水産委員会 第2号
- 発言数
- 29 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1952/11/11
会議録
○福永委員長 これより会議を開きます。 まず国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。本委員会といたしましては、本会期中にその所管に属する重要な諸問題について積極的に調査を進めたいと存じます。それには衆議院規則の定めるところによりまして、その調査する事項について議長の承認を得なければならないことに相なつております。先刻の理事会におきまして、従来の先例に基き調査する事項、調査の目的及び調査の方法などにつきまして御協議を願つたのでありますが、調査する事項は、一、公海漁業に関する事項、一、水産貿易に関する事項、一、水産金融に関する事項、一、水産資源の保護増殖及び漁業取締りに関する事項、一、漁業制度に関する事項、一、漁港、漁船及び漁業災害補償に関する事項。調査の目的は水産業の振興改善に関する対策を樹立し、漁業経営の安定を期するためであります。調査の方法は小委員会の設置、関係各方面より説明の聴取、資料の要求などであります。調査の期間は本会期中と決定いたした次第であります。 以上理事会の決定通り、議長に対し国政調査の承認方を求めたいと思いますが、これに御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福永委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたします。
○松田(鐵)委員 ただいま委員長からの御発議によつて決定されたのでありますが、その人数の割振り、またその小委員長の割振り等は各党派の所属議員数によつて適当におまとめし、御指名を願いたいと思います。
○福永委員長 ただいまの松田君の御意見でございますが、その件につきましては小委員会の構成についてただいま御相談しますから、そのときに一括してきめたいと思います。 —————————————
○福永委員長 次に小委員会設置の件についてお諮りいたします。ただいま御決定を願いました国政調査について議長の承認を得ましたならば、各事項についてそれぞれ専門的な調査を進めるため、先刻国政調査の方法として理事会の決定通り御賛成を得ましたごとく、小委員会を設置いたしたいと思うのでありますが、理事会におきましては、一、公海漁業に関する小委員会、一、水産貿易に関する小委員会、一、水産金融に関する小委員会、一、水産資源の保護増殖及び漁業取締りに関する小委員会、一、漁業制度に関する小委員会、一、漁港、漁船及び漁業災害補償に関する小委員会、以上六つの各小委員会を設置することに協議、決定いたしたのでありますが、理事会の決定通りに各小委員会を設置するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福永委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたします。なおただいま設置することに決定いたしました各小委員会の小委員の人数、小委員及び小委員長の選任につきましては、先例により委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議、ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福永委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたします。 それでは小委員及び小委員長の氏名は後日公報をもつてお知らせいたします。 —————————————
○福永委員長 次に漁業災害に関する件について議事を進めます。去る五日、カムチヤツカ南方沖に大規模な地震が発生し、そのため北海道、三陸地方は津波に襲われたのでありますが、この際水産庁当局より水産施設並びに漁船等について、その被害状況の説明を願うことといたします。この際各委員より発言を求められております。順次これを許します。鈴木善幸君。
○鈴木(善)委員 去る十一月五日に発生したカムチヤツカ沖地震に伴う北海道、三陸沿岸の津波災害の被害の状況並びにこれが復旧対策に関しまして、水産庁長官に若干のお尋ねをいたしたいと思うのであります。今回発生いたしましたところの津波災害は、非常に本土から離れた遠隔の地に発生した地震に伴う津波でございましたので、今年春起つた十勝沖地震災害のような陸上における災害は比較的軽微であつたのでありますけれども、海の方の水産諸施設に与えた被害は、かき、のり等の増殖施設を初めとして、相当甚大なる被害を与えておるのであります、ここに宮城、岩手両県から資料が配付されておるのを見ましても、その被害は十勝沖地震災害に劣らざる大きな被害に上つておるのであります。特に先ほど申し上げましたように、波高二メートル前後で、しかも相当長期間—数日間にわたつて津波の特異な状況が継続されましたため、のりあるいはかきの養殖施設はほとんど壊滅の状況に相なつております。また大小の定置漁業施設が、これまたほとんど壊滅の状況であり、漁船等においてもまた若干の被害が発生いたし、港湾、漁港あるいは船がかり等の災害も各所に見られるような状況であります。特にかき、のり等の被害は、十勝沖の津波災害におきましてはちようど春さきで、のり等については収獲がほとんど終了に近い時期であり、かき等についても同様であつたのであります。しかるに今回の災害発生の時期は不幸にして、のり、かきもこれから牧獲の時期に入ろうとする盛漁期を目前に控えて、漁業者が粒粒辛苦増殖して、これから収獲に入ろうとする大切な時期にこれがほとんど壊滅したということで、漁業経済に及ぼす被害はきわめて深刻甚大なものがあるのであります。定置漁業においても、秋網をようやく立て組みまして、これから盛漁期を迎えようとする際に起つた災害であるだけに、これが復旧はきわめて緊急を要する事態にあるのであります。当局におかれましてもさつそくこれが被害の状況並びに対策等について御方針を立てておられると思いますが、この点について、長官から被害状況の調査並びにこれが対策について御説明を願いたいと存じます。
○松田(鐵)委員 ただいま鈴木委員から、このたびの津波に対しての御意見がありましたが、十月二十三日、北海道オホーツク海全体を襲うた古今未曽有の大暴風雨があつたのでありまして、それにおける漁業災害の損害は、漁夫の溺死者が四十三名、物的被害の額が十一億八千六百万円余、そのほかまだかに漁業の調査が漏れております、かようにオホーツク海沿岸としてはかつて見ざる大暴風雨でありまして、十勝沖地震の損害の倍額以上の大きな被害をこうむつておるのであります。これに対して鈴木委員の御議論のように、この対策も立てなければならないことと考えておるのであります。陳情団も大挙して上京されておるような次第であります。水産庁においてもよく御調査なさつておることと存じまするが、鈴木委員の御答弁とあわせて、この問題に対しても長官から御報告を願いたいと存ずるのであります。
○塩見説明員 ただいまカムチヤツカ沖地震に伴う津波によるところの水産の被害と、オホーツク沿岸の暴風雨による被害と、それぞれ県の方と連絡をして、現在資料をとりまとめ中でございます。また現地の方からも水産庁の調査方を希望しておりますので、今人を派遣して、調査方をしつかりやるということにしております。今般の災害は従来よりも、漁期直前というふうな関係からして、漁業者の被害も非常に大きいので、従前のルース台風あるいは十勝沖地震災に伴う対策以上の対策をしてほしいという御希望が非常に強いわけでございます。われわれの方といたしましても、いろいろ検討はしておりまするが、これに対する政府の救済措置としましてまず考えられますることは、従来通りの特別立法をいたしまして、それによつてルース台風あるいは十勝沖と同じような方法で、政府の方で金融的にあるいは利子の点で、あるいは補償の点で援助をして行くというような方法を現在を考えておるわけでございます。なお漁民のもつと広汎な救済措置という点もいろいろ御希望がございましたら、われわれの方としても考えたいわけでございまするが、ルース台風あるいは十勝沖に対する対策自体も、水産だけを特に独立して見ているような状態でございまして、大蔵省当局におきましては、他産業との均衡というふうな点について非常に難点を持つておりまするので、範囲を広げるというふうな点は、やはり至難ではないかというふうに観測しているような状態でございまするが、とりあえず従来認められましたところの方法によつて、できるだけの御援助は申し上げたいというふうな考え方から、資料等をとりまとめ、また現地に人を派遣して、関係当局にも十分御説明のできるだけの資料を整えて、急速に措置をしたい、こう考えているわけであります。
○鈴木(善)委員 ただいまの長官の御答弁によりまして、これが復旧の対策として、ルース台風並びに十勝沖地震災害に伴う漁業災害に対する金融特別措置というような先例にのつとつて、少しでも援助をなさるという御方針を示されたのでありますが、私ども過去における漁業災害対策を検討いたしました場合に、痛切に感じますることは、これらの措置がてきぱき迅速に進みませんために、救済の措置が遅れまして、せつかくの漁期を逸するということであります。今回の災害は、先ほど私が申上げましたように、盛漁期をまさに迎えようとするそのやさきにおいて起つた災害だけに、この救済の措置を迅速、適切に行うということが一番大切な点であると思うのであります。特に定置漁業並びにのりの増殖施設の復旧対策につきましては、これは一日遅れれば遅れるほどその効果はほとんど減殺されるというような状況であります、のりにつきましては、せいぜい二月ころには漁期を終るのでありますし、定置につきましてもここ数箇月の期間で秋漁は終るのであります。こういう状況でございますので、立法措置と並行いたしまして、当局におかれては、農林中央金庫等に対して災害復旧資金を、腰だめでけつこうでありますが、これに対して緊急に融資を行いしかるのちにこれを立法措置によつて裏打ちをするというくらいの強力な措置を講じていただきませんならば、とうていこの漁業災害を克服、復旧することはできない、こう存ずるのであります。この点につきまして、特に御当局に対しましてそのような措置をお願いいたしたいと思うのであります。 それからもう一点申し上げたいことは、ルース台風並びに十勝沖の災害対策として行いましたところの金融機関に対する損失補償並びにこれが国家による利子補給の措置は、なるほど理論的には一応体系をなしておるのでありまするけれども、現実に金融機関がこれに対してほとんど熱意を示していない。従つて漁業者が要望するような融資がほとんど行われていないということであります。これはどういたしましても、増殖施設に対する融資等は、せいぜい半年あるいは一年ぐらいでございますけれども、漁船等の復旧資金になりますと、三年、五年という中期の資金になるわけであります。それを農林中金なりあるいはプロパーの金融機関の自己資金によつてその融資を行うということでは、金融機関はどうしてもこれに対して熱意が乏しいという結果に相なりまして、ほとんど融資が行われていないのであります。これはどういたしましても、このような長、中期にわたる災害復旧資金は、財政資金によつてまかなつてやるという措置が並行して行われなければならないと思うのであります。この点に関しまして、このような長、中期にわたるところの漁業災害の復旧資金は、農林漁業資金融通特別会計等の財政資金によつて、これが融資を行う御措置を講ぜらるる御方針を持つておられるかどうか、またそれをするのでなければ、とうてい満足な融資ができないと、私ども過去の経験から考えておるのであります。この点につきまして、御当局の御方針を伺いたいと思うのであります。
○塩見説明員 現在までのやり方による金融措置の方が、非常に迅速を欠いて漁期を逸するというふうなことは私も聞いておりますし、その都度中金等金融機関に対して漁民の要望を伝え、催促をいたしているわけでございますが、今後ともそういう部分についてはなお一層の努力をしたいと存じます。なお漁船その他相当長期にわたるようなものにつきましては、現在の制度では不十分であるというお話でございまするが、災害対策といたしましては、政府は従来から公共事業中心で行つておりまして、公共事業の分は何とか補助あるいは金融の方で処理がされているわけですけれども、その他の部分については、これは水産のみならず全般的に不十分な形になつておりますので、われわれの方としても、災害対策については全面的に政府の方で取上げて、何とか処置をしてもらうような制度を考えてもらう必要があると考えているわけでございます。なお農林漁業資金融通特別会計でそういう部分を埋めてはどうかというふうなお話でございまするが、その点もわれわれ従来も検討したわけでございますけれども、あれは一番初めの建前から言うと、非常に長期のものにかなり限つております。大体中へ入つておりますのは、十年以上のような長期のものが主体であつて、この程度の三、五年というふうな、農林漁業から見ますと中期に入るようなものは、あの資金融通特別会計法を議会に提出しましたときの説明でも、まあ中金債もあるし、そういうふうな金融債等によるものでまかなつて行こうというような建前で一応はやつて来ているわけですけれども、資金源だけの問題ではなく、一方金融機関の貸倒れに対する危惧等が非常に強いわけでございまして、その形だけではなかなか行きにくくなつているという実情にあるわけでございます。しかしもしそつちの方へ含めるということになりますれば、これは水産のみでなく、農林、漁業関係全体にわたる問題でございますし、その資金源等については相当多額が見込まれなければならないので、これは水産庁のみでなく、農林省として全般的に決定して行かなければならないような段階で、今のところは何らか今以上の措置が災害対策としてどうしても必要であろうというふうな点で、農林漁業資金融通特別会計の方へ持つて行くということに対しては両論ございまして、今のところまだ決定しておらぬという形でございます。私は災害に対しては、一回々々特別立法をやつて行くというふうなやり方はあまり当を得たものではないので、もう少し基本的な制度として何らかの措置ができることを考えねばならぬ、こう考えているような状態でございます。しかしこれは財源的に相当大きい問題もございますので、相当な決意でやらないと、政府としてもなかなか思い切つた措置がとりにくいという状態にあるのであります。
○鈴木(善)委員 もう一点だけお尋ねをいたします。ただいま長、中期資金の災害復旧についての対策についていろいろお考えを伺つたのでありますが、私ども昭和八年の三陸の津波の災害対策等を顧みますと、あの当時におきましては、公共事業だけでなく、漁船その他の施設に対しましても国庫が半額の助成を行い、あとの半額については三分五厘、二十箇年の長期低利資金を融通いたしまして、手厚い救援、保護を行つているのであります。そのために三陸の漁業者はあの大惨害の中から立ち上つて、漁村の振興、漁業の発展を期することができた。禍を転じて福となし、三陸漁業の大きな飛躍を遂げたのであります。今日の災害対策を見ますと、金融機関に対するわずかの利子補給というような微々たることで、ほとんど民間金融機関にまかせている。これが偽らざる現況であります。しかも三陸、北海道は今年に入りましてから二度の大きな災害を受けている。さなきだに苦しい漁業経済の今日におきまして、一箇年に二度も津波によつて災害を受けては、とうてい漁業経済はやつて行けないという段階であります。戦前と戦後におきましては国力の相違もありますけれども、昭和八年に国が災害復旧に与えられましたような熱意と強力なる施策をもつて、これが復旧のために御尽力を願いたいと思うのであります。 もう一点は、災害が起るたびごとに特別立法をいたしておりますが、先ほども長官からお話がありましたように、漁業災害につきましては恒久的な基本的な制度を確立されまして、農林大臣がその災害の規模等によつて指定すれば、ただちにその法律の適用を受けて救済ができるという基本的な立法措置もあわせて講じなければならないと思うのであります。これに対して当局はいかにお考えになりますか、お尋ねしたいと思います。
○塩見説明員 今日災害が起つたときに、三陸の津波のような形で政府は救助に乗り出せないという形になつていることは、われわれの努力も不十分な点があるとは思います。災害全体の問題に対する対策といたしましては、水産だけを特例的に扱うという形で行くのでは、私どもの現在まで折衝しております感じから申しますと、今の程度以上はなかなか出にくいのじやないかという感じを持つている。財源の問題も相当大きく考えなければならないので、ほかの方も含めました形で大蔵省その他と折衝しなければならぬと考えているわけであります。それにつきましては、農林省としては農林、畜産等とも十分協議した上でないと、はつきりとした方針はきめにくいような状態でございますが、水産だけでやれますところは、現在来年度予算といたしましては漁船の長期の、いわゆる満期保険というような形を実は考えております。一つはこれらの増殖設備、あるいは定置等につきましては、これも保険に乗り得るかどうか、保険料率がどの程度になるかというような危険率の調査等をいたしております。しかしながら水産だけで考えられるそういう非常に手がたい措置だけでは、こういう災害には対処が十分にでき得ないものと私も考えておりますが、この点相当大きい問題にもなりますので、今のところこれといつてはつきりしたきめ手をお話できるような状態になつておらないわけでございます。私の従来から折衝しました感じでは、水産だけでは災害対策としては大蔵当局はなかなかのまないのではないか。もう少し大きく取上げて行くのでないと各種の産業との均衡の面でなかなかのめないのではないか、こういう感じを強く持つているようなわけでございます。何とか水産の災害に対しては、こういういろいろな措置では不十分だというようなことがはつきりするに従つて、大蔵省等に対しても強く当つて行く、これでは不十分なんだというような形で問題を解決して行かなければなるまいかと考えているような状態でございます。 なお現在までまとまりましたところの災害の被害状況については、現在お手元にお配りしているような形で報告を得ているわけであります。これは至急係官を派遣してはつきりと確認をして参りたいと思つております。
○日野委員 ただいまの説明で一応了解ができるのでありますが、今回の津波は非常に特異性があるということ、二日間にわたつて断続的に襲来したという実情、しかもかき、のり等の収獲期に襲来したということにおいて被害の算定が非常にむずかしくなり、大きなものになつており、しかも漁民の経済にとつては非常に緊急性を持つのであつて、従来政府のとつて来た対策を見ているときわめてスロー・モーシヨンであつて、適切に漁民の救済に間に合わないという実情をわれわれは幾多見ているのであります。この点を十分考慮に入れられて速急に調査されるというが、調査をまとめて具体的な対策を立ててほしい。そうして従来ほとんど融資にまたれている、それは長期の融資であろうが、やはり一つの農家経済の重圧になるのであります。もちろん長期の融資を考えると同時に融資以外の方法においてもこの対策が立てられなければならないと思うのであつて、今、問題になつている十勝沖、ルース台風、そしてこの津波、各頻繁に来る漁村の災害に対して根本的な災害対策を持たず、しかも特別立法において行われている。こういう状況は望ましい姿ではなかろうかとわれわれ考ええるのであります。今日農村にはすでに共済保険の制度ができており、いろいろな共済の根本的対策が樹立されているのに、漁村に対しては何らこういう対策が確立されていない。水産庁だけではこれはできないとおつしやられるけれども、これはこの機会に根本的な対策をひとつ樹立する必要がないか、もし水産庁にこうした被害対策の根本的な案をお持ちであるならば、一応お聞かせ願いたい。とにかく緊急を要するという点、いつもこの期になつて大騒ぎをするのでは間に合わぬので、恒久的な根本対策の樹立に向つて進んでいただきたい、もしそういう案がありましたならば、ひとつ御発表願いたいと思う次第であります。
○塩見説明員 お答え申し上げます。先ほどもちよつと触れましたように、水産独自として考えます部分につきましては、農業共済というお話もございますが、先ほど申し上げましたように漁船の損害保険というもの以上に、ここで満期保険というような形態にいたしまして、それでその保険料につきまして政府の方で補助をいたしまして、大体似たような形で漁船災害については考えて参りたいというふうなところから、来年度の予算等にそれを計上しておるようなわけでございます。 なおも一つは、共済と似たような形にもちろんなりますが、収獲ということになりますと、これは漁業者のうまい、まずいという点で相当漁獲高に影響がございますので、そういう部分は別といたしまして、漁業における漁業施設、各種のたとえば定置網とか、いかだとか、そういう漁具を主体にいたしましたところの災害保険というものも考えなければならないわけであります。私昔おりましたときにその研究に着手したのでありますが、その当時貨幣価値の変動があまりにはげしいためにそのままになつております。なおその後その調査が進められておらないがために、危険率、すなわちすぐ保険制度に持つて行く場合の最も必要な保険料率の算定の基礎につきまして、資料がまだほとんど整つておらない。今ずつと集めつつあるわけでございますけれども、まだなお時間がかかると思います。来年度予算にはそれを計上するという準備ができておらないような状態で、これは遺憾でございますが、この二つの方法によつて準備をしておるような状態でございます。それ以外の部分もいろいろございますが、そういう部分につきましては、今のところはほかの産業との関係もあつて、漁業だけ独自ということになりますと、現在ある十勝沖震災というふうな程度のもの以上のものは、なかなか大蔵省の方はのまないという形になつておるような状態でございます。
○松田(鐵)委員 先ほどから議論なされている恒久法というものに対しては、私もまつたく同感であつて、ぜひともつくらなければならないという考え方を持つている一人でありますが、ただいま宮城県側からの御議論のように、この早急にしなければならない問題に対して、恒久法をつくるということは、なかなか容易でなく、宮城県の方々の御意思にそむくものじやないかという感じがするのであります。そこで私どもは、前の国会においてルース台風、十勝沖災害に対しても、これならば漁民に対して何とか救済の方法ができるじやないかという建前から、あすこまで持つて行つたのでありまするが、その結果があまりにも芳ばしくない。要するに鈴木委員の指摘されたごとく、金融機関は独自の立場においてその金融をするのであつて、なかなか容易に、国会において三割の補償と利子補給を行つたが、それだけでもとうてい金融機関は思うように出してくれなかつた。それがために漁民において非常なまずい点がたくさんあるのであつて、その国会において決定した金額すらもそれに充当ができなかつたという結果になつておるのであります。それはどこに原因があるかというと、やはり、災害を受けたものに対する金融機関から見たときにおける個人々々の信用が低落しておるのであります。ゆえに三割の補償や利子補給は、金融機関の目から見たときにおいて、もつともつと低下しておるがゆえに、なかなか出ししぶるというのが現実の姿であつたのであります。先ほど鈴木委員が言われたように、昭和八年の三陸の大津波には五〇%の補償を国家がして、長期の金を貸し与えた。しかも三分五厘の利率によつてえた、そうして漁民の更生が、災いが転じて福となつたという御議論でありました。現在の段階として、そうしたことまででき得なくても、せめて三〇%の補償を五〇%に引上げて、しかして金利は、利子補給の点に対しては、現在の金融機関の一番低利である金利程度にして、その年賦償還の期限に対しては、少くともこの前のルース台風、十勝沖地震が三年であつたものを、七年なり八年なりまた十年なりに長期にわたる方法にしたならば、決して不可能でないじやないかという感じがするのであります。ただ、政府の災害に対する感覚がどの程度までこれを救済するかしないかという考え方にまつものではないかと私は考えるのでありまして、前者のルース台風や十勝沖の結果が、金融機関のあまりにも自分の業務と対比した個人の信用というものを基本としてやつたがために、あの結果を来しておるのでありまして、今皆さん方の御議論のように、恒久立法をするということであれば、それに相当長い時間を要して、せつかくの希望に満たない点ができて来るのではないか。その恒久立法に対しては、次の適当な機会に讓つて、これに対しては臨時立法をする、そういうような考え方をもつて、十分にお互いの意見をここに参酌いたしまして、急速に救済の方法を立てられんことを私は希望するのであります。この点に対する長官の御意見が、どの程度までが可能であるか、ないしはそういうような御希望がありましたならば、伺いたいと存ずるのであります。
○塩見説明員 ただいま非常に現実的にお話になりましたが、現実の今当面しております問題につきましては、確かに今までのやり方の欠陷をさらに是正して、政府補償の割合を引上げるとか、あるいは金利引下げとか、償還期を長くするとかいうふうな方法で、大蔵省等と折衝するのが一つの方法だと存じます。その点について、どの程度まで大蔵省がのむかというような点については、具体的にやつて参りませんと、ここではつきりお答えできないわけでございまするが、一つの具体的な行き方と存じます。ことにそれによつて補償率が引上げられるとか、その他のことが行われますれば、金融機関の方も出しやすい。これはもちろん当該県の補償というものとあわせまして、非常に出しやすくなるというふうなことが考えられます。
○福永委員長 川村善八郎君。
○川村委員 ただいま鈴木君並びに松田君、日野君から漁業災害に関する救済の補償の方法についていろいろお話がありましたが、私も同感であります。私たちも六年前からこの災害の補償に対する恒久性をぜひとも確立したいと思つて闘つて参りましたし、この間研究もして参りましたが、先ほどから長官も御答弁になつておつたような事情で、容易にできなかつたのであります。漁業災害は申すまでもなく、年年歳々増加するのみであつて、減るということはおそらく考えられません。と申すのは、漁業経済は窮迫をしているだけに、漁業の施設等については、完璧を期されないというのも一つの原因でなかろうか、かように考えております。もちろん地震の問題等による災害等は突発的なことであり、また暴風による災害等も突発的なことだとはいいましても、やはりそれに耐えられるだけの施設をしなければならぬのでありますが、資金の伴わないというような点から、災害に対する被害が相当多くなつたということもいなめない事実だと、かように考えております。かように毎年災害があるのであるから、ぜひとも恒久的立法あるいは予算措置等を講じなければならぬのでありますが、これまでの体験からいたしまして、水産庁だけの大蔵省に対する、すなわち政府間の折衝ではこれまでなかなか解決がつけ得なかつたというのが実情であります。従つて皆さんも御承知かと思いますけれども、水産に関する立法は漁業法あるいは協同組合法を除いては、全部議員立法になつております。しかるがゆえに、今度新たに出て来られました水産委員の方々、また在来から第十四国会におられました方々と、今度こそほんとうに与野党力を合せて、ことに水産に関する限りは党派を超越して政府にぶつかつて行くということでなければ、解決がつかないように感じておりますので、どうか野党の諸君におかれましても、また与党の諸君におかれましても、今度こそ真剣に一致結束して、災害の問題の解決に邁進せられんことを、特にこの際前水産委員長としての体験からお願いする次第であります。 次に私簡單にお伺いいたしたいのは、公海漁業に関する問題であります。公海漁業に関する事項については追つて小委員会が設置せられまして、七つの項目をあげて調査研究するということになつておりますから、全面的にわたつては質問を申し上げません。ただ一点だけ、これは急を要する問題でありますので、お伺いいたしたいと考えております。それは北洋のさけ、ます母船式流し網漁業であります。昨年は御承知の通り五月にこの漁業を再開いたしまして、漁民並びに官庁等も全力を注いでこの漁業に邁進したがために、その成績は漁獲においては大体一三〇%の成績をあげたことは、もうここでくどくど申し上げるまでもありません。従つて今年はこの漁業の出漁につきましては、各県では非常に期待を持つておるのであります。もちろん昨年の漁業の状況といたしましては、漁船、漁具その他装備等に不備がありましたので、思う存分にその機能を発揮することができなかつたのでありますけれども、漁獲においては一三〇%の成績をあげたということは、北洋にはさけ、ますがたくさんいるということだけは立証されたのであります。特に出漁に行かれた船団長、あるいは船長の方々に承りますと、船の装備においても、あるいは漁業技術においても改善をするならば、確かに本年の二倍以上の成績をあげることは困難でないというお話であります。かかることからおそらく各府県では母船式漁業に期待を持つておりまするし、また計画等を進めておるのでありますが、水産庁におきましては、来年度の出漁の計画というものがまだ立つておらないということでありますが、この計画も早急に立てまして発表しないというと、各県で相当混乱を起すのではなかろうか。聞くところによりますと、各県おのおのが母船を持ち、独航船を持つて船団を組織して出るというようなことも聞いておりますし、会社は会社で、すなわち日魯、日水あるいは大洋等が、独航船を持つて個々の立場において出漁したいというような希望もあるそうでありまするし、さらに某会社が母船を持ち、漁民と提携して出漁するということもわれわれの耳に入つておるのでありまして、かような期待を持たれる漁業を、特に沿岸漁業の行き詰まりを打開するためには、北洋漁業、あるいは遠洋漁業等を大いに奨励して行かなければならぬこのときにおきまして、最も急を要する北洋漁業への期待は大きいのでありますから、一日も早く水産庁でその案を樹立されて発表されるのがいいのではなかろうかと思いますが、水産庁においてはこの案が立つているかどうか、もし立つていないとすれば、いつごろまでに立つのかということを伺いたいのであります。なぜ私が今ここでかようなことを質問するかといいますと、今国会は来る二十四日まで休会でありまして、この間に水産庁は計画を立てて発表すると、また水産庁独自だといつて非難を受けます。そこでわれわれといたしましては、でき得る限り本委員会において、現在計画を立てている、あるいは立てつつあるところの構想をお話していただけば、今度の公海漁業に関する小委員会に、すみやかに、この問題を調査研究をさせるということにしますと、水産庁も国会も一致した意見で北洋漁業を操業させるということになりますれば、混乱もありませんし、水産庁の方もやりいいのではなかろうかという気持でここにお話するのでありますから、でき得る限りあなた方の計画の内容等につきましても、御発表があれば幸いだと思いますので、ここでお伺い申し上げます。
○鈴木(善)委員 関連して……。漁業災害の問題につきましてただいま川村委員から、この問題はきわめて重大であり、かつ緊急を要するから、与党も野党も一体になつて善処したいという趣旨のお話があつたのでありますが、私はこの際川村委員の御趣旨に全面的に賛同いたしまして、さきにルース台風、あるいは十勝沖の地震災害に伴うところの漁業災害の復旧のために特別の金融措置法を制定して行つたのでありますが、私は漁業災害の復旧に要する融資の特別措置法を議員立法としてこの際早急にこれを設置せしめるという提案をいたしたいのであります。これを委員長からお諮りを願いたいと存じます。
○福永委員長 お諮りをいたします。ただいま鈴木善幸君からの御提案につきましてはいかがとりはからいますか、お諮りいたします。——ちよつと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○福永委員長 速記を始めて……。 お諮りいたします。ただいま鈴木君からの御発言は、本委員会としてはこれを取上げることにいたしまして、そうして先ほど申しました小委員会の中に、漁港、漁船及び漁業災害補償に関する小委員会を設置することにいたしましたから、これにこの問題を審議せしめることにいたしたらどうかと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福永委員長 異議なしと認めまして、さよう決定いたします。
○塩見説明員 先ほどの川村委員の御質問にお答えいたします。北洋漁業につきましては、大体のところ、昨年度試験操業において試みましたところのやり方というふうなものを骨子といたしまして、本年度出ましたところの経験に基きまして、二、三技術的に変更したらよいとかどうとかいうところもございますが、これはかなりテクニカルな部分も多うございます。そういう点を今検討しておるわけでございます。これは水産委員会において小委員会ができますれば、当初においてそういうような点について詳細に御説明いたしたいと思います。本年出ましたところの実績等を検討いたしまして、隻数においては増加はある程度できます。けれども、ことに上半期における漁場についてかなりテクニカルに検討いたしまして、その杞憂がございますので、ふやす統数その他につきましてはその際に御説明を申し上げたいと思います。
○濱地委員 この際ちよつと先ほどの問題に関連して水産庁長官に申し上げます。この間の津波の災害はなかなか全国的にわたつておりまして、三重県なんかでも、真珠養殖その他漁港などは高波のためにたいへんな損害を受けておるのでありますが、この点は当局の方におきましてもよく御承知なのでありましようか。
○塩見説明員 ただいまの御質問の、こちらに今まで連絡がございましたのは北海道、岩手、宮城、東京—お手元にお配りしましたような県になつております。それから静岡は目下調査中でございます。三重の方もやはり最近連絡がございましたので調査中でございます。同様に取扱うべきものと大体考えております。
○福永委員長 本日はこの程度にとどめまして、次回の開会日時は公報をもつてお知らせいたします。 これにて散会いたします。 午後二時四十二分散会