあるいは百万ドルというふうにきめられましても、現実の輸入の許可をいたす場合に水産庁と十分協議をいたしまして、もちろん水産物だけではなしに、全体としての考慮もいたさなければならないので、担当官同士としましては若干意見の食い違う場合もあるようではございますが、結果においては大体水産庁の御同意を得まして、今年になりましても一期あるいは三十万ドルとか五十万ドルという細々した輸入を継続しておるというのが現状なのであります。実は今の御指摘は、輸入をとめることはどうかというお尋ねではなかつたかと思うのでありますが、今いろいろお話を伺つてみまして、われわれもそれらの関係について十分承知していない面もございまして、非常に裨益させていただいたと思うのでありますが、これくらいのわずかな数字の輸入がはたして日本の魚価というものにそれほど深刻な影響を及ぼすかどうかということについては、実は通産省としては自信もないわけでありまして、長い目で見た場合にかなり輸出超過になりまして、ドルもどんどん送つて来ておる。詳しい説明は省略いたしますが、過去一年くらいにわたりまして千五百万ドルくらいのキャッシュ・ドルの輸出超過になつて、向うも送つて参つておりますし、長い目で日韓の友好関係をやつて行かなければならぬというふうにわれわれは考えるわけでありまして、個人的にはいろいろ今お話を伺いますと、かなり感情的な義憤も感ずるわけでありますが、そういうわけで、すぐ報復的な処置で輸入をとめる方がよいのか、あるいはまた報復することによつて向うの報復を呼び起すということも考えなければなりませんので、まあ二十万ドル、三十万ドルの輸入ということによつて——向うの漁民自身の対日感情と申しますか、私らも十分には承知しておりませんが、比較的親日的な感じを持つておるグループが漁業者に多いというようなことも伺つておりますので、はたしてそのわずかな輸入をとめることによつて有効な報復的措置になるかどうかということについても、若干疑問を持つわけであります。しかしながらいろいろ先ほど番一票ありました通りに重大な問題でありますので、実はこの十月以降の輸入につきましていかにいたすべきか、輸入を全然とめてしまうか、あるいは従来通り細細続けるかどうかということにつきまして、外務省、水産庁方面とも今実は相談中でありまして、まだ結論が出ておらぬのははなはだ遺憾でありますが、先ほど来の御意見も十分勘案いたしまして慎重に取扱いたい、こういうふうに考えております。
○田口委員 今の次長のお話でございますが、韓国から入つて来る水産物につきましては、鮮魚ばかりではなした、のりが非常にたくさん入つて来る。あるいはいりこが非常にたくさん入つて来て日本の業者を圧迫する。その上にまたかようなことで鮮魚が入つて来る。いろいろこの問題については将来考えなければならぬ問題が多分にあるのではないか、こういうふうに考えておりますので、せつかく官庁間で目下検討中ということでございますから、このわれわれの日本人としての気持もよく資料の一つに入れていただきまして、十分御研究になつて善処されんことを望む次第でございます。 なお最後に私は、支那東海の問題にいたしましても、あるいは北海道、千島方面の問題にいたしましても、朝鮮水域の問題にいたしましても、これらは結局国策の方向によつてかような問題が起つておる。一面日米行政協定によつて演習地その他で被害をこうむる分につきましては、国は法律をもつて補償をしておる。こういうような観点からいたしまして、防衛水面等におきましても、明らかに操業ができない、あるいは支那東海において国策のために仕事ができないということになれば、このしわ寄せを絶対に漁業者にのみ負担させてはいけない、かような考えを持つておるのでございます。われわれは何とかかかる国策的の犠牲、しかも日本としては食糧問題の解決上どうしても船を出さなければならぬ、こういう漁業に対する補償を常に考えておるのでございますが、今日までなかなか具体化をいたしません。やむを得ずわれわれは保険制度によつてある程度この問題を救済したいということで、漁船と乗組員の保険制度を設けてやつておるのでございますが、そのうちで乗組員の給与保険の問題につきましては、前国会におきましてわれわれは百円について大体一円四銭程度で間に合うのでないか、しかも資料が十分に整わないために、危険率を二〇%程度見て一円二十四銭程度で保険料を決定してしかるべきでないか、こういうようなことで進めておつた次第でございます。最近水産庁と大蔵省と料金についていろいろ折衝をしておられるという話を聞いておりますが、その折衝の過程におきましては保険料率が相当高くなつて、一円五十七銭というような数字も話題に上つておるというような話を聞く次第でございます。もともと国が補償でもしなければならぬこの種漁業に対しまして、今の業界の実情からして、一円二十四銭という、普通に計算して、なお危険率を二〇%見た二の数字以上に給与保険率を高くする、こういうことは業者としておそらく納得が行かないように考えるのでございますが、大蔵省といたしましては、いかなる算定でこの料率を一円二十銭では足らない、なお高くしなければならない、こういうようなお考えで水産庁と折衝しておられるのでございますか、今のこの実態からして、ある程度国が補償する、さような意味におきまして、この拿捕漁船の船員給与保険というものを設定したその精神にのつとつて、できるだけ保険料率は安くしなければならない、こういうふうに私らは考えておるのでございますが、まず保険料率の算定の基礎につきまして一応説明を承りたいと思います。
○井手委員 議事進行について。本日の議題は公海漁業に関する件で、問題の李承晩ラインあるいは防衛水域の基本問題を検討するものではないかと思います。やや専門的にわたつておるようでありますが、当面一番大事なことは、この問題について防衛水域、李承晩ラインについてこの点を明確にすること、明確になればわが国としてはどういう態度をとるべきかということだと思う。そういうふうに委員長は基本問題に集中して議事を進めていただきたいと希望いたします。 次に倭島局長にお尋ねしたい。先刻江口参考人の説明によりますと、李承晩ラインを厳守するというようなことで、私はこの点従来ただラインが設けられだ程度に承つておりましたが、今の説明によりますと新たな段階に入つたように感じたのであります。こういう段階に対して先方との交渉はどういうふうに進められておるか。第二にはわが国の船は入れないが韓国の船は安全操業をしておる。この問題に対してどういう折衝をやられるか、この点を承りたい。
○日野委員 今の質問に関連して……。実は私も委員会のあり方について意見があるのですが、その前に今月十四日に秘密会が開かれて、水産庁からこまかな数字を上げて、拿捕の状況とか、そうした事情を承つておるのでありますが、それから半月たつておる。この半月間に起つた件数、事故、これは水産庁の方から承りたいし、当時倭島局長は、ただいま交渉中であり、それを発表されることが外交交渉に及ぼす影響をおそれて秘密会を持つ、こういうことであつたので、その後半月間に行われた交渉の経過、交渉の進展の状況、これに対して外交交渉によつて解決する自信の程度、これを承つて、そのあとにこの委員会の持ち方、あり方について私の意見を述べたいと思います。
○福永委員長 井手君と日野君にちよつと申し上げますが、この問題については後刻ちよつと秘密会を開いてやりたいと思いますから、暫時保留願いたいと思います。 田口君に申し上げますが、そういう議事進行が出ましたので、本日の首題を離れないような質問を簡単にしていただきたいと思います。ただいまの答弁を許します。
○田口委員 ちよつとその前に、首題からはずれておるような印象を受けられるかしれませんけれども、実際にあすにでもつぶれてしまいそうだ。この漁船を破産をさせないために、われわれは保障の意味におきまして保険制度を設置しておる。しかも私が今言いましたのは、拿捕された乗組員の家族が、留守中に生活に困つておる。こういう問題に関連する問題でございますから、私は首題をはずれておるというふうには、絶対に考えないのでございます。要点は結局大蔵省に対して、乗組員給与保険法の率をできるだけ安くしてもらわなければ困る、このことでございますから、別に答弁はいりませんが、その点を大蔵省としては十分に御考慮になつて、そうして保険料率を決定されるように希望しておきます。
○高木説明員 ただいま水産庁と打合せをしております率は、最近三箇年の損害、危険というものを保険料率に織り込むということで話をしておるわけであります。それがよろしいかどうかという点については、御趣旨の点、なお検討いたしまして善処いたしたいと思いますが、一応保険ということになりますと、保険としての経済安全性も考えなければなりませんので、その場合、私どもといたしましては、最近三箇年の危険率というものを考えて話を進めておるわけであります。詳細の数字につきましては、本日持つて参りませんでしたが、基本的な点はさようなことであります。御趣旨の点なお研究したいと思います。
○田口委員 ただいまの大蔵省のお話によりますと、この保険を相互保険と同じような意味に解釈しておられるようでありますが、われわれは少くとも国家保障の代案としてこの保険制度を設定したのでございまして、国家の再保険ということを考えておりましたことも、相互保険ではない、こういうような意味でやつておつたのでございますから、その点をとくと勘案されまして料率の算定資料にしていただくように、お願いしておきます。
○川村委員 先ほど来アジア局長その他参考人から、朝鮮水域の問題に関していろいろ承つておりまして、私はどうも松田君の意見と同じであります。解決の道は一つです。と申すのは、もちろん水産庁におきましても監視船を出しておりますし、海上保安庁におきましても、海上の安全のために十分努力しておられることは事実ですが、現勢力をもつてしては、水産庁の監視船や保安庁の巡視船では解決がつかないと思つております。先ほど参考人が海上保安庁の巡視船に遺憾の意を表しておりましたが、その通りです。巡視船といえども、国力が朝鮮より増しておるとか、あるいは国連軍より増しておつたら、これは言わずしておのずから解決がつくのです。船の速度ということもありますけれども、陰に国力があると解決するが、その国力の相違から解決がつかない。ところがアジア局長の言われておりますこと、松田君も御指摘になつたように、国連軍の証明があればいいということだけは大体見当がつく。しかしこれも容易でないこともわかりますけれども、ク・ラインは防衛水域だ、こう発表しておるようでありますが、先ほどの参考人の御意見を聞きますと、三十七度線もしくは三十八度線から北の方へ行くと、作戦上困るから来るなという意味に解釈できます上、さらにそれより南、三十七度線から南の方だというと、防衛という、すなわち作戦上でなくて、ただ南鮮の方を守るために必要だというふうに解釈できるのでありまして、必ずしも国連軍はその地域ではやつてはいけないということを言つておりませんことは、アジア局長の言葉によつて信じられると思います。従つて国内的には、もちろん巡視船あるいは監視船の増強も必要でありますけれども、松田君の言われたように、アジア局長はすみやかに国連軍に対して証明書といいましようか、あるいはこれにかわるべきものを出してもらつて、それを持つて操業するものは拿捕しないというふうなことにしてもらえば、解決がつくと考えております。これは日本でもあり得ることなんです。と申すのは、法務省あたりで、大体立法の趣旨に応じて取締りなんかやりますけれども、さて末端の検察庁とか警察に行きますと、立法の精神から脱却して極端な取締りやいろいろな処罰をして社会問題等を起しておる。そうして上の方からそういうことをやつてはいけない、今後そういうことは、見のがせとは言わなくとも、緩和しろというようなことを命令されて、下級の警察なりあるいは検察庁なりが取締りや処罰の手をゆるめるということが幾多あるのであります。従つて朝鮮のいわゆる大韓民国の海軍が国連軍の支配下にあるという言葉から感じまして、国連軍からそういうようなことをしてはいけない、緩和しろというように申入れをさせましたならば、朝鮮海軍は必ず手をゆるめるのじやなかろうか、かように考えておりますし、もちろん松田君の言われるように、国連軍の共鳴があつたものに対しては、ある程度どこどこの区域までは許すというふうにしたならば、いわゆる緊急の問題としては解決がつくのじやないか。そうして漁業者の操業に支障のないようにして、さらに本法案においてこの措置を講ずることが妥当だというように考えますので、アジア局長に対して、先ほどからその後の交渉経過はどうかというようなことを聞かれる委員もありますが、もつともでありますから、そうしたことを何べん繰返しおつてもなかなか打開の道が講ぜられませんので、どうかアジア局長におかれても、すみやかに国連軍に対してわれわれの今までの意見を総合したところの趣旨をもつて交渉せられんことを希望いたしまして、私は失礼いたします。
○田口委員 数回にわたる政府当局と委員との質疑応答によりまして、この問題はきわめてむずかしい問題であるが、何としても今の実情からして早急に解決しなければいけない問題である、こういうことだけははつきりいたしました。いろいろ質疑応答の結果、結局明瞭にこの問題を解決できるというような見通しがまだわれわれにはつかないようでございますから、ここで私は衆議院の水産委員会として、一大決心をもつて強く政府にこの問題の解決に極力努力をするような決議をいたしたいと考えるものでございます。 私の考えております決議案の文案を申し上げます。 朝鮮半島周辺の広範なる公海漁場は、公海の自由を否定し、国際法の原則を無視せる李承晩ラインと防衛水域の設定により頻々たる漁場よりの強制追放、武力による威嚇、漁船及び乗組員の拿捕抑留により日本漁船の操業を不可能ならしめ事態極めて重大である。 右は幾十万漁民生活を脅かし、ひいては日韓親善上に悪影響を与えるものである。よつて政府は、適切周到なる対外折衝により急速なる局面の打開、国際情勢の犠牲たる漁民の損害補償を即時実施するよう申入れる。 右決議する。文案は委員長におまかせいたしますが、かかる意味の決議は、本委員会において採択されますようにお願いいたす次第でございます。右提案いたします。
○福永委員長 ただいまの田口君の御意見についてお諮りいたします。田口君の御意見につきましては、これを当委員会の決議とし、その文案は委員長の手元で整理の上、これを関係大臣及び当局に対し送付いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福永委員長 御異議なしと認めます。そのように決定いたしました。 次に防潜網による漁業損害に関する問題につきまして、中村庸一郎君より発言を求められておりますので、これを許します。中村庸一郎君。
○中村(庸)委員 本日は李承晩ラインの大きな問題が論議せられておるのでありますが、またこの防潜網の問題も、まつたく大きな問題を今日ここに展開して参つたのであります。東京湾並びに長崎県におきまする防潜網の損害補償につきましては、しばしばの陳情がありまするので、委員長初め皆さん御承知のことと思いますから、ここにこの問題を詳しく説明することを省略いたしますが、きわめて簡単に質問いたしたいのであります。 この防潜網の問題は、従来誤れる見解からいたしまして、まつたく取上げられなかつたのでありますが、この被害の甚大さは、ますます深刻をきわめて参つたのであります。しかしこの委員会におきまして、委員長は防潜網問題をどうお考えになりますか、御所信を拝聴いたしたいのであります。
○福永委員長 ただいまの中村君の御意見に対しまして、当委員会といたしましては、当然ごの問題は取上げまして、日を改めまして委員会において審議したいと思います。
○中村(庸)委員 ただいま日を改めて審議を願うというお言葉を承つたのでありますが、この防潜網の問題は、目下まつたく差迫つた状態に陥つているのであります。東京湾の防潜網問題は、今日までまつたく誤れる見解からいたしまして、魚族が動かないという被害の程度はどうであるかということだけ論ぜられておつたのでありますが、問題は非常に違つております。これは富津の第二海堡から旗山崎に至る十二キロの問に張りめぐらされているのでありまして、この問十七平方海里の漁場は、ほとんど漁業ができないのであります。このために二万八千世帯の漁民は、まつたく食うことができない、この八月以来一匹の魚もとることができないという状態に今日追い込まれているのであります。かような状態で、昨年度におきましては、六百万円の見舞金か、補償金かを頂戴いたしたのであります。すべてこの漁場ではまつたく漁業ができない、生活権を奪われて食うことができない状態に追い込まれておりまして、一昨日は漁業岩代表の陳情がございました。私親しくお目にかかつたのでありますが、防潜網を撤去してもらいたい、また撤去しなければ生きて行けないので切つてしまうということを、漁民でありますので、おどかしでなく真剣に考えておるのであります。従つてすみやかにこの問題をお取上げ願いたいと思うのであります。漁場制限に関する臨時措置法が今日できておりますので’従つてこの字句訂正くらいで立法化することが可能であると私は考えるのであります。この点すみやかにお進め願いたいと思うのであります。しかしてさような立法措置を講ずる余裕が今日ない状態に立ち至つておりまするが、昨年度におきまする六百万円という見舞金は、いかなる項目から支出されておりまするでありましようか。これは水産庁長官にお尋ねしたい。
○塩見説明員 これは特別訓達庁の所管になつておりまして、種目は終戦処理費でございます。
○中村(庸)委員 今年はいかが相なつておりましようか。
○塩見説明員 十三国会でもつて立法されましたところの操業制限等に関する法律では、今のところは解釈上入らないという形になつておりまするが、これはできるだけ何らかの形で補償をしたいと思つて現在努力中であります。それが実を結びますれば、これは防衛費の中から出ることになる。これも特別調達庁の所管でございます。これは立法上の問題は、第十三回国会で当委員会においてもいろいろと御質問がございました。法務府及び大蔵省と再三打合せましたが、法務府等の見解も、今のままでは解釈上では入らない、どうしても新法がいるということになつております。またその新立法の内容も、われわれ漁業者を代表してがんばらなければならない水産庁としましては、まずこの防潜網だけやつてくれという考え方が強いのでございまするが、大蔵省等においては、どうしてもこれに類似のものが他の産業との関係でも出て来るという点を主張しておりまして、それをも含めた形でないと立法は困るということ、それからもう一つ、日本国内においても同様な法令がないと、外国の軍隊、すなわちアメリカ軍のそういうふうな施設についての補償は可能でないという二つの点を言つております。そういう関係からして、立法をいたしまするとすれば水産庁ではなくて、特別調達庁と大蔵省等において一般的な立法をしてもらわなければならぬことに今までの経過はなつておるわけです。しかしそれの方は、いろいろむずかしい点があるので、まだ進んでおりません。それでわれわれの方としましては、そういうふうに遅れているなら、この防潜網だけで立法措置を講じてくれということで、案も持ちまして交渉しておるのですけれども、相かわらずやはりほかの方の関係も一緒でないと困るというふうな形で、停頓しておる状態になつております。
○中村(庸)委員 ただいま長官からいろいろ御説明を願つたのでありますが、立法措置を講じておつたのではまつたく間に合いません。従つて補正予算はこれから審議せられますので、いかなることもできると思いますから、それに対してすみやかに本年内に間に合いますような補償が、立法化されていなくてできないならば、いかなる方法を講ぜられても、重要な問題でありますので、さようにしていただきたい。二万八千世帯の人間がまつたく年を越せないで、防潜網を切つてしまうどいうほどの決意をいたしております。そのような事態に至りましたときは遺憾なことに相なることと思いますので、すみやかにかようなことのないように特別なる御処置を願いたいと思います。これから審議せられますこの予算では、これについてどういうふうに考えられておるか、ひとつ長官のお考えを承りたい。
○塩見説明員 これは先ほども申し上げましたように、防衛費の中でわれわれの方の所管ではございませんが、額から申しますと九十二億ございます。それでその九十二億の中で全体をまかない得るかどうかの算定はまだ必ずしもついてはおらない。ほかの問題もたくさんございますが、予算といたしましては、金額的には新しく追加して要請しなくても出せるのではないかと思つております。出す出し方といたしましては、立法措置を講ずるというようなことに十三国会ではなつておるのでございますが、もしそれが間に合わないとか、どうとかいうようなことになりますれば、見舞金というふうな形態で一時支給するという形態は考えられるわけであります。
○中村(庸)委員 この損害が二億八千万と計算せられておるのでありますが、昨年度の六百万円はあまりにも少額であります。従つてまだこれから予算の審議に入るのでありますから、どうかこの窮状を見られまして、十分なる御処置を願いたいと思います。時間も大分経過いたしておりますので、私は、このことだけをお願い申し上げて、本日の質問を打切ります。
○福永委員長 この際お諮りいたします。朝鮮半島周辺の公海漁業に関する問題につきまして、外務省当局の申出がありますので、ただいまより秘密会として議事を進めたいと思いますが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福永委員長 御異議なしと認めます。よつてただいまより秘密会に入ります。政府及び事務局関係以外の方は退場を願います。 ————◇————— 〔午後零時五十六分秘密会に入る〕 〔午後一時五十八分秘密会を終る〕 ————◇—————
○福永委員長 この際ただいまの秘密会議の記録の取扱いについてお諮りいたします。ただいまの秘密会議の記録中特に秘密を要するものとして印刷配付しない部分につきましては、委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福永委員長 御異議なきと認めそのように決定いたします。 —————————————
○福永委員長 次に小委員の補欠選任についてお諮りいたします。去る二十五日椎熊三郎君が委員を辞任され、翌二十六日同君が再び委員に選任されました。その結果椎熊君が担当しておりました公海漁業に関する小委員、並びに漁港、漁船及び漁業災害補償に関する小委員が、それそ、一名ずつ欠員となつておりますので、この際その補欠選任を行いたいと存じますが、これは選挙の手続を省略して、委員長において従前通り、椎熊君をその補欠に指名するに御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福永委員長 御異議なしと認めます。よつてそのように決します。 本日はこの程度にとどめ、次会の開会日時は公報をもつてお知らせいたします。これにて散会いたします。 午後二時二分散会