人事委員会 第7号
- 発言数
- 98 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1952/12/11
会議録
○有田委員長 これより人事委員会を開会いたします。 ただいまより一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、内閣提出第十二号及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、内閣提出第一六号の両案を一括議題として質疑を継続いたします。 つきましては、昨日の公聴会において館委員の質問に対し、天野官公労組協議会議長より、人事院において官憲から弾圧を受けた云々の言辞がありましたが、これに対して人事院側の言い分を承りたいと思います。浅井人事院総裁。
○浅井政府委員 昨日予算委員会に出席中でございましたので、直接その証言は聞きませんでしたが、事実はわかつておると思つております。ただいま委員長から特にお尋ねがございましたので申し上げたいと思いますが、あれは官公労ではございませんで、いわゆる官労と申す方の組合でございます。もとより人事院といたしましては、公務員の保護機関である建前によりまして、できるだけ公務員を保護し、その言い分をよく聞くという立場にあつて、またそのように心がけておることは申すまでもございません。何しろ大勢の者が集団的に陳情をいたしたり交渉に参りまする場合は、同時にまた官庁の内部の規律と公務員としての規律を無視しては、その交渉に応ずるわけには参らぬのでございます。この官労の場合は、一週間にわたつて人事院の庁舎の中にすわり込みを行い、だんだんと騒がしくなりまして、外部の団体等より音楽隊等の応援もあり、休憩時間におきましてはこれを黙認いたしましたが、休憩時間を越えてもなお喧噪をきわめる、あるいは人事官の身辺に立ちふさがつて行動の自由を妨げるというような行為すらもあつたように存じておりますので、人事院といたしましては公務員としての規律、官庁の内部の規律という建前から処置するのやむなきに至つた次第でございます。
○有田委員長 それでは質疑を継続いたします。質疑は通告順にこれを許します。小松幹君。
○小松委員 先般来継続質疑をいたしておりますが、昨日公述人によつて明らかにされました点についても、再度御質問を重ねてするかもしれません。それをあらかじめ申し上げておきます。ただいま浅井総裁から申し述べられましたが、この点について私はさらに質問を重ねたいと思います。昨日私も初めて公聴会において伺つたわけでありますが、人事院はベース勧告等一切を含めての原案作成の途上において、官公労なりあるいは官労なりの、そうした人事院勧告によつて制約を受ける諸団体の正当なる要求、要望等に窓をとざして、あまりはつきりした応待あるいはそれの納得するような交渉なりを持たなかつた、かような陳述があつたわけでありますが、この点についてお答えを願います。
○浅井政府委員 お答えを申し上げます。最初にお断り申しておきたいことは、その交渉でございますが、これはいわゆる団体交渉というように、双方を法律的に拘束する交渉でないということは申すまでもございません。これは公務員法の交渉でございますから、人事院といたしましては相手方の言い分を聞き、これに関する立場を述べたにすぎないのでございまして、相手を納得させると申しましても、そこにはおのずから限界があつて、相手の言うことをいれられないところもあり、またいれられるところもあるわけでございます。たとえばベースにいたしましても、人事院のベースよりはるかに高いベースを主張いたしますならば、これは納得せしめることは不可能なのでございます。人事院が全部相手方の意向をいれてしまわない限りはそれは不可能でございますから、その納得云々ということは私は程度問題であろうと存じます。
○小松委員 納得の程度でありますか、それに関してどの程度の数字的な引合せなり、あるいは最終的には納得忙しなかつたとしても、その間においてどのような交渉が持たれたか、それをはつきりしていただきたい。組合も納得し得ない、同時にまた大蔵省当局も納得し得ない勧告というものを出しておる人事院は、一体どのような責任の地位を保とうとするのか、その辺のところを伺いたい。
○浅井政府委員 組合の要求があまりに高く、政府の出すところがあまりに低ければ、その中間に人事院の立場があることは申すまでもないことでございます。その意味においてわれわれは人事院勧告をいたしておるのでございまして、さように御了承願いたいと思います。 それから官労なり官公労なりからの資料というものは全部こちらで検討をいたしております。またその中で取上ぐべきところも十分に研究をいたしました。結果といたしましては、この人事院勧告以上には出られなかつたことははなはだ残念でございますが、これは人事院としての立場の問題と思います。
○小松委員 人事院の職責というものをお聞きします。これは政府機関ともなるかもしれませんが、罷業権、団体交渉権等を剥奪されておる官公労あるいは官労、いわゆる国家公務員の職員組合が、いかなる形において自分の要求をひつさげて、一体どこにその要求を打ちつけて行くのが最も正しいのか、人事院はそれらの要求に対して真に納得させるような受答えをする機関ではないのか、ただ学問的に抽象的に数字を打出すことのみが人事院の職責になるのかどうか、その辺をお伺いしたい。
○浅井政府委員 お答えを申し上げます。それはどこべ要求するかということは問題によつていろいろございましよう。ただ人事院といたしましては、公務員を保護する立場、ただいま小松さんのお示しのように、一方においては罷業権、団体交渉権等をとられておるかわりに、かような制度があるということは申すまでもございませんから、それは人事院が交渉を受けることは当然であろうと思つております。私どもとしては、組合員なりそういつた者の陳情はできるだけこれを聞き、その要求にはできるだけ応じておるのでございます。ただ私どもは、私どもの勧告の線をもつて至当と認めておる、こういうことでございまして、もし小松さんの仰せられることが、一から十までことごとく官労、官公労の要求をいれなければならぬということでありますならば、これまた反対があるだろうと思つております。
○小松委員 それでは人事院の職責というものは一体どのようなものか、ただ当らずさわらずに数字をはじき出して行くことのみが人事院のあり方か、あるいは公務員を縛りつける人事諸規定を策定するセクシヨンとお考えか、はつきり人事院の使命というものを再度私は人事院総裁みずからが確認していただきたいと思います。
○浅井政府委員 ただいまお示しのどれも使命とは思つておりません。人事院の使命は公務員法に書いてございますように、公務員を保護することもそうでございましようが、また一方にその規律を保たせるようにすることも使命でございましようし、それはいろいろあるように思つております。ただやたらに数字を上下し、その職責を、ごまかしておるというのではございません。御承知でもございましようけれども、一回の勧告をいたしますために、われわれは非常なる苦労をいたしておるのでございます。ですから新聞紙等に伝わるところによりますれば、野党各派においてもおおむね人事院勧告の線に足並みをそろえられておるように思います。
○小松委員 それで私の言いたいのは、人事院がそういう保護する立場において数字を出されたならば、その数字を妥当なる線だとしてあくまでも政府に受入れさせる責任はないのかどうか。また保護すると申しましても、現在の人事院勧告の線で保護ができるのかどうか、現在の公務員の給与、ことに若いクラスにおるところの層は非常に経済的に悩んでおるわけです。これで保護しておると思つておるかどうか、先ほどのと同じような質問になりますが、二点お伺いいたします。
○浅井政府委員 お答えを申し上げます。第一点の、人事院は要するに数字の勧告をするだけであつて、それ以上何もしていないじやないか、いわゆる勧告の出しつ放しという御非難はよく承るのでございますが、これは要するに勧告という制度をよく御了解くださるようにお願いするほかはないと存じます。人事院は勧告をいたしますが、この勧告には財政上の考慮はいたしておりません。私はベースの勧告を申し上げておるのでございます。毎々申しますように、初めから財布の中にこれだけ金があるということを知れば、決して正しい勧告はかえつてできないと存じております。でございますから人事院はみずから是とする勧告をいたし、これを国会及び内閣に出すのでございますから、この勧告に対しまして、いかに財政上の支出が可能であるかということは、国会と内閣の御判断にまつほかはございません。これが勧告の制度だと思つておりますので、それ以上進みまして、この勧告を実現する法律的の手段というものは、これは公務員法上認められておらないのでございます。と申しますことは、決してわれわれが勧告の出しつ放しにして放つておくわけではございません。われわれは国会でも人事院の勧告の実施をかようにお願いもいたしますし、内閣に対しましても人事院の勧告の実施を交渉いたし、できるだけその実現を願うということは当然のことだと思つております。
○小松委員 人事院の熱意はわかりました。できるだけそれをもつて政府にのませたい、受けてもらいたいという熱意で交渉し、お願いしたのだろうと思います。その程度はどの辺かはつきり申されなかつたからわかりませんが、それではその熱意を受けた政府は—大蔵省当局といいますか、内閣といいますか、その人事院の熱意を一体どのように受入れたのか、それを伺います。
○菅野政府委員 お答え申し上げます。人事院は先ほどからお話がありまするように、国家公務員法に基きまして誠心誠意非常な労力と目子を費しまして、ベース・アップの勧告を出して来たのでございますが、これは事実上人事院がその勧告につきましては、全責任を負つて、できるならばそれをそのまま法律案にするようにという非常に熱心な態度をもつてこまかに説明もし、あるいは自分の主張の正しいことをわれわれに話して交渉されたことも事実であります。しかしながらそういうことがあるなしにかかわらず、政府といたしましては、国家公務員法上当然の義務としてこれをできるだけ尊重しなければならないのは、勧告というものの性質上まことに当然であると思うのであります。ただしかしこれをそのまま法律案に出していいものならば、これは初めから勧告なんという制度を置くはずはないのでございまして、政府はこれに対しまして、財政上のことも考えなければなりませんし、人事院はただ単に国家公務員のみことを考えて、国家公務員の給与はかくあるべきものであるという勧告をして来るのでございますから、政府といたしましては、地方公務員のことも考えなければなりませんし、あるいは中小企業者、農民のことも考えなければならない。いろいろなことを考えて、実際に公務員の給与とすべきものはこういう数字が至当であろうということを決定いたしまして、そして法律案にして国会に出すような次第でございます。これは国家公務員法に定められた手続でございます。先ほどからの御質疑を伺つておりますと、国家公務員から罷業権あるいは団体交渉権をとつたその代償として、単に人事院というものを置いて、そこで保護をさせておるというふうにおとりになつておるようにも聞えたのでございますが、私どもはそう考えておりません。なるほど人事院という独立的な公平な立場から見る機関を置いておるということも、その一つでありましようけれども、もつと大事なことは、その人事院の勧告に基きまして、政府がさらにそれを検討して実施案を国会に出し、国権の最高機関であるところの国会がすべてを判断するという、最高の待遇を与えられておるということが、すなわち国家公務員から罷業権、団体交渉権をとつた非常に大きな代償でありまして、その国権の最高機関であるところの国会が、判断するのに必要なる資料を提供するのが人事院であり、あるいは政府であると、かように考えておる次第でございまして、単に人事院の設置のみをもつて団体交渉権あるいは罷業権をとつた代償とするには、少し足りないように私どもは考えておる次第であります。
○小松委員 それは見解の相違だと思うのです。罷業権なりあるいは団体交渉権なりをとつたについて、官公労を国会が一手に受けて立つというようなことは、当初に一回も言われていない。国会がその団体なりあるいは組合なり職員組合の要望を受けるというような話ではなくてそれは人事院なり、あるいはその組合を結成しておるところの主管大臣等の、いわゆる内閣の責任であり、国会が責任を負う必要はないと私は思う。その点において今のは大いに見解が違う。あなたのように、政府と人事院が両案を出したら、国会がすべて責任を負え、その組合の要望も一切責任を負えというような言い方、それはきのうの公述でも言われた。だから生のままの意見を国会に持つて来る、そして国会のまわりには赤旗が夜も昼も林立して、この官庁を出た公務員が、事もあろうに日中から来て要求しておる。これは政府当局あるいは人事院の怠慢である。またこれに対してそれだけの処遇を与えていないがゆえに、直接に国会へとデモをかけ、押しかけて来るのだ。この責任は国会が負う必要はない、すべて内閣が負わなければならない。そのためにわれわれは政府をつくりあるいは人事院をつくつてある。それにもかかわらず責任はすべて国会が負えというような意見に対しては、私は承知できない。もしそれがほんとうだとするならば、私は重要なる問題であると思う。これこそ人事院が受けて立ち、政府が受けて立つべき問題だ、かように考えております。その点についてはたしてあなたたちは、資料を人事院のと政府のと二案そろえて出せば、最終的には国会がそれだけの公務員の要求を受けて立ちなさいというように聞えたのですが、それが正しいのか正しくないのか、いま一度伺いたい。
○菅野政府委員 私は人事院に責任がないとか、あるいは政府に責任がないということを申し上げたつもりではないのであります。もしそういうふうに聞こえましたらばそれは訂正、取消します。人事院ももちろん責任がございます。それから政府、内閣も当然責任があるのでありますが、不幸にして人事院の見解と、内閣の見解と違つた場合におきましては、勧告と実施案というものが違つて参ります。そうしますと、そのいずれを是としいずれを非とするかということは、これは政府の力でもできませんし、人事院の力でもできないのでございます。これは最高機関である国会の御判断にまつよりしかたないというわけでございまして、そのことについての全責任は国会にあるのだ、われわれはただ資料を提供すればいいのだ、さような意味合いで申し上げた次第ではございません。しかし公務員の給与につきましては、政府の自由にもさせない、人事院の自由にもさせない、最高機関であるところの国会の最後の判断にまで到達さしておるということは、これは非常に公務員の給与を重大視しておるという法律の趣旨であると考えておる次第でございす。
○小松委員 まだあなたには誤解なり思い違いがあるように思う。給与だけが国会の責任じやない。国政の万般あらゆるものが国会の責任なんです。給与案を国会に出したから、それで国家公務員の給与のおもなところはあなた方にまかしてあるのだというような言い方は、私としては真正面に受けられない。国政すべて国会が全責任を負うべきものである。われわれが言いたいのは、それはあたりまえのことであつて、それを言つておるのではない。そんなことを聞く必要はない。政府機関である人事院と内閣であるところのあなた方たちが出した資料が、人事院の出し勧告を、いろいろな理由はあるだろうけれども、それをわざわざ下まわらして出したところに、われわれは奇異を感ずるわけなんです。そこにおいて二案考えられる。一体どれが正しいのかということになるわけです。われわれはそれを判断する素材として、大蔵省の考えと人事院の考えはどこで違つておるのか、これをはつきり聞きたいわけなんです。そこで先般も人事院と大蔵省との関係において、人事院のおつしやることと政府のおつしやることは違う。そこの重要なる点と——しかも内閣に特にお願いしたいのは、ただ数字的な違いというだけではなくて、国政全般から考え、官公吏の労働攻勢—言葉で言えばそういう言葉になりますが、国会のまわりを取巻いて大騒動している。政治には民生と財政と労働行政とございますが、そうしたものをからましたときに、一体あなたたちはどの観点からこれをとつたのか、ただそろばんの上でこうするのだというだけでなくて、政治というのはそろばんと民生と労働行政いろいろあるだろうと思う。そういう観点で、大きい立場からどこをとつてこういう案が出て来たか、民の声は聞かないで、ただそろばんの上だけを見つめて出して来たのか、もつとかみくだいて言えばそういう質問になると思うのです。二間ありまして、第一問は人事院勧告はどこが気に入らないから違つた案を出したのか。第二問は、内閣として国民の行政的責任において、そろばんの上だけでこの予算を出したのか、政治全般、行政全般の責任において出したのか、その二点を質問します。
○菅野政府委員 お答え申し上げます。第一点の人事院の勧告はどこが気に入らないから採用しないのかという点についてお答えいたします。人事院の勧告につきましては、気に入らないところはございません。従いまして、財政的に許せばこれは当然そのまま法律案としまして実施すべきものであると確信しております。しかしながら、しばしばお答え申し上げますように、人事院の勧告は決して財政上の考えを入れておりません。ただ国家公務員の給与はかくあるべきものであるという数字を勧告しておるのでございまして、政府はこれに対しまして、先ほども申し上げましたように、国民全般の生活程度あるいは国全全般の財政状況等を見ましてそれが全部実施できる見込みのあるときにはもちろん喜んでこれを実施するのでございますが、不幸にしてそれが全部そのままの形でもつて実施できない場合におきましては、なるべくその趣旨を尊重してその差を少くするようにして実施案をつくるのでございまして、理想的にいえば、私どもの方では決して不満も何もないのでございます。ただ見方が違いますからおのずから数字が違つて来るのでございまして、人事院に中小企業あるいは農民の生活状況、あるいはまた国金体の財政の状況を見て勧告案を出してくれと言うのは、これは邪道でありますし無理でございます。またそういうふうなことでは正しい数字が出て来ないのでございます。政府の方ではそういういろいろな見地から見まして今回の実施案をつくつたようなわけでございまして、どこが違うかというこまかい点につきましては、御質問があれば詳しく御説明申し上げます。 第二点の、政府は財政だけを考えて民生、労働行政というようなことを考えないではないかという御質問に対しましては、私どもの方では微力ながらすべての点を考えて、今回出しました給与法は決して不当のものではないという信念を持つて出しております。もちろん財政の点はこれは考慮すべき相当大きな要素であることは申し上げるまでもないのでございますが、財政は多少無理をいたしましても、できるだけ公務員の給与は人事院の勧告に近づけしめるのが、これを尊重するという趣旨でございますから、大蔵省等でもつていろいろ考えました案に対しまして、内閣としましてはそれをさらにいろいろ検討して、二案も三案もつくつて、政府部内でもつて相談いたしました結果、最後の案がこの法律案になつたような次第でありまして、決して財政の理由だけでもつてほかの点は何も考えなかつたというようなことは、私は責任を持つてさようなことはないというふうにお答えできると存じます。
○小松委員 以上総括質問を一応打切りまして、逐条の小さな問題について二、三質問をいたします。 これは給与局長になるかあるいは政府当局になるかわかりません。特別調整額についての問題ですが、一般職における監督管理職とはどういう職を具体的にいうのか。監督の他位にある者とは一体どういうものをいうのか。それからその職務の特殊性というのは一体どういう意味なのか。結局特別調整はおえら方あるいは監督官吏、そうしたものの超過勤を意味するのか。超過勤というのは平官公吏につけるものか。あまり多く言つてもしかたがありませんから、まずそれをお答え願います。
○滝本政府委員 今回人事院の意見の申出にも、特別調整額というものを新設するということを申しておるのであります。これは政府から提案されました法律案にも同様な趣旨のことが出ておりまして、この特別調整額をつけます範囲ということになりますと、あの条文にも書いてございますように、管理監督的地位にある者、そういうものということになつております。この範囲は、現在のところ中央官庁におきましてはおおむね課長以上の職務ということに考えております。なお出先機関等につきましては、たとえば第一次出先機関でありますならば部長以上、また第二十出先機関でありますならばおおむねその出先機関の長、こういうものを一応の対象ということに考えております。この特別調整額というものはへそういう本省におきます課長以上の者の職務内容ということを見てみますると、時間的にこれを計測いたしまして超過勤務手当を支給するという方法が必ずしも適当でないというふうに考えておる次第であります。もしかりにそれを時間的に計測いたしまする場合におきましては、非常な超過勤務手当を支給しなければならぬというような場合が往々にしてあるわけであります。従いまして、これをある程度に打切るという趣旨もこの中に含まれておりますし、また、従来そういう人々に超過勤務手当として支給されておりました実績の線よりは下まわつた線におきまして、これをそういう職にある人々に対しまして支給しようというのが本旨でございます。この特別調整額というものは、大体職務内容が時間的に計測しがたいというものに対して、従来の超過勤務手当制度を廃止いたしまして、この特別調整額というものをつけようという趣旨でございます。しかし、この範囲というものはいろいろ問題があろうかという言うに考えております。従いまして、これの実施にあたりましては、人事院は、もしこの法律が通りましたという場合を予想いたしまして、各省の人事担当者と十分相談をいたしまして、範囲の決定等はやつて行きたいというふうに考えておる次第であります。
○小松委員 そういう部長、課長というところは、特殊な仕事をすればそれだけに職階として見てある、その職階給与の上にさらに特別調整額を持つて来るというように二重な附加をしておる。しかも俸給表のこの斜線はずいぶん荒くて、そういう部長、課長には俸給そのものが高く仕組んである。私はこの観点から考えて、いささか屋上屋を重ねた特別調整額のような気がするわけなのです。それで職階給与と特別調整額とはどういう割合をどういう観点に立つて人事院は編み出したか伺いたい。
○滝本政府委員 職階給与ということになりますと、その職務と責任に応じまして給与をきめて行くというわけでございまするから、そのほかにかりに職務手当というようなものを附加するということは、これは仰せのごとく、観念的には意味のないことであろうというふうに考えておる次第であります。今回のいわゆる管理者層と申しますか、ただいま例示を申し上げましたような職に対しまして、われわれは職務手当というものをつけようという趣旨ではございません。それからまた新しくそういう人々に何か特別の給与を支給しようという趣旨でもないのであります。ただ現在超過勤務手当という名目で支給されておりまする給与というものが、事実上におきまして、気持の上で非常に割切れないものがある。非常に勤務が長いにかかわらず、事実上超過勤務手当の予算等の制約がありまして、超過勤務の発令もし得ないというような場合が往々にしてあるのでございます。そういう場合におきまし、て、これは超過勤務の打切りであるというような感じをはつきり出すということが第一点でございますし、また、従来そういう管理者層に支給されておりました給与というものを何らかの形において補償するということは、かりに超過勤務手当の支給を廃止するといたしましても、これは必要なことであろうかというふうに考えるのであります。ただ、その際にそれを俸給の中に繰入れるとしますれば一応りくつはすつきりいたします。しかしながら、従来超過勤務手当として支給されておりましたものが、俸給に繰入れられるというようなことになつて参りますならば、これが恩給計算の基礎になりますとか、あるいは退職給与の基礎になりますとか、あるいは年末手当や勤勉手当等の基礎になりますとか、また別の一つの計算の基礎になつて、その点がまた有利に展開するというような事情がございますので、そういう方法をとることはこの際適当でないというふうに考えまして、従いましてそういう基礎にはいたさないということで特別調整額というものを設けておる次第でございます。
○小松委員 それでは職階給与というものは部長の職責で金を俸給に繰入れる、それから特別調整額は、時間で部長課長に繰入れる、しかし超過勤でとりにくいから、特別調整というものを新しく設けて、時間外勤務は特別調整額でとる、そうして責任は職階給与の部長課長級でとるというように考えてよろしゆうございますか。
○滝本政府委員 先ほども申し上げましたように、いわゆる管理者層といいまするものは、時間的に給与を計測するということが事家上困難であります。従いまして、従来無理に時間的な計算をいたして、実際に支給されておりました原資を引当てにいたしまして、すなわちそれだけは実績として管理者層がもらつておつたのでありますから、それは支給をしよう、しかしながら今回新たに設定いたしまた給与の項目でありまする特別調整額というものは、そういうことによりまして何らか新しい給与をそこに附加して行こうというものではないのであります。
○小松委員 そうすれば、そういう管理監督あるいは超過勤を捕捉しにくいところのものに対して、特別調整額をつけるという御趣旨のようでありますが、それでよろしゆうございますか。いわゆる時間外勤務の捕捉が困難だ、しかし実際はやつている、そういう点においてそれらを特別調整額でもらいたいということ……。
○滝本政府委員 時間的な捕捉がしにくいということが大きな理由でございます。しかし、捕捉すればし得られるというものではなくして、勤務の形態といたしまして、そういう時間的に捕捉することが不適当であろうというふうに考えまする管理者層を、今後はすべて時間で給与をはかつて行くということをやめた方が適当であろうというのがこの特別調整額を附加しようという理由でございます。
○小松委員 それでは、国立学校等の教職員は時間外の捕捉がむずかしいし、また、今あなたが言われたような理由も成り立つわけです。それでは、学校教職員は特別調整額のわく内に入るのかどうか。
○滝本政府委員 先ほども申しましたように、今回給与の新しい一つの項目といたしまして、特別調整額というものを設けた次第であります。しかしながらそれを設けましたことによりまして、新しい給与額をここに附加しようというものではないのでありまして、従来超過勤務という形におきまして実際に支給されておりました金額、これを補償してやろうというだけのことであります。学校教職員につきましては、私、超過勤務の状況をうまびらかに存じないのでありますが、これは勤務の形態が、一般の行政あるいは企画的業務に従事いたしまするものと非常に異つております。たとえば、学校教職員につきましては、休暇というような問題もございますし、あるいはPTAの会合等に出席いたすというようなこともございましようし、また児童の家庭を訪問するというようなこともございましようし、勤務の形態が、一般的な行政事務に携わつておる者とおよそ違うわけであります。従いまして、将来にわたつてそういう問題を考えるということがあろうかもしれませんが、ただいまのところ、学校教職員につきましては、この特別調整額を支給しようということには考えていない次第であります。
○小松委員 国家公務員のわく内に入つている学校教職員は、国立学校関係あるいは研究所等にはたくさんあるわけであります。これらに対して、そういう何らの調整額もなしで超過勤務が多く行われている実情を知られている人事院が、ただいわゆる普通の何々省の役職にある部課長等のための特別調整額を用意して、学校教職員の時間外労働をやつておる者についての法的な措置を講じなかつたということについて、片手落ちの感がするわけであります。この点について人事院は将来給与準則等についてそれを十二分に考慮する意思があるかどうか。
○滝本政府委員 ただいま小松委員の御指摘の点につきましては、むしろ学校教職員の給与水準そのものが問題になるのではなかろうかというふうに考えられるのであります。と申しまする理由は、今回特別調整額をつけまするということは、何も新しい給与額をこの際附加しようというものではないのでありまして、従来ある種の—たとえば行政的業務にたずさわつておりました者等に超過勤務として出ておりました額の範囲内におきまして、これをそういう名目に振りかえるということでございますので、これは現在学校教職員等に超過勤務手当というものが、事実上あまり多く支給されていないという場合におきましては、これをただちに振り向けるというわけにも参らないわけであります。従いまして将来学校教職員の給与がこのままでいいかどうかという問題につきましては、人事院は将来にわたりまして十分調査研究いたす所存でございます。
○小松委員 それできわめてあいまいなる特別調整額というように私は認識しておるのですが、人事院においては、財源は同じだから名前をかえたのだというような言訳だと思うが、それは将来は私はわからないと思う。ゆえに特別調整額というものは、やがて部長、課長、監督の地位にある者についての特別附加金になつて行く可能性があると思うのです。それでは人事院としては公正妥当な観点から考えて、同じ国家公務員のわく内にある学校教職員に対して時間的な超過勤務の捕捉がむずかしいとあれば、これに対する特別教職調整額でもよければ、研修手当でもよいのです。そうしたものを用意しなければこれは片手落ちであつて公平を失しておる感がありますから、私はその点について再度浅井総裁にお尋ねしたいが、そういう御意思をはつきりお持ちかどうか承りたい。
○浅井政府委員 お答えを申し上げますが、この特別調整額は何だか高級官吏だけがうまいことをしてしまつて、下級官吏は犠牲になつているというような感じがありますならば、それは全然誤解でございます。むしろ高級官吏の超勤額をある一定額に押えてしまうというような意味になつておるのでございます。これは決して職務と責任においてきめましたところの職務給のほかに、もう一つ職務給的なものをつける意味ではございません。なんとなれば、職務給は要するに正規の勤務時間についてやつておるものでございますから、その勤務時間外の業務が非常に大きく、しかもこれははかりがたい、またほんとうにはかりますれば非常に多くなるであろう、というものをむしろ押える趣旨でこれがついておるわけであります。学校教員については超過勤務の制度が今ないように私は記憶いたしておりますので、この際考慮には入つておりませんが、そのために学校教員の給与水準それ自体についての考慮が、前々からなされておるように承知いたしております。将来学校教員等につきましてどうするかという問題は、ちよつとここではまだ文部省等とも打合せなければなりませんと思いますのでお答えができかねます。
○小松委員 次に期末手当についてお尋ねいたしますが、期末手当は「それぞれその日に在職する職員」という解釈がここに出ておりますが、在職するということは、きようも午前中に出ましたが、いわゆる非常勤職員も在職と考えると私は思つておる。同時に結核休職者も現に在職しておると考えておるが、この点について誤りはないか。
○滝本政府委員 在職することになつております。ただ法律の二十三条のところで、第六項というのが、「国家公務員法第七十九条の規定により休職にされた職員には、他の法律に別段の定がない限り、前五項に定める給与を除く外、他のいかなる給与も支給しない。いうことで、今回人事院の意見の説明にも申し述べ、また政府の法律案にも出ておるのでございますが、ただいまお話の結核休職者の場合にどうなるかという問題は、この条項に関係いたして参るのであります。従来休職者につきましていかなる給与が支給されるべきであるかということは、条文が不明確な点がございましたので、今回はこの休職者の給与ということはすべて二十三条を根拠にするのであるということを明らかにいたしておる趣旨でございます。
○小松委員 期末手当はどうなるのですか。
○滝本政府委員 ただいま申し上げましたように、第六項によりまして休職者につきましては「前五項に定める給与」ということが根拠になるのでございますが、その二十三条の第一項によりますと、給与の全額を支給いたすということになつております。すなわち「職員が公務上負傷し、又は疾病にかかり国家公務員法第七十九条第一号に掲げる事由に該当して休職にされたときは、」その給与の全額ということになつておりまして、これは期末手当が出ることになつております。
○小松委員 それでは俸給の支払い方法でありますが、先般も臨時立法をこしらえて緊急な場合の臨時措置として一括繰上げをやつたわけでありますが、その措置がこの中に含まれておりますが、どうした考えか十六日以降でなくては一括支払えないということになれば、先般のような臨時措置はこの法案で考えられていないということになるわけなんですが、これをなぜ十五日にしたのか。またこれを撤廃する方がよいと思うのだが、それの意思いかん。この二つを御質問します。
○滝本政府委員 その点に関しましては後ほど大蔵省の方からもお話があるかと思いますが、人事院といたしましては、給与の支払いということは、これは給与行政上非常に必要な重要な項目であろうかというふうに考えております。それは給与というものはもともとあと払いということが基準法等において原則とされておるのでありますが、国家公務員の場合におきましてあと払いということもいかがなものであろうかというふうに考えまして少くとも給与というものは中間払いであるということが、給与支払いの原則として好もしいというふうに考えておる次第でございます。今回の給与繰上げ支給ということは、やはり給与水準引上げの問題等が遅れております場合に、やむを得ざる措置として出て参つたものであります。その限りにおいてやむを得なかつたというふうに考えるのでありますが、原則といたしましてはやはり給与の中間払いということが給与の正道であろうというふうに考えまして、このような意見を申し出た次第でございます。
○小松委員 原則はそれでいいと私は思う。ところが原則はその前項においてはつきり打出してある。だからわざわざそれをそうしない方が、この前のようなときにわざわざ法案を用意しなくても、スムースにできるのじやないか。そうしよつちゆうそういうことがあり得るのじやなくて、原則は第一項にはつきりうたつてあるから、二項は抹消しても別にその原則と相反するものじやない。日本の法律はえてして何かあとに一文句かませないとおちつかぬような気がしておるわけですが、この第二項こそ不必要な条項ではないかと私は思つております。私は原則は認めるのです。しかしこの法律における二項はあまり必要はないのじやないかと考えるが、その点はいかがですか。
○滝本政府委員 九条の一項には、この月の一日から十五日まで及び月の十六日から末日までの期間につきまして、俸給の半額を支給することができるということを書いておるのであります。支給日につきましては、第一項の方には申しておりません。従いまして支給日につきまして第二項で申しておる次第であります。
○小松委員 その第二項の一ですね。
○滝本政府委員 この二項の一の方は、月の給与の支払いを二回にわけましたときのことを申しておるのでありまして、月に一回に支給する場合のことを後段で申しておる次第であります。
○小松委員 いやそこで私は「人事院規則の定めるところにより人事院の承認を得た場合には、期間を分けないで、月一回にその全額を支給することができる。一とうたつてあるのですから、特別の場合に月一回で支給することができる、こううたつてあれば、あとは人事院規則等でやればいいのであつて、二項の「月一回に支給する場合は、その月の十六日以後の」というあの項は、特別加えなくても事実上運営にはさしつかえないのではないかと思う。
○滝本政府委員 どうも私がまわりくどい御説明を申し上げましし恐縮でございます。第一項におきまして、月一回に支給することができるということを書いてあります。二項におきまして、仰せのように人事院規則でできるということにいたしてもよろしいと思うのでございますが、これはやはり給与支払いの原則というものは中間払いであるということを法律で御確認願いまして、その範囲内において人事院規則で定めることができるというふうにさしていただきたい、こういうふうに考えておる次第であります。給与の支払い日等がこの法律で明確にある範囲がきまつておりません場合には、往々にしてこれが必要以上に動くという場合もございますので、そのようなことはやはり法律で原則をはつきりお定め願いたい、こういう趣旨でございます。
○小松委員 それでは最後に勤勉手当のことをお尋ねして、長い私の質問を終りたいと思います。先般も勤勉手当のことについては私の意見を交えて質問をいたしましたが、事をわけて質問いたしたい。もしこの法案と予算が通つたならば、本年の勤勉手当については、この条文によらないで、いわゆる年末手当として支給するのか、あるいはこの法案による勤勉手当というものを用意しておるのか。実質です、実質について伺いたい。 それと、将来にわたつて勤勉手当のいわゆる勤務成績というか、勤勉という問題をどういうふうに解釈されるのかわからないが、えてしてはつきりしてない性格を持つておると思う。合理的なはつきりした勤勉手当の素地になるものは、まだ考えていないのか。考えているとするならば、一体どんなことを勤勉手当の素地に考えておるのか。それをお伺いしたい。
○滝本政府委員 第一点でございますが、今回も勤勉手当として支給されることになります。ただ、勤勉手当として支給いたすのでありますけれども、仰せのようにも今回は勤務成績のはつきりした判定基準がないではないかということがございますので、おおむね勤勉手当の支給につきましては、勤務成績によりまして差等を付すということはわれわれは期待いたしおりません。従つておおむねこれは平均的に支給されるのであろうということを期待いたしておる次第であります。ただ来年度以降においてどうなるかというお話でございますが、これは人事院におきまして、かねて勤務評定制度というものを研究いたしております。それでこの勤務葉理はいろいろ研究の結果、各省各庁に相当程度まで方法をまかせまして、現在現実にこれが動き得る段階になつておるのであります。従いまして今年の年末にはその勤務評定制度の結果を使用するということは、ごく一、二の省庁を除きましては不可能のようでございます。従いまして今年はこの勤務評定制度をやつておりまするところも、そういうことはあまりやらないように聞いておるのでございますが、来年度以降におままして、その勤務評定制度の結果、客観的に出て来る勤務成績というものをつかまえ得ますならば、これをある程度勤勉手当支給の際に考慮して行くということはあり得ることのように考えております。そういう際にはむしろ勤勉手当というものに、勤務評定制度の結果客観的な基準を得ますならば、そういう勤務成績というものが反映するということは何ら悪いことではないというふうにわれわれは考えておる次第であります。ただ額の問題等もございますので、現在のような、あるいは来年どういうふうになりますか、その問題とも関連いたしますが、あまり額が高くない場合におきましては、その勤務成績によりまして上下の差等をつけるが、その開きがあまり大きいということは好ましくないので、この点につきましては人事院は各省庁と十分相談いたしまして、そこの連絡調整をはかるという用意がある次第でございます。
○有田委員長 私ちよつと委員長として関連質疑をいたしたい。内閣官房副長官にお尋ねしたいのですが、ただいまの人事院の見解に対して、内閣としてはどういう御見解を持つておるか、各省ともどういう方針でやるように次官会議でお話になつたか、その点を承りたいと思います。
○菅野政府委員 まず第一の点でございますが、先ほどの御質問は勤勉手当の規定がもし間に合わなければ、従来の法律による年末手当を支給するのか、こういうようなお尋ねだつたように私は伺いましたが、これはまつたく別のものでございまして、現在の年末手当に関する法律がございますが、これは期末手当の中に取込んであるのでありまして、勤勉手当はそれとは別のものでございます。従いましてこの法律が十五日までに通らない場合におきましては、年末手当は十五日に現在の法律によつて支給いたします。勤勉手当はこの法律が通らなければどうしても支給できないのでありまして、従いまして普通の年には、十二月の十五日というふうに十九条の五できめてございますが、附則の十項というところに出ておりますけれども、ことしに限りましてはこの法律の施行の日から五日以内というふうに読みかえて、この法律が通りましたならば五日以内に勤勉手当を支給するということになるわけでございます。その点先ほど滝本君のお答えにちよつとはつきりしなかつた点がございますので、補足いたします。 それからただいま委員長の御質問の、今人事院の方でお答えした通りでいいかということでございますが、政府といたしましても大体その通りでございまして、異存はございません。結局これは、勤勉手当という制度をこの際法律にはつきりいたしたのでございまして、本年の実際の実施におきまして、客観性を持たない勤務成績というものがその基準になるということは、われわれといたしまして非常におそれております。従いまして先ほど人事院からお答えいたしましたように、勤務評定とか、そういうような非常に客観的な評定ができる制度が現に行われておる部門もございますし、また全部が行つておるわけでもございませんので、そういうことがわかつておるところはこれによるべきでございまして、わかつておらないところは、勢いその勤務成績というものを加味する率が非常に困難になつて来て、極端なことをいえば、勤務成績は事実上加味できなくなるというおそれもございます。それでも客観性のない勤務成績を加味することの危険よりもよりベターであるというふうに考える次第であります。
○小松委員 勤勉手当で、昨日も公述人の中から数字が出ましたのですが、やはり一番現実に国家公務員の人々が心配しているのは、この勤勉手当の現在出されることのよしあしということが、まず第一に考えられるわけです。現実の本俸の給与さえも、日々の生活に追われ、しかも結婚適齢期になつても、結婚さえも一年二年とずらして行く。これは大きなる青春の悲劇であるのにもかかわらず、職制の強化というものは日に日に加えられおる。部長や課長には特別給を加えられておる、その上に勤勉手当というしごくあいまいなる手当が、それらの者に対する労働強化を来したり、あるいはややもすると隷属給与にならないとも限らない。過失及び現在のやり方から推してさようなおそれがある。だからこういう危険物はいましばらくお預けにしてくれという意見が出ておるわけなんです。この点について私もしごく同感の意を表する点がある。この点について私は政府当局がはたして勤勉手当というものはどういう意味で出したか。しかもその振りわけなりあるいはかけ算をして割増をつけるときの割増の基礎は、どこをとるかということがまだ不安なんで、今人事院の給与局長から言われたけれども、その基礎になるものがはつきり出ていない。あるいは欠勤日数とかあるいは遅刻の時間とか、何を根拠にするかということが出ていない。ただ漠然と勤務評定ということになる。勤務評定ということは、言葉をかえせば、その監督の地位にある人がまるちよんをつけるか、あるいは二重まるか一重まるで勤務成績を出して来る。計算機によつて勤務評定が出て来るならばいざしらず、やはり主観がまじると思う。その点についてやはり明確にその基礎が出ていない、かように考えて再度その基礎は何か伺いたい。前の質問は勤勉手当の可否についての論拠をお伺いしたい。
○菅野政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、これは客観性を持つたものを基礎に置きたいと考えております。ただいま御例示の欠勤日数とかあるいは在職の期間が短いとか、あるいは遅刻が多いとか、こういうことはだれが見ても客観性を持つのでございましてこれは基礎になつても少しもさしつかえないのでございますが、ただ主観的な勤務の成績というようなものは、よほど慎重にやらないと、なかなか妥当な数字を得られないと思うのでございます。ただ制度といたしまして、勤勉手当は、現在の給与がすべて勤惰に関係なしにやつておるもののただ一つの例でございまして、御質問のごとく、現在の国家公務員の給与というものは、決して十分なものではないのでございますが、しかし単なる生活給の程度のものでもないことも、御承知の通りでございまして、ある程度勤惰というものを加味した手当が必要ではないかということは、私ども給与の点を考えますときに、各省から出て来る意見でございます。そこで政府といたしましては、ある程度この勤務成績を基準にした勤勉手当というものを置きまして、この実際の運用におきましては、お話のごとく客観性を持つたものを基準にしてやつて行きたいと思うのでございます。従いまして、先ほどお答えいたしましたように、その客観性を持たない基準でもつてやるならば、むしろそういうものを加味しない方が安全であるというふうにも考えておる次第でございます。
○小松委員 人事院規則で将来この割合とか、そういうものは出す予定があるのか、それで最終的にきまるのかどうか。それからその予算のとり方が、やはりこの前も私同じ質問をしたと思うのですけれども、本俸に勤務地手当を加えた額に、そのいわゆる勤勉の指数をかける。ところが予算をとる場合には、本俸にプラス家族手当プラス地域給を加えて、百分の五十という予算をとる。予算はそういう基礎でとつておつて、実際わけるときには、その家族手当の分だけをとつてのける。そうなればここに浮いた財源が出て来るわけです。そうした点に、どういう観点でそういう技術的な操作を加えようとしておるか、それがはつきり伺いたい。
○滝本政府委員 先ほどお答え申し上げておりますように、この法律が通りましたあかつきにおきまして、今年の勤勉手当の支給につきましては、特に人事院規則等を制定する考えはないのでございます。将来にわたりましては人事院規則等で明確にして参りたいと思いますが、今年度はこの人事院規則というものは制定いたしません。ただ各省庁の連絡調整をはかります意味におきまして、人事院から通牒等をもちまして、一定の基準を示す。その基準は、先ほど菅野副長官からお話がございましたように、欠勤日数というようなものが主要な要素になりますが、この成績を加味することも若干はできる余裕は残してございます。これはきわめて明瞭にこの成績として判定してよろしいというようなものがあり得るわけでございます。そういうようなものにつきましては、若干の成績は加味することができるように、各省庁間で十分話合いをいたしたいと思うのでありますが、今回は包括的に、各省庁にその支給につきましては委任するような方法をとる。ただ話合いといたしましては、おおむねこの平均的な給与で支給するということにいたしたいというふうに存じておる次第であります。それで原則としては、俸給、扶養手当、勤務地手当ということになつておるのですが、扶養手当がこの支給の際には基準になつていない。それだけをどこかへやるのではなかろうかというお話でございますが、これはむしろ個々人の支給にあたりましては、扶養手当というものは、個々人の扶養家族数—これは人々によりましてそれぞれ非常に違いがあるわけでございますから、やはりこういうものの基準に当てまする際に、扶養手当まで基準に入れるのがいいかどうかという点は、確かに問題がある点でございます。むしろ俸給と勤務地手当というかつきりいたしましたものを、基準にする方がいいのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。従いましてこれはわれわれの正確な計算ではございませんが、俸給、扶養手当、勤務地手当という場合にはおおむねその〇・五になるのでございますが、この俸給、勤務地手当だけになつて参りますと、おおむね〇・五四幾らという数字になるのでございます。従いまして大体そういう基準で支給されるであろうということを期待いたしておる次第であります。
○小松委員 そこで扶養家族をとつたという点はそれなりに考えられるのだが、予算で扶養家族をとつておる。ところが私にすれば、地域手当をその中に加えているならば、同じ都市給にどうして勤勉手当を加えるのか、こういうことにもなるわけです。りくつを言えば、扶養家族にその指数を加えることの誤りがあるならば、都市手当、いわゆる地域給に勤勉の指数をかけることも、基本的には誤りになる。同じ誤りを繰返すならば、扶養家族に加えてもいいじやないか、都市的偏重を来しておるこの地域給でなくして僻地に対するところの地域給といいますか、遠隔地手当というか、そうしたものにまで加えなければやはり片手落ちになるじやないか。総じて見ると、人事院はこの都市勤務者ということが常に頭にあるがゆえに、人事院という一つの大きなセクシヨンが、僻地に勤めておる者に対する愛情がない。私はこういう点に抜かりがあるじやないかと思う。のみならず、勤勉手当においても、都市の地域手当はちやんと勤勉の中に入れてあるけれども、僻地におつて勤勉しておる者については何ら考慮が払われていない。こういう観点に立つて、勤勉手当になぜ地域給を加えたのかということをお伺いしたい。
○滝本政府委員 この勤務地手当の将来のあり方というようなものにつきましては、人事院は現在いろいろと研究しておるのであります。しかしただいまのところを申しますならば、勤務地手当というものは都市偏重というような考えよりも、むしろおのおのの場所におきまする俸給の実質賃金と申しますか、俸給の購買力と申しますか、そういうものをひとしくしようということが趣旨でございます。従つてわれわれが現在勤勉手当を考えます際に、俸給と勤務地手当を考えるということは、これはりくつのあるところであろうと考えておる次第であります。僻地手当についてなぜ考えないかというお話でございますが、現在僻地手当というものは特殊の勤務手当の一種となつております。今のお話をさらに敷衍して参りますならば、この特殊勤務手当というものはいろいろございますが、そういうものまでみな加えなければならぬのではなかろうかというようなお話にまで発展するであろうということになるのであります。これは程度問題でございまして、われわれは俸給というものが基本的な給与であるという点に着目いたしまして、それをまず、地域地域において実質的な購買力をひとしくするという意味におきまして、勤務地手当というものをこの際考えておる次第であります。なおこの僻地手当につきましては、いろいろ問題があるということも十分承知いたしております。また僻地手当の額が現在低いということも承知いたしておりまして、まず率を上げるというような点につきましても、われわれの給与水準引上げの勧告の中に申し述べておる次第であります。また僻地手当につきましては、支給の基準そのものを検討する必要があるのではなかろうかというお話も十分承知いたしおりまして、われわれとても前々からこの問題は研究しております。今後この僻地手当を特に取上げまして研究いたして行きたいというふうに考えております。
○小松委員 やはりまだ私は勤勉手当から扶養家族を除いて地域手当を入れたところがわからない。基本俸、本人がもらつておる給与に対して勤勉というならば、一応額は安くても筋は通る。ところがそれに地域手当を加えてそれが俸給だ、やはり今の俸給は扶養家族を加えてこそほんとうの公務員としての俸給になるわけであります。だから扶養家族を加えて、もちろん地域手当も加えて、そうして勤勉手当をはじき出すのがほんとうではないか。それであるにもかかわらず、地域手当のみは本俸に加えて、家族手当をのけてかけ算をしておるところに不合理な点がある。どうせ不合理をとるならば、扶養家族を加えてなぜ勤勉手当を出さないか、扶養家族まで勤勉手当は出さないのだというなら、地域給をなぜとるのか、東京で勤める勤勉と山形県の片いなかで勤める勤勉と、地域によつて勤勉の差が違うということを規律するならば、それにも私は不合理があると思う。そうなれば、勤勉手当のフアクターの中から扶養家族をとつてのけたということははなはだ不可解であり了解ができないわけです。この点についてもう少し明確な答弁が願いたい。しかも予算には扶養家族を入れてちやんととつてある。支給のときだけははずしてあるところになお不可解な点がある。予算の方も扶養家族を除いてあれば一応関連性があるけれども、予算はちやんととつておつて、支給のときだけ扶養家族をのけるというところに、やはり操作上不可解な点を持つておる。なぜ扶養家族をとつてのけたか、その点をもう少しはつきり伺いたい。
○滝本政府委員 これは先ほどから御説明を繰返しておる点でございまして、問題がはつきり黒か白かということになるものであろうとは思つておらないのであります。ただ考え方としてこういうように考えた方がより妥当性があるのではなかろうかという程度のことにしかならぬかと思います。たとえば欠勤日数あるいは遅刻が非常に多いというような要素が家族の数まで影響して来るというのは、何としても支給基準としまして割切れないものがあるのではなかろうかというふうに考える次第であります。それから地域地域によつて勤勉の度が違わぬじやないか、まさしくその通りであります。その勤勉に対して支給されまするものが同じ購買力を持つという意味におきまして勤務地手当が考えてあるので、むしろこれは小松委員が言われるように、地域々々においてその勤勉の度によりまして支給される勤勉手当が同じ購買力を持つという意味において、勤務地手当は考えてあるというふうに御説明申し上げるよりしようがないと思います。ただ原資をとります際には、扶養手当を入れた方が実際に大きいわけでございます。〇・五ということを申します際に、初めから扶養手当を入れておきませんと、この扶養手当分だけは少いわけでございます。初めから扶養手当を入れておきますと、〇・五といいましても、これをかりに俸給と扶養手当の額に直しますれば、先ほどもちよつと触れましたように、これが〇・五四幾らというふうになるのでありましてこれはやはり原資をとりますのにその方が多くとれるという人事院の考え方であつたわけであります。支給されますときには、おおむねこの一年間につきまして勤務の常態の者は〇・五四幾らという平均的なものが支給されるはずであるというふうに考えておる次第であります。
○小松委員 それは大体〇・五を上まわると思うのですが、その上まわる姿にいわゆる配分基準について特別な考慮を払つておるのではないかという疑いを持つわけなんです。それが〇・五の予算をとつたけれども、実際支給には〇・四幾らの支給が、先ほどの危惧の念を持たないで支給されるならば、それも妥当性があると思うが、それがやがては〇・一もらう者もあるし、〇・三もらう者もある。その開きをつける一つの財源として考えておるのではないかということを懸念して御質問しておるわけです。そういういわゆる余剰財源をたつぷり持つて差を大きくしようという考えでやつておるのではないか、その点をはつきり最後にお伺いしたい。
○滝本政府委員 先ほど申し上げましたように、これは菅野副長官から申されたのでありますが、客観的な勤務成績の判定の基準がない場合におきましては、勤務成績によりまして配分するということはなかなかむずかしいのであります。私もさいぜんから申し上げておりますように、本年度におきましてはよほど客観的なはつきりしたもののない限りは、おおむねこの平均的な給与の支給になるのでなかろうか、またそういうことを各省庁に希望いたしておる次第であります。それと結びつけて考えるならば、この〇・五というものが〇・五四となる、こういうふうに御説明申し上げるよりしかたがないと思います。
○小松委員 長い質問になりましたが、他の委員にも質問があると思いますので、私の足らないところは他の委員の質問によることにして、これで一応終りたいと思います。
○有田委員長 受田新吉君。
○受田委員 この人事院勧告の給与改訂表と政府の給与改訂表との比較でありますが、政府の方は人事院勧告の中で八号俸以下が人事院勧告の線よりは上まわり、そして上の方を下げておるのであります。この基準は先般の副長官のお話では、CPI、CPS、民間給与等を総合比較検討して、大体二〇%上げたいというお話があつたのでありますが、これは人事院勧告と同様の基準があつてそれによつて精密調査をして出された数字でありますが、この点下の方にやや厚く、百円程度上げ、上の方を下げたという理由は、下に厚く上に薄いという原則を確立された意味でありますか。あるいは実際の調査をしたところ、民間給与その他を見たら、やはり人事院勧告の線は少し低過ぎるから下の給与の者は上げる、それから上の方は少し高過ぎるのでこれを下げたという実態に基いたやり方か、政治的なものか、実態に基いたものであれば人事院勧告のベース・アップには多少政府の考え方よりも無理な勧告の仕方があつたのか、その下の方を八号までを上げ、上の方を下げた理由を簡単に御説明願いたいと思います。
○菅野政府委員 人事院勧告の俸給表のつくり方は、基準になりますところの二級三号、通し番号でいいますと五号俸でございますが、二級三号というところに理論生計費で計算しました基準を置きまして、これは成年の独身の男子の独立の生計を営む者の生計費を理論的に計算したものでありますが、それを四千七百円という数字でもつて勧告しております。それからそれを基準にしましてずつと上の方七十号までは、これは同じような種類の仕事をいたしておりますところの民間の実際給与を実地に調べまして、それと合せたのが人事院の勧告でございます。 そこで政府の方ではどうしてつくりましたかといいますと、基準の生計費、これは何としても確保しなければならないものでございまして、いかに財源が不足いたしましてもこれだけは絶対確保すべきものでございます。 〔委員長退席、植木委員長代理着席〕 そこで二級三号の基準のところには四千八百円という数字を置いたのでございます。この百円の違いはあとで詳しく数字を申し上げてもよろしゆうございますが、四千七百円は本年の五月の数字を基準にした生計費でございますので、その後の物価の値上がり、ことに来年の一月から米の消費者価格あるいは鉄道運賃の値上がり等、あるいは地代、家賃その他の値上がりが生計費に及ぼす影響を詳細に調べまして、それが九十何円という数字になりますので、百円増しまして四千八百円というのを基準にいたしたわけでございます。そうして大体の考え方は、人事院の勧告の線に沿つて同じ率でもつてカーブをつくつたのでございますが、下の方がそういうふうに百円基準の方で上りますので、その付近はどうしても勧告よりか上ります。そこで上の方はそれだけ削りまして、従いまして人事院とのカーブの差は上の方が非常に開いておりまして、下の方はむしろ接近して、端なところは上まわつておる、こういうようなことになるのでございます。従いまして上下の差は人事院の勧告におきましては一一・六でございますが、政府案は一〇・五になります。なお御参考までに現在の俸給表は九・三でございますが、そういうふうな変化になつておる次第でございます。
○受田委員 この人事院の勧告では、七十号以上の者に対しては、民間給与においても、その比較が非常に困難であるというので、従来の行きがかりによつて七十号以上を決定したようなことを聞いておるのですが、この点七十号あたりまでは民間給与との比較ができる、それ以上は比較ができないので、従来の行きがかりによつてやつた。その行きがかりによつてやつたところは、人事院と政府とでは非常に感覚が違うのでありますが、人事院がこの上級者について勧告された数字は、何を根拠にされておるのか、この七十号以上の者についてお尋ねしたい。それから今度一般職の職員の給与のほかに、特別職のも出ておりますが、総理などの十一万一千円というような数字は、どこから出たか、これも関連するのでありますし、また高額所得者は、所得税その他をとられるので、事実上ペース・アツプは非常に少い率になつて来るが、こういう税の問題も考えて高額所得者の数字を決定されたのか、これを人事院と政府の両方で御説明いただきたいのであります。
○滝本政府委員 人事院勧告を作成いたします際に、従前は二級三号、現在からいうと、すなわち標準生計費と七十号というものを押えまして、これをいわゆる等比級数曲線によつて結びまして、そうしてその間の号俸を動かすというような方法を従前はとつておつたのであります。これは等比級数曲線というの非常にわれわれの場合に適合する曲線でありますからとつておりました。しかしさらに各職務の級、現在で申しますならば、一級から十五級までございますが、その十五級までの職務の級の各級に該当いたしますような職務内容並びに責任の程度の民間給与を調べておるわけでございますが、そういうものを一々われわれの曲線に反映せしめるのが適当ではなかろうかということで、これは今回の勧告並びに前回の勧告からやつておりますが、そういうふうな各級の平均的な給与を全部出しまして、これを数学的に補正するという方法をとつておるのであります。これはキー・ポイントと申しますか、そういうところだけ押えてございます。従いましてその間のところは、やはりこれは曲線上に現れて参ります点をそれぞれ割出して使つておる次第でございます。七十号以上につきましては、これはなかなか民間と対比し得るようなポジシヨンもございませんし、従いまして的確な調査がしにくいのであります。従いましてわれわれは、従来でありますならば、標準生計費と七十号とを結びまする等比級数曲線において、その曲線上の点をとるという方法によりまして、七十号以上の一般職の俸給を定めるという方式をとつておつたのでありますが、今回は、この各級の中間号俸あたりに相当いたしますものを数学的に補正いたしまして、それをさらに延ばしまして、その線上に七十号以上の俸給を求めておる、こういうことになります。
○菅野政府委員 特別職の給与についてお尋ねがございましたが、特別職の給与の引上げは、大体一般職の最高と普通いわれております七十号の程度の今回のベース・アツプの率を規準にいたしまして、総理大臣以下の職の引上げをしたのでございますが、しかし特別職と申しましても、あるいは秘書官であるとか待従であるとかいうような、比較的給与の少い者もございますので、それは七十号を基準にしないで二割強の引上げをしたところもございます。大体七十号のところで三割五分くらいになつておりますので、そのくらいの引上げを行つて数字を調整いたしたのでございます。 それから第二点は、上級者の率が非常に多いが、その点は税の関係等も考えたかという御質問でございますが、お説の通り、今回の減税をいたしましても、高額所得者に対する減税ははとんど行つておりませんで、段階によりましてはむしろ増加をいたしておるところもございます。そういうような税の点は十分に考慮に入れまして今回の額をきめたのでございますが、そういうふうに税を加味いたしますと、実際の表面に現われた増加率は非常に変化を受けまして、手取りといたしましてはそんなに増加をいたしておりません。しかしながら上下のカーブは、先ほども申し上げました通り、民間給与の実態に合わしたというのが事実でございまして、民間給与におきましても同じような率で上つておることは、人事院の実績調査によつて明らかでございます。なお税金の点も入れまして手取りが幾らになるかという数字につきましては、大蔵省の方からお答え申し上げます。
○岸本政府委員 税金を考慮いたしまして、今回の給与改訂後の手取額はゼうなるかということを、参考までに各級の代表的なものを列挙して申し上げますと、これは東京都の場合で、本俸、扶養手当、勤務地手当、これだけの給与総額を対象にいたしまして計算したものでございますが、一級一号のところが、現行給与ベースで、しかも現行の税法等で参りますと、手取額は四千百五十三円でございますが、改訂後は大体五千九十円。手取額の増加率は二二・六%に相なります。それから中堅職員の六級六号くらいをとりますと、現在のベース及び税制による手取額は一万八百三十三円でございますが、改訂後のベース及び税法では一万二千六百三十六円、約一七%の上昇に相なつております。それから局長クラスと普通申しております十四級の七十号俸で、現在三万一千百二十八円、それが四万一千六百十一円、増加率としては約三割三分ということに相なります。一級一号と十四級六号の上下の倍率は、俸給表の上では一〇・三倍になるのでありますが、手取額で比較いたしました場合には約九倍ということに相なります。
○受田委員 アメリカなどは給与所得者において、低額者と高額者との間に税率の差異があまり高くない関係上、手取りにおいて政府が出したように大きな開きを見ていない。特にイギリスのごときにおいては、初級者と上級者との間にその間隔が非常に狭まつておるというような実例も伺つておるのでありますが、この点において日本の給与体系の下級者と上級者との比率が、これらの諸外国の例に比べて非常に開きが大き過ぎるのじやないか、この点について諸外国の例と比較してちよつと御説明いただきたいと思います。
○岸本政府委員 大蔵省であいにくその資料を持合せておりません。
○滝本政府委員 ただいま私の方もイギリスの例を手持ちしておりませんので、イギリスあるいは諸外国と比較して申すことは困難であります。従いまして調べ得る範囲におきまして今後調べまして、資料を提出いたしたいと思います。
○受田委員 今度のベース・アツプが一般勤労大衆に対して非常に不人気で、上級者に上昇率が高くて下級者に低い、最低賃金制が確立しないという、いろいろな声があるのは、御承知の通りなのであります。この点においても、高額所得者が非常に高く上る比率に対するはつきりした、納得のできるような説明をして置かなければならぬと思いますし、税金の問題なども当然入るのでございます。もう一つは下の線をもう少し高くする必要はないのか。たとえば一般民間企業会社などに入つて行く大学卒業者の初任給と公務員の大学卒業者の初任給の比較と、それから中堅どころ、高額所得者というものを見るときに、どうも初任給は公務員の方が一般民間企業会社に勤めて、いる人の初任給よわ低い線にあるのではありませんか。これを伺いたい。
○正宗政府委員 先ほどの御質問につきましての詳しい資料は追つて御提出申し上げますが、大体の観念といたしまして、日本の現在の国家公務員の給与体系は、上と下の間差は非常に小さいのであります。これは御承知のように終戦後の新しい給与体系でそういうことになつたのでありますが、これがだんだんとただいま正常化の方向をたどつているというふうに御理解願つた方がいいじやないか。これは諸外国の資料に照らしてもそういうことが申し上げられるのではないかと思います。 第二に税金の関係でございますが、日本の税は、御承知のように、いわゆる累進率が相当高いのでございまして、今回減税いたしましたが、これは下の方の税をきわめて強く減税をいたしたわけであります。大体中堅どころから上の方はあまり減税にならず、むしろ下の方に減税の恩典は大きく響いて来るというふうに御理解を願いたいと思うのであります。それから第三に申し上げたいことは、先ほど内閣からもまた人事院からも御説明ございましたが、いわゆる標準生計費を二級三号—通し号俸で申しますと五号でございますが、—四千七百円という勧告を人事院はなさいましたのを、四千八百円としておるのでありますが、実際問題といたしましては、新制高校の卒業生は大体三級三号、通し号俸で申しますと九号俸でございますが、今回の改訂案では五千二百円ということになつておるのであります。もとよりわれわれといえども、全体としてのべースにつきましては、今日のこれを十分とは考えません。だんだんとさらに改訂され、改善されることは望ましいのでございますが、いわゆる上と下との関係につきましては、相当程度に政府案におきましても考慮され、また税の面におきましても考慮されておることは、御承知の通りでございます。詳しい資料は追つて申し上げますが、大体の観念を御参考までに申し上げます。
○滝本政府委員 われわれの調査によりますと、今年の三月に卒業いたしまして、民間会社に採用されましたものの平均給与がどうなつているかということでございますが、われわれの調査の範囲におきましては、新制高等学校卒業の者が四千四百八十一円という平均の給与を支給されているということに相なつているのであります。これに対しまして、人事院の勧告で申しますならば、四級一号というものが一応これに対比されていいのではないか。あるいはまた三級三号というあたりが対比されていいのではなかろうかと思うのであります。そういうところにおきましては、さいぜん申しましたように、職務と責任によりまして、そういう数字と合致するような勧告案が出ております。また新制大学卒業生でありますと、七千百七十五円という数字が本年の三月に出ておるのであります。旧制大学卒業生でありますと、七千七百八十七円という数字が出ておるのであります。これはやはり六級一号あたりにおきましてその程度の数字を確保するということを、われわれの勧告においては考慮いたした次第であります。
○受田委員 この給与体系については、五、六、七、八、九あたりが一番扶養家族も多いときで、財政的にも非常に困難する時期なんですが、そういう各官庁の中堅どころというものをもう少し優遇するような案にして、それをせばめるというような、これに対する今後の見通しについて—これは今政府が案として出しておられるのを、われわれが審議するにあたつての参考意見として聞いておくのです。政府はもう今度のこれで押し通すというのですが、そういう下級中堅公務員をもう少し優遇する線に持つて行く—今主計局の次長さんのお話では、税金をそういう方面から大いに引いて、負担を軽くしてやるので何とかなるのだという意味にもとれたのですが、そういう階層を優遇する対策というものは考えておられませんでしようか。
○菅野政府委員 公務員の給与は、しばしば申し上げます通り、決して今十分なものであるとは言えない次第でございまして、財政の許す限り給与の改善をはかつて行くということは、政府としては常に考えておるところでございます。しかも一番家族もふえ、家族の教育費等もいるというような、中堅職員の給与の改善をはかりたいと考えております。しかし今回の給与ベースの改正の特徴とも申し上げたいことが一つございますので、その点を申し上げまして、御理解を願いたいと思いますることは、権威ある統計によりますと、消費者物価指数なり、あるいは物価の値上りの状態を言ますと、昨年の十月に現在のベースになりましたので、それを基準にいたしますと、消費者物価指数のごときはわずか一・五%くらいしか上つておりません。それから消費物価にいたしましても、七、八パーセントくらいしか上つておらないのでございます。従いましてこれが物価の値上りをカバーするという程度のベース改訂でありましたならば、とうてい二〇%という数字は出ないのでございます。ただ民間の給与が、昨年の十月くらいに比べますと、大体一八%から二〇%近く上つております。その民間の給与の値上りに国家公務員の給与も歩調をそろえて上げたというのが、今回の給与ベース引上げの非常な特徴でございまして、従いまして民間の生活が改善されていると同じ程度には、国家公務員の生活も改善されるという見込込みを持つております。その民間の給与とまつたく同じにいたしたのが人事院の勧告でございますが、一挙にそこまでいたすということは、財政も許しませんし、非常な値上りになりますので、政府の方といたしましては、その値上りの趨勢だけは同じにしよう—大体昨年の十月において民間給与との差がございます。差がございますけれども、同じような値上りをしているならば、それと歩調を合せて公務員の給与も値上げをしようというのでございまして、物価の値上りをカバーするというような、ほんとうにぎりぎり一ぱいの生活給のような給与改善ではないという点だけを御了承願いたいと思う次第でございます。
○正宗政府委員 ちよつと大蔵省からつけ加えて申し上げますが、税法改正の関係で、数字を申し上げます。税法は、御承知のように、扶養家族の関係がございますので、一応扶養家族を仮定をいたしまして、減税はどういうふうになるかということを申し上げます。六級六号で扶養家族が三人といたしますと、今度は税はかからなくなります。すなわち一〇〇%減税になるわけであります。それから七級の五号でございますが、この場合扶養家族四人と仮定いたしますと 八一・九%の減税になります。それからちよつととばしまして、八の五、これがやはり扶養家族四人といたしまして、三割八分五厘の減税になります。だんだんとばしまして上の方に参りまして、十二級の三号、これは課長の古参でございますが、その辺で扶養家族四人といたしますと、これは逆にマイナスニ・三、すなわち税の負担が二・三ふえる、こういうことになつております。これは新しいペースで申しまして、だんだん上の方へ参りますと、むしろ税の負担は、扶養家族四人でありましても—十五の二、これは局長のちよつと古いところでありますが、この辺ですと五分くらいむしろ税負担がふえる、こういうことになるのであります。
○受田委員 次に、奨励手当、勤勉手当の問題に入るのですが、この語句を勤勉と奨励と二つにわけたこと。同じ公務員であつて、一方は公共企業体、一方は国家公務員という感覚から、そういうふうに区別したように書いてあるのですが、勤勉の度に応じた手当ということになれば、みんな勤勉としてやるべきでないか、あるいは奨励としてやるべきでないか。こういうのが国家公務員と公共企業体でわかれるということは、いよいよ語句が複雑になつて来るおそれがあるし、こういうものはできるだけ名称を統一して、どの社会に行つても、国家公務員並びに公共企業体の業務に従事する者には勤勉手当が出るんだというふうに統一をする方がいいと思うのでありますが、この二つをわけた理由をお聞きしたいと思います。
○滝本政府委員 この勤勉手当と将励手当と語句をわけました理由は、たとえば企業官庁職員というような場合におきましては、その勤務成績というようなものはむしろ作業量ということにただちに反映いたすわけであります。そういうことで計測するのが最も的確な方法であろうというふうに考える次第でございます。そういうふうな場合におきましては、これは作業量というふうなことが将来根幹になつて将励手当の額が計算されてしかるべきではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。ところが一般官庁におきましては、作業というものがなかなか計測しにくい。従つてこれは将来にわたりましては、むしろはつきりした基準によるところの勤務成績というようなもので押えました方が、よろしいのではなかろうかというふうに考える次第でございます。しかし今回は、この将励手当にいたしましても、それを計測いたしまするはつきりした基準は、おそらくは確立されておりませんでしようから、従いまして法律案の条文の中にも出ておりますように、勤務成績に応じてということで幅が持たしてあるわけでございます。それで企業官庁職員が団交権の方へ向けて参りまする際には、あとに一般職の方に残りますものは勤勉手当だけ、こういうふうになるわけであります。
○受田委員 今小松さんから勤勉手当て、給与局長のお答えでは、それはこの条文にありまする人事院の定める基準に従つて定める割合を乗じる、来年からはそういうふうにする、それを考慮してとおつしやつたのですが、考慮した額—これによると、「人事院の定める基準に従つて定める割合を乗じて得た額とする。」と、もうはつきり基準がきまつてしまうので、考慮することによるのでなく、もうそれによることになるのではありませんか。
○滝本政府委員 私の言葉が少し不明確であつたわけでございますが、「基準に従つて」ということは、人事院が定める割合に従つてということとはこれは違うのでありまして、人事院が定める割合の基準に従つてということは、やはり基準でございますからそこに幅がある、これは考慮ということと通ずる意味を申し上げた次第でございます。人事院が定める割合というふうには書いてはないのでございます。
○受田委員 もう一つ、十九条の五の七項ですか、特別会計の方の項でありますが、「施行の日に在職するものに対しては、勤勉手当に代え、昭和二十七年四月一日以後における」というのがあります。あの「二十七年四月一日」の「四月」という基準をどうして置かれたのですか。一月からとして二十七年度全部を入れてやる方が、算定基礎としては正確なのじやないでしようか。
○滝本政府委員 むしろこれは会計年度と合わしたという趣旨でございます。
○受田委員 それから日宿直手当でありますが、たとえば国立病院の職員とか、療養所の医師とか看護婦とか薬剤師とかありますが、こういう人たちが、日宿直手当ができたためにその規定によつて、君たちのは日宿直勤務だというふうに言われるおそれはないか。こういう人たちはいつも勤務が延長しているのであつて、診断もしなければならないし治療もしなければならない、この点について、こういう日宿直手当があるために、こういう人たちを誤らせるおそれはないか、この点についてお伺いしたいのであります。
○滝本政府委員 病院の医師等が事実上の目宿直をいたします際には、やはり急患がありまして、夜の夜中に起きる。その場合の勤務というのは、やはり医師としての職務の続行でございます。従いましてわれわれはそういう種類の職務は、今回の日宿直手当の範囲に考えておらないのでありまして、あくまで看守的な業務でありますとか、書類の保守でありますとか、外部の連絡でありますとか、すなわち通常職員がいたしております職務と異なつた職務をいたします、そういつたいわゆる日直、宿直等の勤務に対しまして、日宿直手当というものを考えたいという趣旨であります。病院の看護婦でありますとか、医師とかいうような、その本来の職務をいたしますものは、この範囲から除いて考えたいというふうに考えております。
○受田委員 それは条文に明記する必要はありませんか。これに日宿直手当の規定がそのまま適用されるおそれはありませんか。
○滝本政府委員 そのことは人事院規則ではつきりいたす予定であります。
○受田委員 次に主計局次長にお尋ねしたいのですが、未復員公務員がまだ今日相当数あるのです。これは各省関係で数字をどれだけ持つておるか、お聞きしたいくらいに思つているのですが、この人たちは召集に応じたときに、現職の公務員として応召したのであつて、その人たちが帰つて来るまでは国家公務員、地方の人は地方公務員で、その手当を受けることになつております。ところがその人たちは、今日なおソ連、中共等の事情によつて、こつちへ帰つて来ない。ところがこの人たちに対しては、その昇給は三七ベースのときを基準として、もうそれ以上昇給していないという事実を伺つておるのでありますが、一毛ベースまでは順調にベース・アツプして来て、それから後を上げておらぬというのは、これはどういうところに原因があるのか。特にこの不幸な奥さんたちにしてみた場合には、こつちへ帰つておつたら当然あなた方ぐらいの年配の方々は、それぞれの地位について、国家の公務に楽しんで従つておられる人だ、それが国家の犯した責任のためにまだ帰つて来ない。しかもその御家族は三七ベースの一番低い給与で、夫がもどつて来さえすれば夫の給与で生活できるのが、路頭に迷い、何かほかの仕事でもして糊口をしのぐという状況になつておるのであります。同じ公務員であり、同職の人たちを同じ基準で待遇するという意味から、大蔵省としてはなぜこれを三七ベースで押えて、その後のべ一ス・アツプをしないのか、その理由を明らかにしていただきたいのであります。
○正宗政府委員 未帰還者の給与につきましても、従来は大体ベース改訂の際に改訂をいたしております。ただ今回は、御承知のように、特別未帰還者の給与との関係等もございまして、目下慎重に検討いたしております。われわれとしてはそれをそのまますえ置くというふうな考えではもとよりないのでありますが、バランスの問題もございますので、いまだ検討中でございます。
○受田委員 これはたいへん大事な問題で、三七べースまで上げたのです。目下検討中の騒ぎではなくして、もう三七ベースのときから上げておらぬのですから、この三、四年間というものは非常に不当な待遇でがまんしているのです。特別未帰還者給与法は、これは一般邦人なんです。一般邦人の場合であつて、これは公務員でないのです。この人たちは、今度そうした留守家族援護法というものが厚生省で立案をされることになつておりますし、また遺族の場合はその人たちの援護法ができておるし、また未復員者に対しては、今まで未復員者給与法があつて、一箇月たつた千円ほど支給せられておつたのです。その人たちも不当な待遇であることはもちろんであるから、そういうものと一括して今までもつと待遇改善すべきであつたとわれわれは思いますが、未復員の公務員というものはまた別個の取扱いがされるべきで、これは現職の公務員として出ている。現在その職にあるのですから、これは特別未帰還者でもなければ未復員者でもない、現職の公務員です。ただ職務を離れて外地におるだけの話なんです。その現職の公務員が、同じ職場の職務についている人たちが上つているのに、三七ペースに押えられだままで上つておらぬというその理由を聞きたいのです。今それを特別未帰還者と同じ率にということではなくして、今現在、来年からではなくして現在をどうするかという問題お尋ねしておるのであつて、御明答をいただきたいのであげます。
○岸本政府委員 政府職員である未復員者の給与につきましては、先ほど次長から答弁がございましたように、三七ベース以後も六千円ベース、八千円ベース、一万円ベース、これはベース改訂に応ずる程度の引上げはやつて参つております。ただ御承知の通り、三七ベース当時初めて職階給与—これは二九スのときにできたのでありますが、実際においては三七ベースのときに職階の格付が始まつたのであります。未復員者の場合は、もし在職していたならば何級の何号に行くであろうかということを想定する以外に、事実上できないわけであります。従いまして昔の給与をもとにしまして、何倍何倍というふうにやつたのでありまして、そういう意味におきましては、昔は課長であつた未復員者で課長である人は、現在課長でいる人とまつたく同じになつておるかというと、必ずしもそうなつておらないのでありまして、これは給与制度に改変があつたためにそうしたやむを得ない誤差と申しますか、アンバランスができておるのでございますが、ベースそのものといたしましては、ベース改訂に応ずる引上げはいたしております。
○受田委員 それが一宿低い線、当然昇給すべき一番低い線のところで行くべきではないでしようか。課長となるべきだとは申しません。とにかくその級の中で一番低い線でもいいから次第に上げて行く。もどつて来て急に格付するというわけには行きませんから、それを漸次一番低い線で上げて行く。今ベース・アツプしているといつても、言つただけの問題で、一番低い線のベース・アツプをしているわけです。そうすると今は、現在の公務員給与の半分以下になつているわけです。事実上一万円ぐらいもらう人だつたら、五、六千円ぐらいじやないでしようか。それは実際お気の毒です。これはひとつ何か考慮されて、そう人数もたくさんおられることでもないし、家族にしてみれば、夫が生きておればこの程度収入があつたはずだという喜びのあるところなんです。それに対する予算というものは、そうたくさんは、いるはずはないのですが、何かそれはもう少し御考慮してくださる余地はなかつたのでしようか。今からでも何とかならぬでしようか。
○岸本政府委員 未復員公務員の給与につきましては、いろいろ部外からも批評もございまして、今まで在職の者と同じに上つて来なかつた。一方には民間人や未復員者との関係もございまして、公務員だからどんどん上げてもいいということは必ずしも言えないと思います。民間でも現在未復員者に対して給与を支給しておりますのは、ほとんど限られた大企業だけでございます。その他は未復員者給与法による給与しかやつていないのが実情であります。それをはるかに上まわるものを、国家公務員であるから出すということは、国民感情の面からいろいろ反発もあろうと思います。両方あわせて総合的に、今度のベース改訂の際はなお検討いたしたい、かように考えておる次第であります。
○受田委員 これはベース・アツプの際に今まで考えなかつたのではないでしようか。これだけは昔のままで格付という形で置いておけ、職階制ができた機会にこういうようなやつかいなものは、というように、つい軽い気持でやられたのではないかという印象を持つのですがね。その点について正示さんに伺いたい。
○正宗政府委員 重ねて御質問でございますが、われわれとしましては、決してさような軽い気持ということではないのでありますが、御承知のように、目前に軍人恩給の問題等も控えております。それに関連いたしまして、未復員者、特別未帰還者、これの問題は大問題だと思います。そこでいわゆる復員をしない公務員のベースをどうするかということでありますが、われわれとしてはむしろ従来もできるだけのことをいたして参つたのであります。今回一般公務員の二割ベース・アツプの場合に、従来と同じような考え方をもつてやるということになりますと、さらでだに、今申し上げたように、いろいろと問題があります一般の未帰還者あるいは特別未帰者との関連ということが、非常に重要である、こういうふうにむしろ考えております。もとよりそういうお気の毒な方々でありますから、われわれとして十分できるだけのことを考えなければならぬことは、受田委員とわれわれと見解をまつたく一にしておると思うのであります。願わくは、私どもは当面の重大な軍人恩給その他の問題を総合いたしまして適正な結論が出ますことをひたすら念願しておる。これだけを申し上げまして、ひとつ御了承願います。
○受田委員 この人たちに期末手当が出されておるのでしようか。それからこの人たちが復員して来た場合に、その待遇はどういうふうにしてやるか。おととしまでは例がたくさんあつたのですが、これをお伺いしたいと思います。
○岸本政府委員 未帰還職員の給与は現在の給与法の附則の二項でありましたか、三項でありましたかに、規定してありまして、未帰還職員の給与は従前の例によるということであります。従前の例によつてベース改訂をやつておりますが、それ以外の給与は、昔からも出ておりませんので、出ておりません。年末手当あるいは勤勉手当なども支給されない現状でございます。それから帰還した場合の処置についてでございますが、これは大体帰還後一箇月は公務員として採用いたしまして、その後身の振り方をどつちにつけるかということになつております。
○受田委員 これで私の質問は終ります。
○植木委員長代理 森さんの御質疑はあすにしていただきまして、本日はこの程度にとどめます。次会は明十二日午後一時より開会し、質疑を続行することといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十三分散会